(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113317
(43)【公開日】2024-08-22
(54)【発明の名称】ベース、及び、ハードディスク駆動装置
(51)【国際特許分類】
G11B 33/12 20060101AFI20240815BHJP
G11B 21/02 20060101ALI20240815BHJP
【FI】
G11B33/12 313C
G11B21/02 630A
G11B33/12 313T
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023018204
(22)【出願日】2023-02-09
(71)【出願人】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】昭和 秀明
(72)【発明者】
【氏名】中根 純一
(57)【要約】
【課題】ピボット用シャフトにおける鋳巣の発生を回避するとともに、ベースの密封性向上を可能にする技術を提供する。
【解決手段】ベース10は、ハードディスク駆動装置の筐体の一部となる。ベース10は、底板部12と、上下方向に延在するピボット用シャフト14と、を備える。ピボット用シャフト14は、底板部と一体に形成される第1軸部14aと、下端領域140aにおいて第1軸部に固定され、上端領域140bにおいてハードディスク駆動装置1のカバー40が取付けられる第2軸部14bと、を有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハードディスク駆動装置の筐体の一部となるベースであって、
底板部と、
上下方向に延在するピボット用シャフトと、を備え、
前記ピボット用シャフトは、
前記底板部と一体に形成される第1軸部と、
下端領域において前記第1軸部に固定され、上端領域において前記ハードディスク駆動装置のカバーが取付けられる第2軸部と、を有する、
ベース。
【請求項2】
前記第1軸部及び前記第2軸部は、圧入及び接着の少なくともいずれか一方、又は、螺合及び接着の少なくともいずれか一方により、固定されている、
請求項1に記載のベース。
【請求項3】
前記第1軸部は、前記底板部から上方に延在する第1基部と、前記第1基部から上方に延在し、前記第1基部より小径のピン部と、を有し、
前記第2軸部は、前記カバーが取付けられる第2基部と、前記第2基部から下方に延在する下方延在部と、前記下方延在部の下端面から上方に凹み、前記ピン部が圧入される穴部と、を有し、
又は、
前記第2軸部は、前記カバーが取付けられる第2基部と、前記第2基部から下方に延在し、前記第2基部より小径のピン部と、を有し、
前記第1軸部は、前記底板部から上方に延在する第1基部と、前記第1基部から上方に延在する上方延在部と、前記上方延在部の上部面から下方に凹み、前記ピン部が圧入される穴部と、を有する、
請求項2に記載のベース。
【請求項4】
前記ピン部は、前記ピン部の先端領域に、前記先端領域の基端から先端に向かって、前記穴部との間の距離が大きくなるテーパ部を有する、
請求項3に記載のベース。
【請求項5】
前記ピン部と前記穴部との間に接着剤が介在する、
請求項3に記載のベース。
【請求項6】
前記下方延在部は、前記ピン部が前記穴部に圧入された状態で、前記穴部の内部空間と外部空間とを接続する接続通路を有し、
又は、
前記上方延在部は、前記ピン部が前記穴部に圧入された状態で、前記穴部の内部空間と外部空間とを接続する接続通路を有する、
請求項3に記載のベース。
【請求項7】
前記第1軸部は、前記底板部から上方に延在する第1基部と、前記第1基部から上方に延在し、前記第1基部より小径のネジ結合部と、を有し、
前記第2軸部は、前記カバーが取付けられる第2基部と、前記第2基部から下方に延在する下方延在部と、前記下方延在部の下端面から上方に凹み、前記ネジ結合部が螺合される被ネジ結合部と、を有し、
又は、
前記第2軸部は、前記カバーが取付けられる第2基部と、前記第2基部から下方に延在し、前記第2基部より小径のネジ結合部と、を有し、
前記第1軸部は、前記底板部から上方に延在する第1基部と、前記第1基部から上方に延在する上方延在部と、前記上方延在部の上部面から下方に凹み、前記ネジ結合部が螺合される被ネジ結合部と、を有する、
請求項2に記載のベース。
【請求項8】
前記第1軸部は、前記底板部から上方に延在する第1基部を有し、
前記第2軸部は、前記カバーが取付けられる第2基部と、前記第2基部から下方に延在する下方延在部と、前記下方延在部の下端面から上方に凹み、前記第1基部が少なくとも部分的に圧入される穴部と、を有する、
請求項2に記載のベース。
【請求項9】
前記底板部は、前記底板部の一部が下方に凹んで形成される凹部を有し、
前記第1基部は、前記凹部の底面から上方に延在しており、
前記第2軸部は、前記凹部に収容され、前記下方延在部の外面から前記上下方向に対し垂直方向に延在するフランジ部を有し、
前記フランジ部は、上方を向く取付面であって、前記ハードディスク駆動装置のアクセス部が取付けられる取付面を有する、
請求項8に記載のベース。
【請求項10】
前記第1軸部は、前記第1基部から上方に延在するテーパ部を有し、
前記テーパ部は、前記第1基部側の基端から先端に向かって、前記穴部との間の距離が大きくなる、
請求項8又は9に記載のベース。
【請求項11】
前記第1基部と前記穴部との間に接着剤が介在する、
請求項8又は9に記載のベース。
【請求項12】
前記下方延在部は、前記第1基部が前記穴部に圧入された状態で、前記穴部の内部空間と外部空間とを接続する接続通路を有する、
請求項8又は9に記載のベース。
【請求項13】
前記フランジ部は、前記取付面の外縁から下方に延在するフランジ外面を有し、前記フランジ外面と前記凹部の内面との間には、隙間が形成されている、
請求項9に記載のベース。
【請求項14】
前記第1軸部は、前記底板部から上方に延在する第1基部と、前記第1基部に形成されるネジ結合部と、を有し、
前記第2軸部は、前記カバーが取付けられる第2基部と、前記第2基部から下方に延在する下方延在部と、前記下方延在部の下端面から上方に凹み、前記ネジ結合部が螺合される被ネジ結合部と、を有する、
請求項2に記載のベース。
【請求項15】
前記底板部は、前記底板部の一部が下方に凹んで形成される凹部を有し、
前記第1基部は、前記凹部の底面から上方に延在しており、
前記第2軸部は、前記凹部に収容され、前記下方延在部の外面から前記上下方向に対し垂直方向に延在するフランジ部を有し、
前記フランジ部は、上方を向く取付面であって、前記ハードディスク駆動装置のアクセス部が取付けられる取付面を有する、
請求項14に記載のベース。
【請求項16】
前記底板部は、前記底板部の一部が下方に凹んで形成される凹部を有し、
前記第1軸部は、前記凹部の底面から上方に延在する第1基部を有し、
前記第2軸部は、前記カバーが取付けられる第2基部と、前記第2基部から下方に延在する下方延在部と、前記下方延在部の下端面から上方に凹み、前記第1基部が挿入される穴部と、前記凹部に収容され、前記下方延在部の外面から前記上下方向に対し垂直方向に延在するフランジ部と、を有し、
前記フランジ部は、上方を向く取付面であって、前記ハードディスク駆動装置のアクセス部が取付けられる取付面と、前記取付面の外縁から下方に延在するフランジ外面であって、前記凹部の内面との間に隙間を有するフランジ外面と、を有し、
前記第1基部及び前記穴部の間には接着剤が介在されており、
前記隙間には、紫外線硬化接着剤が介在されている、
請求項2に記載のベース。
【請求項17】
前記ベースは、前記底板部の上面において、下方に凹む少なくとも一つの溝を有し、
前記第1軸部は、前記底板部から上方に延在する第1基部を有し、
前記第2軸部は、前記カバーが取付けられる第2基部と、前記第2基部から下方に延在し、下端面において前記溝を少なくとも部分的に覆いつつ、前記上面に当接する下方延在部と、前記下端面から上方に凹み、前記第1基部が挿入される穴部と、を有し、
前記第1基部及び前記穴部の間には接着剤が介在されており、
前記溝には、紫外線硬化接着剤、又は、嫌気性接着剤が収容されている、
請求項2に記載のベース。
【請求項18】
前記第1基部の外面及び前記穴部の内面の少なくともいずれか一方に、環状の凹溝が設けられる、
請求項16又は17に記載のベース。
【請求項19】
請求項1から18までのいずれか一項に記載のベースと、
前記ベースに取付けられ、前記ベースとともに前記筐体を形成するカバーと、
前記筐体の内部に配置され、前記ベースに支持されるスピンドルモータと、
前記筐体の内部に配置され、前記スピンドルモータにより回転する記録ディスクと、
前記筐体の内部において前記ピボット用シャフトに支持され、前記記録ディスクに対するデータの記録、及び、前記記録ディスクに記録されたデータの読み出しを行うアクセス部と、
を備えるハードディスク駆動装置。
【請求項20】
前記筐体には、空気よりも低密度の気体が封入されている、請求項19に記載のハードディスク駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベース、及び、ハードディスク駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ベースとピボット用シャフトを別部材で準備し、ピボット用シャフトをベースに固定する技術が知られている(特許文献1)。また、ベースとピボット用シャフトを一体に形成する技術も知られている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-77237号公報
【特許文献2】米国特許10891980号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、ニアラインタイプのハードディスク駆動装置に対する需要が増加し、ハードディスク駆動装置の高容量化、及び、低消費電力化の傾向が高まっている。
【0005】
ハードディスク駆動装置の高容量化を図るため、筐体の高さを高くすることがある。筐体の高さが高くなると、ピボット用シャフトの長さが長くなる。この場合、ピボット用シャフトは、径方向の長さよりも軸方向の長さが長い部材であるため、軸方向の先端部分に鋳巣が発生しやすくなる。
【0006】
一方、ハードディスク駆動装置の低消費電力化を図るため、筐体の内部空間に、ヘリウムガスを封入することがある。この場合、筐体の密封性を確保する必要がある。
【0007】
特許文献1に記載の技術では、ベースとピボット用シャフトを別部材で準備しているため、ピボット用シャフトにおける鋳巣の発生を抑制しやすいものの、筐体の密封性が低下するおそれがある。
【0008】
特許文献2に記載の技術では、ベースとピボット用シャフトを一体で形成しているため、筐体の密封性を確保しやすいものの、ピボット用シャフトに鋳巣が発生するおそれがある。
【0009】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ピボット用シャフトにおける鋳巣の発生を回避するとともに、ベースの密封性向上を可能にする技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明に係るベースは、ハードディスク駆動装置の筐体の一部となるベースであって、底板部と、上下方向に延在するピボット用シャフトと、を備え、前記ピボット用シャフトは、前記底板部と一体に形成される第1軸部と、下端領域において前記第1軸部に固定され、上端領域において前記ハードディスク駆動装置のカバーが取付けられる第2軸部と、を有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明のベースによれば、ピボット用シャフトにおける鋳巣の発生が回避されるとともに、ベースの密封性向上が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1実施形態に係るハードディスク駆動装置の一例を示す斜視図である。
【
図2】
図1のハードディスク駆動装置に用いられるスピンドルモータの一例を示す部分断面図である。
【
図3】
図1のハードディスク駆動装置に用いられるベースの一例を示す部分断面図であり、(a)は、ピボット用シャフトの全体を示し、(b)は、ピボット用シャフトの一部を拡大して示す。
【
図4】
図1のハードディスク駆動装置に用いられるベースの製造方法の一例を示すステップチャートである。
【
図5】
図3に示すベースの変形例を示す部分断面図である。
【
図6】
図5に示すベースの製造方法の一例を示すステップチャートである。
【
図7】第2実施形態に係るベースの一例を示す部分断面図であり、(a)は、ピボット用シャフトの全体を示し、(b)は、ピボット用シャフトの一部を拡大して示す。
【
図8】
図7に示すベースの変形例1を示す部分断面図である。
【
図9】
図7に示すベースの変形例2を示す部分断面図である。
【
図10】
図7に示すベースの変形例3を示す部分断面図である。
【
図11】
図7に示すベースの変形例4を示す部分断面図である。
【
図12】
図7に示すベースの変形例5を示す部分断面図である。
【
図13】
図7に示すベースの変形例6を示す部分断面図であり、(a)は、ピボット用シャフトの全体を示し、(b)は、ピボット用シャフト及び底板部の一部を拡大して示す。
【
図14】
図13に示すベースの製造方法の一例を示すステップチャートである。
【
図15】
図7に示すベースの変形例7を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。各図面に示される同一又は同等の構成要素、部材等には同一の符号を付し、適宜重複した説明は省略する。
【0014】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係るハードディスク駆動装置1の一例を示す斜視図である。
図2は、
図1のハードディスク駆動装置1に用いられるスピンドルモータ50の一例を示す部分断面図である。
図3は、
図1のハードディスク駆動装置1に用いられるベース10の一例を示す部分断面図であり、(a)は、ピボット用シャフト14の全体を示し、(b)は、ピボット用シャフト14の一部を拡大して示す。
図4は、
図1のハードディスク駆動装置1に用いられるベース10の製造方法の一例を示すステップチャートである。
【0015】
以下、モータ用シャフト51の中心軸線C1(
図2)及びピボット用シャフト14の中心軸線C2(
図3等)に平行な方向を、軸方向とする。これらの軸方向に垂直な方向を、それぞれ、径方向とする。モータ用シャフト51の中心軸線C1周り及びピボット用シャフト14の中心軸線C2周りの方向を、それぞれ、周方向とする。説明の便宜上、軸方向を上下方向とし、モータ用シャフト51及びピボット用シャフト14に対してベース10の底板部12の側を下とし、その逆を上とする。なお、この上下方向は、必ずしも鉛直方向をいうものではない。従って、ハードディスク駆動装置1の設置場所又は向きに応じて、上下方向が水平方向、鉛直方向その他の方向にもなり得る。
【0016】
(ハードディスク駆動装置1)
図1に示すように、ハードディスク駆動装置1は、筐体30と、スピンドルモータ50と、記録ディスク60と、アクセス部70と、ボイスコイルモータ72と、コネクタ74とを備える。
【0017】
筐体30は、ベース10と、ベース10に取付けられるカバー40とを有する。カバー40は、ベース10の開放された面を塞ぐ板状の部材である。カバー40は、雄ねじ80を用いて、ベース10に締結される。カバー40とベース10との間にはシール手段(図示せず)が設けられ、これにより、カバー40は、ベース10と共に、密封された内部空間を有する筐体30を形成する。
【0018】
筐体30の内部空間には、空気よりも低密度の気体としてヘリウムガスが封入されている。内部空間には、例えば、窒素ガス、もしくはヘリウムと窒素との混合ガスが充填されてもよい。内部空間には、空気よりも低密度の他の気体を封入することもできる。なお、内部空間には、空気が収容されてもよい。内部空間には、スピンドルモータ50と、記録ディスク60と、アクセス部70と、ボイスコイルモータ72と、コネクタ74とが収容される。
【0019】
記録ディスク60は、複数設けられ、それぞれのディスク面が対向するように、スピンドルモータ50の回転部50bのロータ55に支持される。それぞれの記録ディスク60の間には、隙間が形成される。
【0020】
アクセス部70は、ピボット用シャフト14に支持され、記録ディスク60に対するデータの記録、及び、記録ディスク60に記録されたデータの読み出しを行う。具体的には、アクセス部70は、軸受装置70aと、スイングアーム70cと、磁気ヘッド70dとを有する。
【0021】
軸受装置70aは、ベース10の底板部12に設けられたピボット用シャフト14に取付けられ、それぞれの記録ディスク60の間の隙間に配置される複数のスイングアーム70cを揺動可能に支持する。スイングアーム70cの先端部には、磁気ヘッド70dが設けられる。磁気ヘッド70dは、記録ディスク60に磁気を与え、記録ディスク60から磁気を読み取る部材である。ボイスコイルモータ72は、コネクタ74を介して、プリント基板(図示せず)に電気的に接続されている。ボイスコイルモータ72は、スイングアーム70cへ駆動力を供給し、これにより、記録ディスク60に対する磁気ヘッド70dの位置決めが行われる。
【0022】
スピンドルモータ50のロータ55が回転すると、記録ディスク60も回転する。その状態で、スイングアーム70cが揺動すると、磁気ヘッド70dは、回転する記録ディスク60の上を移動する。そして、磁気ヘッド70dは、記録ディスク60に磁気を与え、記録ディスク60から磁気を読み取る。これにより、磁気ヘッド70dは、記録ディスク60に対するデータの記録、及び、記録ディスク60に記録されたデータの読み出しを行う。
【0023】
(スピンドルモータ50)
スピンドルモータ50は、ハードディスク駆動装置1に用いられる。スピンドルモータ50は、ベース10に支持される静止部50aと、静止部50aに対して回転する回転部50bとを有する。
図1及び
図2に示すように、静止部50aは、ベース10の底板部12の一領域と、モータ用シャフト51と、軸受部材52と、コイル53と、ステータコア54とを有する。回転部50bは、ロータ55と、ロータマグネット55aとを有する。
【0024】
モータ用シャフト51は、円筒状をなす金属製の部品であり、
図2に示すように、圧入等により底板部12の一領域に固定される。モータ用シャフト51は、その上側端部に、ねじ穴82aを有する。ねじ穴82aは、雄ねじ80a(
図1)を収容する。雄ねじ80aが、ねじ穴82aに形成された雌ねじに螺合することにより、カバー40は、モータ用シャフト51に締結される。
【0025】
モータ用シャフト51の外周面には、円錐状の一対の軸受部材52が固定され、一対の軸受部材52にはロータ55が回転可能に支持される。ロータ55の径方向内側には、モータ用シャフト51が挿通され、ロータ55は、モータ用シャフト51及び一対の軸受部材52に、微小隙間を有して対向する。ロータ55と一対の軸受部材52との微小隙間には、図示しない潤滑油が充填され、いわゆる流体動圧軸受が形成される。ロータ55の径方向外側には、複数の記録ディスク60が設置される(
図1参照)。
【0026】
図2に示すように、ロータ55には、ロータマグネット55aが配置される。ロータマグネット55aは、筒状の部材で、周方向に沿ってSNSN・・と隣接する部分が交互に異極性となるように着磁された部材である。ロータマグネット55aは、ロータ55の内面に全周にわたって取付けられる。
【0027】
底板部12には、ステータコア54が固定される。ステータコア54は、薄板状の軟磁性材料(例えば、電磁鋼板)を軸方向で複数枚積層したものであり、環形状を有し、径方向外側に突出した複数の極歯を備える。複数の極歯は、周方向に沿って等間隔に設けられ、それぞれにコイル53が巻回される。ロータマグネット55aの内周面は、隙間を有した状態でステータコア54の極歯の外周面に対向する。
【0028】
コイル53に電流を流し、その極性を切り替えることで、ロータマグネット55aとステータコア54の極歯との間で生じる磁気吸引力と磁気反発力とが切り替わる。その結果、ロータ55は、モータ用シャフト51を中心にして回転する。
【0029】
ロータ55が高速で回転することにより、一対の軸受部材52とロータ55との間の微小隙間に充填された潤滑油は、図示しない動圧発生溝によって加圧される。その結果、一対の軸受部材52とロータ55との間には動圧が発生し、発生した動圧によって、ロータ55は、モータ用シャフト51に対して非接触状態で支持されながら回転する。つまり、ロータ55は、モータ用シャフト51に対して非接触状態で支持されながら回転する。
【0030】
(ベース10)
図1及び
図3に示すように、ベース10は、ベース本体部11と、ピボット用シャフト14と、を備える。ベース10は、ハードディスク駆動装置1の筐体30の一部となる部品である。
【0031】
図1に示すように、ベース本体部11は、底板部12と側壁部13とを有する。ベース本体部11は、略直方体の上方の面が開放された有底の箱状の形状であり、アルミニウム等の金属をダイキャスト鋳造することにより製造される。
【0032】
底板部12は、ベース本体部11の下側に配置され、短辺と長辺とを有する長方形の板状をなしている。なお、底板部12は、四辺の長さが等しい正方形の板状をなしてもよい。
図1に示すように、底板部12の全周には、底板部12と直交する方向(すなわち上方向)に延びる側壁部13が形成されている。側壁部13は、上方を向く側壁上面13aを有する。
【0033】
図1に示すように、側壁部13は、側壁上面13aに、複数のねじ穴82を有する。ねじ穴82は、雄ねじ80を収容する。雄ねじ80が、ねじ穴82に形成された雌ねじに螺合することにより、カバー40は、ベース本体部11に締結される。
【0034】
図3に示すように、底板部12は、上方を向く底板上面12aと、下方を向く底板下面12bと、を有する。また、底板部12は、底板上面12aにおけるピボット用シャフト14の周囲領域に、上方を向く取付面12gを有する。取付面12gは、底板上面12aの一部の領域であり、底板上面12aの他の領域よりも、上方向に僅かに高く形成されている。ベース本体部11は、後述するように、全体に電着塗装膜が形成されているが、取付面12gは、切削などの機械加工により、電着塗装膜が除去された領域である。取付面12gには、アクセス部70の軸受装置70aが載置される。
【0035】
図3に示すように、ピボット用シャフト14は、上下方向に延在する部品であり、軸受装置70aを支持する。ピボット用シャフト14は、円筒状をなす金属製(例えばアルミニウムやステンレス鋼(SUS)製)の部品である。
【0036】
ピボット用シャフト14は、下側、即ち底板部12の側において上下方向に延在する第1軸部14aと、上側、即ち第1軸部14aの上方において上下方向に延在する第2軸部14bと、を有する。
【0037】
第1軸部14aは、底板部12と一体に形成されている。第1軸部14aは、底板部12から上方に延在する第1基部14a1と、第1基部14a1から上方に延在する上方延在部14a2と、上方延在部14a2の上部面14a3から下方に凹む穴部14a4と、を有する。第1軸部14aは、鋳造により、底板部12と一体に製造される。
【0038】
第2軸部14bは、下端領域140aにおいて第1軸部14aに固定され、上端領域140bにおいてハードディスク駆動装置1のカバー40が取付けられる。具体的には、第2軸部14bは、カバー40が取付けられる第2基部14b1と、第2基部14b1の下端面14b9から下方に延在し、第2基部14b1より小径のピン部14b2と、を有する。第2軸部14bは、第2基部14b1において、下端面14b9の径方向内側部分に溜まり溝15b3を有する。第2軸部14bは、第1軸部14aとは別に製造される。第2軸部14bは、第1軸部14aと同じ材料(例えばアルミニウムやステンレス鋼(SUS))などから、切削加工により製造される。なお、第2軸部14bの製造方法は、切削加工に限定されるものではなく、第2軸部14bは、例えば鋳造や鍛造などにより製造されてもよい。
【0039】
本実施形態において、第1基部14a1の外面14a5(以下、第1基部外面14a5)、及び、第2基部14b1の外面15b1(以下、第2基部外面15b1)と面一となるよう形成されている。つまり、第1基部14a1及び第2基部14b1は、同一又は略同一の外径を有する。これにより、第1基部外面14a5、及び、第2基部外面15b1に、軸受装置70aが支持される(
図1)。なお、第2基部14b1は、第1基部14a1の外径よりも小さな外径を有してもよい。この場合、第1基部外面14a5に、軸受装置70aが支持される。
【0040】
ピン部14b2は、穴部14a4の内径よりも、僅かに大きな外径を有する。これにより、ピン部14b2は、穴部14a4に圧入され、第2軸部14bが第1軸部14aに固定される。ピン部14b2が穴部14a4に圧入された状態で、第2基部14b1の下端面14b9は、上方延在部14a2の上部面14a3に当接する。
【0041】
なお、図示省略するが、第1軸部14a又は第2軸部14bは、ピン部14b2が穴部14a4に圧入された状態で、穴部14a4の内部空間と外部空間とを接続する接続通路を有してもよい。一例として、第1軸部14aに接続通路が設けられる場合、接続通路は、上方延在部14a2を径方向に貫通するよう形成されてよい。また、一例として、第2軸部14bに接続通路が設けられる場合、接続通路は、第2軸部14bを上下方向に貫通するよう形成れてよい。
【0042】
図3(b)に示すように、ピン部14b2は、ピン部14b2の先端領域14b3に、テーパ部14b6を有する。テーパ部14b6は、先端領域14b3の基端14b4から先端14b5に向かって、穴部14a4との間の距離が大きくなるように、形成される。本実施形態では、先端領域14b3は、ピン部14b2の下側領域である。先端領域14b3の基端14b4の位置は、ピン部14b2のピン部外面15b2の圧入長さ(ピン部外面15b2のうち、穴部14a4と接触する部分の長さ)に応じて、適宜変更されてよい。
【0043】
本実施形態において、テーパ部14b6は、上側の領域に直線部14b7を有し、下側の領域に湾曲部14b8を有する。直線部14b7は、基端14b4から、下方且つ径方向内方へ斜めに延びる。湾曲部14b8は、直線部14b7と先端14b5を繋ぎ、凸状に湾曲した面を有する。一例として、直線部14b7は、ピボット用シャフト14の中心軸線C2に対し、3°~10°の傾斜角度を有してよい。なお、テーパ部14b6は、湾曲部14b8を有さなくてもよく、この場合、直線部14b7と先端14b5を繋ぐ、別の直線部(図示せず)を有してもよい。別の直線部は、中心軸線C2に対し、直線部14b7の傾斜角度よりも大きな傾斜角度であってよく、その傾斜角度は、一例として、45°であってよい。
【0044】
本実施形態では、ピン部14b2と穴部14a4との間に、熱硬化接着剤17(接着剤の一例)が介在する(
図3(b))。熱硬化接着剤17は、ピン部14b2と穴部14a4との間に、上下方向に少なくとも部分的に薄く介在する。
図3(b)に示すように、熱硬化接着剤17は、その一部が、溜まり溝15b3に溜まってもよいし、テーパ部14b6と穴部14a4との間に介在してもよい。熱硬化接着剤17としては、例えば、熱硬化性のエポキシ樹脂やアクリル樹脂などが挙げられる。また、熱硬化接着剤17の粘度は7Pa・s以下であることで微細な間隙への含浸効果が期待されるため好ましい。
【0045】
第2軸部14bは、第2基部14b1に、上側を向く面である上端面16b9を有する。上端面16b9には、ねじ穴82bが形成される。ねじ穴82bは、雄ねじ80b(
図1)を収容する。雄ねじ80bが、ねじ穴82bに形成された雌ねじに螺合することにより、カバー40は、ピボット用シャフト14に締結される。ねじ穴82bが止まり穴である場合、ねじ穴82bの底部82b1から上端面16b9までの軸方向長さAは、取付面12gから上端面16b9までの軸方向長さBの4分の1以下、より好ましくは5分の1以下である。
【0046】
(ベース10の製造)
1.鋳造(S1)
ベース本体部11及び第1軸部14aの形状に対応するキャビティを有するダイキャスト金型、及び、第2軸部14bの形状に対応するキャビティを有するダイキャスト金型に、それぞれ、アルミニウムの溶湯を注入する。キャビティ内で溶湯が冷却固化した後、ダイキャスト金型を開いて製品を取り出し、ダイキャスト金型のゲートに通じるランナーに残されて固化した部分を切断する。なお、第2軸部14bは、アルミニウムやステンレス鋼(SUS)など、所望の材料から切削加工などにより製造されてもよいし、鍛造により製造されてもよい。第2軸部14bのねじ穴82bは、S1で形成されてもよいし、後述するS5で形成されてもよい。
【0047】
2.E-coat(S2)
S1においてダイキャスト鋳造された製品(ベース本体部11及び第1軸部14aの半製品)を、例えば、エポキシ系樹脂の塗装材料中に浸漬させた状態で、塗装材料と製品との間に電流を流す。これにより、ダイキャスト鋳造後の製品の表面に塗装材料を付着させる。このようにして、当該製品の表面に、電着塗装膜を形成する。
【0048】
3.機械加工(S3)
次いで、S2において電着塗装膜が形成された製品に対して、機械加工を実施する。具体的には、電着塗装された製品のうち、底板上面12aの一部の領域を切削し、該領域の電着塗装膜を除去し、取付面12gを形成する。S3では、後述するS5において、第1基部外面14a5及び第2基部外面15b1を仕上げ加工することを想定し、第1基部外面14a5及び第2基部外面15b1を、粗く切削加工した状態に、機械加工してもよい。S3により、ベース本体部11、第1軸部14a、第2軸部14bが完成する。
【0049】
4.接着剤塗布、及び、圧入接着(S4)
次いで、S1~S3の工程を経て完成したベース本体部11及び第1軸部14aに対し、これとは別工程(例えば切削加工、鋳造、鍛造など)で準備した第2軸部14bを固定し、ベース10を完成させる。具体的には、まず、第1軸部14aの穴部14a4の上部近傍に、熱硬化接着剤17を塗布する。その後、第2軸部14bの上端面16b9に対し下方に力を加えることにより、ピン部14b2が、上方から下方へ向かって、穴部14a4へ押し込まれる。このとき、熱硬化接着剤17は、ピン部14b2と穴部14a4との間で、潤滑剤として機能する。これにより、ピン部14b2は、穴部14a4に、締まり嵌めの形式で挿入、すなわち圧入される。ピン部14b2が穴部14a4に圧入された後、加熱処理を行い、熱硬化接着剤17を硬化させる。これにより、第2軸部14bが、第1軸部14aに対し、強固に固定される。
【0050】
ピン部14b2が穴部14a4の下方へ進むに従って、熱硬化接着剤17は、下側へ掻き出されると共に、ピン部14b2と穴部14a4との間で少なくとも部分的に薄く伸ばされる。この結果、熱硬化接着剤17は、ピン部14b2と穴部14a4との間において、上下方向に少なくとも部分的に介在し、硬化する。つまり、熱硬化接着剤17は、ピン部14b2と穴部14a4との間に、部分的に介在してもよいし、全体に亘って介在してもよい。なお、「圧入接着」とは、ピン部14b2を、穴部14a4に、圧入により固定するとともに、熱硬化接着剤17の接着作用を用いて固定することを意味する。
【0051】
5.仕上げ加工(S5)
最後に、第1基部外面14a5と第2基部外面15b1との外径精度、第1基部外面14a5と取付面12gとの直角度の精度、取付面12gと第2軸部14bの上端面16b9との平行度を向上させるべく、仕上げ加工を行う。ここで、「外径精度」とは、第1基部外面14a5及び第2基部外面15b1の外径差である。外径精度を向上させるとは、上記外径差を、ゼロに近づけることである。また、「直角度」とは、直角(即ち90°)に対する、第1基部外面14a5と取付面12gとの間の実角度の差である。直角度の精度を向上させるとは、上記差を、ゼロに近づけることである。「平行度」とは、平行(即ち角度差ゼロ)に対する、取付面12gと第2軸部14bの上端面16b9との実角度の差である。平行度の精度を向上させるとは、上記差をゼロに近づけることである。具体的には、S4の工程の後、第1基部外面14a5及び第2基部外面15b1、第1基部外面14a5及び取付面12g、並びに、取付面12gと第2軸部14bの上端面16b9に対し、切削等の機械加工を行うことにより、外径精度の向上、直角度の精度向上、平行度の精度向上を実現する。このようにS1~S5を経ることで、ベース10が完成する。
【0052】
上述のS1~S5を経て完成したベース10に、モータ用シャフト51、軸受部材52、コイル53、ステータコア54、ロータ55、アクセス部70等を組付け、ベース10にカバー40を締結することにより、ハードディスク駆動装置1が完成する。
【0053】
<変形例>
【0054】
次いで、第1実施形態の変形例について説明する。本変形例に係るベース10は、第1実施形態に係るベース10に対して、第1軸部14a及び第2軸部14bの固定方法が異なる。以下、第1実施形態に係るベース10と同じ又は類似する機能を有する構成については、同一の符号を付してその説明を省略し、異なる部分について説明する。
【0055】
図5に示すように、第1軸部14aは、上方延在部14a2の上部面14a3から下方に凹む被ネジ結合部14a6を有する。被ネジ結合部14a6は、穴部14a4に形成される雌ネジである。
【0056】
また、第2軸部14bは、第2基部14b1から下方に延在し、第2基部14b1より小径のネジ結合部15b4を有する。ネジ結合部15b4は、ピン部14b2に形成される雄ネジである。ネジ結合部15b4は、被ネジ結合部14a6にネジ固定(即ちネジの作用により固定)される。つまり、第2軸部14bは、第1軸部14aに、ネジ固定(螺合ともいう)される。螺合とは、雄ネジと雌ネジがはまり合うことをいう。
【0057】
ねじ穴82bが止まり穴である場合、ねじ穴82bの底部82b1から上端面16b9までの軸方向長さAは、取付面12gから上端面16b9までの軸方向長さBの4分の1以下、より好ましくは5分の1以下である。
【0058】
(ベース10の製造)
図6に示すように、ネジ固定(S4a)の工程では、S1~S3の工程を経て完成したベース本体部11及び第1軸部14aに対し、別工程で準備した第2軸部14bをネジ固定し、ベース10を完成させる。具体的には、第2軸部14bのネジ結合部15b4を、第1軸部14aの被ネジ結合部14a6に螺合する。
【0059】
S4aでは、第1軸部14aの穴部14a4の上部近傍に、熱硬化接着剤17を塗布してもよい。その後、第2軸部14bを、第1軸部14aに対して回転させることにより、ピン部14b2(ネジ結合部15b4)が、上方から下方へ向かって、穴部14a4(被ネジ結合部14a6)へネジ込まれる。ピン部14b2が穴部14a4にネジ込まれた後、加熱処理を行い、熱硬化接着剤17を硬化させる。これにより、第2軸部14bが、第1軸部14aに対し、強固に固定される。熱硬化接着剤17は、ピン部14b2と穴部14a4との間に、部分的に介在してもよいし、全体に亘って介在してもよい。
【0060】
<第2実施形態>
次いで、本発明の第2実施形態に係るベース10について説明する。第2実施形態に係るベース10は、第1実施形態に係るベース10に対して、第1軸部14a及び第2軸部14bの構成が異なる。以下、第1実施形態に係るベース10と同じ又は類似する機能を有する構成については、同一の符号を付してその説明を省略し、異なる部分について説明する。
【0061】
図7に示すように、第1軸部14aは、底板部12と一体に形成され、底板部12から上方に延在する第1基部14a1と、第1基部14a1から上方に延在するテーパ部14a7を有する。ベース本体部11において、取付面12gの径方向内側の部分には、溜まり溝12tが形成される。
【0062】
第2軸部14bは、カバー40が取付けられる第2基部14b1と、第2基部14b1から下方に延在する下方延在部15b5と、下方延在部15b5の下端面15b6から上方に凹む穴部15b7と、を有する。第2軸部14bは、第1軸部14aとは別に製造される。
【0063】
本実施形態において、第2軸部14bは、第2基部外面15b1、及び、下方延在部15b5の外面15b8が面一となるよう形成されている。つまり、第2軸部14bは、第2基部14b1及び下方延在部15b5において、同一又は略同一の外径を有する。これにより、第2基部外面15b1、及び、下方延在部15b5の外面15b8に、軸受装置70aが取付けられる。なお、第2基部外面15b1は、下方延在部15b5の外面15b8の外径よりも小さな外径を有してもよい。この場合、下方延在部15b5の外面15b8に、軸受装置70aが取付けられる。
【0064】
第1基部14a1は、穴部15b7の内径よりも、僅かに大きな外径を有する。これにより、第1基部14a1は、穴部15b7に圧入され、第2軸部14bが第1軸部14aに固定される。第1基部14a1は、穴部15b7に少なくとも部分的に圧入される。第1基部14a1の全体が穴部15b7に圧入された状態では、下方延在部15b5の下端面15b6は、取付面12gに当接する。第1基部14a1が穴部15b7に部分的に圧入された状態では、下方延在部15b5の下端面15b6は、取付面12gから離間した位置で終端する。つまり、下端面15b6は、取付面12gに当接しない。
【0065】
図7(b)に示すように、テーパ部14a7は、第1軸部14aの先端領域15a1に形成される。先端領域15a1は、第1軸部14aの上側領域である。先端領域15a1は、第1基部14a1側の基端14a8と先端14a9との間の領域である。テーパ部14a7は、基端14a8から先端14a9に向かって、穴部15b7との間の距離が大きくなるように形成される。本実施形態では、先端領域15a1の基端14a8の位置は、第1基部外面14a5の圧入長さ(第1軸部14aの外面のうち、穴部15b7と接触する部分の長さ)に応じて、適宜変更されてよい。
【0066】
本実施形態において、テーパ部14a7は、下側の領域に直線部15a2を有し、上側の領域に湾曲部15a3を有する。直線部15a2は、基端14a8から、上方且つ径方向内方へ斜めに延びる。湾曲部15a3は、直線部15a2と先端14a9を繋ぎ、凸状に湾曲した面を有する。一例として、直線部15a2は、ピボット用シャフト14の中心軸線C2に対し、3°~10°の傾斜角度を有してよい。なお、テーパ部14a7は、湾曲部15a3を有さなくてもよく、この場合、直線部15a2と先端14a9を繋ぐ、別の直線部(図示せず)を有してもよい。別の直線部は、中心軸線C2に対し、直線部15a2の傾斜角度よりも大きな傾斜角度であってよく、その傾斜角度は、一例として、45°であってよい。
【0067】
本実施形態では、第1軸部14aと穴部15b7との間に、熱硬化接着剤17(接着剤の一例)が介在する(
図7(b))。熱硬化接着剤17は、第1軸部14aと穴部15b7との間に、上下方向に少なくとも部分的に薄く介在する。熱硬化接着剤17は、その一部が、溜まり溝12tに溜まってもよいし、直線部15a2と穴部15b7との間に介在してもよい。
【0068】
ねじ穴82bが止まり穴である場合、ねじ穴82bの底部82b1から上端面16b9までの軸方向長さAは、取付面12gから上端面16b9までの軸方向長さBの4分の1以下、より好ましくは5分の1以下である。
【0069】
(ベース10の製造)
図4を用いて、第2実施形態に係るベース10の製造方法を説明する。
【0070】
1.鋳造(S1)
ベース本体部11及び第1軸部14aの形状に対応するキャビティを有するダイキャスト金型、及び、第2軸部14bの形状に対応するキャビティを有するダイキャスト金型に、それぞれ、アルミニウムの溶湯を注入する。キャビティ内で溶湯が冷却固化した後、ダイキャスト金型を開いて製品を取り出し、ダイキャスト金型のゲートに通じるランナーに残されて固化した部分を切断する。なお、第2軸部14bは、アルミニウムやステンレス鋼(SUS)など、所望の材料から切削加工などにより製造されてもよいし、鍛造により製造されてもよい。第2軸部14bのねじ穴82bは、S1で形成されてもよいし、後述するS5で形成されてもよい。
【0071】
2.E-coat(S2)
S1においてダイキャスト鋳造された製品(ベース本体部11及び第1軸部14aの半製品)を、例えば、エポキシ系樹脂の塗装材料中に浸漬させた状態で、塗装材料と製品との間に電流を流す。これにより、ダイキャスト鋳造後の製品の表面に塗装材料を付着させる。このようにして、当該製品の表面に、電着塗装膜を形成する。
【0072】
3.機械加工(S3)
次いで、S2において電着塗装膜が形成された製品に対して、機械加工を実施する。具体的には、電着塗装された製品のうち、底板上面12aの一部の領域を切削し、該領域の電着塗装膜を除去し、取付面12gを形成する。S3では、後述するS5において、第2基部外面15b1及び下方延在部15b5の外面15b8を仕上げ加工することを想定し、第2基部外面15b1及び下方延在部15b5の外面15b8を、粗く切削加工した状態に、機械加工してもよい。S3により、ベース本体部11、第1軸部14a、第2軸部14bが完成する。
【0073】
4.接着剤塗布、及び、圧入接着(S4)
次いで、S1~S3の工程を経て完成したベース本体部11及び第1軸部14aに対し、これとは別工程(例えば切削加工、鋳造、鍛造など)で準備した第2軸部14bを固定し、ベース10を完成させる。具体的には、第2軸部14bの穴部15b7の下部近傍に、熱硬化接着剤17を塗布する。その後、第2軸部14bの上端面16b9に対し下方に力を加えることにより、第2軸部14bが、上方から下方へ向かって移動し、第1軸部14aが穴部15b7へ押し込まれる。このとき、熱硬化接着剤17は、第1基部14a1と穴部15b7との間で、潤滑剤として機能する。これにより、第1軸部14aは、穴部15b7に、締まり嵌めの形式で挿入、すなわち圧入される。第1軸部14aが穴部15b7に圧入された後、加熱処理を行い、熱硬化接着剤17を硬化させる。これにより、第2軸部14bが、第1軸部14aに対し、強固に固定される。
【0074】
第2軸部14bが下方へ進むに従って、熱硬化接着剤17は、上側へ掻き出されると共に、第1基部14a1と穴部15b7との間で少なくとも部分的に薄く伸ばされる。この結果、熱硬化接着剤17は、穴部15b7と第1基部14a1との間において、上下方向に少なくとも部分的に介在し、硬化する。つまり、熱硬化接着剤17は、穴部15b7と第1基部14a1との間に、部分的に介在してもよいし、全体に亘って介在してもよい。
【0075】
5.仕上げ加工(S5)
最後に、第2基部外面15b1及び下方延在部15b5の外面15b8の外径精度、及び、下方延在部15b5の外面15b8と取付面12gとの直角度の精度、取付面12gと、第2軸部14bの上端面16b9との平行度の精度を向上させるべく、仕上げ加工を行う。具体的には、S4の工程の後、第2基部外面15b1、下方延在部15b5の外面15b8、第2軸部14bの上端面16b9、及び取付面12gに対し、切削等の機械加工を行うことにより、外径精度の向上、直角度の精度、平行度の精度向上を実現する。このようにS1~S5を経ることで、ベース10が完成する。
【0076】
上述のS1~S5を経て完成したベース10に、モータ用シャフト51、軸受部材52、コイル53、ステータコア54、ロータ55、アクセス部70等を組付け、ベース10にカバー40を締結することにより、ハードディスク駆動装置1が完成する。
【0077】
<変形例1>
次いで、第2実施形態の変形例1について説明する。本変形例に係るベース10は、第2実施形態に係るベース10に対して、第1軸部14a及び第2軸部14bの固定方法が異なる。以下、第2実施形態に係るベース10と同じ又は類似する機能を有する構成については、同一の符号を付してその説明を省略し、異なる部分について説明する。
【0078】
図8に示すように、第1軸部14aは、第1基部14a1に形成されるネジ結合部15a4を有する。ネジ結合部15a4は、第1基部14a1に形成される雄ネジである。
【0079】
第2軸部14bは、下方延在部15b5の下端面15b6から上方に凹む被ネジ結合部16b6を有する。被ネジ結合部16b6は、穴部15b7に形成される雌ネジである。被ネジ結合部16b6には、ネジ結合部15a4が、ネジ固定、即ち螺合される。
【0080】
ねじ穴82bが止まり穴である場合、ねじ穴82bの底部82b1から上端面16b9までの軸方向長さAは、取付面12gから上端面16b9までの軸方向長さBの4分の1以下、より好ましくは5分の1以下である。
【0081】
(ベース10の製造)
図6を用いて、変形例1に係るベース10の製造方法を説明する。
【0082】
図6に示すように、ネジ固定(S4a)の工程では、S1~S3の工程を経て完成したベース本体部11及び第1軸部14aに対し、別工程で準備した第2軸部14bをネジ固定し、ベース10を完成させる。具体的には、第1軸部14aのネジ結合部15a4を、第2軸部14bの被ネジ結合部16b6に螺合する。
【0083】
S4aでは、第2軸部14bの穴部15b7の下部近傍に、熱硬化接着剤17を塗布してもよい。その後、第2軸部14bを、第1軸部14aに対して回転させることにより、ネジ結合部15a4が被ネジ結合部16b6に螺合される。ネジ結合部15a4が被ネジ結合部16b6に螺合された後、加熱処理を行い、熱硬化接着剤17を硬化させる。これにより、第2軸部14bが、第1軸部14aに対し、強固に固定される。熱硬化接着剤17は、第1基部14a1と穴部15b7との間に、部分的に介在してもよいし、全体に亘って介在してもよい。
【0084】
<変形例2>
次いで、第2実施形態の変形例2について説明する。本変形例に係るベース10は、第2実施形態に係るベース10に対して、第2軸部14bの構成が異なる。以下、第2実施形態に係るベース10と同じ又は類似する機能を有する構成については、同一の符号を付してその説明を省略し、異なる部分について説明する。
【0085】
図9に示すように、第2軸部14bは、第1基部14a1が穴部15b7に圧入された状態で、穴部15b7の内部空間16b2と外部空間16b3とを接続する接続通路16b4を有する。具体的には、接続通路16b4は、下方延在部15b5の上部近傍に、下方延在部15b5を径方向に貫通するように形成される。接続通路16b4は、第1基部14a1が穴部15b7に圧入された状態で、第1軸部14aによって閉鎖されないよう、下方延在部15b5の上部近傍に形成される。接続通路16b4は、少なくとも一つ設けられる。
【0086】
ねじ穴82bが止まり穴である場合、ねじ穴82bの底部82b1から上端面16b9までの軸方向長さAは、取付面12gから上端面16b9までの軸方向長さBの4分の1以下、より好ましくは5分の1以下である。
【0087】
<変形例3>
次いで、第2実施形態の変形例3について説明する。本変形例に係るベース10は、変形例2に係るベース10に対して、接続通路16b4の構成が異なる。以下、変形例2に係るベース10と同じ符号を付して説明する。
【0088】
図10に示すように、第2軸部14bは、第1基部14a1が穴部15b7に圧入された状態で、穴部15b7の内部空間16b2と外部空間16b3とを接続する接続通路16b4を有する。具体的には、接続通路16b4は、第2軸部14bの内部、即ち第2基部14b1の内部を上下方向に延在して形成される。接続通路16b4は、第1基部14a1が穴部15b7に圧入された状態で、第1軸部14aの上方に形成される。接続通路16b4は、第2軸部14bの内部で、ねじ穴82bと空間的に接続、即ち連通する。接続通路16b4は、一つ設けられる。
【0089】
<変形例4>
次いで、第2実施形態の変形例4について説明する。本変形例に係るベース10は、第2実施形態に係るベース10に対して、第2軸部14b及びベース10の構成が異なる。以下、第2実施形態に係るベース10と同じ又は類似する機能を有する構成については、同一の符号を付してその説明を省略し、異なる部分について説明する。
【0090】
図11に示すように、ベース10の底板部12は、底板部12の一部が下方に凹んで形成される凹部12cを有する。凹部12cは、底板上面12aから下方に延在する凹部内面12c2と、凹部内面12c2の下端に設けられる凹部底面(底面)12c1と、を有する。凹部底面12c1は、上方を向く面であり、底板上面12aより下方、且つ底板下面12bより上方に位置する。
【0091】
図11に示すように、第1基部14a1は、凹部底面12c1と一体に形成され、凹部底面12c1から上方に延在している。
【0092】
第2軸部14bは、下方延在部15b5の外面、具体的には下方延在部15b5の外面15b8の下端から上下方向に対し垂直方向(即ち径方向)に延在するフランジ部15b9を有する。フランジ部15b9は、凹部12cに収容される。フランジ部15b9は、上方を向き、ハードディスク駆動装置1のアクセス部70が取付けられる取付面16b1を有する。取付面16b1は、底板上面12aよりも、上方向に僅かに高く形成されている。取付面16b1には、アクセス部70の軸受装置70aが載置される。また、フランジ部15b9は、取付面16b1の外縁から下方に延在するフランジ外面16b5を有する。フランジ外面16b5及び凹部内面12c2は、互いに対向しており、フランジ外面16b5と凹部内面12c2との間には、隙間Gが形成されている。
【0093】
ねじ穴82bが止まり穴である場合、ねじ穴82bの底部82b1から上端面16b9までの軸方向長さAは、取付面16b1から上端面16b9までの軸方向長さBの4分の1以下、より好ましくは5分の1以下である。
【0094】
<変形例5>
次いで、第2実施形態の変形例5について説明する。本変形例に係るベース10は、変形例4に係るベース10に対して、第1軸部14a及び第2軸部14bの固定方法が異なる。以下、変形例4に係るベース10と同じ又は類似する機能を有する構成については、同一の符号を付してその説明を省略し、異なる部分について説明する。
【0095】
図12に示すように、第1軸部14aは、第1基部14a1に形成されるネジ結合部15a4を有する。ネジ結合部15a4は、第1基部14a1に形成される雄ネジである。
【0096】
第2軸部14bは、下方延在部15b5の下端面16b8から上方に凹む被ネジ結合部16b6を有する。被ネジ結合部16b6は、穴部15b7に形成される雌ネジである。第1軸部14a及び第2軸部14bは、被ネジ結合部16b6にネジ結合部15a4が螺合することにより、固定される。
【0097】
ねじ穴82bが止まり穴である場合、ねじ穴82bの底部82b1から上端面16b9までの軸方向長さAは、取付面16b1から上端面16b9までの軸方向長さBの4分の1以下、より好ましくは5分の1以下である。
【0098】
<変形例6>
次いで、第2実施形態の変形例6について説明する。本変形例に係るベース10は、変形例4に係るベース10に対して、第1軸部14a及び第2軸部14bの固定方法が異なる。以下、変形例4に係るベース10と同じ又は類似する機能を有する構成については、同一の符号を付してその説明を省略し、異なる部分について説明する。
【0099】
本変形例では、第2軸部14bは、第1軸部14aに、接着のみにより固定されている。
図13に示すように、本変形例では、第1基部14a1は、第1基部外面14a5から径方向内方に凹む環状の凹溝15a5を有する。また、第1基部14a1及び穴部15b7の間に熱硬化接着剤17が介在されている。具体的には、熱硬化接着剤17は、第1基部14a1と穴部15b7との間、フランジ下面16b8と凹部底面12c1との間、隙間Gに介在され、凹溝15a5に収容されている。フランジ下面16b8は、フランジ部15b9において下方を向く面であり、フランジ外面16b5の下端から径方向内方に延在し、第1軸部14aを周方向に取り囲む。また、隙間Gには、紫外線硬化接着剤18が介在されている。
【0100】
ねじ穴82bが止まり穴である場合、ねじ穴82bの底部82b1から上端面16b9までの軸方向長さAは、取付面16b1から上端面16b9までの軸方向長さBの4分の1以下、より好ましくは5分の1以下である。
【0101】
(ベース10の製造)
図14を参照して、S6~S10の工程を説明する。つまり、S1~S3の工程を経て完成したベース本体部11及び第1軸部14aに対し、これとは別工程(例えば切削加工、鋳造、鍛造など)で準備した第2軸部14bを固定し、ベース10を完成させる工程を説明する。S6~S10工程の後、仕上げ加工が行われる。
【0102】
1.熱硬化接着塗布(S6)
第1軸部14aの上部近傍に、熱硬化接着剤17を塗布する。
2.挿入(S7)
その後、第2軸部14bの上端面16b9に対し下方に力を加えることにより、第2軸部14bが、上方から下方へ向かって、移動する。これにより、第1基部14a1が、穴部15b7内へ挿入される。第2軸部14bが下方へ移動するに従って、熱硬化接着剤17は、下側へ掻き出されると共に、第1基部14a1と穴部15b7との間において少なくとも部分的に薄く伸ばされる。この結果、熱硬化接着剤17は、第1基部14a1と穴部15b7との間、フランジ下面16b8と凹部底面12c1との間、隙間Gに介在され、凹溝15a5の内部に収容される。
【0103】
3.紫外線硬化接着剤塗布(S8)
その後、隙間Gに、紫外線硬化接着剤18を塗布する。
【0104】
4.紫外線照射(S9)
隙間Gに介在された紫外線硬化接着剤18に対し、紫外線を照射する。この結果、紫外線硬化接着剤18が硬化し、第2軸部14bは、ベース本体部11に固定される。
【0105】
5.加熱(S10)
オーブン(図示せず)等の装置を用いて、ベース本体部11、第1軸部14a、及び第2軸部14bを加熱する。この結果、熱硬化接着剤17が硬化し、第2軸部14bは、第1軸部14a及びベース本体部11に対し強固に固定される。
【0106】
<変形例7>
次いで、第2実施形態の変形例7について説明する。本変形例に係るベース10は、第2実施形態に係るベース10(
図7)に対して、第1軸部14a及び第2軸部14bの固定方法が異なる。以下、第2実施形態に係るベース10と同じ又は類似する機能を有する構成については、同一の符号を付してその説明を省略し、異なる部分について説明する。
【0107】
本変形例では、第2軸部14bは、第1軸部14aに、接着のみにより固定されている。
図15に示すように、本変形例では、ベース10は、底板上面12aにおいて、下方に凹む少なくとも一つの溝12dを有する。溝12dは、中心軸線C2周りの周方向に環状に形成されてもよいし、周方向に沿って点在してもよいし、一つだけ設けられてもよい。また、第1基部14a1及び穴部15b7の間に熱硬化接着剤17が介在されている。具体的には、熱硬化接着剤17は、第1基部14a1と穴部15b7との間に介在され、凹溝16b7に収容されている。また、溝12dには、紫外線硬化接着剤18が収容されている。なお、溝12dには、嫌気性接着剤が収容されてもよい。
【0108】
図15に示すように、下方延在部15b5は、下端面15b6において溝12dを少なくとも部分的に覆いつつ、底板上面12a即ち取付面12gに当接する。溝12dに、紫外線硬化接着剤が収容されている場合、下方延在部15b5の下端面15b6は、溝12dを部分的に覆う。溝12dに、嫌気性接着剤が収容されている場合、下方延在部15b5の下端面15b6は、溝12dの全体を覆ってもよい。
【0109】
ねじ穴82bが止まり穴である場合、ねじ穴82bの底部82b1から上端面16b9までの軸方向長さAは、取付面12gから上端面16b9までの軸方向長さBの4分の1以下、より好ましくは5分の1以下である。
【0110】
(ベース10の製造)
図14を参照して、変形例7に係るベース10の製造工程を説明する。S1~S7までの工程の後、溝12dに、紫外線硬化接着剤18を塗布する(S8)。その後、溝12dに塗布された紫外線硬化接着剤18に対し、紫外線を照射する(S9)。この結果、紫外線硬化接着剤18が硬化し、第2軸部14bは、ベース本体部11に固定される。オーブン(図示せず)等の装置を用いて、ベース本体部11を加熱する(S10)。この結果、熱硬化接着剤17が硬化し、第2軸部14bは、第1軸部14a及びベース本体部11に対し強固に固定される。
【0111】
なお、変形例7に係るベース10の製造工程では、S1~S6までの工程の後、溝12dに、紫外線硬化接着剤18を塗布してもよい(S8)。その後、第2軸部14bの上端面16b9に対し下方に力を加えることにより、第2軸部14bを、上方から下方へ向かって、移動させる。これにより、第1基部14a1が、穴部15b7内へ挿入される(S7)。次いで、溝12dに塗布された紫外線硬化接着剤18に対し、紫外線を照射する(S9)。次いで、オーブン(図示せず)等の装置を用いて、ベース本体部11を加熱する(S10)。
【0112】
溝12dに嫌気性接着剤が収容される場合、変形例7に係るベース10の製造工程では、S1~S6までの工程の後、溝12dに、嫌気性接着剤を塗布する(図示せず)。その後、第2軸部14bの上端面16b9に対し下方に力を加えることにより、第2軸部14bを、上方から下方へ向かって、移動させる。これにより、第1基部14a1が、穴部15b7内へ挿入される(S7)。次いで、オーブン(図示せず)等の装置を用いて、ベース本体部11を加熱する(S10)。
【0113】
上記実施形態では、以下のような態様が開示される。
【0114】
(態様1)
ベース10は、ハードディスク駆動装置1の筐体30の一部となり、底板部12と、上下方向に延在するピボット用シャフト14と、を備える。ピボット用シャフト14は、底板部12と一体に形成される第1軸部14aと、下端領域140aにおいて第1軸部14aに固定され、上端領域140bにおいてハードディスク駆動装置1のカバー40が取付けられる第2軸部14bと、を有する。
【0115】
態様1のベース10によれば、第1軸部14aが底板部12と一体に形成されているため、ベース10における密封性を高めることができる。
【0116】
また、第1軸部14aとは別部材として準備された第2軸部14bを、第1軸部14aに固定することで、ピボット用シャフト14が形成されるため、ピボット用シャフト14を第1軸部14aだけで形成する場合と比べ、ピボット用シャフト14における鋳巣の発生が回避される。ピボット用シャフト14に鋳巣が発生しないことから、ピボット用シャフト14の剛性が低下しない。このため、スピンドルモータ50の駆動中、アクセス部70の動きが安定する。更に、ピボット用シャフト14のねじ穴82bにねじ80bを螺合するときに、ねじ穴82bの破損が回避されるので、十分な締結強度を確保することができる。また、ねじ穴82bの破損が回避されることから、破損片が、筐体30の内部に混入することも回避できる。
【0117】
(態様2)
態様1において、第1軸部14a及び第2軸部14bは、圧入及び接着の少なくともいずれか一方、又は、螺合及び接着の少なくともいずれか一方により、固定されている。
【0118】
態様2のベース10によれば、第1軸部14a及び第2軸部14bを圧入により固定することで、強固な固定を実現できる。さらに、第1軸部14a及び第2軸部14bを圧入接着により固定することで、第1軸部14a及び第2軸部14bをさらに強固に固定することができる。
【0119】
また、第1軸部14a及び第2軸部14bを螺合により固定することで、組付けを容易に行うことができる。さらに、螺合に接着を併用することで、第1軸部14a及び第2軸部14bを強固に固定することができる。
【0120】
(態様3)
態様1又は2において、第2軸部14bは、カバー40が取付けられる第2基部14b1と、第2基部14b1から下方に延在し、第2基部14b1より小径のピン部14b2と、を有する。第1軸部14aは、底板部12から上方に延在する第1基部14a1と、第1基部14a1から上方に延在する上方延在部14a2と、上方延在部14a2の上部面14a3から下方に凹み、ピン部14b2が圧入される穴部14a4と、を有する。
【0121】
態様3のベース10によれば、第1基部14a1が底板部12と一体に形成されるため、これらを別部材で準備する場合と比べ、第1基部14a1と底板部12との直角度の精度を向上させることができる。
【0122】
(態様4)
態様3において、ピン部14b2は、ピン部14b2の先端領域14b3に、先端領域14b3の基端14b4から先端14b5に向かって、穴部14a4との間の距離が大きくなるテーパ部14b6を有する。
【0123】
態様4のベース10によれば、第2軸部14bを第1軸部14aに固定するとき、ピン部14b2と穴部14a4の両中心軸線がズレている場合であっても、テーパ部14b6により、上記両中心軸線を合致又は略合致させた状態で、ピン部14b2を穴部14a4に圧入することができる。よって、穴部14a4への、ピン部14b2の圧入が容易になる。
【0124】
(態様5)
態様3又は4において、ピン部14b2と穴部14a4との間に熱硬化接着剤17が介在する。
【0125】
態様5のベース10によれば、熱硬化接着剤17により、ピン部14b2と穴部14a4を強固に固定できる。
【0126】
(態様6)
態様3から5のいずれかにおいて、第1軸部14a又は第2軸部14bは、ピン部14b2が穴部14a4に圧入された状態で、穴部14a4の内部空間と外部空間とを接続する接続通路を有する。
【0127】
態様6のベース10によれば、圧入時、穴部14a4の内部空間にある空気を外部空間に排出できる。よって、ピン部14b2を適切な圧入代で穴部14a4に圧入することができ、第1軸部14aと第2軸部14bを適切な強度で固定できる。
【0128】
(態様7)
態様1又は2において、第2軸部14bは、カバー40が取付けられる第2基部14b1と、第2基部14b1から下方に延在し、第2基部14b1より小径のネジ結合部15b4と、を有する。第1軸部14aは、底板部12から上方に延在する第1基部14a1と、第1基部14a1から上方に延在する上方延在部14a2と、上方延在部14a2の上部面14a3から下方に凹み、ネジ結合部15b4が螺合される被ネジ結合部14a6と、を有する。
【0129】
態様7のベース10によれば、ネジ結合部15b4と被ネジ結合部14a6との螺合により、第1軸部14a及び第2軸部14bを固定することができる。よって、第1軸部14a及び第2軸部14bの組付けを容易に行うことができる。
【0130】
(態様8)
態様1又は2において、第1軸部14aは、底板部12から上方に延在する第1基部14a1を有する。第2軸部14bは、カバー40が取付けられる第2基部14b1と、第2基部14b1から下方に延在する下方延在部15b5と、下方延在部15b5の下端面15b6から上方に凹み、第1基部14a1が少なくとも部分的に圧入される穴部15b7と、を有する。
【0131】
態様8のベース10によれば、第2軸部14bに、第1基部14a1が少なくとも部分的に圧入される穴部15b7が設けられる。つまり、ピボット用シャフト14の外面が、第2軸部14bのみにより構成される。このため、ピボット用シャフト14の外面を、異なる部材により形成する場合と比べ、ピボット用シャフト14の外径精度を向上させることができる。
【0132】
(態様9)
態様8において、底板部12は、底板部12の一部が下方に凹んで形成される凹部12cを有する。第1基部14a1は、凹部底面12c1から上方に延在している。第2軸部14bは、凹部12cに収容され、下方延在部15b5の外面から上下方向に対し垂直方向に延在するフランジ部15b9を有する。フランジ部15b9は、上方を向く取付面16b1であって、ハードディスク駆動装置1のアクセス部70が取付けられる取付面16b1を有する。
【0133】
態様9のベース10によれば、取付面16b1が、ピボット用シャフト14それ自体に形成されているため、ピボット用シャフト14を製造する工程の中で、下方延在部15b5と取付面16b1との直角度の精度を向上させることができる。また、取付面16b1と、第2軸部14bの上端面16b9との平行度の精度を向上させることができる。
【0134】
(態様10)
態様8又は9において、第1軸部14aは、第1基部14a1から上方に延在するテーパ部14a7を有し、テーパ部14a7は、第1基部14a1側の基端14a8から先端14a9に向かって、穴部15b7との間の距離が大きくなる。
【0135】
態様10のベース10によれば、第2軸部14bを第1軸部14aに固定するとき、第1基部14a1と穴部15b7の両中心軸線がズレている場合であっても、テーパ部14a7により、上記両中心軸線を合致又は略合致させた状態で、第1基部14a1を穴部15b7に圧入することができる。よって、穴部15b7への、第1基部14a1の圧入が容易になる。
【0136】
(態様11)
態様8から10のいずれかにおいて、第1基部14a1と穴部15b7との間に熱硬化接着剤17が介在する。
【0137】
態様11のベース10によれば、熱硬化接着剤17により、第1基部14a1と穴部15b7を強固に固定できる。
【0138】
(態様12)
態様8から11のいずれかにおいて、第2軸部14bは、第1基部14a1が穴部15b7に圧入された状態で、穴部15b7の内部空間16b2と外部空間16b3とを接続する接続通路16b4を有する。
【0139】
態様12のベース10によれば、圧入時、穴部15b7の内部空間16b2にある空気を外部空間16b3に排出できる。よって、第1基部14a1を適切な圧入代で穴部15b7に圧入することができ、第1軸部14aと第2軸部14bを適切な強度で固定できる。
【0140】
(態様13)
態様8から12のいずれかにおいて、フランジ部15b9は、取付面16b1の外縁から下方に延在するフランジ外面16b5を有し、フランジ外面16b5と凹部内面12c2との間には、隙間Gが形成されている。
【0141】
態様13のベース10によれば、フランジ部15b9を確実に凹部12c内に収容することができる。また、熱硬化接着剤17を用いて第1基部14a1を穴部15b7に固定する際、熱硬化接着剤17を多く塗布したとしても、熱硬化接着剤17を隙間Gに貯留できる。よって、取付面16b1への、熱硬化接着剤17の付着を回避できる。
【0142】
(態様14)
態様1又は2のいずれかにおいて、第1軸部14aは、底板部12から上方に延在する第1基部14a1と、第1基部14a1に形成されるネジ結合部15a4と、を有し、第2軸部14bは、カバー40が取付けられる第2基部14b1と、第2基部14b1から下方に延在する下方延在部15b5と、下方延在部15b5の下端面15b6から上方に凹み、ネジ結合部15a4が螺合される被ネジ結合部16b6と、を有する。
【0143】
態様14のベース10によれば、ネジ結合部15a4と被ネジ結合部16b6との螺合により、第1軸部14a及び第2軸部14bを固定することができる。よって、第1軸部14a及び第2軸部14bの組付けを容易に行うことができる。
【0144】
(態様15)
態様14において、底板部12は、底板部12の一部が下方に凹んで形成される凹部12cを有する。第1基部14a1は、凹部底面12c1から上方に延在している。第2軸部14bは、凹部12cに収容され、下方延在部15b5の外面から上下方向に対し垂直方向に延在するフランジ部15b9を有する。フランジ部15b9は、上方を向く取付面16b1であって、ハードディスク駆動装置1のアクセス部70が取付けられる取付面16b1を有する。
【0145】
態様15のベース10によれば、取付面16b1が、ピボット用シャフト14それ自体に形成されているため、ピボット用シャフト14を製造する工程の中で、下方延在部15b5と取付面16b1との直角度の精度を向上させることができる。また、取付面16b1と、第2軸部14bの上端面16b9との平行度の精度を向上させることができる。
【0146】
(態様16)
態様1又は2において、底板部12は、底板部12の一部が下方に凹んで形成される凹部12cを有する。第1軸部14aは、凹部底面12c1から上方に延在する第1基部14a1を有する。第2軸部14bは、カバー40が取付けられる第2基部14b1と、第2基部14b1から下方に延在する下方延在部15b5と、下方延在部15b5の下端面15b6から上方に凹み、第1基部14a1が挿入される穴部15b7と、凹部12cに収容され、下方延在部15b5の外面から上下方向に対し垂直方向に延在するフランジ部15b9と、を有する。フランジ部15b9は、上方を向く取付面16b1であって、ハードディスク駆動装置1のアクセス部70が取付けられる取付面16b1と、取付面16b1の外縁から下方に延在するフランジ外面16b5であって、凹部内面12c2との間に隙間Gを有するフランジ外面16b5と、を有する。第1基部14a1及び穴部15b7の間には熱硬化接着剤17が介在されており、隙間Gには、紫外線硬化接着剤18が介在されている。
【0147】
態様16のベース10によれば、熱硬化接着剤17を用いて第1基部14a1を穴部15b7に固定する際、熱硬化接着剤17を多く塗布しとしても、熱硬化接着剤17を隙間Gに貯留できる。よって、取付面16b1への、熱硬化接着剤17の付着を回避できる。また、紫外線硬化接着剤18を用いて、第2軸部14bをベース本体部11に固定した状態で、熱硬化接着剤17を硬化させることができるので、ベース本体部11に対する第2軸部14bの位置ずれを回避できる。
【0148】
(態様17)
態様1又は2において、ベース10は、底板上面12aにおいて、下方に凹む少なくとも一つの溝12dを有する。第1軸部14aは、底板部12から上方に延在する第1基部14a1を有する。第2軸部14bは、カバー40が取付けられる第2基部14b1と、第2基部14b1から下方に延在し、下端面15b6において溝12dを少なくとも部分的に覆いつつ、上面に当接する下方延在部15b5と、下端面15b6から上方に凹み、第1基部14a1が挿入される穴部15b7と、を有する。第1基部14a1及び穴部15b7の間には熱硬化接着剤17が介在されており、溝12dには、紫外線硬化接着剤18、又は、嫌気性接着剤が収容されている。
【0149】
態様17のベース10によれば、紫外線硬化接着剤18又は嫌気性接着剤を用いて、第2軸部14bをベース本体部11に固定した状態で、熱硬化接着剤17を硬化させることができるので、ベース本体部11に対する第2軸部14bの位置ずれを回避できる。
【0150】
(態様18)
態様1から17のいずれかにおいて、第1基部外面14a5及び穴部15b7の内面の少なくともいずれか一方に、環状の凹溝15a5,16b7が設けられる。
【0151】
態様18のベース10によれば、熱硬化接着剤17を、凹溝15a5,16b7に収容できるので、楔効果により、第1基部14a1と穴部15b7を強固に固定できる。
【0152】
(態様19)
ハードディスク駆動装置1は、態様1から18までのいずれかに記載のベースと、該ベースに取付けられ、ベースとともに筐体30を形成するカバー40と、筐体30の内部に配置され、ベースに支持されるスピンドルモータ50と、筐体30の内部に配置され、スピンドルモータ50により回転する記録ディスク60と、筐体30の内部においてピボット用シャフト14に支持され、記録ディスク60に対するデータの記録、及び、記録ディスクに記録されたデータの読み出しを行うアクセス部70と、を備える。
【0153】
態様19に係るハードディスク駆動装置1では、第1軸部14aが底板部12と一体に形成されているため、ベース10における密封性を高めることができる。また、第1軸部14aとは別部材として準備された第2軸部14bを、第1軸部14aに固定することで、ピボット用シャフト14が形成されるため、ピボット用シャフト14を第1軸部14aだけで形成する場合と比べ、ピボット用シャフト14における鋳巣の発生が回避される。ピボット用シャフト14に鋳巣が発生しないことから、ピボット用シャフト14の剛性が低下しない。このため、スピンドルモータ50の駆動中、アクセス部70の動きが安定する。更に、ピボット用シャフト14のねじ穴82bにねじ80bを螺合するときに、ねじ穴82bの破損が回避されるので、十分な締結強度を確保することができる。また、ねじ穴82bの破損が回避されることから、破損片が、筐体30の内部に混入することも回避できる。
【0154】
(態様20)
態様19において、筐体30には、空気よりも低密度の気体が封入されている。
【0155】
態様20に係るハードディスク駆動装置1は、筐体30に、空気よりも低密度の気体として例えばヘリウムを封入する。このため、記録ディスク60の回転に伴う空気抵抗が低減する。よって、記録ディスク60を高精度に動作させることができ、記録ディスク60を薄くし、ディスク枚数を増やし、高容量化の要請に応えることができる。その一方で、空気より低密度な気体は、その原子サイズが小さいため、外部に漏洩する可能性が高くなる。この点で、本実施形態に係るハードディスク駆動装置1によれば、筐体30の密封性を向上することができ、ヘリウムの漏洩を抑制することができる。
【0156】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に係るベース10及びハードディスク駆動装置1に限定されるものではなく、本発明の概念及び特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。また、上述した課題及び効果を奏するように、各構成を適宜選択的に組み合わせても良い。例えば、上記実施の形態における各構成要素の形状、材料、配置、サイズ等は、本発明の具体的態様によって適宜変更され得る。
【0157】
例えば、上記本実施形態では、第1軸部14aが穴部14a4を有し、第2軸部14bがピン部14b2を有する場合を説明した(
図3)。しかし、第1軸部がピン部を有し、第2軸部が穴部を有してもよい。つまり、第1軸部は、底板部から上方に延在する第1基部と、第1基部から上方に延在し、第1基部より小径のピン部と、を有してもよい。第2軸部は、カバーが取付けられる第2基部と、第2基部から下方に延在する下方延在部と、下方延在部の下端面から上方に凹み、ピン部が圧入される穴部と、を有してもよい。
【0158】
この場合、第2軸部は、ピン部が穴部に圧入された状態で、穴部の内部空間と外部空間とを接続する接続通路を有してもよい。
【0159】
また、第1軸部は、底板部から上方に延在する第1基部と、第1基部から上方に延在し、第1基部より小径のネジ結合部と、を有してもよい。第2軸部は、カバーが取付けられる第2基部と、第2基部から下方に延在する下方延在部と、下方延在部の下端面から上方に凹み、ネジ結合部が螺合される被ネジ結合部と、を有してもよい。
【0160】
モータ用シャフト51はベース10の構成要素として、ベース本体部11と一体にダイキャスト鋳造されてもよい。
【0161】
上記実施形態では、モータ用シャフト51が静止部50aの一構成要素であるスピンドルモータ50の例を説明した。すなわち、モータ用シャフト51が、ベース本体部11に圧入等によって固定され、このモータ用シャフト51の外周面に一対の軸受部材52が固定された例を説明した。しかし、スピンドルモータは、回転部50bの一構成要素としてモータ用シャフトを有するものであってもよい。すなわち、スピンドルモータは、図示しない軸受スリーブをベースに固定し、軸受スリーブに回転可能に支持されたモータ用シャフトの外周面に、ロータを固定して構成されるものであってもよい。
【符号の説明】
【0162】
1 ハードディスク駆動装置、10 ベース、12 底板部、12c 凹部、12c1 凹部底面(底面)、12d 溝、14 ピボット用シャフト、14a 第1軸部、14a1 第1基部、14a2 上方延在部、14a3 上部面、14a4 穴部、14a5 第1基部外面、14a6 被ネジ結合部、14a7 テーパ部、14a8 基端、14a9 先端、15a1 先端領域、15a2 直線部、15a4 ネジ結合部、15a5 凹溝、14b 第2軸部、14b1 第2基部、14b2 ピン部、14b3 先端領域、14b4 基端、14b5 先端、14b6 テーパ部、15b4 ネジ結合部、15b5 下方延在部、15b6 下端面、15b7 穴部、15b8 外面、15b9 フランジ部、16b1 取付面、16b2 内部空間、16b3 外部空間、16b4 接続通路、16b6 被ネジ結合部、16b7 凹溝、17 熱硬化接着剤(接着剤)、18 紫外線硬化接着剤、30 筐体、40 カバー、50 スピンドルモータ、60 記録ディスク、70 アクセス部、G 隙間