(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113585
(43)【公開日】2024-08-22
(54)【発明の名称】車両確認支援装置および車両確認支援方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/015 20060101AFI20240815BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20240815BHJP
G07B 15/00 20110101ALI20240815BHJP
【FI】
G08G1/015 A
G08G1/09 F
G07B15/00 P
G07B15/00 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023018677
(22)【出願日】2023-02-09
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】青木 泰浩
【テーマコード(参考)】
3E127
5H181
【Fターム(参考)】
3E127AA16
3E127CA12
3E127CA14
3E127CA22
3E127EA03
3E127EA14
3E127EA27
3E127EA42
3E127FA03
3E127FA19
3E127FA24
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC04
5H181CC27
5H181EE07
5H181EE10
(57)【要約】
【課題】収受員の車種判別を支援する技術を提供すること。
【解決手段】実施形態に係る車両確認支援装置であって、広角レンズ搭載カメラによって撮影された撮影画像を記憶する撮影画像記憶部と、撮影画像から車両を検知する車両検知部と、検知された車両の車軸を検出する車軸検出部と、検出された車軸の車軸下端を決定する車軸下端決定部と、広角レンズ搭載カメラのTiltパラメータを記憶するTiltパラメータ記憶部と、撮影画像の中の歪みの補正の対象となる注目補正領域内に車軸下端が含まれているかどうかに基づいて、Tiltパラメータを修正する必要があるかどうかを判定するTiltパラメータ修正判定部と、Tiltパラメータを修正する必要があると判定した場合、注目補正領域内に車軸下端が含まれるようにTiltパラメータを修正するTiltパラメータ修正部と、を備える。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
広角レンズ搭載カメラによって撮影された撮影画像を記憶する撮影画像記憶部と、
前記撮影画像から車両を検知する車両検知部と、
前記検知された車両の車軸を検出する車軸検出部と、
前記検出された車軸の車軸下端を決定する車軸下端決定部と、
前記広角レンズ搭載カメラのTiltパラメータを記憶するTiltパラメータ記憶部と、
前記撮影画像の中の歪みの補正の対象となる注目補正領域内に前記車軸下端が含まれているかどうかに基づいて、前記Tiltパラメータを修正する必要があるかどうかを判定するTiltパラメータ修正判定部と、
前記Tiltパラメータを修正する必要があると判定した場合、前記注目補正領域内に前記車軸下端が含まれるように前記Tiltパラメータを修正するTiltパラメータ修正部と、
を備える車両確認支援装置。
【請求項2】
前記Tiltパラメータ修正判定部は、前記注目補正領域内に前記車軸下端が含まれている場合に、前記注目補正領域の下端と前記車軸下端との距離が距離閾値以上であるかどうかをさらに判定する、
請求項1に記載の車両確認支援装置。
【請求項3】
前記注目補正領域の下端と前記車軸下端との距離が前記距離閾値以上である場合、前記Tiltパラメータ修正部は、前記注目補正領域の下端と前記車軸下端との距離が前記距離閾値未満となるように前記Tiltパラメータを修正する、
請求項2に記載の車両確認支援装置。
【請求項4】
前記Tiltパラメータ修正部は、前記注目補正領域の下端と前記車軸下端との距離が一定の距離となるように前記Tiltパラメータを修正する、
請求項1に記載の車両確認支援装置。
【請求項5】
前記車両が検知された撮影画像における前記注目補正領域の歪みを補正する歪み補正部と、
前記歪みが補正された撮影画像が貼り合わされた貼り合わせ画像を記憶する貼り合わせ画像記憶部と、
前記貼り合わせ画像のうち最後に貼り合わされた第1の撮影画像と、前記第1の撮影画像の1つ後のフレームである第2の撮影画像との間の前記車両の第1の移動量を決定する移動量決定部と、
前記第1の移動量が移動量閾値を超えているかどうかを判定する移動量判定部と、
前記第1の移動量が前記移動量閾値を超えている場合、前記移動量に基づいて前記貼り合わせ画像に前記第2の撮影画像の注目補正領域を貼り合わせて貼り合わせ画像を更新する画像貼り合わせ部と、
前記更新された貼り合わせ画像に基づいて前記車両の側面図を作成する側面図作成部と、
をさらに備える、請求項1に記載の車両確認支援装置。
【請求項6】
前記移動量決定部は、前記第1の撮影画像と前記第2の撮影画像の中に設定した特徴量に基づいて前記移動量を決定する、
請求項5に記載の車両確認支援装置。
【請求項7】
前記画像貼り合わせ部は、前記第1の撮影画像と前記第2の撮影画像の特徴量の位置合わせを実行した後、前記貼り合わせ画像を更新する、
請求項6に記載の車両確認支援装置。
【請求項8】
前記第1の移動量が前記移動量閾値を超えていないと判定した場合、前記移動量決定部は、前記第1の撮影画像と、前記第2の撮影画像の1つ後のフレームである第3の撮影画像との間の前記車両の第2の移動量を決定し、
前記移動量判定部は、前記第2の移動量が前記移動量閾値を超えているかどうかを判定し、
前記第2の移動量が前記移動量閾値を超えている場合、前記画像貼り合わせ部は、前記貼り合わせ画像と前記第3の撮影画像の注目補正領域を貼り合わせて貼り合わせ画像を更新する、
請求項5に記載の車両確認支援装置。
【請求項9】
前記第1の移動量が前記移動量閾値を超えていないと判定した場合、前記移動量決定部は、前記第2の撮影画像と、前記第2の撮影画像の1つ後のフレームである第3の撮影画像との間の前記車両の第3の移動量を決定し、
前記移動量判定部は、前記第3の移動量が前記移動量閾値を超えているかどうかを判定し、
前記第3の移動量が前記移動量閾値を超えている場合、前記画像貼り合わせ部は、前記貼り合わせ画像と前記第3の撮影画像の注目補正領域を貼り合わせて貼り合わせ画像を更新する、
請求項5に記載の車両確認支援装置。
【請求項10】
前記広角レンズ搭載カメラのRollパラメータを記憶するRollパラメータ記憶部と、
前記車両が検知された撮影画像から水平線を検出する水平線検出部と、
基準水平線を取得する基準水平線取得部と、
前記水平線と前記基準水平線によって形成される角度を算出し、前記角度が角度閾値を超えているかどうかを判定する水平線判定部と、
前記角度が前記角度閾値を超えていると判定した場合、前記角度を0とするように前記Rollパラメータを修正するRollパラメータ修正部と、
をさらに備える、請求項1に記載の車両確認支援装置。
【請求項11】
前記水平線検出部は、前記広角レンズ搭載カメラの目の前を通過している車両の撮影画像に写った前記車両から水平線を検出する、
請求項10に記載の車両確認支援装置。
【請求項12】
前記水平線検出部は、複数の撮影画像から前記水平線を検出し、検出された複数の水平線の平均値を算出する、
請求項10に記載の車両確認支援装置。
【請求項13】
前記広角レンズ搭載カメラのYawパラメータを記憶するYawパラメータ記憶部と、
前記車両が検知された撮影画像から前記車両の前面図および後面図を取得する前後面図取得部と、
前記前面図および前記後面図それぞれから前記車両の外接矩形を検出する外接矩形検出部と、
前記前面図の外接矩形と前記後面図の外接矩形の面積の差が面積閾値を超えているかどうかを判定する前後面図比較部と、
前記面積が前記面積閾値を超えていると判定した場合、前記面積の差を0とするように前記Yawパラメータを修正するYawパラメータ修正部と、
をさらに備える、請求項1に記載の車両確認支援装置。
【請求項14】
前記外接矩形検出部は、複数の車両の外接矩形を検出し、
前記前後面図比較部は、前記複数の車両それぞれの前記前面図の外接矩形と前記後面図の外接矩形の差の平均値が前記面積閾値を超えているかどうかを判定する、
請求項13に記載の車両確認支援装置。
【請求項15】
車両確認支援方法であって、
車両確認支援装置の撮影画像記憶部が、広角レンズ搭載カメラによって撮影された撮影画像を記憶するステップと、
前記車両確認支援装置の車両検知部が、前記撮影画像から車両を検知するステップと、
前記車両確認支援装置の車軸検出部が、前記検知された車両の車軸を検出するステップと、
前記車両確認支援装置の車軸下端決定部が、前記検出された車軸の車軸下端を決定するステップと、
前記車両確認支援装置のTiltパラメータ記憶部が、前記広角レンズ搭載カメラのTiltパラメータを記憶するステップと、
前記車両確認支援装置のTiltパラメータ修正判定部が、前記撮影画像の中の歪みの補正の対象となる注目補正領域内に前記車軸下端が含まれているかどうかに基づいて、前記Tiltパラメータを修正する必要があるかどうかを判定するステップと、
前記車両確認支援装置のTiltパラメータ修正部が、前記Tiltパラメータを修正する必要があると判定した場合、前記注目補正領域内に前記車軸下端が含まれるように前記Tiltパラメータを修正するステップと、
を備える、車両確認支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、車両確認支援装置、中央車両確認支援装置、および車両確認支援方法、および中央車両確認支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有料道路の通行料金は、一般に通行距離や車種別に定められている。有料道路の通行料金の収受方法を大まかに分けると、入口料金所で通行券を受け取り出口料金所で通行券の情報に基づいて現金等で料金を支払う料金収受システムと、有料道路の入口料金所と出口料金所において、料金所の車線を通行する車両に搭載された車載器と無線通信することにより通行料金を収受するETCシステムとに分けられる。
【0003】
ETCに対応していない車両(以下、単に非ETC車と記載する)への課金のための料金収受システムでは、入口側の料金所で車種判別を行い、入口IC、通過時刻、判別された車種を記録した通行券を発行する。そして、出口料金所では、入口料金所で受け取った通行券に基づき、通行料金を確定し、非ETC車のドライバーは、現金等で支払いを行う。
【0004】
このために、非ETC車への課金のための料金収受システムでは、入口料金所および出口料金所の各車線にブースを設置して、ブース内の収受員が通過車両の車種を目視等で判断し、入口料金所での通行券の発行や、出口料金所での料金収受を行っていた。
【0005】
国土交通省は、有料道路料金所のキャッシュレス化・タッチレス化を推進すべく、各高速道路事業者のETC専用化に向けたロードマップを策定した。しかしながらETC専用化を施行する際であっても、非ETC車も、少なからず存在する。そのため非ETC車に対する対応を考慮する必要がある。しかしながら、ETCシステムを利用しない車両は、減少していくことになるため、高価な車種判別装置を出口側の料金所に設置するのはコストの面から現実的ではない。
【0006】
最近、省人化および遠隔対応化で、車線に設置されたブースに収受員を配置せずに車線には自動料金収受機を設置し、車線から離れた料金所事務所または料金所から離れた遠隔地に収受員を配置し、カメラ画像のみに基づいて収受員が車種を判断する場合が増えてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001-216598号公報
【特許文献2】特開2018-142834号公報
【特許文献3】特開2001-055101号公報
【特許文献4】特開2005-085091号公報
【特許文献5】特開2017-175206号公報
【特許文献6】特開2016-213759号公報
【特許文献7】特開2020-017830号公報
【特許文献8】特開2020-016322号公報
【特許文献9】特開2020-062543号公報
【特許文献10】特開2020-044601号公報
【特許文献11】特開2020-062544号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、車線から離れた料金所事務所または料金所から離れた遠隔地から、カメラ画像のみにより車種判別を行おうとすると、例えば、軸数で車種区分が分かれる特大車と大型車のように、車種判別が難しい車両もある。しかしながら、収受員は、迅速に料金収受を行うために、車線を通行する全ての車両に対して画像を監視して、車種判断して準備しておく必要があり、収受員に対する負担が重かった。このため、当該収受員に対する負担を低減する必要がある。
【0009】
また、通常、カメラは、車線のアイランド上に設置される。そのため、車両がカメラの近くまたは遠くを通過した場合、画像上の車両の大きさが異なる。そのため、予め決められた位置で車両の側面図を作成すると、作成された側面図においてタイヤが切れてしまう場合があるという問題がある。
【0010】
この発明は、上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、少ない機器構成で車両の特徴を表示し、収受員の車種判別を支援する技術を提供することにある。さらに、この発明の目的とするところは、車両の側面図の作成する位置を車両毎に変えることにより、タイヤの切れていない最適な側面図を収受員に提供する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
実施形態に係る車両確認支援装置は、広角レンズ搭載カメラによって撮影された撮影画像を記憶する撮影画像記憶部と、前記撮影画像から車両を検知する車両検知部と、前記検知された車両の車軸を検出する車軸検出部と、前記検出された車軸の車軸下端を決定する車軸下端決定部と、前記広角レンズ搭載カメラのTiltパラメータを記憶するTiltパラメータ記憶部と、前記撮影画像の中の歪みの補正の対象となる注目補正領域内に前記車軸下端が含まれているかどうかに基づいて、前記Tiltパラメータを修正する必要があるかどうかを判定するTiltパラメータ修正判定部と、前記Tiltパラメータを修正する必要があると判定した場合、前記注目補正領域内に前記車軸下端が含まれるように前記Tiltパラメータを修正するTiltパラメータ修正部と、を備えるものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、実施形態に係る有料道路料金処理システムの概略構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係る出口料金所の車線に設置される車線機器の設置例を示す上面図および側面図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係る有料道路料金処理システムの車線機器の概略構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態に係る広角レンズ搭載カメラのレイアウトの一例を示す鳥瞰図および側面図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態に係る車両確認支援装置の概略構成の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態に係る出力装置のディスプレイに表示される車両の側面図の作成手順の一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、広角レンズ搭載カメラにより撮影される撮影画像の一例を示した図である。
【
図8】
図8は、
図6で示したステップST103の側面図の作成処理をより詳細に説明したフローチャートである。
【
図9】
図9は、撮影画像における注目補正領域の一例を示した図である。
【
図10】
図10は、側面図作成制御部により作成された側面図の一例を示した図である。
【
図11】
図11は、停車している場合の撮影画像および側面図の一例を示した図である。
【
図12】
図12は、第2の実施形態に係る車両確認支援装置の概略構成の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、第2の実施形態に係る、
図6で示したステップST103の側面図の作成処理をより詳細に説明したフローチャートである。
【
図14】
図14は、車軸検出の例およびTiltパラメータを修正した注目補正領域の例を示した図である。
【
図15】
図15は、第3の実施形態に係る車両確認支援装置の概略構成の一例を示す図である。
【
図16】
図16は、第3の実施形態に係る出力装置のディスプレイに表示される車両の側面図の作成手順と、RollパラメータおよびYawパラメータ修正手順との一例を示すフローチャートである。
【
図17】
図17は、
図16で示したステップST105のRollパラメータ修正処理をより詳細にフローチャートである。
【
図18】
図18は、広角レンズ搭載カメラがRoll方向に傾いた場合の一例を示す。
【
図19】
図19は、
図16で示したステップST106のYawパラメータ修正処理をより詳細にフローチャートである。
【
図20】
図20は、広角レンズ搭載カメラ421がYaw方向に傾いた場合の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本実施形態の車両確認支援装置および車両確認支援方法について詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、同一の番号を付した部分については同様の動作を行うものとして、重複する説明を省略する。例えば、複数の同一または類似の要素が存在する場合に、各要素を区別せずに説明するために共通の符号を用いることがあるし、各要素を区別して説明するために当該共通の符号に加えて枝番号を用いることもある。
【0014】
[第1の実施形態]
(構成)
図1は、第1の実施形態に係る有料道路料金処理システムの概略構成の一例を示すブロック図である。
有料道路料金処理システムは、大まかに分けると、有料道路の入口料金所と出口料金所において、料金所の車線を通行する車両に搭載された車載器と無線通信することにより通行料金を収受するETCシステムと、入口料金所で通行券を受け取り出口料金所で通行券の情報に基づいて現金等で料金を支払う料金収受システムに分けられる。さらに、本実施形態では、料金所事務所等に配置された収受員が、遠隔から通行車両の車種判別を支援するための車両確認支援システムが設けられている。
【0015】
図1に示すように、車種の判別を支援するために車両確認支援システムは、中央側に備えられる中央車両確認支援装置6と、各料金所(料金所事務所)に設けられる車両確認支援装置3と、車線機器4から構成される。ここで、車両確認支援システムは、料金収受システムの出口料金所において、通行車両の車種判別に有効となるが、入口料金所における車種判別に利用してもよい。
【0016】
車両確認支援装置3は、収受員が車種判定を行うための支援のための装置である。車両確認支援装置3は、路側装置に設けられた広角レンズ搭載カメラ421による撮影タイミングを制御することで、車線に進入してくる車両の車両番号や車両(車軸を含む)の画像から車両の3面図を作成し、さらに車種判定の参考とするための車両の特徴情報を表示する。車両確認支援装置3は、出口料金所の料金所事務所に設けられ、中央車両確認支援装置6と接続され、中央車両確認支援装置6との間で各種情報を交換する。
【0017】
さらに、車両確認支援装置3は、料金収受装置2、車線サーバ5cとも接続され、料金収受装置2、車線サーバ5cとの間で各種情報を交換する。
【0018】
中央車両確認支援装置6は、
図1の例では、1つの車両確認支援装置3と接続される例を示しているが、実際には、出口料金所それぞれに設置された複数の車両確認支援装置3と接続される。そして、中央車両確認支援装置6は、車両確認支援装置3と各種情報を交換する。
【0019】
有料道路料金処理システムは、中央側に備えられる中央料金収受システム1と、各料金所の料金所事務所に備えられる料金収受装置2と、料金所の車両が走行する車線毎に備えられた車線機器4とから構成される。
【0020】
中央料金収受システム1は、非ETC車の料金収受を管理するためのサーバである。そのため、中央料金収受システム1は、各料金所に設けられた料金収受装置2から徴収した通行料金情報等の各種データを受信し、管理する。
【0021】
料金収受装置2は、非ETC車との間で通行券を用いて、出口料金所で通行料金の料金収受を行うための装置である。料金収受装置2は、入口料金所および出口料金所の料金所機械室に設けられ、非ETC車が通行可能な各車線に設置された車線機器4のうちの料金収受装置2に関連付けられた機器と接続される。また、料金収受装置2は、支払われた通行料金等の情報を中央料金収受システム1に送信する。
【0022】
ETCシステムは、中央側に備えられるETC中央装置5aと、各料金所(料金所機械室)に備えられる料金所サーバ5bと、各車線の車線機器4を管理制御する車線サーバ5cと、料金所の車両が走行する車線毎に備えられた車線機器4とから構成される。
【0023】
ETC中央装置5aは、各料金所等に設けられた料金所サーバ5bに接続され、ETC車に関する料金計算や課金処理を行う装置である。また、ETC中央装置5aは、各料金所サーバ5bの間で各種データを交換する。
【0024】
料金所サーバ5bは、入口料金所および出口料金所に設置された車線サーバ5cを管理するためのサーバである。そのため、料金所サーバ5bは、車線サーバ5cとの間で各種データを交換する。
【0025】
車線サーバ5cは、ETC車が通行可能な車線に対応して、入口料金所および出口料金所の料金所機械室に設けられ、ETC車が通行可能な各車線に設置された車線機器4と接続される。そして、車線機器4のうちの車線サーバ5cに関連付けられた機器から送信されるセンサデータ等に基づき車線機器4を制御する。
【0026】
また、車線サーバ5cは、設置されている出口料金所の出口情報を記憶し、さらに、ETC中央装置5aから配信された区間別および車種別の料金テーブルを記憶するサーバである。車線サーバ5cは、車載器情報、ETCカード情報、入口情報、出口情報、および車種判別により得られる車種情報から、料金テーブルを参照して通行料金を算出する。また、車線サーバ5cは、料金所サーバ5bを介して、ETC中央装置5aへ通行料金を送信する。
【0027】
車線サーバ5cは、車線機器4へ算出された通行料金を送信する。
【0028】
ETC車に搭載される車載器は、搭載された車両の車種情報等を記憶する。ここで、車種情報は、小型車、普通車、または大型車等の車種を示す情報である。
【0029】
次に、料金所の構成について、説明する。ここでは、出口料金所の構成を例として説明する。
【0030】
図2は、第1の実施形態に係る出口料金所の車線に設置される車線機器4の設置例を示す上面図および側面図である。
【0031】
図2に示すように、出口料金所は、アイランド40により区切られた車両が走行する車線が設けられており、車両は、これらの車線を上流から下流に向かって走行する。また、本実施形態において、車線は、ETCを利用するETC車も現金等で料金の支払いも行う非ETC車も通行可能な併用レーンとする。
【0032】
また、アイランド40には、車線の上流から下流に向けて順に、広角レンズ搭載カメラ421、第1の車両検知器S1、第2の車両検知器S2、自動料金収受機424、インターフォン422、路側表示器423、発進制御機425と発進制御バー4251、第3の車両検知器S4、および車線監視カメラ426が設けられる。なお、広角レンズ搭載カメラ421と第1の車両検知器S1の位置が逆転してもよい。
【0033】
また、2つのアイランド40には、車線を跨いで、上流から下流に向かって順に2つのアンテナ設置用ゲートが設けられる。1つ目のアンテナ設置用ゲートには、第1アンテナ411が設けられる。2つ目のアンテナ設置用ゲートには、リカバリアンテナ413が設けられる。
【0034】
図3は、第1の実施形態に係る有料道路料金処理システムの車線機器4の概略構成の一例を示すブロック図である。
【0035】
図3において、車線機器4は、料金収受関係、ETC関係、車両確認支援関係の機器が併存している。
【0036】
車両確認支援装置3関係の車線機器4としては、広角レンズ搭載カメラ(撮影部)421が設けられ、料金所事務所の車両確認支援装置3に接続される。
【0037】
ETC関係の車線機器4は、インタフェース集約部401を介して、第1アンテナ411、リカバリアンテナ413、第1の車両検知器S1、第2の車両検知器S2、第3の車両検知器S4、インターフォン422、路側表示器423、発進制御機425、および車線監視カメラ426を備える。
【0038】
料金収受関係の路側機器としては、自動料金収受機424が設けられており、料金所事務所に設置された料金収受装置2と接続されている。さらに、料金収受装置2と発進制御機425も接続される。
【0039】
最初に、料金収受関係の路側機器について説明する。
自動料金収受機424は、現金精算を行うための装置である。非ETC車の運転者は、入口料金所で受け取った通行券を自動料金収受機424に挿入すると通行料金が計算され自動料金収受機424に表示される。非ETC車の運転者は、表示された通行料金の現金を(或いはクレジットカード等により)入金することで、精算処理を実行することができる。
【0040】
次に、車両確認支援装置3関係の路側機器について説明する。
広角レンズ搭載カメラ421は、車両確認支援システムとして動作するため、車両確認支援装置3と接続される。車両確認支援装置3との接続は、直接接続しても、インタフェース集約部401を介して接続されてもどちらでも良い。
【0041】
広角レンズ搭載カメラ421は、
図2のように、第1の車両検知器S1の近傍にあって、第2の車両検知器S2の設置位置よりも、第1の車両検知器S1の設置位置の近くに設けられる。広角レンズ搭載カメラ421は、第1の車両検知器の設置位置を基準として、車線が延びる方向に沿って所定の長さ(例えば2m)の範囲内に設けられる。
【0042】
また、広角レンズ搭載カメラ421の路面からの高さは、車両からの泥はねを考慮しつつ、車軸(タイヤ)を正面に撮影できる高さ(例えば路面から30cm~100cm程度)が望ましいが、広角レンズの特性により路面からの高さは自由に設定できる。
【0043】
広角レンズ搭載カメラ421は、標準レンズより画角の広い広角レンズ(焦点距離が短いレンズ)を搭載し、車線の所定範囲を撮影する。撮影対象となる車線の所定範囲は、第1の車両検知器S1により車両の到達が検知される第1の地点、および第2の車両検知器S2により車両の到達が検知される第2の地点を含む。例えば、広角レンズ搭載カメラ421は、広角レンズ搭載カメラ421の設置位置を基準として、車線上流側方向および下流側方向に15m程度(合計30m程度)の所定範囲を撮影する。広角レンズは、車線を走行する様々な車種(軽自動車、普通車、中型車、大型車、および特大車など)の車両側面の全体が撮影できることが望ましく、設置環境によるが180°程度の範囲を撮影できるレンズ(魚眼レンズ)であることが望ましい。
【0044】
図4は、第1の実施形態に係る広角レンズ搭載カメラ421のレイアウトの一例を示す鳥瞰図および側面図である。
広角レンズ搭載カメラ421は、
図4(a)の斜線部分で示すように、車線上の上流側から下流側の所定の範囲を撮影する。さらに、
図4(b)に示すように、広角レンズ搭載カメラ421は、車軸を正面に撮影できる高さに設置される。
【0045】
広角レンズ搭載カメラ421が動画を撮影するカメラの場合、車両確認支援装置3からの第1の撮影指示(撮影開始指示)に基づき撮影を開始し、第2の撮影指示(撮影終了指示)に基づき撮影を終了し、撮影開始指示から撮影終了指示までの間の動画撮影を継続し撮影された動画を出力する。
【0046】
最後に、ETC関係の路側機器について説明する。
インタフェース集約部401は、各部からの情報を集約して車線サーバ5cへ出力するとともに、車線サーバ5cからの情報を各部へ出力する集約部である。
【0047】
インタフェース集約部401は、料金収受装置2および車線サーバ5cと接続される。インタフェース集約部401は、車両検知信号ONまたは車両検知信号OFFを車線サーバ5cへ出力する。
【0048】
ここで、第1の車両検知器S1は、車線への進入を検出する位置(第1の地点)に到達する車両を検知する検知器である。第1の車両検知器S1が車両の進入を検知すると、第1アンテナ411は、車両の車載器と通信し、車載器から送信される車載器情報、ETCカード情報、および入口情報等の各種情報を受信する。第1アンテナ411と車載器との通信ができなかった場合は、車両は、第1の地点より下流の第2の地点に到達してしまう。
【0049】
インターフォン422は、ETCシステムでトラブル発生時等に、運転者が収受員等と会話するための装置である。ここでトラブルとはETCの作動異常、またはETC専用レーンに非ETC車か誤って侵入した等の対応である。
【0050】
第2の車両検知器S2は、前記第2の地点に到達する車両を検知する検知器である。第1アンテナ411と車載器との通信ができなかった場合は、一旦車両を停止して、収受員対応となる。運転者と収受員がインターフォン422等で会話したのち、収受員の操作によりリカバリアンテナ413を動作させる。そうすると、リカバリアンテナ413と車載器が通信を開始し、車載器から送信される各種情報を受信する。
【0051】
路側表示器423は、車両の運転者に対して、インタフェース集約部401から出力される通行料金および車種情報等を表示する。
【0052】
発進制御機425は、インタフェース集約部401からの発進制御情報に基づき発進制御バー4251の開閉を制御する。発進制御バー4251は、閉鎖した状態において車両の通行(車線からの退出)を物理的に阻止し、開放した状態において車両の通行を許可する。
【0053】
第3の車両検知器S4は、車両がレーンの出口(第2の地点より下流の第3の地点)に到達したことを検知する検知器である。第3の車両検知器S4が車両を検知しなくなると、車両がレーンを出たと判断し、次の車両のために発進制御機425を閉じる。
【0054】
車線監視カメラ426は、常時撮影しており、例えば、車線に進入するまたは退出する車両の撮影画像を車線サーバ5cに出力する。
【0055】
次に、料金所事務所に設けられる車両確認支援装置3の構成について、説明する。
【0056】
図5は、第1の実施形態に係る車両確認支援装置3の概略構成の一例を示す図である。
車両確認支援装置3は、路側装置に設けられた広角レンズ搭載カメラ421の撮影された画像から側面図を生成し、生成した側面図を表示する装置である。
【0057】
車両確認支援装置3は、1台または複数台のコンピュータであり、制御部31、プログラム記憶部32、データ記憶部33、通信インタフェース34、入出力インタフェース35、入力装置36、および出力装置37を備える。
【0058】
制御部31は、車両確認支援装置3を制御する。制御部31は、中央処理ユニット(CPU)等のハードウェアプロセッサを備える。例えば、制御部31は、様々なプログラムを実行することが可能な集積回路であっても良い。
【0059】
制御部31は、画像取得部311と、車両検知部312と、側面図作成制御部313と、を備える。
【0060】
画像取得部311は、車線機器4の広角レンズ搭載カメラ421が出力した撮影画像を取得する取得部である。画像取得部311は、リアルタイムで撮影画像(画像フレーム)を取得する。画像取得部311は、取得した撮影画像を撮影画像記憶部331に記憶させて良い。
【0061】
車両検知部312は、車両を検知したかを判定する検知部である。例えば、車両検知部312は、撮影画像記憶部331に記憶された撮影画像を取得し、取得した撮影画像に基づいて車両を検知したかを判定する。車両検知方法は、例えば、R-CNN、YOLO、SDD、DETR等のディープラーニングを用いた方法等、一般的な検知方法を用いる。
【0062】
側面図作成制御部313は、通過車両の側面図の作成を制御する制御部である。そして、側面図作成制御部313は、歪み補正部3131と、移動量決定部3132と、移動量判定部3133と、画像貼り合わせ部3134と、車両通過判定部3135と、側面図作成部3136と、を備える。
【0063】
歪み補正部3131は、広角レンズの焦点距離、Tiltパラメータ等の各種パラメータに従って、撮影画像の歪みを補正する補正部である。例えば、歪み補正部3131は、撮影画像中の歪み補正注視領域に対して歪み補正を実施する。ここで、注目補正領域は、撮影画像中であって、車両確認支援装置3の管理者が事前に設定した領域であり、少なくとも車線の中央付近を通行する車両の車軸全体が含まれる領域である。
【0064】
ここで、撮影画像は、補正により、周辺部において解像度が劣化し、解像度が不足する。そのため、歪み補正部3131は、解像度が不足するような周辺部は除いて、注目補正領域に対して補正を実施する。なお、歪みの補正方法は、一般的な手法を用いて良い。そのため、ここでの詳細な説明を省略する。
【0065】
移動量決定部3132は、移動量を決定する決定部である。例えば、移動量決定部3132は、貼り合わせ画像記憶部333に記憶された貼り合わせ画像に最後に貼り合わされた撮影画像と当該撮影画像の1つ後のフレームである撮影画像との移動量を決定する。なお、移動量の決定方法の詳細は後述する。
【0066】
移動量判定部3133は、移動量が移動量閾値を超えるかどうかを判定する判定部である。移動量閾値は、移動量決定部3132が決定した移動量が移動量閾値(所定の閾値)を超えているかどうかを判定する。
【0067】
画像貼り合わせ部3134は、貼り合わせを実施する貼り合わせ部である。画像貼り合わせ部3134は、貼り合わせ画像記憶部333に記憶された、貼り合わせ画像に第n+1の撮影画像の注目補正領域を貼り合わせる。なお、貼り合わせの詳細な方法は、後述する。
【0068】
車両通過判定部3135は、車両が通過したかを判定する判定部である。車両通過判定部3135は、車両の後端が広角レンズ搭載カメラ421の目の前、すなわち撮影画像の中心を超えているかどうかを判定する。超えていると判定した場合、車両通過判定部3135は、車両が通過したと判定する。一方、超えていない場合、車両通過判定部3135は、車両が通過し終えていないと判定する。
【0069】
側面図作成部3136は、側面図を作成する作成部である。車両通過判定部3135により車両が通過したと判定した後、側面図作成部3136は、貼り合わせ画像記憶部333に記憶された、貼り合わせ画像を車両の側面図とする。そして、側面図作成部3136は、側面図と車両IDとを紐付けて車両通行履歴データベース332に記憶させる。
【0070】
プログラム記憶部32は、制御部31が各種処理を実行するために必要なプログラムを格納している。記憶媒体として、例えば、EPROM、HDD、SSD等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、ROM等の不揮発性メモリとを組み合わせて使用することができる。
【0071】
データ記憶部33は、制御部31がプログラムを実行して各種処理を行う過程で取得および生成されたデータを記憶するための記憶部である。記憶媒体として、例えば、HDD、メモリカード等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、RAM等の揮発性メモリとを組み合わせて使用したストレージである。
【0072】
データ記憶部33は、撮影画像記憶部331と、車両通行履歴データベース332と、貼り合わせ画像記憶部333と、を備える。
【0073】
撮影画像記憶部331は、第1の撮影指示(撮影開始指示)を受信してから第2の撮影指示(撮影終了指示)を受信するまでに画像取得部311が取得した撮影画像を全て記憶する記憶部である。
【0074】
車両通行履歴データベース332は、車線を通行した車両についての情報を記憶するために用いられる記憶部である。車両通行履歴データベース332は、車両IDに紐づけられた車両の前面図、後面図、および側面図等を記憶していて良い。
【0075】
貼り合わせ画像記憶部333は、車両の側面図を生成する際に用いられる貼り合わせ画像を記憶する記憶部である。例えば、貼り合わせ画像記憶部333は、画像貼り合わせ部3134が生成した貼り合わせ画像を記憶する。
【0076】
通信インタフェース34は、中央車両確認支援装置6、料金収受装置2、および車線サーバ5cと有線または無線接続する通信モジュールである。
【0077】
入出力インタフェース35は、入力装置36および出力装置37との間で情報の送受信を可能にするインタフェースである。なお、入出力インタフェース35は、通信インタフェース34と一体であってもよい。
【0078】
入力装置36は、例えば、収受員または車両確認支援装置3を管理する管理者が車両確認支援装置3に対して、画像検索等各種指示を入力するためのキーボードやポインティングデバイス等を含む。また、入力装置36は、プログラム記憶部32またはデータ記憶部33に格納するべきデータを、USBメモリ等のメモリ媒体から読み出すためのリーダや、そのようなデータをディスク媒体から読み出すためのディスク装置を含んでも良い。
【0079】
出力装置37は、車両確認支援装置3から収受員または管理者に提示するべき出力データを表示するディスプレイや、それを印刷するプリンタ等を含む。
【0080】
(動作)
最初に第1の実施形態を適用した場合の本実施形態の動作について説明する。本実施形態では、広角レンズ搭載カメラ421により撮影される動画に基づいて収受員に表示するための側面図を生成する処理動作を説明する。
【0081】
図6は、第1の実施形態に係る出力装置37のディスプレイに表示される車両の側面図の作成手順の一例を示すフローチャートである。
車両確認支援装置3は、広角レンズ搭載カメラ421に対して第1の撮影指示(撮影開始指示)を出力すると、広角レンズ搭載カメラ421が車線の撮影を開始し、撮影画像を車両確認支援装置3に出力する。
【0082】
このフローチャートでは、広角レンズ搭載カメラ421が車両の進行方向の左側に配置された、すなわち撮影画像の右(上流側)から左(下流側)に車両が進む例を説明する。しかしながら、広角レンズ搭載カメラ421が車両の進行方向右側に配置された、すなわち撮影画像の左(上流側)から右(下流側)に車両が進む場合にも適用可能なのは勿論である。
【0083】
ステップST101で、画像取得部311は、広角レンズ搭載カメラ421が出力した撮影画像を取得する。広角レンズ搭載カメラ421は、連続的に画像を撮影し、撮影した撮影画像を車両確認支援装置3に出力する。画像取得部311は、リアルタイムで撮影画像(画像フレーム)を取得する。ここで、画像取得部311は、取得した撮影画像を撮影画像記憶部331に記憶させて良い。
【0084】
なお、以下の処理を行っている最中でも、画像取得部311は、広角レンズ搭載カメラ421が出力した撮影画像を取得して良い。すなわち、ステップST101は、他の処理と並列に実施されて良い。これにより、撮影画像記憶部331には、車両の撮影画像が逐次記憶される。
【0085】
ステップST102で、車両検知部312は、車両を検知したかを判定する。例えば、車両検知部312は、撮影画像記憶部331に記憶された撮影画像を取得し、取得した撮影画像に基づいて車両を検知したかを判定する。車両検知方法は、上述したように、R-CNN、YOLO、SDD、DETR等のディープラーニングを用いた方法等、一般的な検知方法を用いる。車両を検知したと判定した場合、車両検知部312は、車両に対して車両IDを付与する。車両を検知したと判定した場合、処理は、ステップST103に進み、車両を検知していないと判定した場合、処理は、ステップST104に進む。
【0086】
図7は、広角レンズ搭載カメラ421により撮影される撮影画像の一例を示した図である。
図7(a)に示すように、
図7は、5軸を備えるトラックが進入し、退出する例を示している。
【0087】
図7(b)は、車両(トラック)が広角レンズ搭載カメラ421の目の前を通過しているところを撮影した撮影画像である。
図7(b)の例では左側から右側に進むにつれてトラックが広角レンズ搭載カメラ421の目の前を進んでいる。例えば、一番左の撮影画像において、トラックの車軸が2つ撮影されており、一番右の撮影画像において、トラックの車軸が3つ撮影されている。すなわち、撮影画像からトラックは、5軸を有していることは認識できる。しかしながら、トラックは、車軸全てを接地していない場合もあるが、収受員は、この画像からでは車軸が設置しているどうかを認識することはできない。
【0088】
図7(c)は、広角レンズ搭載カメラ421によって撮影された車両の前面図、側面図、および後面図の撮影画像の一例を示している。例えば、前面図、側面図、後面図は、
図7(a)に示される(1)前面、(2)側面、(3)後面での撮影画像に対応する。
図7(c)に示すように、広角レンズ搭載カメラ421が車両を撮影することにより、画像取得部311は、車両の前面図、側面図、および後面図を取得することができる。画像取得部311は、前面図および後面図を車両IDに紐付けて車両通行履歴データベース332に記憶させて良い。
【0089】
収受員は、車両通行履歴データベース332に記憶された前面図または後面図により、トラックのナンバー等を認識することができる。しかしながら、側面については、1枚の撮影画像から全体を認識することは困難である。そのため、
図7(b)にあるような撮影画像を貼り合わせて側面画像を合成する必要がある。
【0090】
ステップST103で、側面図作成制御部313は、通過車両の側面図を作成する。
【0091】
図8は、
図6で示したステップST103の側面図の作成処理をより詳細に説明したフローチャートである。
ステップST201で、歪み補正部3131は、歪みを補正する。車両の側面図を作成するための準備として、歪み補正部3131は、広角レンズの焦点距離、Tiltパラメータ等の各種パラメータに従って、撮影画像の歪みを補正する。例えば、歪み補正部3131は、撮影画像中の歪み補正注視領域に対して歪み補正を実施する。ここで、注目補正領域は、上述したように、撮影画像中であって、車両確認支援装置3の管理者が事前に設定した領域であり、少なくとも車線の中央付近を通行する車両の車軸全体が含まれる領域である。
【0092】
図9は、撮影画像における注目補正領域の一例を示した図である。
図9の例では、撮影画像は、広角レンズ搭載カメラ421の目の前に車両が来ている画像である。
【0093】
側面図作成制御部313は、この注目補正領域に対して貼り合わせを実施して車両の側面図を作成する。
【0094】
ステップST202で、移動量決定部3132は、移動量を決定する。例えば、移動量決定部3132は、貼り合わせ画像記憶部333に記憶された貼り合わせ画像に最後に貼り合わされた第nの撮影画像と、第n+1の撮影画像とを取得する。ここで、nは、任意の正の整数であって良く、移動量決定部3132が最初にステップST202を実施する場合、nは、1である。また、第n+1の撮影画像は、第nの撮影画像の1つ後のフレームである。
【0095】
移動量決定部3132は、撮影画像間、すなわちフレーム間の車両の移動量を決定する。例えば、移動量決定部3132は、撮影画像中に特徴点を設定し、当該特徴点を第nの撮影画像と第n+1の撮影画像とで比較することにより移動量を決定する。移動量は、例えば、左右のいずれかに何画素および上下いずれかに何画素移動したことを示す量である。なお、車両を検知した直後のように、注目補正領域に車両が映っていない場合、移動量決定部3132は、移動量をゼロとして良い。
【0096】
ステップST203で、移動量判定部3133は、移動量が移動量閾値を超えるかどうかを判定する。移動量閾値は、例えば、右に5画素等、水平方向に対する任意の画素数であって良い。移動量閾値は、移動量決定部3132が決定した移動量が移動量閾値(所定の閾値)を超えているかどうかを判定する。移動量閾値を超えると判定した場合、処理は、ステップST204に進む。一方、移動量閾値を超えないと判定した場合、処理は、ステップST201に戻る。
【0097】
ステップST204で、画像貼り合わせ部3134は、貼り合わせを実施する。画像貼り合わせ部3134は、貼り合わせ画像記憶部333に記憶された、貼り合わせ画像に第n+1の撮影画像の注目補正領域を貼り合わせる。例えば、画像貼り合わせ部3134は、貼り合わせ画像の特徴量と第n+1の撮影画像中の特徴量とを用いて位置合わせを実行してから貼り合わせ画像と第n+1の撮影画像中の注目補正領域との貼り合わせを実施する。
【0098】
なお、貼り合わせ画像記憶部333に貼り合わせ画像が記憶されていない場合、例えばn=1の場合、画像貼り合わせ部3134は、第1の撮影画像中の注目補正領域と第2の撮影画像中の注目補正領域とを貼り合わせることにより貼り合わせ画像を生成する。そして、画像貼り合わせ部3134は、生成した貼り合わせ画像を貼り合わせ画像記憶部333に記憶させる。
【0099】
ステップST205で、車両通過判定部3135は、車両が通過したかを判定する。車両通過判定部3135は、車両の後端(本実施形態では左端)が広角レンズ搭載カメラ421の目の前、すなわち撮影画像の中心を超えているかどうかを判定する。超えていると判定した場合、処理はステップST206に進む。一方超えていないと判定した場合、処理は、ステップST201に戻る。
【0100】
すなわち、ステップST201~ステップST205を繰り返すことにより、側面図作成制御部313は、注目補正領域を逐次貼り合わせることにより、車両の側面図を作成していく。例えば、広角レンズ搭載カメラ421が30fpsで撮影し、車両が5秒で車線を通過した場合、撮影画像は、30*5=150枚となる。そのため、側面図作成制御部313は、当該150枚を貼り合わせることにより、側面図を作成していく。
【0101】
ステップST206で、側面図作成部3136は、側面図を作成する。例えば、側面図作成部3136は、貼り合わせ画像記憶部333に記憶された、貼り合わせ画像を車両の側面図とする。そして、側面図作成部3136は、側面図と車両IDとを紐付けて車両通行履歴データベース332に記憶させる。そして、処理は、ステップST101に戻る。
【0102】
図10は、側面図作成制御部313により作成された側面図の一例を示した図である。
図10の上段の図は、撮影画像および注目補正領域の例を示した図であり、
図10の中段の図は、上段で示した撮影画像が車両のどの部分に対応しているのかを示している。また、
図10の下段の図は、車両通行履歴データベース332に記憶されることになる側面図である。すなわち、車両確認支援装置3の出力装置37のディスプレイに表示される側面図である。
【0103】
図10の下段を参照すると、車両後方の3つの車軸のうち2つは接地しておらず、1つの車軸のみが設置していることが理解できる。このように、収受員は、側面図から軸数を決定することになる。
【0104】
ここでステップST203に戻り、注目補正領域を適切に貼り合わせる際の課題として、車両の移動速度が車両毎に異なる点がある。例えば、渋滞等が発生し、車両が停止している場合、広角レンズ搭載カメラ421は、常に同じ状況を撮影し続けることになる。また、信号またはその他の要因により車両が急激に加速または減速することもある。そのため、平均的な移動量を参照して貼り合わせ位置を決定すると、合成される側面図は、正常な側面図とならない。
【0105】
そこで、側面図作成制御部313は、移動量が所定の閾値以上動いていないと判定した場合、側面図作成制御部313は、第n+1の撮影画像を合成に用いない。そこで、処理は、ステップST201に戻る。
【0106】
また、移動量判定部3133で、移動量が所定の閾値を超えていないと判定した後のステップST202で、移動量決定部3132は、撮影画像記憶部331から第1の撮影画像の1つ後のフレームである第n+2の撮影画像を取得する。そして、第n+1の撮影画像と第n+2の撮影画像との移動量を決定する。そして、ステップST203で、移動量判定部3133は、当該移動量が所定の閾値を超えているかを判定することになる。
【0107】
さらに、当該移動量が所定の閾値を超えていると判定した場合、ステップST204で、画像貼り合わせ部3134は、第n+2の撮影画像の注目補正領域を貼り合わせ画像に貼り合わせることになる。なお、ステップST202で、移動量決定部3132は、第nの撮影画像と第n+2の撮影画像との移動量を決定しても良い。
【0108】
図11は、停車している場合の撮影画像および側面図の一例を示した図である。
図11の上段の図は、車両が途中で停車してしまい、画像取得部311が広角レンズ搭載カメラ421から同じ撮影画像を取得していることを示している。この場合、上述したように、側面図作成制御部313は、移動量が所定の閾値を超えていない撮影画像を破棄することになる。そして、
図11の下段に示すように、車両が停車したりしても、側面図作成制御部313は、側面図を作成することができる。
【0109】
図6に戻り、ステップST104で、制御部31は、撮影終了指示を受信したかどうか判定する。撮影終了指示を受信しない場合、処理は、ステップST101に戻る。一方、撮影終了指示を受信すると、広角レンズ搭載カメラ421に当該指示を出力し、処理は終了する。
【0110】
(第1の実施形態の作用効果)
第1の実施形態によれば、料金収受装置2または車線サーバ5cとの連携がなくとも、1台の広角レンズ搭載カメラ421により、車種の判定に最も着目すべき側面図を自動的に収受員に提供することができる。これにより、収受員は、車種判別を容易に行うことができる。
【0111】
さらに、第1の実施形態によれば、1台の広角レンズ搭載カメラ421を設置し、他の機器との連携を取る必要がない。そのため、機器の設置費用および設置時間を低減することができる。
【0112】
[第2の実施形態]
車両は、必ずしも車線の中央付近を通行するわけでなく、車線の端に偏って通行する場合もある。すなわち、車両は、広角レンズ搭載カメラ421の近くを通行する場合と、遠くを通行する場合がある。例えば、車両が広角レンズ搭載カメラ421の近くを通行する場合、撮影画像の注目補正領域に車軸下端が入らず、側面図を作成する際に車軸(タイヤ)が欠けた状態で作成されてしまう。このようにタイヤの一部が欠けた側面図が作成されると、収受員がタイヤが接地しているのかどうかを判定するのが困難となるという問題がある。
【0113】
そこで、第2の実施形態では、車両の車軸検出を実施し、検出された車軸に応じて注目補正領域を移動させた上で歪み補正等を実施する。
【0114】
(構成)
第2の実施形態に係る有料道路料金処理システムの構成および車線機器4の構成は、第1の実施形態と同様であるため、ここでの重複した説明を省略する。
【0115】
但し、広角レンズ搭載カメラ421は、カメラの撮影位置を物理的に修正することが可能な駆動部を備えていて良い。駆動部は、例えば、Tilt方向を修正する、すなわちTiltパラメータを修正することが可能な駆動部である。駆動部は、車両確認支援装置3の制御部31によって駆動を制御されて良い。
【0116】
図12は、第2の実施形態に係る車両確認支援装置3の概略構成の一例を示す図である。
車両確認支援装置3は、制御部31が車軸検出部314およびTiltパラメータ修正制御部315を備え、データ記憶部33がTiltパラメータ記憶部334を備える点で第1の実施形態と異なる。
【0117】
車軸検出部314は、撮影画像で検知された車両の車軸を検出する検出部である。車軸検出部314は、撮影画像から、車両検知方法と同様に、一般的な検知方法を用いて、車軸を検出したかを判定する。車軸を検出したと判定した場合、車軸検出部314は、車軸を検出した撮影画像中の矩形の位置情報をTiltパラメータ修正制御部315に出力する。
【0118】
Tiltパラメータ修正制御部315は、車軸下端決定部3151と、Tiltパラメータ修正判定部3152と、Tiltパラメータ修正部3153と、を備える。
【0119】
車軸下端決定部3151は、車軸の下端を決定する決定部である。例えば、車軸下端決定部3151は、車軸が検出された矩形の下端の位置情報、すなわち車軸下端を決定する。そして、車軸下端決定部3151は、決定した車軸下端をTiltパラメータ修正判定部3152に出力する。
【0120】
Tiltパラメータ修正判定部3152は、Tiltパラメータの修正が必要かどうかを判定する判定部である。Tiltパラメータ修正判定部3152は、Tiltパラメータ記憶部334から広角レンズ搭載カメラ421の現在のTiltパラメータを取得する。そして、Tiltパラメータによる注目補正領域が車軸下端を含むかどうかを判定する。車軸下端を含むと判定した場合、Tiltパラメータ修正判定部3152は、Tiltパラメータの修正が必要ないと判定する。一方、車軸下端を含まないと判定した場合、Tiltパラメータ修正判定部3152は、Tiltパラメータの修正が必要であると判定する。
【0121】
また、車軸下端が注目補正領域に含まれて入るが、車軸下端と注目補正領域の下端との距離が距離閾値以上離れていると判定した場合、Tiltパラメータ修正判定部3152は、Tiltパラメータの修正が必要であると判定する。
【0122】
Tiltパラメータ修正部3153は、Tiltパラメータを修正する。Tiltパラメータ修正部3153は、注目補正領域内に車軸下端が含まれるようにTiltパラメータを修正する。或いは、Tiltパラメータ修正部3153は、注目補正領域の下端と車軸下端が距離閾値未満となるようにTiltパラメータを修正する。
【0123】
Tiltパラメータ記憶部334は、広角レンズ搭載カメラ421のTiltパラメータを記憶するために用いられる記憶部である。車両確認支援装置3の制御部31は、広角レンズ搭載カメラ421に設定されるTiltパラメータを事前に取得してTiltパラメータ記憶部334に記憶させておいて良い。また、Tiltパラメータ記憶部334は、Tiltパラメータ修正部3153によりTiltパラメータが修正された場合、修正されたTiltパラメータを記憶する。
【0124】
(動作)
第2の実施形態における側面図の作成手順は、
図6を参照して説明したフローチャートと同一である。そのため、ここでの重複した説明を省略する。
【0125】
図13は、第2の実施形態に係る、
図6で示したステップST103の側面図の作成処理をより詳細に説明したフローチャートである。
なお、
図13におけるステップST201~ステップST206は、以下で説明する動作を除いて、
図8を参照して説明したステップST201~ステップST206と同様の動作であって良い。
【0126】
ステップST301で、車軸検出部314は、車軸を検出したか判定する。車軸検出部314は、撮影画像から、車両検知方法と同様に、一般的な検知方法を用いて、車軸を検出したかを判定する。車軸を検出したと判定した場合、車軸検出部314は、車軸を検出した撮影画像中の矩形の位置情報を車軸下端決定部3151に出力する。そして、処理は、ステップST302に進む。一方車軸を検出しなかったと判定した場合、処理は、ステップST201に進む。
【0127】
ステップST302で、Tiltパラメータ修正制御部315の車軸下端決定部3151は、車軸の下端を決定する。例えば、車軸下端決定部3151は、車軸が検出された矩形の下端の位置情報、すなわち車軸下端を決定する。そして、車軸下端決定部3151は、決定した車軸下端(撮影画像中の位置情報)をTiltパラメータ修正判定部3152に出力する。
【0128】
ステップST303で、Tiltパラメータ修正判定部3152は、Tiltパラメータの修正が必要かどうかを判定する。Tiltパラメータ修正判定部3152は、Tiltパラメータ記憶部334から広角レンズ搭載カメラ421の現在のTiltパラメータを取得する。そして、Tiltパラメータによる注目補正領域が車軸下端を含むかどうかを判定する。車軸下端を含むと判定した場合、Tiltパラメータ修正判定部3152は、Tiltパラメータの修正が必要ないと判定する。この場合、処理は、ステップST201に進む。一方、車軸下端を含まないと判定した場合、Tiltパラメータ修正判定部3152は、Tiltパラメータの修正が必要であると判定する。この場合処理は、ステップST304に進む。
【0129】
また、車軸下端が注目補正領域に含まれて入るが、車軸下端と注目補正領域の下端との距離が距離閾値以上離れていると判定した場合、Tiltパラメータ修正判定部3152は、Tiltパラメータの修正が必要であると判定する。例えば、車両が広角レンズ搭載カメラ421から遠い位置を通過する場合、車軸の下端は、撮影画像の上に動くことになる。そのため、注目補正領域は、道路の領域を多く含み、相対的に車両側面の領域が少なくなる。このような車両の側面図を作成すると、見栄えが悪くなり、収受員による軸数認識の際に負担が増える。そこで、このような場合もTiltパラメータ修正判定部3152は、Tiltパラメータを修正する必要があると判定する。
【0130】
ステップST304で、Tiltパラメータ修正部3153は、Tiltパラメータを修正する。Tiltパラメータ修正部3153は、注目補正領域内に車軸下端が含まれるようにTiltパラメータを修正する。或いは、Tiltパラメータ修正部3153は、注目補正領域の下端と車軸下端が距離閾値未満となるようにTiltパラメータを修正する。
【0131】
そして、制御部31は、修正されたTiltパラメータになるように広角レンズ搭載カメラ421のTiltパラメータを修正するように制御する。また、制御部31は、広角レンズ搭載カメラ421が備える駆動機構を用いて物理的にTiltパラメータを修正するように制御しても良い。
【0132】
図14は、車軸検出の例およびTiltパラメータを修正した注目補正領域の例を示した図である。
図14において、実線で囲まれた領域が注目補正領域を示し、点線で囲まれた領域が車軸を検出した際の矩形を表す。
【0133】
図14の上段に示すように、Tiltパラメータ修正制御部315は、注目補正領域と車軸の矩形の下端(車軸下端)との比較によりTiltパラメータの修正が必要かどうかを判定する。
【0134】
図14の中段では、車両が広角レンズ搭載カメラ421近い位置を通過した場合にTiltパラメータを修正する例を示す。例えば、車軸下端が注目補正領域に含まれていない場合、Tiltパラメータ修正部3153は、注目補正領域を撮影画像の下部分に移動させるようにTiltパラメータを修正する。すなわち、制御部31は、広角レンズ搭載カメラ421のTiltパラメータを修正するように制御する。これにより、注目補正領域が車軸下端を含むようになる。
【0135】
図14の下段では、車両が広角レンズ搭載カメラ421に遠い位置を通過した場合にTiltパラメータを修正する例を示す。例えば、車軸下端が注目補正領域の下端と距離閾値を超えて離れている場合、Tiltパラメータ修正部3153は、注目補正領域を撮影画像の上部分に移動させるようにTiltパラメータを修正する。すなわち、制御部31は、広角レンズ搭載カメラ421のTiltパラメータを修正するように制御する。これにより、車軸下端と注目補正領域の下端が距離閾値未満となり、注目補正領域における車両側面の領域が増大する。
【0136】
図13に戻り、ステップST205で、車両通過判定部3135により、車両が通過していないと判定した場合、第2の実施形態では、処理は、ステップST301に戻る。これにより、再度車軸検出を実施することになる。なお、ステップST203で、移動量判定部3133により、移動量が移動量閾値未満であると判定した場合、車両は移動していないので、第1の実施形態と同様に、処理は、ステップST201に戻る。
【0137】
なお、第2の実施形態では、車軸下端が注目補正領域に含まれていない場合、或いは車軸下端と注目補正領域の下端が所定の距離以上ある場合にTiltパラメータを修正する例を説明している。しかしながら、第2の実施形態は、これ以外の態様にも適用することができる。例えば、車軸下端が注目補正領域に含まれているような場合であっても、Tiltパラメータ修正制御部315は、車軸下端と注目補正領域の下端の距離を所定の距離となるようにTiltパラメータを修正しても良い。車軸下端と注目補正領域の下端が常に同じ距離にあるようにTiltパラメータを修正することにより、車両の側面図は、車両の領域と地面の領域が常に同程度の図面となり、収受員が車種判別を容易に行うことが可能となる。
【0138】
(第2の実施形態の作用効果)
第2の実施形態によれば、料金収受装置2または車線サーバ5cとの連携がなくとも、1台の広角レンズ搭載カメラ421により、車種の判定に最も着目すべき側面図を自動的に収受員に提供することができる。これにより、収受員は、車種判別を容易に行うことができる。
【0139】
さらに、第2の実施形態によれば、車両確認支援装置3は、車両毎に、車軸を検出し、車軸の下端と注目補正領域とに基づいてTiltパラメータの修正が必要かどうか判定する。そして、Tiltパラメータの修正が必要であると判定した場合、車両確認支援装置3は、車軸の下端が注目補正領域内に含まれるようにTiltパラメータを修正する。これにより、車両確認支援装置3は、必ず車軸を含んだ車両の側面図を作成することが可能となる。これにより、収受員は、車種判別を容易に行うことができる。
【0140】
[第3の実施形態]
広角レンズ搭載カメラ421は、設置後、経年劣化或いは車両に起因した振動により、ズレが生じることがある。すなわち、広角レンズ搭載カメラ421の撮影位置が当初設定していた位置かズレてしまう場合が発生する。
【0141】
そこで、第3の実施形態では、広角レンズ搭載カメラ421の撮影位置がズレてしまった場合に、撮影位置の調整を実施する。
【0142】
例えば、広角レンズ搭載カメラ421がRoll方向に傾いた場合、車両は、撮影位置に対して左右に移動するのではなく、本来の移動すべき線に対して角度をもって斜めに移動することになる。車両は、丸みを帯びた形状の車両も存在するが、概ね横線で構成される特徴量を有している。そのため、適切な調整が行われている場合、車両が移動する方向は、水平方向への移動が観測できる。そこで、本実施形態では、Roll方向へ傾きを監視することにより、継続的にRoll方向への補正を実施する。
さらに、広角レンズ搭載カメラ421がYaw方向に傾いた場合、車両の入退出時の撮影画像、すなわち、前面図と後面図との間の車両のサイズに差異が発生する。そこで、本実施形態では、Roll方向への傾きの監視と共にYaw方向への傾きも監視することにより、継続的にYaw方向への補正を実施する。
【0143】
(構成)
第3の実施形態に係る有料道路料金処理システムの構成および車線機器4の構成は、第1の実施形態と同様であるため、ここでの重複した説明を省略する。
【0144】
但し、広角レンズ搭載カメラ421は、カメラの撮影位置を物理的に修正することが可能な駆動部を備えていて良い。駆動部は、例えば、Roll方向およびYaw方向それぞれの方向を修正する、すなわちRollパラメータおよびYawパラメータを修正することが可能な駆動部である。駆動部は、車両確認支援装置3の制御部31によって駆動を制御されて良い。
【0145】
図15は、第3の実施形態に係る車両確認支援装置3の概略構成の一例を示す図である。
車両確認支援装置3は、制御部31がRollパラメータ修正制御部316およびYawパラメータ修正制御部317を備え、データ記憶部33が基準水平線記憶部335、Rollパラメータ記憶部336、およびYawパラメータ記憶部337を備える点で第1の実施形態と異なる。
【0146】
Rollパラメータ修正制御部316は、水平線検出部3161と、基準水平線取得部3162と、水平線判定部3163と、Rollパラメータ修正部3164と、を備える。
【0147】
水平線検出部3161は、水平線を取得する検出部である。水平線検出部3161は、撮影画像記憶部331に記憶された撮影画像から、広角レンズ搭載カメラ421の目の前を通過している最中の車両の撮影画像を取得する。そして、水平線検出部3161は、通過している車両から水平線を検出する。なお、水平線検出方法の詳細な説明は後述する。
【0148】
基準水平線取得部3162は、基準水平線記憶部335に記憶された基準水平線を取得する取得部である。例えば、基準水平線は、広角レンズ搭載カメラ421に内蔵されている水準器により算出された水平線である。基準水平線取得部3162は、基準水平線を水平線判定部3163に出力する。
【0149】
水平線判定部3163は、水平線(平均水平線)と基準水平線から形成される角度が角度閾値以上であるかどうかを判定する判定部である。例えば、水平線判定部3163は、平均水平線と基準水平線によって形成される角度Δθを算出する。そして、Δθの絶対値が角度閾値以上であるかどうかを判定する。
【0150】
Rollパラメータ修正部3164は、角度Δθを0度にするようにRollパラメータを修正する修正部である。Rollパラメータ修正部3164は、Rollパラメータ記憶部336に記憶される、広角レンズ搭載カメラ421に設定されたRollパラメータを読み出し、角度Δθを0度になるようにRollパラメータを修正する。
【0151】
Yawパラメータ修正制御部317は、前後面図取得部3171と、外接矩形検出部372と、前後面図比較部3173と、Yawパラメータ修正部3174と、を備える。
【0152】
前後面図取得部3171は、車両の前面図および後面図を取得する取得部である。前後面図取得部3171は、車両通行履歴データベース332に記憶されている車両の前面図および後面図を取得する。前後面図取得部3171は、取得した前面図および後面図を外接矩形検出部3172に出力する。
【0153】
外接矩形検出部3172は、前面図および後面図から車両の外接矩形を検出する検出部である。外接矩形検出部3172は、上述した車両検知方法と同様に、一般的な物体検知方法を用いて前面図および後面図から車両を検知させることにより、車両の外接矩形を検出する。外接矩形検出部3172は、外接矩形が検出された前面図および後面図を前後面図比較部3173に出力する。
【0154】
前後面図比較部3173は、前面図の外接矩形と後面図の外接矩形の面積の差が面積閾値以上であるかどうかを判定する比較部である。外接矩形の面積の差が面積閾値より下である場合、前後面図比較部3173は、前面図の外接矩形と後面図の外接矩形のサイズが同程度であると判定し、Yawパラメータの修正をしないと決定する。一方、外接矩形の面積の差が面積閾値以上である場合、前後面図比較部3173は、前面図の外接矩形と後面図の外接矩形のサイズが同程度でないと判定し、Yawパラメータの修正を実施すると決定する。
【0155】
Yawパラメータ修正部3174は、Yawパラメータを修正する。Yawパラメータ修正部3174は、Yawパラメータ記憶部337に記憶される、広角レンズ搭載カメラ421のYawパラメータを読み出し、前面図の外接矩形と後面図の外接矩形が同じになるようにYawパラメータを修正する。
【0156】
基準水平線記憶部335は、広角レンズ搭載カメラ421の基準水平線を記憶するために用いられる記憶部である。車両確認支援装置3の制御部31は、広角レンズ搭載カメラ421に設定される基準水平線を事前に取得して基準水平線記憶部335に記憶させておいて良い。
【0157】
Rollパラメータ記憶部336は、広角レンズ搭載カメラ421のRollパラメータを記憶するために用いられる記憶部である。車両確認支援装置3の制御部31は、広角レンズ搭載カメラ421に設定されるRollパラメータを事前に取得してRollパラメータ記憶部336に記憶させておいて良い。また、Rollパラメータ記憶部336は、Rollパラメータ修正部3164によりRollパラメータが修正された場合、修正されたRollパラメータを記憶する。
【0158】
Yawパラメータ記憶部337は、広角レンズ搭載カメラ421のYawパラメータを記憶するために用いられる記憶部である。車両確認支援装置3の制御部31は、広角レンズ搭載カメラ421に設定されるYawパラメータを事前に取得してYawパラメータ記憶部337に記憶させておいて良い。また、Yawパラメータ記憶部337は、Yawパラメータ修正部3174によりYawパラメータが修正された場合、修正されたYawパラメータを記憶する。
【0159】
(動作)
図16は、第3の実施形態に係る出力装置37のディスプレイに表示される車両の側面図の作成手順と、RollパラメータおよびYawパラメータ修正手順との一例を示すフローチャートである。
車両確認支援装置3は、広角レンズ搭載カメラ421に対して第1の撮影指示(撮影開始指示)を出力すると、広角レンズ搭載カメラ421が車線の撮影を開始し、撮影画像を車両確認支援装置3に出力する。
【0160】
このフローチャートでは、広角レンズ搭載カメラ421が車両の進行方向の左側に配置された、すなわち撮影画像の右(上流側)から左(下流側)に車両が進む例を説明する。しかしながら、広角レンズ搭載カメラ421が車両の進行方向右側に配置された、すなわち撮影画像の左(上流側)から右(下流側)に車両が進む場合にも適用可能なのは勿論である。
【0161】
図16のステップST101~ステップST104は、
図6を参照して説明した処理と同様である。そのため、ここでの重複した説明を省略する。
【0162】
なお、第3の実施形態において、以下で説明するステップST105およびステップST106の処理は、ステップST103と並列に実施する処理として記載している。しかしながら、ステップST105およびステップST106の少なくとも1つの処理は、ステップST103の前または後に実施されても良い。
【0163】
ステップST105で、Rollパラメータ修正制御部316は、Rollパラメータを修正する。なお、ステップST105における処理は、Rollパラメータを修正しない場合もある。
【0164】
図17は、
図16で示したステップST105のRollパラメータ修正処理をより詳細にフローチャートである。
ステップST401で、水平線検出部3161は、水平線を検出する。水平線検出部3161は、撮影画像記憶部331に記憶された撮影画像から、広角レンズ搭載カメラ421の目の前を通過している最中の車両の撮影画像を取得する。そして、水平線検出部3161は、通過している車両から水平線を検出する。例えば、広角レンズ搭載カメラ421が正常な状態で設置されている場合、広角レンズ搭載カメラ421の目の前を通過している車両の撮影画像の中心部は、水平となる。そこで、水平線検出部3161は、一般的な水平線検出フィルタを用いて、同じ車両IDが付与された複数の撮影画像それぞれから水平線を検出する。そして、水平線検出部3161は、検出された水平線の平均値を算出する。水平線検出部3161は、算出された平均水平線を水平線判定部3163に出力する。
【0165】
ステップST402で、基準水平線取得部3162は、基準水平線記憶部335に記憶された基準水平線を取得する。基準水平線取得部3162は、基準水平線を水平線判定部3163に出力する。
【0166】
ステップST403で、水平線判定部3163は、平均水平線と基準水平線から形成される角度が角度閾値以上であるかどうかを判定する。例えば、水平線判定部3163は、平均水平線と基準水平線によって形成される角度Δθを算出する。そして、Δθの絶対値が角度閾値以上であるかどうかを判定する。
【0167】
ステップST404で、Rollパラメータ修正部3164は、角度Δθを0度にするようにRollパラメータを修正する。Rollパラメータ修正部3164は、Rollパラメータ記憶部336に記憶される、広角レンズ搭載カメラ421に設定されたRollパラメータを読み出し、角度Δθを0度になるようにRollパラメータを修正する。
【0168】
制御部31は、広角レンズ搭載カメラ421のRollパラメータが修正されたRollパラメータになるように制御する。また、制御部31は、広角レンズ搭載カメラ421が備える駆動機構を用いて物理的にRollパラメータを修正するように制御しても良い。
【0169】
図18は、広角レンズ搭載カメラ421がRoll方向に傾いた場合の一例を示す。
図18(a)および(b)に示すように、広角レンズ搭載カメラ421は、左側に傾く場合と右側に傾く場合がある。
図18(a)は、左側に傾いた例を示しており、絶対値が所定の基準値を超える-Δθだけ傾いている場合を示し、
図18(b)は、右側に傾いた例を示しており、絶対値が所定の基準値を超えるΔθだけ傾いている場合を示している。
【0170】
図18(c)で示すように、当該Δθまたは-Δθを0度となるようにRollパラメータを修正することにより、広角レンズ搭載カメラ421のRoll方向への傾きを修正する。
【0171】
広角レンズ搭載カメラ421のRoll方向への傾きが発生した場合、車両が坂道を上るまたは下るような車両を撮影することになる。ある一定以上傾いた状態で撮影すると、第2の実施形態で説明した注目補正領域の貼り合わせ位置を修正する際に正しく修正できなくなるという場合が発生する。そのため、本実施形態のようにRoll方向の傾きを継続的に修正することにより、この問題を解決している。
【0172】
図16に戻り、ステップST106で、Yawパラメータ修正制御部317は、Yawパラメータを修正する。なお、ステップST106における処理は、Yawパラメータを修正しない場合もある。
【0173】
図19は、
図16で示したステップST106のYawパラメータ修正処理をより詳細にフローチャートである。
ステップST501で、前後面図取得部3171は、車両の前面図および後面図を取得する。前後面図取得部3171は、車両通行履歴データベース332に記憶されている車両の前面図および後面図を取得する。前後面図取得部3171は、取得した前面図および後面図を外接矩形検出部3172に出力する。
【0174】
ステップST502で、外接矩形検出部3172は、前面図および後面図から車両の外接矩形を検出する。外接矩形検出部3172は、上述した車両検知方法と同様に、一般的な物体検知方法を用いて前面図および後面図から車両を検知させることにより、車両の外接矩形を検出する。外接矩形検出部3172は、外接矩形が検出された前面図および後面図を前後面図比較部3173に出力する。
【0175】
ステップST503で、前後面図比較部3173は、前面図の外接矩形と後面図の外接矩形の面積の差が面積閾値以上であるかどうかを判定する。外接矩形の面積の差が面積閾値より下である場合、前後面図比較部3173は、前面図の外接矩形と後面図の外接矩形のサイズが同程度であると判定する。そして、前後面図比較部3173は、Yawパラメータの修正をしないと決定する。そのため、処理は、ステップST101に戻る。一方、外接矩形の面積の差が面積閾値以上である場合、前後面図比較部3173は、前面図の外接矩形と後面図の外接矩形のサイズが同程度でないと判定する。そして、前後面図比較部3173は、Yawパラメータの修正を実施すると決定する。そこで、前後面図比較部3173は、前面図の外接矩形と後面図の外接矩形のいずれがどれだけ大きいかの情報をYawパラメータ修正部3174に出力する。
【0176】
なお、ステップST503で、外接矩形検出部3172は、複数の車両の外接矩形を検出して良い。そして、ステップST504で、前後面図比較部3173は、複数の車両それぞれの前面図の外接矩形と前記後面図の外接矩形の面積の差を算出し、当該差の平均値を算出する。そして、前後面図比較部3173は、当該差の平均値が面積閾値を超えているかどうかを判定して良い。
【0177】
ステップST504で、Yawパラメータ修正部3174は、Yawパラメータを修正する。Yawパラメータ修正部3174は、Yawパラメータ記憶部337に記憶される、広角レンズ搭載カメラ421のYawパラメータを読み出し、前面図の外接矩形と後面図の外接矩形が同じになるようにYawパラメータを修正する。
【0178】
制御部31は、広角レンズ搭載カメラ421のYawパラメータが修正されたYawパラメータになるように制御する。また、制御部31は、広角レンズ搭載カメラ421が備える駆動機構を用いて物理的にYawパラメータを修正するように制御しても良い。
【0179】
図20は、広角レンズ搭載カメラ421がYaw方向に傾いた場合の一例を示す。
図20(a)および(b)に示すように、車両の前面図の外接矩形サイズが後面図の外接矩形サイズより大きい場合と、車両の前面図の外接矩形のサイズが後面図の外接矩形サイズより小さい場合とがある。このような場合に、
図20(c)に示すように、Yawパラメータ修正部3174は、前面図の外接矩形と後面図の外接矩形が同じになるようにYawパラメータを修正することにより、広角レンズ搭載カメラ421のYaw方向への傾きを修正する。
【0180】
広角レンズ搭載カメラ421のYaw方向への傾きが発生した場合、撮影画像は斜めから車両を撮影することになる。ある一定以上傾いた状態で撮影すると、第2の実施形態で説明した注目補正領域の貼り合わせ位置を修正する際に正しく修正できなくなるという場合が発生する。そのため、本実施形態のようにYaw方向の傾きを継続的に修正することにより、このような問題を解決している。
【0181】
(第3の実施形態の作用効果)
第3の実施形態によれば、料金収受装置2または車線サーバ5cとの連携がなくとも、1台の広角レンズ搭載カメラ421により、車種の判定に最も着目すべき側面図を自動的に収受員に提供することができる。これにより、収受員は、車種判別を容易に行うことができる。
【0182】
さらに、第3の実施形態によれば、車両確認支援装置3は、広角レンズ搭載カメラ421のRoll方向またはYaw方向への傾きを監視し、傾きが検出された場合、RollパラメータまたはYawパラメータを修正することにより、この傾きを補正する。これにより、広角レンズ搭載カメラ421は、常に最適な撮影位置で車両を撮影することが可能となる。
【0183】
[他の実施形態]
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、第3の実施形態では、RollパラメータおよびYawパラメータの修正を広角レンズ搭載カメラ421が撮影している最中に行う場合を説明したが、広角レンズ搭載カメラ421が撮影していなくとも実施可能である。すなわち、
図16に示したステップST105またはステップST106の処理を単独で実施しても良い。
【0184】
例えば、車両確認支援装置3を構成するハードウェア構成およびソフトウェア構成は、中央車両確認支援装置6内に構成しても良い。すなわち、車両確認支援装置3が実行する処理は、中央車両確認支援装置6内で実行しても良い。
【0185】
また、例えば、中央車両確認支援装置6を構成するハードウェア構成およびソフトウェア構成は、中央料金収受システム1または料金収受装置2内に構成しても良い。すなわち、中央車両確認支援装置6が実行する処理は、中央料金収受システム1または料金収受装置2が実行しても良い。
【0186】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0187】
1…中央料金収受システム
2…料金収受装置
3…車両確認支援装置
31…制御部
311…画像取得部
312…車両検知部
313…側面図作成制御部
3131…歪み補正部
3132…移動量決定部
3133…移動量判定部
3134…画像貼り合わせ部
3135…車両通過判定部
3136…側面図作成部
314…車軸検出部
315…Tiltパラメータ修正制御部
3151…車軸下端決定部
3152…Tiltパラメータ修正判定部
3153…Tiltパラメータ修正部
316…Rollパラメータ修正制御部
3161…水平線検出部
3162…基準水平線取得部
3163…水平線判定部
3164…Rollパラメータ修正部
317…Yawパラメータ修正制御部
3171…前後面図取得部
3172…外接矩形検出部
3173…前後面図比較部
3174…Yawパラメータ修正部
32…プログラム記憶部
33…データ記憶部
331…撮影画像記憶部
332…車両通行履歴データベース
333…貼り合わせ画像記憶部
334…Tiltパラメータ記憶部
335…基準水平線記憶部
336…Rollパラメータ記憶部
337…Yawパラメータ記憶部
372…外接矩形検出部
34…通信インタフェース
35…入出力インタフェース
36…入力装置
37…出力装置
40…アイランド
4…車線機器
401…インタフェース集約部
411…第1アンテナ
413…リカバリアンテナ
421…広角レンズ搭載カメラ
422…インターフォン
423…路側表示器
424…自動料金収受機
425…発進制御機
4251…発進制御バー
426…車線監視カメラ
5a…ETC中央装置
5b…料金所サーバ
5c…車線サーバ
6…中央車両確認支援装置
S1…第1の車両検知器
S2…第2の車両検知器
S4…第3の車両検知器