IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ソシオネクストの特許一覧

<>
  • 特開-半導体装置 図1
  • 特開-半導体装置 図2
  • 特開-半導体装置 図3
  • 特開-半導体装置 図4
  • 特開-半導体装置 図5
  • 特開-半導体装置 図6
  • 特開-半導体装置 図7
  • 特開-半導体装置 図8
  • 特開-半導体装置 図9
  • 特開-半導体装置 図10
  • 特開-半導体装置 図11
  • 特開-半導体装置 図12
  • 特開-半導体装置 図13
  • 特開-半導体装置 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113444
(43)【公開日】2024-08-22
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/82 20060101AFI20240815BHJP
   H01L 21/822 20060101ALI20240815BHJP
   H01L 21/8238 20060101ALI20240815BHJP
【FI】
H01L21/82 B
H01L27/04 D
H01L27/04 U
H01L27/092 F
H01L21/82 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023018427
(22)【出願日】2023-02-09
(71)【出願人】
【識別番号】514315159
【氏名又は名称】株式会社ソシオネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】ワン ウェンゼン
(72)【発明者】
【氏名】岡本 淳
(72)【発明者】
【氏名】武野 紘宜
【テーマコード(参考)】
5F038
5F048
5F064
【Fターム(参考)】
5F038BH19
5F038CA04
5F038CA05
5F038CD02
5F038CD04
5F038CD09
5F038CD16
5F038EZ20
5F048AA01
5F048AB02
5F048AC03
5F048BB03
5F048BD06
5F048BD10
5F048BE09
5F048BF11
5F048BF15
5F048BF16
5F048BF18
5F064AA04
5F064AA08
5F064BB07
5F064BB35
5F064BB37
5F064CC12
5F064DD05
5F064DD09
5F064DD18
5F064DD26
5F064DD32
5F064DD34
5F064EE05
5F064EE06
5F064EE08
5F064EE22
5F064EE26
5F064EE45
5F064EE47
5F064EE52
(57)【要約】
【課題】フィンの中断部をスタンダードセル領域に適切に配置することで、スタンダードセルの配置効率の低下を抑制する。
【解決手段】半導体装置は、基板と、前記基板に設けられる回路領域と、前記回路領域に配置された第1の電源線および第2の電源線と、前記回路領域に平面視で第1の方向に延在し、前記基板から突出する第1のフィン及び第2のフィンと、前記回路領域に配置され、前記第1のフィンを使用して設けられた第1のトランジスタを有し、前記第1の電源線と前記第2の電源線とを電気的に接続し、前記第1のフィンが中断されることなく延在する第1の電源スイッチ回路と、前記回路領域に配置され、前記第2のフィンを使用して設けられた第2のトランジスタを有し、前記第1の電源線と前記第2の電源線とを電気的に接続し、前記第2のフィンが中断される中断部を有する第2の電源スイッチ回路と、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板に設けられる回路領域と、
前記回路領域に配置された第1の電源線および第2の電源線と、
前記回路領域に平面視で第1の方向に延在し、前記基板から突出する第1のフィン及び第2のフィンと、
前記回路領域に配置され、前記第1のフィンを使用して設けられた第1のトランジスタを有し、前記第1の電源線と前記第2の電源線とを電気的に接続し、前記第1のフィンが中断されることなく延在する第1の電源スイッチ回路と、
前記回路領域に配置され、前記第2のフィンを使用して設けられた第2のトランジスタを有し、前記第1の電源線と前記第2の電源線とを電気的に接続し、前記第2のフィンが中断される中断部を有する第2の電源スイッチ回路と、を有する、
半導体装置。
【請求項2】
複数の前記第1の電源スイッチ回路は、前記回路領域における前記第1の方向の一端側、他端側、または、両側に隣接して配置される、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記回路領域は、
前記第1の方向の幅が第1の幅以下の第1の回路領域と、
前記第1の方向の幅が前記第1の幅より大きい第2の回路領域と、を有し、
前記第1の電源スイッチ回路は、前記第1の回路領域、または、前記第1の回路領域および前記第2の回路領域の両方に配置され、
前記第2の電源スイッチ回路は、前記第2の回路領域に配置される、
請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
複数の前記第1のフィン及び前記第2のフィンは、それぞれ平面視で前記第1の方向と交差する第2の方向に並んで配置され、
前記第1の回路領域に設けられる複数の前記第1の電源スイッチ回路は、前記第1の回路領域において前記第1の方向の一端側と他端側とにそれぞれ配置され、
前記一端側に配置される前記第1の電源スイッチ回路は、前記第1の回路領域に配置される複数の前記第1のフィンのいずれかに接続され、
前記他端側に配置される前記第1の電源スイッチ回路は、前記第1の回路領域に配置される複数の前記第1のフィンのうち、前記一端側に配置される前記第1の電源スイッチ回路に接続されない前記第1のフィンに接続される、
請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1の回路領域に設けられる複数の前記第1の電源スイッチ回路は、前記第2の方向に沿って、前記第1の方向の一端側と他端側とに交互に配置される、
請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1の電源スイッチ回路および前記第2の電源スイッチ回路は、
前記基板に設けられる第1の導電型の第1のウェル領域に電気的に接続され、前記第1のウェル領域に第1の電圧を供給する第1のウェルタップと、
前記基板に設けられる第2の導電型の第2のウェル領域に電気的に接続され、前記第2のウェル領域に第2の電圧を供給する第2のウェルタップと、を有する、
請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1の電源スイッチ回路および前記第2の電源スイッチ回路は、1つの前記第1のウェルタップと、前記第1のウェルタップの両側に配置された一対の前記第2のウェルタップとを有する、
請求項6に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第1のトランジスタは、第1のウィークトランジスタと、前記第1のウィークトランジスタより駆動能力が大きい第1のストロングトランジスタとを有し、
前記第2のトランジスタは、第2のウィークトランジスタと、前記第2のウィークトランジスタより駆動能力が大きい第2のストロングトランジスタとを有する、
請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置において、スタンダードセルを配置するスタンダードセル領域等に、スタンダードセルへの電源電圧の供給を制御する電源スイッチ回路を配置する技術が知られている。また、半導体装置の基板(ウェル領域)に電圧を供給するウェルタップが電源スイッチ回路内に設けられる場合がある。半導体基板から突出するフィンを使用して形成されたfinFET(Fin Field Effect Transistor)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2021/0366895号明細書
【特許文献2】米国特許第10579771号明細書
【特許文献3】米国特許第10879229号明細書
【特許文献4】米国特許第9419014号明細書
【特許文献5】米国特許第10141336号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2022/0059572号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ロジック回路等に含まれるFinFETが直線状のフィンを使用して形成される場合、フィンの長さは、レイアウトルールで定められた長さの上限値以下に設定される。このため、一方向に連続して配置される複数のFinFETの配置領域の長さが上限値を超える場合、フィンが中断される中断部が設けられる。例えば、中断部を電源スイッチ回路内に設けることで、スタンダードセルの配置部分に設けられる中断部を減らせるため、スタンダードセルの配置効率は向上する。
【0005】
一方、スタンダードセル領域において、フィンの延在方向の幅がフィンの上限値以下の領域では、フィンは、中断部を設けることなく配置されることが好ましい。しかしながら、フィンの中断部を有する電源スイッチ回路がフィンの中断部が不要な領域に配置される場合、中断部が存在する分、スタンダードセルの配置効率が低下してしまう。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、フィンの中断部をスタンダードセル領域に適切に配置することで、スタンダードセルの配置効率の低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様では、半導体装置は、基板と、前記基板に設けられる回路領域と、前記回路領域に配置された第1の電源線および第2の電源線と、前記回路領域に平面視で第1の方向に延在し、前記基板から突出する第1のフィン及び第2のフィンと、前記回路領域に配置され、前記第1のフィンを使用して設けられた第1のトランジスタを有し、前記第1の電源線と前記第2の電源線とを電気的に接続し、前記第1のフィンが中断されることなく延在する第1の電源スイッチ回路と、前記回路領域に配置され、前記第2のフィンを使用して設けられた第2のトランジスタを有し、前記第1の電源線と前記第2の電源線とを電気的に接続し、前記第2のフィンが中断される中断部を有する第2の電源スイッチ回路と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
開示の技術によれば、フィンの中断部をスタンダードセル領域に適切に配置することで、スタンダードセルの配置効率の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施形態における半導体装置のレイアウトの一例を示す図である。
図2図1のスタンダードセルブロックに配置される回路の概要を示す回路ブロック図である。
図3図1の電源スイッチ回路の一例を示す回路ブロック図である。
図4図3の制御回路の一例を示す回路図である。
図5図3の電源スイッチ回路PSW1の回路ブロックのレイアウトの一例と、ウェルタップから基板への給電の一例とを示す説明図である。
図6図5の電源スイッチ回路のレイアウトの一例を示す平面図である。
図7図6のフィン、ゲート配線、ローカル配線およびビアのレイアウトを示す平面図である。
図8図3の電源スイッチ回路PSW2の回路ブロックのレイアウトの一例と、ウェルタップから基板への給電の一例とを示す説明図である。
図9図8の電源スイッチ回路における制御回路CNTL22側のレイアウトの一例を示す平面図である。
図10図9のフィン、ゲート配線、ローカル配線およびビアのレイアウトを示す平面図である。
図11図8の電源スイッチ回路における制御回路CNTL21側のレイアウトの一例を示す平面図である。
図12図11のフィン、ゲート配線、ローカル配線およびビアのレイアウトを示す平面図である。
図13】第2の実施形態における半導体装置において、スタンダードセルブロックに配置される回路の概要を示す回路ブロック図である。
図14】第3の実施形態における半導体装置において、スタンダードセルブロックに配置される回路の概要を示す回路ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を用いて実施形態を説明する。以下では、信号を示す符号は、信号線または信号端子を示す符号としても使用される。電源電圧を示す符号は、電源電圧が供給される電源線または電源端子を示す符号としても使用される。
【0011】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態における半導体装置のレイアウトの一例を示す。例えば、図1に示す半導体装置100は、SoC(System on Chip)でもよく、単体のFPGA(Field-Programmable Gate Array)またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等でもよい。
【0012】
半導体装置100は、複数のI/OセルIOC、IOCPと内部回路領域INTRとを有する。I/OセルIOCは、入力信号、出力信号または入出力信号等の信号SIG用のインタフェース回路である。I/OセルIOCPは、電源電圧または接地電圧用のインタフェース回路である。
【0013】
各I/OセルIOC、IOCPは、内部回路領域INTRに接続される。例えば、内部回路領域INTRは、スタンダードセルが設けられる1つまたは複数のスタンダードセルブロックSCBを有する。なお、内部回路領域INTRには、スタンダードセル以外の論理回路が搭載されてもよく、メモリが搭載されてもよい。メモリは、スタンダードセルブロックSCB内に搭載されてもよい。例えば、半導体装置100に搭載されるトランジスタは、finFETである。
【0014】
図2は、図1のスタンダードセルブロックSCBに配置される回路の概要を示す。例えば、スタンダードセルブロックSCBは、複数のスタンダードセルが配置されるスタンダードセル領域SCA(SCA1、SCA2)と、スタンダードセル領域SCAの周囲に配置されるエンドキャップECAPとを有する。スタンダードセル領域SCA(SCA1、SCA2)は、半導体装置100の基板に設けられる回路領域の一例である。
【0015】
スタンダードセル領域SCA1には、斜線を引いた矩形パターンで示す複数の電源スイッチ回路PSW1が間隔を置いて配置される。スタンダードセル領域SCA2には、斜線を引いた矩形パターンで示す複数の電源スイッチ回路PSW2が間隔を置いて配置される。スタンダードセル領域SCA1は、第1の回路領域の一例であり、スタンダードセル領域SCA2は、第2の回路領域の一例である。電源スイッチ回路PSW1は、第1の電源スイッチ回路の一例である。電源スイッチ回路PSW2は、第2の電源スイッチ回路の一例である。
【0016】
スタンダードセル領域SCA1において、電源スイッチ回路PSW1が配置されない領域には、スタンダードセルが配置される。スタンダードセル領域SCA2において、電源スイッチ回路PSW2が配置されない領域には、スタンダードセルが配置される。
【0017】
図2では、便宜上、電源スイッチ回路PSW1を含む領域をスタンダードセル領域SCA1と称し、電源スイッチ回路PSW2を含む領域をスタンダードセル領域SCA2と称するが、スタンダードセル領域SCA1、SCA2に明確な境界部分があるわけではない。フィンFINは、半導体装置100の基板から突出しており、図2のX方向とY方向で示される平面の平面視において、X方向に延在して形成される。なお、図2に示すフィンFINは、説明のために示しており、スタンダードセル領域SCAには、図2に示すフィンFIN以外にも多数のフィンFINがY方向に並んで配置される。
【0018】
スタンダードセル領域SCA1は、X方向の両端がエンドキャップECAPで挟まれる領域であって、X方向の幅がレイアウトルールで定められたフィンの長さの上限値以下の領域である。例えば、上限値は、所望の電気的特性のFinFETを形成するために設定され、第1の幅の一例である。
【0019】
スタンダードセル領域SCA2は、X方向の両端がエンドキャップECAPで挟まれる領域であって、X方向の幅が上記上限値より大きい領域である。ここで、X方向の幅が上限値以下の領域は、X方向に延在するフィンFINを分割しなくてよい領域である。上記上限値より大きい領域は、X方向に延在するフィンFINを複数に分割する必要がある領域である。
【0020】
例えば、複数の電源スイッチ回路PSW1は、Y方向に沿って、スタンダードセル領域SCA1におけるX方向の一端側と他端側とに交互に配置される。すなわち、複数の電源スイッチ回路PSW1は、スタンダードセル領域SCA1のX方向の両側に配置される。換言すれば、複数の電源スイッチ回路PSW1は、スタンダードセル領域SCA1のX方向の両側に配置されるエンドキャップECAPに隣接して配置される。
【0021】
スタンダードセル領域SCA1におけるX方向の両側に電源スイッチ回路PSW1を配置することで、スタンダードセル領域SCA1にスタンダードセルを効率的に配置することができる。また、複数の電源スイッチ回路PSW1を、Y方向に沿って、X方向の一端側と他端側とに交互に配置することで、スタンダードセル領域SCA1内の各個所への仮想電源電圧VVDDの給電能力が偏ることを抑制することができる。
【0022】
電源スイッチ回路PSW1を通って設けられるフィンFINは、他の電源スイッチ回路PSW1を通らない。なお、図2では、各電源スイッチ回路PSW1に1本のフィンFINが設けられているが、実際には、複数のフィンFINが設けられる。X方向は、第1の方向の一例であり、Y方向は、第2の方向の一例である。電源スイッチ回路PSW1を通るフィンFINは、第1のフィンの一例である。
【0023】
各電源スイッチ回路PSW1を通って形成されるフィンFINは、電源スイッチ回路PSW1内で途切れることなく、スタンダードセル領域SCA1のX方向の一端側から他端側に連続して設けられる。なお、複数の電源スイッチPSW1は、スタンダードセル領域SCA1のX方向の一端側のみまたは他端側のみに、Y方向に沿って設けられてもよい。あるいは、複数の電源スイッチPSW1は、スタンダードセル領域SCA1のX方向の中央部に、Y方向に沿って設けられてもよい。さらに、複数の電源スイッチPSW1は、スタンダードセル領域SCA1のX方向の位置をずらしながら、Y方向に沿って設けられてもよい。
【0024】
電源スイッチ回路PSW2を通って設けられるフィンFINは、電源スイッチ回路PSW2内で途切れている。すなわち、スタンダードセル領域SCA2では、X方向に沿って直線状に設けられる複数のフィンFINを有する。電源スイッチ回路PSW2を通るフィンFINは、第2のフィンの一例である。以下では、X方向に沿って直線状に設けられる複数のフィンFINが途切れる部分は、フィンカット部とも称される。フィンカット部は、フィンFINが中断される中断部の一例である。
【0025】
スタンダードセル領域SCA2にフィンカット部を有する電源スイッチ回路PSW2を配置することで、スタンダードセルの配置領域に設けられるフィンカット部の数を抑制することができる。この結果、スタンダードセル領域SCA2において、スタンダードセルを配置可能な領域が減ることを抑制することができる。一方、スタンダードセル領域SCA1にフィンカット部を持たない電源スイッチ回路PSW1を配置することで、フィンカット部を有する電源スイッチ回路を配置する場合に比べて、スタンダードセルを配置可能な領域を増やすことができる。
【0026】
図2では、スタンダードセル領域SCA2に、X方向に沿って同一直線状に設けられるフィンFINのみが示されるが、実際には、フィンFINは、各電源スイッチ回路PSW2を通って設けられる。そして、スタンダードセル領域SCA2に配置されるフィンFINは、電源スイッチ回路PSW2のいずれかに接続される。
【0027】
なお、フィンFINの延在方向に電源スイッチ回路PSW2がない場合、すなわち、電源スイッチ回路PSW2を通らないフィンFINが設けられる場合、フィンカット部は、スタンダードセル領域SCA2においてスタンダードセルの配置領域にも設けられる。
【0028】
図3は、図1の電源スイッチ回路PSW1、PSW2の一例を示す。各電源スイッチ回路PSW1、PSW2は、電源線TVDDから仮想電源線VVDDへの電源電圧の供給を制御する。電源線TVDDに供給される電源電圧は、仮想電源線VVDDを介してスタンダードセル領域SCAに設けられるスタンダードセルSCに供給される。スタンダードセルSCは、仮想電源線VVDDと接地線VSSとの間に配置される図示しない複数のトランジスタ等の素子を有する。電源線TVDDは、第1の電源線の一例であり、仮想電源線VVDDは、第2の電源線の一例である。
【0029】
電源スイッチ回路PSW1は、制御回路CNTL11、CNTL12とスイッチトランジスタSWT11、SWT12とを有する。制御回路CNTL11は、入力信号IN11を受け、受けた入力信号IN11に応じてスイッチ制御信号SWCNT11を出力する。制御回路CNTL12は、入力信号IN12を受け、受けた入力信号IN12に応じてスイッチ制御信号SWCNT12を出力する。
【0030】
スイッチトランジスタSWT11、SWT12は、ソースが電源線TVDDに接続され、ドレインが仮想電源線VVDDに接続されたpチャネルトランジスタである。例えば、スイッチトランジスタSWT11の駆動能力は、スイッチトランジスタSWT12の駆動能力に比べて低い。図3に示すトランジスタの大きさは、駆動能力の違いを示している。スイッチトランジスタSWT11、SWT12は、第1のトランジスタの一例である。スイッチトランジスタSWT11は、第1のウィークトランジスタの一例であり、スイッチトランジスタSWT12は、第1のストロングトランジスタの一例である。
【0031】
図3では、簡単化のため、スイッチトランジスタSWT11、SWT12が1つずつ示されるが、実際には、各スイッチトランジスタSWT11、SWT12は、複数のトランジスタを含んでもよい。
【0032】
スイッチトランジスタSWT11は、制御回路CNTL11からのロウレベルのスイッチ制御信号SWCNT11をゲートで受けている間にオンして、電源線TVDDを仮想電源線VVDDに電気的に接続する。スイッチトランジスタSWT11は、制御回路CNTL11からのハイレベルのスイッチ制御信号SWCNT11をゲートで受けている間にオフして、電源線TVDDと仮想電源線VVDDとの接続を遮断する。
【0033】
スイッチトランジスタSWT12は、制御回路CNTL12からのロウレベルのスイッチ制御信号SWCNT12をゲートで受けている間にオンして、電源線TVDDを仮想電源線VVDDに電気的に接続する。スイッチトランジスタSWT12は、制御回路CNTL12からのハイレベルのスイッチ制御信号SWCNT12をゲートで受けている間にオフして、電源線TVDDと仮想電源線VVDDとの接続を遮断する。
【0034】
制御回路CNTL11、CNTL12は、電源線TVDDと接地線VSSとに接続され、電源電圧TVDDを受けて動作する。制御回路CNTL11、CNTL12は、スタンダードセルSCの回路を動作させる場合、スイッチ制御信号SWCNT11、SWCNT12をロウレベルにそれぞれ設定し、電源線VDDから仮想電源線VVDDに電源電圧を供給する。制御回路CNTL11、CNTL12は、スタンダードセルSCの回路の動作を停止する場合、スイッチ制御信号SWCNT11、SWCNT12をハイレベルにそれぞれ設定し、電源線VDDから仮想電源線VVDDへの電源電圧の供給を停止する。
【0035】
電源スイッチ回路PSW2は、制御回路CNTL21、CNTL22とスイッチトランジスタSWT21、SWT22とを有する。制御回路CNTL21は、入力信号IN21を受け、受けた入力信号IN21に応じてスイッチ制御信号SWCNT21を出力する。制御回路CNTL22は、入力信号IN22を受け、受けた入力信号IN22に応じてスイッチ制御信号SWCNT22を出力する。
【0036】
スイッチトランジスタSWT21、SWT22は、ソースが電源線TVDDに接続され、ドレインが仮想電源線VVDDに接続されたpチャネルトランジスタである。例えば、スイッチトランジスタSWT21の駆動能力は、スイッチトランジスタSWT22の駆動能力に比べて低い。スイッチトランジスタSWT21、SWT22は、第2のトランジスタの一例である。スイッチトランジスタSWT21は、第2のウィークトランジスタの一例であり、スイッチトランジスタSWT22は、第2のストロングトランジスタの一例である。
【0037】
図3では、簡単化のため、スイッチトランジスタSWT21、SWT22が1つずつ示されるが、実際には、各スイッチトランジスタSWT21、SWT22は、複数のトランジスタを含んでもよい。電源スイッチ回路PSW2の回路構成は、電源スイッチ回路PSW1の回路構成と同一または同様である。
【0038】
スイッチトランジスタSWT21は、制御回路CNTL21からのロウレベルのスイッチ制御信号SWCNT21をゲートで受けている間にオンして、電源線TVDDを仮想電源線VVDDに電気的に接続する。スイッチトランジスタSWT21は、制御回路CNTL21からのハイレベルのスイッチ制御信号SWCNT21をゲートで受けている間にオフして、電源線TVDDと仮想電源線VVDDとの接続を遮断する。
【0039】
スイッチトランジスタSWT22は、制御回路CNTL22からのロウレベルのスイッチ制御信号SWCNT22をゲートで受けている間にオンして、電源線TVDDを仮想電源線VVDDに電気的に接続する。スイッチトランジスタSWT22は、制御回路CNTL22からのハイレベルのスイッチ制御信号SWCNT22をゲートで受けている間にオフして、電源線TVDDと仮想電源線VVDDとの接続を遮断する。
【0040】
制御回路CNTL21、CNTL22は、電源線TVDDと接地線VSSとに接続され、電源電圧TVDDを受けて動作する。制御回路CNTL21、CNTL22は、スタンダードセルSCの回路を動作させる場合、スイッチ制御信号SWCNT21、SWCNT22をロウレベルにそれぞれ設定し、電源線VDDから仮想電源線VVDDに電源電圧を供給する。制御回路CNTL21、CNTL22は、スタンダードセルSCの回路の動作を停止する場合、スイッチ制御信号SWCNT21、SWCNT22をハイレベルにそれぞれ設定し、電源線VDDから仮想電源線VVDDへの電源電圧の供給を停止する。
【0041】
図4は、図3の制御回路CNTL11、CNTL12、CNTL21、CNTL22の一例を示す。図4に示す例では、制御回路CNTL11、CNTL21は、互いに同じ回路構成であり、制御回路CNTL12、CNTL22は、互いに同じ回路構成である。このため、以下では、制御回路CNTL11、CNTL12の回路構成が説明され、制御回路CNTL21、CNTL22に固有の信号は、括弧内に示される。
【0042】
制御回路CNTL11は、入力信号線IN11と出力信号線OUT11との間に直列に接続されたインバータIVA、IVBを有するバッファ回路である。インバータIVAは、電源線TVDDと接地線VSSとの間に直列に接続されたpチャネルトランジスタPA1、PA2およびnチャネルトランジスタNA1、NA2を有する。
【0043】
pチャネルトランジスタPA1、PA2およびnチャネルトランジスタNA1、NA2のゲートは、入力信号線IN11に接続される。pチャネルトランジスタPA1およびnチャネルトランジスタNA1のドレインは、スイッチ制御信号線SWCNT11およびインバータIVBの入力に接続される。
【0044】
インバータIVBは、電源線TVDDと接地線VSSとの間に直列に接続されたpチャネルトランジスタPB1、PB2およびnチャネルトランジスタNB1、NB2を有する。pチャネルトランジスタPB1、PB2およびnチャネルトランジスタNB1、NB2のゲートは、インバータIVAの出力に接続される。pチャネルトランジスタPB2およびnチャネルトランジスタNB1のドレインは、出力信号線OUT11に接続される。
【0045】
制御回路CNTL11は、入力信号IN11の論理レベルを反転してスイッチ制御信号SWCNT11として、図3のスイッチトランジスタSWT11のゲートに供給する。また、制御回路CNTL11は、入力信号IN11と同じ論理レベルの信号を出力信号OUT11として後段の制御回路等に出力する。制御回路CNTL21は、入力信号IN21の論理レベルを反転してスイッチ制御信号SWCNT21として、図3のスイッチトランジスタSWT21のゲートに供給する。また、制御回路CNTL21は、入力信号IN21と同じ論理レベルの信号を出力信号OUT21として後段の制御回路等に出力する。
【0046】
制御回路CNTL12は、入力信号線IN12と出力信号線OUT12との間に直列に接続されたインバータIVC、IVDを有するバッファ回路である。インバータIVCは、電源線TVDDと接地線VSSとの間に直列に接続されたpチャネルトランジスタPC1およびnチャネルトランジスタNC1を有する。
【0047】
pチャネルトランジスタPC1およびnチャネルトランジスタNC1のゲートは、入力信号線IN12に接続される。pチャネルトランジスタPC1およびnチャネルトランジスタNC1のドレインは、スイッチ制御信号線SWCNT12およびインバータIVDの入力に接続される。
【0048】
インバータIVDは、電源線TVDDと接地線VSSとの間に直列に接続されたpチャネルトランジスタPD1およびnチャネルトランジスタND1を有する。pチャネルトランジスタPD1およびnチャネルトランジスタND1のゲートは、インバータIVCの出力に接続される。pチャネルトランジスタPD1およびnチャネルトランジスタND1のドレインは、出力信号線OUT12に接続される。
【0049】
制御回路CNTL12は、入力信号IN12の論理レベルを反転してスイッチ制御信号線SWCNT12として、図3のスイッチトランジスタSWT12のゲートに供給する。また、制御回路CNTL12は、入力信号IN12と同じ論理レベルの信号を出力信号OUT12として後段の制御回路等に出力する。制御回路CNTL22は、入力信号IN22の論理レベルを反転してスイッチ制御信号SWCNT22として、図3のスイッチトランジスタSWT22のゲートに供給する。また、制御回路CNTL22は、入力信号IN22と同じ論理レベルの信号を出力信号OUT22として後段の制御回路等に出力する。
【0050】
なお、インバータIVA、IVBの各々は、入力と出力との間に直列に接続された奇数個のインバータを有してもよい。同様に、インバータIVC、IVDの各々は、入力と出力との間に直列に接続された奇数個のインバータを有してもよい。
【0051】
インバータIVA、IVBは、インバータIVC、IVDに比べて、電源線TVDDと接地線VSSとの間に直列に接続されたトランジスタの数が多い。このため、インバータIVA、IVBの伝搬遅延時間は、インバータIVC、IVDの伝搬遅延時間に比べて長い。
【0052】
このため、例えば、入力信号IN11、IN12の立ち上がりタイミングを同じに設定する場合にも、スイッチ制御信号SWCNT11の立ち下がりタイミングを、スイッチ制御信号SWCNT12の立ち下がりタイミングより遅らせることができる。同様に、入力信号IN21、IN22の立ち上がりタイミングを同じに設定する場合にも、スイッチ制御信号SWCNT21の立ち下がりタイミングを、スイッチ制御信号SWCNT22の立ち下がりタイミングより遅らせることができる。
【0053】
スイッチ制御信号SWCNT11、SWCNT12の立ち下がりタイミングをずらすことで、スイッチトランジスタSWT11、SWT12のオンタイミングは、互いにずれる。これにより、スイッチトランジスタSWT11、SWT12のオンにより発生する電源ノイズを軽減することができる。同様に、スイッチ制御信号SWCNT21、SWCNT22の立ち下がりタイミングをずらすことで、スイッチトランジスタSWT21、SWT22のオンにより発生する電源ノイズを軽減することができる。
【0054】
図5は、図3の電源スイッチ回路PSW1の回路ブロックのレイアウトの一例と、ウェルタップから基板への給電の一例とを示す。制御回路CNTL11、CNTL12は、電源スイッチ回路PSW1において、X方向の一端側および他端側にそれぞれ配置される。
【0055】
制御回路CNTL11、CNTL12の間には、ウェルタップWTAP1(VSS)、WTAP(TVDD)、WTAP2(VSS)およびスイッチトランジスタSWT11、SWT12が配置される。ウェルタップWTAP1(VSS)、WTAP(TVDD)、WTAP2(VSS)は、Y方向の中央部に配置され、制御回路CNTL11、CNTL12の間のX方向に並べて配置される。電源スイッチ回路PSW1にウェルタップWTAP1(VSS)、WTAP(TVDD)、WTAP2(VSS)を設けることで、スタンダードセルの配置領域に配置されるウェルタップの面積を抑制することができる。
【0056】
スイッチトランジスタSWT12は、電源スイッチ回路PSW1におけるY方向の一端側と他端側とに、ウェルタップWTAP1(VSS)、WTAP(TVDD)、WTAP2(VSS)に隣接して配置される。スイッチトランジスタSWT11は、電源スイッチ回路PSW2におけるY方向の他端側に、ウェルタップWTAP1(VSS)に隣接して配置される。Y方向の他端側のスイッチトランジスタSWT11、SWT12は、X方向に並んで配置される。
【0057】
ウェルタップWTAP(TVDD)は、図示しない電源線TVDDを半導体装置100の基板のn形ウェル領域NWに電気的に接続し、n形ウェル領域NWに電源電圧TVDDを供給する。ウェルタップWTAP1(VSS)、WTAP2(VSS)は、図示しない接地線VSSを半導体装置100の基板のp形ウェル領域PWに電気的に接続し、p形ウェル領域PWに接地電圧VSSを供給する。
【0058】
ウェルタップWTAP(TVDD)は、第1のウェルタップの一例である。ウェルタップWTAP1(VSS)、WTAP2(VSS)は、第2のウェルタップの一例である。n形ウェル領域NWは、第1の導電型の第1のウェル領域の一例である。p形ウェル領域PWは、第2の導電型の第2のウェル領域の一例である。電源電圧TVDDは、第1の電圧の一例である。接地電圧VSSは、第2の電圧の一例である。
【0059】
なお、ウェルタップWTAP1(VSS)、WTAP2(VSS)は、電源スイッチ回路PSW1のp型ウェル領域PWに電気的に接続されるだけでなく、電源スイッチ回路PSW1のX方向の両側に位置するp形ウェル領域PWに電気的に接続される。同様に、ウェルタップWTAP(TVDD)は、電源スイッチ回路PSW1のn型ウェル領域NWに電気的に接続されるだけでなく、電源スイッチ回路PSW1のX方向の両側に位置するn形ウェル領域NWに電気的に接続される。
【0060】
図6は、図5の電源スイッチ回路PSW1のレイアウトの一例を示す。各トランジスタのゲートに接続されるゲート配線GTは、図6のY方向に沿って配線される。フィンFINは、図6のX方向に沿って配線される。ゲート配線GTの上層に位置するローカル配線LIは、図6のY方向に沿って配線される。ローカル配線LIの上層に位置するメタル配線M0は、図6のX方向に沿って配線される。
【0061】
メタル配線M0とゲート配線GTとは、ビアVIA1を介して相互に接続される。メタル配線M0とローカル配線LIとは、ビアVIA2を介して相互に接続される。なお、メタル配線M0の上層には、図示しない複数層の他のメタル配線が形成されてもよい。
【0062】
例えば、ゲート配線GTにおいて、メタル配線M0に接続されていないビアVIA1は、メタル配線M0より上層のメタル配線に接続されてもよい。ローカル配線LIにおいて、メタル配線M0に接続されていないビアVIA2は、メタル配線M0より上層のメタル配線に接続されてもよい。
【0063】
電源電圧TVDDが供給される電源線TVDD1と、仮想電源電圧VVDDが供給される仮想電源線VVDD1と、接地電圧VSSが供給される接地線VSS1とは、メタル配線M0を使用して形成される。なお、電源線TVDD1、仮想電源線VVDD1および接地線VSS1は、メタル配線M0を介して、メタル配線M0より上層のメタル配線に接続されてもよい。
【0064】
各トランジスタは、X方向に延在するフィンFINとY方向に延在してフィンFINを跨ぐゲート配線GTとの交差部分に形成される。フィンFINにおける交差部分の両側には、トランジスタのソースおよびドレインがそれぞれ形成される。ソースおよびドレインは、ローカル配線LIに直接接続される。
【0065】
スイッチトランジスタSWT11は、インバータIVAに隣接して配置される。スイッチトランジスタSWT11のゲートは、メタル配線M0を使用したスイッチ制御信号線SWCNT11を介してインバータIVAの出力に接続される。インバータIVAの出力は、図示しない上層のメタル配線を介してインバータIVBの入力に接続される。
【0066】
スイッチトランジスタSWT12は、電源スイッチ回路PSW1におけるY方向の両側にX方向に沿って配置される複数のトランジスタを並列に接続することで形成される。Y方向においてインバータIVC側に形成されるスイッチトランジスタSWT12のゲートは、メタル配線M0を使用したスイッチ制御信号線SWCNT12を介してインバータIVCの出力に接続される。インバータIVCの出力は、図示しない上層のメタル配線を介してインバータIVDの入力に接続される。
【0067】
Y方向においてインバータIVD側に形成されるスイッチトランジスタSWT12のゲートは、メタル配線M0を使用したスイッチ制御信号線SWCNT12を介してインバータIVDの入力(すなわち、インバータIVCの出力)に接続される。
【0068】
ウェルタップWTAP1(VSS)、WTAP2(VSS)の各々は、メタル配線M0を使用した接地線VSS1を、複数のビアVIA2、複数のローカル配線LIおよび複数のフィンFINを介して図5に示したp形ウェル領域PWに電気的に接続する。ウェルタップWTAP1(VSS)、WTAP2(VSS)の領域に配置されるフィンFINは、p形拡散層として形成される。
【0069】
ウェルタップWTAP(TVDD)は、メタル配線M0を使用した複数の電源線TVDD1を、複数のビアVIA2、複数のローカル配線LIおよび複数のフィンFINを介して図5に示したn形ウェル領域NWに電気的に接続する。ウェルタップWTAP(TVDD)の領域に配置されるフィンFINは、n形拡散層として形成される。なお、ウェルタップWTAP1(VSS)、WTAP2(VSS)上に配線されるウェルタップWTAP(TVDD)への給電用のメタル配線M0は、形成されなくてもよい。
【0070】
図7は、図6のフィンFIN、ゲート配線GT、ローカル配線LIおよびビアVIA1、VIA2のレイアウトを示す。図7は、図6のレイアウトからメタル配線M0を取り除いたことを除き、図6と同じである。
【0071】
制御回路CNTL11、CNTL12の領域においてY方向の中央側に配置されるフィンFINは、nチャネルトランジスタ用に形成される。Y方向の両側に配置されるフィンFINは、pチャネルトランジスタ用に形成される。
【0072】
図8は、図3の電源スイッチ回路PSW2の回路ブロックのレイアウトの一例と、ウェルタップから基板への給電の一例とを示す。制御回路CNTL21、CNTL22は、電源スイッチ回路PSW2において、X方向の一端側および他端側にそれぞれ配置される。
【0073】
制御回路CNTL21、CNTL22の間には、ウェルタップWTAP1(VSS)、WTAP(TVDD)、WTAP2(VSS)、スイッチトランジスタSWT21、SWT22および分離領域SAが配置される。ウェルタップWTAP1(VSS)は、Y方向の中央部に、制御回路CNTL21に隣接して配置される。ウェルタップWTAP(TVDD)は、Y方向の中央部に、ウェルタップWTAP1(VSS)に隣接して配置される。ウェルタップWTAP2(VSS)は、Y方向の中央部に、制御回路CNTL22に隣接して配置される。電源スイッチ回路PSW2にウェルタップWTAP1(VSS)、WTAP(TVDD)、WTAP2(VSS)を設けることで、スタンダードセルの配置領域に配置されるウェルタップの面積を抑制することができる。
【0074】
スイッチトランジスタSWT22の一部は、電源スイッチ回路PSW2におけるY方向の一端側と他端側とに、ウェルタップWTAP1(VSS)、WTAP(TVDD)に隣接して配置される。スイッチトランジスタSWT22の残りは、電源スイッチ回路PSW2において、ウェルタップWTAP2(VSS)のY方向の両側と、ウェルタップWTAP2(VSS)および分離領域SAの間の領域に配置される。
【0075】
スイッチトランジスタSWT21は、電源スイッチ回路PSW2におけるY方向の他端側に、ウェルタップWTAP1(VSS)に隣接して配置される。Y方向の他端側に配置されるスイッチトランジスタSWT21、SWT22は、X方向に並べて配置される。
【0076】
分離領域SAは、ウェルタップWTAP(TVDD)に隣接する領域に、Y方向の一端側から他端側にかけて配置される。分離領域SAは、図11に示すように、フィンFINが形成されない領域(フィンカット部)である。
【0077】
図5と同様に、ウェルタップWTAP1(VSS)、WTAP2(VSS)は、図示しない接地線VSSを半導体装置100の基板のp形ウェル領域PWに接続する。ウェルタップWTAP(TVDD)は、図示しない電源線TVDDを半導体装置100の基板のn形ウェル領域NWに接続する。
【0078】
なお、図8においても、ウェルタップWTAP1(VSS)、WTAP2(VSS)は、電源スイッチ回路PSW2のp形ウェル領域PWに電気的に接続されるだけでなく、電源スイッチ回路PSW2のX方向の両側に位置するp形ウェル領域PWに電気的に接続される。同様に、ウェルタップWTAP(TVDD)は、電源スイッチ回路PSW2のn形ウェル領域NWに電気的に接続されるだけでなく、電源スイッチ回路PSW2のX方向の両側に位置するn形ウェル領域NWに電気的に接続される。
【0079】
電源スイッチ回路PSW2において、制御回路CNTL22側の回路レイアウトの例は、図9および図10に示される。電源スイッチ回路PSW2において、制御回路CNTL21側の回路レイアウトの例は、図11および図12に示される。
【0080】
図9は、図8の電源スイッチ回路PSW2における制御回路CNTL22側のレイアウトの一例を示す。図6と同様の要素については、同じ符号および同じパターンで示し、詳細な説明は省略する。ウェルタップWTAP2(VSS)のレイアウトは、図6のウェルタップWTAP2(VSS)のレイアウトと同様である。
【0081】
電源電圧TVDDが供給される電源線TVDD2と、仮想電源電圧VVDDが供給される仮想電源線VVDD2と、接地電圧VSSが供給される接地線VSS2とは、メタル配線M0を使用して形成される。なお、電源線TVDD2、仮想電源線VVDD2および接地線VSS2は、メタル配線M0を介して、メタル配線M0より上層のメタル配線に接続されてもよい。
【0082】
スイッチトランジスタSWT22は、電源スイッチ回路PSW2におけるY方向の両側にX方向に沿って配置される複数のトランジスタを並列に接続することで形成される。Y方向においてインバータIVC側に形成されるスイッチトランジスタSWT22のゲートは、メタル配線M0を使用したスイッチ制御信号線SWCNT22を介してインバータIVCの出力に接続される。
【0083】
インバータIVCの出力は、図示しない上層のメタル配線を介してインバータIVDの入力に接続される。Y方向においてインバータIVD側に形成されるスイッチトランジスタSWT22のゲートは、メタル配線M0を使用したスイッチ制御信号線SWCNT22を介してインバータIVDの入力(すなわち、インバータIVCの出力)に接続される。
【0084】
図10は、図9のフィンFIN、ゲート配線GT、ローカル配線LIおよびビアVIA1、VIA2のレイアウトを示す。図10は、図9のレイアウトからメタル配線M0を取り除いたことを除き、図9と同じである。
【0085】
制御回路CNTL22の領域において、Y方向の中央側に配置されるフィンFINは、nチャネルトランジスタ用に形成される。Y方向の両側に配置されるフィンFINは、pチャネルトランジスタ用に形成される。ウェルタップWTAP2(VSS)と図11のウェルタップWTAP(TVDD)との間において、Y方向の中央側に配置されるフィンFINは、pチャネルトランジスタ用に形成される。
【0086】
図11は、図8の電源スイッチ回路PSW2における制御回路CNTL21側のレイアウトの一例を示す。図6および図9と同様の要素については、同じ符号および同じパターンで示し、詳細な説明は省略する。ウェルタップWTAP(TVDD)およびウェルタップWTAP1(VSS)のレイアウトは、図6のウェルタップWTAP(TVDD)およびウェルタップWTAP1(VSS)のレイアウトと同様である。
【0087】
スイッチトランジスタSWT21は、インバータIVAに隣接して配置される。スイッチトランジスタSWT21のゲートは、メタル配線M0を使用したスイッチ制御信号線SWCNT21を介してインバータIVAの出力に接続される。インバータIVAの出力は、図示しない上層のメタル配線を介してインバータIVBの入力に接続される。
【0088】
図9と同様に、スイッチトランジスタSWT22は、電源スイッチ回路PSW2におけるY方向の両側にX方向に沿って配置される複数のトランジスタを並列に接続することで形成される。Y方向のインバータIVB側に形成されるスイッチトランジスタSWT22のゲートは、メタル配線M0を使用したスイッチ制御信号線SWCNT22を介して図9のインバータIVCの出力に接続される。Y方向のインバータIVA側に形成されるスイッチトランジスタSWT22のゲートは、メタル配線M0を使用したスイッチ制御信号線SWCNT22を介して図9のインバータIVDの入力(すなわち、インバータIVCの出力)に接続される。
【0089】
分離領域SAには、フィンFINが形成されず、X方向に延在するフィンFINは、分離領域SAで途切れている。フィンFINが形成されない分離領域SAを電源スイッチ回路PSW2に設けることで、図2に示したスタンダードセル領域SCA2におけるスタンダードセルの配置領域に配置されるフィンカット部の数を抑制することができる。この結果、スタンダードセルの配置効率を向上することができる。
【0090】
図12は、図11のフィンFIN、ゲート配線GT、ローカル配線LIおよびビアVIA1、VIA2のレイアウトを示す。図12は、図11のレイアウトからメタル配線M0を取り除いたことを除き、図11と同じである。
【0091】
制御回路CNTL21の領域においてY方向の中央側に配置されるフィンFINは、nチャネルトランジスタ用に形成される。Y方向の両側に配置されるフィンFINは、pチャネルトランジスタ用に形成される。図10で説明したように、ウェルタップWTAP(TVDD)と図9のウェルタップWTAP2(VSS)との間において、Y方向の中央側に配置されるフィンFINは、pチャネルトランジスタ用に形成される。
【0092】
以上、第1の実施形態では、X方向の幅がレイアウトルールで定められたフィンの長さの上限値以下のスタンダードセル領域SCA1には、フィンカット部を持たない電源スイッチ回路PSW1が配置される。X方向の幅がフィンの長さの上限値より大きいスタンダードセル領域SCA2には、フィンカット部を有する電源スイッチ回路PSW2が配置される。
【0093】
スタンダードセル領域SCA1にフィンカット部を持たない電源スイッチ回路PSW1を配置することで、フィンカット部を有する電源スイッチ回路を配置する場合に比べて、スタンダードセルを配置可能な領域を増やすことができる。スタンダードセル領域SCA2にフィンカット部を有する電源スイッチ回路PSW2を配置することで、スタンダードセルの配置領域に設けられるフィンカット部の数を抑制することができ、スタンダードセルを配置可能な領域が減ることを抑制することができる。この結果、フィンカット部をスタンダードセル領域PSW1、PSW2に適切に配置することができ、スタンダードセルの配置効率の低下を抑制することができる。
【0094】
スタンダードセル領域SCA1におけるX方向の両側に電源スイッチ回路PSW1を配置することで、スタンダードセルの配置領域が分断されることを抑止することができ、スタンダードセル領域SCA1にスタンダードセルを効率的に配置することができる。スタンダードセル領域SCA1において、複数の電源スイッチ回路PSW1は、Y方向に沿って、X方向の一端側と他端側とに交互に配置される。これにより、スタンダードセル領域SCA1内の各個所への仮想電源電圧VVDDの給電能力が偏ることを抑制することができる。
【0095】
電源スイッチ回路PSW1、PSW2にウェルタップWTAP1(VSS)、WTAP(TVDD)、WTAP2(VSS)を設けることで、スタンダードセルの配置領域に配置されるウェルタップの面積を抑制することができる。この結果、スタンダードセルの配置効率の低下を抑制することができる。
【0096】
駆動能力が互いに異なり、駆動タイミングをそれぞれ設定可能なスイッチトランジスタSWT11、SWT12が、電源スイッチ回路PSW1に設けられる。同様に、駆動能力が互いに異なり、駆動タイミングをそれぞれ設定可能なスイッチトランジスタSWT21、SWT22が、電源スイッチ回路PSW2に設けられる。これにより、スタンダードセル領域SCA1、SCA2への仮想電源電圧VVDDの供給時と供給の停止時とに発生する電源ノイズを軽減することができる。
【0097】
図13は、第2の実施形態における半導体装置において、スタンダードセルブロックに配置される回路の概要を示す。図2と同様の要素については、詳細な説明は省略する。図13に示すスタンダードセルブロックSCBを含む半導体装置100Aは、図1の半導体装置100と同様のレイアウトを有する。
【0098】
図13のスタンダードセルブロックSCBは、スタンダードセル領域SCA2のX方向の端部にエンドキャップECAPに隣接して配置された電源スイッチ回路PSW1を有する。すなわち、図13では、電源スイッチ回路PSW1は、スタンダードセル領域SCA1、PSW2の両方に配置される。スタンダードセルブロックSCBのその他の構成は、図2のスタンダードセルブロックSCBの構成と同様である。
【0099】
スタンダードセル領域SCA2において、エンドキャップECAPに隣接する領域には、フィンFINの終端が位置するため、フィンカット部は不要である。例えば、エンドキャップECAPに隣接する領域に配置される電源スイッチ回路PSW2の代わりに、分離領域SAを持たない電源スイッチ回路PSW1を配置することで、スタンダードセル領域SCA2に搭載可能なスタンダードセルを増やすことができる。この結果、スタンダードセルの配置効率の低下を抑制することができる。なお、スタンダードセル領域SCA2に配置される電源スイッチ回路PSW1の位置は、X方向の一端側でもよく、X方向の他端側でもよく、X方向の両側でもよい。
【0100】
図14は、第3の実施形態における半導体装置において、スタンダードセルブロックに配置される回路の概要を示す。図2と同様の要素については、詳細な説明は省略する。図14に示すスタンダードセルブロックSCBを含む半導体装置100Bは、図1の半導体装置100と同様のレイアウトを有する。
【0101】
図14に示すスタンダードセルブロックSCBでは、電源スイッチ回路PSW1は、スタンダードセル領域SCA1におけるX方向の中央部に配置される。
【0102】
なお、X方向の幅がレイアウトルールで定められたフィンの長さの上限値以下のスタンダードセル領域SCA1に配置される電源スイッチ回路PSW1の位置は、X方向の一端側でもよく、X方向の他端側でもよく、X方向の両側でもよい。例えば、電源スイッチ回路PSW1の位置は、スタンダードセル領域SCA1に搭載されるスタンダードセルの回路特性(電気的特性、動作頻度等)に応じて決定されてもよい。
【0103】
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0104】
100、100A、100C 半導体装置
CNTL11、CNTL12、CNTL21、CNTL22 制御回路
ECAP エンドキャップ
FIN フィン
GT ゲート配線
IOC I/Oセル
INTR 内部回路領域
IVA、IVB、IVC、IVD インバータ
LI ローカル配線
M0 メタル配線
NW n形ウェル領域
PSW1、PSW2 電源スイッチ回路
PW p形ウェル領域
SCA1、SCA2 スタンダードセル領域
SCB スタンダードセルブロック
SIG 信号
SWCNT11、SWCNT12 スイッチ制御信号
SWCNT21、SWCNT22 スイッチ制御信号
SWT11、SWT12 スイッチトランジスタ
SWT21、SWT22 スイッチトランジスタ
TVDD 電源線
VIA1、VIA2 ビア
VSS 接地線
VVDD 仮想電源線
WTAP、WTAP1、WTAP2 ウェルタップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14