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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113408
(43)【公開日】2024-08-22
(54)【発明の名称】樹脂材料の切断器具
(51)【国際特許分類】
   B26D 1/30 20060101AFI20240815BHJP
   B26D 3/16 20060101ALI20240815BHJP
   B26D 3/00 20060101ALI20240815BHJP
【FI】
B26D1/30 501G
B26D1/30 501L
B26D3/16 A
B26D3/00 601A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023018370
(22)【出願日】2023-02-09
(71)【出願人】
【識別番号】390002473
【氏名又は名称】TOWA株式会社
(72)【発明者】
【氏名】是永 康晴
(72)【発明者】
【氏名】真木 晃汰
(72)【発明者】
【氏名】宮下 拓哉
(57)【要約】
【課題】柱状の樹脂材料を堅固に保持して切断することができる樹脂材料の切断器具を提供する。
【解決手段】柱状の樹脂材料を切断するための切断器具であって、前記樹脂材料の第1部分が載置される載置部と、前記載置部に載置されている前記樹脂材料の前記第1部分の少なくとも一部を押さえる押さえ部材と、前記載置部から出ている前記樹脂材料の第2部分を切断する切断部材とを備える。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱状の樹脂材料を切断するための切断器具であって、
前記樹脂材料の第1部分が載置される載置部と、
前記載置部に載置されている前記樹脂材料の前記第1部分の少なくとも一部を押さえる押さえ部材と、
前記載置部から出ている前記樹脂材料の第2部分を切断する切断部材と
を備える切断器具。
【請求項2】
前記載置部は、溝部と、前記溝部の2つの縁から上方に向かって互いに離れるように傾斜している2つの傾斜面とを有する
請求項1に記載の切断器具。
【請求項3】
前記押さえ部材は、
前記2つの傾斜面の上端の間を閉鎖する蓋部と、
前記2つの傾斜面に接触して載置されている前記樹脂材料の前記第1部分の少なくとも一部を押さえる押さえ部と
を有する請求項2に記載の切断器具。
【請求項4】
前記押さえ部は、前記蓋部に向かって突出するネジ軸を有し、
前記蓋部は、前記ネジ軸が螺合するネジ孔を有する請求項3に記載の切断器具。
【請求項5】
前記溝部が延びる方向に沿ってスライド可能なスライド部材を備え、
前記スライド部材は前記樹脂材料の第1部分と接触させて配置される
請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の切断器具。
【請求項6】
前記切断部材は、柱状であり、一方の端部が回転軸を介して前記載置部の端面に取り付けられており、前記回転軸を中心に前記端面に沿って回転可能であり、
前記切断部材の、前記端面と対向する対向面側に刃部が設けられている請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の切断器具。
【請求項7】
前記刃部の刃先を下方に向けて前記切断部材を水平に配置したとき、前記刃部の前記刃先が、前記回転軸から離れる程より下方に配置されるように水平方向に対して傾斜している、又は上方に凹んで湾曲している請求項6に記載の切断器具。
【請求項8】
前記載置部の前記端面から突出し、前記端面に垂直な方向に移動可能である突出部材を備える請求項6又は請求項7に記載の切断器具。
【請求項9】
前記切断部材は、前記対向面に、前記突出部材の、前記端面から突出した部分を収容する凹部を有する請求項8に記載の切断器具。
【請求項10】
一面が開口した箱体を備え、
前記切断部材によって切断された前記樹脂材料の前記第2部分が前記開口から前記箱体内に落下する、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の切断器具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂成形に用いられる樹脂材料を切断する切断器具に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体チップを樹脂成形するトランスファ成形装置では、顆粒状又は粉状の樹脂が固められたタブレット状の樹脂が用いられる。このタブレット状の樹脂は、長尺状の樹脂タブレットを、樹脂タブレットの軸方向に垂直な方向に沿って樹脂成形(パッケージ)に必要な容積の大きさに切断することによって得られる。例えば、特許文献1では、プランジャー式計量機を用いて押し出した必要な容積量に対応する長さの分だけの長尺状のタブレットをカッターによって切断加工することで、必要な容積のミニタブレットを得ている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-109772号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のような長尺状のタブレットは硬く、カッターによって切断するためには、長尺状のタブレットを堅固に保持し切断する必要があるが、特許文献1にはその保持の具体的構成が記載されていない。
【0005】
本発明は上記の点を鑑みて成されたものであり、本発明の目的は、柱状の樹脂材料を堅固に保持して切断することができる樹脂材料の切断器具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る切断器具の特徴構成は、柱状の樹脂材料を切断するための切断器具であって、前記樹脂材料の第1部分が載置される載置部と、前記載置部に載置されている前記樹脂材料の前記第1部分の少なくとも一部を押さえる押さえ部材と、前記載置部から出ている前記樹脂材料の第2部分を切断する切断部材とを備える点にある。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、柱状の樹脂材料を堅固に保持して切断することができる樹脂材料の切断器具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係る切断器具を示す斜視図。
図2】切断器具の正面模式図。
図3】切断器具の載置部の平面模式図。
図4】切断器具の載置部の平面模式図。
図5A】切断部の載置部に備えられた突出部材を説明する断面図。
図5B】切断部の載置部に備えられた突出部材を説明する断面図。
図6】切断器具の平面模式図。
図7】切断器具の正面模式図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の説明では、図中に示した矢印U、矢印D、矢印L、矢印R、矢印F及び矢印Bで示した方向を、それぞれ上方向、下方向、左方向、右方向、前方向及び後方向と定義して説明を行う。また説明の便宜上、図面における各部材の形状、配置、寸法等を適宜誇張して示している。
【0010】
<全体の構成>
本発明の第1実施形態に係る切断器具の実施形態について、図面に基づいて説明する。本実施形態で使用する樹脂材料Tは、樹脂成形に使用される樹脂(例えば、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂)の粉末を例えば打錠により固化して円柱状に形成したものであり、タブレット樹脂、ミニタブレット等と呼ばれることがある。
【0011】
図1は、第1実施形態に係る切断器具1を示す斜視図である。切断器具1において、載置部2に、柱状の樹脂材料Tの第1部分が載置される。載置部2に載置されている樹脂材料Tの第1部分は、押さえ部材3によって押さえられ、載置部2から出ている樹脂材料Tの第2部分は、切断部材4によって切断される。
【0012】
載置部2は、略平板状の基部5の上に固定されている。基部5の下面の四隅には、4つの脚部7が固定されている。載置部2は、直方体ブロックの一部を一辺に沿って切り欠いた形状の載置部材21を2つ含み、2つの載置部材21は、切り欠いた部分が正面視で略V字状の空間Sを形成するように基部5の上に取り付けられている。柱状の樹脂材料Tは、この空間Sに樹脂材料Tの側面の一部(第1部分)が配置され、樹脂材料Tの一部(第2部分)が載置部材21から前方向に飛び出た状態で載置される。
【0013】
押さえ部材3は、2つの載置部材21の上端の間を閉鎖する、すなわち2つの載置部材21の切り欠かれた部分が形成する空間Sの上方を閉鎖する、直方体ブロック状の蓋部31を含む。蓋部31には、平板状の押さえ部32が蓋部31に対して上下動可能に取り付けられている。この押さえ部32を上下動させ、載置部材21の空間Sに載置された樹脂材料Tの第1部分の側面に接触させることによって、樹脂材料Tを載置部2に固定して保持することができる。樹脂材料Tを載置部2に固定して保持した状態で、切断部材4によって樹脂材料Tの第2部分を切断することができる。
【0014】
切断部材4は、角柱状で、一方の端部が回転軸43を介して、1つの載置部材21(本実施形態では、右側の第1の載置部材21)の前面である端面213に取り付けられている。切断部材4の、端面213と対向する対向面側(後側)に刃部42が設けられている。回転軸43は前後方向に延びている。切断部材4は、回転軸43を中心に載置部材21の端面213に沿って回転移動することができる。切断部材4が載置部材21の端面213に沿って回転移動すると(本実施形態では、前側からみて反時計回りに回転する)、切断部材41の刃部42が、載置部材21から出ている樹脂材料Tの第2部分を切断する。
【0015】
基部5の下方には、一面が開口した箱体である収容部6が配置される。切断部材4によって切断された樹脂材料Tの第2部分は、この収容部6の開口から収容部6内に落下して収容される。
【0016】
載置部材21(本実施形態では、右側の第1の載置部材21)の端面213から突出部材24が前側に突出する。突出部材24は、載置部材21の端面213に垂直な方向に移動可能である。突出部材24が突出している場合、切断部材4は突出部材24に当たり回転移動が止まる。
【0017】
以下、図1図7を参照して、各部位について詳細に説明する。図1は、切断部材4の回転移動が突出部材24で止まっている状態を示す。図2では、収容部6の図示は省略しており、樹脂材料Tを二点鎖線で示し、刃部の軌跡Kを点線で示している。図3図4では、押さえ部材3を取り外した状態を示す。図4では、切断部材4の図示を省略しており、載置部2に載置される樹脂材料Tを点線で示している。図7では、収容部6の図示は省略している。
【0018】
<載置部>
載置部2は、2つの載置部材21を含み、各載置部材21は、直方体ブロックの一部を一辺に沿って切り欠いた形状を有している。図1図3に示すように、2つの載置部材21は、基部5の上に固定されており、左右方向の中央部に一定の間隔dを空けて対向して配置される。なお、説明を容易にするために、本実施形態において(例えば、図2図3参照)、右側の載置部材21を第1の載置部材21といい、左側の載置部材21を第2の載置部材21ということがある。2つの載置部材21は、その切り欠いた部分が、正面視でV字状の空間Sを形成するように配置されている。
【0019】
前述のように2つの載置部材21の互いに対向する面は、基部5の上面から垂直方向に立ち上がる垂直面211と、垂直面211から斜め上方に向かって互いに離れるように立ち上がる傾斜面212とを有する。すなわち、右側の第1の載置部材21の傾斜面212は右斜め上に向かって傾斜し、左側の第2の載置部材21の傾斜面212は左斜め上に向かって傾斜し、2つの傾斜面212は、上方に向かって互いに離れるように傾斜する。
【0020】
2つの対向する垂直面211は前後方向に延びる溝部22を形成している。溝部22は、前後で開放されている。2つの対向する傾斜面212は、それぞれの溝部22の縁から斜め上方向に立ち上がり、2つの傾斜面212の間の左右方向の距離は、溝部22から離れる程、すなわち上方に行く程、長い。傾斜面212の上端から上面215が延びており、上面215は平らである。
【0021】
載置部材21の両端面、すなわち、前後方向の端面213,214は上面215に対して垂直であり、載置部材21の前後方向の長さは、基部5の前後方向の長さより短い。右側の第1の載置部材21の右端から左側の第2の載置部材21の左端までの距離(載置部2の左右方向の長さ)は基部5の左右方向の長さと等しい。樹脂材料Tの第1部分が、対向する2つの傾斜面212が形成する空間Sに配置され、樹脂材料Tの第2部分が、載置部材21(載置部2)の前の端面(前面)213から突出して配置される(図4参照)。樹脂材料Tは、その側面の一部が、左右の載置部材21の傾斜面212それぞれに接触した状態で載置部2に載置される(図2参照)。
【0022】
図5A図5Bは、切断器具1の載置部2に備えられた突出部材24を説明する断面図である。載置部材21の前の端面213に、突出部材24(の先端24c)を収容する収容孔23が形成されている。収容孔23は、前の端面213から後方向に延び、後ろの端面214まで達することなく、途中で上方向に延び、載置部材21の上面215につながっている。収容孔23は、切断部材4の回転軸43が取り付けられている右側の第1の載置部材21に形成されている。突出部材24は、棒状であり、前後方向に延びている。突出部材24は、収容孔23に収容されている。
【0023】
突出部材24は、後端に、上方及び後方に向かって傾斜する傾斜部24aを有する。突出部材24の後ろの端面24bと収容孔23の後ろ側の壁との間には、前後方向に伸縮するバネ25が配置されている。バネ25は突出部材24に対して前向きの力を加えており、バネ25が伸びている状態では(図5A参照)、突出部材24の先端24cは、載置部材21の前の端面213から突出している。後述のように傾斜部24aに上方から力が加わりバネ25に後向きの力が働くと、突出部材24の先端24cは収容孔23内に収容されるとともにバネ25が収縮する(図5B参照)。バネ25に働く後ろ向きの力が無くなると、バネ25が伸び、突出部材24の先端24cは、載置部材21の前の端面213から突出する。このように、突出部材24は、載置部材21の前の端面213に垂直な前後方向に移動可能である。
【0024】
前述のように前後方向に延びる溝部22の両端は開放されている。溝部22には棒状のスライド部材26が配置される。スライド部材26の左右方向の長さは距離dより小さい(図2参照)。スライド部材26は、基部5の上を、溝部22に沿ってスライド可能である(図3参照)。スライド部材26の上下方向の長さは、溝部22の深さより大きく、かつ、載置部材21の上下方向の長さより小さい。スライド部材26の前後方向の長さは、後述のように、載置部材21に配置した樹脂材料Tの後ろの底面にスライド部材26の前の端面26aを接触させて配置したとき、スライド部材26の後ろの端面26bが基部5上の基準線54より後方に配置される長さ以上であれば、特に限定されない。例えば、スライド部材26の前後方向の長さは、溝部22の前後方向の長さ以上である。樹脂材料Tは、その後側の面(底面)をスライド部材26の前の端面26aに接触させて配置される(図4参照)。
【0025】
スライド部材26の側面には、後ろの端面26bの位置をゼロとして目盛りが付されている。後述のように、基部5上の基準線54が位置するスライド部材26の目盛りを確認することによって、スライド部材26の後端26bから基準線54までの距離L1を知ることができる。
【0026】
基部5の溝部22の底面には、溝部22に沿うスリット孔が形成されている。スライド部材26の下面には、ネジ孔が形成されている。スリット孔に対してネジ軸が挿入可能でネジ頭が通過できないサイズのネジを用いて、スライド部材26は基部5に連結されている。すなわち、ネジのネジ軸がスリット孔の下方から挿入されて、スライド部材26の下面のネジ孔に螺合されている。ネジのネジ頭が基部5に接触するようにネジをスライド部材26に締結することにより、スライド部材26は基部5に固定される。ネジ頭が基部5に接触しない程度にネジをゆるめれば、スライド部材26は溝部22に沿ってスライド可能となる。
【0027】
<押さえ部材>
前述のように、押さえ部材3は、平板状の蓋部31を含み、この蓋部31に押さえ部32が上下移動可能に取り付けられている。蓋部31は、2つの載置部材21の上面215の上に配置される。蓋部31は、平面視で、2つの載置部材21の上面215全体と空間Sとを覆う大きさを有している。蓋部31は、2つの傾斜面212の上方に配置され、空間Sの上方を閉鎖する。
【0028】
押さえ部32は、空間S内に配置できる大きさの平板状部材である。押さえ部32には、上下方向に延びるネジ軸33が固定されている。蓋部31には、上下方向に延びるネジ孔34が形成されている。押さえ部32は、ネジ軸33がネジ孔34と螺合することによって蓋部31に取り付けられている。ネジ軸33の頭には工具穴が形成されており、工具穴に工具を差し込み、差し込んだ工具を回すことによってネジ軸33を上下に移動させることができる。これにより、押さえ部32が上下に移動する。
【0029】
押さえ部材3は、右側の第1の載置部材21の上面215に形成された収容孔23に対応する部分に、上下方向に貫通する貫通孔35を有する。貫通孔35には棒状の押込み部36が挿入されている(図5A参照)。貫通孔35は、下方に配置され径が小さい第1部分35aと、上方に配置され径が大きい第2部分35bとから成る。押込み部36は、径が第1部分35aの径より小さい下方の第1部分36aと、径が第1部分35aの径より大きい上方の第2部分36bとを有する。第1部分36aの下端は先細りした尖端部分36cであり、尖端部分36cの傾斜面は、突出部材24の傾斜部24aに接触することができるように配置されている。
【0030】
押込み部36の第1部分36aは、上下方向に伸縮するバネ37の内部に配置されている。バネ37は、貫通孔35の第2部分35bの下端面と押込み部36の第2部分36bの下端面との間で伸縮可能である。図5Bに示すように、押込み部36が押圧され、第1部分36aが貫通孔35に押し込まれると、押込み部36の尖端部分36cは、突出部材24の傾斜部24aに接触し突出部材24に後ろ向きの力を加える。その力によって、突出部材24が後方に移動し、バネ25を収縮させる。その結果、突出部材24の先端24cは右側の第1の載置部材21の端面213より後方に移動し、突出部材24は全体が右側の第1の載置部材21内に収容される。
【0031】
押さえ部材3は、上面に取っ手38を有している。ユーザは、取っ手38を持って押さえ部材3を載置部2の上に載せたり、載置部2の上から取り外したりすることができる。さらに、図6の切断器具1の平面模式図に示すように、本実施形態では、押さえ部32、ネジ軸33、及びネジ孔34は、平面視で押さえ部材3の中心Oと点対称の位置に2箇所備えられている。また、貫通孔35、押込み部36、及びバネ37は、平面視で押さえ部材3の中心Oと点対称の位置に2箇所備えられている。このような構成によって、押さえ部材3の左右方向、前後方向を考慮することなく押さえ部材3を載置部2の上に配置することが可能である。
【0032】
<切断部材>
前述のように、切断部材4は、角柱状のアーム41を含み、アーム41には、樹脂材料Tを切断する刃部42が備えられている。アーム41の一方の端部には、回転軸43があり、他方の端部には、把持部44が取り付けられている。ユーザは、把持部44を持って切断部材4を、回転軸43を中心に回転移動させることができる。
【0033】
アーム41の長さ(図7において、アーム41の左右方向の長さ)は載置部2及び基部5の左右方向の長さと略等しい。刃部42は、アーム41の、載置部2の端面213と対向する対向面41a(図3等において、アーム41の後ろ側の面)側に、固定具(例えば、ボルト)45によって固定されており(図2参照)、刃部42が摩耗した際は、刃部42は交換可能である。
【0034】
刃部42は、アーム41が延びる方向の中央に設けられた凹部41bに刃先42aが配置されるように取り付けられている。刃先42aは、直線状又は略直線状であり、回転軸43から遠いほど、凹部41bの上端から下方に突出して長くなるように傾斜して取り付けられている。すなわち、図7に示すように、アーム41を水平に配置したとき、刃部42aは、回転軸43から離れる側(図7において左側)がより下方に配置されるように、アームが延びる水平方向(図7では左右方向)に対して傾斜して取り付けられている。刃先42aの傾斜の割合は、切断により大きな力が必要となる最も大きな径の樹脂材料Tに刃部42の刃先42aが接触する時に、刃部42の刃先42aが鉛直方向と直交し、力が鉛直方向にかかるように設定することが望ましい。
【0035】
刃部42は、前面から見て反時計周りに回転すると、その刃先42aが載置部2の端面213の近傍を通過する(すなわち、端面213の際(きわ)を通過する)ように取り付けられている。図2に示すように、アーム41を回転移動させたときの刃部42の刃先42aの軌跡Kには、載置部2の溝部22及びその上方の空間Sが含まれ、載置部2に配置された樹脂材料Tの第1部分と第2部分の境界部分を刃先42aが通過する。
【0036】
図5A図5Bに示すように、アーム41の後ろの対向面41a(アームの後ろ側の面)側には、前方向に凹んだ凹部46が形成されている。この凹部46は、アーム41が下ろされ、基部5上に接触して配置されたとき、貫通孔23と連絡し、凹部46は突出部材24の先端24cを収容することができる(図5A)。凹部46と貫通孔23が連絡した状態で突出部材24の先端24cが右側の第1の載置部材21の端面213から突出すると凹部46に収容される。その結果、アーム41は基台5に接触した位置で動かないようにロックされ、刃部42による怪我などのおそれを防止することができる。
【0037】
<基部>
基部5は、板状で、その前後が下方に突出して、側面視でコの字状となっている(図1参照)。基部5の上面51に、前後方向の略中央に載置部2が固定され、基部5の上面51の前方は、下ろされたアーム41が載置されるようになっている。基部5の上面51の前方には、左右方向の中央に、上下方向に開放された切欠き部53が形成されており、アーム41が下ろされたとき、この切欠き部53にアーム41の刃部42が位置するように構成されている(図7参照)。
【0038】
図3に示すように、基部5の上面51の後方には、基準線54が付されおり、基準線54は、切断する樹脂材料Tの長さを決定する際の基準として用いられる。基準線54は、棒状のスライド部材26の前端面26aが載置部2の前の端面213と面一となるようにスライド部材26を配置したとき、スライド部材26の後端面26bが配置される位置に付されている。載置部2に樹脂材料Tの側面を配置し、その配置した樹脂材料Tの後ろの底面に、スライド部材26の前端面26aを接触させたとき、スライド部材26の前端面26aから載置部2の端面213までの距離L2は、基準線54からスライド部材26の後端面26bまでの距離L1と等しい(図4において、L1=L2)。なお、本実施形態では、スライド部材26の前後方向の長さが溝部22の前後方向の長さより長く設定されているが、基準線54は、載置部2の載置部材21の後ろの端面214と重なってもよく、この場合、スライド部材26の前後方向の長さは溝部22の前後方向の長さと等しい。また、載置部2の載置部材21の後ろの端面214に基準線54が設定される場合、載置部2の載置部材21の後ろの端面214の位置を基準線54の代わりとして用いることができる。
【0039】
基部51の下面には、前後方向に延びる一対のレール55が備えられている。このレール55の上面には、後述の収容部6のフランジ部64が配置され、収容部6を前後方向にスライド(摺動)させることができる。
【0040】
基部5の前側の下方に折り曲げられた前面52には磁石56が取り付けられている。収容部6は強磁性を示す金属製であるため、収容部6の壁部61は磁石56とくっ付いて固定される。
【0041】
基部5には、持ち運びのための取っ手57が固定されている。本実施形態では、取っ手57は、切断器具1の右側の端部に設けられているが、この位置に限定されることはなく、持ち運びが容易にできる位置に設けられていれば問題ない。
【0042】
基部5の下面の四隅には、4つの脚部7が固定されている。脚部7の末端は、切断器具1の移動を妨げ、また切断時の衝撃を吸収するようにゴム素材となっていることが好ましい。脚部7の末端をゴム素材にすることよって、使用時に切断器具1全体が移動することが防止され、樹脂材料Tを安定して切断することができる。
【0043】
<収容部>
前述のように、収容部6は、上面が開口した、中空の直方体状の箱体であり、切断部材4によって切断された樹脂材料Tの第2部分を収容する。前壁61は、開口から上方に突出しており、載置部2の載置部材21の前の端面213と対向して配置される。前壁61の左辺部から後側に左壁62が突出しており、前壁61の右辺部から後側に右壁63が突出している。左壁62、右壁63の上辺部から、それぞれ、左側、右側に板状のフランジ部64が突出している。これらのフランジ部64を基部5の一対のレール55上に載せてスライドさせることによって、収容部6を基部5の下側に移動させることができる。
【0044】
収容部6が基部5の下側に位置している場合、収容部6の前壁61の上端は、溝部22の上端よりも高い位置にある。この構成では、樹脂材料Tを切断した時に、樹脂材料Tの第2部分が前方に飛んだとしても、樹脂材料Tの第2部分は前壁61に当たり収容部6内に落下するため、樹脂材料Tの第2部分を確実に収容することができる。なお、収容部6の前壁61の上端の高さは基部5の上端の高さ以下であってもよい。
【0045】
前壁61には取っ手65が備えられ、ユーザは取っ手65を持って収容部6を前後方向に移動させることができる。収容部6内の下側に、上面が前方から後方にむけて下方に傾斜する傾斜部が構成されていてもよい。この傾斜面によって、収容部6内の樹脂材料Tを後側に移動させ、収容部6内に樹脂材料Tを偏りなく収容することが可能となる。
【0046】
以下、切断器具1によって、長さがLからLxとなるように樹脂材料Tを切断する手順を述べる。
<切断手順>
切断器具1において、アーム41は図7のように基台5に載置されロックされた状態で、収容部6は基台5の下側に配置されている。まず、ユーザは、押さえ部材3の押込み部36を下方に押圧する。押圧された押込み部36によってバネ37が収縮し、押込み部36は、その尖端部分36cを突出部材24の傾斜部24aに接触させつつ下方に下がる。これにより、突出部材24が後方に移動し、バネ25が収縮する。その結果、突出部材24の先端24cは載置部材21内に収容され、アーム41のロックが解除される。
【0047】
この状態で、ユーザは、把持部44を持って、アーム41を、前方から見て反時計周りに回転させる。アーム41を、載置部材21の収容孔23の上方まで移動させた後、押込み部36を押圧することを止める。押込み部36のバネ37が伸長し、押込み部36は上方に移動する。突出部材24を後方に移動させていた力が解除される結果、バネ25が伸長し、突出部材24は前方へ移動し、突出部材24の先端24cが載置部材21の端面213から突出する。この状態で、アーム41を下げるように反時計回りに移動させて、アーム41を端面213から突出した突出部材24の先端24cで止め、ロックする。これによって、アーム41が勝手に反時計回りに移動することを防止でき、アー41の下降や刃部42による怪我を防ぐことができる。
【0048】
次に、ユーザは、取っ手38を用いて、押さえ部材3を載置部2上から取り外す。その後、溝部22に配置したスライド部材26を溝部22に沿って前後方向に動かして、スライド部材26の後端面26bから基準線54までの距離L1を長さLxにし、スライド部材26のネジ軸を上昇させ、スライド部材26を基部5に固定する。なお、スライド部材26の移動及び固定は、切断手順の最初に行っても構わない。このスライド部材26の前端面26aに、樹脂材料Tの後側の面(底面)を接触させ、2つの載置部材21の傾斜面212上に、樹脂材料Tの側面を接触させて、樹脂材料Tを載置部2上に載置する。これにより、樹脂材料Tは、載置部材21の前の端面213から突出している状態で配置される。突出した長さは、L-Lxで表される。
【0049】
その後、ユーザは、取っ手38を持って、押さえ部材3を載置部2上に置く。ユーザは、工具を使ってネジ軸33を回して、押さえ部32を上下方向に移動し、押さえ部32の底面で樹脂材料Tの側面の上端部分を押さえるように押さえ部32の高さを調整する。これによって、樹脂材料Tは、2つの傾斜面212と押さえ部32とによって固定され、堅固に保持される。
【0050】
樹脂材料Tを2つの傾斜面212と押さえ部32とによって固定した後、ユーザは、把持部44を持って、アーム41を少し上方に向けて時計回りに回転させてから、押さえ部材3の押込み部36を下方に押圧する。これによって、前述と同じように、突出部材24の先端24cは載置部材21内に収容され、アーム41の左回転移動のロックが解除される。
【0051】
ユーザは、押さえ部材3の押込み部36を下方に押圧したままの状態で、把持部44を使ってアーム41を上方から下方に反時計回りに回転させ、アーム41を基台5に接触するまで振り下ろす。このとき、押さえ部材3全体を上方から下方に押圧して、押さえ部32が移動しないように固定しておくことが望ましい。このようにアーム41が回転移動すると、刃部42は、載置部2の端面213の際(きわ)を通過し、その結果、樹脂材料Tの、載置部2の端面213から出ている部分(第2部分)が刃部42によって切断される。
【0052】
切断された樹脂材料T(樹脂材料Tの第2部分)は、載置部2の下方に備えられた収容部6に収容される。収容部6の前壁61は切断された樹脂材料Tを収容する開口より上方に突出しているため、切断時に樹脂材料Tの第2部分が前方向に飛んだ場合でも樹脂材料Tの第2部分は前壁61に当たり収容部6内に落下するため、樹脂材料Tの第2部分を確実に収容部6内に収容することができる。また、切断時に出た切断屑も、切断位置である基台5の下方に配置されている収容部6内に収容される。
【0053】
ユーザは、アーム41が基台5に接触するまでアーム41を反時計回りに回転させた後、押さえ部材3の押込み部36を押圧することを止める。これによって、押込み部36が上方に移動し、突出部材24が前方向に移動し、突出部材24の先端24aが載置部材21の前の端面213から突出し、アーム41に形成された凹部46に収容される。これにより、アーム41が基部5に接触した状態でロックされ、アーム41が勝手に移動して怪我するおそれ等を防止することができる。
【0054】
その後、ユーザは、取っ手38を持って押さえ部材3を載置部2上から取り外し、載置部2上に残っている樹脂材料T(樹脂材料Tの第1部分)を回収する。この樹脂材料Tの長さは、Lxである。
【0055】
本実施形態の切断器具1によれば、載置部2に配置されている樹脂材料Tを、押さえ部材3で押さえて固定するため、樹脂材料Tを堅固に保持して樹脂材料Tを切断することができる。
【0056】
以下、上述した実施形態の別実施形態について説明する。なお、上述した実施形態と同様の部材については、理解を容易にするため、同一の用語、符号を用いて説明する。
【0057】
<1>上述した実施形態においては、樹脂材料Tは円柱形であるが、柱状であればよく、多角柱であってもよい。
【0058】
<2>上述した実施形態においては、載置部2に載置される樹脂材料Tの第1部分の長さを所望の長さLxとなるように樹脂材料Tを配置したが、載置部2から出ている樹脂材料Tの第2部分が所望の長さLxとなるように樹脂材料Tを配置してもよい。この場合、溝部22に配置したスライド部材26の後端面26bから基準線54までの距離L1が(L-Lx)となるようにスライド部材26、樹脂材料Tを配置すればよい。
【0059】
<3>上述した実施形態においては、押さえ部材3では、押さえ部32が、蓋部31に対してネジ軸33を介して上下移動可能に取り付けられている。しかし、押さえ部材3は、載置部2に載置された樹脂材料Tを上方から押さえつけることができる構成であればよく、押さえ部材3はネジ軸33を用いた構成に限定されない。例えば、蓋部31に、押さえ部32を、バネを介して垂下する構成とすることもできる。
【0060】
<4>上述した実施形態においては、切断部材4に力を加えて回転移動させている。切断部材4が十分に重い場合、切断部材4の自重及びその自重による自由落下によって樹脂材料Tを切断することができる。言い換えれば、ユーザの手動による切断部材4の回転ではなく、切断部材4自体の自重を利用した切断部材4の回転による切断を可能にするには、切断部材4の重量を考慮して設計すればよい。
【0061】
<5>上述した実施形態においては、刃部42の刃先42aは直線状又は略直線状であり、回転軸43から遠いほど、凹部41bの上端から下方に突出して長くなるように傾斜して取り付けられていた。しかし、刃部42の刃先42aは、切断対象である樹脂材料Tにおいて、できる限り鉛直方向と直交し、力が鉛直方向にかかるように構成されていれば問題なく、直線状の形状に限定されることはない。例えば、切断対象である樹脂材料Tの側面形状に合わせて湾曲していてもよい。例えば、樹脂材料Tが円柱状である場合、刃部42の刃先42aは、刃部42の刃先42aを下方に向けて切断部材4を水平に配置したとき、上方に凹んで湾曲していることが好ましい。様々な大きさの径の樹脂材料Tにおいて、刃部42の刃先42aが鉛直方向と直交し、力が鉛直方向にかかるように、刃部42の刃先42aの湾曲形状及び/又は傾斜させる角度を設定することが好ましい。
【0062】
<6>上述した実施形態においては、スライド部材26は、基部5の上面をスライド移動する。スライド部材26をより安定して円滑に配置しスライド移動させるために、基部5に、前後方向に延びる下方に凹んだ凹部を設けてもよい。
【0063】
<7>上述した実施形態においては、スライド部材26に目盛りが付されている。しかし、目盛りは、載置部2に配置された樹脂材料Tの、基準線54から後方に突出する部分の距離L1が判明すればどこに付されていてもよく、例えば、基台5に目盛りが付されていてもよい。
【0064】
<8>上述した実施形態においては、基準線54は、棒状のスライド部材26の前端面26aが載置部2の前の端面213と面一となるようにスライド部材26を配置したとき、スライド部材26の後端面26bが配置される位置に付されており、スライド部材26の側面には、後端26bをゼロとして目盛りが付されている。しかし、基準線54の位置及び目盛りは、上記の実施形態に限定される必要はなく、スライド部材26の前端面26aから載置部2の端面213までの距離L2が、基準線54からスライド部材26の後端面26bまでの距離L1と等しく、かつ、距離L1が分かれればよい。例えば、基準線54は、スライド部材26の前端面26aが載置部2の前の端面213より5mm後方にあるときのスライド部材26の後端面26bが配置される位置に付されており、スライド部材26の目盛りは、後端26bを5mmとして付されていてもよい。
【0065】
<9>上述した実施形態においては、突出部材24、押込み部36は略円柱状であるが、棒状あればよく、例えば、角柱状あってもよい。上述した実施形態においては、突出部材24、押込み部36が挿入される収容孔23、貫通孔35は、平面視で円形であるが、突出部材24、押込み部36が挿入される形状であれば特に限定されない。
【0066】
本発明は、以上の実施形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【0067】
<付記>
本開示の第1側面の切断器具1は、
柱状の樹脂材料Tを切断するための切断器具1であって、
前記樹脂材料Tの第1部分が載置される載置部2と、
前記載置部2に載置されている前記樹脂材料Tの前記第1部分の少なくとも一部を押さえる押さえ部材3と、
前記載置部2から出ている前記樹脂材料Tの第2部分を切断する切断部材4と
を備える。
本開示の第1側面の切断器具1によれば、樹脂材料Tを、押さえ部材3で押さえて固定するため、樹脂材料Tを堅固に保持して樹脂材料Tを切断することができる。
【0068】
第1側面に従う第2側面の切断器具1において、
前記載置部2は、溝部22と、前記溝部22の2つの縁から上方に向かって互いに離れるように傾斜している2つの傾斜面212とを有する。
本開示の第2側面の切断器具1によれば、樹脂材料Tを2つの傾斜面212と押さえ部材3とで固定するため、樹脂材料Tを堅固に保持して樹脂材料Tを切断することができる。
【0069】
第2側面に従う第3側面の切断器具1において、
前記押さえ部材3は、
前記2つの傾斜面212の上端の間を閉鎖する蓋部31と、
前記2つの傾斜面に接触して載置されている前記樹脂材料Tの前記第1部分の少なくとも一部を押さえる押さえ部32とを有する。
第2側面に従う第3側面の切断器具1によれば、押さえ部材3によって2つの傾斜面212の上端の間を閉鎖し、かつ、押さえ部32によって樹脂材料Tを固定するため、安定して樹脂材料Tを載置部2に保持することができる。
【0070】
第3側面に従う第4側面の切断器具1において、
前記押さえ部32は、前記蓋部31に向かって突出するネジ軸33を有し、
前記蓋部31は、前記ネジ軸33が螺合するネジ孔34を有する。
第3側面に従う第4側面の切断器具1によれば、押さえ部32は、ネジ軸33を蓋部31のネジ孔34に螺合させて上下に移動させることが可能である。その結果、様々な径を有する柱状の樹脂材料Tについて、押さえ部32で堅固に固定して保持することができる。
【0071】
第2側面から第4側面のいずれかに従う第5側面の切断器具1において、
前記溝部22が延びる方向に沿ってスライド可能なスライド部材26を備え、
前記スライド部材26は前記樹脂材料Tの第1部分と接触させて配置される。
第2側面から第4側面のいずれかに従う第5側面の切断器具1によれば、さらに樹脂材料Tの底面の一つを固定することができ、樹脂材料Tをより堅固に固定して保持することができる。
【0072】
第1側面から第5側面のいずれかに従う第6側面の切断器具1において、
前記切断部材4は、柱状であり、一方の端部が回転軸43を介して前記載置部2の端面213に取り付けられており、前記回転軸43を中心に前記端面213に沿って回転可能であり、
前記切断部材4の、前記端面213と対向する対向面41a側に刃部42が設けられている。
第1側面から第5側面のいずれかに従う第6側面の切断器具1によれば、刃部42は、載置部2の端面213の際(きわ)を通過するため、樹脂材料Tの第1部分と第2部分の境界部分を切断し、載置部2から出ている樹脂材料Tの第2部分全体を切り落とすことができる。
【0073】
第6側面に従う第7側面の切断器具1において、
前記刃部42の刃先42aを下方に向けて前記切断部材4を水平に配置したとき、前記刃部42の前記刃先42aが、前記回転軸43から離れる程より下方に配置されるように水平方向に対して傾斜している、又は上方に凹んで湾曲している。
第6側面に従う第7側面の切断器具1によれば、刃先42aの傾斜の割合は、切断により大きな力が必要となる最も大きな径の樹脂材料Tに刃部42の刃先42aが接触する時に、刃部42の刃先42aが鉛直方向と直交し、力が鉛直方向にかかるように設定できる。このように設定することで、アーム41の自重がかかる方向(鉛直方向)と、樹脂材料Tの切断が開始されるときの力の方向のずれをより小さくすることができ、樹脂材料Tをより効率的に切断することが可能となる。
【0074】
第6側面又は第7側面に従う第8側面の切断器具1において、
前記載置部2の前記端面213から突出し、前記端面213に垂直な方向に移動可能である突出部材24を備える。
第6側面又は第7側面に従う第8側面の切断器具1によれば、突出部材24の、端面213から突出する部分に、上方から切断部材4を固定して切断部材4が回転移動しないようにロックすることができる。その結果、勝手に切断部材4が回転移動することがなくなり、切断器具1を安全に利用することが可能となる。
【0075】
第8側面に従う第9側面の切断器具1において、
前記切断部材4は、前記対向面41aに、前記突出部材24の、前記端面213から突出した部分を収容する凹部46を有する。
第8側面に従う第9側面の切断器具1によれば、切断部材4を載置部2にロックして移動させるができなくすることができる。その結果、勝手に切断部材4が移動することがなくなり、切断器具1を安全に利用することが可能となる。
【0076】
第1側面から第9側面のいずれかに従う第10側面の切断器具1において、
一面が開口した箱体6を備え、
前記切断部材4によって切断された前記樹脂材料Tの前記第2部分が前記開口から前記箱体6内に落下する。
第1側面から第9側面のいずれかに従う第10側面の切断器具1によれば、切断された樹脂材料Tを箱体6内に回収することができる。
【0077】
第10側面に従う第11側面の切断器具1において、
前記箱体6の1つの側壁61は前記開口から上方に突出しており、前記傾斜面212の前記端面213と対向する。
第10側面に従う第11側面の切断器具1によれば、箱体6の側壁61は、切断された樹脂材料Tを収容する開口より上方に突出しているため、切断された樹脂材料Tが落下した勢いで飛び跳ねた場合でも確実に箱体6内に収容することができる。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、柱状の樹脂材料の切断に利用可能である。
【符号の説明】
【0079】
1 切断器具
2 載置部
212 傾斜面
213 端面
22 溝部
24 突出部材
26 スライド部材
3 押さえ部材
31 蓋部
32 押さえ部
33 ネジ軸
34 ネジ孔
4 切断部材
41a 対向面
42 刃部
42a 刃先
46 凹部
6 収容部(箱体)
T 樹脂材料

図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-02-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱状の樹脂材料を切断するための切断器具であって、
前記樹脂材料の第1部分が載置される載置部と、
前記載置部に載置されている前記樹脂材料の前記第1部分の少なくとも一部を押さえる押さえ部材と、
前記載置部から出ている前記樹脂材料の第2部分を切断する切断部材と
を備える切断器具。
【請求項2】
前記載置部は、溝部と、前記溝部の2つの縁から上方に向かって互いに離れるように傾斜している2つの傾斜面とを有する
請求項1に記載の切断器具。
【請求項3】
前記押さえ部材は、
前記2つの傾斜面の上端の間を閉鎖する蓋部と、
前記2つの傾斜面に接触して載置されている前記樹脂材料の前記第1部分の少なくとも一部を押さえる押さえ部と
を有する請求項2に記載の切断器具。
【請求項4】
前記押さえ部は、前記蓋部に向かって突出するネジ軸を有し、
前記蓋部は、前記ネジ軸が螺合するネジ孔を有する請求項3に記載の切断器具。
【請求項5】
前記溝部が延びる方向に沿ってスライド可能なスライド部材を備え、
前記スライド部材は前記樹脂材料の第1部分と接触させて配置される
請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の切断器具。
【請求項6】
前記切断部材は、柱状であり、一方の端部が回転軸を介して前記載置部の端面に取り付けられており、前記回転軸を中心に前記端面に沿って回転可能であり、
前記切断部材の、前記端面と対向する対向面側に刃部が設けられている請求項1から請求項のいずれか1項に記載の切断器具。
【請求項7】
前記刃部の刃先を下方に向けて前記切断部材を水平に配置したとき、前記刃部の前記刃先が、前記回転軸から離れる程より下方に配置されるように水平方向に対して傾斜している、又は上方に凹んで湾曲している請求項6に記載の切断器具。
【請求項8】
前記載置部の前記端面から突出し、前記端面に垂直な方向に移動可能である突出部材を備える請求項6に記載の切断器具。
【請求項9】
前記切断部材は、前記対向面に、前記突出部材の、前記端面から突出した部分を収容する凹部を有する請求項8に記載の切断器具。
【請求項10】
一面が開口した箱体を備え、
前記切断部材によって切断された前記樹脂材料の前記第2部分が前記開口から前記箱体内に落下する、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の切断器具。