IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝テック株式会社の特許一覧

特開2024-113591監視支援システム及び情報処理プログラム
<>
  • 特開-監視支援システム及び情報処理プログラム 図1
  • 特開-監視支援システム及び情報処理プログラム 図2
  • 特開-監視支援システム及び情報処理プログラム 図3
  • 特開-監視支援システム及び情報処理プログラム 図4
  • 特開-監視支援システム及び情報処理プログラム 図5
  • 特開-監視支援システム及び情報処理プログラム 図6
  • 特開-監視支援システム及び情報処理プログラム 図7
  • 特開-監視支援システム及び情報処理プログラム 図8
  • 特開-監視支援システム及び情報処理プログラム 図9
  • 特開-監視支援システム及び情報処理プログラム 図10
  • 特開-監視支援システム及び情報処理プログラム 図11
  • 特開-監視支援システム及び情報処理プログラム 図12
  • 特開-監視支援システム及び情報処理プログラム 図13
  • 特開-監視支援システム及び情報処理プログラム 図14
  • 特開-監視支援システム及び情報処理プログラム 図15
  • 特開-監視支援システム及び情報処理プログラム 図16
  • 特開-監視支援システム及び情報処理プログラム 図17
  • 特開-監視支援システム及び情報処理プログラム 図18
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113591
(43)【公開日】2024-08-22
(54)【発明の名称】監視支援システム及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20230101AFI20240815BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20240815BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20240815BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20240815BHJP
【FI】
G06Q30/06
G07G1/12 321K
G07G1/00 331C
G07G1/01 301D
G07G1/01 301E
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023018686
(22)【出願日】2023-02-09
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】日高 詩織
【テーマコード(参考)】
3E142
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
3E142DA07
3E142FA41
3E142FA42
3E142GA13
3E142GA16
3E142GA22
3E142GA35
3E142GA41
3E142JA02
5L030BB72
5L049BB72
(57)【要約】
【課題】 まとめパッケージ商品を取引商品として登録するにあたって、単品販売商品が取引商品として指定されてしまった場合に、それを訂正するべく処置することを可能とする。
【解決手段】 実施形態の監視支援システムは、取得手段及び表示手段を備える。取得手段は、客により操作される登録用端末にて取引商品として指定された商品が予め定められた要確認商品である場合に、取引の対象として登録済みの商品を収容するための容器の内部を、要確認商品が取引の対象として登録されたタイミングに対して予め定められた関係のタイミングにて撮影した画像を取得する。表示手段は、取得手段により取得された画像を、登録用端末とは別の管理用端末で表示させる。
【選択図】 図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
客により操作される登録用端末にて取引商品として指定された商品が予め定められた要確認商品である場合に、取引の対象として登録済みの商品を収容するための容器の内部を、前記要確認商品が取引の対象として登録されたタイミングに対して予め定められた関係のタイミングにて撮影した画像を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された画像を、前記登録用端末とは別の管理用端末で表示させる表示手段と、
を具備する監視支援システム。
【請求項2】
前記容器への商品の投入を検出する検出手段、
をさらに備え、
前記取得手段は、前記要確認商品が取引の対象として登録されたタイミングよりも後に前記検出手段により前記容器への商品の投入が最初に検出されたタイミングにて撮影した画像を取得する、
請求項1に記載の監視支援システム。
【請求項3】
前記表示手段が前記取得手段により取得された画像を表示させているときに、取引の対象として登録された要確認商品が正しく前記容器に投入されたことの指定を受けていない場合に、当該要確認商品の決済に際しての係員による確認を行わせるための案内動作を行う案内手段、
をさらに備える請求項1に記載の監視支援システム。
【請求項4】
前記案内手段による案内動作の実行後に、係員による確認完了までは決済を抑止する抑止手段、
をさらに備える請求項3に記載の監視支援システム。
【請求項5】
前記表示手段は、前記取得手段により取得された画像を表すとともに、要確認商品を含むまとめパッケージ商品が前記容器に投入されていないかの確認を係員に促す画面を表示させる、
請求項1に記載の監視支援システム。
【請求項6】
コンピュータを、
客により操作される登録用端末にて取引商品として指定された商品が予め定められた要確認商品である場合に、取引の対象として登録済みの商品を収容するための容器の内部を、前記要確認商品が取引の対象として登録されたタイミングに対して予め定められた関係のタイミングにて撮影した画像を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された画像を、前記登録用端末とは別の管理用端末で表示させる表示手段と、
して機能させるための情報処理プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、監視支援システム及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
取引の対象とする商品(以下、取引商品と称する)の登録を、店舗の売り場での客による端末操作に応じて行うようにした取引処理システムは、例えば、タブレット端末等を備えた商品の登録機能等を有するショッピングカートのシステムなどとして知られている。
このような取引処理システムで取引処理される商品の一販売形態として、単品販売商品として個々にも販売され得る商品を複数まとめて1つにパッケージした商品(以下、まとめパッケージ商品と称する)として販売するものがある。例えば、缶ビールの6缶パックがその一例である。
【0003】
まとめパッケージ商品は、複数の単品販売商品を束ねるためのパッケージに、まとめパッケージ商品としての商品コードが表示されることが一般的である。そして、まとめパッケージ商品を取引商品として登録するにあたっては、まとめパッケージ商品としての商品コードの入力が行われるべきである。しかしながら、まとめパッケージ商品に含まれる単品販売商品には、単品販売商品としての商品コードが別途に表示されていることが多く、かつその商品コードが複数の単品販売商品を束ねるためのパッケージ外に露出しているケースも少なくない。
このため、まとめパッケージ商品を取引商品として登録するにあたって、単品販売商品の商品コードが誤って入力されてしまう恐れがあった。
このような事情から、客が売場から取り出した商品とは異なる商品が取引商品として指定されてしまった場合に、それを訂正するべく処置できることが望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-133389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、客が売場から取り出した商品とは異なる商品が取引商品として指定されてしまった場合に、それを訂正するべく処置することを可能とする監視支援システム及び情報処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の監視支援システムは、取得手段及び表示手段を備える。取得手段は、客により操作される登録用端末にて取引商品として指定された商品が予め定められた要確認商品である場合に、取引の対象として登録済みの商品を収容するための容器の内部を、要確認商品が取引の対象として登録されたタイミングに対して予め定められた関係のタイミングにて撮影した画像を取得する。表示手段は、取得手段により取得された画像を、登録用端末とは別の管理用端末で表示させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係る取引処理システムの概略構成を表すブロック図。
図2図1中の取引処理装置の要部回路構成を表すブロック図。
図3図2中の商品マスタデータベースに含まれる1つのデータレコードの構成を模式的に表す図。
図4図2中の取引データの構成を模式的に表す図。
図5図1中のアテンダント端末の要部回路構成を表すブロック図。
図6図1中のカート端末の要部回路構成を表すブロック図。
図7】カートへのカート端末の取り付け状況の一例を表す斜視図。
図8】カート処理のフローチャート。
図9】カート処理のフローチャート。
図10】取引処理のフローチャート。
図11】取引処理のフローチャート。
図12】登録画面の一例を表す図。
図13】アテンダント支援処理のフローチャート。
図14】アテンダント画面の一例を表す図。
図15】即時確認ウィンドウの表示例を表す図。
図16】確認案内ウィンドウの一例を表す図。
図17】店員操作ウィンドウの一例を表す図。
図18】再確認ウィンドウの一例を表す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施の形態の一例について図面を用いて説明する。なお本実施形態においては、監視支援システムとしての機能を備えた取引処理システムについて説明する。
図1は本実施形態に係る取引処理システム1の概略構成を表すブロック図である。
【0009】
取引処理システム1は、取引処理装置100、会計機200、アテンダント端末300及びカート端末400を、通信ネットワーク2を介して通信可能として構成されている。
通信ネットワーク2は、インターネット、VPN(virtual private network)、LAN(local area network)、公衆通信網、移動体通信網などを、単独又は適宜に組み合わせて用いることができる。通信ネットワーク2としては、一例として、インターネット及び移動体通信網が組み合わせて用いられる。
なお、取引処理装置100、会計機200、アテンダント端末300及びカート端末400は、それぞれ任意の数が取引処理システム1に含まれて構わないが、図1では1台ずつのみを表している。
【0010】
取引処理装置100は、会計機200及びカート端末400をユーザインタフェース端末として用いて店舗にて当該店舗の客により行われる操作に従って、当該客と店舗とでの商品の売買取引を処理する取引処理サービスを提供するための情報処理を行う情報処理装置である。取引処理装置100は、例えばクラウドサーバとして実現され、複数の店舗で取引処理サービスを提供する。取引処理装置100は、例えばローカルサーバとして実現され、1つの店舗のみで取引処理サービスを提供するのでも構わない。
【0011】
会計機200は、店舗に設置され、取引処理装置100により処理される取引の会計に関わる会計処理を実行する。会計機200は、会計処理に際して、操作者による操作を受ける。会計機200の操作者は、主として客である。店員が会計機200の操作者となる場合もある。
【0012】
アテンダント端末300は、アテンダントと称される役割を担う店員により操作される情報処理端末である。アテンダント端末300は、取引処理システム1により処理される取引に関する店員の作業をサポートするための情報処理に関するユーザインタフェースのための端末装置である。店員の作業は例えば、処理中である取引の実施状況を監視し、適宜に客をサポートする作業である。アテンダント端末300は、管理用端末の一例である。
【0013】
カート端末400は、店舗に備え付けのショッピングカート(以下、カートと称する)に取り付けられる情報処理端末である。カート端末400は、カートとともに客に貸し出される。カート端末400は、取引処理装置100での取引処理のための客による操作を受ける端末装置である。カート端末400には、客に店舗から貸し出され、客により持ち運ばれて利用される情報通信端末が含まれてもよい。取引処理のための客による操作の1つは、後述するように取引商品として登録する商品の指定のための操作である。かくしてカート端末400は、登録用端末の一例である。また、登録用端末の一例として、客自身が所有し、客により持ち運ばれて利用されるスマートフォン等の情報通信端末が含まれてもよい。
【0014】
図2は取引処理装置100の要部回路構成を表すブロック図である。
取引処理装置100は、プロセッサ101、メイン記憶ユニット102、補助記憶ユニット103、通信ユニット104及び伝送路105等を備える。プロセッサ101と、メイン記憶ユニット102、補助記憶ユニット103及び通信ユニット104とは、伝送路105を介して通信可能とされている。
【0015】
プロセッサ101、メイン記憶ユニット102及び補助記憶ユニット103を伝送路105で接続することによって、取引処理装置100を制御するための情報処理を行うコンピュータを構成する。
プロセッサ101は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ101は、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラムなどの情報処理プログラムに従って、取引処理装置100としての各種の機能を実現するべく各部を制御するための情報処理を実行する。
【0016】
メイン記憶ユニット102は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メイン記憶ユニット102は、読み出し専用のメモリ領域と書き換え可能なメモリ領域とを含む。メイン記憶ユニット102は、読み出し専用のメモリ領域では上記の情報処理プログラムの一部を記憶する。またメイン記憶ユニット102は、プロセッサ101が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを読み出し専用のメモリ領域又は書き換え可能なメモリ領域で記憶する場合もある。メイン記憶ユニット102は、書き換え可能なメモリ領域を、プロセッサ101によるワークエリアとして使用する。
【0017】
補助記憶ユニット103は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶ユニット103は、例えばEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disc drive)、SSD(solid state drive)、あるいはその他の周知の各種の記憶デバイスを利用できる。補助記憶ユニット103は、プロセッサ101が各種の処理を行う上で使用するデータと、プロセッサ101での処理によって生成されたデータとを記憶する。補助記憶ユニット103は、上記の情報処理プログラムを記憶する場合もある。補助記憶ユニット103は、本実施形態では、情報処理プログラムの1つである取引処理プログラムPRAを記憶する。取引処理プログラムPRAは、取引の対象となる商品(以下、取引商品と称する)の登録と、登録済みの取引商品の代金の決済とのための情報処理(以下、取引処理と称する)の手順について記述されたアプリケーションプログラムである。また取引処理プログラムPRAは、後述するアテンダント支援処理の手順についても記述される。補助記憶ユニット103の記憶領域の一部は、商品マスタデータベースDBA及び取引データDAAを記憶する領域として利用される。商品マスタデータベースDBAは、取引商品として登録され得る商品の個々を管理するための諸データの集合である。取引データDAAは、一取引の内容を表すデータである。
【0018】
通信ユニット104は、通信ネットワーク2を介したデータ通信を行うための通信処理を実行する。通信ユニット104としては、例えばインターネット用の既存の有線通信デバイスを用いることができる。なお、通信ユニット104としては、有線通信デバイスに代えて、あるいは加えて、通信ネットワーク2に無線通信により接続される無線通信デバイスが用いられてもよい。
伝送路105は、アドレスバス、データバス及び制御信号線等を含み、接続された各部の間で授受されるデータ及び制御信号を伝送する。
【0019】
図3は商品マスタデータベースDBAに含まれる1つのデータレコードREAの構成を模式的に表す図である。
商品マスタデータベースDBAは、取引商品として登録され得る商品のそれぞれに関連付けられた複数のデータレコードREAの集合である。データレコードREAは、フィールドFAA,FAB,FAC,FADを含む。フィールドFAAには、関連付けられた商品の識別子としての商品コードがセットされる。フィールドFABには、関連付けられた商品に付された商品名がセットされる。フィールドFACには、関連付けられた商品のメーカー名がセットされる。データレコードREAは、フィールドFAC以降に図示しない複数のフィールドを含む。これら複数のフィールドには、例えば単価、あるいは適用税区分などのような、関連付けられた商品に関する取引処理を行う上で利用される各種のデータがセットされる。フィールドFADには、関連付けられた商品を含んだまとめパッケージ商品に関する確認を必要とするか否かを表すフラグ(以下、まとめフラグと称する)がセットされる。まとめフラグは、「要確認」又は「確認不要」をそれぞれ表す二状態を選択的にとる。フィールドFADにセットされているまとめフラグが「要確認」を表す状態にあるデータレコードREAに関連付けられた商品が要確認商品である。
【0020】
まとめフラグをいずれの状態とするかは、関連付けられた商品の販売管理者などにより適宜に定められて構わない。まとめフラグは一例として、関連付けられた商品が単品で販売される商品であって、かつ別のまとめパッケージ商品に含まれ得る商品である場合に、「要確認」の状態とすることが想定される。ただし、上記の条件が成立する商品に関しても、「要確認」及び「確認不要」のいずれの状態とするかは、商品毎に適宜に定められて構わない。例えば、上記の条件が成立する商品であっても、当該の商品に表示されたバーコードがまとめパッケージ商品にて外部に露出していない場合などにおいては、まとめフラグは「確認不要」とされても構わない。
【0021】
データレコードREAがいくつのフィールドを含み、各フィールドにどのようなデータをセットするかは、例えば取引処理装置100の設計者又は管理者などにより適宜に定められて構わない。商品マスタデータベースDBAは、取引商品として登録され得る商品が追加又は削除されるなどの変更が生じた場合、あるいは取引商品として登録され得る商品に関して単価変更などの変更が生じた場合などに、メンテナンス作業によって更新されることはあるが、後述する各種の処理に応じて更新されることはない。
【0022】
図4は取引データDAAの構成を模式的に表す図である。
取引データDAAは、取引処理装置100にて処理中の取引のそれぞれに関して生成されて補助記憶ユニット103に記憶される。かくして取引データDAAは、補助記憶ユニット103に1つも記憶されない場合もあれば、補助記憶ユニット103に同時に複数が記憶される場合もある。
【0023】
取引データDAAは、フィールドFBA,FBB,FBC,FBDを含む。取引データDAAは、フィールドFBD以降に任意の数のフィールドを含み得る。フィールドFBAには、該当の取引の識別子としての取引コードがセットされる。フィールドFBBには、該当の取引を行う客が利用するカート端末400の識別子としての端末コードがセットされる。フィールドFBCには、関連付けられたカート端末400を利用する客の入店時刻がセットされる。フィールドFBDには、該当の取引に関する決済前における店員による確認に関する設定を管理するためのフラグ(以下、確認フラグと称する)がセットされる。確認フラグは、「対象外」「要確認」「確認不要」のそれぞれを表す三状態を択一的にとる。取引商品として登録済みの商品がある場合には、当該の取引商品のそれぞれに関連付けたフィールドFBE,FBF,…が取引データDAAに追加される。フィールドFBE,FBF,…には、それぞれ別々の取引商品に関する商品データがセットされる。商品データには、該当の取引商品の識別子としての商品コード及び数量が含まれる。商品データには、例えば商品名、単価、割引情報などの別の様々な情報が含まれていてもよい。
取引データDAAは、後述する取引処理により適宜に生成され、更新される。
【0024】
さて、取引処理装置100のハードウェアとしては、例えば汎用のサーバ装置を用いることができる。そして取引処理装置100の譲渡は一般に、補助記憶ユニット103に取引処理プログラムPRAが記憶され、取引データDAA及びタグテーブルTAAが記憶されない状態にて行われる。しかし、取引処理プログラムPRAが補助記憶ユニット103に記憶されない状態、あるいは同種の別バージョンのアプリケーションプログラムが補助記憶ユニット103に記憶された状態のハードウェアと、取引処理プログラムPRAとが個別に譲渡されてもよい。そして、任意の作業者の操作に応じて、補助記憶ユニット103に取引処理プログラムPRAが書き込まれることによって、取引処理装置100が構成されてもよい。取引処理プログラムPRAの譲渡は、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介した通信により行うことができる。
【0025】
図5はアテンダント端末300の要部回路構成を表すブロック図である。
アテンダント端末300は、プロセッサ301、メイン記憶ユニット302、補助記憶ユニット303、タッチパネル304、通信ユニット305及び伝送路306等を備える。
【0026】
プロセッサ301、メイン記憶ユニット302、補助記憶ユニット303、通信ユニット305及び伝送路306の機能の概略は、プロセッサ101、メイン記憶ユニット102、補助記憶ユニット103及び伝送路105と同等であるので、その説明は省略する。ただし補助記憶ユニット303は、取引処理プログラムPRAに代えて、アテンダント端末プログラムPRBを記憶する。アテンダント端末プログラムPRBは、情報処理装置をアテンダント端末300として動作させるためのプロセッサ301の情報処理の手順を記述したアプリケーションプログラムである。
【0027】
タッチパネル304は、アテンダント端末300の操作者に対する情報提示のための画面を表示する。またタッチパネル304は、操作者による画面へのタッチ操作による指示を入力する。
アテンダント端末300のハードウェアとしては、例えば据え置き型のコンピュータ装置が用いられる。アテンダント端末300のハードウェアとしては、タブレット型の情報処理装置、あるいはスマートフォンなどの携帯型の情報処理装置を用いられても構わない。
【0028】
図6はカート端末400の要部回路構成を表すブロック図である。
カート端末400は、プロセッサ401、メイン記憶ユニット402、補助記憶ユニット403、タッチパネル404、カメラ405、インタフェースユニット406、無線通信ユニット407及び伝送路408等を備える。
【0029】
プロセッサ401、メイン記憶ユニット402、補助記憶ユニット403及び伝送路408の機能の概略は、プロセッサ101、メイン記憶ユニット102、補助記憶ユニット103及び伝送路105と同等である。またタッチパネル404の機能の概略は、タッチパネル304と同等である。ただし補助記憶ユニット403は、取引処理プログラムPRAに代えて、カート端末プログラムPRCを記憶する。カート端末プログラムPRCは、情報処理装置をカート端末400として動作させるためのプロセッサ401の情報処理の手順を記述したアプリケーションプログラムである。
【0030】
カメラ405は、カートに載置される買物カゴの内部空間の全体を包含する撮影範囲を撮影して画像を得る。このカメラ405により得られる画像を、以下においてはカメラ画像と称する。
インタフェースユニット406は、重量計498及びスキャナ499などの外付け装置が接続される。インタフェースユニット406は、接続された外付け装置とのデータの授受をインタフェースする。インタフェースユニット406としては、既存のUSB(universal serial bus)コントローラ等を利用できる。なお重量計498は、カートに載置される買物カゴの重量を、そこに投入されている商品の重量とともに計測する。またスキャナ499は、カートに取り付けられており、1次元バーコード及び2次元バーコードなどを光学的にスキャンする。
【0031】
無線通信ユニット407は、通信ネットワーク2を介したデータ通信を無線で行うための通信処理を実行する。無線通信ユニット407としては、例えば無線LAN用の既存の無線通信デバイスを用いることができる。なお、無線通信ユニット407に代えて、あるいは加えて、通信ネットワーク2に有線接続される通信ユニットが用いられてもよい。
カート端末400の基本ハードウェアとしては、例えばタブレット型の情報処理装置のハードウェアを用いることが想定される。
【0032】
図7はカートへのカート端末400の取り付け状況の一例を表す斜視図である。
カート900は、キャスタ部910、ハンドルフレーム部920及び籠受部930を備えている。
キャスタ部910は、カート900を床面上で円滑に移動させるための4つの車輪911を有する。車輪911は、フレーム912に対して、鉛直方向の軸周りで回転可能な状態で取り付けられている。
【0033】
ハンドルフレーム部920は、一対の縦フレーム921,921及びハンドルバー922を含む。縦フレーム921,921は、キャスタ部910の2つの車輪の上方に立設される。ハンドルバー922は、縦フレーム921,921の上端を連結する。
籠受部930は、ハンドルフレーム部920の中途部位から水平に向けて設けられる。籠受部930は、商品を収容するための買物カゴSBを保持する。なお、キャスタ部910も、フレーム912の上に買物カゴSBを保持可能である。
【0034】
ハンドルバー922の中途部に、スキャナ499が取り付けられている。また、一方の縦フレーム921に、その先端がハンドルバー922よりも上方に位置するようにポール940が取り付けられている。そして、このポール940の先端部に上述のカート端末400が、タッチパネル404が取り付けられている。カート端末400のカメラ405は、タッチパネル404の裏側に向けて設けられており、図7には表されていない。当該のカメラ405は、籠受部930により保持されている買物カゴSBの内部を上方から俯瞰的に撮影することができる。
ハンドルフレーム部920の下端側には、縦フレーム921,921の間にバッテリケース950が取り付けられている。バッテリケース950は、カート端末400の外部電源として用いられるバッテリを収容する。
【0035】
次に以上のように構成された取引処理システム1の動作について説明する。なお、以下に説明する各種の処理の内容は一例であって、一部の処理の順序の変更、一部の処理の省略、あるいは別の処理の追加などは適宜に可能である。例えば、以下の説明では、本実施形態の特徴的な動作を分かり易く説明するために、一部の処理についての説明を省略している。例えば、取引商品として登録済みの商品を取引商品から除外したり、取引商品として登録済みの商品の点数を変更したりするための処理が行われるが、その処理については記載を省略している。また例えば、何らかのエラーが発生した場合に、そのエラーに対処するための処理が行われる場合があるが、そのような処理については記載を省略している。
【0036】
カート端末400が客により使用される動作状態にあるとき、プロセッサ401は取引商品の登録に関わるユーザインタフェースのための情報処理(以下、カート処理と称する)をカート端末プログラムPRCに基づいて実行する。
図8及び図9はカート処理のフローチャートである。
【0037】
図8中のACT401としてプロセッサ401は、待機画面をタッチパネル404に表示させる。待機画面は、当該のカート端末400が待機状態であり、新規に利用を開始することが可能であることを客に案内するための画面である。そしてプロセッサ401は、待機画面を表示させたままでACT402へと進む。
ACT402としてプロセッサ401は、利用開始のための操作がなされるのを待ち受ける。
【0038】
客は、待機状態となっているカート端末400で、利用開始のための予め定められた操作を行う。客は、利用開始のための操作の一環として、客コードをカート端末400に入力するための操作を行うこともできる。このような操作がなされたカート端末400にてプロセッサ401は、ACT402にてYESと判定し、ACT403へと進む。
【0039】
ACT403としてプロセッサ401は、取引処理装置100に対して一取引に関する処理の開始を要求する。つまりプロセッサ401は例えば、チェックインの要求のための要求データを、取引処理装置100に宛てて無線通信ユニット407から通信ネットワーク2へと送出する。プロセッサ401は、補助記憶ユニット403に記憶されているチェックインデータと、カート端末400の端末コードとを上記の要求データに含める。なお端末コードは、該当のカート端末400に対し、他のカート端末400と識別可能に予め割り振られて、例えば補助記憶ユニット403に記憶されている。プロセッサ401は、客コードが入力された場合には、当該の客コードも要求データに含める。チェックインデータは、カート端末400が利用される店舗を識別するための情報を少なくとも含む。当該の情報は、例えば店舗の識別子として定められた店舗コードである。当該の情報は、同じ企業により運営される複数の店舗を区別する必要がなければ、例えば企業を識別するための企業コードであってもよい。また当該の情報は、異なる企業で同じ店舗コードが用いられ得るのであれば、例えば企業コードと店舗コードとを含む。ただし,取引処理装置100がローカルサーバとして運用されるのであれば、要求データに店舗コードを含まなくても構わない。
【0040】
チェックインデータが通信ネットワーク2により取引処理装置100へと伝送されてると、取引処理装置100では当該のチェックインデータを通信ユニット104が受信し、メイン記憶ユニット102又は補助記憶ユニット103に一時保存する。
このようにして、カート端末400から送出されたチェックインデータが取引処理装置100により受信されると、プロセッサ101は、一取引に関する取引処理を取引処理プログラムPRAに従って開始する。
【0041】
プロセッサ101は、異なる客に関する別の取引を対象とした取引処理を既に実行しているならば、その取引処理とは別スレッドの処理として新たな取引処理を開始する。つまりプロセッサ101は、取引処理を、複数並列して実行することもある。しかしながら以下の説明は、一の客に関する取引の処理に関してのみ着目する。かくして以下の説明における「カート端末400」は、着目している取引処理のために客により利用されている一のカート端末400を指す。また以下の説明における「取引」は、着目している処理の対象となっている取引を指す。
図10及び図11は取引処理のフローチャートである。
【0042】
ACT101としてプロセッサ101は、対象の取引に関する新たな取引データDAAを生成し、補助記憶ユニット103に記憶させる。プロセッサ101は例えば、新たな取引データDAAのフィールドFBAには、他の取引を識別するための取引コードとは異なる新たな取引コードを予め定められたルールに従って決定し、この取引コードをセットする。プロセッサ101は例えば、新たな取引データDAAのフィールドFBBには、要求データに含まれた端末コードをセットする。プロセッサ101は例えば、新たな取引データDAAのフィールドFBCには、現在の日時を入店日時としてセットする。フィールドFBCには、要求データに含まれた入店日時をセットするのでも構わない。この場合は、カート端末400にてプロセッサ401は、例えば利用開始のための操作が行われた日時、あるいは要求データを生成した日時を入店日時として要求データに含めるようにする。プロセッサ101は例えば、新たな取引データDAAのフィールドFBDにセットする確認フラグは「対象外」を表す状態とする。なおプロセッサ101は、要求データに客コードが含まれるならば、当該の客コードを新たな取引データDAAにセットする。プロセッサ101は、取引商品の登録前であるから、上記の新たに生成する取引データDAAには商品データを含めない。
【0043】
ACT102としてプロセッサ101は、登録画面の表示をカート端末400に対して指示する。プロセッサ101は例えば、登録画面の表示を指示するための指示データを、カート端末400に宛てて通信ユニット104から通信ネットワーク2へと送出する。プロセッサ101は例えば、登録画面の画面データを生成し、この画面データを指示データに含める。あるいはプロセッサ101は例えば、登録画面の画面データに代えて、登録画面に表すべきデータを指示データに含めるのでも構わない。
【0044】
カート端末400にてプロセッサ401は、当該の指示データが通信ネットワーク2により伝送されて、無線通信ユニット407により受信されると、図8中のACT404へと進む。
ACT404としてプロセッサ401は、指示データに応じた登録画面をタッチパネル404に表示させる。プロセッサ401は、例えば指示データに画面データが含まれるならば、その画面データが表す画面をタッチパネル404に表示させる。プロセッサ401は、例えば指示データに登録画面に表すべきデータが含まれるならば、そのデータに応じた表示オブジェクトを予め定められ登録画面のフォームに展開することで登録画面を生成してタッチパネル404に表示させる。
なお、以下に説明するカート端末400での他の各種の画面の表示は、上記と同様な処理により行われる。
【0045】
図12は登録画面の一例を表す図である。
なお、図12及びその他の図に表す画面例は、いずれも一部の表示オブジェクトの図示を省略している場合がある。
登録画面は、表示エリアARAに、登録状況を表す画像が配置される。登録画面は、ボタンBUAを表す。表示エリアARAに配置される画像は、図12の例では、「AAAAAAAAAA」及び「BBBBBBBBBB」なる商品名で、単価がそれぞれ178円及び198円である商品が1つずつ、合計2点が登録済みであり、その参考価格が406円である状態を表している。なお、参考価格とは、全ての取引商品の単価の総和からクーポンサービスなどの各種サービスによる値引額を差し引いて求まる金額である。取引商品及び適用するサービスが変更されないままに取引を決済するならば、この参考価格が決済額となる。なお、表示エリアARAに配置される画像は、取引商品の登録状況に応じて逐次変化する。プロセッサ101が図10中のACT102を最初に実行する際には、取引商品はまだ登録されていないから、このときの表示エリアARAには、各商品の情報を表さず、合計0点、参考価格0円であることを表す画像が配置される。ボタンBUAは、操作者が会計を指示するためのソフトキーである。
【0046】
客は、カート端末400とともに店舗内を移動しながら、取引の対象とする商品を探す。そして客は、商品を新たに取引商品として登録する場合は、当該の商品を指定するための予め定められた操作をカート端末400にて行う。当該の操作は、例えばJAN(Japanese article number)コードなどの商品コードを表したバーコードをスキャナ499にスキャンさせるための操作である。当該の操作は、例えばタッチパネル404による表示画面に表されて商品が関連付けられたプリセットボタンをタップする操作である。当該の操作は、例えば商品コードをタッチパネル404にて直接入力する操作である。
【0047】
図8中のACT405としてプロセッサ401は、登録すべき商品が指定されたか否かを確認する。そしてプロセッサ401は、該当の事象を確認できないならばNOと判定し、ACT406へと進む。
ACT406としてプロセッサ401は、会計が指示されたか否かを確認する。そしてプロセッサ401は、該当の事象を確認できないならばNOと判定し、ACT405へと戻る。
かくしてプロセッサ401は、ACT405及びACT406としては、商品指定又は会計指示を待ち受ける。そしてプロセッサ401は、商品を指定するための上述のような操作が行われたならば、ACT405にてYESと判定し、ACT407へと進む。
ACT407としてプロセッサ401は、指定された商品の商品コードの通知を伴って商品登録を取引処理装置100に対して要求する。
【0048】
取引処理装置100にてプロセッサ101は、図10中のACT102として登録画面の表示を指示したのちには、ACT103へと進む。
ACT103としてプロセッサ101は、商品登録が要求されたか否かを確認する。そしてプロセッサ101は、該当の事象を確認できないならばNOと判定し、ACT104へと進む。
ACT104としてプロセッサ101は、会計開始が要求されたか否かを確認する。そしてプロセッサ101は、該当の事象を確認できないならばNOと判定し、ACT103へと戻る。
かくしてプロセッサ101は、ACT103及びACT104としては、登録又は会計が要求されるのを待ち受ける。そしてプロセッサ101は、上述のように登録が要求されたならばACT103にてYESと判定し、ACT105へと進む。
【0049】
ACT105としてプロセッサ101は、商品登録の要求に応じて、要求の対象となった商品に関する商品データを含むように取引データDAAを更新することで、該当の商品を取引商品として登録する。
ACT106としてプロセッサ101は、更新後の取引データDAAに応じた画像を表示エリアARAに表すべく登録画面の更新をカート端末400に対して指示する。
【0050】
ACT107としてプロセッサ101は、登録した取引商品を含んだまとめパッケージ商品があるか否かを確認する。プロセッサ101は例えば、登録した取引商品に商品マスタデータベースDBAで関連付けられたデータレコードREAのフィールドFADにセットされているまとめフラグを確認する。そして、プロセッサ101は、まとめフラグが「要確認」を表す状態であるならば、該当のまとめパッケージ商品があるとしてYESと判定し、ACT108へと進む。
【0051】
ACT108としてプロセッサ101は、取引データDAAのフィールドFBDにセットされている確認フラグを「要確認」を表す状態とする。そしてプロセッサ101はこののち、ACT109へと進む。なおプロセッサ101は、まとめフラグが「確認不要」を表す状態であるならば、ACT107にて該当のまとめパッケージ商品がないとしてNOと判定し、ACT108をパスしてACT109へと進む。
ACT109としてプロセッサ101は、後述する投入通知を待ち受ける。
【0052】
カート端末400にてプロセッサ401は、図8中のACT407として登録を要求したのちには、ACT408へと進む。
ACT408としてプロセッサ401は、プロセッサ101による上述の更新指示に応じて、タッチパネル404に表示させている登録画面を更新する。
ACT409としてプロセッサ401は、カート端末400が備えられたカート900の籠受部930に保持されている買物カゴSBに商品が投入されるのを待ち受ける。
【0053】
客は、取引商品として登録する商品を指定するための前述のような操作を終えたならば、該当の商品を買物カゴSBに投入する。なお、次に別の商品を指定する操作を行う前に、指定済みの商品を買物カゴSBに投入することを、客によるカート端末400の使用上のルールとしておく。
【0054】
買物カゴSBに商品が投入されると、重量計498による計測値が変化する。プロセッサ401は、このような計測値の変化を監視し、買物カゴSBへの商品投入を検出する。そしてプロセッサ401は、商品投入を検出できたならばACT409にてYESと判定し、ACT410へと進む。かくしてカート端末プログラムPRCに基づく情報処理をプロセッサ401が実行することによって、プロセッサ401を中枢部分とするコンピュータは、重量計498との協働によって検出手段としての機能を実現する。
【0055】
ACT410としてプロセッサ401は、カゴ投入を取引処理装置100に対して通知する。プロセッサ401は例えば、カゴ投入の通知のための予め定められた通知データを取引処理装置100に宛てて無線通信ユニット407から通信ネットワーク2へと送出する。プロセッサ401は、商品投入を検出した後にカメラ405により得られたカメラ画像を取得して、上記の通知データに含める。そしてプロセッサ401はこののち、ACT405及びACT406の待ち受け状態に戻る。
【0056】
取引処理装置100にてプロセッサ101は、上記の投入通知のための通知データが通信ネットワーク2により取引処理装置100へと伝送されて通信ユニット104により受信されたならば、図10中のACT109にてYESと判定する。そしてプロセッサ101は、ACT103及びACT104の待ち受け状態に戻る。
【0057】
さて、取引処理装置100は、取引処理とは別スレッドの処理として、アテンダント端末300を使用する店員を支援するための情報処理であるアテンダント支援処理を取引処理プログラムPRAに基づいて実行する。なお、取引処理とアテンダント支援処理とは、個別の情報処理プログラムに基づいて実行されても構わない。
【0058】
図13はアテンダント支援処理のフローチャートである。
ACT141としてプロセッサ101は、アテンダント画面の表示をアテンダント端末300に対して指示する。アテンダント画面は、カート端末400毎の取引の進捗状況をアテンダントに確認させるための画面である。プロセッサ101は例えば、アテンダント画面の表示を指示するための指示データを、アテンダント端末300に宛てて通信ユニット104から通信ネットワーク2へと送出する。プロセッサ101は例えば、アテンダント画面の画面データを生成し、この画面データを指示データに含める。あるいはプロセッサ101は例えば、アテンダント画面の画面データに代えて、アテンダント画面に表すべきデータを指示データに含めるのでも構わない。
【0059】
アテンダント端末300にてプロセッサ301は、当該の指示データが通信ネットワーク2により伝送されて、通信ユニット305により受信されると、この指示データに応じたアテンダント画面をタッチパネル304に表示させる。プロセッサ301は、例えば指示データに画面データが含まれるならば、その画面データが表す画面をタッチパネル304に表示させる。プロセッサ301は、例えば指示データにアテンダント画面に表すべきデータが含まれるならば、そのデータに応じた表示オブジェクトを予め定められアテンダント画面のフォームに展開することでアテンダント画面を生成してタッチパネル304に表示させる。
なお、以下に説明するアテンダント端末300での他の各種の画面の表示は、上記と同様な処理により行われる。
【0060】
図14はアテンダント画面の一例を表す図である。
図14に表すアテンダント画面は、4台のカート端末400のそれぞれでの取引の進捗状況を4つの表示エリアにそれぞれ表している。2台のカート端末400では、正常に取引商品の登録が行われており、2台のカート端末400は客により利用されていない状況の例である。各表示エリアには、対応するカート端末400で登録された取引商品に購入者の年齢確認を行う必要のある商品が含まれる場合などにおいて、そのような状況を店員に通知するための表示が含まれる場合もある。
【0061】
取引処理装置100にてプロセッサ101は、図13中のACT141としてアテンダント画面の表示を指示したのちには、ACT142へと進む。
ACT142としてプロセッサ101は、カート端末400のそれぞれでの取引の進捗状況が変化したか否かを確認する。そしてプロセッサ101は、該当の事象を確認できないならばNOと判定し、ACT143へと進む。
ACT143としてプロセッサ101は、アテンダント端末300にてアテンダント操作が行われたか否かを確認する。そしてプロセッサ101は、該当の事象を確認できないならばNOと判定し、ACT142へと戻る。
かくしてプロセッサ101は、ACT142及びACT143としては、状況変化又はアテンダント操作を待ち受ける。そしてプロセッサ101は、アテンダント端末300にて店員による何らかの操作が行われ、それがアテンダント端末300から通知されたならば、ACT143にてYESと判定し、アテンダント操作に対応するための処理へと進む。この場合のプロセッサ101の処理については、ここでは説明を省略する。
【0062】
プロセッサ101は、前述のように取引データDAAが更新されるなどの取引の進捗状況の変化が生じると、ACT142にてYESと判定し、ACT144へと進む。
ACT144としてプロセッサ101は、取引の進捗状況の変化を反映するべくアテンダント画面の更新をアテンダント端末300に対して指示する。
【0063】
ACT145としてプロセッサ101は、まとめパッケージ商品に関する確認が必要であるか否かを確認する。プロセッサ101は例えば、生じた変化が取引商品の新規の登録であって、かつその取引商品に商品マスタデータベースDBAで関連付けられたデータレコードREAのフィールドFADにセットされているまとめフラグが「要確認」であるならば、確認の必要があるとしてYESと判定し、ACT146へと進む。
【0064】
ACT146としてプロセッサ101は、上記の新規に登録された取引商品がカゴに投入されるのを待ち受ける。そしてプロセッサ101は、例えば、上記の新規の登録が行われたカート端末400からカゴ投入の通知のために送信された通知データが通信ネットワーク2により取引処理装置100へと伝送されて通信ユニット104により受信されたならばYESと判定し、ACT147へと進む。
ACT147としてプロセッサ101は、即時確認ウィンドウの表示をアテンダント端末300に対して指示する。即時確認ウィンドウは、買物カゴSBへの商品の投入状況を店員に即時に確認させるためのポップアップウィンドウである。
【0065】
図15は即時確認ウィンドウの表示例を表す図である。
図15に表す即時確認ウィンドウWIAは、アテンダント画面が図14に表す状態にあるときに、「カート1」と称されるカート端末400にて「EEEEEEEEEE」なる商品名の商品が取引商品として新規に登録されたことに応じて更新された後のアテンダント画面に重ねた状態で表されている。そして、上記の「EEEEEEEEEE」なる商品名の商品が、まとめパッケージ商品に含まれ得る単品販売商品であることに応じて、「カート1」と称されるカート端末400に対応する表示エリア内に即時確認ウィンドウWIAを配置している。
【0066】
即時確認ウィンドウWIAは、カメラ画像IMA及び文字列CSAを表す。カメラ画像IMAは、カゴ投入の通知のための通知データに含まれたカメラ画像である。文字列CSAは、投入された商品が、単品販売商品であるかどうかの確認をアテンダントに促す文字メッセージを表す。
【0067】
つまりプロセッサ101は、このときにカメラ画像を取得し、当該のカメラ画像をアテンダント端末300にて表示させているのであり、取引処理プログラムPRAに基づく情報処理をプロセッサ101が実行することによって、プロセッサ101を中枢部分とするコンピュータは取得手段及び表示手段として機能することになる。
【0068】
かくして店員は、即時確認ウィンドウWIAに表されたカメラ画像IMAを目視することによって、買物カゴSBに投入された商品が単品販売商品であるか否かを確認できる。そして店員は、単品販売商品であることを確認したならば、例えば文字メッセージMEA中の文字列「はい」をタップするなどの予め定められた操作により適正であることを指定する。また店員は、まとめパッケージ商品が投入されていることなどにより単品販売商品が投入されたのではないことを確認したならば、例えば文字メッセージMEA中の文字列「いいえ」をタップするなどの予め定められた操作により不適正であることを指定する。アテンダント端末300にてプロセッサ301は、これらの指定を受けると、いずれの指定がなされたかを取引処理装置100に通知する。
【0069】
取引処理装置100にてプロセッサ101は、図13中のACT147として確認ウィンドウの表示を指示したのち、ACT148へと進む。
ACT148としてプロセッサ101は、適正であることが指定されたか否かを確認する。そしてプロセッサ101は、該当の事象を確認できないならばNOと判定し、ACT149へと進む。
ACT149としてプロセッサ101は、不適正であることが指定されたか否かを確認する。そしてプロセッサ101は、該当の事象を確認できないならばNOと判定し、ACT148へと戻る。
かくしてプロセッサ101はACT148及びACT149としては、適正又は不適正の指定がなされるのを待ち受ける。そしてプロセッサ101は、適正の指定がなされたことがアテンダント端末300から上記のように通知されたならば、ACT148にてYESと判定し、ACT150へと進む。
【0070】
ACT150としてプロセッサ101は、該当の取引に関する取引データDAAのフィールドFBDにセットされている確認フラグを、「確認不要」を表す状態に変更する。そしてプロセッサ101はこののち、ACT151へと進む。なおプロセッサ101は、不適正の指定がなされたことがアテンダント端末300から通知されたならば、ACT149にてYESと判定し、ACT150をパスしてACT151へと進む。
【0071】
ACT151としてプロセッサ101は、即時確認ウィンドウWIAの表示終了をアテンダント端末300に対して指示する。この指示に応じてアテンダント端末300にてプロセッサ301は、即時確認ウィンドウWIAの表示を終了する。なおプロセッサ101はこののち、ACT142及びACT143の待ち受け状態に戻る。なおプロセッサ101は、上記のように確認の必要があることを確認できない場合にはACT145にてNOと判定して、ACT146~ACT151を実行することなくACT142及びACT143の待ち受け状態に戻る。
【0072】
客は、取引商品の登録を終えたならば、会計を指示するための予め定められた操作をカート端末400にて行う。これに応じてカート端末400にてプロセッサ401は、図8中のACT406にてYESと判定し、ACT411へと進む。
ACT411としてプロセッサ401は、会計を取引処理装置100に対して要求する。
【0073】
この要求に応じて取引処理装置100にてプロセッサ101は、図10中のACT104にてYESと判定し、図11中のACT121へと進む。
ACT121としてプロセッサ101は、まとめパッケージ商品の確認が必要であるか否かを確認する。プロセッサ101は例えば、取引データDAAのフィールドFBDにセットされている確認フラグが「要確認」を表す状態であるならば、確認が必要であるとしてYESと判定し、ACT122へと進む。
ACT122としてプロセッサ101は、確認案内ウィンドウの表示をカート端末400に対して指示する。確認案内ウィンドウは、店員による確認を受ける必要があることを客に案内するための画面である。
【0074】
カート端末400にてプロセッサ401は、図8中のACT411として会計を要求したのちには、ACT412へと進む。
ACT412としてプロセッサ401は、取引処理装置100からの指示に応じてタッチパネル404での表示を更新する。つまりプロセッサ401は、上述のように確認案内ウィンドウの表示が指示されたならば、確認案内ウィンドウを表示させる。なおプロセッサ401は、確認案内ウィンドウ及びその他の後述する各種のウィンドウは、その表示前にタッチパネル404により表示されていた登録画面に重ねた状態で表示させる。ただし、各ウィンドウは、登録画面に置き換えて表示されるのでも構わない。
【0075】
図16は確認案内ウィンドウの一例を表す図である。
図16に表す確認案内ウィンドウWIBは、文字列CSB及びボタンBUB,BUCを表す。文字列CSBは、店員による確認を受ける必要があることを客に案内するための文字メッセージを表す。ボタンBUBは、商品登録を行う状態に戻すように操作者が指示するためのソフトキーである。ボタンBUCは、店員による確認手順の実行を操作者が指示するためのソフトキーである。
【0076】
客は、そのまま会計を行いたいならば、ボタンBUCをタップするなどの予め定められた操作により店員による確認手順への実行を指示する。そして客は、この操作に前後して、店員に対して確認を要求する。あるいは、客からの要求を受けた店員が、ボタンBUCをタップするなどの予め定められた操作により店員による確認手順の実行を指示する。
【0077】
プロセッサ401は、図8中のACT412としてポップアップウィンドウを表示させたのちには、ACT413へと進む。
ACT413としてプロセッサ401は、ACT412として表示させたポップアップウィンドウが確認案内ウィンドウWIBであるか否かを確認する。そしてプロセッサ401は、上記のように確認案内ウィンドウWIBを表示させたのであるならばYESと判定し、図9中のACT421へと進む。
ACT421としてプロセッサ401は、店員による確認手順の実行が指示されたか否かを確認する。そしてプロセッサ401は、該当の事象を確認できないならばNOと判定し、ACT422へと進む。
ACT422としてプロセッサ401は、商品登録への戻りが指示されたか否かを確認する。そしてプロセッサ401は、該当の事象を確認できないならばNOと判定し、ACT421へと戻る。
かくしてプロセッサ401は、ACT421及びACT422としては、実行指示又は戻り指示を待ち受ける。そしてプロセッサ401は、上述のように実行が指示されたならばACT421にてYESと判定し、ACT423へと進む。
ACT423としてプロセッサ401は、店員による確認手順の実行が指示されたことを取引処理装置100に対して通知する。
【0078】
取引処理装置100にてプロセッサ101は、図11中のACT122としての表示指示を終えたならば、ACT123へと進む。
ACT123としてプロセッサ101は、店員による確認手順の実行が指示されたか否かを確認する。そしてプロセッサ101は、該当の事象を確認できないならばNOと判定し、ACT124へと進む。
ACT124としてプロセッサ101は、商品登録への戻りが指示されたか否かを確認する。そしてプロセッサ101は、該当の事象を確認できないならばNOと判定し、ACT123へと戻る。
かくしてプロセッサ101は、ACT123及びACT124としては、実行指示又は戻り指示を待ち受ける。そしてプロセッサ101は、上記のように実行が指示されたことが通知されたならば、ACT123にてYESと判定し、ACT125へと進む。
ACT125としてプロセッサ101は、店員操作ウィンドウの表示をカート端末400に対して指示する。店員操作ウィンドウは、店員による確認を開始するための店員による操作を受けることを案内するためのウィンドウである。
【0079】
カート端末400にてプロセッサ401は、図9中のACT423として実行指示を通知したのちには、ACT424へと進む。
ACT424としてプロセッサ401は、取引処理装置100からの上記の表示指示に応じて店員操作ウィンドウをタッチパネル404に表示させる。
【0080】
図17は店員操作ウィンドウの一例を表す図である。
店員操作ウィンドウWICは、文字列CSC及びボタンBUDを表す。文字列CSCは、店員が行うべき操作を店員に案内するための文字メッセージを表す。本実施形態では、店員による確認を開始するための店員による操作として、店員証に表示されて店員の識別子としての店員コードを表したバーコードをカメラ405にスキャンさせる操作を受けることする。そして図17に表す文字列CSCは、その操作を案内するための文字メッセージを表す。ボタンBUDは、商品登録を行う状態に戻すように操作者が指示するためのソフトキーである。
【0081】
客から確認の要求を受けた店員は、その店員が所持する店員証に表示されているバーコードをカメラ405に翳してスキャンさせる。なおここで店員が行うべき操作は、例えば店員用のパスコードを入力する操作など、客が通常は行わないものとして予め定められたどのような操作に変更されても構わないし、複数種の操作を受けても構わない。なお、当該の操作を行う店員は、確認を行う係員に相当する。また店員証からの店員コードの読み取りは、例えばカート端末400に外付けされた図示しないカードリーダなどにより行うのでも構わない。
【0082】
図9中のACT425としてプロセッサ401は、店員操作が行われたか否かを確認する。そしてプロセッサ401は、該当の事象を確認できないならばNOと判定し、ACT426へと進む。
ACT426としてプロセッサ401は、商品登録への戻りが指示されたか否かを確認する。そしてプロセッサ401は、該当の事象を確認できないならばNOと判定し、ACT425へと戻る。
かくしてプロセッサ401は、ACT425及びACT426としては、店員操作又は戻り指示を待ち受ける。そしてプロセッサ401は、上述のような予め定められた店員操作が行われたことを確認できたならばACT425にてYESと判定し、ACT427へと進む。
ACT427としてプロセッサ401は、店員操作が行われたことを取引処理装置100に対して通知する。
【0083】
取引処理装置100にてプロセッサ101は、図11中のACT125としての表示指示を終えたならば、ACT126へと進む。
ACT126としてプロセッサ101は、店員操作が行われたか否かを確認する。そしてプロセッサ101は、該当の事象を確認できないならばNOと判定し、ACT127へと進む。
ACT127としてプロセッサ101は、商品登録への戻りが指示されたか否かを確認する。そしてプロセッサ101は、該当の事象を確認できないならばNOと判定し、ACT126へと戻る。
かくしてプロセッサ101は、ACT126及びACT127としては、店員操作又は戻り指示を待ち受ける。そしてプロセッサ101は、上記のように店員操作が行われたことが通知されたならば、ACT126にてYESと判定し、ACT128へと進む。
ACT128としてプロセッサ101は、再確認ウィンドウの表示をカート端末400に対して指示する。再確認ウィンドウは、店員の目視による再確認について店員に案内するためウィンドウである。
【0084】
カート端末400にてプロセッサ401は、図9中のACT427として店員操作を通知したのちには、ACT428へと進む。
ACT428としてプロセッサ401は、取引処理装置100からの上記の表示指示に応じて再確認ウィンドウをタッチパネル404に表示させる。
【0085】
図18は再確認ウィンドウの一例を表す図である。
再確認ウィンドウWIDは、文字列CSD,CSE及びボタンBUE,BUFを表す。文字列CSDは、店員が行うべき作業を店員に案内するための固定の文字メッセージを表す。文字列CSEは、買物カゴSBに投入されていることを確認すべき商品の商品名と点数とを表す。取引処理装置100にてプロセッサ101は例えば、取引データに含まれている商品データのそれぞれに含まれる商品コードのそれぞれに関して、その商品がフィールドFAAにセットされているデータレコードREAをすべて、商品マスタデータベースDBAから探し出す。そして該当するデータレコードREAのうちから、フィールドFADにセットされているまとめフラグが「要確認」を表す状態であるものを全て選出する。そしてプロセッサ101は、選出したデータレコードREAのフィールドFABにセットされている商品名と、選出したデータレコードREAのフィールドFAAにセットされている商品コードを含んで取引データに含まれている商品データに示される点数と、を表すように文字列CSEを生成する。なお、図18では、確認すべき商品が1つのみである場合の例であり、確認すべき商品が複数である場合には、文字列CSEはそれら複数の商品の商品名及び点数を表す。ボタンBUEは、商品登録を行う状態に戻すように操作者が指示するためのソフトキーである。ボタンBUFは、確認すべき商品の投入状況が適正であることを操作者が指定するためのソフトキーである。
【0086】
かくしてプロセッサ101は、再確認ウィンドウWIDをカート端末400にて表示させることとして、要確認商品の決済に際しての係員による確認を行わせるための案内動作を行っているのである。つまり取引処理プログラムPRAに基づく情報処理をプロセッサ101が実行することによって、プロセッサ101を中枢部分とするコンピュータは案内手段として機能する。
【0087】
店員は、再確認ウィンドウWIDの文字列CSEが表す単品販売商品が正しく買物カゴSBに投入されているかどうかを、買物カゴSBに投入されている商品を直接目視で確認する。そして店員は、適正であると判断したならば、例えばボタンBUFをタップするなどの予め定められた操作によって適正であることを指定する。
【0088】
カート端末400にてプロセッサ401は、図9中のACT428として再確認ウィンドウWIDを表示したのちには、ACT429へと進む。
ACT429としてプロセッサ401は、適正であることが指定されたか否かを確認する。そしてプロセッサ401は、該当の事象を確認できないならばNOと判定し、ACT430へと進む。
ACT430としてプロセッサ401は、商品登録への戻りが指示されたか否かを確認する。そしてプロセッサ401は、該当の事象を確認できないならばNOと判定し、ACT429へと戻る。
かくしてプロセッサ401は、ACT429及びACT430としては、適正指定又は戻り指示を待ち受ける。そしてプロセッサ401は、適正であることが上述のように指定されたことを確認できたならばACT429にてYESと判定し、ACT431へと進む。
ACT431としてプロセッサ401は、適正指定を取引処理装置100に対して通知する。
【0089】
取引処理装置100にてプロセッサ101は、図11中のACT128としての表示指示を終えたならば、ACT129へと進む。
ACT129としてプロセッサ101は、適正であることが指定されたか否かを確認する。そしてプロセッサ101は、該当の事象を確認できないならばNOと判定し、ACT130へと進む。
ACT130としてプロセッサ101は、商品登録への戻りが指示されたか否かを確認する。そしてプロセッサ101は、該当の事象を確認できないならばNOと判定し、ACT129へと戻る。
かくしてプロセッサ101は、ACT129及びACT130としては、適正指定又は戻り指示を待ち受ける。そしてプロセッサ101は、適正指定がカート端末400から上記のように通知されたならば、ACT129にてYESと判定し、ACT131へと進む。
【0090】
ACT131としてプロセッサ101は、会計のための処理を会計機200に移管するための会計移管処理を実行する。例えばプロセッサ101はまず、会計用画面の表示をカート端末400に対して指示する。会計用画面は、取引に関する会計処理を会計機200に引き継ぐための画面である。会計用画面には、該当の取引に関する問い合わせを会計機200が取引処理装置100に対して行うための情報を表したバーコードが表される。
【0091】
カート端末400にてプロセッサ401は、図9中のACT431として適正指定を通知したのちには、ACT432へと進む。
ACT432としてプロセッサ401は、取引処理装置100からの上記の表示指示に応じて、タッチパネル404に会計用画面を表示させる。
【0092】
客は、店舗に会計機200が複数台設置されているならば、それらのうちから使用されていない会計機200を任意に選択し、その会計機200が備えるバーコードスキャナに、会計用画面に表されたバーコードを読み取らせる。これに応じて会計機200は、バーコードスキャナにより読み取られたバーコードが表す情報に基づいて取引処理装置100に会計データを要求する。
【0093】
取引処理装置100にてプロセッサ101は、図11中のACT131の会計移管処理の一環として会計データが要求されるのを待ち受け、上記のように会計データの要求を受けると、要求された取引の決済を会計機200に行わせるための会計データを要求元の会計機200に対して送信する。
【0094】
このように取引処理装置100から送信された会計データに応じて会計機200は、適宜に画面を表示しながら、会計に関する客の操作を受けつつ、会計データに基づいて取引を会計するための処理を実行する。この会計機200の処理は、例えば既存のPOSシステムの会計機で行われている処理と同様な処理であってよい。
【0095】
なお、カート端末400から会計機200への取引に関する会計処理の引き継ぎに関しては、上記以外に例えば、カート端末400が特定の会計機200に近づいた場合、無線通信により会計データを転送することにより実現してもよい。また、ゲートの形態である会計機200である場合、カート端末400が当該ゲートに近づくと取引に関する会計データが転送されるなどであってもよい。
【0096】
以上のように取引処理装置100にてプロセッサ101は、再確認ウィンドウWIDを表示させての再確認に際して店員による適正であることの確認が完了したことをもって、決済を許容している。つまりプロセッサ101は、確認が完了するまでは決済を抑止しているのであり、取引処理プログラムPRAに基づく情報処理をプロセッサ101が実行することによって、プロセッサ101を中枢部分とするコンピュータは抑止手段として機能する。
【0097】
ACT132としてプロセッサ101は、完了画面の表示をカート端末400に対して指示する。完了画面は、現取引に関するカート端末400での処理が完了したことを客に通知するための画面である。そしてプロセッサ101は、これをもって今回の取引に関する取引処理を終了する。
【0098】
カート端末400にてプロセッサ401は、図9中のACT432として会計用画面を表示したのちには、ACT433へと進む。
ACT433としてプロセッサ401は、取引処理装置100からの上記の表示指示に応じて完了画面をタッチパネル404に表示させる。そしてプロセッサ401は、例えば完了画面の表示の継続時間が予め定められた時間を超えるなどの予め定められた条件が成立したことをもって、完了画面の表示を終了させた上で、今回のカート処理を終了する。なおプロセッサ401は、この後に即座に、あるいは予め定められた再開条件が正立したことに応じて、カート処理を新たに開始し、次の客による利用に備える。
【0099】
なお客は、図16に表す確認案内ウィンドウWIBが表示されているときに、会計に進むことを取り止めて商品登録を行う状態に戻すならば、ボタンBUBをタップするなどの予め定められた操作により戻りを指示する。また客は、図17に表す店員操作ウィンドウWICが表示されているときに、店員による確認を取り止めて商品登録を行う状態に戻すならば、ボタンBUDをタップするなどの予め定められた操作により戻りを指示する。また店員は、図18に表す再確認ウィンドウWIDに応じての確認の結果として、商品投入が不適切であることを確認したならば、ボタンBUEをタップするなどの予め定められた操作により戻りを指示する。
【0100】
カート端末400にてプロセッサ401は、上記のような戻り指示に応じて、図9中のACT422,ACT426,ACT430のいずれかでYESと判定し、ACT434へと進む。
ACT434としてプロセッサ401は、戻り指示がなされたことを取引処理装置100に対して通知する。
【0101】
ACT435としてプロセッサ401は、表示されている各種のポップアップ画面の表示を終了する。そしてプロセッサ401はこののち、図8中のACT405及びACT406の待ち受け状態に戻る。
なお店員は、図18に表す再確認ウィンドウWIDに応じての確認の結果として、商品投入が不適切であることを確認した場合には、誤った取引商品の登録を正すようにカート端末400を操作する。
【0102】
取引処理装置にてプロセッサ101は、上記の戻り指示の通知に応じて、図11中のACT124,ACT127,ACT130のいずれかにてYESと判定し、図10中のACT103及びACT104の待ち受け状態に戻る。
なお、プロセッサ101は、ACT121での確認に際して、例えば取引データDAAのフィールドFBDにセットされている確認フラグが「要確認」ではないならば、確認が必要ではないとしてNOと判定し、ACT122~ACT130をパスしてACT131へと進む。かくしてこの場合にカート端末400にてプロセッサ401は、図8中のACT411における会計の要求に対して、取引処理装置100からは会計用画面の表示が指示されることになるから、ACT412においては会計用画面をタッチパネル404に表示させることになる。そしてプロセッサ401は、ACT413にてNOと判定し、図9中のACT433へと進む。
【0103】
以上のように、取引処理装置100は、まとめパッケージ商品に含まれ得るために確認の対象とされた商品を取引商品として登録された場合には、買物カゴSBの内部を撮影したカメラ画像をカート端末400から取得して、図15に表す即時確認ウィンドウWIAとしてアテンダント端末300にて表示させる。かくして店員は、当該のアテンダント端末300での表示に基づいて、取引商品として登録された単品販売商品が適正に買物カゴSBに投入されたかどうかを、つまり、まとめパッケージ商品を取引商品として登録するにあたって誤って単品販売商品が取引商品として登録されていないかを、速やかに確認することができる。この結果、まとめパッケージ商品を取引商品として登録するにあたって、単品販売商品が取引商品として指定されてしまった場合に、それを訂正するべく速やかに処置することが可能となる。
【0104】
また取引処理装置100は、買物カゴSBへの商品の投入を検出するようにし、確認の対象とされた商品が取引商品として登録された後に商品投入が検出された際のカメラ画像を取得して、表示させる。かくして、確認の対象とされた商品又はその商品を含んだまとめパッケージ商品が投入された状態の買物カゴSBの中を撮影したカメラ画像を表示させることができる。
【0105】
また取引処理装置100は、図15に表す即時確認ウィンドウWIAにて、商品投入が適正であることの指定を受ける。そして取引処理装置100は、この指定がなされていないまま会計に進もうとする場合には、店員による再確認を行うように案内する。かくして、即時確認ウィンドウWIAにて十分な確認を行えなかった場合に、不適正な商品投入が対処されないままとされてしまう恐れを軽減できる。
【0106】
また取引処理装置100は、上記の再確認が完了しなければ、決済を行わせない。このため、不適正な商品登録状況のままで決済が行われてしまうことを防止できる。
【0107】
また取引処理装置100は、即時確認ウィンドウWIAのように、まとめパッケージ商品が前記容器に投入されていないかの確認を係員に促す画面を表示させる。これにより、アテンダント端末300でのカメラ画像の表示が、まとめパッケージ商品が投入されていないかどうかを確認するためであることを店員が容易に理解することが可能であり、当該の確認作業を的確に支援できる。
【0108】
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
買物カゴSBへの商品投入は、例えばカメラ画像に対する画像処理によって、あるいは赤外線センサなどの別のセンサによって、検出するのでも構わない。なお、画像処理による場合など、投入の検出は、取引処理装置100におけるプロセッサ101の処理又はアテンダント端末300におけるプロセッサ301の処理によって実現されても構わない。
【0109】
即時確認ウィンドウWIAに表すカメラ画像の撮影タイミングは、買物カゴSBへの商品投入の検出とは無関係に定められても構わない。例えば、商品登録から予め定められた時間が経過したタイミング、あるいは次の商品登録がなされたタイミングで撮影されたカメラ画像を即時確認ウィンドウWIAに表すのでも構わない。
【0110】
上記の実施形態においては、即時確認ウィンドウWIAにおいて、まとめパッケージ商品に関する確認を促すようにしていることにより、まとめパッケージ商品に含まれ得る単品販売商品を要確認商品とすることを前提としている。しかしながら、要確認商品をどのような商品として利用するかは適宜に変更されて構わない。なお、即時確認ウィンドウWIAでの確認の案内の内容は、どのような商品を要確認商品とするかに適応させることが好ましいが、確認すべき具体的な内容は表さずに、単に要確認商品についての確認を行うように案内したり、あるいはカメラ画像のみを表したりするのでも構わない。要確認商品としては例えば、パッケージサイズや重量などが似ていて、単価の異なる商品が存在するような商品とすることが考えられる。例えば米は、同じサイズ、見た目でありながら、単価が全く異なる複数の商品が並べて陳列されている場合がある。このような場合に、陳列された状態の米のバーコードがスキャンされた上で、隣にある別の米が買物カゴSBに投入されるような場合の確認のために上記実施形態を適用することも可能である。
【0111】
上記の実施形態において取引処理装置100が実行する処理の一部を、会計機200、アテンダント端末300又はカート端末400で行っても構わない。例えば、取引データの更新は、カート端末400にてプロセッサ401が行っても構わない。例えば、カメラ画像をカート端末400から取得する処理は、アテンダント端末300にてプロセッサ301が行っても構わない。例えば、カメラ画像を表示するための処理は、アテンダント端末300にてプロセッサ301が行っても構わない。つまり、本願の監視支援システムは、例えば取引処理装置100のような単独装置により実現することも可能であるし、取引処理装置100、会計機200、アテンダント端末300及びカート端末400のうちの少なくとも2つの装置による協働によって実現することも可能である。
【0112】
カメラ画像を撮影するためには、カート端末400が備えるカメラ405に代えて、カートに取り付けられた別のカメラが用いられても構わない。そして取引処理装置100は当該のカメラからは、カート端末400を介してカメラ画像を取得するのでも構わないし、通信ネットワーク2を介した直接的な通信により取得するのでも構わない。そしてこの場合に登録用端末としては、客が手持ちで利用するスマートフォンなどの端末装置がカート端末400に代えて用いられても構わない。
【0113】
取引データDAAには、商品データのそれぞれに確認フラグを含めるようにして、プロセッサ101は、図10中のACT108においては、直前にACT105にて取引データDAAに追加した商品データに含まれる確認フラグを更新するようにしてもよい。このようにすれば、複数の要確認商品が取引商品として登録されている場合に、それら要確認商品のそれぞれについて再確認の要否を管理できるようになる。そしてプロセッサ101は例えば、図11のACT128として表示を指示する再確認ウィンドウWIDに表す文字列CSEを、「要確認」を表す状態である確認フラグが含まれた商品データに関する商品に関する情報のみを表すようにすれば、即時確認ウィンドウWIAにより適正である事が確認できている商品の再確認を省くことができ、店員の手間を軽減することが可能となる。
【0114】
情報処理によりプロセッサ101,301,401が実現する各機能は、その一部又は全てをロジック回路などのようなプログラムに基づかない情報処理を実行するハードウェアにより実現することも可能である。また上記の各機能のそれぞれは、上記のロジック回路などのハードウェアにソフトウェア制御を組み合わせて実現することも可能である。
【0115】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0116】
1…取引処理システム、2…通信ネットワーク、100…取引処理装置、200…会計機、300…アテンダント端末、400…カート端末、101,301,401…プロセッサ、102,302,402…メイン記憶ユニット、103,303,403…補助記憶ユニット、104,305…通信ユニット、304,404…タッチパネル、405…カメラ、406…インタフェースユニット、407…無線通信ユニット、498…重量計、499…スキャナ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18