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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113602
(43)【公開日】2024-08-22
(54)【発明の名称】基地局、端末装置及び通信方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/1268 20230101AFI20240815BHJP
   H04W 72/0446 20230101ALI20240815BHJP
   H04W 72/23 20230101ALI20240815BHJP
【FI】
H04W72/1268
H04W72/0446
H04W72/23
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023018721
(22)【出願日】2023-02-09
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】津田 信一郎
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA13
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE16
(57)【要約】
【課題】データバーストを低遅延かつ安定して送信することができる仕組みを提供する。
【解決手段】本開示の基地局は、制御部を備える。制御部は、周期的に受信する受信データに関する無線リソースの割り当て情報を決定する。制御部は、割り当て情報を端末装置に送信する。受信データは、データバーストの到達時間、周期、及び、保護ウィンドウによって特定される。無線リソースの割り当て情報は、到達時間、周期、及び、保護ウィンドウの少なくとも1つに基づいて決定される。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周期的に受信する受信データに関する無線リソースの割り当て情報を決定し、
前記割り当て情報を端末装置に送信する制御部、
を備え、
前記受信データは、データバーストの到達時間、周期、及び、保護ウィンドウによって特定され、
前記無線リソースの前記割り当て情報は、前記到達時間、前記周期、及び、前記保護ウィンドウの少なくとも1つに基づいて決定される、
基地局。
【請求項2】
前記割り当て情報は、SPS-Configである請求項1に記載の基地局。
【請求項3】
(アプリから受信、端末に送信 0289 Fig.11)
前記制御部は、UPFを介してアプリケーション装置から前記受信データを受信し、当該受信データを、前記無線リソースを用いて前記端末装置に送信する、請求項2に記載の基地局。
【請求項4】
前記割り当て情報は、ConfiguredGrantConfigである、請求項1に記載の基地局。
【請求項5】
前記制御部は、前記無線リソースを用いて前記端末装置から前記受信データを受信し、UPFを介して当該受信データをアプリケーション装置に送信する、請求項4に記載の基地局。
【請求項6】
前記保護ウィンドウの期間は、複数のキューを用いて前記受信データの転送を制御する際に、当該受信データに割り当てられた前記キューを用いて、当該受信データを優先的に転送させる期間である、
請求項1に記載の基地局。
【請求項7】
前記制御部は、前記データバーストの到達時間から、前記保護ウィンドウの期間が経過した後に、前記無線リソースを割り当てる、請求項1に記載の基地局。
【請求項8】
前記制御部は、前記データバーストの到達時間以降、前記保護ウィンドウの期間の経過を待たずに、前記無線リソースを割り当てる、請求項1に記載の基地局。
【請求項9】
前記制御部は、Survival Timeを示す情報を取得し、
前記保護ウィンドウの期間、及び、前記無線リソースが割り当てられる期間の総和は、前記Survival Timeより短い、
請求項1に記載の基地局。
【請求項10】
前記制御部は、前記端末装置との間のチャネル状態に関する状態情報を取得し、
前記受信データの送信又は受信に使用する変調パラメータを特定し、
前記受信データの前記送信又は前記受信のために割り当てられたQoSフロー、及び、帯域幅の少なくとも一方に関する情報を取得し、
前記QoSフローにおける最大データバースト量の前記受信データを、前記変調パラメータを用いて送信又は受信するために必要な数の前記無線リソースを割り当てる、
請求項1に記載の基地局。
【請求項11】
特定した前記変調パラメータを用いて送信又は受信可能なデータ量が前記最大データバースト量よりも小さい場合、前記制御部は、少なくとも1つの前記無線リソースを追加で割り当て、前記無線リソースの追加割り当てに関する追加割り当て情報を、RRCシグナリングを用いて前記端末装置に通知する、請求項10に記載の基地局。
【請求項12】
周期的に受信又は送信するデータに関する無線リソースの割り当て情報を基地局から受信する制御部、
を備え、
前記データは、データバーストの到達時間、周期、及び、保護ウィンドウによって特定され、
前記無線リソースの前記割り当て情報は、前記到達時間、前記周期、及び、前記保護ウィンドウの少なくとも1つに基づいて決定される、
端末装置。
【請求項13】
周期的に受信する受信データに関する無線リソースの割り当て情報を決定することと、
前記割り当て情報を端末装置に送信することと、
を含み、
前記受信データは、データバーストの到達時間、周期、及び、保護ウィンドウによって特定され、
前記無線リソースの前記割り当て情報は、前記到達時間、前記周期、及び、前記保護ウィンドウの少なくとも1つに基づいて決定される、
通信方法。
【請求項14】
周期的に受信又は送信するデータに関する無線リソースの割り当て情報を基地局から受信すること、
を含み、
前記データは、データバーストの到達時間、周期、及び、保護ウィンドウによって特定され、
前記無線リソースの前記割り当て情報は、前記到達時間、前記周期、及び、前記保護ウィンドウの少なくとも1つに基づいて決定される、
通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基地局、端末装置及び通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
第5世代移動通信システム、いわゆる5Gの最初の規格は、2018年にRel-15として策定された。また、2020年3月に5Gに対応したサービスが国内で開始された。第5世代移動通信システムは、高速大容量(eMBB: enhanced Mobile BroadBand)、低遅延・高信頼(URLLC: Ultra-Reliable and Low Latency Communications)、多数同時接続(mMTC: massive Machine Type Communication)という特徴を有する。
【0003】
また、5Gでは、用途によって通信への要求が大きく異なる様々なトラフィックを効率的に処理できるように、ネットワークスライスというコンセプトへの対応が行われた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-170790号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
5GでTSN(Time Sensitive Network)/TSC(Time Sensitive Communication)がサポートされた。これにより、5Gを介して、工場の機器やロボットの制御、XR(Extended Reality)、あるいは、3Dホログラム表示向けの様々なコンテンツの配信を行うことが期待されている。
【0006】
これらの機器の制御信号やXRのコンテンツのトラフィックパターンは、スケジュールされた/ディタミニスティックなものであり、バースト的に発生する。
【0007】
このように、バースト的に発生するデータ(データバースト(Data burst))を低遅延かつ安定して送信することができる無線通信が求められる。
【0008】
そこで、本開示では、データバーストを低遅延かつ安定して送信することができる仕組みを提供する。
【0009】
なお、上記課題又は目的は、本明細書に開示される複数の実施形態が解決し得、又は達成し得る複数の課題又は目的の1つに過ぎない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の基地局は、制御部を備える。制御部は、周期的に受信する受信データに関する無線リソースの割り当て情報を決定する。制御部は、前記割り当て情報を端末装置に送信する。前記受信データは、データバーストの到達時間、周期、及び、保護ウィンドウによって特定される。前記無線リソースの前記割り当て情報は、前記到達時間、前記周期、及び、前記保護ウィンドウの少なくとも1つに基づいて決定される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の実施形態に係る通信システムの概要構成例を示す図である。
図2】本開示の実施形態に係る情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
図3】本開示の実施形態に係る基地局の構成例を示す図である。
図4】本開示の実施形態に係る端末装置の構成例を示すブロック図である。
図5】TSNの概要を示す図である。
図6】PTPインスタンスとしてモデル化される5GSの構成の一例を示す図である。
図7】5GSブリッジの構成の一例を示す図である。
図8】5GSのQoSアーキテクチャの一例を示す図である。
図9】ゲートコントロールされるタイムスロットごとの各キューの設定の一例を示す図である。
図10】通信の可否を制御するタイムスロットの設定の一例を示す図である。
図11】本開示の実施形態に係るスケジュールされたデータバーストDBの5GSにおける伝送の一例(ダウンリンク)を示す図である。
図12】本開示の実施形態に係るスケジュールされたデータバーストDBの5GSにおける伝送の一例(ダウンリンク)を示す図である。
図13】本開示の実施形態に係るPDUセットの構成と、データバーストDBとの対応関係を示す図である。
図14】本開示の実施形態に係るPDUセットの構成と、データバーストDBとの対応関係を示す図である。
図15】本開示の実施形態に係るPDUセットの構成と、データバーストDBとの対応関係を示す図である。
図16】本開示の実施形態に係るSPS制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図17】本開示の実施形態に係るSPS制御処理の流れの他の例を示すフローチャートである。
図18】本開示の実施形態に係るRAN20でスケジュールされたデータバーストDBに対して行われる処理の一例を示す図である。
図19】本開示の実施形態に係るRAN20でスケジュールされたデータバーストDBに対して行われる処理の他の例を示す図である。
図20】本開示の実施形態に係るパケット遅延許容時間によるリソース割り当て処理の流れの一例を示す図である。
図21】本開示の実施形態に係るバースト到達時間の測定結果によるリソース割り当て処理の流れの一例を示す図である。
図22】本開示の実施形態に係るTSC支援情報の更新処理の流れの一例を示す図である。
図23】本開示の実施形態に係るスケジュールされたデータバーストの5GSにおける伝送の他の例(アップリンク)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0013】
また、本明細書及び図面において、実施形態の類似する構成要素については、同一の符号の後に異なるアルファベット又は数字を付して区別する場合がある。ただし、類似する構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。
【0014】
以下に説明される1又は複数の実施形態(実施例、変形例、適用例を含む)は、各々が独立に実施されることが可能である。一方で、以下に説明される複数の実施形態は少なくとも一部が他の実施形態の少なくとも一部と適宜組み合わせて実施されてもよい。これら複数の実施形態は、互いに異なる新規な特徴を含み得る。したがって、これら複数の実施形態は、互いに異なる目的又は課題を解決することに寄与し得、互いに異なる効果を奏し得る。
【0015】
<<1.提案技術の概要>>
上述したように、5Gで、TSN/TSCがサポートされた。これにより、装置が、5Gを介して工場の機器及びロボットなどの制御を行ったり、XR、あるいは、3Dホログラム表示向けの様々なコンテンツなどの配信を行ったりすることが期待されている。
【0016】
これらの機器の制御信号やXRのコンテンツのトラフィックパターンは、スケジュールされた/ディタミニスティックなものであり、バースト的に発生する。
【0017】
また、短い周期のデータバーストに対しては、5Gシステムが必要に応じてセミパーシステントに割り当てられたリソースを利用することが有効であると考えられる。
【0018】
その際、基地局及びコアネットワークで発生する遅延を考慮することで、5Gシステムは、データバーストに合わせてSPS(Semi-Persistent Scheduling)及びCG(Configured Grant)を設定することが可能となる。また、5Gシステムがデータバーストのサイズ及び各データバーストの送信期間に応じて複数のSPSやCGを設定する場合が考えられる。
【0019】
端末装置が周期的データに関する情報を基地局に送信することで、基地局が複数のSPSの設定を行う技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。この技術では、端末装置は、基地局から複数のSPS設定、及び、このSPS設定の1又は複数をアクティブ化するためのアクティブ化コマンドを受信する。端末装置は、アクティブ化された1又は複数のSPS設定に基づき、1又は複数のデータコンポーネントを送信する。
【0020】
しかしながら、この技術では、基地局及びコアネットワークで発生する遅延を考慮して、スケジュールされた周期的なデータバーストに合わせてデータを送信することについて開示されていない。
【0021】
このような周期的なデータバーストをより低遅延かつより安定して送信可能な仕組みが求められる。
【0022】
そこで、本開示の提案技術に係る基地局は、データバーストの到達時間、周期、及び、保護ウィンドウの少なくとも1つに基づき、周期的なデータを送信又は受信するための無線リソースの割り当てを行う。
【0023】
具体的に、基地局は、周期的に受信する受信データに関する無線リソースの割り当て情報を決定する。基地局は、割り当て情報を端末装置に送信する。なお、受信データは、データバーストの到達時間、周期、及び、保護ウィンドウによって特定される。また、割り当て情報は、データバーストの到達時間、周期、及び、保護ウィンドウの少なくとも1つに基づいて決定される。
【0024】
この受信データは、例えば、データバーストを送信するアプリケーションサーバが送信し、基地局が受信するデータである。この場合、無線リソースはダウンリンクリソースである。あるいは、受信データは、例えば、端末装置が送信し、基地局が受信するデータである。この場合、無線リソースはアップリンクリソースである。
【0025】
これにより、基地局は、低遅延な無線通信環境でスケジュールされた(ディタミニスティックな)データバーストを安定して端末装置又はアプリケーションサーバに送信することができる。
【0026】
また、端末装置のモビリティにより、端末装置及び基地局の間の通信品質が変化する場合でも、基地局は、低遅延な無線通信環境でスケジュールされた(ディタミニスティックな)データバーストを安定して端末装置又はアプリケーションサーバに送信することができる。
【0027】
また、基地局は、保護ウィンドウの期間内に1又は複数のSPSを設定する。基地局は、設定したSPSのタイミングまでにバッファリングされたデータを、設定したSPSのconfigured downlink assignmentsに逐次的に割り当てて端末装置に送信する。
【0028】
これにより、基地局は、データ送信に必要なバッファの容量を小さくすることができる。また、基地局は、スケジュールされた各データバーストの全てのデータの受信が完了したときにバッファに格納されているデータのサイズを小さくすることができる。これにより、端末装置は、各データバーストの全てのデータの受信をより早く完了することができる。
【0029】
また、基地局は、アクセスネットワークでのパケット遅延許容時間(AN PDB)に応じて、ダイナミックスケジューリング及びSPSのいずれか一方のスケジューリング方法を決定し得る。なお、AN PDBは、コアネットワークでのパケット遅延許容時間(CN PDB)に依存する。
【0030】
さらに、基地局は、TSC支援情報のパケット到達時間を用いて、コアネットワークでのパケット遅延時間の変化を検出し得る。基地局は、検出したコアネットワークでのパケット遅延時間の変化に応じて、コアネットワーク及びアクセスネットワークの遅延許容時間の配分をダイナミックに制御し得る。
【0031】
<<2.通信システムの構成例>>
<2.1.通信システムの概要>
図1は、本開示の実施形態に係る通信システム1の概要構成例を示す図である。図1に示す通信システム1は、5GS(5G System)及びアプリケーションサーバ40を備える。5GSは、端末装置10、基地局20、及び、コアネットワーク30を備える。
【0032】
なお、以下、端末装置10はUE(User Equipment)10とも記載される。基地局20はRAN(Radio Access Network)/AN(Access Network)20又は(R)AN20とも記載される。コアネットワーク30は、CN30、5GC(5G Core)30、又は、NGC(NG Core)30とも記載される。
【0033】
(アプリケーションサーバ40)
アプリケーションサーバ40は、例えばインターネットを介して5GSと接続される。アプリケーションサーバ40は、アプリケーションを処理するサーバ装置である。これにより、UE10は、5Gサービスを介してアプリケーションを利用することができる。
【0034】
なお、本実施形態に係る通信システム1では、データバーストが、アプリケーションサーバ40からCN30及び(R)AN20を介してUE10に送信される。また、データバーストが、UE10から(R)AN20及びCN30を介してUE10に送信される。
【0035】
本実施形態に係るアプリケーションを提供する主体(例えば、サービスプロバイダ)は、5Gサービスを提供するPLMN(Public Land Mobile Network)オペレータとの間で、SLA(Service Level Agreement)等の契約を有する。この場合、アプリケーションサーバ40はDN340として5GC30内に配置される。もしくは、アプリケーションサーバ40及びDN340が専用線及びVPN(Virtual Private Network)などで互いに接続されてもよい。
【0036】
なお、アプリケーションサーバ40は、例えばクラウドサーバであってもよく、エッジサーバであってもよい。
【0037】
(5GS)
5GSのコントロールプレーンの機能群は、AMF(Access and Mobility Management Function)301と、NEF(Network Exposure Function)302と、NRF(Network Repository Function)303と、を含む。
【0038】
また、コントロールプレーンの機能群は、NSSF(Network Slice Selection Function)304と、PCF(Policy Control Function)305と、SMF(Session Management Function)306と、UDM(Unified Data Management)307と、を含む。
【0039】
コントロールプレーンの機能群は、AF(Application Function)308と、AUSF(Authentication Server Function)309と、UCMF(UE radio Capability Management Function)310と、を含む。
【0040】
コントロールプレーンの機能群は、LMF(Location Management Function)311と、TSCTSF(Time Sensitive Communication and Time Synchronization Function)312と、を含む。
【0041】
このように、コントロールプレーンの機能群は、複数のNF(Network Function)によって構成される。
【0042】
ここで、AF308は、アプリケーションサーバ40のコントロールプレーンを処理するNFとして動作し得る。AF308は、アプリケーションサーバ40と論理的に異なるエンティティとして物理的に同一の装置、つまり、アプリケーションサーバ40内に実装するようにしてもよい。また、AF308は、5GSのアプリケーションに対するコントロールプレーンを処理するNFとして動作し、5GC30内に配置され得る。
【0043】
アプリケーションサーバ40を管理、運営するサービスプロバイダは、PLMNオペレータとのSLAの範囲でNEF302を介して5Gシステムの各NFから情報を取得し得る。NEF302は、サービスプロバイダに対して各NFのケイパビリティ及びイベントをセキュアに確保して開示し得る。
【0044】
UDM307は、契約者情報を保持及び管理するUDR(Unified Data Repository)と、契約者情報を処理するFE(Front End)部とを含む。AMF301は、モビリティ管理を行う。SMF306は、セッション管理を行う。
【0045】
PCF305は、ネットワークの動作を統制するための統一されたポリシーの枠組みを提供する。PCF305は、コントロールプレーンの各ネットワーク機能にポリシールールを提供する。また、PCF305は、ポリシーの決定のために、UDRの契約者情報にアクセスする。
【0046】
UCMF310は、UE無線ケイパビリティ情報(UE Radio Capability Information)を保持する。UE無線ケイパビリティ情報は、PLMNにおける全てのUE無線ケイパビリティID(UE Radio Capability ID)に対応する。UCMF310は、それぞれのPLMN-割り当てUE無線ケイパビリティID(PLMN-assigned UE Radio Capability ID)を割り当てる役割を担う。
【0047】
NSSF304は、Allowed NSSAI(Network Slice Selection Assistance Information)、Configured NSSAIを決定する。また、NSSF304は、AMF301の候補のリストであるAMFセット(AMF Set)を決定する。例えば、NSSF304が、UE10が使用するネットワークスライスやその他の基準に応じて、当該候補のリストからAMF301を選択するようにしてもよい。この場合、NSSF304は、選択したAMF301をUE10に割り当てる。
【0048】
LMF311は、UE10がGNSS受信機を装備している場合に、Code Phase、Doppler、Carrier Phase等のGNSSに関する測定値をUE10から受信して、UE10の位置を計算する。
【0049】
また、GNSS受信機を装備していてもGNSSからの信号を受信できない、又は、GNSSを装備していないUE10に対して、LMF311は、
・OTDOA(Observed Time Difference Of Arrival)
・Multi-RTT(Round Trip Time)
・DL AoD(Downlink Angle-of-Departure)
・DL TDOA(Downlink Time Difference of Arrival)
・UL TDOA(Uplink Time Difference of Arrival)
・UL AoA(Angle of Arrival)
と呼ばれるポジショニング技法でUE10の位置に係る情報を取得してもよい。又は、LMF311は、CID(Cell ID)を使ったポジショニング技法でUE10の位置に係る情報を取得してもよい。
【0050】
例えば、OTDOAにおいて、UE10は複数のTP(Transmission Point)からダウンリンクのPRS(Positioning Reference Signal)を受信する。UE10は、Physical cell ID、Global cell ID、TP ID及びPRSのタイミングに関する測定値をLPP(LTE Positioning Protocol)を介してLMF311に報告する。
【0051】
これによって、LMF311は、測定された各TPの既知の座標に関する情報と、報告されたPRSの相対タイミングと、に基づいてUE10の位置を計算する。
【0052】
また、例えば、CIDを使ったポジショニングでは、LMF311は、ng-eNB、又は、gNBの既知の座標に関する情報と、UE10から報告される以下の測定結果とに基づいてUE10の位置を計算する。
【0053】
UE10は、例えば、ECGI(Evolved Cell Global Identifier)、又は、Physical Cell IDと、RSRP(Reference Signal Received Power)、RSRQ(Reference Signal Received Quality)及びUE Rx-Tx time differenceに関する測定結果と、をLMF311に報告する。ここで、UE Rx-Tx time differenceは、UE10が受信したタイミングと送信したタイミングとの時間差として定義される。
【0054】
TSCTSF312については後述する。
【0055】
Namfは、AMF301が提供するサービスベースドインタフェース(Service-based interface)である。Nnefは、NEF302が提供するサービスベースドインタフェースである。Nnrfは、NRF303が提供するサービスベースドインタフェースである。Nnssfは、NSSF304が提供するサービスベースドインタフェースである。
【0056】
Npcfは、PCF305が提供するサービスベースドインタフェースである。Nsmfは、SMF306が提供するサービスベースドインタフェースである。Nudmは、UDM307が提供するサービスベースドインタフェースである。Nafは、AF308が提供するサービスベースドインタフェースである。
【0057】
Nausfは、AUSF309が提供するサービスベースドインタフェースである。Nucmfは、UCMF310が提供するサービスベースドインタフェースである。Nlmfは、LMF311が提供するサービスベースドインタフェースである。Ntsctsfは、TSCTSF312が提供するサービスベースドインタフェースである。
【0058】
各NFは、他のネットワーク機能が提供するサービスに対してリクエスト、又はサブスクライブすることで、そのサービスからの応答、又通知を受け得る。つまり、各NFは、それぞれのサービスベースドインタフェースを介したリクエスト/応答、又は、サブスクライブ/通知の手段で、他のNFとの間で情報を交換する。
【0059】
UPF(User Plane Function)330は、ユーザープレーン処理の機能を有する。UPF330は、アプリケーションサーバ40で処理されたユーザープレーンのデータの転送処理部として機能する。UPF330は、(R)AN20と接続されるゲートウェイとしても機能する。
【0060】
DN(Data Network)340は、MNO(Mobile Network Operator)独自のサービス、インターネット、及びサードパーティーのサービスへの接続を可能にする機能を有する。
【0061】
ここで、5GSは、5GC30の各NFを仮想化(Virtualization)やコンテナ(Container)で構成し、クラウドサーバに実装し得る。さらに、5GSは、SDN(Software Defined Network)を使って、動的、かつ、リコンフィギャラブル(re-configurable)に各NFを設定し得る。
【0062】
(R)AN20は、RANとの接続、及び、RAN以外のANとの接続を可能にする機能を有する。(R)AN20は、gNB、又はng-eNBと呼ばれる基地局を含む。RANは、NG(Next Generation)-RAN、又は5G-RANと呼ばれる場合もある。
【0063】
また、(R)AN20の機能は、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)サブレイヤ以上のL2/L3機能を処理するCU(Central Unit)と、RLC(Radio Link Control)サブレイヤ以下のL2/L1機能を処理するDU(Distributed Unit)に分割される。(R)AN20の機能は、F1インタフェースを介してそれぞれ分散して配置され得る。
【0064】
さらに、DUの機能は、LOW PHYサブレイヤと無線部(Radio)を処理するRU(Radio Unit)と、RLC、MAC(Medium Access Control)、HIGH PHYの各サブレイヤを処理するDUとに分割される。RUの機能は、例えば、eCPRI(evolved Common Public Radio Interface)に準拠したフロントホールを介して分散して配置され得る。
【0065】
ここで、5GSは、CU及び/又はDUの機能を仮想化やコンテナで構成し、クラウドサーバに実装し得る。さらに、5GSは、SDNを使って、動的かつリコンフィギャラブルにCU及び/又はDUの機能を設定し得る。
【0066】
UE10とAMF301との間では、リファレンスポイントN1を介して相互に情報の交換が行われる。(R)AN20とAMF301との間では、リファレンスポイントN2を介して相互に情報の交換が行われる。SMF306とUPF330との間では、リファレンスポイントN4を介して相互に情報の交換が行われる。
【0067】
<2.2.情報処理装置の構成例>
図2は、本開示の実施形態に係る情報処理装置300の構成例を示すブロック図である。
【0068】
情報処理装置300は、コアネットワーク30のNF、AF308やアプリケーションサーバ40の機能を実現する装置である。情報処理装置300は、例えばサーバ装置である。情報処理装置300は、クラウドサーバ、エッジサーバと総称される装置であってもよい。
【0069】
図2に示すように情報処理装置300は、通信部31と、記憶部32と、制御部33と、を備える。なお、図2に示した構成は機能的な構成であり、ハードウェア構成はこれとは異なっていてもよい。また、情報処理装置300の機能は、複数の物理的に分離された構成に分散して実装されてもよい。例えば、情報処理装置300は、複数のサーバ装置により構成されていてもよい。
【0070】
通信部31は、他の装置と通信するための通信インタフェースである。通信部31は、ネットワークインタフェースであってもよいし、機器接続インタフェースであってもよい。例えば、通信部31は、NIC(Network Interface Card)等のLAN(Local Area Network)インタフェースであってもよいし、USB(Universal Serial Bus)ホストコントローラ、USBポート等により構成されるUSBインタフェースであってもよい。また、通信部31は、有線インタフェースであってもよいし、無線インタフェースであってもよい。通信部31は、情報処理装置300の通信手段として機能する。通信部31は、制御部33の制御に従って基地局20や他のNFノード、ANノードと通信する。
【0071】
記憶部32は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、フラッシュメモリ、ハードディスク等のデータ読み書き可能な記憶装置である。記憶部32は、情報処理装置300の記憶手段として機能する。
【0072】
制御部33は、情報処理装置300の各部を制御するコントローラ(controller)である。制御部33は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサにより実現される。例えば、制御部33は、情報処理装置300内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムを、プロセッサがRAM(Random Access Memory)等を作業領域として実行することにより実現される。なお、制御部33は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。CPU、MPU、GPU、ASIC、及びFPGAは何れもコントローラとみなすことができる。
【0073】
<2.3.基地局の構成例>
次に、基地局20について説明する。基地局20は、セルを運用し、セルのカバレッジの内部に位置する1つ以上の端末装置10へ無線通信サービスを提供する通信装置である。セルは、例えばLTE又はNR等の任意の無線通信方式に従って運用される。基地局20は、コアネットワーク30に接続される。コアネットワーク30は、ゲートウェイ装置を介してパケットデータネットワークに接続される。また、基地局20は、SSB(Synchronization Signal/PBCH Block)で識別可能なビームを運用し、1つ以上のビームを介して1つ以上の端末装置10との間でデータを送受信する。
【0074】
なお、基地局20は、複数の物理的又は論理的装置の集合で構成されていてもよい。例えば、本開示の実施形態において基地局20は、BBU(Baseband Unit)及びRU(Radio Unit)の複数の装置に区別され、これら複数の装置の集合体として解釈されてもよい。さらに又はこれに代えて、本開示の実施形態において基地局20は、BBU及びRUのうちいずれか又は両方であってもよい。BBUとRUとは所定のインタフェース(例えば、eCPRI)で接続されていてもよい。さらに又はこれに代えて、RUはRemote Radio Unit(RRU)又はRadio DoT(RD)と称されていてもよい。さらに又はこれに代えて、RUは後述するgNB-DUに対応していてもよい。さらに又はこれに代えてBBUは、後述するgNB-CUに対応していてもよい。これに代えて、RUは後述するgNB-DUに接続していてもよい。さらに、BBUは、後述するgNB-CU及びgNB-DUの組合せに対応していてもよい。 さらに又はこれに代えて、RUはアンテナと一体的に形成された装置であってもよい。基地局20が有するアンテナ(例えば、RUと一体的に形成されたアンテナ)はAdvanced Antenna Systemを採用し、MIMO(例えば、FD-MIMO)やビームフォーミングをサポートしていてもよい。Advanced Antenna Systemは、基地局20が有するアンテナ(例えば、RUと一体的に形成されたアンテナ)は、例えば、64個の送信用アンテナポート及び64個の受信用アンテナポートを備えていてもよい。
【0075】
また、基地局20は、複数が互いに接続されていてもよい。1つ又は複数の基地局20は無線アクセスネットワーク(Radio Access Network:RAN)に含まれていてもよい。すなわち、基地局20は単にRAN、RANノード、AN(Access Network)、ANノードと称されてもよい。LTEにおけるRANはEUTRAN(Enhanced Universal Terrestrial RAN)と呼ばれる。NRにおけるRANはNGRANと呼ばれる。W-CDMA(UMTS)におけるRANはUTRANと呼ばれる。LTEの基地局20は、eNodeB(Evolved Node B)又はeNBと称される。すなわち、EUTRANは1又は複数のeNodeB(eNB)を含む。また、NRの基地局20は、gNodeB又はgNBと称される。すなわち、NGRANは1又は複数のgNBを含む。さらに、EUTRANは、LTEの通信システム(EPS)におけるコアネットワーク(EPC)に接続されたgNB(en-gNB)を含んでいてもよい。同様にNGRANは5G通信システム(5GS)におけるコアネットワーク5GCに接続されたng-eNBを含んでいてもよい。さらに又はこれに代えて、基地局20がeNB、gNBなどである場合、3GPP Accessと称されてもよい。さらに又はこれに代えて、基地局20が無線アクセスポイント(Access Point)(e.g., WiFi(登録商標)のアクセスポイント)である場合、Non-3GPP Accessと称されてもよい。さらに又はこれに代えて、基地局20は、RRH(Remote Radio Head)と呼ばれる光張り出し装置であってもよい。さらに又はこれに代えて、基地局20がgNBである場合、基地局20は前述したgNB CU(Central Unit)とgNB DU(Distributed Unit)の組み合わせ又はこれらのうちいずれかと称されてもよい。gNB CU(Central Unit)は、UEとの通信のために、Access Stratumのうち、複数の上位レイヤ(例えば、RRC、SDAP、PDCP)をホストする。一方、gNB-DUは、Access Stratumのうち、複数の下位レイヤ(例えば、RLC、MAC、PHY)をホストする。すなわち、後述されるメッセージ・情報のうち、RRC signalling(例えば、MIB、SIB1を含む各種SIB、RRCSetup message、RRCReconfiguration message)はgNB CUで生成され、一方で後述されるDCIや各種Physical Channel(例えば、PDCCH、PBCH)はgNB-DUは生成されてもよい。又はこれに代えて、RRC signallingのうち、例えばIE:cellGroupConfigなど一部のconfiguration(設定情報)についてはgNB-DUで生成され、残りのconfigurationはgNB-CUで生成されてもよい。これらのconfiguration(設定情報)は、後述されるF1インタフェースで送受信されてもよい。基地局20は、他の基地局20と通信可能に構成されていてもよい。例えば、複数の基地局20がeNB同士又はeNBとen-gNBの組み合わせである場合、当該基地局20間はX2インタフェースで接続されてもよい。さらに又はこれに代えて、複数の基地局20がgNB同士又はgn-eNBとgNBの組み合わせである場合、当該装置間はXnインタフェースで接続されてもよい。さらに又はこれに代えて、複数の基地局20がgNB CU(Central Unit)とgNB DU(Distributed Unit)の組み合わせである場合、当該装置間は前述したF1インタフェースで接続されてもよい。後述されるメッセージ・情報(RRC signalling又はDCIの情報、Physical Channel)は複数の基地局20間で(例えばX2、Xn、F1インタフェースを介して)通信されてもよい。
【0076】
さらに、前述の通り、基地局20は、複数のセルを管理するように構成されていてもよい。基地局20により提供されるセルはServing cellと呼ばれる。Serving cellはPCell(Primary Cell)及びSCell(Secondary Cell)を含む。Dual Connectivity (例えば、EUTRA-EUTRA Dual Connectivity、EUTRA-NR Dual Connectivity(ENDC)、EUTRA-NR Dual Connectivity with 5GC、NR-EUTRA Dual Connectivity(NEDC)、NR-NR Dual Connectivity)がUE(例えば、端末装置10)に提供される場合、MN(Master Node)によって提供されるPCell及びゼロ又は1以上のSCell(s)はMaster Cell Groupと呼ばれる。さらに、Serving cellはPSCell(Primary Secondary Cell又はPrimary SCG Cell)を含んでもよい。すなわち、Dual ConnectivityがUEに提供される場合、SN(Secondary Node)によって提供されるPSCell及びゼロ又は1以上のSCell(s)はSecondary Cell Group(SCG)と呼ばれる。特別な設定(例えば、PUCCH on SCell)がされていない限り、物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)はPCell及びPSCellで送信されるが、SCellでは送信されない。また、Radio Link FailureもPCell及びPSCellでは検出されるが、SCellでは検出されない(検出しなくてよい)。このようにPCell及びPSCellは、Serving Cell(s)の中で特別な役割を持つため、Special Cell(SpCell)とも呼ばれる。1つのセルには、1つのDownlink Component Carrierと1つのUplink Component Carrierが対応付けられてもよい。また、1つのセルに対応するシステム帯域幅は、複数の帯域幅部分(Bandwidth Part)に分割されてもよい。この場合、1又は複数のBandwidth Part(BWP)がUEに設定され、1つのBandwidth PartがActive BWPとして、UEに使用されてもよい。また、セル毎、コンポーネントキャリア毎又はBWPごとに、端末装置10が使用できる無線資源(例えば、周波数帯域、ヌメロロジー(サブキャリアスペーシング)、スロットフォーマット(Slot configuration))が異なっていてもよい。
【0077】
図3は、本開示の実施形態に係る基地局20の構成例を示す図である。基地局20は、端末装置10と無線通信する通信装置(無線システム)である。基地局20は、情報処理装置の一種である。
【0078】
基地局20は、信号処理部21と、記憶部22と、ネットワーク通信部23と、制御部24と、を備える。なお、図3に示した構成は機能的な構成であり、ハードウェア構成はこれとは異なっていてもよい。また、基地局20の機能は、複数の物理的に分離された装置に分散して実装されてもよい。例えば、前述のように、基地局20の機能は、CU及びDU、又は、CU、DU及びRUに分散される。
【0079】
信号処理部21は、他の通信装置(例えば、端末装置10及び他の基地局20)と無線通信する無線通信インタフェース(通信部)である。信号処理部21は、制御部24の制御にしたがって動作する無線トランシーバである。信号処理部21は複数の無線アクセス方式に対応してもよい。例えば、信号処理部21は、NR及びLTEの双方に対応してもよい。信号処理部21は、W-CDMAやcdma2000等の他のセルラー通信方式に対応してもよい。また、信号処理部21は、セルラー通信方式に加えて、無線LAN通信方式に対応してもよい。勿論、信号処理部21は、1つの無線アクセス方式に対応するだけであってもよい。
【0080】
信号処理部21は、受信処理部211と、送信処理部212と、アンテナ213と、を備える。信号処理部21は、受信処理部211、送信処理部212、及びアンテナ213をそれぞれ複数備えていてもよい。なお、信号処理部21が複数の無線アクセス方式に対応する場合、信号処理部21の各部は、無線アクセス方式毎に個別に構成され得る。例えば、基地局20がNRとLTEとに対応しているのであれば、受信処理部211及び送信処理部212は、NRとLTEとで個別に構成されてもよい。
【0081】
受信処理部211は、アンテナ213を介して受信された上りリンク信号の処理を行う。受信処理部211は、無線受信部211aと、多重分離部211bと、復調部211cと、復号部211dと、を備える。
【0082】
無線受信部211aは、上りリンク信号に対して、ダウンコンバート、不要な周波数成分の除去、増幅レベルの制御、直交復調、デジタル信号への変換、ガードインターバルの除去、高速フーリエ変換による周波数領域信号の抽出等を行う。例えば、基地局20の無線アクセス方式が、LTE等のセルラー通信方式であるとする。このとき、多重分離部211bは、無線受信部211aから出力された信号から、PUSCH(Physical Uplink Shared Channel)、PUCCH(Physical Uplink Control Channel)等の上りリンクチャネル及び上りリンク参照信号を分離する。復調部211cは、上りリンクチャネルの変調シンボルに対して、BPSK(Binary Phase Shift Keying)、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)等の変調方式を使って受信信号の復調を行う。復調部211cが使用する変調方式は、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)、64QAM、又は256QAM等の多値QAMであってもよい。復号部211dは、復調された上りリンクチャネルの符号化ビットに対して、復号処理を行う。復号された上りリンクデータ及び上りリンク制御情報は制御部24へ出力される。
【0083】
送信処理部212は、下りリンク制御情報及び下りリンクデータの送信処理を行う。送信処理部212は、符号化部212aと、変調部212bと、多重部212cと、無線送信部212dと、を備える。
【0084】
符号化部212aは、制御部24から入力された下りリンク制御情報及び下りリンクデータを、ブロック符号化、畳み込み符号化、ターボ符号化等の符号化方式を用いて符号化を行う。ここで、符号化は、ポーラ符号(Polar code)による符号化、LDPC符号(Low Density Parity Check Code)による符号化を行ってもよい。変調部212bは、符号化部212aから出力された符号化ビットをBPSK、QPSK、16QAM、64QAM、256QAM等の所定の変調方式で変調する。多重部212cは、各チャネルの変調シンボルと下りリンク参照信号とを多重化し、所定のリソースエレメントに配置する。無線送信部212dは、多重部212cからの信号に対して、各種信号処理を行う。例えば、無線送信部212dは、高速フーリエ変換による時間領域への変換、ガードインターバルの付加、ベースバンドのデジタル信号の生成、アナログ信号への変換、直交変調、アップコンバート、余分な周波数成分の除去、電力の増幅等の処理を行う。送信処理部212で生成された信号は、アンテナ213から送信される。
【0085】
記憶部22は、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、ハードディスク等のデータ読み書き可能な記憶装置である。記憶部22は、基地局20の記憶手段として機能する。
【0086】
ネットワーク通信部23は、他の装置(例えば、他の基地局20)と通信するための通信インタフェースである。例えば、ネットワーク通信部23は、NIC等のLANインタフェースである。ネットワーク通信部23は、USBホストコントローラ、USBポート等により構成されるUSBインタフェースであってもよい。また、ネットワーク通信部23は、有線インタフェースであってもよいし、無線インタフェースであってもよい。ネットワーク通信部23は、基地局20のネットワーク通信手段として機能する。ネットワーク通信部23は、制御部24の制御にしたがって、他の装置と通信する。
【0087】
制御部24は、基地局20の各部を制御するコントローラ(Controller)である。制御部24は、例えば、CPU、MPU、GPU等のプロセッサにより実現される。例えば、制御部24は、基地局20内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムを、プロセッサがRAM等を作業領域として実行することにより実現される。なお、制御部24は、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてもよい。CPU、MPU、GPU、ASIC、及びFPGAは何れもコントローラとみなすことができる。
【0088】
<2.4.端末装置の構成例>
図4を用いて、本開示の実施形態に係る端末装置10の構成例について説明する。図4は、本開示の実施形態に係る端末装置10の構成例を示すブロック図である。
【0089】
端末装置10は、基地局20と例えば無線通信する無線通信装置である。端末装置10は、例えば、携帯電話、スマートデバイス(スマートフォン、又はタブレット)、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータである。端末装置10は、無線を介してデータを送受信する機能を有するヘッドマウントディスプレイ(Head Mounted Display)やVRゴーグル等であってもよい。
【0090】
また、端末装置10は、他の端末装置10とサイドリンク通信が可能であってもよい。端末装置10は、サイドリンク通信を行う際、HARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)等の自動再送技術を使用可能であってもよい。端末装置10は、基地局20とNOMA(Non Orthogonal Multiple Access)通信が可能であってもよい。なお、端末装置10は、他の端末装置10との通信(サイドリンク)においてもNOMA通信が可能であってもよい。また、端末装置10は、他の通信装置(例えば、基地局20、及び他の端末装置10)とLPWA(Low Power Wide Area)通信が可能であってもよい。その他、端末装置10が使用する無線通信は、ミリ波を使った無線通信であってもよい。なお、端末装置10が使用する無線通信(サイドリンク通信を含む)は、電波を使った無線通信であってもよいし、赤外線や可視光を使った無線通信(光無線)であってもよい。
【0091】
端末装置10は、同時に複数の基地局20又は複数のセルと接続して通信を実施してもよい。例えば、1つの基地局20が複数のセルを提供できる場合、端末装置10は、あるセルをpCellとして使用し、他のセルをsCellとして使用することでキャリアアグリゲーションを実行することができる。また、複数の基地局20がそれぞれ1又は複数のセルを提供できる場合、端末装置10は、一方の基地局20(MN(例えば、MeNB又はMgNB))が管理する1又は複数のセルをpCell、又はpCellとsCell(s)として使用し、他方の基地局20(SN(例えば、SeNB又はSgNB))が管理する1又は複数のセルをpCell(PSCell)、又はpCell(PSCell)とsCell(s)として使用することでDC(Dual Connectivity)を実現することができる。DCはMC(Multi Connectivity)と称されてもよい。
【0092】
なお、異なる基地局20のセル(異なるセル識別子又は同一セル識別子を持つ複数セル)を介して通信エリアをサポートしている場合に、キャリアアグリゲーション(CA:Carrier Aggregation)技術やデュアルコネクティビティ(DC:Dual Connectivity)技術、マルチコネクティビティ(MC:Multi-Connectivity)技術によって、それら複数のセルを束ねて基地局20と端末装置10とで通信することが可能である。或いは、異なる基地局20のセルを介して、協調送受信(CoMP:Coordinated Multi-Point Transmission and Reception)技術によって、端末装置10とそれら複数の基地局20が通信することも可能である。
【0093】
端末装置10は、信号処理部11と、記憶部12と、ネットワーク通信部13と、入出力部14と、制御部15とを備える。なお、図4に示した構成は機能的な構成であり、ハードウェア構成はこれとは異なっていてもよい。また、端末装置10の機能は、複数の物理的に分離された構成に分散して実装されてもよい。
【0094】
信号処理部11は、他の無線通信装置(例えば、基地局20及び他の端末装置10)と無線通信するための通信部である。信号処理部11は、制御部15の制御に従って動作する。信号処理部11は1又は複数の無線アクセス方式に対応する無線トランシーバであってもよい。例えば、信号処理部11は、NR及びLTEの双方に対応する。信号処理部11は、NRやLTEに加えて、W-CDMAやcdma2000に対応していてもよい。また、信号処理部11は、NOMAを使った通信に対応していてもよい。
【0095】
信号処理部11は、受信処理部111と、送信処理部112と、アンテナ113と、を備える。信号処理部11は、受信処理部111、送信処理部112、及びアンテナ113をそれぞれ複数備えていてもよい。信号処理部11、受信処理部111、送信処理部112、及びアンテナ113の構成は、基地局20の信号処理部21、受信処理部211、送信処理部212、及びアンテナ214と同様である。
【0096】
記憶部12は、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、ハードディスク等のデータ読み書き可能な記憶装置である。記憶部12は、端末装置10の記憶手段として機能する。
【0097】
ネットワーク通信部13は、ネットワークを介して接続する他の装置と通信するための通信インタフェースである。例えば、ネットワーク通信部13は、NIC等のLANインタフェースである。ネットワーク通信部13は、有線インタフェースであってもよいし、無線インタフェースであってもよい。ネットワーク通信部13は、端末装置10のネットワーク通信手段として機能する。ネットワーク通信部13は、制御部15の制御に従って、他の装置と通信する。
【0098】
入出力部14は、ユーザーと情報をやりとりするためのユーザーインタフェースである。例えば、入出力部14は、キーボード、マウス、操作キー、タッチパネル等、ユーザーが各種操作を行うための操作装置である。又は、入出力部14は、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(Organic Electroluminescence Display)等の表示装置である。入出力部14は、スピーカー、ブザー等の音響装置であってもよい。また、入出力部14は、LED(Light Emitting Diode)ランプ等の点灯装置であってもよい。入出力部14は、端末装置10の入出力手段(入力手段、出力手段、操作手段又は通知手段)として機能する。例えば、端末装置10がセンサなどである場合、入出力部14が省略されてもよい。
【0099】
制御部15は、端末装置10の各部を制御するコントローラである。制御部15は、例えば、CPU、MPU、GPU等のプロセッサにより実現される。例えば、制御部15は、端末装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムを、プロセッサがRAM等を作業領域として実行することにより実現される。なお、制御部15は、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてもよい。CPU、MPU、GPU、ASIC、及びFPGAは何れもコントローラとみなすことができる。
【0100】
<<3.TSNの5GSへの適用>>
図5は、TSNの概要を示す図である。TSNでは、Talkerから送信されたパケットが、複数のブリッジ(以下、TSNブリッジともいう)を介してListenerに送信される。
【0101】
Talker及びListenerは、それぞれ、通信のエンドポイント(エンドステーション)となる装置又はアプリケーションである。例えば、Talker及びListenerは、サーバ又は端末装置であってもよいし、それらの装置が有するアプリケーションファンクションであってもよい。
【0102】
また、TSNブリッジは、TalkerとListenerとの間に配置されるネットワークである。TSNの機能を実現するため、TSNには、CUC(Centralized user configuration)と、CNC(Centralized network configuration)と、が配置される。
【0103】
CUCは、エンドポイントからの要求条件や設定を吸い上げ、それをCNCへ伝えるエンティティである。CNCは、TSNブリッジに対し、TSNの機能を実現するための各種指示を出すエンティティである。
【0104】
<3.1.5GSブリッジ(5G System Bridge)の構成>
5GSは、独立して、あるいは、他のシステムと連携してTime Sensitive通信(TSC)と時間同期を提供し得る。すなわち、5GSはTSNブリッジとして機能し得る。以下、TSNブリッジとして機能する5GSを5GSブリッジとも記載する。
【0105】
Time Sensitive通信のために、5GSは、以下の特徴をサポートする。
・Delay-critical GBR(Guaranteed Bit Rate)
・スケジュールされたトラフィックに対するHold and Forwardの仕組み
・TSCフロートラフィックの特徴を表現するTSC支援情報(TSCAI:TSC Assistance Information)
・5GSがPTP(Precision Time Protocol)リレー、Boundary Clock、又は、Transparent Clockとして動作するための方法を表現する時間同期
【0106】
Time Sensitive通信と時間同期を可能にするこれらの特徴をサポートするために、UE10は、PDUセッションの確立の際、常時接続(always-on)のPDUセッションを確立しなければならない。
【0107】
時間同期サービスを提供するために、5GSは、1つ、又は、複数のPTPインスタンスにおいて動作するように設定される。5GSは、それぞれのPTPインスタンスのために、以下のいずれかのモードで動作するように設定される。
・time-awareシステム
・Boundary Clock
・ピア・ツー・ピアのTransparent Clock
・エンド・ツー・エンドのTransparent Clock
【0108】
図6は、PTPインスタンスとしてモデル化される5GSの構成の一例を示す図である。図6では、5Gのクロック同期と(g)PTP(Generalized PTP/PTP)ドメイン同期の2つの同期システムが示される。なお、同図、及び、後述する図7は、文献「3GPP TS23.501」に示された図に基づいている。
【0109】
NG RAN(図6ではgNB20)同期のために、5G AS(Access Stratum)タイミング配信が用いられ、無線インタフェース上でUE10に対して提供される。(g)PTPドメイン同期は、(g)PTPネットワークのエンドステーションに同期サービスを提供する。2つの同期処理はそれぞれ独立していて、gNB20は、5G GM(Grand Master)53のクロックにのみ同期すればよい。
【0110】
5GSは、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers) Std 802.1AS、又はIEEE Std 1588準拠のエンティティとしてモデル化されている。
【0111】
5GSをTSNのブリッジとして機能させる場合、そこにTT(TSN translator)が配置される。TTは、TSNの設定等を5Gの内部の設定に変換するファンクションである。
【0112】
TTには、デバイスサイド(UE10とエンドステーションとの間)に配置されるDS-TT(Device-Side TSN Translator)51と、ネットワークサイドに配置されるNW-TT(Network-Side TSN Translator)52と、がある。なお、UE10がTSNのエンドポイントの装置となる場合、必ずしもDS-TT51は配置されなくてもよい。
【0113】
5GSの両端に配置されるDS-TT51とNW-TT52は、IEEE Std 802.1AS、又はIEEE Std 1588のプロファイルに従った動作をサポートする。
【0114】
UE10、gNB20、UPF330、NW-TT52、及びDS-TT51は、5Gの内部クロックである5G GM53と同期している。
【0115】
本構成により、5GSは、time-awareシステム、IEEE1588 Boundary Clock、又は、Transparent Clockとして扱われる。
【0116】
5GSがtime-awareシステムとして動作するように設定される場合、NW-TT52は、5GSに接続されるフォロワーPTPポート(Follower PTP Port)とのリンクの他端に位置するPTPポートのためにSync and Announceメッセージ間隔を決定しなくてはならない。つまり、この決定した周期で同期のためのSync and AnnounceメッセージがPTPポート間で交換される。
【0117】
5GSがBoundary Clockとして動作するように設定される場は、NW-TT52は、5GSのフォロワーポート(Follower Port)の設定に基づいて、Announce間隔を決定しなくてはならない。
【0118】
5GSは、レイヤ2のイーサネットブリッジとして動作し、例えば、IEEE準拠のTSN(Time Sensitive Network)と統合して、5GSの機能をTSNの1つ以上のブリッジとして動作させることができる。
【0119】
図7は、5GSブリッジの構成の一例を示す図である。5GSブリッジは、1つのUPF330_1側のNW-TT52_1のポート、UE10_1とUPF330_1との間のユーザープレーントンネル、DS-TT51_1側のポートで構成される。
【0120】
また、5GSブリッジは、複数のUE(UE10_1、UE10_2)と1つのUPF(UPF330_1)を介して複数の5GSブリッジを構成し得る。その際、UE10_1、UE10_2のそれぞれにDS-TT51_1、DS-TT51_2が設定される。
【0121】
また、5GSブリッジは、1つのUE(UE10_2)と複数のUPF(UPF330_1、UPF330_2)を介して複数の5GSブリッジを構成し得る。その際、UPF330_1、UPF330_2のそれぞれにNW-TT52_1、NW-TT52_2が設定され、UE10_2にDS-TT51_2、DS-TT51_3が設定される。
【0122】
TSNのそれぞれの5GSブリッジに対して、NW-TT52はTSNとの接続をサポートする。DS-TT51側のポートはTSNとの接続を提供するPDU(Protocol Data Unit)セッションに対応付けられる。
【0123】
5GSブリッジは、それぞれのネットワークインスタンス、又は、DNN(Data Network Name)/S-NSSAI(Single Network Slice Selection Assistance Information)に対して、UE10ごとに構築される。
【0124】
5GSのTSNブリッジのブリッジID(Identifier)は、UPF330のUPF IDに対応付けられる。ここで、ブリッジIDは、5GS内のブリッジインスタンスを識別する識別子であり、固有のブリッジMACアドレスから得られる。又は、このブリッジIDとして5GS内で使用される固有の値が設定されてもよい。
【0125】
TSN向けのAF308は、UPF330/NW-TT52側のポートの情報を保持し得る。UPF330/NW-TT52は、トラフィック転送情報に基づいてトラフィックを適切な出力ポートに転送する。
【0126】
TSN向けのAF308の視点では、5GSのTSNブリッジは、UPF330内に1つのNW-TT52を備える。そのNW-TT52はトラフィックの転送のための複数のポートを持ち得る。
【0127】
UPF330に対応するDS-TT51のポートごとに1つのPDUセッションが構築される。特定のUPF330を介して同一のTSNに接続される全てのPDUセッションは、1つの5GSブリッジにグループ化(例えば、Bridge A、Bridge B)される。
【0128】
UE10/DS-TT51側のポートのケイパビリティ、及び、UPF330/NW-TT52側のポートのケイパビリティは、5GSブリッジの設定の一部として統合される。統合されたケイパビリティは、TSN向けのAF308に通知され、TSNブリッジの登録、更新のためにCNC(図5参照)に転送される。
【0129】
TSNのスケジュールされたトラフィックを含むTSNに係るIEEE 802.1Qの特徴を5GSブリッジ上で提供するために、5GSは、以下の機能をサポートし得る。
・5GSにブリッジ情報を設定する機能
・PDUセッションを確立した後に5GSブリッジのブリッジ情報をTSNに報告する機能
・TSNからの設定を受信する機能
・効率的なtime-awareスケジューリングを行うために、TSNから取得した設定情報を対応するPDUセッションのQoS(Quality of Service)フローの5GS QoS情報にマッピングする機能
【0130】
また、5GSブリッジのブリッジ情報は、少なくとも以下の内容を含む。
・5GSブリッジのための情報
・ブリッジID
・ポートの数
・ポート番号のリスト
・5GSブリッジのケイパビリティに関する情報
・5GSブリッジの遅延、入力ポート番号、出力ポート番号、及びトラフィックのクラスを含んだトラフィックのクラス毎、ペアであるポート毎の5GSブリッジの遅延
・送信伝搬遅延、出力ポート番号を含んだポート毎の伝搬遅延(propagation delay)
・VLAN(Virtual Local Area Network)設定情報
・5GSブリッジのトポロジー
・LLDP(Link Layer Discovery Protocol)設定情報
・5GSブリッジのChassis ID Subtype、及びChassis ID
・それぞれのNW-TT52のポートとDS-TT51のポートのディスカバーされる隣接装置のLLDPディスカバリ情報
・ポート毎のトラフィックのクラスとそれらのプライオリティ
・PSFP(Per-Stream Filtering and Policing)をサポートするためのストリームパラメータ
・ブリッジによってサポートされるストリームフィルターインスタンスの最大数
・ブリッジによってサポートされるストリームゲートインスタンスの最大数
・オプションとして、ブリッジによってサポートされるフロー測定インスタンスの最大数
・ブリッジによってサポートされるAdminControlListLengthとOperControlListLengthパラメータの最大値
【0131】
<3.2.タイミング情報に関する処理>
5Gの内部クロックは、5GSの全てのユーザープレーンのノードで利用される。UPF330及びNW-TT52は、PTPに準拠したトランスポートネットワークを介して5Gの内部クロックを取得することができる。
【0132】
無線フレームの絶対タイミングに関連したタイミング情報を含むシグナリングを受信することによって、UE10は5Gの内部クロックを利用することができる。DS-TT51は、UE10を介して5Gの内部クロックを利用することができる。
【0133】
ここで、time-awareシステムとして動作するためにGM(Grand Master)クロックの各PTPインスタンスへ分配するための手順、及び、タイムスタンプを記録するための手順は、IEEE Std 802.1ASに準ずる。
【0134】
フォロワー状態(Follower state)においてNW-TT52は、ポートからダウンリンクのgPTPメッセージを受信する。受信すると、NW-TT52は、ダウンリンクの時間同期のために、それぞれのgPTPイベントメッセージ、つまり、Syncメッセージに対して入力のタイムスタンプを記録する。
【0135】
また、NW-TT52は、上流のTSNノードとなるNW-TT52に接続されたgPTPエンティティからのTSN GM(TSN Grand Master)時刻で表現されたリンク遅延を計算する。NW-TT52は、この計算に、1ステップのSyncメッセージ、又は2ステップのFollow_upメッセージ内で運ばれるgPTPメッセージのペイロード内で受信される累積レート比(cumulative rateRatio)を利用する。
【0136】
そして、NW-TT52は、新たな累積レート比を計算し、1ステップのSyncメッセージ、又は2ステップのFollow_upメッセージ内で運ばれるgPTPメッセージのペイロードを以下の手順で更新する。
1)NW-TT52は、上流のTSNノードからのTSN GM時刻でのリンク遅延を修正フィールド(correction field)に追加する。
2)NW-TT52は、TSNノードから受信した累積レート比を新たな累積レート比で置き換える。
3)NW-TT52は、gPTPパケットのサフィックスフィールドにTSiを追加する。
【0137】
UPF330/NW-TT52は、以下の情報を使用して、gPTPメッセージをNW-TT52のPTPインスタンスに割り当てる。
・NW-TT52の入力ポート番号
・受信したgPTPメッセージのドメイン番号(domainNumber)
・sdoId(Standards Development Organization Identifier)
【0138】
NW-TT52が対応するPTPインスタンスを持たないのであれば、UPF330/NW-TT52はメッセージを破棄する。
【0139】
UPF330/NW-TT52は、UE10がTSNとの間で確立したUPF330で終端されたPDUセッションを介して、TSNからPTPインスタンス内のリーダー状態(Leader state)のDS-TT51のPTPポートにgPTPメッセージを転送する。
【0140】
UPF330/NW-TT52は、PTPインスタンス内のリーダー状態のNW-TT52のPTPポートにgPTPメッセージを転送する。
【0141】
全てのgPTPメッセージは、滞留時間(residence time)の上限を満たすQoSフローで送信される。
【0142】
ここで、フォロワー(Follower)とリーダー(Leader)の関係は、マスター(Master)とスレイブ(Slave)の関係に対応する。
【0143】
ここで、DS-TT51のPTPポートがフォロワー状態で、NW-TT52のPTPポートがリーダー状態である、又は、DS-TT51のPTPポートがリーダー状態で、NW-TT52のPTPポートがフォロワー状態であるとする。この場合、UE10とDS-TT51との間での滞留時間、及び、QoSフローのパケット遅延許容時間の合計は、time-awareシステムのための滞留時間の上限未満である必要がある。
【0144】
DS-TT51のPTPポートがフォロワー状態で、もう1つのDS-TT51のPTPポートがリーダー状態であるとする。この場合、これら2つのDS-TT51のポートのための滞留時間、及び、2つのPDUセッションのQoSフローのパケット遅延許容時間の合計は、time-awareシステムのための滞留時間の上限未満である必要がある。
【0145】
UE10は、gPTPメッセージを受信して、DS-TT51にそれらを転送する。DS-TT51は、外部TSNドメインのgPTPイベントメッセージ、つまり、Syncメッセージのための出力タイムスタンプ(TSe)を生成する。TSiとTSeの差分は、このgPTPメッセージに対する5GS時刻で表現された5GSでの滞留時間と考えることができる。
【0146】
DS-TT51は、5GSでの滞留時間をTSN GMに変換する。そのために、DS-TT51は、1ステップのSyncメッセージ、又は、2ステップのFollow_upメッセージ内で運ばれるgPTPメッセージのペイロード内で受信される累積レート比(cumulative rateRatio)を利用する。DS-TT51は、DS-TT51に接続されたgPTPエンティティとなる下流のTSNノードに送信するgPTPメッセージのペイロードを以下の手順で更新する。
1)DS-TT51は、算出されたTSN GM時刻での滞留時間を修正フィールドに追加する。
2)DS-TT51は、TSiを含むサフィックスフィールドを削除する。
【0147】
入力DS-TT51が、IEEE Std 802.1ASのPTPプロファイルのサポートを通知すると、ネットワークはその入力DS-TT51に対するPTPプロファイルでPTPインスタンスを設定する。この場合、入力DS-TT51は、受信されたPTPインスタンスのためのアップリンクのgPTPメッセージに対して以下の手順で処理を実行する。
1)入力DS-TT51は、DS-TT51に接続されたgPTPエンティティとなる上流のTSNノードからのTSN GM時刻でのリンク遅延を修正フィールドに追加する。
2)入力DS-TT51は、DS-TT51に接続された上流のTSNノードから受信された累積レート比を新たな累積レート比で更新する。
3)入力DS-TT51は、gPTPパケットのサフィックスフィールドにTSiを追加する。
【0148】
UE10は、DS-TT51からUPF330/NW-TT52にgPTPメッセージを透過的に転送する。
【0149】
入力DS-TT51のポートがパッシブ状態(Passive state)である場合、UPF330/NW-TT52はgPTPメッセージを破棄する。
【0150】
入力DS-TT51のポートがフォロワー状態である場合、gPTPメッセージを以下の手順で転送する。
1)NW-TT52の後段の終端局(end station)と同期する場合、出力ポートはUPF330/NW-TT52となる。
2)受信されたアップリンクのgPTPメッセージに対して、出力UPF330/NW-TT52は、以下の動作を実行する。
2-1)出力UPF330/NW-TT52は、算出されたTSN GM時刻での滞留時間を修正フィールドに追加する。
2-2)出力UPF330/NW-TT52は、TSiを含むサフィックスフィールドを削除する。
2-3)DS-TT51の後段の終端局と同期する場合、出力TTは別のUE10のDS-TT51である。この場合、UPF330/NW-TT52は、入力DS-TT51のポート番号及びgPTPメッセージをNW-TT52のPTPインスタンスに割り当てるために受信したgPTPメッセージのドメイン番号、及びsdoIdを使用する。
2-4)NW-TT52が対応するPTPインスタンスを持たない場合、UPF330/NW-TT52は、メッセージを破棄する。
2-5)UPF330/NW-TT52は、受信したアップリンクのgPTPメッセージをPTPインスタンスのリーダー状態のDS-TT51のPTPポートに転送する。出力DS-TT51は、前述の出力UPF330/NW-TT52と同じ動作を実行する。
【0151】
また、GMクロックが外部クロックである場合のTransparent Clock、及び、Boundary Clockとして動作するためにGMクロックを各PTPインスタンスへ分配する手順及びタイムスタンプを記録するための手順は、IEEE Std 1588に準ずる。
【0152】
上流のPTPインスタンスからPTPイベントメッセージを受信すると、NW-TT52、又は、DS-TT51の入力TTは、各PTPイベントメッセージ、つまり、Syncメッセージに対して入力タイムスタンプ(TSi)を記録する。
【0153】
入力TTのPTPポートは、上流のPTPインスタンスからのリンク遅延を測定し、1ステップのSyncメッセージ、又は2ステップのFollow_upメッセージ内で運ばれるPTPメッセージのペイロードを以下の手順で更新する。
1)入力TTのPTPポートは、測定済みのリンク遅延を持っているなら、上流のPTPインスタンスからのPTP GM時刻で測定されたリンク遅延を修正フィールドに追加する。
2)入力TTのPTPポートは、測定済みのリンク遅延を持っており、かつ、レート比(rateRatio)を用いることができる場合、上流のPTPインスタンスから受信した累積レート比(cumulative rateRatio)を新たな累積レート比で更新する。
3)入力TTのPTPポートは、PTPメッセージのサフィックスフィールドにTSiを追加する。
【0154】
5GSがエンド・ツー・エンドのTransparent Clockとして動作する場合、PTP GM時刻での滞留時間は、5G GM時刻での5GSでの滞留時間(及び、必要であれば、補正係数)を使って計算される。これは、エンド・ツー・エンドのTransparent Clockは、ピア・ツー・ピアの遅延の仕組みをサポートしていないためである。
【0155】
このPTP GM時刻での滞留時間は、受信したPTP Sync、又はFollow_upメッセージの修正フィールドを更新するために使用される。
【0156】
入力TTのPTPポートは、PTPメッセージをUPF330/NW-TT52に転送する。UPF330/NW-TT52は、さらに、PTPメッセージを以下の手順で分配する。
1)5GSがBoundary Clockとして動作するように設定されるならば、
1-1)UPF330/NW-TT52は、以下の情報を使用して、入力のDS-TT51のポート番号、及び、PTPメッセージをNW-TT52のPTPインスタンスに割り当てる。
・受信したPTPメッセージのドメイン番号
・sdoId
1-2)NW-TT52が対応するPTPインスタンスを持たない場合、UPF330/NW-TT52は、メッセージを破棄する。
1-3)UPF330/NW-TT52は、Syncメッセージ、及び、2ステップ動作のためのFollow_upメッセージを生成する。UPF330/NW-TT52は、PTPインスタンスのNW-TT52とDS-TT51のリーダー状態のポートで受信されたSync、及びFollow_upメッセージに基づき、これらのメッセージを生成する。
2)UPF330/NW-TT52は、PTPインスタンスのNW-TT52のリーダーポートに関連するPDUセッションに、再生成されたSyncメッセージ、及び、2ステップ動作のためのFollow_upメッセージを転送する。また、UPF330/NW-TT52は、DS-TT51のリーダーポートに関連するPDUセッションに、再生成されたSyncメッセージ、及び、2ステップ動作のためのFollow_upメッセージを転送する。
3)5GSがTransparent Clockとして動作するように設定されるならば、
3-1)UPF330/NW-TT52は、以下の情報を使用して、入力TTのポート番号、及び、PTPメッセージをNW-TT52のPTPインスタンスに割り当てる。
・受信したPTPメッセージのドメイン番号(domainNumber)
・sdoId
3-2)NW-TT52が対応するPTPインスタンスを持たない場合、UPF330/NW-TT52は、メッセージを破棄する。
3-3)UPF330/NW-TT52は、入力TTの入力PTPポートを除いて、PTPインスタンスのDS-TT51のPTPポート、及び、PTPインスタンスのNW-TT52のポートに、受信したSyncメッセージを転送する。UPF330/NW-TT52は、UPF330で終端された対応するPDUセッションを介して、受信したSyncメッセージを転送する。
【0157】
出力TTのPTPポートは、外部PTPネットワークに対するPTPイベントメッセージ、つまり、Syncメッセージのためのタイムスタンプ(TSe)を生成する。TSiとTSeとの差分は、このPTPメッセージに対する5GS時刻で表現された5GSでの滞留時間と考えることができる。
【0158】
出力TTのPTPポートは、利用可能であれば、レート比(rateRatio)を利用して5GSでの滞留時間をPTP GM時刻に変換する。このレート比は、1ステップのSyncメッセージ、又は2ステップのFollow_upメッセージ内で運ばれるPTPメッセージのペイロード内に含まれる。
【0159】
出力TTのPTPポートは、下流のPTPインスタンスに送信する、1ステップのSyncメッセージ、又は2ステップのFollow_upメッセージであるPTPメッセージのペイロードを以下の手順で更新する。
1)出力TTのPTPポートは、算出された滞留時間を修正フィールドに追加する。
2)出力TTのPTPポートは、TSiを含むPTPメッセージのサフィックスフィールドを削除する。
【0160】
<3.3.TSC支援情報>
5GSは、特性があらかじめ決まっているトラフィックが決められたスケジュールされるディタミニスティック通信をサポートすることができる。
【0161】
ディタミニスティック通信では、アップリンク方向、及び、ダウンリンク方向のトラフィックに対するgNB20の入力インタフェース、及び、UE10の出力インタフェースでのTSCフロートラフィックの特性を記述したTSC支援情報が提供される。
【0162】
TSC支援情報には、アップリンク、又は、ダウンリンクのTSCフローの方向を示すフロー方向(Flow Direction)、及び、データバースト(Data Burst)の周期(Periodicity)が含まれる。
【0163】
さらに、TSC支援情報には、オプションとして、バースト到達時間(Burst Arrival Time)、及び、生存時間(Survival Time)が含まれる。
【0164】
ダウンリンクのフロー方向の場合、バースト到達時間は、データバーストの最初のパケットがRAN20の入力に届く際の可能な限り遅い時間として定義される。また、アップリンクのフロー方向の場合、バースト到達時間は、UE10の出力インタフェースに届く際の可能な限り遅い時間として定義される。
【0165】
生存時間(Survival Time)は、通信サービスを処理するアプリケーションが予期されるメッセージを受信することなしに動作を続けることができる期間として定義される。生存期間は、バースト到達時間から開始される期間であり、データバーストの周期より短い。
【0166】
ここで、データバーストは、短い期間内にアプリケーションによって生成、送信される複数のPDUを含むセットである。
【0167】
SMF306が、NG-(R)AN20にTSC支援情報を提供するのであれば、NG-(R)AN20は、このTSC支援情報を使用することができる。NG-(R)AN20は、このTSC支援情報からTSCのトラフィックパターンを知ることができる。これにより、NG-(R)AN20は、以下の少なくとも1つを使って、ディタミニスティックなトラフィックパターンのQoSフローを効率よくスケジューリングすることができる。
・CG
・SPS
・ダイナミックスケジューリング
・DG(Dynamic Grant)
【0168】
TSCTSF312は、AF308又はNEF302から提供される情報に基づいてTSC支援コンテナ(TSC Assistance Container)を生成する。TSCTSF312は、IP型、及び、イーサネット型のPDUセッションのためにPCF305にTSC支援コンテナを提供する。
【0169】
ここで、AF308又はNEF302から提供される情報は、例えば、フロー方向(Flow Direction)、最大バーストサイズ(Maximum Burst Size)、及び、データバーストの周期(Periodicity)を含む。
【0170】
また、ダウンリンクのフロー方向の場合、AF308又はNEF302から提供される情報は、例えば、オプションとして、UPF330/NW-TT52でのバースト到達時間、生存時間、及び、時間領域を含む。
【0171】
アップリンクのフロー方向の場合、AF308又はNEF302から提供される情報は、例えば、オプションとして、UE10/DS-TT51でのバースト到達時間、生存時間、及び、時間領域を含む。
【0172】
ここで、時間領域は、GMクロックに対応する5GS、TSN、PTP等である。時間領域が提供されない場合、TSCTSF312は、TSC支援コンテナの時間領域として5GSを設定する。なお、TSC支援コンテナには、TSC支援情報の生成に必要な情報が含まれている。
【0173】
TSC支援コンテナには、バースト到達時間が含まれる。このバースト到達時間は、データバーストの最初のパケットが5GSの入力ポートに届く時間として定義される。5GSの入力ポートは、例えば、ダウンリンクのフロー方向の場合、UPF330/NW-TT52であり、アップリンクのフロー方向の場合、UE10/DS-TT51である。
【0174】
IEEE準拠のTSNと統合される場合、TSN AF308がTSC支援コンテナを生成する。この場合、TSN AF308は、イーサネット型のPDUセッションのために、PCF305にTSC支援コンテナを提供する。
【0175】
PCF305は、TSCTSF312、又は、TSN AF308からTSC支援コンテナを取得する。PCF305は、PCC(Policy and Charging Control)ルールの一部として、SMF306にTSC支援コンテナを転送する。
【0176】
ここで、PCCルールは、サービスデータフローの検知を可能にする情報、ポリシー制御、課金制御及び/又は他の制御のためのパラメータを提供する情報、及び、サポート情報の少なくとも1で構成される情報のセットである。
【0177】
SMF306は、TSC支援コンテナを含むPCCルールをQoSフローに対応付ける。SMF306は、TSC支援コンテナを使用して、QoSフローのためのTSC支援情報を取得する。SMF306は、取得したTSC支援情報をNG-(R)AN20に送信する。
【0178】
ここで、TSC支援情報の要素であるデータバーストの周期、バースト到達時間、生存時間は、5Gクロックを基準としてSMF306によって指定される。SMF306は、UPF330によって測定、報告される外部クロックと5Gのクロック間の時間オフセット、累積レート比に基づいて、バースト到達時間とデータバーストの周期を外部クロックから5Gのクロックに対応させる。
【0179】
<3.4.5GSのQoS制御>
図8は、5GSのQoSアーキテクチャの一例を示す図である。同図は、文献「3GPP TS38.300」に示された図に基づいている。
【0180】
NAS(Non-Access Stratum)レベルにおいて、QoSフローは、PDU(Protocol Data Unit)セッション内で異なるQoSを区別する際の最も細かい粒度である。PDUセッション内において、QoSフローはQFI(QoS Flow ID)によって識別される。
【0181】
また、XR(Extended Reality)やメディアサービスでは、パケットの一群(グループ)はPDUセット(PDU Set)のペイロードを使って伝送される。PDUセットは、アプリケーションレベルで生成される情報単位のペイロードを伝送する1つ以上のPDUで構成される。この情報単位として、例えば、画像フレーム、XRやメディアサービスのビデオスライス(Video Slice)、GOP(Group of Picture)の形式の動画データのIフレーム、Pフレーム、及び、Bフレーム等が挙げられる。さらに、XRのように複数の種類のデータを扱うマルチモーダルアプリケーション(multimodal application)において、複数の種類のデータ(例えば、ポーズ情報、音声情報、映像情報等)のそれぞれが情報単位とされてもよい。
【0182】
すなわち、PDUセット内のパケットは、ある期間内に受信されてデコードされるべきデータの単位として扱われる。例えば、画像フレームやビデオスライスを伝送する全てのパケット、又は、ある程度の量のパケットの受信に成功した場合にのみ、デコードするようにしてもよい。例えば、GOP内の画像フレームは、依存関係のある全ての画像フレームの受信に成功した場合にのみ、デコードされ得る。
【0183】
5GSは、QoS制御の観点で最も細かい粒度となるQoSフローの中で、PDUセットによってより細かい粒度でデータを識別することができる。5GSは、QoSフローレベルのQoS制御に加えて、PDUセットレベルのQoS制御を適用することができる。
【0184】
SMF306は、QoSとサービス要求に基づいてQoSフローへのPCCルールの関連付けを行う。SMF306は、新たなQoSフローに対してQFIを割り当て、PCF305からQoSフローに関連付けされたPCCルールとその他情報を取得する。
【0185】
SMF306は、このPCCルールからそのQoSフローのQoSプロファイル、対応するUPF330に関する指示(例えば、N4ルール)、及び、QoSルール(QoS Rule)を取得する。
【0186】
(R)AN20の基地局(gNB)は、各UE10との間で、PDUセッションと共に少なくとも1つのDRB(Data Radio Bearer)を確立することができる。DRBは、データを伝送するための論理的なパスである。
【0187】
5GのQoSモデルでは、帯域保証されるGBR(Guaranteed flow Bit Rate)と、帯域保証されないNon―GBR(Non-Guaranteed flow Bit Rate)とがサポートされている。さらに、TSC QoSフローに対しては、Delay-critical GBRがサポートされている。
【0188】
(R)AN20及び5GC30は、各パケットを適切なQoSフロー及びDRBにマッピングすることにより、サービス品質を保証する。すなわち、NASにおけるIPフローとQoSフローとのマッピング、及び、ASにおけるQoSフローとDRBとのマッピングという、2段階のマッピングが行われる。
【0189】
NASレベルにおいて、QoSフローは、5GC30から(R)AN20に提供されるQoSプロファイル(QoS Profile)と、5GC30からUE10に提供されるQoSルール(QoS Rule)と、によって特徴付けられる。
【0190】
QoSプロファイルは、(R)AN20が無線インタフェース上の処理方法を決定するために用いられる。QoSルールは、アップリンクにおけるユーザープレーンのトラフィックと、QoSフローと、のマッピングをUE10に指示するために用いられる。
【0191】
よって、マルチキャストMBS(Multicast/Broadcast Service)セッションに対して、MBS QoSフローのQoSルール、及び、QoSフローレベルのQoSパラメータはUE10には提供されない。
【0192】
QoSプロファイルは、SMF306からAMF301及びリファレンスポイントN2を介して、(R)AN20に提供されるか、あるいは、予め(R)AN20に設定される。
【0193】
また、SMF306は、1つ以上のQoSルールと、必要に応じて当該QoSルールに関連するQoSフローレベルのQoSパラメータと、をAMF301及びリファレンスポイントN1を介して、UE10に提供することができる。
【0194】
これに加えて、あるいは、これに代えて、UE10に対して、リフレクティブQoS(Reflective QoS)制御が適用され得る。リフレクティブQoS制御は、ダウンリンクのパケットのQFIをモニターして、アップリンクのパケットに対して同じマッピングを適用するQoS制御である。
【0195】
QoSフローは、QoSプロファイルに依存して、GBR QoSフロー、又は、Non-GBR QoSフローとなる。QoSフローのQoSプロファイルは、例えば、5QI(5G QoS Identifier)及びARP(Allocation and Retention Priority)等のQoSパラメータを含む。
【0196】
ARPは、優先度(Priority Level)、プリエンプション能力(Pre-emption Capability)、及び、プリエンプション脆弱性(Pre-emption Vulnerability)に関する情報を含む。
【0197】
優先度は、QoSフローの相対的な重要度を定義するものである。優先度(Priority Level)の最も小さな値が最も優先させることを示す。
【0198】
プリエンプション能力は、あるQoSフローが他のより優先度の低いQoSフローに既に割り当てられているリソースを奪い取ることができるか否かを定義する指標である。プリエンプション脆弱性は、あるQoSフローが自身に割り当てられているリソースを他のより優先度の高いQoSフローに明け渡すことができるか否かを定義する指標である。
【0199】
プリエンプション能力及びプリエンプション脆弱性には、「enabled」又は「disabled」のいずれかが設定される。
【0200】
GBR QoSフローにおいて、QoSプロファイルは、
・アップリンク及びダウンリンクのGFBR
・アップリンク及びダウンリンクのMFBR(Maximum Flow Bit Rate)
・アップリンク及びダウンリンクの最大パケット損失率(Maximum Packet Loss Rate)
・遅延クリティカルリソースタイプ(Delay Critical Resource Type)、及び、
・通知コントロール(Notification Control)
等を含んでいる。
【0201】
Non-GBR QoSフローにおいて、QoSプロファイルは、RQA(Reflective QoS Attribute)、及び、追加のQoSフロー情報(Additional QoS Flow Information)等を含んでいる。
【0202】
QoSパラメータの通知コントロールは、あるQoSフローがGFBRを満たせない時に、(R)AN20からの通知が要求されるか否かを示すものである。あるGBR QoSフローについて、通知コントロールが「enabled」であり、かつ、GFBRを満たせないと判断された場合には、(R)AN20は、その旨の通知をSMF306に送信する。
【0203】
その際、(R)AN20が当該GBR QoSフローのRANリソースの解放を要求する特別な状態でない限り、(R)AN20は、当該QoSフローを維持しなければならない。特別な状態として、例えば、無線リンク障害(Radio Link Failure)又はRAN内部での輻輳(RAN Internal Congestion)が挙げられる。
【0204】
そして、当該QoSフローについて、再びGFBRが満たされると判断された場合には、(R)AN20は、その旨の新たな通知をSMF306に送信する。
【0205】
AMBR(Aggregate Maximum Bit Rate)は、各PDUセッションのSession-AMBRとそれぞれのUE10のUE-AMBRと関係している。Session-AMBRは、特定のPDUセッションに対する全てのNon-GBR QoSフローにわたって提供されると期待される総ビットレート(Aggregate Bit Rate)を制限し、UPF330によって管理される。
【0206】
UE-AMBRは、あるUE10に対する全てのNon-GBRのQoSフローにわたって提供されると期待される総ビットレート(Aggregate Bit Rate)を制限し、(R)AN20によって管理される。
【0207】
また、各UE10には、ネットワークスライス(S-NSSAI)に関するS-MBR(Slice Maximum Bit Rate)を設定するようにしてもよい。S-MBRは、Subscribed UE-Slice-MBRとして契約者情報に含めるようにしてもよい。
【0208】
UE-Slice-MBRは、同一のネットワークスライス(S-NSSAI)のためにUE10が確立する全てのPDUセッションに属する全てのGBR、及び、Non-GBRのQoSフローにわたって提供されると期待される総ビットレート(Aggregate Bit Rate)を制限する。
【0209】
(R)AN20は、AMF301からネットワークスライス(S-NSSAI)に対応するUE-Slice-MBRを受信する。(R)AN20は、このネットワークスライス(S-NSSAI)に属する全てのPDUセッションのSession-AMBRとGBR QoSフローのMFBRの総計がUE-Slice-MBRとなるようにUE10に対するSession-AMBRとMFBRを設定する。
【0210】
5QIは、QoSの特徴に関するものであり、各QoSフローに対して、ノード固有のパラメータを設定するための指針(ポリシー)を提供する。標準化された、又は、予め設定された5GのQoSの特徴は、5QIから知ることができ、明示的なシグナリングは行われない。シグナリングされるQoSの特徴は、QoSプロファイルの一部として含めることができる。
【0211】
QoSの特徴は、リソースタイプ(Resource Type)、優先度(Priority)、パケット遅延許容時間(Packet Delay Budget)、パケットエラーレート(Packet Error Rate)、平均ウィンドウ(Averaging Window)、及び、最大データバースト量(Maximum Data Burst Volume)等に関する情報を含む。
【0212】
リソースタイプは、GBR QoSフロー、Non-GBR QoSフロー、又は、Delay-critical GBR QoSフローである。パケット遅延許容時間は、5GC30におけるパケット遅延許容時間を含んでもよい。
【0213】
ASレベルにおいて、DRBは、無線インタフェース(Uuインタフェース)におけるパケット処理方法を定義する。DRBは、任意のパケットに対して同一のパケット転送処理を提供する。
【0214】
(R)AN20は、QFIと当該QFIに設定されるQoSプロファイルとに基づいて、QoSフローをDRBにマッピングする。(R)AN20は、異なるパケット転送処理を要求するパケットに対して、異なるDRBを確立することができる(図8参照)。
【0215】
また、(R)AN20は、同一のPDUセッションに属する複数のQoSフローを同一のDRBに多重化することもできる(図8参照)。
【0216】
アップリンクにおいて、QoSフローのDRBへのマッピングは、2つの異なる方法でシグナリングされるマッピングルールによって制御される。
【0217】
1つの方法は、リフレクティブマッピング(Reflective Mapping)と呼ばれる方法である。リフレクティブマッピングでは、UE10は、各DRBに対して、ダウンリンクのパケットのQFIをモニターして、アップリンクのパケットに対して同じマッピングを適用する。
【0218】
もう1つの方法は、明示的設定(Explicit Configuration)と呼ばれる方法である。明示的設定では、QoSフローのDRBへのマッピングルールは、RRC(Radio Resource Control)によって明示的にシグナリングされる。
【0219】
ダウンリンクにおいて、QFIは、RQoS(Reflective Quality of Service)のために、(R)AN20によってUuインタフェース上でシグナリングされる。しかしながら、(R)AN20もNASも、あるDRBで運ばれるQoSフローのためにリフレクティブマッピングを使用するのでなければ、Uuインタフェース上で当該DRBのためのQFIをシグナリングしない。
【0220】
アップリンクにおいて、(R)AN20は、Uuインタフェース上でUE10に向けてQFIをシグナリングすることを設定することができる。また、(R)AN20は、各PDUセッションについて、デフォルトDRBを設定することができる。アップリンクパケットが、明示的設定にもリフレクティブマッピングにも適応しない場合には、UE10は、当該パケットをPDUセッションのデフォルトDRBにマッピングする。
【0221】
Non-GBR QoSフローについて、5GC30は、任意のQoSフローに関連する追加のQoSフロー情報パラメータを(R)AN20に送信してもよい。これは、同じPDUセッション内の他のNon-GBR QoSフローに比べて、あるトラフィックの頻度を増やすことを指示するために行われる。
【0222】
PDUセッション内の複数のQoSフローを1つのDRBにどのようにマッピングするかは、(R)AN20次第である。例えば、(R)AN20は、GBR QoSフローとNon-GBR QoSフローとを、同じDRBにマッピングしてもよいし、別々のDRBにマッピングしてもよい。また、(R)AN20は、複数のGBR QoSフローを同じDRBにマッピングしてもよいし、別々のDRBにマッピングしてもよい。
【0223】
5G NRでは、QoSフローを介したQoS制御のために、SDAP(Service Data Adaptation Protocol)サブレイヤが新たに導入されている。SDAPサブレイヤによって、QoSフローのトラフィックが適切なDRBにマッピングされる。SDAPサブレイヤは複数のSDAPエンティティを有することができる。SDAPサブレイヤは、Uuインタフェース上のPDUセッション毎にSDAPエンティティを有する。SDAPエンティティの確立又は解放は、RRCによって行われる。
【0224】
QoSフローは、GTP(GPRS Tunneling Protocol)-Uヘッダーに含まれるPDUセッションコンテナ中のQFIによって識別される。PDUセッションは、GTP-UTEID(Tunnel Endpoint ID)によって識別される。SDAPサブレイヤは、各QoSフローを特定のDRBにマッピングする。
【0225】
PCF305は、AF308からQoSモニタリングの要求を受信すると、オーソライズされたQoSモニタリングポリシーを生成し、PCCルールに含めることによって、QoSモニタリングポリシーをSMF306に提供することができる。
【0226】
SMF306は、PDUセッションの確立手順の間、あるいは、PDUセッションの変更手順の間に、QoSフローについて、UE10とPSA-UPF330との間におけるエンド・ツー・エンドのUL(UpLink)/DLパケット(DownLink)の遅延測定をアクティベートすることができる。
【0227】
SMF306は、リファレンスポイントN4を介して、QoSモニタリング要求をUPF330に送信し、UPF330と(R)AN20との間のQoSモニタリングを要求するために、N2シグナリングを送信する。
【0228】
SMF306は、PCF305から受信されるQoSモニタリングポリシー、あるいは、予めローカルに設定されているオーソライズされたQoSモニタリングポリシーに基づき、QoSモニタリングを要求する。QoSモニタリングの要求には、SMF306によって決定されたモニタリング変数が含まれる。
【0229】
(R)AN20は、当該(R)AN20部分におけるUL/DLパケットの遅延を測定し、リファレンスポイントN3を介して、測定値をUPF330に提供する。
【0230】
UPF330は、リファレンスポイントN3又はN9におけるUL/DLパケットの遅延を計算する。UPF330は、QoSモニタリング結果を、所定の条件に基づいてSMF306に送信する。ここで、所定の条件は、例えば、1度のみ、周期的、あるいは、イベントトリガである。
【0231】
また、UPF330は、ローカルに配置されたNEF302を介して、AF308へのQoSモニタリング結果の送信をサポートすることができる。ここで、QoSモニタリング結果は、例えば、
・対象のPDUセッションの各GBR QoSフローのビットレート(例えば、平均ビットレート、最大ビットレート)の測定結果
・対象のPDUセッションの全てのNon-GBR QoSフローの総ビットレートの測定結果
・対象のPDUセッションのパケットエラーレートの測定結果
・対象のUE10の全てのNon-GBRのQoSフロー総ビットレートの測定結果
・対象のUE10のパケットエラーレートの測定結果
・UL/DLパケットの遅延の測定結果
等である。
【0232】
UL/DLパケットの遅延は、(R)AN20から取得された当該(R)AN20部分におけるUL/DLパケットの遅延と、リファレンスポイントN3又はN9におけるUL/DLパケットの遅延と、を含めた遅延である。
【0233】
また、PDUセッションがTSNブリッジを介したセッションである場合、TSC QoSフローに対するパケット遅延許容時間は、5G-AN PDB(Packet Delay Budget)とCN(Core Network) PDBとの総和となる。
【0234】
TSC QoSフローに対しても、UE10とPSA-UPF330との間におけるビットレート(例えば、平均ビットレート、最大ビットレート)の測定、及び、エンド・ツー・エンドのUL/DLパケットの遅延測定のために、上述のQoSモニタリングの仕組みが適用され得る。
【0235】
TSC QoSフローは、Delay-critical GBRのリソースタイプとTSC支援情報を使用する。TSC QoSフローは、標準化された5QI、あらかじめ設定されている5QI、又は動的に割り当てられた5QIの値を使用することができる。
【0236】
TSC QoSフローに対しては、5G-AN PDB内で最大データバースト量を有する1つのデータバーストを送信することが要求される。最大データバースト量を設定するためにTSCバーストサイズ(TSC Burst Size)が用いられる。最大TSCバーストサイズは、5QIの5G-AN PDBの値に等しい期間内のデータの最大量として扱われる。TSCバーストサイズの最大値は、それと等しい、又は、それ以上の最大データバースト量を有する5QIにマッピングされる。
【0237】
また、PDUセットに対して、PDUセット遅延許容時間(PSDB:PDU Set Delay Budget)とPDUセットエラーレート(PSER:PDU Set Error Rate)が適用されてもよい。
【0238】
PDUセット遅延許容時間は、UE10とUPF330のN6インタフェースの終端点との間でのPDUセットの伝送時に生じる遅延の上限を定義するものである。つまり、PDUセット遅延許容時間は、PDUセットの最初のPDUを受信してから最後に到着するPDUの伝送に成功するまでの時間である。
【0239】
PDUセットエラーレートは、リンクレイヤ(例えば、RAN20のRLCサブレイヤ)で処理されたPDUセットに対して上位レイヤ(例えば、RAN20のPDCPサブレイヤ)での受信に成功しなかったPDUセットの割合の上限を定義するものである。Delay-critical GBRのリソースタイプを持つGBR QoSフローに対して、PDUセット遅延許容時間を超えて遅延したPDUセットは、消失したものとしてカウントされ、QoSフローがGFBRを超えていない限り、PDUセットエラーレートに含められる。
【0240】
<3.5.Hold and Forwardの仕組み>
5GSが、TSNと統合してブリッジとして動作している場合、DS-TT51及びNW-TT52は、スケジュールされたトラフィックに対して、つまり、ディタミニスティック通信においてHold and Forwardの仕組みをサポートする。
【0241】
Hold and Forwardの仕組みは、例えば、IEEE Std 802.1Qに準拠した保護ウィンドウ(protected window)を設定された最大8つのキューを使ったトラフィックの優先制御の仕組みである。
【0242】
図9は、ゲートコントロールされるタイムスロットごとの各キューの設定の一例を示す図である。
【0243】
例えば、DS-TT51及びNW-TT52は、ゲートコントロールリストを使って、各タイムスロットの期間と、タイムスロットごとに各キューのデータをゲートでパスするか、又は、ブロックするかを設定する。つまり、DS-TT51及びNW-TT52は、タイムスロットごとに各キューの通信の可否を制御することができる。
【0244】
図10は、通信の可否を制御するタイムスロットの設定の一例を示す図である。ここでは、制御の対象となるUPF330が、Queue 7、Queue 6、Queue 3、及びQueue 0に割り当てられたトラフィックを処理している状態の例を示す。
【0245】
SMF306、又は、TSCTSF312は、PCF305から取得するポリシーに従ってゲートコントロールリストを生成する。
【0246】
図10に示すように、SMF306、又は、TSCTSF312は、ゲートコントロールの周期内(Tcycle)で、Queue 7、Queue 6、Queue 3、及び、Queue 0の各キューにタイムスロット(TS1、TS2、TS3、TS4)を割り当てる。
【0247】
UPF330と接続されたNW-TT52(又は、UPF330内の機能として設置されているNW-TT52)は、SMF306、又は、TSCTSF312からゲートコントロールリストを取得する。NW-TT52は、UPF330におけるユーザープレーンのデータの転送処理を制御する。
【0248】
UPF330は、ゲートコントロールの1周期の先頭のTS1の期間内にQueue 7に割り当てられたデータの転送を処理する。UPF330は、続くTS2の期間内にQueue 6に割り当てられたデータの転送を処理する。UPF330は、TS3の期間内でQueue 3に割り当てられたデータの転送を処理する。UPF330は、TS4の期間内でQueue 0に割り当てられたデータの転送を処理する。このように、UPF330は、各キューに割り当てられたデータの転送をシーケンシャルに処理する。
【0249】
SMF306、又は、TSCTSF312は、同一の周期のトラフィックに対して1つのゲートコントロールリストを生成する。また、複数の周期が整数倍の関係であれば、異なる複数の周期のトラフィックに対して1つのゲートコントロールリストを生成することができる。
【0250】
あるいは、SMF306、又は、TSCTSF312が、異なる複数の周期のトラフィックに対して、それぞれゲートコントロールリストを生成してもよい。複数のゲートコントロールリストを生成する場合、SMF306は、ゲートコントロールリストごとに異なるUPF330を割り当ててもよい。つまり、各UPF330は、1つのゲートコントロールリストに従ってユーザープレーンのデータの転送処理を制御することができる。
【0251】
さらに、複数のゲートコントロールリストに対して複数のUPF330がそれぞれ割り当てられた場合、SMF306は、各UPF330とRAN20との間の接続のためにトランスポートレイヤを分割してもよい。この場合、SMF306は、分割されたトランスポートレイヤに識別子(Identifier)を割り当て得る。
【0252】
各UPF330とRAN20との間に確立されるセッション、例えば、PDUセッションにはゲートコントロールリストとトランスポートレイヤの識別子がそれぞれマッピングされる。
【0253】
<3.6.SPSとCGの設定>
RAN20を構成する基地局(例えば、gNB)は、RRCを介してSPS-Config及びConfiguredGrantConfigを端末装置(例えば、UE10)に設定することができる。例えば、基地局は、RRC再構成(RRCReconfiguration)メッセージにSPS-Config及びConfiguredGrantConfigを含めて送信することで端末装置に設定する。
【0254】
SPS-Configは、ダウンリンクのセミパーシステント送信(Semi-Persistent Transmission)を設定するために用いられる。複数のSPSがサービングセルの1つのBWP(Bandwidth Part)に対して設定され得る。複数のSPSは、SPS-ConfigListで設定される。あるいは、1つ以上のSPSの設定がsps-ConfigToAddModListを使って追加、修正される。
【0255】
また、基地局20は、2つの種類のConfiguredGrantConfigを端末装置10に設定することができる。
【0256】
タイプ1のCG(Configured Grant)では、アップリンクのグラント(Uplink Grant)はRRCにより提供される。アップリンクのグラントは、configured uplink grantとして保持される。
【0257】
タイプ2のCGでは、アップリンクのグラントはPDCCHにより提供される。アップリンクのグランドは、configured uplink grantのアクティベーション、又は、ディアクティベーションを指示するL1シグナリングに基づいてconfigured uplink grantとして保持、又は、解除される。
【0258】
タイプ1、及び、タイプ2のCGは、サービングセルに対して、RRCによってBWPごとに設定される。基地局20は、同一のBWPに対して同時に複数のCGを設定することができる。
【0259】
タイプ2における、アクティベーション、及び、ディアクティベーションは、複数のサービングセルの間で独立して制御することができる。同一のBWPに対して、MACエンティティは、タイプ1、及び、タイプ2の両方を設定することができる。
【0260】
RRCメッセージに含まれるSPS-Config information elementは、periodicity、periodicityExt、及び、SPS-ConfigIndexというフィールドを含む。
【0261】
ここで、SPS-Config information elementにperiodicityExtが含まれていない場合、端末装置10は、periodicityを参照する。periodicityExtが含まれている場合、端末装置10は、periodicityを無視する。
【0262】
文献「3GPP TS38.331」には、SPS-Configのperiodicityとして10ms、20ms、32ms、40ms、64ms、80ms、128ms、160ms、320ms、及び、640msの値が定義されている。
【0263】
また、SPS-ConfigのperiodicityExtに関して、SCS(Subcarrier Spacing)が15kHzの場合には、1slotから640slotsの間のいずれかのスロット数がperiodicityExtとして設定できるように定義されている。また、SCSが30kHzの場合には、1slotから1280slotsの間のいずれかのスロット数がperiodicityExtとして設定できるように定義されている。
【0264】
SCSが60kHzの場合には、1slotから2560slotsの間のいずれかのスロット数がperiodicityExtとして設定できるように定義されている。SCSが120kHzの場合には、1slotから5120slotsの間のいずれかのスロット数がperiodicityExtとして設定できるように定義されている。
【0265】
SPSが設定されると、MACエンティティは、連続してN番目のダウンリンクのリソース割り当てが以下の式(1)を満たすスロットで発生するものと判断しなくてはならない。
【0266】
【数1】
【0267】
ここで、numberOfSlotsPerFrameは無線フレーム内のスロット数(例えば、SCSが15kHzの場合は10)である。SFNstart timeは、SPSが設定、又は、再設定されたPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)の最初の送信のSFNである。slotstart timeは、SPSが設定、又は、再設定されたPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)の最初の送信のslotである。
【0268】
また、時間軸上で連続して複数のスロットをSPSのリソースとして割り当てるために、さらにnumberOfSlotsPerSpsというパラメータが導入されてもよい。MACエンティティは、上記式(1)を満たすスロットを先頭に連続したnumberOfSlotsPerSps分のスロットのN番目のダウンリンクのリソース割り当てが発生するものと判断する。
【0269】
あるいは、MACエンティティは、時間軸上で不連続に複数のスロットをSPSのリソースとして割り当てるために、上記式(1)を満たすスロットを先頭に、スロット間隔とスロット数を設定する。ここで、MACエンティティが、スロット間隔を0に設定することによって、連続した複数のスロットを設定するようにしてもよい。
【0270】
あるいは、MACエンティティは、上記式(1)を満たす先頭のスロットからの相対的なスロット位置で構成される数列を設定することで、時間軸上で不連続に複数のスロットをSPSのリソースとして割り当てることができる。
【0271】
あるいは、MACエンティティが、上記式(1)を満たすスロットを先頭に、ある期間、例えば、フレーム内で割り当てられるSPSのスロットの複数のパターンが定義されていて、そのパターンを識別するための識別子を設定するようにしてもよい。
【0272】
なお、MACエンティティは、DCI(Downlink Control Information)のtimeDomainAllocationに数列及び識別子を含めて提供するようにしてもよい。数列は、上記の連続して割り当てるスロット数(numberOfSlotsPerSps)、スロット間隔及びスロット数、及び、先頭のスロットからの相対的なスロット位置で構成される。識別子は、SPSのスロットのパターンを識別するため識別情報である。
【0273】
RRCメッセージに含まれるConfiguredGrantConfig information elementは、periodicity、periodicityExt、及び、ConfiguredGrantConfigIndexというフィールドを含む。
【0274】
ここで、端末装置10は、ConfiguredGrantConfig information elementにperiodicityExtが含まれていない場合はperiodicityを参照し、periodicityExtが含まれている場合はperiodicityを無視する。
【0275】
文献「3GPP TS38.331」には、ConfiguredGrantConfigのperiodicityとして、例えば、SCSが15kHzの場合には、2、7、n*14symbolsが定義されている。ここで、nは、1、2、4、5、8、10、16、20、32、40、64、80、128、160、320、640のいずれかの値である。
【0276】
また、ConfiguredGrantConfigのperiodicityExtに関しては、例えば、SCSが15kHzの場合には、1symbolから640symbolsの間のいずれかのシンボル数がperiodicityExtとして設定できるように定義される。また、periodicityExt*14symbolsの周期が設定できる。
【0277】
タイプ1のCGのためのアップリンクのグラントが設定されると、MACエンティティは、連続してN番目のアップリンクのグラントが以下の式(2)を満たすシンボルで発生するものと判断しなくてはならない。
【0278】
【数2】
【0279】
ここで、numberOfSlotsPerFrameは無線フレーム内のスロット数(例えば、SCSが15kHzの場合は10)である。numberOfSymbolsPerSlot はスロット内のシンボル数(Normal CPの場合は14)である。timeReferenceSFNは、時間領域におけるリソースのオフセットを決定するために使用されるSFNである。
【0280】
timeDomainOffsetは、timeReferenceSFNに対応するSFNに関連するリソースのオフセットである。Start symbolであるSは、SLIV(Start and length indicator value)から取得、又は、startSymbolによって提供されるパラメータである。SLIV、又は、startSymbol は、timeDomainAllocationに含まれる。timeReferenceSFN、timeDomainOffset、及び、timeDomainAllocationは、RRCによって設定される。
【0281】
タイプ2のCGのためのアップリンクのグラントが設定されると、MACエンティティは、連続してN番目のアップリンクのグラントが以下の式(3)を満たすシンボルで発生するものと判断しなくてはならない。
【0282】
【数3】
【0283】
ここで、SFNstart timeは、CGのアップリンクのグラントが設定、又は、再設定されたPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)の最初の送信機会のSFNである。slotstart timeは、CGのアップリンクのグラントが設定、又は、再設定されたPUSCHの最初の送信機会のslotである。symbolstart timeは、CGのアップリンクのグラントが設定、又は、再設定されたPUSCHの最初の送信機会のsymbolである。
【0284】
また、時間軸上で連続して複数のシンボルをCGのリソースとして割り当てるために、さらにnumberOfSymbolsPerCgというパラメータが導入されてもよい。MACエンティティは、上記式(2)、又は(3)を満たすシンボルを先頭に連続したnumberOfSymbolsPerCg分のシンボルのN番目のアップリンクのグラントが発生するものと判断する。
【0285】
あるいは、MACエンティティは、SLIVを提供する場合には、Lを使って時間軸上で連続して割り当てるシンボル数をUE10に通知することができる。
【0286】
あるいは、MACエンティティは、時間軸上で不連続に複数のシンボルをCGのリソースとして割り当てるために、上記式(2)、又は(3)を満たすシンボルを先頭に、シンボル間隔とシンボル数を設定する。ここで、MACエンティティは、シンボル間隔を0に設定することによって、連続した複数のシンボルを設定するようにしてもよい。
【0287】
あるいは、MACエンティティは、上記式(2)、又は(3)を満たす先頭のシンボルからの相対的なシンボル位置で構成される数列を設定することで、時間軸上で不連続に複数のシンボルをCGのリソースとして割り当てることができる。
【0288】
あるいは、MACエンティティが、上記式(2)、又は(3)を満たすシンボルを先頭に、ある期間、例えば、スロット内で割り当てられるCGのシンボルの複数のパターンが定義されていて、そのパターンを識別するための識別子を設定するようにしてもよい。
【0289】
なお、MACエンティティは、DCIのtimeDomainAllocationに数列及び識別子を含めて提供するようにしてもよい。数列は、上記の連続して割り当てるスロット数(numberOfSymbolsPerCg)、スロット間隔及びスロット数、及び、先頭のスロットからの相対的なスロット位置で構成される。識別子は、CGのシンボルのパターンを識別するため識別情報である。
【0290】
<<4.技術的特徴>>
<4.1.技術的特徴1>
[データバーストの伝送例]
図11及び図12は、本開示の実施形態に係るスケジュールされたデータバーストDBの5GSにおける伝送の一例(ダウンリンク)を示す図である。この場合、RAN20は、UPF330を介してアプリケーションサーバ40からデータバーストDB(受信データの一例)を受信し、UE10に送信する。
【0291】
ここで、スケジュールされたデータバーストDBの一例として、例えば、以下のデータ等が挙げられる。
・XRあるいは3Dホログラム表示向けの様々なコンテンツ
・これらコンテンツを生成するために利用されるコンテンツ生成情報
・様々な機器を制御するための制御情報
【0292】
コンテンツ生成情報として、例えば、センサ情報、制御情報、あるいは、上述した同期のためのSyncメッセージ、Follow_upメッセージ、(g)PTPメッセージ等が挙げられる。
【0293】
UE10は、スケジュールされた周期的なデータバーストDBを受信するために、PDUセッションの確立要求を基地局であるRAN20に送信する。ここで、UE10は、スケジュールされた周期的なデータバーストDBを受信するためのネットワークスライスを識別する情報をPDUセッションの確立要求に含むようにしてもよい。
【0294】
アプリケーションサーバ40は、UE10との間にPDUセッションが確立されると、AF308を介して5GSに通知するトラフィックパターンに係る情報に従って、スケジュールされたデータバーストDBを生成する。
【0295】
ここで、トラフィックパターンに係る情報には、データバーストDBの周期(Periodicity)及び第1のバースト到達時間(Burst Arrival Time)の少なくとも一方、及び、第1の生存時間(Survival Time)が含まれている。
【0296】
ここで、アプリケーションサーバ40、又は、AF308は、コアネットワーク30、及び、アクセスネットワークで発生する遅延時間に対する許容ジッタを含めて第1の生存時間を設定するようにしてもよい。
【0297】
アプリケーションサーバ40は、トラフィックパターンに係る情報に従ってデータバーストDBを生成する。アプリケーションサーバ40は、時刻t0に最初のデータバーストDB#1の最初のパケットの送信を開始する。最初のデータバーストDB#1の全てのパケットは、第1の生存時間の間に送信される。なお、許容ジッタを含めて第1の生存時間を設定した場合には、アプリケーションサーバ40は、許容ジッタの影響を除いた期間内にデータバーストDB#1の全てのパケットの送信が完了するように制御する。
【0298】
そして、アプリケーションサーバ40は、時刻t0に対するデータバーストDB#1の一周期後の時刻t4に、次のデータバーストDB#2の最初のパケットの送信を開始する。最初のデータバーストDB#1同様、データバーストDB#2の全てのパケットは第1の生存時間の間に送信される。以降、アプリケーションサーバ40は、周期的なデータバーストDBの送信を継続する。
【0299】
図11の例では、アプリケーションサーバ40から送信されたデータバーストDBのパケットは、遅延T1でUPF330に到達する。
【0300】
AF308は、アプリケーションサーバ40からUPF330までの遅延T1に係る情報を持っていない場合、第1のバースト到達時間として、アプリケーションサーバ40からデータバーストDB#1の最初のパケットが送信される時刻t0を提供する。
【0301】
アプリケーションサーバ40からUPF330までの遅延T1に係る情報を持っている場合、AF308は、第1のバースト到達時間として、データバーストDB#1の最初のパケットがUPF330の入力に到達する時刻(時刻t0+T1)を提供する。
【0302】
SMF306がUE10からPDUセッションの確立要求を受信すると、TSCTSF312は、トラフィックパターンに係る情報をAF308から取得してTSC支援コンテナを生成する。ここで、TSC支援コンテナには、データバーストDBの周期、第1のバースト到達時間及び第1の生存時間が含まれる。
【0303】
SMF306は、TSCTSF312からTSC支援コンテナを取得して、確立するPDUセッションに対してTSC支援情報を生成する。SMF306は、データバーストDB#1の最初のパケットがRAN20の入力に届く際の可能な限り遅い時間として定義される第2のバースト到達時間を生成する。なお、SMF306は、TSC支援コンテナに含まれる第1のバースト到達時間が、データバーストDB#1の最初のパケットがUPF330の入力に到達する時間(t0+T1)であるとみなして第2のバースト到達時間を生成する。
【0304】
ここで、第2のバースト到達時間は、例えば、第1のバースト到達時間に、データバーストDBに割り当てられたTSC QoSフローの5QIのCN PDBである遅延T2を加算した時刻(t0+T1+T2)である。生成したTSC支援情報には、この第2のバースト到達時間が含まれる。
【0305】
また、SMF306は、取得したTSC支援コンテナに含まれるデータバーストDBの周期、第1のバースト到達時間、及び、第1の生存時間を使ってトラフィックの優先制御のためのゲートコントロールリストを生成する。
【0306】
例えば、SMF306は、スケジュールされたデータバーストDBを優先度が最も高いキュー(Queue 7)に割り当てる。SMF306は、以下の設定を含むゲートコントロールリストを生成する。
・このキューをパスするタイムスロットの期間。この期間は、第1の生存時間と等しく、又は、より短く設定される。
・このタイムスロットの周期。この周期は、データバーストDBの周期に設定される。
・このタイムスロットの開始タイミング。この開始タイミングは、UPF330の入力に到達する時間である第1のバースト到達時間に設定される。
【0307】
ここで、データバーストDBのキューへの割り当ては、データバーストDBが割り当てられた5QIとキューの割り当てであってもよい。
【0308】
以降、スケジュールされたデータバーストDBを割り当てたキューをパスするタイムスロットの期間を保護ウィンドウ(protected window)と記載する。また、保護ウィンドウの期間はT3であるとする。複数のキュー0~7を用いてデータバーストDBの転送を制御する際、UPF330は、データバーストDBが割り当てられたキュー7を用いてデータバーストDBを優先的に転送させる。このデータバーストDBを優先的に転送させる期間が保護ウィンドウの期間T3である。保護ウィンドウに係る情報は、TSC支援情報に含めてRAN20に提供される。あるいは、保護ウィンドウの期間は、第1の生存時間としてTSC支援情報に含めてRAN20に提供される。
【0309】
SMF306は生成したゲートコントロールリストをUPF330に提供する。UPF330は、取得したゲートコントロールリストに従って、保護ウィンドウを設定したトラフィックの優先制御を実行する。
【0310】
図11の例では、UPF330は、アプリケーションサーバ40が送信したデータバーストDB#1をキュー7(図11の「TS01:Que_7」)に割り当て、RAN20に転送する。また、UPF330は、アプリケーションサーバ40が送信したデータバーストDB#2をキュー7(図11の「TS01:Que_7」)に割り当て、RAN20に転送する。
【0311】
なお、ゲートコントロールリストは、TSCTSF312が生成するようにしてもよい。この場合、TSCTSF312は、TSC支援コンテナに含まれるデータバーストDBの周期、第1のバースト到達時間、及び、第1の生存時間を使ってゲートコントロールリストを生成する。
【0312】
TSCTSF312が生成したゲートコントロールリストは、SMF306を介して、又は、直接、TSCTSF312からUPF330に提供される。
【0313】
SMF306は、AMF301を介してTSC支援情報をRAN20に提供する。
【0314】
RAN20は、UPF330を介して、アプリケーションサーバ40から送信されるスケジュールされたデータバーストDBを受信する。なお、UPF330は、保護ウィンドウを設定したトラフィックの優先制御を実行する。
【0315】
ここで、RAN20が受信する最初のデータバーストDB#1は、TSC支援情報に含まれる第2のバースト到達時間から保護ウィンドウの期間T3内で受信される。RAN20は、データバーストDB#1の受信後、データバーストDBの周期で以降のデータバーストDB#2を受信する。このように、RAN20が受信するデータバーストDBは、TSC支援情報に含まれるデータバーストDBの到達時間(第2のバースト到達時間)、周期、及び、保護ウィンドウによって特定される。
【0316】
図12に示すように、RAN20を構成する基地局(例えば、gNB)は、取得したTSC支援情報に基づいてSPS(Semi-Persistent Scheduling)を設定する(無線リソースの割り当ての一例)。例えば、基地局20は、TSC支援情報に含まれるデータバーストDBの到達時間(第2のバースト到達時間)、周期、及び、保護ウィンドウの少なくとも1つに基づいてSPSを決定し、SPS-Configを端末装置10に送信することで、SPSを設定する。
【0317】
基地局20は、SPSとして割り当てられた無線リソース(configured downlink assignment)を使ってスケジュールされたデータバーストDB(受信データの一例)をUE10に送信する。
【0318】
ここで、基地局20は、第2のバースト到達時間に保護ウィンドウの期間T3を加算したタイミング(t0+T1+T2+T3)(以下、基準タイミングとも記載する)を基準に最大データバースト量に基づいたSPSを設定する。基準タイミング(t0+T1+T2+T3)は、基地局20が最初のデータバーストDB#1の受信を完了している時間として扱うことができる。
【0319】
例えば、基地局20は、(1)式に従って、SPS-Config information elementのperiodicity、又は、periodicityExtにデータバーストDBの周期を設定する。基地局20は、最初のデータバーストDB#1の最初のパケットの一部又は全部を含むPDSCHを、基準タイミング以降で、この基準タイミングとの差分が最も小さくなるSFNのスロットに割り当てる。つまり、このスロットがSFNstart timeのslotstart timeとなる。
【0320】
データバーストDBを割り当てる対象となるBWPにおいて、基地局20が(1)式を満たすスロットで最大データバースト量を割り当てることができない場合が考えられる。この場合、基地局20は、一部のデータバーストDBをSPSで設定した無線リソースに割り当て、残りのデータバーストDBをダイナミックスケジューリングによる無線リソースに割り当てるようにしてもよい。
【0321】
あるいは、(1)式を満たすスロットで最大データバースト量を割り当てることができない場合、基地局20は、SPSに対して複数のスロットを割り当てる。例えば、基地局20は、上述のnumberOfSlotsPerSPSとして、最大データバースト量を割り当てるために必要なスロット数を設定する。あるいは、基地局20は、最大データバースト量を割り当てるために必要なスロット数に相当する複数のSPSを設定する。
【0322】
ここで、基地局20は、numberOfSlotsPerSPSを設定するか、複数のSPSを設定するかを端末装置10のケイパビリティに基づいて決定してもよい。端末装置10のケイパビリティは、例えば、端末装置10がサポートするリリース(Release 16、Release 17等)である。
【0323】
なお、SMF306は、保護ウィンドウの期間T3と1つ以上のSPSが設定されているconfigured downlink assignment(s)の期間の総和が第1の生存時間以内になるように期間T3及びSPSのconfigured downlink assignment(s)を設定する。
【0324】
基地局20は、設定したSPSのconfigured downlink assignment(s)を使ってスケジュールされたデータバーストDBを端末装置10に送信する。
【0325】
[PDUセット]
ここで、データバーストDBはPDUセットの形式のデータであってもよい。AF308は、同じQoSフロー内で異なる優先順位を設定するために、データバーストDBにPDUセットを設定することを5GC30に要求する。AF308は、例えば、Iフレーム、Pフレーム、及び/又は、Bフレームから構成されるGOP(Group Of Picture)の形式の動画データであるXRのコンテンツのトラフィックに対して、PDUセットを設定することを指示することができる。
【0326】
Iフレームは、キーフレームとも呼ばれる。このIフレームのデータのみで完全な一枚の映像が再現される。
【0327】
Pフレームは、1つ前のフレームから次のフレームがどう変化するかの予測データが含まれる。このPフレームに加え、直前のフレームの情報が参照されることで、一枚の映像が再現される。
【0328】
Bフレームは、前後のフレームから予測するデータが含まれる。このBフレームに加え、前後のフレームの情報が参照されることで、一枚の映像が再現される。
【0329】
このように、GOP形式の動画データを用いることで、動画データのデータ量を削減、つまり、圧縮することができる。1つのGOPには、キーフレームとして1つのIフレームが含まれる。
【0330】
AF308は、NEF302を介して、トラフィックパターンに係る情報としてデータバーストDBにPDUセットを設定することを指示する情報、及び/又は、PDUセットの設定に係る情報を5GC30のネットワーク機能に提供する。このネットワーク機能は、例えば、TSCTSF312、又は、PCF305である。
【0331】
ここで、PDUセットの設定に係る情報には、例えば、PDUセットを構成するPDUの数、及び、PDUセットとデータバーストDBとの関係を示す情報が含まれる。
【0332】
図13図15は、本開示の実施形態に係るPDUセットの構成と、データバーストDBとの対応関係を示す図である。
【0333】
図13に示すように、PDUセットはN個のPDUから構成される。PDUセットを構成する各PDUは識別子(Identifier)によってPDUセット内で識別される。
【0334】
PDUセットとデータバーストDBとの関係を示す情報は、1つのPDUセットを1つのデータバーストDBに割り当てるか、あるいは、1つのPDUセット内の各PDUを1つのデータバーストDBに割り当てるかを指示する情報が含まれている。例えば、PDUセットとデータバーストDBとの関係を示す情報は、1つのPDUセットに対するデータバーストDBの数である。
【0335】
図14では、1つのPDUセットに対するデータバーストDBの数が1である場合が示される。この場合、5GC30は1つのPDUセットを1つのデータバーストDBに割り当てる。
【0336】
図14の例では、PDUセット#nは、データバースト#nに割り当てられる。なお、nは、1からNまでの自然数である。
【0337】
さらには、5GC30は1つのデータバーストDBに対して複数のPDUセットを設定してもよい。複数のPDUセットを設定する場合、各PDUセットには識別子(Identifier)が採番され、各PDUセットを識別することができる。
【0338】
図15では、1つのPDUセットに対するデータバーストDBの数がNである場合が示される。ここで、Nは、例えば、PDUセットを構成するPDUの数である。この場合、5GC30はPDUセットを構成する各PDUを各データバーストDBに割り当てる。
【0339】
図15の例では、PDUセット#1のPDU#nは、データバースト#nに割り当てられる。なお、nは、1からNまでの自然数である。
【0340】
AF308は、1つのPDUセットに対して設定するPDUの数、データバーストDBの数、及び、1つのデータバーストDBに対して設定するPDUセットの数を5GC30のネットワーク機能(例えば、TSCTSF312、PCF305、又はSMF306)に要求することができる。
【0341】
AF308は、5GC30から1つのPDUセットに設定されたデータバーストDBの数を取得する。1つのPDUセットに対するデータバーストDBの数が1であれば(図14)、AF308は、さらに、1つのPDUセットに設定されたPDUの数を取得する。
【0342】
AF308は、取得したPDUの数に合わせて、1つのデータバーストDBに割り当てられた1つのPDUセットを構成する各PDUに1つのGOPを構成するIフレーム、Pフレーム、又は、Bフレームのいずれかのフレームの情報を割り当てる。つまり、1つのデータバーストDBを使って1つのGOPが送信される。
【0343】
また、1つのデータバーストDBに複数のPDUセットを設定する場合、AF308は、例えば、各PDUセットに、1つのGOPを構成するIフレーム、Pフレーム、又はBフレームのいずれかのフレームの情報を割り当てる。また、AF308は、各データバーストDBに、複数のPDUセットの中から、Iフレーム、Pフレーム、又はBフレームのいずれかのフレームが割り当てられた1つのPDUセットを割り当てる。つまり、複数のデータバーストDBを使って1つのGOPが送信される。ここで、Iフレーム、Pフレーム、又は、Bフレームのデータは、割り当てられた各PDUセットの複数のPDUに割り当てられる。
【0344】
あるいは、取得したデータバーストDBの数がN(例えば、PDUセットを構成するPDUの数)であった(図15)とする。この場合、AF308は、1つのPDUセットを構成する各PDUが割り当てられた各データバーストDBに1つのGOPを構成するIフレーム、Pフレーム、又はBフレームのいずれかのフレームの情報を割り当てる。つまり、複数のデータバーストDBを使って1つのGOPが送信される。
【0345】
また、AF308は、PDUセットを構成する各PDUパケットに相対的な優先順位を設定する要求を5GC30のネットワーク機能(例えば、TSCTSF312、又は、PCF305)に要求することができる。
【0346】
5GC30のネットワーク機能(例えば、TSCTSF312、又は、PCF305)は、AF308からの要求を受信すると、PDUセットに含まれる各PDUに相対的な優先順位を設定する。
【0347】
基地局20は、PDUセットを構成する各PDUに相対的な優先順位が設定されている場合、PDUセットのより優先順位の高いPDUにSPSを割り当てる。
【0348】
例えば、GOPの形式の動画データがXRのコンテンツである場合、AF308は、PDUセットのより優先順位の高いPDUにIフレームを割り当てるように制御する。これにより、基地局20は、IフレームにSPSを割り当てることができる。
【0349】
一方、AF308は、より優先順位の低いPDUにはPフレーム、又は、Bフレームを割り当てるように制御する。基地局20は、Pフレーム、又は、Bフレームに、ダイナミックスケジューリングによる無線リソースを割り当てる。
【0350】
さらに、基地局20は、複数のSPSが設定されている場合、PDUセットの最も優先順位の高いPDUに複数のSPSの中からより時間の早いスロットに設定されているSPSを割り当てる。
【0351】
例えば、GOPの形式の動画データがXRのコンテンツである場合、AF308は、PDUセットの最も優先順位の高いPDUにIフレームを割り当てるように制御する。これにより、基地局20は、Iフレームに複数のSPSの中からより時間の早いスロットに設定されているSPSを割り当てることができる。
【0352】
一方、AF308は、より優先順位の低いPDUにはPフレーム、又は、Bフレームを割り当てるように制御する。基地局20は、Pフレーム、又は、Bフレームに、他のSPS、あるいはダイナミックスケジューリングによる無線リソースを割り当てる。
【0353】
また、AF301は、複数のPDUセットの設定を要求する際に、各PDUセットに対して相対的な優先順位を設定する要求を5GC30のネットワーク機能に要求することができる。
【0354】
5GC30のネットワーク機能は、AF301からの要求を受信して設定する複数のPDUセットの各PDUセットに相対的な優先順位を設定する。
【0355】
基地局20は、複数のPDUセットの各PDUセットに相対的な優先順位が設定されている場合、より優先順位の高いPDUセットを構成するPDUにSPSを割り当てる。例えば、GOPの形式の動画データであるXRのコンテンツの場合、AF301は、より優先順位の高いPDUセットにIフレームを割り当てるように制御する。これに応じて、基地局20は、IフレームにSPSを割り当てることができる。基地局20は、より優先順位の低いPDUセットにはPフレーム、又は、Bフレームを割り当てる。Pフレーム、又は、Bフレームには、ダイナミックスケジューリングによる無線リソースが割り当てられる。
【0356】
さらに、基地局20は、複数のSPSが設定されている場合に、最も優先順位の高いPDUセットのPDUに複数のSPSの中からより時間の早いスロットに設定されているSPSを割り当てる。例えば、GOPの形式の動画データであるXRのコンテンツの場合に、AF301は、最も優先順位の高いPDUセットにIフレームを割り当てるように制御する。これに応じて、基地局20は、Iフレームが割り当てられたPDUセットのPDUに複数のSPSの中からより時間の早いスロットに設定されているSPSを割り当てることができる。基地局20は、より優先順位の低いPDUセットにはPフレーム、又は、Bフレームを割り当てる。Pフレーム、又は、Bフレームが割り当てられたPDUセットのPDUには、他のSPS、或いはダイナミックスケジューリングによる無線リソースが割り当てられる。
【0357】
また、アップリンクのデータバーストDBにPDUセットが設定され、PDUセットの各PDUに相対的な優先順位が設定されている場合、基地局20は、PDUセットのより優先順位の高いPDUの送信のために、UE10にCGを設定する。例えば、GOPの形式の動画データがXRのコンテンツである場合、UE10は、PDUセットのより優先順位の高いPDUにIフレームを割り当てることで、IフレームにCGを割り当てることができる。
【0358】
さらに、アップリンクのデータバーストDBに複数のPDUセットが設定され、各PDUセットに相対的な優先順位が設定されている場合、基地局10は、より優先順位の高いPDUセットのPDUの送信のためにUE10にCGを設定する。例えば、UE10は、より優先順位の高いPDUセットにIフレームを割り当てることで、IフレームにCGを割り当てることができる。
【0359】
あるいは、XRコンテンツが3DoF(Degree of Freedom)、6DoF対応の360度映像であってもよい。この場合、アプリケーションサーバ40が、例えば、この360度映像を複数の領域に分割するようにしてもよい。また、AF308が、PDUセットの各PDUに分割された各領域を割り当てるように制御するようにしてもよい。
【0360】
AF308は、360度映像の分割数を、上述した1つのPDUセットに対して設定するPDUの数として、5GC30のネットワーク機能(例えば、TSCTSF312、PCF305、又は、SMF306)に提供することができる。
【0361】
端末装置10、又は、アプリケーションサーバ40で動作するアプリケーションは、端末装置10が装備する様々なセンサから取得する情報に基づいて360度映像上の視点(Viewport)を算出する。このセンサは、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機、加速度センサ、ジャイロセンサー、カメラ(イメージセンサー)、ToF(Time of Flight)センサ、赤外線センサ、LiDAR(Light Detection And Ranging)、ミリ波レーダ等を含む。
【0362】
AF308は、分割された複数の領域の中で、視点を含む領域の画像データに最も高い優先度を付し、PDUセットの最も優先順位の高いPDUにこの領域の画像データを割り当てるように制御する。これにより、基地局20は、視点を含む領域の画像データにSPSを割り当てることができる。
【0363】
一方、AF308は、より優先順位の低いPDUに、視点からより離れた領域の各画像データが割り当てられるように制御する。基地局20は、視点からより離れた領域の各画像データには、優先度に応じたダイナミックスケジューリングによる無線リソースを割り当てる。基地局20は、視点からより離れた領域の各画像データのうち、優先度が高い画像データに、より時間の早いスロットを含む無線リソースを動的に割り当てる。
【0364】
さらに、複数のSPSが設定されている場合、AF308は、視点を含む領域の画像データに最も高い優先度を付して、PDUセットの最も優先順位の高いPDUにこの領域の画像データを割り当てるように制御する。これにより、基地局20は、視点を含む領域の画像データに、複数のSPSの中からより時間の早いスロットに設定されているSPSを割り当てることができる。
【0365】
一方、AF308は、より優先順位の低いPDUには視点からより離れた領域の画像データが割り当てられるように制御する。基地局20は、視点からより離れた領域の各画像データには、他のSPS、又は、優先度に応じたダイナミックスケジューリングによる無線リソースを割り当てる。基地局20は、視点からより離れた領域の各画像データのうち、優先度が高い画像データに、他のSPS、あるいは、ダイナミックスケジューリングによる無線リソースの中から、より時間の早いスロットを含む無線リソースを動的に割り当てる。
【0366】
また、AF308は、PDUセットのPDUの優先度に応じて、各PDUに割り当てる画像データのフォーマットを制御するようにしてもよい。例えば、視点を含む領域に、より解像度の高い画像フォーマットを適用し、PDUセットの最も優先順位の高いPDUにこの領域の画像データを割り当てるように制御する。
【0367】
一方、AF308は、視点からより離れた領域に、より解像度の低い画像フォーマットを適用し、PDUセットのより優先順位の低いPDUに視点からより離れた領域の画像データを割り当てるように制御する。この制御により、画像データのデータ量を削減することができる。
【0368】
ここで、基地局20は、PDUセットのうち、各データバーストDBの第1の生存時間内に送信できないPDUが生じた場合には、そのPDUを破棄することができる。その際、より優先度の低いPDUが破棄される。
【0369】
あるいは、分割された領域ごとにPDUセットを設定するために、AF308は、360度映像の分割数に等しい数のPDUセットを5GC30のネットワーク機能(例えば、TSCTSF312、PCF305、又はSMF306)に要求するようにしてもよい。つまり、分割された各領域は、他の領域とは独立してPDUセットを設定することができる。
【0370】
分割された領域ごとにPDUセットを設定する場合、AF308は、各PDUセットに相対的な優先順位を設定するようにしてもよい。例えば、AF308は、視点を含む領域の画像データに最も高い優先度を付して、最も優先順位の高いPDUセットにこの領域の画像データを割り当てるように制御する。AF308は、視点からより離れた領域にはより低い優先度を付して、より優先順位の低いPDUセットに視点からより離れた領域の画像データを割り当てるように制御する。
【0371】
分割された領域ごとに設定された複数のPDUセットは1つのデータバーストDBに割り当てられる。
【0372】
ここで、各領域の画像データはGOPの形式の動画データでもよい。この場合、AF308は、さらに、Iフレーム、Pフレーム、及びBフレームのそれぞれに対するPDUセットを設定するように5GC30のネットワーク機能(例えば、TSCTSF312、PCF305、又はSMF306)に要求するようにしてもよい。
【0373】
各領域のIフレーム、Pフレーム、又はBフレームのいずれかのフレームの情報が割り当てられたPDUセットは1つのデータバーストDBに割り当てられる。
【0374】
上述したように、AF308は、分割された各領域の各画像フレーム情報(つまり、Iフレーム、Pフレーム、又はBフレーム)から構成される1つのGOPを各PDUセットに割り当てる。また、AF308は、1つのPDUセットを1つのデータバーストDBに割り当てる(図14)。あるいは、AF308は、1つのPDUセット内の各PDUを1つのデータバーストDBに割り当てる(図15)。
【0375】
また、1つのデータバーストDBに複数のPDUセットを割り当てる場合、AF308は、1つのGOPを構成するIフレーム、Pフレーム、又は、Bフレームのいずれかのフレームの情報を各PDUセットに割り当てる。
【0376】
また、分割された各領域のGOPの設定は、視点に応じて制御することができる。例えば、視点を含む領域では、認知される画像の変化が大きい。そのため、AF308は、1つのGOPの期間を短くして、キーフレームであるIフレームを多く送信する。
【0377】
一方、視点からより離れた領域では、認知される画像の変化が小さい。そのため、AF308は、1つのGOPの期間を長くして、1つのIフレームに対して多くのPフレーム、又は、Bフレームを送信する。これにより、AF308は、画像データのデータ量を削減することができる。
【0378】
また、TSC QoSフローを処理するPDUセッションが確立される際、AF308は、TSC支援情報に基づいてデータバーストDBの順番を管理するために、各データバーストDBにシーケンシャルな番号を割り振ることができる。
【0379】
さらに、PDUセットを設定する際に、AF308は、PDUセットの順番を管理するために、各PDUセットにシーケンシャルな番号を割り振ることができる。
【0380】
1つのデータバーストDBに対して1つのPDUセットが割り当てられる場合(図14)、PDUセットに、データバーストDBに対応したシーケンシャルな番号が割り振られる。つまり、基地局20は、このシーケンシャルな番号によってデータバーストDBに対応するPDUセットを識別することができる。
【0381】
各データバーストDBの第1の生存時間内にこのデータバーストDBに対応するシーケンシャルな番号のPDUセットのいずれかのPDUが送信できない場合、基地局20は、このPDUを破棄することができる。次のデータバーストDBの期間に、基地局20がこのPDUを送信しても、このPDUは、アプリケーションにとっては既に不要なデータとなる。そのため、基地局20がこのPDUを破棄することで、無線リソースを無駄にすることを避けることができる。
【0382】
さらに、PDUセット内のPDUの順番を管理するために、AF308が、各PDUにシーケンシャルな番号を割り当てるようにしてもよい。基地局20は、各PDUに割り振られたシーケンシャルな番号に従って各PDUに割り当てる無線リソースを管理する。
【0383】
例えば、基地局20が、シーケンシャルな番号が先である(例えば番号が#i(iは自然数)である)PDUの送信に失敗したとする。この場合、基地局20は、次のシーケンシャルな番号である(例えば、番号が#i+1である)PDUの送信よりも、シーケンシャルな番号が先である(例えば番号が#iである)PDUの再送のための無線リソースの割り当てを優先する。
【0384】
基地局20は、シーケンシャルな番号が先である(例えば番号が#iである)PDUの送信に成功した後に、次のシーケンシャルな番号である(例えば、番号が#i+1である)PDUの送信のための無線リソースを割り当てることができる。
【0385】
上述したように、GOPを構成するIフレーム以外のフレーム(つまり、Pフレーム、又は、Bフレーム)は、直前のフレーム、又は、前後のフレームを参照して一枚の映像を再現する。そのため、先のフレームの受信に成功していない場合に、次のフレームのデータを受信することは無駄な無線リソースを発生させることになる。
【0386】
AF308は、シーケンシャルな番号が先である(例えば番号が#iである)PDUにIフレームを割り当て、次のシーケンシャルな番号である(例えば、番号が#i+1である)PDUにPフレーム、又は、Bフレームを割り当てる。基地局20は、Iフレームが割り当てられたPDUの送信に成功した後に、Pフレーム、又は、Bフレームが割り当てられたPDUの送信のための無線リソースを割り当てる。これにより、基地局20は、無駄な無線リソースの発生を避けることができる。
【0387】
PDUセットの各PDUが各データバーストDBに対してそれぞれ割り当てられる場合(図15)、PDUセットの各PDUにはデータバーストDBに対応したシーケンシャルな番号が割り振られる。つまり、基地局20は、このシーケンシャルな番号によってデータバーストDBに対応するPDUを識別することができる。
【0388】
基地局20は、シーケンシャルな番号#iに対応するデータバーストDBを送信するタイミングでシーケンシャルな番号#iに対応するPDUを送信する。基地局20は、そのために無線リソースを割り当てる。
【0389】
シーケンシャルな番号#iに対応するデータバーストDBのタイミングで、PDUセットの複数のPDUをUPF330から受信している場合、基地局20は、シーケンシャルな番号#i-1以前のシーケンシャルな番号に対応するPDUを破棄する。一方、基地局20は、#i+1以降のシーケンシャルな番号に対応するPDUをバッファリングする。
【0390】
基地局20は、シーケンシャルな番号#i+1に対応するデータバーストDBを送信するタイミングでバッファリングしたPDUの中からシーケンシャルな番号#i+1に対応するPDUを送信する。基地局20は、そのために無線リソースを割り当てる。
【0391】
また、Iフレーム以外のフレーム(つまり、Pフレーム、又は、Bフレーム)は、直前のフレーム、又は、前後のフレームを参照して一枚の映像を再現する。そのため、PDUセットにGOPを割り当てる場合、先のフレームの受信に成功していないにもかかわらず、次のフレームのデータを受信することは無駄な無線リソースを発生させることになる。
【0392】
例えば、基地局20が、シーケンシャルな番号#iに対応するデータバーストDBを受信するタイミングでPDUセットの複数のPDUをUPF330から受信しているとする。この場合、基地局20は、シーケンシャルな番号#iに対応するPDUより優先して、#i-1以前のシーケンシャルな番号に対応するPDUを送信するために、無線リソースを割り当てるようにしてもよい。その際、より先のシーケンシャルな番号のPDUに対してより優先して無線リソースが割り当てられる。
【0393】
ここで、1つのデータバーストDBに複数のPDUセットを割り当てる場合には、上記のシーケンシャルな番号に応じたPDUの処理方法がシーケンシャルな番号に応じたPDUセットの処理方法に適用され得る。
【0394】
上記の処理に従って、基地局20は、先のフレームのデータに対して優先して無線リソースを割り当てる。これにより、基地局20は、無駄な無線リソースの発生を避けることができる。また、基地局20は、データバーストDBのタイミングに合わせてUE10にDRX(Discontinuous Reception)を設定することができる。
【0395】
基地局20は、TSC支援情報を介して、周期的なデータバーストDBを受信するタイミングをあらかじめ把握することができる。そのため、基地局20は、各データバーストDBの送信のために、上述のSPS、CG、又は、ダイナミックスケジューリングによる無線リソースを割り当てる期間をあらかじめ設定することができる。
【0396】
よって、このあらかじめ設定された無線リソースを割り当てる期間をアクティブな期間、それ以外の期間をインアクティブな期間とするDRXを、基地局20がUE10に設定し得る。これにより、基地局20は、UE10の低消費電力化を実現することができる。
【0397】
また、XRでは、様々なセンサに係る情報、音声、及び、動画像に係るデータ等の送受信が想定される。また、データバーストDBには、異なるQoSの特徴を有するトラフィックが含まれ得る。よって、1つのPDUセットに対して、複数の異なるQoSフローが割り当てられるようにしてもよい。その際、PDUセットの設定に係る情報には、複数のPDUに割り当てられる異なる5QIが含まれる。
【0398】
基地局20は、5QIの優先度(Priority Level)に応じて、PDUセットに含まれる複数のPDUに対する無線リソースの割り当てを決定する。ここで、無線リソースの割り当ては、上述のSPS、CG、又は、ダイナミックスケジューリングによる無線リソースの割り当てである。
【0399】
また、XRのように複数の種類のデータを扱うマルチモーダルアプリケーション(multimodal application)において、複数の種類のデータ(例えば、ポーズ情報、あるいは、ポーズ情報を算出するための各種センサ情報、音声情報、映像情報等)が時間領域で依存していて同期が必要であるとする。この場合、AF308は、アプリケーションレベルで生成されるデータの種類の数、あるいは、データ種類を識別する情報のセットを5GC30に提供して、これらのデータの同一のデータバーストDBへの割り当てを要求することができる。
【0400】
5GC30は、依存関係のある複数のデータに対して1つのPDUセットを設定して、このPDUセットを1つのデータバーストDBに割り当てる。これにより、5GC30は、依存関係のある複数のデータを同一のデータバーストDBに割り当てることができる。
【0401】
ここで、AF308は、アプリケーションレベルで生成される複数の種類のデータ間に相対的な優先度を設定するように5GC30に要求することができ、5GC30は、複数の種類のデータが割り当てられるPDU間に相対的な優先度を設定する。
【0402】
あるいは、5GC30は、依存関係のある複数のデータのそれぞれに対してPDUセットを設定して、これら複数のPDUセットを含む1つのリストを生成するようにしてもよい。5GC30は、1つのリストに含まれる複数のPDUセットを1つのデータバーストDBに割り当てる。これにより、5GC30は、依存関係のある複数のデータを同一のデータバーストDBに割り当てることができる。
【0403】
ここで、AF308は、アプリケーションレベルで生成される複数の種類のデータ間に相対的な優先度を設定するように5GC30に要求することができ、5GC30は、複数の種類のデータが割り当てられるPDUセット間に相対的な優先度を設定する。
【0404】
また、アップリンクのデータとダウンリンクのデータに依存関係がある場合、AF308は、さらに、リンクごとのアプリケーションレベルで生成されるデータの種類の数、あるいはデータ種類を識別する情報のセットと、アップリンクのデータを割り当てる第1のPDUセットとダウンリンクのデータを割り当てる第2のPDUセットのマッピングを要求することができる。
【0405】
AF308がアップリンクの第1のPDUセットとダウンリンクの第2のPDUセットのマッピングを要求する際に、第1のPDUセットと第2のPDUセットの相対的な許容期間を提供するとする。この場合、5GC30は、アップリンクとダウンリンクに同じ周期のデータバーストDBを設定する。5GC30は、例えば、UPF330、UE10、又はRAN20における第1のPDUセットが割り当てられたアップリンクのデータバーストDBの生存時間経過のタイミングと第2のPDUセットが割り当てられたダウンリンクのデータバーストDBのバースト到達時間のタイミングとの差分が許容期間以下となるように、アップリンク、及び、ダウンリンクのデータバーストDBを設定する。例えば、アップリンク、又は、ダウンリンクのデータバーストDBのバースト到達時間を調整する。
【0406】
ここで、AF308は、相対的な許容期間に対して上限(upper limit)及び下限(lower limit)を要求することができる。5GC30は、第1のPDUセットが割り当てられたアップリンクのデータバーストDBの生存時間経過のタイミングと第2のPDUセットが割り当てられたダウンリンクのデータバーストDBのバースト到達時間のタイミングとの差分がこの上限と下限の間におさまるように制御する。
【0407】
[エッジアプリケーションサーバ]
なお、UE10との間でPDUセッションを確立する際、アプリケーションサーバ40が行う一部、又は、全ての処理をエッジアプリケーションサーバ(Edge Application Server)(図示省略)が行うように設定してもよい。
【0408】
エッジアプリケーションサーバが少なくとも一部の処理を行うようにする実装は、例えば、AF308からの要求に従ってSMF306が起動する。あるいは、PDUセッションの確立要求に含まれるネットワークスライスを識別する情報に従ってエッジアプリケーションサーバへの実装が起動される。例えば、SMF306は、ネットワークスライスを識別する情報に対応するポリシーをPCF305から取得して、取得したポリシーに従ってエッジアプリケーションサーバへ実装する処理を起動する。
【0409】
また、エッジアプリケーションサーバへのこの実装は、SMF306がデータバーストDBに割り当てられた5QIのCN PDBを満たせていないと判断した場合に起動され得る。SMF306は、CN PDBを満たせていないことの報告をRAN20から取得する。あるいは、SMF306は、QoSモニタリングを介してCN PDBを満たせていないことを検知する。
【0410】
SMF306は、UE10、及び/又は、RAN20の位置情報に基づいて、L-PSA(Local PDU Session Anchor)となるUPF330、及び、エッジアプリケーションサーバを特定する。あるいは、RAN20に対応するL-PSA UPF330、及び、エッジアプリケーションサーバがあらかじめ設定されていてもよい。
【0411】
ここで、L-PSA UPF330とエッジアプリケーションサーバとの接続は、DNAI(Data Network Access Identifier)によって識別され得る。また、例えば、アプリケーション又はDNNと、S-NSSAIと、の組み合わせに対して1つ以上のDNAIが設定されるようにしてもよい。
【0412】
SMF306は、UE10の位置に係る情報、又は、UE10が接続しているRAN20を識別する情報に基づいて1つのDNAIを選択する。SMF306は、選択されたDNAIに対応する、L-PSA UPF330とエッジアプリケーションサーバとの接続を特定する。
【0413】
アプリケーションサーバ40の一部の処理をエッジアプリケーションサーバに実装する場合、エッジアプリケーションサーバは、セッションブレイクアウト(Session Breakout)の接続形態でL-PSA UPF330を介して接続される。
【0414】
アプリケーションサーバ40の全ての処理をエッジアプリケーションサーバに実装する場合、エッジアプリケーションサーバは、分散アンカーポイント(Distributed Anchor Point)の接続形態でL-PSA UPF330を介して接続される。
【0415】
以上の処理により、アプリケーションサーバ40及び5GSは、低遅延な無線通信環境でスケジュールされたデータバーストDBを端末装置であるUE10に安定して送信することができる。
【0416】
また、上述した例では、SMF306が、TSC支援情報を介して、第2のバースト到達時間に関する情報をRAN20に通知するとした。なお、第2のバースト到達時間は、データバーストDBの最初のパケットがRAN20の入力に届く際の可能な限り遅い時間として定義される。しかしながら、SMF306が通知する情報はこれに限定されない。
【0417】
例えば、SMF306が、データバーストDBの最初のパケットがUPF330の入力に到達する時間である第1のバースト到達時間、及び、CN PDBに係る情報をRAN20に通知してもよい。この場合、RAN20は、第1のバースト到達時間、及び、CN PDBに係る情報から第2のバースト到達時間を算出する。
【0418】
あるいは、SMF306が、アプリケーションサーバ40からデータバーストDBの最初のパケットが送信される時刻t0、アプリケーションサーバ40からUPF330までの遅延T1、及び、CN PDBに係る情報をRAN20に通知するようにしてもよい。この場合、RAN20は、時刻t0、遅延T1、及び、CN PDBに係る情報から第2のバースト到達時間を算出する。
【0419】
<4.2.技術的特徴2>
端末装置であるUE10とRAN20を構成する基地局(例えば、gNB)の間では、リンクアダプテーションを使ったデータの送受信が行われる。この送受信では、端末装置10と基地局20との間の通信品質に応じたMCS(Modulation and Coding Scheme)(変調パラメータの一例)が用いられる。
【0420】
つまり、端末装置10及び基地局20がシンボル当たり送信できるデータのサイズは、端末装置10と基地局20との間の通信品質に応じて変化する。例えば、通信品質がよい場合、端末装置10又は基地局20は、より多くのデータを送信できる。一方、通信品質が悪い場合、端末装置10又は基地局20は、より少ないデータしか送信できない。
【0421】
よって、上述した技術的特徴1において設定されるSPSで割り当てられるスロット当たり送信できるデータのサイズは、端末装置10及び基地局20の間の通信品質に応じて変化する。
【0422】
そこで、ここでは、基地局20が、MCSに応じてSPSの制御を行うようにする。例えば、基地局20は、MCSを特定し、最大データバースト量のデータバーストDBを特定したMCSを用いて送信するために必要な数のSPSを設定する。例えば、基地局20は、端末装置10との間のチャネル状態に基づき、MCSを特定する。基地局20は、データバーストを送信するために割り当てられたQoSフロー及びBWPの少なくとも一方に関する情報を取得する。基地局20は、QoSフローにおける最大データバースト量を送信するために必要なSPSを設定する。
【0423】
図16は、本開示の実施形態に係るSPS制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。図16に示すSPS制御処理は、基地局20によって実行される。
【0424】
図16に示すように、基地局20は、第2のバースト到達時間に保護ウィンドウの期間を加算したタイミング(基準タイミング)を基準に、最大データバースト量に基づいたSPSを設定する(ステップS101)。
【0425】
基地局20は、受信したCSI(Channel State Information)レポートに基づいてCQI(Channel Quality Indicator)を特定する(ステップS102)。このCSIレポートは、端末装置10との間のチャネル状態に関する状態情報であり、端末装置10から送信される。
【0426】
基地局20は、CQIに対応するModulation Order及びCode(Coding) Rate(変調パラメータの一例)を特定する(ステップS103)。
【0427】
基地局20は、特定したModulation OrderとCode Rateを使って、現在の(設定している)SPSで送信できるデータサイズを算出する(ステップS104)。基地局20は、算出されたSPSのデータサイズがスケジュールされたデータバーストDBの最大データバースト量以上であるかを判定する(ステップS105)。
【0428】
算出されたSPSのデータサイズが最大データバースト量以上であれば(ステップS105;Yes)、基地局20は処理を終了する。
【0429】
一方、算出されたSPSのデータサイズが最大データバースト量以上でなければ(ステップS105;No)、基地局20は、最大データバースト量に必要なSPSを追加し(ステップS106)、処理を終了する。
【0430】
ここで、SPSの追加するために、基地局20は、例えば、時間軸上で連続して複数のスロットをSPSのリソースとして割り当てるためのnumberOfSlotsPerSPSを変更する。あるいは、基地局20は、追加で設定する1つ以上のSPSのsps-ConfigをBWP-DownlinkDedicated用のIE(Information Element)に含まれるsps-ConfigToAddModListに追加する。基地局20は、RRCメッセージを使って端末装置10に設定されているsps-ConfigToAddModListを更新する。sps-ConfigToAddModListに含まれる各sps-Configは、sps-ConfigIndexによって識別することができる。
【0431】
図17は、本開示の実施形態に係るSPS制御処理の流れの他の例を示すフローチャートである。図17に示すSPS制御処理は、基地局20によって実行される。また、図16に示すSPS制御処理と同じ処理には同一符号を付し一部説明を省略する。
【0432】
基地局20は、最大データバースト量に基づいて複数のSPSを設定する(ステップS201)。その後、基地局20は、現在の複数のSPSで送信できるデータサイズを算出し、算出されたSPSのデータサイズがスケジュールされたデータバーストDBの最大データバースト量以上であるかを判定する(ステップS102~S105)。
【0433】
算出されたSPSのデータサイズが最大データバースト量以上でなければ(ステップS105;No)、基地局20は、最大データバースト量に必要なSPSを追加し(ステップS106)、処理を終了する。
【0434】
一方、算出されたSPSのデータサイズが最大データバースト量以上であれば(ステップS105;Yes)、基地局20は、1つ以上のSPSを解除すると最大データバースト量を満たせるか否かを判定する(ステップS202)。
【0435】
1つ以上のSPSを解除するとサイダーデータバースト量を満たせない場合(ステップS202;No)、基地局20は、処理を終了する。
【0436】
1つ以上のSPSを解除しても最大データバースト量を満たすことができる場合(ステップS202;Yes)、基地局20は、解除可能な1つ以上のSPSを特定する(203)。例えば、基地局20は、解除可能なSPSとして、時間的領域でより後ろのスロットに設定されているSPSを特定する。
【0437】
基地局20は、設定している複数のSPSの中から特定したSPSを解除する(S204)。ここで、基地局20は、例えば、時間軸上で連続して複数のスロットをSPSのリソースとして割り当てるためのnumberOfSlotsPerSPSを変更することでSPSを解除する。あるいは、基地局20は、解除する1つ以上のSPSのsps-ConfigをBWP-DownlinkDedicated用のIEに含まれるsps-ConfigToAddModListから削除する。基地局20は、RRCメッセージを使って端末装置10に設定されているsps-ConfigToAddModListを更新する。
【0438】
ここでは、基地局20が、スケジュールされたデータバーストの最大データバースト量を送信する際に、RRCメッセージを使ってnumberOfSlotsPerSPS、又は、sps-ConfigToAddModListを変更する。これにより、基地局20は、MCSに応じて必要になる無線リソース(configured downlink assignment)の追加又は解除を行う。しかしながら、基地局20が無線リソースを追加又は解除する方法は、上述した例に限定されない。
【0439】
例えば、基地局20が、RRCによって複数のsps-Configによるconfigured downlink assignmentsを設定することで、無線リソースの追加又は解除を行うようにしてもよい。この場合、基地局20は、L1シグナリング、つまりDCIを使って1つ以上のconfigured downlink assignment(s)のアクティベーション、又は、ディアクティベーションを指示する。
【0440】
以上の処理により、端末装置10と基地局20との間の通信品質が変化する場合でも、アプリケーションサーバ40及び5GSは、低遅延な無線通信環境でスケジュールされたデータバーストDBを端末装置10(UE10)に安定して送信することができる。なお、端末装置10と基地局20との間の通信品質は、例えば、端末装置10のモビリティにより変化する。
【0441】
また、基地局20は、5G-AN PDBの期間内に最大データバースト量を処理できないと判断した場合、AF308に最大データバースト量を処理できないことの通知をフィードバックするようにしてもよい。AF308は、この通知をアプリケーションサーバ40に転送する。
【0442】
AF308を介して、基地局20が最大データバースト量を処理できないことの通知を受信したアプリケーションサーバ40は、現在よりもデータ量の少ないフォーマット、例えば、解像度のより低い動画のフォーマットへの変更を決定する。
【0443】
アプリケーションサーバ40は、変更したデータのフォーマットに基づいて生成したトラフィックパターンに係る情報をTSCTSF312に提供する。TSCTSF312は、取得したトラフィックパターンに係る情報に基づいてTSC支援コンテナを更新する。トラフィックパターンに係る情報には、変更したデータのフォーマットに対応する最大TSCバーストサイズが含まれている。
【0444】
PCF305は、TSCTSF312から更新されたTSC支援コンテナを取得する。PCF305は、更新されたTSC支援コンテナをPCCルールの一部として、SMF306に転送する。
【0445】
SMF306は、更新されたTSC支援コンテナと合わせてPCCルールをPCF305から取得する。SMF306は、PCCルールをQoSフローに対応付ける。ここで、SMF306は、PCCルールを、最大データバーストサイズと等しい、又は、それ以上の最大データバースト量を有する5QIのQoSフローに対応付ける。
【0446】
基地局20は、変更したデータのフォーマットが反映された最大データバースト量を5G-AN PDBの期間内に処理できるように、ダイナミックスケジューリング、又は、SPSにより無線リソースを確保する。
【0447】
以上の処理により、通信システム1は、基地局20の無線リソースの利用状況に応じた、アプリケーションによる適応的なデータのフォーマットの選択が可能となり、低遅延通信の可用性(availability)が向上する。
【0448】
<4.3.技術的特徴3>
上述した技術的特徴1では、RAN20を構成する基地局(例えば、gNB)は、各データバーストDBの受信を完了するタイミング以降のスロットにSPSを設定して、スケジュールされたデータバーストDBを送信する。この場合、基地局20は各データバーストDBの全てを保持するために十分なサイズのバッファが必要となるため、このバッファのサイズをより小さくすることが望まれる。さらに、TSCの観点から、より低遅延化されることが望まれる。
【0449】
そこで、ここでは、基地局20のバッファサイズをより小さくすることができ、かつ、より低遅延化を実現できる仕組みについて説明する。
【0450】
図18は、本開示の実施形態に係るRAN20でスケジュールされたデータバーストDBに対して行われる処理の一例を示す図である。図18では、上述した技術的特徴1で行われる処理が示される。
【0451】
図18に示される処理では、保護ウィンドウの期間T3に受信される各データバーストDBが逐次的に1つのバッファに格納されていく。第1のバッファ状態では、最初のパケットを含む保護ウィンドウの期間内の第1の区間までのデータD#1がバッファに格納されている。
【0452】
第2のバッファ状態では、第1の区間までのデータD#1に加え、保護ウィンドウの期間内の第2の区間までのデータ#2を合わせたデータD#11がバッファに格納されている。
【0453】
第3のバッファ状態では、第1の区間、第2の区間までのデータD#11に加え、保護ウィンドウの期間内の第3の区間までのデータD#3を合わせたデータD#12がバッファに格納される。すなわち、第3のバッファ状態では、第1の区間~第3の区間を含む保護ウィンドウの期間内の全区間のデータD#12がバッファに格納されている。
【0454】
第2のバースト到達時間に保護ウィンドウの期間を加算した基準タイミング(t0+T1+T2+T3)において、基地局20のバッファは第3のバッファ状態となる。
【0455】
図18の例では、この基準タイミング以降に設定されたSPSのconfigured downlink assignment(s)にバッファに格納されたデータD#12が割り当てられ、端末装置10に送信される。
【0456】
図19は、本開示の実施形態に係るRAN20でスケジュールされたデータバーストDBに対して行われる処理の他の例を示す図である。
【0457】
図19に示される処理では、基地局20は、保護ウィンドウの期間T3に受信される各データバーストDBを分割して1つのバッファに格納する。基地局20は、データバーストDBがバッファに一定量格納されるタイミングでSPSのconfigured downlink assignmentに割り当てられるように複数のSPSを設定する。
【0458】
図19の例において、第1のバッファ状態では、最初のパケットを含む保護ウィンドウの期間内の第1の区間までのデータD#1がバッファに格納される。バッファされたデータD#1は、保護ウィンドウの期間T3内に設定された第1のSPSのconfigured downlink assignmentに割り当てられる。
【0459】
第2のバッファ状態では、第1の区間後の第2の区間のデータD#2がバッファに格納される。バッファされたデータD#2は保護ウィンドウの期間T3内で第1のSPSより後に設定された第2のSPSのconfigured downlink assignmentに割り当てられる。
【0460】
第3のバッファ状態では、第2の区間後の残りのデータD#3がバッファに格納される。バッファされたデータD#3は第2のバースト到達時間に保護ウィンドウの期間を加算した基準タイミング(t0+T1+T2+T3)以降に設定された第3のSPSのconfigured downlink assignmentに割り当てられる。
【0461】
以上のように、基地局20は、保護ウィンドウの期間T3内に1つ以上のSPSを設定する。さらに、基地局20は、この/これらのSPSのタイミングまでにバッファリングされたデータをこの/これらのSPSのconfigured downlink assignment(s)に逐次的に割り当てて端末装置であるUE10に送信する。換言すると、基地局20は、データバーストDBの到達時間(第2のバースト到達時間)以降、保護ウィンドウの期間の経過(すなわち、基準タイミングの経過)を待たずに、SPSを割り当て、データ(受信データの一例)を端末装置10に送信する。
【0462】
これにより、基地局20が装備しなくてはならないバッファの容量を小さくすることができる。さらに、基地局20は、スケジュールされた各データバーストDBの全てのデータの受信が完了する際にバッファに格納されているデータのサイズを小さくできる。そのため、基地局20は、端末装置10が各データバーストの全てのデータの受信を完了するまで時間を早めることができる。
【0463】
なお、上述した例では、基地局20が、保護ウィンドウの期間T3内に2つのSPS(第1、第2のSPS)を設定するとしたが、基地局20が設定するSPSの数は2つに限定されない。基地局20は、保護ウィンドウの期間T3内に1つのSPSを設定してもよく、3つ以上のSPSを設定してもよい。
【0464】
<4.4.技術的特徴4>
RAN20は、取得したTSC支援情報に基づき、ダイナミックスケジューリング、又は、SPSにより割り当てられた無線リソースを使ってスケジュールされたデータバーストDBをUE10に送信する。
【0465】
このとき、RAN20は、スケジュールされたデータバーストDBに割り当てられたTSC QoSフローの5QIの5G-AN PDBに従って、ダイナミックスケジューリング、又は、SPSのいずれかのスケジューリング方法を決定するようにしてもよい。
【0466】
図20は、本開示の実施形態に係るパケット遅延許容時間によるリソース割り当て処理の流れの一例を示す図である。このリソース割り当て処理は、基地局20で行われる。
【0467】
図20に示すように、RAN20を構成する基地局(例えば、gNB)は、SMF306からTSC支援情報を取得する(ステップS301)。ここで、TSC支援情報には5G-AN PDBに対する閾値が含まれている。
【0468】
SMF306によって固定、又は、ダイナミックにCN-PDBを設定されていれば、基地局20は、設定されているCN-PDB(コアネットワークでのパケット遅延許容時間)をSMF306から取得する(ステップS302)。
【0469】
基地局20は、TSC QoSフローの5QIのPDBからCN-PDBを差し引くことで5G-AN PDB(アクセスネットワークでのパケット遅延許容時間)を算出する(ステップS303)。ここで、基地局20は、SMF306からCN-PDBをTSC支援情報に含めて取得してもよい。
【0470】
基地局20は、算出された5G-AN PDBとTSC支援情報に含まれている閾値(例えば、1ms)との比較を行い、5G-AN PDBが閾値以下であるか否かを判定する(ステップS304)。
【0471】
5G-AN PDBが閾値以下の場合(ステップS304;Yes)、基地局20は、スケジュールされたデータバーストDBの送信のために、SPSを設定する(ステップS305)。基地局20は、SPSのconfigured downlink assignment(s)を設定する。
【0472】
一方、5G-AN PDBが閾値を越える場合(ステップS304;No)、基地局20は、スケジュールされたデータバーストDBの送信のために、ダイナミックスケジューリングによる無線リソースを割り当てる(ステップS306)。
【0473】
なお、ここでは、基地局20が、ステップS304において5G-AN PDBが閾値以下であるか否かを判定するとしたが、判定方法はこれに限定されない。例えば、基地局20がステップS304において閾値未満であるか否かを判定するようにしてもよい。
【0474】
また、ここでは、基地局20が5G-AN PDBに応じてリソース割り当てを行うとしたが、リソース割り当て方法はこれに限定されない。例えば、基地局20がバースト到達時間の測定結果に応じてリソースを割り当ててもよい。
【0475】
図21は、本開示の実施形態に係るバースト到達時間の測定結果によるリソース割り当て処理の流れの一例を示す図である。このリソース割り当て処理は、基地局20で行われる。
【0476】
図21に示すように、RAN20を構成する基地局(例えば、gNB)は、SMF306からTSC支援情報を取得する(ステップS301)。ここで、TSC支援情報にはバースト到達時間の測定結果に対する閾値が含まれている。
【0477】
基地局20は、アプリケーションサーバ40から送信されたデータバーストDBの最初のパケットを受信する時間(t_arrival)を検出する(ステップS401)。
【0478】
基地局20は、TSC支援情報に含まれる第2のバースト到達時間に対する差分を算出する(ステップS402)。
【0479】
基地局20は、SMF306からCN-PDBを取得できない場合には、t_arrivalの第2のバースト到達時間に対する差分に従って、ダイナミックスケジューリング、又はSPSのいずれかのスケジューリング方法を決定する。
【0480】
基地局20は、t_arrivalの第2のバースト到達時間に対する差分が負の値であるか否かを判定する。すなわち、基地局20は、差分が0未満であるか否かを判定する(ステップS403)。
【0481】
アプリケーションサーバ40から送信されたデータバーストDBの最初のパケットが第2のバースト到達時間通り、又は、第2のバースト到達時間より遅く、基地局20に到達している場合、差分が0以上となる。
【0482】
この場合(ステップS403;No)、基地局20は、スケジュールされたデータバーストの送信のためにSPSを設定する(ステップS404)。基地局20は、SPSのconfigured downlink assignment(s)を設定する。
【0483】
ここで、基地局20は第2のバースト到達時間に保護ウィンドウの期間を加算したタイミング(基準タイミング)を基準にしてSPSのconfigured downlink assignment(s)を設定する。
【0484】
一方、アプリケーションサーバ40から送信されたデータバーストDBの最初のパケットが第2のバースト到達時間より早く基地局20に到達している場合、t_arrivalの第2のバースト到達時間に対する差分が負の値(0未満)となる。
【0485】
この場合(ステップS403;Yes)、基地局20は、差分の絶対値がTSC支援情報に含まれる閾値(例えば、1ms)を超えるか否かを判定する(ステップS405)。
【0486】
差分の絶対値が閾値を超える場合(ステップS405;Yes)、基地局20は、スケジュールされたデータバーストDBの送信のために、ダイナミックスケジューリングによる無線リソースを割り当てる(ステップS406)。
【0487】
一方、差分の絶対値が閾値を超えない、すなわち、差分の絶対値が閾値以上である場合(ステップS405;No)、基地局20はステップS404を実行する。
【0488】
ここで、基地局20はt_arrivalに保護ウィンドウの期間を加算したタイミングを基準にしてSPSのconfigured downlink assignment(s)を設定する。
【0489】
なお、基地局20は、ステップS403において、差分が正の値であると判定した場合、確立されたPDUセッションにおいてデータバーストDBに割り当てられた5QIのCN PDBを満たせていないと判断する。つまり、アプリケーションサーバ40から送信されたデータバーストの最初のパケットを第2のバースト到達時間より遅く受信する場合、基地局20は、CN PDBを満たせていないと判断する。この場合、基地局20は、SMF306にその旨を報告する。
【0490】
ここで、SMF306は、前述のQoSモニタリングを介してCN PDBの測定結果を取得し得る。これにより、SMF306が、データバーストDBに割り当てられた5QIのCN PDBを満たせていないことを検出するようにしてもよい。
【0491】
図22は、本開示の実施形態に係るTSC支援情報の更新処理の流れの一例を示す図である。更新処理は、SMF306で実行される。
【0492】
図22に示すように、SMF306は、コアネットワークでのパケット遅延許容時間に関する報告を取得する(ステップS501)。この報告は、データバーストDBの送信のために確立しているPDUセッションにおいて、データバーストDBに割り当てられた5QIのCN PDBを満たせていないことを示す。
【0493】
ここで、コアネットワークでのパケット遅延許容時間に関する報告は、QoSモニタリングを介したCN PDBの測定結果でもよい。
【0494】
続いて、SMF306は、データバーストDBに割り当てられた5QIのCN PDB(コアネットワークでのパケット遅延許容時間)を満たせているか否かを判定する(ステップS502)。
【0495】
データバーストDBに割り当てられた5QIのCN PDBを満たせていると検知(判定)すると(ステップS502;Yes)、SMF306は、処理を終了する。
【0496】
一方、データバーストDBに割り当てられた5QIのCN PDBを満たせていないことを検知(判定)すると(ステップS502;No)、SMF306は、CN PDB(コアネットワークでのパケット遅延許容時間)及び5G-AN PDB(アクセスネットワークでのパケット遅延許容時間)を再配分する(ステップS503)。なお、SMF306は、TSC QoSフローに対するパケット遅延許容時間の範囲で、これらPDBの配分を再設定する。
【0497】
SMF306は、更新される5G-AN PDB(アクセスネットワークでのパケット遅延許容時間)が有意、つまり、実現可能な許容時間であるか否かを判定する(ステップS504)。ここで、実現可能な許容時間は、負の値でなく、0以上の値である。実現可能な許容時間は、例えば、500us以上の時間である。
【0498】
例えば、SMF306は、更新される5G-AN PDBが500us以上である場合、実現可能な許容時間であると判定する。更新される5G-AN PDBが実現可能な許容時間であると判定すると(ステップS504;Yes)、SMF306は、更新されたCN PDB(アクセスネットワークでのパケット遅延許容時間)を使って第2のバースト到達時間を更新する(ステップS505)。
【0499】
SMF306は、TSC支援情報に更新された第2のバースト到達時間を含めることで、TSC支援情報を更新して(ステップS506)、処理を終了する。ここで、更新されたTSC支援情報には、更新された第2のバースト到達時間がどのデータバーストDB(例えば、これから送信される2つ目のデータバーストDB)から適用されることを示す情報が含まれ得る。
【0500】
一方、例えば、SMF306は、更新される5G-AN PDBが500us未満である場合、実現可能な許容時間であると判定する。更新される5G-AN PDBが実現可能な許容時間でないと判定すると(ステップS504;No)、SMF306は、ゲートコントロールリストを更新し(ステップS507)、処理を終了する。
【0501】
ここで、SMF306は、第1の生存時間を満たすことができるように、例えば、データバーストDBが割り当てられているキューのタイムスロットの期間をより短い期間に変更することで、ゲートコントロールリストを更新する。あるいは、SMF306は、同じタイムスロットでパスするよう設定されている優先度の低い他のキューをブロックするように変更する。
【0502】
また、SMF306は、上述したステップS507において、ゲートコントロールリストの更新に加えて、又は代えて、トラフィックの優先制御のためのキューへの割り当ての変更を行ってもよい。この場合、SMF306は、CN PDBを改善できるように、例えば、データバーストDBをより優先度の高いキューに割り当てる。あるいは、SMF306は、データバーストDBが割り当てられているキューと同じキューに割り当てられている他のトラフィックの一部、又は、全てをより優先度の低いキューに割り当てる。
【0503】
上述したステップS501において、RAN20は、データバーストに割り当てられた5QIのCN PDBを満たせていないことを示すコアネットワークでのパケット遅延許容時間に関する報告をSMF306に送信する。このとき、RAN20が、さらに、t_arrivalの第2のバースト到達時間に対する差分(オフセット)を報告するようにしてもよい。オフセットを含む報告を受けたSMF306は、ステップS503において、このオフセットに基づいてCN PDBの配分を変更し得る。
【0504】
以上の処理を行うことで、SMF306は、アクセスネットワークでのパケット遅延許容時間(AN PDB)に応じて、ダイナミックスケジューリング、又は、SPSのいずれかのスケジューリング方法を決定することができる。なお、アクセスネットワークでのパケット遅延許容時間(AN PDB)は、コアネットワークでのパケット遅延許容時間(CN PDB)に依存する。
【0505】
また、SMF306は、TSC支援情報のパケット到達時間を使ってコアネットワークでのパケット遅延時間の変化を検出して、コアネットワークとアクセスネットワークの遅延許容時間の配分をダイナミックに制御することができる。
【0506】
また、基地局20は、SPSを設定することにより、アクセスネットワークでのTSC QoSフローの送信を安定して低遅延化することができる。一方、基地局20が他のトラフィックのデータ送信を犠牲にしてしまう可能性が懸念される。
【0507】
そこで、SMF306は、コアネットワークでの遅延許容時間を短くできる場合には、コアネットワークでの遅延許容時間を短くする。これにより、基地局20は、TSC QoSフローに対するアクセスネットワークでのパケット遅延許容時間に時間を割くことができる。
【0508】
これにより、基地局20は、SPSではなくダイナミックスケジューリングを選択することができる。そのため、基地局20は、他のトラフィックのデータ送信を犠牲にせずに、TSC QoSフローに対するアクセスネットワークでのパケット遅延許容時間を満たす範囲で柔軟な無線リソースの割り当てを行うことができる。
【0509】
<4.5.技術的特徴5>
なお、上述した各技術的特徴では、主にダウンリンクにおけるスケジュールされた周期的なデータバーストの伝送処理について説明を行った。また、アップリンクにおいても同様の仕組みで、端末装置であるUE10は、基地局であるRAN20、及び、UPF330を介して、スケジュールされた周期的なデータバーストをアプリケーションサーバ40に伝送することができる。
【0510】
図23は、本開示の実施形態に係るスケジュールされたデータバーストの5GSにおける伝送の他の例(アップリンク)を示す図である。この場合、RAN20は、UE10からデータバーストDB(受信データの一例)を受信し、UPF330を介してアプリケーションサーバ40に送信する。
【0511】
SMF306がUE10からPDUセッションの確立要求を受信すると、TSCTSF312は、トラフィックパターンに係る情報をAF308から取得してTSC支援コンテナを生成する。アプリケーションサーバ40は、時刻t0に最初のデータバーストDB#1の最初のパケットの受信を開始し、最初のデータバーストDB#1の全てのパケットが生存時間の間に受信できるように、トラフィックパターンに係る情報をTSCTSF312に提供する。
【0512】
アップリンクのスケジュールされた周期的なデータバーストDBに対するトラフィックパターンに係る情報には、データバーストDBの周期(Periodicity)、バースト到達時間(Burst Arrival Time)、生存時間(Survival Time)等が含まれている。
【0513】
SMF306がUE10からPDUセッションの確立要求を受信すると、TSCTSF312は、トラフィックパターンに係る情報をAF308から取得してTSC支援コンテナを生成する。
【0514】
TSC支援コンテナには、データバーストDBの周期(Periodicity)、第3のバースト到達時間(Burst Arrival Time)、第3の生存時間(Survival Time)が含まれる。ここで、第3のバースト到達時間は、UE10に接続されたDS-TT51、あるいは、UE10内(例えば、アプリケーションレイヤ)に構成されたDS-TT51の入力ポートに到達する時間である。第3のバースト到達時間は、UPF330からアプリケーションサーバ40までの遅延T1、及び、データバーストに割り当てられたTSC QoSフローの5QIのPDB(T2+T5)をt0から差し引いた時間(t0-T1-(T2+T5)=t0-(T1+T2+T5))となる。
【0515】
SMF306は、TSCTSF312からTSC支援コンテナを取得して、TSC支援コンテナに含まれるデータバーストの周期、第3のバースト到達時間、及び第3の生存時間を使ってトラフィックの優先制御のためのゲートコントロールリストを生成する。ここで、ゲートコントロールリストを使ったトラフィックの優先制御はDS-TT51に設定される。
【0516】
例えば、SMF306は、スケジュールされたデータバーストを優先度が最も高いキュー(Queue 7)に割り当てる。SMF306は、このキューをパスするタイムスロットの期間として第3の生存時間と等しい期間、又は、より短い期間を設定する。また、SMF306は、このタイムスロットの周期をデータバーストの周期に設定する。SMF306は、このタイムスロットの開始タイミングをDS-TT51の入力に到達する時間である第3のバースト到達時間に設定する。SMF306は、これらの設定を含むゲートコントロールリストを生成する。
【0517】
SMF306は生成したゲートコントロールリストを、UE10を介して、UE10に接続された、あるいは、UE10内に構成されたDS-TT51に送信する。DS-TT51は、取得したゲートコントロールリストに従って、保護ウィンドウを設定したトラフィックの優先制御を実行する。
【0518】
SMF306は、TSCTSF312からTSC支援コンテナを取得して、確立するPDUセッションに対してTSC支援情報を生成する。SMF306は、TSC支援コンテナに含まれる第3のバースト到達時間はUE10の出力インタフェースに到達する時間であるとみなし、TSC支援情報に含めるバースト到達時間として第3のバースト到達時間を含める。
【0519】
また、SMF306は、DS-TT51が実行するゲートコントロールリストを使ったトラフィックの優先制御による遅延T6(図示省略)を見込む場合、第4のバースト到達時間をTSC支援情報に含めるようにしてもよい。第4のバースト到着時間は、第3のバースト到達時間(t0-T1-T2-T5)から遅延T6を差し引いた時間である(t0-T1-T2-T5―T6)。
【0520】
なお、TSCTSF312が、TSC支援コンテナに含まれるデータバーストの周期、第3のバースト到達時間、及び、第3の生存時間を使ってゲートコントロールリストを生成するようにしてもよい。TSCTSF312が生成したゲートコントロールリストは、SMF306を介してUE10に提供される。
【0521】
UE10は、UE10に接続される、又は、UE10内の機能として設定されるDS-TT51が取得するゲートコントロールリストに合わせて、CGの設定、又は、DG(Dynamic Grant)の割り当てをRAN20に要求する。
【0522】
あるいは、RAN20が、ゲートコントロールリストに合わせて、CGの設定、又は、DGの割り当てを決定するようにしてもよい。この場合、RAN20は、DS-TT51に提供されるゲートコントロールリストをSMF306から取得する。なお、このゲートコントロールリストは、スケジュールされた周期的なアップリンクのデータバーストに対するリストである。
【0523】
基地局20は、ダウンリンクの例(技術的特徴1~4)と同様に、第3のバースト到達時間と保護ウィンドウの期間T3に基づいてCGを設定し得る。例えば、基地局20は、TSC支援情報に基づいてCG(無線リソースの割り当ての一例)を決定し、ConfiguredGrantConfigを端末装置10に送信することで、CGを設定する。
【0524】
さらに、RAN20は、スケジュールされたアップリンクのデータバーストDBに割り当てられたTSC QoSフローの5QIの5G-AN PDB(T5)に従って、CGの設定、又は、DGの割り当てを決定するようにしてもよい。
【0525】
SMF306によって固定、又は、ダイナミックにCN-PDB(T2)が設定されている場合、RAN20は、設定されているCN-PDBをSMF306から取得する。この場合、RAN20は、TSC QoSフローの5QIのPDBからCN-PDBを差し引くことで5G-AN PDBを算出する。ここで、RAN20は、CN-PDBを含むTSC支援情報をSMF306から取得してもよい。
【0526】
あるいは、AF308は、NEF302を介して、5GSからTSC QoSフローのアップリンクにおけるパケット遅延許容時間(例えば、T1、T2、T5)に係る情報を取得するようにしてもよい。AF308は、取得した情報を使って、アップリンクのスケジュールされた周期的なデータバーストDBのトラフィックパターンに係る情報を生成する。
【0527】
この場合、AF308は、UE10の出力インタフェースに届く際の可能な限り遅い時間として定義される第3のバースト到達時間を設定し得る。つまり、AF308は、アップリンクにおけるパケット遅延許容時間に係る情報を使ってアプリケーションサーバ40に到達する時間を把握した上でバースト到達時間を設定し得る。
【0528】
また、TSC QoSフローを処理するに際し、NW-TT52の機能/役割はユーザープレーンを処理する機能(例えば、UPF330の一機能)として統合されてもよい。同様に、DS-TT51の機能/役割は端末装置であるUE10の一機能として統合されてもよい。
【0529】
<<5.その他の実施形態>>
上述の実施形態は一例を示したものであり、種々の変更及び応用が可能である。
【0530】
本実施形態の情報処理装置300、基地局20、又は、端末装置10を制御する制御装置は、専用のコンピュータシステムにより実現してもよいし、汎用のコンピュータシステムによって実現してもよい。
【0531】
例えば、上述の動作を実行するための通信プログラムを、光ディスク、半導体メモリ、磁気テープ、フレキシブルディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布する。そして、例えば、該プログラムをコンピュータにインストールし、上述の処理を実行することによって制御装置を構成する。このとき、制御装置は、情報処理装置300、基地局20、又は、端末装置10の外部の装置(例えば、パーソナルコンピュータ)であってもよい。また、制御装置は、情報処理装置300、基地局20、又は、端末装置10の内部の装置(例えば、制御部33、制御部24、又は、制御部15)であってもよい。
【0532】
また、上記通信プログラムをインターネット等のネットワーク上のサーバ装置が備えるディスク装置に格納しておき、コンピュータにダウンロード等できるようにしてもよい。また、上述の機能を、OS(Operating System)とアプリケーションソフトとの協働により実現してもよい。この場合には、OS以外の部分を媒体に格納して配布してもよいし、OS以外の部分をサーバ装置に格納しておき、コンピュータにダウンロード等できるようにしてもよい。
【0533】
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0534】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。なお、この分散・統合による構成は動的に行われてもよい。
【0535】
また、上述の実施形態は、処理内容を矛盾させない領域で適宜組み合わせることが可能である。また、上述の実施形態のシーケンス図に示された各ステップは、適宜順序を変更することが可能である。
【0536】
また、例えば、本実施形態は、装置又はシステムを構成するあらゆる構成、例えば、システムLSI(Large Scale Integration)等としてのプロセッサ、複数のプロセッサ等を用いるモジュール、複数のモジュール等を用いるユニット、ユニットにさらにその他の機能を付加したセット等(すなわち、装置の一部の構成)として実施することもできる。
【0537】
なお、本実施形態において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、全ての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。従って、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
【0538】
また、例えば、本実施形態は、1つの機能を、ネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
【0539】
<<6.むすび>>
以上、本開示の各実施形態について説明したが、本開示の技術的範囲は、上述の各実施形態そのままに限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、異なる実施形態及び変形例にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0540】
また、本明細書に記載された各実施形態における効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、他の効果があってもよい。
【0541】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
周期的に受信する受信データに関する無線リソースの割り当て情報を決定し、
前記割り当て情報を端末装置に送信する制御部、
を備え、
前記受信データは、データバーストの到達時間、周期、及び、保護ウィンドウによって特定され、
前記無線リソースの前記割り当て情報は、前記到達時間、前記周期、及び、前記保護ウィンドウの少なくとも1つに基づいて決定される、
基地局。
(2)
前記割り当て情報は、SPS-Configである(1)に記載の基地局。
(3)
前記制御部は、UPFを介してアプリケーション装置から前記受信データを受信し、当該受信データを、前記無線リソースを用いて前記端末装置に送信する、(2)に記載の基地局。
(4)
前記割り当て情報は、ConfiguredGrantConfigである、(1)に記載の基地局。
(5)
前記制御部は、前記無線リソースを用いて前記端末装置から前記受信データを受信し、UPFを介して当該受信データをアプリケーション装置に送信する、(4)に記載の基地局。
(6)
前記保護ウィンドウの期間は、複数のキューを用いて前記受信データの転送を制御する際に、当該受信データに割り当てられた前記キューを用いて、当該受信データを優先的に転送させる期間である、
(1)~(5)のいずれか1つに記載の基地局。
(7)
前記制御部は、前記データバーストの到達時間から、前記保護ウィンドウの期間が経過した後に、前記無線リソースを割り当てる、(1)~(6)のいずれか1つに記載の基地局。
(8)
前記制御部は、前記データバーストの到達時間以降、前記保護ウィンドウの期間の経過を待たずに、前記無線リソースを割り当てる、(1)~(6)のいずれか1つに記載の基地局。
(9)
前記制御部は、Survival Timeを示す情報を取得し、
前記保護ウィンドウの期間、及び、前記無線リソースが割り当てられる期間の総和は、前記Survival Timeより短い、
(1)~(8)のいずれか1つに記載の基地局。
(10)
前記制御部は、前記端末装置との間のチャネル状態に関する状態情報を取得し、
前記受信データの送信又は受信に使用する変調パラメータを特定し、
前記受信データの前記送信又は前記受信のために割り当てられたQoSフロー、及び、帯域幅の少なくとも一方に関する優先情報を取得し、
前記QoSフローにおける最大データバースト量の前記受信データを、前記変調パラメータを用いて送信又は受信するために必要な数の前記無線リソースを割り当てる、
(1)~(9)のいずれか1つに記載の基地局。
(11)
特定した前記変調パラメータを用いて送信又は受信可能なデータ量が前記最大データバースト量よりも小さい場合、前記制御部は、少なくとも1つの前記無線リソースを追加で割り当て、前記無線リソースの追加割り当てに関する追加割り当て情報を、RRCシグナリングを用いて前記端末装置に通知する、(10)に記載の基地局。
(12)
特定した前記変調パラメータを用いて送信又は受信可能なデータ量が前記最大データバースト量より大きい場合、前記制御部は、少なくとも1つの前記無線リソースの割り当てをディアクティベーションし、前記無線リソースのディアクティベーションに関するディアクティベーション情報を、L1の制御情報を用いて前記端末装置に通知する、(10)又は(11)に記載の基地局。
(13)
前記制御部は、アクセスネットワークにおける前記データバーストのパケット遅延許容時間、及び、当該パケット遅延許容時間に関する許容閾値を取得し、
前記パケット遅延許容時間、及び、前記許容閾値を使用して、複数の前記受信データに対する前記無線リソースの割り当て、又は、複数の前記受信データのうちの1つである第1の受信データに対する第1の無線リソースの割り当てを設定し、
割り当て結果を前記端末装置に送信する、
(1)~(12)のいずれか1つに記載の基地局。
(14)
前記制御部は、前記パケット遅延許容時間が前記許容閾値以下、又は、前記許容閾値未満である場合、複数の前記受信データに対する前記無線リソースの割り当てを設定する、(13)に記載の基地局。
(15)
前記制御部は、前記パケット遅延許容時間が前記許容閾値を超える、又は、前記許容閾値以上である場合、前記第1の受信データに対する前記第1の無線リソースの割り当てを設定する、(13)又は(14)に記載の基地局。
(16)
前記制御部は、前記データバーストの最初のパケットを受信する受信時間を検出し、
前記データバーストの前記到達時間と前記受信時間との差分を算出し、
前記差分に対する差分閾値を取得し、
前記差分及び差分閾値を使用して、複数の前記受信データに対する前記無線リソースの割り当て、又は、複数の前記受信データのうちの1つである第1の受信データに対する第1の無線リソースの割り当てを設定し、
割り当て結果を前記端末装置に送信する、
(1)~(12)のいずれか1つに記載の基地局。
(17)
前記制御部は、セッション管理装置に前記差分を送信し、
前記差分を送信後、前記セッション管理装置から前記パケット遅延許容時間を更新した更新遅延許容時間を取得し、
前記更新遅延許容時間及び前記許容閾値を使用して、複数の前記受信データに対する前記無線リソースの割り当て、又は、複数の前記受信データのうちの1つである第1の受信データに対する第1の無線リソースの割り当てを設定し、
割り当て結果を前記端末装置に送信する、
(16)に記載の基地局。
(18)
前記制御部は、前記データバーストに対するPDUセットの設定に係るPDU情報を取得し、
前記PDUセットを構成する2種類以上のデータの優先度に基づき、前記無線リソースの割り当てに関する前記割り当て情報を決定する、
(1)~(17)のいずれか1つに記載の基地局。
(19)
前記制御部は、
前記データバーストに対して設定された複数のPDUセットに係るPDUセット情報を取得し、
複数の前記PDUセットの優先度に基づき、前記PDUセットを構成するデータに対する前記無線リソースの割り当てに関する前記割り当て情報を決定する、
(1)~(17)のいずれか1つに記載の基地局。
(20)
前記データバーストは、GOP(Group Of Picture)を構成するデータであり、
前記PDUセットを構成する前記データの種類は、キーフレーム、Pフレーム、及び、Bフレームのいずれかである、(18)又は(19)に記載の基地局。
(21)
前記データバーストは、複数の領域で構成される360度の映像データであり、
前記PDUセットを構成する前記データの種類は、視点に対応する1つの領域、及び、前記視点に対応する他の領域のいずれかである、(18)又は(19)に記載の基地局。
(22)
前記制御部は、前記受信データの送信のために割り当てられたQoSフローに対するアクセス部でのパケット遅延許容時間及び最大データバースト量を取得し、
前記パケット遅延許容時間内に前記最大データバースト量を送信できるか否かを判定し、
前記パケット遅延許容時間内に前記最大データバースト量を送信できない場合に、その旨を外部装置に報告する、
(1)~(21)のいずれか1つに記載の基地局。
(23)
前記制御部は、第1の動画フォーマットを含む前記受信データを受信する期間の前記パケット遅延許容時間内に、前記最大データバースト量を送信することができないことを報告した後に、第2の動画フォーマットを含む前記受信データの受信を開始する、(22)に記載の基地局。
(24)
前記制御部は、第1の動画フォーマットを含む前記受信データを受信する期間の前記パケット遅延許容時間内に、前記最大データバースト量を送信することができないことを報告した後に、前記受信データの送信のために割り当てられた第2のQoSフローに対するアクセス部での第2のパケット遅延許容時間及び第2の最大データバースト量を取得し、
前記第2のQoSフローに対応する前記第2の動画フォーマットを含む前記受信データを受信する、
(22)又は(23)に記載の基地局。
(25)
前記制御部は、前記データバーストに割り当てられたバーストシーケンシャル番号を取得し、
PDUセット、又は、当該PDUセット内の各PDUに割り当てられたPDUシーケンシャル番号であって、前記バーストシーケンシャル番号に対応付けられた前記PDUシーケンシャル番号を取得し、
前記バーストシーケンシャル番号に対応する前記データバーストの前記保護ウィンドウの期間に、前記PDUシーケンシャル番号に対応する前記PDUセット内の複数の前記PDUを送信するために前記無線リソースを割り当てる、
(1)~(24)のいずれか1つに記載の基地局。
(26)
前記PDUシーケンス番号が、前記PDUセットに割り当てられたセットシーケンシャル番号である場合、前記セットシーケンシャル番号に対応する前記PDUセット内の各PDUに割り当てられた個別シーケンス番号を取得し、
前記セットシーケンシャル番号に対応する前記PDUセット内の、前記個別シーケンシャル番号が割り振られた前記PDUを送信するために、前記無線リソースを割り当てる、
(25)に記載の基地局。
(27)
前記制御部は、前記個別シーケンシャル番号より先の第1のPDUに対して、前記個別シーケンシャル番号より後の第2のPDUより優先して前記無線リソースを割り当てる、(26)に記載の基地局。
(28)
前記制御部は、前記第1のPDUの再送が前記第2のPDUの再送より優先されるよう、前記無線リソースを割り当てる、(27)に記載の基地局。
(29)
前記制御部は、複数の前記PDUのうち、前記バーストシーケンシャル番号に対応する前記データバーストの前記保護ウィンドウの前記期間内に送信できない前記個別シーケンシャル番号の第3のPDUを破棄する、(26)~(28)のいずれか1つに記載の基地局。
(30)
前記PDUセットには、1つのGOPが割り当てられ、
前記第1のPDUにはキーフレームのデータが割り当てられ、
前記第2のPDUには、Pフレームのデータ)又はBフレームのデータが割り当てられ、
前記第3のPDUには、Pフレームのデータ)又はBフレームのデータが割り当てられる、
(26)~(29)のいずれか1つに記載の基地局。
(31)
前記制御部は、前記PDUシーケンシャル番号が、前記PDUセット内の各PDUに割り当てられた個別PDUシーケンシャル番号である場合、前記バーストシーケンシャル番号に対応する前記個別シーケンシャル番号が割り振られた前記PDUを送信するために、前記無線リソースを割り当てる、
(25)に記載の基地局。
(32)
前記制御部は、前記PDUセットの設定に係るPDU情報を取得し、
前記PDU情報に従って、前記個別シーケンシャル番号より先の第1のPDUに対して、前記個別シーケンシャル番号より後の第2のPDUより優先して前記無線リソースを割り当てる、(31)に記載の基地局。
(33)
前記制御部は、前記PDUセットの設定に係るPDU情報を取得し、
前記PDU情報に従って、前記個別シーケンシャル番号より先の第1のPDUを破棄し、
前記個別シーケンシャル番号より後の第2のPDUを送信するために前記無線リソースを割り当てる、
(31)又は(32)に記載の基地局。
(34)
前記PDUセットには、1つのGOPが割り当てられ、
前記第1のPDUにはキーフレームのデータが割り当てられ、
前記第2のPDUには、Pフレームのデータ)又はBフレームのデータが割り当てられ、
前記第3のPDUには、Pフレームのデータ)又はBフレームのデータが割り当てられる、
(31)~(33)のいずれか1つに記載の基地局。
(35)
周期的に受信又は送信するデータに関する無線リソースの割り当て情報を基地局から受信する制御部、
を備え、
前記データは、データバーストの到達時間、周期、及び、保護ウィンドウによって特定され、
前記無線リソースの前記割り当て情報は、前記到達時間、前記周期、及び、前記保護ウィンドウの少なくとも1つに基づいて決定される、
端末装置。
(36)
前記制御部は、周期的に受信又は送信する前記データのためのセッションの確立要求を前記基地局に送信し、
前記割り当て情報に従って、前記セッションの前記データに対する前記無線リソースの割り当てを設定する、
(35)に記載の端末装置。
(37)
前記セッションの前記確立要求は、周期的に受信又は送信する前記データのためのネットワークスライスの識別情報を含む、(36)に記載の端末装置。
(38)
前記制御部は、前記割り当て情報を、RRC(Radio Resource Control)を介して取得する、(35)~(37)のいずれか1つに記載の端末装置。
(39)
前記無線リソースの割り当ては、Semi-Persistent Schedulingによって設定される、(35)~(38)のいずれか1つに記載の端末装置。
(40)
前記割り当て情報は、Semi-Persistent Schedulingによって設定される連続したスロットのスロット数に関する情報を含む、(39)に記載の端末装置。
(41)
前記無線リソースは、Semi-Persistent Schedulingによって設定される不連続な複数のスロットを含み、
前記割り当て情報は、不連続な複数の前記スロットのスロット間隔及びスロット数に関する情報を含む、
(39)に記載の端末装置。
(42)
前記無線リソースは、Semi-Persistent Schedulingによって設定される不連続な複数のスロットを含み、
前記割り当て情報は、不連続な複数の前記スロットの先頭スロットからの相対的なスロット位置に関する情報を含む、
(39)に記載の端末装置。
(43)
前記無線リソースは、Semi-Persistent Schedulingによって設定される不連続な複数のスロットを含み、
前記割り当て情報は、任意の期間内で割り当てられる不連続な複数の前記スロットの複数のパターンのうちの1つを特定するための特定情報を含む、
(39)に記載の端末装置。
(44)
前記無線リソースの割り当ては、Configured Grantである、(35)~(38)のいずれか1つに記載の端末装置。
(45)
前記割り当て情報は、Configured Grantによって設定される連続したスロット又はシンボルの数に関する情報を含む、(44)に記載の端末装置。
(46)
前記無線リソースは、Configured Grantによって設定される不連続な複数のスロット又はシンボルを含み、
前記割り当て情報は、不連続な複数の前記スロット又は前記シンボルの間隔及び数に関する情報を含む、
(44)に記載の端末装置。
(47)
前記無線リソースは、Configured Grantによって設定される不連続な複数のスロット又はシンボルを含み、
前記割り当て情報は、不連続な複数の前記スロット又は前記シンボルの先頭からの相対的な位置に関する情報を含む、
(44)に記載の端末装置。
(48)
前記無線リソースは、Configured Grantによって設定される不連続な複数のスロット又はシンボルを含み、
前記割り当て情報は、任意の期間内で割り当てられる不連続な複数の前記スロット又は前記シンボルの複数のパターンのうちの1つを特定するための特定情報を含む、
(44)に記載の端末装置。
(49)
前記割り当て情報は、複数の前記無線リソースの割り当ての前記設定に関する情報を含む、(35)~(48)のいずれか1つに記載の端末装置。
(50)
前記制御部は、受信したL1シグナリングに基づき、複数の前記無線リソースの割り当ての少なくとも1つの割り当てをアクティベートする、(49)に記載の端末装置。
(51)
前記制御部は、受信したL1シグナリングに基づき、複数の前記無線リソースの割り当ての少なくとも1つの割り当てをディアクティベートする、(49)又は(50)に記載の端末装置。
(52)
データバーストの到達時間、周期、及び、保護ウィンドウによって特定されるデータであって、周期的に受信又は送信するデータのためのセッションの確立要求を端末装置から取得し、
前記データバーストの第1の到達時間、及び、周期に係る第1の情報を取得し、
複数のキューに分割されたトラフィックのユーザープレーンでの伝送処理における優先制御のために前記キューごとに割り当てられるタイムスロットを設定し、
複数の前記キューの中の1つである第1のキューを前記データバーストに割り当て、
前記周期、及び、前記第1のキューに割り当てられたタイムスロットに関する第2の情報を前記端末装置と通信を行う基地局に送信する、制御部、
を備える情報処理装置。
(53)
前記制御部は、ポリシーを管理するネットワーク機能から前記セッションに対応するポリシーを取得し、
前記ポリシーに従って、エッジアプリケーションサーバとの接続を含む前記セッションを確立する、
(52)に記載の情報処理装置。
(54)
前記確立要求は、前記セッションが属するネットワークスライスを識別するための識別情報を含み、
前記制御部は、前記識別情報に従って、エッジアプリケーションサーバとの接続を含む前記セッションを確立する処理を起動する、
(52)又は(53)に記載の情報処理装置。
(55)
前記制御部は、周期的に受信又は送信する前記データに割り当てられた5QIのパケット遅延許容時間を満たせない旨の通知を受信すると、前記通知に従って、確立されている前記セッションを、エッジアプリケーションサーバとの接続を含む第2のセッションに変更する、(52)~(54)のいずれか1つに記載の情報処理装置。
(56)
前記制御部は、前記基地局から前記通知を受信する、(55)に記載の情報処理装置。
(57)
前記制御部は、QoSモニタリングの測定結果を取得し、
前記測定結果に基づき、周期的に受信又は送信する前記データに割り当てられた5QIのパケット遅延許容時間を満たせているか否かを判定し、
前記パケット遅延許容時間を満たせていないと判定した場合、確立されている前記セッションを、エッジアプリケーションサーバとの接続を含む第2のセッションに変更する、(52)~(54)のいずれか1つに記載の情報処理装置。
(58)
前記制御部は、周期的に受信又は送信する前記データに割り当てられた5QIの第1のパケット遅延許容時間を取得し、
コアネットワークでの第2のパケット遅延許容時間であって、前記第1のパケット遅延許容時間より短い前記第2のパケット遅延許容時間を設定し、
前記到達時間に前記第2のパケット遅延許容時間を加えた第2の到達時間を設定し、
前記第2の到達時間に関する到達情報を前記基地局に送信する、
(52)に記載の情報処理装置。
(59)
前記制御部は、前記第1のパケット遅延許容時間を満たせていない旨の通知を受信すると、前記第2のパケット遅延許容時間を、前記第1のパケット遅延許容時間よりも短い第3のパケット遅延許容時間に更新し、
前記到達時間に前記第3のパケット遅延許容時間を加えた第3の到達時間を設定し、
前記第3の到達時間に関する第2の到達情報を前記基地局に送信する、
(58)に記載の情報処理装置。
(60)
前記制御部は、QoSモニタリングの測定結果を取得し、
前記測定結果に基づき、前記第1のパケット遅延許容時間を満たせているか否かを判定し、
前記第1のパケット遅延許容時間を満たせていないと判定した場合、前記第2のパケット遅延許容時間を、前記第1のパケット遅延許容時間よりも短い第3のパケット遅延許容時間に更新し、
前記到達時間に前記第3のパケット遅延許容時間を加えた第3の到達時間を設定し、
前記第3の到達時間に関する第2の到達情報を前記基地局に送信する、
(58)に記載の情報処理装置。
(61)
前記制御部は、アクセスネットワークでの第4のパケット遅延許容時間であって、前記第1のパケット遅延許容時間より短い前記第4のパケット遅延許容時間を設定し、
前記第4のパケット遅延許容時間に従って、前記アクセスネットワークでのSemi-Persistent Scheduling(SPS)の設定を指示するSPS指示情報を前記基地局に送信する、
(58)~(60)のいずれか1つに記載の情報処理装置。
(62)
前記制御部は、アクセスネットワークでの第4のパケット遅延許容時間であって、前記第1のパケット遅延許容時間より短い前記第4のパケット遅延許容時間を設定し、
前記第4のパケット遅延許容時間に従って、前記アクセスネットワークでのConfigured Grant(CG)の設定を指示するCG指示情報を前記基地局に送信する、
(58)~(61)のいずれか1つに記載の情報処理装置。
(63)
前記制御部は、前記データバーストに対するPDUセットの設定に係るPDU情報を取得する、(52)~(62)のいずれか1つに記載の情報処理装置。
(64)
前記制御部は、前記データバーストに対して設定された複数のPDUセットに係るPDUセット情報を取得する、(52)~(62)のいずれか1つに記載の情報処理装置。
(65)
前記PDU情報は、1つのGOPを各データバーストに割り当てるための情報であり、
前記GOPは、1つのキーフレーム、及び、少なくとも1つのPフレームを含む、(63)に記載の情報処理装置。
(66)
前記PDUセット情報は、複数の前記PDUセットの各PDUセットに1つのGOPのいずれか1つのフレームを割り当てるための情報であり、
前記GOPは、1つのキーフレーム、及び、少なくとも1つのPフレームを含む、(64)に記載の情報処理装置。
(67)
前記PDU情報、又は前記PDUセット情報は、1つのGOPを構成する各画像フレーム情報を各データバーストにそれぞれ割り当てるための情報であり、
前記GOPは、1つのキーフレーム、及び、少なくとも1つのPフレームを含む、(63)、又は(64)に記載の情報処理装置。
(68)
前記PDU情報、又は前記PDUセット情報は、前記GOPの前記キーフレームに前記Pフレームよりも高い優先度を設定するよう指示する情報を含む、(65)~(67)のいずれか1つに記載の情報処理装置。
(69)
前記PDU情報、又は前記PDUセット情報は、複数の領域で構成される360度映像のデータを各データバーストに割り当てるための情報であり、
複数の前記領域は、視点に対応する1つの領域を含む(63)、又は(64)に記載の情報処理装置。
(70)
前記PDU情報、又は前記PDUセット情報は、複数の領域で構成される360度映像の領域ごとのデータを各データバーストに割り当てるための情報であり、
複数の前記領域は、視点に対応する1つの領域を含む(63)、又は(64)に記載の情報処理装置。
(71)
前記PDU情報、又は前記PDUセット情報は、前記視点に対応する前記領域に、他の領域よりも高い優先度を設定するよう指示する情報を含む、(69)~(70)のいずれか1つに記載の情報処理装置。
(72)
アプリケーションレベルで生成される複数のデータの同期が必要である場合、前記PDU情報は、複数の前記データを各データバーストにそれぞれ割り当てるための情報である、(63)に記載の情報処理装置。
(73)
アプリケーションレベルで生成される複数のデータの同期が必要である場合、前記PDUセット情報は、複数の前記データを各データバーストにそれぞれ割り当てるための情報である、(64)に記載の情報処理装置。
(74)
前記PDU情報又は前記PDUセット情報は、複数の前記データ間に相対的な優先度を設定するよう指示する情報を含む、(72)又は(73)に記載の情報処理装置。
(75)
複数の前記データがアップリンクを介して送信される第1のデータ、及び、ダウンリンクを介して受信される第2のデータを含む場合、前記PDUセット情報は、さらに前記第1のデータを割り当てる第1のPDUセット、及び、前記第2のデータを割り当てる第2のPDUセット間の相対的なPDUセット許容期間を含み、
前記制御部は、前記PDUセット許容期間に基づき、前記第1のPDUセットを割り当てる前記第1のデータバースト、及び、前記第2のPDUセットを割り当てる前記第2のデータバーストの到達時間を設定する、(73)又は(74)に記載の情報処理装置。
(76)
第1の動画フォーマットで第1のデータを送信している場合であって、前記第1のデータを送信するために割り当てられた第1のQoSフローに対するアクセス部でのパケット遅延許容時間内に、最大データバースト量を送信できない旨の通知を他の装置から取得すると、前記第1のデータよりもデータ量が少ない第2の動画フォーマットで第2のデータの送信を開始する、制御部、
を備える情報処理装置。
(77)
前記制御部は、前記第2のデータを送信するために割り当てられた第2のQoSフローに対する前記アクセス部での第2のパケット遅延許容時間、及び、第2の最大データバースト量を取得する、(76)に記載の情報処理装置。
(78)
アプリケーションサーバ、基地局、及び、端末装置を備える通信システムであって、
前記アプリケーションサーバは、データバーストの到達時間、周期に係る情報をコアネットワークのネットワークファンクションに提供し、
前記基地局は、前記到達時間、前記周期、及び、保護ウィンドウに関する情報を前記ネットワークファンクションから取得し、前記到達時間、前記周期、及び、前記保護ウィンドウよって特定される周期的な受信データへの無線リソースを割り当て、
前記端末装置は、前記基地局から前記無線リソースの割り当て結果を取得する、
通信システム。
【符号の説明】
【0542】
1 通信システム
10端末装置
20 基地局
11,21 信号処理部
12,22,32 記憶部
13,23 ネットワーク通信部
14 入出力部
15,24,33 制御部
31 通信部
40 アプリケーションサーバ
300 情報処理装置
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