(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113531
(43)【公開日】2024-08-22
(54)【発明の名称】有害電磁波の防御能向上処理方法と、この処理方法で処理した有害電磁波防御部材
(51)【国際特許分類】
H05K 9/00 20060101AFI20240815BHJP
【FI】
H05K9/00 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023018588
(22)【出願日】2023-02-09
(71)【出願人】
【識別番号】516309327
【氏名又は名称】株式会社アクアデザイン
(71)【出願人】
【識別番号】523047298
【氏名又は名称】森 陽子
(74)【代理人】
【識別番号】100090985
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 幸雄
(74)【代理人】
【識別番号】100093506
【弁理士】
【氏名又は名称】小野寺 洋二
(74)【代理人】
【識別番号】100206302
【弁理士】
【氏名又は名称】落志 雅美
(72)【発明者】
【氏名】石黒 三郎
(72)【発明者】
【氏名】高橋 洋介
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 久雄
(72)【発明者】
【氏名】森 陽子
【テーマコード(参考)】
5E321
【Fターム(参考)】
5E321AA11
5E321BB21
5E321CC16
5E321GG05
(57)【要約】
【課題】身体に有害な電磁波を防御する防御部材の防御能を向上するための処理方法を提供する。
【解決手段】電子親和力が高い第1の金属板1と、第1の金属板よりも電子親和力の低い第2の金属板2とを貼り合わせてなる防御部材5を載置する照射ベッド12と、テラヘルツ波を生成する発振器6と、発振器6と防御部材5を載置する照射ベッド12との間に設置されたテラヘルツ波照射系16Aと、照射ベッド12に載置された防御ユニット5からの反射波を受信する反射波検知器10と、照射ベッド12に載置された防御部材(実施例緒では、防御部材)5と反射波検知器10との間に設置された反射テラヘルツ波導入系16Bと、反射波検知器10で検知された反射波の強度値を評価し、評価結果に基づいて発振器6の発信出力周波数と強度を調整する評価/制御装置11を備えた処理システムを用いる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異種金属間等の電子親和力の差を利用する有害電磁波からの防御能力を向上させるための有害電磁波の防御部材の防御能向上処理方法であって、
電子親和力が高い第1の金属板と、前記第1の金属板よりも電子親和力の低い第2の金属板とを貼り合わせてなる防御部材を載置する照射ベッドと、
テラヘルツ波を生成する発振器と、
前記発振器と前記防御部材を載置する照射ベッドとの間に設置されたテラヘルツ波照射系と、
前記照射ベッドに載置された前記防御部材からの反射波を受信する反射波検知器と、
前記照射ベッドに載置された前記防御部材と前記反射波検知器との間に設置された反射テラヘルツ波導入系と、
前記反射波検知器で検知された前記反射波の強度値に基づいて前記発振器の発信出力を調整する制御装置を備えた処理システムを用い、
前記防御部材にテラヘルツ波を照射して、当該防御部材を構成する組織に存在する電磁波ノイズを前記テラヘルツ波のエネルギーによって抑制する組成矯正効果を施すことにより、前記防御部材に本来有する波動値の揺らぎを低減し、当該防御部材の有害電磁波の防御能を向上することを特徴とする有害電磁波の防御部材の防御能向上処理方法。
【請求項2】
前記テラヘルツ波照射系は、コンデンサレンズと可変開口板で構成され、
前記反射テラヘルツ波導入系は、前記防御部材からの反射テラヘルツ波を前記反射波検知器の検知部に導入する集束レンズと、前記防御部材からの反射テラヘルツ波を前記集束レンズに通過させるシールド筒とで構成されたことを特徴とする請求項1に記載の有害電磁波の防御部材の防御能向上処理方法。
【請求項3】
前記防御部材は、前記電子親和力が高い1枚の第1の金属板と前記電子親和力が低い1枚の第2の金属板とを貼り合わせてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の前記防御部材の防御能向上処理方法。
【請求項4】
前記防御部材は、前記電子親和力が高い2枚の第1の金属板の表裏のそれぞれに前記電子親和力が低い第2の金属板を貼り合わせてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の防御部材の防御能向上処理方法。
【請求項5】
前記請求項1乃至4の何れかに記載の防御能向上方法を用いて電磁波防御能を向上させたことを特徴とする有害電磁波防御部材。
【請求項6】
有害電磁波の防御部材であって、
電子親和力の高い第1の金属板と、同金属板よりも電子親和力の低い第2の金属板との複合板からなり、
かつ、前記複合板はテラヘルツ波が照射されてなるものであることを特徴とする有害電磁波の防御部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有害電磁波の防御技術に係り、特に衣類や携帯品、身体に取り付けて、或いは電磁波発生器具に取り付けて有害電磁波から身体を防御可能とした有害電磁波を防御する能力向上のための処理方法と、この方法で処理した有害電磁波防御部材に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の生活空間は、通例、電波と称する様々な周波数と強度の電磁波で満たされており、通常の生活においてこのような電磁波の被曝から逃れることは不可能である。電磁波は目に見えず、時分たちの身体がどの様な電波にどのくらい晒されているかも解らず、一般の人たちは、電磁波の被曝による健康への影響についても余り気にしていないのが普通ある。
【0003】
しかし、テレビ、電子レンジ、パソコン、或いはスマートホンなどの身近にある電子機器から発生される電磁波は、癌やその他の病魔を引き起こす原因の一つになっていると言われている。このような種類の電磁波を、ここでは有害電磁波と称する。なお、以下では、このような有害電磁波を単に電磁波と称することもある。
【0004】
このような有害電磁波から身体を防御する能力を電磁波対応性(波高値で表現される)という。そのための対応品も世にでているが、そのほとんどは、所謂、金属系の板や網、あるいはシートを用いたシールド効果を利用したものであり、通常の生活環境や社会活動において簡便かつ効果的に電磁波の防御を得るようなものは未だ存在しない。
【0005】
先に、本発明者等は、このような電磁波の被曝から身体を防御するための装置を提案した(特許文献1)。この防御装置は、電子親和力の高い金属と低い金属を貼り合わせたもので、衣類や身体に貼り付けるか、首に下げるアクセサリー類として、或いは電磁波発生装置に取り付けることで有害な電磁波から身体を防御するものである。
【0006】
なお、電子親和力とは、原子、分子(場合により、固体や表面も対象となる)に1つ電子を与えた時に放出または吸収されるエネルギーで、放出の場合は正、吸収の場合は負と定義する。電子親和力が負であることは、陰イオンになり難いことを意味する(非特許文献1)。この詳しい理屈は量子理論の領域になるので、説明は省くことにする。
【0007】
また、電子親和力の高い金属板と低い金属板を水の容器に接着、貼り合わせ(クラッド化)あるいは近接させて配置することで水道水などの水を活性水に改質する提案もなされている(特許文献2)。さらに、水のみでなく、アルコール飲料、果実飲料、液体燃料等の液状物の改質、燃焼効率の向上を可能とする提案もなされている。
【0008】
特許文献3では、人体を含むすべての物体が波動を放射するという観点から、p型半導体膜とn型半導体膜の積層体による波動値の大幅な上昇(波動の増幅)を利用してアルコール飲料や果実飲料等が身体の健康に良いものに改善し、また液体燃料の燃焼効率を向上させるとした提案もなされている。
【0009】
さらに、特許文献4は、波動(ここでは、テラヘルツ波の周波数領域の電磁波を指す)の電磁波を、人体を含む様々な物質に照射したことによる効果を実証した結果を開示する。なお、人体(身体)も多くのテラヘルツ波を放射していることに関しては、例えば非特許文献2を挙げることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2022-182370号公報
【特許文献2】特開2019-843号公報
【特許文献3】特許第6593910号公報
【特許文献4】特開2022-52306号公報
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】https://ja.wikipedia.org/wiki/
【非特許文献2】1675923690282_0
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記の先行技術では、構成する異種金属間やp-n半導体間等の材料の電子親和力を利用する構造体についての開示はある。しかしながら、先行技術の何れも、その電磁波防御の作用が複数の材料の組み合わせにより増強され、あるいは新規な作用効果をもたらすことを示唆しない。
本願の発明者等は、物質が持つ電子親和力等に着目し、複数の材料の組み合わせで電磁波防御の効果が増強されることを確認し、この複数の材料、特に異種金属の組み合わせ構造による有害電磁波防御の作用効果(防御能)を、テラヘルツ波を用いて増強することができることを見いだした。
【0013】
すなわち、本発明は、特許文献1に開示された異種金属間等の電子親和力の差を利用する有害電磁波からの防御能力を向上させる異種金属の貼り合わせにテラヘルツを照射する処理方法と、その処理方法で処理した有害電磁波の防御装置を提供することある。
なお、本発明のテラヘルツ処理方法によれば、上記有害電磁波の防護に限らず、人体の発生する高周波ノイズを抑制して生命力を向上させ、あるいは電磁波防御能を向上させた防御部材を用い各種物質の改質を行うことも可能である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、本発明は、異種金属間等の電子親和力の差を利用する有害電磁波からの防御能力を向上させるための有害電磁波の防御部材の防御能向上処理方法は、次のとおりである。なお、以下では発明の構成要件に後述する実施例の図面用いた参照符号を付記する。
【0015】
(1)電子親和力が高い第1の金属板1と、第1の金属板よりも電子親和力の低い第2の金属板2とを貼り合わせてなる防御部材5を載置する照射ベッド12と、テラヘルツ波を生成する発振器6と、発振器6と防御部材5を載置する照射ベッド12との間に設置されたテラヘルツ波照射系16Aと、照射ベッド12に載置された防御ユニット5からの反射波を受信する反射波検知器10と、
照射ベッド12に載置された防御部材5と反射波検知器10との間に設置された反射テラヘルツ波導入系16Bと、反射波検知器10で検知された反射波の強度値に基づいて発振器6の発信出力を調整する制御装置11を備えた処理システムを用いる。
【0016】
そして、防御部材5にテラヘルツ波を照射し、当該防御部材5を構成する金属組織に存在する電磁波ノイズをテラヘルツ波のエネルギーによって抑制してすることにより、防御部材5に本来有する波動値の揺らぎが矯正され、当該防御部材5の防御能が向上する。
【0017】
(2)テラヘルツ波照射系16Aは、コンデンサレンズ7と可変開口板8で構成され、反射テラヘルツ波導入系16Bは、防御部材5からの反射テラヘルツ波を反射波検知器10での検知部に導入する集束レンズ9と、防御部材5からの反射テラヘルツ波のみを集束レンズ9に指向させるシールド筒17とで構成する。
【0018】
(3)電子親和力が高い第1の金属板1は、前記電子親和力が低い第2の金属板2の表裏にはり合わせて3層構造とすることで、表裏を意識することなく使用できる。
【0019】
(4)上記の(1)乃至(3)の何れかに記載の防御能向上方法を用いて電磁波防御能を向上させた有害電磁波防御部材を提供できる。
【0020】
なお、本発明は、上記の構成および後述する実施の形態に開示される構成に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【発明の効果】
【0021】
上記構成とした本発明によれば、テラヘルツ波の照射で異種金属の内部の原子によるテラヘルツ波の発振におけるリップルノイズ(金属組織に存在する電磁波ノイズ)が抑制されると推論され、それによって電磁波に対するシールド効果が増大し、有害電磁波に対する電磁波対応性が増進する。
【0022】
テラヘルツ領域の電磁波は遠赤外線に近似した領域にあり、人体も多くのテラヘルツ波を発振し、放射している。活性を有する健康体の細胞や臓器からは多くのテテラヘルツ波が放射される一方で、病気などに侵されている細胞、臓器からのテテラヘルツ放射は弱く、人体の全体から放射されるテラヘルツ波は相対的に微弱であることがよく知られている。
【0023】
本発明により、テラヘルツ処理した防御部材を身体に取り付けた場合の電磁複数の材料の組み合わせによる健康への悪影響を低減することができると共に、身体の自然治癒力を高め、人体から放射されるテラヘルツ波が防御部材に常時照射されることで防御部材の電磁波対応性能が永続的に維持され、さらに増強される可能性もある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明に係るテラヘルツ波照射システムの光学系の1実施例を説明する概略構成図
【
図2】本発明に係る有害電磁波の防御部材の代表的な構成例を示す断面模式図
【
図3】本発明に係る有害電磁波の防御部材の使用例とその作用の説明図
【
図4】本発明に係る有害電磁波の防御部材の構成例の説明図
【
図5】本発明に係る有害電磁波の防御部材の変形例の説明図
【
図6】本発明に係る有害電磁波の防御部材の製品化例の説明図
【
図7】本発明に係る有害電磁波の防御部材の電磁波対応性の測定システム例の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に係る有害電磁波の防御能向上処理方法と有害電磁波防御部材の実施の形態を実施例の図面を参照して詳細に説明する。
【0026】
図1は本発明に係る有害電磁波の防御能向上処理方法を実施するテラヘルツ波照射システムの光学系の1実施例を説明する概略構成図である。また、
図2は有害電磁波防御部材の一例を説明する断面模式図である。このテラヘルツ波照射システムは、
図2に示した有害電磁波防御部材にテラヘルツ波を照射して、その電磁波対応性を向上させる機能を有する。
【0027】
図1において、参照符号5は本発明に係る有害電磁波防御部材(実施例では、所謂タグ状のものを想定している)を示す。この有害電磁波防御部材5(以下、単に防御部材或いは防御タグと称する場合もある)は、電子親和力が高い第1の金属板1と第1の金属板よりも電子親和力の低い第2の金属板2とを貼り合わせてなる。この防御部材5をテラヘルツ波照射ベッド12の上に載置する。
本実施例では、電子親和力が高い第1の金属板1に銅(Cu)板を、第1の金属板よりも電子親和力の低い第2の金属板2としてアルミニウム(Al)板を用いた。使用可能な金属については後述する。
【0028】
そして、テラヘルツ波を生成するテラヘルツ発振器6と防御部材5を載置する照射ベッド12との間に設置されたテラヘルツ波照射系16Aを介してテラヘルツ波照射ベッド12に設置されたテラヘルツ波防御ユニット5にテラヘルツ波を照射する。参照符号6aはホーンアンテナで、テラヘルツ波照射系16Aはコンデンサレンズ7と可変開口板8からなる。
【0029】
ホーンアンテナ6aは発振器内で生成されたテラヘルツ波を所定のモードでコンデンサレンズ7に出力する。コンデンサレンズ7はテラヘルツ波を照射面(照射ベッド12の平面と平行な面)に対してテラヘルツ波を均一に指向させる集束レンズである。なお、可変開口板8はテラヘルツ波の照射領域を照射対象(この場合、防御部材5)の大きさや厚み等に応じた最適値に調整する機能を有する。
【0030】
防御部材5に照射するテラヘルツ波の照射時間、発振器6の発振強度はテラヘルツ波の検出器10で検出された防御部材5からの反射波を制御装置11に入力し、制御装置10が事前設定された照射条件になるように発振器6の動作を帰還制御する。
【0031】
防御部材5からの反射波は反射テラヘルツ波導入系16Bを通して検出器10に入力する。反射テラヘルツ波導入系16Bは、コンデンサレンズ(集束レンズ9)と外部に存在する電磁波ノイズを遮蔽するシールド17で構成され、防御部材5からの反射波は検出器10のホーンアンテナ10aを介して図示しない受信素子に入力する。テラヘルツ波発振器は、その発信周波数も可変となっている。
【0032】
防御部材5にテラヘルツ波を照射することにより、防御部材5を構成する金属組織に存在する電磁波ノイズ(リップルノイズ)をテラヘルツ波のエネルギーによって抑制することにより、防御部材5に本来有する波動値の揺らぎ(金属組織に存在する電磁波ノイズ)が矯正され、人体等に接触或いは近接配置することで、防御部材5の防御能(電磁波対応力)が向上する。二枚の異種金属で構成したものでは、電子親和力が高い第1の金属板1側を人体側に向けて使用する。
【0033】
図2に示した電子親和力が高い第1の金属板1は電子親和力が低い第2の金属板2の表裏にはり合わせた3層構造とすることで、表裏を意識することなく使用することができる。なおこの構造をさらなる多層構造とすることも可能である。
この処理方法により、電磁波防御能を向上させた有害電磁波防御部材を提供できる。
【0034】
図3は上記の処理方法で電磁波対応性を向上させた防御部材の使用例(a)とその作用(b)の説明図である。
図3(a)に示したように、この例では、人体13のネックにペンダントに製品化した防御部材5を吊り下げ装荷し、当該防御部材5を人体の胸の付近に位置させた。
図3(b)は同(a)のA部分を拡大した作用の概念図である。外部から人体13に侵入しようとする有害電磁波14は防御部材5のシールド効果(電磁波対応性:金属組織に存在する電磁波ノイズの抑制効果)によって人体から回避される。これにより人体13への有害電磁波が身体の臓器や細胞に被害を及ぼすことが低減される。
【0035】
なお、人体自体もテラヘルツ波15を放射している。このテラヘルツ波15は首等に吊り下げ或いは他の携帯手段で人体に装荷した防御部材5を常時照射する。これによって防御部材5を身に着けていることで、防御部材5の電磁波防御能を常時向上させる効果もある。
【0036】
以下、本発明についての説明が前後するが、先ず、防御部材5の技術的な背景について説明する。既知のように、電磁波は電界(電場)と磁界(磁場)の振動が対になって空間を走る横波で、電子の振動によって発生する波で吸収されると熱になる、というように色々な電子機器からも発生する複雑な波動の総称である。
【0037】
本発明者等は、異種金属の接合による接触電位差に着眼して電子親和力の高い金属と低い金属の接触電位を研究した結果、この接触面は電気的にプラスとマイナスの層が出来、マイナス面に電子が発生することが確認された。
【0038】
一般に、人間の身体は老年になると電子が不足して老化するとされており、従って電子水を飲むと良いとか水素水をのむと良いと言われている。そこで、足の痛む人に電子親和力の高い銅板と低いアルミ板の接合体を接触し、マイナス面の金属銅の方を足の痛む踵に張り付けて経過を見たところ、翌日痛みは解消した。
また、電子親和力が弱い金属チタン板に金箔を張り付けて表面をプラスチックで包み、腹痛者の腹部に金箔面を着けて観察したところ、痛みが2時間後解消した。
これ等の実例から身体の不調箇所に上記接合体の電子親和力の高い金箔面を接触させておくと、身体の不調箇所が治癒されることが解った。
【0039】
本発明者等は、以上の知見から電子親和力の高い金属と低い金属の接合体を身体に接触させれば、身体の自然治癒力が高まり、電磁波の身体への影響を無くすこと(電磁波対応性の付与)もできるかも知れないと思考し、実験を進めた結果、本発明を成すに至った。
【0040】
本発明における電子親和力の高い金属と低い金属の電子親和力を表1示す。表1に示すごとく、電子親和力の高い金属としては金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、銅(Cu)、テルル(Te)等があり、また電子親和力の弱い金属としては、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、マンガン(Mn)、チタン(Ti)、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)、コバルト(Co)等がある。
【表1】
【0041】
そこで、電子親和力の高い金属と低い金属を接合させると、高い金属は低い金属の電子を奪ってマイナスに帯電し、電子親和力の低い金属は電子を取られてプラスに帯電する。
各種金属板同士を接合した場合の電位差を以下に示す。接合や貼り合わせを「/」で示す。
金/チタン(Au/Ti)接合の電位は-700mV。
銅/アルミニウム(Cu/Al)接合板(各0.1mm)の電位は一300mV。
銅/アルミニウム(Cu/Al)(各厚み0.03mm)の電位は-100mV。
【0042】
この電位差が大きければ電磁波の身体に対する防御力(電波対対応性)が大きいとは一概に言えないが、電位差200mV以上(プラス100mV~マイナス100mV)あれば、金属接合体で作られたプラスーマイナス層による電磁波の身体に対する防御力(電波対対応性)は発揮されることが解った。
【0043】
各種金属の組合せは、例えば銅とアルミニウム(Cu/Al)、金とチタニウム(Au/Ti)、銅と鉄(Cu/Fe)、等がある。
そのうち経済性、機能性の面から検討すると、(1)銅とアルミニウム(Cu/Al)、(2)銅と鉄(Cu/Fe)又は(3)銅とステンレス(Cu/SUS)が低コストで実用性にも富んでいる。
【0044】
本発明に係る有害電磁波の防御部材の構成例の説明図で、
図4(a)は電子親和力の高い金属板1と低い金属板2を各一枚宛貼り合わせたもの、同図(b)は低い金属板2の表裏のそれぞれに親和力の高い金属板1を貼り合わせて計三枚構成のサンドイッチ状としたものを示す。
【0045】
その貼り合わせの方法としては、高い金属板1と低い金属板2を重ね合わせてプレスにより圧接するクラッド化処理とするか、または接着剤で接着する、或いはメッキする、もしくはクリップで挟持するか等に適宜な方法によって行うことができる。
【0046】
また、電子親和力の高い金属板1と低い金属板2は、板体でなくてもよく、例えば
図5(a)(b)の変形例に示すごとく、一方の金属を網体1’、網体(メッシュ状にした金属)2’としてもよい。
【0047】
さらに、本発明に係る電磁波の防御装置の形状は
図6の平面図に示すごとく、(a)円形500a、(b)楕円形500b、(c)二等辺三角形500c、(d)長方形500d、(e)正方形500e、(f)六角形500f等の多角形、(g)ハート型500g、等の各種形状を採用できる。あるいは、棒体、錐体、球体、等の形状とした電子親和力の低い金属の周りを、電子親和力の高い金属で被覆したものとすることもできる。
【0048】
そして、
図6の(a)に示したように、それら製品を身体の首に吊り下げて使用する場合には紐16あるいはチェーン等を付けておくことも好ましい。
【0049】
また、図示していないが、電子親和力の低い金属棒の表面に電子親和力の高い金属層が形成されてなる断面が年輪様の接合体であってもよい。
なお、本発明の電磁波の防御装置を身体に用いる場合には、同装置を手に持つ方法、同装置を衣類に貼り付ける方法、ペンダントのように首に下げる方法、あるいは胸ポケットに入れる方法等もある。
【0050】
さらに、電磁波発生源、例えば携帯電話器、スマートホン、パソコン等に直接貼り付けても良い。例えば、携帯電話器、スマートホンには使用者の耳に当たる部分に両面テープを介して、電子親和力の高い金属側を近づけて貼り付けることが好ましい。
【0051】
次に本発明の具体的な使用効果について具体例をもって説明する。
・具体例1:
まず、電磁波を受けた時の身体の対応力(電磁波対応性;波動値)を測定して実験した。
波動値の設定は、完全に電磁波の影響を阻止する場合を+20とし、全く阻止できない場合を-20とし、中を40等分して数値ファクターとした。
(1)2021年4月7日に、A氏(男性91才)の自身の電磁波対応力(電磁波対応性)(a)を計測した。また、A氏が携帯電話を右手に持って耳に当てた場合の電磁波対応性(b)を計測した。
【0052】
さらに、A氏が携帯電話を右手に持って耳に当てたままフランス製の携帯電話用電磁波防止装置(テクノA-0製携帯電話用電磁波防止装置MP-12)を左手に持って、電磁波対応性(c)を測定した。
さらにまた、A氏が携帯電話を右手に持って耳に当てたまま、本発明の装置(厚み0.1mmの銅板と厚み0.2mmのアルミニウム板の50mm角の接合板)を左手に持って電磁波対応性(d)を測定した。
その結果は以下のとおりであった。
【0053】
(a)A氏・・・・・・・・・・・・・・・電磁波対応性 +9
(b)A氏+携帯電話・・・・・・・・・・電磁波対応性 +3
(c)A氏+携帯電話+フランス製電磁波防止装置
・・・・・・・・・・・電磁波対応性 +10
(d)A氏+携帯電話+Cu/Al接合板
・・・・・・・・・・・電磁波対応性 +19
・この測定に用いた機器:波動測定器:LFA測定器
測定者:久永修二 LFA研究所所長
なお、本測定器の波動値は-20~+20で、-20が最低値+20が最高値である。
【0054】
・考察
(1)上記(a)と(b)を比較すると、携帯電話の電磁波がA氏本人に悪影響を及ぼしていることが解る。
(2)上記の悪影響を防ぐ為に、(c)携帯電話の他にフランス製電磁波防止装置を持つと波動値は+10に改善された。
(3)さらに、(d)携帯電話の他に本発明のCu:Al接合板を持つと+19となりほぼ最高値となった。
よって、本発明の装置を身に付けて携帯電話を操作すると電磁波の影響をほぼ完全に防止できることが解った。
【0055】
・具体例2
以下の試験では各種電磁波防止装置本体の比較を行った。
(4)フランス製電磁波防止装置の電磁波対応性・・・+15
(5)本発明のCu/Al接合板(厚みO.03mmのCu板と厚み0.05mmのAl板の接合板(46mm角))の電磁波対応性・・・・・・+19
(6)本発明のCu/Al接合板((厚みO.1mmのCu板と厚み0.02mmのAl板の接合板(46mm角))+痛み改善用半導体チップの電磁波対応性・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・+19
注:(6)は、Cu/Al接合板のCu板面に痛み改善用半導体チップ(商品名;ウエルアップ)13個を等間隔で接着したものである。
【0056】
・(考察)
フランス製電磁波防止装置は+15に留まったが、本発明に係る銅/アルミニウム(Cu/Al)接合板では両方((5)及び(6))共に+19となってほぼ最高値となり、厚みや痛み改善用半導体(ウエルアップ)の影響が認められなかった。
【0057】
・具体例3
次にパソコンの電磁波対応性試験を行った。
(7)パソコン富士通製の電磁波対応性・・・・・・・・+3
(8)同上(7)+銅箔:厚み1mmアルミ板(Cu/Al)(50mm角)の
電磁波対応性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・+19
(9)同上(キ)+厚み0.3mm亜鉛板:厚みO.03mm銅板(50mm角)の電磁波対応性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・+18
(10)同上(キ)+厚み0.1mmトタン板(鉄に亜鉛メッキした板):厚み0.03mm銅板(50mm角)の電磁波対応性・・・・・・・+18
【0058】
・考察
パソコン(7)では電磁波対応性+3でパソコンを2時間以上継続して使用すると、頭を痛め、或いは目が疲れるので休憩が必要であるが、(8)の様に本発明の銅/アルミニウム板等を使用すると電磁波対応性が+18~+19に上がり頭や目の疲れが大幅に軽減された。
また、(9)(10)の様に、銅、アルミニウム以外でも電磁波防止に有用であることが分かった(+18以上は極めて良い範疇に入る)。
【0059】
・具体例4
(11)B氏(男性59才)の電磁波対応性・・・・・・+14
(12)B氏+スマートホンの電磁波対応性・・・・・・+5
(13)B氏+スマートホン+本発明の0.1mm銅箔0.2mmAl板(46mm角型)の磁波対応性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・+19
【0060】
・具体例5
(14)C氏(女性75才)の電磁波対応性・・・・・・+9
(15)C氏+スマートホンの電磁波対応性・・・・・・+3
(16)C氏+スマートホン+0.1mmCu/O.2mmAl板(46mm角型)の電磁波対応性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・+20
・考察
(11)のB氏は電磁波に対し+14という可成り高い対応性を示しているが、スマートホンを持つと+5に下がる。
しかし、本発明の0.1mm銅箔/O.2mmAl板を手に持つと対応性は+19に上がり全く問題はない。
(14)のC氏は75歳ということで本人の電磁波対応性は+9と低めで、スマートホンを持つと+3迄下がる。しかし、本発明の0.1mmCu/0.2mmアルミ板を胸に付けて測定したところ、電磁波対応性は+20と最高となった。
【0061】
・具体例6
(17)D氏(女性70才の電磁波対応性・・・・・・・・+10
(18)D氏スマートホンの電磁波対応性・・・・・・・・-5
(19)D氏+スマートホン+0.1mmCu/0.4mmAl板(直径46mm角形)を身体に付けたときの電磁波対応性・・・・・・・・+20
(20)E氏(女性36才)の電磁波対応性・・・・・・・+9
(21)E氏+スマートホンの電磁波対応性・・・・・・・-5
(22)E氏+スマートホン+0.1mmCu/0.4mmAl板(直径46mm丸形)を身体に付けたときの電磁波対応性・・・・・・・・・・+20
・考察
(17)のD氏70才女性の電磁波対応性は+10で良い方であるが、スマートホンを持つと-5となり電磁波に弱い性質である。
しかし、Cu/Al板を身体に付けると電磁波対応性は+20と、最高になった。
(20)のE氏36才女性は電磁波対応性+9とやや低く、スマートホンを持つと電磁波対応性は-5となり問題である。しかし、Cu/Al板を身体に付けると+20と最高になった。
【0062】
以上説明した具体例から、電子親和力の高い金属と低い金属の接合板は電磁波の防御に非常に有効であることが明らかになった。特にアルミミウムと銅の組み合わせで構成したものが有害電磁波の防具緒効果が顕著であることがわかった。
【0063】
本発明に係る有害電磁波の防御装置(防御部材、具体的には防御タグ様のもの)は取り扱いが容易で、無電力で自然エネルギーを利用したものであり、人体に対して全く副作用が確認されなかったことも有利である。
【0064】
次に、防御部材として採用可能な金属類とその組み合わせについて、二枚構成とした場合の板厚やテラヘルツ波への対峙面、テラヘルツ波の照射の有無で電磁波のシールド効果を測定した結果について説明する。
【0065】
図7は本発明に係る防御部材の電磁波対応性の測定システムの一例を説明する図である。
図7において、参照符号60は電磁波発振器で、この電磁波発振器60は環境に多く存在するMHz帯の電磁波を生成して照射アンテナ60aから出射する。ここでは1MHz~1GHzの電磁波を用いた。
【0066】
照射アンテナ60aから出射した電磁波は照射系160Aを介して防護部材50に照射される。照射系160Aはコンデンサレンズ70,可変開口板80、電磁シールド180で構成される。
【0067】
防御部材を透過した電磁波がある場合、透過した電磁波は透過電磁波導入系160Bを通して電磁波検出器100の受信アンテナ100aで受信される。透過電磁波導入系160Bは集束レンズ90、電磁波シールド190で構成され、周囲に存在する電磁波が受信アンテナ100aに入射して検出精度に侵入するのを防止する。
【0068】
電磁波検出器100は受信した電磁波の強度を基に判定可能な信号形式とした検出データを生成、これを評価/制御装置110に転送する。評価/制御装置110は所定の解析プログラムを用いて検出データを評価し、これをモニタ110aに表示すると共に、必要に応じてプリンタ110bに出力する。評価/制御装置110は検出データの評価だけでなく、電磁波発振器60の発信周波数やその強度等の処理に必要な機能も制御する。
【0069】
以上説明した具体例、測定結果から、電子親和力の高い金属と低い金属の接合体を身体に接触させれば、身体の自然治癒力が高まり、電磁波の身体への影響を無くすこと(電磁波対応性の付与)が理解できる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、上記した異種金属の有害電磁波防具緒能の向上に限るものではなく、水や油などの各種液体、人体の臓器を含む組織、その他の物体にテラヘルツ波を照射することで、それらの性質を穏やかにし、あるいは本来的に有している能力を向上させることが期待できる。
【符号の説明】
【0071】
1・・・電子親和力が大きい(高い)金属
2・・・電子親和力が小さい(低い)金属
3・・・紐
5,50・・・防御部材
6・・・テラヘルツ波発振器
60・・・電磁波発振器
7,70・・・レンズ
8,80・・・可変開口板
9,90・・・レンズ
10,100・・・検出器
11,110・・・評価/制御装置
12・・・照射ベッド
13・・・身体(人体)
14・・・有害電磁波
15・・・人体放射テラヘルツ波
16A,160A・・・照射系
16B・・・反射テラヘルツ波導入系
160B・・・透過電磁波導入系
17,180,190・・・シールド