(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011337
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】寿司収容容器
(51)【国際特許分類】
B65D 85/50 20060101AFI20240118BHJP
B65D 1/36 20060101ALI20240118BHJP
B65D 25/20 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
B65D85/50 140
B65D1/36
B65D25/20 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022113258
(22)【出願日】2022-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】390041058
【氏名又は名称】シーピー化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】辻田 康久
(72)【発明者】
【氏名】溝賀 正晃
【テーマコード(参考)】
3E033
3E035
3E062
【Fターム(参考)】
3E033AA10
3E033BA13
3E033DA08
3E033EA06
3E033EA09
3E033FA04
3E033GA03
3E035AA10
3E035BA02
3E035BB01
3E035BB10
3E035BC02
3E035CA02
3E062AA03
3E062AB14
3E062AC02
3E062DA01
3E062DA09
(57)【要約】
【課題】収容される寿司の見栄えを向上させて消費者の購買意欲を刺激することができる寿司収容容器を実現する。
【解決手段】寿司収容容器(2)は、複数の寿司が載置される載置面を有する平面視矩形状の底面部(21)と、底面部(21)から上方に延びる周壁部(25)と、周壁部(25)の上端から外方に延びるフランジ部(26)とを備える。底面部(21)の主要部が黒色に着色されているとともに、底面部(21)における1つの角部に、緑色乃至青色を基調とする色で着色された着色領域(31)が設けられている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の寿司が載置される載置面を有する平面視矩形状の底面部と、
前記底面部を取り囲んで形成され、当該底面部から上方に延びる周壁部と、
前記周壁部の上端から外方に延びるフランジ部と、を備える寿司収容容器であって、
前記底面部における中央部を含む主要部が黒色を基調とする色に着色されているとともに、
前記底面部における1つの角部に、緑色乃至青色を基調とする色で着色された着色領域が設けられている寿司収容容器。
【請求項2】
前記底面部における前記着色領域が設けられた角部の対角に、前記着色領域とは異なる色で着色された第2着色領域が設けられている請求項1に記載の寿司収容容器。
【請求項3】
前記フランジ部における前記着色領域に対応する部分に、前記着色領域と同系色の模様が付された模様領域が設けられている請求項1又は2に記載の寿司収容容器。
【請求項4】
前記フランジ部における前記模様領域以外の領域に、縞模様が付されている請求項3に記載の寿司収容容器。
【請求項5】
前記底面部に、上方又は下方に突出して前記縞模様と略平行に延びる線状リブが設けられている請求項4に記載の寿司収容容器。
【請求項6】
前記着色領域が設けられた角部の隣に位置する角部が、前記縞模様に略平行な隅切状に形成されている請求項4に記載の寿司収容容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の寿司を収容可能な寿司収容容器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばスーパーマーケットやコンビニエンスストア等で持ち帰り用の寿司を販売するのに、寿司収容容器が利用されている。このような寿司収容容器の一例が、特開2012-176773号公報(特許文献1)に開示されている。特許文献1の寿司収容容器は、平面視矩形状の底面部(底面部21)と、底面部を取り囲む周壁部(壁部17)と、周壁部の上端から外方に延びるフランジ部(蓋体受け部18)とを備えている。
【0003】
特許文献1の寿司収容容器では、底面部における隣り合う寿司どうしの間となる位置に複数の上向き突出部が形成されている。これらの上向き突出部が一種のストッパーとしての役割を果たすことで、持ち運び中の寿司ずれが起こりにくくなっている。
【0004】
持ち運び中の寿司ずれが起こりにくいことで、複数の寿司全体としての見栄えが維持されるものと考えられる。しかし、消費者に見た目の好印象を与え、購買意欲をより刺激するためには、さらなる見栄えの向上を図る必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
収容される寿司の見栄えを向上させて消費者の購買意欲を刺激することができる寿司収容容器の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る寿司収容容器は、
複数の寿司が載置される載置面を有する平面視矩形状の底面部と、
前記底面部を取り囲んで形成され、当該底面部から上方に延びる周壁部と、
前記周壁部の上端から外方に延びるフランジ部と、を備える寿司収容容器であって、
前記底面部における中央部を含む主要部が黒色を基調とする色に着色されているとともに、
前記底面部における1つの角部に、緑色乃至青色を基調とする色で着色された着色領域が設けられている。
【0008】
例えばにぎり寿司の盛り合わせでは、販売者が考える“中心的なネタ”の寿司を四隅のうちの1つに配置することが慣例となっている。そして、一般的な価格帯のにぎり寿司の盛り合わせでは、例えばまぐろやサーモン等の赤色乃至橙色系のネタが、“中心的なネタ”として据えられることが多い。このような慣習に鑑み、上記の構成によれば、平面視矩形状の底面部における1つの角部に設けられる着色領域が、例えばまぐろの赤色やサーモンの橙色が引き立ちやすい緑色乃至青色を基調とする色に着色されているので、“中心的なネタ”を目立たせやすい。一方、底面部における着色領域以外の領域は黒色を基調とする色に着色されているので、複数の寿司全体としての彩りが活きやすく、見栄えを良くすることができる。このように、着色領域を背景として特定のネタの寿司を目立ちやすくし、かつ、大部分の黒色領域を背景として複数の寿司全体としての彩りを活かすことで、個別の寿司及び複数の寿司の集合体の両面から見栄えを向上させることができる。よって、消費者の購買意欲を刺激することができる。
【0009】
以下、本発明の好適な態様について説明する。但し、以下に記載する好適な態様例によって、本発明の範囲が限定される訳ではない。
【0010】
一態様として、
前記底面部における前記着色領域が設けられた角部の対角に、前記着色領域とは異なる色で着色された第2着色領域が設けられていることが好ましい。
【0011】
この構成によれば、着色領域と第2着色領域とが対角の位置に設けられることで、着色された領域の位置に関して寿司収容容器の全体が回転対称状となるので、見た目のバランスが良くなる。また、第2着色領域を背景とする場合に色が引き立ちやすいネタの寿司を第2着色領域に配置することで、その寿司も目立ちやすくできる。よって、これらの点からも、見栄えをさらに向上させることができ、消費者の購買意欲をさらに刺激することができる。
【0012】
一態様として、
前記フランジ部における前記着色領域に対応する部分に、前記着色領域と同系色の模様が付された模様領域が設けられていることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、着色領域と同系色の模様をフランジ部の対応する部分に付すことで、角部における色彩の統一感を保ちながら見た目の華やかさを向上させることができる。よって、この点からも、見栄えをさらに向上させることができ、消費者の購買意欲をさらに刺激することができる。
【0014】
一態様として、
前記フランジ部における前記模様領域以外の領域に、縞模様が付されていることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、フランジ部に縞模様が付されていることで、複数の寿司が縞模様で取り囲まれて一体的な美観を創出することができる。よって、見栄えをさらに向上させることができ、消費者の購買意欲をさらに刺激することができる。
【0016】
一態様として、
前記底面部に、上方又は下方に突出して前記縞模様と略平行に延びる線状リブが設けられていることが好ましい。
【0017】
この構成によれば、線状リブに寿司配置領域を示す目印としての機能を担わせ、寿司の盛り付け作業を容易化できる。また、線状リブが上方に突出するように形成される場合には、当該線状リブにストッパーとしての機能を担わせ、持ち運び中の寿司ずれを起こりにくくできる。これにより、複数の寿司が整然と配置されて状態が維持されやすく、複数の寿司全体としての見栄えを維持することができる。
【0018】
一態様として、
前記着色領域が設けられた角部の隣に位置する角部が、前記縞模様に略平行な隅切状に形成されていることが好ましい。
【0019】
この構成によれば、着色領域が設けられた角部の隣に位置する角部を隅切状とすることで、寿司収容容器の平面視形状にアクセントを加え、その見栄えを向上させることができる。収容効率の観点からは隅切状の部分は寿司の長手方向に沿うように形成されることが合理的であり、この場合、縞模様も寿司の長手方向に沿う状態となり、複数の寿司とそれを収容する寿司収容容器との全体の一体感を高めることができる。よって、見栄えをさらに向上させることができ、消費者の購買意欲をさらに刺激することができる。
【0020】
本発明のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図4】容器本体における着色された領域を示す平面模式図
【
図5】容器本体に寿司を盛り付けた状態の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0022】
寿司収容容器を備えた寿司包装容器の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態の寿司包装容器1は、寿司S(
図5を参照)が収容される収容部を有する容器本体2と、この容器本体2に嵌合する蓋体4とを備えている。本実施形態では、容器本体2が「寿司収容容器」に相当する。寿司包装容器1を構成する容器本体2及び蓋体4は、合成樹脂シートのシート成形によって形成されている。容器本体2は、熱可塑性樹脂発泡体又は熱可塑性樹脂非発泡体で構成され、蓋体4は、熱可塑性樹脂非発泡体で構成される。
【0023】
図1及び
図2に示すように、容器本体2は、底面部21と、本体周壁部25と、本体フランジ部26と、本体スカート部27と、本体縁部29とを備えている。
【0024】
底面部21は、容器本体2の底部を形成している。底面部21は、平面視矩形状に形成されている。ここで、「平面視矩形状」とは、上から見た状態で、全体形状がおおよそ矩形であることを意味する。おおよそ矩形である限り、四隅が丸みを帯びたり隅切りされたりしていても良く、また、各辺が僅かに屈曲していたり湾曲していたりしていても良い。本実施形態の底面部21は、各辺が直線状に形成されているとともに、対角に位置する一対の角部がやや丸みを帯び、残余の対角に位置する一対の角部が隅切りされた、長方形状に形成されている。
【0025】
底面部21の上面は、被収容物である複数の寿司S(主に、にぎり寿司)が載置される載置面21aとなっている。底面部21は、載置面21aから上方に向かって隆起する隆起部22を有している。隆起部22は、底面部21の周縁に沿って環状に形成されている。また、隆起部22は、当該環状に形成された部位から内方に延びる第1リブ22A及び第2リブ22Bと、環状に形成された部位とは独立してその内側に形成された第3リブ22Cとを含んでいる。本実施形態では、第1リブ22Aが「線状リブ」に相当する。
【0026】
第1リブ22Aは、平面視矩形状の底面部21の長辺部分に、所定間隔でそれぞれ複数(本例では3つ)設けられている。第1リブ22Aは、平面視矩形状の底面部21の長辺部分に対して傾斜して形成されている。第1リブ22Aの先端側が延びる方向は、後述する第1着色領域31の斜辺に対して直交する方向となっている。第2リブ22Bは、平面視矩形状の底面部21の短辺部分の中央付近に1つずつ設けられている。第2リブ22Bは、平面視矩形状の底面部21の短辺部分に対して直交して形成されている。第2リブ22Bの先端側には切欠状の平面部分があり、この平面部分が延びる方向は、第1リブ22Aの先端側が延びる方向と平行となっている。第3リブ22Cは、底面部21の中央部分に、長手方向に沿って複数(本例では3つ)配列されている。第3リブ22Cが延びる方向は、第1リブ22Aの先端側が延びる方向に対して直交している。
【0027】
本実施形態では、隣り合う2つの第1リブ22Aとそれらの間の第3リブ22Cとで区画される領域、又は、第1リブ22A及び第2リブ22Bとそれらの間の第3リブ22Cとで区画される領域が、1貫の寿司Sが配置される寿司配置領域Pとなっている。第1リブ22A、第2リブ22B、及び第3リブ22Cは上方に向かって隆起しており、これらは寿司Sのシャリに対して側方から係止可能なストッパーとして機能し得る。このため、複数の寿司Sが収容された状態で、持ち運び中も寿司ずれが起こりにくい。
【0028】
底面部21は、載置面21aから下方に向かって窪む凹溝部23を有している。凹溝部23は複数設けられており、これら複数の凹溝部23が所定間隔を隔てつつ底面部21の周縁に沿って環状に配列されている。底面部21に設けられた凹溝部23は、テーブルや陳列台等に容器本体2を載置する際に、当該容器本体2を支持する脚部24となる。
【0029】
本体周壁部25は、底面部21を取り囲んで形成されており、当該底面部21の外縁から上方に延びている。本実施形態では、本体周壁部25が「周壁部」に相当する。本体周壁部25は、底面部21の平面視形状に対応して、平面視矩形枠状に形成されている。本体周壁部25は、一対の長辺部25Aと、一対の短辺部25Bと、対角に位置する一対の丸角部25Cと、他の対角に位置する一対の隅切部25Dとを有している。
【0030】
本体フランジ部26は、本体周壁部25を取り囲んで形成されており、当該本体周壁部25の上端から外方に延びている。本実施形態では、本体フランジ部26が「フランジ部」に相当する。本体フランジ部26は、本体周壁部25の平面視形状に対応して、平面視矩形枠状に形成されている。本体フランジ部26は、一対の長辺部26Aと、一対の短辺部26Bと、対角に位置する一対の丸角部26Cと、他の対角に位置する一対の隅切部26Dとを有している。本実施形態では、本体フランジ部26の外縁に直交する方向の幅どうしを比較すると、長辺部26Aと短辺部26Bとは同幅に形成され、隅切部26Dは長辺部26A及び短辺部26Bよりも幅広に形成されている。
【0031】
本体スカート部27は、本体フランジ部26を取り囲んで形成されており、当該本体フランジ部26の外縁から下方に延びている。本体縁部29は、本体スカート部27を取り囲んで形成されており、当該本体スカート部27の下端から外方に延びている。本体スカート部27及び本体縁部29は、本体フランジ部26の平面視形状に対応して、平面視矩形枠状に形成されている。
【0032】
図1及び
図3に示すように、蓋体4は、天面部41と、蓋体周壁部45と、蓋体フランジ部46と、蓋体スカート部47と、蓋体縁部49とを備えている。
【0033】
天面部41は、蓋体4の天井部を形成している。天面部41は、平面視矩形状に形成されている。本実施形態の天面部41は、対角に位置する一対の角部が直角に尖っているとともに、残余の対角に位置する一対の角部が隅切りされた長方形状に形成されている。
【0034】
蓋体周壁部45は、天面部41を取り囲んで形成されており、当該天面部41の外縁から下方に延びている。蓋体周壁部45は、天面部41の平面視形状に対応して、平面視矩形枠状に形成されている。
【0035】
蓋体フランジ部46は、蓋体周壁部45を取り囲んで形成されており、当該蓋体周壁部45の下端から外方に延びている。蓋体フランジ部46は、蓋体周壁部45の平面視形状に対応して、平面視矩形枠状に形成されている。蓋体フランジ部46は、容器本体2と蓋体4とが嵌合したとき、本体フランジ部26を上方から覆う。
【0036】
蓋体スカート部47は、蓋体フランジ部46を取り囲んで形成されており、当該蓋体フランジ部46の外縁から下方に延びている。蓋体縁部49は、蓋体スカート部47を取り囲んで形成されており、当該蓋体スカート部47の下端から外方に延びている。蓋体スカート部47及び蓋体縁部49は、蓋体フランジ部46の平面視形状に対応して、平面視矩形枠状に形成されている。蓋体スカート部47は、容器本体2と蓋体4とが嵌合したとき、本体スカート部27を外方から覆う。
【0037】
蓋体スカート部47には、内向きに突出する内向き突出部48が形成されている。内向き突出部48は複数設けられており、これら複数の内向き突出部48が所定間隔を隔てて配列されている。内向き突出部48は、容器本体2と蓋体4とが嵌合したとき、本体縁部29に外方及び下方から係合する。
【0038】
図4に示すように、容器本体2は、複数の領域に区切られており、各領域に互いに異なる色彩が施されている。本実施形態では、容器本体2は、第1着色領域31、第2着色領域32、第3着色領域33、第1模様領域36、第2模様領域37、及び第3模様領域38の6つの領域に区切られている。
【0039】
第1着色領域31は、底面部21における1つの角部に設けられている。本実施形態では、第1着色領域31は、平面視矩形状の底面部21におけるやや丸みを帯びた一対の角部のうちの一方(
図4の例における左上の角部)を含む平面視三角形状の領域とされている。より具体的には、第1着色領域31は、底面部21におけるやや丸みを帯びた1つの角部の位置を頂点とする平面視二等辺三角形状の領域とされている。本実施形態では、第1着色領域31が「着色領域」に相当する。
【0040】
本実施形態では、第1着色領域31は、底面部21から連なる本体周壁部25の一部も含んでいる。より具体的には、本体周壁部25のうち、1つの丸角部25Cと、その両側にある長辺部25A及び短辺部25Bの一部ずつとが、第1着色領域31に含まれる。
【0041】
第1着色領域31は、緑色乃至青色を基調とする色に着色されている。ここで、緑色乃至青色を「基調とする」とは、全体としての基本的な傾向が緑色乃至青色であることを意味する。この概念には、緑色乃至青色の単色に加え、他の色の模様が一部に付された緑色乃至青色や、他の色の背景に緑色乃至青色の模様(例えば紫蘇の葉や笹の葉等の緑色系の模様や、例えば水(波)や氷等の青色系の模様)が付されたものが含まれる。また、「緑色」とは、HSV色空間において、色相(H;Hue)が25°~40°、彩度(S;Saturation)が100%~60%、明度(V;Value)が100%~40%の条件を満たす色を意味する。「青色」とは、HSV色空間において、色相(H;Hue)が60°~70°、彩度(S;Saturation)が100%~50%、明度(V;Value)が100%~40%の条件を満たす色を意味する。
【0042】
平面視三角形状の第1着色領域31の斜辺の延在方向は、底面部21に設けられた第3リブ22Cの延在方向と平行である。また、第1着色領域31の斜辺の延在方向は、底面部21に設けられた第1リブ22Aの先端側の延在方向に直交している。
【0043】
第1模様領域36は、本体フランジ部26における第1着色領域31に対応する部分に設けられている。第1模様領域36は、第1着色領域31に含まれる本体周壁部25の部分から連続する本体フランジ部26の部分に設けられている。第1模様領域36は、本体フランジ部26のうち、1つの丸角部26Cと、その両側にある長辺部26A及び短辺部26Bの一部ずつとを含んでいる。第1模様領域36は、平面視で、隣り合う2辺の長さが等しいL字状に形成されている。そして、第1着色領域31と第1模様領域36とが合わさって、全体として第1着色領域31と相似の平面視二等辺三角形状に形成されている。本実施形態では、第1模様領域36が「模様領域」に相当する。
【0044】
第1模様領域36には、第1着色領域31と同系色の模様が付されている(
図5を参照)。第1着色領域31が緑色を基調とする色に着色されている場合には、第1模様領域36にも緑色を基調とする色の模様が付されている。第1着色領域31が青色を基調とする色に着色されている場合には、第1模様領域36にも青色を基調とする色の模様が付されている。第1模様領域36に付される模様は、特に限定されず、例えば市松模様、小桜、菱文、扇文、鱗文、及び麻の葉等の和模様や、例えばストライプ、ギンガムチェック、タータン、ドット、及び迷彩柄等の洋柄が例示される。
【0045】
また、第1模様領域36における背景色は、特に限定されないが、豪華さや華やかさ、煌びやかさを感じさせる色が好ましい。そのような色としては、例えば金色や銀色等が例示される。「金色」とは、HSV色空間において、色相(H)が65°~55°、彩度(S)が60%~20%、明度(V)が95%~0%の条件を満たす色を意味する。「銀色」とは、HSV色空間において、色相(H)が3°~0°、彩度(S)が3%~0%、明度(V)が90%~99%の条件を満たす色を意味する。
【0046】
にぎり寿司の盛り合わせでは、販売者が考える“中心的なネタ(以下、「主役ネタ」)”の寿司を四隅のうちの1つに配置することが慣例となっている。そして、一般的な価格帯のにぎり寿司の盛り合わせでは、例えばまぐろやサーモン等の赤色乃至橙色系のネタが、主役ネタとして据えられることが多い。緑色系は、その反対色となる赤色系を引き立て、青色系は、その反対色となる橙色系を引き立てる。このため、主役ネタがまぐろの場合に、緑色系の第1着色領域31及び第1模様領域36を有する容器本体2を用い、当該領域を主役ネタの配置領域とすることで、主役ネタとしての赤色のまぐろを目立たせやすい。或いは、主役ネタがサーモンの場合に、青色系の第1着色領域31及び第1模様領域36を有する容器本体2を用い、当該領域を主役ネタの配置領域とすることで、主役ネタとしての橙色のサーモンを目立たせやすい。
【0047】
図4に示すように、第2着色領域32は、底面部21における第1着色領域31が設けられた角部の対角(図示の例における右下の角部)に設けられている。本実施形態では、第2着色領域32は、当該角部(右下の角部)を含む平面視三角形状(より具体的には、当該角部の位置を頂点とする平面視二等辺三角形状)の領域とされている。
【0048】
本実施形態では、第2着色領域32は、底面部21から連なる本体周壁部25の一部も含んでいる。より具体的には、本体周壁部25のうち、1つの丸角部25Cと、その両側にある長辺部25A及び短辺部25Bの一部ずつとが、第2着色領域32に含まれる。
【0049】
本実施形態では、第2着色領域32は、第1着色領域31とは異なる色に着色されている。第2着色領域32の色は、特に限定されず、例えば赤色、黄色、紫色、白色等であって良い。
【0050】
平面視三角形状の第2着色領域32の斜辺の延在方向は、底面部21に設けられた第3リブ22Cの延在方向と平行である。また、第2着色領域32の斜辺の延在方向は、平面視三角形状の第1着色領域31の斜辺の延在方向と平行である。また、第2着色領域32の斜辺の延在方向は、底面部21に設けられた第1リブ22Aの先端側の延在方向に直交している。
【0051】
第2模様領域37は、本体フランジ部26における第2着色領域32に対応する部分に設けられている。第2模様領域37は、第2着色領域32に含まれる本体周壁部25の部分から連続する本体フランジ部26の部分に設けられている。第2模様領域37は、本体フランジ部26のうち、1つの丸角部26Cと、その両側にある長辺部26A及び短辺部26Bの一部ずつとを含んでいる。第2模様領域37は、平面視で、隣り合う2辺の長さが等しいL字状に形成されている。そして、第2着色領域32と第2模様領域37とが合わさって、全体として第2着色領域32と相似の平面視二等辺三角形状に形成されている。
【0052】
第2模様領域37には、第2着色領域32と同系色の模様が付されている(
図5を参照)。第2模様領域37に付される模様は、特に限定されない。第2模様領域37に付される模様と第1模様領域36に付される模様とは、同種であっても良いし、異種であっても良い。また、第2模様領域37における背景色も、特に限定されない。第2模様領域37における背景色と第1模様領域36における背景色とは、同系色であっても良いし、異系色であっても良い。
【0053】
図4に示すように、第3着色領域33は、底面部21における第1着色領域31及び第2着色領域32以外の部分に設けられている。底面部21における第1着色領域31及び第2着色領域32以外の部分は、底面部21の中央部を含む主要部である。第3着色領域33は、“中央着色領域”と称することもできる。第3着色領域33は、底面部21における元々の隅切状部分と第1着色領域31及び第2着色領域32によって除かれた部分とによって、やや歪な八角形状の領域となっている。
【0054】
本実施形態では、第3着色領域33は、底面部21から連なる本体周壁部25の一部も含んでいる。より具体的には、本体周壁部25のうち、一対の隅切部25Dと、それぞれの両側にある長辺部25A及び短辺部25Bの一部ずつとが、第3着色領域33に含まれている。
【0055】
第3着色領域33は、黒色を基調とする色に着色されている。ここで、黒色を「基調とする」とは、全体としての基本的な傾向が黒色であることを意味する。この概念には、黒色の単色に加え、黒以外の色の模様が一部に付された黒色が含まれる。また、「黒色」とは、HSV色空間において、色相(H;Hue)が66°~50°、彩度(S;Saturation)が27%~1%、明度(V;Value)が30%~4%の条件を満たす色を意味する。
【0056】
底面部21の大部分を占める第3着色領域33が黒色を基調とする色に着色されているので、容器本体2に寿司Sを収容したときに、複数の寿司Sの全体としての彩りが活きやすく、見栄えを良くすることができる。
【0057】
第3模様領域38は、本体フランジ部26における第3着色領域33から連続する部分に設けられている。第3模様領域38は、本体フランジ部26のうち、一対の隅切部26Dと、それぞれの両側にある長辺部26A及び短辺部26Bの一部ずつとを含んでいる。第3模様領域38は、平面視で、2箇所で屈曲されて隅切状の中間部分を有する、変形L字状に形成されている。そして、2つの第3模様領域38が、底面部21の中心を軸として2回対称に配置されている。
【0058】
第3模様領域38には、縞模様が付されている(
図5を参照)。第3模様領域38に付された縞模様の色は、特に限定されないが、第3着色領域33との統一感を高めたり、第1着色領域31及び第1模様領域36、並びに第2着色領域32及び第2模様領域37を引き立てたりする観点から、黒色が好ましい。また、第3模様領域38における縞模様の背景色は、特に限定されないが、縞模様が明瞭に見えるようにする観点から、白色が好ましい。
【0059】
本実施形態では、第3模様領域38に付された縞模様は、平面視三角形状の第1着色領域31及び第2着色領域32の斜辺の延在方向に対して直交する方向に延びている。このような縞模様は、底面部21に設けられた第1リブ22Aの先端部が延びる方向と略平行に延びている。また、本実施形態の縞模様は、ダイアゴナルストライプ状の縞模様となっている。第3模様領域38のうち、本体フランジ部26の長辺部26A及び短辺部26Bでは、縞模様はそれぞれの延在方向に対して斜めに延びている。第3模様領域38のうち、本体フランジ部26の隅切部26Dでは、縞模様はそれぞれの延在方向に平行に延びている。
【0060】
縞模様が本体フランジ部26の第3模様領域38に付されていることで、複数の寿司Sが縞模様で取り囲まれた一体的な美観を創出することができる。よって、この点からも見栄えを向上させることができる。
【0061】
以上説明したように、本実施形態の寿司包装容器1は、容器本体2が1つの角部に緑色乃至青色を基調とする色で平面視三角形状に着色された第1着色領域31を有することで、主役ネタとなる場合が多いまぐろやサーモンの寿司を目立たせることができる。また、その対角の位置に他の色を基調とする色で平面視三角形状に着色された第2着色領域32を有することで、そこに配置する他のネタを適切に選択して当該ネタの寿司も目立たせることができる。また、底面部21における中央部を含む主要部は、黒色を基調とする色に着色された第3着色領域33とされているので、複数の寿司S全体としての彩りを活かして見栄えを良くすることができる。さらに、本体フランジ部26の第3模様領域38に縞模様が付されていることで、複数の寿司Sが縞模様で取り囲まれて、一体的な美観を創出することができる。これらが相俟って、にぎり寿司の盛り合わせにおいて、主役ネタ引き立てつつ全体の見栄えを向上させることができる。よって、消費者の購買意欲を刺激することができる。
【0062】
〔その他の実施形態〕
(1)上記の実施形態では、第1着色領域31と第2着色領域32とが互いに異なる色に着色されている構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、第1着色領域31と第2着色領域32とが同じ色に着色されていても良い。すなわち、例えば第1着色領域31が緑色を基調とする色に着色されていれば第2着色領域32も緑色を基調とする色に着色され、第1着色領域31が青色を基調とする色に着色されていれば第2着色領域32も青色を基調とする色に着色されても良い。
【0063】
(2)上記の実施形態では、本体フランジ部26に第1模様領域36及び第2模様領域37が設けられている構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、第1模様領域36及び第2模様領域37のうちの少なくとも一方が設けられなくても良い。この場合、上記の実施形態における第1模様領域36に相当する領域を含むように第1着色領域31が設けられ、また、第2模様領域37に相当する領域を含むように第2着色領域32が設けられても良い。或いは、上記の実施形態における第1模様領域36及び第2模様領域37に相当する領域を含むように(すなわち、本体フランジ部26の全体に)第3模様領域38が設けられても良い。
【0064】
(3)上記の実施形態では、本体フランジ部26に設けられた第3模様領域38に縞模様が付されている構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えばチェック、ドット、及び迷彩柄等の他の模様が付されても良い。或いは、第3模様領域38が設けられなくても良い。この場合、上記の実施形態における第3模様領域38に相当する領域は、第1着色領域31と同じ黒を基調とする色に着色されていても良いし、白色や銀色等の他の色に着色されていても良い。
【0065】
(4)上記の実施形態では、底面部21に第2着色領域32が設けられ、それに対応する本体フランジ部26に第2模様領域37が設けられた構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば
図6に示すように、第2着色領域32及び第2模様領域37が設けられなくても良い。この場合、上記の実施形態における第2着色領域32及び第2模様領域37に相当する領域を含むように第3着色領域33が設けられると良い。
【0066】
(5)上記の実施形態では、第1着色領域31及び第2着色領域32がそれぞれ平面視二等辺三角形状に形成されている構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、第1着色領域31及び第2着色領域32の少なくとも一方が、例えば3辺の長さの比が1:2:√3の直角三角形状等、底面部21における1つの角部から両側に延びる辺部の長さが互いに異なる三角形状に形成されても良い。また、必ずしも平面視三角形状に限らず、その他の形状に形成されても良い。
【0067】
(6)上記の実施形態では、本体フランジ部26の第3模様領域38に付された縞模様が、平面視三角形状の第1着色領域31及び第2着色領域32の斜辺の延在方向に対して直交する方向に延びている構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、縞模様の延びる方向と、第1着色領域31及び第2着色領域32の斜辺の延在方向とが、直角以外の角度で交差していても良い。
【0068】
(7)上記の実施形態では、容器本体2(底面部21、本体周壁部25、及び本体フランジ部26)が隅切状の一組の対角を有する構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、四隅の全てが例えば
図6に示すように角丸状に形成され、或いは直角に形成されても良い。
【0069】
(8)上記の実施形態では、第1リブ22A、第2リブ22B、及び第3リブ22Cを含む隆起部22が底面部21に設けられている構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば
図6に示すような浅溝部が底面部21に設けられていても良い。浅溝部は、底面部21から下方に突出するように設けられ、この場合、当該浅溝部が「線状リブ」に相当する。或いは、単なる目印線が底面部21に表示されていても良い。これらの浅溝部又は目印線でも、少なくとも寿司配置領域Pを明示する機能を発揮でき、寿司Sの盛り付け作業を容易化できる。
【0070】
(9)上記の実施形態では、容器本体2とそれに嵌合する蓋体4とを備える寿司包装容器1を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、定形性のある蓋体4を用いずに、寿司包装容器1が容器本体2とそれに巻回されるラップフィルムとで構成されても良い。このような構成でも、同様に、容器本体2が「寿司収容容器」に相当する。
【0071】
(10)上記の実施形態では、主役ネタがまぐろ又はサーモンである場合が多いことから、主にそのような場合を想定して、第1着色領域31が緑色乃至青色を基調とする色に着色されている構成を例として説明した。しかし、それほど多くはなくても、鯛やエンガワ、生ホタテ等の白色系のネタが主役ネタとなる場合もあることから、このような場合を考慮して、第1着色領域31が赤色を基調とする色に着色されても良い。すなわち、以下の寿司収容容器も、本明細書によって開示される。
【0072】
複数の寿司Sが載置される載置面21aを有する平面視矩形状の底面部21と、
底面部21を取り囲んで形成され、当該底面部21から上方に延びる本体周壁部25と、
本体周壁部25の上端から外方に延びる本体フランジ部26と、を備える容器本体2(「寿司収容容器」の一例)であって、
底面部21における中央部を含む主要部が黒色に着色されているとともに、
底面部21における1つの角部に、赤色を基調とする色で着色された第1着色領域31が設けられている。
【0073】
(11)上述した各実施形態(上記の実施形態及びその他の実施形態を含む;以下同様)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【符号の説明】
【0074】
1 寿司包装容器
2 容器本体(寿司収容容器)
4 蓋体
21 底面部
21a 載置面
22 隆起部
22A 第1リブ(線状リブ)
25 本体周壁部(周壁部)
26 本体フランジ部(フランジ部)
31 第1着色領域(着色領域)
32 第2着色領域
33 第3着色領域
36 第1模様領域(模様領域)
37 第2模様領域
38 第3模様領域
P 寿司配置領域
S 寿司