(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113248
(43)【公開日】2024-08-22
(54)【発明の名称】監視プログラム、印刷システム及び監視装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20240815BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240815BHJP
【FI】
G06F3/12 329
B41J29/38 350
G06F3/12 310
G06F3/12 335
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023018090
(22)【出願日】2023-02-09
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】弁理士法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柴田 誠治
【テーマコード(参考)】
2C061
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061HK05
2C061HN15
(57)【要約】
【課題】印刷機のトラブルに対応する関連作業内容をオペレータが所望する端末に表示することができる。
【解決手段】監視装置20は、印刷機から、印刷機の状態に関する状態情報を取得し、予め登録された、状態情報に対応する関連作業内容の保存先へのアクセス情報を抽出し、抽出したアクセス情報を出力する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷機から、前記印刷機の状態に関する状態情報を取得する処理と、
予め登録された、前記状態情報に対応する関連作業内容の保存先へのアクセス情報を抽出する処理と、
抽出した前記アクセス情報を出力する処理と、をコンピューターに実行させる
監視プログラム。
【請求項2】
前記状態情報は、エラーコードが発生しない異常状態を通知するメッセージと、エラーコードが発生する異常状態のエラーコードとを含む
請求項1に記載の監視プログラム。
【請求項3】
前記関連作業内容は、前記印刷機の状態を改善するための作業に関する動画である
請求項1に記載の監視プログラム。
【請求項4】
前記アクセス情報が複数存在する場合、前記アクセス情報を出力する処理は、複数の前記アクセス情報を出力する
請求項1に記載の監視プログラム。
【請求項5】
前記アクセス情報を出力する処理は、電子情報通信方式により、予め登録された出力先に前記アクセス情報を出力する
請求項1に記載の監視プログラム。
【請求項6】
前記アクセス情報を出力する処理は、電子メールにより前記アクセス情報を出力する
請求項5に記載の監視プログラム。
【請求項7】
前記出力先が複数存在する場合、前記アクセス情報を出力する処理は、複数の前記出力先へ前記アクセス情報を出力する
請求項5に記載の監視プログラム。
【請求項8】
前記アクセス情報を出力する処理は、複数の前記出力先のうち、前記状態情報を取得した前記印刷機に関連する前記出力先に前記アクセス情報を出力する
請求項7に記載の監視プログラム。
【請求項9】
前記アクセス情報を出力する処理は、複数の前記出力先のうち、前記印刷機の状態の種類に関連する前記出力先に前記アクセス情報を出力する
請求項7に記載の監視プログラム。
【請求項10】
前記アクセス情報の出力態様は、前記関連作業内容の前記保存先へのアクセスアドレスである
請求項1に記載の監視プログラム。
【請求項11】
前記アクセス情報の出力態様は、前記アクセスアドレスを読み取りできる読み取りコードである
請求項10に記載の監視プログラム。
【請求項12】
前記読み取りコードは、バーコード、又は二次元コードである
請求項11に記載の監視プログラム。
【請求項13】
前記アクセス情報を出力する処理は、前記アクセスアドレス、前記バーコード、及び前記二次元コードの少なくとも1つ以上を出力する
請求項12に記載の監視プログラム。
【請求項14】
前記アクセス情報を出力する処理は、前記コンピューターが有する表示装置に前記アクセス情報を出力する
請求項13に記載の監視プログラム。
【請求項15】
前記監視プログラムは、ウェブアプリケーションにより実行可能である
請求項1~14のいずれか一項に記載の監視プログラム。
【請求項16】
記録媒体に画像を形成する印刷機と、
前記印刷機から、前記印刷機の状態に関する状態情報を取得し、予め登録された、前記状態情報に対応する関連作業内容の保存先へのアクセス情報を抽出し、抽出した前記アクセス情報を出力する監視部と、を備える
印刷システム。
【請求項17】
前記関連作業内容を保存するストレージを備える
請求項16に記載の印刷システム。
【請求項18】
前記ストレージは、クラウドサーバーである
請求項17に記載の印刷システム。
【請求項19】
前記ストレージは、インターネット上の動画サイトである
請求項17に記載の印刷システム。
【請求項20】
前記監視部は、情報処理装置であり、自装置が有する表示装置に前記アクセス情報を出力する
請求項16~19のいずれか一項に記載の印刷システム。
【請求項21】
前記監視部は、ウェブアプリケーションである
請求項16~19のいずれか一項に記載の印刷システム。
【請求項22】
印刷機から、前記印刷機の状態に関する状態情報を取得し、
予め登録された、前記状態情報に対応する関連作業内容の保存先へのアクセス情報を抽出し、
抽出した前記アクセス情報を出力する
監視装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視プログラム、印刷システム及び監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、産業印刷業界では、印刷機のトラブルが起きた場合、印刷会社が印刷機メーカーにトラブル連絡をし、印刷機メーカーのサービスマンが、印刷会社(現場)に行って印刷機のトラブルを解消することは一般的である。しかしながら、印刷機メーカーのサービス窓口の営業時間外に印刷機のトラブルが起きた場合、すなわち、印刷機メーカーが直ちにトラブルを受け付けできない場合、印刷会社のオペレータがトラブルの対処を行うしかない。しかしながら、印刷会社のオペレータが、トラブルに対応するリカバリー作業の手順を知らないことも多く、リカバリー作業を行うことが困難である場合もある。そこで、印刷機の表示パネルに印刷機のメンテナンス動画、すなわち、関連作業内容を示す動画を表示する技術、例えば、特許文献1に記載の技術が提案されている。
【0003】
特許文献1には、印刷データに基づいて、記録媒体に印刷処理を行う印刷処理手段と、自己の印刷装置の状態情報をホスト機器に通知する通知手段と、該通知に基づいてホスト機器から供給された、自己の印刷装置の状態に対応する印刷装置の操作手順の動画データを受信する受信手段と、該動画データを表示する表示手段とを有する印刷装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように、印刷会社のオペレータが印刷機のトラブルに対応するリカバリー作業を行うことを可能にするため、特許文献1に記載されているように、印刷装置の表示手段に操作手順の動画を表示する技術が提案されている。しかしながら、特許文献1に記載の技術では、印刷装置の操作手順の動画を自装置の表示手段に表示するため、メンテナンス場所と印刷装置の表示手段とが離れている場合、オペレータがリカバリー作業をやりにくい問題がある。
【0006】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、印刷機のトラブルに対応する関連作業内容をオペレータが所望する端末に表示することが可能な監視プログラム、印刷システム、及び監視装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、印刷機から、印刷機の状態に関する状態情報を取得し、予め登録された、状態情報に対応する関連作業内容の保存先へのアクセス情報を抽出し、抽出したアクセス情報を出力する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、印刷機のトラブルに対応する関連作業内容をオペレータが所望する端末に表示することができる。
上記以外の課題、構成及び効果は、以下の実施の形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係る印刷システムの概略構成例を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る印刷システムの監視装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る印刷システムにおける関連作業内容の保存先へのアクセス情報の出力態様の例1を示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る印刷システムにおける関連作業内容の保存先へのアクセス情報の出力態様の例2を示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る印刷システムにおける関連作業内容の保存先へのアクセス情報の出力態様の例3を示す図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る印刷システムの監視装置における監視処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について、添付図面を参照して説明する。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能又は構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0011】
<実施形態>
[印刷システムの概略構成例]
まず、本発明の一実施形態に係る印刷システムの概略構成について説明する。
図1は、本実施形態に係る印刷システム1の概略構成例を示す図である。印刷システム1は、
図1に示すように、複数(例えば4台)の印刷機(画像形成装置)11~印刷機14と、監視装置20と、ストレージ30と、オペレータ端末40とを備える。印刷機11~印刷機14のそれぞれは、監視装置20と情報データの送受信が可能に接続される。また、監視装置20は、電子情報通信手段により、オペレータ端末40への情報データの送信ができる。オペレータ端末40は、ネットワークを介して、ストレージ30に保存されている所定の情報を表示することができる。
【0012】
印刷機11~印刷機14は、電子写真方式によって記録媒体に画像を形成する画像形成装置の一例である。印刷機11~印刷機14は、例えば、スキャナ機能、コピー機能、ファクシミリ機能、ネットワーク機能、BOX機能、後処理機能等の複数の機能が搭載された複合機(MFP:Multi-Function Peripheral)で構成される。以下の説明では、印刷機11~印刷機14を区別しない場合、「印刷機」と総称する。
【0013】
印刷機は、トラブル(異常)が発生した場合、異常状態に関する状態情報を監視装置20に出力する。ここで、状態情報は、エラーコードが発生しない異常状態を通知するメッセージと、エラーコードが発生する異常状態のエラーコードとを含む。異常状態とは、印刷機の通常動作で印刷が止まって、再開するには所定の作業が必要となる状態である。また、異常状態は、印刷機が故障状態になって、エラーコードが出力される異常状態と、エラーコードが出力される故障状態以外の異常状態とを含む。例えば、印刷機の部品が動作しない等の故障状態は、エラーコードが発生する異常状態である。また、例えば、記録媒体(用紙)切れ、トナー切れ、廃トナーボトルフル、排紙トレイフル等の異常状態は、エラーコードが発生しない異常状態である。これらの異常状態は、オペレータによる、記録媒体(用紙)の補充、トナーの補充、廃トナーボトルの交換、排紙トレイの印刷物の回収等の作業で解消される。また、例えば、印刷機に付属した印刷物の検査機により検知された汚れ等の印刷上の不具合や、印刷の中断を起こす他の異常などをエラーコードが発生しない異常状態に含ませてもよい。なお、異常までには至っていないが、例えば、記録媒体(用紙)ニアエンプティ、トナーニアエンプティ、廃トナーボトルニアフル、排紙トレイニアフル、印刷物の汚れが悪化してきている等の状態情報を出力してもよい。
【0014】
監視装置20は、監視部の一例であり、印刷機から各種情報を取得し、取得した情報を表示及び解析する機能を有する情報処理装置である。監視部は、印刷機に対する監視処理(後述の
図6参照)を行うための監視プログラムを実行する。本実施形態では、監視部をコンピューター等の情報処理装置である監視装置20とする例を説明するが、本発明はこれに限定されない。例えば、監視プログラムをウェブアプリケーションにより実行可能である。このようにする場合、監視部は、監視プログラムを実行するウェブアプリケーションである。
【0015】
監視装置20は、印刷機から、印刷機の状態に関する状態情報を取得する。また、監視装置20は、予め登録された、状態情報に対応する関連作業内容の保存先へのアクセス情報を後述の記憶装置26から抽出する。ここで、状態情報に対応する関連作業内容は、異常状態を改善するための作業に関する動画、手順書、音声説明等である。関連作業内容の保存先へのアクセス情報は、状態情報に紐付けられて、予め後述の記憶装置26に登録されたものである。
【0016】
また、監視装置20は、例えば、電子メール、SMS(Short Message Service)等の電子情報通信方式により、抽出したアクセス情報を出力する。また、状態情報に対応する関連作業内容の保存先へのアクセス情報が複数ある場合、すなわち、状態情報に対応する関連作業内容が複数ある場合、監視装置20は、複数の関連作業内容の保存先へのアクセス情報を出力する。本実施形態では、監視装置20は、抽出したアクセス情報を、予め後述の記憶装置26に登録された出力先、すなわち、オペレータの連絡先に出力(送信)する。また、登録された出力先が複数存在する場合、監視装置20は、複数の出力先へアクセス情報を出力する。なお、監視装置20は、アクセス情報を予め登録された出力先に出力するとともに、自装置が有する表示装置、すなわち、後述の表示装置24に出力して表示させてもよい。なお、監視装置20のハードウェア構成について、後述の
図2で説明する。
【0017】
ストレージ30は、印刷機の各種異常状態に対応する関連作業内容を保存する。ここで、ストレージ30は、インターネット上の動画サイトや、クラウドサーバーなどを想定する。このため、インターネット上の動画サイトやクラウドサーバーなどに保存されている(アップロードされた)関連作業内容を再生するウェブページのアドレス、すなわち、関連作業内容の保存先へのアクセス情報があれば、オペレータ端末40は、ネットワークに接続できる任意の場所で関連作業内容を表示することができる。
【0018】
なお、ストレージ30は、インターネット上の動画サイト及びクラウドサーバーに限定されず、例えば、監視装置20が有する後述の記憶装置26でもよいし、関連作業内容を保存するための専用の記憶装置でもよい。この場合、オペレータ端末40がネットワークを介して、監視装置20が有する記憶装置26又は専用の記憶装置において保存されている関連作業内容に、随時にリモートアクセスできる。この場合、アクセス情報は、リモートアクセス用のid(identification)及びパスワード、並びに、記憶装置における関連作業内容の保存先情報を含む。
【0019】
オペレータ端末40は、オペレータが保持するタブレット、スマートフォン、ノートパソコン等の移動端末で構成される。オペレータ端末40は、監視装置20から電子メール等で受信した関連作業内容の保存先へのアクセス情報を用いて、ストレージ30において保存されている関連作業内容にアクセスして、関連作業内容を表示する機能を有する。また、例えば、オペレータが、タブレット及びスマートフォン等の複数のオペレータ端末40を保持する場合、複数のオペレータ端末40のそれぞれにより関連作業内容にアクセスして、関連作業内容を表示することも可能である。
【0020】
[監視装置のハードウェア構成例]
次に、監視装置20のハードウェア構成例について説明する。
図2は、本実施形態に係る印刷システム1の監視装置20のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【0021】
監視装置20は、
図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22、及びRAM(Random Access Memory)23を備える。さらに、監視装置20は、表示装置24、入力装置25、記憶装置26及び通信インターフェース27を備える。CPU21、ROM22、RAM23、表示装置24、入力装置25、記憶装置26及び通信インターフェース27は、バス28により、互いに情報データの送受信ができるように接続される。
【0022】
CPU21は、監視装置20に係る各機能を実現するソフトウェアのプログラムをROM22から読み出してRAM23にロードして実行する。CPU21は、例えば、後述の
図6に示す監視処理を実行する。なお、CPU21に代えてGPU(Graphics Processing Unit)を用いてもよく、CPU21とGPU(Graphics Processing Unit)を併用してもよい。
【0023】
ROM22は、例えば不揮発性メモリ等の記憶媒体で構成され、CPU21が実行及び参照するプログラムやデータ等を記憶する。
【0024】
RAM23は、例えば揮発性メモリ等の記憶媒体で構成され、CPU21が行う各処理に必要な情報(データ)を一時的に記憶する。
【0025】
表示装置24は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-luminescence)ディスプレイなどの表示デバイスであり、監視装置20で行われる処理の結果等を表示する。入力装置25は、例えば、キーボード、マウス等により構成される。入力装置25は、入力された操作内容を表す操作信号を生成し、該操作信号をCPU21に供給する。また、表示装置24は、CPU21から供給される表示信号に基づいて、操作内容や設定情報等を表示する。なお、表示装置24及び入力装置25は、例えばタッチパネルとして一体に形成されることも可能である。
【0026】
記憶装置26は、コンピューター読取可能な非一過性の記録媒体で構成され、例えばHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置で構成される。記憶装置26は、CPU21によって実行されるプログラム、OS(Operating System)、コントローラー等のプログラム、データを記憶する。また、記憶装置26は、関連作業内容の保存先へのアクセス情報、及び、アクセス情報の出力先、すなわち、オペレータの連絡先の情報を記憶する。また、記憶装置26は、印刷機の各種異常状態に対応する関連作業内容を保存する記憶装置として利用されてもよい。
【0027】
なお、記憶装置26に記憶されるプログラム、データの一部は、ROM22に記憶されてもよい。また、CPU21によって実行されるプログラムを格納したコンピューター読取可能な非一過性の記録媒体は、HDDに限定されず、例えば、SSD(Solid State Drive)、CD(Compact Disc)-ROM、DVD(Digital Versatile Disc)-ROM等の記録媒体であってもよい。
【0028】
通信インターフェース27には、例えば、NIC(Network Interface Card)等が用いられ、NICの端子に接続されたLAN(Local Area Network)、専用線等を介して各種のデータを外部装置、例えば、オペレータ端末40との間で送受信することが可能である。
【0029】
[アクセス情報の出力態様]
次に、本実施形態に係る印刷システム1における関連作業内容の保存先へのアクセス情報の出力態様について説明する。アクセス情報の出力態様は、例えば、関連作業内容がアップロードされたインターネット上の動画サイト(保存先)へのアクセスアドレスである(
図3参照)。また、アクセス情報の出力態様は、例えば、関連作業内容の保存先へのアクセスアドレスを読み取りできる読み取りコードである(
図4,
図5参照)。ここで、読み取りコードは、バーコード、又は二次元コードであるQR(Quick Response)コード(登録商標)である。
【0030】
図3は、本実施形態に係る印刷システム1における関連作業内容の保存先へのアクセス情報の出力態様の例1を示す図である。
図3には、関連作業内容の保存先へのアクセス情報を動画リンク、すなわち、関連作業内容を再生する動画サイトのアドレスリンクとする態様が示されている。例えば、印刷機にトラブルが発生した場合、監視装置20は、印刷機から印刷機の状態情報を取得し、記憶装置26から、当該状態情報に紐付けられている関連作業内容の保存先へのアクセス情報を抽出する。そして、監視装置20は、
図3に示すように、抽出した関連作業内容の保存先へのアクセス情報、すなわち、動画リンクを自装置の表示装置24に出力して表示する。
【0031】
このような表示態様により、例えば、監視装置20が印刷機の付近に配置される場合、
図3に示すように、オペレータが監視装置20に表示される関連作業内容の動画リンクをクリックして、その場で関連作業内容の動画を表示することができる。
【0032】
なお、本実施形態では、関連作業内容の動画リンクを監視装置20の表示装置24に出力して表示することに限定されず、関連作業内容の動画リンクを表示装置24に表示するとともに、電子メール等で予め登録された出力先に送信してもよい。
【0033】
図4は、本実施形態に係る印刷システム1における関連作業内容の保存先へのアクセス情報の出力態様の例2を示す図である。
図4には、関連作業内容の保存先へのアクセス情報をバーコードとする態様が示されている。監視装置20は、
図4に示すように、関連作業内容の保存先へのアクセス情報を読み取りできるバーコードを自装置の表示装置24に出力して表示する。
【0034】
このような表示態様により、例えば、オペレータが、
図4に示すように、オペレータ端末40に接続されているバーコードリーダー41で、監視装置20の表示装置24に表示されているバーコードを読み取って、関連作業内容の動画をオペレータ端末40に表示することができる。印刷機の異常箇所にオペレータ端末40を携行することで、オペレータは、異常箇所を見ながら、関連作業内容の動画を確認することができるので、異常への対処を容易に行うことができる。なお、オペレータ端末40が備えるカメラを用いてバーコードを読み取って動画サイトにアクセスする構成としてもよい。この構成とした場合、オペレータ端末40はバーコードリーダー41を備えなくてもよい。
【0035】
なお、本実施形態では、関連作業内容の保存先へのアクセス情報を読み取りできるバーコードを監視装置20の表示装置24に表示することに限定されず、そのバーコードを表示装置24に表示するとともに、電子メール等で予め登録された出力先に送信してもよい。
【0036】
図5は、本実施形態に係る印刷システム1における関連作業内容の保存先へのアクセス情報の出力態様の例3を示す図である。
図5には、関連作業内容の保存先へのアクセス情報を二次元コードとする態様が示されている。監視装置20は、
図5に示すように、関連作業内容の保存先へのアクセス情報を読み取りできる二次元コードを自装置の表示装置24に出力して表示する。
【0037】
このような表示態様により、例えば、オペレータが、
図4に示すように、スマートフォンやタブレッドなどのオペレータ端末40で、監視装置20の表示装置24に表示されている二次元コードを読み取って、関連作業内容の動画をオペレータ端末40に表示することができる。印刷機の異常箇所にオペレータ端末40を携行することで、オペレータは、異常箇所を見ながら、関連作業内容の動画を確認することができるので、異常への対処を容易に行うことができる。
【0038】
なお、本実施形態では、関連作業内容の保存先へのアクセス情報を読み取りできる二次元コードを監視装置20の表示装置24に表示することに限定されず、その二次元コードを表示装置24に表示するとともに、電子メール等で予め登録された出力先に送信してもよい。
【0039】
[監視処理の手順]
次に、監視装置20(監視部)における監視処理について説明する。
図6は、本実施形態に係る印刷システム1の監視装置20における監視処理の手順を示すフローチャートである。以下に説明する処理は、監視装置20(監視部)が、印刷機から状態情報を受信すると開始する。
【0040】
まず、監視装置20は、印刷機から、印刷機の状態に関する状態情報を取得する(ステップS01)。
【0041】
次いで、監視装置20は、自装置の記憶装置26から、予め登録された、状態情報に対応する関連作業内容の保存先へのアクセス情報を抽出する(ステップS02)。
【0042】
次いで、監視装置20は、記憶装置26から抽出した関連作業内容の保存先へのアクセス情報を出力する(ステップS03)。この処理において、監視装置20は、記憶装置26に予め登録された出力先を抽出し、関連作業内容の保存先へのアクセス情報を、電子メール等の電子情報通信方式で出力先に出力(送信)する。また、この処理では、監視装置20は、関連作業内容の保存先へのアクセス情報を自装置の表示装置24に出力して表示してもよい。ステップS03の処理後、監視処理は終了する。
【0043】
[効果]
上述したように、本実施形態に係る印刷システム1の監視部(監視装置20)は、印刷機から、印刷機の状態情報取得し、予め登録された、状態情報に対応する関連作業内容の保存先へのアクセス情報を抽出して、電子情報通信方式(電子メール等)で、予め登録された出力先に出力する。このため、オペレータは、電子メール等で受信した関連作業内容の保存先へのアクセス情報をスマートフォンやタブレットなどで開いて、複数の端末で関連作業内容を見ることができる。それゆえ、本実施形態に係る監視部(監視装置20)により、印刷機のトラブル(異常状態)を改善するための関連作業内容を表示する端末は、印刷機の表示パネルに制限されず、端末の選択範囲が広くなり、オペレータが、印刷機の表示パネルを操作する際にも、他の端末で関連作業内容を見ることができる。また、オペレータが関連作業内容を表示する端末を作業場所の近いところに置き、関連作業内容を見ながらリカバリー作業を行うことが可能になる。すなわち、本実施形態に係る監視部(監視装置20)によれば、印刷機のトラブル(異常状態)に対応する関連作業内容をオペレータが所望する端末に表示することができる。
【0044】
また、本実施形態に係る監視部(監視装置20)は、印刷機から状態情報を取得するだけのため、様々な機種の印刷機に対応することができる。また、本実施形態に係る印刷システム1では、関連作業内容をインターネット上の動画サイドやクラウドサーバーにアップロードして保存するので、関連作業内容を更新する際に、印刷会社(現場)に行かずに更新作業を行うことができる。
【0045】
また、本実施形態に係る監視部は、ウェブアプリケーションにより実行可能であるため、専用の監視装置の設置は要らず、インターネットに繋がる任意の情報処理装置に適用可能となる。
【0046】
なお、本発明は上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りその他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。
例えば、上述した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために印刷システムの構成を詳細かつ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、ここで説明した実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることは可能であり、さらにはある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、実施形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることも可能である。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【0047】
上記実施形態では、監視部(監視装置20)は、記憶装置26に複数の出力先が登録された場合に、全ての出力先に関連作業内容の保存先へのアクセス情報を送信する処理例を説明したが、本発明はこれに限定されない。監視部(監視装置20)は、複数の出力先のうち、状態情報を取得した印刷機に関連する出力先にアクセス情報を出力するようにしてもよい。例えば、オペレータが印刷機を担当する日が、月曜日~金曜日の曜日を基に決まることを想定する。そして、月、水、金曜日に発生した印刷機の異常に対応する担当はオペレータAであり、火、木曜日に発生した印刷機の異常に対応する担当はオペレータBであるとする。この場合、月、水、金曜日に印刷機に異常が発生すると、監視部は、複数の出力先のうち、異常が発生した印刷機に関連する出力先、すなわち、月、水、金曜日に振り分けられた担当であるオペレータAの連絡先のみにアクセス情報を出力する。なお、印刷機に関連(担当)するオペレータの振り分けルールは、曜日に基づくことに限定されず、目的に応じて任意のルールを適用可能である。例えば、昼勤、夜勤に応じて異なる時間帯に振り分けられたオペレータに対し、印刷機に異常等が発生した時間に合わせてアクセス情報が出力されてもよい。
【0048】
また、監視部(監視装置20)は、複数の出力先のうち、印刷機の状態の種類に関連する出力先にアクセス情報を出力するようにしてもよい。例えば、オペレータが、印刷機の状態の種類を基に決められ、用紙切れ及びトナー切れの状態に対応する担当はオペレータCであり、廃トナーボトルフル及び廃止トレイフルの状態に対応する担当はオペレータDであることを想定する。この場合、印刷機が用紙切れ及びトナー切れになったら、監視部は、複数の出力先のうち、印刷機の状態の種類に関連する出力先、すなわち、用紙切れ及びトナー切れの状態に振り分けられた担当であるオペレータCの連絡先のみにアクセス情報を出力する。
【0049】
なお、上述したように、監視部(監視装置20)は、予め登録された複数の出力先のうち、所定の出力先(複数可)のみにアクセス情報を出力する場合、所定の出力先を決める条件、例えば、曜日、異常状態の種類等による条件を予め監視部に登録する必要がある。
【0050】
また、上記実施形態では、異常が発生した場合について例示したが、異常までには至っていない場合においても本発明は適用可能である。例えば、記録媒体(用紙)ニアエンプティ、トナーニアエンプティ、廃トナーボトルニアフル、排紙トレイニアフル、印刷物の汚れが悪化してきている等の状態情報を取得し、アクセス情報を出力する場合も含まれる。
【符号の説明】
【0051】
1…印刷システム、11,12,13,14…印刷機、20…監視装置、30…ストレージ、40…オペレータ端末