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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113614
(43)【公開日】2024-08-22
(54)【発明の名称】表示制御装置及び表示システム
(51)【国際特許分類】
   B60K 35/00 20240101AFI20240815BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20240815BHJP
【FI】
B60K35/00 Z
G08G1/16 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023018746
(22)【出願日】2023-02-09
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】栗橋 翠
(72)【発明者】
【氏名】辻野 美樹
【テーマコード(参考)】
3D344
5H181
【Fターム(参考)】
3D344AA21
3D344AB01
3D344AC25
3D344AD01
5H181AA01
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC12
5H181CC14
5H181FF32
5H181LL01
5H181LL04
5H181LL08
(57)【要約】
【課題】スリップストリームの効果を認識することができる表示制御装置を得る。
【解決手段】表示制御装置30は、自車両10の周辺の周辺情報を取得する周辺情報取得部41と、周辺情報に基づいて、自車両10の走行車線の前方を走行する先行車両の先行車両情報を取得する先行車両情報取得部42と、先行車両情報に基づいて、先行車両に対するスリップストリームの効果情報を算出する効果算出部43と、効果情報に基づいて、先行車両を表示する先行車両表示部110Aから自車両10を表示する自車両表示部10Aにわたって、先行車両に対するスリップストリームの効果を表示する制御を行う表示制御部44と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の周辺の周辺情報を取得する周辺情報取得部と、
前記周辺情報に基づいて、前記自車両の走行車線の前方を走行する先行車両の先行車両情報を取得する先行車両情報取得部と、
前記先行車両情報に基づいて、前記先行車両に対するスリップストリームの効果情報を算出する効果算出部と、
前記効果情報に基づいて、前記先行車両を表示する先行車両表示部から前記自車両を表示する自車両表示部にわたって、前記先行車両に対するスリップストリームの効果を表示する制御を行う表示制御部と、
を備える表示制御装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記先行車両に対するスリップストリームの効果を、前記先行車両表示部から前記自車両表示部に向けて移動するアニメーションで表示する制御を行う
請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記スリップストリームの効果が大きい程、前記アニメーションの移動速度を速く表示する制御を行う
請求項2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記スリップストリームの効果が大きい程、前記アニメーションを大きく表示する制御を行う
請求項2に記載の表示制御装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の表示制御装置と、
車室内の運転席の前方に設けられ、前記表示制御装置により制御された画像を表示する表示部と、
を備える表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置及び表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両前端部分画像と、車両前端部分画像の上方の領域に位置する追従対象車両と、追従対象車両と自車両との車間距離を表すバロメータと、が運転席の正面に設けられた情報ディスプレイに表示される技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-109582号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、表示制御装置においては、スリップストリームの効果を認識可能とすることが好ましい。
【0005】
本発明は、スリップストリームの効果を認識することができる表示制御装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る表示制御装置は、自車両の周辺の周辺情報を取得する周辺情報取得部と、前記周辺情報に基づいて、前記自車両の走行車線の前方を走行する先行車両の先行車両情報を取得する先行車両情報取得部と、前記先行車両情報に基づいて、前記先行車両に対するスリップストリームの効果情報を算出する効果算出部と、前記効果情報に基づいて、前記先行車両を表示する先行車両表示部から前記自車両を表示する自車両表示部にわたって、前記先行車両に対するスリップストリームの効果を表示する制御を行う表示制御部と、を備える。
【0007】
請求項1に係る表示制御装置では、先行車両に対するスリップストリームの効果情報に基づいて、先行車両を表示する先行車両表示部から自車両を表示する自車両表示部にわたって、先行車両に対するスリップストリームの効果を表示する制御を行う表示制御部を備えることで、先行車両表示部から自車両表示部にかけて、スリップストリームの効果が表示される。そのため、スリップストリームの効果が風を模した表示とされる。その結果、スリップストリームの効果を認識することができる。
【0008】
請求項2に係る表示制御装置は、請求項1に記載の表示制御装置において、前記表示制御部は、前記先行車両に対するスリップストリームの効果を、前記先行車両表示部から前記自車両表示部に向けて移動するアニメーションで表示する制御を行う。
【0009】
請求項2に係る表示制御装置では、表示制御部は、先行車両に対するスリップストリームの効果を、先行車両表示部から自車両表示部に向けて移動するアニメーションで表示する制御を行うことで、スリップストリームの効果が風の流れを模したアニメーション表示とされる。そのため、スリップストリームの効果が発生していることを認識しやすくすることができる。
【0010】
請求項3に係る表示制御装置は、請求項2に記載の表示制御装置において、前記表示制御部は、前記スリップストリームの効果が大きい程、前記アニメーションの移動速度を速く表示する制御を行う。
【0011】
請求項3に係る表示制御装置では、表示制御部は、スリップストリームの効果が大きい程、アニメーションの移動速度を速く表示する制御を行うことで、スリップストリームの効果が大きい場合に、アニメーションの移動速度が速く、スリップストリームの効果が小さい場合に、アニメーションの移動速度が遅く表示される。そのため、スリップストリームの効果の大きさを認識しやすくすることができる。
【0012】
請求項4に係る表示制御装置は、請求項2又は請求項3に記載の表示制御装置において、前記表示制御部は、前記スリップストリームの効果が大きい程、前記アニメーションを大きく表示する制御を行う。
【0013】
請求項4に係る表示制御装置では、表示制御部は、スリップストリームの効果が大きい程、アニメーションを大きく表示する制御を行うことで、スリップストリームの効果が大きい場合に、アニメーションが大きく表示され、スリップストリームの効果が小さい場合に、アニメーションが小さく表示される。そのため、スリップストリームの効果の大きさを認識しやすくすることができる。
【0014】
請求項5に係る表示システムは、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の表示制御装置と、車室内の運転席の前方に設けられ、前記表示制御装置により制御された画像を表示する表示部と、を備える。
【0015】
請求項5に係る表示システムでは、車室内の運転席の前方に設けられ、表示制御装置により制御された画像を表示する表示部を備えることで、運転席の前方に、先行車両に対するスリップストリームの効果が表示される。そのため、ドライバによって、スリップストリームの効果が発生していることを認識しやすくすることができる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明に係る表示制御装置によれば、スリップストリームの効果を認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施形態に係るシステム全体を概略的に示す概略図である。
図2】実施形態に係る表示制御装置の機能構成を示すブロック図である。
図3】実施形態に係る表示制御装置による表示例を示す図である。
図4】実施形態に係る表示制御装置による表示例を示す図である。
図5】実施形態に係る表示制御装置による処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、実施形態に係る表示制御装置30を備えた表示システム1について、図面を参照して説明する。走行中の車両の後方には、空気抵抗が通常より低下した状態となっているスリップストリームという現象が発生する。このスリップストリームの中に自車両が入ることにより、空気抵抗を少なくし、走行のためのエネルギー損失を抑えることが可能となる。
【0019】
本実施形態に係る表示システム1は、自車両の前方を走行する先行車両によるスリップストリームの効果を表示する例を説明する。なお、図1に記載された矢印UPは、車両上下方向の上方側を示し、矢印RHは、車両幅方向の右方側を示し、矢印FRは、車両前後方向の前方側を示している。
【0020】
[自車両10の構成]
図1に示すように、自車両10における車室内の前部には、インストルメントパネル11が設けられている。インストルメントパネル11は、車両幅方向に延在されており、インストルメントパネル11の車両右側にはステアリングホイール12が設けられている。
【0021】
インストルメントパネル11の前端部にはウインドシールドガラス13が設けられている。ウインドシールドガラス13は、車両上下方向及び車両幅方向に延在されて車室内部と車室外部とを区画している。
【0022】
ウインドシールドガラス13の車両右側端部は、車両右側のフロントピラー14に固定されている。フロントピラー14は、車両上下方向に延在されており、フロントピラー14の車両幅方向内側端部にはウインドシールドガラス13が固定されている。また、フロントピラー14の車両幅方向外側端部にはフロントサイドガラス15の前端部が固定されている。
【0023】
ウインドシールドガラス13には、画像を表示する表示領域S1を有する表示部20としての第一表示部21が設けられている。第一表示部21は、ステアリングホイール12の車両上方側に設けられており、表示装置としてのヘッドアップディスプレイ装置25によって投影された投影面を構成する。具体的には、インストルメントパネル11の車両前方側には、画像を投影可能なヘッドアップディスプレイ装置25が設けられており、ヘッドアップディスプレイ装置25からウインドシールドガラス13の第一表示部21へ画像が投影されるように構成されている。
【0024】
インストルメントパネル11には、画像を表示する表示領域S2を備えた表示部20としての第二表示部22と、画像を表示する表示領域S3を備えた表示部20としての第三表示部23と、が設けられている。第二表示部22は、インストルメントパネル11の車両幅方向の中央部に配設されたセンタディスプレイによって構成されている。第三表示部23は、運転席の車両前方に設けられたメータディスプレイによって構成されている。
【0025】
[表示システム1の構成]
図1に示すように、表示システム1は、カメラ26と、車間距離センサ27と、車速センサ28と、表示制御装置30と、ヘッドアップディスプレイ装置25と、第一表示部21と、を備えている。
【0026】
カメラ26は、自車両10に設けられ、自車両10の車両前方を撮影するように取り付けられている。
【0027】
車間距離センサ27は、自車両10に設けられ、自車両10の車両前方を走行する先行車両と自車両10との車間距離を検出する。車間距離センサ27は、レーザーレーダ装置やミリ波レーダ装置等を用いることができる。車速センサ28は、自車両10に設けられ、自車両10の車速を検出する。
【0028】
表示制御装置30は、自車両10に設けられ、種々の制御を行う。表示制御装置30としては、ECU(Electronic Control Unit)とすることができる。
【0029】
[表示制御装置30のハードウェア構成]
図1に示すように、表示制御装置30は、CPU(Central Processing Unit)31と、ROM(Read Only Memory)32と、RAM(Random Access Memory)33と、記憶部34と、通信部35と、入出力部36と、を含んで構成されている。各構成は、内部バス37を介して相互に通信可能に接続されている。
【0030】
CPU31は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU31は、ROM32又は記憶部34からプログラムを読み出し、RAM33を作業領域としてプログラムを実行する。また、CPU31は、ROM32又は記憶部34に記録されているプログラムに従って、上記各構成の制御および各種の演算処理を行う。
【0031】
ROM32は、各種プログラムおよび各種データを格納する。RAM33は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。記憶部34は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、及び各種データを格納する非一時的記録媒体である。本実施形態では、ROM32又は記憶部34には、後述する表示制御処理などを行うためのプログラムが格納されている。
【0032】
通信部35は、表示制御装置30がサーバ及び他の機器と通信するためのインターフェースであり、たとえば、CAN(Controller Area Network)、イーサネット(登録商標)、LTE(Long Term Evolution)、FDDI(Fiber Distributed Data Interface)、Wi-Fi(登録商標)などの規格が用いられる。
【0033】
入出力部36には、第一表示部21、第二表示部22、ヘッドアップディスプレイ装置25、カメラ26、車間距離センサ27、及び車速センサ28等が接続されている。
【0034】
[表示制御装置30の機能構成]
表示制御装置30では、カメラ26が撮影したカメラ画像と、車間距離センサ27が検出した検出情報と、車速センサ28が検出した検出情報とが、制御部40(図2参照)に入力され、制御部40において表示制御処理された処理情報が、ヘッドアップディスプレイ装置25に出力されるようになっている。制御部40では、CPU31が、ROM32又は記憶部34に記録されたプログラムにしたがって、表示制御処理を実行する。
【0035】
図2に示すように、制御部40は、機能的には、周辺情報取得部41と、先行車両情報取得部42と、効果算出部43と、表示制御部44と、を備えている。
【0036】
周辺情報取得部41は、カメラ26が撮影したカメラ画像に基づいて、自車両10の周辺の周辺情報を取得する。
【0037】
先行車両情報取得部42は、周辺情報取得部41が取得したカメラ画像と、車速センサ28が検出した自車両10の車速と、車間距離センサ27が検出した車間距離と、に基づいて、自車両10の走行車線の前方を走行する先行車両の先行車両情報を取得する。
【0038】
具体的には、先行車両情報取得部42は、周辺情報取得部41が取得したカメラ画像に基づいて、例えば、画像認識により、先行車両の車種を特定し、先行車両の大きさの情報を取得する。また、先行車両情報取得部42は、車速センサ28が検出した自車両10の車速と、車間距離センサ27が検出した車間距離の変化と、に基づいて、先行車両の車速の情報を取得する。
【0039】
効果算出部43は、先行車両情報に基づいて、先行車両に対するスリップストリームの効果情報を算出する。また、効果算出部43は、先行車両に対するスリップストリームの効果の大きさを判定する。効果算出部43は、先行車両情報取得部42が取得した先行車両の大きさが大きい程、スリップストリームの効果が大きいと判定する。効果算出部43は、先行車両情報取得部42が取得した先行車両の車速が速い程、スリップストリームの効果が大きいと判定する。
【0040】
表示制御部44は、効果算出部43が算出した効果情報に基づいて、先行車両を表示する先行車両表示部110Aから自車両10を表示する自車両表示部10Aにわたって、先行車両に対するスリップストリームの効果を表示する制御を行う。
【0041】
具体的には、図3に示すように、表示制御部44は、先行車両に対するスリップストリームの効果を、先行車両を表示する先行車両表示部110Aから自車両10を表示する自車両表示部10Aにわたって、自車両表示部10A及び先行車両表示部110Aの車両幅方向の両側にアニメーション50として表示する制御を行う。
【0042】
表示制御部44は、先行車両に対するスリップストリームの効果を、先行車両を表示する先行車両表示部110Aから自車両10を表示する自車両表示部10Aに向かって、マーク52が移動するアニメーション50で表示する制御を実行する。マーク52としては、車両前後方向に延在した線状とすることができる。
【0043】
図3に示すように、効果算出部43がスリップストリームの効果が大きいと算出した場合、表示制御部44は、マーク52の移動速度を速くする制御を行う。言い換えると、効果算出部43がスリップストリームの効果が大きいと算出した場合、表示制御部44は、アニメーション50の移動速度を速くする制御を行う。
【0044】
また、効果算出部43がスリップストリームの効果が大きいと算出した場合、表示制御部44は、マーク52の幅方向の数を増加させる制御を行う。図3の例では、マーク52の車両幅方向の数は、3本となっている。言い換えると、効果算出部43がスリップストリームの効果が大きいと算出した場合、表示制御部44は、アニメーション50を大きく表示する制御を行う。
【0045】
図4に示すように、効果算出部43がスリップストリームの効果が小さいと算出した場合、表示制御部44は、マーク52の移動速度を遅くする制御を行う。言い換えると、効果算出部43がスリップストリームの効果が小さいと算出した場合、表示制御部44は、アニメーション50の移動速度を遅くする制御を行う。
【0046】
また、効果算出部43がスリップストリームの効果が小さいと算出した場合、表示制御部44は、マーク52の幅方向の数を減少させる制御を行う。図4の例では、マーク52の車両幅方向の数は、1本となっている。言い換えると、効果算出部43がスリップストリームの効果が小さいと算出した場合、表示制御部44は、アニメーション50を小さく表示する制御を行う。
【0047】
[表示制御処理の流れ]
図5に示すように、表示制御処理を開始すると、周辺情報取得部41は、カメラ26が撮影したカメラ画像に基づいて、自車両10の周辺の周辺情報を取得する(ステップS101)。
【0048】
次いで、先行車両情報取得部42は、周辺情報取得部41が取得したカメラ画像と、車速センサ28が検出した自車両10の車速と、車間距離センサ27が検出した車間距離と、に基づいて、自車両10の走行車線の前方を走行する先行車両の先行車両情報を取得する(ステップS102)。
【0049】
次いで、効果算出部43は、先行車両情報に基づいて、先行車両に対するスリップストリームの効果情報を算出する(ステップS103)。
【0050】
次いで、効果算出部43は、先行車両に対するスリップストリームの効果が大きいか否かを判定する(ステップS104)。先行車両に対するスリップストリームの効果が大きいと判定された場合(ステップS104でYES)、表示制御部44は、アニメーション50の移動速度を速くする制御を行う(ステップS105)。
【0051】
次いで、表示制御部44は、アニメーション50のマーク52の大きくする制御を行い(ステップS106)、表示制御処理を終了する。
【0052】
一方、先行車両に対するスリップストリームの効果が小さいと判定された場合(ステップS104でNO)、表示制御部44は、アニメーション50の移動速度を遅くする制御を行う(ステップS107)。
【0053】
次いで、表示制御部44は、アニメーション50のマーク52を小さくする制御を行い(ステップS108)、表示制御処理を終了する。
【0054】
なお、効果算出部43が、スリップストリームの効果がほとんどないと算出した場合は、表示制御部44は、スリップストリームの効果を表示しないように制御してもよい。
【0055】
[作用]
本実施形態に係る表示制御装置30は、自車両10の周辺の周辺情報を取得する周辺情報取得部41と、周辺情報に基づいて、自車両10の走行車線の前方を走行する先行車両情報を取得する先行車両情報取得部42と、先行車両情報に基づいて、先行車両に対するスリップストリームの効果情報を算出する効果算出部43と、効果情報に基づいて、先行車両を表示する先行車両表示部110Aから自車両10を表示する自車両表示部10Aにわたって、先行車両に対するスリップストリームの効果を表示する制御を行う表示制御部44と、を備える(図3参照)。
【0056】
効果情報に基づいて、先行車両を表示する先行車両表示部110Aから自車両10を表示する自車両表示部10Aにわたって、先行車両に対するスリップストリームの効果を表示する制御を行う表示制御部44を備えることで、先行車両表示部110Aから自車両表示部10Aにかけて、スリップストリームの効果が表示される。そのため、スリップストリームの効果が風を模した表示とされる。その結果、スリップストリームの効果を認識することができる。
【0057】
本実施形態に係る表示制御装置30では、表示制御部44は、先行車両に対するスリップストリームの効果を、先行車両表示部110Aから自車両表示部10Aに向けて移動するアニメーション50で表示する制御を行う(図3及び図4参照)。
【0058】
表示制御部44は、先行車両に対するスリップストリームの効果を、先行車両表示部110Aから自車両表示部10Aに向けて移動するアニメーション50で表示する制御を行うことで、スリップストリームの効果が風の流れを模したアニメーション50によって表示とされる。そのため、スリップストリームの効果が発生していることを認識しやすくすることができる。
【0059】
本実施形態に係る表示制御装置30では、表示制御部44は、スリップストリームの効果が大きい程、アニメーション50の移動速度を速く表示する制御を行う(図3及び図4参照)。
【0060】
表示制御部44は、スリップストリームの効果が大きい程、アニメーションの移動速度を速く表示する制御を行うことで、スリップストリームの効果が大きい場合に、アニメーション50の移動速度が速く、スリップストリームの効果が小さい場合に、アニメーション50の移動速度が遅く表示される。そのため、スリップストリームの効果の大きさを認識しやすくすることができる。
【0061】
本実施形態に係る表示制御装置30では、表示制御部44は、スリップストリームの効果が大きい程、アニメーション50を大きく表示する制御を行う(図3及び図4参照)。
【0062】
表示制御部は、スリップストリームの効果が大きい程、アニメーション50を大きく表示する制御を行うことで、スリップストリームの効果が大きい場合に、アニメーション50が大きく表示され、スリップストリームの効果が小さい場合に、アニメーション50が小さく表示される。そのため、スリップストリームの効果の大きさを認識しやすくすることができる。
【0063】
本実施形態に係る表示システム1では、表示制御装置30と、車室内の運転席の前方に設けられ、表示制御装置30により制御された画像を表示する第一表示部21と、を備える(図1参照)。
【0064】
表示制御装置30と、車室内の運転席の前方に設けられ、表示制御装置30により制御された画像を表示する第一表示部21と、を備えることで、運転席の前方に、先行車両に対するスリップストリームの効果が表示される。そのため、ドライバによって、スリップストリームの効果が発生していることを認識しやすくすることができる。
【0065】
本実施形態に係る表示制御方法は、自車両10の周辺の周辺情報を取得し、周辺情報に基づいて、自車両10の走行車線の前方を走行する先行車両情報を取得し、先行車両情報に基づいて、先行車両に対するスリップストリームの効果情報を算出し、効果情報に基づいて、先行車両を表示する先行車両表示部110Aから自車両10を表示する自車両表示部10Aにわたって、先行車両に対するスリップストリームの効果を表示する制御を行う。
【0066】
本実施形態に係るプログラムは、自車両10の周辺の周辺情報を取得し、周辺情報に基づいて、自車両10の走行車線の前方を走行する先行車両情報を取得し、先行車両情報に基づいて、先行車両に対するスリップストリームの効果情報を算出し、効果情報に基づいて、先行車両を表示する先行車両表示部110Aから自車両10を表示する自車両表示部10Aにわたって、先行車両に対するスリップストリームの効果を表示する制御を行う処理をコンピュータに実行させる。
【0067】
以上、実施形態に係る表示制御装置30を、上記実施形態に基づき説明してきた。しかし、具体的な構成については、この実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更などは許容される。
【0068】
上記実施形態では、スリップストリームの効果が大きい程、マーク52の移動速度を速くし、アニメーション50を大きく表示する例を示した。しかし、スリップストリームの効果が大きい程、マークの移動速度を速くするだけでもよいし、アニメーションを大きく表示するだけでもよい。また、スリップストリームの効果が大きい程、マークの長さを長くしてもよいし、マークの太さを太くしてもよい。
【0069】
上記実施形態では、マーク52は、車両前後方向に延在した線状とする例を示した。しかし、マークは、風を表現する形状であればよく、例えば、車両幅方向に延在した形状であってもよい。
【0070】
上記実施形態では、先行車両に対するスリップストリームの効果を、アニメーション50で表示する例を示した。しかし、先行車両に対するスリップストリームの効果は、アニメーションではなく、静止画で表示してもよい。
【0071】
上記実施形態では、先行車両に対するスリップストリームの効果を示す画像は、ヘッドアップディスプレイ装置25に出力され、第一表示部21へ投影される例を示した。しかし、先行車両に対するスリップストリームの効果を示す画像は、第二表示部22や第三表示部23に出力されるようにしてもよい。
【0072】
上記実施形態では、CPU31がプログラムを読み込んで実行した処理を、CPU31以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Spec Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、上記処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせで実行してもよく、例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
【0073】
上記実施形態では、記憶部34に種々のデータを記憶させる構成としたが、これに限定されない。例えば、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の非一時的記録媒体を記憶部としてもよい。この場合、これらの記録媒体に各種プログラム及びデータなどが格納されることとなる。
【符号の説明】
【0074】
1 表示システム
10 自車両
10A 自車両表示部
21 第一表示部(表示部の一例)
30 表示制御装置
41 周辺情報取得部
42 先行車両情報取得部
43 効果算出部
44 表示制御部
50 アニメーション
110A 先行車両表示部
図1
図2
図3
図4
図5