(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113364
(43)【公開日】2024-08-22
(54)【発明の名称】アタッチメント構造
(51)【国際特許分類】
E06B 1/56 20060101AFI20240815BHJP
E06B 1/16 20060101ALI20240815BHJP
【FI】
E06B1/56 B
E06B1/16 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023018296
(22)【出願日】2023-02-09
(71)【出願人】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 奈実
(72)【発明者】
【氏名】相馬 剛
(72)【発明者】
【氏名】高橋 裕樹
【テーマコード(参考)】
2E011
【Fターム(参考)】
2E011JA03
2E011KC01
2E011KC07
2E011KD14
2E011KF02
(57)【要約】
【課題】施工現場において被取付部材を取り付ける取付作業を軽減できるアタッチメント構造を提供すること。
【解決手段】パネル本体と、パネル本体に対してサッシが配置される開口部を形成する開口部枠とを備える組立てパネルにおけるアタッチメント構造10であって、サッシは、下枠322を有し、開口部枠は、下枠322に対向する窓台52を有し、窓台52には、室外側に面する段部53が形成され、段部53には、下枠322と窓台52との間に配置されるアタッチメント11が窓台52に沿って設置され、アタッチメント11には、水切り材61が係合する係合部141が室外側に面する位置に形成される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネル本体と、前記パネル本体に対してサッシが配置される開口部を形成する開口部枠とを備える組立てパネルにおけるアタッチメント構造であって、
前記サッシは、サッシ下枠を有し、
前記開口部枠は、前記サッシ下枠に対向する窓台を有し、
前記窓台には、室外側に面する段部が形成され、
前記段部には、前記サッシ下枠と前記窓台との間に少なくとも一部が配置されるアタッチメントが前記窓台に沿って設置され、
前記アタッチメントには、被取付部材が係合する係合部が室外側に面する位置に形成される
ことを特徴とするアタッチメント構造。
【請求項2】
請求項1に記載のアタッチメント構造において、
前記アタッチメントの上部には、前記サッシ下枠との間に配置される乾式の止水材が設けられる
ことを特徴とするアタッチメント構造。
【請求項3】
請求項1に記載のアタッチメント構造において、
前記被取付部材は水切り材である
ことを特徴とするアタッチメント構造。
【請求項4】
請求項1に記載のアタッチメント構造において、
前記アタッチメントは、前記係合部が形成される室外見付け面部を有し、
前記室外見付け面部は、前記被取付部材を固定具で固定可能に厚肉に形成される
ことを特徴とするアタッチメント構造。
【請求項5】
請求項1に記載のアタッチメント構造において、
前記アタッチメントは、その長手方向に沿った中空部を区画する中空枠部と、前記中空枠部に対して上部に形成される水溜め部とを有し、
前記中空枠部には、前記水溜め部の水を室外側に排水する排水経路が形成される
ことを特徴とするアタッチメント構造。
【請求項6】
請求項1に記載のアタッチメント構造において、
前記アタッチメントは、その長手方向に沿った中空部を区画する中空枠部と、前記中空枠部に対して上部に形成される水溜め部と、前記中空枠部に対して室外側に配置されると共に前記係合部が形成される室外見付け面部とを有し、
前記中空枠部の上部には、上方に立ち上げられ且つ室外側に折曲されると共に、前記室外見付け面部に連続し且つ前記水溜め部を室外側から規定する連続片部が形成され、
前記連続片部には、前記水溜め部の水を室外側に排水する排水口が形成される
ことを特徴とするアタッチメント構造。
【請求項7】
請求項1に記載のアタッチメント構造において、
前記アタッチメントは、その長手方向に沿った中空部を区画する中空枠部と、前記中空枠部に対して上部に形成される水溜め部と、前記中空枠部に対して室外側に配置されると共に前記係合部が形成される室外見付け面部とを有し、
前記中空枠部の上部には、上方に立ち上げられ且つ室外側に折曲されて形成されていると共に前記室外見付け面部が連続する連続片部と、前記連続片部に対して室内側の位置から上方に立ち上げられ且つ室内側に折曲されると共に、前記窓台に固定される固定片部とを有し、
前記連続片部および前記固定片部は、それぞれの立上げ部分で前記水溜め部を規定し、
前記連続片部は、その折曲部分に前記サッシ下枠との間に配置される乾式の止水材を有する
ことを特徴とするアタッチメント構造。
【請求項8】
請求項1に記載のアタッチメント構造において、
前記係合部は、前記被取付部材がスナップフィット式に係合される構成とされる
ことを特徴とするアタッチメント構造。
【請求項9】
請求項1に記載のアタッチメント構造において、
前記パネル本体の室外面には、シャッターを取付可能なシャッター取付部における固定部が前記段部よりも下方の位置に固定され、
前記アタッチメントに取り付けられる前記被取付部材は、前記組立てパネルの見込み方向において前記固定部に対して室外側に重なって配置される垂下片部と、前記垂下片部から室内側に突出して前記固定部の先端上に配置される凸部とを有する
ことを特徴とするアタッチメント構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サッシ下枠と窓台との間に設置され、水切り材などの被取付部材が取り付けられるアタッチメント構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、躯体開口枠に建具の枠体を取り付ける壁面ユニット(組立てパネル)が知られている(特許文献1参照)。この壁面ユニットでは、躯体開口枠は、上下のまぐさ、窓台と左右の縦材とで矩形状に構成されており、建具の枠体は、上枠、下枠および左右の縦枠を枠組みして構成されており、窓台には、建具を受ける受け部材が設置されており、この受け部材に下枠が載せられている。この受け部材には水切り材がねじ止めされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の壁面ユニットでは、水切り材を受け部材にねじ止めするので、水切り材の取り付けに工具などが必要となり、施工現場において水切り材を取り付ける取付作業に手間を要する。また、水切り材とは異なる被取付部材を取り付ける場合にも同様に手間を要する。
【0005】
本発明の目的は、施工現場において被取付部材を取り付ける取付作業を軽減できるアタッチメント構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のアタッチメント構造は、パネル本体と、前記パネル本体に対してサッシが配置される開口部を形成する開口部枠とを備える組立てパネルにおけるアタッチメント構造であって、前記サッシは、サッシ下枠を有し、前記開口部枠は、前記サッシ下枠に対向する窓台を有し、前記窓台には、室外側に面する段部が形成され、前記段部には、前記サッシ下枠と前記窓台との間に少なくとも一部が配置されるアタッチメントが前記窓台に沿って設置され、前記アタッチメントには、被取付部材が係合する係合部が室外側に面する位置に形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、施工現場において被取付部材を取り付ける取付作業を軽減できるアタッチメント構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係るアタッチメント構造が構成される組立てパネルを示す外観姿図。
【
図2】前記実施形態に係るアタッチメント構造が構成される組立てパネルを示す横断面図。
【
図3】前記実施形態に係るアタッチメント構造が構成される組立てパネルを示す縦断面図。
【
図4】
図3に示す組立てパネルの要部を拡大して示す縦断面図。
【
図5】
図3に示す組立てパネルの要部を更に拡大して示す縦断面図。
【
図6】
図3に示す組立てパネルの要部を拡大して示す水切り材取付前の縦断面図。
【
図7】
図4に示す水切り材に代えてカバー材を取り付けた状態を示す縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本実施形態の構成]
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1から
図4において、本実施形態に係るアタッチメント構造10が構成される組立てパネル1は、建物に組み込まれてその壁部を構成するものであり、パネル本体2と、パネル本体2に対してサッシ3が配置される開口部4を形成する開口部枠5とを備えている。
以下の説明において、組立てパネル1の左右方向をX軸方向とし、組立てパネル1の上下方向をY軸方向とし、組立てパネル1の見込み方向(室内外方向)をZ軸方向とする。X,Y,Z軸方向は互いに直交する。なお、
図1は外壁材7、スペーサ6、パネル25を図示省略した組立てパネル1の外観姿図を示している。
【0010】
パネル本体2は、
図1から
図3に示すように、左右の縦材21および上下の横材22を有する枠体23と、枠体23内に配置されるパネル25とを備えている。縦材21および横材22は、横勝ちに枠組みされており、パネル25は、後述するまぐさ51よりも上方において枠体23に区画される空間と、後述する窓台52よりも下方において区画される空間とのそれぞれに設置されている。左右の縦材21のX軸方向における中間位置には間柱26がY軸方向に沿って設けられている。
パネル25は、
図2および
図3に示すようにパネル本体2の室外壁部を構成する表面材として、本実施形態では複数の木質板材を重ね合わせたパーティクルボードなどの耐力面材251を有している。
【0011】
開口部枠5は、上下の横材22の間に配置され且つ左右の縦材21に両端が連結されるX軸方向に沿った上下の中間横材を備えている。本実施形態では、上側の中間横材はまぐさ51で構成されており、下側の中間横材は窓台52で構成されている。開口部4は、左右の縦材21間においてまぐさ51および窓台52に区画されている。窓台52には、
図4および
図5に示すように、室外側に面する段部53が形成されており、段部53は、窓台52の内周見込み面521に連続し且つY軸方向に沿った段部側面531と、窓台52の室外見付け面522に連続し且つZ軸方向に沿った段部底面532とによって段形状に形成されている。
【0012】
サッシ3は、本実施形態では内開き窓で構成されており、サッシ本体としての障子31と、障子31の周囲に配置されるサッシ枠としての窓枠32とを備えている。障子31は上框311、下框312、左右の縦框313およびガラスパネル等の面材314を框組みして構成されている。窓枠32は、上枠321、下枠322(サッシ下枠)および左右の縦枠323を枠組みして構成されており、下枠322は窓台52の内周見込み面521に載せられており、下枠322の下面322Bと当該内周見込み面521はY軸方向に対向し且つ下面322Bの室外側部分と段部53との間に空間50を形成している。戸先側の縦框313にはハンドル34が取り付けられており、吊元側の縦框313はこれに隣接する縦枠323に丁番35(軸部)を介して障子31を内開き可能に連結されている。上枠321および左右の縦枠323の室外見付け面部321A,323Aには、
図2および
図3に示すように、耐力面材251の室外側にスペーサ6を介して設けられる外壁材7を仕切る見切り材41(壁見切り材)がそれぞれ取り付けられており、左右の見切り材41の下端には、
図4および
図5に示す被取付部材としての水切り材61が配置されている。水切り材61は、X軸方向に延び且つ室外側に延出して配置されるものであり、係合部141の後述する係合突部142に係合する下側被係合片部611と、係合段部143に係合する上側被係合片部612とが室内側部分に形成されている。また、水切り材61は、左右の見切り材41が上部に載せられる程度にまでX軸方向に延びていると共に、X軸方向における両端にはキャップ62がそれぞれ装着されている。
【0013】
窓台52には、段部53と下枠322との間で形成される空間50に配置される
図5に示すアルミ製のアタッチメント11が窓台52の段部53を含む部分に沿って取り付けられており、このアタッチメント11には前述した水切り材61が係合されている。
アタッチメント11は、その長手方向(X軸方向に)に沿った断面略矩形状の中空枠部12と、中空枠部12に対して上部に形成される水溜め部13と、中空枠部12に対して室外側に配置されると共に水切り材61がスナップフィット式に係合する係合部141が形成される室外見付け面部14とを有している。また、中空枠部12の上部には、上方に立ち上げられ且つ室外側に折曲されると共に室外見付け面部14に連続する連続片部15と、連続片部15に対して室内側の位置から上方に立ち上げられ且つ室内側に折曲されると共に窓台52に固定される固定片部16とを有している。
中空枠部12は、上片部121、下片部122、前片部123および後片部124を有していると共に、X軸方向に沿った中空部125を区画している。上片部121および下片部122は、室外側端部が室内側端部よりも低い位置となるようにZ軸方向に対して傾斜しており、前片部123および後片部124はY軸方向に沿って形成されていると共に下片部122よりも下方に延出して下端が段部底面532上に配置されている。本実施形態では、窓台52の内周見込み面521から段部53を経て耐力面材251の室外面にまでわたって防水シート9が設けられており、このため、前片部123および後片部124の下端は防水シート9上に載せられる。防水シート9の室内端部は下枠322の見込み内であってアタッチメント11よりも室内側の位置に配置されている。上片部121には、連続片部15および固定片部16が連続しており、連続片部15および固定片部16の間における上片部121の部分は、水溜め部13を規定している。上片部121および前片部123には、排水口121A,排水口123Aが形成されており、この排水口121A,排水口123Aが形成されることで、アタッチメント11は水溜め部13から中空部125を経由して室外側へ排水する排水経路を構成している。前片部123の下部には、室外側に延出し且つ室外端部が垂下して形成された延出片部127が形成されており、この延出片部127には、係合部141として機能する室外見付け面部14の一部として上方に突出した係合突部142が形成されている。延出片部127のうち垂下している室外側ヒレ部127Aは、耐力面材251よりも室外側で防水シート9を押える配置とされている。このため、段部53には、アタッチメント11は、室外側ヒレ部127Aを除いた略全体の部分が下枠322と窓台52との間に配置されることとなる。
水溜め部13は、前述したように規定されており、水溜め部13には下枠322の内部に侵入した雨水などの水が下方に流れ落ちることで水が入り込み得るが、当該水は前述したように室外側へ排水される。
連続片部15は、上片部121から立ち上げられて室外側から水溜め部13を規定する立上げ部151と、立上げ部151から室外側に折曲され且つ室外見付け面部14に連続する折曲部152とを有しており、折曲部152には、乾式の止水材153(本実施形態ではエアタイト材(AT材))が嵌着される凹溝状の止水材装着部154が形成されている。止水材153は下枠322の下面322BにY軸方向に対向して当接している。上片部121および後片部124とが交わる部分にはビスホール126が形成されており、このビスホール126にはアタッチメント11の端部を塞ぐ端部キャップ17(
図3参照)が配置されている。なお、端部キャップ17は、説明の便宜上、
図3を除いて図示を省略している。ここで、室外見付け面部14は、折曲部152から下方に延びて形成されており、ネジ103(
図7参照)などの固定具を固定可能にZ軸方向に厚肉に形成されている。また、室外見付け面部14は係合突部142に対してY軸方向に間隔を隔てて対向する段形状の係合段部143を形成している。このため、係合部141は室外側に面する位置に形成されることとなる。
固定片部16は、上片部121から立ち上げられて室内側から水溜め部13を規定する立上げ部161と、立上げ部161の上端から折曲されてZ軸方向に延びる固定部162とを有しており、固定部162に固定具としての固定用ネジ8が内周見込み面521から窓台52にねじ込まれることで、アタッチメント11は窓台52に固定されている。また、立上げ部161には、Z軸方向に延出して段部側面531上に位置する防水シート9の部分に当接する当接部163が形成されている。
このように、組立てパネル1では、窓台52にアタッチメント11が取り付けられることで、水切り材61などの被取付部材を簡単に取付可能なアタッチメント構造10を構成している。
【0014】
以上の組立てパネル1を運搬する際には、見切り材41や水切り材61を
図6に示すように未取付状態の複数の組立てパネル1を平積みする。この際、見切り材41や水切り材61は未取付状態なので平積みの邪魔とならない一方、アタッチメント11は取り付けていても平積みの邪魔とはならない。
また、組立てパネル1を現場施工する際には、見切り材41や水切り材61を取り付けることとなるが、特に水切り材61の取り付けにおいては、前述したアタッチメント11が既に設けられているので、水切り材61をアタッチメントの11の係合部141に対して室外側からスナップフィット式に係合させるだけで簡単に取り付けられる。更にねじ固定などをする必要をなくし得て工具を用いる必要もなくなる。このため、現場施工において水切り材61の取付作業を軽減できる。なお、水切り材61のアタッチメント11への取り付け後、水切り材61の下部と外壁材7との間にはシール材およびバックアップ材を設置する。
【0015】
[変形例]
前記実施形態では、アタッチメント11には水切り材61が取り付けられているが、これに限らず、例えば
図7に示すようなカバー材100を被取付部材としてアタッチメント11に取り付けてもよい。
図7に示すカバー材100は、アタッチメント11の係合部141に係合する被係合部101と、室外見付け面部14の厚肉な部分に対向する対向部102とを有しており、被係合部101が係合部141に係合すると共に対向部102が固定具としてのネジ103で室外見付け面部14にネジ止めされている。
また、
図7では、シャッター110を取付可能なシャッター取付部111における固定部112が窓台52の段部53よりも下方の位置に固定されており、カバー材100は、Z軸方向において固定部112に対して室外側に重なって配置される垂下片部104と、垂下片部104から室内側に突出して固定部112の先端(上端)上に配置される凸部105とを有している。このため、垂下片部104および凸部105を有するので、固定部112と耐力面材251との間に室外側から雨水等の水が入り込むことを抑制し得る。
【0016】
前記実施形態では、アタッチメント11の上部(本実施形態では連続片部15の折曲部152)には、下枠322との間に配置される乾式の止水材153が設けられて当該アタッチメント11と下枠322との間を容易に止水する構造を用いているが、これに限らず、例えば、止水材153を用いずにアタッチメント11と下枠322との間に湿式のシール材を充填して止水処理してもよい。
前記実施形態では、アタッチメント11の室外見付け面部14は、カバー材100などをネジ103で固定可能に、枠形状のアタッチメント11の他の部分よりも厚肉に形成されているが、このようにネジ103でカバー材100などを取り付ける必要がない場合には、室外見付け面部14を厚肉に形成せずに他の部分と同様の肉厚として形成してもよい。
前記実施形態では、アタッチメント11には中空枠部12が形成されているが、例えば中空枠部12を形成しなくてもアタッチメント11に求められる強度を得られる場合には、中空枠部12を形成していなくてもよい。また、アタッチメント11には、水溜め部13およびここからの排水経路が形成されているが、他の排水経路が形成される場合には、アタッチメント11に対して水溜め部13や排水経路を形成していなくてもよい。
前記実施形態では、中空枠部12に排水経路を構成する排水口121A,123Aが形成されているが、例えば中空枠部12の内部に水を通さない構成とする場合には、排水口121A,123Aを省略し、且つ、連続片部15に水溜め部13の水を室外側に排水する図示しない排水口が形成されてもよい。この場合、水溜め部13の水は中空枠部12を通らずに連続片部15の排水口を経由する排水経路に沿って室外側に排水される。
前記実施形態では、カバー材100は垂下片部104と凸部105とを有して構成されているが、組立てパネル1にシャッター110を取り付けない場合には、垂下片部104と凸部105の構成を省略してもよい。また、カバー材100は、ネジ103でもアタッチメント11の室外見付け面部14に固定されているが、ネジ103を用いずに、係合部141への係合だけで取付強度が十分となるようにカバー材100に係合可能な構成とされてもよい。
前記実施形態では、アタッチメント11は、アルミ製であるが他の金属材料によって構成されていてもよい。
【0017】
[発明のまとめ]
(1)本発明のアタッチメント構造は、パネル本体と、前記パネル本体に対してサッシが配置される開口部を形成する開口部枠とを備える組立てパネルにおけるアタッチメント構造であって、前記サッシは、サッシ下枠を有し、前記開口部枠は、前記サッシ下枠に対向する窓台を有し、前記窓台には、室外側に面する段部が形成され、前記段部には、前記サッシ下枠と前記窓台との間に少なくとも一部が配置されるアタッチメントが前記窓台に沿って設置され、前記アタッチメントには、被取付部材が係合する係合部が室外側に面する位置に形成されることを特徴とする。
本発明のアタッチメント構造によれば、前述したように設置されるアタッチメントにおいて被取付部材が係合する係合部が室外側に面する位置に形成されるので、現場施工において水切り材などの被取付部材を係合部に係合することで簡単にアタッチメントに取り付けることができる。また、例えば、搬送時に複数の組立てパネルを平積みする場合には、アタッチメントにはまだ被取付部材を未取付状態としておくことで、組立てパネルを平積みする際に被取付部材が邪魔とならず、組立てパネルを容易に平積みして搬送することができる。
(2)本発明のアタッチメント構造では、前記アタッチメントの上部には、前記サッシ下枠との間に配置される乾式の止水材が設けられてもよい。
このような構成によれば、アタッチメントの上部に設けた乾式の止水材がサッシ下枠との間に配置されることで、アタッチメントとサッシ下枠との間を簡単に止水することができ、例えば、アタッチメント若しくは被取付部材とサッシ下枠との間に湿式シーリングを施す手間を省くことができる。
(3)本発明のアタッチメント構造では、前記被取付部材は水切り材であってもよい。
このような構成によれば、搬送において複数の組立てパネルを平積みする際には、取付状態で組立てパネルにおいて見込み方向に突出して配置される水切り材を未取付状態にできるので、この水切り材が組立てパネルの平積み時に嵩張ることがない。
また、現場施工において水切り材をアタッチメントに取り付ける際には当該水切り材を係合部に係合するだけで簡単に取り付けることができる。
(4)本発明のアタッチメント構造では、前記アタッチメントは、前記係合部が形成される室外見付け面部を有し、前記室外見付け面部は、前記被取付部材を固定具で固定可能に厚肉に形成されてもよい。
このような構成によれば、被取付部材を係合部に係合した上で固定具によって室外見付け面部に更に固定することで取付強度を向上できる。また、他の被取付部材がアタッチメントの係合部に対応しない形状であったとしても、他の被取付部材を固定具によって室外見付け面部に固定することもできる。
(5)本発明のアタッチメント構造では、前記アタッチメントは、その長手方向に沿った中空部を区画する中空枠部と、前記中空枠部に対して上部に形成される水溜め部とを有し、前記中空枠部には、前記水溜め部の水を室外側に排水する排水経路が形成されてもよい。
このような構成によれば、アタッチメントに中空枠部を形成することで当該アタッチメントの強度を向上でき、また、雨水などの水が室外側やサッシ下枠側から水溜め部に入り込んでしまったとしても、当該水溜め部の水を中空枠部に形成された排水経路を経て室外側に排水できる。
(6)本発明のアタッチメント構造では、前記アタッチメントは、その長手方向に沿った中空部を区画する中空枠部と、前記中空枠部に対して上部に形成される水溜め部と、前記中空枠部に対して室外側に配置されると共に前記係合部が形成される室外見付け面部とを有し、前記中空枠部の上部には、上方に立ち上げられ且つ室外側に折曲されると共に、前記室外見付け面部に連続し且つ前記水溜め部を室外側から規定する連続片部が形成され、前記連続片部には、前記水溜め部の水を室外側に排水する排水口が形成されてもよい。
このような構成によれば、アタッチメントに中空枠部を形成することで当該アタッチメントの強度を向上でき、また、雨水などの水が室外側やサッシ下枠側から水溜め部に入り込んでしまっても、前記中空枠部に区画される中空部に水を浸入させることなく、水溜め部の水を連続片部の排水口から室外側に排水できる。
(7)本発明のアタッチメント構造では、前記アタッチメントは、その長手方向に沿った中空部を区画する中空枠部と、前記中空枠部に対して上部に形成される水溜め部と、前記中空枠部に対して室外側に配置されると共に前記係合部が形成される室外見付け面部とを有し、前記中空枠部の上部には、上方に立ち上げられ且つ室外側に折曲されて形成されていると共に前記室外見付け面部が連続する連続片部と、前記連続片部に対して室内側の位置から上方に立ち上げられ且つ室内側に折曲されると共に、前記窓台に固定される固定片部とを有し、前記連続片部および前記固定片部は、それぞれの立上げ部分で前記水溜め部を規定し、前記連続片部は、その折曲部分に前記サッシ下枠との間に配置される乾式の止水材を有してもよい。
このような構成によれば、アタッチメントに中空枠部を構成することで強度を向上できる。また、水溜め部を規定する連続片部を利用して当該水溜め部よりも室外側の位置であってサッシ下枠との間の位置に乾式の止水材を配置できて当該止水材を設けるためだけの専用の片部を構成する必要をなくすことができて、アタッチメントの構成を簡略化できる。加えて、水溜め部を規定する固定片部を利用して当該水溜め部よりも室内側の位置においてアタッチメントを窓台に固定することで、アタッチメントを窓台に固定するためだけの専用の片部を構成する必要をなくすことができて、この点でもアタッチメントの構成を簡略化できると共に、サッシの止水ラインよりも室内側でアタッチメントを固定することを容易にし得る。
(8)本発明のアタッチメント構造では、前記係合部は、前記被取付部材がスナップフィット式に係合される構成とされてもよい。
このような構成によれば、施工現場において被取付部材をアタッチメントに速やかに且つ円滑に取り付けることができる。
(9)本発明のアタッチメント構造では、前記パネル本体の室外面には、シャッターを取付可能なシャッター取付部における固定部が前記段部よりも下方の位置に固定され、前記アタッチメントに取り付けられる前記被取付部材は、前記組立てパネルの見込み方向において前記固定部に対して室外側に重なって配置される垂下片部と、前記垂下片部から室内側に突出して前記固定部の先端上に配置される凸部とを有してもよい。
このような構成によれば、被取付部材が垂下片部および凸部を有するので、固定部とパネル本体との間に室外側から雨水等の水が入り込むことを抑制し得る。
【符号の説明】
【0018】
1…組立てパネル、10…アタッチメント構造、100…カバー材(被取付部材)、101…被係合部、102…対向部、103…ネジ、104…垂下片部、105…凸部、11…アタッチメント、110…シャッター、111…シャッター取付部、112…固定部、12…中空枠部、121…上片部、121A…排水口、122…下片部、123…前片部、123A…排水口、124…後片部、125…中空部、126…ビスホール、127…延出片部、127A…室外側ヒレ部、13…水溜め部、14…室外見付け面部、141…係合部、142…係合突部、143…係合段部、15…連続片部、151,161…立上げ部、152…折曲部、153…止水材、154…止水材装着部、16…固定片部、162…固定部、163…当接部、17…端部キャップ、2…パネル本体、21…縦材、22…横材、23…枠体、25…パネル、251…耐力面材、26…間柱、3…サッシ、31…障子、311…上框、312…下框、313…縦框、314…面材、32…窓枠(サッシ枠)、321…上枠、321A,323A…室外見付け面部、322…下枠(サッシ下枠)、322B…下面、323…縦枠、34…ハンドル、35…丁番、4…開口部、41…見切り材、5…開口部枠、50…空間、51…まぐさ(中間横材)、52…窓台(中間横材)、521…内周見込み面、522…室外見付け面、53…段部、531…段部側面、532…段部底面、6…スペーサ、61…水切り材(被取付部材)、611…下側被係合片部、612…上側被係合片部、62…キャップ、7…外壁材、8…固定用ネジ、9…防水シート。