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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113164
(43)【公開日】2024-08-21
(54)【発明の名称】ペットボトル減容装置
(51)【国際特許分類】
   B30B 9/32 20060101AFI20240814BHJP
【FI】
B30B9/32 101Z
B30B9/32 101A
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024094102
(22)【出願日】2024-06-11
(62)【分割の表示】P 2020108356の分割
【原出願日】2020-06-24
(71)【出願人】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】高花 正和
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 雅和
(57)【要約】
【課題】簡単な構成で、載置部と案内部との間の隙間に空容器の破片等が詰まることを防止する、容器減容装置を提供する。
【解決手段】容器減容装置は、載置部を有する容器投入部と、載置部とは物理的に分離して設けられ、空容器を減容する減容部と、載置部とは物理的に分離して設けられ、載置部から減容部へ至る経路を形成する案内部と、載置部と案内部との間に設けられた内扉とを備え、内扉は閉状態において少なくとも減容部側から見て載置部と案内部の間の隙間を遮蔽する。また、容器減容装置は、載置部の減容部側端部と案内部の載置部側端部との間に隙間が設けられており、内扉の先端(下端)は、閉状態で、案内部の載置部側端部の近傍に位置する。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
載置部を有する容器投入部と、
前記載置部とは物理的に分離して設けられ、空容器を減容する減容部と、
前記載置部とは物理的に分離して設けられ、前記載置部から前記減容部へ至る経路を形成する案内部と、
前記載置部と前記案内部との間に設けられた内扉とを備え、
前記内扉は、閉状態において、少なくとも前記減容部側から見て前記載置部と前記案内部の間の隙間を遮蔽する
ことを特徴とする容器減容装置。
【請求項2】
前記載置部の減容部側端部と、前記案内部の載置部側端部との間に隙間が設けられており、
前記内扉の先端は、閉状態で、前記案内部の載置部側端部の近傍に位置する
ことを特徴とする請求項1に記載の容器減容装置。
【請求項3】
前記内扉の先端は、閉状態で、前記案内部の載置部側端部よりも減容部側に位置することを特徴とする請求項2に記載の容器減容装置。
【請求項4】
前記案内部は、少なくとも前記載置部側の端部が前記載置部に対して離脱方向に移動可能に構成されている
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の容器減容装置。
【請求項5】
前記案内部は、板状に形成され、前記減容部側の端部が回転軸によって支持され、前記回転軸を中心として上下方向に回動可能に構成されている
ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の容器減容装置。
【請求項6】
前記載置部の減容部側端部と、前記案内部の載置部側端部との間の隙間に、異物が挟まっているか否かを判定する判定部を有し、
前記内扉は、
水平方向における前記減容部側の向きに回動することで閉状態から開状態へと移動可能であり、
前記閉状態で、前記容器投入部側に前記案内部を露出させないように構成され、
前記判定部により異物が挟まっていると判定された場合に、前記容器投入部側に、前記案内部の一部を露出させるように駆動部により回動する
ことを特徴とする請求項3から5のいずれかに記載の容器減容装置。
【請求項7】
前記載置部に載置された物品を計量する計量部を有し、
前記判定部は、前記計量部による計量結果に基づいて、前記隙間に、異物が挟まっているか否かを判定する
ことを特徴とする請求項6に記載の容器減容装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器減容装置に関する。
【背景技術】
【0002】
空容器を回収する空容器減容回収機が知られている(例えば、特許文献1参照)。この空容器減容回収機は、空容器を圧縮ローラに挟んで押し潰すことで減容し、収容する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-153019号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えば特許文献1に記載の空容器減容回収機において、投入された空容器が圧縮ローラへ至るまでの経路に、圧縮ローラにより押し潰された空容器の破片等の異物が詰まっている場合、投入された空容器が正常に圧縮ローラへ移動しない等の不具合が生じる虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の容器減容装置は、少なくとも以下の構成を具備するものである。
容器減容装置は、載置部を有する容器投入部と、
前記載置部とは物理的に分離して設けられ、空容器を減容する減容部と、
前記載置部とは物理的に分離して設けられ、前記載置部から前記減容部へ至る経路を形成する案内部と、
前記載置部と前記案内部との間に設けられた内扉とを備え、
前記内扉は、閉状態において、少なくとも前記減容部側から見て前記載置部と前記案内部の間の隙間を遮蔽することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の実施形態に係る容器減容装置としての空容器回収装置の全体概念図であり、(a)は空容器回収装置の正面図、(b)は空容器回収装置の側面図である。
図2】本発明の実施形態に係る容器減容装置としての容器回収装置の側面概念図である。
図3】容器減容装置としての空容器回収装置の容器投入部の概念図である。
図4】外扉が閉状態で内扉が閉状態の容器減容装置(空容器回収装置)の一例を示す斜視図である。
図5】外扉が閉状態で内扉が閉状態の容器減容装置(空容器回収装置)の一例を示す側面概念図である。
図6】外扉が開状態で内扉が閉状態の容器減容装置(空容器回収装置)の一例を示す斜視図である。
図7】外扉が開状態で内扉が閉状態の容器減容装置(空容器回収装置)の一例を示す側面概念図である。
図8】外扉が閉状態(不図示)で内扉が開状態の容器減容装置(空容器回収装置)の一例を示す図であり、(a)は側面概念図であり、(b)は背面側からの斜視図である。
図9】外扉が閉状態(不図示)で内扉が開状態の容器減容装置(空容器回収装置)の一例を示す背面側からの斜視図である。
図10】内扉に凸部を有する容器減容装置(空容器回収装置)の一例を示す図であり、(a)は内扉が閉状態の容器減容装置の側面概念図であり、(b)は内扉が開状態の容器減容装置の側面概念図である。
図11】容器減容装置(空容器回収装置)の載置部及び案内部等を説明するための概念図である。
図12】メンテナンスモード時の容器減容装置(空容器回収装置)の動作の一例を説明するための概念図である。
図13】容器減容装置(空容器回収装置)の電気的な機能ブロックの一例を示す図である。
図14】容器減容装置(空容器回収装置)の動作の一例を示すフローチャートである。
図15】容器減容装置のメンテナンスモード時の報知画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の実施形態に係る容器減容装置としての空容器回収装置は、載置部を有する容器投入部と、載置部とは物理的に分離して設けられ、空容器を減容する減容部と、載置部とは物理的に分離して設けられ、載置部から減容部へ至る経路を形成する案内部(ボトルガイド)と、載置部と案内部との間に設けられた内扉とを備え、内扉は、閉状態において、少なくとも減容部側から見て載置部と案内部の間の隙間を遮蔽する。
【0008】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。本発明の実施形態は図示の内容を含むが、これのみに限定されるものではない。尚、以後の各図の説明で、既に説明した部位と共通する部分は同一符号を付して重複説明を一部省略する。
なお、本発明の実施形態に係る容器減容装置として、例えば、空容器回収装置を説明する。
【0009】
図1は、本発明の実施形態に係る容器減容装置として、回収対象の空容器(PETボトル等)を回収する空容器回収装置100の一例を示す図である。
本実施形態の空容器回収装置100は、待機時、物品投入部(容器投入部)の外扉が閉状態であり、物品投入部と収容部の間に開閉自在に設けられた内扉が閉状態である。物品回収時に、物品投入部の外扉が開状態となり、制御部(判別部)により、物品投入部の載置部へ載置された物が回収対象物の物品(例えば、PETボトル等の樹脂製の空容器)であるか否かが判別される。回収対象物の物品(空容器)であると判別された場合、外扉が閉状態となり、物品投入部と収容部の間に設けられた内扉が開状態となり、収容部により容器が回収される。本実施形態では、空容器回収装置が減容機構を備え、減容機構により容器を減容することで、規定容量の収容部にて多量の減容された空容器を回収可能である。
【0010】
なお、物品としては、PETボトル、缶、ビンに限定されず、例えば、牛乳パック、トレー、インクカートリッジ、図書館やレンタル店への返却物(本やDVDなど)、クリーニング品、電池、電球など、回収の対象となる物品であればよい。つまり、空容器回収装置は容器減容装置や物品を回収する物品回収装置の一実施例である。
【0011】
詳細には、図1図2に示したように、本発明の実施形態に係る容器減容装置としての空容器回収装置100は、装置本体部100Bの上部に容器投入部110が設けられており、容器投入部110の開口部の外側には外扉111が設けられている。装置本体部100Bは、外扉111よりも上部付近の正面側に、表示操作部3、送受信部4(通信部)が設けられている。また、装置本体部100Bの正面側には、荷物フック100fが設けられている。
【0012】
また、容器投入部110の下方には、容器収容部140に連通する通路が設けられており、容器投入部110の載置部116から容器収容部140への通路71に内扉112が設けられている。
【0013】
本実施形態では、空容器回収装置100は、内扉112と、容器収容部140の間に減容部120(減容機構)が設けられている。減容部120は、内扉112が開状態の場合、容器投入部110からの空容器Aを押し潰して減容し、減容された容器RAを、下方の容器収容部140に出力する。
また、空容器回収装置100の装置本体部100Bは、容器収容部140を載置した引出し100Cを有し、正面側には引出用取手100eや、鍵孔100rが設けられており、鍵を鍵孔100rに差込み施解錠可能に構成されている。
【0014】
また、装置本体部100Bの正面側、詳細には、引出し100Cの正面側には、透光部100A(透光窓)が設けられており、外部から容器収容部140に収容されている空容器を視認可能に構成されている。
【0015】
また、装置本体部100Bの側面部には、搬送時に用いられる移動用取手100gが設けられている。
【0016】
また、装置本体部100Bは、正面側にキャップ投入部108を備え、キャップ投入部108から装置本体部内で下方に向かってキャップ用通路72が設けられ、キャップ投入部108に投入されたキャップがキャップ用通路72を介してキャップ収容部145に収容されるように構成されている。
尚、キャップ用通路72は、キャップと、キャップよりも小さなものを仕分けする機構を有してもよい。具体的には、キャップ用通路72が分岐されて、分岐部に網の目状の部材にて、飲み残し吸い殻、雨水等は別経路で排出、蓄積し、キャップのみキャップ収容部145へ収まるようにしてもよい。
【0017】
図2に示すように、減容部120は、略板形状の2つの支持部材(不図示)により、一対の回転軸811、911が回転自在に軸支された構造となっている。
【0018】
また、減容部120の上部には、送り機構50が設けられており、送り機構50の回転軸51が上記略板形状の支持部材により回転自在に軸支されている。送り機構50は、回転軸51に、パドルとして複数の羽根部52(金属製または樹脂製等)を有する。送り機構50は、回転軸51が回転することにより、羽根部52が回転軸51を回転中心として回転し、空容器Aを減容部120へ案内する。
【0019】
また、減容部120の上部には、傾斜した板形状の規制部材60、規制部材61、及び規制部材61に対して逆勾配の規制部材62が、空容器Aを減容部120の中心へ導くように設けられており、空容器Aをそれ以外の箇所へ移動することを規制する。
この案内部としての規制部材60,61は、容器投入部に設けられた載置部とは物理的に分離して設けられており、載置部116から減容部120へ至る経路を形成している。
【0020】
回転軸811、911、51はそれぞれ所定の間隔をあけて互いに平行に配置されている。一対の回転軸811、911それぞれにおいて、軸方向の両側面に刃面を備えた圧縮ローラ81、91と、当該圧縮ローラ81、91よりも小さい径で当該圧縮ローラ81、91の厚みよりも僅かに厚いスペーサ(不図示)とが軸方向に沿って交互に並設されている。
一方の回転軸に設けられた圧縮ローラの外周部が、他方の回転軸に設けられた圧縮ローラの間に配置されており、当該他方の回転軸に設けられた当該圧縮ローラの間に設けられたスペーサに対して所定の距離だけ離れた位置に配置されている。
【0021】
回転軸811の一方の端部には歯車(不図示)が設けられており、回転軸911の一方の端部に設けられた歯車(不図示)と噛合するように構成されている。この回転軸811、911、51は、駆動モータ(不図示)により回転駆動される。駆動時、回転軸811、回転軸911が互いに逆方向に回転し、中央部に投入された空容器Aが圧縮ローラ81、91により圧縮されて、減容された空容器が下方へ出力される。
【0022】
剥離部32(剥離手段30)は、減容部120の圧縮ローラ81、91により減容された容器を、圧縮ローラ81、91から剥がすように構成されている。
【0023】
また、空容器回収装置100は、減容部120の上方に、飛散防止部78を有していてもよい。飛散防止部78は、容器減容装置(空容器回収装置100)のメンテナンス用の扉の機能を有する。詳細には、飛散防止部78は、空容器回収装置の内部に設けられた固定部材に蝶番78a(ヒンジ)を介して、開口部を開閉自在に軸支されている。
操作者は、空容器回収装置100の上部の外装カバー100Kを開けた状態で、飛散防止部78の把持部78d(取っ手)を把持して、飛散防止部78を開状態とする。なお、外装カバー100Kは扉開閉式であってもよいし、それ以外のカバー部材であってもよい。
【0024】
図3は容器減容装置としての空容器回収装置の容器投入部110の概念図である。
図4図5は外扉111が閉状態で内扉112が閉状態の空容器回収装置の一例を示す図である。図6図7は、外扉111が開状態で内扉112が閉状態の空容器回収装置100の一例を示す図である。図8図9は、外扉111が閉状態で内扉112が開状態の空容器回収装置の一例を示す概念図である。なお、図8図9では、外扉を図示していない。
【0025】
図3図4図5に示すように、空容器回収装置100の容器投入部110は、載置部116、外扉111、内扉112、台座118、計量部7、外扉用支持部S111、内扉用支持部S112、外扉駆動部5、内扉駆動部6、第1の制限部K111、第2の制限部K112などを有する。
【0026】
載置部116は、回収対象物などを載置可能に構成されている。載置部116には、受光部や発光部などの光センサ9や金属センサなどが設けられている。また、載置部116の下部には計量部7が設けられている。計量部7は、載置部116に載置された物品(空容器等)の質量(重量)を計量する。
【0027】
また、本実施形態では、載置部116は、その載置面が水平ではなく、物品の投入口側(外扉111が開状態のときの開口側)よりも容器収容部140側が低くなるように傾斜をつけて設けられている。すなわち、載置部116は、投入された物品が自重により容器収容部140側(又は減容部120側)へ落ちることを促すように構成されている。これにより、物品(投入物)を容器収容部140へ送るための搬送機構を設ける必要がなく、小型の容器減容装置を提供することができる。
また、載置部116は、載置面の表面に表面処理が施され凹凸部が形成されており、投入された物品が載置部に貼りつくことを防止する構造を有する。容器減容装置が空容器回収装置である場合、容器が濡れていたとしても、容器表面と載置部の凹凸形状の表面との接触面積が比較的小さいので濡れによる表面張力が小さくなり、容器が容器収容部140側へ容易に移動する。すなわち、濡れている容器が容器収容部側へ落ちないといった不具合を防ぐことができる。
【0028】
外扉111は、載置部116の外側に設けられている。外扉駆動部5は、外扉111を開閉自在に駆動する。
内扉112は、載置部116と減容部120との間の通路71に設けられている。内扉駆動部6は、内扉112を開閉自在に駆動する。この内扉112には、図6に示すように、空容器の載置状態を案内する載置案内部112Dが設けられている。載置案内部112Dは、露出され装置本体部から視認可能な位置に設けられている。載置案内部112Dは、物品(PETボトルなどの空容器等)を規定の向き、規定の位置(例えば、350ml、500ml、2000mlなど)に載置するように情報として案内表示されている。この載置案内部112Dは、内扉112の表面に設けられた凹部、凸部、ステッカー、LED表示部、LCDなどであってもよい。
また、容器減容装置は、撮像部などの検出センサにより、載置案内部112Dにより示された載置位置に、正しく物品が載置されているかを判定するための判定手段を備えていてもよい。また、撮像処理や光学センサなどの検知部により、載置向き及び位置が正しくない場合は、報知などを行うこともできる。
【0029】
本実施形態では、空容器回収装置100は、台座118を有し、この台座118は外扉111、及び外扉駆動部5を支持する外扉用支持部S118、S111を有する。詳細には、2つの外扉用支持部S118の上端部には外扉駆動部5、回転軸C111が設けられ、回転軸C111に扇形状の外扉用支持部S111が回動自在に設けられ、扇形状の外扉用支持部S111により外扉111が支持されている。2つの回転軸C111のうち一方の回転軸C111は、外扉駆動部5のモータの回転軸に接続されている。
扇形状の外扉用支持部S111には、内扉112の回転軸C112が貫通する孔部S111hが設けられている。
【0030】
計量部7は、台座118と載置部116の間に配置され、載置部116を支持する。
【0031】
また、内扉112は、開状態で、載置部116に載置された空容器を減容部120へ案内するように構成されている。また、本実施形態では、計量部7上に配置され、計量部7と載置部116の間から延出した構造の内扉用支持部S112により、内扉駆動部6や内扉112が支持されている。内扉駆動部6には、内扉112の回転軸C112が設けられ、その回転軸C112に内扉112が設けられている。内扉112を開状態とすることで、回収対象物を装置本体部内の容器収容部140へ案内することができる。また、内扉用支持部S112は、回転軸C111が貫通される孔部S112hを有する。
【0032】
すなわち、台座118の外扉用支持部S111により外扉駆動部5や外扉111が支持され、台座118上に配置された計量部7の上部に載置部116が設けられているので、計量部7により、載置部116に載置された回収対象物などの質量を高精度に計量することができる。詳細には、計量部7上には、外扉111や外扉駆動部5を支持していない構造であるので、計量部7は、外扉111や外扉駆動部5の振動等の影響を受けにくい構造となっており、載置部116上の回収対象物の質量を高精度に計量することができる。
【0033】
また、本発明の実施形態に係る容器減容装置としての空容器回収装置100の外扉111は、載置部116を露出する開位置と、載置部116を覆う閉位置との間を移動可能に構成されており、外扉111が閉じる場合、外扉111が開位置から、載置部116に向かって閉位置へ移動可能に構成されている。すなわち、外扉111が開状態から、載置部116へ向かって動き閉じるように構成されているので、例えば、ユーザの手や腕などが、外扉111と載置部116の間に挟まれたとき、計量部による計量値が変動し、制御部がその変動を検出することで、ユーザの手や腕、異物などが、外扉111と載置部116の間に挟まれたことを容易に検知することができる。
【0034】
また、本発明の実施形態に係る容器減容装置としての空容器回収装置100において、外扉111は、内扉112の移動を制限する第1の制限部K111を備える。内扉112は、外扉111の移動を制限する第2の制限部K112を備える。第1の制限部K111と、第2の制限部K112により、外扉111及び内扉112の両方が開状態となることを制限する機構を有する。
すなわち、空容器回収装置100は、外扉111に設けられた第1の制限部K111と、内扉112に設けられた第2の制限部K112を有するので、機械的に簡単な構造で、外扉111と内扉112それぞれの開閉状態に応じて、各扉の開閉動作を制限することができる。
【0035】
また、容器減容装置としての空容器回収装置100の第1の制限部K111は、外扉111の移動に応動するように構成されている。第2の制限部K112は、内扉112の移動に応動するように構成されている。また、空容器回収装置100は、外扉111が開状態の場合、第1の制限部K111が内扉112の移動を制限するように構成されており、内扉112が開状態の場合、第2の制限部K112が外扉111の移動を制限するように構成されている。
詳細には、本実施形態では、空容器回収装置100は、外扉111が開状態の場合、内扉112が閉状態のまま、開状態となることを制限するように構成されている。すなわち、外扉111が開口状態で、投入された物が載置部116に載置された時には、内扉112は閉状態であり、開状態とはならず、載置部116に載置された物が、回収対象物、又は非回収対象物であるに関わらず、装置本体部100B内の容器収容部140にそれを収容しないように構成されている。すなわち、この状態では、内扉112に物品(回収対象物、又は非回収物)が当接した状態であり、内扉112は載置部の一部を兼ねる構造となっている。
【0036】
また、この第1の制限部K111と第2の制限部K112は、移動経路が重なるように構成されている。また、本実施形態では、空容器回収装置100は、第1の制限部K111と第2の制限部K112のうち一方が、他方の移動を制限する場合、第1の制限部K111と第2の制限部K112が弧形状に僅かに間隔をあけて隣接する構造となっている。詳細には、本実施形態では、第1の制限部K111は略扇形状に形成されている。第1の制限部K111は凸状弧形状部K111aと、凹形状部K111bを有する。また、第2の制限部K112は略扇形状に形成されている。詳細には、第2の制限部K112は、凸状弧形状部K112aと、凹形状部K112bを有する。
【0037】
図5に示すように、外扉111が閉状態で内扉112が閉状態の場合、空容器回収装置100は、載置部116の縁部116aと、内扉112の端面とを非接着状態に維持可能な手段を有する。詳細には、例えば、空容器回収装置100は、載置部116の縁部116aと、内扉112の端面とを所定間隔Lsをあけて維持可能な規制手段(規制部40)を有する。この所定間隔Lsとは、例えば、指が入らない程度の間隔であることが好ましい。
本実施形態では、規制手段(規制部40)は、載置部116における内扉112側の縁部116aに凸部41(40)、及び/又は載置部116の側壁部116W(側面カバー)における内扉側の部分116Waに凸部42(40)を有する。
すなわち、内扉112が閉状態の場合であっても、載置部116の縁部116aと内扉112の端面112aとを所定間隔Lsをあけて維持することができ、残留液体を、載置部116と内扉112の隙間から排出することができる。
なお、凸部42(40)は内扉112側に設けられていてもよい。
また、載置部116の縁部116aと、内扉112の端面とを非接着状態に維持可能な手段としては、例えば、以下の構成を挙げることができる。例えば、内扉112と載置部116が接する面の表面は、液体が付着し難い撥水性を有していてもよし、また、上記凸部42(40)の表面が撥水性を有していてもよい。また、凸部42(40)の代わりに、内扉112と載置部116が接する面の表面は、液体が付着し難い撥水性を有していてもよい。凸部42(40)の代わりに上記表面が撥水性を有する場合、この撥水性を有する表面が規制手段である。上記表面の撥水性は、例えば、ロータス効果を有する微細な凹凸構造の表面を形成することで得られてもよいし、フッ素樹脂、シリコン樹脂、又はシリコンオイル等の撥水性材料を表面に塗布し、撥水性膜を形成することで得られてもよい。
【0038】
図6図7に示したように、外扉111が開状態で内扉112が閉状態で、第1の制限部K111が、第2の制限部K112の移動を制限する場合、第1の制限部K111の凸状弧形状部K111aと第2の制限部K112の凹形状部K112bが弧形状に僅かに間隔をあけて隣接する構造となっている。
すなわち、本発明の実施形態では、上述したように、外扉111が開状態の場合、内扉112が閉状態で、第1の制限部K111により、第2の制限部K112の移動が制限されるので、内扉112が閉状態のまま維持され、開状態にはならない。
【0039】
図8(a)、図8(b)に示したように、本実施形態では、規制手段(規制部40)は、載置部116における内扉112側の縁部116aの一部分に、内扉側に突出した形状の凸部41(40)を有し、及び/又は載置部116の側壁部116W(側面カバー)における内扉側の部分116Waの一部分に、内扉側に突出した形状の凸部42(40)を有する。なお、規制手段は、凸部41、凸部42のうち、いずれか一方だけ有してもよいし、複数個有していてもよい。
すなわち、規制部40が設けられているので、載置部116の縁部116aと内扉112の端面112aとを所定間隔Lsをあけて維持した内扉閉状態から、内扉112を容易に開状態とすることができる。
【0040】
すなわち、本発明の実施形態の容器減容装置としての空容器回収装置は、外扉111が閉状態で、内扉112が開状態の場合、第2の制限部K112により、第1の制限部K111の移動が制限されるので、外扉111が閉状態のまま維持され、開状態にはならない構造となっている。
【0041】
また、本実施形態では、空容器回収装置100は、第1の制限部K111と第2の制限部K112の一方又は両方の移動を禁止する禁止手段を有してもよい。詳細には、禁止手段は、例えば、ソレノイドを有する。このソレノイドは、例えば、コイル内に金属製の可動ピン(プランジャ)が配置され、コイルに対して非通電時には、付勢部によりコイル端部から可動ピン(プランジャ)が突出した位置に配置された構造であり、コイルに対して通電時に可動ピンがコイル内へ移動するように構成されている。
例えば、外扉111の閉状態から開状態への移動を禁止可能な禁止手段として、外扉用のソレノイドの可動ピン(プランジャ)が、第1の制限部K111に設けられた孔部に係合可能に構成されていてもよく、第1の制限部K111の閉状態を維持し、開状態への動きを禁止する場合には、その孔部に可動ピンを係合し、動きを禁止しない場合には、可動ピンを非係合状態とするように、制御部により制御が行われる構成となっている。すなわち、禁止手段は、簡単な構造で、第1の制限部K111の閉状態から開状態への動きを禁止することができる。
また、内扉112の閉状態から開状態への移動を禁止可能な禁止手段として、内扉用のソレノイドの可動ピン(プランジャ)が、第2の制限部K112に設けられた孔部に係合可能に構成されていてもよく、第2の制限部K112の閉状態を維持し、開状態への動きを禁止する場合には、その孔部に可動ピンを係合し、動きを禁止しない場合には、可動ピンを非係合状態とするように、制御部により制御が行われる構成となっている。すなわち、禁止手段は、簡単な構造で、第2の制限部K112の閉状態から開状態への動きを禁止することができる。
【0042】
図10は本発明の一実施形態に係る、内扉に凸部を有する容器減容装置(空容器回収装置)の一例を示す図である。詳細には、図10(a)は内扉が閉状態の容器減容装置の側面概念図であり、図10(b)は内扉が開状態の容器減容装置の側面概念図である。
【0043】
図10(a)に示すように、外扉111が閉状態(不図示)で内扉112が閉状態の場合、空容器回収装置100は、載置部116の縁部116aと、内扉112の端面とを所定間隔Lsをあけて維持可能な規制手段(規制部40)を有する。
図10(a)、図10(b)に示すように、本実施形態では、規制手段(規制部40)は、内扉112の端面112aにおける載置部116の縁部116aに当接する部分に凸部43(40)を有し、及び/又は内扉112の端面112aにおける載置部116の側壁部116W(側壁カバー)に当接する部分116Waに、凸部44(40)を有していてもよい。内扉112が閉状態の場合であっても、載置部116の縁部116aと内扉112の端面112aとを所定間隔Lsをあけて維持することができ、残留液体を、載置部116と内扉112の隙間から排出することができる。
【0044】
図11は容器減容装置としての空容器回収装置の載置部、案内部、内扉等の構成の一例を示す図である。図12はメンテナンス時、内扉が半開状態で案内部の端部が移動可能であることを説明するための図である。
【0045】
また、空容器回収装置は、図11に示すように、容器投入部110は載置部116を有する。
空容器を減容する減容部120は、載置部116よりも下方に位置し、載置部116とは物理的に分離して設けられている。
案内部(規制部材60,61又はボトルガイドともいう)は、載置部116とは物理的に分離して設けられ、載置部116から減容部120へ至る経路を形成している。詳細には、載置部116と案内部(規制部材60)の間には隙間65が形成されている。
内扉112(シャッター)は、載置部116と案内部(規制部材60,61)との間に設けられており、回転軸C112を回転中心として回動可能に構成されている。
また、内扉112の先端112c(下端)は、内扉112が閉状態で、案内部(規制部材60)の載置部側端部60cの近傍に位置するように構成されており、載置部116と案内部(規制部材60)の間の隙間65を遮蔽するように構成されている。
【0046】
詳細には、図11に示す例では、内扉112が閉状態で、内扉112の先端112c(下端)が、案内部(規制部材60)の載置部側端部60cよりも減容部側に位置する。具体的には、空容器回収装置は、内扉112が閉状態で、上下方向において内扉112の先端112c(下端)の少なくとも一部が載置部側端部60cと重なるように構成されている。
なお、内扉112は、上述した実施形態に限られるものではなく、少なくとも減容部120側から見て隙間65を内扉112が遮蔽するように構成されていればよく、減容時に減容部120から弾け飛ぶ破片等の異物が隙間65に詰まる(挟まる)ことを防止することができる。
【0047】
本実施形態では、内扉112の先端112c(下端)は、減容部120側へ延出するように屈曲した形状に形成されている。この屈曲した部分の長さは、隙間65の長さと同じ又は僅かに大きくなるように規定されている。
なお、上述した実施形態では、内扉112の先端112c(下端)がL字形状に形成されていたが、この実施形態に限られるものではなく、例えば内扉112が、減容部120からの破片等の異物が隙間65に詰まる(挟まる)ことを防げる程度の厚さとなるように形成されていてもよい。
【0048】
また、載置部116の減容部側端部116cには、例えば載置部116の載置面よりも所定の高さだけ低い位置から、規制部材60側へ突出した突出部が形成されている。この突出部は、例えば、規制部材60と同等の角度で傾斜しており、規制部材60の載置部側端部60cに対向する。
内扉112が閉状態で、内扉112の先端112c(下端)の屈曲部分が、載置部116の載置面と、減容部側端部116cの間に位置するように、内扉112が構成されている。図11に示すように、内扉112が閉状態で、内扉112の先端112c(下端)の屈曲部分は、載置部116の載置面よりも下方且つ隙間65の上方に位置し、案内部の載置部側端部60c及び載置部116の減容部側端部116cと接触せずに隙間65を遮蔽する。この場合、減容部120側からも、載置部116の載置面側からも、隙間65への異物の侵入は発生し難い。
【0049】
案内部(規制部材60)は、板状に形成され、減容部側の端部60b又はその付近が回転軸60dによって支持され、その回転軸60dを中心として、規制部材60の容器投入部側の端部60c(載置部側端部60cともいう)が上下方向に回動可能に構成されている。規制部材61は規制部材60よりも減容部側に配置されている。
また、規制部材60の端部60cが下位置から、上位置である初期位置(図11に示した位置)に回動するように規制部材60を付勢するバネなどの付勢手段(不図示)を有する。
【0050】
例えば隙間65に異物等が挟まり、その異物を除去するメンテナンスを行う場合、図12に示すように、内扉112を半開状態とする。載置部116側から視たとき、案内部(規制部材60)の端部60c(先端)及び隙間65が露出した状態となる。
例えば、操作者が載置部116側から手や清掃用具等で、隙間65に挟まった異物を取り除く。また、案内部(規制部材60)の端部60c(先端)を上下動させることで、異物を隙間65から取り出してもよい。また、異物を、案内部(規制部材60)の下方に設けられた通路67を通って容器収容部140へ移動させてもよい。
【0051】
次に、図13を参照しながら、本発明の実施形態に係る容器減容装置としての空容器回収装置100の電気的構成の一例を説明する。
空容器回収装置100は、制御部1(CPU)、記憶部2、表示操作部3、送受信部4、外扉駆動部5、内扉駆動部6、計量部7、金属センサ8、光センサ9、扉位置センサ10、扉ロック部11、減容駆動部15等を有する。各構成要素は、信号線等により電気的に接続されている。
【0052】
制御部1(CPU)は、容器減容装置(空容器回収装置100)の各構成要素を統括的に制御する。制御部1は、例えば、制御用プログラムを実行することにより、本発明に係る容器減容装置の機能をコンピュータに実現する。
制御部1は、判定部101等を有する。判定部101は、例えば、計量部7による計量結果に基づいて、隙間65に異物が挟まって(詰まって)いるか否かを判断する。
【0053】
記憶部2は、RAMやROMなどの記憶装置である。記憶部2は、制御用プログラムなどを記憶する。また、記憶部2は、回収対象物の空容器の特徴を記憶している。空容器の特徴とは、例えば、容器質量の範囲、樹脂材料であるか否かを判別する。
【0054】
表示操作部3は、制御部1の制御により所定の表示を行う。また、表示操作部3は、ユーザ等の操作に応じた信号を制御部1へ出力する。表示操作部3は、例えば、タッチパネル式表示装置などである。
【0055】
送受信部4は、非接触式ICカードやICタグ等に対して通信を行う送受信装置であり、制御部1の制御により、所定の通信を行う。また、送受信部4は、制御部1の制御により、無線式通信路または有線式通信路を介して他の端末装置(コンピュータ)と所定の通信を行う。
【0056】
外扉駆動部5は、外扉111を開閉させるためのモータ等であり、制御部1からの制御により、駆動制御される。
【0057】
内扉駆動部6は、内扉112を開閉させるためのモータ等であり、制御部1からの制御により、内扉を開状態、又は閉状態に駆動制御される。
【0058】
計量部7は、容器投入部110の載置部116に載置された空容器、又は非回収対象物の質量を計量する。計量部7はロードセルなどの計量装置である。
また、計量部7は、容器投入部110の載置部116に載置された容器内の飲み残し等を検出することで、回収可否を判断するセンサとして利用される。また、計量部7は、回収可と判断した容器の重量値を積算することで、容器収容部140に収容されている総重量を特定することも可能に構成されている。この機能により、容器収容部140に計量部を設ける必要がなく、大きな容量の容器収容部140を確保することができ、かつ計量部7自体を小さくすることができる。計量する対象が比較的小さいため、大きな計量部7を設ける必要がない。
【0059】
金属センサ8は、容器投入部110の載置部116に載置された物が金属であるか非金属であるかを検出する。本実施形態では、制御部1は、金属センサ8により載置部116に載置された物が金属であると検出された場合、載置部116に載置された物が非回収対象物であると判別する。
【0060】
また、光センサ9は、容器投入部110に設けられた発光部からの光を受光する受光部を有する。光センサ9は、例えば、偏光板を備え、その偏光板を介して受光するよう構成されており、PETボトルなどの透光性の空容器を透過した偏光した光を検出することにより回収対象の空容器を検出可能に構成されている。
制御部1は、容器投入部の載置部に載置された透光性の空容器を透過して受光した光を、光センサ9で検出し、その光センサ9からの検出信号に基づいて、回収対象の空容器であるか否かを判別する。
【0061】
尚、容器減容装置は、載置部周辺に回収要否を判定するための上記センサ類が設けられている。例えば、従来の回収装置では、装置内に物品を取り込み、回収対象であるか否かを判定し、投入口とは異なる排出口から非回収対象物を装置外部へ移動させており、装置内に判定部が備えられているため、排出口を設ける必要がある。
一方、本発明の実施形態に係る容器減容装置は、装置の投入口にあたる載置部に回収要否を判定するセンサ類が設けられているため、装置内に回収対象物を取り込む必要がない構成となっている。よって、排出口を設ける必要がなく、小型の容器減容装置を提供することができる。
【0062】
扉位置センサ10は、外扉111の位置や内扉112の位置を検出し、外扉111の位置や内扉112の位置に関する信号を制御部1に出力する。制御部1は、その信号に基づいて外扉111、内扉112の開閉状態を制御する。
【0063】
扉ロック部11は、例えば、ソレノイドなどのロック装置を有し、制御部1からの制御により、必要に応じて外扉111や内扉112の移動をロックする。
【0064】
減容駆動部15は、減容部120の一対のローラを回転駆動するモータであり、制御部1の指令により制御される。
【0065】
次に、図14等を参照しながら、容器減容装置としての空容器回収装置の動作の一例を説明する。
【0066】
ステップST1において、制御部1は、隙間65に異物が詰まって(挟まって)いるか否かを判別する。
詳細には、制御部1は、例えば計量部7により異常値が出力されている場合に、隙間65に異物が詰まって(挟まって)いると判別する。
制御部1は、隙間65に異物が詰まって(挟まって)いると判別した場合に、ステップST3の処理に進み、それ以外の場合に、ステップST2の処理に進む。
【0067】
ステップST2において、制御部1は、通常の減容処理を行う。
詳細には、初期状態では、外扉111が閉状態、内扉112が閉状態となっている。
空容器の投入開始を示すボタン等が操作された場合、制御部1は、外扉を開状態とする。容器投入部から投入された空容器が載置部に載置され、計量部により載置部に載置された空容器の質量が計量される。光センサや金属センサ、計量部などからの信号に基づいて、回収対象の空容器であると制御部1が判別した場合に、内扉112を開状態とする。
空容器が、載置部から案内部(規制部材60,61)を通って減容部120に移動し、減容部120により、空容器が減容され、減容部120の下方に配置された容器収容部140に収容される。
【0068】
ステップST3において、制御部1は、隙間65に異物が詰まって(挟まって)いる場合、その旨を報知する処理を行う。
詳細には、ステップST4において、制御部1は、メンテナンスを促す画面を表示部に表示する処理を行い(図15を参照)。そして、メンテナンスモードに移行する(ステップST5)。
図15に示す例では、タッチパネル等の表示操作部3により、「シャッター(内扉112)の隙間を少し広げて破片ゴミを取り除いてください」等の画像が表示されている。また、表示操作部3には、メンテナンスの完了時に操作される完了ボタン301が操作可能に表示されている。
【0069】
ステップST6において、制御部1は、内扉112(シャッター)を半開状態とする制御を行う。
図12に示すように、内扉112(シャッター)が半開状態の場合、容器投入部側から隙間65や案内部としての規制部材60の端部60cが露出した状態となる。
【0070】
ステップST7において、清掃が行われる。詳細には、内扉112(シャッター)が半開状態となっており、隙間65に詰まって(挟まって)いる空容器の破片等の異物を取り除く。
また、例えば、操作者(ユーザ等)が、規制部材60の先端部を下方に押圧して下方に移動させ、隙間の間隔を大きくすることで、破片等の異物を取り除く。
また、押圧を中止すると、バネ等の付勢手段の付勢により、規制部材60の先端部が初期の位置(押圧前の位置)に移動する。
また、上述した押圧及び非押圧を複数回繰り返すことで、破片等の異物を取り除いてもよい。
なお、上述した清掃は、操作者が手動にて行ったが、容器減容装置に規制部材60の端部60c(載置部側端部)を上下動させるモータ等の駆動部を設け、駆動部の規制部材60に対する駆動により、破片等の異物を取り除いてもよい。
【0071】
ステップST8において、メンテナンスモードを終了する。詳細には、例えば図15に示したように、完了ボタン301(図15に示す例ではタッチパネル等の表示操作部3)が操作された場合に、メンテナンスモードを終了し、制御部1は内扉112を閉状態とするように駆動する(ステップST9)。
【0072】
なお、異物が隙間65に詰まった場合の制御部1の処理は、上述した実施形態に限られるものではない。
例えば、異物が隙間65に詰まって(挟まって)いることを検出した場合、制御部1は、まず、自動的に内扉駆動部6により内扉112(シャッター)を数回動かして(開閉させて)異物を排除する「自動排除動作」を行ってもよい。この際、容器減容装置が規制部材60の端部60c(載置部側端部)を上下動させる駆動部を備えていれば、この駆動部により規制部材60の端部60c(載置部側端部)を上下動させることも「自動排除動作」に含めて行ってもよい。そして「自動排除動作」の後、それでも詰まりが解消されない場合、制御部1は、図14のフローチャートのステップST3~ST4に示すように報知して手動での清掃を促してもよい。
【0073】
<実施形態の総括>
[技術分野]
本発明は、容器減容装置に関する。
[背景技術]
空容器を回収する空容器減容回収機が知られている(例えば、特許文献1参照)。この空容器減容回収機は、空容器を圧縮ローラに挟んで押し潰すことで減容し、収容する。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2005-153019号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、例えば特許文献1に記載の空容器減容回収機において、投入された空容器が圧縮ローラへ至るまでの経路に、圧縮ローラにより押し潰された空容器の破片等の異物が詰まっている場合、投入された空容器が正常に圧縮ローラへ移動しない等の不具合が生じる虞がある。
[課題を解決するための手段]
(1)以上説明したように、本実施形態の一態様は、載置部116を有する容器投入部110と、載置部116とは物理的に分離して設けられ、空容器を減容する減容部120と、載置部116とは物理的に分離して設けられ、載置部116から減容部120へ至る経路を形成する案内部(規制部材60又はボトルガイド)と、載置部116と案内部(規制部材60)との間に設けられた内扉112(シャッター)とを備え、内扉112は、閉状態において、少なくとも減容部側から見て載置部116と案内部(規制部材60)の間の隙間65を遮蔽するように構成されている容器減容装置としての空容器回収装置100である。
【0074】
すなわち、上記構成によれば、内扉112が閉状態では、内扉112により載置部116と案内部(規制部材60)の間の隙間65を遮蔽するように構成されているので、例えば減容部120による空容器の減容時に、弾け飛ぶ破片等の異物が隙間65に詰まることを防ぐことができる、容器減容装置を提供することができる。
また、上述した隙間65に異物が詰まらないように構成されているので、内扉の開閉動作の異物が隙間に詰まることによる不具合を防ぐ、容器減容装置を提供することができる。
また、上述した隙間65に異物が詰まらないように構成されているので、空容器が載置部116から案内部(規制部材60,61)へ支障なく移動する、容器減容装置を提供することができる。
【0075】
(2)本実施形態の一態様は、(1)に記載の容器減容装置としての空容器回収装置100であって、載置部116の減容部側端部116cと、案内部(規制部材60)の載置部側端部60cとの間に隙間65が設けられており、内扉112の先端112c(下端)は、閉状態で、案内部(規制部材60)の載置部側端部60cの近傍に位置するように構成されている。
【0076】
すなわち、上記構成によれば、内扉112が閉状態のとき、内扉112の先端112c(下端)により、上述した隙間65を、減容部側から遮蔽することができる、容器減容装置(空容器回収装置100)を提供することができる。
【0077】
(3)本実施形態の一態様は、(2)に記載の容器減容装置であって、前記内扉112の先端112c(下端)は、閉状態で、前記案内部(規制部材60)の載置部側端部60cよりも減容部側に位置する。
【0078】
すなわち、上記構成によれば、内扉112により、隙間65への減容部120からの破片等の異物の詰まりを防ぐことが可能な容器減容装置(空容器回収装置100)を提供することができる。
【0079】
(4)本実施形態の一態様は、(1)から(3)のいずれかに記載の容器減容装置としての空容器回収装置100であって、案内部(規制部材60)は、少なくとも載置部側の端部60cが、載置部116に対して離脱方向に移動可能に構成されている。
【0080】
上記構成によれば、隙間65に異物等が詰まったとしても、規制部材60の端部60cが離脱方向に移動することで、隙間65の間隔が大きくなり、隙間65に詰まっていた異物を容易に取り除くことが可能な容器減容装置を提供することができる。
なお、隙間65に破片等の異物が詰まったことを検知した場合に、規制部材60の可動部分が離脱方向に移動する、又は離脱方向と逆方向に交互に移動することで、隙間65の異物を容易に取り除くことが可能な容器減容装置を提供することができる。
また、本実施形態では、容器減容装置は、規制部材60の端部60cが離脱方向に移動した場合に、異物を容器収容部(収容部)等へ移動可能な通路67を、隙間65の下方に有する。
すなわち、簡単な構成で、隙間65から取り除かれた異物が自重により、通路67を通って容器収容部140へ移動することが可能な容器減容装置(空容器回収装置100)を提供することができる。
【0081】
(5)本実施形態の一態様は、(1)から(4)のいずれかに記載の容器減容装置としての空容器回収装置100であって、前記案内部(規制部材60)は、板状に形成され、減容部側の端部60b又はその付近が回転軸60dによって支持され、その回転軸60dを中心として、規制部材60の載置部側の端部60cが上下方向に回動可能に構成されている。この回転軸60dは、規制部材61の載置部側の端部に設けられている。規制部材61は規制部材60よりも減容部側に配置されている。
本実施形態では、容器減容装置は、規制部材60の端部60cが下位置から、上位置である初期位置(図11に示した位置)に回動するように規制部材60を付勢するバネなどの付勢手段(不図示)を有する。この付勢手段は、例えば回転軸60d又はその近傍に設けられていている。
【0082】
上記構成によれば、規制部材60の端部60cが、回転軸60dを回動中心として回動可能に構成されているので、隙間65に詰まった異物等を容易に取り除くことができる。
【0083】
なお、上述した実施形態では、案内部(規制部材60)は回転軸60dを回動中心として回動するように構成されていたが、この実施形態に限られるものではなく、例えば、回転軸60dは無くともよく、案内部(規制部材60)としての板金等の部材の減容部側端部60bが装置本体部に固定され、当該部材の弾性により載置部側端部60cが上下方向に移動可能に構成されていてもよい。
【0084】
(6)本実施形態の一態様は、(3)から(5)のいずれかに記載の容器減容装置としての空容器回収装置100であって、載置部116の減容部側端部116cと、前記案内部(規制部材60)の載置部側端部60cとの間の隙間65に、異物が挟まって(詰まって)いるか否かを判定する判定部101(制御部、計量部7等)を有する。詳細には、例えば、判定部101は計量部による計量結果に基づいて上記判定を行う。
内扉112は、水平方向における減容部側の向きに回動することで閉状態から開状態へと移動可能である。内扉112は、閉状態で、容器投入部側に案内部(規制部材60)を露出させないように構成されている。
判定部101により異物が隙間65に挟まって(詰まって)いると判定された場合、容器投入部側に、案内部の一部を露出させるように駆動部により内扉112が回動する。
詳細には、内扉112が開く方向に駆動部により僅かに回動し、容器投入部側から、隙間65及び案内部(規制部材60)の先端(容器投入部側の先端)を露出するように、制御部1が制御する。
【0085】
上記構成によれば、例えば隙間65に異物等が挟まって(詰まって)いる場合に、隙間65及び案内部(規制部材60)の先端(容器投入部側の先端)を露出するように内扉112の下端が僅かに開くように回動するので、簡単な構成で、隙間65に挟まった(詰まった)異物を容易に取り除くことが可能な容器減容装置(空容器回収装置100)を提供することができる。
【0086】
(7)本実施形態の一態様は、(6)に記載の容器減容装置としての空容器回収装置100であって、前記載置部116に載置された物品(空容器等)を計量する計量部7を有し、前記判定部101は、前記計量部7による計量結果に基づいて、前記隙間65に異物が挟まって(詰まって)いるか否かを判定する。
詳細には、例えば空容器等の物品が載置部116に載置されていない場合、計量部7による計量結果を示す信号が制御部1に入力され、制御部1は、計量結果が異常値であるとき、異物が隙間65に挟まって(詰まって)いると判定する。
具体的には、判定部101は、計量結果を示す信号が0(ゼロ)を中心とする誤差の範囲を超える場合に、異物が隙間65に挟まって(詰まって)いると判定する。また、判定部101は、センサ等により物品(空容器等)が載置部116に載置されていない状態から載置されている状態となったことを検知した時、計量部7による計量値に変動が生じない又は変動が規定範囲より小さい場合に、異物が隙間65に挟まって(詰まって)いると判定してもよい。
【0087】
上記構成によれば、計量部7による計量結果に基づいて隙間65に異物が挟まって(詰まって)いるか否かを容易に判定することが可能な容器減容装置(空容器回収装置100)を提供することができる。
なお、例えばカメラ等の撮像部を容器投入部110に設け、隙間65を撮像して得られた画像に基づいて異物が隙間65に挟まって(詰まって)いると判定してもよい。
【0088】
また、本発明の実施形態に係る容器減容装置は、送受信部4により通信ネットワーク等の通信路を介して容器減容装置外のコンピュータ等に、上述した報知を行ってもよい。すなわち、容器減容装置は、例えば、上位サーバー(コンピュータ)や、店舗内のコンピュータ等に上記報知を行うことができる。
【0089】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
また、上述の各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。
また、各図の記載内容はそれぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
【0090】
上述した実施形態では、空容器回収装置は、PETボトルなどの空容器を回収したが、アルミ缶やスチール缶などを回収する構成であってもよく、PETボトル、アルミ缶、スチール缶の回収を兼用した装置であってもよい。
【0091】
また、本発明の実施形態に係る容器減容装置は、外扉と内扉を有していたが、この実施形態に限られるものではなく、例えば、外扉はなくともよい。
【符号の説明】
【0092】
60…規制部材(案内部又はボトルガイドともいう)
101…判定部
110…容器投入部(物品投入部)
111…外扉
112…内扉
116…載置部
120…減容部(減容機構)
140…容器収容部(収容部)
100…空容器回収装置(容器減容装置又は物品回収装置ともいう)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2024-07-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
載置部を有するペットボトル投入部と、
前記載置部とは物理的に分離して設けられ、ペットボトルを減容する減容部と、
前記載置部とは物理的に分離して設けられ、前記載置部から前記減容部へ至る経路を形成する案内部と、
前記載置部と前記案内部との間に設けられた内扉とを備え、
前記内扉は、閉状態において、少なくとも前記減容部側から見て前記載置部と前記案内部の間の隙間を遮蔽することによって、該隙間にペットボトルの破片が詰まることを防止する
ことを特徴とするペットボトル減容装置。
【請求項2】
前記載置部の減容部側端部と、前記案内部の載置部側端部との間に隙間が設けられており、
前記内扉の先端は、閉状態で、前記案内部の載置部側端部の近傍に位置する
ことを特徴とする請求項1に記載のペットボトル減容装置。
【請求項3】
前記内扉の先端は、閉状態で、前記案内部の載置部側端部よりも減容部側に位置することを特徴とする請求項2に記載のペットボトル減容装置。
【請求項4】
前記案内部は、少なくとも前記載置部側の端部が前記載置部に対して離脱方向に移動可能に構成されている
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のペットボトル減容装置。
【請求項5】
前記案内部は、板状に形成され、前記減容部側の端部が回転軸によって支持され、前記回転軸を中心として上下方向に回動可能に構成されている
ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のペットボトル減容装置。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、ペットボトル減容装置に関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
本発明のペットボトル減容装置は、載置部を有するペットボトル投入部と、前記載置部とは物理的に分離して設けられ、ペットボトルを減容する減容部と、前記載置部とは物理的に分離して設けられ、前記載置部から前記減容部へ至る経路を形成する案内部と、前記載置部と前記案内部との間に設けられた内扉とを備え、前記内扉は、閉状態において、少なくとも前記減容部側から見て前記載置部と前記案内部の間の隙間を遮蔽することによって、該隙間にペットボトルの破片が詰まることを防止することを特徴とする。