(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113489
(43)【公開日】2024-08-22
(54)【発明の名称】通信機器、システムおよび端末装置
(51)【国際特許分類】
G01S 19/48 20100101AFI20240815BHJP
G01S 19/40 20100101ALI20240815BHJP
G01C 21/28 20060101ALI20240815BHJP
【FI】
G01S19/48
G01S19/40
G01C21/28
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023018512
(22)【出願日】2023-02-09
(71)【出願人】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】小村 浩之
【テーマコード(参考)】
2F129
5J062
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129AA11
2F129BB02
2F129BB07
2F129BB33
2F129BB45
5J062BB01
5J062BB03
5J062BB05
5J062CC07
5J062CC11
5J062CC18
5J062DD23
5J062EE00
5J062FF01
(57)【要約】
【課題】システムが、正確でない可能性のある古い位置情報に基づいて誤った端末装置の位置を算出してしまうことを防ぐ。
【解決手段】無線媒体を用いた第一の通信方式による通信が可能な端末装置(5)と通信する通信機器(1)であって、第二の通信方式で測位し、当該通信機器の位置を示す位置情報を生成する測位部(131)と、測位部が位置情報を生成した場合に、無線媒体を発する発信部(14)と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線媒体を用いた第一の通信方式による通信が可能な端末装置と通信する通信機器であって、
第二の通信方式で測位し、当該通信機器の位置を示す位置情報を生成する測位部と、
前記測位部が前記位置情報を生成した場合に、前記無線媒体を発する発信部と、
を備える通信機器。
【請求項2】
前記測位部は、測位衛星が発した電波を用いて測位を行い、
前記測位衛星が発した電波に基づいて前記位置情報を補正するための補正情報を生成する他の装置から、前記補正情報を取得する取得部と、
前記位置情報の補正が必要である場合に、前記位置情報および前記補正情報に基づいて、当該通信機器の補正後の位置を示す補正位置情報を生成する補正部と、
を備え、
前記発信部は、前記測位部が前記位置情報を生成した場合であって、前記補正部が前記補正位置情報を生成した場合に、前記無線媒体を発する、
請求項1に記載の通信機器。
【請求項3】
前記発信部は、前記補正部が前記補正位置情報を生成した場合のみ、前記無線媒体を発する、
請求項2に記載の通信機器。
【請求項4】
前記補正部が前記補正位置情報の生成を繰り返す周期は、当該測位部が前記位置情報の生成を繰り返す周期よりも長くなる場合があり、
前記発信部は、前記補正部が一の前記補正位置情報を生成してから次の前記補正位置情報を生成するまでの間に前記測位部が前記位置情報を生成することとなった場合、当該位置情報の生成を契機として前記無線媒体を発する、
請求項2に記載の通信機器。
【請求項5】
第三の通信方式で測位し、当該通信機器の位置を示す位置情報を生成する第二測位部を備え、
前記発信部は、前記補正部が一の前記補正位置情報を生成してから次の前記補正位置情報を生成するまでの間に前記第二測位部が前記位置情報を生成することとなった場合、当該位置情報の生成を契機として前記無線媒体を発する、
請求項2に記載の通信機器。
【請求項6】
Bluetooth(登録商標)またはWi-Fi(登録商標)により前記端末装置と通信する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の通信機器。
【請求項7】
請求項1に記載の通信機器、および無線媒体を用いて測位を行うための端末装置と通信する通信部を備えるシステムであって、
前記通信機器から、当該通信機器の補正後の位置を示す補正位置情報を、前記通信部を介して取得する補正位置情報取得部と、
前記端末装置から、当該端末装置が受信した前記無線媒体に関する関連情報を、前記通信部を介して取得する関連情報取得部と、
前記補正位置情報および前記関連情報に基づいて、前記端末装置の位置を示す端末位置情報を生成する生成部と、
前記端末位置情報を前記端末装置へ送信するよう前記通信部を制御する送信制御部と、
を備えるシステム。
【請求項8】
請求項1に記載の通信機器と、無線媒体を用いた第一の通信方式により通信する端末装置であって、
前記無線媒体を受信した場合に、当該無線媒体に関する関連情報を生成する生成部と、
前記関連情報を、請求項7に記載のシステムへ送信するよう通信部を制御する送信制御部と、
前記システムから、当該端末装置の位置を示す端末位置情報を、前記通信部を介して取得する取得部と、
当該端末装置に、前記端末位置情報に基づく動作を行わせる動作制御部と、
を備える端末装置。
【請求項9】
複数の前記通信機器から、前記無線媒体をそれぞれ受信し、
前記送信制御部は、複数の前記通信機器のそれぞれに対応する前記関連情報を前記システムへ送信するよう前記通信部を制御する、
請求項8に記載の端末装置。
【請求項10】
前記無線媒体は電波であり、
前記生成部は、前記通信部が受信した電波の強度を測定し、強度を示す強度情報を生成し、
前記送信制御部は、前記強度情報を、前記システムへ送信するよう前記通信部を制御する、
請求項8または9に記載の端末装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信機器、システムおよび端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
2つの異なる測位方式を併用した測位技術が従来提案されている。例えば特許文献1には、WLAN(Wireless Local Area Network、無線LAN)アクセスポイントからの電波に基づいて測位を行うWLAN測位演算部と、測位衛星からの電波に基づいて測位を行う衛星測位部と、衛星測位部による測位の際に取得されるべき位置情報又は衛星測位部による測位位置に基づいて、該位置情報又は測位位置から所定の範囲にWLAN測位演算部による測位結果が存在するかどうかを判定する測位結果判定部と、判定された結果に基づいて測位結果を採用するかどうかを判定する測位結果判定部と、を有する測位装置について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献には、WLANアクセスポイントの設置位置が正しくないと測位結果が実際と異なってくることについて記載されてはいる。しかし、上記特許文献1に記載されたような従来技術は、WLANアクセスポイントからの電波に基づく測位結果が、測位衛星からの電波に基づく測位位置から所定範囲に収まってさえいれば、WLANアクセスポイントの設置位置がどうであろうと測位結果を信頼できるものとして採用する。すなわち、従来技術は、WLANアクセスポイントが本当に正しい位置に設置されているかどうかを確かめるようにはなっていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る通信機器は、無線媒体を用いた第一の通信方式による通信が可能な端末装置と通信する通信機器であって、第二の通信方式で測位し、当該通信機器の位置を示す位置情報を生成する測位部と、前記測位部が前記位置情報を生成した場合に、前記無線媒体を発する発信部と、を備える。
【0006】
また、本発明の他の態様に係るシステムは、上記通信機器、および無線媒体を用いて測位を行うための端末装置と通信する通信部を備えるシステムであって、前記通信機器から、当該通信機器の補正後の位置を示す補正位置情報を、前記通信部を介して取得する補正位置情報取得部と、前記端末装置から、当該端末装置が受信した前記無線媒体に関する関連情報を、前記通信部を介して取得する関連情報取得部と、前記補正位置情報および前記関連情報に基づいて、前記端末装置の位置を示す端末位置情報を生成する生成部と、前記端末位置情報を前記端末装置へ送信するよう前記通信部を制御する送信制御部と、を備える。
【0007】
また、本発明の他の態様に係る端末装置は、上記通信機器と、無線媒体を用いた第一の通信方式により通信する通信部を備える端末装置であって、前記無線媒体を受信した場合に、当該無線媒体に関する関連情報を生成する生成部と、前記関連情報を、上記システムへ送信するよう前記通信部を制御する送信制御部と、前記システムから、当該端末装置の位置を示す端末位置情報を、前記通信部を介して取得する取得部と、当該端末装置に、前記端末位置情報に基づく動作を行わせる動作制御部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係る通信機器、第二サーバ(システム)、および端末装置を含んで構成される測位システムの概略構成を示すブロック図である。
【
図2】同システムが備える通信機器の機能的構成を示すブロック図である。
【
図3】同システムが備える第一サーバ(他の装置)の機能的構成を示すブロック図である。
【
図4】同システムが備える第二サーバの機能的構成を示すブロック図である。
【
図5】同システムが備える端末装置の機能的構成を示すブロック図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る測位方法の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<測位システム>
まず、本発明の実施形態に係る通信機器、サーバ、および端末装置について詳細に説明する。
【0010】
図1に示したように、測位システム100は、通信機器1と、基準局2と、第一サーバ3(他の装置)と、第二サーバ4(サーバ)と、端末装置5と、通信ネットワーク6と、を備える。
【0011】
[通信機器]
通信機器1は、所定箇所に配置される。通信機器1は、固定されていてもよいし、移動可能であってもよい。
【0012】
{通信機器の構成}
図2に示したように、通信機器1は、機器側通信部11と、機器側記憶部12と、機器側制御部13と、発信部14と、を備える。
【0013】
〔機器側通信部〕
機器側通信部11は、測位衛星S、第一サーバ3および第二サーバ4とそれぞれ通信する。本実施形態に係る機器側通信部11は、通信ネットワーク6の基地局とも通信する。なお、機器側通信部11は、基地局と通信しなくてもよい。
【0014】
〔機器側記憶部〕
機器側記憶部12は、機器プログラム121を記憶している。機器プログラム121は、通信機器1を動作させるためのものである。本実施形態に係る機器側記憶部12は、半導体メモリ、ハードディスク等で構成されている。
【0015】
〔発信部〕
発信部14は、機器側制御部13の制御に従って無線媒体を発する。すなわち、発信部14は、第一の通信方式により端末装置5と通信する。本実施形態に係る発信部14は、Bluetooth(登録商標)またはWi-Fi(登録商標)により端末装置5と通信する。すなわち、本実施形態に係る発信部14が発する無線媒体は、電波である。端末装置、特にスマートフォンやタブレット端末の多くは、Bluetooth(登録商標)通信やWi-Fi(登録商標)通信を行う機能を有している。このため、機器側通信部11を上記のように構成することで、既存の端末装置であっても特別な機能を搭載させることなく、測位の精度を向上させることができる。なお、第一の通信方式は、Bluetooth(登録商標)通信およびWi-Fi(登録商標)通信以外の通信方式、例えばUWB(Ultra Wide Band)、RFID(Radio Frequency Identification)等であってもよい。また、通信機器1と端末装置5との「通信」は、信号のやり取りを伴うものに限られない。例えば、発信部14が発した無線媒体を端末装置5がスキャン(単に届いたことだけを検知)するような動作も通信に含まれる。また、無線媒体は、電波以外の媒体、例えば超音波、可視光等であってもよい。また、発信部14は、機器側通信部11が兼ねていてもよい。
【0016】
〔機器側制御部〕
機器側制御部13は、機器側測位部131(測位部)と、第二測位部132と、第一送信制御部133と、機器側取得部134(取得部)と、補正部135と、第二送信制御部136と、発信制御部137と、を備える。本実施形態に係る機器側制御部13は、プロセッサで構成されている。そして、このプロセッサが上記機器側記憶部12に記憶されている機器プログラム121を実行する。これにより、機器プログラム121は、プロセッサを上記各制御ブロック131~137として機能させることができる。
【0017】
(機器側測位部)
機器側測位部131は、第二の通信方式で測位し、通信機器1の位置を示す位置情報を生成する。本実施形態に係る機器側測位部131は、衛星通信方式で測位を行う。すなわち、本実施形態に係る機器側測位部131は、測位衛星Sが発した電波を用いて測位を行う。機器側測位部131は、位置情報の生成を繰り返し行う。なお、第二の通信方式は、衛星通信方式以外の方式、例えばセル方式等であってもよい。
【0018】
(第二測位部)
第二測位部132は、第三の通信方式で測位し、当該通信機器1の位置を示す位置情報を生成する。本実施形態に係る第二測位部132は、セル方式で測位を行う。すなわち、本実施形態に係る第二測位部132は、通信ネットワーク6の基地局が発した電波を用いて測位を行う。なお、第三の通信方式は、セル方式以外の方式、例えば衛星通信方式等であってもよい。また、測位システム100が通信ネットワーク6を備えない場合、または第二の通信方式がセル方式である場合、機器側制御部13は、第二測位部132を備えていなくてもよい。
【0019】
(第一送信制御部)
第一送信制御部133は、機器側測位部131が生成した位置情報を、機器側通信部11が第一サーバ3へ送信するよう、当該機器側通信部11を制御する。
【0020】
(機器側取得部)
機器側取得部134は、第一サーバ3から、補正情報を、機器側通信部11を介して取得する。補正情報は、位置情報を補正するための情報である。
【0021】
(補正部)
補正部135は、位置情報の補正が必要である場合に、位置情報および補正情報に基づいて、補正位置情報を生成する。補正位置情報は、通信機器1の補正後の位置を示す情報である。「位置情報の補正が必要である場合」には、例えば、以下の(1)、(2)の場合等が含まれる。(1)補正情報の内容が、新たに生成した位置情報と、現状の(例えば、第二サーバ4のデータベース422に記憶されている、または自身が直近に補正した)位置情報との間に差分があることを示している場合。(2)補正が不要な場合には補正情報を送信しない第一サーバ3から補正情報を取得した場合。補正部135は、補正位置情報の生成を繰り返し行う。補正部が補正位置情報の生成を繰り返す周期は、機器側測位部131が位置情報の生成を繰り返す周期よりも長くなる場合がある。
【0022】
(第二送信制御部)
第二送信制御部136は、補正部135が生成した補正位置情報を、機器側通信部11が第二サーバ4へ送信するよう、当該機器側通信部11を制御する。本実施形態に係る第二送信制御部136は、補正位置情報を、中継装置を介して第二サーバ4へ送信させる。中継装置は、第一サーバ3であってもよいし、補正位置情報を管理する専用のサーバであってもよい。
【0023】
(発信制御部)
発信制御部137は、機器側測位部131が位置情報を生成した場合に、発信部14が無線媒体を発するよう、当該発信部14を制御する。本実施形態に係る発信制御部137は、機器側測位部131が位置情報を生成した場合であって、補正部135が補正位置情報を生成した場合に、発信部14が無線媒体を発するよう、当該発信部14を制御する。これにより、後述する第二サーバ4は、通信機器1の正確な位置が得られた場合に端末装置5の位置を算出するようになる。その結果、測位システム100のユーザは、端末装置5のより正確な位置を得ることができるようになる。
【0024】
本実施形態に係る発信制御部137は、補正部135が補正位置情報を生成した場合のみ、発信部14が無線媒体を発するよう、当該発信部14を制御する。これにより、補正位置情報が生成されていないときに通信機器1が無線媒体を発してしまい、端末装置5による測位の精度が低下してしまうのを防ぐことができるようになる。
【0025】
なお、発信制御部137は、情報未生成時に機器側測位部131が位置情報を生成することとなった場合、当該位置情報の生成を契機として発信部14が無線媒体を発するよう、当該発信部14を制御するものであってもよい。情報未生成時は、補正部135が一の補正位置情報を生成してから次の補正位置情報を生成するまでの間の期間である。測位衛星Sが発した電波を用いた測位は、基準となる測位衛星Sの相対的な位置が変化しないため、この測位によって得られる位置情報は一定の信頼性を有する。このため、発信制御部137をこのように構成すれば、第二サーバ4は、補正位置情報が得られない期間ができた場合であっても、位置情報に基づいて、端末装置5の概ね正確な位置を算出することができる。
【0026】
また、発信制御部137は、情報未生成時に第二測位部132が位置情報を生成することとなった場合、当該位置情報の生成を契機として発信部14が無線媒体を発するよう、当該発信部14を制御するものであってもよい。基地局からの第二の電波を用いた測位は、基準となる基地局が動かないため、この測位によって得られる位置情報は一定の信頼性を有する。このため、発信制御部137をこのように構成すれば、第二サーバ4は、補正位置情報が得られない期間ができた場合であっても、位置情報に基づいて、端末装置5の概ね正確な位置を算出することができる。
【0027】
{通信機器の作用効果}
WLANアクセスポイントは、移動することがある。このため、従来技術では、測位を行っても、WLANアクセスポイントのずれの大きさによって測位結果が所定範囲から外れ、測位結果が得られない、といった問題が生じる可能性があった。これに対し、以上説明してきた通信機器1によれば、自身が正確な位置にあることが確認できた(補正位置情報を生成した、補正の必要が無いことが確認できた)場合に無線媒体を発する。このため、第二サーバ4は、正確でない可能性のある古い位置情報に基づいて誤った端末装置5の位置を算出してしまうことなく、最新の位置情報を基準として、当該端末装置5の位置を正確に算出することができるようになる。その結果、端末装置5、または端末装置5を搭載する機器(例えば自動運転車両、ドローン、農業機械等)は、より正確かつ高度な動作を行うことができるようになる。
【0028】
また、本実施形態に係る通信機器1は、第二の通信方式で測位を行う際に、位置情報および補正情報に基づいて補正位置情報を生成する。すなわち、本実施形態に係る通信機器1は、第二の通信方式での測位にRTK測位を採用している。このため、本実施形態に係る通信機器1によれば、GNSS(Global Navigation Satellite System)測位よりも高精度な(例えば、誤差数センチメートル以内の)測位が可能となる。これにより、端末装置5の位置を更に正確に算出することができるようになる。すなわち、本実施形態に係る通信機器1は、上記の効果を更に優れたものとすることができる。
【0029】
[基準局]
複数の基準局2は、複数個所にそれぞれ固定されている。各基準局2は、測位衛星Sが発した電波を受信すると、受信した電波に基づいて、自身と測位衛星Sとの距離を示す測距情報をそれぞれ生成する。そして、各基準局2は、生成した測距情報を第一サーバ3へそれぞれ送信する。
【0030】
[第一サーバ]
第一サーバ3は、測位衛星Sが発した電波に基づいて補正情報を生成する。すなわち、本実施形態に係る測位システム100は、測位衛星Sが発した電波に基づく位置情報に加え、測位衛星Sが発した電波に基づく補正情報を用いた測位、いわゆるRTK(Real Time Kinematic)測位を利用するものである。
図3に示したように、第一サーバ3は、第一サーバ側通信部31(通信部)と、第一サーバ側記憶部32と、第一サーバ側制御部33と、を備える。
【0031】
〔第一サーバ側通信部〕
第一サーバ側通信部31は、通信機器1、および基準局2と通信する。本実施形態に係る第一サーバ側通信部31は、通信モジュールで構成されている。
【0032】
〔第一サーバ側記憶部〕
第一サーバ側記憶部32は、第一サーバプログラム321を記憶している。第一サーバプログラム321は、第一サーバ3を動作させるためのものである。本実施形態に係る第一サーバ側記憶部32は、半導体メモリ、ハードディスク等で構成されている。
【0033】
〔第一サーバ側制御部〕
第一サーバ側制御部33は、測距情報取得部331と、サーバ側測位部332と、位置情報取得部333と、補正情報生成部334と、第一サーバ側送信制御部335と、を備える。本実施形態に係る第一サーバ側制御部33は、プロセッサで構成されている。そして、このプロセッサが上記第一サーバ側記憶部32に記憶されている第一サーバプログラム321を実行する。これにより、第一サーバプログラム321は、プロセッサを上記各制御ブロック331~335として機能させることができる。
【0034】
(測距情報取得部)
測距情報取得部331は、複数の基準局2から、測距情報を、第一サーバ側通信部31を介してそれぞれ取得する。
【0035】
(サーバ側測位部)
サーバ側測位部332は、測距情報取得部331が取得した測距情報に基づいて、基準局2の位置を示す基準位置情報を生成する。
【0036】
(位置情報取得部)
位置情報取得部333は、通信機器1から、当該通信機器1の位置情報を、第一サーバ側通信部31を介して取得する。
【0037】
(補正情報生成部)
補正情報生成部334は、サーバ側測位部332が生成した基準位置情報、および位置情報取得部333が取得した位置情報に基づいて、補正情報を生成する。
【0038】
(第一サーバ側送信制御部)
第一サーバ側送信制御部335は、補正情報生成部334が生成した補正情報を、第一サーバ側通信部31が通信機器1へ送信するよう、当該第一サーバ側通信部31を制御する。
【0039】
[第二サーバ]
第二サーバ4は、端末装置5の位置を示す端末位置情報を生成する。
【0040】
{第二サーバの構成}
図4に示したように、第二サーバ4は、第二サーバ側通信部41(通信部)と、第二サーバ側記憶部42と、第二サーバ側制御部43と、を備える。
【0041】
〔第二サーバ側通信部〕
第二サーバ側通信部41は、通信機器1、および端末装置5と通信する。本実施形態に係る第二サーバ側通信部41は、通信モジュールで構成されている。
【0042】
〔第二サーバ側記憶部〕
第二サーバ側記憶部42は、第二サーバプログラム421を記憶している。第二サーバプログラム421は、第二サーバ4を動作させるためのものである。本実施形態に係る第二サーバ側記憶部42は、データベース422を記憶している。データベース422には、通信機器1の最新の補正位置情報が蓄積されている。本実施形態に係る第二サーバ側記憶部42は、半導体メモリ、ハードディスク等で構成されている。
【0043】
〔第二サーバ側制御部〕
第二サーバ側制御部43は、補正位置情報取得部431と、更新部432と、関連情報取得部433と、端末位置情報生成部434(生成部)と、第二サーバ側送信制御部435と、を備える。本実施形態に係る第二サーバ側制御部43は、プロセッサで構成されている。そして、このプロセッサが上記第二サーバ側記憶部42に記憶されている第二サーバプログラム421を実行する。これにより、第二サーバプログラム421は、プロセッサを上記各制御ブロック431~435として機能させることができる。
【0044】
(補正位置情報取得部)
補正位置情報取得部431は、通信機器1(中継装置)から、補正位置情報を、第二サーバ側通信部41を介して取得する。
【0045】
(更新部)
更新部432は、補正位置情報取得部431が補正位置情報を取得すると、第二サーバ側記憶部42に記憶されているデータベース422を、新たな補正位置情報が反映されるように更新する。
【0046】
(関連情報取得部)
関連情報取得部433は、端末装置5から、関連情報を、第二サーバ側通信部41を介して取得する。関連情報は、端末装置5が受信した無線媒体に関する情報である。本実施形態に係る関連情報取得部433が取得する関連情報は、端末装置5が通信機器1から受信した電波の強度を示す強度情報である。本実施形態に係る関連情報取得部433は、複数の通信機器1にそれぞれ対応する複数の関連情報を取得する。
【0047】
(端末位置情報生成部)
端末位置情報生成部434は、データベース422に記憶されている補正位置情報、および関連情報取得部433が取得した関連情報に基づいて、端末装置5の位置を示す端末位置情報を生成する。本実施形態に係る端末位置情報生成部434は、複数の補正位置情報、および複数の関連情報に基づいて、端末位置情報を生成する。具体的には、端末位置情報生成部434は、複数の関連情報に基づいて、各関連情報に対応する無線媒体を送信してきた通信機器1に対する端末装置5の相対位置を算出する。そして、端末位置情報生成部434は、補正位置情報が示す各通信機器1の正確な位置から、算出した相対距離にある位置を、端末装置5の位置に決定する。
【0048】
(第二サーバ側送信制御部)
第二サーバ側送信制御部435は、端末位置情報生成部434が生成した端末位置情報を端末装置5へ送信するよう第二サーバ側通信部41を制御する。
【0049】
{第二サーバの作用効果}
以上説明してきた第二サーバ4によれば、通信機器1から当該通信機器1の補正位置情報(正確な位置を示す情報)を取得し、補正位置情報に基づいて端末装置5の位置を正確に算出することができる。その結果、端末装置5、または端末装置5を搭載する機器(例えば自動運転車両、ドローン、農業機械等)は、より正確かつ高度な動作を行うことができるようになる。また、第二サーバ4によれば、通信機器1の位置が移動した場合であっても、移動後の位置で補正位置情報を再び取得することにより、正確でない可能性のある古い位置情報に基づいて誤った位置を算出してしまうのを防ぐことができる。
【0050】
また、従来、データベースに蓄積されるWLANアクセスポイントの位置情報(設置場所)は、自動的に更新されるものではなかった。このため、人が定期的にデータベースを更新する作業が必要であった。WLANアクセスポイントの数は膨大であるため、こうした位置情報の更新作業は非常に煩雑であった。しかし、本実施形態に係る第二サーバ4は、補正位置情報を取得する度に更新部432がデータベース422を更新する。このため、本実施形態に係る第二サーバ4によれば、端末装置5の正確な位置を算出できるという効果だけでなく、上記の更新作業を不要とすることができるという従来無かった効果も奏する。
【0051】
[端末装置]
端末装置5は、無線媒体を用いた第一の通信方式による通信が可能なものである。また、端末装置5は、無線媒体を用いて測位を行うためのものである。端末装置5は、これらの機能を有していれば、その形態は特に限定されない。すなわち、端末装置5には、例えば、車両、ロボット、ドローン、携帯電話機、タブレット端末等が含まれる。
図5に示したように、端末装置5は、端末側通信部51(通信部)と、端末側記憶部52と、端末側制御部53と、受信部54と、を備える。
【0052】
〔端末側通信部〕
端末側通信部51は、第二サーバ4と通信する。本実施形態に係る端末側通信部51は、通信モジュールで構成されている。
【0053】
〔受信部〕
受信部54は、通信機器1が発した無線媒体を受信する。すなわち、受信部54は、通信機器1と、第一の通信方式により通信する。本実施形態に係る端末側通信部は、複数の通信機器1から、無線媒体をそれぞれ受信する。なお、受信部54は、端末側通信部51が兼ねていてもよい。
【0054】
〔端末側記憶部〕
端末側記憶部52は、端末プログラム521を記憶している。端末プログラム521は、端末装置5を動作させるためのものである。本実施形態に係る端末側記憶部52は、半導体メモリ、ハードディスク等で構成されている。
【0055】
〔端末側制御部〕
端末側制御部53は、関連情報生成部531(生成部)と、端末側送信制御部532(送信制御部)と、端末側取得部533(取得部)と、動作制御部534と、を備える。本実施形態に係る端末側制御部53は、プロセッサで構成されている。そして、このプロセッサが上記端末側記憶部52に記憶されている端末プログラム521を実行する。これにより、端末プログラム521は、プロセッサを上記各制御ブロック531~534として機能させることができる。
【0056】
(関連情報生成部)
関連情報生成部531は、受信部54が無線媒体を受信した場合に、関連情報を生成する。本実施形態に係る関連情報生成部531は、受信部54が受信した電波の強度を測定し、強度を示す強度情報を、関連情報として生成する。これにより、関連情報として、自ら算出した情報ではなく、測定結果を送信するだけでよいため、端末装置5の負担を低減することができる。なお、関連情報生成部531は、電波の強度に基づいて、通信機器1との距離を示す測距情報を、関連情報として生成するよう構成されていてもよい。
【0057】
(端末側送信制御部)
端末側送信制御部532は、関連情報生成部531が生成した関連情報を、端末側通信部51が第二サーバ4へ送信するよう、当該端末側通信部51を制御する。上述したように、本実施形態に係る端末装置5は、関連情報生成部531が強度情報を生成する。このため、本実施形態に係る端末側送信制御部532は、強度情報を、関連情報として第二サーバ4へ送信するよう端末側通信部51を制御する。また、上述したように、本実施形態に係る端末側通信部は、複数の通信機器1から無線媒体をそれぞれ受信する。このため、本実施形態に係る端末側送信制御部532は、複数の通信機器1のそれぞれに対応する関連情報(強度情報)を第二サーバ4へ送信するよう端末側通信部51を制御する。これにより、第二サーバ4は、端末装置5と複数の通信機器1との相対関係を把握できるため、より正確な位置情報を算出することができる。
【0058】
(端末側取得部)
端末側取得部533は、第二サーバ4から、端末位置情報を、端末側通信部51を介して取得する。
【0059】
(動作制御部)
動作制御部534は、端末装置5に、端末位置情報に基づく動作を行わせる。
【0060】
<端末測位方法>
次に、本発明の他の態様に係る端末測位方法の実施形態について説明する。
【0061】
{端末測位方法の流れ}
図6に示したように、端末測位方法は、第一測位ステップA1と、補正ステップA2と、発信ステップA3と、第二測位ステップB1と、第一生成ステップB2と、更新ステップC1と、第二生成ステップC2と、第三生成ステップD1と、動作ステップD2と、を有する。
【0062】
(第一測位ステップA1)
第一測位ステップA1では、第二の通信方式で測位し、通信機器1の位置を示す位置情報を生成する。本実施形態に係る第一測位ステップA1では通信機器1が自ら位置情報の生成を行う。なお、位置情報の生成は、他の装置(例えば第一サーバ3等)が行ってもよい。
【0063】
(第二測位ステップ)
上記第一測位ステップA1の前後、または第一測位ステップと並行して、第二測位ステップB1を行う。第二測位ステップB1では、測距情報に基づいて、基準局2の位置を示す基準位置情報を生成する。本実施形態に係る第二測位ステップB1では、第一サーバ3が基準位置情報を生成する。測距情報は、例えば基準局2が生成したものを用いることができる。
【0064】
(第一生成ステップ)
上記第一測位ステップA1及び上記第二測位ステップB1の後は、第一生成ステップB2に移る。第一生成ステップB2では、第二測位ステップB1で生成した基準位置情報、および上記第一測位ステップA1で生成した位置情報に基づいて、補正情報を生成する。本実施形態に係る第一生成ステップB2では、第一サーバ3が補正情報を生成する。
【0065】
(補正ステップ)
上記第一生成ステップB2の後、位置情報の補正が必要である場合は、補正ステップA2に移る。補正ステップA2では、第一測位ステップA1で生成した位置情報、および補正情報に基づいて、補正位置情報を生成する。本実施形態に係る補正ステップA2では、補正位置情報の生成を通信機器1が行う。補正情報は、例えば第一サーバ3が生成したものを用いることができる。なお、補正位置情報の生成は、第一サーバ3が行ってもよい。
【0066】
(更新ステップ)
上記補正ステップA2の後は、更新ステップC1に移る。更新ステップC1では、データベース422を、新たな補正位置情報が反映されるように更新する。本実施形態に係る更新ステップC1では、第二サーバ4がデータベース422を更新する。データベース422は、第二サーバ4に記憶されていてもよいし、他の装置に記憶されていてもよい。
【0067】
(発信ステップ)
また、上記補正ステップA2の後は、発信ステップA3に移る。発信ステップA3では、機器側測位部131が位置情報を生成した場合に、通信機器1が無線媒体を発する。本実施形態に係る発信制御部137は、機器側測位部131が位置情報を生成した場合であって、補正部135が補正位置情報を生成した場合に、通信機器1が無線媒体を発する。
【0068】
(第三生成ステップ)
上記発信ステップA3の後、端末装置5が無線媒体を受信した場合に、第三生成ステップD1に移る。第三生成ステップD1では、関連情報を生成する。本実施形態に係る第三生成ステップでは、端末装置5が関連情報を生成する。なお、関連情報の生成は他の装置が行ってもよい。
【0069】
(第二生成ステップ)
上記第三生成ステップD1の後は、第二生成ステップC2に移る。第二生成ステップC2では、データベース422に記憶されている補正位置情報、および上記第三生成ステップD1で生成した関連情報に基づいて、端末位置情報を生成する。本実施形態に係る第二生成ステップC2では、第二サーバ4が端末位置情報を生成する。関連情報は、例えば端末位置5が生成したものを用いることができる。なお、端末位置情報の生成は、他の装置が行ってもよい。
【0070】
(動作ステップ)
第二生成ステップC2の後は、動作ステップD2に移る。動作ステップD2では、端末位置情報に基づく動作を行う。本実施形態に係る動作ステップD2では、端末装置5が端末位置情報に基づく動作を行う。なお、動作は、端末装置5による制御に基づいて他の装置が行ってもよい。
【0071】
{端末測位方法の作用効果}
以上説明してきた端末測位方法によれば、通信機器1が正確な位置にあることが確認できた(補正位置情報を生成した、補正の必要が無いことが確認できた)場合に、当該通信機器1が無線媒体を発する。このため、第二サーバ4は、正確でない可能性のある古い位置情報に基づいて誤った端末装置5の位置を算出してしまうことなく、最新の位置情報を基準として、当該端末装置5の位置を正確に算出することができるようになる。その結果、端末装置5、または端末装置5を搭載する機器(例えば自動運転車両、ドローン、農業機械等)は、より正確かつ高度な動作を行うことができる。
【0072】
[本発明その他]
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0073】
例えば、端末装置5は、通信機器1の補正位置情報を、端末装置5自身の位置情報に変換する機能を有していてもよい。その場合、通信機器1は、補正位置情報を、ビーコンに乗せて端末装置5へ直接送信するよう構成されていてもよい。このようにすれば、第二サーバ4を利用することなく、端末装置5が自ら端末位置情報を生成することができる。
【0074】
また、上記実施形態では、本発明に係るシステムを、複数の制御ブロックが単一の装置に集約された第二サーバ4として説明した(すなわち、単一の装置をシステムと称しても差し支えない)。しかし、第二サーバ4の複数の制御ブロックは、複数の装置に分散して設けられていてもよい。
【0075】
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0076】
また、以上説明してきた本発明の各態様が奏する作用効果は、例えば、国連が提唱する持続可能な開発目標(SDGs)の目標8「働きがいも経済成長も」、目標9「産業と技術革新の基盤を作ろう」等の達成にも貢献するものである。
【符号の説明】
【0077】
100 測位システム
1 通信機器
11 機器側通信部
12 機器側記憶部
121 機器プログラム
13 機器側制御部
131 機器側測位部
132 第二測位部
133 第一送信制御部
134 機器側取得部
135 補正部
136 第二送信制御部
137 発信制御部
14 発信部
2 基準局
3 第一サーバ
31 第一サーバ側通信部
32 第一サーバ側記憶部
321 第一サーバプログラム
33 第一サーバ側制御部
331 測距情報取得部
332 サーバ側測位部
333 位置情報取得部
334 補正情報生成部
335 第一サーバ側送信制御部
4 第二サーバ
41 第二サーバ側通信部(通信部)
42 第二サーバ側記憶部
421 第二サーバプログラム
422 データベース
43 第二サーバ側制御部
431 補正位置情報取得部
432 更新部
433 関連情報取得部
434 端末位置情報生成部
435 第二サーバ側送信制御部
5 端末位置
51 端末側通信部
52 端末側記憶部
521 端末プログラム
53 端末側制御部
531 関連情報生成部
532 端末側送信制御部
533 端末側取得部
534 動作制御部
6 通信ネットワーク
【手続補正書】
【提出日】2024-04-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線媒体を用いた第一の通信方式による通信が可能な端末装置と通信する通信機器であって、
測位衛星が発した電波を用いる第二の通信方式で測位し、当該通信機器の位置を示す位置情報を生成する測位部と、
前記測位部が前記位置情報を生成した場合に、前記無線媒体を発する発信部と、
前記測位衛星が発した電波に基づいて前記位置情報を補正するための補正情報を生成する他の装置から、前記補正情報を取得する取得部と、
前記位置情報の補正が必要である場合に、前記位置情報および前記補正情報に基づいて、当該通信機器の補正後の位置を示す補正位置情報を生成する補正部と、
を備え、
前記発信部は、前記測位部が前記位置情報を生成した場合であって、前記補正部が前記補正位置情報を生成した場合のみ、前記無線媒体を発する、
通信機器。
【請求項2】
無線媒体を用いた第一の通信方式による通信が可能な端末装置と通信する通信機器であって、
測位衛星が発した電波を用いる第二の通信方式で測位し、当該通信機器の位置を示す位置情報を生成する測位部と、
前記測位部が前記位置情報を生成した場合に、前記無線媒体を発する発信部と、
前記測位衛星が発した電波に基づいて前記位置情報を補正するための補正情報を生成する他の装置から、前記補正情報を取得する取得部と、
前記位置情報の補正が必要である場合に、前記位置情報および前記補正情報に基づいて、当該通信機器の補正後の位置を示す補正位置情報を生成する補正部と、
を備え、
前記補正部が前記補正位置情報の生成を繰り返す周期は、当該測位部が前記位置情報の生成を繰り返す周期よりも長くなる場合があり、
前記発信部は、前記補正部が一の前記補正位置情報を生成してから次の前記補正位置情報を生成するまでの間に前記測位部が前記位置情報を生成することとなった場合、当該位置情報の生成を契機として前記無線媒体を発する、
通信機器。
【請求項3】
無線媒体を用いた第一の通信方式による通信が可能な端末装置と通信する通信機器であって、
測位衛星が発した電波を用いる第二の通信方式で測位し、当該通信機器の位置を示す位置情報を生成する測位部と、
前記測位部が前記位置情報を生成した場合に、前記無線媒体を発する発信部と、
前記測位衛星が発した電波に基づいて前記位置情報を補正するための補正情報を生成する他の装置から、前記補正情報を取得する取得部と、
前記位置情報の補正が必要である場合に、前記位置情報および前記補正情報に基づいて、当該通信機器の補正後の位置を示す補正位置情報を生成する補正部と、
第三の通信方式で測位し、当該通信機器の位置を示す位置情報を生成する第二測位部と、
を備え、
前記発信部は、前記測位部が前記位置情報を生成した場合であって、前記補正部が一の前記補正位置情報を生成してから次の前記補正位置情報を生成するまでの間に前記第二測位部が前記位置情報を生成することとなった場合、当該位置情報の生成を契機として前記無線媒体を発する、
通信機器。
【請求項4】
前記第一の通信方式は、Bluetooth(登録商標)またはWi-Fi(登録商標)である、
請求項1から3のいずれか一項に記載の通信機器。
【請求項5】
Wi-Fi(登録商標)により端末装置と通信する通信機器であって、
前記Wi-Fi(登録商標)と異なる他の通信方式で測位し、当該通信機器の位置を示す位置情報を生成する測位部と、
前記測位部が前記位置情報を生成した場合に、前記Wi-Fi(登録商標)の電波を発する発信部と、
を備える、
通信機器。
【請求項6】
請求項1に記載の通信機器、および無線媒体を用いて測位を行うための端末装置と通信する通信部を備えるシステムであって、
前記通信機器から、当該通信機器の補正後の位置を示す補正位置情報を、前記通信部を介して取得する補正位置情報取得部と、
前記端末装置から、当該端末装置が受信した前記無線媒体に関する関連情報を、前記通信部を介して取得する関連情報取得部と、
前記補正位置情報および前記関連情報に基づいて、前記端末装置の位置を示す端末位置情報を生成する生成部と、
前記端末位置情報を前記端末装置へ送信するよう前記通信部を制御する送信制御部と、
を備えるシステム。
【請求項7】
請求項1に記載の通信機器と、無線媒体を用いた第一の通信方式により通信する端末装置であって、
前記無線媒体を受信した場合に、当該無線媒体に関する関連情報を生成する生成部と、
前記関連情報を、請求項6に記載のシステムへ送信するよう通信部を制御する送信制御部と、
前記システムから、当該端末装置の位置を示す端末位置情報を、前記通信部を介して取得する取得部と、
当該端末装置に、前記端末位置情報に基づく動作を行わせる動作制御部と、
を備える端末装置。
【請求項8】
複数の前記通信機器から、前記無線媒体をそれぞれ受信し、
前記送信制御部は、複数の前記通信機器のそれぞれに対応する前記関連情報を前記システムへ送信するよう前記通信部を制御する、
請求項7に記載の端末装置。
【請求項9】
前記無線媒体は電波であり、
前記生成部は、前記通信部が受信した電波の強度を測定し、強度を示す強度情報を生成し、
前記送信制御部は、前記強度情報を、前記システムへ送信するよう前記通信部を制御する、
請求項7に記載の端末装置。