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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113347
(43)【公開日】2024-08-22
(54)【発明の名称】直流トラッキング検出回路
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/52 20200101AFI20240815BHJP
   G01R 31/12 20200101ALI20240815BHJP
   H01R 13/713 20060101ALI20240815BHJP
【FI】
G01R31/52
G01R31/12 D
H01R13/713
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023018262
(22)【出願日】2023-02-09
(71)【出願人】
【識別番号】000124591
【氏名又は名称】河村電器産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 智晴
【テーマコード(参考)】
2G014
2G015
5E021
【Fターム(参考)】
2G014AA16
2G014AB60
2G014AC19
2G015AA28
2G015BA04
2G015CA12
5E021FA03
5E021FA14
5E021FB07
5E021FB21
5E021FC11
5E021FC16
5E021MA02
5E021MA04
5E021MA06
5E021MA20
5E021MB01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】直流トラッキングを検出することができる直流トラッキング検出回路を提供する。
【解決手段】電気接続器における直流トラッキングを検出する直流トラッキング検出回路であって、電気接続器の正極51と負極61との間の位置に設けられた第1電圧検出端子と正極51と負極61との一方極との間に配置され、第1限流素子121および第1フォトカプラ122を有する第1検出回路を備える、直流トラッキング検出回路。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気接続器における直流トラッキングを検出する直流トラッキング検出回路であって、
前記電気接続器の正極と負極との間の位置に設けられた第1電圧検出端子と前記正極と前記負極との一方極との間に配置され、第1限流素子および第1フォトカプラを有する第1検出回路を備える、
直流トラッキング検出回路。
【請求項2】
前記第1限流素子として使用される素子を変更することで、前記第1検出回路の検出感度を調整可能である、
請求項1に記載の直流トラッキング検出回路。
【請求項3】
前記第1限流素子は、抵抗である、
請求項1に記載の直流トラッキング検出回路。
【請求項4】
前記第1限流素子は、定電圧を発生させる半導体素子である、
請求項1に記載の直流トラッキング検出回路。
【請求項5】
前記第1検出回路は、前記直流トラッキングが検出された場合、他の回路へ警報信号を出力する、
請求項1に記載の直流トラッキング検出回路。
【請求項6】
前記第1電圧検出端子と同一または異なる第2電圧検出端子と前記一方極とは異なる他方極との間に配置され、第2限流素子および第2フォトカプラを有する第2検出回路をさらに備える、
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の直流トラッキング検出回路。
【請求項7】
前記第1限流素子および前記第2限流素子は、それぞれ、定電圧を発生させる半導体素子であり、
前記第1限流素子および前記第2限流素子の端子間合計電圧は、前記正極と前記負極との間の電圧以上である、
請求項6に記載の直流トラッキング検出回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、直流トラッキング検出回路に関する。
【背景技術】
【0002】
電源コンセントでは、交流トラッキングを防止する機能を有するものがある。当該機能では、トラッキングに至る前に発生する現象(例えば、火花放電)を検出したことに応じて電路を遮断することで、トラッキングを防止する。
【0003】
特許文献1に記載された回路では、AC(Alternating Current)コンセントにおいて、受け刃間に設置された端子にフォトカプラを接続して、トラッキングを検出することが行われる(特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-57524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のトラッキング検出回路では、直流トラッキングを検出することができなかった。つまり、従来のトラッキング検出回路は、交流トラッキングに特化した回路であり、極性がある直流を検出することができなかった。
【0006】
本開示は、このような事情を考慮してなされたもので、直流トラッキングを検出することができる直流トラッキング検出回路を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様は、電気接続器における直流トラッキングを検出する直流トラッキング検出回路であって、前記電気接続器の正極と負極との間の位置に設けられた第1電圧検出端子と前記正極と前記負極との一方極との間に配置され、第1限流素子および第1フォトカプラを有する第1検出回路を備える、直流トラッキング検出回路である。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、直流トラッキング検出回路において、直流トラッキングを検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1A】第1実施形態に係る直流トラッキング検出回路を含む直流接続装置の構成の一例を示す図である。
図1B】第1実施形態に係るコネクタの構成の一例を示す図である。
図2】第2実施形態に係る直流トラッキング検出回路を含む直流接続装置の構成の一例を示す図である。
図3】第3実施形態に係る直流トラッキング検出回路を含む直流接続装置の構成の一例を示す図である。
図4】第4実施形態に係る直流トラッキング検出回路を含む直流接続装置の構成の一例を示す図である。
図5】第5実施形態に係る直流トラッキング検出回路を含む直流接続装置の構成の一例を示す図である。
図6A】第6実施形態に係る直流トラッキング検出回路を含む直流接続装置の構成の一例を示す図である。
図6B】第1実施形態に係るコネクタの構成の一例を示す図である。
図7】第7実施形態に係る直流トラッキング検出回路を含む直流接続装置の構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照し、本開示の実施形態について説明する。
【0011】
(第1実施形態)
[直流トラッキング検出回路を含む直流接続装置]
図1Aは、第1実施形態に係る直流トラッキング検出回路101を含む直流接続装置1の構成の一例を示す図である。
図1Bは、第1実施形態に係るコネクタ21の構成の一例を示す図である。
図1Aおよび図1Bには、それぞれ、説明の便宜上、三次元直交座標軸であるXYZ直交座標軸を示してある。なお、XYZ直交座標軸は、コネクタ21の構成を説明するためのものであり、直流トラッキング検出回路101の構成とは関係ない。
【0012】
直流接続装置1は、コネクタ21と、直流トラッキング検出回路101と、を備える。
図1Bには、図1Aとは異なる視点で、コネクタ21を示してある。
【0013】
<コネクタ>
コネクタ21は、ハウジング41と、正極51と、正極51の周囲の一部を囲む絶縁壁52と、負極61と、負極61の周囲の一部を囲む絶縁壁62と、センサ端子81と、を備える。
センサ端子81は、正極51と負極61との間の位置に備えられている。本実施形態では、センサ端子81は、正極51と負極61との間の中心位置に備えられているが、必ずしも中心位置でなくてもよい。
本実施形態では、センサ端子81は、電圧検出端子として機能する。
【0014】
なお、本実施形態では、センサ端子81は、コネクタ21の構成部であるとして説明するが、コネクタ21とは別の構成部であると捉えられてもよく、例えば、直流トラッキング検出回路101の構成部であると捉えられてもよい。
【0015】
<直流トラッキング検出回路>
直流トラッキング検出回路101は、限流素子121と、フォトカプラ122と、限流素子141と、電圧源161と、出力端162と、接地端G1と、を備える。
なお、本実施形態では、電圧源161は、直流トラッキング検出回路101の内部に備えられている場合を示すが、他の例として、直流トラッキング検出回路101の外部に備えられていてもよい。
また、本実施形態では、接地端G1は、直流トラッキング検出回路101の内部に備えられている場合を示すが、他の例として、直流トラッキング検出回路101の外部に備えられていてもよい。
【0016】
電圧源161は、一定の電圧が印加されており、当該電圧を供給する。
接地端G1は、接地電圧(グラウンド電圧)に保持されている。
限流素子121は、抵抗である。
また、限流素子141は、抵抗である。
フォトカプラ122は、発光ダイオードD1と、フォトトランジスタT1と、を有する。発光ダイオードD1が発光すると、フォトトランジスタT1が導通する。
出力端162は、他の回路と接続されてもよく、例えば、異常時に警報を発生させる警報装置の回路と接続されていてもよく、異常時に所定の信号(警報信号)を当該回路に出力してもよい。
【0017】
限流素子121の一端と、正極51とが接続されている。
限流素子121の他端と、フォトカプラ122の発光ダイオードD1のアノードとが接続されている。
フォトカプラ122の発光ダイオードD1のカソードと、センサ端子81とが接続されている。
限流素子141の一端と、電圧源161とが接続されている。
限流素子141の他端と、フォトカプラ122のフォトトランジスタT1のコレクターとが接続されている。これらは、直流トラッキング検出回路101の出力端162と接続されている。
フォトカプラ122のフォトトランジスタT1のエミッターと、接地端G1とが接続されている。
【0018】
<トラッキング時の動作>
コネクタ21においてトラッキングの現象が発生していない場合について説明する。この場合、直流トラッキング検出回路101では、限流素子121およびフォトカプラ122に電流が流れず、出力端162の電圧は所定電圧(説明の便宜上、通常時電圧と呼ぶ。)となる。
【0019】
一方、コネクタ21においてトラッキングの現象が発生した場合について説明する。この場合、直流トラッキング検出回路101では、限流素子121およびフォトカプラ122に電流が流れ、フォトカプラ122の発光ダイオードD1が発光することで、フォトカプラ122のフォトトランジスタT1が導通する。これにより、出力端162の電圧が通常時電圧とは別の電圧(説明の便宜上、異常時電圧と呼ぶ。)となる。
例えば、出力端162に警報装置が接続されている場合、出力端162の電圧が異常時電圧となった場合に、警報装置が警報を発生させる。当該警報の態様としては、特に限定はなく、例えば、音の出力、光の出力、または、画面表示などの態様が用いられてもよい。
【0020】
(第1実施形態について)
以上のように、本実施形態に係る直流接続装置1において、直流トラッキング検出回路101では、直流トラッキングを検出することができ、トラッキング火災などを防止することができる。
本実施形態では、限流素子121およびフォトカプラ122からなる検出回路が、正極51とセンサ端子81との間に設置されている。そして、当該検出回路により、直流における異極間の放電を検出する。
本実施形態では、例えば、限流素子121として使用される素子(例えば、抵抗値)を変更することで、検出回路の検出感度を調整することが可能である。
【0021】
ここで、本実施形態では、限流素子121として、抵抗が用いられる場合を示したが、これに限定されず、他の例として、ツェナーダイオードが用いられてもよい。
限流素子121は、例えば、フォトカプラ122を保護する効果も奏する。
【0022】
(第2実施形態)
本実施形態では、説明の便宜上、第1実施形態と同様な構成部については同じ符号を付して説明し、異なる構成部について詳しく説明する。
【0023】
[直流トラッキング検出回路を含む直流接続装置]
図2は、第2実施形態に係る直流トラッキング検出回路201を含む直流接続装置2の構成の一例を示す図である。
図2には、説明の便宜上、三次元直交座標軸であるXYZ直交座標軸を示してある。なお、XYZ直交座標軸は、コネクタ21の構成を説明するためのものであり、直流トラッキング検出回路201の構成とは関係ない。
【0024】
直流接続装置2は、図1Aおよび図1Bに示されるのと同様なコネクタ21と、直流トラッキング検出回路201と、を備える。
【0025】
<直流トラッキング検出回路>
直流トラッキング検出回路201は、定電流回路221と、限流素子として用いられるトランジスタ231と、フォトカプラ232と、限流素子241と、電圧源261と、出力端262と、接地端G2と、を備える。
なお、本実施形態では、電圧源261は、直流トラッキング検出回路201の内部に備えられている場合を示すが、他の例として、直流トラッキング検出回路201の外部に備えられていてもよい。
また、本実施形態では、接地端G2は、直流トラッキング検出回路201の内部に備えられている場合を示すが、他の例として、直流トラッキング検出回路201の外部に備えられていてもよい。
【0026】
電圧源261は、一定の電圧が印加されており、当該電圧を供給する。
接地端G2は、接地電圧(グラウンド電圧)に保持されている。
限流素子241は、抵抗である。
フォトカプラ232は、発光ダイオードD2と、フォトトランジスタT2と、を有する。発光ダイオードD2が発光すると、フォトトランジスタT2が導通する。
出力端262は、他の回路と接続されてもよく、例えば、異常時に警報を発生させる警報装置の回路と接続されていてもよく、異常時に所定の信号(警報信号)を当該回路に出力してもよい。
【0027】
定電流回路221の一端と、トランジスタ231のエミッターと、正極51とが接続されている。
定電流回路221の他端と、負極61とが接続されている。
定電流回路221の所定端(定電流の端子)と、トランジスタ231のベースとが接続されている。
トランジスタ231のコレクターと、フォトカプラ232の発光ダイオードD2のアノードとが接続されている。
フォトカプラ232の発光ダイオードD2のカソードと、センサ端子81とが接続されている。
限流素子241の一端と、電圧源261とが接続されている。
限流素子241の他端と、フォトカプラ232のフォトトランジスタT2のコレクターとが接続されている。これらは、直流トラッキング検出回路201の出力端262と接続されている。
フォトカプラ232のフォトトランジスタT2のエミッターと、接地端G2とが接続されている。
【0028】
<トラッキング時の動作>
コネクタ21においてトラッキングの現象が発生していない場合について説明する。この場合、直流トラッキング検出回路201では、トランジスタ231およびフォトカプラ232に電流が流れず、出力端262の電圧は所定電圧(通常時電圧)となる。
【0029】
一方、コネクタ21においてトラッキングの現象が発生した場合について説明する。この場合、直流トラッキング検出回路201では、トランジスタ231およびフォトカプラ232に電流が流れ、フォトカプラ232の発光ダイオードD2が発光することで、フォトカプラ232のフォトトランジスタT2が導通する。これにより、出力端262の電圧が通常時電圧とは別の電圧(異常時電圧)となる。
例えば、出力端262に警報装置が接続されている場合、出力端262の電圧が異常時電圧となった場合に、警報装置が警報を発生させる。当該警報の態様としては、特に限定はなく、例えば、音の出力、光の出力、または、画面表示などの態様が用いられてもよい。
【0030】
(第2実施形態について)
以上のように、本実施形態に係る直流接続装置2において、直流トラッキング検出回路201では、直流トラッキングを検出することができ、トラッキング火災などを防止することができる。
本実施形態では、トランジスタ231およびフォトカプラ232からなる検出回路が、正極51とセンサ端子81との間に設置されている。そして、当該検出回路により、直流における異極間の放電を検出する。
本実施形態では、例えば、限流素子(トランジスタ231)として使用される素子(例えば、トランジスタの特性)を変更することで、検出回路の検出感度を調整することが可能である。
【0031】
なお、本実施形態では、トランジスタ231によりアクティブな限流が行われている。
トランジスタ231(限流素子)は、例えば、フォトカプラ232を保護する効果も奏する。
【0032】
(第3実施形態)
本実施形態では、説明の便宜上、第1実施形態と同様な構成部については同じ符号を付して説明し、異なる構成部について詳しく説明する。
【0033】
[直流トラッキング検出回路を含む直流接続装置]
図3は、第3実施形態に係る直流トラッキング検出回路301を含む直流接続装置3の構成の一例を示す図である。
図3には、説明の便宜上、三次元直交座標軸であるXYZ直交座標軸を示してある。なお、XYZ直交座標軸は、コネクタ21の構成を説明するためのものであり、直流トラッキング検出回路301の構成とは関係ない。
【0034】
直流接続装置3は、図1Aおよび図1Bに示されるのと同様なコネクタ21と、直流トラッキング検出回路301と、を備える。
【0035】
<直流トラッキング検出回路>
直流トラッキング検出回路301は、限流素子321と、フォトカプラ322と、限流素子341と、電圧源361と、出力端362と、接地端G3と、を備える。
なお、本実施形態では、電圧源361は、直流トラッキング検出回路301の内部に備えられている場合を示すが、他の例として、直流トラッキング検出回路301の外部に備えられていてもよい。
また、本実施形態では、接地端G3は、直流トラッキング検出回路301の内部に備えられている場合を示すが、他の例として、直流トラッキング検出回路301の外部に備えられていてもよい。
【0036】
電圧源361は、一定の電圧が印加されており、当該電圧を供給する。
接地端G3は、接地電圧(グラウンド電圧)に保持されている。
限流素子321は、抵抗である。
また、限流素子341は、抵抗である。
フォトカプラ322は、発光ダイオードD3と、フォトトランジスタT3と、を有する。発光ダイオードD3が発光すると、フォトトランジスタT3が導通する。
出力端362は、他の回路と接続されてもよく、例えば、異常時に警報を発生させる警報装置の回路と接続されていてもよく、異常時に所定の信号(警報信号)を当該回路に出力してもよい。
【0037】
限流素子321の一端と、センサ端子81とが接続されている。
限流素子321の他端と、フォトカプラ322の発光ダイオードD3のアノードとが接続されている。
フォトカプラ322の発光ダイオードD3のカソードと、負極61とが接続されている。
限流素子341の一端と、電圧源361とが接続されている。
限流素子341の他端と、フォトカプラ322のフォトトランジスタT2のコレクターとが接続されている。これらは、直流トラッキング検出回路301の出力端362と接続されている。
フォトカプラ322のフォトトランジスタT3のエミッターと、接地端G3とが接続されている。
【0038】
<トラッキング時の動作>
コネクタ21においてトラッキングの現象が発生していない場合について説明する。この場合、直流トラッキング検出回路301では、限流素子321およびフォトカプラ322に電流が流れず、出力端362の電圧は所定電圧(通常時電圧)となる。
【0039】
一方、コネクタ21においてトラッキングの現象が発生した場合について説明する。この場合、直流トラッキング検出回路101では、限流素子321およびフォトカプラ322に電流が流れ、フォトカプラ322の発光ダイオードD3が発光することで、フォトカプラ322のフォトトランジスタT3が導通する。これにより、出力端362の電圧が通常時電圧とは別の電圧(異常時電圧)となる。
例えば、出力端362に警報装置が接続されている場合、出力端362の電圧が異常時電圧となった場合に、警報装置が警報を発生させる。当該警報の態様としては、特に限定はなく、例えば、音の出力、光の出力、または、画面表示などの態様が用いられてもよい。
【0040】
(第3実施形態について)
以上のように、本実施形態に係る直流接続装置3において、直流トラッキング検出回路301では、直流トラッキングを検出することができ、トラッキング火災などを防止することができる。
本実施形態では、限流素子321およびフォトカプラ322からなる検出回路が、負極61とセンサ端子81との間に設置されている。そして、当該検出回路により、直流における異極間の放電を検出する。
本実施形態では、例えば、限流素子321として使用される素子(例えば、抵抗値)を変更することで、検出回路の検出感度を調整することが可能である。
【0041】
ここで、本実施形態では、限流素子321として、抵抗が用いられる場合を示したが、これに限定されず、他の例として、ツェナーダイオードが用いられてもよい。
限流素子321は、例えば、フォトカプラ322を保護する効果も奏する。
【0042】
(第4実施形態)
本実施形態では、説明の便宜上、第1実施形態と同様な構成部については同じ符号を付して説明し、異なる構成部について詳しく説明する。
【0043】
[直流トラッキング検出回路を含む直流接続装置]
図4は、第4実施形態に係る直流トラッキング検出回路401を含む直流接続装置4の構成の一例を示す図である。
図4には、説明の便宜上、三次元直交座標軸であるXYZ直交座標軸を示してある。なお、XYZ直交座標軸は、コネクタ21の構成を説明するためのものであり、直流トラッキング検出回路401の構成とは関係ない。
【0044】
直流接続装置4は、図1Aおよび図1Bに示されるのと同様なコネクタ21と、直流トラッキング検出回路401と、を備える。
【0045】
<直流トラッキング検出回路>
直流トラッキング検出回路401は、定電流回路421と、限流素子として用いられるトランジスタ431と、フォトカプラ432と、限流素子441と、電圧源461と、出力端462と、接地端G4と、を備える。
なお、本実施形態では、電圧源461は、直流トラッキング検出回路401の内部に備えられている場合を示すが、他の例として、直流トラッキング検出回路401の外部に備えられていてもよい。
また、本実施形態では、接地端G4は、直流トラッキング検出回路401の内部に備えられている場合を示すが、他の例として、直流トラッキング検出回路401の外部に備えられていてもよい。
【0046】
電圧源461は、一定の電圧が印加されており、当該電圧を供給する。
接地端G4は、接地電圧(グラウンド電圧)に保持されている。
限流素子441は、抵抗である。
フォトカプラ432は、発光ダイオードD4と、フォトトランジスタT4と、を有する。発光ダイオードD4が発光すると、フォトトランジスタT4が導通する。
出力端462は、他の回路と接続されてもよく、例えば、異常時に警報を発生させる警報装置の回路と接続されていてもよく、異常時に所定の信号(警報信号)を当該回路に出力してもよい。
【0047】
定電流回路421の一端と、トランジスタ431のエミッターと、負極61とが接続されている。
定電流回路421の他端と、正極51とが接続されている。
定電流回路421の所定端(定電流の端子)と、トランジスタ431のベースとが接続されている。
トランジスタ431のコレクターと、フォトカプラ432の発光ダイオードD4のカソードとが接続されている。
フォトカプラ432の発光ダイオードD4のアノードと、センサ端子81とが接続されている。
限流素子441の一端と、電圧源461とが接続されている。
限流素子441の他端と、フォトカプラ432のフォトトランジスタT4のコレクターとが接続されている。これらは、直流トラッキング検出回路401の出力端462と接続されている。
フォトカプラ432のフォトトランジスタT4のエミッターと、接地端G4とが接続されている。
【0048】
<トラッキング時の動作>
コネクタ21においてトラッキングの現象が発生していない場合について説明する。この場合、直流トラッキング検出回路401では、トランジスタ431およびフォトカプラ432に電流が流れず、出力端462の電圧は所定電圧(通常時電圧)となる。
【0049】
一方、コネクタ21においてトラッキングの現象が発生した場合について説明する。この場合、直流トラッキング検出回路401では、トランジスタ431およびフォトカプラ432に電流が流れ、フォトカプラ432の発光ダイオードD4が発光することで、フォトカプラ432のフォトトランジスタT4が導通する。これにより、出力端462の電圧が通常時電圧とは別の電圧(異常時電圧)となる。
例えば、出力端462に警報装置が接続されている場合、出力端462の電圧が異常時電圧となった場合に、警報装置が警報を発生させる。当該警報の態様としては、特に限定はなく、例えば、音の出力、光の出力、または、画面表示などの態様が用いられてもよい。
【0050】
(第4実施形態について)
以上のように、本実施形態に係る直流接続装置4において、直流トラッキング検出回路401では、直流トラッキングを検出することができ、トラッキング火災などを防止することができる。
本実施形態では、トランジスタ431およびフォトカプラ432からなる検出回路が、負極61とセンサ端子81との間に設置されている。そして、当該検出回路により、直流における異極間の放電を検出する。
本実施形態では、例えば、限流素子(トランジスタ431)として使用される素子(例えば、トランジスタの特性)を変更することで、検出回路の検出感度を調整することが可能である。
【0051】
なお、本実施形態では、トランジスタ431によりアクティブな限流が行われている。
トランジスタ431(限流素子)は、例えば、フォトカプラ432を保護する効果も奏する。
【0052】
(第5実施形態)
本実施形態では、説明の便宜上、第1実施形態と同様な構成部については同じ符号を付して説明し、異なる構成部について詳しく説明する。
【0053】
[直流トラッキング検出回路を含む直流接続装置]
図5は、第5実施形態に係る直流トラッキング検出回路501を含む直流接続装置5の構成の一例を示す図である。
図5には、説明の便宜上、三次元直交座標軸であるXYZ直交座標軸を示してある。なお、XYZ直交座標軸は、コネクタ21の構成を説明するためのものであり、直流トラッキング検出回路501の構成とは関係ない。
【0054】
直流接続装置5は、図1Aおよび図1Bに示されるのと同様なコネクタ21と、直流トラッキング検出回路501と、を備える。
【0055】
<直流トラッキング検出回路>
直流トラッキング検出回路501は、限流素子521と、フォトカプラ522と、限流素子531と、フォトカプラ532と、限流素子541と、電圧源561と、出力端562と、接地端G5と、を備える。
なお、本実施形態では、電圧源561は、直流トラッキング検出回路501の内部に備えられている場合を示すが、他の例として、直流トラッキング検出回路501の外部に備えられていてもよい。
また、本実施形態では、接地端G5は、直流トラッキング検出回路501の内部に備えられている場合を示すが、他の例として、直流トラッキング検出回路501の外部に備えられていてもよい。
【0056】
電圧源561は、一定の電圧が印加されており、当該電圧を供給する。
接地端G5は、接地電圧(グラウンド電圧)に保持されている。
限流素子521および限流素子531は、それぞれ、ツェナーダイオード(定電圧ダイオード)である。
また、限流素子541は、抵抗である。
フォトカプラ522は、発光ダイオードD5aと、フォトトランジスタT5aと、を有する。発光ダイオードD5aが発光すると、フォトトランジスタT5aが導通する。
フォトカプラ532は、発光ダイオードD5bと、フォトトランジスタT5bと、を有する。発光ダイオードD5bが発光すると、フォトトランジスタT5bが導通する。
出力端562は、他の回路と接続されてもよく、例えば、異常時に警報を発生させる警報装置の回路と接続されていてもよく、異常時に所定の信号(警報信号)を当該回路に出力してもよい。
【0057】
限流素子521の一端と、正極51とが接続されている。
限流素子521の他端と、フォトカプラ522の発光ダイオードD5aのアノードとが接続されている。
フォトカプラ522の発光ダイオードD5aのカソードと、センサ端子81と、限流素子531の一端とが接続されている。
限流素子531の他端と、フォトカプラ532の発光ダイオードD5bのアノードとが接続されている。
フォトカプラ532の発光ダイオードD5bのカソードと、負極61とが接続されている。
【0058】
限流素子541の一端と、電圧源561とが接続されている。
限流素子541の他端と、フォトカプラ522のフォトトランジスタT5aのコレクターと、フォトカプラ532のフォトトランジスタT5bのコレクターとが接続されている。これらは、直流トラッキング検出回路501の出力端562と接続されている。
フォトカプラ522のフォトトランジスタT5aのエミッターと、フォトカプラ532のフォトトランジスタT5bのエミッターと、接地端G5とが接続されている。
【0059】
<トラッキング時の動作>
コネクタ21においてトラッキングの現象が発生していない場合について説明する。この場合、直流トラッキング検出回路501では、限流素子521およびフォトカプラ522ならびに限流素子531およびフォトカプラ532に電流が流れず、出力端562の電圧は所定電圧(説明の便宜上、通常時電圧と呼ぶ。)となる。
【0060】
一方、コネクタ21においてトラッキングの現象が発生した場合について説明する。この場合、直流トラッキング検出回路501では、限流素子521およびフォトカプラ522に電流が流れ、フォトカプラ522の発光ダイオードD5aが発光することで、フォトカプラ522のフォトトランジスタT5aが導通すること、または、限流素子531およびフォトカプラ532に電流が流れ、フォトカプラ532の発光ダイオードD5bが発光することで、フォトカプラ532のフォトトランジスタT5bが導通することの少なくとも一方が生じる。これにより、出力端562の電圧が通常時電圧とは別の電圧(説明の便宜上、異常時電圧と呼ぶ。)となる。
例えば、出力端562に警報装置が接続されている場合、出力端562の電圧が異常時電圧となった場合に、警報装置が警報を発生させる。当該警報の態様としては、特に限定はなく、例えば、音の出力、光の出力、または、画面表示などの態様が用いられてもよい。
【0061】
<数値の例>
正極51と負極61との間の電圧V0は、例えば、100[V]である。
図5には、正極51とセンサ端子81との間の電圧VT+、および、負極61とセンサ端子81との間の電圧VT-を示してある。
限流素子521(ツェナーダイオード)のツェナー電圧Vzd1と、限流素子531(ツェナーダイオード)のツェナー電圧Vzd2とは、それぞれ、例えば、60Vである。
ここで、本例では、(V0<Vzd1+Vzd2)としてあり、正常時に検出されないようにしてある。
【0062】
検出電圧の設定について説明する。
フォトカプラ522のフォトトランジスタT5aおよびフォトカプラ532のフォトトランジスタT5bの順電圧Vfは、例えば、1[V]であり、その順電流Ifは1[mA]である。
正極51または負極61とセンサ端子81との間のトラッキングに関し、(VT<V0-Vzd-Vf)となる。ここで、VTとVzdは、VT+とVzd1、または、VT-とVzd2である。
絶縁劣化に関し、(R=VT/If)となる。VTは、VT+またはVT-である。
【0063】
数値の一例を示す。
VT=V0-Vzd-Vf=100-60-1=39[V]
R=VT/Vf=39[V]/1[mA]=39000[Ω]
なお、このような数値の例は、好ましい一例であり、必ずしも本例に限定されない。
【0064】
(第5実施形態について)
以上のように、本実施形態に係る直流接続装置5において、直流トラッキング検出回路501では、直流トラッキングを検出することができ、トラッキング火災などを防止することができる。
本実施形態では、限流素子521およびフォトカプラ522からなる検出回路が、正極51とセンサ端子81との間に設置されている。そして、当該検出回路により、直流における異極間の放電を検出する。
また、本実施形態では、限流素子531およびフォトカプラ532からなる検出回路が、負極61とセンサ端子81との間に設置されている。そして、当該検出回路により、直流における異極間の放電を検出する。
本実施形態では、例えば、限流素子521および限流素子531のそれぞれとして使用される素子(例えば、ツェナーダイオードの特性)を変更することで、検出回路の検出感度を調整することが可能である。
【0065】
なお、本実施形態では、トランジスタ431によりアクティブな限流が行われている。
限流素子521は、例えば、フォトカプラ522を保護する効果も奏する。
また、限流素子531は、例えば、フォトカプラ532を保護する効果も奏する。
【0066】
(第6実施形態)
[直流トラッキング検出回路を含む直流接続装置]
図6Aは、第6実施形態に係る直流トラッキング検出回路601を含む直流接続装置6の構成の一例を示す図である。
図6Bは、第6実施形態に係るコネクタ21aの構成の一例を示す図である。
図6Aおよび図6Bには、それぞれ、説明の便宜上、三次元直交座標軸であるXYZ直交座標軸を示してある。なお、XYZ直交座標軸は、コネクタ21aの構成を説明するためのものであり、直流トラッキング検出回路601の構成とは関係ない。
【0067】
直流接続装置6は、コネクタ21aと、直流トラッキング検出回路601と、を備える。
図6Bには、図6Aとは異なる視点で、コネクタ21aを示してある。
【0068】
<コネクタ>
コネクタ21aに関して、本実施形態では、説明の便宜上、第1実施形態と同様な構成部については同じ符号を付して説明し、異なる構成部について詳しく説明する。
コネクタ21aは、図1Aおよび図1Bに示されるコネクタ21と同様な構成部として、ハウジング41と、正極51と、絶縁壁52と、負極61と、絶縁壁62と、を備える。
【0069】
本実施形態では、コネクタ21aは、2個のセンサ端子81a、81bを備える。
2個のセンサ端子81a、81bは、正極51と負極61とが対向する方向(図6Aの例では、X軸に平行な方向)に関して、正極51と負極61との間の位置に備えられている。本実施形態では、当該方向に関して、2個のセンサ端子81a、81bは、正極51と負極61との間の中心位置に備えられているが、必ずしも中心位置でなくてもよい。
また、当該方向と直交する方向(図6Aの例では、Y軸に平行な方向)に関して、2個のセンサ端子81a、81bは、正極51と負極61の位置に対して対称な位置に備えられているが、必ずしも対称な位置でなくてもよい。
本実施形態では、2個のセンサ端子81a、81bは、それぞれ、電圧検出端子として機能する。
図6Aには、正極51と負極61との間の電圧V0、正極51とセンサ端子81aとの間の電圧VT+、および、負極61とセンサ端子81bとの間の電圧VT-を示してある。
【0070】
なお、本実施形態では、2個のセンサ端子81a、81bは、コネクタ21aの構成部であるとして説明するが、コネクタ21aとは別の構成部であると捉えられてもよく、例えば、直流トラッキング検出回路601の構成部であると捉えられてもよい。
【0071】
<直流トラッキング検出回路>
直流トラッキング検出回路601は、定電流回路621と、限流素子として用いられるトランジスタ631と、フォトカプラ632と、定電流回路622と、限流素子として用いられるトランジスタ633と、フォトカプラ634と、限流素子641と、電圧源661と、出力端662と、接地端G6と、を備える。
なお、本実施形態では、電圧源661は、直流トラッキング検出回路601の内部に備えられている場合を示すが、他の例として、直流トラッキング検出回路601の外部に備えられていてもよい。
また、本実施形態では、接地端G6は、直流トラッキング検出回路601の内部に備えられている場合を示すが、他の例として、直流トラッキング検出回路601の外部に備えられていてもよい。
【0072】
電圧源661は、一定の電圧が印加されており、当該電圧を供給する。
接地端G6は、接地電圧(グラウンド電圧)に保持されている。
限流素子641は、抵抗である。
フォトカプラ632は、発光ダイオードD6aと、フォトトランジスタT6aと、を有する。発光ダイオードD6aが発光すると、フォトトランジスタT6aが導通する。
フォトカプラ634は、発光ダイオードD6bと、フォトトランジスタT6bと、を有する。発光ダイオードD6bが発光すると、フォトトランジスタT6bが導通する。
出力端662は、他の回路と接続されてもよく、例えば、異常時に警報を発生させる警報装置の回路と接続されていてもよく、異常時に所定の信号(警報信号)を当該回路に出力してもよい。
【0073】
定電流回路621の一端と、定電流回路622の一端と、トランジスタ631のエミッターと、正極51とが接続されている。
定電流回路621の他端と、定電流回路622の他端と、トランジスタ633のエミッターと、負極61とが接続されている。
定電流回路621の所定端(定電流の端子)と、トランジスタ631のベースとが接続されている。
定電流回路622の所定端(定電流の端子)と、トランジスタ633のベースとが接続されている。
【0074】
トランジスタ631のコレクターと、フォトカプラ632の発光ダイオードD6aのアノードとが接続されている。
フォトカプラ632の発光ダイオードD6aのカソードと、センサ端子81aとが接続されている。
トランジスタ633のコレクターと、フォトカプラ634の発光ダイオードD6bのカソードとが接続されている。
フォトカプラ634の発光ダイオードD6bのアノードと、センサ端子81bとが接続されている。
限流素子641の一端と、電圧源661とが接続されている。
限流素子641の他端と、フォトカプラ632のフォトトランジスタT6aのコレクターと、フォトカプラ634のフォトトランジスタT6bのコレクターとが接続されている。これらは、直流トラッキング検出回路601の出力端662と接続されている。
フォトカプラ632のフォトトランジスタT6aのエミッターと、フォトカプラ634のフォトトランジスタT6bのエミッターと、接地端G6とが接続されている。
【0075】
<トラッキング時の動作>
コネクタ21aにおいてトラッキングの現象が発生していない場合について説明する。この場合、直流トラッキング検出回路601では、トランジスタ631およびフォトカプラ632ならびにトランジスタ633およびフォトカプラ634に電流が流れず、出力端662の電圧は所定電圧(説明の便宜上、通常時電圧と呼ぶ。)となる。
【0076】
一方、コネクタ21aにおいてトラッキングの現象が発生した場合について説明する。この場合、直流トラッキング検出回路601では、トランジスタ631およびフォトカプラ632に電流が流れ、フォトカプラ632の発光ダイオードD6aが発光することで、フォトカプラ632のフォトトランジスタT6aが導通すること、または、トランジスタ633およびフォトカプラ634に電流が流れ、フォトカプラ634の発光ダイオードD6bが発光することで、フォトカプラ634のフォトトランジスタT6bが導通することの少なくとも一方が生じる。これにより、出力端662の電圧が通常時電圧とは別の電圧(説明の便宜上、異常時電圧と呼ぶ。)となる。
例えば、出力端662に警報装置が接続されている場合、出力端662の電圧が異常時電圧となった場合に、警報装置が警報を発生させる。当該警報の態様としては、特に限定はなく、例えば、音の出力、光の出力、または、画面表示などの態様が用いられてもよい。
【0077】
(第6実施形態について)
以上のように、本実施形態に係る直流接続装置6において、直流トラッキング検出回路601では、直流トラッキングを検出することができ、トラッキング火災などを防止することができる。
本実施形態では、トランジスタ631およびフォトカプラ632からなる検出回路が、正極51とセンサ端子81aとの間に設置されている。そして、当該検出回路により、直流における異極間の放電を検出する。
また、本実施形態では、トランジスタ633およびフォトカプラ634からなる検出回路が、負極61とセンサ端子81bとの間に設置されている。そして、当該検出回路により、直流における異極間の放電を検出する。
本実施形態では、例えば、それぞれの限流素子(トランジスタ631、633)として使用される素子(例えば、トランジスタの特性)を変更することで、検出回路の検出感度を調整することが可能である。
【0078】
なお、本実施形態では、トランジスタ631およびトランジスタ633によりアクティブな限流が行われている。
トランジスタ631(限流素子)は、例えば、フォトカプラ632を保護する効果も奏する。
また、トランジスタ633(限流素子)は、例えば、フォトカプラ634を保護する効果も奏する。
【0079】
ここで、第5実施形態に係る図5の例において、限流素子521、531をアクティブ式にすると、検出回路(図5の例では、フォトカプラ522とフォトカプラ532との少なくとも一方)に電流が流れ続け、異常時の出力が出続ける可能性がある。このため、図6の例では、正極51と負極61とで別々のセンサ端子81a、81bを設置した。
図6の例は、図2の例(アクティブ限流)と図4の例(アクティブ限流)とを組み合わせた構成例である。
【0080】
(第7実施形態)
本実施形態では、説明の便宜上、第6実施形態と同様な構成部については同じ符号を付して説明し、異なる構成部について詳しく説明する。
【0081】
[直流トラッキング検出回路を含む直流接続装置]
図7は、第7実施形態に係る直流トラッキング検出回路701を含む直流接続装置7の構成の一例を示す図である。
図7には、説明の便宜上、三次元直交座標軸であるXYZ直交座標軸を示してある。なお、XYZ直交座標軸は、コネクタ21aの構成を説明するためのものであり、直流トラッキング検出回路701の構成とは関係ない。
【0082】
直流接続装置7は、図6Aおよび図6Bに示されるのと同様なコネクタ21aと、直流トラッキング検出回路701と、を備える。
【0083】
<直流トラッキング検出回路>
直流トラッキング検出回路701は、限流素子721と、フォトカプラ722と、限流素子723と、フォトカプラ724と、限流素子741と、電圧源761と、出力端762と、接地端G7と、を備える。
なお、本実施形態では、電圧源761は、直流トラッキング検出回路701の内部に備えられている場合を示すが、他の例として、直流トラッキング検出回路701の外部に備えられていてもよい。
また、本実施形態では、接地端G7は、直流トラッキング検出回路701の内部に備えられている場合を示すが、他の例として、直流トラッキング検出回路701の外部に備えられていてもよい。
【0084】
電圧源761は、一定の電圧が印加されており、当該電圧を供給する。
接地端G7は、接地電圧(グラウンド電圧)に保持されている。
限流素子721および限流素子723は、それぞれ、抵抗である。
また、限流素子741は、抵抗である。
フォトカプラ722は、発光ダイオードD7aと、フォトトランジスタT7aと、を有する。発光ダイオードD7aが発光すると、フォトトランジスタT7aが導通する。
フォトカプラ724は、発光ダイオードD7bと、フォトトランジスタT7bと、を有する。発光ダイオードD7bが発光すると、フォトトランジスタT7bが導通する。
出力端762は、他の回路と接続されてもよく、例えば、異常時に警報を発生させる警報装置の回路と接続されていてもよく、異常時に所定の信号(警報信号)を当該回路に出力してもよい。
【0085】
限流素子721の一端と、正極51とが接続されている。
限流素子721の他端と、フォトカプラ722の発光ダイオードD7aのアノードとが接続されている。
フォトカプラ722の発光ダイオードD7aのカソードと、センサ端子81aと、が接続されている。
限流素子723の一端と、センサ端子81bとが接続されている。
限流素子723の他端と、フォトカプラ724の発光ダイオードD7bのアノードとが接続されている。
フォトカプラ724の発光ダイオードD7bのカソードと、負極61と、が接続されている。
【0086】
限流素子741の一端と、電圧源761とが接続されている。
限流素子741の他端と、フォトカプラ722のフォトトランジスタT7aのコレクターと、フォトカプラ724のフォトトランジスタT7bのコレクターとが接続されている。これらは、直流トラッキング検出回路701の出力端762と接続されている。
フォトカプラ722のフォトトランジスタT7aのエミッターと、フォトカプラ724のフォトトランジスタT7bのエミッターと、接地端G7とが接続されている。
【0087】
<トラッキング時の動作>
コネクタ21aにおいてトラッキングの現象が発生していない場合について説明する。この場合、直流トラッキング検出回路701では、限流素子721およびフォトカプラ722ならびに限流素子723およびフォトカプラ724に電流が流れず、出力端762の電圧は所定電圧(説明の便宜上、通常時電圧と呼ぶ。)となる。
【0088】
一方、コネクタ21aにおいてトラッキングの現象が発生した場合について説明する。この場合、直流トラッキング検出回路701では、限流素子721およびフォトカプラ722に電流が流れ、フォトカプラ722の発光ダイオードD7aが発光することで、フォトカプラ722のフォトトランジスタT7aが導通すること、または、限流素子723およびフォトカプラ724に電流が流れ、フォトカプラ724の発光ダイオードD7bが発光することで、フォトカプラ724のフォトトランジスタT7bが導通することの少なくとも一方が生じる。これにより、出力端762の電圧が通常時電圧とは別の電圧(説明の便宜上、異常時電圧と呼ぶ。)となる。
例えば、出力端762に警報装置が接続されている場合、出力端762の電圧が異常時電圧となった場合に、警報装置が警報を発生させる。当該警報の態様としては、特に限定はなく、例えば、音の出力、光の出力、または、画面表示などの態様が用いられてもよい。
【0089】
(第7実施形態について)
以上のように、本実施形態に係る直流接続装置7において、直流トラッキング検出回路701では、直流トラッキングを検出することができ、トラッキング火災などを防止することができる。
本実施形態では、限流素子721およびフォトカプラ722からなる検出回路が、正極51とセンサ端子81aとの間に設置されている。そして、当該検出回路により、直流における異極間の放電を検出する。
また、本実施形態では、限流素子723およびフォトカプラ724からなる検出回路が、負極61とセンサ端子81bとの間に設置されている。そして、当該検出回路により、直流における異極間の放電を検出する。
本実施形態では、例えば、限流素子721および限流素子723のそれぞれとして使用される素子(例えば、抵抗値)を変更することで、検出回路の検出感度を調整することが可能である。
【0090】
なお、本実施形態では、限流素子721および限流素子723として、それぞれ、抵抗が用いられる場合を示したが、これに限定されず、他の例として、ツェナーダイオードが用いられてもよい。
限流素子721は、例えば、フォトカプラ722を保護する効果も奏する。
また、限流素子723は、例えば、フォトカプラ724を保護する効果も奏する。
【0091】
ここで、本例では、限流素子721、723が抵抗である場合に、正極51と負極61とで別々のセンサ端子81a、81bを設置した。
図7の例は、図1の例と図3の例とを組み合わせた構成例である。
【0092】
(以上の実施形態について)
以上の実施形態では、直流トラッキング検出回路をコネクタ(電気接続器の一例)に適用した場合を示したが、これに限られず、例えば、コンセントなどのように、様々な電気接続器に適用されてもよい。
【0093】
なお、直流トラッキング検出回路を構成する各回路素子としては、様々な回路素子が用いられてもよい。
例えば、トラッキング検出回路では、回路素子として、抵抗あるいはキャパシターなどが用いられてもよい。
また、例えば、トラッキング検出回路では、アナログ信号を処理するアンプ回路あるいはフィルター回路等のうちの1以上を含んでもよい。
【0094】
以上、この開示の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この開示の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0095】
[付記]
(構成例1)~(構成例7)を示す。
【0096】
(構成例1)
電気接続器における直流トラッキングを検出する直流トラッキング検出回路であって、
前記電気接続器の正極と負極との間の位置に設けられた第1電圧検出端子と前記正極と前記負極との一方極との間に配置され、第1限流素子および第1フォトカプラを有する第1検出回路を備える、
直流トラッキング検出回路。
【0097】
ここで、第1実施形態(図1)では、センサ端子81が第1電圧検出端子の一例であり、正極51が一方極であり、限流素子121が第1限流素子の一例であり、フォトカプラ122が第1フォトカプラの一例であり、限流素子121およびフォトカプラ122を有する検出回路(直流トラッキングの検出回路)が第1検出回路の一例である。
また、第2実施形態(図2)では、センサ端子81が第1電圧検出端子の一例であり、正極51が一方極であり、トランジスタ231が第1限流素子の一例であり、フォトカプラ232が第1フォトカプラの一例であり、トランジスタ231およびフォトカプラ232を有する検出回路(直流トラッキングの検出回路)が第1検出回路の一例である。
また、第3実施形態(図3)では、センサ端子81が第1電圧検出端子の一例であり、負極61が一方極であり、限流素子321が第1限流素子の一例であり、フォトカプラ322が第1フォトカプラの一例であり、限流素子321およびフォトカプラ322を有する検出回路(直流トラッキングの検出回路)が第1検出回路の一例である。
また、第4実施形態(図4)では、センサ端子81が第1電圧検出端子の一例であり、負極61が一方極であり、トランジスタ431が第1限流素子の一例であり、フォトカプラ432が第1フォトカプラの一例であり、トランジスタ431およびフォトカプラ432を有する検出回路(直流トラッキングの検出回路)が第1検出回路の一例である。
【0098】
(構成例2)
前記第1限流素子として使用される素子を変更することで、前記第1検出回路の検出感度を調整可能である、
(構成例1)に記載の直流トラッキング検出回路。
【0099】
(構成例3)
前記第1限流素子は、抵抗である、
(構成例1)または(構成例2)に記載の直流トラッキング検出回路。
【0100】
(構成例4)
前記第1限流素子は、定電圧を発生させる半導体素子である、
(構成例1)から(構成例3)のいずれか1項に記載の直流トラッキング検出回路。
【0101】
ここで、定電圧を発生させる半導体素子としては、例えば、ツェナーダイオードが用いられてもよい。
【0102】
(構成例5)
前記第1検出回路は、前記直流トラッキングが検出された場合、他の回路へ警報信号を出力する、
(構成例1)から(構成例4)のいずれか1項に記載の直流トラッキング検出回路。
【0103】
(構成例6)
前記第1電圧検出端子と同一または異なる第2電圧検出端子と前記一方極とは異なる他方極との間に配置され、第2限流素子および第2フォトカプラを有する第2検出回路をさらに備える、
(構成例1)から(構成例5)のいずれか1項に記載の直流トラッキング検出回路。
【0104】
ここで、第5実施形態(図5)では、センサ端子81が第1電圧検出端子および第2電圧検出端子の一例であり、正極51が一方極の一例であり、負極61が他方極の一例である。また、限流素子521が第1限流素子の一例であり、フォトカプラ522が第1フォトカプラの一例であり、限流素子521およびフォトカプラ522を有する検出回路(直流トラッキングの検出回路)が第1検出回路の一例である。また、限流素子531が第2限流素子の一例であり、フォトカプラ532が第2フォトカプラの一例であり、限流素子531およびフォトカプラ532を有する検出回路(直流トラッキングの検出回路)が第2検出回路の一例である。
【0105】
また、第6実施形態(図6)では、センサ端子81aが第1電圧検出端子の一例であり、センサ端子81bが第2電圧検出端子の一例であり、正極51が一方極の一例であり、負極61が他方極の一例である。また、トランジスタ631が第1限流素子の一例であり、フォトカプラ632が第1フォトカプラの一例であり、トランジスタ631およびフォトカプラ632を有する検出回路(直流トラッキングの検出回路)が第1検出回路の一例である。また、トランジスタ633が第2限流素子の一例であり、フォトカプラ634が第2フォトカプラの一例であり、トランジスタ633およびフォトカプラ634を有する検出回路(直流トラッキングの検出回路)が第2検出回路の一例である。
【0106】
ここで、第7実施形態(図7)では、センサ端子81aが第1電圧検出端子の一例であり、センサ端子81bが第2電圧検出端子の一例であり、正極51が一方極の一例であり、負極61が他方極の一例である。また、限流素子721が第1限流素子の一例であり、フォトカプラ722が第1フォトカプラの一例であり、限流素子721およびフォトカプラ722を有する検出回路(直流トラッキングの検出回路)が第1検出回路の一例である。また、限流素子723が第2限流素子の一例であり、フォトカプラ724が第2フォトカプラの一例であり、限流素子723およびフォトカプラ724を有する検出回路(直流トラッキングの検出回路)が第2検出回路の一例である。
【0107】
(構成例7)
前記第1限流素子および前記第2限流素子は、それぞれ、定電圧を発生させる半導体素子であり、
前記第1限流素子および前記第2限流素子の端子間合計電圧は、前記正極と前記負極との間の電圧以上である、
(構成例6)に記載の直流トラッキング検出回路。
【0108】
ここで、第5実施形態(図5)では、定電圧を発生させる半導体素子として、ツェナーダイオードが用いられている。
また、第1限流素子および第2限流素子の端子間合計電圧は、例えば、第1限流素子の端子間の電圧と第2限流素子の端子間の電圧との和に相当する。
【符号の説明】
【0109】
1~7…直流接続装置、21…コネクタ、41…ハウジング、51…正極、52、62…絶縁壁、61…負極、81、81a、81b…センサ端子、101、201、301、401、501、601、701…直流トラッキング検出回路、121、141、241、321、341、441、521、531、541、641、721、723、741…限流素子、122、232、322、432、522、532、632、634、722、724…フォトカプラ、161、261、361、461、561、661、761…電圧源、162、262、362、462、562、662、762…出力端、221、421、621、622…定電流回路、231、431、631、633…トランジスタ(限流素子の例)、D1~D4、D5a、D5b、D6a、D6b、D7a、D7b…ダイオード、G1~G7…接地端、T1~T4、T5a、T5b、T6a、T6b、T7a、T7b…フォトトランジスタ
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7