(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113487
(43)【公開日】2024-08-22
(54)【発明の名称】モーションデータ生成システム、情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20240815BHJP
A63F 13/428 20140101ALI20240815BHJP
A63F 13/63 20140101ALI20240815BHJP
【FI】
G06F3/01 570
A63F13/428
A63F13/63
G06F3/01 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023018509
(22)【出願日】2023-02-09
(71)【出願人】
【識別番号】000169477
【氏名又は名称】株式会社コナミアミューズメント
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】西野 雄人
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA11
5E555AA76
5E555BA20
5E555BB20
5E555BC04
5E555CA06
5E555CA17
5E555CA41
5E555CB20
5E555CB68
5E555DB32
5E555DC85
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】キャラクタにゲームをプレイする動作をさせることに用いられるモーションデータとして、興趣性が高いモーションデータを生成できるようにする。
【解決手段】モーションデータ生成システム(100)は、プレイヤがゲームのプレイに伴ってゲームの操作装置(11)に対して行った入力に関する入力データを取得する入力取得部(231)と、ゲームのプレイの結果に関する結果データを取得する結果取得部(232)と、入力データおよび結果データに基づいて、キャラクタがゲームをプレイする動作のモーションデータを生成する生成部(234)と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤがゲームのプレイに伴って前記ゲームの操作装置に対して行った入力に関する入力データを取得する入力取得部と、
前記ゲームのプレイの結果に関する結果データを取得する結果取得部と、
前記入力データおよび前記結果データに基づいて、キャラクタが前記ゲームをプレイする動作のモーションデータを生成する生成部と、を備える、モーションデータ生成システム。
【請求項2】
前記生成部は、前記入力の種類と、前記入力に対応する前記結果とに基づいて、前記モーションデータを生成する、請求項1に記載のモーションデータ生成システム。
【請求項3】
前記生成部は、任意のタイミングにおける前記入力の状態と、前記入力の状態に対応する前記結果とに基づいて、前記モーションデータを生成する、請求項1に記載のモーションデータ生成システム。
【請求項4】
前記生成部は、前記入力の種類と、前記入力時までの前記結果に基づいて、前記モーションデータを生成する、請求項1に記載のモーションデータ生成システム。
【請求項5】
前記生成部は、前記入力の種類に基づいて、前記入力に用いられた前記プレイヤの体のパーツを特定し、特定した前記パーツに基づいて、前記モーションデータを生成する、請求項1に記載のモーションデータ生成システム。
【請求項6】
前記入力は、前記操作装置が有する複数の入力部を介して行なわれ、
前記入力の種類は、前記複数の入力部のうち前記入力が行なわれた入力部を示し、
前記生成部は、前記複数の入力部のうち、いずれの入力部に前記入力が行なわれたかに基づいて、前記入力に用いられた前記パーツを特定する、請求項5に記載のモーションデータ生成システム。
【請求項7】
前記生成部は、前記入力が行なわれた入力部が複数である場合、前記入力が行なわれた入力部の組み合わせに基づいて、前記入力に用いられた前記パーツを特定する、請求項6に記載のモーションデータ生成システム。
【請求項8】
前記生成部は、前記入力の直前の入力からの時間間隔にさらに基づいて、前記入力に用いられた前記パーツを特定する、請求項6に記載のモーションデータ生成システム。
【請求項9】
前記生成部は、前記入力までの入力の履歴にさらに基づいて、前記入力に用いられた前記パーツを特定する、請求項6に記載のモーションデータ生成システム。
【請求項10】
前記生成部は、複数の入力の時間間隔が閾値以下の場合、前記複数の入力に対応する動作を一つの動作として、前記モーションデータを生成する、請求項1に記載のモーションデータ生成システム。
【請求項11】
前記生成部は、前記キャラクタの属性にさらに基づいて、前記モーションデータを生成する、請求項1に記載のモーションデータ生成システム。
【請求項12】
前記プレイヤが前記ゲームをプレイする動作を検知する前記操作装置とは異なる検知装置の検知結果に関する検知データを取得する検知結果取得部を備え、
前記生成部は、前記検知データにさらに基づいて、前記モーションデータを生成する、請求項1に記載のモーションデータ生成システム。
【請求項13】
前記プレイヤが前記ゲームのプレイに用いる前記操作装置と、前記キャラクタが前記ゲームのプレイに用いる操作装置とが異なる、請求項1に記載のモーションデータ生成システム。
【請求項14】
1または複数のプロセッサが、
プレイヤがゲームのプレイに伴って前記ゲームの操作装置に対して行った入力に関する入力データを取得する入力取得ステップと、
前記ゲームのプレイの結果に関する結果データを取得する結果取得ステップと、
前記入力データおよび前記結果データに基づいて、キャラクタが前記ゲームをプレイする動作のモーションデータを生成する生成ステップと、
を実行する、情報処理方法。
【請求項15】
1または複数のプロセッサに、
プレイヤがゲームのプレイに伴って前記ゲームの操作装置に対して行った入力に関する入力データを取得する入力取得ステップと、
前記ゲームのプレイの結果に関する結果データを取得する結果取得ステップと、
前記入力データおよび前記結果データに基づいて、キャラクタが前記ゲームをプレイする動作のモーションデータを生成する生成ステップと、
を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モーションデータ生成システム、情報処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
キャラクタ(例えばユーザのアバタ等)にゲームをプレイする動作をさせることに用いられるモーションデータを生成する技術の一例として、ダンスゲームにおいて、ユーザがダンスを踊ると、その動作がカメラによって撮像され、モーションデータが生成される技術が開発されている。しかしながら、このような技術では、カメラ等の専用の機材が必要となるため、ゲームの種別を問わず、ゲームをプレイする動作のモーションデータを生成することは困難である。
【0003】
また、特許文献1には、アーケードゲーム機が配置されたゲームセンタのような仮想空間が記載されている。ユーザは、クライアント装置を介して仮想空間内のアバタを操作することができる。ユーザが、アバタを、アーケードゲーム機に対応する位置に移動させると、アバタを操作する代わりに、アーケードゲーム機に対応するゲームをプレイすることができる。このとき、クライアント装置に対するユーザの操作入力に応じて、仮想空間におけるアバタの手元を動かしてもよいことも特許文献1には記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のような従来技術は、十分に興趣性の高いモーションデータを生成するものとはいえない。
【0006】
本発明の一態様は、ゲームの種別を問わず、キャラクタにゲームをプレイする動作をさせることに用いられるモーションデータとして、興趣性が高いモーションデータを生成できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るモーションデータ生成システムは、プレイヤがゲームのプレイに伴って前記ゲームの操作装置に対して行った入力に関する入力データを取得する入力取得部と、前記ゲームのプレイの結果に関する結果データを取得する結果取得部と、前記入力データおよび前記結果データに基づいて、キャラクタが前記ゲームをプレイする動作のモーションデータを生成する生成部と、を備える。
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理方法は、1または複数のプロセッサが、プレイヤがゲームのプレイに伴って前記ゲームの操作装置に対して行った入力に関する入力データを取得する入力取得ステップと、前記ゲームのプレイの結果に関する結果データを取得する結果取得ステップと、前記入力データおよび前記結果データに基づいて、キャラクタが前記ゲームをプレイする動作のモーションデータを生成する生成ステップと、を実行する。
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るプログラムは、1または複数のプロセッサに、プレイヤがゲームのプレイに伴って前記ゲームの操作装置に対して行った入力に関する入力データを取得する入力取得ステップと、前記ゲームのプレイの結果に関する結果データを取得する結果取得ステップと、前記入力データおよび前記結果データに基づいて、キャラクタが前記ゲームをプレイする動作のモーションデータを生成する生成ステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、ゲームの種別を問わず、キャラクタにゲームをプレイする動作をさせることに用いられるモーションデータとして、興趣性が高いモーションデータを生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態に係るモーションデータ生成システムの一例を示すシステム図である。
【
図2】同システムが備えるゲーム装置の一例を示す図である。
【
図3】同システムが備えるゲームサーバの構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】同サーバが実行するモーションデータ生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図5】同サーバが記憶する複数のパーツの分類を示す表である。
【
図6】プレイヤによるゲーム装置への入力の態様と、その場合のゲームサーバの判断の一例を示す図である。
【
図7】プレイヤによるゲーム装置への入力の態様と、その場合のゲームサーバの判断の一例を示す図である。
【
図8】プレイヤによるゲーム装置への入力の態様と、その場合のゲームサーバの判断の一例を示す図である。
【
図9】プレイヤによるゲーム装置への入力の態様と、その場合のゲームサーバの判断の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
【0013】
[全体構成]
本実施形態に係るモーションデータ生成システムは、例えば
図1に示したようなゲームシステム100の形で用いられる。ゲームシステム100は、ゲーム装置1と、ゲームサーバ2(モーションデータ生成装置)と、サービスサーバ3と、サービス装置4と、を備える。各装置1~4は、通信ネットワークを介して互いに通信する。
【0014】
〔ゲーム装置〕
ゲーム装置1は、プレイヤがゲームをプレイするのに用いられる装置である。ここでの「ゲーム」は、コンピュータを備えた機器を用いてプレイされるゲームを指す。また、「ゲーム」には、全てのジャンルのゲームが含まれる。すなわち、ゲームは、体感ゲームであってもよいし、体感ゲームでなくともよい。体感ゲームでないゲームは、ボタン、または、ボタンおよびスティック等によって構成されている一般的なコントローラを用いて行われるゲームを指す。体感ゲームでないゲームの具体例としては、格闘ゲーム、アクションゲーム、パズルゲーム等が挙げられる。体感ゲームは、上述した一般的なコントローラではない対象のゲームに特化した特殊なコントローラを用いて行われるゲームや、指先以外の体のパーツが入力またはプレイ結果の感得に使用されるゲーム等を指す。体感ゲームの具体例としては、例えば、ダンスゲーム、演奏ゲーム、その他のリズムゲーム、シューティングゲーム、レーシングゲーム等が挙げられる。
【0015】
本実施形態に係るゲーム装置1は、操作装置11と、表示装置12と、を備える。操作装置11は、プレイヤがゲームをプレイする動作を検知する装置である。本実施形態に係るゲームシステム100において、ゲーム装置1の種類は特に限定されない。すなわち、ゲーム装置1には、ゲームの種類に応じて、PC(Personal Computer)、アーケードゲーム機、VR(Vertual Reality)ゴーグル、スマートフォン、携帯型ゲーム機等、種々の構成のものを用いることができる。すなわち、ゲーム装置1は、操作装置11、および表示装置12が一体になったもの、
図2に示したような操作装置11が本体(表示装置12等)から独立した(例えばコントローラとなっている)もの、操作装置11、および表示装置12がそれぞれ独立したものであってもよい。
【0016】
(操作装置)
操作装置11は、入力部111を備える。入力部111は、入力のために使用される。すなわち、「入力」は、ゲーム装置1が有する複数の入力部111を介して行なわれる。すなわち、ゲーム装置1は、プレイヤによってゲームのプレイのための入力がなされることにより動作を検知する。入力部111の具体例としては、ボタン、スティック、センサ等が挙げられる。ゲーム装置1がダンスゲーム機の場合は、床に配置されたフットコントローラの上面に設けられた「↑」、「↓」、「←」、「→」の各ボタン(
図6参照)等が入力部111となる。演奏ゲーム機の場合は、楽器型の入力装置に設けられた鍵盤、キー、スティック等が入力部111となる。シューティングゲーム機の場合は、銃型の入力装置に設けられた引き金等が入力部111となる。レーシングゲーム機の場合は、ハンドル、フットペダル等が入力部111となる。ゲーム装置1がPC、スマートフォン、携帯型ゲーム機等の場合は、ボタン(物理的なもの、タッチパネル上のもの)、スティック、3次元加速度センサ等が入力部111となる。
【0017】
(表示装置)
表示装置12は、ゲームの操作指示、ゲームの演出画面等を表示する。操作指示については後述する。本実施形態に係る表示装置12は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、ブラウン管、プロジェクタ等である。
【0018】
(ゲーム機の動作)
ゲーム装置1は、入力データを生成し、それをゲームサーバ2へ送信する。入力データは、プレイヤがゲームのプレイに伴ってゲームの操作装置11に対して行った入力に関するデータである。上述したように、本発明の目的の一つは、モーションキャプチャに用いられる機材(カメラ、手足等に装着される3次元加速度センサ内蔵型コントローラ等)を備えていないゲーム装置についてもモーションデータを生成可能にすることである。したがって、操作装置11は、プレイヤの動作を検出可能なカメラ、及び3次元加速度センサ内蔵型コントローラ等ではなく、例えば、ボタン、スティック、又はタッチパネル等のように、プレイヤが体の一部を接触させた状態にしたり、接触していない状態にしたりすることでon/off等に関する入力を行うコントローラであることを想定している。つまり、本発明に係る「入力」は、例えば、ボタン、スティック、又はタッチパネル等を用いて行われるon/offに関する入力を含む。なお、本発明に係る「入力」は、前述したon/off等に関する入力に限定されず、スティックを倒す方向・角度に関する入力や、タッチパネルにおけるタッチ座標に関する入力が更に含んでも良い。「入力に関するデータ」は、例えば入力の状態を示すデータである。「入力の状態」には、入力の有無、入力の種類等が含まれる。このため、ゲーム装置1は入力が無い場合であっても入力データを生成してもよい。「入力の種類」は、複数の入力部111のうち入力が行なわれた入力部111、スティックが傾けられた方向、角度等(入力部111がスティックである場合)、センサの検出結果(入力部111が種々のセンサである場合)、およびこれらの組み合わせ等である。
【0019】
また、ゲーム装置1は、結果データを生成、それをゲームサーバ2へ送信する。結果データは、ゲームのプレイの結果に関するデータである。プレイの結果は、ゲームのプレイに対するゲーム上の結果を指す。また、プレイの結果は、個々の入力に対応する結果、任意のタイミングの入力の状態に対応する結果、任意の時点までのプレイの結果等も指す。「個々の入力に対応する結果」は、個々の入力について成功条件が設定されている場合の、成否ないし成功の度合いや、個々の入力に応じてゲームの状態が変化した場合の、当該変化等である。具体的には、ゲームがダンスゲームである場合、入力部111への入力のタイミングが、操作指示(ノーツ)に対して正しいタイミングであったか否かの結果(例えば、「Perfect」、「Good」、「Miss」)等を指す。なお、一部の入力について、入力に対応する結果が存在しない場合があってもよい。「任意のタイミングの入力の状態に対応する結果」は、任意のタイミングの入力の状態について成功条件が設定されている場合の、成否ないし成功の度合いや、任意のタイミングの入力の状態に応じてゲームの状態が変化した場合の、当該変化等である。「任意の時点までのプレイの結果」は、任意の時点におけるゲームのスコアや、ゲームの目的の達成の度合い、任意の時点までに入力が成功または失敗した回数や割合等である。また、結果データは入力データとまとめられていてもよい。すなわち、結果データは、入力の状態等、入力に関するデータを含んでいてもよい。
【0020】
(検知装置)
なお、ゲーム装置1は、検知装置13を備えていてもよい。検知装置13は、入力部111を介した入力とは異なる方式で、プレイヤがゲームをプレイする動作を検知する、操作装置11とは異なる装置である。検知装置13の具体例としては、例えば、プレイヤを撮影するカメラ、プレイヤが触れることが可能な触覚センサ等が挙げられる。ゲーム装置1が例えばダンスゲーム機である場合、触覚センサは、
図1に示したような、フットコントローラの後部に設けられた、プレイヤが自身を支えるためのバー等に設けられていてもよい。
【0021】
〔ゲームサーバ〕
ゲームサーバ2は、ゲーム装置1になされた入力に応じたモーションデータを生成する。このゲームサーバの詳細については後述する。
【0022】
〔サービスサーバ〕
サービスサーバ3は、ゲームサーバ2が生成したモーションデータに基づくサービスのデータを生成する。サービスのデータには、例えば3次元の仮想空間のデータ等が含まれる。
【0023】
〔サービス装置〕
サービス装置4は、サービスサーバ3から提供されたサービスのデータに基づいて、サービスを提供する。また、サービス装置4は、表示装置41を備える。サービスサーバ3が生成するサービスのデータが3次元の仮想空間のデータである場合、サービス装置4は、例えば仮想空間を表示装置41に表示させ、モーションデータに基づくキャラクタが、仮想空間上で各種の行動(例えばゲームのプレイ)を行う様子を見せるサービスを提供することができる。「キャラクタ」は、CG技術を用いて表示および動作させることが可能な対象である。また、「キャラクタ」は、仮想空間に配置されるプレイヤのアバタであってもよいし、ゲームや動画等において動作するプレイヤと直接関係しないキャラクタであってもよい。
【0024】
〔システム変形例〕
なお、ゲームシステム100は、一台の装置、または複数の装置の組合せにより実現されてもよい(つまり、ゲームシステム100の各機能は、いずれの装置により実現されてもよい)。具体的には、ゲームシステム100は、サービスサーバ3およびサービス装置4を備えず、ゲームサーバ2がゲーム装置1へモーションデータを送信してもよい。また、ゲームサーバ2とサービスサーバ3は一つの装置に纏められていてもよい。また、サービス装置4は、ゲーム装置1と同一の装置であってもよい。
【0025】
[ゲームサーバの詳細]
図3に示したように、本実施形態に係るゲームサーバ2は、通信部21と、記憶部22と、制御部23と、を備える。
【0026】
〔通信部〕
通信部21は、ゲーム装置1と有線または無線で通信する。また、通信部21は、サービスサーバ3とも有線または無線で通信する。本実施形態に係る通信部21は、通信モジュールである。
【0027】
〔記憶部〕
記憶部22は、制御部23が実行する各種処理が記述されたプログラム(モーションデータ生成プログラム221を含む)を記憶している。また、記憶部22は、複数種類のパーツのデータ222を記憶している。パーツは、部分的なモーションデータである。すなわち、このパーツが複数組み合わされて一つのモーションデータとなる。なお、各パーツの具体例や、各パーツを用いたモーションデータの生成については後述する。本実施形態に係る記憶部22は、半導体メモリ、ハードディスク等である。
【0028】
〔制御部〕
本実施形態に係る制御部23は、プロセッサおよびメモリである。そして、制御部23は、上記記憶部22に記憶されているプログラムに従って各種処理を実行する。
【0029】
(入力取得処理)
例えば、制御部23は、ゲーム装置1から、通信部21を介して入力データを取得する。制御部23は、この入力データの入力取得処理を実行することにより、入力取得部231を備えていることになる。
【0030】
(結果取得処理)
また、通信部21は、ゲーム装置1から、通信部21を介して結果データを取得する。制御部23は、この結果取得処理を実行することにより、結果取得部232を備えていることになる。なお、結果データに上記入力データがまとめられている場合、制御部23は、上記入力取得処理を実行せずに、結果取得処理を実行してもよい。
【0031】
(検知結果取得処理)
また、本実施形態に係る制御部23は、ゲーム装置1から、通信部21を介して検知データを取得する。検知データは、検知装置13の検知結果に関するデータである。制御部23は、この検知結果取得処理を実行することにより、検知結果取得部233を備えていることになる。なお、ゲーム装置1が検知装置13を備えていない場合、制御部23は、検知結果取得部としての機能を有していなくてもよい。
【0032】
(モーションデータ生成処理)
また、制御部23は、
図4に示したようなモーション生成処理を実行する。本実施形態に係る制御部23は、例えば、ゲーム装置1の電源がオンにされたこと、ゲームのアプリケーションが起動したこと、ゲームが開始されたこと等を契機としてモーション生成処理を開始する。モーション生成処理は、イベント判断処理S1と、生成処理S2と、送信制御処理S3と、終了判断処理S4と、を有する。
【0033】
・イベント判断処理
初めのイベント判断処理S1で、制御部23は、イベントが発生したか否かを判断する。「イベント」とは、モーションを生成するトリガーとなる事象であり、例えば、(A)入力の状態に応じて何らかの判定がなされたこと(または、操作指示がおこなわれたこと)、(B)操作装置11に対して入力が行なわれ、判定が行なわれていないこと(または、操作指示が行なわれていないときに、操作装置11に対して入力が行なわれたこと)、(C)判定も入力も行われていない状態で所定のタイミングに到達したこと等が含まれる。「操作指示」は、プレイヤが操作装置11に対して特定の入力を行なう必要があることを示す指示であり、操作指示が行なわれた場合、プレイヤが特定の入力に成功したか否かに応じてゲーム上の判定がなされる。例えば、リズムゲームであれば、操作指示は、表示装置12に表示されるノーツ等である。なお、操作指示はこれに限定されず、表示装置12に表示される任意の画像または図示しないスピーカから発せられる音声等であってもよい。また、「所定のタイミング」は、任意に設定することができる。任意のタイミングには、例えばゲーム中の特定の演出シーン等が含まれる。特定の演出シーンには、ゲーム中に流れるBGMの間奏の部分、サビの部分等が含まれる。ここで、イベントが発生していないと判断した場合(S1:NO)、制御部23は、イベント判断処理S1を再び実行する。すなわち、制御部23は、何らかのイベントが発生するまでイベント判断処理を繰り返し実行する。
【0034】
・生成処理
イベント判断処理S1でイベントが発生したと判断した場合(S1:YES)、制御部23は生成処理S2を実行する。この生成処理S2で、制御部23は、入力データおよび結果データに基づいて、キャラクタがゲームをプレイする動作のモーションデータを生成する。「キャラクタがゲームをプレイする動作のモーションデータ」とは、キャラクタに、ゲームをプレイしている動作をさせるためのモーションデータである。生成処理S2の処理内容は、イベントの内容によって異なる。
【0035】
(A)入力の状態に応じて何らかの判定がなされたこと(または、操作指示がおこなわれたこと)をイベントの発生とした場合、生成処理S2で、制御部23は、任意のタイミングにおける入力の状態と、入力の状態に対応する結果とに基づいて、モーションデータを生成する。ここで、入力の状態が入力ありの場合、制御部23は、入力の種類と、入力の種類に対応する結果とに基づいて、モーションデータを生成する。一方、入力の状態が入力なしの場合、制御部23は、入力が行われなかったことに対応する結果に基づいてモーションデータを生成する。本実施形態に係る制御部23は、記憶部22に記憶されているパーツ群の中から、入力データが示す入力の状態、および入力の状態に対応する結果に応じたパーツを選択する。本実施形態に係る記憶部22が記憶しているパーツ群は、
図5に示したように「入力の状態」×「結果」のマトリクスで整理されている。また、各パーツは、入力に用いる体の部位別に用意されている。ゲーム装置1がダンスゲーム機である場合、入力に用いる体の部位は足である。このため、記憶部22には、右足用のパーツと、左足用のパーツの2種類が記憶されている。
【0036】
ゲーム機がダンスゲーム機である場合を例にすると、「↑」ボタンを踏むことを指示する操作指示がPERFECTの位置に表示されているタイミングで、正確に「↑」ボタンが踏まれた(「↑」ボタンが踏まれたことを示す入力データ、および入力がPERFECTであったことを示す結果データを取得した)場合、制御部23は、右足用または左足用のパーツ群の中から「↑」ボタンおよびPERFECTに対応するパーツを選択する。これにより、キャラクタが通常よりもアピールしながら(格好をつけながら)踊る動作をする。また、「↑」ボタンを踏むことを指示する操作指示が表示されているタイミングで、誤って「←」ボタンが踏まれた(「←」ボタンが踏まれたことを示す入力データ、および入力がMISSであったことを示す結果データを取得した)場合、制御部23は、パーツ群の中から「←」ボタンおよびMISSに対応するパーツを選択する。これにより、キャラクタがよろけながら踊る動作をする。そして、制御部23は、選択したパーツを、前回実行した生成処理S2で選択したパーツに組み合わせる(順に接続していく)ことにより、一連のモーションデータを生成する。また、ボタンを踏むことを指示する操作指示が表示されているタイミングで、いずれのボタンも踏まれなかった(ボタンが踏まれていないことを示す入力データ、および入力がMISSであったことを示す結果データを取得した)場合、制御部23は、パーツ群の中から「いずれのボタンも踏まれなかった」およびMISSに対応するパーツを選択する。なお、結果データが入力データとまとめられている(例えば、結果データの内容が、「『↑』ボタンが踏まれたタイミングがPERFECTであった」といったように入力の状態も示すものである)場合、制御部23は、結果データに基づいて(入力データに基づかずに)、モーションデータを生成してもよい。
【0037】
ところで、制御部23は、プレイヤがどの体の部位を用いて入力部に入力を行ったか(ダンスゲーム機の場合、ボタンを右足で踏んだか左足で踏んだか)を、入力データからは特定することができない場合がある。このため、本実施形態に係る生成処理S2で、制御部23は、入力の種類に基づいて、入力に用いられたプレイヤの体のパーツを特定し、特定したパーツに基づいて、モーションデータを生成する。「入力に用いられたプレイヤの体のパーツ」は、入力のための直接使用された体の部位である。また、「入力に用いられたプレイヤの体のパーツ」は、ボタンに接触した手または足(ボタンを介して入力が行なわれる場合)や、スティックを握っている手(スティックを介して入力が行なわれる場合)、種々のセンサの検出対象となる体の部位や当該センサを保持する体の部位(センサを介して入力が行なわれる場合)等である。具体的には、制御部23は、例えば、(1)入力された入力部111の位置、(2)複数の入力部111への入力状態、または(3)入力部111への入力パターン(時間間隔、履歴等)に基づいて、どの部位を用いて入力を行ったかを判断し、判断結果に対応するパーツを選択する。「履歴」は、これまでにボタンが踏まれたパターン(順番)等を指す。この判断のロジックは、ゲーム装置1でプレイされるゲームの内容や入力部111の特徴に応じて設定される。
【0038】
(1)複数の入力部111のうち、いずれの入力部に入力が行なわれたかに基づいて、入力に用いられたパーツを特定。
この場合、制御部23は、例えば以下のように動作する。例えば、ゲーム装置1がダンスゲーム機で、「↑」、「↓」、「←」、「→」の各ボタンが、フットコントローラ上面の前部、後部、左側部、右側部にそれぞれ設けられている場合、
図6に示したように、「←」ボタンを踏む動作は、左足(〇)で行われる可能性が高い。一方、「→」ボタンを踏む動作は、右足(△)で行われる可能性が高い。このため、制御部23は、「←」ボタンが踏まれたことを示す入力データを取得した場合には、左足用のパーツを選択し、左足で「←」ボタンを踏むモーションデータを生成する。また、制御部23は、「→」ボタンが踏まれたことを示す入力データを取得した場合には、右足用のパーツを選択し、右足で「→」ボタンを踏むモーションデータを生成する。
【0039】
(2)入力が行なわれた入力部が複数である場合、入力が行なわれた入力部の組み合わせに基づいて、入力に用いられたパーツを特定。
この場合、制御部23は、例えば以下のように動作する。例えば、ゲーム装置1がダンスゲーム機である場合、
図7に示したように、プレイヤが「←」ボタンを踏みながら「↑」ボタンまたは「↓」ボタンを踏む場合、「←」ボタンを踏む足は左足(〇)、「↑」ボタンまたは「↓」ボタンを踏む足は右足(△)である可能性が高いと推測できる。一方、プレイヤが「→」ボタンを踏みながら「↑」ボタンまたは「↓」ボタンを踏む場合、「→」ボタンを踏む足は右足(△)、「↑」ボタンまたは「↓」ボタンを踏む足は左足(〇)である可能性が高いと推測できる。これは、両足が何も踏んでいない状態から「←」(または「→」)ボタンを踏む場合、「←」(または「→」ボタン)に近い方の足である左足(または右足)で踏む可能性が高く、次のボタンは空いている方の足で踏むことになるためである。このため、制御部23は、「←」ボタンおよび「↑」または「↓」ボタンが踏まれたことを示す入力データを取得した場合には、左足用のパーツおよび右足用のパーツをそれぞれ選択し、左足で「←」ボタンを踏みつつ、右足で「↑」または「↓」ボタンを踏むモーションデータを生成する。また、制御部23は、「→」および「↑」ボタンまたは「↓」ボタンが踏まれたことを示す入力データを取得した場合には、右足で「→」ボタンを踏みつつ、左足で「↑」ボタンまたは「↓」ボタンを踏むモーションデータを生成する。
【0040】
(3)入力部111への入力パターン(時間間隔、履歴等)にさらに基づいて、入力に用いられたパーツを特定。
この場合、制御部23は、例えば下記(3-1)、または(3-2)のように動作する。
【0041】
(3-1)入力パターンが、入力の直前の入力からの時間間隔である場合であって、ゲーム装置1がダンスゲーム機である場合、
図8のパターン1に示したように、プレイヤが「→」ボタンを踏み、その後所定時間以上いずれのボタンも踏まない状態を続けた後に「↑」ボタンを踏む場合、当該「↑」ボタンを踏む足は右足(△)である可能性が高いと推測できる。これは、両足が何も踏んでいない状態から「→」ボタンを踏む場合、「→」ボタンに近い方の足である右足で踏む(左足が軸足となる)可能性が高く、「→」ボタンから右足を離した後、その右足を「↑」ボタンまで移動させる時間が比較的十分にあると推測できるためである。このため、制御部23は、「→」ボタンが踏まれたことを示す入力データを取得した後、所定時間のボタンが踏まれていないことを示す入力データの取得が続き、その後「↑」ボタンが踏まれたことを示す入力データを取得した場合には、右足用のパーツを用いてモーションデータを生成する。また、
図8のパターン2に示したように、プレイヤが「→」ボタンを踏み続けている状態で「↑」ボタンを踏む場合、当該「↑」ボタンを踏む足は左足(〇)である可能性が高いと推測できる。これは、右足が既に「→」ボタンを踏むのに使われているためである。このため、制御部23は、「→」ボタンが踏まれたことを示す入力データを取得した後、「→」ボタンおよび「↑」ボタンが踏まれたことを示す入力データを取得した場合には、右足用のパーツを選択した後、当該右足用のパーツに左足用のパーツを組み合わせてモーションデータを生成する。また、
図8のパターン3に示したように、プレイヤが「→」ボタンを踏み、所定時間より短い時間いずれのボタンも踏まない状態を続けた後に「↑」ボタンを踏む場合、当該「↑」ボタンを踏む足は左足(〇)である可能性が高いと推測できる。これは、両足が何も踏んでいない状態から「→」ボタンを踏む場合、「→」ボタンに近い方の足である右足で踏む(左足が軸足となる)可能性が高く、「→」ボタンから右足を離した後は、その右足を「↑」ボタンまで移動させる時間が比較的十分になく、右足を次の「↑」のボタンではなく、更に次のボタンに移動させようとすることが考えられるためである。このため、制御部23は、「→」ボタンが踏まれたことを示す入力データを取得した後、所定時間より短い時間ボタンが踏まれていないことを示す入力データの取得が続き、その後「↑」ボタンが踏まれたことを示す入力データを取得した場合には、右足用のパーツを選択した後、当該右足用のパーツに左足用のパーツを組み合わせてモーションデータを生成する。
【0042】
(3-2)入力パターンが、入力の履歴である場合であって、ゲーム装置1がダンスゲーム機である場合、
図9に示したように、プレイヤが「→」ボタンを踏み続けている状態で「↑」ボタンを踏む場合、「→」ボタンを踏み続けている足は右足(△)、「↑」ボタンを踏む足は左足(〇)である可能性が高いと推測できる。その後、「↑」ボタンを踏み続けている状態で「←」ボタンを踏む場合、当該「↑」ボタンを踏む足は右足(△)である可能性が高いと推測できる。このため、制御部23は、操作指示の表示の移動・切替に合わせて、「→」ボタンが踏まれたことを示す入力データ、「→」ボタンおよび「↑」ボタンが踏まれたことを示す入力データ、並びに「↑」ボタンおよび「←」ボタンが踏まれたことを示す入力データ、を順次取得した場合には、右足用のパーツを選択し、当該右足用のパーツに左足用のパーツを組み合わせ、そこに右足用のパーツをさらに組合せてモーションデータを生成する。
【0043】
以上説明してきた(A)の場合の方法でモーションデータを生成することにより、任意のタイミングの入力の状態に対応する結果によって、モーションデータの動作が異なることになり、プレイの熟練度に応じたモーションデータが生成され、モーションデータの興趣性を高めることができる。また、以上説明してきた方法で入力に用いられた体の部位を特定することにより、よりリアルなモーションデータを生成することができ、モーションデータの興趣性を高めることができる。なお、もちろん、実際に操作に用いられた体の部位と、モーションデータに用いられたパーツの部位とは一致している必要はない。なお、ここまで、入力に基づく体の部位の特定についてダンスゲーム機の入力(足でボタンを踏む場合)を例に説明してきたが、ゲーム装置1が、手で押されるボタンを有するコントローラを備える場合や、携帯型ゲーム機等である場合、左右どちらの手によって入力されたか、いずれの指によって入力されたか、は上記ダンスゲーム機の場合と同様、入力されたボタンの位置、複数のボタンへの入力状態、またはボタンが押されるパターン(時間間隔、履歴等)に基づいて判断され得る。また、ゲーム装置(コントローラ)が、
図2に示したようなスティックおよびボタンを備える場合であって、スティックが左側(右側)、ボタンが右側(左側)に配置されたものである場合、制御部23は、スティックによる入力は、左手(右手)でなされたものとみなしてモーションデータを生成してもよい。
【0044】
(B)操作装置11に対して入力が行なわれ、判定が行なわれていないこと(または、操作指示が行なわれていないときに、操作装置11に対して入力が行なわれたこと)をイベントの発生とした場合、生成処理S2で制御部23は、入力データに基づいて(結果データに基づかずに)、モーションデータを生成する。具体的には、制御部23は、記憶部22に記憶されている結果に関係しないパーツ群の中から、入力データが示す入力の種類に対応するパーツを選択する。例えば、ゲーム装置1がダンスゲーム機である場合、フットコントローラの「↑」ボタン、「↓」ボタン、「←」ボタン、または「→」ボタンが踏まれたことを示す入力データを取得した場合には、右足用または左足用のパーツを選択してモーションデータを生成する。このようにすれば、入力に対する結果が生じない場合も、モーションデータを生成することができる。
【0045】
なお、(B)の場合、生成処理S2で制御部23は、入力の種類と、入力時までの結果に基づいて、モーションデータを生成してもよい。「入力時までの結果」は、例えば入力の時点までに生じたゲーム上の結果である。また、「入力時までの結果」は、入力の時点におけるゲームのスコアや、ゲームの目的の達成の度合い、入力の時点までに、それまでの入力が成功または失敗した回数や割合等である。具体的には、例えば、それまでのプレイにおいてPERFECTのタイミングでの入力が所定回数続いていた場合や、ゲーム開始から所定時間たったときのスコアが閾値以上であった場合、PERFECT、GOODおよびMISSとは異なる「好調」に対応するパーツを用いてモーションデータを生成する。このようにすれば、入力時までのプレイの結果によって、モーションデータの動作が異なることにより、プレイの熟練度に応じたモーションデータが生成され、モーションデータの興趣性を高めることができる。
【0046】
(C)判定も入力も行われていない状態で所定のタイミングに到達したことをイベントの発生とした場合、生成処理S2で制御部23は、入力データ以外のデータに基づいて、モーションデータを生成する。一例において、制御部23は、記憶部22に記憶されているパーツ群の中から、タイミング到達時までの結果に対応するパーツ、例えば、「好調」に対応するパーツや、「不調」に対応するパーツを選択し、モーションデータを生成することができる。また、他の例において、制御部23は、タイミング到達時のBGMのリズムに合うように、モーションデータを生成してもよい。また、タイミング到達までに取得した検知データに対応するパーツを選択し、例えば、背後のバーに寄りかかったり、腰かけたりして一休みするモーションデータを生成してもよい。
【0047】
なお、モーションデータの生成方法は、上記のパーツを繋ぎ合わせる第一の方法に限定されない。このため、生成処理S2で、制御部は、下記第二の方法、または第三の方法を用いてモーションデータを生成してもよい。第二の方法では、まず、入力データに応じてモーションデータを生成し、さらに、結果データに応じて部分的に脚色(変更)を行う。例えば、入力が無かった場合にはモーションが無い状態となるが、対応する結果が失敗であった場合に、その部分に「慌てる」というような所定動作を行わせる。また、第三の方法では、ゲームの開始から終了までの期間にわたる、基準となるモーションデータを予め生成しておき、それを入力データおよび結果データに応じて変更する。例えば、全ての操作指示に対応できた場合の理想的なモーションデータを予め生成しておき、MISSした場合等には、上記のパーツ等を使ってその部分のモーションデータを変更する。また、制御部23は、生成するモーションデータに応じて、第一~第三の方法を使い分けてもよい。また、第一~第三の方法以外の方法を用いてモーションデータを生成してもよい。
【0048】
また、生成処理S2で、制御部23は、複数の入力の時間間隔が閾値(例えばX秒)以下の場合、複数の入力に対応する動作を一つの動作として、モーションデータを生成してもよい。例えば、ゲーム中にプレイヤが誤った入力部111に入力を行ってしまった場合、プレイヤは慌てて、短期間のうちに多数の入力(例えば、連打等)を行う可能性がある。このプレイヤが慌てて行った入力通りにモーションデータを生成すると、キャラクタが違和感のある動き(例えば、途切れ途切れの動き等)をしてしまう可能性がある。しかし、上記のようにすれば、キャラクタに違和感のない動作をさせるモーションデータを生成することができる。
【0049】
また、生成処理S2で、制御部23は、キャラクタの属性にさらに基づいて、モーションデータを生成してもよい。属性は、例えばキャラクタの動作に影響する要素である。属性の具体例としては、キャラクタの性別、年齢層、性格等が挙げられる。属性の設定は、例えば入力部111を用いた入力により行うことができる。このため、キャラクタの属性は、プレイヤの属性と必ずしも同じである必要は無い。属性に性別を含む場合、制御部23は、男性のキャラクタ、または女性のキャラクタのモーションデータを生成する。属性に年齢層を含む場合、制御部23は、子供のキャラクタ、成人のキャラクタ、またはお年寄りのキャラクタ等のモーションデータを生成する。属性に性格を含む場合、制御部23は、面白いキャラクタ、恥ずかしがり屋のキャラクタ、かっこつけキャラクタ等のモーションデータを生成する。こうしたキャラクタの属性に応じたキャラクタモーションデータの生成は、例えば、属性毎にモーションデータのパーツを予め生成しておき、キャラクタの属性に応じてそれらのパーツを選択することで実現することができる。このようにすれば、キャラクタの属性に基づいて、異なるモーションデータを生成することができ、モーションデータの興趣性を高めることができる。
【0050】
また、生成処理S2で、制御部23は、検知装置13から取得した検知データにさらに基づいて、モーションデータを生成してもよい。例えば、ゲーム装置1がダンスゲーム機の場合であって、検知装置13がゲーム装置1のバーに設けられている場合、足用のパーツとは別に、バーを掴む動作等を含む手用のパーツを予め用意しておく。そして、検知データが、プレイヤがバーにつかまっていることを示している場合、制御部23は、手用のパーツを選択し、キャラクタがバーにつかまって動作するモーションデータを生成する。このようにすれば、制御部23は、よりリアルなモーションデータを生成することができる。その結果、モーションデータの興趣性をより高めることができる。
【0051】
以上説明してきた生成処理S2を制御部23が実行することにより、入力に対応する結果(例えば、プレイの習熟度等)に応じて動作の異なる、興趣性の高いモーションデータを生成することができる。制御部23は、このような生成処理S2を実行することにより、生成部234を備えていることになる。
【0052】
なお、ゲーム機がダンスゲーム機以外の場合においても、同様に入力データおよび結果データに応じたモーションデータを生成することができる。例えば、一例として、結果データが良好な結果を示す場合には、格好よい(スタイリッシュな)動作、調子に乗った動作、ガッツポーズ等の派手なポージングを行う動作、堂々とした動作等を行うモーションデータを生成し、結果データが良好ではない結果を示す場合には、格好わるい動作、あせっている動作、地味な動作、ふらついている動作等を行うモーションデータを生成してもよい。
【0053】
・送信制御処理
モーションデータを生成した後、制御部23は送信制御処理S3を実行する。この送信制御処理S3で、制御部23は、生成されたモーションデータを通信部21がサービスサーバ3へ送信するよう、当該通信部21を制御する。制御部23は、このような送信制御処理S3を実行することにより、送信制御部235を備えていることになる。本実施形態に係る送信制御処理S3で、制御部23は、モーションデータを生成すると、それを直ちにサービスサーバ3へ送信させる。これにより、モーションデータを、サービスサーバ3が提供する各種サービスとリアルタイムで連携させることができる。なお、モーションデータを送信する際のデータの単位は特に限定されない。例えば、パーツ単位で送信してもよいし、所定数のパーツを接続したものを単位として送信してもよい。また、モーションデータを送信する際のデータの送信頻度も特に限定されない。例えば、不定期(パーツの接続や、ユーザ操作があったタイミング等)であってもよいし、所定間隔であってもよい。
【0054】
モーションデータを取得したサービスサーバ3は、例えば、仮想空間上でキャラクタが動作するデータを生成する。仮想空間としては、例えばキャラクタがゲームのプレイに用いるゲーム装置が再現されたゲームセンタの中等がある。この場合、サービスサーバ3は、仮想空間上でキャラクタが、プレイヤのプレイと連動して動作するサービスのデータを生成することができる。その際、サービスサーバ3は、プレイヤがゲームのプレイに用いる(現実の)操作装置11と、キャラクタがゲームのプレイに用いる(仮想空間で再現された)操作装置とが異なるようにしてもよい。例えば、プレイヤが手入力用のコントローラ(一般的なコントローラ、キーボード等)で入力しても、仮想空間ではキャラクタがフットコントローラを踏んでいるデータを生成する。これにより、現実とは異なる操作装置を用いてプレイするモーションデータを生成することができ、モーションデータの興趣性を高める(コントローラを用いていてもアーケードゲーム機でプレイしているような臨場感を得る)ことができる。もちろん、プレイヤがゲームのプレイに用いる操作装置11と、キャラクタがゲームのプレイに用いる操作装置とは同じであってもよい。
【0055】
なお、制御部23は、生成したモーションデータを直ちにサービスサーバ3へ送信させなくてもよい(モーションデータをリアルタイムで各種サービスと連携させなくてもよい)。例えば、ゲームのプレイが終了するまで生成したモーションデータを記憶部22で保持させておき、ゲームの終了後に、サービスサーバ3へ送信してもよい。また、モーションデータは、仮想空間において用いられるものに限定されない。すなわち、制御部23は、モーションデータをサービスサーバ3以外の装置へ送信させてもよい。例えば、制御部23は、モーションデータの生成後直ちに、またはユーザからのダウンロード要求に応じて、ゲーム装置1やサービス装置4へ送信したりしてもよい。ゲーム装置1やサービス装置4へ送信されたモーションデータは、ゲーム装置1やサービス装置4での利用だけにとどまらず、例えば、任意の外部サービスで活用されてもよい。
【0056】
・終了判断処理
モーションデータをサービスサーバ3へ送信した後、制御部23は終了判断処理S4を実行する。この終了判断処理S4で、制御部23は、ゲームが終了したか否かを判断する。ここで、ゲームが終了していないと判断した場合(S3:NO)、制御部23は、イベント判断処理S1以降の処理を再び実行する。一方、ゲームが終了したと判断した場合(S3:YES)、制御部23は、モーション生成処理を終了する。
【0057】
[効果]
以上説明してきたモーションデータ生成システム100によれば、モーションデータの生成のために、カメラ等の専用の機材が必要ではないため、ゲームの種別を問わず、ゲームをプレイする動作のモーションデータを生成することができる。また、従来のように、単に「ゲームプレイ時におけるユーザの操作装置への入力に基づいてモーションデータを生成」していたときには、入力が行われなかった場合にはモーションが無いためキャラクタを動作させることができなかった。しかし、モーションデータ生成システム100によれば、入力データだけでなく、結果データにも基づいてモーションデータを生成する。このため、何も入力されなかった(MISSした)場合であっても、例えばよろけた動作等をするキャラクタを生成することができる。このように、モーションデータ生成システム100によれば、興趣性が高いモーションデータを生成することができる。
【0058】
〔装置構成の変形例〕
上述した各実施形態において、ゲームシステム100の装置構成は、
図1に示した例に限られない。例えば、ゲームサーバ2の生成部234、送信制御部235としての機能は、ゲーム装置1が備えていてもよい。また、上記実施形態で説明した生成処理S2は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)に実行させてもよい。この場合、AIは上記制御装置で動作するものであってもよいし、他の装置(例えばエッジコンピュータまたはクラウドサーバ等)で動作するものであってもよい。
【0059】
〔ソフトウェア又はハードウェアによる実現例〕
上述した各実施形態では、ゲームシステム100を構成するゲームサーバ2の制御部23(以下、制御部と記載)が、ソフトウェアにより実現される例について説明した。すなわち、本発明の目的を達成するためにコンピュータによって実行されるプログラムが、
図2に示したゲームサーバ2のメモリ(以下、メモリと記載)に記憶され、ゲームサーバ2のプロセッサ(以下、プロセッサと記載)が当該プログラムを読み取って実行することにより、各制御部が実現される。この場合、上記プログラムを記憶する各メモリとしては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路等を用いることができる。
【0060】
また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。また、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0061】
なお、各制御部は、ソフトウェアによる実現に限らず、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現されてもよい。例えば、各制御部の各機能ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0062】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0063】
〔付記〕
態様1に係るモーションデータ生成システム(100)は、プレイヤがゲームのプレイに伴って前記ゲームの操作装置(11)に対して行った入力に関する入力データを取得する入力取得部(231)と、前記ゲームのプレイの結果に関する結果データを取得する結果取得部(232)と、前記入力データおよび前記結果データに基づいて、キャラクタが前記ゲームをプレイする動作のモーションデータを生成する生成部(234)と、を備える。上記構成により、モーションデータの生成のために、カメラ等の専用の機材が必要ではないため、ゲームの種別を問わず、ゲームをプレイする動作のモーションデータを生成することができる。また、入力データだけでなく、結果データにも基づいてモーションデータを生成することにより、興趣性が高いモーションデータを生成することができる。
【0064】
態様2に係るモーションデータ生成システム(100)は、態様1において、前記生成部(234)は、前記入力の種類と、前記入力に対応する前記結果とに基づいて、前記モーションデータを生成する。上記構成により、入力に対応する結果によって、モーションデータの動作が異なることにより、プレイの熟練度に応じたモーションデータが生成され、モーションデータの興趣性を高めることができる。
【0065】
態様3に係るモーションデータ生成システム(100)は、態様1または2において、前記生成部(234)は、任意のタイミングにおける前記入力の状態と、前記入力の状態に対応する前記結果とに基づいて、前記モーションデータを生成する。上記構成により、任意のタイミングの入力の状態に対応する結果によって、モーションデータの動作が異なることにより、プレイの熟練度に応じたモーションデータが生成され、モーションデータの興趣性を高めることができる。
【0066】
態様4に係るモーションデータ生成システム(100)は、態様1~3において、前記生成部(234)は、前記入力の種類と、前記入力時までの前記結果に基づいて、前記モーションデータを生成する。上記構成により、入力時までのプレイの結果によって、モーションデータの動作が異なることにより、プレイの熟練度に応じたモーションデータが生成され、モーションデータの興趣性を高めることができる。
【0067】
態様5に係るモーションデータ生成システム(100)は、態様1~4において、前記生成部(234)は、前記入力の種類に基づいて、前記入力に用いられた前記プレイヤの体のパーツを特定し、特定した前記パーツに基づいて、前記モーションデータを生成する。上記構成により、入力に用いられた体のパーツに基づいてモーションデータが生成されることにより、よりリアルなモーションデータを生成することができ、モーションデータの興趣性を高めることができる。
【0068】
態様6に係るモーションデータ生成システム(100)は、態様1~4において、前記入力は、前記操作装置が有する複数の入力部(111)を介して行なわれ、前記入力の種類は、前記複数の入力部(111)のうち前記入力が行なわれた入力部(111)を示し、前記生成部(234)は、前記複数の入力部(111)のうち、いずれの入力部(111)に前記入力が行なわれたかに基づいて、前記入力に用いられた前記パーツを特定する。上記構成によれば、入力が行なわれた入力部の位置に基づいて、入力に用いられたパーツを特定することにより、よりリアルなモーションデータを生成することができ、モーションデータの興趣性を高めることができる。
【0069】
態様7に係るモーションデータ生成システム(100)は、態様6において、前記生成部(234)は、前記入力が行なわれた入力部(111)が複数である場合、前記入力が行なわれた入力部(111)の組み合わせに基づいて、前記入力に用いられた前記パーツを特定する。上記構成によれば、入力が行なわれた入力部の組み合わせに基づいて、入力に用いられたパーツを特定することにより、よりリアルなモーションデータを生成することができ、モーションデータの興趣性を高めることができる。
【0070】
態様8に係るモーションデータ生成システム(100)は、態様6または7において、前記生成部(234)は、前記入力の直前の入力からの時間間隔にさらに基づいて、前記入力に用いられた前記パーツを特定する。上記構成によれば、入力の時間間隔に基づいて、入力に用いられたパーツを特定することにより、よりリアルなモーションデータを生成することができ、モーションデータの興趣性を高めることができる。
【0071】
態様9に係るモーションデータ生成システム(100)は、態様6~8において、前記生成部(234)は、前記入力までの入力の履歴にさらに基づいて、前記入力に用いられた前記パーツを特定する。上記構成によれば、入力の履歴に基づいて、入力に用いられたパーツを特定することにより、よりリアルなモーションデータを生成することができ、モーションデータの興趣性を高めることができる。
【0072】
態様10に係るモーションデータ生成システム(100)は、態様1~9において、前記生成部(234)は、複数の入力の時間間隔が閾値以下の場合、前記複数の入力に対応する動作を一つの動作として、前記モーションデータを生成する。上記構成によれば、時間間隔が閾値以下の場合、動作をまとめることにより、途切れ途切れになる等違和感のあるモーションデータになることを避けることができる。
【0073】
態様11に係るモーションデータ生成システム(100)は、態様1~10において、前記生成部(234)は、前記キャラクタの属性にさらに基づいて、前記モーションデータを生成する。上記構成によれば、キャラクタの属性に基づいて、異なるモーションデータを生成することができ、モーションデータの興趣性を高めることができる。
【0074】
態様12に係るモーションデータ生成システム(100)は、態様1~11において、前記プレイヤが前記ゲームをプレイする動作を検知する前記操作装置(11)とは異なる検知装置の検知結果に関する検知データを取得する検知結果取得部(233)を備え、前記生成部(234)は、前記検知データにさらに基づいて、前記モーションデータを生成する。上記構成によれば、検知データに基づいて、よりリアルなモーションデータを生成することができ、モーションデータの興趣性を高めることができる。
【0075】
態様13に係るモーションデータ生成システム(100)は、態様1~12において、前記プレイヤが前記ゲームのプレイに用いる前記操作装置(11)と、前記キャラクタが前記ゲームのプレイに用いる操作装置とが異なる。上記構成によれば、現実とは異なる操作装置を用いてプレイするモーションデータを生成することができ、モーションデータの興趣性を高めることができる。
【0076】
態様14に係る情報処理方法は、1または複数のプロセッサが、プレイヤがゲームのプレイに伴って前記ゲームの操作装置に対して行った入力に関する入力データを取得する入力取得ステップと、前記ゲームのプレイの結果に関する結果データを取得する結果取得ステップと、前記入力データおよび前記結果データに基づいて、キャラクタが前記ゲームをプレイする動作のモーションデータを生成する生成ステップと、を実行する。上記構成により、態様1と同様の効果を奏する。
【0077】
態様15に係るプログラムは、1または複数のプロセッサに、プレイヤがゲームのプレイに伴って前記ゲームの操作装置に対して行った入力に関する入力データを取得する入力取得ステップと、前記ゲームのプレイの結果に関する結果データを取得する結果取得ステップと、前記入力データおよび前記結果データに基づいて、キャラクタが前記ゲームをプレイする動作のモーションデータを生成する生成ステップと、を実行させる。上記構成により、態様1と同様の効果を奏する。
【符号の説明】
【0078】
100 ゲームシステム(モーションデータ生成システム)
1 ゲーム装置
11 操作装置
111 入力部
12 表示装置
13 検知装置
2 ゲームサーバ
21 通信部
22 記憶部
221 モーションデータ生成プログラム
23 制御部(入力取得部、結果取得部、生成部)
3 サービスサーバ
4 サービス装置
41 表示装置