(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113393
(43)【公開日】2024-08-22
(54)【発明の名称】部品供給ユニット、及び部品装着装置
(51)【国際特許分類】
H05K 13/02 20060101AFI20240815BHJP
H05K 13/04 20060101ALI20240815BHJP
【FI】
H05K13/02 Z
H05K13/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023018339
(22)【出願日】2023-02-09
(71)【出願人】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】100162237
【弁理士】
【氏名又は名称】深津 泰隆
(74)【代理人】
【識別番号】100191433
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 友希
(72)【発明者】
【氏名】谷澤 力
(72)【発明者】
【氏名】大木 秀晃
(72)【発明者】
【氏名】水谷 周平
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353EE02
5E353GG01
5E353HH13
5E353HH40
5E353HH72
5E353JJ02
5E353JJ21
5E353JJ48
5E353KK02
5E353KK03
5E353LL04
5E353LL06
5E353QQ10
(57)【要約】
【課題】部品供給ユニットを部品装着装置から取り外す前に、部品供給ユニットのコンデンサを放電できる部品供給ユニット、及び部品装着装置を提供すること。
【解決手段】本開示の部品供給ユニットは、部品装着装置に着脱可能に装着され部品を供給する部品供給ユニットであって、部品装着装置から供給された電力により電荷を蓄電するコンデンサと、コンデンサに電荷を蓄電する蓄電状態と、コンデンサに蓄電された電荷を放電する放電状態と、を切り替える放電回路と、部品装着装置から供給される電力の供給が停止されることを検出したことに基づいて、放電回路を蓄電状態から放電状態に切り替える制御装置と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品装着装置に着脱可能に装着され部品を供給する部品供給ユニットであって、
前記部品装着装置から供給された電力により電荷を蓄電するコンデンサと、
前記コンデンサに電荷を蓄電する蓄電状態と、前記コンデンサに蓄電された電荷を放電する放電状態と、を切り替える放電回路と、
前記部品装着装置から供給される電力の供給が停止されることを検出したことに基づいて、前記放電回路を前記蓄電状態から前記放電状態に切り替える制御装置と、
を備える部品供給ユニット。
【請求項2】
前記制御装置は、
前記部品装着装置から供給される電力が閾値電力以下となったことを検出した場合に前記電力の供給が停止されると判断し、前記蓄電状態から前記放電状態に切り替える指示を前記放電回路に実行する、請求項1に記載の部品供給ユニット。
【請求項3】
前記部品装着装置と接続される通信線を、さらに有し、
前記部品装着装置は、
前記部品供給ユニットに対する電力の供給を停止するのに合わせて、前記放電回路を前記放電状態にする指示である放電指示を、前記通信線を介して前記部品供給ユニットに送信し、
前記制御装置は、
前記通信線を介して前記放電指示を取得した場合、前記蓄電状態から前記放電状態に切り替える指示を前記放電回路に実行する、請求項1又は請求項2に記載の部品供給ユニット。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の前記部品供給ユニットを着脱可能に装着する装着部と、
前記装着部に装着された前記部品供給ユニットへ電力を供給する電源装置と、
前記電源装置を制御する装置側制御装置と、
を備える前記部品装着装置であって、
前記装置側制御装置は、
前記装着部に装着された前記部品供給ユニットを取り外す指示を受け付ける受付処理と、
前記電源装置を制御し、前記受付処理で指示を受け付けた前記部品供給ユニットへの電力の供給を停止する停止処理と、
を実行する、部品装着装置。
【請求項5】
前記装着部に装着された前記部品供給ユニットをロックするロック機構を備え、
前記装置側制御装置は、
前記停止処理における前記部品供給ユニットへの電力の供給を停止する指示に対し、停止の実行の完了を示す応答を前記電源装置から受信すると、前記ロック機構を制御し、電力の供給を停止した前記部品供給ユニットのロックを解除する、請求項4に記載の部品装着装置。
【請求項6】
表示装置を、さらに備え、
前記装置側制御装置は、
前記受付処理において、前記部品供給ユニットを取り外す状態を案内する画像を前記表示装置に表示し、前記部品供給ユニットを取り外す指示を受け付けると、前記停止処理を実行する、請求項5に記載の部品装着装置。
【請求項7】
前記装置側制御装置は、
前記部品供給ユニットの取り外しが可能であることを報知する報知処理を実行し、且つ、前記ロック機構を制御し、電力の供給を停止した前記部品供給ユニットのロックの解除が完了すると、
前記報知処理において、
前記部品供給ユニットの取り外しを指示する画面を、前記表示装置に表示する、請求項6に記載の部品装着装置。
【請求項8】
部品供給ユニットを着脱可能に装着される部品装着装置であって、
前記部品供給ユニットは、
前記部品装着装置から供給された電力により電荷を蓄電するコンデンサを備え、
前記部品装着装置は、
前記部品供給ユニットを着脱可能に装着する装着部と、
前記コンデンサに電荷を蓄電する蓄電状態と、前記コンデンサに蓄電された電荷を放電する放電状態と、を切り替える放電回路と、
前記部品装着装置から前記部品供給ユニットへの電力の供給を停止するのに合わせて、前記放電回路を前記蓄電状態から前記放電状態に切り替える制御装置と、
を備える部品装着装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、部品を供給する部品供給ユニット、及び部品供給ユニットを着脱可能に装着する部品装着装置の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、部品供給ユニットから供給された部品を基板に装着する部品装着装置について種々提案されている。下記特許文献1の部品装着装置は、電子部品を供給する電子部品供給装置が装着されている。特許文献1には、この電子部品供給装置のテープフィーダを取り外す挿抜において、放電の発生を抑制する技術について記載されている。電子部品供給装置は、複数のテープフィーダを保持する台車のバンクを接続可能となっている。バンクは、テープフィーダのコネクタ部が挿抜される挿抜口を有するバンクコネクタ部が設けられている。バンクコネクタ部は、通電用バンク端子と、挿抜方向において通電用バンク端子よりも挿抜口から離れた位置に配置される検知用バンク端子を有する。電子部品供給装置は、テープフィーダのコネクタ部がバンクコネクタ部から抜去されることにより検知用バンク端子の接続が解除された後、オンオフ回路を制御して通電用バンク端子とフィーダ側の端子が非通電状態となるように制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した電子部品供給装置などの部品供給ユニットは、例えば、電源基板のコンデンサなど、大容量のコンデンサを搭載している。このコンデンサは、部品供給ユニットを部品装着装置に接続し、部品装着装置から電力を供給されることで充電される。このため、部品供給ユニットを部品装着装置から取り外す際、放電をしないと回路素子の故障などを招く虞があるため、接続時にコンデンサに蓄電された電荷を放電する必要がある。しかしながら、部品供給ユニットによって蓄電される容量は異なるので放電に要する時間も異なる。そのため部品供給ユニットを取り外す際には、放電時間を部品供給ユニットそれぞれに合わせて設けるか、放電時間が一番長いものに合わせて設けるかしなければならない。
【0005】
本開示は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、部品供給ユニットを部品装着装置から取り外す前に、部品供給ユニットのコンデンサを放電できる部品供給ユニット、及び部品装着装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書は、部品装着装置に着脱可能に装着され部品を供給する部品供給ユニットであって、前記部品装着装置から供給された電力により電荷を蓄電するコンデンサと、前記コンデンサに電荷を蓄電する蓄電状態と、前記コンデンサに蓄電された電荷を放電する放電状態と、を切り替える放電回路と、前記部品装着装置から供給される電力の供給が停止されることを検出したことに基づいて、前記放電回路を前記蓄電状態から前記放電状態に切り替える制御装置と、を備える部品供給ユニットを開示する。
【0007】
また、本明細書は、部品供給ユニットを着脱可能に装着される部品装着装置であって、前記部品供給ユニットは、前記部品装着装置から供給された電力により電荷を蓄電するコンデンサを備え、前記部品装着装置は、前記部品供給ユニットを着脱可能に装着する装着部と、前記コンデンサに電荷を蓄電する蓄電状態と、前記コンデンサに蓄電された電荷を放電する放電状態と、を切り替える放電回路と、前記部品装着装置から前記部品供給ユニットへの電力の供給を停止するのに合わせて、前記放電回路を前記蓄電状態から前記放電状態に切り替える制御装置と、を備える部品装着装置を開示する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、部品装着装置から部品供給ユニットへの電力の供給を停止するのに合わせて、放電回路を蓄電状態か記放電状態に切り替える。これにより、部品供給ユニットを部品装着装置から取り外す前に、部品供給ユニットのコンデンサを放電できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施例の部品装着装置1の構成例を模式的に示す平面図。
【
図2】部品供給ユニット3を斜め上方から見下ろした斜視図。
【
図3】ロック機構54のロック解除状態と、ロック状態を示す斜視図。
【
図4】部品装着装置1及び部品供給ユニット3のブロック図。
【
図5】部品供給ユニット3の取り外しにおける装置側制御装置6の処理内容を示すフローチャート。
【
図6】部品供給ユニット3を取り外す際のタッチパネル7aの表示画面等を示す図。
【
図7】第2実施例の装着装置101及び部品供給ユニット103のブロック図。
【
図8】第3実施例の装着装置201及び部品供給ユニット203のブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施例)
以下、本開示の部品装着装置を具体化した一実施例である第1実施例の部品装着装置を、図を参照しつつ詳しく説明する。
図1に、第1実施例の部品装着装置(以下、「装着装置」と略す場合がある)1を示す。装着装置1は、部品を基板Kに装着する装着作業を実施する。以下の説明では、
図1の紙面左側から右側に向かう方向を、基板Kを搬送するX軸方向と称し、紙面下側(前側)から紙面上側(後側)に向かう方向を、Y軸方向と称して説明する。装着装置1は、基板搬送装置2、部品移載装置4、部品カメラ5、装置側制御装置6、及び操作部7を備え、各装置が基台9に組み付けられている。また、装着装置1は、部品供給ユニット3を着脱可能となっている。
【0011】
基板搬送装置2は、一対のガイドレール21、22、一対のコンベアベルト、及び基板クランプ機構などを備えている。基板搬送装置2は、基板Kを載置した状態でガイドレール21、22に沿って一対のコンベアベルトを輪転させることにより、基板Kを作業実施位置まで搬入する。基板搬送装置2は、基板クランプ機構を駆動して、作業実施位置の基板Kを押し上げてクランプし位置決めする。基板搬送装置2は、部品の装着作業が終了すると、基板クランプ機構による基板Kのクランプを解放する。基板搬送装置2は、コンベアベルトを輪転させて、基板Kを搬出する。
【0012】
部品供給ユニット3は、装着装置1に部品を供給するユニットである。部品供給ユニット3は、例えば、台車31を備え、複数のフィーダ36をまとめて交換可能な所謂、一括交換台車(MFUとも言い得る)である。部品供給ユニット3が供給する部品としては、例えば、ICなどの電子部品、リード部品(アキシャル部品やラジアル部品)、スライドスイッチなど、基板に装着可能な様々な部品を採用できる。部品供給ユニット3は、複数のフィーダ36を入れ替えて搭載することができる。部品供給ユニット3は、基台9の前側に着脱可能に装着される。
図1に示す一実施例の装着装置1では、1台の部品供給ユニット3を着脱可能となっている。尚、1台の装着装置1に装着する部品供給ユニット3の数は、1台に限らず、2台以上の複数台でも良い。
【0013】
部品移載装置4は、基板搬送装置2や部品供給ユニット3の上方に配設されている。部品移載装置4は、部品供給ユニット3から部品を取得して基板Kに装着する。部品移載装置4は、ヘッド駆動機構40、移動台44、装着ヘッド45、吸着ノズル46、及びマークカメラ47を備えている。ヘッド駆動機構40は、一対のY軸レール41、42、Y軸スライダ43を備えている。一対のY軸レール41、42は、Y軸方向に延び、X軸方向において互いに離隔して平行に配置されている。Y軸スライダ43は、X軸方向に長く、一対のY軸レール41、42に跨って設けられている。Y軸スライダ43は、ヘッド駆動機構40の電磁モータ(図示略)の駆動に基づいて、一対のY軸レール41,42に沿ってY軸方向に移動する。移動台44は、Y軸スライダ43に取り付けられ、ヘッド駆動機構40の電磁モータ(図示略)の駆動に基づいてX軸方向に移動する。移動台44には、装着ヘッド45が着脱可能に装着される。また、移動台44には、マークカメラ47が取り付けられている。従って、装着ヘッド45及びマークカメラ47は、ヘッド駆動機構40の駆動に基づいて移動台44を移動させることで、基台9の上方においてX軸方向及びY軸方向の任意の位置へ移動可能となっている。
【0014】
装着ヘッド45は、1本又は複数本の吸着ノズル46を下側に保持する。吸着ノズル46は、昇降駆動部(図示略)に駆動されて昇降動作する。吸着ノズル46は、ヘッド駆動機構40の駆動に基づいて、後述する部品供給ユニット3の供給位置38の上方に移動し、下降した後、負圧の供給により部品供給ユニット3から部品を吸着する。また、吸着ノズル46は、ヘッド駆動機構40の駆動に基づいて基板Kの上方に移動し、正圧の供給により部品を離脱し基板Kに部品を装着する。マークカメラ47は、基板Kに設けられた位置マークや基板種情報を撮像する。装置側制御装置6は、マークカメラ47により撮像した画像データに基づいて基板Kの位置や基板Kの情報を検出する。
【0015】
部品カメラ5は、Y軸方向において基板搬送装置2と部品供給ユニット3との間の基台9の上面に、上向きに設けられている。部品カメラ5は、移動台44が部品供給ユニット3から基板Kに移動する途中で、吸着ノズル46が吸着している部品を撮像する。装置側制御装置6は、部品カメラ5により撮像した画像データに基づいて部品の有無、部品の吸着姿勢等を判定する。
【0016】
(部品供給ユニット3)
図2は、部品供給ユニット3を斜め上方から見下ろした斜視図を示している。
図2に示すように、部品供給ユニット3は、台車31と、パレット部材34を備えている。台車31は、車体32と、アーム部材33を備えている。尚、
図2は、部品供給ユニット3のパレット部材34に、1個のフィーダ36のみを搭載した状態を例示している。また、
図1は、パレット部材34に複数のフィーダ36及び複数のリール39を搭載した状態を示している。
図1に示すように、複数のフィーダ36をパレット部材34に装着した場合、複数のフィーダ36は、X軸方向に並んで配置される。また、
図1は、フィーダ36及びリール39の配置や構成が理解し易くなるように、フィーダ36及びリール39を模式的に大きく図示しており、
図2のフィーダ36の大きさと一致しない部分がある。
【0017】
台車31の車体32は、装着装置1の幅寸法よりも小さめに形成され、床面に平行して配置される。車体32の下部には、複数の移動用キャスタ321が設けられている。X軸方向における車体32の両側にそれぞれ設けられた側部322には、取手323がそれぞれ取り付けられている。台車31は、一対の取手323を手で持ち押して動かすことができる。また、台車31は、取手323を操作することでパレット部材34の高さを調整可能となっている。一対の側部322の前端には、アーム部材33がそれぞれ設けられている。一対のアーム部材33は、板状のパレット部材34を下方から水平に支持している。
【0018】
パレット部材34は、連結部341と、スライド部342を備えている。連結部341は、スライド部342の後端に起立して設けられている。スライド部342は、一対のアーム部材33によって支持されている。スライド部342には、フィーダ36をスライド可能なスライド溝が複数形成されている。複数のスライド溝は、Y軸方向と平行な方向に沿って形成され、X軸方向と平行な方向に並んで配置されている。フィーダ36は、このスライド部342のスライド溝に前側から後側に向かって差し込まれ、部品供給ユニット3に搭載される。連結部341には、各スライド溝に取り付けられたフィーダ36に対応する位置に、位置決め部及びコネクタが設けられている。位置決め部は、例えば、フィーダ36に設けられた凸部を挿入する凹部であり、凸部を凹部に挿入することで、フィーダ36をコネクタに接続して位置決めする。フィーダ36は、コネクタを介して部品供給ユニット3から電力を供給され、部品供給ユニット3との間で制御に係る通信を実行する。
【0019】
図1に示すように、フィーダ36は、後方側の先端の上部に、部品を供給する所定の供給位置38が設定されている。また、フィーダ36は、例えば、テープフィーダであり、前側にリール39が装填される。リール39には、多数のキャビティにそれぞれ部品を収納したキャリアテープが巻回されている。フィーダ36は、スプロケットやモータなどのテープ送り機構(図示略)によりキャリアテープを間欠的に送り、キャビティ内の部品を供給位置38にて供給する。装着装置1の装着ヘッド45は、吸着ノズル46によって供給位置38の部品を吸着し基板Kに装着する。
【0020】
装置側制御装置6は、基台9に組み付けられており、その配設位置は特に限定されない。装置側制御装置6は、例えば、CPU、RAM、ROM等を備える処理回路であり、ROMに記憶されたプログラムを実行することで、上記した装着装置1の各装置を制御する。装置側制御装置6は、基板搬送装置2による基板Kの搬入・搬出、ヘッド駆動機構40による装着ヘッド45の移動、装着ヘッド45による部品の装着等を制御する。また、装置側制御装置6は、部品供給ユニット3による部品の供給、部品供給ユニット3への電力の供給を制御する。
【0021】
操作部7は、例えば、タッチパネル、操作スイッチ等を備えるユーザインタフェースである。操作部7は、装置側制御装置6の制御に基づいてタッチパネルに表示する表示内容を変更する。また、操作部7は、タッチパネルや操作スイッチ等に対する操作入力に応じた信号を装置側制御装置6に出力する。操作部7は、本開示の表示装置の一例である。尚、本開示の表示装置は、タッチパネルに限らず、LCDディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示画面のみを備え、入力装置を備えない構成でも良い。
【0022】
(ロック機構54について)
また、装置側制御装置6は、
図1に示す装着装置1のロック機構54を制御可能となっている。
図1に示すように、装着装置1は、部品供給ユニット3を装着する位置にロック機構54を備えている。ロック機構54は、例えば、装着装置1に装着した状態の部品供給ユニット3におけるパレット部材34の下方となる位置に配置されている。
【0023】
ロック機構54は、装着装置1に対する部品供給ユニット3の位置を保持するロック状態と、保持する状態を解除したロック解除状態とに遷移する。ロック機構54は、装置側制御装置6の制御に基づいてロック状態又はロック解除状態に遷移する。
図3は、ロック解除状態及びロック状態のロック機構54の斜視図を示している。部品供給ユニット3は、ロック機構54によってクランプされる被クランプ部材52(
図3の下図参照)を備えている。被クランプ部材52は、例えば、部品供給ユニット3のスライド部342の下面に設けられている。被クランプ部材52は、例えば、スライド部342の下面から下方に突出する直方体形状の突起である。
【0024】
図3の上の図は、ロック機構54が被クランプ部材52をクランプしていないロック解除状態を示している。
図3の下の図は、ロック機構54が被クランプ部材52をクランプしているロック状態を示している。ロック機構54は、爪部54aと、軸部54bと、案内部54cと、移動装置54dとを備えている。爪部54aは、X軸方向と平行な軸部54bを軸心に回転可能になっている。案内部54cは、Y軸方向と平行な方向に沿って形成された長い凹部であり、X軸方向で対向する側壁の各々に軸部54bを挿入する溝が形成されている。爪部54a及び軸部54bは、軸部54bの両端部を案内部54cの溝に挿入した状態で、Y軸方向へ移動可能となっている。
【0025】
移動装置54dは、爪部54aの後端に連結され、爪部54a及び軸部54bとともにY軸方向へ移動する。移動装置54d、爪部54a及び軸部54bを移動させる駆動源としては、例えば、エアシリンダなどの流体圧シリダやモータなどの電動機を用いることができる。この駆動源は、装置側制御装置6によって制御される。移動装置54dは、この駆動源の駆動に基づいてY軸方向へ移動し、Y軸方向において爪部54aとの間に被クランプ部材52をクランプする。案内部54cの溝は、Y軸方向の前側において下方へ傾斜している。爪部54aは、軸部54bを後側(ロック状態側)へ移動させると、案内部54cの溝の傾きに応じて後方へ回転し、移動装置54dとの間に被クランプ部材52をクランプする。ロック機構54は、装置側制御装置6によって駆動源(エアシリンダなど)を駆動されることで、爪部54a及び移動装置54dによって被クランプ部材52を挟んで後方側に引き込む。これにより、部品供給ユニット3は、装着装置1に対して所定の位置にロックされたロック状態となる。また、部品供給ユニット3を取り外す場合、装置側制御装置6は、ロック機構54の駆動源を制御し、爪部54a及び移動装置54dを前側に移動させ、爪部54aを前側へ回転させ、被クランプ部材52の挟持を解除させる。これにより、部品供給ユニット3は、装着装置1に対して位置の保持を解除されたロック解除状態となる。
【0026】
(部品供給ユニット3の取り外し動作)
次に、部品供給ユニット3を取り外す場合の装着装置1及び部品供給ユニット3の動作について説明する。
図4は、装着装置1と部品供給ユニット3のブロック図を示している。
図4に示すように、装着装置1は、上記した装置側制御装置6の他に、電源装置61を備えている。また、部品供給ユニット3は、放電回路63、メイン回路64、制御装置65を備えている。電源装置61は、例えば、商用電源等の外部電源に接続され、装着装置1が備える各装置へ電力を供給する電源として機能する装置である。電源装置61は、装置側制御装置6の制御に基づいて装着装置1の各装置へ電力を供給する。また、電源装置61は、装置側制御装置6の制御に基づいて部品供給ユニット3に対する電力の供給の開始と、供給の停止を制御される。尚、装着装置1は、装着装置1が備える各装置へ電力を供給する電源装置61とは別に、部品供給ユニット3に電力を供給する電源装置を備えても良い。
【0027】
装着装置1は、部品供給ユニット3を接続するための装置側コネクタ67を備えている。装置側コネクタ67は、部品供給ユニット3のユニット側コネクタ68を着脱可能に装着される。装置側コネクタ67及びユニット側コネクタ68は、
図1に示すように、例えば、装着装置1と部品供給ユニット3を接続する部分において、X軸方向における中央に設けられている。装着装置1及び部品供給ユニット3は、装置側コネクタ67及びユニット側コネクタ68を接続することで複数の線で接続される。この複数の線には、電源線71、グランド線72、制御線73が含まれている。尚、
図4は、図面が煩雑となるのを避けるため、3つの線のみを図示していが、部品供給ユニット3のユニット側コネクタ68は、その他の線(アラームを通知するための線)などを備えても良い。
【0028】
電源装置61は、電源線71及びグランド線72を介して部品供給ユニット3の放電回路63に接続される。電源装置61は、装置側コネクタ67に接続された部品供給ユニット3へ電力を供給する。部品供給ユニット3のメイン回路64は、放電回路63を介して電源装置61に接続される。例えば、フィーダ36には、キャリアテープを送り出すスプロケットを回転させるモータ、各種のセンサなど、駆動に電力を必要とする電気機器が設けられている。上記したように部品供給ユニット3の連結部341には、複数のフィーダ36が着脱可能となっている。メイン回路64は、連結部341に装着された複数のフィーダ36へ電力を供給する電源回路として機能する。メイン回路64は、連結部341に設けられたコネクタを介して複数のフィーダ36の各々と接続され電力の供給を実行する。また、メイン回路64は、コンデンサ64Aを有する。コンデンサ64Aは、電源装置61から供給された電力により充電され、例えば、複数のフィーダ36に安定して電力を供給するための電荷の蓄電等に用いられる。コンデンサ64Aは、1個でも良く、複数個でも良い。コンデンサ64Aの容量は、例えば、数百μFである。
【0029】
また、メイン回路64は、制御線73を介して装着装置1の装置側制御装置6に接続される。メイン回路64は、制御線73を介して装着装置1から制御信号SI1を入力する。メイン回路64は、制御信号SI1に基づいて、連結部341に接続された複数のフィーダ36について、電力の供給の開始や停止を制御する。また、各フィーダ36は、モータを駆動するためのドライブ回路やセンサの信号を処理する増幅回路などを備えている。メイン回路64は、例えば、制御信号SI1に基づいてフィーダ36のドライブ回路を制御し、モータの回転を制御する。これにより、各フィーダ36に、供給位置38に部品を供給させる動作を実行させる。また、メイン回路64は、各フィーダ36から入力したセンサの信号を、制御線73を介して装置側制御装置6へ出力する処理を実行する。これにより、装置側制御装置6は、各フィーダ36で発生したエラー等を検知できる。
【0030】
放電回路63は、コンデンサ64Aに接続され、コンデンサ64Aに電荷を蓄電する蓄電状態と、コンデンサ64Aに蓄電された電荷を放電する放電状態とに切り替え可能となっている。放電回路63は、例えば、蓄電状態では、電源装置61とメイン回路64を接続し、電源装置61からメイン回路64へ電力を供給する。メイン回路64は、放電回路63が蓄電状態である場合、電源装置61から供給された電力をコンデンサ64Aに蓄電しつつ、フィーダ36に電力を供給する。
【0031】
また、放電回路63は、例えば、放電状態では、コンデンサ64Aの両端をグランド線72に接続し短絡させることで、コンデンサ64Aに蓄電された電荷を放電する。放電回路63は、例えば、放電状態の場合、電源装置61とメイン回路64を切り離し、電源装置61からメイン回路64への電力の供給を停止させる。尚、放電回路63は、放電状態において、電源装置61からメイン回路64への電力の供給を停止させずに、コンデンサ64Aの放電のみを実行しても良い。
【0032】
制御装置65は、放電回路63の蓄電状態と、放電状態を切り替える装置である。制御装置65は、例えば、制御信号SI2を放電回路63に出力し、放電回路63の状態を切り替える。例えば、放電回路63は、ハイレベルの制御信号SI2が入力されると蓄電状態となり、ローレベルの制御信号SI2が入力されると放電状態となる。
【0033】
制御装置65は、電源線71とグランド線72に接続され、電源線71の電力を監視する。例えば、制御装置65は、ボルテージディテクタなどの電圧を監視する回路を備え、装着装置1から電源線71を介して部品供給ユニット3(メイン回路64)に供給される電力の電圧値が所定の閾値電圧値よりも大きい場合、ハイレベルの制御信号SI2を放電回路63に出力する。放電回路63は、蓄電状態となる。また、制御装置65は、装着装置1から電源線71を介して部品供給ユニット3(メイン回路64)に供給される電力の電圧値が所定の閾値電圧値以下の場合、制御信号SI2をローレベルにして放電回路63を放電状態にする。これにより、電源線71の電圧降下に応じて、即ち、装着装置1から部品供給ユニット3への電力の供給の停止に応じて、コンデンサ64Aを放電できる。
【0034】
ボルテージディテクタは、リセットIC、電源監視ICとも言われるものであり、例えば、監視対象の電圧値(本実施例では電源線71の電圧値)が、所定の閾値電圧値以下となった場合に、閾値電圧値以下となったことを示す検出信号を出力する。制御装置65は、この検出信号に応じて制御信号SI2の信号レベルを変更する。尚、制御装置65は、ボルテージディテクタの検出信号をそのまま制御信号SI2として用いても良い。あるいは、制御装置65は、ボルテージディテクタとCPU等を備え、ボルテージディテクタの検出信号のレベルをCPUで判定し制御信号SI2を変更しても良い。また、本開示の制御装置が監視する電力の値は、電圧値に限らず、電流値でも良い。従って、制御装置65は、例えば、電源線71の電流値を監視し、電源線71の電流値が所定の閾値電流値以下となった場合に、制御信号SI2をローレベルにし、放電回路63を蓄電状態から放電状態に変更しても良い。
【0035】
また、上記した回路構成や信号レベル等は、一例である。例えば、制御装置65は、メイン回路64と別の回路に限らず、メイン回路64の一部の回路でも良い。また、制御信号SI2のハイレベルとローレベルの関係を逆にしても良い。制御装置65は、電源線71の電圧値が閾値電圧値よりも大きい場合、ハイレベルの制御信号SI2を出力し、閾値電圧値以下となった場合、ローレベルの制御信号SI2を出力しても良い。また、制御信号SI2は、ハイレベルとローレベルの2値の信号に限らない。例えば、制御信号SI2は、複数のビットによって放電状態への切り替えなどを指示する指示データでも良い。
【0036】
図5は、部品供給ユニット3の取り外しにおける装置側制御装置6の処理内容を示している。まず、装置側制御装置6は、ステップ(以下、単にSと記載する)11において、取り外し対象の部品供給ユニット3の選択を受け付ける。
図6は、操作部7のタッチパネル7aに表示する画面の一例を示している。
図1に示す構成では、装着装置1に1つの部品供給ユニット3が着脱可能であったが、装着装置1に複数の部品供給ユニット3が着脱可能である場合、あるいは複数の種類の部品供給ユニット3が着脱可能である場合、
図6の一番上の図に示すように、装置側制御装置6は、どの部品供給ユニット3を取り外すべきかの指示をタッチパネル7aで受け付ける。
図6の一番上の図に示すように、装置側制御装置6は、例えば、複数の部品供給ユニット3の各々を選択する選択ボタン81をタッチパネル7aに表示する。装置側制御装置6は、複数の選択ボタン81のうち、任意の選択ボタン81をタッチ操作されると、タッチ操作された選択ボタン81が示す部品供給ユニット3を取り外し対象の(以下、単に「取り外し対象の」と記載する場合がある)部品供給ユニット3として受け付ける。以下、取り外し対象の部品供給ユニット3として、上記したMFUである部品供給ユニット3の取り外し指示を受け付けた場合について説明する。
【0037】
装置側制御装置6は、取り外し対象の部品供給ユニット3をタッチパネル7aで受け付けると、部品供給ユニット3を取り外す状態を案内する画像をタッチパネル7aに表示する。
図6の上から2番目の図に示すように、装置側制御装置6は、装着装置1から部品供給ユニット3を取り外す状態を案内(どのように取り外せるのかを案内)する画像82をタッチパネル7aに表示させる。装置側制御装置6は、画像82をタッチパネル7aに表示した状態において、部品供給ユニット3を取り外す指示を受け付ける。例えば、
図6の上から3番目の図に示すように、操作部7には、処理の実行を指示するスタートボタン83が設けられている。装置側制御装置6は、画像82をタッチパネル7aに表示した状態でスタートボタン83を押下する操作を受け付けると、
図5のS13以降の処理を実行する。
【0038】
装置側制御装置6は、取り外し対象の部品供給ユニット3への電力の供給を停止する(S13)。装置側制御装置6は、取り外し対象の部品供給ユニット3への電力の供給を停止することを、電源装置61へ指示する。電源装置61は、指示を受信すると、電源線71を介しメイン回路64へ供給する電力を停止する。部品供給ユニット3は、この電力の停止処理により電源線71の電圧値が閾値電圧以下になったことをボルテージディテクタが検出すると、制御装置65は制御信号SI2をハイレベルからローレベルに変更する。これにより、放電回路63は、蓄電状態から放電状態となり、コンデンサ64Aに蓄電された電荷を放電する。部品供給ユニット3を取り外す前に、コンデンサ64Aの放電を実行できる。また、電力の停止とほぼ同時にコンデンサ64Aの放電を実行できる。
【0039】
一方、電源装置61は、取り外し対象の部品供給ユニット3への電力の停止処理を完了すると、停止の実行の完了を示す応答を装置側制御装置6へ通知する。装置側制御装置6は、電源装置61から完了通知を受信すると、取り外し対象の部品供給ユニット3のロックを解除する(S15)。装置側制御装置6は、ロック機構54(
図3参照)の駆動源(エアシリンダなど)を制御し、ロック機構54をロック状態からロック解除状態に移行させる。これにより、取り外し対象の部品供給ユニット3は、コンデンサ64Aの放電が完了し、適切に取り外し可能な状態となる。
【0040】
装置側制御装置6は、S15のロック機構54によるロックの解除を完了させると、部品供給ユニット3の取り外しを指示する画面を表示させる(S17)。ロックの解除の完了を判断する方法は、特に限定されない。例えば、装置側制御装置6は、ロック機構54の駆動源であるエアシリンダに設けられたシリンダスイッチ(シリンダセンサ)に基づいて、ピストンの位置を検出し、ロックが解除される位置まで(
図3の上の図の位置まで)爪部54aが移動したことに基づいて、ロックが解除されたことを検出しても良い。あるいは、ロックの解除の完了を判断する方法として、軸部54bの位置を検出する方法を用いても良い。
【0041】
装置側制御装置6は、
図6の一番下の図に示すように、「部品供給ユニットを取り外す準備が完了しました。」というメッセージ85をタッチパネル7aに表示する。これにより、取り外し対象の部品供給ユニット3を取り外す準備が完了したことをユーザに通知することができる。ユーザは、
図6の上から2番目の案内の画像82のように、部品供給ユニット3を装着装置1からX軸方向に引き離し、新たな部品供給ユニット3を装着するなどの作業を実施できる。
【0042】
尚、
図5に示す処理の流れ、順番、実行タイミング等は、一例であり、適宜変更可能である。例えば、装置側制御装置6は、S13で実行した停止指示に対し電源装置61から完了通知を受信した後に、S15のロックの解除を実行したが、これに限らない。装置側制御装置6は、電力の供給を停止する指示を電源装置61に送信するのと同時に、ロック機構54を制御してロックを解除する制御を実行しても良い。これにより、電力の停止とロックの解除をより迅速に実施できる。この場合、電源装置61は、電力の停止が完了したことを装置側制御装置6へ通知しなくとも良い。
【0043】
また、装置側制御装置6は、S15、S17を同時に開始しても良い。即ち、装置側制御装置6は、ロックの解除の完了を待たずに、
図6の一番下の画面をタッチパネル7aに表示しても良い。装置側制御装置6は、ロック機構54のロックを解除する制御(S15)を開始するのと同時に、メッセージ85をタッチパネル7aに表示しても良い。また、装置側制御装置6は、S13,S15、S17を同時に開始しても良い。装置側制御装置6は、電力の停止(S13)、ロックの解除(S15)、メッセージ85の表示(S17)を同時に開始しても良い。また、装置側制御装置6は、S17のメッセージ85の表示を実行しなくとも良い。装置側制御装置6は、メッセージ85のような取り外す準備が完了したことを示す情報を、ユーザに報知しなくとも良い。この場合、装置側制御装置6は、S15で処理を終了し、タッチパネル7aを初期画面に戻しても良い。
【0044】
上記したように、制御装置65は、装着装置1から供給される電力の電圧値が閾値電圧値以下となったことをボルテージディテクタが検出した場合に、装着装置1からの電力の供給が停止すると判断して、蓄電状態から放電状態に切り替える指示を放電回路63に実行する。このような構成では、装着装置1から部品供給ユニット3への電力の供給の停止を、電圧の低下によって検出することができる。放電回路63の状態を変更する制御を開始させる指示を、装着装置1から部品供給ユニット3(制御装置65)へ通知する必要がなく、部品供給ユニット3側で放電のタイミングを判断できる。
【0045】
また、装置側制御装置6は、装置側コネクタ67に装着された部品供給ユニット3を取り外す指示を受け付ける(S11、本開示の受付処理の一例)。そして、装置側制御装置6は、電源装置61を制御し、S11で指示を受け付けた部品供給ユニット3への電力の供給を停止する(S13、本開示の停止処理の一例)。これにより、ユーザの指示に基づいて部品供給ユニット3の取り外しを開始できる。電力の停止の際に、適切な電荷の放電を実行できる。尚、装置側制御装置6は、ユーザからの指示以外に基づいて電力の停止を実行しても良い。例えば、装置側制御装置6は、エラーの検出に応じて部品供給ユニット3への電力の停止を実行しても良い。この場合にも、制御装置65によって放電回路63を放電状態とし、コンデンサ64Aを適切に放電できる。
【0046】
また、装置側制御装置6は、S13の処理における部品供給ユニット3への電力の供給を停止する指示に対し、停止の実行の完了を示す応答を電源装置61から受信すると、S15でロック機構54を制御し、電力の供給を停止した部品供給ユニット3のロックを解除する。これにより、電力の停止とほぼ同時に、ロックを解除でき、迅速に部品供給ユニット3を取り外し可能な状態にできる。
【0047】
また、装置側制御装置6は、S11において、取り外し対象の部品供給ユニット3を取り外す状態を案内する画像82を操作部7のタッチパネル7aに表示する。装置側制御装置6は、スタートボタン83により部品供給ユニット3を取り外す指示を受け付けると、S13を実行する。これにより、取り外しの指示を受け付けたのとほぼ同時に、電力の停止を開始でき、迅速に部品供給ユニット3を取り外し可能な状態にできる。
【0048】
また、装置側制御装置6は、部品供給ユニット3の取り外しが可能であることを報知する(S17、本開示の報知処理の一例)。装置側制御装置6は、S15でロック機構54を制御し、電力の供給を停止した部品供給ユニット3のロックの解除が完了すると、S17を実行する。装置側制御装置6は、S17において、部品供給ユニット3の取り外しを指示する画面(
図6の一番下の図のメッセージ85参照)を、タッチパネル7aに表示する。これにより、ロックの解除とほぼ同時に、取り外しの案内を開始できる。ユーザに部品供給ユニット3の取り外しができることを直ぐに知らせることができる。ユーザの待ち時間を極めて短くする、あるいはなくすことができる。
【0049】
因みに、上記第1実施例において、操作部7は、表示装置の一例である。また、装置側コネクタ67は、装着部の一例である。
【0050】
以上、上記第1実施例によれば以下の効果を奏する。
第1実施例の一態様の部品供給ユニット3は、コンデンサ64Aに電荷を蓄電する蓄電状態と、コンデンサ64Aに蓄電された電荷を放電する放電状態と、を切り替える放電回路63を備える。部品供給ユニット3の制御装置65は、装着装置1から供給される電力の供給が停止されることを検出したことに基づいて、放電回路63を蓄電状態から放電状態に切り替える。
【0051】
ここで、上記した放電回路63を設けなかった場合、使用中にコンデンサ64Aに蓄電された電荷を放電する時間が必要となってくる。例えば、
図5のS13で電力の供給を停止した後、コンデンサ64Aに蓄電された電荷が、フィーダ36などの負荷によって放電される時間が必要となり、例えば、数秒の待ち時間が発生する。その結果、S15のロックの解除やS17の取り外しの指示を出すまでに待ち時間を設ける必要がある。さらに、この待ち時間は、コンデンサ64Aの容量の増加に応じて長くなる。このため、例えば、最も待ち時間が長い(容量が大きい)ものに合わせて待ち時間を長く設定する必要が生じる。この場合、少量のコンデンサ64Aを搭載した部品供給ユニット3にとっては、待ち時間が不必要に長くなる。また、部品供給ユニット3ごとに待ち時間を変更した場合、装置側制御装置6が、取り外し対象の部品供給ユニット3ごとに待ち時間を変更し、S15,S17の開始時間を変更する必要が生じ、処理が複雑となる虞がある。また、着脱可能な全ての部品供給ユニット3について待ち時間を設定する必要や、新機種の部品供給ユニット3の登場に合わせて、待ち時間のデータをアップデートする必要が生じる。
【0052】
これに対し、第1実施例の部品供給ユニット3では、装着装置1から部品供給ユニット3への電力の供給を停止するのに合わせて、放電回路63を蓄電状態か放電状態に切り替える。これにより、部品供給ユニット3を装着装置1から取り外す前に、部品供給ユニット3のコンデンサ64Aを放電できる。装着装置1や部品供給ユニット3の回路素子の故障の発生を抑制できる。また、コンデンサ64Aの容量が異なる全ての部品供給ユニット3について、上記した待ち時間を設けることなく、迅速に取り外すことが可能となる。
【0053】
(第2実施例)
次に、本開示の第2実施例について説明する。上記した第1実施例では、制御装置65は、電源線71の電圧を監視し、電圧の低下に応じて放電回路63を放電状態に移行させた。従って、装着装置1から供給される電力の供給が停止されること、電圧の低下によって検出した。しかしながら、供給の停止を検出する方法は、これに限らない。例えば、電力を停止することを、装置側制御装置6から部品供給ユニット3へ通知しても良い。
【0054】
図7は、第2実施例の装着装置101及び部品供給ユニット103のブロック図を示している。尚、以下の説明では、上記した第1実施例と同様の構成については、同一符号を付し、その説明を適宜省略する。
図7に示すように、第2実施例の部品供給ユニット103の制御装置165は、装置側コネクタ67及びユニット側コネクタ68の通信線74を介して装置側制御装置106と接続される。装置側制御装置106は、通信線74を介して放電指示SI3を制御装置165に通知することで、制御装置165から放電回路63にローレベルの制御信号SI2を出力させ、放電回路63を放電状態に移行させることができる。装置側制御装置106は、例えば、
図5のS11において、スタートボタン83(
図6参照)の操作を検出すると、取り外し対象の部品供給ユニット3の制御装置165へ放電指示SI3を通知する。制御装置165は、制御信号SI2をローレベルにし、放電回路63を放電状態にして、コンデンサ64Aを放電させる。これにより、部品供給ユニット3を取り外す前にコンデンサ64Aの放電を実行できる。
【0055】
尚、放電指示SI3を通知する線としては、制御線73を用いても良い。この場合、通信線74をなくし、装置側コネクタ67及びユニット側コネクタ68に必要な線を少なくできる。一方、通信線74を制御線73とは別の線として設ける、即ち、放電指示SI3を通知する専用線を設けることで、放電指示SI3の通知処理が他の処理と重なることがなく、通知の遅延をなくすことができる。
【0056】
以上、上記第2実施例によれば以下の効果を奏する。
第2実施例の一態様の装着装置101は、部品供給ユニット103に対する電力の供給を停止するのに合わせて、放電回路63を放電状態にする指示である放電指示SI3を、通信線74を介して部品供給ユニット103に送信する。制御装置165は、通信線74を介して放電指示SI3を取得した場合、蓄電状態から放電状態に切り替える指示を放電回路63に実行する。これにより、装着装置101からの指示に基づいて部品供給ユニット103側のコンデンサ64Aの放電を実施できる。また、制御装置165から放電完了の通知を、通信線74を介して装置側制御装置106にフィードバックすることで、放電の完了を装置側制御装置106側で確認することも可能となる。
【0057】
(第3実施例)
次に、本開示の第3実施例について説明する。上記した第1実施例では、放電回路63や制御装置65を部品供給ユニット3に設けたが、装着装置1に設けても良い。
図8は、第3実施例の装着装置201及び部品供給ユニット203のブロック図を示している。尚、以下の説明では、上記した第1実施例と同様の構成については、同一符号を付し、その説明を適宜省略する。
図8に示すように、装着装置201は、部品供給ユニット203に接続される放電回路63を備える。放電回路63には、装着装置201に設けられた制御装置65から制御信号SI2が入力される。制御装置65は、装着装置201側において、電源線71及びグランド線72に接続され、電源線71の電圧を監視する。尚、制御装置65を装置側制御装置6の一部として設けても良い。また、制御装置65を部品供給ユニット203に設けて制御信号SI2を部品供給ユニット203から装着装置201の放電回路63へ装置側コネクタ67を介して通知しても良い。また、
図7に示す第2実施例の制御装置165を、制御装置65に替えて装着装置201に設けても良い。この場合、
図8の装置側制御装置6から装着装置201に設けた制御装置165へ放電指示SI3を通知しても良い。あるいは、
図8に示す構成において、装置側制御装置6が装着装置201の放電回路63を直接制御しても良い。
【0058】
装着装置201は、例えば、放電回路63及び制御装置65の組み合わせを、装置側コネクタ67ごと(接続する部品供給ユニット3ごと)に備えている。このような第3実施例の構成であっても、電源線71の電圧の低下に応じて放電回路63を駆動し、コンデンサ64Aを放電できる。また、放電回路63や制御装置65を備えていない部品供給ユニット3に対しても取り外し前のコンデンサ64Aの放電を適切に実行できる。尚、装着装置201に設けた放電回路63を複数の部品供給ユニット3に対して切り替えて接続し使用しても良い。
【0059】
因みに、上記第3実施例において、
図1に示す装置側コネクタ67や
図2に示すパレット部材34は、本開示の装着部の一例である。
【0060】
尚、本開示は、上記各実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。
例えば、上記各実施例では、本開示の部品供給ユニットとして、台車31等を備え、複数のフィーダ36をまとめて交換可能な所謂、一括交換台車(MFUとも言い得る)を採用したが、これに限らない。本開示の部品供給ユニットは、例えば、部品をトレイの上に乗せて供給するトレイ型の部品供給装置でも良い。あるいは、部品供給ユニットは、ウェハから電子部品を吸着して供給するウェハユニットでも良い。また、部品供給ユニット3は、フィーダ36でも良い。
また、装着装置1は、操作部7を備えなくともよい。例えば、装着装置1は、部品供給ユニット3の取り外しの指示を、装置側制御装置6に設けたランプの点灯により報知しても良い。あるいは、装着装置1は、部品供給ユニット3の取り外しの指示を、上位装置へ通知し、上位装置の画面によって報知しても良い。
【0061】
また、上記した各実施例では、電源線71が1つであったが、複数の電源線71が設けられた場合にも、同様に、コンデンサ64Aの放電を実行することができる。例えば、電源線71として、DC24V、DC36V、AC200Vのような複数種類の電力が供給される電源線71をそれぞれ設ける。また、部品供給ユニット3には、各電力系統で駆動するメイン回路64やコンデンサ64Aがそれぞれ(例えば、3つ)設けられる。このような構成において、放電回路63と制御装置65の組み合わせを、電力系統ごとに設けても良い。あるいは、複数の電力系統に対し、同じ放電回路63や制御装置65を共用して用いても良い。また、複数の電源線71の電圧値が違う場合、制御装置65は、各電源線71の電圧値に応じた異なる閾値電圧値でそれぞれの電源線71の電圧値を判断しても良い。従って、各電力系統の放電タイミングは、電圧低下に応じて異なるタイミングでも良く、同時のタイミングでも良い。
【0062】
また、上記各実施例の構成は、一例である。例えば、装着装置1は、ロック機構54を備えなくとも良い。また、第1実施例の電圧による判断を実行する制御装置65と、第2実施例の放電指示SI3に基づいて放電を実行する制御装置165とを、1つの部品供給ユニット3に設けても良い。
【0063】
尚、本開示の内容は、請求項に記載の従属関係に限定されない。例えば、請求項4において「請求項1又は請求項2に記載の前記部品供給ユニットを」を「請求項1から請求項3の何れか1項に記載の前記部品供給ユニットを」に変更した技術思想についても、本明細書は開示している。
【符号の説明】
【0064】
1,101,201 部品装着装置、3,103,203 部品供給ユニット、6,106 装置側制御装置、7 操作部(表示装置)、34 パレット部材(装着部)、54 ロック機構、63 放電回路、64A コンデンサ、65,165 制御装置、67 装置側コネクタ(装着部)、61 電源装置、74 通信線、82 画像、SI3 放電指示。