IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ トキコーポレーション株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-機器の取付構造 図1
  • 特開-機器の取付構造 図2
  • 特開-機器の取付構造 図3
  • 特開-機器の取付構造 図4
  • 特開-機器の取付構造 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113406
(43)【公開日】2024-08-22
(54)【発明の名称】機器の取付構造
(51)【国際特許分類】
   F21V 21/02 20060101AFI20240815BHJP
   F21S 8/00 20060101ALI20240815BHJP
   F21V 21/096 20060101ALI20240815BHJP
   F21V 21/00 20060101ALI20240815BHJP
   F16M 13/02 20060101ALI20240815BHJP
【FI】
F21V21/02 300
F21S8/00 110
F21V21/096
F21V21/00 130
F16M13/02 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023018366
(22)【出願日】2023-02-09
(71)【出願人】
【識別番号】390031521
【氏名又は名称】トキコーポレーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】石川 右近
(57)【要約】
【課題】簡易な操作の機器の取付構造を提供する。
【解決手段】壁面への照明機器12の取付構造は、ブラケット本体部22と、ブラケット本体部22から突出する第1掛止部24および第2掛止部26とを備えるブラケット14と、照明機器12を支持する支持部材16と、支持部材16を覆うように配置されるロック部材18と、ロック部材18を支持部材16に向けて付勢する磁石20とを備える。支持部材16は、第1被掛止部32,34を備える。ロック部材18は、第2被掛止部38を備える。第1被掛止部32,34が第1掛止部24に掛け止めされることにより、支持部材16は、壁面に対して垂直方向の移動が規制されるようにブラケット14に取り付けられ、第2被掛止部38が第2掛止部26に掛け止めされることにより、ロック部材18は、壁面と平行な面方向の移動が規定されるように前記ブラケットに取り付けられる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁面への機器の取付構造であって、
前記壁面に固定されるブラケット本体部と、前記ブラケット本体部から突出する第1掛止部および第2掛止部と、を備えるブラケットと、
前記機器を支持する支持部材と、
前記支持部材を覆うように配置されるロック部材と、
前記ロック部材を前記支持部材に向けて付勢する付勢部材と、
を備え、
前記支持部材は、前記第1掛止部に掛け止めされる第1被掛止部を備え、
前記ロック部材は、前記第2掛止部に掛け止めされる第2被掛止部を備え、
前記第1被掛止部が前記第1掛止部に掛け止めされることにより、前記支持部材は、前記壁面に対して垂直方向の移動が規制されるように前記ブラケットに取り付けられ、
前記第2被掛止部が前記第2掛止部に掛け止めされることにより、前記ロック部材は、前記壁面と平行な面方向の移動が規定されるように前記ブラケットに取り付けられる、
ことを特徴とする機器の取付構造。
【請求項2】
前記付勢部材は、前記支持部材に設けられた磁石であり、
前記ロック部材は、前記磁石からの磁力により前記支持部材に向けて付勢されることを特徴とする請求項1に記載の機器の取付構造。
【請求項3】
前記ブラケットは、複数の前記第1掛止部を備え、
前記支持部材は、複数の前記第1掛止部に対応する複数の前記第1被掛止部を備える、
請求項1または2に記載の機器の取付構造。
【請求項4】
前記第1掛止部は略L字状に形成される、請求項1または2に記載の機器の取付構造。
【請求項5】
前記第1被掛止部は、上方から前記第1掛止部に掛け止め可能に構成される、請求項1または2に記載の機器の取付構造。
【請求項6】
前記支持部材は、前記ブラケット側の面が開放した箱状体である、請求項1または2に記載の機器の取付構造。
【請求項7】
前記第2掛止部は、前記ブラケット本体部の角部に設けられる、請求項1または2に記載の機器の取付構造。
【請求項8】
前記ロック部材は、前記支持部材側の面が開放した箱状体であり、
前記被掛止部は、前記箱状体の側面の角部により構成される、請求項1または2に記載の機器の取付構造。
【請求項9】
前記ロック部材は、当該取付構造の外郭部材である、請求項1または2に記載の機器の取付構造。
【請求項10】
前記機器は照明機器である、請求項1または2に記載の機器の取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の壁面への機器の取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、照明機器等を建物の壁面に取り付ける構造として様々なものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-121264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
照明器具等の機器は、容易に建物の壁面に取り付け可能であることが望ましい。
【0005】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡易な操作で壁面に機器を取り付けることのできる機器の取付構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の機器の取付構造は、壁面への機器の取付構造であって、壁面に固定されるブラケット本体部と、ブラケット本体部から突出する第1掛止部および第2掛止部と、を備えるブラケットと、機器を支持する支持部材と、支持部材を覆うように配置されるロック部材と、ロック部材を支持部材に向けて付勢する付勢部材と、を備える。支持部材は、第1掛止部に掛け止めされる第1被掛止部を備える。ロック部材は、第2掛止部に掛け止めされる第2被掛止部を備える。第1被掛止部が第1掛止部に掛け止めされることにより、支持部材は、壁面に対して垂直方向の移動が規制されるようにブラケットに取り付けられ、第2被掛止部が第2掛止部に掛け止めされることにより、ロック部材は、壁面と平行な面方向の移動が規定されるようにブラケットに取り付けられる。
【0007】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を装置、方法、システムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、簡易な操作で壁面に機器を取り付けることのできる機器の取付構造を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る照明機器の取付構造を示す斜視図である。
図2】照明機器の取付構造を示す右側面図である。
図3】照明機器の取付構造の分解斜視図である。
図4】ロック部材を透視した照明機器の取付構造を示す図である。
図5】取付構造による照明機器の壁面への取り付け方を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。以下の構成は本開示を理解するための例示を目的とするものであり、本開示の範囲は、添付の請求の範囲によってのみ定まる。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。なお、本明細書において「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「内」、「外」等の方向を表す用語が用いられる場合、それらは機器が建物の壁面に取り付けられた姿勢における方向を意味する。
【0011】
図1は、本発明の実施形態に係る照明機器の取付構造を示す斜視図である。図2は、照明機器の取付構造を示す右側面図である。図3は、照明機器の取付構造の分解斜視図である。
【0012】
図1および図2に示すように、照明機器12は、取付構造10により建物の壁面100に取り付けられている。照明機器12の種類は特に限定されず、例えばLEDを用いた照明機器であってよい。
【0013】
図3に示すように、照明機器12の取付構造10は、壁面100に固定されるブラケット14と、照明機器12を支持する支持部材16と、支持部材16を覆うように配置されるロック部材18と、ロック部材18を支持部材16に向けて付勢する付勢部材としての磁石20と、を備える。
【0014】
ブラケット14は、壁面100に固定される矩形板状のブラケット本体部22と、ブラケット本体部22から突出する第1掛止部24および第2掛止部26と、を備える。
【0015】
図3に示すように、ブラケット14は、複数の第1掛止部24を備える。本実施形態では、ブラケット本体部22の左右の側部に2個ずつ、合計4個の第1掛止部24が設けられている。第1掛止部24は、ブラケット本体部22に対して垂直方向に突出している。本実施形態では、第2掛止部26の上端から第1掛止部24が突出するように形成されているが、第1掛止部24は第2掛止部26と別に位置に形成されてもよい。第1掛止部24は、略L字状に形成されており、上方から被掛止部を掛け止め可能とされている。
【0016】
第2掛止部26は、ブラケット本体部22の4つの角部に設けられる突出部であり、その高さは第1掛止部24よりも低い。図3に示すように、本実施形態では、ブラケット本体部22の左右の側部に上下方向に連続した突出部が形成されているが、第2掛止部26は必ずしも連続している必要は無く、少なくともブラケット本体部22の角部に設けられていればよい。
【0017】
支持部材16は、ブラケット側の面が開放した箱状体である。本実施形態では、支持部材16は直方体形状を有する。支持部材16の底面(ロック部材側の面)16aには、孔28が設けられている。照明機器12には棒状の支持部30が設けられており、この支持部30が孔28に挿入されることにより、照明機器12が支持部材16により支持される。
【0018】
図4は、ロック部材18を透視した照明機器の取付構造を示す。支持部材16は、複数の第1掛止部に対応する複数の第1被掛止部を備える。本実施形態においては、支持部材16の左右の側面に第1被掛止部32,34が設けられている。第1被掛止部32,34は、図4に示すように、第1掛止部24に掛け止めされる。第1被掛止部32,34が第1掛止部24に掛け止めされることにより、支持部材16は、壁面100に対して垂直方向の移動が規制されるようにブラケット14に取り付けられる。
【0019】
第1被掛止部32,34は、上方から第1掛止部24に掛け止め可能に構成される。本実施形態では、支持部材16の側面の上方に設けられた第1被掛止部32は単純な突起部として形成されているが、支持部材16の側面の下方に設けられた第1被掛止部34はテーパ面を有するように形成されている。従って、第1被掛止部32,34を上方から同時に第1掛止部24に掛け止めるだけでなく、最初に上方の第1被掛止部32を第1掛止部24に掛け止めした後に、テーパ面を利用してスライドさせて下方の第1被掛止部34を第1掛止部24に掛け止めすることができる。
【0020】
支持部材16の底面16aの内面には、磁石20が配置される。磁石20は永久磁石であり、ロック部材18を壁面方向に向かって付勢する機能を有する。本実施形態では磁石20の数は2つであるが、特に限定されない。
【0021】
ロック部材18は、支持部材側の面が開放した箱状体である。本実施形態では、ロック部材18は直方体形状を有する。ロック部材18は、支持部材16の全体を覆うことができる形状および大きさに形成される。ロック部材18は、支持部材16の移動を規制するとともに、取付構造10の外郭部材として機能している。ロック部材18の表面に意匠的な装飾が施されてもよい。ロック部材18の底面18aには、孔36が設けられている。この孔36には照明機器12の支持部30が挿通される。
【0022】
ロック部材18は、磁石20による磁力を受けるよう、強磁性体を有する金属で形成されてよい。あるいは、樹脂等で形成されたロック部材18の内面に、強磁性体を有する金属が貼り付けられてもよい。
【0023】
ロック部材18は、ブラケット14の第2掛止部26に掛け止めされる第2被掛止部38を備える。本実施形態において、第2被掛止部38は、箱状体の側面の角部により構成される。ロック部材18の第2被掛止部38がブラケット14の第2掛止部26に掛け止めされ、さらに磁石20により壁面100に向かう方向の付勢力を受けることにより、ロック部材18は、壁面100と平行な面方向の移動が規定されるようにブラケット14に取り付けられる。
【0024】
図5は、取付構造10による照明機器12の壁面100への取り付け方を説明するための図である。図2に示すように、ロック部材18と照明機器12との間には、壁面100に垂直な方向の距離Dの隙間40が設けられている。隙間40の距離Dは、ロック部材18が磁石20による付勢力に抗して、支持部材16に対して動くことのできる距離である。この隙間40の距離Dは、第2掛止部26の高さよりも大きく設定される。
【0025】
照明機器12を壁面100に取り付ける際には、図5に示すように、ロック部材18を保持し、磁石20による付勢力に抗してロック部材18を移動させ、ロック部材18の底面18aを照明機器12に突き当てる。つまり、隙間40の距離Dをゼロにする。この状態で、支持部材16の第1被掛止部32,34を第1掛止部24に掛け止めする。その後、ロック部材18の保持を解除すると、磁石20による付勢力によってロック部材18が壁面100の方向へ引っ張られて移動し、図2に示すように、自動的にブラケット14の第2掛止部26にロック部材18の第2被掛止部38が掛け止めされた状態となる。これにより、壁面100に対して垂直方向の移動および壁面100と平行な面方向の移動が規制されるので、照明機器12を壁面100に取り付けることができる。
【0026】
照明機器12を壁面100から取り外す際には、上記の取り付け方の逆を行う。すなわち、ロック部材18を保持し、磁石20による付勢力に抗してロック部材18を移動させ、図5に示すように、第2掛止部26から第2被掛止部38を外す。これにより、壁面100と平行な面方向の移動の規制が解除される。その後、この状態のまま、ロック部材18を上方向にスライドさせる。このロック部材18のスライドに伴ってロック部材18の内部の支持部材16もスライドし、第1掛止部24から第1被掛止部32,34を外す。これにより、ブラケット14から照明機器12を取り外すことができる。
【0027】
このように、本実施形態に係る取付構造10によれば、ロック部材18を移動させた状態で第1被掛止部32,34を第1掛止部24に掛け止めするという簡単な操作で、照明機器12を壁面100に取り付けることができる。また、ロック部材18を移動させた状態で第1被掛止部32,34を第1掛止部24から外すという簡単な操作で、照明機器12を壁面100から取り外すことができる。
【0028】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。本実施の形態は例示であり、それらの各構成要素の組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0029】
上述の実施形態では、ロック部材を支持部材に向けて付勢する付勢部材として磁石を例示したが、付勢部材は磁石に限定されず、バネやゴムなどを用いることもできる。
【0030】
また、上述の実施形態では、機器として照明機器を例示したが、機器は照明機器に限定されず、スピーカ、監視カメラ、テレビなどであってもよい。
【符号の説明】
【0031】
10 取付構造、 12 照明機器、 14 ブラケット、 16 支持部材、 18 ロック部材、 20 磁石、 22 ブラケット本体部、 24 第1掛止部、 26 第2掛止部、 30 支持部、 32,34 第1被掛止部、 38 第2被掛止部、 100 壁面。
図1
図2
図3
図4
図5