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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113206
(43)【公開日】2024-08-21
(54)【発明の名称】ベッド
(51)【国際特許分類】
   A47C 19/04 20060101AFI20240814BHJP
   A61G 7/002 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
A47C19/04 Z
A61G7/002
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024098062
(22)【出願日】2024-06-18
(62)【分割の表示】P 2020131081の分割
【原出願日】2020-07-31
(71)【出願人】
【識別番号】390039985
【氏名又は名称】パラマウントベッド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】松本 孝樹
(72)【発明者】
【氏名】舟越 敬介
(72)【発明者】
【氏名】下村 晃生
(72)【発明者】
【氏名】神戸 元樹
(57)【要約】
【課題】幅調整を簡単に行うことができるベッドを提供する。
【解決手段】フレーム上に設けられ前後方向に並んだ複数のボトムと、前記ボトムの端部に設けられる着脱自在の端部部材と、を備え、前記端部部材は、前記ボトム端部への複数の異なる取付方法がある、ことを特徴とするベッド。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム上に設けられ前後方向に並んだ複数のボトムと、
前記ボトムの端部に挿抜可能に設けられる端部部材と、を備え、
前記端部部材は、前記ボトムの端部に、第1の方向と、該端部部材全体として反転させた第2の方向と、のいずれかの方向に挿しはめられ、
前記ボトムが前記フレームに水平状態で取付けられた状態で、
前記端部部材を前記第1の方向で前記ボトムと挿しはめて設置した場合の前記ボトムの端部からの第1の突出寸法と、
前記端部部材を前記第2の方向で前記ボトムと挿しはめて設置した場合の前記ボトムの端部からの第2の突出寸法と、が異なる、
ことを特徴とするベッド。
【請求項2】
前記端部部材は、前記ボトムの端部に、前記第1の方向と、該端部部材全体として上下方向に反転させた前記第2の方向と、のいずれかの方向に挿しはめられる、
ことを特徴とする、請求項1に記載のベッド。
【請求項3】
前記端部部材は、有底筒状の第1エッジ部材であり、
複数の前記ボトムのうち前記第1エッジ部材が設けられた前記ボトムとは別のボトムに設けられる第2エッジ部材を備え、
前記第2エッジ部材は、前記ボトムに載置されるマットレスがずれるのを抑制するマットレス止めを有し、
前記マットレス止めは、前記ボトムの前記端部からの突出寸法を変更可能となっている、ことを特徴とする請求項1または2に記載のベッド。
【請求項4】
前記第2エッジ部材は、前後方向で隣り合う複数の前記ボトムにわたって設けられることを特徴とする請求項3に記載のベッド。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ベッドに関する。
【背景技術】
【0002】
利用者の体型や配設される部屋のスペースに応じて、ベッドの幅寸法を変更したい場合がある。このような場合に、幅寸法の異なるベッドに交換するのは、手間がかかる虞がある。また、異なる幅寸法のベッドを複数製造しなければならないので、コストが増加する虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-189284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態の目的は、幅調整を簡単に行うことができるベッドを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係るベッドは、フレーム上に設けられ前後方向に並んだ複数のボトムと、前記ボトムの端部に設けられる着脱自在の端部部材と、を備え、前記端部部材は、前記ボトム端部への複数の異なる取付方法がある、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態によれば、幅調整を簡単に行うことができるベッドを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施形態に係るベッドを示す斜視図である。
図2図1中のフレームからボトムを取外した状態を示す斜視図である。
図3図1中の第1エッジ部材をボトムの端部から取外した状態を示す分解斜視図である。
図4図3中の第1エッジ部材と、ボトムと、を右斜め上方からみた分解斜視図である。
図5】ボトムに第1エッジ部材が挿入された状態を示す平面図である。
図6図5中の第1エッジ部材と、ボトムと、を矢示A-A方向からみた断面図である。
図7図5中の第1エッジ部材と、ボトムと、を矢示B-B方向からみた断面図である。
図8】第1エッジ部材を上下反転させてボトムに挿入した状態を示す平面図である。
図9図8中の第1エッジ部材と、ボトムと、を矢示C-C方向からみた断面図である。
図10図8中の第1エッジ部材と、ボトムと、を矢示D-D方向からみた断面図である。
図11】第1エッジ部材をボトムの端部から取外した状態を示す図3と同様の分解斜視図である。
図12図11中の第1エッジ部材と、ボトムと、を右斜め上方からみた分解斜視図である。
図13図1中の第2エッジ部材、マットレス止め、ボトムを示す平面図である。
図14図13中の第2エッジ部材、マットレス止め、ボトムを矢示E-E方向からみた断面図である。
図15】マットレス止めを幅狭に設定した場合を示す図14と同様の断面図である。
図16】第2エッジ部材をボトムから取外し、マットレス止めを第2エッジ部材から取外した状態を示す分解斜視図である。
図17】第1変形例に係る第3エッジ部材を示す分解斜視図である。
図18】第2変形例に係る第4エッジ部材を示す分解斜視図である。
図19】第3変形例に係る第5エッジ部材を示す平面図および側面図である。
図20】第4変形例に係る第6エッジ部材を示す側面図である。
図21】第5変形例に係る第7エッジ部材を示す平面図および側面図である。
図22】第6変形例に係る第8エッジ部材を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施形態に係るベッドについて、図1図15を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るベッドを示す斜視図である。
図2は、図1中のフレームからボトムを取外した状態を示す斜視図である。
【0009】
図1に示すベッド10は、例えば介護施設、病院、および個人宅に用いられ、背もたれや高さなどを電動で作動可能な電動ベッドである。なお、ベッド10は、電動ベッドに限らない。ベッド10は、フレーム12と、フレーム12上に設けられ前後方向に並んだ複数のボトム20と、ボトム20の端部24aに設けられる第1エッジ部材30と、を備えている。図1に示すベッド10は、図1中の左斜め上側が頭側であり、図1中の右斜め下側が足側となっている。本実施形態では、頭側と足側との方向を前後方向としている。
【0010】
図2に示すように、フレーム12は、脚部14の上方に位置して、全体的に枠状に形成されている。フレーム12は、例えば前後方向で複数の板部材が連結されている。フレーム12は、例えば分割可能な頭側フレーム12aと、足側フレーム12bと、を有している。これにより、ベッド10は、例えば複数のユニットに分割して、ベッド10を配設する部屋の中に運搬することができるようになっている。また、フレーム12は、フレーム12内に設けられた駆動部により、脚部14に対して上下方向に移動可能となっている。
【0011】
ボトム20は、フレーム12上に前後方向に並んで複数個設けられている。ボトム20は、上方に図示しないマットレスが載置され、マットレスおよびマットレス上の人体を支持する。ボトム20は、頭側に位置して背中を支持する背ボトム20aと、背ボトム20aの後側に位置して腰を支持する腰ボトム20bと、腰ボトム20bの後側に位置して膝を支持する膝ボトム20cと、膝ボトム20cの後側に位置して足を支持する足ボトム20dと、を有する。背ボトム20a、腰ボトム20b、膝ボトム20c、および足ボトム20dは、フレーム12内に設けられた駆動部により、それぞれ上方に向けて屈曲可能となっている。
【0012】
ボトム20の端部24aには、着脱自在に端部部材が設けられる。この端部部材は、後述の第1エッジ部材30および第2エッジ部材50のマットレス止め60を有している。端部部材は、ボトム20の端部24aへの複数の異なる取付方法を有している。
【0013】
図3は、図1中の第1エッジ部材をボトムの端部から取外した状態を示す分解斜視図である。
図4は、図3中の第1エッジ部材と、ボトムと、を右斜め上方からみた分解斜視図である。
図5は、ボトムに第1エッジ部材が挿入された状態を示す平面図である。
図6は、図5中の第1エッジ部材と、ボトムと、を矢示A-A方向からみた断面図である。
図7は、図5中の第1エッジ部材と、ボトムと、を矢示B-B方向からみた断面図である。
図8は、第1エッジ部材を上下反転させてボトムに挿入した状態を示す平面図である。
図9は、図8中の第1エッジ部材と、ボトムと、を矢示C-C方向からみた断面図である。
図10は、図8中の第1エッジ部材と、ボトムと、を矢示D-D方向からみた断面図である。
図11は、第1エッジ部材をボトムの端部から取外した状態を示す図3と同様の分解斜視図である。
図12は、図11中の第1エッジ部材と、ボトムと、を右斜め上方からみた分解斜視図である。
【0014】
図3に示すように、ボトム20は、前後方向に対面して左右方向に延びる一対の円筒部22と、一対の円筒部22の上端側を接続する上面部24と、上面部24の左右方向の端部24aから下方に向けて延びる側面部28と、を有している。図3では、ボトム20の一方の端部24aのみを示しているが、他方の端部も同様に形成されている。上面部24は、上面24bから下方に向けて凹む凹部26を有している。この凹部26は、側面26aが後述する第1エッジ部材30の係合部45に対応する位置に形成されている。
【0015】
側面部28は、上面部24の端部24aからボトム20の厚さ方向(上下方向)の途中まで延びている。すなわち、側面部28は、端部24a側が固定端となり、下端が自由端となっている。側面部28は、端部24a側に位置して上下方向に延びている。側面部28の上下方向の寸法L1は、後述する第1エッジ部材30のリブ40と他側面部34との間の寸法L2に対応して設定されている。これら寸法L1、L2については、後で説明する。
【0016】
延出部29は、側面部28の前後方向の中央部から下方に向けて延びている。この延出部29は、ボトム20の下端よりも上方に位置して、後述の第1エッジ部材30がボトム20の端部24aに取付けられたときに、第1エッジ部材30の内部に位置する。延出部29には、後述する第1エッジ部材30の係合部45が係合する。
【0017】
次に、ボトム20の端部24aに設けられる第1エッジ部材30(端部部材)について説明する。
【0018】
第1エッジ部材30は、例えば樹脂材料や金属材料からなり、有底筒状に形成されている。第1エッジ部材30は、ボトム20の端部24aに着脱可能に設けられる。第1エッジ部材30は、上下方向に180度回転させてボトム20に取付けることで、ボトム20の端部24a(側面部28)からの突出寸法を変更させることができるようになっている。
【0019】
そして、第1エッジ部材30は、上下方向の一側に位置する一側面部32と、一側面部32に上下方向で対面する他側面部34と、ボトム20の端部24aが挿入される開口部36と、開口部36に対面する底部38と、を有している。第1エッジ部材30(端部部材)は、上下方向もしくは水平方向で反転させてボトム20の端部24aの同じ位置に取付けることができる。
【0020】
一側面部32および他側面部34は、第1エッジ部材30をボトム20の端部24aに取付ける態様により、第1エッジ部材30の上面部または下面部となる。具体的には、図1図7に示すように、ベッド10の左右方向の幅寸法を幅広に設定する場合には、一側面部32が上面部となり、他側面部34が下面部となる。一方、図8図12に示すように、ベッド10の左右方向の幅寸法を幅狭に設定する場合には、一側面部32が下面部となり、他側面部34が上面部となる。すなわち、図8に示すように、他側面部34を上面部とした場合には、二点鎖線で示す一側面部32を上面部とした場合よりもボトム20の挿入深さが深くなる。
【0021】
一側面部32と他側面部34との前後方向の両端部は、ボトム20の円筒部22の外形形状に対応して形成された湾曲側面35により接続されている。開口部36は、一側面部32、他側面部34、および湾曲側面35により、ボトム20の端部24aに対応した形状となっている。
【0022】
底部38は、一側面部32を上面部として開口部36からボトム20の端部24aが挿入された場合に側面部28が接触する浅底部38aと、他側面部34を上面部として開口部36からボトム20の端部24aが挿入された場合に側面部28が接触する深底部38bと、を有している。
【0023】
浅底部38aと深底部38bとは、第1エッジ部材30の内部に設けられたリブ40により形成されている。具体的には、リブ40は、一側面部32から他側面部34に向けて延びるとともに、深底部38bから開口部36に向けて突出して突出端面が浅底部38aとなっている。本実施形態では、例えば4本のリブ40が設けられている。なお、リブ40の本数は、1~3本でもよいし、5本以上でもよい。
【0024】
図5図7に示すように、一側面部32を上面部としてボトム20の端部24aに取付けた場合には、リブ40の突出端面である浅底部38aがボトム20の側面部28に接触する。
【0025】
これにより、第1エッジ部材30は、ボトム20にそれ以上挿入されるのが規制される。そして、図7に示すように、第1エッジ部材30は、ボトム20の端部24aからの突出寸法W1となり、ベッド10の幅を広く設定することができる。
【0026】
また、リブ40は、一側面部32に接続されることにより、一側面部32を補強する補強部材も兼ねている。そして、図7に示すように、一側面部32は、裏面32aがボトム20の上面部24に接触する。例えば、ベッド10の利用者がボトム20の端部24a側で端座位をとることにより、一側面部32の上方から力(体重)が加わることがある。このような場合でも、ボトム20の上面部24とリブ40とにより、その力を受けることができるので、一側面部32が変形するのを抑制することができる。
【0027】
リブ40と他側面部34との間の寸法L2は、ボトム20の側面部28の上下方向の寸法L1よりも大きく形成されている。これにより、図9に示すように、リブ40と他側面部34との間には、側面部28が挿入される空間S1が形成される。また、4本のリブ40のうち、中央部に位置する2本のリブ40の間の寸法L3は、ボトム20の延出部29の前後方向の寸法L4よりも大きく形成されている。これにより、中央の2本のリブ40の間には、延出部29が挿入される空間S2が形成される。
【0028】
従って、図8図10に示すように、第1エッジ部材30は、他側面部34を上面部として開口部36からボトム20の端部24aが挿入された場合にはリブ40と他側面部34との間の空間S1にボトム20の側面部28が挿通されて、側面部28が深底部38bに接触する。
【0029】
これにより、第1エッジ部材30は、ボトム20にそれ以上挿入されるのが規制される。そして、図10に示すように、第1エッジ部材30は、ボトム20の端部24aからの突出寸法W2となり、ベッド10の幅を狭く設定することができる。すなわち、第1エッジ部材30は、ボトム20の両端側に取付けられるので、2×(W1-W2)分だけベッド10の幅寸法を小さくすることができる。
【0030】
この場合、図10に示すように、他側面部34は、裏面34aの広い範囲でボトム20の上面部24に接触する。これにより、例えばベッド10の利用者がボトム20の端部24a側で端座位をとることにより、他側面部34の上方から力(体重)が加わっても、ボトム20の上面部24でその力を受けることができる。従って、他側面部34が変形するのを抑制することができる。
【0031】
係合部45は、他側面部34に設けられている。係合部45は、他側面部34の表面34bから第1エッジ部材30の内部に向けて延びている。係合部45は、ボトム20の凹部26と、ボトム20の延出部29とに対応する位置に設けられている。
【0032】
図7図10に示すように、係合部45は、先端45aが浅底部38aよりも開口部36側に位置している。図7に示すように、第1エッジ部材30は、一側面部32を上面部として開口部36からボトム20の端部24aが挿入された場合に、係合部45が延出部29の裏面29a側に係合することで抜け止めがなされる。
【0033】
一方、図10に示すように、第1エッジ部材30は、他側面部34を上面部として開口部36からボトム20の端部24aが挿入された場合に、係合部45が凹部26の側面26aに係合することで抜け止めがなされる。係合部45は、他側面部34の表面34b側に向けて押圧することで、係合を解除することができる。
【0034】
次に、第1エッジ部材30が設けられたボトム20とは別のボトム20に設けられる第2エッジ部材50について説明する。
図13は、図1中の第2エッジ部材、マットレス止め(端部部材)、ボトムを示す平面図である。
図14は、図13中の第2エッジ部材、マットレス止め、ボトムを矢示E-E方向からみた断面図である。
図15は、マットレス止めを幅狭に設定した場合を示す図14と同様の断面図である。
図16は、第2エッジ部材をボトムから取外し、マットレス止めを第2エッジ部材から取外した状態を示す分解斜視図である。
マットレス止め60(端部部材)は、ボトム20の端部24aの上面において水平方向で移動させて、異なる複数の位置で取付けることができる。
【0035】
第2エッジ部材50は、例えば樹脂材料や金属材料からなり、上面部51、下面部52、湾曲側面53、および底部54を有している。第2エッジ部材50は、底部54に対面して開口部55が形成されている。すなわち、第2エッジ部材50は、有底筒状に形成されている。
【0036】
第2エッジ部材50は、前後方向で隣り合う複数のボトム20にわたって設けられている。図1に示すように、第2エッジ部材50は、例えば背ボトム20aや足ボトム20dに設けられている。すなわち、第2エッジ部材50は、駆動部により屈曲されないボトム20同士に設けられている。
【0037】
第2エッジ部材50は、上面部51にマットレス止め取付部51aが設けられている。このマットレス止め取付部51aは、例えば隣り合うボトム20の間に位置している。マットレス止め取付部51aは、上面部51から下面部52に向けて貫通する第1貫通孔56と第2貫通孔57とを有している。第1貫通孔56と第2貫通孔57とは、左右方向に並んでいる。第1貫通孔56と第2貫通孔57とには、マットレス止め60が着脱可能に取付けられる。
【0038】
図14図15に示すように、第2エッジ部材50の下面部52は、係合部58を有している。この係合部58は、第1エッジ部材30の係合部45と同様に形成され、ボトム20の延出部29に係合する。第2エッジ部材50は、係合部58が延出部29に係合することにより抜け止めがなされる。係合部58は、第2エッジ部材50が取付けられるボトム20の少なくとも1つに対応して設けられていてもよいし、複数個のボトム20にそれぞれ対応して設けられていてもよい。
【0039】
マットレス止め60は、マットレス止め取付部51aに着脱可能に設けられる。このマットレス止め60は、ボトム20の上面部24に載置されるマットレス(図示せず)がずれるのを抑制する。そして、マットレス止め60は、マットレス止め取付部51aに取付けられる横板部62と、横板部62から下方に向けて延び左右方向に並んだ第1突部64、第2突部66と、横板部62のボトム20とは反対側の端部から上方に向けて延びる規制部68と、を有している。
【0040】
マットレス止め60は、ボトム20の端部24aからの突出寸法を変更可能となっている。具体的には、図16中の点線で示すように、マットレス止め60は、第1突部64を第1貫通孔56に挿通させるとともに、第2突部66を第2貫通孔57に挿通させて、横板部62をマットレス止め取付部51aに取付けることにより幅広に設定される(図13図14の状態)。この場合、マットレス止め60のボトム20の端部24aからの突出寸法は、第1エッジ部材30の一側面部32を上面部としてボトム20に取付けられた場合に対応している。
【0041】
一方、図16中の一点鎖線で示すように、マットレス止め60は、第1突部64を開口部55側に挿通させるとともに、第2突部66を第1貫通孔56に挿通させて、横板部62をマットレス止め取付部51aに取付けることにより幅狭に設定される(図15の状態)。この場合、マットレス止め60のボトム20の端部24aからの突出寸法は、第1エッジ部材30の他側面部34を上面部としてボトム20に取付けられた場合に対応している。
【0042】
かくして、本実施形態に係るベッド10は、フレーム12上に設けられ前後方向に並んだ複数のボトム20と、ボトム20の端部24aに設けられる有底筒状の第1エッジ部材30と、を備え、ボトム20は、左右方向の端部側に位置して上下方向に延びる側面部28を有し、第1エッジ部材30は、上下方向の一側に位置する一側面部32と、一側面部32に対面する他側面部34と、ボトム20の端部24aが挿入される開口部36と、開口部36に対面する底部38と、を有し、底部38は、一側面部32を上面部として開口部36からボトム20の端部24aが挿入された場合に側面部28が接触する浅底部38aと、他側面部34を上面部として開口部36からボトム20の端部24aが挿入された場合に側面部28が接触する深底部38bと、を有する。
【0043】
これにより、一側面部32を上面部として第1エッジ部材30をボトム20に取付けた場合には、ベッド10を幅広に設定することができる。一方、他側面部34を上面部として第1エッジ部材30をボトム20に取付けた場合には、ベッド10を幅狭に設定することができる。すなわち、第1エッジ部材30の取付け向きを上下反転させるだけで、ベッド10の幅を簡単に幅広から幅狭または幅狭から幅広にすることができる。
【0044】
また、側面部28は、ボトム20の上面部24から下方に向けて延びており、底部38は、一側面部32から他側面部34に向けて延びるとともに、深底部38bから開口部36に向けて突出して突出端面が浅底部38aとなるリブ40を有し、他側面部34を上面部として開口部36からボトム20の端部24aが挿入された場合には、リブ40と他側面部34との間の空間S1に側面部28が挿入される。
【0045】
これにより、リブ40は、ベッド10の幅寸法を設定するスペーサの機能と第1エッジ部材30を補強する補強機能とを備える。従って、例えばベッド10の利用者がベッド10に端座位した場合に、第1エッジ部材30の上方から力(体重)が加わっても第1エッジ部材30が変形するのを抑制できる。
【0046】
また、側面部28は、下方に向けて延びる延出部29を有し、他側面部34は、一側面部32を上面部として開口部36からボトム20の端部24aが挿入された場合に延出部29に係合する係合部45を有している。
【0047】
また、ボトム20の上面部24は、下方に向けて凹む凹部26を有し、係合部45は、他側面部34を上面部として開口部36からボトム20の端部24aが挿入された場合に凹部26に係合する。
【0048】
これにより、第1エッジ部材30は、例えばマットレスとの摩擦などにより、ボトム20から抜け落ちるのが抑制される。
【0049】
また、他側面部34を上面部として開口部36からボトム20の端部24aが挿入された場合には、他側面部34がボトム20の上面部24に接触する。
【0050】
これにより、例えばベッド10の利用者がベッド10に端座位した場合に、第1エッジ部材30の上方から力(体重)が加わっても、第1エッジ部材30の他側面部34を介してボトム20の上面部24でその力を受けることができる。従って、第1エッジ部材30が変形するのを抑制できる。
【0051】
複数のボトム20のうち第1エッジ部材30が設けられたボトム20とは別のボトム20に設けられる第2エッジ部材50を備え、第2エッジ部材50は、ボトム20に載置されるマットレスがずれるのを抑制するマットレス止め60を有し、マットレス止め60は、ボトム20の端部24aからの突出寸法を変更可能となっている。
【0052】
これにより、マットレス止め60の突出寸法を簡単に変更させることができるので、異なる幅のマットレスに変更してもマットレスがずれるのを抑制できる。
【0053】
また、第2エッジ部材50は、前後方向で隣り合う複数のボトム20にわたって設けられる。
【0054】
これにより、1回で複数のボトム20に第2エッジ部材50を取付けることができるので、第2エッジ部材50をボトム20に取付ける作業の作業性を向上や部品点数を削減できる。
【0055】
図1に示す通り、ベッド10には、第1エッジ部材30と第2エッジ部材50とが共に取付けられている。第2エッジ部材50は、1つで複数のボトム20にわたって設けることができるので、ボトム20に取付ける作業の作業性を向上できたり、部品点数を削減できたりする。一方、第2エッジ部材50は、図1に示すベッド10のように、駆動部により屈曲可能な背ボトム20a、膝ボトム20c、および足ボトム20dを備えている場合は取付けることができる箇所が限られてくる。
【0056】
図1に示す通り、ベッド10は、利用者がボトム20の端部24a側で端座位をとることの多い腰ボトム20b周辺のボトム20に、第1エッジ部材30を設け、端座位をとることの比較的少ない背ボトム20aや足ボトム20dのボトム20に、第2エッジ部材50を設けることができる。すなわち、第1エッジ部材30は、幅広に設定した場合と幅狭に設定した場合との両方でマットレスの端部を支持することができる。従って、第1エッジ部材30は、端座位をとったときの安定性を向上できる。
【0057】
これにより、ベッド10は、第1、第2エッジ部材30、50をボトム20に取付ける作業の作業性が向上できたり、部品点数を削減できたりすることができる。このように、第1エッジ部材30と第2エッジ部材50とを適切に組み合わせることで、ボトム20に取付ける作業の作業性の向上と、ベッド10の利便性の向上と、を両立させたベッド10を提供することができる。
【0058】
次に、図17は、第1変形例に係る第3エッジ部材を示している。
図17は、第1変形例に係る第3エッジ部材を示す分解斜視図である。図17(a)は、幅広に設定する場合のボトム70と、第3エッジ部材72とを示す分解斜視図である。図17(b)は、幅狭に設定する場合のボトム70と、第3エッジ部材72とを示す分解斜視図である。第3エッジ部材72(端部部材)は、上下方向もしくは水平方向で反転させてボトム70の端部の同じ位置に取付けることができる。
【0059】
ボトム70は、上下方向に貫通するめねじ71を有している。そして、第3エッジ部材72は、めねじ71に対応する位置に上下方向に貫通する貫通孔73を有している。この貫通孔73は、第3エッジ部材72の左右方向の一方の端部側にずらした位置に形成されている。これにより、第3エッジ部材72は、180度回転させてボルト74をめねじ71に螺合させることで、ボトム70からの突出寸法を変えることができる。なお、第3エッジ部材72は、ボルト74に変えてピン部材でボトム70に取付けられてもよい。
【0060】
次に、図18は、第2変形例に係る第4エッジ部材(端部部材)を示している。
図18は、第2変形例に係る第4エッジ部材を示す分解斜視図である。図18(a)は、幅広に設定する場合のボトム70と、第4エッジ部材75とを示す分解斜視図である。図18(b)は、幅狭に設定する場合のボトム70と、第4エッジ部材75とを示す分解斜視図である。第4エッジ部材75(端部部材)は、上下方向もしくは水平方向で反転させてボトム70の端部の同じ位置に取付けることができる。第4エッジ部材75は、ボトム70の端部の左右方向で移動させて、異なる複数の位置で取付けることができる。第4エッジ部材75は、ボトム70の端部の上面または下面において水平方向で移動させて、異なる複数の位置で取付けることができる。
【0061】
第4エッジ部材75は、第3エッジ部材72に変えて用いられる。第4エッジ部材75は、左右方向で第1貫通孔76と第2貫通孔77とが並んで形成されている。第4エッジ部材75は、ボルト74を第1貫通孔76や第2貫通孔77からめねじ71に螺合させることで、ボトム70からの突出寸法を変えることができる。
【0062】
次に、図19は、第3変形例に係る第5エッジ部材(端部部材)を示している。
図19は、第3変形例に係る第5エッジ部材を示す平面図および側面図である。図19(a)は、幅狭に設定された場合の平面図である。図19(b)は、幅狭に設定された場合の側面図である。図19(c)は、幅広に設定された場合の平面図である。図19(d)は、幅広に設定された場合の側面図である。第5エッジ部材81(端部部材)は、上下方向もしくは水平方向で反転させてボトム80の端部の同じ位置に取付けることができる。
【0063】
ボトム80の端部には、第5エッジ部材81が設けられている。この第5エッジ部材81は、ボトム80に対して折り畳み可能となっている。ボトム80と第5エッジ部材81との間には、例えば屈曲可能な薄板部82が設けられている。図19(a)、(b)に示すように、第5エッジ部材81は、ボトム80に折り畳まれることで幅狭に設定することができる。一方、図19(c)、(d)に示すように、第5エッジ部材81は、ボトム80から開くことで幅広に設定することができる。
【0064】
次に、図20は、第4変形例に係る第6エッジ部材(端部部材)を示している。
図20は、第4変形例に係る第6エッジ部材を示す側面図である。図20(a)は、幅狭に設定された場合の側面図である。図20(b)は、幅広に設定された場合の側面図である。第6エッジ部材86は、ボトム85の端部の左右方向で移動させて、異なる複数の位置で取付けることができる。第6エッジ部材86は、ボトム85の端部の上面または下面において水平方向で移動させて、異なる複数の位置で取付けることができる。
【0065】
ボトム85の端部には、第6エッジ部材86が設けられている。この第6エッジ部材86は、ボトム85に対して左右方向(幅方向)にスライド可能となっている。第6エッジ部材86は、スライド位置を調整することでボトム85からの突出寸法を細かく設定することができる。
【0066】
次に、図21は、第5変形例に係る第7エッジ部材(端部部材)を示している。
図21は、第5変形例に係る第7エッジ部材を示す平面図および側面図である。図21(a)は、幅狭に設定された場合の平面図である。図21(b)は、幅狭に設定された場合の側面図である。第7エッジ部材95は、ボトム90の端部の上下方向で移動させて、異なる複数の位置で取付けることができる。第7エッジ部材95は、前後方向で隣り合い、屈曲する複数のボトム90にわたって設けられ、ボトム90の屈曲に合わせて回動する回動部(ヒンジ部98)を備えている。そして、第7エッジ部材95をボトム90の端部の水平方向で移動させて、異なる複数の位置で取付けることができる。
【0067】
上述した実施形態では、複数のボトム20に第1エッジ部材30を取付けた場合を例に挙げて説明した。しかし、図21に示すように、枠状のボトム90に幅寸法を変更可能な第7エッジ部材95を設けてもよい。
【0068】
ボトム90は、例えば背ボトム90aと脚ボトム90bとを有している。背ボトム90aは、例えば図示しない駆動部により脚ボトム90bに対して角度を変更可能となっている。そして、背ボトム90aのパイプ91aには、上下方向に貫通する貫通孔92が形成されている。一方、脚ボトム90bのパイプ91bにも、上下方向に貫通する貫通孔92が形成されている。
【0069】
第7エッジ部材95は、背ボトム90aに取付けられる背ボトムエッジ部材95aと、脚ボトム90bに取付けられる脚ボトムエッジ部材95bと、を有している。背ボトムエッジ部材95aは、例えばパイプ91aを内部に挿入可能なコ字状に形成されている。そして、背ボトムエッジ部材95aは、上下方向に貫通する第1挿通孔96と第2挿通孔97とが左右方向(幅方向)に並んで形成されている。脚ボトムエッジ部材95bも背ボトムエッジ部材95aと同様に形成されている。背ボトムエッジ部材95aと脚ボトムエッジ部材95bとは、ヒンジ部98で回動可能に連結されている。
【0070】
第7エッジ部材95は、ピン部材99を第1挿通孔96から貫通孔92に挿通させることで、幅狭に設定することができる。一方、第7エッジ部材95は、ピン部材99を第2挿通孔97から貫通孔92に挿通させることで、幅広に設定することができる。
【0071】
図22は、第6変形例に係る第8エッジ部材を示す側面図である。
上述した実施形態では、ボトム20に上下移動して取付可能な第1エッジ部材30を例に挙げて説明した。しかし、図22に示すように、ボトム100に対して上下方向に移動可能な第8エッジ部材101(端部部材)を設けてもよい。すなわち、第8エッジ部材101は、ボトム100の端部の上下方向で移動させて、異なる複数の位置で取付けることができる。
【0072】
なお、上述した実施形態では、側面部28が上面部24から下方に向けて延びている場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば側面部は、ボトムの下面部から上方に向けて延びていてもよい。この場合、第1エッジ部材30は、一側面部32が他側面部となり、他側面部34が一側面部となる。
【0073】
また、上述した実施形態では、リブ40により浅底部38aと深底部38bとを形成した場合を例に上げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば第1エッジ部材30の内部に段付状の底部を形成してもよい。
【0074】
また、上述した実施形態では、第2エッジ部材50が複数のボトム20にわたって取付けられた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えばマットレス止めを有する第2エッジ部材が1つのボトムに取付けられてもよい。
【0075】
前述の各実施形態は、本発明を具現化した例であり、本発明はこれらの実施形態には限定されない。例えば、前述の各実施形態において、いくつかの構成要素を追加、削除または変更したものも本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0076】
10:ベッド
12:フレーム
12a:頭側フレーム
12b:足側フレーム
14:脚部
20:ボトム
20a:背ボトム
20b:腰ボトム
20c:膝ボトム
20d:足ボトム
22:円筒部
24:上面部
24a:端部
24b:上面
26:凹部
26a:側面
28:側面部
29:延出部
29a:裏面
30:第1エッジ部材
32:一側面部
32a:裏面
34:他側面部
34a:裏面
34b:表面
35:湾曲側面
36:開口部
38:底部
38a:浅底部
38b:深底部
40:リブ
45:係合部
45a:先端
50:第2エッジ部材
51:上面部
51a:マットレス止め取付部
52:下面部
53:湾曲面部
54:底部
55:開口部
56:第1貫通孔
57:第2貫通孔
58:係合部
60:マットレス止め
62:横板部
64:第1突部
66:第2突部
68:規制部
70:ボトム
71:めねじ
72:第3エッジ部材
73:貫通孔
74:ボルト
75:第4エッジ部材
76:第1貫通孔
77:第2貫通孔
80:ボトム
81:第5エッジ部材
82:薄板部
85:ボトム
86:第6エッジ部材
90:ボトム
90a:背ボトム
90b:脚ボトム
91a:パイプ
91b:パイプ
92:貫通孔
95:第7エッジ部材
95a:背ボトムエッジ部材
95b:脚ボトムエッジ部材
96:第1挿通孔
97:第2挿通孔
98:ヒンジ部材
99:ピン部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22