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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113272
(43)【公開日】2024-08-22
(54)【発明の名称】カテーテル用殺菌機
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/10 20060101AFI20240815BHJP
   A61M 25/14 20060101ALI20240815BHJP
   A61M 25/00 20060101ALI20240815BHJP
【FI】
A61L2/10
A61M25/14 518
A61M25/00 600
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023018131
(22)【出願日】2023-02-09
(71)【出願人】
【識別番号】000112381
【氏名又は名称】ファミリー・サービス・エイコー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001726
【氏名又は名称】弁理士法人綿貫国際特許・商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】石田 幸司
【テーマコード(参考)】
4C058
4C267
【Fターム(参考)】
4C058AA22
4C058KK02
4C058KK22
4C058KK28
4C058KK46
4C267AA01
4C267BB03
4C267BB19
4C267BB43
4C267BB70
4C267GG06
4C267HH08
4C267HH10
4C267HH11
(57)【要約】
【課題】外部から紫外線の照射状態を確認することが可能なカテーテル用殺菌機を提供すること。
【解決手段】液体を供給するカテーテル5の中途位置に連結されるエクステンションチューブ10、エクステンションチューブ10を収容する筐体20、筐体20に収容されエクステンションチューブ10に紫外線を照射する1または複数の紫外線LED30、筐体20に収容され少なくとも紫外線LED30が紫外線を照射している間に可視光を照射する1または複数の可視光LED40、筐体20に収容され紫外線LED30より照射された紫外線を反射させる反射板50と、を具備し、反射板50は筐体20の内壁面から所要間隔をあけて取り付けられ、反射板50に位置合わせして窓部22Cが形成され、可視光LED40からの可視光が、筐体20の内壁面と反射板50との隙間部分60を経由して窓部22Cから漏出することを特徴とするカテーテル用殺菌機100である。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルによって供給される液体を殺菌するためのカテーテル用殺菌機であって、
前記カテーテルの中途位置に連結されるエクステンションチューブと、
前記エクステンションチューブを収容する筐体と、
前記筐体に収容され、前記エクステンションチューブに紫外線を照射する1または複数の紫外線LEDと、
前記筐体に収容され、少なくとも前記紫外線LEDは紫外線を照射している間において可視光を照射する1または複数の可視光LEDと、
前記筐体に収容され、前記紫外線LEDにより前記エクステンションチューブに照射された紫外線を前記エクステンションチューブに反射させる反射板と、を具備し、
前記反射板は、前記筐体の内壁面から所要間隔をあけて前記筐体に取り付けられており、
前記筐体には前記反射板の位置に位置合わせして透光性材料を配設した窓部が形成されていて、
前記可視光LEDから照射された可視光が、前記筐体の内壁面と前記反射板との隙間部分を経由して前記窓部から前記筐体の外部に漏出することを特徴とするカテーテル用殺菌機。
【請求項2】
前記紫外線LEDは前記筐体の底面に埋設されていて、
前記反射板は半円弧状に形成されていると共に、開口面を前記筐体の底面に向けて取り付けられており、
前記可視光LEDは、前記可視光LEDの光軸が前記紫外線LEDの光軸と交差する配置で前記筐体に配設されていることを特徴とする請求項1記載のカテーテル用殺菌機。
【請求項3】
前記可視光LEDは、前記反射板の前記開口面の高さ位置よりも上側位置に配設されていることを特徴とする請求項2記載のカテーテル用殺菌機。
【請求項4】
前記反射板は、前記筐体の内壁面と対向する側の面も反射面に形成されていることを特徴とする請求項1~3のうちのいずれか一項記載のカテーテル用殺菌機。
【請求項5】
前記筐体には、前記エクステンションチューブをクランプするクランプ部が前記筐体の長さ方向両端部にそれぞれ複数形成されていることを特徴とする請求項1~3のうちのいずれか一項記載のカテーテル用殺菌機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカテーテル用殺菌機に関する。
【背景技術】
【0002】
人体の内部と外部との間で液体を流通させる際には、カテーテルが用いられることが多い。このようなカテーテルは長期間に亘って使用されるため、感染症が引き起こされやすい。カテーテルの使用時における感染症対策としては、カテーテル内部の液体を殺菌するためのカテーテル用殺菌機が用いられている。このようなカテーテル用殺菌機としては、たとえば特許文献1(特許第6843728号公報)に示すような構成が提案されている。
【0003】
特許文献1に開示されているカテーテル用殺菌機は、紫外線を照射する紫外線LEDと紫外線を反射させるための反射部を内蔵する筐体を有し、筐体内に保持したカテーテルの所要長さ範囲に紫外線を照射するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6843728号公報(請求項1、明細書段落0023―0031、図2図4等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されているカテーテル用殺菌機によれば、カテーテル内の液体を殺菌することができるが、紫外線LEDが照射する紫外線に深紫外線を用いた場合、紫外線の照射状態を外部から確認することができず、危険を伴うといった課題を有している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで本発明は上記課題を解決するためのものであり、その目的とするところは、外部から紫外線の照射状態を確認することが可能なカテーテル用殺菌機を提供することにある。
【0007】
上記目的を達成するため発明者が鋭意研究した結果、以下の構成に想到した。すなわち本発明は、カテーテルによって供給される液体を殺菌するためのカテーテル用殺菌機であって、前記カテーテルの中途位置に連結されるエクステンションチューブと、前記エクステンションチューブを収容する筐体と、前記筐体に収容され、前記エクステンションチューブに紫外線を照射する1または複数の紫外線LEDと、前記筐体に収容され、少なくとも前記紫外線LEDは紫外線を照射している間において可視光を照射する1または複数の可視光LEDと、前記筐体に収容され、前記紫外線LEDにより前記エクステンションチューブに照射された紫外線を前記エクステンションチューブに反射させる反射板と、を具備し、前記反射板は、前記筐体の内壁面から所要間隔をあけて前記筐体に取り付けられており、前記筐体には前記反射板の位置に位置合わせして透光性材料を配設した窓部が形成されていて、前記可視光LEDから照射された可視光が、前記筐体の内壁面と前記反射板との隙間部分を経由して前記窓部から前記筐体の外部に漏出することを特徴とするカテーテル用殺菌機である。
【0008】
これにより、筐体の内部空間で紫外線が照射されているときには可視光LEDから可視光が照射され、窓部から可視光を漏れ出させることができる。したがって使用者はカテーテル用殺菌機内の紫外線の照射状態を外部から確認することができ、安全にカテーテル用殺菌機を使用することが可能になる。
【0009】
また、前記紫外線LEDは前記筐体の底面に埋設されていて、前記反射板は半円弧状に形成されていると共に、開口面を前記筐体の底面に向けて取り付けられており、前記可視光LEDは、前記可視光LEDの光軸が前記紫外線LEDの光軸と交差する配置で前記筐体に配設されていることが好ましく、前記可視光LEDは、前記反射板の前記開口面の高さ位置よりも上側位置に配設されていることがより好ましい。
【0010】
これらにより、反射板と筐体との隙間部分に沿って可視光LEDから照射された可視光は窓部から筐体の外部に漏出しやすくなる。
【0011】
また、前記反射板は、前記筐体の内壁面と対向する側の面も反射面に形成されていることが好ましい。
【0012】
これにより、可視光LEDから照射された可視光が窓部に到達するまでの減衰を抑えることができる。
【0013】
また、前記筐体には、前記エクステンションチューブをクランプするクランプ部が前記筐体の長さ方向両端部にそれぞれ複数形成されていることが好ましい。
【0014】
これにより、安定した状態でエクステンションチューブをクランプすることができ、筐体の内部と外部との境界部分である長さ方向両端部に複数配設されたクランプ部によりラビリンス構造が形成され、筐体内部からの紫外線の漏出も抑えることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るカテーテル用殺菌機の構成を採用することにより、外部からカテーテル用殺菌機内の紫外線の照射状態を確認することができ、安全に使用することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施形態におけるカテーテル用殺菌機における筐体の斜視図その1である。
図2】本実施形態におけるカテーテル用殺菌機における筐体の斜視図その2である。
図3】筐体の蓋を開きエクステンションチューブを並べた状態における斜視図である。
図4】筐体の蓋を開いた状態における斜視図である。
図5図1中のV―V線における断面図である。
図6図1中のVI―VI線における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係るカテーテル用殺菌機100の実施形態について説明する。図1図6に示すように、本実施形態におけるカテーテル用殺菌機100は、エクステンションチューブ10と、筐体20と、紫外線LED30と、可視光LED40と、反射板50を具備している。
【0018】
エクステンションチューブ10は、透析装置等に代表される医療装置に接続されたカテーテル5(輸液チューブを含む概念である)の長さ方向(液体の流通方向)の中途位置に連結される。エクステンションチューブ10は、カテーテル5により供給された液体を筐体20の内部において殺菌処理するために流入させるものであり、使用機会毎に使い捨て使用される。図3に示すように、エクステンションチューブ10は、太径部11と太径部11の長さ方向の両端部に形成された細径部12A,12Bとを有し、紫外線透過率の高い(概ね紫外線透過率が50%以上の)素材により形成されている。このような素材としては、ポリエチレンを例示することができる。
【0019】
太径部11はカテーテル5の流路断面よりも十分に大きな流路断面を有している。本実施形態における太径部11は細径部12A,12B(カテーテル5)の流路断面積の10倍の流路断面積を有しており、エクステンションチューブ10を流通する液体の流速を大幅に低下させることができる。なお、エクステンションチューブ10の太径部11の流路断面積は細径部12A,12Bの流路断面積より大きければよく、細径部12A,12Bの流路断面積の10倍に限定されるものではない。
【0020】
エクステンションチューブ10の具体的な素材および太径部11の流路断面積は、適宜選択および設定することができる。液体の流通方向における上流側の細径部12Aの先端部には、カテーテル5または透析装置等に代表される輸液装置に連結される第1ジョイント13が配設されている。液体の流通方向における下流側の細径部12Bの先端部には透析装置等に代表される輸液装置またはカテーテル5に連結される第2ジョイント15が配設されている。図3に示すように第1ジョイント13と第2ジョイント15の外観形状を明確に異ならせることにより、第1ジョイント13と第2ジョイント15の連結先(接続先)を明確にすることができ、連結ミスを防止することができる。
【0021】
筐体20は、本体部21と本体部21に開閉可能に連結された蓋体22を有している。図1図2に示すように、蓋体22の上面には蓋体22の板厚方向に貫通する貫通孔22Aが穿設されていると共に貫通孔22Aに透明部材22Bを嵌め込むことにより窓部22Cが形成されている。貫通孔22Aに透光性部材を嵌め込んで窓部22Cを形成してもよい。また、図3図4に示すように、本体部21にはエクステンションチューブ10の太径部11を収容する太径部収容凹部23が形成されている。太径部収容凹部23の内底面には紫外線を照射する紫外線LED30が長さ方向に所要間隔をあけて3箇所に埋設されている。
【0022】
また、太径部収容凹部23の第1側壁面23Aには可視光を照射する可視光LED40が長さ方向に沿って所要間隔をあけて4箇所に埋設されている。第1側壁面23Aは太径部収容凹部23の内底面に対し直交方向に起立している。また、太径部収容凹部23の第2側壁面23Bは太径部収容凹部23の内底面に対して傾斜する傾斜面に形成されている。エクステンションチューブ10を第2側壁面23Bの傾斜面に載置すれば、重力の作用によりエクステンションチューブ10を傾斜面に沿って太径部収容凹部23に収容することができる。
【0023】
本体部21の長さ方向両端部には、エクステンションチューブ10を筐体20の外部に引き出しするための第1引出口24が形成されている。第1引出口24には、クランプ部の一部としての内側半円弧部24Aと外側半円弧部24Bが長さ方向に所要間隔をあけて形成されている。内側半円弧部24Aはエクステンションチューブ10の太径部11の外径にフィットする径寸法に形成されており、外側半円弧部24Bは細径部12A,12Bの外径にフィットする径寸法に形成されている。また、蓋体22の長さ方向両端部には、エクステンションチューブ10を筐体20の外部に引き出しするための第2引出口25およびクランプ部の一部としてのチューブ押え片26が形成されている。第1引出口24と第2引出口25およびチューブ押え片26が形成されていることで、蓋体22を閉じれば太径部収容凹部23に収容されたエクステンションチューブ10は太径部11と細径部12A,12Bで位置決めされた状態でクランプされる。
【0024】
また、蓋体22の内壁面には後述する反射板50を固定するための保持板固定部27が立設されている。保持板固定部27は反射板50の高さ寸法よりもわずかに高く形成されていると共に雌ねじ部に形成されている。反射板50をねじ留めにより保持板固定部27に固定することで、反射板50は、蓋体22の内壁面との間に隙間部分60を介した状態で蓋体22に取り付けられる。
【0025】
紫外線LED30は、太径部収容凹部23の内底面に対し直交方向上側に向けて紫外線を照射する。紫外線LED30は、本体部21の蓋体22が閉じられた後、予め設定した所要時間にわたって紫外線を照射するように図示しない制御部により照射のオンオフ動作が制御されている。本実施形態における紫外線LED30は、太径部収容凹部23の内底面に配設された保護ガラス31の下側に配設されている。また、紫外線LED30の上面開口部における開口径寸法D1はエクステンションチューブ10の外径寸法D2以上に形成されており、紫外線LED30から照射された紫外線がエクステンションチューブ10を流通する液体に効率的に照射されるようになっている。なお、本実施形態における紫外線LED30は、いわゆるUV-Cと称される深紫外線(ここでは250~285nmの波長)を照射するようになっている。
【0026】
また、紫外線LED30はアルミニウム製の第1ヒートシンク32に取り付けられており、本体部21に収容された図示しない送風ファンにより第1ヒートシンク32が冷却されている。第1ヒートシンク32が冷却されたことによる排熱は、本体部21の外表面に形成されたスリット21Aから本体部21の外部に排出される。
【0027】
可視光LED40はアルミニウム製の第2ヒートシンク42に取り付けられており、本体部21に収容された図示しない送風ファンにより第2ヒートシンク42が冷却されている。第2ヒートシンク42の排熱はスリット21Aから外部に排出される。可視光LED40は、蓋体22の開閉動作および紫外線LED30の照射状態に合わせて可視光を照射する。可視光LED40は、図示しない動作制御部により照射動作が制御されている。本実施形態における可視光LED40は、蓋体22が閉じられると緑色の光を照射する。また、本実施形態における可視光LED40は、紫外線LED30が紫外線を照射している間においては赤色の光を照射する。可視光LEDが照射する具体的な可視光は特に限定されるものではなく、任意の波長の可視光を照射することができる。
【0028】
本実施形態における可視光LED40は、紫外線LED30により照射された深紫外線の光軸に対して直交する水平方向(第1側壁面23Aに直交する方向)に向けて可視光を照射する。また、本実施形態における可視光LED40は、照射する可視光の光軸高さ位置が反射板50のフランジ部50Bの上面高さ位置よりも上側位置になるように配設されている。可視光LED40から照射された可視光は、蓋体22の内壁面と反射板50との隙間部分60を経由して蓋体22に設けられた窓部22Cに到達し、窓部22Cから筐体20の外部に漏出される。このようにして可視光を窓部22Cから外部に漏出させることにより使用者は筐体20の内部状況(深紫外線光の照射の有無)を確認することができる。
【0029】
このように紫外線LED30と可視光LED40を共に本体部21に収容することで、本体部21に紫外線LED30を配設すると共に蓋体22に可視光LED40を配設した形態に比較にして、それぞれの配線の取り回しを簡略化することができる。また、本体部21に対して蓋体22を開閉させる際の可動部(ヒンジ部分)に配線が収容されていないため、長期使用した場合であっても断線のおそれがなくなる点においても好都合である。
【0030】
本実施形態における反射板50は、図3図5に示すようにエクステンションチューブ10を収容する半円弧状部50Aと半円弧状部50Aの開口部(開口面)に直交するフランジ部50Bを有している。半円弧状部50Aの内壁面はクロムめっき処理によって反射面に形成されており、半円弧状部50Aの径寸法はエクステンションチューブ10の外径寸法D2と等しく形成されている。反射板50は、半円弧状部50Aの開口部を紫外線LED30に対向させた状態にしてフランジ部50Bに形成されたねじ孔52を保持板固定部27に位置合わせした後、ねじ留めによって固定されている。本実施形態における反射板50は、蓋体22を閉じた状態にするとフランジ部50Bの下面(紫外線LED30との対向面)が太径部収容凹部23の内底面に当接した状態になる。同様に、蓋体22を閉じた状態にするとフランジ部50Bの上面高さ位置が可視光LED40の光軸の高さ位置よりも下側に位置した状態になる。
【0031】
エクステンションチューブ10の下方位置(太径部収容凹部23の内底面)に埋設された紫外線LED30から照射された深紫外線は、反射板50によってエクステンションチューブ10の全体に照射される。エクステンションチューブ10を通過した深紫外線は、半円弧状部50Aの内壁面(反射面)によって反射され、再びエクステンションチューブ10に照射させることができる。また、先に説明したように、蓋体22には第2引出口25とチューブ押え片26が形成されていることにより、筐体20の内部と外部を遮断した構造にすることができるため、筐体20の外部への深紫外線の漏出を防止することもできる。
【0032】
さらに本実施形態における反射板50は、蓋体22(隙間部分60)に面する側の面にもクロムめっき処理が施されており、可視光用反射面54が形成されている。この可視光用反射面54により、可視光LED40から照射された可視光を蓋体22の内壁面と反射板50との隙間部分60を介して窓部22Cまで誘導する際における可視光の減衰を防止することができる。
【0033】
以上に、本発明に係るカテーテル用殺菌機100について実施形態に基づいて詳細に説明したが、本発明は以上の実施形態に限定されるものではない。例えば、以上の実施形態における筐体20は、筐体20の内部で照射された可視光を筐体の蓋体22に形成した窓部22Cから筐体20の外部に漏出させる形態を例示したが、この形態に限定されるものではない。窓部22Cは蓋体22ではなく筐体20に形成した形態を採用することもできる。
【0034】
また、以上の実施形態においては、太径部収容凹部23の底面に紫外線LED30を埋設し、第1側壁面23Aに可視光LED40を埋設した形態を例示しているが、カテーテル用殺菌機100はこの形態に限定されるものではない。紫外線LED30を第1側壁面23Aに埋設し、可視光LED40を太径部収容凹部23の底面に埋設した形態を採用することもできる。この形態を採用した場合、反射板50は、半円弧状部50Aの開口部を紫外線LED30の照射面に対向させた状態で本体部21に配設することもできる。そして窓部22Cは本体部21に配設することもできる。
【0035】
また、以上の実施形態においては、紫外線LED30と可視光LED40をそれぞれ複数配設した形態を例示しているが、本発明に係るカテーテル用除菌機100はこの形態に限定されるものではない。紫外線LED30および可視光LED40に面状発光体を用いることにより、紫外線LED30および可視光LED40をいずれも1つずつ配設した形態を採用することもできる。
【0036】
また、以上の実施形態における可視光LED40は、蓋体22を閉じた状態で緑色の可視光を照射し、紫外線LED30が紫外線を照射している間は赤色の可視光を照射する形態を例示しているが、本発明に係るカテーテル用除菌機100はこの形態に限定されるものではない。可視光LED40は、少なくとも紫外線LED30が紫外線を照射している間において任意色の可視光を照射すればよく、紫外線LED30が紫外線を照射していない間においては、可視光LED40は可視光を照射しなくても良い。
【0037】
また、以上の実施形態においては、本体部21の長さ方向(液体流通方向)両端部に内側半円弧部24Aと外側半円弧部24Bが配設された形態を例示しているが、本発明はこの形態に限定されるものではない。内側半円弧部24Aと外側半円弧部24Bはいずれか一方のみが設けられた形態であっても良いし、内側半円弧部24Aと外側半円弧部24Bの他に半円弧部を追加した形態を採用することもできる。さらには内側半円弧部24Aと外側半円弧部24Bの配設が省略された形態を採用することもできる。
【0038】
また、以上の実施形態における反射板50は、半円弧状部50Aとフランジ部50Bを有しているが、フランジ部50Bを省略した形態を採用することもできる。また、半円弧状部50Aに鉛直壁面部が延設され、逆U字状部に形成された反射板50の形態を採用することもできる。
【0039】
さらには、以上に説明した実施形態と上記変形例における任意の構成どうしが適宜組み合わされたカテーテル用殺菌機100の形態も本発明の技術的範囲に属する。
【符号の説明】
【0040】
5:カテーテル
10:エクステンションチューブ
11:太径部,12A:細径部,12B:細径部,13:第1ジョイント,
15:第2ジョイント
20:筐体
21:本体部,21A:スリット,22:蓋体,22A:貫通孔,22B:透明部材,
22C:窓部,23:太径部収容凹部,23A:第1側壁面,23B:第2側壁面,
24:第1引出口,24A:内側半円弧部,24B:外側半円弧部,25:第2引出口,
26:チューブ押え片,27:保持板固定部
30:紫外線LED
31:保護ガラス,32:第1ヒートシンク
40:可視光LED
42:第2ヒートシンク
50:反射板
50A:半円弧状部,50B:フランジ部,52:ねじ孔,54:可視光用反射面
60:隙間部分
100:カテーテル用殺菌機
図1
図2
図3
図4
図5
図6