(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113223
(43)【公開日】2024-08-22
(54)【発明の名称】圧電デバイス
(51)【国際特許分類】
H03H 9/02 20060101AFI20240815BHJP
【FI】
H03H9/02 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023018042
(22)【出願日】2023-02-09
(71)【出願人】
【識別番号】000232483
【氏名又は名称】日本電波工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】長坂 陽介
【テーマコード(参考)】
5J108
【Fターム(参考)】
5J108BB02
5J108CC04
5J108EE03
5J108EE07
5J108EE18
5J108GG03
5J108GG16
5J108JJ04
(57)【要約】
【課題】圧電振動片11と温度センサ13とを、容器15内に縦並びに実装した圧電デバイス10において、圧電振動片の励振電極11aと、温度センサの電極端子11aaとの短絡を簡易に防止できる新規な構造を有した圧電デバイスを提供する。
【解決手段】圧電振動片は、平面視で長方形状で、表裏に励振用電極を有し、かつ、第1の短辺側で容器に片持ち支持されている。温度センサは、直方体形状で、長手方向の両端に電極端子を有していて、励振用電極に比べ平面的に小さく、温度センサの長手方向と圧電振動片の長手方向とが平行になるように、当該温度センサが励振用電極の下方領域内に包含される位置で前記容器に実装してある。温度センサの電極端子のうち、先端側の電極端子の励振用電極と対向する面の一部分又は全部に、励振用電極と先端側の電極端子との短絡を防止する絶縁部材10aを設けてある。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電振動片と、温度センサと、前記圧電振動片及び温度センサを縦並びに収容している容器と、を具え、前記圧電振動片は、平面視で長方形状で、表裏に励振用電極を有し、かつ、第1の短辺側で前記容器に片持ち支持されており、前記温度センサは、直方体形状で、長手方向の両端に電極端子を有していて、前記励振用電極に比べ平面的に小さく、かつ、当該温度センサの長手方向と前記圧電振動片の長手方向とが平行になるように、かつ、当該温度センサが前記励振用電極の下方領域内に包含される位置で前記容器に実装されている、圧電センサにおいて、
前記温度センサの両端の電極端子のうち、前記圧電振動片が片持ち支持されている側とは反対側である電極端子を先端側の電極端子と定義したとき、この先端側の電極端子の前記励振用電極と対向する面の一部分又は全部に、圧電振動片が衝撃で曲がった際の前記励振用電極と先端側の電極端子との短絡を防止する絶縁部材を設けてあることを特徴とする圧電デバイス。
【請求項2】
前記絶縁部材は、前記先端側の電極端子の一部分であって、前記温度センサの短辺に沿う稜線部分に当たる部分に設けてあることを特徴とする請求項1に記載の圧電デバイス。
【請求項3】
前記絶縁部材を、シロキサン非含有の材料で構成してあることを特徴とする請求項1に記載の圧電デバイス。
【請求項4】
前記容器は外形長辺が1.2mm以下、外形短辺が1.0mm以下、厚みが0.6mm以下のものであることを特徴とする請求項1に記載の圧電デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度センサと圧電振動片とを、1つの容器内に実装した構造を有した圧電デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
温度センサと圧電振動片とを、1つの容器内に実装した構造を有した圧電デバイスの代表例として、温度センサ内蔵型の水晶デバイスがある。この水晶デバイスによれば、所定のチップセットと共に用いることで、温度センサの情報を基にチップセット側で温度補償が行われるので、安定した基準周波数を得ることが出来る。
【0003】
その一例は、例えば特許文献1に記載されている。特許文献1に記載されている水晶デバイスは、基板とこれに接合されたキャップとで構成される容器内に、圧電振動片としての水晶振動片と、温度センサとしての薄膜型のサーミスタとを実装したものである。詳細には、上記容器内に、サーミスタと水晶振動片とが、基板側からこの順に縦並びに実装されたものである(特許文献2の例えば
図2)。サーミスタは、封止部により覆われている(特許文献1の例えば段落55、
図2)。封止部は、サーミスタを外部環境から保護するものである(特許文献1の例えば段落57)。封止部は、絶縁性樹脂、例えばエポキシ系樹脂又はシリコーン系樹脂で構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
水晶デバイスを実装する電子機器の小型化及び低背化の要求に伴い、温度センサ内蔵の水晶デバイスに対しても、小型化及び低背化の要求が益々高まっている。そのため、サーミスタと水晶振動片とを、同一容器内に縦並びに実装した構造の水晶デバイスでは、以下に説明する構造が採用されることが多く、また、これに伴う課題も生じる。
図5、
図6はそれらを説明するための図であり、特に
図5(A)は、水晶デバイス50の平面図、
図5(B)は
図5(A)中のP-P線に沿った水晶デバイス50の断面図、
図6(A)は水晶デバイス50の上面図、
図6(B)は、水晶デバイス50の底面図及び内部透視図、
図6(C)は課題を説明する図である。
この水晶デバイス50は、水晶振動片51及びサーミスタ53を縦並びで収容している凹部55aを備えた容器55と、当該水晶振動片51と、当該サーミスタ53と、容器55を密閉する蓋部材57と、を具えている。水晶振動片51は、平面視で長方形状のもので、表裏に励振用電極51aを具え、かつ、1つの辺側の2か所で容器55の接着端子55bに、導電性接着剤59によって接続固定されている。サーミスタ53は、直方体形状のチップ型のものであって、長手方向の両端にそれぞれ電極端子53aを備え、かつ、圧電振動片51の励振用電極51aに比べ平面的に小さいものである。サーミスタ53及び水晶振動片51は、容器55の底面からこの順で縦並びに実装されている。然も、サーミスタ53は、水晶振動片51の励振用電極51aの下方領域であって、励振用電極51aを投影した領域(
図5(B)中の一点破線Xの間の領域)内に包含されるように実装されている。
【0006】
この水晶デバイス50の場合、容器55の接着端子55bは、容器55の外部底面に設けた外部接続端子55cに、図示しないビア配線等によって接続してある。従って、水晶振動片51及びサーミスタ53は、
図6(B)に示した透視図に示したように、外部接続端子55cに所定関係で接続される。従って、水晶デバイス50を電子機器(図示せず)に実装すると、水晶振動片52及びサーミスタ53は、電子機器内のチップセット(図示を省略)に所定の電気的関係で接続される。
この水晶デバイス50の場合、小型化・低背化の要求に伴い、長辺寸法La、短辺寸法Lb、厚みt(
図5参照)は、例えば、約1.2mm、1.0mm、0.55mm以下というように小さくなっている。すなわち水晶デバイスの通称されるサイズ略称で言って1210サイズ以下となっている。このように小型・低背であると、水晶振動片51の上面と蓋部材57との空隙g1は、0.04mm程度、水晶振動片51の下面とサーミスタ53の電極端子53aとの空隙g2は、0.04mm程度となり、水晶振動片51の励振用電極51aとサーミスタ53の電極端子53aとの空隙g2は、極めて小さくなる。
【0007】
このように小型・低背の水晶デバイス50の場合、電子機器である例えば携帯電話を使用者が誤って落下させた場合等において、携帯電話内部の水晶デバイス50の水晶振動片51は、落下の衝撃によって、
図6(C)の断面図に示したように、導電性接着剤59の付近を支点として、湾曲するため、励振用電極51aの導電性接着剤59の側とは反対側の部分51axが、サーミスタ53の電極端子53aと接触する。水晶振動片51及びサーミスタ53各々は、チップセット(図示せず)に対し所定の電気的関係で接続しているので、励振用電極51aとサーミスタ53の電極端子53aとが接触して短絡した場合、水晶振動片51の発振が停止してしまうという問題が生じる。この問題は、圧電デバイスの小型化・低背化が進めば進む程、深刻になる。
この出願は上記の点に鑑みなされたものであり、従って、この発明の目的は、温度センサと、圧電振動片とを、1つの容器内に縦並びに実装した構造の圧電デバイスにおいて、圧電振動片の励振電極と、温度センサの電極端子との短絡を簡易に防止できる新規な構造を有した圧電デバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的の達成を図るため、出願に係る発明者は、特許文献1に記載されている保護膜に着目し、この保護膜を簡易なものにすることを検討した。従って、この発明の圧電デバイスによれば、圧電振動片と、温度センサと、前記圧電振動片及び温度センサを縦並びに収容している容器と、を具える圧電デバイスであって、前記圧電振動片は、平面視で長方形状で、表裏に励振用電極を有し、かつ、第1の短辺側で前記容器に片持ち支持されており、前記温度センサは、直方体形状で、長手方向の両端に電極端子を有していて、前記励振用電極に比べ平面的に小さく、かつ、当該温度センサの長手方向と前記圧電振動片の長手方向とが平行になるように、かつ、当該温度センサが前記励振用電極の下方領域内に包含される位置で前記容器に実装されている、圧電センサにおいて、
前記温度センサの両端の電極端子のうち、前記圧電振動片が片持ち支持されている側とは反対側である電極端子(以下、先端側の電極端子ともいう)の前記励振用電極と対向する面の一部分又は全部に、圧電振動片が衝撃で曲がった際の前記励振用電極と先端側の電極端子との短絡を防止する絶縁部材を設けてあることを特徴とする。
【0009】
この発明を実施するに当たり、前記絶縁部材は、前記先端側の電極端子の一部分であって、前記温度センサの短辺に沿う稜線部分に当たる部分に設けることが好ましい。この好適例によれば、本発明の目的を、絶縁部材を必要最小限の量で、実現できる。
この発明を実施するに当たり、前記絶縁部材は、シロキサン非含有の材料で構成することが好ましい。絶縁部材をシロキサン含有の接着剤で構成した場合は、絶縁部材からシロキサンガスが経時的に発生し励振用電極に付着して圧電振動片の周波数変動を招く。絶縁部材を、シロキサン非含有の材料で構成すると、シロキサンガス由来の不具合を防止できる。
この発明を実施するに当たり、前記容器は外形長辺が1.2mm程度以下、外形短辺が1.0mm程度以下、厚みが0.6mm以下のもの、すなわち、水晶デバイスの通称されるサイズ略称で言って、1210サイズ以下のもので、厚みが0.6mm以下のものであることが好ましい。ここで、1.2mm程度、1.0mm程度における程度とは、容器の規格として認められている±0.1mmであることが出来る。このような小型かつ低背の圧電デバイスでは、上記したように、温度センサの電極端子と圧電振動片の励振用電極との間隔が極めて小さくなり両者の短絡の危険性が高まるので、本発明を適用すると、本発明の効果を顕著に発現できる。
【発明の効果】
【0010】
この発明の圧電デバイスによれば、温度センサの先端側の端子電極の一部分に絶縁部材を設けることのみで、圧電振動片が衝撃で曲がった際の前記励振用電極とセンタ側の電極端子との短絡を防止できる。従って、温度センサと、圧電振動片とを、1つの容器内に縦並びに実装した構造の圧電デバイスにおいて、圧電振動片の励振電極と、温度センサの電極端子との短絡を簡易に防止できる新規な構造を有した圧電デバイスを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1の実施形態の圧電デバイス10を説明するための図である。
【
図2】第1の実施形態の圧電デバイス10が有する効果を説明するための図である。
【
図3】第2の実施形態の圧電デバイス30を説明するための図である。
【
図4】第3の実施形態の圧電デバイス40を説明するための図である。
【
図5】温度センサと圧電振動子とを縦並びにした構造を有した水晶デバイス50の構造及び課題を説明するための図である。
【
図6】温度センサと圧電振動子とを縦並びにした構造を有した水晶デバイス50の構造及び課題を説明するための
図5に続く図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照してこの発明の圧電デバイスの実施形態について説明する。なお、説明に用いる各図はこの発明を理解できる程度に概略的に示してあるにすぎない。また、説明に用いる各図において、同様な構成成分については同一の番号を付して示し、その説明を省略する場合もある。また、以下の説明中で述べる形状、寸法、材質等はこの発明の範囲内の好適例に過ぎない。従って、本発明は以下の実施形態のみに限定されるものではない。
【0013】
1. 第1の実施形態の圧電デバイス
図1は第1の実施形態の圧電デバイス10の説明図である。特に、
図1(A)は、圧電デバイス10の平面図であって、圧電振動片11としての水晶振動片11を容器15から移動させた状態で示した平面図、
図1(B)は、圧電デバイス10の、
図1(A)中のP-P線に沿って切った断面図である。
【0014】
この圧電デバイス10は、圧電振動片11と、温度センサ13と、これら圧電振動片11及び温度センサ13を縦並びに収容している容器15と、温度センサ13の所定位置(後述する)に設けた所定の絶縁部材10a(後述する)と、蓋部材17と、を具えるものである。以下、各構成成分について具体的に説明する。
【0015】
圧電振動片11は、この場合、平面視で長方形状のATカットの水晶振動片である。水晶振動片の長辺寸法、短辺寸法は、容器15のサイズ、水晶振動片の特性を満たせる辺比等を考量して決めるが、平面的に見て、温度センサ13より大きい。また、水晶振動子の厚さは、目的とする周波数に応じて決まる厚みである。
この圧電振動片11は、表裏に励振用電極11aを有し、かつ、第1の短辺側の部分が容器15の接着端子15bに導電性接着剤19によって固定してある。いわゆる、片持ち支持の構造で圧電振動片11は容器15に固定してある。なお、励振用電極11aも平面形状が四角形状となっている。
温度センサ13は、直方体形状のチップ型のものであり、長手方向の両端に電極端子13aを有している。然も、温度センサ13は、圧電振動片11の励振用電極11aに比べ平面的に小さい。然も、温度センサ13は、温度センサ13の長手方向と圧電振動片11の長手方向とが平行になるように、かつ、温度センサ13が励振用電極の下方領域内に包含されるように(
図1(B)中の一点破線Xの間に包含されるように)、容器15に設けた所定パッドに実装してある。
【0016】
容器15は、この例の場合、圧電振動片11及び温度センサ13を収容できる凹部15aを具えている。この凹部15aは、温度センサ13を収容する部分と、それより上方に設けられ圧電振動片11の第1の辺が接続される段差部分とを具えていて、段差部分に接着端子15bを備えた構造としてある。容器15の凹部15aの周囲は凹部15a囲う土手部となっていて土手部の天面に蓋部材17を接続して、凹部15aを気密封止している。この容器15は、例えば、セラミックパッケージによって構成できる。
蓋部材17は、封止方式に応じた任意の材料及び構造のものとしてある。
導電性接着剤19は、設計に応じた任意のもので良いが、例えばシリコーン系導電性接着剤を用いることが出来る。
【0017】
次に、本発明の特徴である絶縁部材10aの具体例について説明する。絶縁部材10aは、温度センサ13の両端の電極端子13aのうち、圧電振動片11が片持ち支持されている側とは反対側である電極端子、すなわち先端側の電極端子13aaの、励振用電極11aと対向する面の一部分又は全部に、設けてある。この絶縁部材10aは、圧電振動片11が衝撃で曲がった際の励振用電極11aと先端側の電極端子13aaとの短絡を防止するものである。
図1に示した例の場合、絶縁部材10aは、先端側の電極端子13aaの励振用電極11aと対向する面の一部分であって、温度センサ13の短辺に沿う稜線部分に当たる部分で、かつ、短辺に沿う全域に設けてある。ただし、この場合の絶縁部材10aは、温度センサ13の短辺に沿う側面にも一部及んでいる。なお、絶縁部材10aの幅(
図1(A)の横方向の長さ)は、設計に応じた任意の幅とできるが、稜線部分を被覆できる幅以上であれば良く、例えば、先端側の電極端子13aaの幅(
図1(A)の横方向の長さ)の10~50%、又は10~30%であれば良い。
【0018】
図1に示した圧電デバイス10の場合、電落下衝撃等によって、圧電振動片11の先端が曲がった場合、励振用電極11aは、温度センサ13の先端側の電極端子13aaの温度センサ13の短辺に沿う部分に接触して短絡を起こす危険があるが、
図1の例の絶縁部材10aは、温度センサ13の先端側の電極端子13aaを被覆できるので、短絡を防止できる。
絶縁部材10aの厚みは、絶縁が確保できる厚みで良いので、例えば数μm程度でも良い。絶縁部材10aの材料は絶縁性を有していれば良く、例えばシリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂、イミド系樹脂等で構成できる。ただし、絶縁部材10aは圧電振動片11の励振用電極11aに近接しているので、絶縁部材10aを、シロキサンを含有する材料で構成すると、圧電振動片11に対するシロキサンガス由来の不具合が生じ易い。これを軽減する意味で、絶縁部材10aは、シロキサン非含有の材料で構成することが好ましい。
【0019】
第1の実施形態の圧電デバイス10が、例えばいわゆる1210サイズの圧電デバイスである場合、
図2(A)に示したように、圧電振動片11の上面と蓋部材17との空隙g1は、0.04mm程度、圧電振動片11の下面と温度センサ13の先端側の電極端子13aaとの空隙g2は、0.04mm程度となる(
図1(B)参照)。従って、圧電デバイス10が落下衝撃を受けた場合、圧電振動片11の先端は曲がり、励振用電極11aは温度センサ13の先端側の電極端子13aaに接触し短絡しそうになるが、絶縁部材10aを設けてあるため、
図2(B)に示したように、短絡を防止できる。
【0020】
2. その他の実施形態
2-1.第2の実施形態
上述した第1の実施形態の圧電デバイス10では、
図1(A)に示したように、絶縁部材10aは、先端側の電極端子13aaの励振用電極11aと対向する面の一部分であって、温度センサ13の短辺に沿う稜線部分に当たる部分で、かつ、短辺に沿う全域に設けていた。しかし、
図3に示すように、第2の実施形態の圧電デバイス30の場合は、絶縁部材31は、先端側の電極端子13aaの励振用電極11aと対向する面の一部分であって、温度センサ13の短辺に沿う稜線部分に当たる部分で、かつ、短辺に沿う一部部分、具体的には中央付近のみに設けてある。絶縁部材31の温度センサ13の短辺方向に沿う寸法は、温度センサ13の短辺の長さに対し、例えば30~70%、又は20~50%とできる。
2-2.第3の実施形態
上述した第1の実施形態の圧電デバイス10では、
図1(B)に示したように、容器15は凹部15aを有し、蓋部材17は平板状のものであった。しかし、
図4に示すように、第3の実施形態の圧電デバイス40の場合は、容器41を、平板状のベース43と、圧電振動片11及び温度センサ13を収容する凹部を有したキャップ状の蓋部材45とで構成してある。このような容器41の場合でも、本発明の効果を得ることができる。
上述した実施形態では圧電片振動片として水晶振動片を用いる例を説明したが、圧電振動片は他の圧電材料、例えば圧電セラミック、ニオブ酸リチウム等を用いたものでも良い。
【符号の説明】
【0021】
10:第1の実施形態の圧電デバイス 10a:絶縁部材
11:圧電振動片(水晶振動片) 11a:励振用電極
13:温度センサ(サーミスタ) 13a:電極端子
13aa:先端側の電極端子 15:容器
15a:凹部 15b:接着端子
15c:外部接続端子 17:蓋部材
19:導電性接着剤
30:第2の実施形態の圧電デバイス 31:絶縁部材
40:第3の実施形態の圧電デバイス 41:容器
43:ベース板 45:キャップ状の蓋部材