(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113218
(43)【公開日】2024-08-22
(54)【発明の名称】腕装着機器
(51)【国際特許分類】
A44C 5/14 20060101AFI20240815BHJP
A44C 5/02 20060101ALI20240815BHJP
【FI】
A44C5/14 A
A44C5/14 N
A44C5/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023018027
(22)【出願日】2023-02-09
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 純一郎
(57)【要約】
【課題】装着性に優れたバンドを実現する。
【解決手段】腕装着機器である時計100が、機器本体10と、バンド2と、機器本体10とバンド2を連結させる連結ピン5とを備え、機器本体10はバンド2の幅方向に貫通し、連結ピン5が挿入される第1の貫通孔111が形成された本体側取付け部11を有し、バンド2は本体側取付け部11に取り付けられて第1の貫通孔111に連通し連結ピン5が挿入される第2の貫通孔36が形成されたバンド側取付け部3を有し、連結ピン5は本体側取付け部11の第1の貫通孔111内に回転規制状態で配置され、バンド2の第1方向への回動を規制する第1の規制面523とバンド2の第2方向への回動を規制する第2の規制面524とを外周面に有し、バンド側取付け部3の第2の貫通孔36は、内周面に第1の規制面523及び第2の規制面524に突き当たることでバンド2の回動範囲を規制する突き当て面38,39を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器本体と、
バンドと、
前記機器本体と前記バンドとを連結させる連結ピンと、
を備え、
前記機器本体は、前記バンドの幅方向に貫通し、前記連結ピンが挿入される第1の貫通孔が形成された本体側取付け部を有し、
前記バンドは、前記機器本体の前記本体側取付け部に取り付けられた状態において前記第1の貫通孔に連通し前記連結ピンが挿入される第2の貫通孔が形成されたバンド側取付け部を有し、
前記連結ピンは、前記本体側取付け部の前記第1の貫通孔内に、軸を中心とした回転が規制された状態で配置され、前記連結ピンを中心軸とした前記バンドの第1方向への回動を規制する第1の規制面と、前記連結ピンを中心軸とした前記バンドの第2方向への回動を規制する第2の規制面と、を外周面に有し、
前記バンド側取付け部の前記第2の貫通孔は、内周面に前記第1の規制面及び前記第2の規制面に突き当たることで前記バンドの回動範囲を規制する突き当て面を備えている、
ことを特徴とする腕装着機器。
【請求項2】
前記本体側取付け部の前記第1の貫通孔は、内周面に少なくとも一部が平坦であって前記連結ピンの回転を規制する回転規制面を備えている、
ことを特徴とする請求項1に記載の腕装着機器。
【請求項3】
前記バンドにおける前記機器本体への連結側を基端とした場合に、前記第1方向への回動は、前記バンドの自由端側が前記機器本体の表面側に向う回動であり、前記第2方向への回動は、前記バンドの自由端側が前記機器本体の裏面側に向う回動である、
ことを特徴とする請求項1に記載の腕装着機器。
【請求項4】
前記バンド側取付け部の前記第2の貫通孔は、内径中心に向かって突出する突出部を有し、前記突出部の第1の面が前記連結ピンの前記第1の規制面に突き当たる第1の突き当て面として機能し、前記第1の面とは異なる第2の面が前記連結ピンの第2の規制面に突き当たる第2の突き当て面として機能する、
ことを特徴とする請求項1に記載の腕装着機器。
【請求項5】
前記バンド側取付け部の前記第2の貫通孔の前記第1の面は、前記第2の面と略直交する面であり、
前記連結ピンが、前記バンド側取付け部の前記第2の貫通孔、且つ前記本体側取付け部の前記第1の貫通孔に挿入された状態において、前記第2の貫通孔の前記第2の面、前記第1の面は、順に、前記本体側取付け部の前記第1の貫通孔の回転規制面、前記回転規制面と略直交する面と対応した位置にある、
ことを特徴とする請求項4に記載の腕装着機器。
【請求項6】
前記バンド側取付け部の前記第2の貫通孔の前記第2の面は、前記本体側取付け部の前記第1の貫通孔の回転規制面と略平行であり、
前記バンド側取付け部の前記第2の貫通孔の前記第1の面は、前記本体側取付け部の前記第1の貫通孔の回転規制面と略直交する面と略平行である、
ことを特徴とする請求項4に記載の腕装着機器。
【請求項7】
前記連結ピンの軸方向から断面視した際、前記バンド側取付け部の前記第2の貫通孔の前記第1の面と、前記本体側取付け部の前記第1の貫通孔の回転規制面と略直交する面と、は重なる位置にあり、
前記バンド側取付け部の前記第2の貫通孔の前記第2の面は、前記本体側取付け部の前記第1の貫通孔の前記回転規制面よりも、前記貫通孔の外周側に位置する、
ことを特徴とする請求項4に記載の腕装着機器。
【請求項8】
前記連結ピンは、前記第1の規制面及び前記第2の規制面が形成された領域が、前記バンド側取付け部の前記第2の貫通孔内から前記本体側取付け部の前記第1の貫通孔内に跨るように配置されている、
ことを特徴とする請求項4に記載の腕装着機器。
【請求項9】
前記機器本体及び前記バンドの少なくとも一方は、金属材料で形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の腕装着機器。
【請求項10】
前記第2方向は前記第1方向とは反対方向である、
ことを特徴とする請求項1に記載の腕装着機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腕装着機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、連結ピン等を用いてバンドを連結させる構成が知られている。
例えば、特許文献1には、異形状のピン本体を連結駒の孔から挿入し、ドライバ等を用いてピン本体を回動させることで連結ピンの溝と駒の突起部とが係合されて駒の連結が完了する構成とした時計バンドの連結ピンが記載されている。
【0003】
この構成により、使用中に連結ピンが駒から抜け出して連結が外れ、予期しない時計の落下の衝撃により時計が破壊するのを防ぐことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された構成はバンド駒同士を連結させるものであり、連結ピンは、連結されたもの同士の回動範囲について配慮する構成とはなっていない。
【0006】
機器本体とバンドとを連結させる場合、バンドが機器本体に対して自由に回動すると、機器本体とバンドとが接触して傷がつくおそれがある。
しかし、腕装着機器の装着対象である腕は、ユーザによってその太さが異なる。このため、バンドが回動しないように固定した場合、腕の細いユーザの場合には腕とバンドとの間に隙間が生じてしまい、装着性が悪い。また腕が太いユーザの場合には腕に沿ってバンドが広がらないことでバンドによって腕が締め付けられ、この場合にも装着性が損なわれる。
【0007】
本発明はこうした課題を解決するためのものであり、装着性に優れたバンドを備えた腕装着機器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明に係る腕装着機器は、
機器本体と、
バンドと、
前記機器本体と前記バンドとを連結させる連結ピンと、
を備え、
前記機器本体は、前記バンドの幅方向に貫通し、前記連結ピンが挿入される第1の貫通孔が形成された本体側取付け部を有し、
前記バンドは、前記本体ケースの前記本体側取付け部に取り付けられた状態において前記第1の貫通孔に連通し前記連結ピンが挿入される第2の貫通孔が形成されたバンド側取付け部を有し、
前記連結ピンは、前記本体側取付け部の前記第1の貫通孔内に、軸を中心とした回転が規制された状態で配置され、前記連結ピンを中心軸とした前記バンドの第1方向への回動を規制する第1の規制面と、前記連結ピンを中心軸とした前記バンドの第2方向への回動を規制する第2の規制面と、を外周面に有し、
前記バンド側取付け部の前記第2の貫通孔は、内周面に前記第1の規制面及び前記第2の規制面に突き当たることで前記バンドの回動範囲を規制する突き当て面を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、腕装着機器が装着性に優れたバンドを備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】機器本体を構成する本体ケースとバンドとが連結された状態を示す連結部分の要部斜視図である。
【
図3】
図2に示す本体ケースとバンドと連結ピンを示す連結部分の要部分解斜視図である。
【
図4】機器本体を構成する本体ケースとバンドとが連結された連結部分を、一部内部を透過させた状態で示す要部斜視図である。
【
図5】時計ケースに設けられる本体側取付け部の構成を示す要部斜視図である。
【
図6】
図4におけるVI-VI線に沿う要部断面図である。
【
図7】本実施形態における連結ピンを示す要部斜視図である。
【
図8】本実施形態における連結ピンを軸部の先端側から見た要部拡大斜視図である。
【
図9】本実施形態における連結ピンを軸部の先端側から見た要部平面図である。
【
図10】本実施形態のバンド側取付け部を示す要部斜視図である。
【
図11】連結部分においてバンドを初期状態から第1方向に回動させた状態を説明する説明図である。
【
図12】連結部分においてバンドを回動が規制される位置まで第1方向に回動させた状態を説明する説明図である。
【
図13】連結部分において回動が規制される位置を超えてバンドが第1方向に回動された状態を説明する説明図である。
【
図14】連結部分におけるバンドの初期状態を示す説明図である。
【
図15】連結部分においてバンドを初期状態から第2方向に回動させた状態を説明する説明図である。
【
図16】連結部分において回動が規制される位置までバンドを第2方向に回動させた状態を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1から
図16を参照しつつ、本発明に係る腕装着機器の一実施形態について説明する。
なお、以下に述べる実施形態では、腕装着機器が腕に装着される腕時計(以下において「時計100」とする)である場合を例として説明する。また、以下の実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。なお、以下において、x方向,y方向、z方向は各図に示すものをいう。x方向は、時計100の幅方向(機器本体10及びバンド2の幅方向)であり、アナログ時計における3時-9時方向である。y方向は、アナログ時計における6時-12時方向であり、バンド2の長手方向である。また、z方向は、時計100の厚み方向(上下方向)である。
【0012】
[概要]
図1は、本実施形態における腕装着機器である時計の正面図である。
図2は、
図1に示す時計の機器本体を構成する本体ケースにバンドの連結側端部が連結された連結部分を示す要部斜視図であり、
図3は、
図2に示す連結部分を構成する本体ケース、バンド及び連結ピンを示す要部分解斜視図である。
図1に示すように、本実施形態の腕装着機器である時計100は、機器本体10と、バンド2と、機器本体10及びバンド2を連結させる連結ピン5と、を含んでいる。
図1において、機器本体10とバンド2との連結部分CPを一点鎖線で囲んで示している。
【0013】
後述するように、本実施形態では、機器本体10を構成する本体ケース1に、バンド2の幅方向に貫通し、連結ピン5が挿入される第1の貫通孔111が形成された本体側取付け部11が設けられている。連結ピン5は、この第1の貫通孔111内に軸を中心とした回転(軸周りの回転)が規制された状態で配置される。そして連結ピン5の外周面には、連結ピン5を中心軸としたバンド2の第1方向(
図11、
図12及び
図13において矢印I方向)への回動を規制する第1の規制面523(
図5から
図7参照)と、連結ピン5を中心軸としたバンド2の第2方向(
図14及び
図15において矢印II方向)への回動を規制する第2の規制面524(
図5から
図7参照)と、が形成されている。
バンド2は、本体ケース1の本体側取付け部11に取り付けられた状態において第1の貫通孔111に連通し連結ピン5が挿入される第2の貫通孔35,36が形成されたバンド側取付け部3を有している。バンド側取付け部3の脚部31aに形成されている第2の貫通孔36は、その内周面に第1の規制面523及び第2の規制面524に突き当たることでバンド2の回動範囲を規制する突き当て面(第1の突き当て面である第1の面38及び第2の突き当て面である第2の面39)を備えている。
以下、腕装着機器である時計100の構成について詳説する。
【0014】
[構成]
まず機器本体10を構成する本体ケース1は、中空の短柱形状に形成されている。
本体ケース1を形成する材料は特に限定されないが、例えばチタンやステンレス鋼(SUS)等の金属材料で形成されている。
なお、本体ケースを形成する材料はここに例示したものに限定されない。例えば各種セラミック等で形成されていてもよい。またポリアリレート(PAR)等のスーパーエンジニアリング・プラスチックやポリアセタール(POM)等のエンジニアリング・プラスチック等の硬質の合成樹脂等の硬質材料で形成されていてもよい。
【0015】
図示はしないが、本体ケース1の内部には、時計モジュールが設けられている。時計モジュールは、例えば指針を運針させて時刻を指示する時計ムーブメント、時刻等の情報を表示する表示部、これらを駆動して制御する回路部等、時計機能に必要な各種の部品を含んでいる。
なお、
図1に示す例では時計100が指針と文字板を備えるアナログ方式の時計である場合を例示したが、時計100はアナログ方式の時計に限定されず、液晶表示部等を備え、デジタル方式で時刻等の表示を行う時計でもよい。また、アナログ方式、デジタル方式、いずれの表示部も備えるハイブリット方式の時計でもよい。
また機器本体10の視認側(表面側)にはベゼル等の外装部材が設けられていてもよい。
【0016】
図2及び
図3に示すように、本体ケース1の外側部であってアナログ方式の時計における6時側及び12時側に対応する位置には、それぞれ本体ケース1にバンド2を連結させるための本体側取付け部11が設けられている。
本体側取付け部11には、時計100の幅方向(x方向)に貫通する第1の貫通孔111が形成されている。
【0017】
図4は、機器本体とバンドとの連結部分(
図1及び
図4等参照)を示す要部斜視部である。また
図5は、本体ケースの本体側取付け部及びその周辺を示す要部斜視図である。
さらに
図6は、
図4におけるVI-VI線に沿う断面図である。
なお、
図4から
図6では、内部を一部透過させて示しており、透過部分を破線で示している。
図4から
図6に示すように、本体側取付け部の内部には、バンド2の幅方向(
図4及び
図5においてx方向)に貫通し、連結ピン5が挿入される第1の貫通孔111が形成されている。
【0018】
第1の貫通孔111の内周面には、少なくとも一部が平坦であって連結ピン5の回転を規制する回転規制面112が設けられている。本実施形態では、
図5等における、x方向の右側から第1の貫通孔111に連結ピン5を挿入する場合に、挿入側(x方向の右側)では第1の貫通孔111の断面形状がほぼ円形となっており、回転規制面112は、第1の貫通孔111の出口側(
図4及び
図5におけるx方向の左側)のみに設けられている。
回転規制面112が設けられる範囲等は図示例に限定されず、第1の貫通孔111の挿入側から出口側に亘って広範囲に回転規制面112が設けられていてもよい。なお、回転規制面112は、後述する連結ピン5の軸部52が軸周りに回転することを規制できる形状であればよく、具体的な形状は図示例に限定されない。
【0019】
また、第1の貫通孔111の長手方向(
図4及び
図5においてx方向)の中央部近傍には、時計100の裏面側(非視認側)に開口し、第1の貫通孔111に対してほぼ直交するようにz方向に沿って形成されたピン係止用穴部113が設けられている。
ピン係止用穴部113内には、時計100の裏面側(非視認側)の開口部からピン係止部材6が挿入される。ピン係止部材6は、ピン係止用穴部113内への挿入状態において第1の貫通孔111と交差する部分に凹部が形成されている。
【0020】
本実施形態の連結ピン5は、軸部52の長手方向(
図4及び
図5においてx方向)の中央部近傍が他の部分よりも径の小さい細軸部521となっている。軸部52を第1の貫通孔111に挿入した場合に第1の貫通孔111と交差する部分では、ピン係止部材6に形成された凹部に対応して軸部52の細軸部521が配置される(
図4参照)。この状態でピン係止部材6を締め込むことにより、連結ピン5の軸方向(x方向)に沿う移動が規制される。
【0021】
図6に示すように、第1の貫通孔111内に連結ピン5の軸部52が配置されると、第1の貫通孔111の内周面に形成された回転規制面112に後述する連結ピン5(軸部52)の平坦部522が当接する。これによって、連結ピン5の軸部52が軸周りに回転することが規制される。そして、さらにピン係止部材6によって連結ピン5の軸方向(x方向)に沿う移動も規制された状態となる。
【0022】
図7は、連結ピンの全体を示す斜視図であり、
図8は、連結ピンの軸部の自由端側を拡大した要部拡大斜視図であり、
図9は、連結ピンを、軸部の自由端側から見た平面図である。
連結ピン5は、第1の貫通孔111及び後述する第2の貫通孔35,36に挿入されるものであり、例えばチタンやステンレス鋼(SUS)等の金属材料で形成されている。
【0023】
連結ピン5は、ピン頭部51と、ピン頭部51よりも径の小さい軸部52とを有している。本実施形態のピン頭部51の外周面には、例えばローレット加工等が施されており(
図4及び
図7参照)、指で操作する際に滑りにくい構成となっている。
図1及び
図4に示すように、連結ピン5が第1の貫通孔111及び後述する第2の貫通孔35,36に挿入された状態において、ピン頭部51は後述するバンド側取付け部3の脚部31bに形成されている切欠き部34に嵌るようになっており、第2の貫通孔35の外部に露出する。
【0024】
軸部52は、連結ピン5のうち、本体側取付け部11に形成された第1の貫通孔111及びバンド側取付け部3の脚部31a,31bに形成された第2の貫通孔35,36に挿入される部分である。
軸部52は、前述のように長手方向(
図4においてx方向)のほぼ中央部が細軸部521となっている。また本実施形態では、細軸部521よりもピン頭部51側では、軸部52の断面形状がほぼ円形となっている。また軸部52のうち、細軸部521よりも先端側の部分では、外周面の一部が切り欠かれ、平坦部522が形成されている。平坦部522は、第1の貫通孔111の内周面に形成されている回転規制面112に対応する面である。平坦部522の形状等は回転規制面112の形状等に対応する。第1の貫通孔111と軸部52とが回転規制面112と平坦部522という平坦な面同士で当接する箇所を有することで、第1の貫通孔111に挿入された軸部52(軸部52を備える連結ピン5)の軸を中心とした回転が規制される。
【0025】
また軸部52の外周面であって少なくとも細軸部521よりも先端側の部分には、第1の規制面523及び第2の規制面524と、が形成されている。
第1の規制面523は、連結ピン5(連結ピン5の軸部52)を中心軸としたバンド2の第1方向(
図11、
図12及び
図13において矢印I方向)への回動を規制するものである。
第2の規制面524は、連結ピン5(連結ピン5の軸部52)を中心軸としたバンド2の第2方向(
図14及び
図15において矢印II方向)への回動を規制するものである。
【0026】
図8及び
図9等に示すように、本実施形態において、第1の規制面523は前述の平坦部522からほぼ垂直に垂下される面である。また第2の規制面524は、軸部52の軸中心を挟んで第1の規制面523とは異なる側(本実施形態では
図9等に示すように軸中心よりも左側)に垂下される面である。
【0027】
なお、第1の規制面523及び第2の規制面524は、後述するバンド側取付け部3の脚部31aの第2の貫通孔36に形成された突出部37(突出部37の第1の面38,第2の面39)が突き当たることでバンド2の回動範囲を規制することができるものであればよく、その形状や設けられる位置等は図示例に限定されない。
またバンド2の回動範囲をここに示した例よりも広げたい場合や、ここに示した例よりも狭めたい場合には、第1の規制面523及び第2の規制面524を設ける位置や角度等を適宜変えることで回動範囲を調整することができる。
【0028】
バンド2は、腕装着機器である時計100をユーザに腕に装着するためのものである。
バンド2は、機器本体10との取付け側端部にバンド側取付け部3を備えている。
図10は、本実施形態におけるバンド側取付け部3を示す斜視図である。
本実施形態のバンド2は、複数のバンド駒21(
図1参照)を連結することで所定の長さに形成されたものであり、バンド側取付け部3は、バンド駒21のうち機器本体10との取付け側端部に設けられる、いわゆるエンドピースである。
【0029】
バンド側取付け部3を含む本実施形態のバンド2は、例えばチタンやステンレス鋼(SUS)等の金属材料やポリアリレート(PAR)等のスーパーエンジニアリング・プラスチックやポリアセタール(POM)等のエンジニアリング・プラスチック等の硬質の合成樹脂等の硬質材料で形成されている。なお、バンド2を形成する材料はここに例示したものに限定されない。例えば各種セラミック等で形成されていてもよい。なお、バンド2の形状、構成等は特に限定されない。例えば各種の樹脂材料等により一つながりに形成されたバンド本体や、各種の革等で形成されたバンド本体の、機器本体10との連結側の端部に、バンド側取付け部3が取り付けられたものであってもよい。またバンド本体は、例えば金属材料と合成樹脂、セラミックと合成樹脂等、複数種類の異素材を組み合わせて形成されたもの等であってもよい。いずれの場合にも、少なくともバンド側取付け部3のみは金属材料や各種硬質樹脂材料で形成される。
【0030】
図10に示すように、本実施形態におけるバンド側取付け部3は、直状部30の両端にそれぞれ脚部31a,31bが設けられ、全体がほぼH字型に形成されている。
一対の脚部31a,31bの間であって機器本体10との取付け側には、本体側取付け部11を受け入れる第1の凹部32が設けられている。また、脚部31a,31bの間であって他のバンド駒21が連結される側には隣接するバンド駒21の図示しない取付け部を受け入れる第2の凹部33が設けられている。
【0031】
本実施形態では、機器本体10とバンド2との連結部分CPにおいて、
図1等における右側から連結ピン5が挿入されるようになっている。バンド側取付け部3における連結ピン5が挿入側(すなわち、x方向右側)には、連結ピン5のピン頭部51が配置される切欠き部34が形成されている。
連結ピン5は、ピン頭部51が切欠き部34内に配置されることで連結ピン5が奥まで押し込まれ過ぎることが防止される。
なお、連結ピン5をx方向右側から連結部分CPに挿入する構成とすることで、特にユーザが右利きの場合に連結作業がしやすくなる。
【0032】
図10において直状部30のx方向右側に配置された脚部31bにはバンド幅方向に貫通する第2の貫通孔35が形成されている。第2の貫通孔35は断面形状がほぼ円形の貫通孔である。
また、
図10において直状部30のx方向左側に配置された脚部31aにはバンド幅方向に貫通する第2の貫通孔36が形成されている。第2の貫通孔36の内周面には、内径中心に向かって突出する突出部37が形成されている。
図8及び
図9に示すように、連結ピン5の軸部52の先端側は、外周面が一部切り欠かれて本来の軸部52の外周面よりも軸中心寄りに外周が設定されている。
軸部52が第2の貫通孔36に挿入された際には、軸部52の本来あるべき外周面よりも内側に設定された外周と第2の貫通孔36の内周面との間に隙間D(
図9において網掛けで示す範囲)を生じる。この隙間Dの範囲内が第2の貫通孔36の内周面に形成されている突出部37の移動可能な範囲となる。
【0033】
すなわち、突出部37の第1の面38が連結ピン5の軸部52に形成されている第1の規制面523に突き当たる第1の突き当て面として機能し、突出部37において、第1の面38とは異なる第2の面39が連結ピンの軸部52に形成されている第2の規制面524に突き当たる第2の突き当て面として機能する。
【0034】
なお、バンド2の回動範囲は、バンド側取付け部3脚部31aの第2の貫通孔36に形成された突出部37の形状、第1の面38、第2の面39を設ける位置や角度と、連結ピン5の軸部52に形成された第1の規制面523及び第2の規制面524の位置や角度との相対的な関係で決定される。
このため、突出部37の形状、第1の面38、第2の面39を設ける位置や角度等を適宜変えることによってもバンド2の回動範囲を調整することができる。
【0035】
[作用]
次に、本実施形態の腕装着機器である時計100の作用について説明する。
機器本体10を構成する本体ケース1にバンド2を取り付ける際には、まず、本体ケース1に設けられている本体側取付け部11をバンド2のバンド側取付け部3の第1の凹部32内に配置する。この状態で、本体ケース1の裏面側からピン係止用穴部113内にピン係止部材6を挿入する。
【0036】
そしてピン係止部材6が挿入されている状態で、x方向右側から、本体側取付け部11に形成された第1の貫通孔111及びバンド側取付け部3の脚部31a,31bに形成された第2の貫通孔35,36に連結ピン5を挿入する。これにより軸部52は第1の貫通孔111及び第2の貫通孔35,36内に挿入され、ピン頭部51は、脚部31bに形成されている切欠き部34に嵌り、第2の貫通孔35の外部に露出する。
【0037】
軸部52は、本体側取付け部11に形成された第1の貫通孔111内であって回転規制面112が設けられている位置まで挿入されると、この回転規制面112に、軸部52の平坦部522が当接する。これにより、連結ピン5の軸部52は、軸を中心とした回転(軸周りの回転)が規制された状態となる。また、ピン係止部材6が軸部52の挿入方向(x方向)に直交する方向(z方向)から軸部52のうちの細軸部521に嵌る。この状態でピン係止部材6を締め込むことにより、連結ピン5は挿入方向(x方向)への移動も規制される。このため、連結ピン5は、軸を中心とした回転及びx方向への移動が規制された状態(固定状態)で記第1の貫通孔111内に配置される。
【0038】
連結ピン5の先端側が脚部31aの第2の貫通孔36内まで挿入されると、連結ピン5の先端側の外周面と第2の貫通孔36の内周面との間には、所定範囲に亘って隙間Dが形成される(
図9における網掛け部分参照)。
この状態において、隙間Dの範囲内では第2の貫通孔36の内周面に形成されている突出部37の移動が可能である。これにより、バンド2(バンド2のバンド側取付け部3)は、連結ピン5を中心軸とした回動が可能であるとともに、回動範囲が一定の範囲内に規制される。
【0039】
図11、
図12及び
図13は、機器本体10(本体ケース1)への連結側(連結部分CP)を基端とした場合に、バンド2の自由端側が機器本体10の表面側に向う方向(第1方向、
図11、
図12及び
図13において矢印I方向)への回動範囲を説明する図である。
例えば
図14に示す状態をバンド2の初期状態の取付け角度(基準の角度)とした場合(
図14に示す初期状態では、z方向を示す矢印がほぼ垂直となるように図示する。)、
図11では、この初期状態よりも少し第1方向(矢印I方向)にバンド2を回動させた状態を示している。また
図12では、
図11に示す状態よりもさらに第1方向(矢印I方向)にバンド2を回動させた状態を示している。
【0040】
図11に示す状態では、バンド側取り付部3が規制されずに回動している。
これに対して
図12に示す状態では、バンド側取り付部3の第2の貫通孔36に形成されている突出部37の第1の面38が連結ピン5の軸部52の第1の規制面523に突き当たり、それ以上回動できないように規制された状態を示している。本実施形態では、初期状態よりも30度程度、第1方向(矢印I方向)にバンド2を回動させると、第1の規制面523により、それ以上バンド2が回動しないように規制される設定となっている。
【0041】
図11及び
図12では、図中一点鎖線で囲って示すα部分において、機器本体10(本体ケース1)とバンド2(バンド側取付け部3)とが接触していない。このため、例えば機器本体10(本体ケース1)とバンド2(バンド側取付け部3)の少なくとも一方が金属材料で形成されている場合でも機器本体10及びバンド2のいずれにも傷がつかない。
【0042】
これに対して、
図13は、一点鎖線で示す突出部37が設けられていない場合を示す図であり、この場合には、バンド2(バンド2のバンド側取付け部3)の、連結ピン5を中心軸とした回動範囲が規制されない。このため、
図13に示すような位置までバンドが回動することも可能となり、一点鎖線で囲って示すα部分において、機器本体10(本体ケース1)とバンド2(バンド側取付け部3)とが接触する。機器本体10(本体ケース1)やバンド2(バンド側取付け部3)が金属材料等で形成されている場合には両者がぶつかり、擦れ合うことで傷が付き、時計100の外観を損なうおそれがある。
【0043】
また、
図14、
図15及び
図16は、機器本体10(本体ケース1)への連結側(連結部分CP)を基端とした場合に、バンド2の自由端側が機器本体10の裏面側に向う方向(第2方向、
図14、
図15及び
図16において矢印II方向)への回動範囲を説明する図である。
第1方向への回動の場合と同様に、例えば
図14に示す状態をバンド2の初期状態の取付け角度とした場合に、
図15では、この初期状態よりも少し第2方向(矢印II方向)にバンド2を回動させた状態を示している。また
図16では、
図15に示す状態よりもさらに第2方向(矢印II方向)にバンド2を回動させた状態を示している。
【0044】
図15に示す状態では、バンド側取り付部3が規制されずに回動している。
これに対して
図16に示す状態では、バンド側取り付部3の第2の貫通孔36に形成されている突出部37の第2の面39が連結ピン5の軸部52の第2の規制面524に突き当たり、それ以上回動できないように規制された状態を示している。本実施形態では、初期状態よりも60度程度、第2方向(矢印II方向)にバンド2を回動させると、第2の規制面524により、それ以上バンド2が回動しないように規制される設定となっている。
これにより、バンド2は機器本体10に対して90度となる程度までは自重で下がることができ(例えば
図15に示す程度の状態)る。そして、ユーザがさらにバンド2の自由端側を機器本体10の裏面側に向う方向に回すことで、例えば
図16に示す程度の状態まで回動させることができ、細い腕にもバンド2を自然な状態で腕のカーブに沿わせることが可能となる。
【0045】
図15及び
図16では、図中一点鎖線で囲って示すα部分において、機器本体10(本体ケース1)とバンド2(バンド側取付け部3)とが接触していない。また図示は省略するが、
図16に示す位置までバンド2を回動させた状態でも、機器本体10の裏面側においてもバンド2(バンド側取付け部3)が機器本体10(本体ケース1)に接触しない。
このため、例えば機器本体10(本体ケース1)とバンド2(バンド側取付け部3)の少なくとも一方が金属材料で形成されている場合でも機器本体10及びバンド2のいずれにも傷がつかない。
一方で、
図16に示す位置(すなわち、初期状態よりも30度程度、第2方向(矢印II方向)にバンド2を回動させた位置)まではバンド2を回動させることができる。このため、例えば腕の細いユーザ等であっても、バンド2を自然に腕に沿わせることができ、時計100を装着したときの装着性に優れる。
【0046】
[効果]
以上のように本実施形態における腕装着機器である時計100は、機器本体10と、バンド2と、機器本体10とバンド2とを連結させる連結ピン5と、を備え、機器本体10は、バンド2の幅方向に貫通し、連結ピン5が挿入される第1の貫通孔111が形成された本体側取付け部11を有し、連結ピン5は、第1の貫通孔111内に軸を中心とした回転(軸周りの回転)が規制された状態で配置され、連結ピン5を中心軸としたバンド2の第1方向(矢印I方向)への回動を規制する第1の規制面523と、連結ピン5を中心軸としたバンド2の第2方向(矢印II方向)への回動を規制する第2の規制面524と、を外周面に有し、バンド2は、本体側取付け部11に取り付けられた状態において第1の貫通孔111に連通し連結ピン5が挿入される第2の貫通孔35,36が形成されたバンド側取付け部3を有し、第2の貫通孔36は、その内周面に第1の規制面523及び第2の規制面524に突き当たることでバンド2の回動範囲を規制する突き当て面となる第1の面38及び第2の面39を備えている。
これにより、バンド2が一定の範囲で回動可能であるとともに、一定の範囲を超える回動は規制される。
このため、ユーザの腕の太さ等に応じてある程度柔軟にバンド2の角度を変えることができ、装着性に優れる。また、バンド2の回動可能範囲を規制することで、バンド2が回動し過ぎて機器本体10(本体ケース1等)やバンド2が接触して傷付け合うことが防止される。これにより、時計100等である腕装着機器の外観が損なわれるのを防ぐことができる。
【0047】
本実施形態のバンド側取付け部3のピン頭部51側の第2の貫通孔35は、断面が略円形状であり、バンド側取付け部3に突出部37は形成されていないため、第1の面38,第2の面39は形成されていない。
連結ピン5が、
図10に示すバンド側取付け部3の第2の貫通孔36、及び
図5に示す本体ケース1の本体側取付け部11の第1の貫通孔111に挿入された状態においては、バンド側取付け部3の第2の貫通孔36の第2の面39、略第2の面39と直交する第1の面38は、順に、本体ケース1の本体側取付け部11の第1の貫通孔111の回転規制面112、回転規制面112と略直交する面に対応した位置にある。この際、バンド側取付け部3の第2の貫通孔36の第2の面39は、本体ケース1の本体側取付け部11の第1の貫通孔111の回転規制面112と略平行である。また、バンド側取付け部3の第2の貫通孔36の第1の面38は、本体ケース1の本体側取付け部11の第1の貫通孔111の回転規制面112と略直交する面と略平行となっている。
これにより、一定の範囲では回転し、一定範囲以上は回転しないように、バンド2の回動可能範囲を規制することができる。このため装着性を良好に保ちつつ、機器本体10(本体ケース1等)やバンド2が接触して傷付け合うことが防止される。
【0048】
また、時計100を、各貫通孔(第1の貫通孔111、第2の貫通孔35、36)に挿入された連結ピン5の軸方向から断面視した際、バンド側取付け部3の第2の貫通孔36の第1の面38と、本体ケース1の本体側取付け部11の第1の貫通孔111の回転規制面112と略直交する面と、は重なる位置にある。これに対し、バンド側取付け部3の第2の貫通孔36の第2の面39は、本体ケース1の本体側取付け部11の第1の貫通孔111の回転規制面112よりも、貫通孔の外周側に位置する。
【0049】
なお、連結ピン5の第1の規制面523及び第2の規制面524が形成された領域は、
バンド側取付け部3の第2の貫通孔36内だけでなく、バンド側取付け部3の第2の貫通孔36内から本体ケース1の本体側取付け部11の第1の貫通孔111内に亘って配置されている。即ち、連結ピン5は、第1の規制面523及び第2の規制面524が形成された領域が、バンド側取付け部3の第2の貫通孔36内から本体側取付け部11の第1の貫通孔111内に跨るように配置されている。
【0050】
従って、連結ピン5は、平坦部522の一部の領域は本体ケース1の本体側取付け部11の第1の貫通孔111の回転規制面112と対応した位置に配置されているため、固定状態となり、バンド2が連結ピン5ごと自由に回動するのを防いでいる。
これに対し、連結ピン5の平坦部522の他の一部の領域はバンド側取り付部3の第2の貫通孔36の第2の面39と対応した位置に配置されており、第2の面39は、本体ケース1の本体側取付け部11の第1の貫通孔111の回転規制面112よりも、貫通孔の外周側に位置しているので、その差分だけ隙間が発生する。即ち、バンド側取付け部3の突出部37の突出量の方が、本体側取付け部11の回転規制面112が形成された領域の突出量よりも小さい。これにより、バンド2は、第1方向(矢印I方向)、及び第2方向(矢印II方向)へ回動することができる。
【0051】
また本実施形態では、第1の貫通孔111は、その内周面に少なくとも一部が平坦であって連結ピン5の回転を規制する回転規制面112を備えている。
これにより、連結ピン5が第1の貫通孔111に挿入されると固定状態となり、バンド2が連結ピン5ごと自由に回動するのを防ぐことができる。
【0052】
また本実施形態では、バンド2における機器本体10への連結側(連結部分CP)を基端とした場合に、第1方向(矢印I方向)への回動は、バンド2の自由端側が機器本体10の表面側に向う回動であり、第2方向(矢印II方向)への回動は、バンド2の自由端側が機器本体10の裏面側に向う回動である。すなわち、第2方向は第1方向とは反対方向である。
これにより、バンド2が広がる方向に回動する場合も、狭まる方向に回動する場合も、一定の範囲を超える回動を規制することができる。このため、腕への良好な装着性を確保しつつも、機器本体10(本体ケース1等)とバンド2との接触を防止することができる。
【0053】
また本実施形態では、第2の貫通孔36は、内径中心に向かって突出する突出部37を有し、突出部37の第1の面38が連結ピン5の第1の規制面523に突き当たる第1の突き当て面として機能し、第1の面38とは異なる第2の面39が連結ピン5の第2の規制面524に突き当たる第2の突き当て面として機能する。
第2の貫通孔36内に突出部37を形成するだけで、バンド2の自由な回動を規制することができる。
【0054】
また本実施形態では、機器本体10及びバンド2の少なくとも一方が、金属材料で形成されている場合でも、機器本体10(本体ケース1等)やバンド2が接触して傷付け合うことが防止される。これにより、時計100等である腕装着機器の外観が損なわれるのを防ぐことができる。
【0055】
[変形例]
なお、以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形が可能であることは言うまでもない。
【0056】
例えば本実施形態では、本体側取付け部11及びバンド側取付け部3の連結部分CPに、連結ピン5がx方向右側から挿入される場合を例示したが、連結ピン5の挿入方向はこれに限定されない。
例えば連結ピン5がx方向左側から連結部分CPに挿入される構成としてもよい。
また、右利き用、左利き用等、機種によって異なる設定のものを用意してもよい。
【0057】
また例えば本実施形態では、腕装着機器が腕時計である時計100である場合を例示したが、本発明の腕装着機器は時計に限定されない。
機器本体にバンドを取り付けて用いる機器であれば広く適用可能であり、例えば各種のスマートウォッチ、スポーツウォッチ等の電子機器、時刻の他、心拍や血流の情報等の生体情報を取得するウェアラブル機器等の腕装着機器に広く適用することが可能である。
【0058】
以上本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
【符号の説明】
【0059】
1 本体ケース
10 機器本体
11 本体側取付け部
111 第1の貫通孔
112 回転規制面
2 バンド
3 バンド側取付け部
31a,31b 脚部
32 第1の凹部
35、36 第2の貫通孔
37 突出部
38 第1の面
39 第2の面
5 連結ピン
51 ピン頭部
52 軸部
522 平坦部
523 第1の規制面
524 第2の規制面
100 時計(腕装着機器)
CP 連結部分