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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113205
(43)【公開日】2024-08-21
(54)【発明の名称】動作玩具
(51)【国際特許分類】
   A63H 33/00 20060101AFI20240814BHJP
【FI】
A63H33/00 303A
A63H33/00 P
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024097864
(22)【出願日】2024-06-18
(62)【分割の表示】P 2023017322の分割
【原出願日】2018-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】内藤 慎平
(72)【発明者】
【氏名】永恵 裕也
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 晴久
(57)【要約】
【課題】使用者が感覚的に回転部材の回転方向を認識することが可能な動作玩具を提供する。
【解決手段】動作玩具1は、本体部2と、本体部2に対して回転可能な回転部3と、回転部3を回転不能にロックするロック部5と、ロック部5の解除に伴い、回転部3を一方向に回転させる駆動手段20と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と、
前記本体部に対して回転可能な回転部と、
前記回転部を回転不能にロックするロック部と、
前記ロック部の解除に伴い、前記回転部を一方向に回転させる駆動手段と、
を備える動作玩具。
【請求項2】
請求項1記載の動作玩具であって、
前記駆動手段は、
前記本体部及び前記回転部のいずれか一方に設けられ、前記回転部の回転方向に傾いた傾斜面を有するカムと、
前記本体部及び前記回転部のいずれか他方に設けられ、前記傾斜面を摺動するフォロアと、
前記フォロアを前記傾斜面に向けて弾性的に付勢する付勢部材と、
を含む動作玩具。
【請求項3】
請求項1又は2記載の動作玩具であって、
前記駆動手段は、前記回転部の回転軸から外れている前記回転部の重心を含む動作玩具。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項記載の動作玩具であって、
前記駆動手段によって回転された前記回転部を制止させるストッパを備える動作玩具。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項記載の動作玩具であって、
前記本体部は、使用者が装着可能であり、前記本体部を装着した使用者を正面から見た場合に、前記回転部は、前記駆動手段によって反時計周りに回転される動作玩具。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項記載の動作玩具であって、
演出出力部と、前記演出出力部を作動させるスイッチと、を有する副玩具体を備え、
前記回転部は、前記副玩具体が着脱可能に取り付けられる一つ以上の取付部を有し、
前記取付部は、当該取付部に取り付けられた前記副玩具体の前記スイッチを操作可能な可動部を含み、
前記本体部は、前記回転部の回転に応じて前記可動部と係合し、係合する前記可動部を前記スイッチを操作する方向に移動させる一つ以上のガイドを有する動作玩具。
【請求項7】
請求項6記載の動作玩具であって、
前記取付部及び前記ガイドは、前記回転部の回転方向に間隔をあけて複数設けられており、
前記複数の取付部の前記可動部は、前記回転部の回転に応じ、互いに同期して前記副玩具体の前記スイッチを操作する動作玩具。
【請求項8】
請求項7記載の動作玩具であって、
前記複数のガイドは、前記回転部が前記ロック部によってロックされている状態で前記複数の取付部の前記可動部と係合する位置に設けられており、
前記複数の取付部及び前記複数のガイドの数をnとして、前記副玩具体は、前記スイッチがn+1回操作された場合に前記演出出力部を作動させる動作玩具。
【請求項9】
請求項7又は8記載の動作玩具であって、
前記副玩具体は、前記スイッチとして、第1スイッチと、第2スイッチとを有し、
前記回転部は、前記複数の取付部として、第1取付部と、第2取付部とを有し、
前記第1取付部の前記可動部は、前記回転部の回転に応じ、当該第1取付部に取り付けられた前記副玩具体の前記第1スイッチを操作し、
前記第2取付部の前記可動部は、前記回転部の回転に応じ、当該第2取付部に取り付けられた前記副玩具体の前記第2スイッチを操作し、
前記第1取付部の前記可動部によって前記第1スイッチを操作された前記副玩具体が第1演出を出力され、前記第1演出に続いて、前記第2取付部の前記可動部によって前記第2スイッチを操作された前記副玩具体が第2演出を出力する動作玩具。
【請求項10】
請求項6から9のいずれか一項記載の動作玩具であって、
前記演出出力部は、光及び音の少なくとも一方による演出を出力する動作玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動作玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載された玩具は、回転部材の回転を検出する検出部を二箇所有し、それぞれの検出部の検出に応じて演出を出力する。特許文献2に記載された玩具は、複数の回転部材の回転を検出して演出を出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-106658号公報
【特許文献2】特開2015-202172号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された玩具や特許文献2に記載された玩具においては、回転部材の正しい回転方向は、使用者が注意して確認する必要があった。
【0005】
本発明は、使用者が感覚的に回転部材を回転させるべき方向を認識することが可能な動作玩具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る動作玩具は、本体部と、前記本体部に対して回転可能な回転部と、前記回転部を回転不能にするロック部と、前記ロック部の解除に伴い、前記回転部を一方向に回転させる駆動手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る動作玩具においては、前記駆動手段は、前記本体部及び前記回転部のいずれか一方に設けられ、前記回転部の回転方向に傾いた傾斜面を有するカムと、前記本体部及び前記回転部のいずれか他方に設けられ、前記傾斜面を摺動するフォロアと、前記フォロアを前記傾斜面に向けて弾性的に付勢する付勢部材と、を含んでもよい。
【0008】
また、本発明に係る動作玩具においては、前記駆動手段は、前記回転部の回転軸から外れている前記回転部の重心を含むものでもよい。
【0009】
また、本発明に係る動作玩具においては、前記駆動手段によって回転された前記回転部を制止させるストッパを備えるものでもよい。
【0010】
また、本発明に係る動作玩具においては、前記本体部は、使用者が装着可能であり、前記本体部を装着した使用者を正面から見た場合に、前記回転部は、前記駆動手段によって反時計回りに回転されるものでもよい。
【0011】
また、本発明に係る動作玩具においては、演出出力部と、前記演出出力部を作動させるスイッチと、を有する副玩具体を備え、前記回転部は、前記副玩具体が着脱可能に取り付けられる一つ以上の取付部を有し、前記取付部は、当該取付部に取り付けられた前記副玩具体の前記スイッチを操作可能な可動部を含み、前記本体部は、前記回転部の回転に応じて前記可動部と係合し、係合する前記可動部を前記スイッチを操作する方向に移動させる一つ以上のガイドを有するものでもよい。
【0012】
また、本発明に係る動作玩具においては、前記取付部及び前記ガイドは、前記回転部の回転方向に間隔をあけて複数設けられており、前記複数の取付部の前記可動部は前記回転部の回転に応じ、互いに同期して前記副玩具体の前記スイッチを操作するものでもよい。
【0013】
また、本発明に係る動作玩具においては、前記複数のガイドは、前記回転部が前記ロック部によってロックされている状態で前記複数の取付部の前記可動部と係合する位置に設けられており、前記複数の取付部及び前記複数のガイドの数をnとして、前記副玩具体は、前記スイッチがn+1回操作された場合に前記演出出力部を作動させるものでもよい。
【0014】
また、本発明に係る動作玩具においては、前記副玩具体は、前記スイッチとして、第1スイッチと、第2スイッチとを有し、前記回転部は、前記複数の取付部として、第1取付部と、第2取付部とを有し、前記第1取付部の前記可動部は、前記回転部の回転に応じ、当該第1取付部に取り付けられた前記副玩具体の前記第1スイッチを操作し、前記第2取付部の前記可動部は、前記回転部の回転に応じ、当該第2取付部に取り付けられた前記副玩具体の前記第2スイッチを操作し、前記第1取付部の前記可動部によって前記第1スイッチを操作された前記副玩具体が第1演出を出力し、前記第1演出に続いて、前記第2取付部の前記可動部によって前記第2スイッチを操作された前記副玩具体が第2演出を出力するものでもよい。
【0015】
また、本発明に係る動作玩具においては、前記演出出力部は、光及び音の少なくとも一方による演出を出力するものでもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、使用者が感覚的に回転部材を回転させるべき方向を認識することが可能な動作玩具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態を説明するための、動作玩具の一例を示す正面図である。
図2図1の動作玩具の平面図である。
図3図1の動作玩具の動作を示す正面図である。
図4】(A)及び(B)はロック部の構造を示す模式図である。
図5】回転部を一方向に回転させる駆動手段の配置例を示す正面図である。
図6】駆動手段の構造を示す模式図である。
図7】駆動手段の構造を示す模式図である。
図8】(A)~(D)は回転部が回転する様子を順に示す正面図である。
図9図1の動作玩具の機能ブロック図である。
図10】副玩具体が保持する識別情報の構成例を示す模式図である。
図11】第1取付部に取り付けられる副玩具体の識別情報を読み取る読取部の構成例を示す模式図である。
図12】第2取付部に取り付けられる副玩具体の識別情報を読み取る読取部の構成例を示す模式図である。
図13】可動部を移動させる移動機構の配置例を示す正面図である。
図14】移動機構の構造を示す模式図である。
図15】副玩具体の演出例を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1及び図2は、本発明の実施形態を説明するための、動作玩具の一例を示し、図3は、図1の動作玩具の動作を示す。なお、本実施形態の説明上、後述するロック解除ボタン6が存在する方向を「上方向」、その反対の方向を「下方向」とし、また、回転部3の回転軸Zに沿って回転部3が存在する方向を「前方向」、その反対の方向を「後方向」として説明する。
【0019】
動作玩具1は、本体部2と、本体部2に対して回転可能な回転部3とを備える。本体部2にはベルト4が設けられており、本体部2は、例えば使用者の腰部に装着可能に構成されている。
【0020】
回転部3は、副玩具体101、102が着脱可能に取り付けられる第1取付部7及び第2取付部8を有する。第1取付部7と第2取付部8とは、回転部3の回転軸Zと交わる回転部3の中央部9を間に挟んで互いに対向する位置に設けられている。なお、図示の例では、副玩具体101が第1取付部7に取り付けられ、副玩具体102が第2取付部8に取り付けられているが、例えば副玩具体101の上下を逆に且つ左右を逆に配置することによって、副玩具体101は第2取付部8にも取り付け可能である。
【0021】
動作玩具1は、回転部3を回転不能にロックするロック部5と、ロック解除ボタン6とを備える。回転部3がロック部5によってロックされている状態で、回転部3の第1取付部7と第2取付部8との対向方向は、ベルト4の延在方向に平行となっている。第1取付部7と第2取付部8との対向方向がベルト4の延在方向に平行となる回転部3の位置を、以下ではロック位置と言う。
【0022】
ロック解除ボタン6は本体部2に設けられており、ロック解除ボタン6が操作されることにより、回転部3のロックが解除される。回転部3は、ロックの解除に伴い、図3に示す矢印A1の方向に所定角度回転される。以下に、ロック部5と、ロックの解除に伴い回転部3を所定角度回転させる駆動手段とについて説明する。
【0023】
図4は、ロック部5を示す。
【0024】
ロック部5は、ロックピン10と、バネ11とを有する。ロックピン10は、回転部3の回転軸Zに沿って移動可能に、本体部2によって支持されている。バネ11は、ロックピン10を回転部3側に向けて弾性的に付勢している。回転部3の本体部2側の背面には、凹部12が設けられており、図4(A)に示すように、回転部3が上記ロック位置に配置されている状態で、ロックピン10の凸部13が凹部12に嵌合する。凸部13が凹部12に嵌合することにより、回転部3は回転不能にロックされる。
【0025】
ロック解除ボタン6は、回転部3の回転軸Zと交差する方向に移動可能に、本体部2によって支持されている。ロックピン10には、ロックピン10の移動方向及びロック解除ボタン6の移動方向に対して傾いた(本実施形態においては、下方向に向かうに伴い後からから前へ向かうように傾いた)傾斜面14が形成されており、ロック解除ボタン6にも同様に傾いた(本実施形態においては、下方向に向かうに伴い後から前へ向かうように傾いた)傾斜面15が形成されている。ロック解除ボタン6が、図4(B)に示す矢印A2の方向に押されることにより、ロック解除ボタン6の傾斜面15がロックピン10の傾斜面14を摺動し、傾斜面14が、ロックピン10の移動方向に沿って本体部2側に押し込まれる。これにより、ロックピン10の凸部13が凹部12から外れ、回転部3のロックが解除される。
【0026】
図5から図7は、ロックの解除に伴い回転部3を所定角度回転させる駆動手段の一例を示す。
【0027】
図5から図7に示す駆動手段20は、カム21と、フォロア22と、バネ23とを有する。カム21は、本体部2に設けられており、略三角形状に形成され、回転部3の回転方向である矢印A1の方向に傾いた(本実施形態においては、下方向に向かうに伴い前から後へ向かうように傾いた)傾斜面24を有する。回転部3の回転軸Zからみて外径側に位置する傾斜面24の縁部24eは、径方向に傾いている。フォロア22は、回転部3に設けられており、回転部3の回転軸Zを中心としてカム21と交わる円周上に配置され、バネ23によって本体部2側に向けて弾性的に付勢されている。なお、本実施形態においては、カム21が本体部2に設けられ、フォロア22が回転部3に設けられている形態を説明するが、逆にカム21が回転部3に設けられ、フォロア22が本体部2に設けられているようにしてもよい。
【0028】
回転部3がロックされている際に、フォロア22は、三角形状のカム21の頂部を矢印A1の方向に超えた位置P11にあって、カム21の傾斜面24の上端部で縁部24eに接している。回転部3のロックが解除されると、バネ23によって付勢されているフォロア22が、傾斜面24の上端部から下端部に向けて傾斜面24を摺動し、摺動するのに伴って回転部3を矢印A1の方向に回転させる。フォロア22が傾斜面24の下端部に達する位置P12まで移動することにより、回転部3が所定角度回転される。
【0029】
駆動手段20によって所定角度回転された回転部3は、ストッパ25によって制止される。ストッパ25は、回転部3に設けられており、回転部3の回転軸Zを中心としてカム21と交わる円周上に配置され、バネ26によって本体部2側に向けて弾性的に付勢されている。回転部3がロックされている際に、ストッパ25は、カム21から離間した位置P21にあり、回転部3が駆動手段20によって所定角度回転されることにより、カム21に接する位置P22に移動される。回転部3は、ストッパ25とカム21との当接により、ロック位置から所定角度回転された位置に制止される。回転部3を矢印A1の方向にさらに回転させる外力が回転部3に加わると、ストッパ25がカム21の頂部を乗り越え、ストッパ25が外れる。これにより、回転部3は矢印A1の方向にさらに回転される。
【0030】
図8は、回転部3が回転する様子を示す。なお、図8では、第1取付部7にのみ副玩具体101が取り付けられている。
【0031】
本実施形態では、本体部2を装着した使用者を正面から見た場合に、回転部3は反時計回りに回転されるように構成されている。まず、図8(A)に示すように、回転部3はロック位置に配置されている。使用者がロック解除ボタン6を操作することにより、回転部3のロックが解除される。図8(B)に示すように、回転部3のロックが解除されることにより、回転部3は、駆動手段20によって矢印A1の方向(反時計回り)に所定角度回転され、ストッパ25によって制止される。このとき、ロックピン10の凸部13は凹部12からずれているので、ロック解除ボタン6が解放されたとしても、回転部3のロックは解除されたままである。
【0032】
その後、例えば、使用者が第1取付部7を勢いよく押し下げることにより、ストッパ25が外れ、図8(C)に示すように、回転部3が矢印A1の方向にさらに回転される。そして、図8(D)に示すように、回転部3が、1回転して再びロック位置に戻ると、回転部3は、ロック部5によって再びロックされる。このように構成された動作玩具1によれば、ロック解除ボタン6が操作された際に回転部3が一方向に所定角度回転されるので、回転部3の適切な回転方向(回転部3を回転させるべき方向)を使用者が容易に認識することができる。
【0033】
なお、本例では、回転部3は、カム21と、フォロア22と、バネ23とを有する駆動手段20によって一方向に回転されるが、駆動手段はカム21と、フォロア22と、バネ23とを有するものに限定されない。例えば、回転部3の回転軸Zから外れた位置に回転部3の重心が設けられていてもよく、この場合、回転部3のロックが解除された際に、重心の位置が下方に向かうように回転部3が一方向に回転する。
【0034】
動作玩具1の興趣性を高める観点から、回転部3は、第1取付部7及び/又は第2取付部8に副玩具体101,102が取り付けられることによって演出出力可能に構成されている。副玩具体101,102も、第1取付部7又は第2取付部8に取り付けられ、回転部3と一体に回転されることにより、演出出力可能に構成されている。
【0035】
図9は、動作玩具1の機能ブロックを示す。
【0036】
副玩具体101,102は固有の識別情報IDを有する。回転部3は、副玩具体101,102の識別情報IDを読み取る第1読取部30及び第2読取部31と、主演出出力部32と、主演出出力部32の動作データ等を記憶した主記憶部33と、主制御部34とを有する。
【0037】
第1読取部30は、第1取付部7に設けられており、第1取付部7に取り付けられた副玩具体101,102の識別情報IDを読み取る。第2読取部31は、第2取付部8に設けられており、第2取付部8に取り付けられた副玩具体101,102の識別情報IDを読み取る。
【0038】
主演出出力部32は、本例では、文字、記号、画像を表示可能なドットマトリクスLED(Light Emitting Diode)等の表示器が用いられており、回転部3の中央部9に設けられている。なお、演出は、文字、記号、画像の表示に限られず、音声や光を用いたものであってもよく、演出に応じて種々のデバイスが用いられる。
【0039】
主記憶部33は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの記憶媒体を含んで構成されており、主制御部34が実行するプログラムや、副玩具体の識別情報に対応する動作データを記憶している。
【0040】
主制御部34は、マイクロプロセッサを主体として構成され、主記憶部33に記憶されたプログラムに従って動作することにより、回転部3の各部の動作を統括的に制御する。主制御部34は、第1読取部30又は第2読取部31によって読み取られた識別情報IDに対応する動作データを主記憶部33から読み出し、読み出した動作データに基づいて主演出出力部32を動作させる。
【0041】
副玩具体101は、回転部3の第1取付部7又は第2取付部8への取り付け及び回転部3の回転を検出する検出部110と、副演出出力部111と、副演出出力部111の動作データ等を記憶した副記憶部112と、副制御部113とを有する。副玩具体102もまた、検出部110と、副演出出力部111と、副記憶部112と、副制御部113とを有する。
【0042】
副演出出力部111は、スピーカ等の発音体やLED(Light Emitting Diode)等の発光体を含み、音声や光を用いた演出を出力可能に構成されている。副記憶部112は、ROMやRAMなどの記憶媒体を含んで構成されており、副制御部113は、マイクロプロセッサを主体として構成されている。
【0043】
副記憶部112には、動作データとして、第1動作データと、第2動作データとが記憶されている。第1動作データは、副玩具体101,102が第1取付部7又は第2取付部8に取り付けられたタイミングで出力する演出に対応しており、第2動作データは、回転部3が1回転されたタイミングで出力する演出に対応している。
【0044】
副玩具体101,102が第1取付部7又は第2取付部8に取り付けられたことが検出部110によって検出されると、副制御部113は、第1動作データを副記憶部112から読み出し、読み出した第1動作データに基づいて副演出出力部111を動作させる。また、回転部3が1回転されたことが検出部110によって検出されると、副制御部113は、第2動作データを副記憶部112から読み出し、読み出した第2動作データに基づいて副演出出力部111を動作させる。
【0045】
図10は副玩具体101が保持する識別情報IDと、回転部3の第1取付部7又は第2取付部8への取り付け及び回転部3の回転を検出する検出部110の構成例を示す。また、図11は回転部3の第1取付部7の構成例を示し、図12は回転部3の第2取付部8の構成例を示す。
【0046】
図10に示すように、副玩具体101は、回転部3に対向する面に、副玩具体101が第1取付部7又は第2取付部8に取り付けられる際の取り付け方向等を規定するレール40と、識別情報IDを構成する複数の突起41と、検出部110を構成する第1スイッチ42及び第2スイッチ43とを有する。
【0047】
複数の突起41は行列状に配列されており、突起41の配列パターンによって識別情報IDが構成される。本例ではX方向に3列且つY方向に3行の行列状に配列された9箇所の行列要素のうち、6箇所に突起41が設けられている。
【0048】
図11に示すように、回転部3の第1取付部7は、副玩具体101のレール40と係合するレールガイド50と、副玩具体101の識別情報IDを読み取る第1読取部30を構成する第1スイッチ51~第3スイッチ53と、副玩具体101の第1スイッチ42及び第2スイッチ43を押圧可能な可動押圧部54及び固定押圧部55とを有する。
【0049】
第1スイッチ51~第3スイッチ53はX方向に並んで設けられており、副玩具体101が第1取付部7に取り付けられる際に、一行目の突起群が第1スイッチ51~第3スイッチ53を通過し、次いで二行目の突起群が第1スイッチ51~第3スイッチ53を通過し、最後に三行目の突起群が第1スイッチ51~第3スイッチ53を通過する。これにより、複数の突起41の配列パターンが検出され、識別情報IDが読み取られる。
【0050】
可動押圧部54は、回転部3の回転に応じて第1取付部7の表面に突出し、また第1取付部7の内部に没入する。可動押圧部54は、少なくとも回転部3がロック位置に配置されている場合に第1取付部7の表面に突出し、突出することにより、第1取付部7に取り付けられた副玩具体101の第1スイッチ42を押圧する。一方、固定押圧部55は、第1取付部7の表面に突出した状態に固定的に設けられており、第1取付部7に取り付けられた副玩具体101の第2スイッチ43を常に押圧する。
【0051】
回転部3がロック位置に配置されている状態で副玩具体101が第1取付部7に取り付けられた際に、副玩具体101の第1スイッチ42及び第2スイッチ43が可動押圧部54及び固定押圧部55によって押圧され、これにより、副玩具体101が第1取付部7に取り付けられたことが検出される。また、回転部3が1回転されて再びロック位置に戻る過程で、可動押圧部54が突没を繰り返し、第1スイッチ42が所定回数オン/オフされる。これにより、回転部3が1回転されたことが検出される。
【0052】
回転部3の第2取付部8もまた、第1取付部7と同様に、レールガイド50と、副玩具体101の識別情報IDを読み取る第2読取部31を構成する第1スイッチ51~第3スイッチ53と、副玩具体101の第1スイッチ42及び第2スイッチ43を押圧可能な可動押圧部54及び固定押圧部55とを有する。
【0053】
ここで、図12に示すように、副玩具体101は、上下を逆に且つ左右を逆に配置して、第2取付部8にも取り付け可能である。第2取付部8における第1スイッチ51~第3スイッチ53の並びと、第1取付部7における第1スイッチ51~第3スイッチ53の並びとは、上下に逆となっており、これにより、第1読取部30が副玩具体101の突起41の配列パターンを検出して読み取られる識別情報IDと、第2読取部31が副玩具体101の突起41の配列パターンを検出して読み取られる識別情報IDとが同一となる。
【0054】
一方、第2取付部8における可動押圧部54及び固定押圧部55の並びと、第1取付部7における可動押圧部54及び固定押圧部55の並びとは、上下に同じである。したがって、副玩具体101が第2取付部8に取り付けられた場合に、回転部3が1回転されて再びロック位置に戻る過程で、第2スイッチ43が所定回数オン/オフされる。回転部3の回転に応じて第1スイッチ42及び第2スイッチ43のいずれがオン/オフされるかに基づき、副玩具体101が第1取付部7及び第2取付部8のいずれに取り付けられているかも併せて検出される。
【0055】
図13及び図14は、可動押圧部54の移動機構を示す。
【0056】
回転部3の第1取付部7及び第2取付部8それぞれの可動押圧部54を突没させる移動機構60は一対のガイド61を有する。一対のガイド61は、回転部3がロック位置に配置されている状態で、第1取付部7及び第2取付部8それぞれの可動押圧部54の背後において、回転部3側に向けて突出して本体部2に設けられており、略台形状に形成されている。可動押圧部54は、回転部3の回転軸Zを中心としてガイド61と交わる円周上に配置されており、バネ62によって本体部2側に向けて弾性的に付勢されている。
【0057】
回転部3がロック位置に配置されている場合に、第1取付部7の可動押圧部54は、一方のガイド61に乗り上げており、第1取付部7の表面に突出して配置される。回転部3がロック位置から180°回転された場合に、第1取付部7の可動押圧部54は、他方のガイド61に乗り上げ、第1取付部7の表面に突出して配置される。第2取付部8の可動押圧部54も同様に、回転部3がロック位置に配置されている場合、及びロック位置から180°回転された場合に、ガイド61に乗り上げ、第2取付部8の表面に突出して配置される。
【0058】
ガイド61の数をn(本例ではn=2)として、回転部3が、ロック位置に配置されている状態から、1回転されて再びロック位置に戻るまでに、第1取付部7の可動押圧部54は、ロック位置に配置されている状態での突出を1回目と数えると、第1取付部7の表面にn+1回突出するように配置されている。換言すれば、副玩具体101が第1取付部7に取り付けられているものとして、副玩具体101の第1スイッチ42がロック位置に配置されている状態でオンとされていることを1回目と数えると、回転部3が、ロック位置に配置されている状態から、1回転されて再びロック位置に戻るまでに、副玩具体101の第1スイッチ42はn+1回オンされる。また、副玩具体101が第2取付部8に取り付けられているものとして、副玩具体101の第2スイッチ43がロック位置に配置されている状態でオンとされていることを1回目と数えると、回転部3が、ロック位置に配置されている状態から、1回転されて再びロック位置に戻るまでに、副玩具体101の第2スイッチ43はn+1回オンされる。このように、副玩具体101の第1スイッチ42又は第2スイッチ43がn+1回オンされた場合に、回転部3が1回転したことが検出され、第1スイッチ42及び第2スイッチ43のいずれがオン/オフされるかに基づき、副玩具体101が第1取付部7及び第2取付部8のいずれに取り付けられているかも併せて検出される。
【0059】
図15は、第1取付部7に取り付けられている副玩具体101と、第2取付部8に取り付けられている副玩具体102とから出力される演出の一例を示す。なお、副玩具体101と、副玩具体102とは、同種の副玩具体であってもよいし異種の副玩具体であってもよい。
【0060】
まず、時刻T1に、副玩具体101が第1取付部7に取り付けられる。このとき、副玩具体101の第1スイッチ42が第1取付部7の可動押圧部54によって押圧され、同時に、第2スイッチ43が固定押圧部55によって押圧され、副玩具体101に記憶されている第1動作データに対応した装着演出が副玩具体101から出力される。続いて、時刻T2に、副玩具体102が第2取付部8に取り付けられる。このとき、副玩具体102の第2スイッチ43が第2取付部8の可動押圧部54によって押圧され、同時に、第1スイッチ42が固定押圧部55によって押圧され、副玩具体102に記憶されている第1動作データに対応した装着演出が副玩具体102から出力される。そして、副玩具体101による装着演出の出力が完了し、副玩具体102による装着演出の出力が完了した後の時刻T3に、回転部3が1回転される。
【0061】
副玩具体101及び副玩具体102は、回転部3が1回転されたことをそれぞれ検出し、副玩具体101は、副玩具体101に記憶されている第2動作データに対応した演出を実行し、副玩具体102もまた、副玩具体101に同期して、副玩具体102に記憶されている第2動作データに対応した演出を実行する。
【0062】
ここで、第2動作データは、第1スイッチ42がオン/オフされることに基づき選択される第1演出と、第2スイッチ43がオン/オフされることに基づき選択される第2演出とを有する。第2動作データの第1演出は、第2動作データの実行時間の前半部分に実行されるものであり、第2演出は第2動作データの実行時間の後半部分に実行されるものである。副玩具体101は、第1スイッチ42がオン/オフされることに基づき、第1取付部7に取り付けられていることを認識し、第2動作データの第1演出を選択して出力する。一方、副玩具体102は、第2スイッチ43がオン/オフされることに基づき、第2取付部8に取り付けられていることを認識し、第2動作データの第2演出を選択して出力する。この場合に、副玩具体101が第1演出を出力し、この第1演出に続いて、副玩具体102が第2演出を出力する。このように、前半の第1演出に続いて後半の第2演出が出力されると、副玩具体101と副玩具体102との間で掛け合いを実現することができる、興趣性をより高めることができる。
【0063】
なお、図15に示す例では、副玩具体101の装着演出の出力が完了した後に、副玩具体102の装着演出の出力が開始されているが、副玩具体101の装着演出の出力途中に副玩具体102が第2取付部8に装着され、副玩具体101の装着演出と副玩具体102の装着演出とが重畳してもよい。また上記実施形態では、スイッチの押圧により動作する例を説明しているが、スイッチを操作することにより動作するものであればこれに限られない。例えば、スイッチの押圧を解除することによるスイッチのオンとオフとの変化を認識して動作するようにしても良い。
【符号の説明】
【0064】
1 動作玩具
2 本体部
3 回転部
4 ベルト
5 ロック部
6 ロック解除ボタン
7 第1取付部
8 第2取付部
9 中央部
10 ロックピン
11 バネ
12 凹部
13 凸部
14 傾斜面
15 傾斜面
20 駆動手段
21 カム
22 フォロア
23 バネ
24 傾斜面
25 ストッパ
26 バネ
30 第1読取部
31 第2読取部
32 主演出出力部
33 主記憶部
34 主制御部
40 レール
41 突起
42 第1スイッチ
43 第2スイッチ
50 レールガイド
51 第1スイッチ
53 第3スイッチ
54 可動押圧部
55 固定押圧部
60 移動機構
61 ガイド
62 バネ
101 副玩具体
102 副玩具体
110 検出部
111 副演出出力部
112 副記憶部
113 副制御部
A1 矢印
A2 矢印
ID 識別情報
LED ドットマトリクス
P11 位置
P12 位置
P21 位置
P22 位置
T1 時刻
T2 時刻
T3 時刻
Z 回転軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2024-07-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と、
前記本体部に対して回転可能な回転部と、
前記回転部を回転不能にロックするロック部と、
演出出力部を有する副玩具体が着脱可能に取り付けられる一つ以上の取付部と、
を備え
前記副玩具体が前記取付部に取り付けられたことが検出されると前記演出出力部から第1の演出が出力され、前記回転部の回転が検出されると前記演出出力部から第2の演出が出力される動作玩具。
【請求項2】
請求項1記載の動作玩具であって、
前記回転部を回転させる駆動部を備え、
前記駆動は、
前記本体部及び前記回転部のいずれか一方に設けられ、前記回転部の回転方向に傾いた傾斜面を有するカムと、
前記本体部及び前記回転部のいずれか他方に設けられ、前記傾斜面を摺動するフォロアと、
前記フォロアを前記傾斜面に向けて弾性的に付勢する付勢部材と、
を含む動作玩具。
【請求項3】
請求項記載の動作玩具であって、
前記駆動は、前記回転部の回転軸から外れている前記回転部の重心を含む動作玩具。
【請求項4】
請求項2または3に記載の動作玩具であって、
前記駆動によって回転された前記回転部を制止させるストッパを備える動作玩具。
【請求項5】
請求項から4のいずれか一項記載の動作玩具であって、
前記本体部は、使用者が装着可能であり、前記本体部を装着した使用者を正面から見た場合に、前記回転部は、前記駆動によって反時計周りに回転される動作玩具。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項記載の動作玩具であって、
前記副玩具体は、前記演出出力部を作動させるスイッチをえ、
前記取付部は、当該取付部に取り付けられた前記副玩具体の前記スイッチを操作可能な可動部を含動作玩具
【請求項7】
請求項6記載の動作玩具であって、
前記本体部は、前記回転部の回転に応じて前記可動部と係合し、係合する前記可動部を前記スイッチを操作する方向に移動させる一つ以上のガイドを有する動作玩具。
【請求項8】
請求項記載の動作玩具であって、
前記取付部及び前記ガイドは、前記回転部の回転方向に間隔をあけて複数設けられており、
複数の前記取付部の前記可動部は、前記回転部の回転に応じ、互いに同期して前記副玩具体の前記スイッチを操作する動作玩具。
【請求項9】
請求項記載の動作玩具であって、
複数の前記ガイドは、前記回転部が前記ロック部によってロックされている状態で前記複数の取付部の前記可動部と係合する位置に設けられており、
前記複数の取付部及び前記複数のガイドの数をnとして、前記副玩具体は、前記スイッチがn+1回操作された場合に前記演出出力部を作動させる動作玩具。
【請求項10】
請求項又は記載の動作玩具であって、
前記副玩具体は、前記スイッチとして、第1スイッチと、第2スイッチとを有し、
前記回転部は、前記複数の取付部として、第1取付部と、第2取付部とを有し、
前記第1取付部の前記可動部は、前記回転部の回転に応じ、当該第1取付部に取り付けられた前記副玩具体の前記第1スイッチを操作し、
前記第2取付部の前記可動部は、前記回転部の回転に応じ、当該第2取付部に取り付けられた前記副玩具体の前記第2スイッチを操作し、
前記第1取付部の前記可動部によって前記第1スイッチを操作された前記副玩具体が第1演出を出力され、前記第1演出に続いて、前記第2取付部の前記可動部によって前記第2スイッチを操作された前記副玩具体が第2演出を出力する動作玩具。
【請求項11】
請求項から10のいずれか一項記載の動作玩具であって、
前記演出出力部は、光及び音の少なくとも一方による演出を出力する動作玩具。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明に係る動作玩具は、本体部と、前記本体部に対して回転可能な回転部と、前記回転部を回転不能にするロック部と、前記ロック部の解除に伴い、前記回転部を一方向に回転させる駆動手段と、を備える。また、本発明に係る動作玩具は、本体部と、前記本体部に対して回転可能な回転部と、前記回転部を回転不能にロックするロック部と、演出出力部を有する副玩具体が着脱可能に取り付けられる一つ以上の取付部と、を備え、前記副玩具体が前記取付部に取り付けられたことが検出されると前記演出出力部から第1の演出が出力され、前記回転部の回転が検出されると前記演出出力部から第2の演出が出力される。