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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113433
(43)【公開日】2024-08-22
(54)【発明の名称】圧電デバイス
(51)【国際特許分類】
   H03H 9/10 20060101AFI20240815BHJP
【FI】
H03H9/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023018402
(22)【出願日】2023-02-09
(71)【出願人】
【識別番号】000232483
【氏名又は名称】日本電波工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】根本 光進
【テーマコード(参考)】
5J108
【Fターム(参考)】
5J108BB02
5J108CC04
5J108EE03
5J108EE07
5J108EE18
5J108GG03
5J108GG16
(57)【要約】
【課題】シリコーン系導電性接着剤を用いている圧電デバイスにおいて、シリコーン系導電性接着剤から放出されるシロキサンガスの影響を従来に比べ簡易に軽減できる新規な構造を有した圧電デバイスを提供する。
【解決手段】圧電デバイス10は、圧電振動片11と、圧電振動片11を収容する容器13と、これら圧電振動片及び容器を接続しているシリコーン系導電性接着剤15と、を備える。さらに、シリコーン系導電性接着剤の表面の一部又は全部を覆っていて、低分子シロキサン含有率がシリコーン系導電性接着剤に比べ少ない接着剤から成る被覆部17又は無機系接着剤から成る被覆部17を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電振動片と、この圧電振動片を収容する容器と、これら圧電振動片及び容器を接続しているシリコーン系導電性接着剤と、を備える圧電デバイスにおいて、
前記シリコーン系導電性接着剤の表面の一部又は全部を覆っていて、低分子シロキサン含有率が前記シリコーン系導電性接着剤に比べ少ない接着剤から成る被覆部又は無機系接着剤から成る被覆部を備えたことを特徴とする圧電デバイス。
【請求項2】
前記被覆部は、前記シリコーン系導電性接着剤の、前記圧電振動片の側面にはみ出している部分の表面を被覆しているものであること、を特徴とする請求項1に記載に圧電デバイス。
【請求項3】
前記被覆部は、前記シリコーン系導電性接着剤の、前記圧電振動片の側面にはみ出している部分の表面を被覆し、かつ、前記圧電振動片の上塗布補強部も兼ねるものであること、を特徴とする請求項1に記載に圧電デバイス。
【請求項4】
前記圧電振動片は、当該圧電振動片の1つの辺の両端の合計2箇所で、前記容器に前記シリコーン系導電性接着剤によって接続してあり、かつ、前記被覆部は、前記2か所に渡る1つの被覆部であること、を特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の圧電デバイス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水晶等を用いた圧電振動片をシリコーン系導電性接着剤によって容器に接続固定している構造の、圧電デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
圧電デバイスの代表的なものとして水晶振動子や水晶発振器がある。この種の圧電デバイスでは、圧電振動片を容器に接続固定するため、シリコーン系導電性接着剤が多用される。シリコーン系導電性接着剤が、所望の接着強度を示すと共に柔軟性をも有するため、圧電振動片を容器に、所定通りに、かつ、圧電振動片に対する応力を軽減した状態で、接続固定できるからである。しかし、一方では、シリコーン系導電性接着剤から経時的に放出されるシロキサンガスが圧電振動片に吸着して、圧電振動片の周波数エージング特性を悪化させる場合がある。
【0003】
これを解決するため、例えば特許文献1では、シリコーン系導電性接着剤に金属薄膜を被着させて、シロキサンガスを遮蔽している(特許文献1の例えば請求項1、図1等)。また、特許文献2では、圧電振動片の、支持部以外の可動領域に、フッ素樹脂膜を被着させ、シロキサンガスの影響を軽減している(特許文献2の例えば請求項1、図1等)。また、特許文献3では、励振用電極を、非結合電子対をもった物質との化学吸着によって形成された膜によって覆って、シロキサンガスの影響を軽減している(特許文献3の例えば請求項1、図1等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-343397
【特許文献2】特開2010-232806
【特許文献3】特開2011-254545
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、シリコーン系の導電性接着剤に金属薄膜を被着する特許文献1の技術の場合、金属薄膜を形成するスパッタ装置などの薄膜形成装置や、金属薄膜を所定領域に選択的に被着するためのマスクが必要であるという問題点がある。さらに、金属薄膜自体に、シロキサンガスを閉じ込め得る緻密さや適正な膜厚が要求されるため、金属薄膜の成膜条件が難しい等の問題点がある。
また、圧電振動片の、支持部以外の可動領域に、フッ素樹脂膜を被着させる特許文献2の技術の場合、フッ素樹脂膜を被着させることが大変であること、フッ素樹脂膜による質量負荷効果を考慮した圧電振動片の設計が必要なこと、フッ素樹脂膜による圧電デバイスの特性劣化が懸念されること等の問題点がある。
また、励振用電極を、非結合電子対をもった物質との化学吸着によって形成された膜によって覆う特許文献3の技術の場合、当該膜を励振用電極に付着させることが大変なこと、当該膜による質量負荷効果を考慮した圧電振動片の設計が必要なこと、当該膜による圧電デバイスの特性劣化が懸念されること等の問題点がある。
この出願は上記の点に鑑みなされたものであり、従って、この発明の目的は、シリコーン系導電性接着剤を用いている圧電デバイスにおいて、シリコーン系導電性接着剤から放出されるシロキサンガスの影響を従来に比べ簡易に軽減できる新規な構造を有した圧電デバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的の達成を図るため、この発明の圧電デバイスによれば、圧電振動片と、圧電振動片を収容する容器と、これら圧電振動片及び容器を接続しているシリコーン系導電性接着剤と、を備える圧電デバイスにおいて、
前記シリコーン系導電性接着剤の表面の一部又は全部を覆っていて、低分子シロキサン含有率が前記シリコーン系導電性接着剤に比べ少ない接着剤から成る被覆部、又は無機系接着剤から成る被覆部を備えたことを特徴とする。
【0007】
なお、この発明を実施するに当たり、被覆部が前記シリコーン系導電性接着剤の表面の一部又は全部を覆ってとは、例えば、以下のものであることが好ましい。
一般的な圧電デバイスでは、容器に設けた接着パッドにシリコーン系導電性接着剤を塗布し、ここに圧電振動片の引出電極の部分を押し付け、さらにシリコーン系導電性接着剤を硬化させて、圧電振動片を容器に電気的かつ機械的に接続固定する。上記押し付けの際に、シリコーン系導電性接着剤は、圧電振動片の側面に押し出される。場合によっては、圧電振動片の接着面とは反対面上に及んでいる場合もある。従って、被覆部は、シリコーン系導電性接着剤が圧電振動片の側面に押し出されている場合は、この押し出された部分の表面を覆うものが良く、シリコーン系導電性接着剤が圧電振動片の接着面とは反対面上にまで及んでいる場合は上記側面及び反対面に及んでいるシリコーン系導電性接着剤の表面を、覆うものであることが良い。
【0008】
また、圧電デバイスによっては、接着強度及び電気的接続各々の信頼性を高めるため、容器の接着パッドにシリコーン系導電性接着剤を塗布し、ここに圧電振動片の引出電極の部分を押し付け、さらにシリコーン系導電性接着剤を硬化させて、圧電振動片を容器に電気的かつ機械的に接続固定すると共に、圧電振動片の接着面とは反対面にシリコーン系導電性接着剤を別途に塗布する(いわゆる上塗布)を行うことがある。従って、このようなケースの場合は、被覆部は、少なくとも上塗布したシリコーン系導電性接着剤の表面を、覆うものであることが良い。または、上塗布自体を、シリコーン系導電性接着剤でなく、本発明の被覆部で代替しても良い。
また、この圧電デバイスの発明を実施するに当たり、場合によっては、低分子シロキサン含有率が少ない被覆膜と、無機系の被覆膜とを、例えば重ねて用いる等、併用しても良い。
【0009】
また、この発明を実施するに当たり、シリコーン系導電性接着剤は、圧電振動片の励振用電極と容器の接着パッドとの所定の電気的接続を確保できる導電率を有すると共に、ヤング率が数10~数100MPa程度の柔軟性に富むものが良い。これに限られないが、例えば藤倉化成(株)製のドータイト(商品名)であって、水晶デバイス用として多用されているものが好ましい。
また、この圧電デバイスの発明を実施するに当たり、低分子シロキサン含有率が前記シリコーン系導電性接着剤に比べ少ない接着剤又は無機系接着剤は、導電性のものでも、絶縁性のものでも良い。低分子シロキサン含有率が前記シリコーン系導電性接着剤に比べ少ない接着剤としては、例えば、太平化成(株)製高年度フッ素塗料HVF-1(商品名。白色、グレー色)、名古屋科学機器製シリコーン接着シール材TB1221H(商品名)を用いることが出来る。前者は、メーカ情報によれば、硬化後の引張強度が2.59MPaであるので、応力が比較的小さいものと考えられる。後者は、シラノール含有率がシリコーン系導電性接着剤に比べて少ないものだが、そもそもシリコーン系のものであるから、応力が比較的小さいものと考えられる。従って、これら材料は、圧電振動片に対する応力が比較的小さい被覆部を構成できるものとして好ましい。また、これら材料は、塗布して用いる場合、必要に応じ任意好適な溶媒、例えばメチルエチル、酢酸エチル等で希釈することによって、粘度調整できるものであるから、ディスペンサによる塗布も可能と考える。また、被覆部用の接着剤として、ポリイミド系の接着剤やエポキシ系の接着剤であっても良い。これらは、低分子シロキサンを含有していないので、好ましい。また、無機系接着剤としては、例えば、名古屋科学機器製アロンセラミック(商品名。種類E,D,C)を用いることが出来る。ここで、アロンセラミックにおけるタイプEは、主成分がジルコニアシリカのもの、タイプDは、主成分がアルミナのもの、タイプCは、主成分がシリカのものである。
【発明の効果】
【0010】
この発明の圧電デバイスによれば、経時的にシロキサンガスを放出し易いシリコーン系導電性接着剤の表面は、所定の被覆部で覆われるので、シリコーン系導電性接着剤から放出される虞があるシロキサンガスの量は、被覆部が無い場合に比べて軽減される。然も、被覆部は、所定の接着剤であるため、シリコーン系導電性接着剤を塗布し硬化させた後に、ディスペンサ等の簡易な塗布装置によって塗布し、適当な硬化炉で硬化することによって、形成できるので、従来に比べ、被覆膜の形成も容易に行える。
従って、シリコーン系導電性接着剤を用いている圧電デバイスにおいて、シリコーン系導電性接着剤から放出されるシロキサンガスの影響を従来に比べ簡易に軽減できる新規な構造を有した圧電デバイスを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態の圧電デバイス10を説明するための図である。
図2】実施形態の圧電デバイス10の製法例を説明するための工程図である。
図3】実施形態の圧電デバイス10の製法例を説明するための図2に続く工程図である。
図4】他の実施形態の圧電デバイス50を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照してこの圧電デバイスの発明の実施形態について説明する。なお、説明に用いる各図はこの発明を理解できる程度に概略的に示してあるにすぎない。また、説明に用いる各図において、同様な構成成分については同一の番号を付して示し、その説明を省略する場合もある。また、以下の説明中で述べる形状、寸法、材質等はこの発明の範囲内の好適例に過ぎない。従って、本発明は以下の実施形態のみに限定されるものではない。
【0013】
1. 実施形態の圧電デバイス
図1は実施形態の圧電デバイス10の説明図である。特に、図1(A)は、圧電デバイス10を、一部を切り欠いて示した斜視図、図1(B)は、圧電デバイス10の、図1(A)中のP-P線に沿って切った部分的な断面図、図1(C)は、圧電デバイス10の、図1(A)中のQ-Q線に沿って切った部分的な断面図である。
【0014】
この圧電デバイス10は、圧電振動片11と、圧電振動片11を収容する容器13と、圧電振動片11及び容器13の接着パッド13c(後述する)を接続しているシリコーン系導電性接着剤15と、を備えている。然も、シリコーン系導電性接着剤15の表面の一部又は全部を覆っていて、低分子シロキサン含有率がシリコーン系導電性接着剤15に比べ少ない絶縁性接着剤から成る被覆部17又は無機系絶縁性接着剤から成る被覆部17と、容器13を密閉している蓋部材19と、を備えている。以下、各構成成分について具体的に説明する。
【0015】
圧電振動片11は、この場合、平面形状が長方形状の圧電片11aと、圧電片11aの表裏面それぞれに設けた励振用電極11bと、励振用電極11bから圧電片11aの一つの辺の付近に引き出されている引出電極11cと、を備えている。圧電片11aは、例えば、厚み滑りモードで振動するATカット水晶片や、SCカット等に代表される2回回転の水晶片である。励振用電極11bおよび引出電極11cは、任意の金属膜、例えば、クロム膜を下地膜とするクロム/金の積層膜等である。
容器13は、この例の場合、圧電振動片11を収容する凹部13aと、凹部13aを囲う土手部13bと、凹部13aの底面の一端に設けた2つの接着パッド13cと、容器13の外部底面に設けた外部接続端子13dと、を備えている。接着パッド13cと、外部接続端子13dとは、図示しないビア配線等によって接続されている。容器13は、例えばセラミックパッケージによって構成できる。
【0016】
シリコーン系導電性接着剤15は、例えば、例えば藤倉化成(株)製のドータイト(商品名)が好ましい。シリコーン系導電性接着剤15は、例えば、後述する製法例によって示す手順によって塗布・硬化して用いることが出来る。
被覆部17は、この例の場合、シリコーン系導電性接着剤15の、接着パッド13cと圧電片11aとの間からはみ出した部分の表面を被覆している。然も、この場合の被覆部17は、圧電片11aから引き出されている2つの引出配線11ca、11cbに渡って設けた一体のもので、圧電片11aの短辺とほぼ同じ程度の長さを持つ被覆部となっている。
この実施形態の圧電デバイス10によれば、シリコーン系導電性接着剤15は、圧電片11aの下面に当たる部分は圧電片11aによって覆われ、圧電片11aの側面にはみ出した部分は、被覆部17によって覆われているので、被覆部17を設けていない場合に比べ、シリコーン系導電性接着剤15の表面が露出される程度を低減できる。従って。シリコーン系導電性接着剤15が経時的にシロキサンガスを微量ずつ出した場合でも、このガスが、拡散することを被覆部17が防止でき、及び又は、被覆部17に吸着させることができるため、圧電片11aに及ぶことを防止できる。
【0017】
2.製法例の説明
次に、この発明の理解のため、圧電デバイス10の製法例について、図2及び図3を参照して説明する。
励振用電極11b及び引出電極11cの形成が済んだ圧電振動片11を用意する。次に、この圧電振動片11を、周知の圧電振動片搭載装置21の圧電振動片吸着機構21aによってピックアップし、さらにこのピックアップした圧電振動片11を、圧電振動片搭載装置21の画像認識装置21bによって画像認識する(図2(A))。この画像認識において、圧電振動片11の容器13に対する位置を、圧電振動片搭載装置21は認識する。
【0018】
一方、圧電振動片搭載装置21は、ディスペンサ装置23等によって、容器13の2カ所の接着パッド13c各々に、シリコーン系導電性接着剤15を所定量塗布する(図2(B))。次に、シリコーン系導電性接着剤15の塗布を終えた容器13に、圧電振動片搭載装置21は、圧電振動片11を、所定の位置関係で、すなわち引出電極11cが接着パッド13cと対向する位置関係で、置く(図2(C))。置かれた圧電振動片11は、自重で、及び又は、例えば押し付け治具で、接着パッド13cに接触する。従って、シリコーン系導電性接着剤15の圧電振動片11の下面になった部分は、圧電振動片11と接着パッド13cとに挟まれて薄膜状態になると共に、余剰な部分は圧電振動片11によって押されて圧電振動片11側面にはみ出しでくる。図示例では、シリコーン系導電性接着剤15の余剰部分は、圧電片11aの短辺の側面にはみ出した例を示している(図3(A))が、圧電振動片11の長辺の側面にはみ出す場合もある。
【0019】
次に、図3(A)に示した構造体10xを、加熱炉30に投入して、シリコーン系導電性接着剤15を硬化する(図3(B))。次に、構造体10xを加熱炉から取出し、その後、硬化したシリコーン系導電性接着剤15の、圧電振動片11によって覆われておらず露出している面に、すなわち図示例では圧電振動片11の側面にはみ出した部分の表面に、本発明の特徴である被覆部17を形成する。具体的には、図3(C)に示したように、ディスペンサ等の塗布装置31を用いて、低分子シロキサン含有率がシリコーン系導電性接着剤15に比べ少ない接着剤から成る被覆部又は無機系接着剤から成る被覆部を形成するための接着剤17xを塗布する(図3(C))。図3(C)の例では、2つの接着パッド13ca、13cbに渡って被覆部形成用の接着剤17xを塗布している。従って、この例の場合の接着剤17xは絶縁性のものである。
接着剤17xの塗布が済んだ構造体を加熱炉30(図3(B))に入れて、接着剤17xを硬化させる。これによって、被覆部17を形成できる。
次に、周知の方法によって、圧電振動片11の周波数調整を行い、さらに、蓋部材19による封止を行って実施形態の圧電デバイス10を形成する(図1(A)参照)。
【0020】
3. 他の実施形態
上述した実施形態では被覆部17は、2つの接着パッドに渡っている1つの被覆部で構成した例を示したが、2つの接着パッドごとに独立した被覆部であっても良い。
すなわち、図3(A)に示した構造体10xを形成した後に、図4(A)に示すように、被覆部形成用の接着剤17xを、2つの接着パッド13ca,13cbのシリコーン系導電性接着剤15毎に、それぞれの表面を覆うように塗布し、その後、硬化させ、2つの独立した被覆部17を形成しても良い(図4(B))。
また、上述した実施形態では、圧電振動片の1つの辺側のみを支持した片持ち支持構造の圧電デバイスに本発明を適用した例を示したが、本発明は、圧電振動片の対向する2つの辺をそれぞれ支持したいわゆる両持ち構造の圧電デバイスに対しても適用できる。
また、圧電振動片の平面形状は長方形状に限られず、正方形状、円形状等の任意の形状でも良い。
また、上述した実施形態では、容器として凹部を有した容器を用いたが、平板状のベースと、圧電振動片を内包できる凹部を有したキャップとで構成された容器であっても、本発明を適用できる。
【符号の説明】
【0021】
10:実施形態の圧電デバイス 11:圧電振動片(水晶振動片)
11a:圧電片(水晶片) 11b:励振用電極
11c:引出電極
13:容器 13a:凹部
13b:土手部
13c、13ca,13cb:接着パッド
15:シリコーン系導電性接着剤
17:被覆部 17x:被覆部形成用の接着剤
19:蓋部材
図1
図2
図3
図4