(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113359
(43)【公開日】2024-08-22
(54)【発明の名称】モジュールユニット
(51)【国際特許分類】
H01L 23/36 20060101AFI20240815BHJP
H01L 25/07 20060101ALI20240815BHJP
【FI】
H01L23/36 Z
H01L25/04 C
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023018290
(22)【出願日】2023-02-09
(71)【出願人】
【識別番号】511187214
【氏名又は名称】株式会社FLOSFIA
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】朝 大亮
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 将人
(72)【発明者】
【氏名】大久保 翔太
(72)【発明者】
【氏名】三竹 雅也
(72)【発明者】
【氏名】竹内 健吾
(72)【発明者】
【氏名】中澤 達洋
(72)【発明者】
【氏名】近藤 浩史
(72)【発明者】
【氏名】小宮 宏文
(72)【発明者】
【氏名】人羅 俊実
【テーマコード(参考)】
5F136
【Fターム(参考)】
5F136BA30
5F136BC05
5F136DA27
5F136EA02
5F136FA02
5F136FA03
5F136FA14
5F136FA16
(57)【要約】
【課題】 ノイズ抑制、放熱性および/または難焼性が向上したモジュールユニットの提供を目的とする。
【解決手段】 配線基板と、該配線基板上に実装されているパワー素子内蔵基板と、前記配線基板の前記パワー素子内蔵基板が実装されている側に配置され、前記パワー素子内蔵基板の少なくとも一部を覆う金属ブロックとを備え、前記金属ブロックが、前記パワー素子内蔵基板に対向する側に凹部を有し、前記パワー素子内蔵基板の少なくとも一部が前記凹部内に位置しているモジュールユニット。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線基板と、該配線基板上に実装されているパワー素子内蔵基板と、前記配線基板の前記パワー素子内蔵基板が実装されている側に配置され、前記パワー素子内蔵基板の少なくとも一部を覆う金属ブロックとを備え、前記金属ブロックが、前記パワー素子内蔵基板に対向する側に凹部を有し、前記パワー素子内蔵基板の少なくとも一部が前記凹部内に位置しているモジュールユニット。
【請求項2】
前記凹部によって前記パワー素子内蔵基板の周囲が覆われている請求項1記載のモジュールユニット。
【請求項3】
前記凹部の深さが5mm以下である請求項1記載のモジュールユニット。
【請求項4】
前記パワー素子内蔵基板は、配線層と、保持層と、前記配線層と前記保持層との間に位置する絶縁層と、パワー素子とを備え、前記パワー素子が前記絶縁層に埋め込まれている請求項1記載のモジュールユニット。
【請求項5】
前記パワー素子は、電力変換回路の一部を構成するものである請求項4記載のモジュールユニット。
【請求項6】
さらにゲートドライバが前記配線基板の前記パワー素子内蔵基板と同じ側に実装されており、前記ゲートドライバの少なくとも一部が前記凹部内に位置している請求項1記載のモジュールユニット。
【請求項7】
さらにゲートドライバが前記配線基板の前記パワー素子内蔵基板とは反対側の面に実装されている請求項1記載のモジュールユニット。
【請求項8】
さらに他のパワー素子内蔵基板を備え、該他のパワー素子内蔵基板が前記部品内蔵基板の前記埋込パワーモジュールと同じ側に実装されている請求項1記載のモジュールユニット。
【請求項9】
前記金属ブロックが、前記パワー素子内蔵基板に対向する側に他の凹部を有しており、前記他のパワー素子内蔵基板の少なくとも一部が、前記他の凹部内に位置している請求項8記載のモジュールユニット。
【請求項10】
前記金属ブロックが、電力変換回路のグランド電位と同電位である請求項5記載のモジュールユニット。
【請求項11】
前記金属ブロックが、前記配線基板のグランド電極と直接接触している請求項1記載のモジュールユニット。
【請求項12】
前記金属ブロックと前記パワー素子内蔵基板との間に絶縁部材が設けられている請求項1記載のモジュールユニット。
【請求項13】
前記パワー素子内蔵基板の前記金属ブロック側の最表面がグランド電位になっており、前記最表面と金属ブロックとが直接接触している請求項1記載のモジュールユニット。
【請求項14】
前記金属ブロックが、冷却器と接続されている請求項1記載のモジュールユニット。
【請求項15】
前記配線基板の前記パワー素子内蔵基板が実装された面と反対側の面に、放熱部材が配置されている請求項1記載のモジュールユニット。
【請求項16】
モジュールユニットと実装基板とを備え、前記実装基板上に前記モジュールユニットが立設されているシステム基板であって、前記モジュールユニットが、請求項1記載のモジュールユニットである電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、配線基板とパワー素子内蔵基板とを備えるモジュールユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、第1基板と、第1基板に立設された第2基板と、第2基板の板厚方向の一方側の面に配置された電子部品と、該一方側に第2基板に沿って配置されたヒートシンクとを備える電力変換装置が開示されている。
【0003】
なお、背景技術のセクションは、当業者が本発明の範囲および有用性を理解することを支援するために、本発明の実施態様を技術的または動作的な文脈で提供されるものである。明示的に特定されたものでない限り、単に背景技術のセクションに含まれていることによって本明細書の記述が先行技術であると認められるものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【0005】
以下は、当業者に基本的理解を提供するために本開示の簡略化された概要を提示する。この概要は、本開示の実施形態の重要な要素を特定することまたは本発明の範囲を定めることを意図していない。この発明の概要の目的は、後に提示されるより詳細な説明の前置きとして、簡略化された形態で、本明細書で開示されるいくつかの概念を提示することである。
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、ノイズ抑制、放熱性および/または難焼性が向上したモジュールユニットを提供することを課題の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示の一態様におけるモジュールユニットは、配線基板と、該配線基板上に実装されているパワー素子内蔵基板と、前記配線基板の前記パワー素子内蔵基板が実装されている側に配置され、前記パワー素子内蔵基板の少なくとも一部を覆う金属ブロックとを備え、前記金属ブロックが、前記パワー素子内蔵基板に対向する側に凹部を有し、前記パワー素子内蔵基板の少なくとも一部が前記凹部内に位置している。
【発明の効果】
【0008】
本開示の実施形態にかかるモジュールユニットは、ノイズ抑制、放熱性および/または難焼性が向上され得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態にかかるモジュールユニットを模式的に例示する分解斜視図である。
【
図2】第1実施形態にかかるモジュールユニットを模式的に例示する断面図である。
【
図3】第1実施形態にかかる金属ブロックを模式的に例示する斜視図である。
【
図4】第1実施形態にかかるパワー素子を含む半導体回路の等価回路図である。
【
図5】第1実施形態にかかるパワー素子内蔵基板の一例を模式的に示す断面図である。
【
図6】第1実施形態にかかるモジュールユニットの固定方法を模式的に例示する断面図である。
【
図7】第1実施形態にかかるモジュールユニットが実装基板に実装された電子装置を模式的に例示する分解斜視図である。
【
図8】変形例1にかかるモジュールユニットを模式的に例示する断面図である。
【
図9】変形例1にかかるモジュールユニットを模式的に例示する分解斜視図である。
【
図10】第2実施形態にかかるモジュールユニットを模式的に例示する斜視図である。
【
図11】第2実施形態にかかるモジュールユニットを模式的に例示する断面図である。
【
図12】変形例2にかかるモジュールユニットを模式的に例示する分解斜視図である。
【
図13】変形例2にかかるモジュールユニットを模式的に例示する断面図である。
【
図14】第3実施形態にかかるモジュールユニットを模式的に例示する断面図である。
【
図15】第4実施形態にかかるモジュールユニットを模式的に例示する断面図である。
【
図16】変形例3にかかるモジュールユニットを模式的に例示する断面図である。
【
図17】変形例4にかかるモジュールユニットを模式的に例示する断面図である。
【
図18】本開示の実施形態に係るモジュールユニットを採用した制御システムの一例を示すブロック構成図である。
【
図19】本開示の実施形態に係るモジュールユニットを採用した制御システムの一例を示す回路図である。
【
図20】本開示の実施形態に係るモジュールユニットを採用した制御システムの他の例を示すブロック構成図である。
【
図21】本開示の実施形態に係るモジュールユニットを採用した制御システムの他の例を示す回路図である。
【
図22】第1実施形態にかかるモジュールユニットの配線を模式的に例示する上面図である。
【
図23】第1実施形態にかかるモジュールユニットの配線を模式的に例示する断面図である。
【
図24】第1実施形態にかかるモジュールユニットの配線を模式的に例示する分解斜視図である。
【
図25】モジュールユニットが実装基板に実装された電子装置を模式的に例示する断面図である。
【
図26】モジュールユニットが実装基板に実装された電子装置を模式的に例示する分解斜視図である。
【
図27】変形例6にかかるモジュールユニットを模式的に示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の態様と、その様々な特徴および優位な詳細は、図面を用いて説明および/または示され、また、以下の本明細書において述べられる非限定的な態様および例を参照してより具体的に説明される。当業者にとって明らかなように、本明細書において述べられていなくとも、図面中において示される特徴は必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではない。また、1つの態様における1つの特徴は別の態様においても単独または他の特徴と組み合わせて用いられ得ることに留意されたい。周知の要素および加工技術についての記載は、本開示の態様を必要に不明確にすることのないように省略され得る。本明細書において用いられる例は、単に本開示の理解を助けること、またさらに当業者が本開示の態様を実施できるようにすることを目的としている。したがって、本明細書における態様および例は本開示の範囲に限定されて解釈されるものではなく、特許請求の範囲および適用可能な法律によってのみ定められる。さらに、本開示の図面において、同様の参照番号は同様の部分を表す。
【0011】
「第1の」、「第2の」等の用語は、本明細において用いられる様々な要素を記述するために用いられるが、要素は、これらの用語によって限定されるものではない。第1の、第2の等の用語は、1つの要素を別の要素から区別するためにのみ用いられる。例えば、本開示の範囲から逸脱することなく、第1の要素は第2の要素と称することができ、また、第2の要素は第1の要素と称することができる。本明細書において用いられるように、用語「および/または」は、挙げられた項目のうち1つまたは複数のいくつかまたは全ての組み合わせを包含する。
【0012】
層、領域、または基板等の要素が別の要素の「上に」存在するまたは「上へ」延びるという表現が用いられる場合には、別の要素の上に直接存在するか、または上へ直接延びることができ、または介在する要素が存在してもよいことを理解されたい。一方、要素が「上に直接」存在する、または「上に直接」延びるという表現が用いられる場合には、介在する要素は存在しない。同様に、層、領域、または基板等の要素が「わたって」いる、または「わたって」延びるという表現が用いられる場合には、別の要素に直接わたっているか、または直接わたって延びることができ、介在する要素が存在してもよいことを理解されたい。一方、「直接わたって」いるか、または「直接わたって」延びるという表現が用いられる場合には、介在する要素は存在しない。要素が別の要素に「接続される」または「結合される」という表現が用いられる場合には、別の要素に直接接続または結合されることができ、または介在する要素が存在してもよいことを理解されたい。一方で、要素が別の要素に「直接接続される」または「直接結合される」との表現が用いられる場合には、介在する要素は存在しない。さらに、要素が別の要素に「積層される」という表現が用いられる場合には、別の要素に直接積層されることができ、または介在する要素が存在してもよいことを理解されたい。一方で、要素が別の要素に「直接積層される」との表現が用いられる場合には、介在する要素は存在しない。
【0013】
本明細書において用いられる用語は、特定の態様のみを記述することを目的としており、本開示を限定することを意図していない。本明細書において用いられる「備える」「含む」は、記載された要素の存在を表すものであり、1つまたは複数の他の要素の存在を排除するものではない。
【0014】
別途定義されない限り、本明細書において用いられる全ての用語(技術用語および科学用語を含む)は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を持つ。本明細書において用いられる用語は本明細書の文脈および関連技術におけるいみと矛盾しない意味を有するように解釈される。また、本明細書において定義されない限り、本明細書において用いられる用語は、理想化された、または過度に形式的な意味で解釈されるべきでないことを理解されたい。
【0015】
本開示においては、特に別途定義されない限り、配線基板の積層方向(配線基板表面と垂直な方向)をY方向、実装基板の積層方向(実装基板表面と垂直な方向)をZ方向として説明する。また、配線基板の第1面側にパワー素子内蔵基板が実装されているモジュールユニットにおいては、配線基板からみてパワー素子内蔵基板側を上方、パワー素子内蔵基板からみて配線基板側を下方として「上」と「下」が定義される。配線基板の両側にパワー素子内蔵基板が実装されている構造の場合には、別途定義される。また、電子装置においては、実装基板からみてモジュールユニット側を上方、モジュールユニット側からみて実装基板側を下方として「上」と「下」が定義される。なお、本明細書にて、上面視は、平面視と言い換えられてもよい。
【0016】
本開示のモジュールユニットは、配線基板と、該配線基板上に実装されているパワー素子内蔵基板と、前記配線基板の前記パワー素子内蔵基板が実装されている側に配置され、前記パワー素子内蔵基板の少なくとも一部を覆う金属ブロックとを備え、前記金属ブロックが、前記パワー素子内蔵基板に対向する側に凹部を有し、前記パワー素子内蔵基板の少なくとも一部が前記凹部内に位置していることを特長とする。
【0017】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態にかかるモジュールユニット10aを模式的に例示する分解斜視図である。
図2は、モジュールユニット10aの模式的断面図であり、
図1において、モジュールユニット10aを積層方向(Y方向)に切断した断面を示す。
図1および
図2のモジュールユニット10aは、配線基板1a、配線基板1a上に実装されるパワー素子内蔵基板2a、および金属ブロック3aを備える。また、
図1には図示を省略しているが、前記金属ブロック3aと前記パワー素子内蔵基板2aとの間には、絶縁部材4aが配置されており、前記金属ブロック3aと前記パワー素子内蔵基板2aは絶縁部材4aを介して熱的に接続されている。なお、本開示のモジュールユニットにおいては、絶縁部材4aは必須ではなく、前記金属ブロック3aと前記パワー素子内蔵基板2aの少なくとも一部とが直接接触していてもよい。なお、
図1において、配線基板、パワー素子内蔵基板それぞれの電気的接続については図示を省略するが、公知の方法を用いて達成される。
【0018】
図1および
図2に示されるように、本開示においては、金属ブロック3aが、前記パワー素子内蔵基板2aと対向する面側に凹部5aを有しており、前記パワー素子内蔵基板2aの少なくとも一部が前記凹部5a内に位置している。本開示においては、前記パワー素子内蔵基板2aの少なくとも一部が前記凹部5a内に位置していればそれでよく、
図2に示されるようにパワー素子内蔵基板2aの全てが前記凹部5a内に位置していなくてもよい。
図2において、前記パワー素子内蔵基板2aは、前記金属ブロック3aおよび配線基板1aで形成される閉空間内に位置しているが、本開示においては、前記パワー素子内蔵基板が位置する空間は完全に閉じられたものでなくてもよい。本開示においては、前記パワー素子内蔵基板の上面が前記金属ブロックと直接または他の部材を介して熱的に接続されているのが好ましい。また、前記パワー素子内蔵基板の側面(
図2においてX方向と垂直な面)の少なくとも一部が前記金属ブロックに覆われているのが好ましい。なお、本開示においては、前記金属ブロック3aの少なくとも一部と前記配線基板1aとが熱的に接続されているのが好ましい。
【0019】
(配線基板)
前記配線基板1aは、誘電体基板であってもよいし、多層誘電体基板であってもよい。また、前記配線基板は、上面および/または内層に信号導体パターン(図示しない)が配線されたものである。また、図示しないが、配線基板1aは、実装基板との電気的接続をとるための実装基板側のコネクタに接続するための電極パターンや、電極ピンを有していてもよい。さらに、配線基板1aには、パワー素子以外の回路部品(例えば、コンデンサなどの受動部品)が実装されていてもよい。
【0020】
(パワー素子内蔵基板)
前記パワー素子内蔵基板2aは、例えば、電力変換回路の一部を構成するパワー素子(ダイオード、トランジスタ等)が多層配線基板内に埋め込まれているものをいう。より具体的には、例えば、
図5に示されるように、パワー素子内蔵基板2aは、配線層(第1の配線層)1と保持層(第2の配線層)112との間に絶縁層115を有し、該絶縁層115中にパワー素子としてのトランジスタ101aおよびダイオード102aが埋設されている構造を有する。
図5のパワー素子内蔵基板2aにおいては、第1の配線層111が上部配線層を構成しており、保持層112が第2の配線層(下部層)の一部を構成している。前記第2の配線層112は基材118の両面にわたって形成された銅箔から構成されており、前記基材118の第1面側の銅箔と第2面側の銅箔とはスルーホールを介して電気的に接続されている。また、ダイオード102aおよびトランジスタ101aは、それぞれ接着層(図示せず)を介して、前記保持層(第1面側の銅箔)112上に載置されている。なお、前記保持層は第2の配線層を構成していてもよいし、その他の部材(例えば、金属基板やセラミック基板等の絶縁基板等)によって構成されていてもよい。
【0021】
前記ダイオード102aは、例えば、ショットキーバリアダイオード(SBD)、FRD(ファストリカバリーダイオード)またはPiNダイオードである。また、前記トランジスタ101aは、例えば、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)または絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)である。なお、パワー素子としてのダイオード102aおよびトランジスタ101aを構成する半導体材料は、特に限定されない。前記半導体材料としては、例えば、シリコン、窒化ガリウム、炭化珪素、酸化ガリウム、ダイヤモンド等が挙げられる。前記パワー素子内蔵基板は、公知の部品内蔵基板の製造方法を用いて作製される。前記パワー素子内蔵基板の積層方向(Y方向)の厚みは、例えば、3mm以下であり、好ましくは、1mm以下である。前記パワー素子内蔵基板の上面視の面積は、例えば、2000mm2以下であり、好ましくは、1000mm2以下である。
【0022】
図4は、前記パワー素子内蔵基板2aに内蔵されるパワー素子の回路中における位置づけを説明するための等価回路図である。
図4の回路構成においては、トランジスタ101aとダイオード1021との逆並列回路と、トランジスタ101bとダイオード102bとの逆並列回路とが、直列に接続されており、さらにコンデンサ103がトランジスタ101aおよび101bに並列に接続されている。前記半導体回路は、例えば、インバータ回路またはコンバータ回路等を含む電力変換回路に適用される。本実施形態において、前記パワー素子内蔵基板2aは、
図4に示す等価回路におけるトランジスタ101aおよびダイオード102aを内蔵している。本開示においては、前記パワー素子内蔵基板2aが複数のトランジスタ(例えば、トランジスタ101aおよび101b)および/または複数のダイオード(例えば、ダイオード102aおよび102b)を内蔵するものであってもよい。前記パワー素子内蔵基板が複数のトランジスタを内蔵する場合、当該複数のトランジスタは、互いに電気的に直列に接続されたものであってもよいし、並列に接続されたものであってもよい。また、本開示においては、後述するように、前記モジュールユニットが、複数のパワー素子内蔵基板を備えていてもよい。なお、上記で説明した回路構成は、あくまで一例であり、上記以外の回路構成であってもよい。本開示においては、複数の前記パワー素子内蔵基板を組合わせることにより、その他受動部品と合わせて電力変換回路を構成することができる。
【0023】
(金属ブロック)
前記金属ブロック3aは、パワー素子内蔵基板で発生した熱を放熱するために配置されるものである。パワー素子内蔵基板と対向する面側に凹部を有するものであれば、特に限定されない。前記金属ブロックは、例えば平面視において矩形状または円形状の形状を有している。また、金属ブロックは、平面視において前記パワー素子内蔵基板よりも大きい形状を有している。前記金属ブロックの一例を
図3に示す。前記凹部は、公知の金属加工方法(打ち抜き加工、レーザ加工、削り出し加工、金属メッキ、3Dプリンタなど)を用いて形成される。また、前記金属ブロックの構成材料は、本開示の目的を阻害しない限り、特に限定されない。前記金属ブロックの構成材料としては、例えば、Cu、Au、Al、Ag、Fe、Ti、Ni、Pt、Pdまたはこれらの合金(他の金属または炭素等を含んでいてもよい)が挙げられる。本開示においては、前記金属ブロックの構成材料が、銅(Cu)またはアルミニウム(Al)を含むのが好ましく、アルミニウム(Al)を含むのがより好ましい。本開示においては、
図2に示すように、前記金属ブロックの凹部によって、前記パワー素子内蔵基板の周囲が覆われているのが好ましく、上面および周囲が覆われているのがより好ましい。また、前記凹部の深さは、特に限定されない。前記凹部の深さは、例えば、5mm以下であり、好ましくは3mm以下であり、さらに好ましくは、1mm以下である。なお、本開示において、前記配線基板が他の受動部品等をさらに備えている場合、前記金属ブロックが、さらに他の凹部を有していてもよい。その場合、前記他の凹部内に前記他の受動部品の少なくとも一部が配置され得る。前記他の凹部の深さは、特に限定されず、5mm以上であってもよいし、5mm以下であってもよい。また、本開示において、前記金属ブロックは、前記パワー素子がその一部を構成する電力変換回路のグランド電位と同電位であるのが好ましい。グランド電位と同電位となる構成としては、例えば、グランド導体(例えば、筐体等)と接続されている構成や、配線基板のグランド電極と接触している構成等が挙げられる。
【0024】
本開示においては、例えば、
図2に示されるように、前記金属ブロック3aと前記パワー素子内蔵基板2aとの間に、絶縁部材4aが配置されていてもよい。絶縁部材4aは、高熱伝導性を有するものであるのが好ましく、より具体的には、例えばエポキシ樹脂等の樹脂に、窒化ホウ素(BN)、窒化アルミニウム(AlN)、アルミナ(Al
2O
3)等のフィラーを含有させた層等の、公知のTIM(Thermal Interface Material)材が用いられる。なお、絶縁部材と前記パワー素子内蔵基板との接合は、公知の導電性接着材等を用いて行われてよい。
【0025】
(製造方法の例)
以下、上記構造のモジュールユニットの製造方法について説明する。
【0026】
モジュールユニットの組立工程では、パワー素子内蔵基板2aを、金属ブロック3aの凹部5a内に固定する。この際、金属ブロック3aとパワー素子内蔵基板2aとの間に熱伝導性に優れた絶縁部材4aを介在させてもよい。その後、金属ブロック3aに固定したパワー素子内蔵基板2aを、配線基板1aに接続する。ついで、例えば、金属ブロック3aおよび配線基板をねじ止めすることにより固定する。ねじ止めによって固定する場合の例を
図6(a)および(b)に示す。
図6(a)は、パワー素子内蔵基板を貫通する形で前記金属ブロック3a、パワー素子内蔵基板2aおよび配線基板1aをねじ止めする例である。このようにねじ止めすることにより、パワー素子内蔵基板と金属ブロックとの密着性が向上するため、より放熱性に優れた構成とすることができる。また、
図6(b)ブロックの端部付近と配線基板1aとをねじ止めする構成である。かかる構成によれば、製造時にパワー素子内蔵基板への貫通孔の形成が不要のため製造がより容易となる。また、モジュールユニットの各構成要素の固定方法はねじ止めに限定されず、公知の方法を用いてよい。例えば、バスバーを用いて固定する方法、クリップを用いて固定する方法が用いられる。また、パワー素子内蔵基板と配線基板との電気的接続は、例えば、パワー素子内蔵基板の配線基板と対向する面に露出した各電極パッドと配線基板側の接続端子とをはんだ等の公知の方法により接続することにより行われる。なお、上記で説明したモジュールユニットの製造方法の内容は、あくまで一例であり、上記以外の内容であってもよい。例えば、前記モジュールユニットの組立工程は、上記で説明した手順に限定されるものではなく、趣旨および技術的思想を逸脱しない範囲で手順の追加・削除または順番の変更等をしてもよい。
【0027】
(実装基板への実装の例)
図7に、前記モジュールユニット10aを実装基板11に実装する例を示す。
図7の実装基板11には、モジュールユニットの電極ピン8aと接合するためのホール8bが設けられている。前記電極ピン8aは、前記モジュールユニットの配線基板1aのパワー素子内蔵基板2aと反対側の面に設けられており、前記電極ピン8aを前記ホール8bとを例えば半田等で接合することにより、前記配線基板1aを実装基板11に立設することができる。なお、図示しないが、実装基板には、例えば、ゲートドライバ、入力端子、出力端子、制御IC,その他受動部品等が実装されていてよい。
【0028】
図25および
図26に、前記モジュールユニット10aが実装基板11に立設された電子装置の他の例を示す。
図25はモジュールユニット10iが実装基板11に立設された状態を模式的に示す断面図、
図26が分解斜視図を示す。
図25および
図26に示すように、モジュールユニット10iが、樹脂部14aとピン部14bとを備える接続部材を用いて実装基板11に接続されている。
図25に示されるように、樹脂部14aには、Z方向に伸びて、配線基板1aと接続するピン部14bと、Y方向に伸びて実装基板11と接続するピン部14bとがそれぞれ挿入される形で接続されている。
【0029】
(第1実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態のモジュールユニット10aは、凹部を有する金属ブロックの凹部内にパワー素子内蔵基板の少なくとも一部が位置しているため、放熱性・ノイズ特性および難燃性に優れている。ノイズ特性及び難燃性の観点からは、上述のように、前記金属ブロックの凹部によって前記パワー素子内蔵基板の周囲が覆われているのが好ましい。また、本実施形態のモジュールユニット10aは、配線基板、パワー素子内蔵基板および金属ブロックが一体となっているため、ハンドリング性に優れており、さらに、複数モジュールユニットを組合わせることで放熱性・ノイズ特性の厳密な設計を行うことなく、例えば電力変換回路全体の実装設計の自由度を向上させることも可能である。
【0030】
(変形例1)
変形例1として、
図8に、前記金属ブロック3aが前記配線基板1aの凹部6に嵌合することにより固定されているモジュールユニット10bの一例を示す。
図9は、
図8のモジュールユニット10bの模式的斜視図である。本変形例においては、前記配線基板1aの凹部6の表面にグランド電極が露出しており、前記金属ブロック3aの一部が、凹部6前記グランド電極部分と嵌合している例を示す。このような構成によれば、前記金属ブロック3aによるノイズ抑制の効果をより向上させることができる。また、前記金属ブロック3a、パワー素子内蔵基板2aおよび配線基板1aの固定も容易に行うことができる。
【0031】
(第2実施形態)
図10は、第2実施形態にかかるモジュールユニット10cを模式的に例示する分解斜視図であり、
図11にモジュールユニット10cの模式的断面図を示す。
図10のモジュールユニット10cは、配線基板1a上に、パワー素子内蔵基板2aおよび前記パワー素子内蔵基板中のパワー素子(トランジスタ等)のスイッチング動作を制御するゲートドライバ7aが実装されている。前記ゲートドライバ7aは、配線基板1aのパワー素子内蔵基板2aと同じ側に配置されている。なお、前記ゲートドライバ7aの配線基板1aへの実装は、公知の方法を用いて行われてよい。本実施形態において、金属ブロック3aは、それぞれパワー素子内蔵基板2aおよびゲートドライバ7aと対向する面に凹部5aおよび凹部5bを有する。この時、前記凹部5a内に前記パワー素子内蔵基板2aの少なくとも一部が位置し、前記凹部5b内に前記ゲートドライバ7aの少なくとも一部が位置するように、前記金属ブロック3aの凹部が構成されている。前記金属ブロック3aの凹部5aおよび凹部5bは、それぞれパワー素子内蔵基板2aおよびゲートドライバ7aの積層方向(Y方向)の高さに合わせて異なる深さを有していてよい。なお、凹部5aと凹部5bとの間には金属ブロックと同様の材料からなる中間壁が配置されていてもよい。
【0032】
(第2実施形態の効果)
図10および
図11のモジュールユニット10cによれば、パワー素子内蔵基板2aおよびゲートドライバ7a間のインダクタンスを低減するとともに、放熱性およびノイズ抑制に優れたモジュールユニットを実現することができる。また、金属ブロックの凹部5aおよび5b内にパワー素子内蔵基板2aおよびゲートドライバ7aの少なくも一部がそれぞれ位置しているため、それぞれで発生した熱を効率的に放熱することができる。また、凹部5aと凹部5bとの間に(金属ブロックと同材料の)中間壁が配置されている場合には、パワー素子内蔵基板とゲートドライバとの間のノイズをより良好に抑制することができる。
【0033】
(変形例2)
変形例2では、
図12に示されるように、パワー素子内蔵基板2aが配線基板1aの第1面側に、ゲートドライバ7aが配線基板1aの前記第1面と反対の第2面側に実装されている。
図12はモジュールユニット10dの模式的分解斜視図、
図13はモジュールユニット10dの断面図をそれぞれ示す。このような構成によれば、上記した第2実施形態の効果に加えて、モジュールユニットをさらに小面積化することができ、且つインダクタンスをより低減することもできる。
【0034】
(第3実施形態)
図14は、第3実施形態にかかるモジュールユニット10eを例示する模式的断面図である。
図14のモジュールユニット10eは、配線基板1aの第1面側にパワー素子内蔵基板2aおよびパワー素子内蔵基板2bが実装されており、前記パワー素子内蔵基板2aおよび2b上に金属ブロック3aが配置されている。前記金属ブロック3aは、前記パワー素子内蔵基板2a、2bに対向する面側に凹部を有しており、当該凹部5a内に前記パワー素子内蔵基板2aおよび2bの少なくとも一部が位置している。なお、本実施形態においては、前記パワー素子内蔵基板2aは、
図4のトランジスタ101aおよびダイオード102aが内蔵しており、前記パワー素子内蔵基板2bは、
図4のトランジスタ101bおよびダイオード102bを内蔵している。本開示においては、例えば、
図4のトランジスタ101a、101b、ダイオード102aおよび102bが1つのユニットとしてパワー素子内蔵基板2aおよびパワー素子内蔵基板2bにそれぞれ内蔵されていてもよい。
【0035】
(第3実施形態の効果)
図14のモジュールユニット10eによれば、必要な電流値を満たす構造を容易に実現しつつ、一部のパワー素子内蔵基板が破損した場合に部分的に回路から切り離し、他の基板で性能を維持する並列化の機能を実現できる。
【0036】
(第4実施形態)
図15は、第4実施形態にかかるモジュールユニット10fを例示する模式的断面図である。
図15のモジュールユニット10fは、配線基板1a上に受動部品12が実装されている点で、
図1および
図2などに示される第1実施形態にかかるモジュールユニット10aと異なる。前記受動部品12としては、例えば、コンデンサ、インダクタおよび抵抗が挙げられる。前記受動部品12の実装は、例えば、はんだ付け、ワイヤボンディング等の公知の方法によって行われる。なお、本実施形態においては、前記受動部品12とパワー素子内蔵基板とを接続する配線(図示しない)が金属ブロック3aによって覆われていてもよい。
【0037】
(第4実施形態の効果)
図15のモジュールユニット10fによれば、パワー素子内蔵基板と受動部品とをセットで設計することができ、システム全体の設計の自由度をより向上させることができる。また、受動部品12とパワー素子内蔵基板(または配線基板1a)とを接続する配線が金属ブロック3aによって覆われている構造によれば、より良好にノイズを抑制することができる。
【0038】
(変形例3)
図16は、変形例3にかかるモジュールユニット10gを例示する模式的断面図である。
図16のモジュールユニット10gでは、配線基板のパワー素子内蔵基板2aと反対側の面に、放熱部材3bが配置されていることを特徴とする。
図16のモジュールユニット10gによれば、モジュールユニット10aの両面側に放熱部材(金属ブロック)が配置されているため、より放熱性に優れた構成とすることができる。また、裏面側にも放熱部材が配置されているため、それぞれの放熱部材(金属ブロック)をより小型化することができる。
【0039】
(変形例4)
図17は、変形例4にかかるモジュールユニット10hを例示する模式的断面図である。本開示の変形例4にかかるモジュールユニット10hは、パワー素子内蔵基板3aにて発生する熱を放熱するための金属ブロック3a上に、さらに冷却器(放熱フィン)3cが配置されている。冷却器(放熱フィン)3cの構成材料は、金属ブロックと同様であってもよいし、異なる材料が用いられていてもよい。また、本変形例では金属ブロック3aに冷却器が接続されている例を示したが、本開示の目的を阻害しない限り、冷却器の構成は特に限定されない。例えば、金属ブロック3aが、モジュールユニット10aが実装される筐体に接続される構成であってもよい。また、冷却器(放熱フィン)3cは、放熱部材3b側に接続されていてもよい。なお、本変形例においては、モジュールユニット10の両側に放熱部材3aおよび3bがそれぞれ配置されているので、冷却器(放熱フィン)3cをより小型化することができる。
【0040】
(変形例5)
変形例5として、本開示のモジュールユニットaにおける配線ピンの一例を説明する。
図22および
図23は、変形例5にかかるモジュールユニット10aを模式的に示す上面図および断面図である。
図23(a)、(b)、(c)、(d)はそれぞれ
図22におけるA-A断面、B-B断面、C-C断面、D-D断面を示す。
図22および
図23に示すように、モジュールユニット10aのパワー素子内蔵基板と電源、他の部品、配線基板および/または実装基板とを接続するための入力ピン32a、出力ピン32b、およびGNDピン32cと、配線基板上の他の部品や配線基板とその他部品等とを接続するための電源ピン31aおよび信号ピン31bとが、配線基板1aを貫通する形で配置されている。本開示においては、入力ピン32a、出力ピン32bおよびGNDピン32cは、図示しない配線パターン等を用いて、パワー素子内蔵基板2a上の対応する電極パッド(信号パッド、電源パッド等)と電気的に接続されている。本開示においては、入力ピン32a、出力ピン32bおよびGNDピン32cが、平面視(上面視)でパワー素子内蔵基板の外周よりも外側で且つ外周近傍に位置しているのが好ましい。
【0041】
図24は、
図22および
図23のモジュールユニット10aが実装基板11上に実装された例を模式的に示す分解斜視図である。
図24に示されるように、モジュールユニット10aは、各電極ピン(入力ピン32a、出力ピン32b、GNDピン32c、信号ピン32a、電源ピン32b)が実装基板に挿入される形で実装されてよい。この場合、実装基板11上には、(図示しないが)各ピンに対応した孔が形成されていてよい。
【0042】
図27は、変形例6にかかるモジュールユニット10jを例示する模式的断面図である。
図27のモジュールユニット10jでは、配線基板のパワー素子内蔵基板2aと反対側の面に、放熱部材3bおよびパワー素子内蔵基板2a内のパワー素子を制御するためのゲートドライバ7aが配置されている。
図27のモジュールユニット10jによれば、モジュールユニット10jの両面側に放熱部材(金属ブロック)が配置されているため、より放熱性に優れた構成とすることができる。また、裏面側にも放熱部材が配置されているため、それぞれの放熱部材(金属ブロック)をより小型化することができる。さらに、
図27のモジュールユニット10jによれば、裏面側にゲートドライバ7aが配置されているため、基板の面積を最小化しつつインダクタンスをより低減することができる。また、本開示においては、
図27のモジュールユニット10jのように、パワー素子内蔵基板2aとゲートドライバ7aとが平面視で(Y方向からみて)重ならない位置に配置されていてもよい。このように配置することにより、パワー素子内蔵基板2aから発生する熱によるゲートドライバ7aへの影響をより良好に低減することができる。なお、本開示においては、パワー素子内蔵基板2aおよびゲートドライバ7aが、平面視で(Y方向からみて)一部重なっていてもよい。平面視で重なる割合が少なければ(例えば、平面視でパワー素子内蔵基板の面積の50%以下、好ましくは30%以下)、熱の影響を低減することができる。
【0043】
上述した本発明の実施形態に係るモジュールユニットは、上記した機能を発揮させるべく、インバータやコンバータなどの電力変換装置に適用することができる。
図18は、本発明の実施形態に係る半導体装置を用いた制御システムの一例を示すブロック構成図、
図19は同制御システムの回路図であり、特に電気自動車(Electric Vehicle)への搭載に適した制御システムである。
【0044】
図18に示すように、制御システム500はバッテリー(電源)501、昇圧コンバータ502、降圧コンバータ503、インバータ504、モータ(駆動対象)505、駆動制御部506を有し、これらは電気自動車に搭載されてなる。バッテリー501は例えばニッケル水素電池やリチウムイオン電池などの蓄電池からなり、給電ステーションでの充電あるいは減速時の回生エネルギーなどにより電力を貯蔵するとともに、電気自動車の走行系や電装系の動作に必要となる直流電圧を出力することができる。昇圧コンバータ502は例えばチョッパ回路を搭載した電圧変換装置であり、バッテリー501から供給される例えば200Vの直流電圧を、チョッパ回路のスイッチング動作により例えば650Vに昇圧して、モータなどの走行系に出力することができる。降圧コンバータ503も同様にチョッパ回路を搭載した電圧変換装置であるが、バッテリー501から供給される例えば200Vの直流電圧を、例えば12V程度に降圧することで、パワーウインドーやパワーステアリング、あるいは車載の電気機器などを含む電装系に出力することができる。
【0045】
インバータ504は、昇圧コンバータ502から供給される直流電圧をスイッチング動作により三相の交流電圧に変換してモータ505に出力する。モータ505は電気自動車の走行系を構成する三相交流モータであり、インバータ504から出力される三相の交流電圧によって回転駆動され、その回転駆動力を図示しないトランスミッション等を介して電気自動車の車輪に伝達する。
【0046】
一方、図示しない各種センサを用いて、走行中の電気自動車から車輪の回転数やトルク、アクセルペダルの踏み込み量(アクセル量)などの実測値が計測され、これらの計測信号が駆動制御部506に入力される。また同時に、インバータ504の出力電圧値も駆動制御部506に入力される。駆動制御部506はCPU(Central Processing Unit)などの演算部やメモリなどのデータ保存部を備えたコントローラの機能を有するもので、入力された計測信号を用いて制御信号を生成してインバータ504にフィードバック信号として出力することで、スイッチング素子によるスイッチング動作を制御する。これによって、インバータ504がモータ505に与える交流電圧が瞬時に補正されることで、電気自動車の運転制御を正確に実行させることができ、電気自動車の安全・快適な動作が実現する。なお、駆動制御部506からのフィードバック信号を昇圧コンバータ502に与えることで、インバータ504への出力電圧を制御することも可能である。
【0047】
図19は、
図18における降圧コンバータ503を除いた回路構成、すなわちモータ505を駆動するための構成のみを示した回路構成である。同図に示されるように、本発明の実施形態に係るモジュールユニットは、例えばショットキーバリアダイオードとして昇圧コンバータ502およびインバータ504に採用されることでスイッチング制御に供される。昇圧コンバータ502においてはチョッパ回路に組み込まれてチョッパ制御を行い、またインバータ504においてはIGBTを含むスイッチング回路に組み込まれてスイッチング制御を行う。なお、バッテリー501の出力にインダクタ(コイルなど)を介在させることで電流の安定化を図り、またバッテリー501、昇圧コンバータ502、インバータ504のそれぞれの間にキャパシタ(電解コンデンサなど)を介在させることで電圧の安定化を図っている。
【0048】
また、
図19中に点線で示すように、駆動制御部506内にはCPU(Central Processing Unit)からなる演算部507と不揮発性メモリからなる記憶部508が設けられている。駆動制御部506に入力された信号は演算部507に与えられ、プログラムされた演算を必要に応じて行うことで各半導体素子に対するフィードバック信号を生成する。また記憶部508は、演算部507による演算結果を一時的に保持したり、駆動制御に必要な物理定数や関数などをテーブルの形で蓄積して演算部507に適宜出力する。演算部507や記憶部508は公知の構成を採用することができ、その処理能力等も任意に選定できる。
【0049】
図18や
図19に示されるように、制御システム500においては、昇圧コンバータ502、降圧コンバータ503、インバータ504のスイッチング動作にはダイオードやスイッチング素子であるサイリスタ、パワートランジスタ、IGBT、MOSFET等が用いられる。これらの半導体素子に酸化ガリウム(Ga
2O
3)、特にコランダム型酸化ガリウム(α-Ga
2O
3)をその材料として用いることでスイッチング特性が大幅に向上する。さらに、本発明の実施形態に係るモジュールユニットを適用することで、極めて良好なスイッチング特性が期待できるとともに、制御システム500の一層の小型化やコスト低減が実現可能となる。すなわち、昇圧コンバータ502、降圧コンバータ503、インバータ504のそれぞれが本発明による効果を期待できるものとなり、これらのいずれか一つ、もしくは任意の二つ以上の組合せ、あるいは駆動制御部506も含めた形態のいずれにおいても本発明の効果を期待することができる。
【0050】
なお、上述の制御システム500は本発明の実施形態に係るモジュールユニットを電気自動車の制御システムに適用できるだけではなく、直流電源からの電力を昇圧・降圧したり、直流から交流へ電力変換するといったあらゆる用途の制御システムに適用することが可能である。また、バッテリーとして太陽電池などの電源を用いることも可能である。
【0051】
図20、本発明の実施形態に係るモジュールユニットを採用した制御システムの他の例を示すブロック構成図、
図21は同制御システムの回路図であり、交流電源からの電力で動作するインフラ機器や家電機器等への搭載に適した制御システムである。
【0052】
図20に示すように、制御システム600は、外部の例えば三相交流電源(電源)601から供給される電力を入力するもので、AC/DCコンバータ602、インバータ604、モータ(駆動対)605、駆動制御部606を有し、これらは様々な機器(後述する)に搭載することができる。三相交流電源601は、例えば電力会社の発電施設(火力発電所、水力発電所、地熱発電所、原子力発電所など)であり、その出力は変電所を介して降圧されながら交流電圧として供給される。また、例えば自家発電機等の形態でビル内や近隣施設内に設置されて電力ケーブルで供給される。AC/DCコンバータ602は交流電圧を直流電圧に変換する電圧変換装置であり、三相交流電源601から供給される100Vや200Vの交流電圧を所定の直流電圧に変換する。具体的には、電圧変換により3.3Vや5V、あるいは12Vといった、一般的に用いられる所望の直流電圧に変換される。駆動対象がモータである場合には12Vへの変換が行われる。なお、三相交流電源に代えて単相交流電源を採用することも可能であり、その場合にはAC/DCコンバータを単相入力のものとすれば同様のシステム構成とすることができる。
【0053】
インバータ604は、AC/DCコンバータ602から供給される直流電圧をスイッチング動作により三相の交流電圧に変換してモータ605に出力する。モータ604は、制御対象によりその形態が異なるが、制御対象が電車の場合には車輪を、工場設備の場合にはポンプや各種動力源を、家電機器の場合にはコンプレッサなどを駆動するための三相交流モータであり、インバータ604から出力される三相の交流電圧によって回転駆動され、その回転駆動力を図示しない駆動対象に伝達する。
【0054】
なお、例えば家電機器においてはAC/DCコンバータ602から出力される直流電圧をそのまま供給することが可能な駆動対象も多く(例えばパソコン、LED照明機器、映像機器、音響機器など)、その場合には制御システム600にインバータ604は不要となり、
図20中に示すように、AC/DCコンバータ602から駆動対象に直流電圧を供給する。この場合、例えばパソコンなどには3.3Vの直流電圧が、LED照明機器などには5Vの直流電圧が供給される。
【0055】
一方、図示しない各種センサを用いて、駆動対象の回転数やトルク、あるいは駆動対象の周辺環境の温度や流量などといった実測値が計測され、これらの計測信号が駆動制御部606に入力される。また同時に、インバータ604の出力電圧値も駆動制御部606に入力される。これらの計測信号をもとに、駆動制御部606はインバータ604にフィードバック信号を与え、スイッチング素子によるスイッチング動作を制御する。これによって、インバータ604がモータ605に与える交流電圧が瞬時に補正されることで、駆動対象の運転制御を正確に実行させることができ、駆動対象の安定した動作が実現する。また、上述のように、駆動対象が直流電圧で駆動可能な場合には、インバータへのフィードバックに代えてAC/DCコンバータ602をフィードバック制御することも可能である。
【0056】
図21は、
図20の回路構成を示したものである。同図に示されるように、本発明の実施形態に係る半導体装置は、例えばショットキーバリアダイオードとしてAC/DCコンバータ602およびインバータ604に採用されることでスイッチング制御に供される。AC/DCコンバータ602は、例えばショットキーバリアダイオードをブリッジ状に回路構成したものが用いられ、入力電圧の負電圧分を正電圧に変換整流することで直流変換を行う。またインバータ604においてはIGBTにおけるスイッチング回路に組み込まれてスイッチング制御を行う。なお、AC/DCコンバータ602とインバータ604の間にキャパシタ(電解コンデンサなど)を介在させることで電圧の安定化を図っている。
【0057】
また、
図21中に点線で示すように、駆動制御部606内にはCPUからなる演算部607と不揮発性メモリからなる記憶部608が設けられている。駆動制御部606に入力された信号は演算部607に与えられ、プログラムされた演算を必要に応じて行うことで各半導体素子に対するフィードバック信号を生成する。また記憶部608は、演算部607による演算結果を一時的に保持したり、駆動制御に必要な物理定数や関数などをテーブルの形で蓄積して演算部607に適宜出力する。演算部607や記憶部608は公知の構成を採用することができ、その処理能力等も任意に選定できる。
【0058】
このような制御システム600においても、
図18や
図19に示した制御システム500と同様に、AC/DCコンバータ602やインバータ604の整流動作やスイッチング動作にはダイオードやスイッチング素子であるサイリスタ、パワートランジスタ、IGBT、MOSFET等が用いられる。これら半導体素子に酸化ガリウム(Ga
2O
3)、特にコランダム型酸化ガリウム(α-Ga
2O
3)をその材料として用いることでスイッチング特性が向上する。さらに、本発明の実施形態に係るモジュールユニットを適用することで、極めて良好なスイッチング特性が期待できるとともに、制御システム600の一層の小型化やコスト低減が実現可能となる。すなわち、AC/DCコンバータ602、インバータ604のそれぞれが本発明による効果を期待できるものとなり、これらのいずれか一つ、もしくは組合せ、あるいは駆動制御部606も含めた形態のいずれにおいても本発明の効果を期待することができる。
【0059】
なお、
図20および
図21では駆動対象としてモータ605を例示したが、駆動対象は必ずしも機械的に動作するものに限られず、交流電圧を必要とする多くの機器を対象とすることができる。制御システム600においては、交流電源から電力を入力して駆動対象を駆動する限りにおいては適用が可能であり、インフラ機器(例えばビルや工場等の電力設備、通信設備、交通管制機器、上下水処理設備、システム機器、省力機器、電車など)や家電機器(例えば、冷蔵庫、洗濯機、パソコン、LED照明機器、映像機器、音響機器など)といった機器を対象とした駆動制御のために搭載することができる。
【0060】
[付記]
以上のように、本実施形態は以下のような開示を含む。
(付記1)
配線基板と、該配線基板上に実装されているパワー素子内蔵基板と、前記配線基板の前記パワー素子内蔵基板が実装されている側に配置され、前記パワー素子内蔵基板の少なくとも一部を覆う金属ブロックとを備え、前記金属ブロックが、前記パワー素子内蔵基板に対向する側に凹部を有し、前記パワー素子内蔵基板の少なくとも一部が前記凹部内に位置しているモジュールユニット。
(付記2)
前記凹部によって前記パワー素子内蔵基板の周囲が覆われている付記1記載のモジュールユニット。
(付記3)
前記凹部の深さが5mm以下である付記1または2に記載のモジュールユニット。
(付記4)
前記パワー素子内蔵基板は、配線層と、保持層と、前記配線層と前記保持層との間に位置する絶縁層と、パワー素子とを備え、前記パワー素子が前記絶縁層に埋め込まれている付記1~3のいずれかに記載のモジュールユニット。
(付記5)
前記パワー素子は、電力変換回路の一部を構成するものである付記1~4のいずれか記載のモジュールユニット。
(付記6)
さらにゲートドライバが前記配線基板の前記パワー素子内蔵基板と同じ側に実装されており、前記ゲートドライバの少なくとも一部が前記凹部内に位置している付記1~5のいずれかに記載のモジュールユニット。
(付記7)
さらにゲートドライバが前記配線基板の前記パワー素子内蔵基板とは反対側の面に実装されている付記1~6のいずれかに記載のモジュールユニット。
(付記8)
さらに他のパワー素子内蔵基板を備え、該他のパワー素子内蔵基板が前記部品内蔵基板の前記埋込パワーモジュールと同じ側に実装されている付記1~7のいずれか記載のモジュールユニット。
(付記9)
前記金属ブロックが、前記パワー素子内蔵基板に対向する側に他の凹部を有しており、前記他のパワー素子内蔵基板の少なくとも一部が、前記他の凹部内に位置している付記1~8のいずれかに記載のモジュールユニット。
(付記10)
前記金属ブロックが、電力変換回路のグランド電位と同電位である付記1~9のいずれかに記載のモジュールユニット。
(付記11)
前記金属ブロックが、前記配線基板のグランド電極と直接接触している付記1~9のいずれかに記載のモジュールユニット。
(付記12)
前記金属ブロックと前記パワー素子内蔵基板との間に絶縁部材が設けられている付記1~11のいずれかに記載のモジュールユニット。
(付記13)
前記パワー素子内蔵基板の前記金属ブロック側の最表面がグランド電位になっており、前記最表面と金属ブロックとが直接接触している付記1~12のいずれかに記載のモジュールユニット。
(付記14)
前記金属ブロックが、冷却器と接続されている付記1~13のいずれかに記載のモジュールユニット。
(付記15)
前記配線基板の前記パワー素子内蔵基板が実装された面と反対側の面に、放熱部材が配置されている付記1~14のいずれかに記載のモジュールユニット。
(付記16)
モジュールユニットと実装基板とを備え、前記実装基板上に前記モジュールユニットが立設されているシステム基板であって、前記モジュールユニットが、付記1~15のいずれかに記載のモジュールユニットである電子装置。
【0061】
なお、上述した本発明に係る複数の実施形態の一部または全部を組合わせたり、一部の構成要素を他の実施形態に適用することももちろん可能であり、そのようなものも本発明の実施形態に属する。
【符号の説明】
【0062】
1a、1b 配線基板
2a、2b パワー素子内蔵基板
3a、3b 金属ブロック(放熱部材)
3c 冷却器(放熱フィン)
4a、4b 絶縁部材
5a、5b 凹部
6 グランド電極
7a、7b ゲートドライバ
8a 電極ピン
8b ホール
10a、10b、10c モジュールユニット
10d、10e、10f モジュールユニット
10g、10h、10i モジュールユニット
10j モジュールユニット
11 実装基板
12 受動部品
14a 樹脂部
14b ピン部
14c ピン部
31a 電源ピン
31b 信号ピン
32a 入力ピン
32b 出力ピン
32c GNDピン
101a、101b トランジスタ
102a、102b ダイオード
111 第1の配線層(上部配線層)
112 保持層(第2の配線層/下部配線層)
115 絶縁体
117 導電ビア
118 基材
119a 絶縁保護層
119b 絶縁保護層
120 スルーホール
111a 接着層(導電性接着層)
111b 接着層(導電性接着層)
500 制御システム
501 バッテリー(電源)
502 昇圧コンバータ
503 降圧コンバータ
504 インバータ
505 モータ(駆動対象)
506 駆動制御部
507 演算部
508 記憶部
600 制御システム
601 三相交流電源(電源)
602 AC/DCコンバータ
604 インバータ
605 モータ(駆動対象)
606 駆動制御部
607 演算部
608 記憶部
【手続補正書】
【提出日】2023-11-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線基板と、該配線基板上に実装されているパワー素子内蔵基板と、前記配線基板の前記パワー素子内蔵基板が実装されている側に配置され、前記パワー素子内蔵基板の少なくとも一部を覆う金属ブロックとを備え、前記金属ブロックが、前記パワー素子内蔵基板に対向する側に凹部を有し、前記パワー素子内蔵基板の少なくとも一部が前記凹部内に位置しているモジュールユニット。
【請求項2】
前記凹部によって前記パワー素子内蔵基板の周囲が覆われている請求項1記載のモジュールユニット。
【請求項3】
前記凹部の深さが5mm以下である請求項1記載のモジュールユニット。
【請求項4】
前記パワー素子内蔵基板は、配線層と、保持層と、前記配線層と前記保持層との間に位置する絶縁層と、パワー素子とを備え、前記パワー素子が前記絶縁層に埋め込まれている請求項1記載のモジュールユニット。
【請求項5】
前記パワー素子は、電力変換回路の一部を構成するものである請求項4記載のモジュールユニット。
【請求項6】
さらにゲートドライバが前記配線基板の前記パワー素子内蔵基板と同じ側に実装されており、前記ゲートドライバの少なくとも一部が前記凹部内に位置している請求項1記載のモジュールユニット。
【請求項7】
さらにゲートドライバが前記配線基板の前記パワー素子内蔵基板とは反対側の面に実装されている請求項1記載のモジュールユニット。
【請求項8】
さらに他のパワー素子内蔵基板を備え、該他のパワー素子内蔵基板が前記配線基板の前記パワー素子内蔵基板と同じ側に実装されている請求項1記載のモジュールユニット。
【請求項9】
前記金属ブロックが、前記パワー素子内蔵基板に対向する側に他の凹部を有しており、前記他のパワー素子内蔵基板の少なくとも一部が、前記他の凹部内に位置している請求項8記載のモジュールユニット。
【請求項10】
前記金属ブロックが、電力変換回路のグランド電位と同電位である請求項5記載のモジュールユニット。
【請求項11】
前記金属ブロックが、前記配線基板のグランド電極と直接接触している請求項1記載のモジュールユニット。
【請求項12】
前記金属ブロックと前記パワー素子内蔵基板との間に絶縁部材が設けられている請求項1記載のモジュールユニット。
【請求項13】
前記パワー素子内蔵基板の前記金属ブロック側の最表面がグランド電位になっており、前記最表面と金属ブロックとが直接接触している請求項1記載のモジュールユニット。
【請求項14】
前記金属ブロックが、冷却器と接続されている請求項1記載のモジュールユニット。
【請求項15】
前記配線基板の前記パワー素子内蔵基板が実装された面と反対側の面に、放熱部材が配置されている請求項1記載のモジュールユニット。
【請求項16】
モジュールユニットと実装基板とを備え、前記実装基板上に前記モジュールユニットが立設されているシステム基板であって、前記モジュールユニットが、請求項1記載のモジュールユニットである電子装置。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線基板と、該配線基板上に実装されているパワー素子内蔵基板と、前記配線基板の前記パワー素子内蔵基板が実装されている側に配置され、前記パワー素子内蔵基板の少なくとも一部を覆う金属ブロックとを備え、
前記パワー素子内蔵基板は、配線層と、保持層と、前記配線層と前記保持層との間に位置する絶縁層と、パワー素子とを備え、前記パワー素子が前記絶縁層に埋め込まれており、
前記金属ブロックが、前記パワー素子内蔵基板に対向する側に凹部を有し、前記パワー素子内蔵基板の少なくとも一部が前記凹部内に位置しているモジュールユニット。
【請求項2】
前記凹部によって前記パワー素子内蔵基板の周囲が覆われている請求項1記載のモジュールユニット。
【請求項3】
前記凹部の深さが5mm以下である請求項1記載のモジュールユニット。
【請求項4】
前記パワー素子は、電力変換回路の一部を構成するものである請求項1記載のモジュールユニット。
【請求項5】
さらにゲートドライバが前記配線基板の前記パワー素子内蔵基板と同じ側に実装されており、前記ゲートドライバの少なくとも一部が前記凹部内に位置している請求項1記載のモジュールユニット。
【請求項6】
さらにゲートドライバが前記配線基板の前記パワー素子内蔵基板とは反対側の面に実装されている請求項1記載のモジュールユニット。
【請求項7】
さらに他のパワー素子内蔵基板を備え、該他のパワー素子内蔵基板が前記配線基板の前記パワー素子内蔵基板と同じ側に実装されている請求項1記載のモジュールユニット。
【請求項8】
前記金属ブロックが、前記パワー素子内蔵基板に対向する側に他の凹部を有しており、前記他のパワー素子内蔵基板の少なくとも一部が、前記他の凹部内に位置している請求項7記載のモジュールユニット。
【請求項9】
前記金属ブロックが、電力変換回路のグランド電位と同電位である請求項4記載のモジュールユニット。
【請求項10】
前記金属ブロックが、前記配線基板のグランド電極と直接接触している請求項1記載のモジュールユニット。
【請求項11】
前記金属ブロックと前記パワー素子内蔵基板との間に絶縁部材が設けられている請求項1記載のモジュールユニット。
【請求項12】
前記パワー素子内蔵基板の前記金属ブロック側の最表面がグランド電位になっており、前記最表面と金属ブロックとが直接接触している請求項1記載のモジュールユニット。
【請求項13】
前記金属ブロックが、冷却器と接続されている請求項1記載のモジュールユニット。
【請求項14】
前記配線基板の前記パワー素子内蔵基板が実装された面と反対側の面に、放熱部材が配置されている請求項1記載のモジュールユニット。
【請求項15】
モジュールユニットと実装基板とを備え、前記実装基板上に前記モジュールユニットが立設されているシステム基板であって、前記モジュールユニットが、請求項1記載のモジュールユニットである電子装置。