(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113290
(43)【公開日】2024-08-22
(54)【発明の名称】発電機能を備えたダンパ
(51)【国際特許分類】
F16F 15/03 20060101AFI20240815BHJP
E04H 9/02 20060101ALI20240815BHJP
H02K 7/18 20060101ALI20240815BHJP
H02K 7/06 20060101ALI20240815BHJP
【FI】
F16F15/03 Z
E04H9/02 311
H02K7/18 A
H02K7/06 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023018170
(22)【出願日】2023-02-09
(71)【出願人】
【識別番号】504242342
【氏名又は名称】株式会社免制震ディバイス
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100095566
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 友雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179453
【弁理士】
【氏名又は名称】會田 悠介
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(72)【発明者】
【氏名】中南 滋樹
(72)【発明者】
【氏名】田中 久也
【テーマコード(参考)】
2E139
3J048
5H607
【Fターム(参考)】
2E139AA01
2E139AB00
2E139AB06
2E139AC19
2E139AC43
2E139BA10
2E139BA14
2E139BB36
2E139BD14
2E139BD16
3J048AA06
3J048AC07
3J048BF14
3J048EA38
5H607BB02
5H607BB07
5H607BB14
5H607CC03
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5H607EE53
5H607FF21
5H607GG01
5H607GG02
5H607GG04
5H607GG08
5H607JJ05
(57)【要約】
【課題】構造物の振動を抑制しながら発電することができ、その発電による電気を良好に取り出して貯めることができる発電機能を備えたダンパを提供する。
【解決手段】構造物を含む系内の相対変位する第1部位と第2部位の間に設けられ、構造物の振動に伴う第1部位と第2部位による相対変位を利用して発電する発電機能を備えたダンパであって、第1部位と第2部位による相対変位を内筒13の回転運動に変換するボールねじ12と、内筒13の外周面に配置された複数の発電用永久磁石21と、内筒13を覆う外筒14と、外筒14に周方向に沿って配置され、各発電用永久磁石21がコイル15bに接近及び離隔することにより、コイル15bに誘導電流を生じさせることによって発電する複数の発電コイル部15と、発電コイル部15で発生した電気を貯めるための蓄電部17と、を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物を含む系内の相対変位する第1部位と第2部位の間に設けられ、当該構造物の振動に伴う前記第1部位と前記第2部位による相対変位を利用して発電する発電機能を備えたダンパであって、
所定方向に延びる軸線を中心として回転自在の回転体を有し、前記第1部位と前記第2部位による相対変位を、前記回転体の回転運動に変換する回転体駆動機構と、
各々が永久磁石から成り、前記回転体の外周面にその周方向に沿って配置され、発電を行うための複数の発電用永久磁石と、
前記回転体の外周面を覆うように設けられた回転体カバーと、
各々が鉄心及びその周囲に巻かれたコイルを有し、当該コイルの一端部が前記回転体の外周面に向いた状態で、前記回転体カバーに周方向に沿って配置され、前記回転体と一体に前記複数の発電用永久磁石が回転するのに伴い、当該各発電用永久磁石が前記コイルに接近及び離隔することにより、当該コイルに誘導電流を生じさせることによって発電する複数の発電コイル部と、
これらの複数の発電コイル部に電気的に接続され、当該発電コイル部で発生した電気を貯めるための蓄電部と、
を備えていることを特徴とする発電機能を備えたダンパ。
【請求項2】
前記回転体駆動機構は、
前記軸線に沿って延びるとともに、一端部が前記第1部位に連結されるねじ軸、及びこのねじ軸にボールを介して螺合するナットを有するボールねじと、
前記回転体として構成され、前記ねじ軸が内側に挿通された円筒状に形成されるとともに、前記ナットと一体に回転可能にかつ外周面に前記複数の発電用永久磁石が配置された第1磁石ホルダと、
を有しており、
前記回転体カバーとして構成されかつ前記第1磁石ホルダに隙間をもって嵌合する筒状に形成され、一端部が前記第2部位に連結されるとともに、前記複数の発電コイル部が周方向に配置された回転不能の筒体を、
さらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の発電機能を備えたダンパ。
【請求項3】
前記第1磁石ホルダには、フライホイールが着脱自在に取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載の発電機能を備えたダンパ。
【請求項4】
前記第1部位と前記ボールねじの前記ねじ軸との間が、弾性材料から成る連結部材で連結されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の発電機能を備えたダンパ。
【請求項5】
前記第1磁石ホルダと前記筒体との間に設けられ、前記第1磁石ホルダが回転する際に、当該第1磁石ホルダの回転を減衰させるための減衰部を、さらに備えていることを特徴とする請求項2に記載の発電機能を備えたダンパ。
【請求項6】
前記筒体は、導電性を有する材料で構成されており、
前記減衰部は、前記第1磁石ホルダの外周面に、周方向に沿ってかつ前記筒体の内周面との間に隙間を存して配置された複数の永久磁石から成り、当該第1磁石ホルダに、その回転と反対方向の、渦電流によるローレンツ力を発生させるように構成された複数の減衰用永久磁石を有していることを特徴とする請求項5に記載の発電機能を備えたダンパ。
【請求項7】
前記複数の発電用永久磁石は、前記複数の減衰用永久磁石よりも、前記第1磁石ホルダの中心から径方向に離れた位置に配置されていることを特徴とする請求項6に記載の発電機能を備えたダンパ。
【請求項8】
前記減衰部は、前記第1磁石ホルダの外周面と前記筒体の内周面との間に充填された粘性体を有していることを特徴とする請求項5に記載の発電機能を備えたダンパ。
【請求項9】
前記回転体駆動機構は、
前記軸線に沿って延びるとともに、一端部が前記第1部位に連結されるねじ軸、及びこのねじ軸にボールを介して螺合するナットを有するボールねじと、
前記ねじ軸が内側に挿通された円筒状に形成されるとともに、前記ナットと一体に回転可能に構成された第1内筒と、
前記回転体として構成され、円筒状に形成されるとともに、前記第1内筒と一体に回転可能にかつ外周面に前記複数の発電用永久磁石が配置された第2内筒と、
を有しており、
前記第1内筒に隙間をもって嵌合する筒状に形成されるとともに、回転不能に構成された第1外筒と、
前記第1内筒と前記第1外筒との間に設けられ、前記第1内筒が回転する際に、当該第1内筒の回転を減衰させるための減衰部と、
前記回転カバーとして構成されかつ前記第2内筒に隙間をもって嵌合する筒状に形成され、一端部が前記第1外筒に連結されるとともに、他端部が前記第2部位に連結され、前記複数の発電コイル部が周方向に配置された回転不能の第2外筒と、
を備えていることを特徴とする請求項1に記載の発電機能を備えたダンパ。
【請求項10】
前記第2内筒及び前記第2外筒は、ユニット化されており、前記第1内筒及び前記第1外筒と、前記第2部位との間に、着脱自在に取り付けられていることを特徴とする請求項9に記載の発電機能を備えたダンパ。
【請求項11】
前記第1外筒は、導電性を有する材料で構成されており、
前記減衰部は、前記第1内筒の外周面に、周方向に沿ってかつ前記第1外筒の内周面との間に隙間を存して配置された複数の永久磁石から成り、当該第1外筒に、その回転と反対方向の、渦電流によるローレンツ力を発生させるように構成された複数の減衰用永久磁石を有していることを特徴とする請求項9又は10に記載の発電機能を備えたダンパ。
【請求項12】
前記回転体駆動機構は、
作動流体が充填され、前記第1部位に連結されたシリンダと、
このシリンダ内に摺動自在に設けられ、前記シリンダ内を第1流体室と第2流体室に区画するとともに、前記第2部位に連結されたピストンと、
前記ピストンをバイパスし、前記第1及び第2流体室に連通する連通路と、
この連通路に設けられ、当該連通路内の作動流体の流動を回転運動に変換する圧力モータと、
前記回転体として構成され、円板状に形成されるとともに、前記圧力モータによって回転駆動され、外周面に前記複数の発電用永久磁石が配置された第2磁石ホルダと、
を有していることを特徴とする請求項1に記載の発電機能を備えたダンパ。
【請求項13】
前記回転体カバーは、前記第2磁石ホルダの一方及び他方の平面を覆うように構成されており、
前記第2磁石ホルダの少なくとも一方の平面と前記回転体カバーとの間には、前記第2磁石ホルダが回転する際に、当該第2磁石ホルダの回転を減衰させるための減衰部が設けられていることを特徴とする請求項12に記載の発電機能を備えたダンパ。
【請求項14】
前記回転体カバーは、導電性を有する材料で構成されており、
前記減衰部は、前記第2磁石ホルダの少なくとも一方の平面に、前記回転体カバーの内面との間に隙間を存して配置された複数の永久磁石から成り、当該第2磁石ホルダに、その回転方向と反対方向の、渦電流によるローレンツ力を発生させるように構成された複数の減衰用永久磁石を有していることを特徴とする請求項13に記載の発電機能を備えたダンパ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造物に設けられ、地震などによる構造物の振動を抑制するとともに、その振動を利用して発電する発電機能を備えたダンパに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のダンパとして、例えば本出願人がすでに出願した特許文献1及び2に記載されたものが知られている。特許文献1のダンパは、構造物において相対変位する部位間に設置され、作動流体が充填されたシリンダと、そのシリンダ内に摺動自在に設けられ、シリンダ内を第1流体室と第2流体室に区画するピストンとを備えている。また、シリンダには、ピストンをバイパスし、第1流体室及び第2流体室に連通する連通路が設けられ、その連通路に、作動流体の流動を回転運動に変換する歯車モータが設けられている。さらに、歯車モータの出力軸には、これと一体の円板状のフライホイールが設けられ、その上面及び下面に、複数の永久磁石が配置されている。そして、これらのフライホイール及び永久磁石は、鋼材などの導電材料で構成されたケーシングに収容され、このケーシングの上壁及び下壁にはそれぞれ、複数のコイルが設けられている。
【0003】
以上のように構成されたダンパ(以下、本欄において適宜、「歯車モータ式ダンパ」という)では、その両側の部位間において、構造物の振動に伴い相対変位が発生すると、ピストンがシリンダ内を移動し、第1流体室又は第2流体室内の作動流体がピストンで押し出され、連通路に流入する。この連通路内の作動流体の流動が、歯車モータで回転運動に変換されることにより、その出力軸と一体のフライホイールが回転駆動され、フライホイールによる回転慣性質量効果が発揮される。
【0004】
また、フライホイールと一体に複数の永久磁石が回転することにより、導電材料で構成されたケーシングが、複数の永久磁石の磁界内を相対的に回転する。これにより、ケーシング内の上面及び底面に渦電流が発生すると同時に、渦電流と永久磁石の磁界との相互作用によって、フライホイールの回転と反対方向にローレンツ力が発生する。そして、このローレンツ力がフライホイールに抵抗力として作用することで、減衰効果が発揮される。
【0005】
さらに、フライホイールの上述した回転によってケーシングに発生した渦電流は、各コイルに流れ、その渦電流による電気エネルギーがコンデンサに蓄電されるようになっている。
【0006】
一方、特許文献2のダンパは、構造物におけるV型ブレースの下端部に取り付けられ、下梁と平行に延びかつ下面に複数の永久磁石が取り付けられた磁石ホルダと、下梁と平行に延びかつ下梁に取り付けられ、上側の磁石ホルダに対し上下方向に所定距離を隔てて対向する対向延設体と、磁石ホルダと対向延設体が相対的に移動する際に、その移動による直線運動を回転運動に変換し、変換した回転運動によって発電する発電部とを備えている。また、このダンパでは、磁石ホルダと対向延設体が相対的に移動する際に、その移動を妨げる抵抗力を発生させるための渦電流が生じるように構成されている。
【0007】
以上のように構成されたダンパ(以下、本欄において適宜、「渦電流式ダンパ」という)では、構造物の振動に伴い、磁石ホルダと対向延設体が相対的に移動すると、磁石ホルダと一体に複数の永久磁石が移動し、磁場が変化することで、それらの永久磁石が対向する対向延設体の表面に、電磁誘導による渦電流が生じる。そして、この渦電流によるローレンツ力及びその反作用力が、磁石ホルダと対向延設体の相対移動を妨げる抵抗力として作用する。
【0008】
また、発電部は、磁石ホルダの上面に設けられたラックと、これに噛み合うピニオンと、このピニオンの回転に基づいて発電する発電機とを備えている。磁石ホルダと対向延設体が相対移動することにより、ラックが移動するとともに、これに噛み合うピニオンが回転する。そして、ピニオンと一体に発電機のロータが回転することによって発生した電気がバッテリに蓄電されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2020-37959号公報
【特許文献2】特開2022-44254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述した特許文献1の歯車モータ式ダンパでは、フライホイールの回転に伴ってケーシング側に発生する渦電流が、そのケーシング内の天井面や底面の表面に広がりやすい。そのため、得られる電力が不十分であり、加えて、発生した渦電流を十分に回収することができない。一方、特許文献2の渦電流式ダンパでは、下梁と平行に延びる磁石ホルダ及び対向延設体が比較的長尺に構成されているため、ダンパ自体が全体として大きくなってしまう。したがって、以上のダンパには、改善の余地がある。
【0011】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、構造物の振動を抑制しながら発電することができ、その発電による電気を良好に取り出して貯めることができる発電機能を備えたダンパを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、構造物を含む系内の相対変位する第1部位と第2部位の間に設けられ、構造物の振動に伴う第1部位と第2部位による相対変位を利用して発電する発電機能を備えたダンパであって、所定方向に延びる軸線を中心として回転自在の回転体を有し、第1部位と第2部位による相対変位を、回転体の回転運動に変換する回転体駆動機構と、各々が永久磁石から成り、回転体の外周面にその周方向に沿って配置され、発電を行うための複数の発電用永久磁石と、回転体の外周面を覆うように設けられた回転体カバーと、各々が鉄心及びその周囲に巻かれたコイルを有し、コイルの一端部が回転体の外周面に向いた状態で、回転体カバーに周方向に沿って配置され、回転体と一体に複数の発電用永久磁石が回転するのに伴い、各発電用永久磁石がコイルに接近及び離隔することにより、コイルに誘導電流を生じさせることによって発電する複数の発電コイル部と、これらの複数の発電コイル部に電気的に接続され、発電コイル部で発生した電気を貯めるための蓄電部と、を備えていることを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、発電機能を有するダンパが、構造物を含む系内の第1部位と第2部位の間に設けられ、構造物の振動に伴う第1部位と第2部位による相対変位を利用して発電する。具体的には、まず、回転体駆動機構により、第1部位と第2部位による相対変位が回転体の回転運動に変換される。回転体の外周面には、その周方向に沿って、複数の発電用永久磁石が配置される一方、回転体の外周面を覆う回転体カバーには、その周方向に沿って、鉄心及びコイルを有する複数の発電コイル部が配置されている。回転体と一体に複数の発電用永久磁石が回転するのに伴い、各発電用永久磁石が、各発電コイル部のコイルに接近及び離隔することにより、そのコイルに誘導電流を生じさせることによって発電する。そして、複数の発電コイル部で発生した電気が、蓄電部に貯められる。以上のように、本発明によれば、ダンパとして構造物の振動を抑制しながら発電することができ、その発電による電気を良好に取り出して貯めることができる。
【0014】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の発電機能を備えたダンパにおいて、回転体駆動機構は、軸線に沿って延びるとともに、一端部が第1部位に連結されるねじ軸、及びこのねじ軸にボールを介して螺合するナットを有するボールねじと、回転体として構成され、ねじ軸が内側に挿通された円筒状に形成されるとともに、ナットと一体に回転可能にかつ外周面に複数の発電用永久磁石が配置された第1磁石ホルダと、を有しており、回転体カバーとして構成されかつ第1磁石ホルダに隙間をもって嵌合する筒状に形成され、一端部が第2部位に連結されるとともに、複数の発電コイル部が周方向に配置された回転不能の筒体を、さらに備えていることを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、回転体駆動機構が、ねじ軸及びナットを有するボールねじと、回転体として構成された第1磁石ホルダとを有しており、ねじ軸の一端部が第1部位に連結されている。また、回転体カバーとして構成された回転不能の筒体は、第1磁石ホルダに隙間をもって嵌合する筒状に形成され、一端部が第2部位に連結されるとともに、複数の発電コイル部が周方向に配置されている。第1部位と第2部位の間に相対変位が発生すると、ねじ軸の相対的な直線運動が、ねじ軸に螺合するナットの回転運動に変換され、そのナットと一体に第1磁石ホルダが回転する。これに伴い、第1磁石ホルダの外周面の複数の発電用永久磁石も回転し、筒体の周方向に配置された複数の発電コイル部で発電する。以上のように、ボールねじによる回転体駆動機構を備えたダンパにおいて、発電機能を比較的容易に付加することができる。
【0016】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の発電機能を備えたダンパにおいて、前記第1磁石ホルダには、フライホイールが着脱自在に取り付けられていることを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、第1磁石ホルダにフライホイールが着脱自在に取り付けられているので、そのフライホイールの重量を変更することにより、ダンパにおける回転体としての第1磁石ホルダの慣性質量を容易に調整することができる。
【0018】
請求項4に係る発明は、請求項2又は3に記載の発電機能を備えたダンパにおいて、第1部位とボールねじのねじ軸との間が、弾性材料から成る連結部材で連結されていることを特徴とする。
【0019】
この構成によれば、弾性材料から成る連結部材によって、第1部位とボールねじのねじ軸との間が連結されることにより、連結部材が振動系における直列のばね要素の役割を果たす。これにより、ダンパを含む振動系において、そのダンパ周期を構造物に対して同調させることにより、ダンパにおける発電効果を高めることができる。
【0020】
請求項5に係る発明は、請求項2に記載の発電機能を備えたダンパにおいて、第1磁石ホルダと筒体との間に設けられ、第1磁石ホルダが回転する際に、第1磁石ホルダの回転を減衰させるための減衰部を、さらに備えていることを特徴とする。
【0021】
この構成によれば、第1磁石ホルダと筒体との間に設けられた減衰部により、第1磁石ホルダが回転する際に、その回転が減衰される。このように、減衰部によって、第1磁石ホルダに抵抗力を作用させ、減衰効果を発揮させることにより、構造物の振動抑制効果を高めることができる。
【0022】
請求項6に係る発明は、請求項5に記載の発電機能を備えたダンパにおいて、筒体は、導電性を有する材料で構成されており、減衰部は、第1磁石ホルダの外周面に、周方向に沿ってかつ筒体の内周面との間に隙間を存して配置された複数の永久磁石から成り、第1磁石ホルダに、その回転と反対方向の、渦電流によるローレンツ力を発生させるように構成された複数の減衰用永久磁石を有していることを特徴とする。
【0023】
この構成によれば、減衰部として、永久磁石から成る複数の減衰用永久磁石を有しており、これらの減衰用永久磁石が、第1磁石ホルダの外周面に、その周方向に沿ってかつ筒体の内周面との間に隙間を存して配置されている。第1磁石ホルダが回転すると、それに伴い、複数の減衰用永久磁石も回転する。これにより、導電材料から成る筒体に渦電流が発生すると同時に、その渦電流と減衰用永久磁石の磁界との相互作用によって、第1磁石ホルダの回転と反対方向のローレンツ力が発生し、抵抗力として第1磁石ホルダに作用することで、減衰効果を発揮させることができる。
【0024】
請求項7に係る発明は、請求項6に記載の発電機能を備えたダンパにおいて、複数の発電用永久磁石は、複数の減衰用永久磁石よりも、第1磁石ホルダの中心から径方向に離れた位置に配置されていることを特徴とする。
【0025】
この構成によれば、複数の発電用永久磁石が、減衰用永久磁石よりも、第1磁石ホルダの中心から径方向に離れた位置に配置されているので、第1磁石ホルダの回転時に、発電用永久磁石の回転速度が、減衰用永久磁石のそれよりも速くなる。これにより、発電用永久磁石の回転による発電効果を、より高めることができる。
【0026】
請求項8に係る発明は、請求項5に記載の発電機能を備えたダンパにおいて、減衰部は、第1磁石ホルダの外周面と筒体の内周面との間に充填された粘性体を有していることを特徴とする。
【0027】
この構成によれば、減衰部として、第1磁石ホルダの外周面と筒体の内周面との間に充填された粘性体を有しているので、この粘性体の粘性抵抗(せん断抵抗)によって、ダンパに入力される振動エネルギーが吸収され、熱変換されることで、第1磁石ホルダの回転速度に応じた粘性減衰効果を発揮させることができる。
【0028】
請求項9に係る発明は、請求項1に記載の発電機能を備えたダンパにおいて、回転体駆動機構は、軸線に沿って延びるとともに、一端部が第1部位に連結されるねじ軸、及びこのねじ軸にボールを介して螺合するナットを有するボールねじと、ねじ軸が内側に挿通された円筒状に形成されるとともに、ナットと一体に回転可能に構成された第1内筒と、回転体として構成され、円筒状に形成されるとともに、第1内筒と一体に回転可能にかつ外周面に複数の発電用永久磁石が配置された第2内筒と、を有しており、第1内筒に隙間をもって嵌合する筒状に形成されるとともに、回転不能に構成された第1外筒と、第1内筒と第1外筒との間に設けられ、第1内筒が回転する際に、第1内筒の回転を減衰させるための減衰部と、回転カバーとして構成されかつ第2内筒に隙間をもって嵌合する筒状に形成され、一端部が第1外筒に連結されるとともに、他端部が第2部位に連結され、複数の発電コイル部が周方向に配置された回転不能の第2外筒と、を備えていることを特徴とする。
【0029】
この構成によれば、回転体駆動機構が、ねじ軸及びナットを有するボールねじと、ナットと一体に回転可能な第1内筒と、回転体として構成された第2内筒とを有している。また、第1内筒とこれに隙間をもって嵌合する回転不能の第1外筒との間に、第1内筒の回転を減衰させるための減衰部が設けられている。この減衰部によって、第1内筒に抵抗力を作用させ、減衰効果を発揮させることにより、構造物の振動を抑制することができる。また、回転体カバーとして構成された回転不能の第2外筒は、第2内筒に隙間をもって嵌合する筒状に形成され、一端部が第1外筒に連結されるとともに、他端部が第2部位に連結され、複数の発電コイル部が周方向に配置されている。第2内筒の回転に伴い、その外周面に配置された複数の発電コイル部も回転し、それにより、第2外筒に設けられた複数の発電コイル部で発電する。以上のように、ボールねじによる回転体駆動機構を備えたダンパにおいて、構造物の振動を抑制しながら発電することができる。
【0030】
請求項10に係る発明は、請求項9に記載の発電機能を備えたダンパにおいて、前記第2内筒及び前記第2外筒は、ユニット化されており、前記第1内筒及び第1外筒と、第2部位との間に、着脱自在に取り付けられていることを特徴とする。
【0031】
この構成によれば、第2内筒及び第2外筒がユニット化(以下「発電ユニット」という)されているので、この発電ユニットを、第1内筒及び第1外筒と第2部位との間に、容易に取り付けることができる。また、メンテナンス時には、ダンパから発電ユニットを取り外し、メンテナンスを容易に行うことができる。
【0032】
請求項11に係る発明は、請求項9又は10に記載の発電機能を備えたダンパにおいて、第1外筒は、導電性を有する材料で構成されており、減衰部は、第1内筒の外周面に、周方向に沿ってかつ第1外筒の内周面との間に隙間を存して配置された複数の永久磁石から成り、第1外筒に、その回転と反対方向の、渦電流によるローレンツ力を発生させるように構成された複数の減衰用永久磁石を有していることを特徴とする。
【0033】
この構成によれば、減衰部として、永久磁石から成る複数の減衰用永久磁石を有しており、これらの減衰用永久磁石が、第1内筒の外周面に、その周方向に沿ってかつ筒体の内周面との間に隙間を存して配置されている。第1内筒が回転すると、それに伴い、複数の減衰用永久磁石も回転する。これにより、導電材料から成る第1外筒に渦電流が発生すると同時に、その渦電流と減衰用永久磁石の磁界との相互作用によって、第1内筒の回転と反対方向にローレンツ力が発生し、抵抗力として第1内筒に作用することで、減衰効果を発揮させることができる。
【0034】
請求項12に係る発明は、請求項1に記載の発電機能を備えたダンパにおいて、回転体駆動機構は、作動流体が充填され、第1部位に連結されたシリンダと、このシリンダ内に摺動自在に設けられ、シリンダ内を第1流体室と第2流体室に区画するとともに、第2部位に連結されたピストンと、ピストンをバイパスし、第1及び第2流体室に連通する連通路と、この連通路に設けられ、連通路内の作動流体の流動を回転運動に変換する圧力モータと、回転体として構成され、円板状に形成されるとともに、圧力モータによって回転駆動され、外周面に複数の発電用永久磁石が配置された第2磁石ホルダと、を有していることを特徴とする。
【0035】
この構成によれば、回転体駆動機構が、上記のシリンダ、ピストン、連通路、圧力モータ及び第2磁石ホルダを有している。この回転体駆動機構を備えたダンパにおいて、第1部位と第2部位の間に相対変位が発生すると、その相対変位に応じた方向及びストロークで、ピストンがシリンダ内を摺動する。このピストンの移動に伴い、シリンダの第1又は第2流体室内の作動流体がピストンで押し出され、連通路に流入する。この連通路内の作動流体の流動が、圧力モータにより回転運動に変換されることによって、第2磁石ホルダが回転駆動され、第2磁石ホルダによる回転慣性質量効果が発揮される。
【0036】
また、回転体として構成された第2磁石ホルダを覆う回転カバーには、その周方向に沿って複数の発電コイル部が配置されているので、第2磁石ホルダと一体に複数の発電用永久磁石が回転するのに伴い、複数の発電コイル部において発電する。以上のように、圧力モータによる回転体駆動機構を備えたダンパにおいて、発電機能を比較的容易に付加することができる。
【0037】
請求項13に係る発明は、請求項12に記載の発電機能を備えたダンパにおいて、回転体カバーは、第2磁石ホルダの一方及び他方の平面を覆うように構成されており、第2磁石ホルダの少なくとも一方の平面と回転体カバーとの間には、第2磁石ホルダが回転する際に、第2磁石ホルダの回転を減衰させるための減衰部が設けられていることを特徴とする。
【0038】
この構成によれば、第2磁石ホルダの一方及び他方の平面を覆う回転体カバーと、第2磁石ホルダの少なくとも一方の平面との間に設けられた減衰部により、第2磁石ホルダが回転する際に、その回転が減衰される。このように、減衰部によって、第2磁石ホルダに抵抗力を作用させ、減衰効果を発揮させることにより、構造物の振動抑制効果を高めることができる。
【0039】
請求項14に係る発明は、請求項13に記載の発電機能を備えたダンパにおいて、回転体カバーは、導電性を有する材料で構成されており、減衰部は、第2磁石ホルダの少なくとも一方の平面に、回転体カバーの内面との間に隙間を存して配置された複数の永久磁石から成り、第2磁石ホルダに、その回転方向と反対方向の、渦電流によるローレンツ力を発生させるように構成された複数の減衰用永久磁石を有していることを特徴とする。
【0040】
この構成によれば、減衰部として、永久磁石から成る複数の減衰用永久磁石を有しており、これらの減衰用永久磁石が、第2磁石ホルダの少なくとも一方の平面に、回転体カバーの内面との間に隙間を存して配置されている。第2磁石ホルダが回転すると、それに伴い、複数の減衰用永久磁石も回転する。これにより、導電材料から成る回転体カバーに渦電流が発生すると同時に、その渦電流と減衰用永久磁石の磁界との相互作用によって、第2磁石ホルダの回転と反対方向にローレンツ力が発生し、抵抗力として第2磁石ホルダに作用することで、減衰効果を発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】本発明の一実施形態による発電機能を備えたダンパを、設置した建物の一部の構造材とともに概略的に示す図であり、(a)は、V型ブレースの下部に2つのダンパを水平に設置した状態、(b)は、単一のブレースと一体にダンパを設置した状態を示す。
【
図2】第1実施形態によるダンパを、一部切り欠いて示す縦断面図である。
【
図3】(a)は、
図2のA-A線に沿って切断したときのダンパの横断面を示すとともに、コイルの配線を説明するための図であり、(b)は、(a)の最上位の発電コイル部及びその周囲を拡大して示す図である。
【
図4】第2実施形態によるダンパを、一部切り欠いて示す縦断面図である。
【
図5】第3実施形態によるダンパを、一部切り欠いて示す縦断面図である。
【
図6】第3実施形態の第1変形例によるダンパを、一部切り欠いて示す縦断面図である。
【
図7】第3実施形態の第2変形例によるダンパを、一部切り欠いて示す縦断面図である。
【
図8】第4実施形態によるダンパを、一部切り欠いて示す縦断面図である。
【
図9】第5実施形態によるダンパを、一部切り欠いて示す縦断面図である。
【
図10】(a)は、
図9のB-B線に沿って切断したときのフライホイールの上面及びその周囲を示すとともに、コイルの配線を説明するための図であり、(b)は(a)の最上位の発電コイル部及びその周囲を拡大して示す図である。
【
図11】第6実施形態によるダンパを、一部切り欠いて示す縦断面図である。
【
図12】
図11のC-C線に沿って切断したときのフライホイールの上面及びその周囲を示し、
図10(a)と同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態による発電機能を備えたダンパ1を、これを設置した建物S(構造物)の一部の構造材とともに概略的に示している。同図に示す建物Sは、例えば高層のビルであり、上下方向に延びる複数の柱(左柱PL及び右柱PRのみ図示)と、水平に延びる複数の梁(上梁BU及び下梁BLのみ図示)を井桁状に組み合わせたラーメン構造を有している。
【0043】
図1(a)の例では、互いに下方に向かって接近する2つのブレース2a、2aを有するV型ブレース2において、その下端部のブレース連結部2b(第1部位又は第2部位)と、左柱PL及び右柱PR(第2部位又は第1部位)との間にそれぞれ、左右2つのダンパ1、1が水平に設置されている。一方、
図1(b)の例では、斜めに直線状に延びるように配置され、長尺ブレース3a及び短尺ブレース3bを有するブレース3において、長尺ブレース3a(第1部位又は第2部位)と短尺ブレース3b(第2部位又は第1部位)との間に、ダンパ1が設置されている。
【0044】
図2は、第1実施形態によるダンパ1(以下、適宜、1Aの符号を付す)を示している。このダンパ1Aは、それが設置された両側の部位間の相対変位を、ボールねじを用いて回転運動に変換するタイプのものである。ダンパ1Aは、左右の両端部にそれぞれ配置されたクレビス継ぎ手11、11(以下、単に「左クレビス11L」及び「右クレビス11R」という)と、左クレビス11Lに固定されたボールねじ12と、このボールねじ12の後述するナット12bと一体に回転する内筒13(第1磁石ホルダ)と、この内筒13を覆った状態に設けられ、右クレビス11Rに固定された外筒14(筒体)と、この外筒14に、外周に沿って設けられた複数の発電コイル部15と、これらの発電コイル部15に電線16を介して電気的に接続され、各発電コイル部15で発生した電気を貯めるための蓄電部17などを備えている。
【0045】
ボールねじ12は、所定長さを有するねじ軸12aと、このねじ軸12aに多数のボール(図示せず)を介して螺合するナット12bとを有している。ねじ軸12aは、その外側の端部(
図2の左端部)が、第1フランジ18を介して、左クレビス11Lに取り付けられ、内側の端部(
図2の右側の端部)が、内筒13の内部において、ナット12bから突出するように延びている。
【0046】
内筒13は、所定の外径を有する円筒状の本体部13aと、この本体部13aの軸線方向の両側にそれぞれ設けられ、本体部13aの外径よりも小さくかつねじ軸12aの外径よりも大きい径を有する第1小径部13b及び第2小径部13cとで構成されている。また、内筒13の本体部13aの外周面には、長さ方向(
図2の左右方向)の所定位置に、周方向に沿って、複数の発電用永久磁石21が設けられている。
【0047】
図3(a)は、
図2のA-A線に沿って切断したときのダンパ1Aの断面図を示すとともに、発電コイル部15の配線の一部を示している。なお、
図3(a)では、同図に示す最上位の発電コイル部15と最下位の発電コイル部15との配線のみを示し、他の発電コイル部15の配線については省略している。
【0048】
図3(a)に示すように、複数(本実施形態では6つ)の発電用永久磁石21は、内筒13の本体部13aの外周面に、その周方向に沿って、互いに等角度で配置されている。また、内筒13の周方向に配置された複数の発電用永久磁石21は、内筒13の径方向外側の極性(N極又はS極)が交互に異なるように、つまり互いに隣接する発電用永久磁石21、21の上記極性が互いに異なるように配置されている。
【0049】
また、
図2に示すように、内筒13では、本体部13aの軸線方向(
図2の左右方向)の両側に配置されたスラスト軸受22、22によって、本体部13aの軸線方向に作用する荷重が支えられながら、本体部13aが回転自在に支持されている。さらに、内筒13の第1小径部13b及び第2小径部13cがそれぞれ、ラジアル軸受23、23によって回転自在に支持されている。
【0050】
外筒14は、円筒状の本体部14aと、この本体部14aの第1フランジ18側の端部に設けられ、ねじ軸12aが貫通する蓋板14bとを備えており、本体部14aの蓋板14bと反対側に設けられた第2フランジ19を介して、右クレビス11Rに取り付けられている。
【0051】
外筒14の本体部14aには、内筒13の本体部13aに設けられた発電用永久磁石21に対応する位置に、径方向に貫通する複数(本実施形態では6つ)の貫通孔14cが形成されている。そして、複数の発電コイル部15が、貫通孔14cを介して内筒13側に臨むように、外筒14にそれぞれ取り付けられている。
【0052】
図3(b)に示すように、発電コイル部15は、所定長さを有しかつ円柱状又は角柱状の鉄から成る鉄心15aと、その鉄心15aの周囲に巻かれたコイル15bと、これらの鉄心15a及びコイル15bを覆った状態で、鉄心15a及びコイル15bの所定の一端部を、内筒13の中心に向けた状態に保持するコイルホルダ15cとを備えている。
【0053】
また、
図3(a)に示すように、複数の発電コイル部15では、内筒13を間にした状態で、互いに径方向に対向する2つの発電コイル部15、15が、互いに電気的に接続されるとともに、蓄電部17にそれぞれ接続されている。具体的には、互いに対向する2つの発電コイル部15、15において、一方のコイル15bの径方向外側の端部と、他方のコイル15bの径方向内側の端部とが、電線16aを介して接続されている。また、上記の両発電コイル部15、15において、一方のコイル15bの径方向内側の端部、及び他方のコイル15bの径方向外側の端部が、電線16bを介して蓄電部17に接続されている。
【0054】
なお、他の発電コイル部15も、上記と同様に、対向する発電コイル部15及び蓄電部17に電気的に接続されている。なお、ダンパ1A全体を示す
図2、及び後述する他の実施形態のダンパ全体を示す図では、図示の便宜上、発電コイル部15と蓄電部17とを接続する電線16のみを示している。
【0055】
以上のように構成されたダンパ1Aは、前述した
図1に示すように設置される。地震時などに振動エネルギーが建物Sに入力され、左右のクレビス11L、11R間に相対変位が発生すると、左クレビス11Lに第1フランジ18を介して連結されたねじ軸12aの相対的な直線運動が、ねじ軸12aに螺合するナット12bの回転運動に変換され、ナット12bに連結された内筒13が回転する。この内筒13の回転により、ダンパ1Aにおける回転慣性質量効果を得ることができ、建物Sの振動が抑制される。
【0056】
また、内筒13の回転と一体に、複数の発電用永久磁石21も回転する。この場合、各発電コイル部15に対し、各発電用永久磁石21がコイル15bの径方向内側の端部に接近及び離隔し、それにより、コイル15bに誘導電流が生じることで発電する。そして、各発電コイル部15で発生した電気が蓄電部17に貯められる。
【0057】
以上のように、第1実施形態のダンパ1Aによれば、ダンパとして建物Sの振動を抑制しながら、発電することができ、その発電による電気を良好に取り出して貯めることができる。
【0058】
図4は、第2実施形態によるダンパ1Bを示している。このダンパ1Bは、上述した第1実施形態のダンパ1Aに対し、内筒13にフライホイール31が取り付けられるとともに、左クレビス11Lと第1フランジ18との間にゴムユニット32(連結部材)が設けられている点が異なっている。したがって、以下の説明では、第1実施形態のダンパ1Aと同じ構成部分については、同一の符号を付して、その説明を省略し、ダンパ1Aと異なる点を中心に説明するものとする。
【0059】
図4に示すように、このダンパ1Bでは、内筒13の内部に、複数(
図4では5枚)のドーナツ状の金属板31aから成るフライホイール31が、複数(
図4では2本のみ図示)のボルト31bを介して、内筒13の本体部13aに固定されている。このフライホイール31では、ボールねじ12のねじ軸12aが遊挿している。したがって、ねじ軸12aの相対的な直線運動によってナット12bが回転するのに伴い、内筒13と一体にフライホイール31が回転し、このフライホイール31が内筒13に慣性質量を付加する。
【0060】
なお、フライホイール31の金属板31aの枚数を増減することで、フライホイール31の重量を容易に変更することができる。それにより、ダンパ1Bにおける内筒13の慣性質量を容易に調整することができる。
【0061】
また、ダンパ1Bの第1フランジ18と左クレビス11Lが、所定の弾性を有するゴムユニット32を介して連結されている。このゴムユニット32は、振動系における直列のばね要素の役割を果たしている。したがって、ダンパ1Bを含む振動系において、そのダンパ周期を構造物に対して同調させることにより、ダンパ1Bにおける発電効果を高めることができる。なお、上記のゴムユニット32については、第1フランジ18と左クレビス11Lの間に設けたが、第2フランジ19と右クレビス11Rとの間に、同様の機能を有するゴムユニットを設けることも可能である。
【0062】
図5は、第3実施形態によるダンパ1Cを示している。このダンパ1Cは、上述した第1実施形態のダンパ1Aに対し、内筒13の回転を減衰させるための減衰部が設けられている点が異なっている。したがって、以下の説明では、第1実施形態のダンパ1Aと同じ構成部分については、同一の符号を付して、その説明を省略し、ダンパ1Aと異なる点を中心に説明するものとする。
【0063】
図5に示すように、このダンパ1Cでは、内筒13の本体部13aの外周面に、減衰部として、各々が永久磁石から成る複数の減衰用永久磁石34が、本体部13aの外周面に沿って取り付けられている。これらの減衰用永久磁石34は、発電用永久磁石21に対し、内筒13の軸線方向に所定距離、隔てた位置に配置されるとともに、外筒14の本体部14aの内周面に隙間を存して配置されている。また、内筒13の周方向に配置された複数の減衰用永久磁石34は、内筒13の径方向外側の極性が交互に異なるように、つまり、互いに隣接する減衰用永久磁石34、34の上記極性が互いに異なるように配置されている。
【0064】
また、内筒13の本体部13aの外周面には、上記の各減衰用永久磁石34と各発電用永久磁石21との間に、鉄から成るヨーク35が取り付けられている。このヨーク35により、減衰用永久磁石34及び発電用永久磁石21の一方が他方に対して磁界による影響を及ぼさないようになっている。なお、上記のヨーク35については、省略することも可能である。
【0065】
このように構成されたダンパ1Cでは、左右のクレビス11L、11R間に相対変位が発生すると、ねじ軸12aの相対的な直線運動が、ねじ軸12aに螺合するナット12bの回転運動に変換され、ナット12bに連結された内筒13が回転する。この内筒13と一体に、複数の発電用永久磁石21に加えて、複数の減衰用永久磁石34も回転する。これにより、前述した第1実施形態のダンパ1Aと同様、各発電コイル部15で発電し、その電気が蓄電部17に貯められる。加えて、複数の減衰用永久磁石34の回転により、外筒14の内周面に渦電流が発生すると同時に、その渦電流と減衰用永久磁石34の磁界との相互作用によって、内筒13の回転と反対方向のローレンツ力が発生し、抵抗力として内筒13に作用することで、減衰効果が発揮される。このように、本実施形態のダンパ1Cによれば、内筒13に抵抗力を作用させ、減衰効果を発揮させることにより、建物Sの振動抑制効果高めることができる。
【0066】
図6は、上述した第3実施形態の第1変形例を示している。同図に示すダンパ1Caは、上記第3実施形態のダンパ1Cに対し、発電用永久磁石21の位置が異なっている。具体的には、各発電用永久磁石21は、所定の厚さを有する台座36を介して、内筒13の外周面に取り付けられている。これにより、各発電用永久磁石21は、台座36の厚さ分、減衰用永久磁石34よりも内筒13の径方向外側に配置されている。その結果、この第1変形例のダンパ1Caでは、上記第3実施形態のダンパ1Cに比べて、内筒13が回転する際の発電用永久磁石21の回転速度が、減衰用永久磁石のそれよりも速くなり、発電効果を高めることができる。
【0067】
図7は、上述した第3実施形態の第2変形例を示している。同図に示すダンパ1Cbは、上記第3実施形態の第1変形例のダンパ1Caに対し、減衰用永久磁石34に代えて、減衰部として、粘性体37が設けられている。この粘性体37は、内筒13の本体部13aと外筒14の本体部14aとの間のスペースに、シール38、39を介して液密状態で充填されている。なお、粘性体37は、所定の粘度を有する粘性材(例えばシリコンオイル)で構成されている。
【0068】
上記のような粘性体37を減衰部として設けることにより、粘性体37の粘性抵抗(せん断抵抗)によって、ダンパ1Cbに入力される振動エネルギーが吸収され、熱変換されることで、内筒13の回転速度に応じた粘性減衰効果を発揮させることができる。
【0069】
図8は、第4実施形態によるダンパ1Dを示している。このダンパ1Dは、上述した第3実施形態のダンパ1Cに対して主に、前述した複数の発電コイル部15を有する発電ユニット41が、ダンパ本体42に着脱自在に連結されている点が異なっている。なお、以下の説明では、第1及び第3実施形態のダンパ1A及1Cと同じ構成部分については、同一の符号を付して、その説明を省略し、ダンパ1A及び1Cと異なる点を中心に説明するものとする。
【0070】
図8に示すように、ダンパ本体42は、ボールねじ12のナット12bと一体に回転する第1内筒43と、この第1内筒43を覆った状態で、回転不能に構成された第1外筒44とを備えている。第1内筒43は、前記内筒13の本体部13a、第1及び第2小径部13b及び13cと同様の本体部43a、第1及び第2小径部43b及び43cを有している。また、第1内筒43の本体部43aの外周面には、その周方向に沿って、複数の減衰用永久磁石34が、本体部43aの軸線方向に2列で設けられている。各減衰用永久磁石34は、第1外筒44の本体部44aの内周面に隙間を存して配置されている。
【0071】
また、第1内筒43では、本体部43aがスラスト軸受22、22によって回転自在に支持されるとともに、第1小径部43b及び第2小径部43cがそれぞれ、ラジアル軸受23、23によって回転自在に支持されている。
【0072】
第1外筒44は、導電性を有する材料で構成されており、円筒状の本体部44aと、この本体部44aの第1フランジ18側の端部に設けられ、ねじ軸12aが貫通する蓋板44bとを備えている。
【0073】
一方、発電ユニット41は、円筒状の第2内筒45と、この第2内筒45を覆った状態で配置された第2外筒46と、第2内筒45の外周面に設けられた複数の発電用永久磁石21と、第2外筒46に、周方向に沿って配置された複数の発電コイル部15とを備えている。また、第2内筒45は、その両端部がそれぞれ、ラジアル軸受47、47によって回転自在に支持されている。さらに、第2内筒45のダンパ本体42側(
図8の左側)の端部には、発電ユニット41がダンパ本体42に取り付けられた際に、第1内筒43の端部と連結するための内筒連結部48が設けられている。
【0074】
このように構成された発電ユニット41は、ダンパ本体42と右クレビス11Rとの間に着脱自在に取り付けられている。具体的には、発電ユニット41における第2外筒46の一端部(
図8の左端部)が、複数のボルト49aを介して、ダンパ本体42における第1外筒44の端部(
図8の右端部)に取り付けられるとともに、第2外筒46の他端部(
図8の右端部)が、複数のボルト49bを介して、右クレビス11Rに取り付けられている。
【0075】
このように構成されたダンパ1Dでは、左右のクレビス11L、11R間に相対変位が発生すると、ねじ軸12aの相対的な直線運動が、ねじ軸12aに螺合するナット12bの回転運動に変換され、ナット12bに連結された第1内筒43が回転する。この場合、第1内筒43と一体に、減衰用永久磁石34が回転することにより、第1外筒44の内周面に渦電流が発生すると同時に、その渦電流と減衰用永久磁石34の磁界との相互作用によって、第1内筒43の回転と反対方向にローレンツ力が発生し、抵抗力として第1内筒43に作用することで、減衰効果が発揮される。
【0076】
また、上記の第1内筒43の回転とともに、これに内筒連結部48を介して連結された第2内筒45が回転する。この場合、前述した第1実施形態のダンパ1Aと同様、各発電コイル部15で発電し、その電気が蓄電部17に貯められる。
【0077】
上記のように構成されたダンパ1Dでは、発電ユニット41がダンパ本体42に着脱自在に連結されるので、例えばメンテナンス時に、発電ユニット41をダンパ本体42から取り外し、メンテナンスを容易に行うことができる。
【0078】
図9は、本発明の第5実施形態によるダンパ1Eを示している。このダンパ1Eは、上述した第1~第4実施形態のボールねじ12を用いたダンパ1A~1Dと異なり、圧力モータを用いて直線運動を回転運動に変換する、発電機能を有するダンパである。
【0079】
図9に示すように、このダンパ1Eは、シリンダ51と、シリンダ51内に摺動自在に設けられたピストン52と、ピストン52をバイパスし、シリンダ51内に連通する連通路53と、この連通路53に配置された歯車モータ54(圧力モータ)と、歯車モータ54の出力軸55に一体に連結されたフライホイール56(回転体、第2磁石ホルダ)と、フライホイール56の外周面に、その周方向に沿って配置された複数の発電用永久磁石57と、フライホイール56を覆うように設けられたフライホイールカバー58(回転体カバー)と、このフライホイールカバー58の内周面に設けられ、その周方向に沿って配置された複数の発電コイル部59などを備えている。
【0080】
シリンダ51は、円筒状の周壁51aと、その左右の端部に設けられた円板状の第1及び第2端壁51b、51cを一体に有し、これらの3つの壁51a~51cによって、シリンダ51内に空間が画成されている。また、第1端壁51bには、その外方に突出する中空状のロッド収容部51fが同心状に一体に設けられ、その端部には、左クレビス61Lが設けられている。
【0081】
ピストン52は、シリンダ51内に軸線方向(
図9の左右方向)に摺動自在に設けられており、シリンダ51内を、
図9の左側の第1流体室51dと、右側の第2流体室51eとに区画している。これらの第1及び第2流体室51d、51eと連通路53には、作動流体HFが充填されている。作動流体HFは、適度な粘度を有する通常の作動油などで構成されている。
【0082】
また、ピストン52には、ピストンロッド60が同心状に一体に設けられている。ピストンロッド60は、ピストン52の両側に延びており、第1端壁51b及び第2端壁51cの各ロッド案内孔51gを、シールを介して液密に貫通した状態で、外方に延びている。ピストンロッド60の一端部は、シリンダ51のロッド収容部51fに収容され、他端部には、右クレビス61Rが設けられている。
【0083】
連通路53は、シリンダ51の周壁51aの両端部に形成された連通口51h、51hを介して、第1流体室51d及び第2流体室51eにそれぞれ連通している。
【0084】
歯車モータ54は、連通路53に配置されたギヤ54a及び上方に延びる出力軸55を有しており、連通路53内の作動流体HFの流動を回転運動に変換し、出力軸55が回転するように構成されている。なお、この歯車モータ54として、内接式又は外接式のものを採用することが可能である。
【0085】
フライホール56は、例えば鋼材などの金属によって、円板状に形成されており、出力軸55に同軸状に一体に取り付けられている。
【0086】
図10(a)は、
図9のB-B線に沿って切断したときのフライホイール56及びその周囲、並びに発電コイル部59の配線の一部を示している。なお、
図10(a)では、同図に示す最上位の発電コイル部59と最下位の発電コイル部59との配線のみを示し、他の発電コイル得59の配線については省略している。
【0087】
図10(a)に示すように、複数(本実施形態では6つ)の発電用永久磁石57は、フライホイール56の外周面に、その周方向に沿って、互いに等角度で配置されている。また、フライホイール56の周方向に配置された複数の発電用永久磁石57は、フライホイール56の径方向外側の極性が交互に異なるように、つまり互いに隣接する発電用永久磁石57、57の上記極性が互いに異なるように配置されている。
【0088】
図9に示すように、フライホイールカバー58は、導電性を有する材料で構成されており、フライホイール56の上面、下面及び周面をそれぞれ覆う上壁58a、下壁58b及び周壁58cを有している。このフライホイールカバー58は、カバーサポート65を介して、シリンダ51の周壁51a上に支持されている。また、フライホイールカバー58内には、周壁58cに沿って、複数(本実施形態では6つ)の発電コイル部59が設けられている。
【0089】
図10(b)に示すように、発電コイル部59は、所定長さを有しかつ円柱状又は角柱状の鉄から成る鉄心59aと、その鉄心59aの周囲に巻かれたコイル59bとを有している。これらの鉄心59a及びコイル59bは、図示しないコイルホルダによって、鉄心59a及びコイル59bの所定の一端部を、フライホイール56の中心に向けた状態で保持されている。
【0090】
また、
図10(a)に示すように、複数の発電コイル部59では、フライホイール56を間にした状態で、互いに径方向に対向する2つの発電コイル部59、59が、互いに電気的に接続されるとともに、蓄電部62にそれぞれ接続されている。具体的には、互いに対向する2つの発電コイル部59、59において、一方のコイル59bの径方向外側の端部と、他方のコイル59bの径方向内側の端部とが、電線63aを介して接続されている。また、上記の両発電コイル部59、59において、一方のコイル59bの径方向内側の端部、及び他方のコイル59bの径方向外側の端部が、電線63bを介して蓄電部62に接続されている。
【0091】
以上のように構成されたダンパ1Eでは、左右のクレビス61L、61R間に相対変位が発生すると、その相対変位に応じた方向及びストロークで、ピストン52がシリンダ51内を移動する。このピストン52の移動に伴い、第1又は第2流体室51d、51e内の作動流体HFがピストン52で押し出され、連通路53に流入する。この連通路53内の作動流体HFの流動が、歯車モータ54により回転運動に変換されることによって、出力軸55と一体のフライホイール56が回転駆動され、フライホイール56による回転慣性質量効果が発揮される。
【0092】
また、フライホイール56の回転に伴い、複数の発電用永久磁石57も回転する。この場合、各発電コイル部59に対し、各発電用永久磁石57がコイル59bの径方向内側の端部に接近及び離隔し、それにより、コイル59bに誘導電流が生じることで発電する。そして、各発電コイル部59で発生した電気が蓄電部62に貯められる。
【0093】
以上のように、第5実施形態のダンパ1Eによれば、前述した第1実施形態のダンパ1Aと同様、ダンパとして建物Sの振動を抑制しながら、発電することができ、その発電による電気を良好に取り出して貯めることができる。なお、本実施形態では、圧力モータとして歯車モータ54を採用したが、ピストンモータを使用することも可能である。
【0094】
図11は、第6実施形態によるダンパ1Fを示している。このダンパ1Fは、上述した第5実施形態のダンパ1Eに対し、フライホイール56の回転を減衰させるための減衰部が設けられている点が異なっている。したがって、以下の説明では、第5実施形態のダンパ1Eと同じ構成部分については、同一の符号を付して、その説明を省略し、ダンパ1Eと異なる点を中心に説明するものとする。
【0095】
図11に示すように、このダンパ1Fでは、フライホイール56の上面及び下面に、減衰部として、各々が永久磁石から成る複数の減衰用永久磁石67、68が取り付けられている。具体的には、
図12に示すように、フライホイール56の上面には、複数(本実施形態では6つ)の減衰用永久磁石67が環状に、かつ、互いに隣接する減衰用永久磁石67、67の上側の極性が互いに異なるように配置されている。
【0096】
なお、フライホイール56の下面には、上述した複数の減衰用永久磁石67に対して上下対称に、複数の減衰用永久磁石68が配置されている。また、上側の減衰用永久磁石67及び下側の減衰用永久磁石68はそれぞれ、フライホイールカバー58の上壁58a及び下壁58bに隙間を存して配置されている。
【0097】
上記のように構成されたダンパ1Fでは、左右のクレビス61L、61R間に相対変位が発生すると、前述した第5実施形態のダンパ1Eと同様、ピストン52がシリンダ51内を移動するのに伴い、第1又は第2流体室51d、51e内の作動流体HFが押し出され、連通路53内の作動流体HFの流動によって、歯車モータ54が回転し、出力軸55と一体のフライホイール56が回転駆動される。そして、フライホイール56と一体に、複数の発電用永久磁石57が回転することにより、各発電コイル部59で電気が発生し、蓄電部62に貯められる。
【0098】
加えて、フライホイール56と一体に、その上面及び下面の減衰用永久磁石67、68が回転することにより、フライホイールカバー58の上壁58a及び下壁58bの内面に渦電流が発生する。そして、これらの渦電流が発生するのと同時に、渦電流と減衰用永久磁石67、68の磁界との相互作用によって、フライホイール56の回転と反対方向のローレンツ力が発生し、抵抗力としてフライホイール56に作用することで、減衰効果が発揮される。
【0099】
以上のように、第6実施形態のダンパ1Fによれば、前述した第5実施形態のダンパ1Eと同様の効果を得ることができ、加えて、複数の減衰用永久磁石67、68による減衰効果により、建物Sの振動抑制効果を高めることができる。
【0100】
なお、本発明は、説明した上記実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。また、実施形態で示したダンパ1A~1Fの細部の構成などは、あくまで例示であり、本発明の趣旨の範囲内で適宜、変更することができる。
【符号の説明】
【0101】
1 ダンパ
1A 第1実施形態のダンパ
1B 第2実施形態のダンパ
1C 第3実施形態のダンパ
1D 第4実施形態のダンパ
1E 第5実施形態のダンパ
1F 第6実施形態のダンパ
2 V型ブレース
2a ブレース
2b ブレース連結部(第1部位又は第2部位)
3 ブレース
3a 長尺ブレース(第1部位又は第2部位)
3b 短尺ブレース(第2部位又は第1部位)
11 クレビス継ぎ手
11L 左クレビス
11R 右クレビス
12 ボールねじ
12a ねじ軸
12b ナット
13 内筒(回転体、第1磁石ホルダ)
14 外筒(筒体)
15 発電コイル部
15a 鉄心
15b コイル
15c コイルホルダ
16 電線
17 蓄電部
21 発電用永久磁石
31 フライホイール
32 ゴムユニット(連結部材)
34 減衰用永久磁石
36 台座
37 粘性体
41 発電ユニット
42 ダンパ本体
43 第1内筒
44 第1外筒
45 第2内筒
46 第2外筒
48 内筒連結部
51 シリンダ
51d 第1流体室
51e 第2流体室
52 ピストン
53 連通路
54 歯車モータ(圧力モータ)
55 出力軸
56 フライホイール(回転体、第2磁石ホルダ)
57 発電用永久磁石
58 フライホイールカバー(回転体カバー)
58a 上壁
58b 下壁
58c 周壁
59 発電コイル部
59a 鉄心
59b コイル
61L 左クレビス
61R 右クレビス
62 蓄電部
63 電線
67 上側の減衰用永久磁石
68 下側の減衰用永久磁石
S 建物(構造物)
PL 左柱(第2部位又は第1部位)
PR 右柱(第2部位又は第1部位)
BU 上梁
BL 下梁