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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113405
(43)【公開日】2024-08-22
(54)【発明の名称】照明具
(51)【国際特許分類】
   F21V 3/02 20060101AFI20240815BHJP
   F21S 6/00 20060101ALI20240815BHJP
   F21V 3/00 20150101ALI20240815BHJP
   F21Y 101/00 20160101ALN20240815BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240815BHJP
【FI】
F21V3/02 100
F21S6/00 500
F21V3/00 350
F21Y101:00 100
F21Y115:10
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023018362
(22)【出願日】2023-02-09
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-11-09
(71)【出願人】
【識別番号】500302231
【氏名又は名称】バキュームモールド工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123526
【弁理士】
【氏名又は名称】宮川 壮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100125036
【弁理士】
【氏名又は名称】深川 英里
(72)【発明者】
【氏名】秋山 竣祐
(72)【発明者】
【氏名】袴田 義将
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 三千穂
(72)【発明者】
【氏名】後藤 清
(72)【発明者】
【氏名】安部 勇人
(72)【発明者】
【氏名】大井 雅人
(57)【要約】
【課題】意匠の自由度を向上させることができる照明具を提供すること。
【解決手段】光源部4の外周の少なくとも一部を覆うように内側に配置されるように構成された内側カバー部21と、前記内側カバー部21の外側に配置されるように構成された外側カバー部22とを備え、前記内側カバー部21の側壁と前記外側カバー部22の側壁との間に装飾部材Sが収容可能な収容空間Aが設けられるように構成され、前記外側カバー部22は前記収容空間Aに収容される前記装飾部材Sを視認可能とする視認透光部22B3を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源部の外周の少なくとも一部を覆うように内側に配置されるように構成された内側カバー部と、
前記内側カバー部の外側に配置されるように構成された外側カバー部とを備え、
前記内側カバー部の側壁と前記外側カバー部の側壁との間に装飾部材が収容可能な収容空間が設けられるように構成され、
前記外側カバー部は前記収容空間に収容される前記装飾部材を視認可能とする視認透光部を備える照明具。
【請求項2】
前記外側カバー部の側壁上端部に前記内側に延ばされて前記収容空間の上方の少なくとも一部覆う内側延在部が設けられている請求項1に記載の照明具。
【請求項3】
前記内側延在部の縁部により開口部が設けられ、
前記外側カバー部の側壁上端部が前記内側カバー部の側壁上端部よりも高い位置に配されて前記内側カバー部の上方に上方空間が設けられており、
前記収容空間が前記上方空間に連通し前記開口部を介して前記外側カバー部の上方に連通している請求項2に記載の照明具。
【請求項4】
前記内側カバー部の側壁下端部に前記外側に延ばされて前記外側カバー部の側壁下端部を支持する外側延在部が設けられている請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の照明具。
【請求項5】
前記外側延在部は、
前記内側カバー部の側壁下端部から前記外側に延ばされて前記外側カバー部の側壁下端部を下方から支持する下方支持部と、前記下方支持部の外縁から立ち上げられて前記外側カバー部の側壁下端部を前記外側から支持する立ち上げ部と、前記立ち上げ部の上端部から前記外側に延ばされる上端外側延在部とを備える請求項4に記載の照明具。
【請求項6】
前記立ち上げ部が、上端から下端に向かって前記内方側に傾斜して設けられている請求項5に記載の照明具。
【請求項7】
前記外側カバー部の側壁下端部に、前記外側に延ばされて前記立ち上げ部の内周面に接触するように構成された下端外側延在部が設けられている請求項5に記載の照明具。
【請求項8】
前記光源部が設置可能に構成されて前記内側カバー部および前記外側カバー部を支持するように構成された支持本体部を備える請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の照明具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、照明光を照射して空間を照らす照明具が利用されている(例えば、特許文献1参照)。このような照明具としては、光源部と、この光源部を覆うシェードとを備えるものが知られている。そして、光源部をシェードで覆った状態で光源部から照明光を照射するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-311188号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような照明具では、予め形作られたシェードを光源部に被せて利用するものであって、自分好みの見た目に変更することができないという問題がある。
【0005】
以上に鑑みて、本発明は、意匠の自由度を向上させることができる照明具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、光源部の外周の少なくとも一部を覆うように内側に配置されるように構成された内側カバー部と、前記内側カバー部の外側に配置されるように構成された外側カバー部とを備え、前記内側カバー部の側壁と前記外側カバー部の側壁との間に装飾部材が収容可能な収容空間が設けられるように構成され、前記外側カバー部は前記収容空間に収容される前記装飾部材を視認可能とする視認透光部を備える。
【発明の効果】
【0007】
本願の一観点によれば、意匠の自由度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態としての照明具を示す正面図である。
図2図1の照明具を示す平面図である。
図3図1の支持本体部を示す正面図である。
図4図3の支持本体部を示す平面図である。
図5図1のカバー部を示す図であって、蓋部とカバー部とを分解して示す正面図である。
図6図1の内側カバー部を示す平面図である。
図7図1の外側カバー部を示す図であって、蓋部を外したときの様子を示す平面図である。
図8図1の蓋部を下方から示す下面図である。
図9図1のカバー部を示す図であって、蓋部、内側カバー部および外側カバー部を分解して示す正面図である。
図10図1の照明具を示す図であって、光源部が光を照射したときの様子を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施形態)
以下、本発明の実施形態における照明具について説明する。
図1は、本発明の実施形態としての照明具1を示す正面図である。
図2は、照明具1を示す平面図である。
照明具1は、カバー部2と支持本体部3と光源部4とを備えている。
支持本体部3は、基盤部31とカバー支持部32と装飾壁部33とを備えている。
基盤部31は、木材からなり、図3および図4に示すように、平面視して6角形状かつ板状に形成されている。基盤部31の上面部31Aには、光源部4が着脱可能に取り付けられる光源取付部31Bが設けられている。光源取付部31Bは、光源部4が着脱可能に取り付けられるソケットである。光源取付部31Bは、上方に向かって開口する円筒形状をなしており、その内周面に不図示の雌ネジが設けられている。光源取付部31Bの筒底には不図示の電源端子が設けられている。また、この電源端子に接続された電源コード34が基盤部31の側壁部から外方に延ばされている。電源コード34の長手方向の途中位置には不図示のスイッチが設けられ、電源コード34の先端には不図示の電源プラグが設けられている。
さらに、上面部31Aのうち光源取付部31Bの周囲を取り囲むようにして板状のカバー支持部32が6つ設けられている。
【0010】
これら6つのカバー支持部32は、木材からなり、平面視して上面部31Aにおいて周方向に均等間隔を空けて光源取付部31Bを中心として放射状に向けられて設けられている。カバー支持部32は、支持基板部32Aと支持板部32Bとを備えている。支持基板部32Aは、下辺部が上面部31Aの径方向に向けられて上面部31Aに立てられて固定されている。支持基板部32Aの上端には上方に向かって延びる支持板部32Bが一体に設けられている。支持板部32Bの側部は、平坦面からなる支持側壁部32Dとされている。支持側壁部32Dは、正面視して、下端から上端にいくに従って径方向内方に向かって漸次傾斜するように設けられている。この支持側壁部32Dは、カバー部2の内周面を支持するようになっている。また、カバー支持部32の上端部は、平坦面からなる支持上端部32Cとされている。
【0011】
また、上面部31Aの縁部には全周にわたって延びる板状の装飾壁部33が設けられている。
装飾壁部33は、例えば樹脂等の透明部材からなり、光源取付部31Bに取り付けられた光源部4から照射される光を透過するようになっている。装飾壁部33は6角形筒状に形成されており、正面視して、下端から上端にいくに従って径方向外方Eに向かって漸次傾斜するように設けられている。装飾壁部33の両主面のうち外周面には当該外周面から径方向外方Eに突出する装飾外凸部33Aが設けられている。装飾外凸部33Aの内面側は凹部とされている。また、装飾壁部33の内周面には当該内周面から径方向内方Fに突出する装飾内凸部33Bが設けられている。装飾内凸部33Bの外面側は凹部とされている。すなわち、装飾壁部33の外周面には、装飾外凸部33Aと装飾内凸部33Bに対応する凹部とが複数配列されている。そして、装飾壁部33の内周面には、装飾内凸部33Bと装飾外凸部33Aに対応する凹部とが複数配列されている。
【0012】
光源部4は、不図示の雄ネジ部を備えた電球からなるものである。この光源部4は、雄ネジ部が光源取付部31Bの雌ネジ部に嵌められることにより、光源取付部31Bに着脱可能に取り付けられるようになっている。なお、光源部4は、白熱電球やLED電球などの各種電球が利用される。
【0013】
カバー部2は、図1および図2に示すように、円錐状に形成された内側カバー部21と外側カバー部22とを備えている。すなわち、カバー部2は、内側カバー部21が内側に配され外側カバー部22が外側に同心円状に配されて2重にして構成されている。なお、外側とは、カバー部2を平面視したときの半径領域における径方向外方Eであり、内側とは、同様に半径領域における径方向内方Fである。
内側カバー部21は、図5および図6に示すように、天面部21Aと側壁部21Bと外側延在部21Cとを備えている。
側壁部21Bは、例えば樹脂等の透明部材からなり、光源取付部31Bに取り付けられた光源部4から照射される光を透過するようになっている。側壁部21Bは、円錐筒状に形成されており、正面視して、下端から上端にいくに従って径方向内方Fに向かって漸次傾斜するように設けられている。側壁部21Bの側壁上端部21B1には天面部21Aが一体に設けられている。天面部21Aは、例えば樹脂等の透明部材からなり、円板状に形成されている。この天面部21Aは、側壁上端部21B1の縁部の全周にわたって全面を覆うようにして設けられている。
【0014】
また、側壁部21Bの側壁下端部21B2には、外側延在部21Cが一体に設けられている。
外側延在部21Cは、例えば樹脂等の透明部材からなるものである。
この外側延在部21Cは、下方支持部21C1と、立ち上げ部21C3と、上端外側延在部21C6とを備えている。
下方支持部21C1は、平面視して側壁下端部21B2から径方向外方Eに延ばされた平坦面であり、側壁下端部21B2の縁部の全周にわたって設けられている。この下方支持部21C1は、外側カバー部22の側壁下端部22B2を下方から支持するものである。下方支持部21C1の外縁21C2にはその全周にわたって立ち上げ部21C3が一体に設けられている。
【0015】
立ち上げ部21C3は、正面視して上端から下端にいくに従って径方向内方Fに向かって漸次傾斜するように設けられている。すなわち、立ち上げ部21C3の上端から下端にいくに従って内径寸法が漸次小さくなるようになっている。この立ち上げ部21C3は、外側カバー部22の下端外側延在部22Cを径方向外方Eから支持するものである。立ち上げ部21C3の内周面には、当該内周面から径方向内方Fに突出する凸部21C5が設けられている。凸部21C5は、立ち上げ部21C3の内周面の全周にわたって均等間隔を空けて複数設けられている。なお、これら立ち上げ部21C3の内周面と側壁部21Bの外周面と下方支持部21C1の上面とによって、外側カバー部22の側壁下端部22B2が嵌められる支持溝部21C7が形成されている。
立ち上げ部21C3の上端部21C4には、その全周にわたって上端外側延在部21C6が一体に設けられている。上端外側延在部21C6は、正面視して立ち上げ部21C3から径方向外方Eに突出して設けられている。
【0016】
外側カバー部22は、図5および図7に示すように、天面部22Aと、側壁部22Bと、下端外側延在部22Cとを備えている。
側壁部22Bは、例えば樹脂等の透明部材からなり、光源取付部31Bに取り付けられた光源部4から照射される光を透過するようになっている。また、側壁部22Bは、後述する収容空間Aに設けられた装飾部材Sが外方から視認可能な透光部材からなっている。すなわち、側壁部22Bは、収容空間Aに設けられた装飾部材Sが外方から視認することができる視認透光部22B3とされている。この側壁部22Bは、円錐筒状に形成されており、正面視して、下端から上端にいくに従って径方向内方Fに向かって漸次傾斜するように設けられている。側壁部22Bの側壁上端部22B1には天面部22Aが設けられている。天面部22Aは、例えば樹脂等の透明部材からなり、円板状に形成されている。
【0017】
天面部22Aは、蓋部22Dと内側延在部22A1とを備えている。
内側延在部22A1は、正面視して側壁上端部22B1から径方向内方Fに延ばされて側壁上端部22B1に一体に設けられている。この内側延在部22A1は、平面視して内側カバー部21の天面部21Aの外縁部よりも径方向内方Fに延ばされている。そして、内側延在部22A1の縁部が、天面部22Aにおいて円状の開口部22A2を形成している。
この開口部22A2に蓋部22Dが着脱可能に設けられている。
蓋部22Dは、図5および図8に示すように、円板状の蓋本体部22D1と、蓋側壁部22D2と、蓋上端外側延在部22D5とを備えている。
蓋本体部22D1の縁部には、その全周にわたって蓋側壁部22D2が設けられている。蓋側壁部22D2の外周面には、当該外周面から径方向外方Eに突出する蓋凸部22D3が設けられている。
蓋凸部22D3は、蓋側壁部22D2の外周面の全周にわたって均等間隔を空けて複数設けられている。これら蓋凸部22D3が径方向に対向配置されており、この対向配置された一の蓋凸部22D3から他の蓋凸部22D3にわたる外径寸法は、開口部22A2の内径寸法よりも大きくなっている。
蓋側壁部22D2の蓋側壁上端部22D4には、その全周にわたって蓋上端外側延在部22D5が設けられている。
蓋上端外側延在部22D5は、正面視して蓋側壁部22D2から径方向外方Eに突出して設けられている。
【0018】
ここで、内側カバー部21および外側カバー部22の構成上の関係について説明する。
内側カバー部21および外側カバー部22は、内側カバー部21が内側に配置され外側カバー部22が外側に同心円状に配置されて互いに着脱可能に連結されるようになっている。
外側カバー部22の下端外側延在部22Cの外径寸法は、内側カバー部21の立ち上げ部21C3の内径寸法よりも大きくなっている。また、外側カバー部22の天面部22Aの径寸法は、内側カバー部21の天面部21Aの径寸法よりも大きくなっている。また、外側カバー部22の高さ寸法は、内側カバー部21の高さ寸法よりも大きくなっている。さらに、外側カバー部22の側壁部22Bの傾斜角と内側カバー部21の側壁部21Bの傾斜角とは同一になっている。なお、傾斜角とは、正面視して、側壁部21B,22B上に延びる直線と、側壁下端部21B2,22B2において底辺上に延びる直線とのなす角をいうものである。
このような構成のもと、互いの側壁下端部21B2,22B2の下端を揃えて外側カバー部22を内側カバー部21の外側に同心円状に配置すると、径方向における内側カバー部21の側壁部21Bと外側カバー部22の側壁部22Bとの間に収容空間Aが設けられるようになっている。この収容空間Aには、図1に示す装飾部材Sが取出可能に収容されるようになっている。また、収容空間Aの上方を内側延在部22A1が覆うようになっている。さらに、高さ方向Hにおける内側カバー部21の天面部21Aと外側カバー部22の天面部22Aとの間に上方空間Bが設けられるようになっている。そして、外側カバー部22の天面部22Aの上方から開口部22A2を介して上方空間Bを通って収容空間Aに連通するようになっている。
【0019】
次いで、本実施形態における照明具1の使い方について説明する。
まずは、内側カバー部21と外側カバー部22とを以下のようにして連結する。図9に示すように、蓋部22Dを外したまま、外側カバー部22を内側カバー部21の上方に配する。そして、外側カバー部22を内側カバー部21に被せていく。すなわち、外側カバー部22の内方空間に内側カバー部21を進入させていく。そして、外側カバー部22の側壁下端部22B2を内側カバー部21の支持溝部21C7に嵌める。このとき、外側カバー部22の下端外側延在部22Cの外径寸法が、内側カバー部21の立ち上げ部21C3の内径寸法よりも大きくなっていることから、外側カバー部22の側壁下端部22B2を径方向内方Fに縮径するように弾性変形させた状態で支持溝部21C7内に押し込む。立ち上げ部21C3の内周面には凸部21C5が設けられていることから、外側カバー部22の側壁下端部22B2が凸部21C5を乗り越えるようにして支持溝部21C7の奥まで側壁下端部22B2を押し込んでいく。このとき、立ち上げ部21C3が上端から下端にいくに従って径方向内方Fに傾斜していることから、立ち上げ部21C3の上端から下端に向かって側壁下端部22B2が案内されて支持溝部21C7の奥まで押し込まれる。すなわち、立ち上げ部21C3の上端から下端にいくに従って内径寸法が漸次小さくなるようになっていることから、立ち上げ部21C3の上端においては側壁下端部22B2の弾性変形をより小さくして側壁下端部22B2を支持溝部21C7に入れ易くし、立ち上げ部21C3の下端に進入するに従って側壁下端部22B2の弾性変形がより大きくなっていく。
【0020】
さらに、図5に示すように、側壁下端部22B2が下方支持部21C1の上面に接触した状態で側壁部22Bを解放する。すると、側壁下端部22B2が弾性変形の復元力により径方向外方Eに拡径する方向に力が働く。この力が立ち上げ部21C3の内周面によって支持される。このとき、側壁下端部22B2に下端外側延在部22Cが設けられていることから、径方向外方Eに働く力が下端外側延在部22Cに集中するため、下端外側延在部22Cが立ち上げ部21C3の内周面に接触することによる力が集中して支持力が補強される。これにより、側壁下端部22B2が、下方支持部21C1により下方から支持され、さらに立ち上げ部21C3により外方から径方向内方Fに向けて支持される。このようにして、内側カバー部21と外側カバー部22とが連結される。なお、これら内側カバー部21と外側カバー部22とを取り外すときは、側壁下端部22B2を径方向内方Fに弾性変形させて上方に引っ張ることにより側壁下端部22B2が支持溝部21C7から外れて、内側カバー部21と外側カバー部22との連結が解除される。
【0021】
このように内側カバー部21と外側カバー部22とが連結されると、互いの側壁部21Bと側壁部22Bとの間に収容空間Aが設けられ、互いの天面部21Aと天面部22Aとの間に上方空間Bが設けられる。そして、外側カバー部22の上方が開口部22A2を介して上方空間Bに連通しさらに収容空間Aに連通する。この状態において、外側カバー部22の上方から上方空間Bを通して収容空間Aに装飾部材Sを入れていく。これにより、装飾部材Sが収容空間Aに取出可能に収容される。なお、収容空間Aに装飾部材Sが入れられると、装飾部材Sからの光が視認透光部22B3である側壁部22Bを透過することにより、外方から側壁部22Bを通して装飾部材Sを視認することができる。
このようにして、収容空間Aに装飾部材Sを入れたら、開口部22A2に蓋部22Dを嵌める。このとき、径方向に対向する互いの蓋凸部22D3にわたる外径寸法が、開口部22A2の内径寸法よりも大きくなっていることから、蓋凸部22D3が内側延在部22A1の縁部に対して径方向外方Eに押圧し、蓋部22Dが開口部22A2により強く嵌められる。
【0022】
そして、図1に示すように、このようにして組み立てられたカバー部2を支持本体部3に上方から載置する。このとき、内側カバー部21の側壁部21Bの内周面が支持板部32Bの支持側壁部32Dに接触して下方から支持される。
さらに、電源コード34に設けられた不図示のスイッチをオンすると、図10に示すように、光源部4が点灯し照明光を照射する。この照明光は、内側カバー部21および外側カバー部22を透過し外方に照射されていく。このとき、装飾部材Sが内方から照らされるとともに、カバー支持部32が影となってカバー部2を装飾し、さらに照明具1が置かれる載置面に陰影が放射状に現れる。また、光源部4からの照明光は、装飾壁部33を透過して外方に照射される。このとき、照明光は装飾外凸部33Aおよび装飾内凸部33Bを透過することにより、載置面に陰影が放射状に現れる。このようにして、光源部4からの照明光により、周囲が照らされるとともに、カバー部2や載置面の装飾を楽しむことができる。
【0023】
なお、収容空間Aに収容された装飾部材Sを取り外したいときは、蓋部22Dを開けて、収容空間Aから開口部22A2を介して上方空間Bを通して装飾部材Sを取り出していく。または、内側カバー部21を外側カバー部22から取り外してから、装飾部材Sを取り出すこともできる。そして、収容空間Aに収容された装飾部材Sを取り外してから、新たに別の装飾部材Sを収容空間Aに収容することができる。
【0024】
以上より、本実施形態における照明具1によれば、内側カバー部21と外側カバー部22とを備え、収容空間Aに装飾部材Sが収容可能であり、装飾部材Sが視認透光部22B3を介して視認可能であることから、収容空間Aに様々な装飾部材Sを自由に収容することができ、自分好みの装飾を味わうことができる。そのため、意匠の自由度を向上させることができる。
また、装飾部材Sが取出可能に収容空間Aに収容されることから、設置した装飾部材Sを取り出して同じまたは異なる装飾部材Sを改めて収容することができ、意匠の自由度を向上させることができる。
また、外側カバー部22の側壁上端部22B1に内側延在部22A1が設けられていることから、外側カバー部22の天面部22Aを補強することができるだけでなく、収容空間Aの上方を覆うことができ、収容空間Aに収容された装飾部材Sが天面部22Aから外方に出ていくことを防止することができる。
【0025】
また、収容空間Aが上方空間Bに連通し開口部22A2を介して外側カバー部22の上方に連通していることから、外側カバー部22の上方から開口部22A2を介し上方空間Bを通して収容空間Aに装飾部材Sを容易に出し入れすることができる。
また、内側カバー部21に外側延在部21Cが設けられていることから、内側カバー部21と外側カバー部22とを連結したときに、外側延在部21Cが外側カバー部22を支持することができ、内側カバー部21と外側カバー部22との連結力を補強することができる。
また、外側延在部21Cが、下方支持部21C1と立ち上げ部21C3とを備えていることから、外側カバー部22の側壁下端部22B2を下方支持部21C1により下方から支持するとともに、立ち上げ部21C3によって外側から支持することができる。さらに、外側延在部21Cが上端外側延在部21C6を備えていることから、この上端外側延在部21C6に指やロボットの把持部を引っ掛けて内側カバー部21を把持し易くすることができる。
【0026】
また、立ち上げ部21C3が、上端から下端に向かって径方向内方Fに傾斜して設けられていることから、外側カバー部22の側壁下端部22B2を外側延在部21Cに嵌め込むとき、側壁下端部22B2を下方に向かって案内することができるだけでなく、上端においては側壁下端部22B2の弾性変形を小さくし下端に進むに従って弾性変形を大きくしていくことができ側壁下端部22B2を嵌め易くすることができる。
また、外側カバー部22に下端外側延在部22Cが設けられていることから、側壁下端部22B2を補強することができるだけでなく、立ち上げ部21C3の内周面に接触する箇所を小さくすることにより径方向外方Eに働く力を集中させることができ内側カバー部21と外側カバー部22との連結力を補強することができる。
また、支持本体部3を備えることから、載置面に載置して照明具1を利用することができる。
【0027】
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
例えば、カバー部2が内側カバー部21と外側カバー部22とで2重になっているとしているが、これに限ることはなく、その構成は適宜変更可能である。例えば、カバー部2が、3重以上に重ねられるようになっていてもよい。
また、内側カバー部21および外側カバー部22の形状は、円錐状でなくてもよく、円筒形状、角筒形状やその他の形状であってもよい。また、内側カバー部21および外側カバー部22の形状が互いに異なっていてもよい。
また、装飾部材Sが収容空間Aに取出可能に収容されるとしているが、これに限ることはなく、接着剤や固定部などにより装飾部材Sを内側カバー部21または外側カバー部22に固定されてもよい。
また、装飾部材Sは、カバー部2にデザインを付するものであればよく、例えば、文字、図柄または色などを施すものであればよい。具体的には、装飾部材Sは、自然物(花、葉または生物などを含む)、キャラクター、装飾品(ビーズ、ビー玉、おはじきなどを含む)などを含むものであり、材料としては、木材、樹脂、ガラス、金属、液体、粉状物などであってもよい。
【0028】
また、外側カバー部22の側壁部22Bの全面が視認透光部22B3であるとしているが、これに限ることはなく、その構成は適宜変更可能である。例えば、側壁部22Bの一部のみが視認透光部22B3とされていてもよい。その場合、当該一部の視認透光部22B3を介してのみ装飾部材Sを外方から視認できるようにしてもよい。また、視認透光部22B3が設けられていなくてもよい。その場合、装飾部材Sを外方から視認することはできないがスイッチをオンにしたときに光源部4からの照射光により装飾部材Sを介して側壁部22Bに陰影による装飾が現れるような非視認透光部であってもよい。例えば、外側カバー部22を和紙等の材料を利用することができる。
また、外側カバー部22の側壁上端部22B1に内側延在部22A1が設けられているとしているが、これに限ることはなく、その構成は適宜変更可能である。例えば、内側延在部22A1が設けられておらず、内側カバー部21が筒状になっていてもよい。また、内側延在部22A1の縁部により開口部22A2が形成されているとしているが、開口部22A2が形成されていなくてもよい。この場合、内側延在部22A1が天面部22Aとして側壁上端部21B1の全面を覆うようにしてもよい。
また、開口部22A2に蓋部22Dが着脱可能に設けられるとしているが、これに限ることはなく、その構成は適宜変更可能である。例えば、蓋部22Dの形状やサイズは適宜変更可能であり、または蓋部22Dが設けられていなくてもよい。また、蓋部22Dの蓋凸部22D3や蓋上端外側延在部22D5は設けられていなくてもよい。
【0029】
また、天面部21Aと天面部22Aとの間に上方空間Bが設けられるとしているが、これに限ることはなく、その構成は適宜変更可能である。例えば、上方空間Bは設けられていなくてもよい。その場合、天面部21Aと天面部22Aとの高さ位置は同一であってもよいし、天面部21Aの高さ位置の方が高くなっていてもよい。
また、上方空間Bと収容空間Aとが連通しているとしているが、これに限ることはなく、その構成は適宜変更可能である。例えば、上方空間Bと収容空間Aとは連通していなくてもよいし、収容空間Aが開口部22A2を介して外側カバー部22の上方と連通していなくてもよい。
また、内側カバー部21に外側延在部21Cが設けられるとしているが、その構成は適宜変更可能である。例えば、外側延在部21Cの形状やサイズは適宜変更可能であり、また外側延在部21Cが設けられていなくてもよい。
また、外側延在部21Cが、下方支持部21C1と立ち上げ部21C3と上端外側延在部21C6とを備えるとしているが、これに限ることはなく、その構成は適宜変更可能である。これら下方支持部21C1、立ち上げ部21C3および上端外側延在部21C6の形状やサイズは適宜変更可能であり、またこれらが設けられていなくてもよい。
【0030】
また、立ち上げ部21C3が上端から下端に向かって径方向内方Fに傾斜して設けられているとしているが、これに限ることはなく、その構成は適宜変更可能である。例えば、立ち上げ部21C3が、下方支持部21C1に対して垂直に立ち上げられていてもよいし、上端から下端に向かって径方向外方Eに傾斜して設けられていてもよい。
また、立ち上げ部21C3の内周面に凸部21C5が設けられるとしているが、これに限ることはなく、その構成は適宜変更可能である。例えば、凸部21C5の形状やサイズ、設置数等は適宜変更可能であり、または凸部21C5が設けられていなくてもよい。
また、外側カバー部22の側壁下端部22B2に下端外側延在部22Cが設けられているとしているが、これに限ることはなく、その構成は適宜変更可能である。例えば、下端外側延在部22Cの形状やサイズは適宜変更可能であり、または下端外側延在部22Cが設けられていなくてもよい。
また、内側カバー部21および外側カバー部22が樹脂からなるとしているが、これに限ることはなく、その構成は適宜変更可能である。例えば、紙、木材、ガラス、革または金属などの材料であってもよい。
【0031】
また、内側カバー部21と外側カバー部22とが着脱可能に連結されるとしているが、これに限ることはなく、内側カバー部21と外側カバー部22とが接着剤や固定部などにより固定されるようになっていてもよい。
また、支持本体部3が木材からなるとしているが、これに限ることはなく、その構成は適宜変更可能である。例えば、樹脂、紙、ガラス、革または金属などの材料であってもよい。
また、カバー支持部32が設けられているとしているが、これに限ることはなく、その構成は適宜変更可能である。例えば、カバー支持部32の形状、サイズや設置数などは適宜変更可能であり、またはカバー支持部32が設けられていなくてもよい。
また、支持本体部3が載置面に載置されるものとしているが、これに限ることはなく、その構成は適宜変更可能である。例えば、支持本体部3上方から吊されるようになっていてもよい。
また、装飾壁部33が設けられているとしているが、これに限ることはなく、その構成は適宜変更可能である。例えば、装飾壁部33の形状やサイズなどは適宜変更可能であり、または装飾壁部33が設けられていなくてもよい。さらに、装飾壁部33の材料は、樹脂以外にも、例えば、紙、木材、ガラス、革または金属などの材料であってもよい。
【0032】
また、内側カバー部21と外側カバー部22とが組み立てられてから装飾部材Sが収容空間Aに収容されるとしているが、これに限ることはなく、その構成は適宜変更可能である。例えば、内側カバー部21または外側カバー部22に装飾部材Sを設けてから、これら内側カバー部21と外側カバー部22とを組み立てるようにしてもよい。
また、上方空間Bにも装飾部材Sを収容するようにしてもよい。
また、側壁部22Bと側壁部21Bの傾斜角が同じとしているが、これに限ることはなく、その構成は適宜変更可能である。例えば、側壁部22Bの傾斜角が側壁部21Bの傾斜角よりも小さくなっていてもよい。これにより、正面視して収容空間Aの幅寸法が下端から上端にいくに従って漸次小さくなるようにすることができ、収容空間Aに収容された装飾部材Sが上方から外方に出ていくことを防止することができる。または、側壁部22Bの傾斜角が側壁部21Bの傾斜角よりも大きくなっていてもよい。これにより、正面視して収容空間Aの幅寸法が下端から上端にいくに従って漸次大きくなるようにすることができ、上方から装飾部材Sを収容空間Aに入れ易くすることができるだけでなく、装飾部材Sが自重により下方に移動することを防止することができる。
【0033】
既述の実施形態に関し、さらに以下の付記を示す。
(付記1)
光源部の外周の少なくとも一部を覆うように内側に配置されるように構成された内側カバー部と、
前記内側カバー部の外側に配置されるように構成された外側カバー部とを備え、
前記内側カバー部の側壁と前記外側カバー部の側壁との間に装飾部材が収容可能な収容空間が設けられるように構成され、
前記外側カバー部は前記収容空間に収容される前記装飾部材を視認可能とする視認透光部を備える照明具。
【0034】
(付記2)
前記外側カバー部の側壁上端部に前記内側に延ばされて前記収容空間の上方の少なくとも一部覆う内側延在部が設けられている付記1に記載の照明具。
【0035】
(付記3)
前記内側延在部の縁部により開口部が設けられ、
前記外側カバー部の側壁上端部が前記内側カバー部の側壁上端部よりも高い位置に配されて前記内側カバー部の上方に上方空間が設けられており、
前記収容空間が前記上方空間に連通し前記開口部を介して前記外側カバー部の上方に連通している付記2に記載の照明具。
【0036】
(付記4)
前記内側カバー部の側壁下端部に前記外側に延ばされて前記外側カバー部の側壁下端部を支持する外側延在部が設けられている付記1から付記3のいずれか一項に記載の照明具。
【0037】
(付記5)
前記外側延在部は、
前記内側カバー部の側壁下端部から前記外側に延ばされて前記外側カバー部の側壁下端部を下方から支持する下方支持部と、前記下方支持部の外縁から立ち上げられて前記外側カバー部の側壁下端部を前記外側から支持する立ち上げ部と、前記立ち上げ部の上端部から前記外側に延ばされる上端外側延在部とを備える付記4に記載の照明具。
【0038】
(付記6)
前記立ち上げ部が、上端から下端に向かって前記内方側に傾斜して設けられている付記5に記載の照明具。
【0039】
(付記7)
前記外側カバー部の側壁下端部に、前記外側に延ばされて前記立ち上げ部の内周面に接触するように構成された下端外側延在部が設けられている付記5または付記6に記載の照明具。
【0040】
(付記8)
前記光源部が設置可能に構成されて前記内側カバー部および前記外側カバー部を支持するように構成された支持本体部を備える付記1から付記7のいずれか一項に記載の照明具。
【符号の説明】
【0041】
1 照明具
4 光源部
21 内側カバー部
21B 側壁部(側壁)
21B1 側壁上端部
21B2 側壁下端部
21C 外側延在部
21C1 下方支持部
21C2 外縁
21C3 立ち上げ部
21C4 上端部
21C6 上端外側延在部
22 外側カバー部
22A1 内側延在部
22A2 開口部
22B 側壁部(側壁)
22B1 側壁上端部
22B2 側壁下端部
22B3 視認透光部
22C 下端外側延在部
3 支持本体部
A 収容空間
B 上方空間
S 装飾部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2023-07-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源部の外周の少なくとも一部を覆うように内側に配置されるように構成された内側カバー部と、
前記内側カバー部の外側に配置されるように構成された外側カバー部とを備え、
前記内側カバー部の側壁と前記外側カバー部の側壁との間に装飾部材が収容可能な収容空間が設けられるように構成され、
前記外側カバー部は前記収容空間に収容される前記装飾部材を視認可能とする視認透光部を備えており、
前記内側カバー部の側壁下端部に前記外側に延ばされて前記外側カバー部の側壁下端部を支持する外側延在部が設けられ、
前記外側延在部は、
前記内側カバー部の側壁下端部から前記外側に延ばされて前記外側カバー部の側壁下端部を下方から支持する下方支持部と、前記下方支持部の外縁から立ち上げられて前記外側カバー部の側壁下端部を前記外側から支持する立ち上げ部と、前記立ち上げ部の上端部から前記外側に延ばされる上端外側延在部とを備える照明具。
【請求項2】
前記外側カバー部の側壁上端部に前記内側に延ばされて前記収容空間の上方の少なくとも一部覆う内側延在部が設けられている請求項1に記載の照明具。
【請求項3】
前記内側延在部の縁部により開口部が設けられ、
前記外側カバー部の側壁上端部が前記内側カバー部の側壁上端部よりも高い位置に配されて前記内側カバー部の上方に上方空間が設けられており、
前記収容空間が前記上方空間に連通し前記開口部を介して前記外側カバー部の上方に連通している請求項2に記載の照明具。
【請求項4】
前記立ち上げ部が、上端から下端に向かって前記内側に傾斜して設けられている請求項1に記載の照明具。
【請求項5】
前記外側カバー部の側壁下端部に、前記外側に延ばされて前記立ち上げ部の内周面に接触するように構成された下端外側延在部が設けられている請求項1に記載の照明具。
【請求項6】
前記光源部が設置可能に構成されて前記内側カバー部および前記外側カバー部を支持するように構成された支持本体部を備える請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の照明具。