(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011336
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】組立式梱包箱用シート及び組立式梱包箱
(51)【国際特許分類】
B65D 5/20 20060101AFI20240118BHJP
B65D 5/30 20060101ALI20240118BHJP
B65D 5/50 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
B65D5/20 A
B65D5/30 A
B65D5/50 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022113257
(22)【出願日】2022-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】000161884
【氏名又は名称】アスカカンパニー株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】512068536
【氏名又は名称】株式会社アーテック
(72)【発明者】
【氏名】小島 康司
(72)【発明者】
【氏名】熊木 直志
(72)【発明者】
【氏名】板東 大樹
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA04
3E060AB13
3E060AB18
3E060BA08
3E060BB05
3E060BC02
3E060CC02
3E060CC18
3E060CC43
3E060CD04
3E060CD12
3E060DA23
3E060DA30
3E060EA13
(57)【要約】 (修正有)
【課題】内容物が充填済みのスパウト付きパウチ容器をポスト投函で発送することができる組立式梱包箱用シート並びに組立式梱包箱を提供する。
【解決手段】本発明は、底板1と、第一側板2と、第二側板3と、前板4と、後板5と、第一中板6と、差込小片7aと、天板8と、差込大片8aと、折込片5bと、前板側の天板と、前板側の側板と、前板側の底板と、前記縁板と、折込片と、合板と、前記差込小片を含む第二中板7を形成し、前記前板と前記前板側の天板の間には、前記差込小片を差し込む切込11が形成され、前記第一側板と前記第一中板の間には、前記差込大片を差し込む切込11を形成し、前記前板側の天板と前記前板側の側板と前記前板側の底板の一部には、首掛片とを含むキャップ収納スペースが形成される組立式梱包箱用シートA並びに組立式梱包箱用シートを箱型に組み立てて成る組立式梱包箱である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1枚のシートから形成され箱型へ組み立て可能な梱包箱用シートであって、
矩形の底板と、
前記底板の外周の四辺の二辺から延設し互いに対向する第一側板及び第二側板と、
前記四辺のうち前記二辺を除く二辺から延設し互いに対向する前板及び後板と、
前記第一側板の前記底板と反対側から延設した第一中板と、
前記第一中板の前記前板側と前記後板側の二辺から延設し互いに対向する差込小片と、
前記第二側板の前記底板と反対側から延設し、前記底板と同形状の天板と、
前記天板の前記第二側板と反対側の一部から延設した差込大片と、
前記前板の左右二辺から延設し互いに対向する一対の折込片と、
前記前板の前記底板と反対側から延設した前板側の天板と、
前記前板側の天板の前記底板と反対側から更に延設した前板側の側板と、
前記前板側の側板の前記底板と反対側から更に延設し内方に折り曲げて組み立てた時に前記底板の一部と近接または当接する前板側の底板と、
前記後板の前記底板と反対側から延設した縁板と、
前記後板の左右二辺の一辺から延設した折込片と、
前記一辺を除く一辺から延設し、前記第二側板と同形状であって前記第二側板と重なり合う合板と、
前記合板の前記天板と反対側から延設し前記差込小片を含む第一中板と同形状の第二中板を形成し、
前記前板と前記前板側の天板の間の折曲線と、前記後板と前記縁板の間の折曲線には、前記折曲線に従う平行な位置に前記差込小片を外方から差し込み可能とする切込が形成されるとともに、
前記第一側板と前記第一中板の間の折曲線に従う平行な位置に、前記差込大片を外方から差し込み可能とする切込を形成し、
前記前板側の天板と前記前板側の側板と前記前板側の底板の一部には、前記梱包箱用シートを箱型に組み立てた時に、キャップ付きスパウトパウチ容器のスパウトの首部を引っかける首掛片とを含むキャップ収納スペースが形成されることを特徴とする組立式梱包箱用シート並びに組立式梱包箱用シートを箱型に組み立てて成る組立式梱包箱。
【請求項2】
前記前板側の底板の一部から前記前板側の側板の一部にかけて切り抜かれた切抜口を形成するとともに、前記切抜口の底板方向側には、前記切抜口と同じ幅の長方形と、前記切抜口と同じ幅よりも幅広である長辺の長さの違う長方形をテーパーでつないだ形状の折曲片を形成し、
折曲片の下端側には前記折曲片の下端と同じ幅の当接板を形成し、
前記折曲片と前記当接板の間の折曲線と、
前記当接板と前記前板側の天板の間の折曲線が内方へ折り曲げることで前記キャップ収納スペースが形成され、
前記当接板は前記キャップ付きスパウトパウチ容器のキャップの天板部と当接する位置に形成したことを特徴とする請求項1に記載の組立式梱包箱用シート並びに組立式梱包箱用シートを箱型に組み立てて成る組立式梱包箱。
【請求項3】
前記切込はコの字となるように三辺が切込されており、箱型に組み立てた時に三辺が外方へ突出しながら立ち上がるガイドとなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の組立式梱包用シート並びに組立式梱包箱用シートを箱型に組み立てて成る組立式梱包箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、箱型に組み立てできる組立式梱包箱用シート及び組立式梱包箱に関するものである。
【0002】
近年、世界中がSDGsに取り組むなか、包装容器の見直しも進められ、容器包装のコンパクト化や、プラスチックや紙などを削減していく取り組みが行われている。環境負荷を減らす商品パッケージとしてボトルからスパウト付きパウチ容器に切り替えて販売している商品も多くなってきている。また、従来では、スパウト付きパウチ容器に充填されて販売されているものとして、シャンプーやボディソープ、液体洗剤など、専用ボトルへ詰め替えする詰替え用の容器として販売されているものが多かった。しかし、近年では、メンズ用の化粧水や乳液、また洗顔ソープなどの化粧品や、醤油やお味噌などの調味料、また、ワインや日本酒などのお酒などにも、スパウト付きパウチ容器が使用されるようになってきている。
【0003】
更に、ネットショッピングの普及により、これらの商品はネットを通じて簡単に購入することが可能となっている。これらの商品は、宅配便などの配送サービスを利用して届けられることが多く、例えば、ガラス瓶に入ったものを梱包するものとして、箱本体の内部に、瓶同士を隔てるための中仕切りを入れ、中仕切りの上に緩衝用の中板を載せた後、箱本体に蓋をする包装箱が、特許文献1の瓶ものの包装箱として考案されている。特許文献1の瓶ものの包装箱は、お酒などが入った瓶を贈答する時に使用される一般的な梱包形態を有する梱包箱であり、箱本体と蓋と中仕切りと底板と中板が、別々のパーツとして構成されている。また、中仕切りの一端には瓶の頭を支えるために、コの字形の枕が形成されるようになっており、枕の上面にYの字形の切れ込みを入れておくことで、瓶の頭を押し付けると切り込みが下に開いて瓶の頭が動かないように保持される構造になっている。
【0004】
更に、一枚の段ボールシートから形成される段ボール製封筒として、表面パネル部及び裏面パネル部と、底マチ部と、側マチ部と、上マチ部と、側貼着部と、上貼着部と、底隅封止部と、上隅封止部とを備えたものが特許文献2の段ボール製封筒として考案されている。特許文献2の段ボール製封筒は、発送する内容物の厚みによって、段ボール製封筒の厚みも容易に形成することができるものである。近年、核家族化及び共働き世帯の増加で、特に昼間の在宅率が低下している。そのため、商品の配送効率低下問題を解決するための1つの手段として、特許文献2のような段ボール製封筒を利用することで、ポストへそのまま投函できたり、郵便受けに配達できるようになっている。また、これらのメール便サービスを利用すれば、配送費用が宅配便と比べると安く発送できるメリットがある。
【0005】
【特許文献1】実案登録第3088304号公報
【特許文献2】実案登録第3195833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、スパウト付きパウチ容器に充填させた化粧品や液体の調味料などを、特許文献1のような梱包箱へ入れて発送しようとした場合には、例え、容器が小型のスパウト付きパウチ容器であったとしても、キャップ部分を押さえるための部材やパウチ容器部分を保護するカバーできる部材が、別パーツとして準備する必要があり、外箱だけでなく、その他に箱の内部に入れて商品を固定するための部材が必要となる。そのため、包装材が割高になるうえ、ポストへ投函することができないサイズになるため、宅配便などを利用する必要があり、配送コストが高くなる課題がある。また、配送コストを抑えた配送をするためには、特許文献2のようなメール便として送れる段ボール製封筒が考案されている。しかし、スパウト付きパウチ容器は、フィルムシートを袋状に形成して製造されたものであるので、例え、緩衝材をパウチ容器に巻き付けて、特許文献2で考案されている段ボール製封筒に入れても、外からの圧力が加わると、スパウトとキャップが圧力に耐え切れずに、内容液が漏れ出てしまう場合がある。また、外からの圧力を緩和させるために、パウチ容器部分に緩衝材を巻き付けた状態で特許文献2で考案されている段ボール製封筒に入れた場合では、前記段ボール製封筒の厚みが増すため、規定されたサイズよりも封筒が膨らみすぎてサイズオーバーとなり、メール便サービスが利用できなくなる課題がある。
【0007】
本発明の目的は、上記課題を解決し、配送中の外圧による衝撃でパウチ容器内の内容液が漏れ出ることがなく、また、メール便システムを利用してポスト投函できたり、郵便受け配達ができる、スパウト付きパウチ容器専用の組立式梱包箱用シート及び組立式梱包箱を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、1枚のシートから形成され箱型へ組み立て可能な梱包箱用シートであって、矩形の底板と、前記底板の外周の四辺の二辺から延設し互いに対向する第一側板及び第二側板と、前記四辺のうち前記二辺を除く二辺から延設し互いに対向する前板及び後板と、前記第一側板の前記底板と反対側から延設した第一中板と、前記第一中板の前記前板側と前記後板側の二辺から延設し互いに対向する差込小片と、前記第二側板の前記底板と反対側から延設し、前記底板と同形状の天板と、前記天板の前記第二側板と反対側の一部から延設した差込大片と、前記前板の左右二辺から延設し互いに対向する一対の折込片と、前記前板の前記底板と反対側から延設した前板側の天板と、前記前板側の天板の前記底板と反対側から更に延設した前板側の側板と、前記前板側の側板の前記底板と反対側から更に延設し内方に折り曲げて組み立てた時に前記底板の一部と近接または当接する前板側の底板と、前記後板の前記底板と反対側から延設した縁板と、前記後板の左右二辺の一辺から延設した折込片と、前記一辺を除く一辺から延設し、前記第二側板と同形状であって前記第二側板と重なり合う合板と、前記合板の前記天板と反対側から延設し前記差込小片を含む第一中板と同形状の第二中板を形成し、前記前板と前記前板側の天板の間の折曲線と、前記後板と前記縁板の間の折曲線には、前記折曲線に従う平行な位置に前記差込小片を外方から差し込み可能とする切込が形成されるとともに、前記第一側板と前記第一中板の間の折曲線に従う平行な位置に、前記差込大片を外方から差し込み可能とする切込を形成し、前記前板側の天板と前記前板側の側板と前記前板側の底板の一部には、前記梱包箱用シートを箱型に組み立てた時に、キャップ付きスパウトパウチ容器のスパウトの首部を引っかける首掛片とを含むキャップ収納スペースが形成される組立式梱包箱用シート並びに組立式梱包箱用シートを箱型に組み立てて成る組立式梱包箱である。
【0009】
請求項2に記載の発明は、前記前板側の底板の一部から前記前板側の側板の一部にかけて切り抜かれた切抜口を形成するとともに、前記切抜口の底板方向側には、前記切抜口と同じ幅の長方形と、前記切抜口と同じ幅よりも幅広である長辺の長さの違う長方形をテーパーでつないだ形状の折曲片を形成し、折曲片の下端側には前記折曲片の下端と同じ幅の当接板を形成し、前記折曲片と前記当接板の間の折曲線と、前記当接板と前記前板側の天板の間の折曲線が内方へ折り曲げることで前記キャップ収納スペースが形成され、前記当接板は前記キャップ付きスパウトパウチ容器のキャップの天板部と当接する位置に形成した組立式梱包箱用シート並びに組立式梱包箱用シートを箱型に組み立てて成る組立式梱包箱である。
【0010】
請求項3に記載の発明は、前記切込はコの字となるように三辺が切込されており、箱型に組み立てた時に三辺が外方へ突出しながら立ち上がるガイドとなる組立式梱包用シート並びに組立式梱包箱用シートを箱型に組み立てて成る組立式梱包箱である。
【発明の効果】
【0011】
1枚の段ボール箱用シートから箱型に組み立て可能に形成された組立式梱包箱を利用して、スパウト付きパウチ容器に充填された商品を、配送中における外圧からスパウト付きパウチ容器を保護しながら、スパウト付きパウチ容器内の内容液を漏らすことなく、メール便システムを利用してポスト投函できたり、郵便受け配達を行うことができる、スパウト付きパウチ容器専用の組立式梱包箱用シート及び組立式梱包箱を提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態1の組立式段ボール箱用シートを示す平面図(展開図)である。
【
図5】本発明の組立式段ボール箱用シートの組み立て過程を示す斜視図(展開図)である。
【
図6】
図5の次の組み立て過程を示す斜視図である。
【
図7】
図6の次の組み立て過程を示す斜視図である。
【
図8】
図7の次の組み立て過程を示す斜視図である。
【
図9】
図8の次の組み立て過程を示す斜視図である。
【
図10】
図9の次の組み立て過程を示す斜視図である。
【
図22】
図20にスパウト付きパウチ容器をセットした状態を示すイメージ図である。
【
図26】
図25にスパウト付きパウチ容器をセットした状態を示す斜視図である。
【
図27】本発明の実施形態1を組み立てた組立式段ボール箱に異なるスパウト付きパウチ容器B1をセットしたイメージ図である。
【
図28】本発明の実施形態1を組み立てた組立式段ボール箱に異なるスパウト付きパウチ容器B2をセットしたイメージ図である。
【
図29】本発明の異なる実施形態2を示した平面図(展開図)である。
【
図30】
図29の状態から組立式段ボール箱用シートを組み立た状態を示す斜視図である。
【
図31】
図30の状態から天板で封止した状態を示す斜視図である。
【
図32】
図30に3個のスパウト付きパウチ容器をセットした状態を示すイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、
図20に示す本発明の組立式梱包箱Aaを1枚のシート状に展開した展開図であり、本発明の組立式梱包箱用シートAである。前記組立式梱包箱用シートAの素材は、紙材シートやプラスチックシートなどであるが、段ボール箱用シートは安価で組み立てやすく、組み立てた後の梱包強度が良いため、本発明の組立式梱包箱用シートAに使用する素材としては適しているため、段ボール箱用シートを使用した場合で説明していく。しかし、本発明で使用する素材は、段ボール箱用シートに限定したわけではなく、その他の紙材シートやプラスチック製シートなども含んでいる。また、
図1の実線で示している線がカットしている部分であり、破線で示している部分が折曲線10となり折り曲げることができる部分である。
【0014】
これより形状について説明をする。
図1に示すように、長方形からなる矩形の底板1と、前記底板1の外周の四辺の二辺から延設し互いに対向する第一側板2及び第二側板3と、同じく前記四辺のうち前記二辺を除く二辺から延設し互いに対向する前板4及び後板5が形成されている。前記第一側板2と第二側板3と前板4と後板5は、前記底板1を囲むように破線に従って内方に折り曲げることができる。
【0015】
さらに、前記第一側板2の前記底板1と反対側には、前記底板1と反対側から延設した第一中板6と、前記第一中板6の前記前板4側と前記後板5側の二辺から延設し互いに対向する差込小片6aが形成している。また、前記第二側板3の前記底板1と反対側には前記前記底板1と反対側から延設し、前記底板1と同形状の天板8が形成されている。さらに、前記天板8の前記第二側板3と反対側には、前記前記第二側板3と反対側の一部から延設した差込大片8aが形成されている。
【0016】
図1に示すように、前記前板4には前記前板4の左右二辺から延設し互いに対向する一対の折込片4aが形成している。また、前記前板4の前記底板1と反対側には、前記底板1と反対側から延設した前板側の天板4bが形成している。さらに、前記前板側の天板4bの前記底板1と反対側には前記底板1と反対側からさらに延設した前板側の側板4cが形成している。また、前記前板側の側板4cの前記底板1と反対側には、前記底板1と反対側から更に延設し内方に折り曲げて組み立てた時に前記底板1の一部と当接する前板側の底板4dを形成している。
【0017】
さらに、
図1に示すように、前記後板5の前記底板1と反対側には、前記底板1と反対側から延設した縁板5aを形成している。また、前記後板5の左右二辺の内の一辺から延設した折込片5bが形成しており、前記一辺を除く一辺からは、前記第二側板3と同形状であって前記第二側板3と重なり合う合板9が形成している。さらに、前記合板9の前記天板8と反対側には、前記天板8と反対側から延設した前記第一中板6と同形状の第二中板7を形成している。また、前記第二中板7の左右二辺には前記第二中板7の左右二辺から延設し互いに対向する一対の前記差込小片7aを形成している。
【0018】
さらに、
図1に示すように、前記前板4と前記前板側の天板4bの間の折曲線10と、前記後板5と前記縁板5aの間の折曲線10には、前記折曲線10に従う平行な位置に前記差込小片6a、7aを外方から差し込み可能とする切込11が形成されている。また、前記第一側板2と前記第一中板6の間の折曲線10に従う平行な位置に、前記差込大片8aを外方から差し込みできる切込11を形成している。
【0019】
図1乃至
図3に示すように、前記前板側の底板4dの一部から前記前板側の側板4cの一部にかけて切り抜かれた切抜口4iを形成している。また、前記切抜口4iの底板方向側には、前記切抜口4iと同じ幅の長方形と、前記切抜口4iと同じ幅よりも幅広である長辺の長さの違う長方形をテーパーでつないだ形状の折曲片4hを形成している。さらに、前記折曲片4hの下端側には前記折曲片4hの下端と同じ幅の当接板4gが形成されている。
【0020】
また、
図2及び
図3は、
図1に示すr部分を拡大した拡大図であるが、
図2及び
図3に示すように、前記折曲片4hと前記当接板4gの間には、内方へ折曲げ可能な折曲線10が形成されている。さらに、前記当接板4gと前記前板側の天板4bの間には、内方へ折り曲げ可能な折曲線10が形成されている。
【0021】
図2に示すように、折曲片4hの縦方向の長さaは、
図2に示す長さa’と等しくなるように形成すると良い。また、前記当接板4gの縦方向の長さbは、
図2に示す長さb’からシートの厚み分を差し引いた長さにすると箱状へ組み立てる時に、前記折曲片4hが前記前板側の底板4dの上側に重なるように組み立てすることができる。
【0022】
さらに、
図3に示すように、前記折曲片4hの上端側の横幅の長さcは、前記折曲片4hの下端の横幅の長さc’よりも短く形成し、長さが異なる横幅同士をテーパーでつなぐことで、前記折曲片4hを内側に折り曲げた時、首掛片4fが形成させるようになっている。これにより、キャップ付きスパウトパウチ容器Bを本発明の組立式梱包箱の中にセットしようとした時に、前記首掛片4fが形成されているので、前記キャップ付きスパウトパウチ容器BのスパウトBb部分の首部を嵌め込みやすくセットできる上、前記首部が前記首掛片4fに引っかかったままで保持させることができるようになる。
【0023】
ではこれから、本発明の組立式段ボール箱用シートAを組み立てていく過程について
図5乃至
図20で説明していく。
図5は本発明の組立式段ボール箱用シートAを斜めからみた斜視図であるが、
図5及び
図6に示すように、前記底板1と前記前板4の境目の折曲線10に従って前記前板4を内方に折り曲げると
図5のようになる。
【0024】
次に
図6及び
図7に示すように、前記前板側の天板4bと前記前板側の側板4cの境目の折曲線10に従いながら、前記前板側の側板4cを内方に折り曲げ、かつ、前記前板側の側板4cと前記前板側の底板4dの境目の折曲線10に従いながら、前記前板側の底板4dを順次内方に折り曲げていく。さらに、前記前板4と前記折込片4aの境目の折曲線10に従って前記折込片4aを内方に折り曲げることで、
図6のようになる。
【0025】
次に、
図7及び
図8に示すように、前記前板4と前記前板側の天板4bの境目の折曲線10に従って前板側の天板4bを内方へ折り曲げていくと
図8のようになる。
図8の状態から、前記当接板4gと前記折曲片4hの境目の折曲線10に従いながら前記折曲片4hを内方に折り曲げることで、
図9のようになる。
【0026】
さらに、
図9及び
図10に示すように、前記前板側の天板4bと前記当接板4gの境目の折曲線10に従って当接板4gを内方に折り曲げると、前記折曲片4hが前記前板側の底板4dの上に乗り上がり面同士が当接するように組立てでき、
図10に示すようになる。
【0027】
次に
図10及び
図11に示すように、前記底板1と前記後板5の境目の折曲線10に従いながら前記後板5を内方に折り曲げると、前記後板5と接続されている前記合板9も同じように立ち上がり、
図11に示す状態になる。さらに、
図11及び
図12に示すように、前記後板5と接続している前記縁板5aと前記折込片5bを内方に折り曲げることで、
図12に示すようになる。
【0028】
次に
図12及び
図13に示すように、前記底板1と前記第一側板2の境目の折曲線10に従いながら前記第一側板2を内方に折り曲げ、かつ、前記第一中板6と接続している二辺の前記差込小片6aを折曲線10に従い内方に折り曲げることで、
図13に示す状態になる。
【0029】
さらに、
図13及び
図14に示すように、前記第一側板2と前記第一中板6の境目の折曲線10に従いながら前記第一中板6を内方に折り曲げながら、前記差込小片6aを切込11の切り込み内へ嵌め込むことで、前記第一中板6は粘着テープなどの固着手段を使用せずとも、組み立て保持することができるようになる。
【0030】
次に
図14及び
図15に示すように前記合板9は、前記後板5と前記合板9の境目の折曲線10に従って、合板9が内方に折り曲げできるようになっている。
図15及び
図16に示すように、前記合板9と前記第二中板7の境目の折曲線10に従いながら、前記第二中板7を内方に折り曲げて、かつ、前記第二中板7と接続している二辺の前記差込小片7aを折曲線10に従い内方に折り曲げながら、
図16に示すように、前記差込小片7aを切込11の切り込み内へ嵌め込むことで、
図17に示す状態となる。
【0031】
次に、
図17及び
図18に示すように前記第二側板3と前記天板8の境目の折曲線10に従いながら、内方に前記天板8を折り曲げ、かつ、前記天板8と前記差込大片8aとの境目の折曲線10に従いながら、内方に前記差込大片8aを折り曲げ、
図19に示すように、前記差込大片8aを切込11の切り込み内へ嵌め込むことで、
図20に示すように、組立式梱包箱Aaとして組み上がり完成する。本発明の実施形態1である前記組立式梱包箱Aaは、225mm×155mm×30mmの箱サイズであり、ポスト投函や郵便受け配送ができる規定サイズ内に収まっている。なお、組立式梱包箱Aaのサイズは、メール便として送れる340mm×250mm×30mmのサイズ以内であれば良く、梱包箱のサイズに限定されるものではない。
【0032】
図1のx部分を拡大した拡大図が
図4であり、
図19のy部分を拡大した拡大図が
図21に示しているが、
図4に示すように、前記切込11の切り込みは、コの字となるように三辺に切り込みが入るようにカットしておくことで
図21に示すように、箱型に組み立てた時に三辺が上方向へ立ち上がり突出するガイド11aが形成される。これにより、前記差込大片8aが前記ガイド11aに従いながら嵌め込みできるので、前記差込大片8aが前記切込11に差し込みしやすくなる効果がある。
【0033】
また、前記差込大片8aを嵌め込んだ後は、前記差込大片8aを前記ガイド11aが保持するため、前記天板8が浮き上がることを防止する役目も有している。なお、前記ガイド11aが上方向に突出する高さを高くしすぎるとメール便の規定外サイズになる可能性があるため、前記ガイド11aの突出する高さは梱包箱用シートの厚み以上であり、梱包箱用シートの厚みの倍以下で立ち上がるように切込を入れるのが良い。
【0034】
さらに、前記差込大片8aと前記ガイド11aと同じように、
図1に示す前記前板4と前記前板側の天板4bの間に設けている切込11と、前記後板5と前記縁板5aの間に設けている切込11にも、同じように前記ガイド11を設ける切り込みを形成することで同様の効果を発揮することができる。
【0035】
図22及び
図23は、本発明の組立式梱包箱Aaへスパウト付きパウチ容器Bをセットした状態を示すイメージ図であるが、
図17及び
図18に示すとおり、本発明の組立式梱包箱Aaとして組み立てると、キャップ収納スペース4eと容器収納スペース1aが出現する。また
図23のz部分を拡大した拡大図を
図24で示しているが、前記キャップ収納スペース4eと前記容器収納スペース1aの間には、
図24乃至
図26に示すように、スパウトBbの首部が、前記首掛片4fによって、左右で挟み込み保持できるようになっている。
【0036】
そのため
図3及び
図24乃至
図26に示すように、前記首掛片4fは、前記スパウトBbの首部のサイズに合わせて、折曲片4hの上端の横幅の長さcと同じ横幅を有する切抜口4iと、前記折曲片4hの下端の横幅の長さc’を変更することで、様々なタイプのスパウト付きパウチ容器Bを収納することができる組立式梱包箱用シートA及び組立式梱包箱Aaを提供することができる。
【0037】
また、本発明の組立式梱包箱Aaへスパウト付きパウチ容器を収納できるサイズは、前記底板1のサイズ内に収まる大きさであれば対応することは可能な構造になっている。具体的に説明すると、
図27は異なるサイズのスパウト付きパウチ容器B1を本発明の組立式梱包箱Aaへセットした状態を示すイメージ図である。キャップBcとパウチ容器Baが箱の中でどのように収納されているかを、破線で示しているが、キャップ収納スペースの開口窓から見えていない部分で破線で示している部分が、実際のキャップBcの大きさになる。横長の楕円形のキャップBcであっても収納することができる。また、容器収納スペースの開口窓から見えていない部分で破線で示している部分が、実際のパウチ容器Baの大きさになり、前記パウチ容器Baの下端が前記後板5の近い位置まで収納できるようになっている。さらに、パウチ容器Baの左右両端は、前記第一側板2及び第二側板3に近い位置まで収納することが可能となる。
【0038】
また、
図28は異なるサイズのスパウト付きパウチ容器B2を本発明の組立式梱包箱Aaへセットした状態を示すイメージ図であるが、
図28では、改ざん防止付きキャップBcが装着されたスパウト付きパウチ容器B2を本発明の組立式梱包箱Aaへセットした状態である。キャップBcの下端付近に首掛片4fを引っかけることで保持することが可能となる。このように、スパウトBbの首部のサイズにあった組立梱包箱Aaを複数種類制作して使用することもできるが、キャップBcやパウチ容器Baなどが、いろんなサイズものがあったとしても、一種類の組立梱包箱Aaがあれば、ある程度のサイズのものを、兼用して使用していくことが可能である。
【0039】
図29乃至
図33は、本発明の組立式梱包箱用シートA1及び組立式梱包箱Abの異なる実施形態2である。組立方法については、実施形態1として説明した内容と同じであるが、実施形態2は、スパウト付きパウチ容器Bが同時に3つ収納できる形態となる。なお、
図32及び
図33では、スパウト付きパウチ容器Bは3つ収納しているが、本発明の組立式梱包箱用シートA1及び組立式梱包箱Abは、キャップ収納スペースを形成する個数は限定しておらず、前記前板側の天板4bに3つ以上のキャップ収納スペースを形成するように設けても良い。さらに、前記キャップ収納スペースは、図示していないが、前記前板側の天板4bだけでなく、前記後板側の方にも前記前板側の天板4bと同じようにキャップ収納スペース4eを形成させることで、4つ以上のスパウト付きパウチ容器Bを収納させることが可能になる。
【0040】
本発明の実施形態2である前記組立式梱包箱Abは、305mm×255mm×30mmの箱サイズであり、ポスト投函や郵便受け配送ができる規定サイズ内に収まっている。なお、組立式梱包箱Abのサイズは、メール便として送れる340mm×250mm×30mmのサイズ以内であれば良く、梱包箱のサイズに限定されるものではない。
【0041】
尚、本実施例においては、長方形の底板1を使用した組立式梱包箱Aa、Abを用いて説明したが、前記底板1の形状は長方形に限らず、正方形等全ての矩形の四角形の底板を用いても良い。
【符号の説明】
【0042】
1 底板
1a 容器収納スペース
2 第一側板
3 第二側板
4 前板
4a 折込片
4b 前板側の天板
4c 前板側の側板
4d 前板側の底板
4e キャップ収納スペース
4f 首掛片
4g 当接板
4h 折曲片
4i 切抜口
5 後板
5a 縁板
5b 折込片
6 第一中板
6a 差込小片
7 第二中板
7a 差込小片
8 天板
8a 差込大片
9 合板
10 折曲線
11 切込
11aガイド
A 組立式梱包箱用シート
Aa 組立式梱包箱
A1 組立式梱包箱用シート
Ab 組立式梱包箱
B スパウト付きパウチ容器
B1 スパウト付きパウチ容器
B2 スパウト付きパウチ容器
Ba パウチ容器
Bb スパウト
Bc キャップ