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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113260
(43)【公開日】2024-08-22
(54)【発明の名称】造形装置およびレーザ加工ヘッド
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/21 20140101AFI20240815BHJP
   B23K 26/34 20140101ALI20240815BHJP
   B23K 26/073 20060101ALI20240815BHJP
   B23K 26/064 20140101ALI20240815BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20240815BHJP
【FI】
B23K26/21 Z
B23K26/34
B23K26/073
B23K26/064 G
B23K26/064 A
B33Y30/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023018113
(22)【出願日】2023-02-09
(71)【出願人】
【識別番号】000003609
【氏名又は名称】株式会社豊田中央研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100160691
【弁理士】
【氏名又は名称】田邊 淳也
(74)【代理人】
【識別番号】100182718
【弁理士】
【氏名又は名称】木崎 誠司
(72)【発明者】
【氏名】角田 貫一
(72)【発明者】
【氏名】前嶋 貴士
(72)【発明者】
【氏名】加藤 覚
【テーマコード(参考)】
4E168
【Fターム(参考)】
4E168BA35
4E168BA81
4E168CB07
4E168CB15
4E168DA34
4E168EA13
4E168EA14
(57)【要約】
【課題】曲げ形状により制限されず、対象を幅広く設計可能な製造技術を提供する。
【解決手段】造形装置は、位置および姿勢を変更可能なステージと、前記ステージに対して楕円形状のレーザ光を照射するレーザ光照射部と、前記レーザ光照射部から前記ステージに対して照射されるレーザ光に金属粉末を供給する供給ノズルと、造形する対象の形状に応じて前記ステージの位置および姿勢を制御する制御部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
造形装置であって、
位置および姿勢を変更可能なステージと、
前記ステージに対して楕円形状のレーザ光を照射するレーザ光照射部と、
前記レーザ光照射部から前記ステージに対して照射されるレーザ光に金属粉末を供給する供給ノズルと、
造形する対象の形状に応じて前記ステージの位置および姿勢を制御する制御部と、
を備える、造形装置。
【請求項2】
請求項1に記載の造形装置であって、
前記レーザ光照射部は、楕円率が(1/1.5)以下の楕円形状のレーザ光を前記ステージに対して照射する、造形装置。
【請求項3】
請求項2に記載の造形装置であって、
前記供給ノズルは、前記レーザ光照射部から照射されるレーザ光の断面における径方向内側から前記ステージへと金属粉末を供給する、造形装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の造形装置であって、
前記制御部は、前記対象の造形時に、前記ステージに照射されるレーザ光の光軸に沿って前記レーザ光照射部から所定の速度で遠ざかるように前記ステージの位置を変化させ、かつ、前記対象の形状に応じて前記ステージの姿勢と、前記光軸の直交する断面に沿った前記ステージの位置とを変化させる、造形装置。
【請求項5】
レーザ加工ヘッドであって、
加工用レーザ光が入射する平凹シリンドリカルレンズであって、加工用レーザ光が入射する面に凹面が向くように配置された平凹シリンドリカルレンズと、
前記平凹シリンドリカルレンズを透過した加工用レーザ光が入射する平凸シリンドリカルレンズであって、加工用レーザ光が入射する面と反対側の面に凸面が向くように配置された平凸シリンドリカルレンズと、
前記平凸シリンドリカルレンズを透過した加工用レーザ光を集光してレーザ光として照射する集光レンズと、
を備え、
前記平凹シリンドリカルレンズと前記平凸シリンドリカルレンズは、共焦点光学系を形成する位置に配置されている、レーザ加工ヘッド。
【請求項6】
請求項5に記載のレーザ加工ヘッドであって、さらに、
加工用レーザ光の光軸に沿って前記平凹シリンドリカルレンズよりも上流側に配置されて、加工用レーザ光が入射する第1のアキシコンレンズであって、円錐面が前記光軸に沿って下流側を向くように配置される第1のアキシコンレンズと、
前記第1のアキシコンレンズと前記平凹シリンドリカルレンズとの間に配置されて、前記第1のアキシコンレンズを透過した加工用レーザ光が入射する第2のアキシコンレンズであって、円錐面が前記光軸に沿って上流側を向くように配置される第2のアキシコンレンズと、
前記平凸シリンドリカルレンズを透過した加工用レーザが入射する分割プリズムであって、加工用レーザ光を2つに分割する分割プリズムと、
前記分割プリズムによって分割された加工用レーザ光が入射する合成プリズムであって、分割された加工用レーザ光を、前記分割プリズムによって分割される前の形状の加工用レーザ光に合成する合成プリズムと、
金属粉末を供給可能な供給ノズルと、
を備え、
前記合成プリズムと前記集光レンズには、前記光軸に沿って貫通する孔が形成されており、
前記供給ノズルは、前記合成プリズムと前記集光レンズとに形成されたそれぞれの前記孔を貫通するように配置されている、レーザ加工ヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、造形装置およびレーザ加工ヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
断面形状が円形や長方形の線材が巻回されることにより製造された種々のコイルが知られている(例えば、特許文献1,2参照)。特許文献1には、断面形状が長方形の線材がエッジワイズ巻きされることにより形成されたコイルが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-176053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
断面形状が円形の線材により製造されたコイルでは、コイルエンドで線材が不規則に重なり合うため、小型化に不向きである。また、断面形状が円形の線材のコイルでは、乱巻きとなってしまうため占有率に限界がある。さらに、コイルをモータ等で使用する場合には、発熱が問題となる。それに対して、特許文献1に開示された断面形状が長方形の線材により製造されたコイルでは、占有率が向上し、かつ、放熱性も向上する。しかしながら、断面形状が長方形であるため、線材の巻回時の曲げ形状に限度があり、断面形状が円形の線材のコイルと比較して、設計できるコイル形状にも限界が存在する。そのため、曲げ形状により制限されず、幅広く設計可能なコイルの製造方法が望まれていた。また、このような課題は、コイル製造の分野にかかわらず、曲げ変形などを伴う製造全般に共通する課題であった。
【0005】
本発明は、上述した課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、曲げ形状により制限されず、対象を幅広く設計可能な製造技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現できる。
【0007】
(1)本発明の一形態によれば、造形装置が提供される。この造形装置は、位置および姿勢を変更可能なステージと、前記ステージに対して楕円形状のレーザ光を照射するレーザ光照射部と、前記レーザ光照射部から前記ステージに対して照射されるレーザ光に金属粉末を供給する供給ノズルと、造形する対象の形状に応じて前記ステージの位置および姿勢を制御する制御部と、を備える。
【0008】
この構成によれば、対象は、金属粉末がレーザ光による溶融および凝固を利用して造形される。そのため、本構成では、対象を所望の形状に製造するために線材等の材料を曲げ加工する必要がない。そのため、線材等の材料の曲げ加工時に断面形状から生じる曲げ形状の限度がない。この結果、所望の断面を有する線材を用いた対象(例えばコイル)を製造できる。さらに、レーザ光照射部から照射されるレーザ光の形状が楕円であるため、線材の断面が楕円形状の対象を容易に製造できる。例えば、本構成で製造される断面が楕円形状のコイルは、従来の断面が円形状のレーザ光を用いて製造される線材の断面が円形状のコイルと比較して、占有率が向上し、かつ、放熱性も向上する。従来の円形状のレーザ光を用いて線材の断面が楕円形状のコイルを製造しようとすると、円形状から楕円形状を形成するためにステージを揺動させる必要がある。このような揺動制御を行おうとすると、ステージの位置および姿勢の制御のためのプログラムの生成が複雑になる。すなわち、従来の円形状のレーザ光では断面が楕円形状の対象の製造が難しかったが、本構成では、断面が楕円形状の対象の製造時間を短縮して効率的に製造できる。
【0009】
(2)上記態様の造形装置において、前記レーザ光照射部は、楕円率が(1/1.5)以下の楕円形状のレーザ光を前記ステージに対して照射してもよい。
この構成によれば、レーザ光の形状の楕円率が(1/1.5)以下であるため、製造される対象がコイルである場合に、断面形状が楕円のコイルが製造される。この結果、コイルの占有率および放熱率を向上させて容易に製造できる。
【0010】
(3)上記態様の造形装置において、前記供給ノズルは、前記レーザ光照射部から照射されるレーザ光の断面における径方向内側から前記ステージへと金属粉末を供給してもよい。
この構成によれば、ステージに供給される対象の元となる金属粉末は、エネルギー密度が最も高いレーザ光の中心に向かって供給されるため、製造される対象の形状の精度を向上させることができる。
【0011】
(4)上記態様の造形装置において、前記制御部は、前記対象の造形時に、前記ステージに照射されるレーザ光の光軸に沿って前記レーザ光照射部から所定の速度で遠ざかるように前記ステージの位置を変化させ、かつ、前記対象の形状に応じて前記ステージの姿勢と、前記光軸の直交する断面に沿った前記ステージの位置とを変化させてもよい。
この構成によれば、対象の造形時に、レーザ光の光軸に沿って所定の速度でステージとレーザ光照射部との距離が拡大する。さらに、造形対象の形状に応じて、ステージの姿勢と、光軸に直交する断面方向に沿ったステージの位置が変化する。そのため、レーザ光の光軸に沿って、レーザ光の断面形状に応じた断面形状を有する対象が造形される。すなわち、本構成では、光軸に直交する断面に沿ってレーザ光を全く揺動させずに対象を製造するため、対象を効率的かつ精度良く造形できる。
【0012】
(5)他の発明の一形態によれば、レーザ加工ヘッドが提供される。このレーザ加工ヘッドは、加工用レーザ光が入射する平凹シリンドリカルレンズであって、加工用レーザ光が入射する面に凹面が向くように配置された平凹シリンドリカルレンズと、前記平凹シリンドリカルレンズを透過した加工用レーザ光が入射する平凸シリンドリカルレンズであって、加工用レーザ光が入射する面と反対側の面に凸面が向くように配置された平凸シリンドリカルレンズと、前記平凸シリンドリカルレンズを透過した加工用レーザ光を集光してレーザ光として照射する集光レンズと、を備え、前記平凹シリンドリカルレンズと前記平凸シリンドリカルレンズは、共焦点光学系を形成する位置に配置されている。
この構成によれば、加工用レーザ光が入射する平凹シリンドリカルレンズと平凸シリンドリカルレンズは、共焦点光学系を形成する位置に配置されている。そのため、本構成では、円形状の加工用レーザ光を、平凹シリンドリカルレンズから焦点位置まで距離と、平凸シリンドリカルレンズから焦点位置までの距離との比に相当するように長軸が拡大された楕円形状のレーザ光として照射できる。また、本構成では、平凹シリンドリカルレンズと平凸シリンドリカルレンズとの一方を交換することにより、照射される楕円形状のレーザ光の楕円率を簡単に変更できる。
【0013】
(6)上記態様のレーザ加工ヘッドにおいて、さらに、加工用レーザ光の光軸に沿って前記平凹シリンドリカルレンズよりも上流側に配置されて、加工用レーザ光が入射する第1のアキシコンレンズであって、円錐面が前記光軸に沿って下流側を向くように配置される第1のアキシコンレンズと、前記第1のアキシコンレンズと前記平凹シリンドリカルレンズとの間に配置されて、前記第1のアキシコンレンズを透過した加工用レーザ光が入射する第2のアキシコンレンズであって、円錐面が前記光軸に沿って上流側を向くように配置される第2のアキシコンレンズと、前記平凸シリンドリカルレンズを透過した加工用レーザが入射する分割プリズムであって、加工用レーザ光を2つに分割する分割プリズムと、前記分割プリズムによって分割された加工用レーザ光が入射する合成プリズムであって、分割された加工用レーザ光を、前記分割プリズムによって分割される前の形状の加工用レーザ光に合成する合成プリズムと、金属粉末を供給可能な供給ノズルと、を備え、前記合成プリズムと前記集光レンズには、前記光軸に沿って貫通する孔が形成されており、前記供給ノズルは、前記合成プリズムと前記集光レンズとに形成されたそれぞれの前記孔を貫通するように配置されていてもよい。
この構成によれば、第1のアキシコンレンズと第2のアキシコンレンズにより、加工用レーザ光は、中空の加工用レーザ光へと加工される。さらに中空の加工用レーザ光は、分割プリズムによって2つの加工用レーザ光に分割される。加工用レーザ光の中空部分に供給ノズルが配置され、供給ノズルと、外部から金属粉末を供給する装置とが分割プリズムにより分割された位置で接続されることにより、供給ノズルによりレーザ光の中心側からステージに対して金属粉末を供給できる。
【0014】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、造形装置、三次元造形装置、コイル製造装置、レーザ加工ヘッド、レーザ加工装置、造形方法、三次元造形方法、コイル製造方法、レーザ加工方法、およびこれらの装置を備える又は方法を実現するシステム、これら装置または方法を実行するためのコンピュータプログラム、このコンピュータプログラムを配布するためのサーバ装置、コンピュータプログラムを記憶した一時的でない記憶媒体等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態としての造形装置の概略ブロック図である。
図2】レーザ加工ヘッド内の各種レンズおよびプリズムの配置についての説明図である。
図3】楕円形状の集光点におけるレーザ光のエネルギー分布の説明図である。
図4】ステージ上で造形途中の造形物の概略図である。
図5】ステージ上で造形途中の造形物の概略図である。
図6】変形例の造形装置の概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<実施形態>
図1は、本発明の一実施形態としての三次元成形装置100の概略ブロック図である。図1に示される造形装置100は、粉末供給装置30から噴霧される金属粉末MPに対してレーザ光LSを照射させることにより溶融させ、溶融後の金属粉末MPからレーザ光LSの集光点を外すことで、凝固した金属粉末MPを所定の形状を有する対象(例えば、コイル)として造形する。本実施形態では、レーザ光LSの形状が楕円形状であるため、造形される対象の断面形状は楕円形状である。
【0017】
図1に示されるように、造形装置100は、レーザ光源として加工用のレーザ光LSを生成して射出するレーザ装置20と、レーザ加工ヘッド40と、金属粉末MPを供給する粉末供給装置30と、位置および姿勢を変更可能なステージ50と、コイル情報データベース(コイル情報DB)60と、造形装置100の各部を制御する制御装置(制御部)10と、を備えている。
【0018】
レーザ加工ヘッド40は、レーザ装置20から射出された加工用のレーザ光LSを楕円のビーム形状に加工してステージ50へと照射する。粉末供給装置30は、レーザ加工ヘッド40内に配置された供給ノズル48(図1では不図示)に金属粉末MPを供給する。ステージ50は、図1に示される直交座標系CSを構成するX,Y,Z軸に沿って移動可能であり、かつ、Z軸回り及びY軸回りに回転可能な5軸ステージである。なお、X,Y,Z軸は互いに直交する軸である。また、回転はY軸でなくX軸でも構わない。図1に示される直交座標系CSは、図2以降で示される直交座標系CSと対応している。
【0019】
コイル情報DB60は、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)などで構成されている。コイル情報DB60には、造形装置100が製造する各種コイルの三次元CAD(Computer Aided Design)データが記憶されている。
【0020】
本実施形態の制御装置10は、パーソナルコンピュータ(Personal Computer)で構成されている。制御装置10のCPU(Central Processing Unit)は、ROM(Read Only Memory)に格納されているコンピュータプログラムをRAM(Random Access Memory)に展開して実行することにより、図1に示されるように、取得部11と、レーザ制御部12と、供給制御部13と、ステージ制御部14として機能する。
【0021】
取得部11は、造形装置100により造形する対象としてのコイルの三次元データを取得する。レーザ制御部12は、レーザ装置20を制御することにより、レーザ装置20からレーザ加工ヘッド40へと入射する加工用のレーザ光LSの出力を、取得されたコイルの三次元CADデータに応じて制御する。供給制御部13は、粉末供給装置30を制御することにより、粉末供給装置30からレーザ加工ヘッド40内の供給ノズル48に供給する金属粉末MPの量を、取得されたコイルの三次元CADデータに応じて制御する。
【0022】
ステージ制御部14は、取得されたコイルの三次元CADデータに応じて、ステージ50の位置および姿勢を制御する。本実施形態のステージ制御部14は、コイル製造時に、ステージ50に照射されるレーザ光LSの光軸であるZ軸に沿ってレーザ加工ヘッド40から所定の速度で遠ざかるようにステージ50の位置をZ軸負方向側へと移動させる。ステージ制御部14は、さらに、造形するコイルの三次元CADデータに応じて、ステージ50の姿勢と、光軸に直交する平面であるXY平面に沿ったステージ50の位置とを変化させる。
【0023】
ステージ50の位置および姿勢が制御されることにより、ステージ50上でのレーザ光LSの集光点の位置が変化する。集光点に噴霧された金属粉末MPは溶融する。ステージ50の位置および姿勢が変化することにより、溶融している金属粉末MPから集光点が外れると、溶融していた金属粉末MPは凝固して造形物MOに変化する。そのため、ステージ制御部14が、造形物MOが造形目的のコイル形状になるようにステージ50を走査させることにより、所望の形状を有するコイルが製造される。
【0024】
図2は、レーザ加工ヘッド40内の各種レンズおよびプリズムの配置についての説明図である。図2には、レーザ光LSの光軸OLに沿った断面に沿って並んでいる各種レンズおよびプリズムの概略断面図が示されている。また、各種レンズおよびプリズムの概略断面図の左側には、特定のレンズまたはプリズムを透過したレーザ光LSの断面形状の概略図が示されている。なお、レンズの概略断面図と、レーザ光LSの概略断面図とでは、図2に示される2つの直交座標系CSのように異なっている。
【0025】
図2に示されるように、レーザ加工ヘッド40は、レーザ装置20から入射するレーザ光LSの光軸OLに沿って上流側から順番に配置された、第1のアキシコンレンズ41と、第2のアキシコンレンズ42と、平凹シリンドリカルレンズ43と、平凸シリンドリカルレンズ44と、分割プリズム45と、合成プリズム46と、集光レンズ47とを備えている。また、レーザ加工ヘッド40は、光軸OLに沿って配置された供給ノズル48を備えている。なお、各種レンズ41~44,47およびプリズム45,46は、中心軸がレーザ光LSの光軸OLと重なるように配置されている。
【0026】
第1のアキシコンレンズ41は、図2に示されるように、円錐面が光軸OLに沿って下流側を向くように配置されている。第2のアキシコンレンズ42は、光軸OLに沿って第1のアキシコンレンズ41と平凹シリンドリカルレンズ43との間に配置されている。第2のアキシコンレンズ42は、円錐面が光軸OLに沿って上流側を向くように配置されている。
【0027】
平凹シリンドリカルレンズ43は、第2のアキシコンレンズ42を透過したレーザ光LSが入射する面に凹面が向くように配置されている。平凸シリンドリカルレンズ44は、平凹シリンドリカルレンズ43を透過したレーザ光LSが入射する面と反対側の面に凸面が向くように配置されている。本実施形態では、平凹シリンドリカルレンズ43と平凸シリンドリカルレンズ44は、共焦点光学系を形成する位置に配置されている。
【0028】
分割プリズム45は、図2に示されるように、一方の面に凹んだ傾斜面(平面)を有し、他方の面に突出した傾斜面(平面)を有している。分割プリズム45は、凹んだ傾斜面(平面)が光軸OLに沿って上流側を向き、突出した傾斜面(平面)が光軸OLに沿って下流側を向くように配置されている。分割プリズム45には、平凸シリンドリカルレンズ44を透過したレーザ光LSが凹んだ傾斜面(平面)に入射する。
【0029】
合成プリズム46には、分割プリズム45の形状に対して、光軸OLと平行な中心軸に沿って中央部分に厚さ方向に沿って貫通した貫通孔H1が形成されている。合成プリズム46は、図2に示されるように、突出した傾斜面(平面)が光軸OLに沿って上流側を向き、凹んだ傾斜面(平面)が光軸OLに沿って下流側を向くように配置されている。合成プリズム46には、分割プリズム45を透過したレーザ光LSが突出した傾斜面(平面)に入射する。集光レンズ47は、合成プリズム46を透過したレーザ光LSを集光してステージ50にレーザ光LSとして照射する凸レンズである。集光レンズ47には、光軸OLと平行な中心軸に沿って中央部分に厚さ方向に沿って貫通した貫通孔H2が形成されている。
【0030】
供給ノズル48は、レーザ光LSの光軸OLと平行な軸を中心軸として延びる中空の管である。図2では、供給ノズル48の一部の図示が省略されているが、供給ノズル48の上流側は粉末供給装置30と接続されている。具体的には、図2において図示されていない分割プリズム45でレーザ光LSが分割された位置で、供給ノズル48と粉末供給装置30(図1)が接続されている。そのため、レーザ加工ヘッド40の外部の粉末供給装置30から、レーザ加工ヘッド40内の供給ノズル48へと金属粉末MPが供給される。
【0031】
供給ノズル48は、図2に示されるように、合成プリズム46に形成された貫通孔H1と、集光レンズ47に形成された貫通孔H2とを貫通するように配置されている。そのため、供給ノズル48は、レーザ加工ヘッド40から照射されるレーザ光LSの断面における径方向内側からステージ50へと金属粉末MPを噴霧する。
【0032】
図2には、レーザ光LSの各位置でのビーム形状として、第1のアキシコンレンズ41に入射するレーザ光LSの形状と、平凹シリンドリカルレンズ43に入射するレーザ光LSの形状と、分割プリズム45に入射するレーザ光LSの形状と、合成プリズム46に入射するレーザ光LSの形状と、集光レンズ47に入射するレーザ光LSの形状と、レーザ加工ヘッド40から照射されたレーザ光LSの集光点の形状とが示されている。
【0033】
第1のアキシコンレンズ41に入射するレーザ光LSの形状は、図2に示されるように、円形状である。平凹シリンドリカルレンズ43に入射するレーザ光LSの形状は、中空の円形状である。分割プリズム45に入射するレーザ光LSの形状は、中空の楕円形状である。平凹シリンドリカルレンズ43と平凸シリンドリカルレンズ44は、共焦点光学系を形成する位置に配置されている。そのため、平凹シリンドリカルレンズ43から焦点までの距離と、平凸シリンドリカルレンズ44から焦点までの距離とに応じて楕円形状のレーザ光LSの楕円率が決定する。例えば、平凹シリンドリカルレンズ43の焦点距離が30mmであり、平凸シリンドリカルレンズ44の焦点距離が60mmの場合には、レーザ光LSの楕円形状は、長軸が2倍(=60mm/30mm)に拡大された形状である。なお、本実施形態では、レーザ加工ヘッド40から照射されるレーザ光LSの形状の楕円率は(1/2.0)である。
【0034】
合成プリズム46に入射するレーザ光LSの形状は、中空の楕円形状が2つに分割された形状である。当該形状は中空であるため、光軸OL付近をレーザ光LSが通過しない。そのため、光軸OL付近に配置された供給ノズル48にレーザ光LSが照射されずに済む。集光レンズ47に入射するレーザ光LSの形状は、合成プリズム46により2つに分割されたレーザ光LSが合成されるため、分割プリズム45に入射する中空の楕円形状のレーザ光LSと同じ形状である。集光レンズ47によりステージ50へと照射されるレーザ光LSの形状は、平凹シリンドリカルレンズ43と平凸シリンドリカルレンズ44との各焦点距離に応じて決定する楕円率の楕円形状である。なお、レーザ加工ヘッド40がステージ50に対して照射する楕円形状のレーザ光LSにおける「楕円形状」とは、レーザ光LSの光軸OLを法線とするステージ50上の平坦な面にレーザ光LSが照射された際の形状である。そのため、ステージ50に照射されるレーザ光LSの楕円形状とは、光軸OLに直交する断面と平行な面にレーザ光LSが照射された際の形状とも換言できる。
【0035】
図3は、楕円形状の集光点におけるレーザ光LSのエネルギー分布の説明図である。図3では、シミュレーションにおいて、図3の中心が楕円形状のレーザ光LSの光軸と一致する状態のエネルギー分布が示されている。エネルギー密度が高い部分ほど濃いハッチングで示されている。図3に示されるエネルギー分布は、Y軸に平行な長軸を有する楕円率が(1/2)の場合の一例である。図3に示されるように、レーザ光LSの中央部分ほど高いエネルギー密度を有している。
【0036】
図4および図5は、ステージ50上で造形途中の造形物MOの概略図である。図4,5には、図3に示される楕円率が(1/2)のレーザ光LSを用いて造形物MOを造形した場合のシミュレーション結果が示されている。図4,5では、楕円率が(1/1.3)の例の造形物MOが示されている。図4には、レーザ光LSの光軸OLに沿って見た場合の造形物MOの概略上面図が示されている。図5には、造形物MOの概略側面図が示されている。図3~5に示されるように、レーザ光LSのエネルギー分布の楕円率が(1/2)であっても、造形される造形粒MOの断面の楕円率は(1/1.3)である。すなわち、レーザ光LSの楕円率に対して、造形物MOの断面の楕円率は、溶融金属の表面張力等の影響を受けるため、高くなる傾向がある。よって、造形粒MOの断面が楕円となるためには、レーザ光LSの楕円率が(1/1.5)以下であることが好ましい。なお、図4,5では、造形物MOにハッチングが施されている。本実施形態では、ステージ50が所定の速度でZ軸負方向側に移動し、かつ、造形するコイルの三次元CADデータに応じてステージ50がXY平面上で移動し、ステージ50がZ軸およびY軸回りに回転することにより、断面が楕円形状のコイルとして造形物MOが製造される。
【0037】
以上のように、本実施形態の造形装置100は、位置および姿勢を変更可能なステージ50と、ステージ50に対して照射されるレーザ光LSに金属粉末MPを噴霧する供給ノズル31と、コイルの三次元CADデータに応じてステージ50の位置および姿勢を制御するステージ制御部14と、を備えている。本実施形態の造形装置100が製造する対象としてのコイルは、金属粉末MPがレーザ光LSによる溶融および凝固を利用して造形される。そのため、本実施形態では、線材を巻回してコイルを製造する必要がないため、線材の巻回時に断面形状から生じる曲げ形状の限度がない。この結果、本実施形態の造形装置100は、所望の断面を有する線材を用いたコイルなどの対象を製造できる。さらに、レーザ加工ヘッド40から照射されるレーザ光LSの形状が楕円であるため、造形装置100は、線材の断面が楕円形状のコイルを容易に製造できる。造形装置100により製造される断面が楕円形状のコイルは、従来の断面が円形状のレーザ光LSを用いて製造される線材の断面が円形状のコイルと比較して、占有率が向上し、かつ、放熱性も向上する。従来の円形状のレーザ光を用いて線材の断面が楕円形状のコイルを製造しようとすると、ステージ50を揺動させる必要がある。このような揺動制御を行おうとすると、ステージ50の位置および姿勢の制御のためのプログラムの生成が複雑になる。すなわち、従来の円形状のレーザ光では断面が楕円形状のコイルの製造が難しかったが、本実施形態では、断面が楕円形状のコイルの製造時間を短縮して効率的に製造できる。
【0038】
また、本実施形態では、レーザ加工ヘッド40から照射されるレーザ光LSの形状の楕円率は(1/2.0)である。本実施形態の造形装置100では、レーザ光LSの形状の楕円率が(1/1.5)以下であるため、断面形状が楕円のコイルが製造される。この結果、製造されるコイルの占有率および放熱率を向上させて容易に製造できる。
【0039】
また、本実施形態の供給ノズル48は、レーザ加工ヘッド40から照射されるレーザ光LSの断面における径方向内側からステージ50へと金属粉末MPを噴霧する。そのため、本実施形態では、ステージ50に供給されるコイルの元となる金属粉末MPは、エネルギー密度が最も高いレーザ光LSの中心に向かって供給されるため、製造されるコイルの形状の精度を向上させることができる。
【0040】
また、本実施形態のステージ制御部14は、コイル製造時に、ステージ50に照射されるレーザ光LSの光軸に沿ってレーザ加工ヘッド40から所定の速度で遠ざかるようにステージ50の位置を変化させる。ステージ制御部14は、さらに、造形するコイルの三次元CADデータに応じて、ステージ50の姿勢と、光軸に直交する平面に沿ったステージ50の位置とを変化させる。本実施形態の造形装置100によれば、コイル製造時に、レーザ光LSの光軸OLに沿って所定の速度でステージ50とレーザ加工ヘッド40との距離が拡大する。さらに、コイル形状に応じて、ステージ50の姿勢と、光軸OLに直交する断面方向に沿ったステージ50の位置が変化する。そのため、レーザ光LSの光軸OLに沿って、レーザ光LSの断面形状に応じた断面形状を有するコイルが造形される。すなわち、本実施形態では、光軸OLに直交する断面に沿ってレーザ光を全く揺動させずにコイルを製造するため、コイルを効率的かつ精度良く造形できる。
【0041】
また、本実施形態のレーザ加工ヘッド40では、レーザ装置20からレーザ光LSが入射する平凹シリンドリカルレンズ43と平凸シリンドリカルレンズ44は、共焦点光学系を形成する位置に配置されている。そのため、図2に示されるように、円形状のレーザ光LSを、平凹シリンドリカルレンズ43から焦点位置まで距離と、平凸シリンドリカルレンズ44から焦点位置までの距離との比に相当するように長軸が拡大された楕円形状のレーザ光LSに変化させることができる。また、本実施形態では、平凹シリンドリカルレンズ43と平凸シリンドリカルレンズ44との一方を交換することにより、レーザ加工ヘッド40から照射される楕円形状のレーザ光LSの楕円率を簡単に変更できる。
【0042】
また、本実施形態のレーザ加工ヘッド40は、第1のアキシコンレンズ41と、第2のアキシコンレンズ42と、分割プリズム45と、合成プリズム46と、金属粉末MPを供給可能な供給ノズル48とを備えている。合成プリズム46には、分割プリズム45の形状に対して、光軸OLと平行な中心軸に沿って中央部分に厚さ方向に沿って貫通した貫通孔H1が形成されている。集光レンズ47には、光軸OLと平行な中心軸に沿って中央部分に厚さ方向に沿って貫通した貫通孔H2が形成されている。供給ノズル48は、図2に示されるように、合成プリズム46に形成された貫通孔H1と、集光レンズ47に形成された貫通孔H2とを貫通するように配置されている。本実施形態のレーザ加工ヘッド40では、第1のアキシコンレンズ41と第2のアキシコンレンズ42により、レーザ装置20から入射するレーザ光LSは、図2に示されるように中空のレーザ光LSへと加工される。さらに中空のレーザ光LSは、分割プリズムによって2つのレーザ光LSに分割される。レーザ光LSの中空部分に供給ノズル48が配置され、供給ノズル48と、外部から金属粉末MPを供給する粉末供給装置30とが分割プリズム45により分割された位置で接続されることにより、供給ノズル48によりレーザ光LSの中心側からステージ50に対して金属粉末MPを供給できる。
【0043】
<実施形態の変形例>
本発明は上記実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。また、上記実施形態において、ハードウェアによって実現されるとした構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されるとした構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。
【0044】
上記実施形態では、レーザ加工ヘッド40から楕円形状のレーザ光LSを用いて、ステージ50上で金属粉末MPの溶融および凝固を利用して、造形物MOをコイルとして製造する造形装置100の一例について説明した。しかし、コイルを製造するコイル製造装置が備える各種構成および制御内容については変形可能である。造形装置100は、コイル情報DB60やレーザ装置20を備えていなくてもよい。
【0045】
上記実施形態の造形装置100では、レーザ加工ヘッド40から照射されるレーザ光LSの形状の楕円率は、(1/1.5)であったが、(1/1.5)未満であってもよいし、(1/1.5)を超えてもよい。ステージ50に照射されるレーザ光LSの楕円率は、(1/1.5)以下が好ましい。
【0046】
上記実施形態の供給ノズル48は、レーザ加工ヘッド40内に配置され、レーザ光LSの内側からステージ50に金属粉末MPを噴霧したが、供給ノズル48が配置される位置等については変形可能である。図6は、変形例の供給ノズル31の位置の説明図である。図6には、変形例の造形装置100aの概略ブロック図が示されている。図6に示されるように、変形例の造形装置100aでは、供給ノズル31は、レーザ加工ヘッド40aの外部に配置され、レーザ光LSの外側からレーザ光LSの中心側に向かって、ステージ50に対して金属粉末MPを噴霧している。このように、金属粉末MPを供給する供給ノズル31が配置される位置は、レーザ加工ヘッド40内でなくてもよい。
【0047】
上記実施形態のレーザ加工ヘッド40(図2)は、ステージ50に対して楕円形状のレーザ光LSを照射可能な装置の一例であって、レーザ加工ヘッド40が備える構成等については変形可能である。例えば、図6に示されるように供給ノズル31がレーザ加工ヘッド40の外側に配置される場合には、レーザ加工ヘッド40内でレーザ装置20から入射したレーザ光LSが中空および分割形状に加工される必要ない。そのため、レーザ加工ヘッドは、平凹シリンドリカルレンズ43と、平凸シリンドリカルレンズ44と、集光レンズ47とを備えていればよく、2つのアキシコンレンズ41,42、分割プリズム45、および合成プリズム46を備えていなくてもよい。
【0048】
ステージ50は、X,Y,Z軸に沿って移動可能であり、かつ、Z軸回り及びY軸回りに回転可能な5軸ステージであったが、X軸回りに回転可能な6軸ステージであってもよいし、4軸ステージ等であってもよい。ステージ50は、ステージ50上で造形されるコイルの形状に応じて適宜設定されればよい。
【0049】
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本態様にはその等価物が含まれる。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することができる。
【0050】
本発明は、以下の形態としても実現することが可能である。
[適用例1]
造形装置であって、
位置および姿勢を変更可能なステージと、
前記ステージに対して楕円形状のレーザ光を照射するレーザ光照射部と、
前記レーザ光照射部から前記ステージに対して照射されるレーザ光に金属粉末を供給する供給ノズルと、
造形する対象の形状に応じて前記ステージの位置および姿勢を制御する制御部と、
を備える、造形装置。
[適用例2]
適用例1に記載の造形装置であって、
前記レーザ光照射部は、楕円率が(1/1.5)以下の楕円形状のレーザ光を前記ステージに対して照射する、造形装置。
[適用例3]
適用例1または適用例2に記載の造形装置であって、
前記供給ノズルは、前記レーザ光照射部から照射されるレーザ光の断面における径方向内側から前記ステージへと金属粉末を供給する、造形装置。
[適用例4]
適用例1から適用例3までのいずれか一項に記載の造形装置であって、
前記制御部は、前記対象の造形時に、前記ステージに照射されるレーザ光の光軸に沿って前記レーザ光照射部から所定の速度で遠ざかるように前記ステージの位置を変化させ、かつ、前記対象の形状に応じて前記ステージの姿勢と、前記光軸の直交する断面に沿った前記ステージの位置とを変化させる、造形装置。
[適用例5]
レーザ加工ヘッドであって、
加工用レーザ光が入射する平凹シリンドリカルレンズであって、加工用レーザ光が入射する面に凹面が向くように配置された平凹シリンドリカルレンズと、
前記平凹シリンドリカルレンズを透過した加工用レーザ光が入射する平凸シリンドリカルレンズであって、加工用レーザ光が入射する面と反対側の面に凸面が向くように配置された平凸シリンドリカルレンズと、
前記平凸シリンドリカルレンズを透過した加工用レーザ光を集光してレーザ光として照射する集光レンズと、
を備え、
前記平凹シリンドリカルレンズと前記平凸シリンドリカルレンズは、共焦点光学系を形成する位置に配置されている、レーザ加工ヘッド。
[適用例6]
適用例5に記載のレーザ加工ヘッドであって、さらに、
加工用レーザ光の光軸に沿って前記平凹シリンドリカルレンズよりも上流側に配置されて、加工用レーザ光が入射する第1のアキシコンレンズであって、円錐面が前記光軸に沿って下流側を向くように配置される第1のアキシコンレンズと、
前記第1のアキシコンレンズと前記平凹シリンドリカルレンズとの間に配置されて、前記第1のアキシコンレンズを透過した加工用レーザ光が入射する第2のアキシコンレンズであって、円錐面が前記光軸に沿って上流側を向くように配置される第2のアキシコンレンズと、
前記平凸シリンドリカルレンズを透過した加工用レーザが入射する分割プリズムであって、加工用レーザ光を2つに分割する分割プリズムと、
前記分割プリズムによって分割された加工用レーザ光が入射する合成プリズムであって、分割された加工用レーザ光を、前記分割プリズムによって分割される前の形状の加工用レーザ光に合成する合成プリズムと、
金属粉末を供給可能な供給ノズルと、
を備え、
前記合成プリズムと前記集光レンズには、前記光軸に沿って貫通する孔が形成されており、
前記供給ノズルは、前記合成プリズムと前記集光レンズとに形成されたそれぞれの前記孔を貫通するように配置されている、レーザ加工ヘッド。
【符号の説明】
【0051】
10…制御装置(制御部)
11…取得部
12…レーザ制御部
13…供給制御部
14…ステージ制御部
20…レーザ装置
30…粉末供給装置
31,48…供給ノズル
40,40a…レーザ加工ヘッド(レーザ光照射部)
41…第1のアキシコンレンズ
42…第2のアキシコンレンズ
43…平凹シリンドリカルレンズ
44…平凸シリンドリカルレンズ
45…分割プリズム
46…合成プリズム
47…集光レンズ
50…ステージ
60…コイル情報データベース
100,100a…造形装置
CS…直交座標系
H1…分割プリズムの貫通孔
H2…集光レンズの貫通孔
LS…レーザ光
MO…造形物
MP…金属粉末
OL…レーザ光の光軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6