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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113631
(43)【公開日】2024-08-22
(54)【発明の名称】キャップ
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/36 20060101AFI20240815BHJP
【FI】
B65D47/36 210
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042462
(22)【出願日】2023-03-17
(31)【優先権主張番号】P 2023018016
(32)【優先日】2023-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000175397
【氏名又は名称】三笠産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001298
【氏名又は名称】弁理士法人森本国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】関口 さやか
(72)【発明者】
【氏名】前田 達大
(72)【発明者】
【氏名】向井 麻衣
(72)【発明者】
【氏名】森 啓晃
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA12
3E084AB01
3E084BA03
3E084CA01
3E084CB01
3E084CB04
3E084CC03
3E084DA01
3E084DB12
3E084DB13
3E084DC03
3E084FA09
3E084FB01
3E084FC07
3E084GA01
3E084GA06
3E084GB01
3E084GB06
3E084GB12
3E084LA03
3E084LB02
3E084LB10
(57)【要約】
【課題】第2傾斜部の高さを高くして、指先をリング本体に挿入し易くすることが可能なキャップを提供する。
【解決手段】キャップ本体と注出ノズル12と蓋13とを有し、キャップ本体は容器の口部の内側と外側とを隔てる台座15を有し、注出ノズル12は台座15に設けられ、台座15は周りを弱化部19で囲まれた離脱部20を有し、離脱部20にプルリング22が設けられたキャップであって、プルリング22は、離脱部20に立設された支柱30と、支柱30に設けられたリング本体31とを有し、リング本体31は、支柱30に連結する基端部32と、基端部32とは反対側に位置する先端部33と、第1屈曲部34と、第2屈曲部35と、基端部32から第1屈曲部34に向かって斜め下に延びる第1傾斜部36と、第1屈曲部34から第2屈曲部35に向かって斜め上に延びる第2傾斜部37と、第2屈曲部35から先端部33に向かって水平に延びる引掛り部38とを有する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の口部に取り付けられるキャップ本体と、容器内の流体を注出する注出ノズルと、注出ノズルを開閉する蓋とを有し、
キャップ本体は容器の口部の内側と外側とを隔てる台座を有し、
注出ノズルは台座に設けられ、
台座は周りを弱化部で囲まれた離脱部を有し、
離脱部にプルリングが設けられて注出ノズルの内側に配置され、
プルリングが引かれた場合、弱化部が破断して離脱部が台座から離脱することにより、容器の口部の内側と注出ノズルの内側とに開通する注出口が形成されるキャップであって、
プルリングは、離脱部に立設された支柱と、支柱に設けられたリング本体とを有し、
リング本体は、支柱に連結する基端部と、径方向において基端部とは反対側に位置する先端部と、第1屈曲部と、第2屈曲部と、基端部から第1屈曲部に向かって斜め下に延びる第1傾斜部と、第1屈曲部から第2屈曲部に向かって斜め上に延びる第2傾斜部と、第2屈曲部から先端部に向かって水平に延びる引掛り部とを有していることを特徴とするキャップ。
【請求項2】
リング本体は、引掛り部の肉厚および第2傾斜部の肉厚よりも薄い肉厚を有する変形可能な薄肉部を備え、
薄肉部は、引掛り部から下向きに連設されているとともに、リング本体の周方向における両端部が第2傾斜部に連設されていることを特徴とする請求項1に記載のキャップ。
【請求項3】
リング本体の周方向における薄肉部の両端下部に、肉抜き部が設けられていることを特徴とする請求項2に記載のキャップ。
【請求項4】
離脱部からリング本体の先端部までの高さが離脱部からリング本体の基端部までの高さよりも高く、
離脱部からリング本体の第1屈曲部までの高さが離脱部からリング本体の基端部までの高さよりも低いことを特徴とする請求項1に記載のキャップ。
【請求項5】
離脱部に、上方が開放された凹部が形成され、
凹部はリング本体の下方に位置することを特徴とする請求項1に記載のキャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に取り付けられるキャップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のキャップとしては、例えば図10に示すように、プルリング101が引き上げられた場合、破断可能溝102が破断して底壁103がキャップ体104から離脱することにより、容器105の口部の内側と注出筒片106の内側とに開通する注出口(図示省略)が形成されるものがある。
プルリング101は、底壁103に立設された連結柱108と、連結柱108に設けられたリング本体109とを有している。
【0003】
リング本体109は、連結柱108に連結する基端部111と、径方向において基端部111とは反対側に位置する先端部112と、第1屈曲部113と、第2屈曲部114と、基端部111から第1屈曲部113に向かって水平に延びる第1水平部115と、第1屈曲部113から第2屈曲部114に向かって斜め上に延びる傾斜部116と、第2屈曲部114から先端部112に向かって水平に延びる第2水平部117とを有している。
【0004】
これによると、指先(図示省略)をリング本体109に挿入して第2水平部117に引っ掛け、リング本体109を引っ張り上げることにより、破断可能溝102が破断して底壁103がキャップ体104から離脱し、注出口がキャップ体104に形成される。
容器105を傾けることにより、容器105内の液体が注出口を通って注出筒片106から外部へ注出される。
尚、上記のようなプルリング101を備えたキャップは例えば下記特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4721153号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の従来形式では、傾斜部116の高さhが高い程、第1水平部115から第2水平部117までの空間120が上下方向に拡大されるため、指先119をリング本体109に挿入し易くなる。尚、傾斜部116の高さhとは、第1水平部115の上端と第2水平部117の上端との高低差に相当する。
【0007】
しかしながら、傾斜部116の高さhを高くすると、蓋121を閉じた際、蓋121がリング本体109の第2水平部117に当接する虞がある。このため、傾斜部116の高さhを高くするには困難を伴った。
本発明は、第2傾斜部の高さを高くして、指先をリング本体に挿入し易くすることが可能なキャップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本第1発明は、容器の口部に取り付けられるキャップ本体と、容器内の流体を注出する注出ノズルと、注出ノズルを開閉する蓋とを有し、
キャップ本体は容器の口部の内側と外側とを隔てる台座を有し、
注出ノズルは台座に設けられ、
台座は周りを弱化部で囲まれた離脱部を有し、
離脱部にプルリングが設けられて注出ノズルの内側に配置され、
プルリングが引かれた場合、弱化部が破断して離脱部が台座から離脱することにより、容器の口部の内側と注出ノズルの内側とに開通する注出口が形成されるキャップであって、
プルリングは、離脱部に立設された支柱と、支柱に設けられたリング本体とを有し、
リング本体は、支柱に連結する基端部と、径方向において基端部とは反対側に位置する先端部と、第1屈曲部と、第2屈曲部と、基端部から第1屈曲部に向かって斜め下に延びる第1傾斜部と、第1屈曲部から第2屈曲部に向かって斜め上に延びる第2傾斜部と、第2屈曲部から先端部に向かって水平に延びる引掛り部とを有しているものである。
【0009】
これによると、リング本体の第1傾斜部が基端部から第1屈曲部に向かって斜め下に延びているため、閉じた蓋にリング本体が当接しない範囲で、容易に、リング本体の第2傾斜部の高さを高くして、第1傾斜部から引掛り部までの空間を上下方向に拡大することができる。これにより、指先をリング本体に挿入し易くすることができる。
【0010】
指先をリング本体に挿入してリング本体を引っ張ることにより、弱化部が破断して離脱部が台座から離脱し、注出口がキャップ本体に形成される。容器を傾けることにより、容器内の流体が注出口を通って注出ノズルから外部へ注出される。
【0011】
本第2発明におけるキャップは、リング本体は、引掛り部の肉厚および第2傾斜部の肉厚よりも薄い肉厚を有する変形可能な薄肉部を備え、
薄肉部は、引掛り部から下向きに連設されているとともに、リング本体の周方向における両端部が第2傾斜部に連設されているものである。
【0012】
これによると、指先をリング本体に挿入してリング本体を引っ張る際、指先はリング本体の少なくとも引掛り部と薄肉部とに接触するため、指先とリング本体との接触面積が増大し、引張力が指先の広い範囲に分散して作用する。これにより、弱化部を破断して離脱部を台座から離脱させる際に指先が痛くならず、リング本体に対する指の当り感覚が向上する。
このとき、薄肉部が指先の形状や向き等に応じて変形するため、指先が確実に薄肉部に接触する。
【0013】
本第3発明におけるキャップは、リング本体の周方向における薄肉部の両端下部に、肉抜き部が設けられているものである。
【0014】
これによると、キャップを射出成形する際、樹脂が薄肉部の両端下部まで行き届き難く、薄肉部の両端下部が樹脂の充填困難箇所になって、薄肉部の両端下部にショートが発生する可能性がある。これに対して、肉抜き部を薄肉部の両端下部に設けることにより、樹脂の充填困難箇所を無くして、ショートの発生を防止することができる。
【0015】
本第4発明におけるキャップは、離脱部からリング本体の先端部までの高さが離脱部からリング本体の基端部までの高さよりも高く、
離脱部からリング本体の第1屈曲部までの高さが離脱部からリング本体の基端部までの高さよりも低いものである。
【0016】
本第5発明におけるキャップは、離脱部に、上方が開放された凹部が形成され、
凹部はリング本体の下方に位置するものである。
【0017】
これによると、指先をリング本体に挿入した際、指の先端を凹部に突入させることにより、容易に指を指先の奥までリング本体に挿入することができ、指先をリング本体にしっかりと引っ掛けることができる。
【発明の効果】
【0018】
以上のように本発明によると、リング本体の第2傾斜部の高さを高くして、第1傾斜部から引掛り部までの空間を上下方向に拡大することができる。これにより、指先をリング本体に挿入し易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第1の実施の形態におけるキャップの断面図であり、蓋を開いた様子を示す。
図2】同、キャップの平面図であり、離脱部が離脱していない状態で蓋を開いた様子を示す。
図3】同、キャップの平面図であり、離脱部が離脱している状態で蓋を開いた様子を示す。
図4】同、キャップのプルリングと離脱部の斜視図である。
図5】同、キャップのプルリングと離脱部の拡大断面図である。
図6】同、キャップのプルリングと離脱部の拡大断面図である。
図7図5におけるX-X矢視図である。
図8】本発明の第2の実施の形態におけるキャップのプルリングと離脱部の図である。
図9図8におけるX-X矢視図である。
図10】従来のキャップの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明における実施の形態を、図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態では、図1に示すように、1は飲料水や醤油等の調味料といった液体(流体の一例)を収容した容器である。容器1にはキャップ10が設けられている。
【0021】
図1図2に示すように、キャップ10は、容器1の口部3に取り付けられるキャップ本体11と、容器1内の液体(図示省略)を外部へ注出する注出ノズル12と、注出ノズル12を開閉する蓋13とを有する。蓋13はヒンジ14を介して開閉自在にキャップ本体11に取り付けられている。
【0022】
キャップ本体11は、容器1の口部3の内側と外側とを隔てる円板状の台座15と、台座15の外周縁から下向きに形成された外筒部16と、台座15から下向きに形成された内筒部17とを有している。
【0023】
径方向における外筒部16と内筒部17との間には、下方が開放された取付溝18が全周にわたり形成されている。容器1の口部3は取付溝18に嵌め込まれており、外筒部16が口部3の外周に接するとともに、内筒部17が口部3の内周に接する。
注出ノズル12は、円筒状のノズルであり、台座15に設けられている。
【0024】
図1図2図5に示すように、台座15は周りを環状(ループ状)の弱化部19で囲まれた離脱部20を有している。弱化部19には溝が形成されており、これによって弱化部19の肉厚が溝の周辺の肉厚よりも薄くなっている。離脱部20は注出ノズル12内の奥底部に配置されている。
【0025】
離脱部20には、プルリング22が設けられて注出ノズル12の内側に配置されている。プルリング22が引っ張られた場合、弱化部19が破断して離脱部20が台座15から離脱することにより、図3に示すように、容器1の口部3の内側と注出ノズル12の内側とに開通する注出口23が形成される。注出口23は、平面視において扇形状であり、中心部がヒンジ14に接近した側に位置しているとともに、円弧状部分が中心部よりもヒンジ14から遠い側に位置している。
【0026】
図1図2に示すように、プルリング22は、離脱部20に立設された支柱30と、支柱30に設けられたリング本体31とを有している。支柱30はヒンジ14に接近した側に位置しており、リング本体31は支柱30よりもヒンジ14から遠い側に位置している。
【0027】
図4図7に示すように、リング本体31は、支柱30に連結する基端部32と、リング本体31の径方向において基端部32とは反対側に位置する先端部33と、第1屈曲部34と、第2屈曲部35と、基端部32から第1屈曲部34に向かって斜め下に延びる第1傾斜部36と、第1屈曲部34から第2屈曲部35に向かって斜め上に延びる第2傾斜部37と、第2屈曲部35から先端部33に向かって水平に延びる引掛り部38と、弾性変形可能な薄肉部39とを有している。
【0028】
基端部32は支柱30の上端部からリング本体31の周方向へ二又状に分岐している部分である。引掛り部38は双方の第2屈曲部35間に亘って形成されている。
【0029】
図5に示すように、薄肉部39は、引掛り部38の肉厚t1および第2傾斜部37の肉厚(図示省略)よりも薄い肉厚t2を有しており、引掛り部38から下向きに連設されている。また、図7に示すように、リング本体31の周方向43における薄肉部39の両端部は両方の第2傾斜部37に連設されている。
【0030】
図6に示すように、離脱部20からリング本体31の先端部33までの高さh1は、離脱部20からリング本体31の基端部32までの高さh2よりも高い。離脱部20からリング本体31の第1屈曲部34の上端までの高さh3が離脱部20からリング本体31の基端部32までの高さh2よりも低い。
離脱部20には、上方が開放された凹部45が形成されている。凹部45はリング本体31の下方に位置している。
【0031】
図1図2に示すように、蓋13は、円盤状の天壁50と、天壁50の外周縁に設けられた円筒状の外周壁51と、閉栓時に注出ノズル12の先端開口部を密封するシールリング52とを有している。シールリング52は天板50の裏面に設けられており、蓋13を閉じた閉栓状態において、シールリング52が注出ノズル12の先端開口部の内周面に密接することにより、蓋13と注出ノズル12の先端開口部とのシール性(水密性)が確保される。
【0032】
図5に示すように、蓋13を閉じた閉栓状態において、リング本体31の先端部33は、蓋13の天壁50に接触せずに、天壁50よりも下方に位置し、リング本体31の先端部33と天壁50との間に隙間が形成される。
以下、上記構成における作用を説明する。
【0033】
図5図6に示すように、リング本体31の第1傾斜部36が基端部32から第1屈曲部34に向かって斜め下に延びているため、閉じた蓋13にリング本体31が当接しない範囲で、容易に、リング本体31の第2傾斜部37の高さHを高くして、第1傾斜部36から引掛り部38までの空間41を上下方向に拡大することができる。尚、第2傾斜部37の高さHとは、第1傾斜部36の上端と引掛り部38の上端との高低差に相当する。
これにより、図1に示すように、蓋13を開いた開栓状態において、指先54をリング本体31に挿入し易くすることができる。
【0034】
指先54をリング本体31に挿入してリング本体31を引っ張り上げることにより、弱化部19が破断して離脱部20が台座15から離脱し、図3に示すように、注出口23がキャップ本体11の台座15に形成される。容器1を傾けることにより、容器1内の液体が注出口23を通って注出ノズル12の先端開口部から外部へ注出される。
【0035】
また、図1に示すように、指先54をリング本体31に挿入してリング本体31を引っ張る際、指先54はリング本体31の少なくとも引掛り部38と薄肉部39とに接触するため、指先54とリング本体31との接触面積が増大し、引張力が指先54の広い範囲に分散して作用する。これにより、弱化部19を破断して離脱部20を台座15から離脱させる際に指先54が痛くならず、リング本体31に対する指の当り感覚(フィット感)が向上する。
このとき、薄肉部39が指先54の形状や向き等に応じて変形するため、指先54が確実に薄肉部39に接触する。
【0036】
また、図7に示すように、リング本体31の周方向43における薄肉部39の両端部は両方の第2傾斜部37に連設されているため、薄肉部39が変形しても、薄肉部39の両端部が根元から裂けるのを防止することができる。
【0037】
また、指先54をリング本体31に挿入した際、指の先端を凹部45に突入させることにより、容易に指を指先54の奥までリング本体31に挿入することができ、指先54をリング本体31にしっかりと引っ掛けることができる。
【0038】
また、リング本体31の内径はリング本体31の基端部32と先端部33とを通る直線方向において拡大するため、指先54をリング本体31に引っ掛け易くなる。
【0039】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態では、図8および図9に示すように、リング本体31の周方向43における薄肉部39の両端下部に、肉抜き部70が設けられている。肉抜き部70は、下端が開放された半円状の切欠部である。
【0040】
これによると、キャップ10を射出成形する際、樹脂は、リング本体31を第2傾斜部37から引掛り部38へ流れ、最終的に、第2傾斜部37および引掛り部38から薄肉部39に向かって流れる。このとき、先述した第1の実施の形態の薄肉部39(図7参照)では、樹脂が薄肉部39の両端下部まで行き届き難く、薄肉部39の両端下部が樹脂の充填困難箇所になって、薄肉部39の両端下部にショートが発生する可能性がある。
【0041】
この対策として、第2の実施の形態では、図8および図9に示すように、肉抜き部70を薄肉部39の両端下部に設けることにより、樹脂の充填困難箇所を無くして、ショートの発生を防止することができる。
【0042】
また、特に、両肉抜き部70間の領域において薄肉部39の可撓性が向上するため、リング本体31に対する指の当り感覚(フィット感)がより一層向上する。さらに、肉抜き部70を設けた分だけ、薄肉部39の表面積が減少するため、キャップ10を射出成形する際の成形性が改善される。
【0043】
上記各実施の形態では、蓋13がヒンジ14を介して開閉自在にキャップ本体11に連結されているヒンジ式のキャップ10を例示したが、ヒンジ式に限定されるものではなく、蓋13がねじを介してキャップ本体11に着脱自在に備え付けられているねじ式のキャップであってもよい。
【符号の説明】
【0044】
1 容器
2 液体(流体)
3 口部
10 キャップ
11 キャップ本体
12 注出ノズル
13 蓋
15 台座
19 弱化部
20 離脱部
22 プルリング
23 注出口
30 支柱
31 リング本体
32 基端部
33 先端部
34 第1屈曲部
35 第2屈曲部
36 第1傾斜部
37 第2傾斜部
38 引掛り部
39 薄肉部
43 周方向
45 凹部
70 肉抜き部
h1 離脱部からリング本体の先端部までの高さ
h2 離脱部からリング本体の基端部までの高さ
h3 離脱部からリング本体の第1屈曲部までの高さ
t1 引掛り部の肉厚
t2 薄肉部の肉厚
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10