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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113246
(43)【公開日】2024-08-22
(54)【発明の名称】埋込器具
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/51 20230101AFI20240815BHJP
   H01Q 1/22 20060101ALI20240815BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20240815BHJP
   H04N 23/50 20230101ALI20240815BHJP
【FI】
H04N23/51
H01Q1/22 Z
G03B17/02
H04N23/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023018085
(22)【出願日】2023-02-09
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】杉田 瑞樹
(72)【発明者】
【氏名】加藤 俊也
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 将人
(72)【発明者】
【氏名】石坂 大介
(72)【発明者】
【氏名】松田 穂苗美
【テーマコード(参考)】
2H100
5C122
5J047
【Fターム(参考)】
2H100BB11
5C122DA01
5C122EA06
5C122EA62
5C122GC22
5C122GE01
5C122GE05
5C122GE07
5C122GE11
5C122GE18
5J047AA12
5J047AB10
5J047EF05
(57)【要約】
【課題】無線通信品質を向上できる埋込器具を提供する。
【解決手段】埋込器具10は、筐体14と、撮像部45と、無線通信部18と、を備える。筐体14は、樹脂筐体20を有し、樹脂筐体20が天井11の埋込孔12に配置されて埋め込み設置される。撮像部45は、樹脂筐体20内に配置され、天井11側から下方域を撮像する。動作回路部17は、撮像部45の上方に配置され、撮像部45を動作させる。無線通信部18は、樹脂筐体20内に配置されるアンテナ71,72を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂筐体を有し、前記樹脂筐体が天井の埋込孔に配置されて埋め込み設置される筐体と;
前記樹脂筐体内に配置され、前記天井側から下方域を撮像する撮像部と;
前記撮像部の上方に配置され、前記撮像部を動作させる動作回路部と;
前記樹脂筐体内に配置されるアンテナを有する無線通信部と;
を備えることを特徴とする埋込器具。
【請求項2】
前記動作回路部は、前記樹脂筐体の上方に突出され、
前記筐体は、前記樹脂筐体の上部側に前記動作回路部を収納する金属筐体を有する
ことを特徴とする請求項1記載の埋込器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、埋込器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、天井の埋込孔に埋め込み設置する埋込形照明器具であるダウンライトが知られている。この埋込形照明器具では、補助光源や人感センサなどを付加する場合には筐体の外部に配置している。
【0003】
このような埋込器具において、無線通信を行うために無線通信用のアンテナを筐体の外部に配置すると、意匠性が損なわれてしまうため、筐体内に配置することが好ましいが、埋込構造であることから無線通信に影響が生じ、無線通信品質が低下する虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-86019号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、無線通信品質を向上できる埋込器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の埋込器具は、筐体と、撮像部と、動作回路部と、無線通信部と、を備える。筐体は、樹脂筐体を有し、樹脂筐体が天井の埋込孔に配置されて埋め込み設置される。撮像部は、樹脂筐体内に配置され、天井側から下方域を撮像する。動作回路部は、撮像部の上方に配置され、撮像部を動作させる。無線通信部は、樹脂筐体内に配置されるアンテナを有する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の埋込器具によれば、無線通信品質の向上が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態を示す埋込器具の斜視図である。
図2】同上埋込器具の斜視図である。
図3】同上埋込器具の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0010】
図1ないし図3に示すように、埋込器具10は、例えば照明器具のダウンライトと同様に、被設置面である天井(天井板)11に形成された円形の埋込孔12に埋め込み設置される。したがって、埋込器具10は、ダウンライトを設置するための天井11の埋込孔12を利用して、照明以外の機器でも設置可能としている。
【0011】
埋込器具10は、筐体14と、この筐体14を天井11に取り付けるための複数の取付ばね15と、この筐体14に配置されるカメラ部16、動作回路部17および無線通信部18と、を備えている。
【0012】
筐体14は、下部側の化粧枠である樹脂筐体20と、この樹脂筐体20の上面側に取り付けられる上面板21と、この上面板21に取り付けられて樹脂筐体20の上部側に配置される金属筐体22と、を備えている。
【0013】
樹脂筐体20は、合成樹脂製で、上下方向に開口する円筒状の筒部24と、この筒部24の下部側から周囲に突出する環状のフランジ部である化粧枠部25と、を備えている。筒部24は、埋込孔12よりも小径で、埋込孔12に挿入可能とし、また、化粧枠部25は、埋込孔12よりも大径で、天井11の下面に当接可能とする。筒部24の外周面には、取付ばね15を取り付ける複数のばね取付部26が設けられている。
【0014】
上面板21は、金属製または樹脂製で、円板状に形成されている。上面板21は、周辺部の複数箇所がねじ28で樹脂筐体20の上部側に取り付けられている。上面板21の中央には、動作回路部17が貫通配置される長方形状の貫通孔29が設けられている。上面板21は、樹脂筐体20と金属筐体22との間の上面域を閉塞し、樹脂筐体20内への埃などの侵入を防止するようにしている。なお、上面板21の一部に開口を設け、カメラ部16が発生する熱を外部に放熱しやすくしてもよい。また、上面板21は金属筐体22と一体に構成してもよい。
【0015】
金属筐体22は、第1の金属筐体部31と第2の金属筐体部32と組み合わせて箱状に形成されている。
【0016】
第1の金属筐体部31は、例えば板金製で、面積の最も大きい主面部33と、この主面部33の両側から折曲された側面部34と、主面部33の上側から側面部34と同じ方向に向けて折曲された上面部35と、主面部33の下側から上面部35とは反対の外側に向けて折曲された取付面部36と、を有している。上面部35には、配線孔37が設けられ、この配線孔37の上方を覆うように覆い部38が取り付けられている。覆い部38は一側が開口され、この開口部分を通して配線孔37に配線が挿通される。
【0017】
第2の金属筐体部32は、例えば板金製で、面積の最も大きい主面部39と、この主面部39の両側から折曲された側面部40と、主面部39の下側から側面部40とは反対の外側に向けて折曲された取付面部41と、を有している。
【0018】
第1の金属筐体部31の両側の側面部34と第2の金属筐体部32の両側の側面部40とが互いに重なり合うように組み合わされ、両側の側面部34,40が複数のねじ42で固定されることで、直方体状の金属筐体22が形成される。この金属筐体22の下面側は長方形状に開口され、この下面開口が上面板21の貫通孔29に連通するように各取付面部36,41が上面板21の上面に配置され、各取付面部36,41がねじ43で固定され、金属筐体22と上面板21とが一体化されている。金属筐体22の長方形状の下面開口と上面板21の長方形状の貫通孔29とは形状が一致するように対向され、金属筐体22の内部空間は貫通孔29を通じて樹脂筐体20の内部空間と連通されている。
【0019】
また、取付ばね15は、板ばねによって構成されており、樹脂筐体20のばね取付部26に取り付けられ、ばね力によって樹脂筐体20の外側方に展開するように構成されている。取付ばね15は、樹脂筐体20の側面に沿うように上方に向けて弾性変形された状態で天井11の埋込孔12に挿入され、ばね力によって樹脂筐体20の側方に展開して天井11の上部側に係合することにより樹脂筐体20を引き上げ、樹脂筐体20の化粧枠部25が天井11の下面である天井面に当接する状態で、埋込器具10全体を天井11に取り付ける。
【0020】
また、カメラ部16は、動作回路部17とともに、天井11側から下方域を撮影するカメラユニットを構成する。カメラ部16は、樹脂筐体20内に配置される撮像部45と、この撮像部45に被写体からの光を集光するレンズ46と、を備えている。
【0021】
撮像部45は、被写体を撮影する撮像素子47を備え、この撮像素子47が撮像素子基板48の下面側に実装され、この撮像素子基板48の上面側に放熱のためのヒートシンク49が配置されてねじ止め固定されている。撮像素子47は、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)やCCD(Charge Coupled Device)などの固体撮像素子が用いられている。
【0022】
撮像部45(カメラ部16)は樹脂筐体20内の中心部に配置されるため、樹脂筐体20内にはこの樹脂筐体20の筒部24の内周面と撮像部45(カメラ部16)の周囲との間に無線通信部18を収容配置可能とする収容空間50が環状に形成されている。
【0023】
レンズ46は、撮像素子47に対向するように配置されている。レンズ46は、鉛直方向の軸を中心として360度方向の光を撮像素子47に集光するように対物面が球面状の凸レンズが用いられている。レンズ46は、レンズカバー51に取り付けられ、レンズカバー51によって撮像素子47に対向する所定の位置に位置決め保持されている。
【0024】
撮像素子基板48の下面側は保持板52に取り付けられ、この保持板52はレンズカバー51上に複数のねじ53で固定されている。レンズカバー51は、カメラマウント54の下面側にねじ止め固定されている。カメラマウント54は、環状のカメラ取付板55の上面側に複数のねじ56で固定されている。カメラ取付板55の下面側には、樹脂筐体20の下面開口に配置される化粧板57が取り付けられている。化粧板57は、環状の樹脂製で、中央にはレンズ46およびレンズカバー51が下方に突出配置されるレンズ挿通孔58が設けられている。樹脂製の化粧板57は、樹脂筐体20の下面開口に配置されるため、樹脂筐体20の一部を構成している。
【0025】
カメラ取付板55の上面側には複数のロッド59が取り付けられ、これらロッド59の上端側が筐体14の上面板21に複数のねじ60で固定されている。
【0026】
また、動作回路部17は、撮像素子47を駆動して撮影される映像データを取得する撮像素子制御部、撮像素子47で撮影された映像データを処理する映像データ処理部や、撮影した映像を記憶する記憶部、これらを制御する制御部、有線で外部と通信して記憶した映像データを外部の端末に送信したり、外部の端末からの設定操作を可能とする有線通信部などを備えている。なお、無線通信部18を備えるため、有線通信部は備えていなくてもよい。
【0027】
動作回路部17は、例えば、撮像素子制御部の基板と、映像データ処理部、記憶部および制御部の基板と、有線通信部の基板となど、複数の動作基板61を有している。これら動作基板61は、電子部品が実装される基板面が平行に対向して重なるように配置され、基板支持体62と放熱板63との間に配置されて保持されている。複数の動作基板61はそれぞれスペーサ64を介して基板支持体62または放熱板63に取り付けられ、基板支持体62と放熱板63がスペーサ64を介して固定され、複数の動作基板61間および基板支持体62と放熱板63の間に所定の間隔が形成されている。
【0028】
基板支持体62は、下部側に脚部65を有し、この脚部65がカメラマウント54の上面に配置されてねじ止めにて固定されることにより、カメラマウント54の上面に対して上下方向に沿って垂直状に立設されている。この基板支持体62によって、動作基板61の基板面および放熱板63の最も面積の広い主放熱面がカメラマウント54の上面に対して上下方向に沿って垂直状に配置されている。
【0029】
放熱板63は、動作回路部17の中で最も発熱する電子部品(発熱部品)またはその電子部品を搭載する動作基板61に対向されている。その電子部品または動作基板61と放熱板63との間には、その電子部品が発生する熱が放熱板63に伝達する熱伝導部材66が介在されている。
【0030】
動作回路部17は、撮像部45の上方に配置され、動作回路部17の下部側が樹脂筐体20内に配置され、上部側が上面板21の貫通孔29を通じて樹脂筐体20の上方に突出されて金属筐体22内に配置されている。動作回路部17と金属筐体22との間には、動作回路部17が発生する熱を金属筐体22に伝えて放熱する熱伝導部材67が介在されている。この熱伝導部材67は、動作基板61、基板支持体62および放熱板63の少なくとも1つと金属筐体22との間に介在されている。
【0031】
動作回路部17と撮像素子47とはフレキシブル配線基板68によって電気的に接続され、動作回路部17による撮像素子47の駆動、および撮像素子47で撮像された映像データの取得が可能となっている。
【0032】
また、無線通信部18は、動作回路部17と相互に通信可能に接続されている。無線通信部18は、例えば、Wi-Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)などの所定の周波数の電波媒体を用いる無線方式により、無線ルーターなどのアクセスポイントを通じて外部の端末と通信し、撮像部45で撮影された映像データを送信したり、端末からの設定操作を可能とする。
【0033】
無線通信部18は、樹脂筐体20内であって、樹脂筐体20の内周面と撮像部45の周囲との間でかつ上下の上面板21と化粧板57の間の収容空間50に収容されて配置されている。無線通信部18は、カメラ部16のカメラマウント54、カメラ取付板55および化粧板57のいずれかに取り付けられる。
【0034】
無線通信部18は、無線信号を処理する無線通信回路部70と、この無線通信回路部70と電気的に接続されていて無線信号を送信または受信するためのアンテナ(第1のアンテナ)71を有している。
【0035】
アンテナ71は、樹脂筐体20の内周面と撮像部45の周囲との間で、かつ樹脂筐体20の化粧板57上または近傍に配置されている。アンテナ71は、長方形の平板状に設けられ、最も広い面の一面が、化粧板57と平行状となる水平状で、つまり天井11の天井面と平行状になるように配置されている。
【0036】
アンテナ71に加え、第2のアンテナであるアンテナ72を用い、ダイバーシティ方式での通信を可能としてもよい。2つのアンテナ71,72が用いられる場合には、樹脂筐体20内で所定距離以上離して配置されるとともに、向きが90度異なって配置される。アンテナ72は、アンテナ71と同様に長方形の平板状に設けられ、最も広い面の一面および長手方向が、化粧板57に対して垂直状で、つまり天井11の天井面に対して垂直状になるように配置される。
【0037】
アンテナ71,72は、動作回路部17に対して上下方向に重ならない位置で、樹脂筐体20内に配置されている。
【0038】
なお、無線通信部18の少なくともアンテナ71,72が樹脂筐体20内に配置されていれば、無線通信回路部70は動作回路部17と一緒に金属筐体22内に配置されてもよい。
【0039】
また、埋込器具10は、動作回路部17や無線通信部18に動作電力を供給する電源部を備えている。電源部は、例えば商用交流電力を所定の動作電力に変換して動作回路部17や無線通信部18に供給する。
【0040】
電源部は、筐体14とは別体の別置き式とし、天井11の上面に載置してもよい。この場合、電源部と動作回路部17や無線通信部18とが電源ケーブルで電気的に接続される。その電源ケーブルは、金属筐体22の配線孔37を挿通される。また、電源部は、動作回路部17と一緒に金属筐体22内に配置してもよい。
【0041】
次に、埋込器具10の施工について説明する。
【0042】
天井11の埋込孔12から商用交流電力を供給する電源線を引き出して電源部に接続し、引き出した電源線を戻しながら電源部を埋込孔12に通して天井11の上面に載置する。なお、有線通信する場合には、埋込孔12から引き出した通信ケーブルを金属筐体22の配線孔37を通じて動作回路部17に接続する。
【0043】
複数の取付ばね15を樹脂筐体20の側面に沿うように上方に向けて弾性変形させて保持した状態で天井11の埋込孔12に挿入し、取付ばね15の保持を解除する。これにより、取付ばね15のばね力によって、樹脂筐体20の側方に展開して天井11の上部側に係合し、樹脂筐体20を天井11に対して引き上げ、樹脂筐体20の化粧枠部25が天井11の下面である天井面に当接する状態で、埋込器具10全体を天井11に取り付け、施工を完了する。
【0044】
次に、埋込器具10の動作について説明する。
【0045】
動作回路部17の動作基板61および無線通信部18の無線通信回路部70は、電源部からの動作電力の供給により動作する。
【0046】
動作回路部17は、撮像部45の撮像素子47を駆動制御し、撮像素子47で天井14側から下方域の被写体を撮影し、撮影された映像データを処理して記憶部に記憶する。記憶した映像データを有線通信または無線通信により外部に送信し、外部で映像の確認を可能とする。
【0047】
そして、無線通信する場合、無線通信部18は、例えば、天井11より下方の室内空間に設置される無線ルーターなどを介して端末などと通信する。
【0048】
無線通信部18は、アンテナ71,72を通じて無線信号を送受信する。天井11に埋め込まれた埋込器具10であるが、アンテナ71,72は、無線信号が通過可能な樹脂筐体20内に配置され、かつ、樹脂筐体20内に下面側近傍であって、天井11の下面側近傍に配置されるため、アンテナ71,72を通じて送受信される無線信号の減衰が低減され、品質のよい無線通信が可能となる。なお、樹脂筐体20の上面側に配置される上面板21に金属製でも開口が設けられているか、あるいは樹脂製であれば、上面側からも無線信号の送受信が可能となり、無線通信品質を向上できる場合がある。
【0049】
また、撮影時において、撮像素子47が発生する熱はヒートシンク49に伝達され、樹脂筐体20内の収容空間50に放熱される。収容空間50に放熱された熱は、上昇し、金属製の上面板21や金属筐体22に伝達され、外部に放熱される。なお、上面板21に開口が設けられていれば、その開口から収容空間50内の熱を放熱できる。
【0050】
動作回路部17の動作基板61が発生する熱は、一部が筐体14内の空間に放熱されて筐体14から外部に放熱され、一部が熱伝導部材67を介して金属筐体22に熱伝導されて外部に放熱される。動作回路部17の下部側の一部が樹脂筐体20内に配置されているが、動作回路部17の上部側の大部分が金属筐体22内に配置されているため、動作回路部17から筐体14内に放熱される熱が上昇して金属筐体22に伝達され、金属筐体22から外部に放熱される。
【0051】
このように構成された埋込器具10では、樹脂筐体20内に配置される撮像部45の上方に動作回路部17を配置し、樹脂筐体20内に収容空間50を確保して無線通信部18の少なくともアンテナ71,72を配置することで、アンテナ71,72を天井11の下面側近傍に配置できること、および、アンテナ71,72が配置される筐体14の下部側を無線信号が通過可能な樹脂筐体20とすることにより、天井11に埋め込み設置されても無線通信品質を向上できる。
【0052】
アンテナ71,72は、動作回路部17に対して上下方向に重ならない位置で、樹脂筐体20内に配置されているため、アンテナ71,72を樹脂筐体20内で自由に配置できるとともに、無線通信品質への影響を低減できる。
【0053】
樹脂筐体20内に配置される撮像部45は例えばLED光源に比べて発熱が少なく、撮像部45からの放熱構造も小形で済むため、アンテナ71,72を樹脂筐体20内で自由に配置できる。
【0054】
また、動作回路部17は樹脂筐体20の上方に突出され、樹脂筐体20の上部側に配置される金属筐体22内に動作回路部17を収容されるため、動作回路部17が発生する熱を金属筐体22から外部に効率よく放熱でき、動作回路部17の温度上昇を抑制できる。
【0055】
しかも、動作回路部17と金属筐体22とを熱伝導部材67を介して熱的に接続することにより、動作回路部17が発生する熱を金属筐体22に効率よく熱伝導して外部に放熱できる。
【0056】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0057】
10 埋込器具
11 天井
12 埋込孔
14 筐体
17 動作回路部
18 無線通信部
20 樹脂筐体
22 金属筐体
45 撮像部
71,72 アンテナ
図1
図2
図3