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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113295
(43)【公開日】2024-08-22
(54)【発明の名称】脱硫脱硝装置、及び脱硫脱硝方法
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/50 20060101AFI20240815BHJP
   B01D 53/56 20060101ALI20240815BHJP
   B01D 53/83 20060101ALI20240815BHJP
【FI】
B01D53/50 110
B01D53/56 100
B01D53/83 ZAB
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023018179
(22)【出願日】2023-02-09
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】306022513
【氏名又は名称】日鉄エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100145012
【弁理士】
【氏名又は名称】石坂 泰紀
(74)【代理人】
【識別番号】100212026
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真生
(72)【発明者】
【氏名】丸田 和也
(72)【発明者】
【氏名】後藤 博樹
(72)【発明者】
【氏名】池上 真一
【テーマコード(参考)】
4D002
【Fターム(参考)】
4D002AA02
4D002AA12
4D002AC04
4D002AC05
4D002AC10
4D002BA04
4D002CA08
4D002DA41
4D002EA02
4D002EA08
4D002GA03
4D002GB06
(57)【要約】
【課題】排ガス処理の効率化を図る。
【解決手段】活性炭を用いて排ガスに対して脱硫処理を行う脱硫領域と、活性炭を用いて、前記脱硫処理が行われた後の排ガスに対して脱硝処理を行う脱硝領域と、前記脱硫処理に用いられた後の活性炭に対して再生処理を行う再生領域と、前記再生処理後の活性炭を前記脱硝領域及び前記脱硫領域に対して順に供給し、前記脱硫処理に用いられた後の活性炭を前記再生領域に対して供給する循環処理を実行する循環供給部と、を備え、前記循環供給部は、前記循環処理を実行する際に、前記再生処理後の活性炭の一部を、前記脱硝領域を介さずに前記脱硫領域に対して供給可能である、脱硫脱硝装置。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性炭を用いて排ガスに対して脱硫処理を行う脱硫領域と、
活性炭を用いて、前記脱硫処理が行われた後の排ガスに対して脱硝処理を行う脱硝領域と、
前記脱硫処理に用いられた後の活性炭に対して再生処理を行う再生領域と、
前記再生処理後の活性炭を前記脱硝領域及び前記脱硫領域に対して順に供給し、前記脱硫処理に用いられた後の活性炭を前記再生領域に対して供給する循環処理を実行する循環供給部と、を備え、
前記循環供給部は、前記循環処理を実行する際に、前記再生処理後の活性炭の一部を、前記脱硝領域を介さずに前記脱硫領域に対して供給可能である、脱硫脱硝装置。
【請求項2】
前記循環供給部は、
前記再生処理後の活性炭を前記脱硝領域に搬送する第1循環ラインと、
前記脱硝処理に用いられた後の活性炭を前記脱硫領域に搬送する第2循環ラインと、
前記脱硫処理に用いられた後の活性炭を前記再生領域に搬送する第3循環ラインと、
前記再生処理後の活性炭を前記再生領域から前記第2循環ラインの途中に合流させることが可能なバイパスラインと、を有する、請求項1に記載の脱硫脱硝装置。
【請求項3】
前記循環供給部は、前記脱硝領域に向けて搬送される活性炭と、前記脱硝領域を介さずに前記脱硫領域に向けて搬送される活性炭との分配量を変更可能な切替部材を有する、請求項1又は2に記載の脱硫脱硝装置。
【請求項4】
前記循環供給部は、前記脱硝領域を介さずに前記脱硫領域に向けて搬送される活性炭の量を変更可能な調節部材を有する、請求項1又は2に記載の脱硫脱硝装置。
【請求項5】
活性炭を用いて排ガスに対して脱硫処理を行う脱硫工程と、
活性炭を用いて、前記脱硫処理が行われた後の排ガスに対して脱硝処理を行う脱硝工程と、
前記脱硫処理に用いられた後の活性炭に対して再生処理を行う再生工程と、
前記再生処理後の活性炭を前記脱硝工程が行われる脱硝領域、及び前記脱硫工程が行われる脱硫領域に対して順に供給し、前記脱硫処理に用いられた後の活性炭を前記再生工程が行われる再生領域に対して供給する循環供給工程と、を含み、
前記循環供給工程は、前記再生処理後の活性炭の一部を、前記脱硝領域を介さずに前記脱硝領域に対して供給することを含む、脱硫脱硝方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、脱硫脱硝装置、及び脱硫脱硝方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、脱硫処理する脱硫塔と、脱硝処理する脱硝塔と、再生処理する脱離塔と、脱離塔を加熱する熱風パージガスを生成するための熱風炉を有する乾式脱硫脱硝装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8-323149号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、排ガス処理の効率化に有用な脱硫脱硝装置、及び脱硫脱硝方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[1]活性炭を用いて排ガスに対して脱硫処理を行う脱硫領域と、活性炭を用いて、前記脱硫処理が行われた後の排ガスに対して脱硝処理を行う脱硝領域と、前記脱硫処理に用いられた後の活性炭に対して再生処理を行う再生領域と、前記再生処理後の活性炭を前記脱硝領域及び前記脱硫領域に対して順に供給し、前記脱硫処理に用いられた後の活性炭を前記再生領域に対して供給する循環処理を実行する循環供給部と、を備え、前記循環供給部は、前記循環処理を実行する際に、前記再生処理後の活性炭の一部を、前記脱硝領域を介さずに前記脱硫領域に対して供給可能である、脱硫脱硝装置。
[2]前記循環供給部は、前記再生処理後の活性炭を前記脱硝領域に搬送する第1循環ラインと、前記脱硝処理に用いられた後の活性炭を前記脱硫領域に搬送する第2循環ラインと、前記脱硫処理に用いられた後の活性炭を前記再生領域に搬送する第3循環ラインと、前記再生処理後の活性炭を前記再生領域から前記第2循環ラインの途中に合流させることが可能なバイパスラインと、を有する、上記[1]に記載の脱硫脱硝装置。
[3]前記循環供給部は、前記脱硝領域に向けて搬送される活性炭と、前記脱硝領域を介さずに前記脱硫領域に向けて搬送される活性炭との分配量を変更可能な切替部材を有する、上記[1]又は[2]に記載の脱硫脱硝装置。
[4]前記循環供給部は、前記脱硝領域を介さずに前記脱硫領域に向けて搬送される活性炭の量を変更可能な調節部材を有する、上記[1]又は[2]に記載の脱硫脱硝装置。
[5]活性炭を用いて排ガスに対して脱硫処理を行う脱硫工程と、活性炭を用いて、前記脱硫処理が行われた後の排ガスに対して脱硝処理を行う脱硝工程と、前記脱硫処理に用いられた後の活性炭に対して再生処理を行う再生工程と、前記再生処理後の活性炭を前記脱硝工程が行われる脱硝領域、及び前記脱硫工程が行われる脱硫領域に対して順に供給し、前記脱硫処理に用いられた後の活性炭を前記再生工程が行われる再生領域に対して供給する循環供給工程と、を含み、前記循環供給工程は、前記再生処理後の活性炭の一部を、前記脱硝領域を介さずに前記脱硝領域に対して供給することを含む、脱硫脱硝方法。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、排ガス処理の効率化に有用な脱硫脱硝装置、及び脱硫脱硝方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、脱硫脱硝装置の一例を示す模式図である。
図2図2は、排出部の一例を示す模式図である。
図3図3は、排出部の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して一実施形態について説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0009】
[脱硫脱硝装置]
図1には、一実施形態に係る脱硫脱硝装置が模式的に示されている。脱硫脱硝装置1は、活性炭を用いて、排ガスに対して脱硫処理及び脱硝処理を行うことで、排ガス中に含まれる環境負荷物質を除去する装置である。脱硫脱硝装置1は、乾式脱硫脱硝設備(Dry De-SOx De-NOx System)と称される場合もある。脱硫脱硝装置1は、排ガスに対して脱硫処理を行った後に、脱硫処理が行われた後の排ガスに対して脱硝処理を行う。すなわち、脱硫脱硝装置1では、排ガスに対して、脱硫処理と脱硝処理とが、この順に施される。脱硫脱硝装置1は、脱硝処理及び脱硫処理に用いられた後の活性炭に対して再生処理を行うことで、活性炭を循環させて利用する。
【0010】
脱硫脱硝装置1によって処理が行われる排ガスは、例えば、焼結機、発電ボイラー、ごみ焼却炉、又はセメントキルン等から排出されるガスである。排ガスに対して脱硫処理が行われることで、排ガスの中に含まれるSOx(硫黄酸化物)の少なくとも一部が除去される。排ガスに対して脱硝処理が行われることで、排ガスの中に含まれるNOx(窒素酸化物)の少なくとも一部が除去される。脱硫脱硝装置1は、脱硫処理及び脱硝処理が行われた後の排ガスを大気に放出してもよい。本開示では、説明の便宜のために、脱硫脱硝装置1による脱硫処理及び脱硝処理が行われる前の排ガスを「排ガスG0」と称し、脱硫処理が行われた後、脱硝処理が行われる前の排ガスを「排ガスG1」と称し、脱硫処理及び脱硝処理が行われた後の排ガスを「排ガスG2」と称する場合がある。
【0011】
脱硫脱硝装置1は、脱硫領域10と、脱硝領域20と、再生領域30と、循環供給部40と、を備える。脱硫脱硝装置1に供給される排ガスは、脱硫領域10と、脱硝領域20とをこの順で通過する。脱硫脱硝装置1は、脱硫領域10及び脱硝領域20に対して、処理対象の排ガスを順に流通させるガス流通部(例えば、ダクト)を備えてもよい。以下、脱硫領域10、脱硝領域20、再生領域30、及び循環供給部40のそれぞれについて説明する。
【0012】
(脱硫領域)
脱硫領域10は、活性炭を用いて排ガスG0に対して脱硫処理を行う領域である。脱硫脱硝装置1は、例えば、脱硫領域10を形成する脱硫塔12(脱硫部)を備える。一例では、脱硫塔12の内部に形成された脱硫領域10において、活性炭が上から下に降下しつつ排ガスG0に接触する。活性炭が排ガスG0に接触することにより、排ガスG0中に含まれるSOx(例えば、SO)が活性炭に吸着される。これにより、排ガスG0から少なくとも一部のSOxが除去される。活性炭による吸着には、物理吸着と化学吸着とが含まれてもよい。
【0013】
脱硫塔12は、SOxを除去した後の排ガスを、排ガスG1として脱硫塔12(脱硫領域10)の外に放出する。脱硫処理が行われることで、排ガスG1に含まれるSOxの量が、排ガスG0に含まれるSOxの量よりも少なくなる。脱硫領域10(脱硫塔12)での脱硫処理において、SOxに加えて、排ガスG0に含まれる他の環境負荷物質が吸着されてもよい。脱硫領域10は、排ガスG0中のSOxを活性炭により吸着して除去することが可能であれば、どのように形成されてもよい。脱硫領域10には、脱硝領域20での脱硝処理に用いられた後の活性炭が搬送され、また、後述のバイパスライン90を介して、再生領域30での再生処理後の活性炭が搬送される。
【0014】
(脱硝領域)
脱硝領域20は、活性炭を用いて、脱硫処理が行われた後の排ガス(排ガスG1)に対して脱硝処理を行う領域である。脱硫脱硝装置1は、例えば、脱硝領域20を形成する脱硝塔22(脱硝部)を備える。図1に示される例では、脱硝塔22は、脱硫塔12から離れた場所に設置されている。一例では、脱硝塔22の内部に形成された脱硝領域20において、排ガスG1に対してNH(アンモニア)が導入された状態で、活性炭が上から下に降下しつつ排ガスG1に接触する。NHが導入された状態で、活性炭が排ガスG1に接触することで、活性炭の触媒作用によって排ガスG1に含まれるNOxがHO(水)及びN(窒素)に分解される。これにより、排ガスG1から少なくとも一部のNOxが除去される。
【0015】
脱硝塔22は、NOxを除去した後の排ガスを、排ガスG2として脱硝塔22(脱硝領域20)の外に放出する。脱硝処理が行われることで、排ガスG2に含まれるNOxの量が、排ガスG1に含まれるNOxの量よりも少なくなる。脱硝領域20は、排ガスG1(脱硫処理後の排ガス)中のNOxを活性炭の触媒作用により除去することが可能であれば、どのように形成されてもよい。脱硝処理では、脱硫処理とは異なり、吸着による物質の除去が行われないので、脱硝処理に用いられた後の活性炭は、脱硫処理に利用することができる。脱硝領域20(脱硝塔22)での脱硝処理において、NOxに加えて、排ガスG1に含まれる他の環境負荷物質が吸着されてもよい。なお、排ガスG1に含まれる他の環境負荷物質が活性炭により吸着されても、その活性炭は、脱硫領域10での脱硫処理に利用可能である。脱硝領域20には、再生領域30での再生処理後の活性炭が搬送される。
【0016】
(再生領域)
再生領域30は、脱硫処理に用いられた後の活性炭に対して再生処理を行う領域である。なお、再生処理は、脱離処理とも称される。再生領域30による再生処理が行われる対象の活性炭には、脱硝処理及び脱硫処理の双方に用いられた後の活性炭が含まれる。脱硫脱硝装置1は、例えば、再生領域30を形成する再生処理塔32(脱離塔)を備える。図1に示される例では、再生処理塔32は、脱硫塔12及び脱硝塔22から離れた場所に設置されている。
【0017】
一例では、再生処理塔32の内部に形成された再生領域30において、不活性雰囲気下で活性炭が加熱される。これにより、活性炭からSOxが放出される(脱離する)。活性炭の加熱により、SOx以外の環境負荷物質の少なくとも一部が分解されてもよい。活性炭に対して再生処理が施されることで、その活性炭が、脱硝処理及び脱硫処理に再度利用可能となる。再生領域30には、脱硫領域10での脱硫処理に用いられた後の活性炭が搬送される。
【0018】
(循環供給部)
循環供給部40は、再生処理後の活性炭を脱硝領域20及び脱硫領域10に対して順に供給し、脱硫処理に用いられた後の活性炭を再生領域30に対して供給する処理(以下、「循環処理」という。)を実行する部分である。活性炭を脱硝領域20及び脱硫領域10に対して順に供給するとは、脱硝領域20に活性炭を供給した後に、脱硝領域20での脱硝処理に用いられた後の活性炭を脱硫領域10に供給することを意味する。循環供給部40は、ある領域に活性炭を供給する際に、その領域に向けて活性炭を運搬(搬送)する。
【0019】
循環供給部40は、循環処理を実行する際に、再生処理後の活性炭の一部を、脱硝領域20を介さずに脱硫領域10に対して供給可能である。循環供給部40は、脱硫脱硝装置1が脱硫処理及び脱硝処理の実行を継続している期間(以下、「稼働期間」という。)の少なくとも一部において、再生処理後の活性炭の一部を、脱硝領域20を介さずに脱硫領域10に対して供給する。すなわち、稼働期間の少なくとも一部において、再生処理後の活性炭の一部が脱硝領域20に供給されつつ、再生処理後の活性炭の一部が脱硝領域20を介さずに脱硫領域10に供給される。
【0020】
循環供給部40は、例えば、排出部50と、第1循環ライン60と、第2循環ライン70と、第3循環ライン80と、バイパスライン90と、を備える。排出部50は、再生処理後の活性炭から、粉化した活性炭粉及びダストを篩により分離させる機能と、活性炭粉等が分離された後の活性炭を、第1循環ライン60及びバイパスライン90のそれぞれに導入する機能と、を有する。排出部50の一例については後述する。
【0021】
第1循環ライン60は、再生領域30での再生処理後の活性炭を脱硝領域20に搬送する装置である。第1循環ライン60は、例えば、排出部50を経て導入された活性炭を、脱硝領域20を含む脱硝塔22まで搬送するコンベヤ等の輸送機器である。第1循環ライン60は、脱硝塔22まで搬送した活性炭を、脱硝塔22の上部から脱硝塔22の内部に形成された脱硝領域20に導入してもよい。
【0022】
第2循環ライン70は、脱硝領域20での脱硝処理に用いられた後の活性炭を脱硫領域10に搬送する装置である。第2循環ライン70は、例えば、脱硝塔22の下部から排出された活性炭を受け入れて、脱硫領域10を含む脱硫塔12まで活性炭を搬送するコンベヤ等の輸送機器である。第2循環ライン70は、脱硫塔12まで搬送した活性炭を、脱硫塔12の上部から脱硫塔12の内部に形成された脱硫領域10に導入してもよい。
【0023】
第3循環ライン80は、脱硫領域10での脱硫処理に用いられた後の活性炭を再生領域30に搬送する装置である。第3循環ライン80は、例えば、脱硫塔12の下部から排出された活性炭を受け入れて、再生領域30を含む再生処理塔32まで活性炭を搬送するコンベヤ等の輸送機器である。第3循環ライン80は、再生処理塔32まで搬送した活性炭を、再生処理塔32の上部から再生処理塔32の内部に形成された再生領域30に導入してもよい。
【0024】
以上の第1循環ライン60、第2循環ライン70、及び第3循環ライン80によって、再生領域30、脱硝領域20、及び脱硫領域10をこの順に循環する、活性炭の循環路が形成される。なお、上記循環路を活性炭が循環する際に、脱硫領域10等の各種領域を通過することに伴い、活性炭の損耗、及び、各種領域を形成する設備の摩耗が生じ得る。これらの損耗及び摩耗の程度は、活性炭の単位時間あたりの循環量が増加するにつれて、大きくなる傾向がある。
【0025】
バイパスライン90は、再生処理後の活性炭を再生領域30から第2循環ライン70の途中に合流させることが可能な装置である。バイパスライン90は、脱硝領域20を経由せずに、再生処理後の活性炭を第2循環ライン70の途中に合流させる。バイパスライン90から第2循環ライン70の途中に合流した活性炭は、第2循環ライン70によって脱硫領域10(脱硫塔12)まで搬送される。すなわち、バイパスライン90によって活性炭が搬送された場合には、第2循環ライン70は、脱硝領域20での脱硝処理に用いられた活性炭に加えて、脱硝領域20を経ずに導入された活性炭を脱硫領域10まで搬送する。
【0026】
バイパスライン90は、例えば、排出部50を経て導入された活性炭を、第2循環ライン70の途中まで搬送するコンベヤ等の輸送機器である。バイパスライン90は、第2循環ライン70の途中まで搬送した活性炭を、第2循環ライン70に含まれるコンベヤ等の輸送機器の所定箇所に導入してもよい。バイパスライン90は、第2循環ライン70のうちの水平方向に活性炭を搬送する部分に活性炭を導入してもよい。
【0027】
続いて、図2を参照しながら、排出部50と、第1循環ライン60及びバイパスライン90それぞれへの活性炭の供給量の調節方法とについて説明する。脱硫脱硝装置1は、制御装置100を備える。制御装置100は、少なくとも、循環路及びバイパスライン90への活性炭の供給量を調節することを実行するように構成されたコンピュータである。制御装置100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び入出力インターフェイス等を備える。
【0028】
制御装置100は、予め定められた制御手順に従って、排出部50等を制御する。制御装置100は、例えば、排ガスG0に含まれるSOxの量を示す情報を取得し、当該情報に基づいて、第1循環ライン60及びバイパスライン90それぞれへの活性炭の供給量を調節するように排出部50を制御する。本開示において、第1循環ライン60(上記循環路)及びバイパスライン90それぞれへの活性炭の供給量は、単位時間あたりの活性炭の供給量を意味する。
【0029】
制御装置100は、排ガスG0に含まれるSOxの量が所定レベルを超えた場合に、排出部50からバイパスライン90に活性炭を供給するように、排出部50を制御してもよい。制御装置100は、排ガスG0に含まれるSOxの量が上記所定レベル以下である場合に、排出部50からバイパスライン90に活性炭が供給されないように、排出部50を制御してもよい。
【0030】
一例では、制御装置100は、バイパスライン90に対して活性炭を供給する場合において、排ガスG0に含まれるSOxの量が多くなるに従って、バイパスライン90への活性炭の供給量が増加するように排出部50を制御する。制御装置100は、排ガスG0に含まれるSOxの量に関係なく、第1循環ライン60への活性炭の供給量が略一定となるように、排出部50を制御してもよい。なお、制御装置100は、排ガスG0に含まれるSOxの量等を確認したオペレータからの指示に基づいて、排出部50を制御してもよい。
【0031】
排出部50は、例えば、篩52と、第1排出管53と、第2排出管54と、第3排出管55と、を有する。篩52は、第1循環ライン60及びバイパスライン90よりも前工程(上流)に配置されている。篩52は、第1循環ライン60及びバイパスライン90よりも上方に配置されてもよい。第1排出管53、第2排出管54及び第3排出管55は、篩52と、第1循環ライン60及びバイパスライン90との間を接続する。
【0032】
篩52は、再生領域30での再生処理が行われた後の活性炭から、活性炭粉及びダストを分離する。篩52には、第1排出管53の上端部が接続されており、篩52は、活性炭粉等が分離された後の活性炭を第1排出管53に排出する。第1排出管53は、その下端部まで篩52から排出された活性炭を導く導出路を形成する。第1排出管53の下端部は、第2排出管54と第3排出管55とに分岐される。
【0033】
第2排出管54は、第1循環ライン60まで活性炭を導く導出路を形成し、第3排出管55は、バイパスライン90まで活性炭を導く導出路を形成する。第1排出管53、第2排出管54、及び第3排出管55は、第1排出管53からの活性炭が、第3排出管55に最初に導入されるように形成されている。例えば、第1排出管53、第2排出管54、及び第3排出管55では、第1排出管53からの活性炭が、その流量、流速、又は、流量及び流速の両方の大きさによらず、第3排出管55のみに最初に導入される。
【0034】
また、第1排出管53、第2排出管54、及び第3排出管55は、第3排出管55の内部に活性炭が充填され、第3排出管55の内部に活性炭が導入できない状態で、第1排出管53から第2排出管54に活性炭が導入されるように形成されている。第1排出管53からの活性炭の導入先が、第3排出管55から第2排出管54に切り替わった際には、第1排出管53から新しく導入される活性炭が、第3排出管55内に既に充填されている活性炭により形成される壁面に接触する。これにより、活性炭の損耗を軽減させることができ、排出管を構成する部材の損耗を軽減させることができる。
【0035】
排出部50は、調節部材56を有する。調節部材56は、脱硝領域20を介さずに脱硫領域10に向けて搬送される活性炭の量を変更可能な部材である。調節部材56は、第3排出管55によって形成される導出路に設けられている。調節部材56は、例えば、制御装置100に接続された駆動部によって駆動され、第3排出管55の導出路の開度(活性炭が通過可能な面積)を変化させるように構成されている。調節部材56は、第3排出管55の導出路の開度が0%となり、バイパスライン90に活性炭が供給されない閉状態と、所定の開度(例えば、100%)との間で、上記開度を変化させる。
【0036】
図2に示される例では、調節部材56が、バイパスライン90に活性炭が供給されない上記閉状態となっている。また、第3排出管55の導出路のうちの、調節部材56と、第3排出管55の上端部(上流側の端部)との間の空間55Sの全体に活性炭が充填されている様子が例示されている。空間55Sの全体に活性炭が充填された状態で、篩52から第1排出管53に活性炭が排出されると、その活性炭は、第2排出管54を介して第1循環ライン60に供給される。
【0037】
制御装置100の制御により、調節部材56の開度が0%よりも大きくなると、空間55Sに充填されていた活性炭が、バイパスライン90に供給される。第3排出管55からバイパスライン90に活性炭が供給されている間、篩52から排出された活性炭は、空間55Sに導入され得る。以上のように、調節部材56による第3排出管55の導出路の開度を調節することで、バイパスライン90への活性炭の供給量を調節可能である。制御装置100は、バイパスライン90への活性炭の供給量が目標値に近づくように、調節部材56を制御してもよい。
【0038】
図3に示されるように、脱硫脱硝装置1は、排出部50に代えて、排出部50Aを備えてもよい。排出部50Aは、篩52と、排出管57と、切替部材58と、を有する。排出管57は、篩52と、第1循環ライン60及びバイパスライン90との間を接続する。排出管57は、その上端部が篩52に接続されており、篩52から排出された活性炭を、第1循環ライン60とバイパスライン90とのそれぞれに分岐させる導出路を形成する。
【0039】
切替部材58は、脱硝領域20に向けて搬送される活性炭と、脱硝領域20を介さずに脱硫領域10に向けて搬送される活性炭との分配量を調節可能な部材である。具体的には、切替部材58は、第1循環ライン60に導入される活性炭の量と、バイパスライン90に導入される活性炭の量との割合を変更可能である。切替部材58は、排出管57によって形成される導出路の分岐部分に設けられており、例えば、制御装置100に接続された駆動部によって水平な軸線58aまわりに回転可能な弁体によって構成されている。
【0040】
切替部材58は、バイパスライン90に活性炭が導入されず、篩52から排出された活性炭が第1循環ライン60に導入される第1角度と、第1循環ライン60に活性炭が導入されず、篩52から排出された活性炭がバイパスライン90に導入される第2角度との間で回転可能である。第1角度と第2角度との間では、切替部材58の角度に応じて、第1循環ライン60及びバイパスライン90それぞれに導入される活性炭の量(分配量)が変化する。
【0041】
以上のように、切替部材58の角度を調節することで、第1循環ライン60に導入される活性炭とバイパスライン90に導入される活性炭との分配量が調節可能である。なお、切替部材58の角度を調節することで、バイパスライン90への活性炭の供給量が調節される。制御装置100は、バイパスライン90への活性炭の供給量が目標値に近づくように、切替部材58を制御してもよい。
【0042】
[脱硫脱硝方法]
続いて、脱硫脱硝装置1において実行される脱硫脱硝方法について説明する。この脱硫脱硝方法は、脱硫工程と、脱硝工程と、再生工程と、循環供給工程と、を含む。これらの工程は、脱硫脱硝装置1が稼働する上記稼働期間において、並行して実行される。
【0043】
脱硫工程は、活性炭を用いて排ガス(排ガスG0)に対して脱硫処理を行う工程である。脱硫工程は、例えば、脱硫塔12によって形成された脱硫領域10において行われる。脱硝工程は、活性炭を用いて、脱硫処理が行われた後の排ガス(排ガスG1)に対して脱硝処理を行う工程である。脱硝工程は、例えば、脱硝塔22によって形成された脱硝領域20において行われる。再生工程(脱離工程)は、脱硫処理に用いられた後の活性炭に対して再生処理を行う工程である。再生工程は、例えば、再生処理塔32によって形成された再生領域30において行われる。
【0044】
循環供給工程は、再生処理後の活性炭を脱硝領域20及び脱硫領域10に対して順に供給し、脱硫処理に用いられた後の活性炭を再生領域30に対して供給する工程である。循環供給工程では、例えば、第1循環ライン60によって、再生処理後の活性炭が脱硝領域20まで搬送されることで脱硝領域20に対して活性炭が供給され、第2循環ライン70によって脱硝処理に用いられた後の活性炭が脱硫領域10まで搬送されることで脱硫領域10に対して活性炭が供給される。また、循環供給工程では、例えば、第3循環ライン80によって、少なくとも脱硫処理に用いられた後の活性炭が再生領域30まで搬送されることで再生領域30に対して活性炭が供給される。
【0045】
循環供給工程は、再生処理後の活性炭の一部を、脱硝領域20を介さずに脱硫領域10に対して供給することを含む。例えば、循環供給工程が実行される期間の少なくとも一部の期間において、バイパスライン90によって、再生処理後の活性炭が、第2循環ライン70の途中に供給されることで、脱硝領域20を介さずに脱硫領域10に対して活性炭が供給される。循環供給工程において、排出部50の調節部材56、又は排出部50Aの切替部材58によって、脱硝領域20を介さずに脱硫領域10に対して供給される活性炭の量(供給量)が調節されてもよい。
【0046】
[変形例]
以上に説明した脱硫脱硝装置1及び脱硫脱硝方法は一例であり、適宜変更可能である。脱硫脱硝装置1は、複数の脱硫塔12を備えてもよく、複数の脱硫塔12それぞれが形成する脱硫領域10において、脱硫処理が行われてもよい。この場合、第2循環ライン70は、複数の脱硫塔12それぞれに対して活性炭を供給してもよく、第3循環ライン80は、複数の脱硫塔12それぞれから脱硫処理に用いられた後の活性炭を受け入れてもよい。
【0047】
脱硫脱硝装置1は、複数の脱硝塔22を備えてもよく、複数の脱硝塔22それぞれが形成する脱硝領域20において、脱硝処理が行われてもよい。この場合、第1循環ライン60は、複数の脱硝塔22それぞれに対して活性炭を供給してもよく、第2循環ライン70は、複数の脱硝塔22それぞれから脱硝処理に用いられた後の活性炭を受け入れてもよい。
【0048】
以上に説明した脱硫脱硝装置1では、互いに離れた場所に設置された脱硫塔12及び脱硝塔22によって、脱硫領域10及び脱硝領域20が形成されているが、1つの塔(1つの設備)内に、脱硫領域10及び脱硝領域20の双方が形成されてもよい。例えば、1つの塔内において、上半分に脱硝領域20を形成する脱硝部と、下半分に脱硫領域10を形成する脱硫部が設けられてもよい。この場合、通常の循環路を通る活性炭は、上方に位置する脱硝領域20と、下方に位置する脱硫領域10とを、この順で通過する。また、上方に位置する脱硝領域20をバイパス(迂回)する活性炭は、脱硫領域10及び脱硝領域20を含む塔内において、脱硝領域20を経ずに脱硫領域10に対して供給される。
【0049】
以上に説明した種々の例のうちの1つの例に対して、他の例で説明した事項の少なくとも一部が組み合わされてもよい。
【0050】
[実施形態の効果]
以上に説明した脱硫脱硝装置1は、活性炭を用いて排ガスに対して脱硫処理を行う脱硫領域10と、活性炭を用いて、脱硫処理が行われた後の排ガスに対して脱硝処理を行う脱硝領域20と、脱硫処理に用いられた後の活性炭に対して再生処理を行う再生領域30と、再生処理後の活性炭を脱硝領域20及び脱硫領域10に対して順に供給し、脱硫処理に用いられた後の活性炭を再生領域30に対して供給する循環処理を実行する循環供給部40と、を備える。循環供給部40は、循環処理を実行する際に、再生処理後の活性炭の一部を、脱硝領域20を介さずに脱硫領域10に対して供給可能である。
【0051】
近年においては、脱硫脱硝装置に対して供給される排ガスのSOxの濃度が高い傾向がある。そのため、脱硫処理を行う脱硫領域に対する活性炭の供給量(循環量)を増加させないと、脱硫処理及び脱硝処理を含む排ガス処理後の排ガスに含まれるSOxの濃度が、規制値を満たさない場合が生じ得る。上記特許文献1に記載の技術のように、脱硫領域に対して、脱硝領域を介したラインのみから活性炭が供給される装置において、SOxの濃度をより低下させるために脱硫領域への活性炭の供給量を増加させると、脱硝領域への活性炭の供給量も増加することになる。この場合、脱硝領域での脱硝処理に必要な活性炭の量は、脱硫処理に比べて少ないので、脱硝領域に対して過度の量の活性炭が供給されることになる。その結果、脱硝領域を活性炭が通過することに伴う、活性炭の損耗、及び脱硝領域を形成する設備の摩耗の程度が大きくなる。
【0052】
これに対して、上記脱硫脱硝装置1では、循環供給部40によって、再生処理後の活性炭の一部を、脱硝領域20を介さずに脱硫領域10に対して供給可能である。これにより、脱硫領域10及び脱硝領域20のそれぞれに対する活性炭の供給量を、処理に適した量に独立して調節することができる。そのため、SOxの濃度をより低下させるために脱硫領域への活性炭の供給量を増加させても、活性炭の損耗、及び脱硝領域を形成する設備の摩耗を抑制することができる。従って、上記脱硫脱硝装置1は、排ガス処理の効率化に有用である。
【0053】
以上に説明した脱硫脱硝装置1において、循環供給部40は、再生処理後の活性炭を脱硝領域20に搬送する第1循環ライン60と、脱硝処理に用いられた後の活性炭を脱硫領域10に搬送する第2循環ライン70と、脱硫処理に用いられた後の活性炭を再生領域30に搬送する第3循環ライン80と、再生処理後の活性炭を再生領域30から第2循環ライン70の途中に合流させることが可能なバイパスライン90と、を有してもよい。この場合、再生処理後の活性炭の一部を、再生領域30から脱硝領域20を介さずに脱硫領域10まで搬送するラインを第2循環ライン70とは独立して設ける場合に比べて、活性炭を搬送するための装置を簡素化できる。
【0054】
以上に説明した脱硫脱硝装置1において、循環供給部40は、脱硝領域20に向けて搬送される活性炭と、脱硝領域20を介さずに脱硫領域10に向けて搬送される活性炭との分配量を変更可能な切替部材58を有してもよい。この場合、切替部材58によって、脱硫領域10で脱硫処理が行われる前の排ガス中のSOxの濃度に応じて、脱硫領域10に対して適切な量の活性炭を供給することができる。
【0055】
以上に説明した脱硫脱硝装置1において、循環供給部40は、脱硝領域20を介さずに脱硫領域10に向けて搬送される活性炭の量を変更可能な調節部材56を有してもよい。この場合、調節部材56によって、脱硫領域10で脱硫処理が行われる前の排ガス中のSOxの濃度に応じて、脱硫領域10に対して適切な量の活性炭を供給することができる。
【0056】
以上に説明した脱硫脱硝方法は、活性炭を用いて排ガスに対して脱硫処理を行う脱硫工程と、活性炭を用いて、脱硫処理が行われた後の排ガスに対して脱硝処理を行う脱硝工程と、脱硫処理に用いられた後の活性炭に対して再生処理を行う再生工程と、再生処理後の活性炭を脱硝工程が行われる脱硝領域20、及び脱硫工程が行われる脱硫領域10に対して順に供給し、脱硫処理に用いられた後の活性炭を再生工程が行われる再生領域30に対して供給する循環供給工程と、を含む。循環供給工程は、再生処理後の活性炭の一部を、脱硝領域20を介さずに脱硫領域10に対して供給することを含む。この脱硫脱硝方法は、上記脱硫脱硝装置1と同様に、排ガス処理の効率化に有用である。
【符号の説明】
【0057】
1…脱硫脱硝装置、10…脱硫領域、20…脱硝領域、30…再生領域、40…循環供給部、50,50A…排出部、56…調節部材、58…切替部材、60…第1循環ライン、70…第2循環ライン、80…第3循環ライン、90…バイパスライン、100…制御装置。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2023-05-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性炭を用いて排ガスに対して脱硫処理を行う脱硫領域と、
活性炭を用いて、前記脱硫処理が行われた後の排ガスに対して脱硝処理を行う脱硝領域と、
前記脱硫処理に用いられた後の活性炭に対して再生処理を行う再生領域と、
前記再生処理後の活性炭を前記脱硝領域及び前記脱硫領域に対して順に供給し、前記脱硫処理に用いられた後の活性炭を前記再生領域に対して供給する循環処理を実行する循環供給部と、を備え、
前記循環供給部は、前記循環処理を実行する際に、前記再生処理後の活性炭の一部を、前記脱硝領域を介さずに前記脱硫領域に対して供給可能であり、
前記循環供給部は、前記再生処理後の活性炭を搬送するラインに前記再生処理後の活性炭を導入する排出部を有し、
前記排出部は、前記脱硝領域に向けて搬送される活性炭と、前記脱硝領域を介さずに前記脱硫領域に向けて搬送される活性炭との分配量を変更可能な切替部材を含む、脱硫脱硝装置。
【請求項2】
活性炭を用いて排ガスに対して脱硫処理を行う脱硫領域と、
活性炭を用いて、前記脱硫処理が行われた後の排ガスに対して脱硝処理を行う脱硝領域と、
前記脱硫処理に用いられた後の活性炭に対して再生処理を行う再生領域と、
前記再生処理後の活性炭を前記脱硝領域及び前記脱硫領域に対して順に供給し、前記脱硫処理に用いられた後の活性炭を前記再生領域に対して供給する循環処理を実行する循環供給部と、を備え、
前記循環供給部は、前記循環処理を実行する際に、前記再生処理後の活性炭の一部を、前記脱硝領域を介さずに前記脱硫領域に対して供給可能であり、
前記循環供給部は、前記再生処理後の活性炭を搬送するラインに前記再生処理後の活性炭を導入する排出部を有し、
前記排出部は、前記脱硝領域を介さずに前記脱硫領域に向けて搬送される活性炭の量を変更可能な調節部材を含む、脱硫脱硝装置。
【請求項3】
前記循環供給部は、
前記再生処理後の活性炭を前記脱硝領域に搬送する第1循環ラインと、
前記脱硝処理に用いられた後の活性炭を前記脱硫領域に搬送する第2循環ラインと、
前記脱硫処理に用いられた後の活性炭を前記再生領域に搬送する第3循環ラインと、
前記再生処理後の活性炭を前記再生領域から前記第2循環ラインの途中に合流させることが可能なバイパスラインと、を有する、請求項1又は2に記載の脱硫脱硝装置。
【請求項4】
前記脱硫処理が行われる前の排ガスに含まれる硫黄酸化物の量に基づいて、前記排出部を制御する制御装置を更に備える、請求項1又は2に記載の脱硫脱硝装置。
【請求項5】
活性炭を用いて排ガスに対して脱硫処理を行う脱硫工程と、
活性炭を用いて、前記脱硫処理が行われた後の排ガスに対して脱硝処理を行う脱硝工程と、
前記脱硫処理に用いられた後の活性炭に対して再生処理を行う再生工程と、
前記再生処理後の活性炭を前記脱硝工程が行われる脱硝領域、及び前記脱硫工程が行われる脱硫領域に対して順に供給し、前記脱硫処理に用いられた後の活性炭を前記再生工程が行われる再生領域に対して供給する循環供給工程と、を含み、
前記循環供給工程は、
前記再生処理後の活性炭の一部を、前記脱硝領域を介さずに前記脱硝領域に対して供給することと、
前記再生処理後の活性炭を搬送するラインに前記再生処理後の活性炭を導入する排出部において、前記脱硝領域に向けて搬送される活性炭と、前記脱硝領域を介さずに前記脱硫領域に向けて搬送される活性炭との分配量を切替部材により変更すること、又は、前記脱硝領域を介さずに前記脱硫領域に向けて搬送される活性炭の量を調節部材により変更することと、を含む、脱硫脱硝方法。