(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113584
(43)【公開日】2024-08-22
(54)【発明の名称】粒子噴射ノズル
(51)【国際特許分類】
B24C 5/04 20060101AFI20240815BHJP
【FI】
B24C5/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023018673
(22)【出願日】2023-02-09
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】古谷 優樹
(57)【要約】
【課題】流路において空気の旋回流が発生する構成において、噴出口での粒子フラックスの均一性を向上させる粒子噴射ノズルを提供すること。
【解決手段】実施形態によれば、粒子噴射ノズルは、管部材及び棒状部材を備える。管部材の内部には、流路が形成され、流路は、下流端の噴出口で、管部材の外部に開口する。流路では、粒子を含む空気が螺旋状に噴出口に向かう空気の旋回流が、発生する。棒状部材は、径方向について流路の中心部に配置され、流路の上流側から下流側へ向かって延設される。棒状部材は、棒状部材の先端に近づくほど、径方向についての棒状部材の寸法が減少するテーパ部を備え、テーパ部は、棒状部材の先端まで、流路の下流側へ向かって形成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に流路が形成されるとともに、前記流路の下流端の噴出口で前記流路が外部に開口し、粒子を含む空気が螺旋状に前記噴出口に向かう前記空気の旋回流が前記流路において発生する管部材と、
径方向について前記流路の中心部に配置され、前記流路の上流側から下流側へ向かって延設される棒状部材と、
を具備し、
前記棒状部材は、前記棒状部材の先端に近づくほど、前記径方向についての前記棒状部材の寸法が減少するテーパ部を備え、
前記テーパ部は、前記棒状部材の前記先端まで、前記流路の前記下流側へ向かって形成される、
粒子噴射ノズル。
【請求項2】
前記テーパ部のテーパ角は、60°以下の鋭角となる、請求項1の粒子噴射ノズル。
【請求項3】
前記テーパ部は、円錐形状に形成される、請求項1の粒子噴射ノズル。
【請求項4】
前記管部材は、前記径方向についての前記流路の寸法を前記下流側に向かって減少させる管テーパ部を備える、請求項1の粒子噴射ノズル。
【請求項5】
前記流路の軸方向に対する前記管テーパ部の勾配角は、60°以下の鋭角となる、請求項4の粒子噴射ノズル。
【請求項6】
前記流路の上流端部では、前記粒子を含む前記空気が供給口を通して導入され、
前記棒状部材の前記テーパ部の中心軸は、前記棒状部材の前記先端に近づくほど前記流路の軸方向に交差する方向について前記供給口が位置する側へ向かう状態に、前記流路の前記軸方向に対して傾斜する、
請求項1乃至5のいずれか1項の粒子噴射ノズル。
【請求項7】
前記流路の前記軸方向に対する前記テーパ部の前記中心軸の傾斜角は、3°以下の鋭角である、請求項6の粒子噴射ノズル。
【請求項8】
前記流路の上流端部では、前記粒子を含む前記空気は、供給口から前記管部材の周方向に沿って前記流路に導入される、請求項1乃至5のいずれか1項の粒子噴射ノズル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、粒子噴射ノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
粒子を含む空気を対象物へ噴射する粒子噴射ノズルが用いられている。このような粒子噴射ノズルでは、管部材の内部に流路が形成され、流路の下流端の噴出口で、流路が管部材の外部に開口する。そして、管部材の流路では、粒子を含む空気が上流側から下流側へ向かって流れ、噴出口から粒子を含む空気が管部材の外部へ噴出される。
【0003】
粒子噴射ノズルでは、空気が螺旋状に噴出口に向かう空気の旋回流を、流路において発生させ、噴出口での粒子の分散性を向上させている。また、径方向について流路の中心部に棒状部材を配置し、前述した空気の旋回流を安定して発生させている。前述のように空気の旋回流を発生させながら粒子を含む空気を噴出口から噴出する粒子噴射ノズルでは、旋回流によって、空気に含まれる粒子に遠心力が作用する。そして、粒子噴射ノズルでは、流路において空気の旋回流によって粒子に遠心力が作用しても、径方向について噴出口の中心部での後述する単位時間かつ単位面積当たりの粒子の通過量に相当する粒子フラックスの低下を抑制し、噴出口での粒子フラックスの均一性を向上させることが、求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、流路において空気の旋回流が発生する構成において、噴出口での粒子フラックスの均一性を向上させる粒子噴射ノズルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、粒子噴射ノズルは、管部材及び棒状部材を備える。管部材の内部には、流路が形成され、流路は、下流端の噴出口で、管部材の外部に開口する。流路では、粒子を含む空気が螺旋状に噴出口に向かう空気の旋回流が、発生する。棒状部材は、径方向について流路の中心部に配置され、流路の上流側から下流側へ向かって延設される。棒状部材は、棒状部材の先端に近づくほど、径方向についての棒状部材の寸法が減少するテーパ部を備え、テーパ部は、棒状部材の先端まで、流路の下流側へ向かって形成される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る粒子噴射ノズルを第2の交差方向に直交又は略直交する断面で示す概略図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係る粒子噴射ノズルを第1の交差方向に直交又は略直交する断面で示す概略図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係る粒子噴射ノズルの管部材において、流路の上流端部を軸方向に直交又は略直交する断面で示す概略図である。
【
図4】
図4は、比較例に係る粒子噴射ノズルを第2の交差方向に直交又は略直交する断面で示す概略図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態に係る粒子噴射ノズルについて、噴出口での粒子フラックスの分布の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、比較例に係る粒子噴射ノズルについて、噴出口での粒子フラックスの分布の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、第1の変形例に係る粒子噴射ノズルを第2の交差方向に直交又は略直交する断面で示す概略図である。
【
図8】
図8は、第2の変形例に係る粒子噴射ノズルを第2の交差方向に直交又は略直交する断面で示す概略図である。
【
図9】
図9は、第1の変形例に係る粒子噴射ノズルについて、噴出口での粒子フラックスの分布の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、第2の変形例に係る粒子噴射ノズルについて、噴出口での粒子フラックスの分布の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、第3の変形例に係る粒子噴射ノズルを第2の交差方向に直交又は略直交する断面で示す概略図である。
【
図12】
図12は、第4の変形例に係る粒子噴射ノズルを第2の交差方向に直交又は略直交する断面で示す概略図である。
【
図13】
図13は、第3の変形例に係る粒子噴射ノズルについて、噴出口での粒子フラックスの分布の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、第4の変形例に係る粒子噴射ノズルについて、噴出口での粒子フラックスの分布の一例を示す図である。
【
図15】
図15は、第5の変形例に係る粒子噴射ノズルを第1の交差方向に直交又は略直交する断面で示す概略図である。
【
図16】
図16は、第6の変形例に係る粒子噴射ノズルを第1の交差方向に直交又は略直交する断面で示す概略図である。
【
図17】
図17は、第7の変形例に係る粒子噴射ノズルを第1の交差方向に直交又は略直交する断面で示す概略図である。
【
図18】
図18は、第5の変形例に係る粒子噴射ノズルについて、噴出口での粒子フラックスの分布の一例を示す図である。
【
図19】
図19は、第6の変形例に係る粒子噴射ノズルについて、噴出口での粒子フラックスの分布の一例を示す図である。
【
図20】
図20は、第7の変形例に係る粒子噴射ノズルについて、噴出口での粒子フラックスの分布の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
【0009】
まず、実施形態の一例として、第1の実施形態について説明する。
図1及び
図2は、第1の実施形態に係る粒子噴射ノズル1を示す。
図1及び
図2に示すように、粒子噴射ノズル1は、管部材2を備え、管部材2の内部に、流路3が形成される。
【0010】
管部材2及び流路3は、中心軸Cを有し、管部材2及び流路3では、中心軸Cに沿う方向が、軸方向(矢印C1及び矢印C2で示す方向)として規定される。そして、管部材2及び流路3では、軸方向の一方側が下流側(矢印C1側)となり、軸方向について下流側とは反対側が上流側(矢印C2側)となる。管部材2及び流路3では、中心軸Cの軸回り方向が、周方向として規定される。また、管部材2及び流路3では、軸方向及び周方向の両方に直交又は略直交する径方向が、規定される。管部材2及び流路3では、径方向について中心軸Cに近づく側が、内周側となり、径方向について内周側とは反対側が、外周側となる。なお、
図1及び
図2は、軸方向に平行又は略平行な断面で、管部材2及び流路3が示される。
【0011】
管部材2では、流路3の下流端に、噴出口5が形成される。中心軸Cは、噴出口5の中心又は略中心を通り、噴出口5は、中心軸Cと同軸又は略同軸に形成される。流路3は、噴出口5において、管部材2の外部に開口する。また、管部材2には、供給管6の一端が接続され、供給管6の管部材2との接続部分には、供給口7が形成される。流路3の上流端部は、供給口7を介して、供給管6の内部と連通する。流路3の上流端部には、供給管6の内部から供給口7を通して、粒子を含む空気が導入される。そして、流路3では、粒子を含む空気は、上流側から下流側へ流れ、噴出口5から管部材2の外部に噴出される。噴出口5から噴出された粒子を含む空気は、対象物へ噴射される。
【0012】
粒子噴射ノズル1では、管部材2の内部の流路3に、棒状部材10が配置される。棒状部材10は、中心軸Bを有し、基端から先端まで中心軸Bに沿って延設される。本実施形態では、棒状部材10の中心軸Bは、流路3(管部材2)の中心軸Cと同軸又は略同軸となる。棒状部材10は、径方向について流路3の中心部に配置される。そして、管部材2の内部では、棒状部材10の外周面と管部材2の内周面との間に、流路3となる隙間が形成される。また、管部材2の内部では、棒状部材10は、流路3の上流側から下流側へ向かって延設される。
【0013】
管部材2は、底壁8を備え、管部材2では、底壁8は、軸方向について噴出口5とは反対側の端を形成する。棒状部材10の基端は、底壁8の内表面に接続される。そして、棒状部材10は、底壁8から流路3の下流側へ向かって、先端まで延設される。このため、棒状部材10では、先端側の部位ほど、流路3の下流側に位置し、先端に近づくほど、流路3の下流側に位置する。また、棒状部材10の先端は、管部材2の内部に位置し、噴出口5に対して流路3の上流側に位置する。
【0014】
図3は、管部材2において流路3の上流端部を、軸方向に直交又は略直交する断面で示す。管部材2及び流路3では、軸方向に交差する(直交又は略直交する)第1の交差方向(矢印X1及び矢印X2で示す方向)、及び、軸方向及び第1の交差方向の両方に交差する(直交又は略直交する)第2の交差方向(矢印Y1及び矢印Y2で示す方向)が、規定される。
図1では、第2の交差方向に直交又は略直交する断面が、示され、
図2では、第1の交差方向に直交又は略直交する断面が、示される。供給管6は、第1の交差方向の一方側(矢印X1側)から、管部材2に接続される。そして、粒子を含む空気は、第1の交差方向の一方側から、供給口7を通して導入される(
図3の矢印F1)。
【0015】
また、供給口7は、流路3の中心軸Cに対して、第2の交差方向の一方側(矢印Y2側)にずれて位置する。供給口7は、流路3(管部材2)の周方向について、角度位置P1,P2の間の角度範囲αに渡って、形成される。角度位置P2は、第2の交差方向について、流路3の中心軸Cに対して、角度位置P1が位置する側に位置する。また、角度位置P2は、第2の交差方向について、角度位置P1に対して、中心軸C(中心軸B)が位置する側とは反対側に位置する。流路3の上流端部では、供給口7から管部材2の周方向に沿って、粒子を含む空気が導入される(
図3の矢印F2)。したがって、流路3の上流端部では、管部材2(流路)の周方向に沿って、導入された空気が、供給口7から流れる。
【0016】
前述のように流路3に粒子を含む空気が導入されることにより、流路3では、粒子を含む空気が螺旋状に噴出口5に向かう空気の旋回流が、発生する(
図1及び
図2の矢印F3)。空気の旋回流は、中心軸C(棒状部材10)を中心とする螺旋状に、流路3を噴出口5に向かって流れ、流路3を上流側から下流側に向かって流れる。そして、流路3では、粒子を含む空気の旋回流が、噴出口5から管部材2の外部に噴出される。また、流路3では、径方向について中心部に棒状部材10が配置されるため、空気の旋回流を安定して発生する。
【0017】
図1及び
図2等に示すように、棒状部材10は、径寸法均一部11及びテーパ部12を備える。径寸法均一部11は、棒状部材10の基端から流路3の下流側へ向かって延設される。テーパ部12は、先端側から径寸法均一部11に接続され、径寸法均一部11に対して流路3の下流側に隣接する。棒状部材10では、テーパ部12は、棒状部材10の先端まで、流路3の下流側へ向かって延設される。本実施形態では、棒状部材10の中心軸Bが、径寸法均一部11及びテーパ部12のそれぞれの中心軸となる。そして、径寸法均一部11は、テーパ部12に対して、同軸又は略同軸となる。このため、径寸法均一部11及びテーパ部12のそれぞれの中心軸は、流路3(管部材2)の中心軸Cと同軸又は略同軸となる。
【0018】
径寸法均一部11では、基端から先端まで、径方向についての棒状部材10の寸法が、均一又は略均一になる。すなわち、軸方向について径寸法均一部11の全範囲に渡って、径方向についての棒状部材10の寸法が、均一又は略均一になる。このため、径寸法均一部11では、基端から先端まで、軸方向に直交又は略直交する断面での棒状部材10の断面積が、均一又は略均一になる。
【0019】
テーパ部12では、径方向についての棒状部材10の寸法が、軸方向に沿って変化する。本実施形態では、テーパ部12において、棒状部材10の先端に近づくほど、径方向についての棒状部材10の寸法が減少する。すなわち、テーパ部12では、流路3の下流側に向かうほど、径方向についての棒状部材10の寸法が減少する。このため、テーパ部12では、棒状部材10の先端に近づくほど、軸方向に直交又は略直交する断面での棒状部材10の断面積が減少する。
【0020】
本実施形態の棒状部材10では、径寸法均一部11は、円柱形状又は略円柱形状に形成され、テーパ部12は、円錐形状又は略円錐形状に形成される。テーパ部12では、棒状部材10の先端が、円錐形状又は略円錐形状の頂点となる。ただし、ある一例では、径寸法均一部11は、円柱形状に類似する多角柱形状に形成されてもよく、テーパ部12は、円錐形状に類似する多角錐形状に形成されてもよい。
【0021】
また、テーパ部12では、テーパ角θが規定される。テーパ部12では、円錐形状又は略円錐形状の頂角が、テーパ角θとなる。本実施形態では、テーパ角θは、30°又は略30°となる。また、本実施形態では、テーパ部12の中心軸は、流路3(管部材2)の中心軸と同軸又は略同軸になり、テーパ部12の中心軸(棒状部材10の中心軸B)は、流路3の軸方向と平行又は略平行となる。このため、流路3の軸方向に対するテーパ部12の勾配角は、テーパ角θの半分値と同一又は略同一の大きさになる。
【0022】
管部材2は、第1の径寸法部15、第2の径寸法部16及び管テーパ部17を備える。第1の径寸法部15は、底壁8に接続され、底壁8から流路3の下流側へ向かって延設される。第2の径寸法部16は、第1の径寸法部15に対して底壁8とは反対側に配置され、流路3の下流側に向かって噴出口5まで延設される。したがって、流路3の下流端の噴出口5は、第2の径寸法部16によって形成される。管テーパ部17は、管部材2の軸方向について、第1の径寸法部15と第2の径寸法部16との間に設けられる。管テーパ部17は、流路3の下流側から第1の径寸法部15に接続され、流路3の上流側から第2の径寸法部16に接続される。したがって、管テーパ部17は、第1の径寸法部15との境界位置から第2の径寸法部16との境界位置まで、軸方向に沿って延設される。
【0023】
軸方向について第1の径寸法部15が延設される範囲では、径方向についての流路3の寸法が、均一又略均一になる。すなわち、底壁8から第1の径寸法部15と管テーパ部17との境界位置に渡る範囲では、中心軸Cから管部材2の外周面までの寸法が、均一又は略均一になる。また、軸方向について第2の径寸法部16が延設される範囲では、径方向についての流路3の寸法が、均一又略均一になる。すなわち、管テーパ部17と第2の径寸法部16との境界位置から噴出口5に渡る範囲では、中心軸Cから管部材2の外周面までの寸法が、均一又は略均一になる。第2の径寸法部16が延設される範囲での径方向についての流路3の寸法は、第1の径寸法部15が延設される範囲での径方向についての流路3の寸法比べて、小さい。
【0024】
また、軸方向について管テーパ部17が延設される範囲では、径方向についての流路3の寸法が、軸方向に沿って変化する。そして、管テーパ部17は、径方向についての流路3の寸法を、下流側に向かって減少させる。このため、軸方向について管テーパ部17が延設される範囲では、噴出口5(第2の径寸法部16)に近づくほど、中心軸Cから管部材2の外周面までの寸法が減少する。なお、第1の径寸法部15と管テーパ部17との境界位置での径方向についての流路3の寸法は、第1の径寸法部15が延設される範囲での径方向についての流路3の寸法と、同一又は略同一になる。また、管テーパ部17と第2の径寸法部16との境界での径方向についての流路3の寸法は、第2の径寸法部16が延設される範囲での径方向についての流路3の寸法と、同一又は略同一になる。
【0025】
管テーパ部17では、流路の軸方向に対する勾配角φが規定される。本実施形態では、勾配角φは、30°又は略30°となる。また、
図1及び
図2の一例では、棒状部材10の先端(テーパ部12の先端)は、第1の径寸法部15と管テーパ部17との境界位置に対して、流路3の上流側に位置する。ただし、ある一例では、棒状部材10の先端は、流路3の軸方向について、第1の径寸法部15と管テーパ部17との境界位置からずれていない、又は、ほとんどずれていない。別のある一例では、棒状部材10の先端は、第1の径寸法部15と管テーパ部17との境界位置に対して、流路3の下流側に位置する。ただし、いずれの場合も、棒状部材10の先端は、噴出口5に対して流路3の上流側に位置する。
【0026】
ここで、実施形態の比較例となる粒子噴射ノズル1を、
図4に示す。比較例の粒子噴射ノズル1でも、本実施形態等と同様に、管部材2の内部に流路3が形成され、管部材2は、第1の径寸法部15、第2の径寸法部16及び管テーパ部17を備える。そして、径方向について流路3の中心部には、棒状部材10が配置される。また、流路3には、本実施形態等と同様にして、粒子を含む供給口7から導入され、流路3では、前述した空気の旋回流が発生する。ただし、比較例では、棒状部材10にテーパ部12は設けられず、棒状部材10は、径寸法均一部11のみから構成される。このため、棒状部材10では、軸方向について基端から先端までの全範囲に渡って、径方向についての寸法が、均一又は略均一になる。
【0027】
本実施形態及び比較例の粒子噴射ノズル1では、前述のように空気の旋回流が流路において発生し、旋回流によって、空気に含まれる粒子に、遠心力が作用する。また、比較例の粒子噴射ノズル1では、棒状部材10にテーパ部12が形成されないため、流路3において、径方向の中心部へ向かう空気の流れが、棒状部材10によって阻害され易くなる。このため、比較例の粒子噴射ノズル1では、流路3において、空気に含まれる粒子が、径方向の中心部に到達し難くなる。これにより、径方向について噴出口5の中心部では、粒子の密度が低い傾向となる。また、比較例の粒子噴射ノズル1では、前述のように、流路3において、径方向の中心部へ向かって空気が流れ難くなる。このため、径方向について噴出口5の中心部では、軸方向についての空気の流速が低い傾向となる
前述のように、比較例の粒子噴射ノズル1では、径方向について噴出口5の中心部において、粒子の密度及び軸方向についての空気の流速が低い傾向となるため、径方向について噴出口5の中心部での粒子フラックスが、低い傾向となる。径方向について噴出口5の中心部での粒子フラックスが低下することにより、比較例では、噴出口5における粒子フラックスの均一性が、低下する。
【0028】
これに対して、本実施形態では、棒状部材10にテーパ部12が設けられ、テーパ部12は、棒状部材10の先端まで、流路3の下流側へ向かって形成される。そして、テーパ部12では、棒状部材10の先端に近づくほど、径方向についての棒状部材10の寸法が減少する。本実施形態では、前述のようなテーパ部12が設けられるため、流路3において、径方向の中心部へ向かって空気が流れ易くなり、空気に含まれる粒子が、径方向の中心部に到達し易くなる。これにより、径方向について噴出口5の中心部で、粒子の密度の低下が抑制される。また、本実施形態では、前述のように、流路3において、径方向の中心部へ向かって空気が流れ易くなる。このため、径方向について噴出口5の中心部では、軸方向についての空気の流速の低下が、抑制される。
【0029】
前述のように、本実施形態の粒子噴射ノズル1では、径方向について噴出口5の中心部において、粒子の密度及び軸方向についての空気の流速の低下が抑制されるため、径方向について噴出口5の中心部での粒子フラックスの低下が、抑制される。径方向について噴出口5の中心部での粒子フラックスの低下が抑制されることにより、本実施形態では、噴出口5における粒子フラックスの均一性が、向上する。
【0030】
ここで、粒子フラックスは、単位時間かつ単位面積当たりの粒子の通過量であり、粒子の密度と軸方向についての空気の流速との積となる。ある一例では、粒子の密度は、1/m3等を単位として示され、軸方向についての空気の流速は、m/s等を単位として示される。この場合、粒子フラックスは、1/(m2・s)等を単位として示される。
【0031】
図5は、本実施形態の粒子噴射ノズル1について、噴出口5での粒子フラックスの分布の一例を示し、
図6は、
図4の比較例の粒子噴射ノズル1について、噴出口5での粒子フラックスの分布の一例を示す。
図5及び
図6の粒子フラックスの分布では、明るい部分(白色に近い部分)ほど、粒子フラックスが高く、暗い部分(黒色に近い部分)ほど、粒子フラックスが低い。また、
図5及び
図6では、第1の交差方向についての仮想上の中央線β1、及び、第2の交差方向についての仮想上の中央線β2を示す。噴出口5では、中央線β1,β2の交点が、中心軸Cの通過位置と一致又は略一致する。
【0032】
図5に示す本実施形態の粒子フラックスの分布では、
図6に示す比較例の粒子フラックスの分布に比べて、径方向について噴出口5の中心部での粒子フラックスの低下が、抑制された。特に、比較例では、噴出口5の中心部に粒子フラックスが0になる領域ε1が発生したのに対し、本実施形態では、噴出口5において、粒子フラックスが0になる領域が発生しなかった。また、本実施形態の粒子フラックスの分布では、比較例の粒子フラックスの分布に比べて、噴出口5での粒子フラックスの均一性が向上した。前述のような本実施形態と比較例との間での粒子フラックスの分布の比較結果から、棒状部材10にテーパ部12を設けることにより、噴出口5での粒子フラックスの均一性が向上することが、実証された。
【0033】
なお、テーパ部12のテーパ角θは、前述の実施形態等の角度に限定されるものではない。
図7に示す第1の変形例では、テーパ角θは、120°又は略120°となり、
図8に示す第2の変形例では、テーパ角θは、60°又は略60°となる。第1の変形例及び第2の変形例のそれぞれでは、テーパ角θが前述のように異なる以外は、第1の実施形態等と同様の構成になる。また、
図7及び
図8では、粒子噴射ノズル1は、流路3の軸方向に平行又は略平行な断面で示され、第2の交差方向に直交又は略直交する断面で示される。
【0034】
図9は、第1の変形例の粒子噴射ノズル1について、噴出口5での粒子フラックスの分布の一例を示し、
図10は、第2の変形例の粒子噴射ノズル1について、噴出口5での粒子フラックスの分布の一例を示す。
図9及び
図10の粒子フラックスの分布でも、明るい部分ほど、粒子フラックスが高く、暗い部分ほど、粒子フラックスが低い。また、
図9及び
図10でも、前述の中央線β1,β2を示す。
【0035】
図9に示す第1の変形例の粒子フラックスの分布、及び、
図10に示す第2の変形例の粒子フラックスの分布のそれぞれでは、
図6に示す比較例の粒子フラックスの分布に比べて、径方向について噴出口5の中心部での粒子フラックスの低下が、抑制された。なお、第1の変形例では、噴出口5の中心部に粒子フラックスが0になる領域ε2が発生したが、領域ε2は、比較例において粒子フラックスが0になる領域ε1に比べて、小さくなった。したがって、テーパ部12のテーパ角θが120°又は略120°の構成であっても、棒状部材10にテーパ部12が設けられない構成に比べて、噴出口5の中心部での粒子フラックスの低下が、抑制された。
【0036】
また、第1の変形例の粒子フラックスの分布、及び、第2の変形例の粒子フラックスの分布のそれぞれでは、比較例の粒子フラックスの分布に比べて、噴出口5での粒子フラックスの均一性が向上した。したがって、テーパ部12のテーパ角θが120°又は略120°の構成であっても、棒状部材10にテーパ部12が設けられない構成に比べて、噴出口5での粒子フラックスの均一性が向上することが、実証された。
【0037】
また、第1の変形例に比べて第2の変形例では、噴出口5の中心部での粒子フラックスの低下が抑制され、噴出口5での粒子フラックスの均一性が向上した。そして、第2の変形例に比べて第1の実施形態では、噴出口5の中心部での粒子フラックスの低下が抑制され、噴出口5での粒子フラックスの均一性が向上した。このため、テーパ部12のテーパ角θが小さいほど、噴出口5の中心部での粒子フラックスの低下が抑制され、噴出口5での粒子フラックスの均一性が向上することが、実証された。
【0038】
特に、テーパ角θが60°又は略60°の第2の変形例、及び、テーパ角θが30°又は略30°の第1の実施形態では、噴出口5において、粒子フラックスが0になる領域が発生しなかった。このため、テーパ部12のテーパ角θは、60°以下の鋭角であることが、好ましい。
【0039】
また、流路3の軸方向に対する管テーパ部17の勾配角φは、前述の実施形態等の角度に限定されるものではない。
図11に示す第3の変形例では、勾配角φは、60°又は略60°となり、
図12に示す第4の変形例では、勾配角φは、80°又は略80°となる。第3の変形例及び第4の変形例のそれぞれでは、勾配角φが前述のように異なる以外は、第1の実施形態等と同様の構成になる。また、
図11及び
図12では、粒子噴射ノズル1は、流路3の軸方向に平行又は略平行な断面で示され、第2の交差方向に直交又は略直交する断面で示される。
【0040】
図13は、第3の変形例の粒子噴射ノズル1について、噴出口5での粒子フラックスの分布の一例を示し、
図14は、第4の変形例の粒子噴射ノズル1について、噴出口5での粒子フラックスの分布の一例を示す。
図13及び
図14の粒子フラックスの分布でも、明るい部分ほど、粒子フラックスが高く、暗い部分ほど、粒子フラックスが低い。また、
図13及び
図14でも、前述の中央線β1,β2を示す。
【0041】
図13に示す第3の変形例の粒子フラックスの分布、及び、
図14に示す第4の変形例の粒子フラックスの分布のそれぞれでは、
図6に示す比較例の粒子フラックスの分布に比べて、径方向について噴出口5の中心部での粒子フラックスの低下が、抑制された。また、第3の変形例の粒子フラックスの分布、及び、第4の変形例の粒子フラックスの分布のそれぞれでは、比較例の粒子フラックスの分布に比べて、噴出口5での粒子フラックスの均一性が向上した。したがって、管テーパ部17の勾配角φを変化させても、棒状部材10にテーパ部12を設けることにより、テーパ部12が設けられない構成に比べて、噴出口5での粒子フラックスの均一性が向上することが、実証された。
【0042】
また、管テーパ部17の勾配角φが80°又は略80°の第4の変形例では、勾配角φが30°又は略30°の第1の実施形態、及び、勾配角φが60°又は略60°の第3の変形例に比べて、噴出口5の全体に渡って、粒子フラックスが低くなった。実際に、勾配角φが80°又は略80°になる等、勾配角φが大きくなると、流路3において管テーパ部17に対して上流側の領域に、空気に含まれる粒子が停滞し易くなる。この際、管テーパ部17に対して上流側の領域では、特に、中心部から外周側に離れた部分に、粒子が停滞し易くなる。したがって、粒子噴射ノズル1では、噴出口5での粒子フラックスを高くする観点から、管テーパ部17の勾配角φは、60°以下の鋭角であることが、好ましい。
【0043】
また、
図15に示す第5の変形例、
図16に示す第6の変形例、及び、
図17に示す第7の変形例のそれぞれでは、テーパ部12の中心軸B2は、流路3の中心軸Cと同軸ではなく、流路3の軸方向に対して傾斜する。ただし、第5の変形例乃至第7の変形例のそれぞれでは、棒状部材10において、径寸法均一部11の中心軸B1は、流路3の中心軸Cと同軸又は略同軸となり、流路3の軸方向に対して平行又は略平行となる。第5の変形例乃至第7の変形例のそれぞれでは、テーパ部12の中心軸B2が流路3の軸方向に対して傾斜すること以外は、第1の実施形態等と同様の構成になる。また、
図15乃至
図17では、粒子噴射ノズル1は、流路3の軸方向に平行又は略平行な断面で示され、第1の交差方向に直交又は略直交する断面で示される。
【0044】
図15乃至
図17に示すように、第5の変形例乃至第7の変形例のそれぞれでは、棒状部材10のテーパ部12の中心軸B2は、棒状部材10の先端に近づくほど流路3の軸方向に交差する方向について供給口7が位置する側へ向かう状態に、流路3の軸方向に対して傾斜する。このため、テーパ部12の中心軸B2は、流路3の下流側に向かうほど第2の交差方向について供給口7が位置する側(矢印Y2側)に位置する状態に、流路3の中心軸Cに対して傾斜する。ある一例では、中心軸B2は、棒状部材10の先端に近づくほど流路3の軸方向に交差する方向について角度位置P2が位置する側へ向かう状態に、中心軸Cに対して傾斜する。
【0045】
前述のようにテーパ部12の中心軸B2が傾斜するため、第2の交差方向についてテーパ部12に対して供給口7が位置する側の領域では、第2の交差方向についてテーパ部12に対して供給口7が位置する側とは反対側の領域に比べて、テーパ部12と管部材2との間に形成される流路3となる隙間が、狭くなる。第5の変形例乃至第7の変形例では、流路3の軸方向(中心軸C)に対するテーパ部12の中心軸B2の傾斜角ηが、規定される。中心軸B2の傾斜角ηは、第5の変形例で1°又は略1°となり、第6の変形例で3°又は略3°となり、第7の変形例で5°又は略5°となる。
【0046】
図18は、第5の変形例の粒子噴射ノズル1について、噴出口5での粒子フラックスの分布の一例を示し、
図19は、第6の変形例の粒子噴射ノズル1について、噴出口5での粒子フラックスの分布の一例を示し、
図20は、第7の変形例の粒子噴射ノズル1について、噴出口5での粒子フラックスの分布の一例を示す。
図18乃至
図20の粒子フラックスの分布でも、明るい部分ほど、粒子フラックスが高く、暗い部分ほど、粒子フラックスが低い。また、
図18乃至
図20でも、前述の中央線β1,β2を示す。
【0047】
図18に示す第5の変形例の粒子フラックスの分布、
図19に示す第6の変形例の粒子フラックス分布、及び、
図20に示す第7の変形例の粒子フラックスの分布のそれぞれでは、
図6に示す比較例の粒子フラックスの分布に比べて、径方向について噴出口5の中心部での粒子フラックスの低下が、抑制された。また、第5の変形例乃至第7の変形例の粒子フラックスの分布のそれぞれでは、比較例の粒子フラックスの分布に比べて、噴出口5での粒子フラックスの均一性が向上した。したがって、テーパ部12の中心軸B2を流路3の軸方向に対して前述のように傾斜させても、棒状部材10にテーパ部12を設けることにより、テーパ部12が設けられない構成に比べて、噴出口5での粒子フラックスの均一性が向上することが、実証された。
【0048】
また、テーパ部12の中心軸が傾斜しない第1の実施形態では、第2の交差方向について中央線β2に対して供給口7が位置する側(矢印Y2側)の領域で粒子フラックスが高くなる状態に、噴出口5において粒子フラックスの偏りが発生した(
図5参照)。実際に、テーパ部12の中心軸が傾斜しない場合、棒状部材10に対して供給口7が位置する側の領域から噴出口5へ供給される粒子の数が、棒状部材10に対して供給口7が位置する側とは反対側の領域から噴出口5へ供給される粒子の数に比べて、多い傾向となる。
【0049】
これに対して、テーパ部12の中心軸B2の傾斜角ηが1°又は略1°の第5の変形例、及び、中心軸B2の傾斜角ηが3°又は略3°の第6の変形例では、噴出口5において、粒子フラックスの偏りが、発生しなかった、又は、ほとんど発生しなかった(
図18及び
図19参照)。実際に、傾斜角ηが3°以下となる範囲で前述のようにテーパ部12の中心軸B2を傾斜させることにより、第2の交差方向についてテーパ部12に対して供給口7が位置する側の領域において、テーパ部12と管部材2との間に形成される流路3となる隙間が、適正範囲で狭められる。これにより、噴出口5において、粒子フラックスの偏りの発生が、適切に抑制される。
【0050】
また、テーパ部12の中心軸B2の傾斜角ηが5°又は略5°の第7の変形例では、第2の交差方向についてテーパ部12に対して供給口7が位置する側の領域において、テーパ部12と管部材2との間に形成される流路3となる隙間が、適正範囲を超えて狭められる。このため、第7の変形例では、第2の交差方向について中央線β2に対して供給口7が位置する側(矢印Y2側)の領域で粒子フラックスが低くなる状態に、噴出口5において粒子フラックスの偏りが発生した(
図20参照)。
【0051】
以上より、傾斜角ηが3°以下の鋭角となる範囲でテーパ部12の中心軸B2を流路3の軸方向に対して前述のように傾斜させることにより、噴出口5での粒子フラックスの均一性が向上する。したがって、棒状部材10にテーパ部12が設けられる構成では、傾斜角ηが3°以下の鋭角となる範囲でテーパ部12の中心軸B2を流路3の軸方向に対して前述のように傾斜させることが、好ましい。
【0052】
なお、第5の変形例乃至第7の変形例では、径寸法均一部11の中心軸B1は、流路3の軸方向に対して平行又は略平行であるが、ある変形例では、径寸法均一部11の中心軸B1も、テーパ部12の中心軸B2と同様に、流路3の軸方向に対して傾斜する。この場合、棒状部材10において、径寸法均一部11は、テーパ部12に対して、同軸又は略同軸となる。そして、棒状部材10の中心軸Bが、流路3の軸方向(中心軸C)に対して傾斜する。本変形例では、棒状部材10の中心軸Bは、棒状部材10の先端に近づくほど流路3の軸方向に交差する方向について供給口7が位置する側へ向かう状態に、流路3の軸方向に対して傾斜する。
【0053】
前述のような構成にすることにより、本変形例でも、第5の変形例及び第7の変形例等と同様に、テーパ部12の中心軸B2は、棒状部材10の先端に近づくほど流路3の軸方向に交差する方向について供給口7が位置する側へ向かう状態に、流路3の軸方向に対して傾斜する。また、本変形例では、流路3の軸方向に対する棒状部材10の中心軸Bの傾斜角は、3°以下の鋭角であることが、好ましい。これにより、流路3の軸方向に対するテーパ部12の中心軸B2の傾斜角ηは、3°以下の鋭角になり、第5の変形例及び第6の変形例と同様に、噴出口5において、粒子フラックスの偏りの発生が、適切に抑制される。
【0054】
これらの少なくとも一つの実施形態又は実施例によれば、棒状部材は、径方向について流路の中心部に配置される。棒状部材は、棒状部材の先端に近づくほど、径方向についての棒状部材の寸法が減少するテーパ部を備え、テーパ部は、棒状部材の先端まで、流路の下流側へ向かって形成される。これにより、流路において空気の旋回流が発生する構成において、噴出口での粒子フラックスの均一性を向上させる粒子噴射ノズルを提供することができる。
【0055】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0056】
1…粒子噴射ノズル、2…管部材、3…流路、5…噴出口、7…供給口、10…棒状部材、12…テーパ部、17…管テーパ部、C…中心軸、B2…中心軸、θ…テーパ角、φ…勾配角、η…傾斜角。