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特開2024-113328入力装置、プログラム、及び、誤検出防止方法
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  • 特開-入力装置、プログラム、及び、誤検出防止方法 図1
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  • 特開-入力装置、プログラム、及び、誤検出防止方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113328
(43)【公開日】2024-08-22
(54)【発明の名称】入力装置、プログラム、及び、誤検出防止方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20240815BHJP
【FI】
G06F3/041 522
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023018224
(22)【出願日】2023-02-09
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-05-28
(71)【出願人】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】今井 拓也
(57)【要約】
【課題】 操作していない場合における誤検出を防止する。
【解決手段】 本発明の入力装置は、タッチダウンであるかタッチアップであるかを示すタッチ種類と、検出位置と、検出時刻とを含むタッチ情報を出力するタッチパッドと、タッチ種類がタッチダウンである第1タッチ情報と、タッチ種類がタッチアップである第2タッチ情報とのセットを生成するタッチ情報セット生成手段と、第1タッチ情報の第1タッチ時刻と、第2タッチ情報の第2タッチ時刻との時間差を算出する時間差算出手段と、第1タッチ情報の第1タッチ位置と、第2タッチ情報の第2タッチ位置との距離を算出する距離算出手段と、時間差が第1閾値より短く、かつ、距離が第2閾値より短い場合に、第1タッチ情報及び第2タッチ情報のセットを破棄するタッチ情報破棄手段と、破棄されない第1タッチ情報及び第2タッチ情報のセットを出力するタッチ情報出力手段とを含む。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチダウンであるかタッチアップであるかを示すタッチ種類と、検出位置と、検出時刻とを含むタッチ情報を出力するタッチパッドと、
前記タッチ種類がタッチダウンである第1タッチ情報と、前記第1タッチ情報より後に取得した前記タッチ情報であり、前記タッチ種類がタッチアップである第2タッチ情報とのセットを生成するタッチ情報セット生成手段と、
前記第1タッチ情報の第1タッチ時刻と、前記第2タッチ情報の第2タッチ時刻との時間差を算出する時間差算出手段と、
前記第1タッチ情報の第1タッチ位置と、前記第2タッチ情報の第2タッチ位置との距離を算出する距離算出手段と、
前記時間差が第1閾値より短く、かつ、前記距離が第2閾値より短い場合に、前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットを破棄するタッチ情報破棄手段と、
破棄されない前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットを出力するタッチ情報出力手段と
を含む入力装置。
【請求項2】
前記タッチ情報破棄手段は、破棄した前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットの数をカウントし、
破棄した前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットの数が第3閾値を超えた場合、前記タッチ情報出力手段は、破棄した前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットの数、及び、破棄した前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットの数が第3閾値を超えたことを示す情報の少なくとも一方を出力する
請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記タッチパッドは、プライマリ・タッチであるか、セカンダリ・タッチであるかを示すプライマリ情報を含む前記タッチ情報を出力し、
前記タッチ情報セット生成手段は、前記プライマリ情報がプライマリ・タッチである前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットと、前記プライマリ情報がセカンダリ・タッチである前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットとを生成し、
前記タッチ情報セット生成手段、又は、タッチ情報破棄手段のいずれか一方は、プライマリ・タッチについての第1タッチ情報及び第2タッチ情報のセットであるか、セカンダリ・タッチについての第1タッチ情報及び第2タッチ情報のセットであるかを判定し、
セカンダリ・タッチについての前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットの場合、前記タッチ情報出力手段は、前記時間差が第1閾値より短く、かつ、前記距離が第2閾値より短い前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットも出力する
請求項1又は2に記載の入力装置。
【請求項4】
タッチダウンであるかタッチアップであるかを示すタッチ種類と、検出位置と、検出時刻とを含むタッチ情報を出力するタッチパッドを含むコンピュータに、
前記タッチ種類がタッチダウンである第1タッチ情報と、前記第1タッチ情報より後に取得した前記タッチ情報であり、前記タッチ種類がタッチアップである第2タッチ情報とのセットを生成する処理と、
前記第1タッチ情報の第1タッチ時刻と、前記第2タッチ情報の第2タッチ時刻との時間差を算出する処理と、
前記第1タッチ情報の第1タッチ位置と、前記第2タッチ情報の第2タッチ位置との距離を算出する処理と、
前記時間差が第1閾値より短く、かつ、前記距離が第2閾値より短い場合に、前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットを破棄する処理と、
破棄されない前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットを出力する処理と
を実行させるプログラム。
【請求項5】
前記コンピュータに、
破棄した前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットの数をカウントする処理と、
破棄した前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットの数が第3閾値を超えた場合、破棄した前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットの数、及び、破棄した前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットの数が第3閾値を超えたことを示す情報の少なくとも一方を出力する処理と
を実行させる請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記タッチパッドは、プライマリ・タッチであるか、セカンダリ・タッチであるかを示すプライマリ情報を含む前記タッチ情報を出力し、
前記コンピュータに、
前記プライマリ情報がプライマリ・タッチである前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットと、前記プライマリ情報がセカンダリ・タッチである前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットとを生成する処理と、
プライマリ・タッチについての第1タッチ情報及び第2タッチ情報のセットであるか、セカンダリ・タッチについての第1タッチ情報及び第2タッチ情報のセットであるかを判定する処理と、
セカンダリ・タッチについての前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットの場合、前記時間差が第1閾値より短く、かつ、前記距離が第2閾値より短い前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットも出力する処理と
を実行させる請求項4又は5に記載のプログラム。
【請求項7】
タッチダウンであるかタッチアップであるかを示すタッチ種類と、検出位置と、検出時刻とを含むタッチ情報を出力するタッチパッドを含むコンピュータが、
前記タッチ種類がタッチダウンである第1タッチ情報と、前記第1タッチ情報より後に取得した前記タッチ情報であり、前記タッチ種類がタッチアップである第2タッチ情報とのセットを生成し、
前記第1タッチ情報の第1タッチ時刻と、前記第2タッチ情報の第2タッチ時刻との時間差を算出し、
前記第1タッチ情報の第1タッチ位置と、前記第2タッチ情報の第2タッチ位置との距離を算出し、
前記時間差が第1閾値より短く、かつ、前記距離が第2閾値より短い場合に、前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットを破棄し、
破棄されない前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットを出力する
誤検出防止方法。
【請求項8】
前記コンピュータが、
破棄した前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットの数をカウントし、
破棄した前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットの数が第3閾値を超えた場合、破棄した前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットの数、及び、破棄した前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットの数が第3閾値を超えたことを示す情報の少なくとも一方を出力する
請求項7に記載の誤検出防止方法。
【請求項9】
前記タッチパッドは、プライマリ・タッチであるか、セカンダリ・タッチであるかを示すプライマリ情報を含む前記タッチ情報を出力し、
前記コンピュータが、
前記プライマリ情報がプライマリ・タッチである前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットと、前記プライマリ情報がセカンダリ・タッチである前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットとを生成し、
プライマリ・タッチについての第1タッチ情報及び第2タッチ情報のセットであるか、セカンダリ・タッチについての第1タッチ情報及び第2タッチ情報のセットであるかを判定し、
セカンダリ・タッチについての前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットの場合、前記時間差が第1閾値より短く、かつ、前記距離が第2閾値より短い前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットも出力する
請求項7又は8に記載の誤検出防止方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置に関し、特に、誤検出の防止に関する。
【背景技術】
【0002】
入力機器として用いられるタッチパネルのタッチパッドには、水滴などのために、誤検出が発生する。特許文献1に記載の誤検出防止方法は、接触領域の大きさに基づいて、水の付着を検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-191550号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
タッチパッドの誤検出には、埃などのために、指などがタッチしていないのにタッチされたと判定される現象がある。この現象は、ゴーストタッチと呼ばれる。特許文献1に記載の誤検出防止方法は、指の接触時における接触領域の大きさに基づいて、水の付着を検出するものであり、ゴーストタッチのようなタッチしていない場合における誤検出を防止するものではない。
【0005】
本発明の目的は、タッチしていない場合における誤検出を防止する入力装置などを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態における入力装置は、タッチダウンであるかタッチアップであるかを示すタッチ種類と、検出位置と、検出時刻とを含むタッチ情報を出力するタッチパッドと、タッチ種類がタッチダウンである第1タッチ情報と、第1タッチ情報より後に取得したタッチ情報であり、タッチ種類がタッチアップである第2タッチ情報とのセットを生成するタッチ情報セット生成手段と、第1タッチ情報の第1タッチ時刻と、第2タッチ情報の第2タッチ時刻との時間差を算出する時間差算出手段と、第1タッチ情報の第1タッチ位置と、第2タッチ情報の第2タッチ位置との距離を算出する距離算出手段と、時間差が第1閾値より短く、かつ、距離が第2閾値より短い場合に、第1タッチ情報及び第2タッチ情報のセットを破棄するタッチ情報破棄手段と、破棄されない第1タッチ情報及び第2タッチ情報のセットを出力するタッチ情報出力手段とを含む。
【0007】
本発明の一形態におけるプログラムは、タッチダウンであるかタッチアップであるかを示すタッチ種類と、検出位置と、検出時刻とを含むタッチ情報を出力するタッチパッドを含むコンピュータに、タッチ種類がタッチダウンである第1タッチ情報と、第1タッチ情報より後に取得したタッチ情報であり、タッチ種類がタッチアップである第2タッチ情報とのセットを生成する処理と、第1タッチ情報の第1タッチ時刻と、第2タッチ情報の第2タッチ時刻との時間差を算出する処理と、第1タッチ情報の第1タッチ位置と、第2タッチ情報の第2タッチ位置との距離を算出する処理と、時間差が第1閾値より短く、かつ、距離が第2閾値より短い場合に、第1タッチ情報及び第2タッチ情報のセットを破棄する処理と、破棄されない第1タッチ情報及び第2タッチ情報のセットを出力する処理とを実行させる。
【0008】
本発明の一形態における誤検出防止方法は、タッチダウンであるかタッチアップであるかを示すタッチ種類と、検出位置と、検出時刻とを含むタッチ情報を出力するタッチパッドを含むコンピュータが、タッチ種類がタッチダウンである第1タッチ情報と、第1タッチ情報より後に取得したタッチ情報であり、タッチ種類がタッチアップである第2タッチ情報とのセットを生成し、第1タッチ情報の第1タッチ時刻と、第2タッチ情報の第2タッチ時刻との時間差を算出し、第1タッチ情報の第1タッチ位置と、第2タッチ情報の第2タッチ位置との距離を算出し、時間差が第1閾値より短く、かつ、距離が第2閾値より短い場合に、第1タッチ情報及び第2タッチ情報のセットを破棄し、破棄されない第1タッチ情報及び第2タッチ情報のセットを出力する。
【発明の効果】
【0009】
本発明に基づけば、タッチしていない場合における誤検出を防止するとの効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態にかかる入力装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2】タッチ情報破棄部の動作の説明に用いるタッチ情報を示す図である。
図3】入力装置の動作の一例を示すフロー図である。
図4】ハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明における実施形態について図面を参照して説明する。各図面は、実施形態を説明するためのものである。ただし、実施形態は、図面の記載に限られるわけではない。
【0012】
以下の説明おいて、入力装置10は、入力機器としてタッチパッドを含む。ただし、入力装置10は、タッチパッドと同様の情報を出力する機器であれば、デジタイザなどの他の入力機器を含んでいてもよい。あるいは、入力装置10は、GUI(Graphic User Interface)を実現するタッチパネルのような、表示器と、タッチパッドのような入力機器とを含む機器を含んでいてもよい。
【0013】
さらに、入力装置10は、指などがタッチパッドにタッチしたタッチダウンと、指などを離したタッチアップとのセットを、一つのタッチとして、判定する。この判定方法は、タッチパッドを用いる場合における誤検出の発生を低減させる方法の一つである。
【0014】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態にかかる入力装置10の構成の一例を示すブロック図である。入力装置10は、タッチパッド110と、タッチ情報セット生成部120と、時間差算出部130と、距離算出部140と、タッチ情報破棄部150と、タッチ情報出力部160とを含む。例えば、入力装置10は、タッチ情報セット生成部120、時間差算出部130、距離算出部140、タッチ情報破棄部150、及び、タッチ情報出力部160の機能を実現するソフトウェアを実行するプロセッサと、タッチパッド110とを用いて構成される。
【0015】
タッチパッド110は、静電容量方式、又は、感圧式などを用いて、指などがタッチした位置を検出する入力機器である。さらに、本実施形態において、タッチパッド110は、指などのタッチダウン及びタッチアップを検出すると、タッチダウンであるかタッチアップであるかを示すタッチ種類、検出位置、及び、検出時刻を含むタッチ情報を出力する。検出位置は、タッチパッド110のいずれかの位置を原点とするタッチダウン及びタッチアップを検出した位置の座標である。検出時刻は、タッチパッド110が、タッチダウン及びタッチアップを検出した時刻である。タッチパッド110は、以下の構成の動作と非同期に、タッチ情報の出力を繰り返えしてもよい。あるいは、タッチパッド110は、タッチ情報セット生成部120からの指示に対応してタッチ情報を出力してもよい。
【0016】
タッチ情報セット生成部120は、タッチパッドからタッチ情報を取得する。そして、タッチ情報セット生成部120は、タッチ種類がタッチダウンである第1タッチ情報と、第1タッチ情報より後に取得したタッチ情報であり、タッチ種類がタッチアップである第2タッチ情報とのセットを生成する。以下、第1タッチ情報と第2タッチ情報とのセットを、単に、「タッチ情報のセット」と呼ぶ場合もある。例えば、タッチ情報セット生成部120は、次のように動作する。まず、タッチ情報セット生成部120は、タッチ種類がタッチダウンであるタッチ情報を取得するまで、タッチパッド110からタッチ情報の取得を繰り返す。タッチ種類がタッチダウンであるタッチ情報を取得すると、タッチ情報セット生成部120は、取得した情報を第1タッチ情報とする。タッチ情報セット生成部120は、第1タッチ情報を保存してもよい。第1タッチ情報を取得後、タッチ情報セット生成部120は、タッチパッド110からタッチ情報の取得を再開し、タッチ種類がタッチアップであるタッチ情報を取得するまで、タッチ情報の取得を繰り返す。そして、タッチ種類がタッチアップであるタッチ情報を取得すると、タッチ情報セット生成部120は、取得したタッチ情報を第2タッチ情報とする。そして、タッチ情報セット生成部120は、第1タッチ情報と第2タッチ情報とを組み合わせてタッチ情報のセットを生成する。
【0017】
時間差算出部130は、第1タッチ情報のタッチ時刻と、第2タッチ情報のタッチ時刻との時間差を算出する。以下、第1タッチ情報のタッチ時刻を「第1タッチ時刻」と呼び、第2タッチ情報のタッチ時刻を「第2タッチ時刻」と呼ぶ。
【0018】
距離算出部140は、第1タッチ情報のタッチ位置と、第2タッチ情報のタッチ位置との距離を算出する。以下、第1タッチ情報のタッチ位置を「第1タッチ位置」と呼び、第2タッチ情報のタッチ位置を「第2タッチ位置」と呼ぶ。
【0019】
タッチ情報破棄部150は、時間差が第1閾値より短く、かつ、距離が第2閾値より短い場合に、第1タッチ情報及び第2タッチ情報のセットを破棄する。例えば、タッチ情報破棄部150は、第1閾値として「1msec(ただし、時間解像度も1msecとする)」を、第2閾値として「4ピクセル」を用いるとする。この場合、タッチ情報破棄部150は、時間差が0msecであり、距離がタッチパッドにおける3ピクセル以下の場合に、第1タッチ情報及び第2タッチ情報のセットを破棄する。
【0020】
具体例を用いて、タッチ情報破棄部150の動作を説明する。図2は、タッチ情報破棄部150の動作の説明に用いるタッチ情報を示す図である。図2のタッチ情報の番号は、タッチパッド110が出力したタッチ情報の番号である。以下、図2の説明において、タッチ情報を区別する場合は、タッチ情報の番号を用いて説明する。タッチ情報のセット番号は、タッチ情報セット生成部120が生成した第1タッチ情報と第2タッチ情報とのセットの番号である。以下、図2の説明において、タッチ情報のセットを区別する場合は、タッチ情報のセット番号を用いて説明する。例えば、タッチ情報のセット1は、タッチ情報1及びタッチ情報2のセットである。タッチ種類は、タッチダウン又はタッチアップを示す情報である。検出時刻は、タッチ情報の検出時刻である。検出位置は、タッチ情報の検出位置である。図2は、タッチパッド110のいずれかの角を原点とした二次元座標の座標値として、検出位置を示している。位置の単位は、例えば、ピクセル単位である。なお、第1タッチ情報は、タッチ種類がタッチダウンのタッチ情報である。一方、第2タッチ情報は、タッチ種類がタッチアップのタッチ情報である。そこで、図2は、参考として、各タッチ情報のセットにおける、第1タッチ情報と、第2タッチ情報とを示している。
【0021】
次に、図2を参照して、タッチ情報破棄部150の動作の一例を説明する。以下の説明において、タッチ情報破棄部150は、第1閾値として0.1msecを用い、第2閾値として4ピクセルを用いる。
【0022】
タッチ情報のセット1は、第1タッチ情報の検出時刻(第1タッチ時刻)と第2タッチ情報の検出時刻(第2タッチ時刻)との時間差が、第1閾値より短い0msecである。なお、時間差が0msecとは、時間差がタッチパッド110の時間解像度以下であり、実質的に同時であることを示す。さらに、タッチ情報のセット1は、第1タッチ情報の検出位置(第1タッチ位置)と第2タッチ情報の検出位置(第2タッチ位置)との距離が第2閾値より短い0ピクセルである。なお、距離が0ピクセルとは、位置の差がタッチパッド110の空間解像度以下であり、実質的に同じ位置であることを示す。つまり、タッチ情報のセット1は、タッチダウンとタッチアップが同時刻に発生し、かつ、同じ位置である。このような、タッチダウンとタッチアップとセットは、人の操作ではない可能性が高い。そこで、タッチ情報破棄部150は、タッチ情報のセット1を破棄する。
【0023】
タッチ情報のセット2は、第1タッチ情報の検出時刻(第1タッチ時刻)と第2タッチ情報の検出時刻(第2タッチ時刻)との時間差が第1閾値より短い0msecである。さらに、タッチ情報のセット2は、第1タッチ情報の検出位置(第1タッチ位置)と第2タッチ情報の検出位置(第2タッチ位置)との距離が第2閾値より短い3ピクセルである。そこで、タッチ情報破棄部150は、タッチ情報のセット2を破棄する。
【0024】
タッチ情報のセット3は、第1タッチ情報の検出時刻(第1タッチ時刻)と第2タッチ情報の検出時刻(第2タッチ時刻)との時間差が第1閾値以上である2130msecである。そのため、タッチ情報破棄部150は、タッチ情報のセット3を破棄しない。
【0025】
タッチ情報出力部160は、破棄されない第1タッチ情報及び第2タッチ情報のセットを出力する。例えば、図2に示されているタッチ情報のセット3の場合、タッチ情報出力部160は、タッチ情報のセット3を出力する。例えば、タッチ情報出力部160は、タッチ情報のセットを図示しない情報処理装置に出力してもよい。あるいは、例えば、入力装置10がタブレット装置に含まれる場合、タッチ情報出力部160は、タブレットの装置の処理部に、タッチ情報のセットを出力してもよい。なお、出力された第1タッチ情報及び第2タッチ情報のセットは、タッチパッド110に対する一つのタッチに対応する情報となる。
【0026】
図3は、入力装置10の動作の一例を示すフロー図である。タッチパッド110は、タッチダウン及びタッチアップを検出すると、タッチダウンであるかタッチアップであるかを示すタッチ種類と、検出位置と、検出時刻とを含むタッチ情報を出力する(ステップS201)。タッチ情報セット生成部120は、タッチ種類がタッチダウンである第1タッチ情報と、第1タッチ情報より後に取得したタッチ情報であり、タッチ種類がタッチアップである第2タッチ情報とのセットを生成する(ステップS202)。時間差算出部130は、第1タッチ情報の第1タッチ時刻と、第2タッチ情報の第2タッチ時刻との時間差を算出する(ステップS203)。距離算出部140は、第1タッチ情報の第1タッチ位置と、第2タッチ情報の第2タッチ位置との距離を算出する(ステップS204)。タッチ情報破棄部150は、第1タッチ情報及び第2タッチ情報のセットを破棄するか否かを判定する(ステップS205)。具体的には、タッチ情報破棄部150は、時間差が第1閾値より短く、かつ、距離が第2閾値より短い場合に、第1タッチ情報及び第2タッチ情報のセットを破棄すると判定する。タッチ情報のセットを破棄すると判定した場合(ステップS205でYes)、タッチ情報破棄部150は、第1タッチ情報及び第2タッチ情報のセットを破棄する(ステップS206)。そして、入力装置10は、ステップS202に戻る。タッチ情報破棄部150がタッチ情報のセットを破棄しないと判定した場合(ステップS205でNo)、タッチ情報出力部160は、破棄されない第1タッチ情報及び第2タッチ情報のセットを出力する(ステップS207)。
【0027】
これまでの説明のように、入力装置10は、タッチパッド110と、タッチ情報セット生成部120と、時間差算出部130と、距離算出部140と、タッチ情報破棄部150と、タッチ情報出力部160とを含む。タッチパッド110は、タッチダウンであるかタッチアップであるかを示すタッチ種類と、検出位置と、検出時刻とを含むタッチ情報を出力する。タッチ情報セット生成部120は、タッチ種類がタッチダウンである第1タッチ情報と、第1タッチ情報により後に取得したタッチ情報であり、タッチ種類がタッチアップである第2タッチ情報とのセットを生成する。時間差算出部130は、第1タッチ情報の第1タッチ時刻と、第2タッチ情報の第2タッチ時刻との時間差を算出する。距離算出部140は、第1タッチ情報の第1タッチ位置と、第2タッチ情報の第2タッチ位置との距離を算出する。タッチ情報破棄部150は、時間差が第1閾値より短く、かつ、距離が第2閾値より短い場合に、第1タッチ情報及び第2タッチ情報のセットを破棄する。タッチ情報出力部160は、破棄されない第1タッチ情報及び第2タッチ情報のセットを出力する。
【0028】
埃などのために発生するゴーストタッチの少なくとも一部は、タッチダウンとタッチアップとの時間差及び距離が、人のタッチでは発生しないような短い時間差及び近距離となる。入力装置10は、上記のように、第1閾値より短い時間差、かつ、第2閾値より短い距離のタッチダウン及びタッチアップのセットを破棄する。そのため、入力装置10は、ゴーストタッチのような、指などがタッチパッド110にタッチしていない場合の誤検出を防止する。
【0029】
ゴーストタッチが頻発する場合、ゴーストタッチを起こす埃がタッチパッド110に付着している可能性がある。あるいは、ゴーストタッチが頻発する場合、タッチパッド110が不良となっている可能性がある。そこで、入力装置10は、破棄したタッチ情報のセットの数が閾値を超えた場合に、閾値を超えたことを示す情報を出力してもよい。以下、破棄したタッチ情報のセットの数の閾値を「第3閾値」と呼ぶ。例えば、タッチ情報破棄部150は、破棄した第1タッチ情報及び第2タッチ情報のセットの数をカウントしてもよい。そして、破棄したセットの数が第3閾値を超えた場合に、タッチ情報出力部160は、破棄したタッチ情報のセットの数が第3閾値を超えたことを示す情報を出力してもよい。あるいは、入力装置10は、破棄したタッチ情報のセットの数を出力してもよい。あるいは、入力装置10は、破棄したタッチ情報のセットの数、及び、破棄したタッチ情報のセットの数が第3閾値を超えたことを示す情報の両方を出力してもよい。例えば、利用者は、この情報に基づいて、タッチパッド110又は入力装置10の状態を確認すればよい。あるいは、例えば、利用者は、上記の情報に基づいて、タッチパッド110を掃除してもよい。あるいは、利用者は、入力装置10を修理してもよい。このように、入力装置10は、誤検出に関連する情報として、破棄したタッチ情報のセットの数が第3閾値を超えたことを示す情報を出力してもよい。
【0030】
タッチパッド110は、マルチタッチに対応する場合がある。マルチタッチの場合、マルチタッチにおける最初のタッチと、そのタッチに続く一つ以上のタッチとが、一塊のタッチとなる。以下、マルチタッチにおける最初のタッチを「プライマリ・タッチ」と呼び、プライマリ・タッチに続く一つ以上の他のタッチを「セカンダリ・タッチ」と呼ぶ。そして、セカンダリ・タッチは、プライマリ・タッチに対して、ほぼ同時刻となる場合もあるし、近接した位置となる場合もある。そこで、入力装置10は、マルチタッチ対応として、「プライマリ・タッチ」と「セカンダリ・タッチ」と区別して動作してもよい。例えば、入力装置10は、セカンダリ・タッチの場合、時間差算出部130、距離算出部140、及び、タッチ情報破棄部150の動作を省略してもよい。以下、マルチタッチ対応の動作の一例を説明する。
【0031】
タッチパッド110は、タッチ種類、検出位置、及び、検出時刻に加え、タッチがプライマリ・タッチであるか、セカンダリ・タッチであるかを示すプライマリ情報を含むタッチ情報を出力する。
【0032】
タッチ情報セット生成部120は、第1タッチ情報と第2タッチ情報とのセットを生成する。ただし、タッチ情報セット生成部120は、プライマリ情報が同じである、第1タッチ情報と第2タッチ情報とのセットを生成する。つまり、タッチ情報セット生成部120は、プライマリ情報がプライマリ・タッチである第1タッチ情報及び第2タッチ情報のセットと、プライマリ情報がセカンダリ・タッチである第1タッチ情報及び第2タッチ情報とのセットとを生成する。なお、プライマリ情報がプライマリ・タッチである第1タッチ情報及び第2タッチ情報のセットは、プライマリ・タッチについてのタッチ情報のセットである。プライマリ情報がセカンダリ・タッチである第1タッチ情報及び第2タッチ情報とのセットは、セカンダリ・タッチについてのタッチ情報のセットである。
【0033】
そして、セカンダリ・タッチについての第1タッチ情報及び第2タッチ情報のセットの場合に、タッチ情報破棄部150は、時間差が第1閾値より短く、かつ、距離が第2閾値より短い場合でも、第1タッチ情報及び第2タッチ情報のセットを破棄しない。そのため、セカンダリ・タッチについての第1タッチ情報及び第2タッチ情報のセットの場合、タッチ情報出力部160は、時間差が第1閾値より短く、かつ、距離が第2閾値より短い場合でも、タッチ情報のセットも出力する。あるいは、タッチ情報セット生成部120が、プライマリ情報に基づいて、生成した第1タッチ情報及び第2タッチ情報のセットが、プライマリ・タッチについての第1タッチ情報及び第2タッチ情報のセットであるか否かを判定してもよい。そして、セカンダリ・タッチについての第1タッチ情報及び第2タッチ情報のセットの場合に、タッチ情報セット生成部120が、第1タッチ情報及び第2タッチ情報のセットをタッチ情報出力部160に出力してもよい。つまり、セカンダリ・タッチについての第1タッチ情報及び第2タッチ情報のセットの場合、入力装置10は、時間差算出部130、距離算出部140、及び、タッチ情報破棄部150の動作を省略してもよい。そして、この場合も、タッチ情報出力部160は、取得したセカンダリ・タッチの第1タッチ情報及び第2タッチ情報のセットを出力する。このように、タッチ情報セット生成部120、又は、タッチ情報破棄部150のいずれか一方が、プライマリ・タッチについてのタッチ情報のセットであるか、セカンダリ・タッチについてのタッチ情報のセットであるか否かを判定する。そして、セカンダリ・タッチについての第1タッチ情報及び第2タッチ情報のセットの場合、タッチ情報出力部160は、時間差が第1閾値より短く、かつ、距離が第2閾値より短い第1タッチ情報及び第2タッチ情報のセットも出力する。
【0034】
一方、プライマリ・タッチについての第1タッチ情報及び第2タッチ情報のセットの場合、入力装置10は、これまでの説明と同様に動作する。すなわち、まず、時間差算出部130は、第1タッチ情報の第1タッチ時刻と、第2タッチ情報の第2タッチ時刻との時間差を算出する。そして、距離算出部140は、第1タッチ情報の第1タッチ位置と、第2タッチ情報の第2タッチ位置との距離を算出する。そして、タッチ情報破棄部150は、時間差が第1閾値より短く、かつ、距離が第2閾値より短い場合に、プライマリ・タッチの第1タッチ情報及び第2タッチ情報のセットを破棄する。そして、タッチ情報出力部160は、破棄されなかったプライマリ・タッチの第1タッチ情報及び第2タッチ情報のセットを出力する。
【0035】
このように、入力装置10は、プライマリ情報に基づいて、マルチタッチに対応した動作を実行してもよい。
【0036】
次に、入力装置10のハードウェア構成について説明する。入力装置10の各構成部は、ハードウェア回路で構成されてもよい。あるいは、入力装置10において、各構成部は、ネットワークを介して接続した複数の装置を用いて、構成されてもよい。例えば、入力装置10は、クラウドコンピューティングを利用して構成されてもよい。あるいは、入力装置10において、複数の構成部は、1つのハードウェアで構成されてもよい。あるいは、入力装置10は、タッチパッド110と、プロセッサ(CPU: Central Processing Unit)と、読み取り専用メモリ(ROM: Read Only Memory)と、ランダム・アクセス・メモリ(RAM: Random Access Memory)と、ネットワークインターフェースとを含むコンピュータ装置として実現されてもよい。
【0037】
図4は、入力装置10のハードウェア構成の一例であるコンピュータ装置600を示すブロック図である。コンピュータ装置600は、タッチパッド110と、CPU610と、ROM620と、RAM630と、記憶装置640と、ネットワークインターフェース650とを含む。各構成は、バスなどを用いて接続されている。
【0038】
CPU610は、ROM620及び記憶装置640の少なくとも一方からプログラムを読み込む。そして、CPU610は、読み込んだプログラムに基づいて、RAM630と、記憶装置640と、ネットワークインターフェース650とを制御する。そして、CPU610は、これらの構成を制御して、タッチ情報セット生成部120と、時間差算出部130と、距離算出部140と、タッチ情報破棄部150と、タッチ情報出力部160としての機能を実現する。このように、入力装置10は、ハードウェアとソフトウェアとの組合せとして、機能を実現してもよい。
【0039】
CPU610は、コンピュータで読み取り可能にプログラムを記憶した記録媒体690が含むプログラムを、図示しない記録媒体読み取り装置を用いて読み込んでもよい。あるいは、CPU610は、ネットワークインターフェース650を介して、図示しない外部の装置からプログラムを受け取り、RAM630又は記憶装置640に保存して、保存したプログラムに基づいて動作してもよい。
【0040】
ROM620は、CPU610が実行するプログラム及び固定的なデータを記憶する。ROM620は、例えば、プログラマブルROM(P-ROM: Programmable-ROM)又はフラッシュROMである。RAM630は、CPU610が実行するプログラム及びデータを一時的に記憶する。RAM630は、例えば、ダイナミックRAM(D-RAM: Dynamic-RAM)である。記憶装置640は、コンピュータ装置600が長期的に保存するデータ及びプログラムを記憶する。また、記憶装置640は、CPU610の一時記憶装置として動作してもよい。記憶装置640は、例えば、ハードディスク装置、又は、ソリッド・ステート・ドライブ(SSD: Solid State Drive)である。
【0041】
ROM620及び記憶装置640は、不揮発性(non-transitory)の記録媒体である。一方、RAM630は、揮発性(transitory)の記録媒体である。そして、CPU610は、ROM620、記憶装置640、及び、RAM630に記憶されているプログラムに基づいて動作可能である。つまり、CPU610は、不揮発性記録媒体及び揮発性記録媒体のどちらを用いても動作可能である。CPU610は、各機能を実現する際に、RAM630及び記憶装置640の少なくとも一方を、プログラム及びデータの一時的な記憶媒体として使用してもよい。
【0042】
ネットワークインターフェース650は、ネットワークを介した図示しない外部の装置とのデータのやり取りを中継する。ネットワークインターフェース650は、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN: Local Area Network)カードである。さらに、ネットワークインターフェース650は、有線に限らず、無線を用いてもよい。
【0043】
このように構成されたコンピュータ装置600は、入力装置10における各構成の動作を実行して、入力装置10としての機能を実現する。
【0044】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成及び詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0045】
10 入力装置
110 タッチパッド
120 タッチ情報セット生成部
130 時間差算出部
140 距離算出部
150 タッチ情報破棄部
160 タッチ情報出力部
600 コンピュータ装置
610 CPU
620 ROM
630 RAM
640 記憶装置
650 ネットワークインターフェース
690 記録媒体
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2024-03-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチダウンであるかタッチアップであるかを示すタッチ種類と、検出位置と、検出時刻とを含むタッチ情報を出力するタッチパッドと、
前記タッチ種類がタッチダウンである第1タッチ情報を取得するまで前記タッチ情報の取得を繰り返し、前記第1タッチ情報を取得すると前記第1タッチ情報を保存し、前記第1タッチ情報を保存後に前記タッチ情報の取得を再開し、前記タッチ種類がタッチアップである第2タッチ情報を取得するまで前記タッチ情報の取得を繰り返し、前記第2タッチ情報を取得すると保存している前記第1タッチ情報と前記第2タッチ情報とのセットを生成するタッチ情報セット生成手段と、
前記第1タッチ情報の第1タッチ時刻と、前記第2タッチ情報の第2タッチ時刻との時間差を算出する時間差算出手段と、
前記第1タッチ情報の第1タッチ位置と、前記第2タッチ情報の第2タッチ位置との距離を算出する距離算出手段と、
前記時間差が第1閾値より短く、かつ、前記距離が第2閾値より短い場合に、前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットを破棄するタッチ情報破棄手段と、
破棄されない前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットを出力するタッチ情報出力手段と
を含む入力装置。
【請求項2】
前記タッチ情報破棄手段は、破棄した前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットの数をカウントし、
破棄した前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットの数が第3閾値を超えた場合、前記タッチ情報出力手段は、破棄した前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットの数、及び、破棄した前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットの数が第3閾値を超えたことを示す情報の少なくとも一方を出力する
請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記タッチパッドは、プライマリ・タッチであるか、セカンダリ・タッチであるかを示すプライマリ情報を含む前記タッチ情報を出力し、
前記タッチ情報セット生成手段は、前記プライマリ情報がプライマリ・タッチである前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットと、前記プライマリ情報がセカンダリ・タッチである前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットとを生成し、
前記タッチ情報セット生成手段、又は、タッチ情報破棄手段のいずれか一方は、プライマリ・タッチについての第1タッチ情報及び第2タッチ情報のセットであるか、セカンダリ・タッチについての第1タッチ情報及び第2タッチ情報のセットであるかを判定し、
セカンダリ・タッチについての前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットの場合、前記タッチ情報出力手段は、前記時間差が第1閾値より短く、かつ、前記距離が第2閾値より短い前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットも出力する
請求項1又は2に記載の入力装置。
【請求項4】
タッチダウンであるかタッチアップであるかを示すタッチ種類と、検出位置と、検出時刻とを含むタッチ情報を出力するタッチパッドを含むコンピュータに、
前記タッチ種類がタッチダウンである第1タッチ情報を取得するまで前記タッチ情報の取得を繰り返し、前記第1タッチ情報を取得すると前記第1タッチ情報を保存し、前記第1タッチ情報を保存後に前記タッチ情報の取得を再開し、前記タッチ種類がタッチアップである第2タッチ情報を取得するまで前記タッチ情報の取得を繰り返し、前記第2タッチ情報を取得すると保存している前記第1タッチ情報と前記第2タッチ情報とのセットを生成する処理と、
前記第1タッチ情報の第1タッチ時刻と、前記第2タッチ情報の第2タッチ時刻との時間差を算出する処理と、
前記第1タッチ情報の第1タッチ位置と、前記第2タッチ情報の第2タッチ位置との距離を算出する処理と、
前記時間差が第1閾値より短く、かつ、前記距離が第2閾値より短い場合に、前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットを破棄する処理と、
破棄されない前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットを出力する処理と
を実行させるプログラム。
【請求項5】
前記コンピュータに、
破棄した前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットの数をカウントする処理と、
破棄した前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットの数が第3閾値を超えた場合、破棄した前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットの数、及び、破棄した前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットの数が第3閾値を超えたことを示す情報の少なくとも一方を出力する処理と
を実行させる請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記タッチパッドは、プライマリ・タッチであるか、セカンダリ・タッチであるかを示すプライマリ情報を含む前記タッチ情報を出力し、
前記コンピュータに、
前記プライマリ情報がプライマリ・タッチである前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットと、前記プライマリ情報がセカンダリ・タッチである前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットとを生成する処理と、
プライマリ・タッチについての第1タッチ情報及び第2タッチ情報のセットであるか、セカンダリ・タッチについての第1タッチ情報及び第2タッチ情報のセットであるかを判定する処理と、
セカンダリ・タッチについての前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットの場合、前記時間差が第1閾値より短く、かつ、前記距離が第2閾値より短い前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットも出力する処理と
を実行させる請求項4又は5に記載のプログラム。
【請求項7】
タッチダウンであるかタッチアップであるかを示すタッチ種類と、検出位置と、検出時刻とを含むタッチ情報を出力するタッチパッドを含むコンピュータが、
前記タッチ種類がタッチダウンである第1タッチ情報を取得するまで前記タッチ情報の取得を繰り返し、前記第1タッチ情報を取得すると前記第1タッチ情報を保存し、前記第1タッチ情報を保存後に前記タッチ情報の取得を再開し、前記タッチ種類がタッチアップである第2タッチ情報を取得するまで前記タッチ情報の取得を繰り返し、前記第2タッチ情報を取得すると保存している前記第1タッチ情報と前記第2タッチ情報とのセットを生成し、
前記第1タッチ情報の第1タッチ時刻と、前記第2タッチ情報の第2タッチ時刻との時間差を算出し、
前記第1タッチ情報の第1タッチ位置と、前記第2タッチ情報の第2タッチ位置との距離を算出し、
前記時間差が第1閾値より短く、かつ、前記距離が第2閾値より短い場合に、前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットを破棄し、
破棄されない前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットを出力する
誤検出防止方法。
【請求項8】
前記コンピュータが、
破棄した前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットの数をカウントし、
破棄した前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットの数が第3閾値を超えた場合、破棄した前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットの数、及び、破棄した前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットの数が第3閾値を超えたことを示す情報の少なくとも一方を出力する
請求項7に記載の誤検出防止方法。
【請求項9】
前記タッチパッドは、プライマリ・タッチであるか、セカンダリ・タッチであるかを示すプライマリ情報を含む前記タッチ情報を出力し、
前記コンピュータが、
前記プライマリ情報がプライマリ・タッチである前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットと、前記プライマリ情報がセカンダリ・タッチである前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットとを生成し、
プライマリ・タッチについての第1タッチ情報及び第2タッチ情報のセットであるか、セカンダリ・タッチについての第1タッチ情報及び第2タッチ情報のセットであるかを判定し、
セカンダリ・タッチについての前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットの場合、前記時間差が第1閾値より短く、かつ、前記距離が第2閾値より短い前記第1タッチ情報及び前記第2タッチ情報のセットも出力する
請求項7又は8に記載の誤検出防止方法。