(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113275
(43)【公開日】2024-08-22
(54)【発明の名称】レーンロープ用フロート
(51)【国際特許分類】
A63K 3/00 20060101AFI20240815BHJP
【FI】
A63K3/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023018136
(22)【出願日】2023-02-09
(71)【出願人】
【識別番号】000010054
【氏名又は名称】岐阜プラスチック工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川島 昭洋
(57)【要約】
【課題】
プール内にいる人が手で握ったり、腕を掛けた際に、回転し難いレーンロープ用フロートを提供する。
【解決手段】
筒状部200を介してロープRに取り付けられてプールの各レーンを区画し、合成樹脂材料から形成されるレーンロープ用フロート100であって、筒状部200の内側には、ロープRが係止可能な係止部230が配置され、係止部230は、筒状部200の周方向において、凹凸形状を構成していることを特徴とする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状部を介してロープに取り付けられてプールの各レーンを区画し、合成樹脂材料から形成されるレーンロープ用フロートであって、
前記筒状部の内側には、前記ロープが係止可能な係止部が配置され、
前記係止部は、前記筒状部の周方向において、凹凸形状を構成していることを特徴とするレーンロープ用フロート。
【請求項2】
前記係止部は、前記筒状部の中心から離れるにつれて内側に傾斜する傾斜壁を備えることを特徴とする請求項1に記載のレーンロープ用フロート。
【請求項3】
前記筒状部は、合成樹脂材料を用いてブロー成形され、
前記筒状部の一部の肉厚は、中心側よりも端部側の方が薄いことを特徴とする請求項1又は2に記載のレーンロープ用フロート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、プール等に設置されるレーンロープ用のフロートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、様々な種類のレーンロープ用フロートが知られているが、例えば、特許文献1に開示されているレーンロープ用フロートは、全体が略円柱形で、中心部にロープを挿通させる筒状部と、筒状部を囲む外周壁と、を備えている。そして、各レーンのプール内にいる人によって立てられた波は、レーンロープ用フロートにあたり消波されている。
【0003】
ただ、この特許文献1に開示されているレーンロープ用フロートは、プール内にいる人が、プール内で立ったり、休憩したり、溺れそうになって、手で握ったり、腕を掛けた際に、回転し易いので、レーンロープ用フロートから滑り落ちてしまう可能性があり危険であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、上記問題に鑑み、本願発明は、プール内にいる人が、プール内で立ったり、休憩したり、溺れそうになって、手で握ったり、腕を掛けた際に、回転し難いレーンロープ用フロートを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本願発明の請求項1に係るレーンロープ用フロートは、筒状部を介してロープに取り付けられてプールの各レーンを区画し、合成樹脂材料から形成されるレーンロープ用フロートであって、前記筒状部の内側には、前記ロープが係止可能な係止部が配置され、前記係止部は、前記筒状部の周方向において、凹凸形状を構成していることを特徴とする。
【0007】
上記特徴によれば、凹凸形状を構成する係止部は、ロープが筒状部内を移動することを阻止して、レーンロープ用フロートが回転することを効果的に防止している。
【0008】
更に、本願発明の請求項2に係るレーンロープ用フロートは、前記係止部は、前記筒状部の中心から離れるにつれて内側に傾斜する傾斜壁を備えることを特徴とする。
【0009】
上記特徴によれば、プール内にいる人がレーンロープ用フロートを手で握ったり、腕を掛けた際に、レーンロープ用フロート全体が下方へ押されて移動して、傾斜壁が内側へ向けて弾性変形するため、ロープとの接触面積が増え、ロープが係止部により強く係止し、レーンロープ用フロートが回転することを効果的に防止できる。
【0010】
更に、本願発明の請求項3に係るレーンロープ用フロートは、前記筒状部は、合成樹脂材料を用いてブロー成形され、前記筒状部の一部の肉厚は、中心側よりも端部側の方が薄いことを特徴とする。
【0011】
上記特徴によれば、肉厚の薄い端部側が柔軟に弾性変形できるので、ロープと端部側の係止部とが係止しやすくなり、さらに係止部とロープとがより密着する。そのため、ロープが係止部により強く係止し、レーンロープ用フロートが回転することを効果的に防止できる。
【発明の効果】
【0012】
本願発明のレーンロープ用フロートによれば、プール内にいる人が、プール内で立ったり、休憩したり、溺れそうになって、手で握ったり、腕を掛けた際に、回転し難い。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本願発明の実施形態1にかかるレーンロープ用フロートの全体斜視図である。
【
図2】(a)は、レーンロープ用フロートの側面図、(b)は、筒状部のみを取り出して示した斜視図である。
【
図3】(a)は、レーンロープ用フロートの正面図、(b)は、筒状部周辺を拡大した正面図である。
【
図4】(a)は、レーンロープ用フロートをロープに取り付けた状態のレーンロープ用フロートの正面図、(b)は、筒状部周辺を拡大した正面図である。
【
図5】本願発明の実施形態2にかかるレーンロープ用フロートの筒状部周辺を拡大した正面図である。
【
図6】本願発明の実施形態3にかかるレーンロープ用フロートの筒状部周辺を拡大した正面図である。
【
図7】本願発明の実施形態4にかかるレーンロープ用フロートの筒状部周辺を拡大した正面図である。
【
図8】(a)は、本願発明の実施形態5にかかるレーンロープ用フロートの筒状部のみを示した斜視図、(b)は、レーンロープ用フロートの筒状部周辺を拡大した正面図である。
【
図9】(a)は、本願発明の実施形態6にかかるレーンロープ用フロートの筒状部の端部周辺を拡大した斜視図、(b)は、レーンロープ用フロートの筒状部周辺を拡大した正面図である。
【符号の説明】
【0014】
100 レーンロープ用フロート
200 筒状部
230 係止部
R ロープ
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本願発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0016】
<実施形態1>
まず、
図1から
図3に本願発明の実施形態1にかかるレーンロープ用フロート100を示す。なお、
図1はレーンロープ用フロート100の全体斜視図、
図2(a)はレーンロープ用フロート100の側面図、
図2(b)は筒状部200のみを取り出して示した斜視図、
図3(a)は、レーンロープ用フロート100の正面図、
図3(b)は、筒状部200周辺を拡大した正面図である。
【0017】
レーンロープ用フロート100は中空状の略円柱体であり、中心にロープRを挿通可能な筒状部200を備え、周囲が外壁101で囲まれている。レーンロープ用フロート100の内部は中空状なので、レーンロープ用フロート100は水面に浮くことができる。また、レーンロープ用フロート100は、最も外径が大きな外側の大径部110と、大径部110よりも外径が小さな中央側の凹状支持部120とを備えている。凹状支持部120は、プール内にいる人が手で握ったり、腕を掛けて支持出来るように凹形状となっている。また、中央側の凹状支持部120よりも外径が大きな大径部110が設けられているため、プール内にいる人が凹状支持部120を手で握ったり、腕を掛けた際に、手や腕が凹状支持部120から外れにくく、凹状支持部120は安定してプール内にいる人を支持できる。なお、レーンロープ用フロート100は、凹状支持部120を備えているが、これに限定されず、プール内にいる人が、レーンロープ用フロートを手で握ったり、腕を掛けることができるのであれば、凹状支持部120を備えない円柱体形状や、その他の任意の形状であってもよい。
【0018】
また、筒状部200はレーンロープ用フロート100の中心に位置しており、両側の端部210がレーンロープ用フロート100の前後面に露出している。また、筒状部200は、外側の外端部280によって囲まれた挿通部220を備え、挿通部220は、ロープRを挿通可能なように、両側の端部210にわたり直線状に延出している。また、
図2(b)及び
図3に示すように、筒状部200の内側には、挿通部220の内面221よりも内側に向けて突出した係止壁231が設けられている。そして、両側の係止壁231と内面221とで囲まれた凹状の部分が、係止部230となっている。係止部230は、両側の端部210にわたり直線状に延出している。また、
図3(b)に示すように、挿通部220の内面221は周方向に連続しているものの、係止部230の係止壁231によって、内面221には凹部Xと凸部Yが連続して配置されている。そのため、係止部230は、筒状部200の周方向において凹凸形状を構成することになる。
【0019】
なお、係止部230の係止壁231は、挿通部220の中心Oから外端部280へ向けて離れるにつれて、挿通部220の内側に傾斜した傾斜壁となっている。言い換えると、係止壁231の外端232側が中心Oに近づくように内側に傾斜している。そのため、筒状部200を正面視した
図3(b)に示すように、中心Oを通る直線P上に係止部230の中心が一致するように配置した際に、係止壁231は直線Pに交差する方向へ傾斜することになる。なお、係止壁231は内側に傾斜した傾斜壁となっているが、これに限定されず、任意の方向へ傾斜させることができ、例えば、係止壁231は直線Pと平行になるように形成してもよい。また、
図2(b)に示すように、筒状部200は、凹凸が設けられていない平坦部201と、凸形状の突起部202を備えているが、平坦部201と突起部202は、複数の任意の数だけ備えてもよい。
【0020】
また、レーンロープ用フロート100は、合成樹脂材料を用いてブロー成形されている。レーンロープ用フロート100にプール内にいる人の手または足等が衝突しても怪我を効果的に防ぐために、レーンロープ用フロート100が弾性変形しやすい合成樹脂材料として、EVA樹脂(エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂)、ポリエチレン、LDPE(低密度ポリエチレン)、L―LDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)、メタロセンポリエチレン、ポリプロピレン、エラストマー、スチレン系エラストマー、又は、シリコン等を利用しているが、これに限定されず、レーンロープ用フロート100が弾性変形できるのであれば、任意の合成樹脂材料を適宜採用することができる。
【0021】
そして、筒状部200はレーンロープ用フロート100全体と一体成形されているので、筒状部200も合成樹脂材料を用いてブロー成形されている。そのため、筒状部200は中心Oから外側の外端部280へ向けて膨らむように成形されるため、筒状部200の一部(例えば、係止壁231など)の肉厚は、中心O側の肉厚(例えば、係止壁231の内端233)よりも、外端部280側(例えば、係止壁231の外端232)の肉厚のほうが薄くなる。
【0022】
なお、筒状部200はレーンロープ用フロート100と一体にブロー成形されているが、これに限定されず、筒状部200はレーンロープ用フロート100とは別体として、ブロー成形し、その後、筒状部200とレーンロープ用フロート100を溶着させて一体にしてもよい。さらに、レーンロープ用フロート100及び筒状部200はブロー形成されているが、これに限定されず、射出成形によって製造されてもよい。
【0023】
次に、
図4に、レーンロープ用フロート100をロープRに取り付けた状態を示す。なお、
図4(a)は、レーンロープ用フロート100をロープRに取り付けた状態のレーンロープ用フロート100の正面図、
図4(b)は、筒状部200周辺を拡大した正面図である。
【0024】
図4に示すように、プールの各レーンを区画するように、プールに張られた長尺状のロープRを、レーンロープ用フロート100の筒状部200の挿通部220に挿通させて取り付ける。通常時は、ロープRは筒状部200の中心Oに位置しているので、レーンロープ用フロート100はロープRの周囲を回転することできる。そして、各レーンのプール内にいる人によって立てられた波のエネルギーは、レーンロープ用フロート100が回転しながら吸収して、効果的に消費され、消波されている。なお、複数のレーンロープ用フロート100をロープRに連続して取り付けているが、これに限定されず、レーンロープ用フロート100の間に、他の部材(例えば、筒状部200単体や、後述する端部材900Eを備えたレーンロープ用フロートなど)を所定間隔で取り付けてもよい。
【0025】
また、プール内にいる人が、プール内で立ったり、休憩したり、溺れそうになって、レーンロープ用フロート100を手で握ったり、腕を掛けた際は、レーンロープ用フロート100には下方(又は、中心O)へ向かう力Fがかかり、レーンロープ用フロート100は下方(又は、中心O)へ押される。すると、レーンロープ用フロート100の筒状部200は、中心Oに位置しているロープRへ向けて下方へ移動する。筒状部200の内側には係止部230が配置されているので、ロープRは係止部230に係止することなる。さらに、斜め方向から力Fが加わることで、レーンロープ用フロート100は筒状部200の周方向に沿って回転して、ロープRが筒状部200の挿通部220の内面221上を転がるように移動しようとする。ただ、係止部230が、筒状部200の内面で、周方向において凹凸形状を構成しているため、ロープRが挿通部220の内面221上を転がるように移動することを阻止して、レーンロープ用フロート100が回転することを効果的に防止している。
【0026】
また、係止部230の係止壁231は、筒状部200の中心Oから離れるにつれて内側に傾斜した傾斜壁となっている。そのため、力Fによって、レーンロープ用フロート100が下方(又は、中心O)へ潰れるように弾性変形した際に、係止部230の係止壁231は内側へ向けて弾性変形するので、ロープRとの接触面積が増える。これにより、ロープRが係止部230により強く係止し、レーンロープ用フロート100が回転することを効果的に防止できる。
【0027】
また、力Fによって、レーンロープ用フロート100が下方(又は、中心O)へ潰れるように弾性変形した際に、筒状部200の一部の肉厚は、中心O側よりも外端部280側の方が薄くなっているので、外端部280側はより弾性変形し易い。そして、プール内にいる人がレーンロープ用フロート100を手で握ったり、腕を掛けた際に、レーンロープ用フロート100の筒状部200は、中心Oに位置しているロープRへ向けて下方へ移動するが、外端部280側が柔軟に弾性変形できるので、ロープRと外端部280側の係止部230とが係止しやすくなり、さらに係止部230とロープRとがより密着する。そのため、ロープRが係止部230により強く係止し、レーンロープ用フロート100が回転することを効果的に防止できる。
【0028】
また、
図4(b)に示すように、係止部230の両側の係止壁231は、ロープRの両側に同時に接触できるように構成されている。例えば、両側の係止壁231の間隔は、ロープRの幅と等しいかロープRの幅よりも狭くしてある。そのため、ロープRが係止部230に圧入されて、より強く係止し、レーンロープ用フロート100が回転することを効果的に防止できる。なお、係止部230の両側の係止壁231は、ロープRの両側に同時に接触できるように構成されているが、これに限定されず、両側の係止壁231の間隔をロープRの幅よりも大きくして、係止部230の両側の係止壁231が、ロープRの両側に同時に接触できなくてもよい。係止部230の片方の係止壁231に、ロープRが係止すれば、レーンロープ用フロート100の回転を防止できる。
【0029】
また、筒状部200には、合計4つの係止部230が配置され、係止部230は互いに等間隔に並んでいる。係止部230を4つ配置することで、いずれかの係止部230にロープRが係止し易くなるので、レーンロープ用フロート100の回転をより効果的に防止できる。また、筒状部200の挿通部220に、係止部230を4つ配置することで、
図4(b)の正面視(つまり、ロープRの長尺軸方向からの視点)において、挿通部220は略十字形状をしている。つまり、挿通部220は、真円形状をしておらず、挿通部220の一部に、ロープRを係止可能な窪んだ形状を備えることになる。なお、挿通部220は、真円形状をしておらず、挿通部220の一部に、ロープRを係止可能な窪んだ形状を備えるのであれば、筒状部200には、係止部230を1つのみ配置する、又は、係止部230を2つ以上の任意の数だけ配置してもよい。
【0030】
<実施形態2>
では次に、
図5を参照して、本願発明の実施形態2にかかるレーンロープ用フロート100Aについて説明する。なお、
図5は、レーンロープ用フロート100Aの筒状部200A周辺を拡大した正面図である。また、本願発明の実施形態2にかかるレーンロープ用フロート100Aの構成は、筒状部200Aがロック部237Aを備えた点で異なるが、その他の点については、実施形態1にかかるレーンロープ用フロート100の構成と同じなので、詳細な説明を省略する。
【0031】
図5に示すように、レーンロープ用フロート100Aの筒状部200Aに配置された係止部230Aでは、係止壁231Aにロック部237Aが形成されている。ロック部237Aは、係止壁231Aから内側に突出した形状をしている。そして、ロック部237Aは、係止部230Aに係合したロープRの外面に当接して、ロープRが、係止部230Aから筒状部200Aの中心O側に外れないように止めることができる。そのため、ロープRが係止部230Aに係止した状態をより強く維持して、レーンロープ用フロート100Aが回転することをより効果的に防止できる。なお、ロック部237Aは、両側の係止壁231Aに設けられているが、これに限定されず、片側の係止壁231Aにのみ設けてもよい。
【0032】
<実施形態3>
では次に、
図6を参照して、本願発明の実施形態3にかかるレーンロープ用フロート100Bについて説明する。なお、
図6は、レーンロープ用フロート100Bの筒状部200B周辺を拡大した正面図である。また、本願発明の実施形態3にかかるレーンロープ用フロート100Bの構成は、筒状部200Bの係止部230Bの構成が異なるが、その他の点については、実施形態1にかかるレーンロープ用フロート100の構成と同じなので、詳細な説明を省略する。
【0033】
図6に示すように、筒状部200Bの内側には、両側の係止壁231Bで挟まれて凹状に構成された係止部230Bが配置されている。そして、係止部230Bの凹んだ部分の凹部XBと係止壁231Bの凸部YBが連続して配置されているので、係止部230Bは、筒状部200Bの周方向において凹凸形状を構成することになる。そのため、ロープRが係止部230Bに係止して、レーンロープ用フロート100Bが回転することを効果的に防止できる。また、筒状部200Bの挿通部220Bは、相対する係止部230Bを2つ備えることで、
図6の正面視(つまり、ロープRの長尺軸方向からの視点)において、挿通部220Bは略楕円形状をしている。このように、挿通部220Bは、真円形状をしておらず、挿通部220Bの一部に、ロープRを係止可能な窪んだ形状を備えている。
【0034】
<実施形態4>
では次に、
図7を参照して、本願発明の実施形態4にかかるレーンロープ用フロート100Cについて説明する。なお、
図7は、レーンロープ用フロート100Cの筒状部200C周辺を拡大した正面図である。また、本願発明の実施形態4にかかるレーンロープ用フロート100Cの構成は、筒状部200Cの係止部230Cの構成が異なるが、その他の点については、実施形態1にかかるレーンロープ用フロート100の構成と同じなので、詳細な説明を省略する。
【0035】
図7に示すように、筒状部200Cの内側には、両側の係止壁231Cで挟まれて凹状に構成された係止部230Cが配置されている。そして、係止部230Cの凹んだ部分の凹部XCと係止壁231Cの凸部YCが連続して配置されているので、係止部230Cは、筒状部200Cの周方向において凹凸形状を構成することになる。そのため、ロープRが係止部230Cに係止して、レーンロープ用フロート100Cが回転することを効果的に防止できる。また、筒状部200Cの挿通部220Cは、係止部230Cを3つ備えることで、
図7の正面視(つまり、ロープRの長尺軸方向からの視点)において、挿通部220Cは略三角形状をしている。このように、挿通部220Cは、真円形状をしておらず、挿通部220Cの一部に、ロープRを係止可能な窪んだ形状を備える。
【0036】
なお、挿通部220Cは、係止部230Cを4つ以上備えることもでき、その場合は、
図7の正面視(つまり、ロープRの長尺軸方向からの視点)において、挿通部220Cは略四角形状などの多角形状となる。そして、筒状部200Cや挿通部220Cが、
図7の正面視(つまり、ロープRの長尺軸方向からの視点)において、略三角形状や楕円形状や多角形状をしていても、係止部230Cは、周方向において凹凸形状を構成することになる。
【0037】
<実施形態5>
では次に、
図8を参照して、本願発明の実施形態5にかかるレーンロープ用フロート100Dについて説明する。なお、
図8(a)は、レーンロープ用フロート100Dの筒状部200Dのみを示した斜視図、
図8(b)は、レーンロープ用フロート100Dの筒状部200D周辺を拡大した正面図である。また、本願発明の実施形態5にかかるレーンロープ用フロート100Dの構成は、筒状部200Dの係止部230Dの構成が異なるが、その他の点については、実施形態1にかかるレーンロープ用フロート100の構成と同じなので、詳細な説明を省略する。
【0038】
図8に示すように、筒状部200Dの内側には、複数の凸状の係止壁231Dが部分的に設けられている。具体的には、
図8(a)に示すように、第一の係止壁231D1が、互いに離間して複数配置されている。そして、各係止壁231D1は、筒状部200Dの長尺方向に沿って同一直線状に配置されているので、
図8(b)に示すように、各係止壁231D1は前後に重なっている。同様に、
図8(a)に示すように、第二の係止壁231D2が、互いに離間して複数配置されている。そして、各係止壁231D2は、筒状部200Dの長尺方向に沿って同一直線状に配置されているので、
図8(b)に示すように、各係止壁231D2は前後に重なっている。同様に、
図8(a)に示すように、第三の係止壁231D3が、互いに離間して複数配置されている。そして、各係止壁231D3は、筒状部200Dの長尺方向に沿って同一直線状に配置されているので、
図8(b)に示すように、各係止壁231D3は前後に重なっている。
【0039】
そして、
図8(b)に示すように、隣接する係止壁231Dによって挟まれて凹状になった部分が、係止部230Dとなっている。筒状部200Dの正面視において、係止部230Dの凹んだ部分の凹部XDと各係止壁231Dの凸部YDが連続して配置されているので、係止部230Dは、筒状部200Dの周方向において凹凸形状を構成することになる。そのため、ロープRが係止部230Dに係止して、レーンロープ用フロート100Dが回転することを効果的に防止できる。
【0040】
<実施形態6>
では次に、
図9を参照して、本願発明の実施形態6にかかるレーンロープ用フロート100Eについて説明する。なお、
図9(a)は、レーンロープ用フロート100Eの筒状部200Eの端部210E周辺を拡大した斜視図、
図9(b)は、レーンロープ用フロート100Eの筒状部200E周辺を拡大した正面図である。また、本願発明の実施形態6にかかるレーンロープ用フロート100Eの構成は、筒状部200Eが係止部を備えておらず、端部材900Eを備えた点で異なるが、その他の点については、実施形態1にかかるレーンロープ用フロート100の構成と同じなので、詳細な説明を省略する。
【0041】
図9(a)に示すように、筒状部200Eは係止部を備えていないが、係止部930Eを備えた端部材900Eを取り付け可能に構成されている。具体的には、端部材900Eは、外側の外縁部980Eによって囲まれた挿通部920Eを備え、挿通部920Eは、ロープRを挿通可能なように、両側の端部910Eにわたり直線状に延出している。そして、端部材900Eは、筒状部200Eの端部210Eから挿入されて、筒状部200Eの内部に取り付けられる。なお、端部材900Eは、合成樹脂材料を用いてブロー成形又は射出成形されている。
【0042】
また、
図9(b)に示すように、端部材900Eの内側には、内側に向けて突出した係止壁931Eが設けられている。この両側の係止壁931Eで挟まれた凹状の部分が、係止部930Eとなっている。端部材900Eが筒状部200Eに取り付けられると、筒状部200Eの内側に、係止部930Eが配置された状態となる。そして、
図9(b)に示すように、筒状部200Eの正面視において、係止部930Eの凹んだ部分の凹部XEと係止壁931Eの凸部YEが連続して配置されているので、係止部930Eは、筒状部200Eの周方向において凹凸形状を構成することになる。そのため、ロープRが係止部930Eに係止して、レーンロープ用フロート100Eが回転することを効果的に防止できる。
【0043】
なお、本願発明のレーンロープ用フロートは、上記の実施例に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲、実施形態の範囲で、種々の変形例、組み合わせが可能であり、これらの変形例、組み合わせもその権利範囲に含むものである。