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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113510
(43)【公開日】2024-08-22
(54)【発明の名称】空調用吹出口装置
(51)【国際特許分類】
   B60H 1/34 20060101AFI20240815BHJP
   F24F 13/15 20060101ALI20240815BHJP
【FI】
B60H1/34 611B
F24F13/15 B
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023018555
(22)【出願日】2023-02-09
(71)【出願人】
【識別番号】508309887
【氏名又は名称】森六テクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067356
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 容一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100160004
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 憲雅
(74)【代理人】
【識別番号】100120558
【弁理士】
【氏名又は名称】住吉 勝彦
(74)【代理人】
【識別番号】100148909
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧澤 匡則
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 充
【テーマコード(参考)】
3L081
3L211
【Fターム(参考)】
3L081AA02
3L081FA06
3L081HA08
3L081HB04
3L211BA52
3L211DA14
(57)【要約】
【課題】組付け性が良好な操作ノブを備えた空調用吹出口装置を提供すること。
【解決手段】空調用吹出口装置(10)は、風向きを調整可能なフィン(31)と、フィン(31)よりも下流側に位置しフィン(31)と直交する方向に延びている板状部材(42)と、板状部材(42)に対してスライドすることにより、フィン(31)の向きを調整可能な操作ノブ(50)と、を備えている。操作ノブ(50)は、板状部材(42)の突出部(47)に接触して弾性変形可能な弾性部材(60)を有している。操作ノブ(50)は、弾性部材(60)が弾性力により係止している係止部材(70)と、係止部材(70)に対して組み付けられている組付部材(52)と、を含んでいる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸を中心にスイングすることにより、風向きを調整可能なフィンと、
前記フィンにより調整される風の流れ方向を基準として前記フィンよりも下流側に位置し、前記フィンと直交する方向に延びている板状部材と、
前記板状部材に対してスライドすることにより、前記フィンの向きを調整可能な操作ノブと、を備え、
前記板状部材は、上流側を向いている上流側端面から上流側へ突出した突出部を有し、
前記操作ノブは、前記板状部材の前記突出部に接触して弾性変形可能な弾性部材を有する、空調用吹出口装置において、
前記操作ノブは、前記弾性部材が弾性力により係止している係止部材と、前記係止部材に対して組み付けられている組付部材と、を含んでいる、空調用吹出口装置。
【請求項2】
前記弾性部材は、前記操作ノブがスライドする方向に延びている板状の本体部と、前記本体部の両端から上流側へ延びて前記係止部材に係止している係止部と、を有し、
前記係止部材は、前記弾性部材の端面を支持している支持部を有し、
前記支持部は、前記本体部の前記両端に接触して、前記弾性部材の移動を規制している2つの規制部を有している、請求項1に記載の空調用吹出口装置。
【請求項3】
前記支持部は、前記規制部よりも下流側に延びており前記弾性部材を前記係止部材に組み付ける際に前記弾性部材の前記端面がスライド可能なスライド面を有している、請求項2に記載の空調用吹出口装置。
【請求項4】
前記規制部は、前記支持部と共に前記本体部を挟み込み可能な保持部を有する、請求項2に記載の空調用吹出口装置。
【請求項5】
前記係止部材は、前記弾性部材の前記係止部を収納している収納部を備え、
前記フィンの前記軸に沿った方向から見て、前記収納部に収納された前記弾性部材は、露出している、請求項2~請求項4のいずれか1項に記載の空調用吹出口装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作ノブにより風向きを調整可能な空調用吹出口装置に関する。
【背景技術】
【0002】
乗用自動車等の車両には、車室へ向かって空気を吹き出し可能な空調用吹出口装置が設けられている。空調用吹出口装置に関する先行技術が特許文献1に開示されている。
特許文献1に開示された空調用吹出口装置は、吹出口を兼ねるハウジングと、ハウジングに支持された軸を中心にスイングすることにより風向きを調整可能な縦フィン(フィン)と、縦フィンよりも風の下流側に位置し左右方向に延びている横フィン(板状部材)と、を備えている。
【0003】
横フィンは、横フィンに対してスライドすることにより縦フィンの向きを調整可能な操作ノブを備えている。操作ノブは、その内部に板ばね(弾性部材)を備えている。乗員が操作ノブを左右にスライドさせると、板ばねは横フィンの上流側端面に形成されたフィン突出部に接触して撓み、操作ノブの操作感が生じる。フィン突出部を乗り越えた板ばねは、その位置に保持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-062770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
操作ノブは、上下方向(横フィンの厚み方向)に分割された2つの分割部材を主要な構成要素とする。2つの分割部材は横フィンを挟み込むように互いに組み付けられている。さらに、板ばねは、2つの分割部材により挟まれて操作ノブの内部で固定されている。即ち、操作ノブを組み付ける工程では、2つの分割部材により横フィンを挟み込むと共に板ばねを挟み込む作業が必要となる。板ばねの位置や板ばねの落下などに注意を払いつつ、分割部材により横フィンを挟み込む必要があり、操作ノブの組付け性に改善が求められる。
【0006】
本発明は、組付け性が良好な操作ノブを備えた空調用吹出口装置の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1に、軸を中心にスイングすることにより、風向きを調整可能なフィンと、
前記フィンにより調整される風の流れ方向を基準として前記フィンよりも下流側に位置し、前記フィンと直交する方向に延びている板状部材と、
前記板状部材に対してスライドすることにより、前記フィンの向きを調整可能な操作ノブと、を備え、
前記板状部材は、上流側を向いている上流側端面から上流側へ突出した突出部を有し、
前記操作ノブは、前記板状部材の前記突出部に接触して弾性変形可能な弾性部材を有する、空調用吹出口装置において、
前記操作ノブは、前記弾性部材が弾性力により係止している係止部材と、前記係止部材に対して組み付けられている組付部材と、を含んでいる、空調用吹出口装置が提供される。
【0008】
第2に、好ましくは、第1に記載の空調用吹出口装置であって、
前記弾性部材は、前記操作ノブがスライドする方向に延びている板状の本体部と、前記本体部の両端から上流側へ延びて前記係止部材に係止している係止部と、を有し、
前記係止部材は、前記弾性部材の端面を支持している支持部を有し、
前記支持部は、前記本体部の前記両端に接触して、前記弾性部材の移動を規制している2つの規制部を有している。
【0009】
第3に、好ましくは、第2に記載の空調用吹出口装置であって、
前記支持部は、前記規制部よりも下流側に延びており前記弾性部材を前記係止部材に組み付ける際に前記弾性部材の前記端面がスライド可能なスライド面を有している。
【0010】
第4に、好ましくは、第2に記載の空調用吹出口装置であって、
前記規制部は、前記支持部と共に前記本体部を挟み込み可能な保持部を有する。
【0011】
第5に、好ましくは、第2~第4のいずれか1つに記載の空調用吹出口装置であって、
前記係止部材は、前記弾性部材の前記係止部を収納している収納部を備え、
前記フィンの前記軸に沿った方向から見て、前記収納部に収納された前記弾性部材は、露出している。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、組付け性が良好な操作ノブを備えた空調用吹出口装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施例による空調用吹出口装置の斜視図である。
図2図1に示された空調用吹出口装置の分解斜視図である。
図3図3Aは、フィンに対して組み付け可能な操作ノブの分解斜視図である。図3Bは、図3Aの3B線で囲われた部位の拡大図である。
図4図1の4-4線断面図である。
図5図4の5線で囲われた部位の拡大図である。
図6】係止部材に対する弾性部材の組付けについて説明する図である。
図7】弾性部材が組み付けられた係止部材を下方から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<実施例>
添付図に基づいて実施例を説明する。Leは左、Riは右、Upは上、Dnは下を示している。上下方向及び左右方向は、方向の説明のために用いるものであり、車両に対して空調用吹出口装置を取り付ける向きを限定するものでない。さらに、Usは上流、Dsは下流を示している。上流及び下流は、後述するフィンにより調整される風の流れ方向を基準とする。
【0015】
図1を参照する。空調用吹出口装置10は、例えば、乗用車両において乗員の前方に配置されたダッシュボードに取り付けられている。乗員は、操作ノブ50を左右上下に移動させることにより、風の吹き出し方向を左右方向や上下方向に調節することができる。又は、乗員は、操作ノブ50を操作することにより、車室(室内)Viへの送風を遮断することができる。
【0016】
図2を参照する。空調用吹出口装置10は、矩形の枠状に形成されたハウジング20と、このハウジング20に上下の両端が支持されている縦フィンユニット30と、縦フィンユニット30よりも下流側に位置しハウジング20に左右の両端が支持されている横フィンユニット40と、縦フィンユニット30及び横フィンユニット40を操作するための操作ノブ50と、を備えている。
【0017】
ハウジング20は、略矩形筒状の樹脂製の部材である。ハウジング20の下流側端部は、車室Viに風を送るための吹出口21を兼ねている。ハウジング20は、縦フィンユニット30の両端を支持するために上下に形成されている縦フィン支持部22と、横フィンユニット40の両端を支持するために左右に形成されている横フィン支持部23と、を備えている。
【0018】
(フィン、軸)
縦フィンユニット30は、縦フィン支持部22にそれぞれ回転可能に支持される軸31aを有し、左右方向にスイング可能な4つの縦フィン31(フィン)と、4つの縦フィン31を連結し4つの縦フィン31を同時に左右方向にスイングさせる縦フィンリンク32と、を備えている。4つの縦フィン31の1つ(図2の左から2つめの縦フィン31)には、操作ノブ50を左右方向に移動させることにより回転するピニオンギア部33が一体に形成されている。
【0019】
横フィンユニット40は、左右の横フィン支持部23にそれぞれ固定されている左右のフィン支持部材41,41と、これらのフィン支持部材41,41に両端が支持され上下にスイング可能な5つの板状の横フィン42(板状部材)と、これらの5つの横フィン42を連結し5つの横フィン42を同時に上下方向にスイングさせる横フィンリンク43と、を備えている。なお、横フィン42は、スイング不可の板状部材であってもよい。
【0020】
(操作ノブ)
図3を参照する。操作ノブ50は、弾性変形可能な板ばね60(弾性部材)と、板ばね60がその弾性力により係止可能であると共に横フィン42の上流側に位置する上流側部材70(係止部材)と、上流側部材70に対して下流側から組み付け可能な下流側部材52(組付部材)と、下流側部材52の下流側の開口52aを塞ぐことが可能な蓋59と、を備えている。なお、蓋59は無くても良く、その場合、下流側部材52で塞ぎ、さらに操作ノブ50の車室側突出量を減らすことで、形状を簡素化出来る。
【0021】
(フィンの上流側端面)
図3A及び図5を参照する。横フィン42は、上流側を向いている上流側端面45を有している。上流側端面45の左右方向中央には凹部46が形成されている。凹部46は、上流側へ向かって突出したフィン突出部47(板状部材の突出部)を有している。
【0022】
(板ばね)
板ばね60は、左右方向に延びている板状の本体部61と、本体部61の左右方向(操作ノブ60のスライド方向)の両端63,63から下流側に直線状に延びている2つの腕部64,64と、各々の腕部64の先端に設けられ上流側部材70に係止可能な2つの係止部65,65と、を有している。係止部65は、外側(左右方向の中央から離れる方向)へ突出するように折れ曲がった形状である。
【0023】
本体部61は、下流側へ突出するように曲げられているばね突出部62(弾性部材の突出部)を有している。操作ノブ50(図1参照)を左右に移動させ、ばね突出部62がフィン突出部47を乗り越える際に撓む。ばね突出部62は、フィン突出部47を乗り越えると復元し、ばね突出部62とフィン突出部47とにより、板ばね60の位置を保持することができる。
【0024】
(支持部、規制部)
図3Aを参照する。上流側部材70は、板ばね60の下端面60a(端面)を支持している支持部71を有する板状の基部72を備えている。なお、支持部71は、リブ等で形成し、接触可能に支持していれば良い。基部72の支持部71は、支持部71から上方へ延びて板ばね60の移動を規制する2つの規制部73,73を有する。
【0025】
図3及び図5を参照する。各々の規制部73は、本体部61の端部63を上流側から規制している上流側規制面74と、外側を向いており腕部64を側方から規制している側方規制面75と、本体部61の端部63の上端面60bを上方から規制している上方規制面76(保持部)と、を有している。上方規制面76は、支持部71と共に本体部61の端部63を挟み込んでいる。
【0026】
さらに、基部72の支持部71は、側方規制面75の外側に、板ばね60の係止部65がスライド可能な係止部スライド面77を有している。
【0027】
(板ばねの組付け)
上流側部材70に対する板ばね60の組付け方法について説明する。図6A及び図6Bを参照する。側方規制面75に対して腕部64を上流側へスライドさせると共に、係止部スライド面77に対して係止部65を上流側へスライドさせる。係止部スライド面77は、上流側へ向かうに連れて内側(左右方向中央に向かう方向)へ曲がっている。係止部65は上流側へ向かうに連れて係止部スライド面77に押されて撓む。
【0028】
図6B及び図6Cを参照する。係止部スライド面77の頂部77aを乗り越えると、撓んでいた係止部65が復元し、係止部65が係止する。上流側部材70に対する板ばね60の組付けが完了する。
【0029】
(収納部)
図3A及び図6Cを参照する。基部72の支持部71の上方には、係止部65を収納している収納部80が設けられている。収納部80は、下流側を除いて係止部65を囲っている略U字状の側壁部81を有している。側壁部81は、係止部65の外側に位置する外壁部83と、係止部65の内側に位置する内壁部84と、係止部65の上流側に位置する奥壁部85と、を有している。さらに、収納部80は、係止部65を上方から覆っている上壁部82(図3B参照)を有している。
【0030】
(係止部の露出)
図7には、板ばね60が係止された上流側部材70を支持部71(図5参照)の反対側から見た状態が描かれている。下方から上方へ向かって上流側部材70を見ると、収納部80に収納された係止部65は露出している。換言すると、収納部80の収納部80の底は、基部72によって構成されるが、基部72には、収納部80の底全体が開口するような下露出孔72aが形成されている。
【0031】
なお、縦フィンの軸31aに沿う方向から見て(上下方向に沿って見た状態)、係止部65が露出していればよい。例えば、下露出孔72aに代えて、収納部80の上壁部82(図3B参照)全体が開口するような上露出孔(図示なし)を形成しても良い。さらに、下露出孔72a及び上露出孔の双方を形成してもよい。収納部80の断面の形状は、適宜変更できる。
【0032】
(上流側部材のその他の構成)
図3Aを参照する。上流側部材70は、基部72と共に横フィン42の下流側端部48を隙間を空けて挟み込むことが可能な板状の2つの横フィン挟み込み部91,91と、縦フィン31のピニオンギア33と噛み合い可能なギア部92と、横フィン42の上流側端面45に対して接触可能な2つの接触面93,93を有している。
【0033】
(下流側部材52)
下流側部材52は、断面が略矩形の筒状を呈している。下流側部材52には、横フィン42を挟み込めるように切り欠かれた切り欠き部53,53(右側の切り欠き部53のみ示されている)が形成されている。下流側部材52は、各々の挟み込み部91に設けられた上突起部95が嵌合可能な上嵌合孔54と、基部72に設けられた下突起部96が嵌合可能な下嵌合孔55を有している。なお、下流側部材52は、単一の部材であるが、複数の部材から構成されていてもよい。
【0034】
(第1の効果)
図4を参照する。空調用吹出口装置10は、軸31aを中心にスイングすることにより風向きを調整可能な縦フィン31(フィン)と、縦フィン31により調整される風の流れ方向を基準として縦フィン31よりも下流側に位置し縦フィン31と直交する方向に延びている横フィン42(板状部材)と、横フィン42に対してスライドすることにより縦フィン31の向きを調整可能な操作ノブ50と、を備えている。
【0035】
横フィン42は、上流側を向いている上流側端面45から上流側へ突出したフィン突出部47を有している。操作ノブ50は、フィン突出部47に接触して弾性変形可能な板ばね60(弾性部材)を有している。板ばね60が変形することにより操作ノブ50の操作感が生じる。操作ノブ50は、板ばね60が弾性力により係止している上流側部材70(係止部材)と、上流側部材70に対して組み付けられている下流側部材52(組付部材)と、を含んでいる。
【0036】
先行技術の操作ノブは上下に分割された2つの分割部材から構成され、これらの分割部材が板ばねを挟み込んでいた。板ばねを挟み込む際に、板ばねが落下するおそれがあった。分割部材を調整する必要があり手間がかかる。また、リブで挟み込んでいるので、位置やガタツキ調整を行う為、精度を上げていくと前後方向の隙間が少なくなり、組付け性が低下する。
【0037】
実施例では、操作ノブ50は、板ばね60が係止している上流側部材70(係止部材)と、上流側部材70に対して組み付けられている下流側部材52(組付部材)と、を含んでいる。即ち、板ばね60自体が上流側部材70に係止しているため、上流側部材70に対して板ばね60を固定する際に、他の構成部品や固定部品などが不要である。さらに、上流側部材70に対して板ばね60が係止しているため、下流側部材52を上流側部材70に組み付ける際に、板ばね60が上流側部材70から外れない。組付け性が良好な操作ノブ50を備えた空調用吹出口装置10を提供できる。また、操作ノブ50のガタツキ調整を行っても、組付け性を阻害することが無い。
【0038】
なお、「板ばね60が弾性力により係止されている」とは、板ばね60を上流側部材70に組み付ける際に、板ばね60が撓むことを意味しており(図6A図6C参照)、板ばね60が係止された状態(図6C)において、板ばね60が撓んでいるか否かは問わない。さらに、操作ノブ50は、上流側と下流側とに分割されているが、分割されている向きは問わない。操作ノブ50は、少なくとも2つの部材から構成され、板ばね60はそれらの部材のなかの単一の部材に対して弾性力により係止していればよい。
【0039】
(第2の効果)
図3及び図5を参照する。板ばね60は、上流側部材70がスライドする方向(左右方向)に延びている板状の本体部61と、本体部61の両端63,63から上流側へ向かって延びて係止部材70に係止している係止部65,65と、を有している。上流側部材70は、板ばね60の下端面60aを支持している支持部71を有している。支持部71は、本体部61の両端63,63に接触して板ばね60の移動を規制している2つの規制部73,73を有している。
【0040】
弾性部材として両端が折り曲げられた板ばね60を採用し、上流側部材70に板ばね60の移動を規制する規制部73を設けることにより、板ばね60を上流側部材70に簡単に係止させることができる。
【0041】
(第3の効果)
図3A及び図5を参照する。支持部71は、規制部73よりも下流側に延びており板ばね60を上流側部材70に組み付ける際に板ばね60の下端面60aがスライド可能なスライド面71aを有している。板ばね60をスライド面71aに載せ、板ばね60を規制部73へ向かって押し込むだけで、板ばね60を上流側部材70に簡単に組付けられる。
【0042】
(第4の効果)
図3Bを参照する。規制部73は、支持部71と対向し、本体部61を挟み込み可能な上方規制面76(保持部)を有している。規制部73は、支持部71上での板ばね60の移動を規制している。さらに上方規制面76を設けることにより、板ばね60の上方への移動も規制できる。また、本体部61の両端にて支持ができるため、本体部61に荷重がかかった際の本体部61のズレやコケ(上下回転)を抑えることができる。
【0043】
(第5の効果)
図7を参照する。板ばね60は、板ばね60の係止部65を収納している収納部80を備えている。下方から上方に沿って見て(縦フィン31の軸31a線に沿った方向)、収納部80に収納された板ばね60の係止部65は露出している。上流側部材70に対する板ばね60の組付けを視認できる。
【0044】
なお、本発明の作用及び効果を奏する限りにおいて、本発明は、実施例に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0045】
10…空調用吹出口装置
31…縦フィン(フィン)
31a…縦フィンの軸
42…横フィン(板状部材)
45…横フィン(板状部材)の上流側端面
47…フィン突出部(突出部)
50…操作ノブ
52…下流側部材(組付部材)
60…板ばね(弾性部材)
60a…板ばねの下端面(弾性部材の端面)
61…板ばね(弾性部材)の本体部
65…板ばね(弾性部材)の係止部
70…上流側部材(係止部材)
71…支持部
71a…スライド面
73…規制部
76…上方規制面(保持部)
80…収納部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7