(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113657
(43)【公開日】2024-08-22
(54)【発明の名称】ブレードストリンガ形成方法およびツーリング
(51)【国際特許分類】
B29C 70/46 20060101AFI20240815BHJP
B64F 5/10 20170101ALI20240815BHJP
【FI】
B29C70/46
B64F5/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】37
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023201794
(22)【出願日】2023-11-29
(31)【優先権主張番号】63/484,128
(32)【優先日】2023-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/500,440
(32)【優先日】2023-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】523043898
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 晋平
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム・エル・セレンシッツ
(72)【発明者】
【氏名】ジェシカ・オフット・フライ
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン・アルブライト
【テーマコード(参考)】
4F205
【Fターム(参考)】
4F205AA36
4F205AC03
4F205AD16
4F205AG28
4F205AH31
4F205AJ08
4F205HA08
4F205HA25
4F205HA33
4F205HA37
4F205HA45
4F205HB01
4F205HF05
4F205HK03
4F205HK04
4F205HK05
4F205HM13
4F205HT26
(57)【要約】
【課題】ブレードストリンガ形成方法およびツーリングを提供する。
【解決手段】第1の切削キット加工材料は、第1のダイの第1のフランジ面に対して保持される。第2の切削キット加工材料は、第2のダイの第2のフランジ面に対して保持される。方法は、第1のダイの第1のブレード面に対して第1の切削キット加工材料を、および第2のダイの第2のブレード面に対して第2の切削キット加工材料を同時に形成する。第1の切削キット加工材料および第2の切削キット加工材料は、第1の切削キット加工材料および第2の切削キット加工材料を形成した後、第1のダイと第2のダイとの間にクランプされる。第1の切削キット加工材料、第2の切削キット加工材料、ヌードル、およびベース材料を備える複合ストリンガプリフォームは、複合ストリンガプリフォームが第1の形成表面および第2の形成表面に当接している間に硬化される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブレードストリンガ(276)用の形成硬化ツール(202)であって、
第1のブレード面(212)および第1のフランジ面(210)を備える第1の形成表面(208)を有する第1のダイ(204)と、
第2のブレード面(218)および第2のフランジ面(216)を備える第2の形成表面(214)を有する第2のダイ(206)と、
硬化チャンバ(264)を生成するために前記第1のダイ(204)および前記第2のダイ(206)に対してシールするツール蓋(260)と、
相対的に前記第1のダイ(204)、前記第2のダイ(206)、および前記ツール蓋(260)を保持して移動させるプレス(278)と
を備える、形成硬化ツール(202)。
【請求項2】
第1のクランプブロック(240)であって、前記第1のクランプブロック(240)と前記第1のフランジ面(210)との間に第1の切削キット加工材料(228)をクランプする第1のクランプブロック(240)と、
第2のクランプブロック(242)であって、前記第2のクランプブロック(242)と前記第2のフランジ面(216)との間に第2の切削キット加工材料(230)をクランプする第2のクランプブロック(242)と
をさらに備える、請求項1に記載の形成硬化ツール(202)。
【請求項3】
前記ツール蓋(260)は、多数の樹脂入口(266)を備える、請求項1に記載の形成硬化ツール(202)。
【請求項4】
前記第1のダイ(204)と前記第2のダイ(206)との間を移動し、前記第1のブレード面(212)に対して第1の切削キット加工材料(228)を形成し、同時に前記第2のブレード面(218)に対して第2の切削キット加工材料(230)を形成する形成デバイス(244)
をさらに備える、請求項1に記載の形成硬化ツール(202)。
【請求項5】
前記形成デバイス(244)は、ブラダ(248)または形成アーム(246)の一方を備える、請求項4に記載の形成硬化ツール(202)。
【請求項6】
ブレードストリンガ(276)用の形成硬化ツール(202)であって、
第1のダイ(204)であって、前記第1のダイ(204)を通る多数の真空経路(220)、ならびに第1のブレード面(212)および第1のフランジ面(210)を備える第1の形成表面(208)を有する第1のダイ(204)と、
多数の真空経路(222)、ならびに第2のブレード面(218)および第2のフランジ面(216)を備える第2の形成表面(214)を有する第2のダイ(206)と、
第1のクランプブロック(240)であって、前記第1のクランプブロック(240)と前記第1のフランジ面(210)との間に第1の切削キット加工材料(228)をクランプする第1のクランプブロック(240)と、
第2のクランプブロック(242)であって、前記第2のクランプブロック(242)と前記第2のフランジ面(216)との間に第2の切削キット加工材料(230)をクランプする第2のクランプブロック(242)と
を備える、形成硬化ツール(202)。
【請求項7】
硬化チャンバ(264)を生成するために前記第1のダイ(204)および前記第2のダイ(206)に対してシールするツール蓋(260)
をさらに備える、請求項6に記載の形成硬化ツール(202)。
【請求項8】
前記ツール蓋(260)は、多数の樹脂入口(266)を備える、請求項7に記載の形成硬化ツール(202)。
【請求項9】
前記第1のダイ(204)と前記第2のダイ(206)との間を移動し、前記第1のブレード面(212)に対して第1の切削キット加工材料(228)を形成し、同時に前記第2のブレード面(218)に対して第2の切削キット加工材料(230)を形成する形成デバイス(244)
をさらに備える、請求項6に記載の形成硬化ツール(202)。
【請求項10】
前記形成デバイス(244)は、ブラダ(248)または形成アーム(246)の一方を備える、請求項9に記載の形成硬化ツール(202)。
【請求項11】
前記第1のダイ(204)および前記第2のダイ(206)に対して前記形成デバイス(244)を移動させるプレス(278)
をさらに備える、請求項9に記載の形成硬化ツール(202)。
【請求項12】
前記プレス(278)は、前記第1のダイ(204)、前記第2のダイ(206)、前記第1のクランプブロック(240)、または前記第2のクランプブロック(242)の少なくとも1つを保持して圧力を加えるようにさらに構成されている、請求項11に記載の形成硬化ツール(202)。
【請求項13】
前記第1のダイ(204)、前記第2のダイ(206)、前記第1のクランプブロック(240)、および前記第2のクランプブロック(242)を保持して圧力を加えるプレス(278)
をさらに備える、請求項6に記載の形成硬化ツール(202)。
【請求項14】
硬化チャンバ(264)を生成するために前記第1のダイ(204)および前記第2のダイ(206)に対してシールするツール蓋(260)であって、前記プレス(278)は、存在する場合に前記第1のダイ(204)、前記第2のダイ(206)、および前記ツール蓋(260)を保持して圧力を加えるようにさらに構成されているツール蓋(260)
をさらに備える、請求項13に記載の形成硬化ツール(202)。
【請求項15】
前記第1のダイ(204)は、前記第1のダイ(204)を通る多数の真空経路(220)をさらに備え、前記第2のダイ(206)は、前記第2のダイ(206)を通る多数の真空経路(222)をさらに備える、請求項1に記載の形成硬化ツール(202)。
【請求項16】
ブレードストリンガ(276)用の形成硬化ツール(202)であって、
加熱システム(224)、ならびに第1のブレード面(212)および第1のフランジ面(210)を備える第1の形成表面(208)を有する第1のダイ(204)と、
加熱システム(226)、ならびに第2のブレード面(218)および第2のフランジ面(216)を備える第2の形成表面(214)を有する第2のダイ(206)と、
硬化チャンバ(264)を生成するために前記第1のダイ(204)および前記第2のダイ(206)に対してシールするツール蓋(260)と
を備える、形成硬化ツール(202)。
【請求項17】
前記ツール蓋(260)は、前記第1のダイ(204)および前記第2のダイ(206)に対してベース材料(254)を圧縮するように構成されている、請求項16に記載の形成硬化ツール(202)。
【請求項18】
前記ツール蓋(260)は、多数の樹脂入口(266)を備える、請求項16に記載の形成硬化ツール(202)。
【請求項19】
ブレードストリンガ(276)を形成(250)する方法(1800)であって、
第1のダイ(204)の第1のフランジ面(210)に対して第1の切削キット加工材料(228)を保持するステップ(1802)と、
第2のダイ(206)の第2のフランジ面(216)に対して第2の切削キット加工材料(230)を保持するステップ(1804)と、
前記第1のダイ(204)の第1のブレード面(212)に対して前記第1の切削キット加工材料(228)を、および前記第2のダイ(206)の第2のブレード面(218)に対して前記第2の切削キット加工材料(230)を同時に形成(250)するステップ(1806)と、
前記第1の切削キット加工材料(228)および前記第2の切削キット加工材料(230)を形成(250)した後、前記第1のダイ(204)と前記第2のダイ(206)との間に前記第1の切削キット加工材料(228)および前記第2の切削キット加工材料(230)をクランプするステップ(1808)と、
前記第1の切削キット加工材料(228)、前記第2の切削キット加工材料(230)、ヌードル(252)、およびベース材料(254)を備える複合ストリンガプリフォーム(271)が前記第1のフランジ面(210)および前記第2のフランジ面(216)に当接している間に、前記複合ストリンガプリフォーム(271)を硬化させるステップ(272、1810)と
を含む、方法(1800)。
【請求項20】
前記第1の切削キット加工材料(228)および前記第2の切削キット加工材料(230)を形成(250)した後、前記第1の切削キット加工材料(228)および前記第2の切削キット加工材料(230)の上に前記ヌードル(252)および前記ベース材料(254)を適用するステップ(1812)
をさらに含む、請求項19に記載の方法(1800)。
【請求項21】
前記第1の切削キット加工材料(228)および前記第2の切削キット加工材料(230)の上にある間に、前記ヌードル(252)および前記ベース材料(254)を圧縮するステップ(1814)
をさらに含む、請求項20に記載の方法(1800)。
【請求項22】
(1816)前記圧縮するステップは、前記ベース材料(254)および前記ヌードル(252)を脱気するために制御された熱および圧力を加えるステップを含む、請求項21に記載の方法(1800)。
【請求項23】
前記第1の切削キット加工材料(228)が前記第1のダイ(204)と接触し、前記第2の切削キット加工材料(230)が前記第2のダイ(206)と接触している間に、前記複合ストリンガプリフォーム(271)を形成するために樹脂(270)を前記第1の切削キット加工材料(228)、前記第2の切削キット加工材料(230)、前記ヌードル(252)、および前記ベース材料(254)に注入するステップ(268、1818)
をさらに含む、請求項21に記載の方法(1800)。
【請求項24】
(1820)樹脂(270)を注入するステップ(268)は、樹脂(270)を前記ベース材料(254)と硬化チャンバ(264)のツール蓋(260)との間の前記硬化チャンバ(264)に導入するステップと、前記ツール蓋(260)が前記ベース材料(254)に向かって移動するときに前記樹脂(270)を前記ベース材料(254)に押し込むステップとを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
(1822)前記第1のブレード面(212)に対して前記第1の切削キット加工材料(228)を、および前記第2のブレード面(218)に対して前記第2の切削キット加工材料(230)を同時に形成(250)するステップは、前記第1のダイ(204)と前記第2のダイ(206)との間で形成デバイス(244)を移動させるステップを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項26】
(1824)前記第1のブレード面(212)に対して前記第1の切削キット加工材料(228)を、および前記第2のブレード面(218)に対して前記第2の切削キット加工材料(230)を同時に形成(250)するステップは、前記第1の切削キット加工材料(228)および前記第2の切削キット加工材料(230)を華氏120度から華氏350度の範囲の多数の温度に加熱するステップを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項27】
(1826)前記第1の切削キット加工材料(228)および前記第2の切削キット加工材料(230)をクランプするステップは、前記第1のダイ(204)または前記第2のダイ(206)の少なくとも一方を前記第1のダイ(204)または前記第2のダイ(206)の他方に向かって移動させるステップを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項28】
(1828)前記複合ストリンガプリフォーム(271)を硬化させるステップ(272)は、前記複合ストリンガプリフォーム(271)を華氏250度から華氏400度の範囲の温度に加熱するステップを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項29】
ブレードストリンガ(276)を形成(250)する方法(1900)であって、
第1のダイ(204)に対して第1の切削キット加工材料(228)を保持するステップ(1902)と、
第2のダイ(206)に対して第2の切削キット加工材料(230)を保持するステップ(1904)と、
前記第1のダイ(204)に対して前記第1の切削キット加工材料(228)を、および前記第2のダイ(206)に対して前記第2の切削キット加工材料(230)を同時に形成するために前記第1のダイ(204)と前記第2のダイ(206)との間で形成デバイス(244)を移動させるステップ(1906)と、
前記第1の切削キット加工材料(228)および前記第2の切削キット加工材料(230)を互いに接触させるために前記第1のダイ(204)または前記第2のダイ(206)の少なくとも一方を前記第1のダイ(204)または前記第2のダイ(206)の他方に向かって移動させるステップ(1908)と、
前記第1の切削キット加工材料(228)および前記第2の切削キット加工材料(230)が互いに接触している間に、前記第1の切削キット加工材料(228)および前記第2の切削キット加工材料(230)の上にヌードル(252)およびベース材料(254)を適用するステップ(1910)と、
前記第1の切削キット加工材料(228)、前記第2の切削キット加工材料(230)、前記ヌードル(252)、および前記ベース材料(254)を備える複合ストリンガプリフォーム(271)が前記第1のダイ(204)および前記第2のダイ(206)に当接している間に、前記複合ストリンガプリフォーム(271)を硬化させるステップ(272、1912)と
を含む、方法(1900)。
【請求項30】
硬化チャンバ(264)を生成するために前記第1のダイ(204)および前記第2のダイ(206)に対してツール蓋(260)をシールするステップ(1914)
をさらに含む、請求項29に記載の方法(1900)。
【請求項31】
前記第1の切削キット加工材料(228)が前記第1のダイ(204)と接触し、前記第2の切削キット加工材料(230)が前記第2のダイ(206)と接触している間に、前記複合ストリンガプリフォーム(271)を形成するために樹脂(270)を前記第1の切削キット加工材料(228)、前記第2の切削キット加工材料(230)、前記ヌードル(252)、および前記ベース材料(254)に注入するステップ(268、1916)
をさらに含む、請求項30に記載の方法(1900)。
【請求項32】
(1918)前記樹脂(270)を注入するステップ(268)は、前記ツール蓋(260)を前記第1のダイ(204)および前記第2のダイ(206)に向かって下降させるステップを含む、請求項31に記載の方法(1900)。
【請求項33】
(1920)樹脂(270)を注入するステップ(268)は、前記ツール蓋(260)における樹脂入口を通して樹脂(270)を前記硬化チャンバ(264)に送るステップを含む、請求項31に記載の方法(1900)。
【請求項34】
前記複合ストリンガプリフォーム(271)を硬化させるステップ(272、1922)は、前記複合ストリンガプリフォーム(271)を華氏250度から華氏400度の範囲の温度に加熱するステップを含む、請求項29に記載の方法(1900)。
【請求項35】
前記形成デバイス(244)が前記第1のダイ(204)と前記第2のダイ(206)との間を移動するとき、前記第1の切削キット加工材料(228)および前記第2の切削キット加工材料(230)を華氏120度から華氏350度の範囲の多数の温度に加熱するステップ(1924)
をさらに含む、請求項29に記載の方法(1900)。
【請求項36】
ツール蓋(260)を使用して圧力を加え、前記ベース材料(254)および前記ヌードル(252)を加熱することによって前記ベース材料(254)および前記ヌードル(252)を圧縮するステップ(1926)
をさらに含む、請求項29に記載の方法(1900)。
【請求項37】
ブレードストリンガ(276)を形成(250)する方法(2000)であって、
第1のダイ(204)および第2のダイ(206)に対してブレードストリンガ(276)のフランジ部分(710、712)を拘束している間に、前記第1のダイ(204)および前記第2のダイ(206)に対して前記ブレードストリンガ(276)のブレード(263)部分(702、704)を同時に形成するステップ(2002)と、
形成後に前記第1のダイ(204)と前記第2のダイ(206)との間に前記ブレード部分(702、704)をクランプするステップ(2004)と、
前記ブレード部分(702、704)および前記フランジ部分(710、712)が前記第1のダイ(204)および前記第2のダイ(206)と接触している間に、前記ブレード部分(702、704)および前記フランジ部分(710、712)を備える複合ストリンガプリフォーム(271)を硬化させるステップ(2006)と
を含む、方法(2000)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2023年2月9日に出願された「Blade Stringer Forming Methods and Tooling」と題する米国仮特許出願第63/484,128号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、複合構造の形成に関し、より具体的には、複合ブレードストリンガの形成および硬化に関する。
【背景技術】
【0003】
複合構造の製造において、材料素材は、平坦なシートで提供される。材料素材は、材料を形にするために形成される。材料を部品用の形状に形成した後、部品は、硬化のために高温および高圧に曝される。いくつかの例では、乾燥材料の場合、樹脂が硬化前に乾燥繊維に注入される。
【0004】
現在の製造プロセスは、複数のツールを利用する。いくつかのツールは形成に使用され、他のツールは硬化に使用される。いくつかの例では、追加のツールが樹脂の注入に使用される。現在の製造プロセスは、形成された部品を形成ツールから別々の硬化ツールまたは注入ツールに移送することを含む。複数のツール間で材料を移送すると、製造時間が長くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、上述した問題の少なくともいくつか、ならびに他の可能性のある問題を考慮に入れた方法および装置を有することが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態は、ブレードストリンガ用の形成硬化ツール(forming and curing tool)を提供する。形成硬化ツールは、第1のブレード面および第1のフランジ面を備える第1の形成表面を有する第1のダイと、第2のブレード面および第2のフランジ面を備える第2の形成表面を有する第2のダイと、硬化チャンバを生成するために第1のダイおよび第2のダイに対してシールするツール蓋と、相対的に第1のダイ、第2のダイ、およびツール蓋を保持して移動させるプレスとを備える。
【0007】
本開示の別の実施形態は、ブレードストリンガ用の形成硬化ツールを提供する。形成硬化ツールは、第1のダイであって、第1のダイを通る多数の真空経路、ならびに第1のブレード面および第1のフランジ面を備える第1の形成表面を有する第1のダイと、多数の真空経路、ならびに第2のブレード面および第2のフランジ面を備える第2の形成表面を有する第2のダイと、第1のクランプブロックであって、第1のクランプブロックと第1のフランジ面との間に第1の切削キット加工材料(cut and kitted material)をクランプする第1のクランプブロックと、第2のクランプブロックであって、第2のクランプブロックと第2のフランジ面との間に第2の切削キット加工材料をクランプする第2のクランプブロックとを備える。
【0008】
本開示の別の実施形態は、ブレードストリンガ用の形成硬化ツールを提供する。形成硬化ツールは、加熱システム、ならびに第1のブレード面および第1のフランジ面を備える第1の形成表面を有する第1のダイと、加熱システム、ならびに第2のブレード面および第2のフランジ面を備える第2の形成表面を有する第2のダイと、硬化チャンバを生成するために第1のダイおよび第2のダイに対してシールするツール蓋とを備える。
【0009】
本開示のさらに別の実施形態は、ブレードストリンガを形成する方法を提供する。第1の切削キット加工材料は、第1のダイの第1のフランジ面に対して保持される。第2の切削キット加工材料は、第2のダイの第2のフランジ面に対して保持される。方法は、第1のダイの第1のブレード面に対して第1の切削キット加工材料を、および第2のダイの第2のブレード面に対して第2の切削キット加工材料を同時に形成する。第1の切削キット加工材料および第2の切削キット加工材料は、第1の切削キット加工材料および第2の切削キット加工材料を形成した後、第1のダイと第2のダイとの間にクランプされる。第1の切削キット加工材料、第2の切削キット加工材料、ヌードル、およびベース材料を備える複合ストリンガプリフォームは、複合ストリンガプリフォームが第1のフランジ面および第2のフランジ面に当接している間に硬化される。
【0010】
本開示のまたさらなる実施形態は、ブレードストリンガを形成する方法を提供する。第1の切削キット加工材料は、第1のダイに対して保持される。第2の切削キット加工材料は、第2のダイに対して保持される。形成デバイスが、第1のダイに対して第1の切削キット加工材料を、および第2のダイに対して第2の切削キット加工材料を同時に形成するために第1のダイと第2のダイとの間で移動される。第1のダイまたは第2のダイの少なくとも一方は、第1の切削キット加工材料および第2の切削キット加工材料を互いに接触させるために第1のダイまたは第2のダイの他方に向かって移動される。ヌードルおよびベース材料が、第1の切削キット加工材料および第2の切削キット加工材料が互いに接触している間に第1の切削キット加工材料および第2の切削キット加工材料の上に適用される。第1の切削キット加工材料、第2の切削キット加工材料、ヌードル、およびベース材料を備える複合ストリンガプリフォームは、複合ストリンガプリフォームが第1のダイおよび第2のダイに当接している間に硬化される。
【0011】
本開示のさらなる実施形態は、ブレードストリンガを形成する方法を提供する。ブレードストリンガのブレード部分は、第1のダイおよび第2のダイに対してブレードストリンガのフランジ部分を拘束している間に第1のダイおよび第2のダイ上に同時に形成される。ブレード部分は、形成後に第1のダイと第2のダイとの間にクランプされる。ブレード部分およびフランジ部分を備える複合ストリンガプリフォームは、ブレード部分およびフランジ部分が第1のダイおよび第2のダイと接触している間に硬化される。
【0012】
形態および機能は、本開示の様々な実施形態において独立して達成することができ、または以下の説明および図面を参照してさらなる詳細を理解することができる、さらに他の実施形態において組み合わされてもよい。
【0013】
例示的な実施形態の特性であると考えられる新規の形態が、添付の特許請求の範囲に記載されている。しかしながら、例示的な実施形態、ならびにそれらの好ましい使用の態様、さらなる目的および形態は、本開示の例示的な実施形態の以下の詳細な説明を参照し、添付の図面と併せて検討することによって、最もよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】例示的な実施形態による航空機の説明図である。
【
図2】例示的な実施形態による製造環境のブロック図の説明図である。
【
図3】例示的な実施形態による形成硬化ツールおよび切削キット加工材料の一部の斜視分解図である。
【
図4】例示的な実施形態による形成硬化ツールのダイに対してクランプされた切削キット加工材料の側面図である。
【
図5】例示的な実施形態による形成硬化ツールのダイに対してクランプされた切削キット加工材料の断面図である。
【
図6】例示的な実施形態による形成硬化ツールのダイに対してクランプされた切削キット加工材料に対して位置決めされた形成デバイスの断面図である。
【
図7】例示的な実施形態による形成デバイスによって形成硬化ツールのダイに対して形成された切削キット加工材料の断面図である。
【
図8】例示的な実施形態による形成硬化ツールのダイ間にクランプされた切削キット加工材料の断面図である。
【
図9】例示的な実施形態による形成チャンバ内に材料を有する形成硬化ツールの断面図である。
【
図10】例示的な実施形態による形成後かつ樹脂注入前の形成硬化ツールの断面図である。
【
図11】例示的な実施形態による樹脂注入を実施する形成硬化ツールの断面図である。
【
図12】例示的な実施形態による樹脂注入を実施する形成硬化ツールの断面図である。
【
図13】例示的な実施形態による硬化中の形成硬化ツールの断面図である。
【
図14】例示的な実施形態による形成硬化ツールおよび得られたブレードストリンガの断面図である。
【
図15】例示的な実施形態による形成硬化ツールおよび得られたブレードストリンガの分解図である。
【
図16】例示的な実施形態によるブレードストリンガの斜視図である。
【
図17】例示的な実施形態による形成硬化ツールを有するプレスの斜視図の説明図である。
【
図18A】例示的な実施形態によるブレードストリンガを形成する方法のフローチャートである。
【
図18B】例示的な実施形態によるブレードストリンガを形成する方法のフローチャートである。
【
図19A】例示的な実施形態によるブレードストリンガを形成する方法のフローチャートである。
【
図19B】例示的な実施形態によるブレードストリンガを形成する方法のフローチャートである。
【
図20】例示的な実施形態によるブレードストリンガを形成する方法のフローチャートである。
【
図21】例示的な実施形態によるブロック図の形態の航空機の製造および保守点検方法の説明図である。
【
図22】例示的な実施形態が実装され得るブロック図の形態の航空機の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
例示的な例は、1つまたは複数の異なる考慮事項を認識して考慮している。例えば、例示的な例は、複合材料が2つ以上の機能的構成要素を組み合わせることによって生成された強靭で軽量な材料であることを認識して考慮している。例えば、複合材料は、ポリマー樹脂マトリックスに結合された補強繊維を含んでもよい。繊維は、一方向テープ、織布もしくは織物、または編組の形態をとることができる。
【0016】
複合構造の製造において、複合材料の層が、典型的にはツール上にレイアップされる。層は、シート状の繊維で構成されてもよい。場合によっては、樹脂がシート内に注入または予め含侵されてもよい。これらのタイプのシートは、一般にプリプレグと呼ばれる。
【0017】
例示的な例は、形成された材料を硬化ツールに移送することが、形成された材料にしわまたは他の不整合を潜在的に誘発する可能性があることを認識して考慮している。例示的な例は、ツール数の増加がより高い先行投資コストを有し得ることを認識して考慮している。例示的な例は、ツール数の増加がより多くの量の記憶空間を使用することを認識して考慮している。
【0018】
例示的な例は、別々の形成ツールおよび硬化ツールが、移送プロセス中の公差積層のリスクを増加させる可能性があることを認識して考慮している。例示的な例は、ツール間の構成要素の移送がWIP時間を増加させることを認識して考慮している。例示的な例は、形成ツールと硬化ツールの両方が、制御された熱および圧力の適用を利用することを認識して考慮している。
【0019】
例示的な例は、複合ブレードストリンガの形成および硬化または注入が、特殊なツーリングおよび処理を使用することを認識して考慮している。例示的な例は、ブレードストリンガが、より大きな補剛外板構造の一部を構成する細長い補剛材であることを認識して考慮している。
【0020】
例示的な例は、高レートの航空機生産のために、ツーリングおよび装置の資本コストが、レートを実現するための作業セルの数に対するフロア空間と共に、新しい航空機プログラムに対してかなりのコストになることを認識して考慮している。例示的な例は、既存の形成方法が低レートの用途を目的としていることを認識して考慮している。例示的な例は、既存の形成方法が、ストリンガの手動形成、またはより対称的なストリンガのいずれかに依存していることを認識して考慮しており、この場合、部品寸法を満たすためのトリミングを利用し、追加の損失時間および無駄な材料が発生する。例示的な例は、既存の硬化溶液が複雑な共硬化ツールであり、組み立てに労働集約的であることを認識して考慮している。例示的な例は、これらのツールを現在使用しているプログラムが低レートであり、高レートの航空機プログラムに必要とされるフロア空間およびツール数によって影響されないことを認識して考慮している。
【0021】
例示的な例は、ブレードストリンガ形成方法およびツーリングを提供する。例示的な例は、形成硬化ツールを利用してブレードストリンガを形成し、次いで硬化させる。形成硬化ツールは、形成と硬化の両方に使用される多数のダイを含む。
【0022】
次に
図1を参照すると、例示的な実施形態による航空機の説明図が図示されている。航空機100は、本体106に取り付けられた翼102および翼104を有する。航空機100は、翼102に取り付けられたエンジン108と、翼104に取り付けられたエンジン110とを含む。
【0023】
本体106は、尾部112を有する。水平スタビライザ114、水平スタビライザ116、および垂直スタビライザ118が、本体106の尾部112に取り付けられる。
【0024】
航空機100は、例示的な例の方法およびツーリングを使用して製造することができる構成要素を有する航空機の一例である。例えば、航空機100内のブレードストリンガは、例示的な例の形成硬化ツールを使用して形成することができる。
【0025】
次に
図2を参照すると、例示的な実施形態による製造環境のブロック図の説明図が図示されている。航空機100の構成要素は、製造環境200で生産することができる。製造環境200における形成硬化ツール202は、硬化複合ストリンガ274を形成するために複合材料の形成と硬化の両方を実施するように構成されている。
【0026】
ブレードストリンガ276用の形成硬化ツール202は、第1のダイ204と、第2のダイ206と、ツール蓋260と、プレス278とを備える。第1のダイ204は、第1のブレード面212および第1のフランジ面210を備える第1の形成表面208を有する。第2のダイ206は、第2のブレード面218および第2のフランジ面216を備える第2の形成表面214を有する。ツール蓋260は、硬化チャンバ264を生成するために第1のダイ204および第2のダイ206に対してシールするように構成されている。プレス278は、相対的に第1のダイ204、第2のダイ206、およびツール蓋260を保持して移動させるように構成されている。
【0027】
形成硬化ツール202は、硬化複合ストリンガ274を形成するために形成250、硬化272、および任意選択で材料の注入268を実施するように構成されている。この例示的な例では、形成硬化ツール202は、第1の切削キット加工材料228、第2の切削キット加工材料230、ヌードル252、およびベース材料254を形成250および硬化272することによってブレードストリンガ276を形成するように構成されている。
【0028】
第1の切削キット加工材料228および第2の切削キット加工材料230は、ブレードストリンガ276のブレード263を生成するために第1のダイ204および第2のダイ206の上に形成される。ブレードストリンガ276のブレード263部分は、第1のダイ204および第2のダイ206に対してブレードストリンガ276のフランジ部分を拘束している間に第1のダイ204および第2のダイ206上に同時に形成される。形成硬化ツール202は、第1のクランプブロック240であって、第1のクランプブロック240と第1のフランジ面210との間に第1の切削キット加工材料228をクランプするように構成されている第1のクランプブロック240と、第2のクランプブロック242であって、第2のクランプブロック242と第2のフランジ面216との間に第2の切削キット加工材料230をクランプするように構成されている第2のクランプブロック242とをさらに備える。
【0029】
第1の切削キット加工材料228は、任意の望ましい形態をとることができる。いくつかの例示的な例では、第1の切削キット加工材料228は、乾燥232している。いくつかの例示的な例では、第1の切削キット加工材料228は、プリプレグ234で形成される。第2の切削キット加工材料230は、任意の望ましい形態をとることができる。いくつかの例示的な例では、第2の切削キット加工材料230は、乾燥236している。いくつかの例示的な例では、第2の切削キット加工材料230は、プリプレグ238で形成される。
【0030】
ブレードストリンガ276のフランジ261は、第1のフランジ面210と接触させて第1の切削キット加工材料228を載置し、第2のフランジ面216と接触させて第2の切削キット加工材料230を載置することによって形成される。
【0031】
第1のクランプブロック240は、第1のクランプブロック240と第1のフランジ面210との間で第1の切削キット加工材料228を拘束する。第2のクランプブロック242は、第2のクランプブロック242と第2のフランジ面216との間で第2の切削キット加工材料230を拘束する。第1の切削キット加工材料228が第1のダイ204の第1のフランジ面210に対して拘束され、第2の切削キット加工材料230が第2のダイ206の第2のフランジ面216に対して拘束された状態で、第1の切削キット加工材料228が第1のブレード面212に対して形成され、第2の切削キット加工材料230が第2のブレード面218に対して形成される。
【0032】
形成デバイス244が、第1のダイと第2のダイとの間を移動するように構成されており、第1のブレード面に対して第1の切削キット加工材料を形成し、同時に第2のブレード面に対して第2の切削キット加工材料を形成するように構成されている。第1の切削キット加工材料228を第1のブレード面212上に形成するステップ250、および第2の切削キット加工材料230を第2のブレード面218上に形成するステップ250は、第1のダイ204と第2のダイ206との間に形成デバイス244を下降させるステップを含む。第1の切削キット加工材料228を第1のブレード面212上に形成するステップ250、および第2の切削キット加工材料230を第2のブレード面218上に形成するステップ250は、圧力を第1の切削キット加工材料228および第2の切削キット加工材料230に加えるために形成デバイス244を下降させるステップを含む。
【0033】
形成デバイス244は、第1の切削キット加工材料228および第2の切削キット加工材料230に望ましくない影響を及ぼすことなく、第1の切削キット加工材料228および第2の切削キット加工材料230に接触するように構成されている材料で形成される。いくつかの例示的な例では、形成デバイス244は、堅牢である。例えば、形成デバイス244は、形成アーム246の形態をとることができる。いくつかの例示的な例では、形成デバイス244は、膨張可能である。形成デバイス244が膨張可能であるとき、形成デバイス244の幾何学的形状は、形成デバイス244の使用中に変化し得る。例えば、形成デバイス244は、ブラダ248の形態をとることができる。いくつかの例示的な例では、形成デバイス244は、ブラダ248または形成アーム246の一方を備える。いくつかの例示的な例では、形成アーム246またはブラダ248の代わりに、真空バッグベースの形成方法を使用することができる。
【0034】
形成デバイス244を使用して第1の切削キット加工材料228および第2の切削キット加工材料230を形成250した後、形成デバイスは、第1のダイ204と第2のダイ206との間から取り外される。形成デバイス244を取り外した後、第1のダイ204または第2のダイ206の少なくとも一方は、第1のダイ204または第2のダイ206の他方に向かって移動される。第1のダイ204または第2のダイ206の少なくとも一方を他方に向かって移動させることによって、第1の切削キット加工材料228の一部および第2の切削キット加工材料230の一部は、第1のダイ204と第2のダイ206との間にクランプされる。第1のダイ204または第2のダイ206の少なくとも一方を他方に向かって移動させることによって、第1の切削キット加工材料228および第2の切削キット加工材料230は、互いに接触して載置される。第1の切削キット加工材料228および第2の切削キット加工材料230は、第1のダイ204と第2のダイ206との間にクランプされる。
【0035】
クランプするステップは、ブレードストリンガ276のブレード263を形成するために制御された圧力を加えるステップを含む。ブレード263は、第1の切削キット加工材料228の一部と、第2の切削キット加工材料230の一部とを備える。
【0036】
形成デバイス244を取り外し、第1の切削キット加工材料228および第2の切削キット加工材料230をクランプした後、ヌードル252およびベース材料254は、第1の切削キット加工材料228および第2の切削キット加工材料230の上に載置される。ベース材料254は、乾燥256材料またはプリプレグ258の一方の形態をとることができる。ベース材料254が乾燥256している場合、樹脂270は、硬化272の前にベース材料254に注入される。
【0037】
ベース材料254、ヌードル252、第1の切削キット加工材料228、および第2の切削キット加工材料230は、複合ストリンガプリフォーム271を形成する。ベース材料254およびヌードル252を載置した後、ツール蓋260を下降させ、第1のダイ204および第2のダイ206と接触させる。ツール蓋260は、硬化チャンバ264を形成するために第1のダイ204および第2のダイ206にシールされる。図示のように、ツール蓋260に関連する多数のシール262を使用して、ツール蓋260を第1のダイ204および第2のダイ206にシールすることができる。多数のシール262は、ツール蓋260に関連付けられて図示されているが、いくつかの図示されていない例示的な例では、代わりに、多数のシールを第1のダイ204または第2のダイ206の少なくとも一方に関連付けることができる。
【0038】
複合ストリンガプリフォーム271を硬化させるステップ272の前に、形成250がベース材料254に対して実施される。ベース材料254およびヌードル252との圧縮281は、ベース材料254およびヌードル252を第1の切削キット加工材料228および第2の切削キット加工材料230と接触させて実施される。ツール蓋260は、ベース材料254の形成250中にベース材料254に対して押し付けられる。
【0039】
ベース材料254の形成250中、複合ストリンガプリフォーム271が圧縮される。熱および圧力が複合ストリンガプリフォーム271に加えられ、複合ストリンガプリフォーム271を圧縮する。圧縮中、空気および水分が複合ストリンガプリフォーム271から除去される。真空が硬化チャンバ264に加えられ、複合ストリンガプリフォーム271から空気および水分を除去する。
【0040】
いくつかの例示的な例では、樹脂270の注入268は、硬化272の前に実施される。いくつかの例示的な例では、樹脂270は、硬化272の前に複合ストリンガプリフォーム271に注入される。複合ストリンガプリフォーム271を形成するために樹脂270を第1の切削キット加工材料228、第2の切削キット加工材料230、ヌードル252、およびベース材料254に注入するステップ268が、第1の切削キット加工材料228が第1の形成表面208と接触し、第2の切削キット加工材料230が第2の形成表面214と接触している間に実施される。
【0041】
いくつかの例示的な例では、樹脂270は、下方にツール蓋260を押すことによって、第1の切削キット加工材料228、第2の切削キット加工材料230、およびベース材料254に注入される。これらの例示的な例では、樹脂270は、硬化チャンバ264においてツール蓋260とベース材料254との隙間に導入される。樹脂270を硬化チャンバ264に導入した後、ツール蓋260を使用して樹脂270を乾燥材料に押し込む。樹脂270は、ツール蓋260、第1のダイ204、または第2のダイ206の少なくとも1つを通して硬化チャンバ264に導入することができる。いくつかの例示的な例では、ツール蓋260は、多数の樹脂入口266を備える。
【0042】
いくつかの例示的な例では、注入268は、任意選択である。いくつかの例示的な例では、第1の切削キット加工材料228は、プリプレグ234であり、第2の切削キット加工材料230は、プリプレグ238であり、ベース材料254は、プリプレグ258である。これらの例示的な例では、硬化チャンバ264にベース材料254を形成するステップ250は、複合ストリンガプリフォーム271を形成する。
【0043】
複合ストリンガプリフォーム271は、ブレードストリンガ276を形成するために硬化される。硬化272は、熱291および圧力292の適用を含む。圧力292は、硬化のための所望の圧力292を提供するように制御される。
【0044】
形成250、注入268、または硬化272のうちの一方の間に真空を加えるために、真空経路が、ツール蓋260、第1のダイ204、または第2のダイ206の少なくとも1つを通って、またはそれらの間に存在し得る。いくつかの例示的な例では、第1のダイ204は、第1のダイ204を通る多数の真空経路220、ならびに第1のブレード面212および第1のフランジ面210を備える第1の形成表面208を有し、第2のダイ206は、多数の真空経路222、ならびに第2のブレード面218および第2のフランジ面216を備える第2の形成表面214を有し、第1のクランプブロック240は、第1のクランプブロック240と第1のフランジ面210との間に第1の切削キット加工材料228をクランプするように構成されており、第2のクランプブロック242は、第2のクランプブロック242と第2のフランジ面216との間に第2の切削キット加工材料230をクランプするように構成されている。
【0045】
いくつかの例示的な例では、プレス278は、第1のダイ204および第2のダイ206に対して形成デバイス244を移動させるように構成されている。いくつかの例示的な例では、プレス278は、第1のダイ204、第2のダイ206、第1のクランプブロック240、または第2のクランプブロック242の少なくとも1つを保持して圧力を加えるようにさらに構成されている。いくつかの例示的な例では、プレス278は、存在する場合にツール蓋260を保持して圧力を加えるようにさらに構成されている。
【0046】
いくつかの例示的な例では、ブレードストリンガ276用の形成硬化ツール202は、加熱システム224、ならびに第1のブレード面212および第1のフランジ面210を備える第1の形成表面208を有する第1のダイ204と、加熱システム226、ならびに第2のブレード面218および第2のフランジ面216を備える第2の形成表面214を有する第2のダイ206と、硬化チャンバ264を生成するために第1のダイ204および第2のダイ206に対してシールするように構成されているツール蓋260とを備える。樹脂270の注入268および硬化272は、硬化チャンバ264内で実施される。
【0047】
第1のダイ204、第2のダイ206、およびツール蓋260の少なくとも1つを含むツール構成要素は、公称値の0.010インチ以内にシール/真空の完全性および内部表面プロファイルの公差を維持しつつ、最大200PSIの内部圧力に耐えることが可能である。多数の樹脂入口266、多数の真空経路220、および多数の真空経路222の箇所は、ブレードストリンガ276の設計、樹脂270のタイプ、および樹脂270を注入268する他の特性に基づいている。
【0048】
プレス278は、形成硬化ツール202の一部を保持して移動させるために使用することができる。例えば、プレス278は、相対的に第1のダイ204および第2のダイ206を保持して移動させることができる。プレス278は、形成250のためのクランプおよび圧力を提供するために相対的に第1のダイ204または第2のダイ206の少なくとも一方の水平移動を提供することができる。プレス278は、第1の切削キット加工材料228および第2の切削キット加工材料230の形成250を実施するために第1のダイ204および第2のダイ206に対する形成デバイス244の垂直移動を提供することができる。プレス278は、形成250の後に形成デバイス244を取り外すために形成デバイス244の垂直移動を提供することができる。プレス278は、硬化チャンバ264を形成してベース材料254の形成250を実施するためにツール蓋260の垂直移動を提供することができる。
【0049】
提供されたプロセスおよび形成硬化ツール202は、ステップごとに滑らかかつ迅速に移動する。自動化は、加熱された部品を取り扱う技術者の事例を削減する。自動化は、複合ストリンガプリフォーム271用の材料を載置するためのピックアンドプレースシステムの使用を含むことができる。自動化は、第1のダイ204、第2のダイ206、形成デバイス244、およびツール蓋260の少なくとも1つを含む形成硬化ツール202の構成要素の移動を含むことができる。
【0050】
第1のダイ204および第2のダイ206は、任意の実行可能な方法で加熱される。等温または半等温プロセスの場合、第1のダイ204および第2のダイ206の温度を維持することは、第1のダイ204および第2のダイ206を連続的に冷却および加熱することよりも持続可能であり/熱使用量が少なくなる。第1のダイ204および第2のダイ206を高温のままにすることによって、熱勾配が低減される。熱勾配は、別々の形成ツールと注入および硬化ツールとの間を移動しないことによって低減される。
【0051】
図2の製造環境200の説明図は、例示的な実施形態が実装され得る方式に対する物理的または構造的な制限を意味するものではない。例示の構成要素に加えて、または例示の構成要素の代わりに、他の構成要素を使用してもよい。いくつかの構成要素は、不要な場合がある。また、ブロックは、いくつかの機能的構成要素を示すために提示されている。これらのブロックのうちの1つまたは複数が、例示的な実施形態で実装されるときに組み合わされるか、分割されるか、または組み合わされ分割されて異なるブロックにしてもよい。
【0052】
例えば、多数の樹脂入口266がツール蓋260に図示されているが、いくつかの例示的な例では、多数の樹脂入口はまた、第1のダイ204または第2のダイ206の少なくとも一方に存在する。
【0053】
図2には図示されていないが、位置特定およびインデックス付け形態(locating and indexing feature)が存在してもよい。いくつかの例示的な例では、第1の切削キット加工材料228、第2の切削キット加工材料230、ヌードル252、およびベース材料254などの材料を担持するピックアンドプレース(PnP)装置用のインデックス付け形態が存在する。いくつかの例示的な例では、インデックス付け形態は、形成硬化ツール202の構成要素とプレス278との間に存在する。いくつかの例示的な例では、インデックス付け形態は、第1のダイ204および第2のダイ206などの形成硬化ツール202の異なる構成要素間に存在する。
【0054】
いくつかの例示的な例では、材料、第1の切削キット加工材料228、および第2の切削キット加工材料230に対する位置特定が、ツール、第1のダイ204、および第2のダイ206上に存在する。いくつかの例示的な例では、位置特定は、第1のダイ204および第2のダイ206の形状に基づく。いくつかの例示的な例では、視覚的な位置特定形態が、第1のダイ204および第2のダイ206の少なくとも一方に存在する。
【0055】
第1の切削キット加工材料228および第2の切削キット加工材料230は、部品の製造縁部(MEOP)の外側において最小限のマージンでツール内への方向に装填することができる。部品の製造縁部は、典型的には、組み立て前に後のステップでトリミングされるマージンを含む。いくつかの製造プロセスでは、インデックス付け形態が、部品の縁部に含まれる。この例示的な例では、切削キット加工材料をツールにおける凹所のサイズに合わせて製造することができるため、位置特定形態は使用されない。例えば、ベース材料254は、硬化チャンバ264の幅および長さの寸法に合わせて製造することができる。
【0056】
次に
図3を参照すると、例示的な実施形態による形成硬化ツールおよび切削キット加工材料の一部の斜視分解図が図示されている。ビュー300の形成硬化ツール301は、
図2の形成硬化ツール202の物理的実装である。
【0057】
形成硬化ツール301は、第1のダイ302と、第2のダイ304と、第1のクランプブロック306と、第2のクランプブロック308とを備える。第1のクランプブロック306は、第1のクランプブロック306と第1の形成表面314との間に第1の切削キット加工材料310をクランプするように構成されている。第2のクランプブロック308は、第2のクランプブロック308と第2の形成表面316との間に第2の切削キット加工材料312をクランプするように構成されている。
【0058】
次に
図4を参照すると、例示的な実施形態による形成硬化ツールのダイに対してクランプされた切削キット加工材料の側面図が図示されている。ビュー400は、第1のクランプブロック306によって第1のダイ302にクランプされた第1の切削キット加工材料310の側面図である。図示のように、第1の切削キット加工材料310の一部のみが第1のクランプブロック306によって第1のダイ302間にクランプされる。第1の切削キット加工材料310の部分402は、第1のダイ302から延伸する。
【0059】
ビュー400において、第2の切削キット加工材料312は、第2のクランプブロック308によって第2のダイ304にクランプされる。図示のように、第2の切削キット加工材料312の一部のみが第2のダイ304と第2のクランプブロック308との間にクランプされる。第2の切削キット加工材料312の部分404は、第2のダイ304から延伸する。
【0060】
図示のように、部分402および部分404は、第1のダイ302と第2のダイ304との間の隙間406内に外方に延伸する。
【0061】
次に
図5を参照すると、例示的な実施形態による形成硬化ツールのダイに対してクランプされた切削キット加工材料の断面図が図示されている。ビュー500は、それぞれ第1のダイ302および第2のダイ304にクランプされた第1の切削キット加工材料310および第2の切削キット加工材料312の断面図である。
【0062】
ビュー500において、第1の形成表面314の第1のフランジ面502および第1のブレード面504が見える。ビュー500において、第2の形成表面316の第2のフランジ面506および第2のブレード面508が見える。ブレードストリンガのフランジを形成するために、第1の切削キット加工材料310の部分510は、第1のクランプブロック306によって第1のフランジ面502にクランプされる。第1の切削キット加工材料310の部分510は、第1の切削キット加工材料310が形成されている間に第1の切削キット加工材料310の部分510を拘束するのに十分な力でクランプされる。
【0063】
ブレードストリンガのフランジを形成するために、第2の切削キット加工材料312の部分512は、第1のクランプブロック306によって第1のフランジ面502にクランプされる。第2の切削キット加工材料312の部分512は、第2の切削キット加工材料312が形成されている間に第2の切削キット加工材料312の部分512を拘束するのに十分な力でクランプされる。
【0064】
いくつかの例示的な例では、第1のクランプブロック306および第1のダイ302は、第1の切削キット加工材料310を形成するのに十分に第1の切削キット加工材料310の部分510をクランプする。いくつかの例示的な例では、第2のクランプブロック308および第2のダイ304は、第2の切削キット加工材料312を形成するのに十分に第2の切削キット加工材料312の部分512をクランプする。
【0065】
次に
図6を参照すると、例示的な実施形態による形成硬化ツールのダイに対してクランプされた切削キット加工材料に対して位置決めされた形成デバイスの断面図が図示されている。形成硬化ツール301のビュー600において、形成デバイス602は、形成デバイス602が第1のダイ302および第2のダイ304に対して方向604に移動するとき、第1の切削キット加工材料310および第2の切削キット加工材料312を形成するように位置決めされている。ビュー600において、形成デバイス602は、形成デバイス602が方向604に第1のダイ302と第2のダイ304との間の隙間406を通って移動することができるように、隙間406と位置合わせされる。
【0066】
次に
図7を参照すると、例示的な実施形態による形成デバイスによって形成硬化ツールのダイに対して形成された切削キット加工材料の断面図が図示されている。ビュー700において、形成デバイス602は、第1の形成表面314に対して第1の切削キット加工材料310を、および第2の形成表面316に対して第2の切削キット加工材料312を同時に形成するために方向604に移動している。
【0067】
ビュー700において、形成デバイス602は、ブレード部分702への第1の切削キット加工材料310の形成部分402を有する。ブレード部分702を生成するために、第1の切削キット加工材料310は、第1のブレード面504に対して形成された。ビュー700において、形成デバイス602は、ブレード部分704への第2の切削キット加工材料312の形成部分404を有する。ブレード部分704を生成するために、第2の切削キット加工材料312は、第2のブレード面508に対して形成された。
【0068】
第1のブレード面504に対して第1の切削キット加工材料310の部分402を形成することによって、半径706が第1の切削キット加工材料310に形成される。第2のブレード面508に対して第2の切削キット加工材料312の部分404を形成することによって、半径708が第2の切削キット加工材料312に形成される。半径706は、第1の切削キット加工材料310のブレード部分702とフランジ部分710を接続する。半径708は、第2の切削キット加工材料312のブレード部分704とフランジ部分712を接続する。
【0069】
ブレードストリンガのブレード部分、ブレード部分702、およびブレード部分704は、第1のダイ204および第2のダイ206に対してブレードストリンガのフランジ部分、フランジ部分710、およびフランジ部分712を拘束している間に第1のダイ302および第2のダイ304に対して同時に形成される。ブレード部分を形成した後、ブレード部分は、
図8の第1のダイ302と第2のダイ304との間にクランプされる。
【0070】
図示のように、形成デバイス612は、ブレードストリンガ用のブレード部分を形成するために圧力を第1の切削キット加工材料310および第2の切削キット加工材料312に加えた。いくつかの例示的な例では、形成中、熱が第1の切削キット加工材料310および第2の切削キット加工材料312に加えられる。いくつかの例示的な例では、第1のダイ302、第2のダイ304、第1のクランプブロック306、および第2のクランプブロック308の少なくとも1つは、加熱システムを備える。いくつかの例示的な例では、第1のダイ302、第2のダイ304、第1のクランプブロック306、および第2のクランプブロック308の少なくとも1つは、一体加熱を提供する。いくつかの例示的な例では、一体型加熱システムは、液体加熱、電気加熱、誘導加熱、または蒸気加熱の少なくとも1つを含むことができる。
【0071】
第1の切削キット加工材料310および第2の切削キット加工材料312が加熱されると、第1の切削キット加工材料310および第2の切削キット加工材料312における熱可塑性材料が軟化する。例えば、第1の切削キット加工材料310または第2の切削キット加工材料312の少なくとも一方の中の熱可塑性ベールは、加熱中に軟化し、冷却されるとその形成された形状を保持する。他の例示的な例では、熱可塑性粉末樹脂、または他の熱可塑性プラスチックが、第1の切削キット加工材料310および第2の切削キット加工材料312に存在することができる。
【0072】
次に
図8を参照すると、例示的な実施形態による形成硬化ツールのダイ間にクランプされた切削キット加工材料の断面図が図示されている。ビュー800において、
図6および
図7の形成デバイス602は、取り外されている。ビュー800において、第1のダイ302または第2のダイ304の少なくとも一方は、第1のダイ302または第2のダイ304の他方に向かって移動されている。ビュー800において、第1の切削キット加工材料310の部分402および第2の切削キット加工材料312の部分404は、第1のダイ302と第2のダイ304との間にクランプされる。
【0073】
ブレード部分702は、第1のブレード面504と接触したままである。ブレード部分704は、第2のブレード面508と接触したままである。ブレード部分702およびブレード部分704は、互いに接触している。ブレード部分702およびブレード部分704は、ブレードストリンガのブレードを形成する。
【0074】
いくつかの例示的な例では、第1のダイ302および第2のダイ304は、部分402および部分404を圧縮するために十分な圧力を第1の切削キット加工材料310および第2の切削キット加工材料312に加える。
【0075】
次に
図9を参照すると、例示的な実施形態による形成チャンバ内に材料を有する形成硬化ツールの断面図が図示されている。ビュー900において、ヌードル904は、第1の切削キット加工材料310および第2の切削キット加工材料312と接触して載置されている。ヌードル904は、第1の切削キット加工材料310の半径706および第2の切削キット加工材料312の半径708と接触して載置される。ベース材料906は、ヌードル904、第1の切削キット加工材料310、および第2の切削キット加工材料312の上に載置される。
【0076】
ビュー900において、ツール蓋902は、ヌードル904およびベース材料906の上に載置されている。ツール蓋902は、ベース材料906およびヌードル904を形成するためにベース材料906を押す。いくつかの例示的な例では、加熱は、第1のダイ302、第2のダイ304、またはツール蓋902の少なくとも1つによって供給される。加熱および圧力が、最終的なブレードストリンガ形状を形成するためにベース材料906、ヌードル904、第1の切削キット加工材料310、および第2の切削キット加工材料312に加えられる。この例示的な例では、圧力が水平方向に第1のダイ302および第2のダイ304によって加えられる。この例示的な例では、ツール蓋902の最終的な閉鎖圧力は、ベース材料906、ヌードル904、第1の切削キット加工材料310、および第2の切削キット加工材料312に対する垂直圧力を提供する。
【0077】
いくつかの例示的な例では、真空がベース材料906、ヌードル904、第1の切削キット加工材料310、および第2の切削キット加工材料312を圧縮するために加えられる。いくつかの例示的な例では、真空は、ベース材料906、ヌードル904、第1の切削キット加工材料310、および第2の切削キット加工材料312を脱気するためにベース材料906、ヌードル904、第1の切削キット加工材料310、および第2の切削キット加工材料312に加えられる。
【0078】
真空は、第1のダイ302、第2のダイ304、またはツール蓋902の少なくとも1つにおける一体型真空ライン(図示せず)を通して加えられ得る。いくつかの例示的な例では、真空ラインは、第1のダイ302、第2のダイ304、またはツール蓋902の間の交差部に存在することができる。
【0079】
次に
図10を参照すると、例示的な実施形態による形成後かつ樹脂注入前の形成硬化ツールの断面図が図示されている。ビュー1000において、ツール蓋902は、硬化チャンバ1002を生成するために第1のダイ302および第2のダイ304に対してシールされている。ビュー900とビュー1000との間において、ツール蓋902は、硬化チャンバ1002内に隙間1010を生成するために第1のダイ302および第2のダイ304から引き離されている。隙間1010は、ベース材料906とツール蓋902との間の空間である。
【0080】
いくつかの例示的な例では、真空は、ベース材料906、ヌードル904、第1の切削キット加工材料310、および第2の切削キット加工材料312を脱気するためにベース材料906、ヌードル904、第1の切削キット加工材料310、および第2の切削キット加工材料312に加えられる。
【0081】
真空は、第1のダイ302、第2のダイ304、またはツール蓋902の少なくとも1つにおける一体型真空ライン(図示せず)を通して加えられ得る。いくつかの例示的な例では、真空ラインは、第1のダイ302、第2のダイ304、またはツール蓋902の間の交差部に存在することができる。
【0082】
ビュー1000において、ツール蓋902は、シール1004およびシール1006によって第1のダイ302および第2のダイ304に対してシールされている。第1のダイ302は、シール1008によって第2のダイ304にシールされる。シール1004、シール1006、およびシール1008の各々は、それぞれのツールが分離されるときにそれぞれのシールが脱落しないようにツールに固定される。例えば、シール1008は、第1のダイ302および第2のダイ304が分離されるときにシール1008が脱落しないように第1のダイ302または第2のダイ304の一方に固定される。図示のように、シール1004は、ツール蓋902に固定される。図示のように、シール1006は、ツール蓋902に固定される。他の図示されていない例では、シール1004またはシール1006の少なくとも一方は、第1のダイ302または第2のダイ304に固定され得る。
【0083】
シール、シール1004、シール1006、およびシール1008は、任意の望ましい様式で抑制することができる。いくつかの例示的な例では、シールについての抑制された構成は、限定はしないが、シール空隙部中央線(seal cavity midline)、二重円シール、または溝内に接合されたシールを含むことができる。ツールの縁部の内側のシール空隙部中央線の場合、シール空隙部は、溝内にシールを拘束する。シールの狭い部分を伴う二重円または他の形状のシールの場合、シールの狭い部分は、溝内に保持することができる。いくつかの例示的な例では、シールが溝内に接合される。シールは、予防保守の一部として定期的に交換および再接合することが可能である。
【0084】
次に
図11を参照すると、例示的な実施形態による樹脂注入を実施する形成硬化ツールの断面図が図示されている。ビュー1100において、樹脂1102は、硬化チャンバ1002内の隙間1010に導入されている。いくつかの例示的な例では、樹脂1102は、ツール蓋902における多数の樹脂入口(図示せず)を通して導入することができる。いくつかの例示的な例では、樹脂1102は、第1のダイ302または第2のダイ304の少なくとも一方における多数の樹脂入口(図示せず)を通して導入することができる。
【0085】
この例示的な例では、ベース材料906、第1の切削キット加工材料310、および第2の切削キット加工材料312は、乾燥材料で形成される。樹脂1102は、硬化チャンバ1002に導入され、ベース材料906、第1の切削キット加工材料310、および第2の切削キット加工材料312に注入される。
【0086】
いくつかの例示的な例では、ベース材料906、第1の切削キット加工材料310、および第2の切削キット加工材料312は、プリプレグ材料である。これらの図示されていない例示的な例では、樹脂注入は、硬化チャンバ1002内で実施されない。これらの図示されていない例示的な例では、隙間1010は、材料を脱気した後に硬化チャンバ1002に導入されない。
【0087】
次に
図12を参照すると、例示的な実施形態による樹脂注入を実施する形成硬化ツールの断面図が図示されている。ビュー1200において、ツール蓋902は、第1のダイ302および第2のダイ304に向かって移動されている。ビュー1200において、隙間1010は、硬化チャンバ1002内に存在しない。ビュー1200において、方向1204へのツール蓋902の移動は、複合ストリンガプリフォーム1202を形成するために樹脂1102をベース材料906、第1の切削キット加工材料310、および第2の切削キット加工材料312に注入している。
【0088】
いくつかの例示的な例では、熱が樹脂1102の注入中に加えられる。いくつかの例示的な例では、第1のダイ302および第2のダイ304における一体加熱は、樹脂1102の注入中にベース材料906、ヌードル904、第1の切削キット加工材料310、および第2の切削キット加工材料312を加熱するために使用される。
【0089】
樹脂1102を注入した後、複合ストリンガプリフォーム1202が硬化される。複合ストリンガプリフォーム1202は、制御された熱および圧力を加えることによって硬化される。
【0090】
熱および圧力を加えて複合ストリンガプリフォーム1202を硬化させ、ブレードストリンガを生成する。いくつかの例示的な例では、熱は、第1のダイ302および第2のダイ304の一体加熱によって加えられる。硬化によって形成されたブレードストリンガは、最終的な硬化部品である。
【0091】
次に
図13を参照すると、例示的な実施形態による硬化中の形成硬化ツールの断面図が図示されている。ビュー1300において、ツール蓋902は、ブレードストリンガ1302と接触している。ビュー1300において、第1のダイ302および第2のダイ304は、ブレードストリンガ1302と接触している。
図12の複合ストリンガプリフォーム1202の硬化中、ツール蓋902は複合ストリンガプリフォーム1202と接触し、圧力を複合ストリンガプリフォーム1202に加える。複合ストリンガプリフォーム1202の硬化中、第1のダイ302および第2のダイ304は複合ストリンガプリフォーム1202と接触し、圧力を複合ストリンガプリフォーム1202に加える。
【0092】
硬化中、熱および圧力を加えて複合ストリンガプリフォーム1202を硬化させ、ブレードストリンガ1302を生成する。説明を簡単にするために
図13には図示されていないが、多数の真空ラインが第1のダイ302、第2のダイ304、またはツール蓋902の少なくとも1つに存在することができる。多数の真空ラインの位置決め、レイアウト、およびサイズは、ブレードストリンガ1302の形状、樹脂1102のタイプ、樹脂注入の温度、ならびに材料の形成、圧縮、樹脂注入、および硬化の他の動作性質に基づいて設計される。第1のダイ302、第2のダイ304、またはツール蓋902の少なくとも1つにおける多数の樹脂入口の位置決め、レイアウト、およびサイズは、ブレードストリンガ1302の形状、樹脂1102のタイプ、樹脂注入の温度、ならびに樹脂注入の他の動作性質に基づいて設計される。
【0093】
次に
図14を参照すると、例示的な実施形態による形成硬化ツールおよび得られたブレードストリンガの断面図が図示されている。ブレードストリンガ1400は、
図1の航空機100の一部とすることができる。ブレードストリンガ1400は、
図2のブレードストリンガ298の物理的実装である。ブレードストリンガ1400は、
図2の形成硬化ツール202によって形成することができる。ブレードストリンガ1400は、
図3から
図12の形成硬化ツール301によって形成および硬化することができる。ブレードストリンガ1400は、
図13の形成デバイス1301によって形成することができる。
【0094】
ブレードストリンガ1400は、硬化複合構成要素である。ベース1402、ヌードル1404、第1のL字形材料1406、および第2のL字形材料1408の各々は、ブレードストリンガ1400を形成するために共にレイアップされ、圧縮され、かつ硬化される。ベース1402、第1のL字形材料1406、および第2のL字形材料1408は、樹脂が含浸された繊維シートで形成される。
【0095】
ブレードストリンガ1400は実質的に直線状であるように見えるが、ブレードストリンガ1400は、複雑な曲率を有し得る。ベース1402の表面は、長さに垂直な曲率を有し、長さは、ピッチ、ロール、またはヨーであってもよい。ブレードストリンガ1400などの特定のブレードストリンガについての複雑な曲率は、航空機などのプラットフォーム内の箇所に基づく。航空機の胴体内のブレードストリンガについての異なる箇所は、異なる複雑な曲率を有する。
【0096】
いくつかの例示的な例では、ブレードストリンガ1400などのブレードストリンガの断面のゲージ(厚さ)は変化する。ブレードストリンガ1400を外板に接続するために、ベース1402は外板に接触する。外板は、プロファイル変化を誘発するプライドロップを有する場合がある。
【0097】
複雑な曲率、および可能性のある非対称なフランジ/ブレード部品は、従来の形成を困難にし、硬化ツーリングを複雑にする。例示的な例の形成硬化ツールは、ブレードストリンガ1400の形成をより容易にする。例示的な例の形成硬化ツールは、同じツールが形成と硬化の両方に使用されるので、ブレードストリンガ1400の硬化をより複雑にしないようにする。
【0098】
次に
図15を参照すると、例示的な実施形態による形成硬化ツールおよび得られたブレードストリンガの分解図が図示されている。ビュー1500は、ブレードストリンガ1302を有する形成硬化ツール301の分解図である。ブレードストリンガ1302を取り外すために、ツール蓋902がブレードストリンガ1302から取り外される。ブレードストリンガ1302を取り外すために、第1のダイ302または第2のダイ304の少なくとも一方が、第1のダイ302および第2のダイ304の他方から離れるように移動される。いくつかの例示的な例では、ツール蓋902、第1のダイ302、および第2のダイ304の各々は、共通のプレスによって移動される。
【0099】
次に
図16を参照すると、例示的な実施形態によるブレードストリンガの斜視図が図示されている。ブレードストリンガ1600は、
図1の航空機100の一部とすることができる。ブレードストリンガ1600は、
図2のブレードストリンガ276の物理的実装である。ブレードストリンガ1600は、
図2の形成硬化ツール202によって形成することができる。ブレードストリンガ1600は、
図3から
図15の形成硬化ツール301によって形成および硬化することができる。
【0100】
ブレードストリンガ1600は、硬化複合構成要素である。ベース1602、ヌードル1604、第1のL字形材料1606、および第2のL字形材料1608の各々は、ブレードストリンガ1600を形成するために共にレイアップされ、圧縮され、かつ硬化される。ベース1602、第1のL字形材料1606、および第2のL字形材料1608は、樹脂が含浸された繊維シートで形成される。
【0101】
ブレードストリンガ1600は実質的に直線状であるように見えるが、いくつかの例示的な例では、ブレードストリンガ1600は、複雑な曲率を有し得る。ベース1602の表面は、長さに垂直な曲率を有し、長さは、ピッチ、ロール、またはヨーであってもよい。ブレードストリンガ1600などの特定のブレードストリンガについての複雑な曲率は、航空機などのプラットフォーム内の箇所に基づく。航空機の胴体内のブレードストリンガについての異なる箇所は、異なる複雑な曲率を有する。
【0102】
いくつかの例示的な例では、ブレードストリンガ1600などのブレードストリンガの断面のゲージ(厚さ)は変化する。ブレードストリンガ1600を外板に接続するために、ベース1602は外板に接触する。外板は、プロファイル変化を誘発するプライドロップを有する場合がある。
【0103】
複雑な曲率、および可能性のある非対称なフランジ/ブレード部品は、従来の形成を困難にし、硬化ツーリングを複雑にする。例示的な例の形成硬化ツールは、ブレードストリンガ1600の形成をより容易にする。例示的な例の形成硬化ツールは、同じツールが形成と硬化の両方に使用されるので、ブレードストリンガ1600の硬化をより複雑にしないようにする。
【0104】
次に
図17を参照すると、例示的な実施形態による形成硬化ツールを有するプレスの斜視図の説明図が図示されている。プレス1700は、
図2のプレス278の物理的実装である。プレス1700は、
図3から
図8の形成デバイス602、第1のダイ302、第2のダイ304、第1のクランプブロック306、および第2のクランプブロック308を移動させるために使用することができる。プレス1700は、
図9から
図15の第1のダイ302、第2のダイ304、およびツール蓋902を移動させるか、またはそれらに圧力を加えるかの少なくとも一方のために使用することができる。プレス1700は、
図16のブレードストリンガ1600を製造するために圧力を加えてツール構成要素を移動させるために使用することができる。
【0105】
プレス1700は、形成デバイスおよびツール蓋の垂直持ち上げを可能にするプレストップ1702を備える。プレストップ1702はまた、形成硬化ツール1706の形成デバイスおよびツール蓋の垂直プレスを可能にする。プレストップ1702は、形成硬化ツール1706内の材料の形成を可能にする。プレスベース1704は、形成硬化ツール1706の第1のダイおよび第2のダイを保持する。プレストップ1702は、形成硬化ツール1706の第1のクランプブロックおよび第2のクランプブロックの移動による材料のクランプを可能にする。
【0106】
プレスベース1704は、水平なプレス開口部を提供する。プレスベース1704は、形成硬化ツール1706の第1のダイおよび第2のダイを移動させるように構成されている。プレスベース1704は、第1のダイと第2のダイとの間の材料を圧縮するために圧力を形成硬化ツール1706の第1のダイおよび第2のダイに加える。
【0107】
次に
図18Aから
図18Bを参照すると、例示的な実施形態によるブレードストリンガを形成する方法のフローチャートが図示されている。方法1800は、
図1の航空機100の構成要素を形成するために使用することができる。方法1800は、
図2の形成硬化ツール202を使用して実施することができる。方法1800は、
図3から
図15の形成硬化ツール301を使用して実施することができる。方法1800は、
図16のブレードストリンガ1600を形成するために使用することができる。方法1800は、
図17のプレス1700を使用して実施することができる。
【0108】
方法1800は、第1のダイの第1のフランジ面に対して第1の切削キット加工材料を保持する(動作1802)。方法1800は、第2のダイの第2のフランジ面に対して第2の切削キット加工材料を保持する(動作1804)。方法1800は、第1のダイの第1のブレード面に対して第1の切削キット加工材料を、および第2のダイの第2のブレード面に対して第2の切削キット加工材料を同時に形成する(動作1806)。方法1800は、第1の切削キット加工材料および第2の切削キット加工材料を形成した後、第1のダイと第2のダイとの間に第1の切削キット加工材料および第2の切削キット加工材料をクランプする(動作1808)。方法1800は、第1の切削キット加工材料、第2の切削キット加工材料、ヌードル、およびベース材料を備える複合ストリンガプリフォームが第1の形成表面および第2の形成表面に当接している間に、複合ストリンガプリフォームを硬化させる(動作1810)。その後、方法1800は終了する。
【0109】
いくつかの例示的な例では、方法1800は、第1の切削キット加工材料および第2の切削キット加工材料を形成した後、第1の切削キット加工材料および第2の切削キット加工材料の上にヌードルおよびベース材料を適用する(動作1812)。
【0110】
いくつかの例示的な例では、方法1800は、第1の切削キット加工材料および第2の切削キット加工材料の上にある間に、ヌードルおよびベース材料を圧縮する(動作1814)。
【0111】
いくつかの例示的な例では、圧縮するステップは、ベース材料およびヌードルを脱気するために制御された熱および圧力を加えるステップを含む(動作1816)。
【0112】
いくつかの例示的な例では、方法1800は、第1の切削キット加工材料が第1のダイと接触し、第2の切削キット加工材料が第2のダイと接触している間に、複合ストリンガを形成するために樹脂を第1の切削キット加工材料、第2の切削キット加工材料、ヌードル、およびベース材料に注入する(動作1818)。
【0113】
いくつかの例示的な例では、樹脂を注入するステップは、樹脂をベース材料と硬化チャンバのツール蓋との間の硬化チャンバに導入するステップと、ツール蓋がベース材料に向かって移動するときに樹脂をベース材料に押し込むステップとを含む(動作1820)。いくつかの例示的な例では、第1のブレード面に対して第1の切削キット加工材料を、および第2のブレード面に対して第2の切削キット加工材料を同時に形成するステップは、第1のダイと第2のダイとの間で形成デバイスを移動させるステップを含む(動作1822)。
【0114】
いくつかの例示的な例では、第1のブレード面に対して第1の切削キット加工材料を、および第2のブレード面に対して第2の切削キット加工材料を同時に形成するステップは、第1の切削キット加工材料および第2の切削キット加工材料を華氏120度から華氏350度の範囲の多数の温度に加熱するステップを含む(動作1824)。温度の数は、形成される材料のタイプに基づいて選択される。いくつかの例示的な例では、第1の切削キット加工材料および第2の切削キット加工材料を加熱するステップは、第1の形成表面および第2の形成表面を有する多数のダイにおいて一体加熱を使用して第1の切削キット加工材料および第2の切削キット加工材料を加熱するステップを含む。一体加熱は、任意の望ましい形態をとることができる。いくつかの例示的な例では、一体加熱は、液体加熱、電気加熱、誘導加熱、または蒸気加熱の少なくとも1つを含むことができる。
【0115】
いくつかの例示的な例では、第1の切削キット加工材料および第2の切削キット加工材料をクランプするステップは、第1のダイまたは第2のダイの少なくとも一方を第1のダイまたは第2のダイの他方に向かって移動させるステップを含む(動作1826)。いくつかの例示的な例では、第1のダイまたは第2のダイの少なくとも一方は、プレスによって第1のダイまたは第2のダイの他方に向かって移動する。
【0116】
いくつかの例示的な例では、複合ストリンガプリフォームを硬化させるステップは、複合ストリンガプリフォームを華氏250度から華氏400度の範囲の温度に加熱するステップを含む(動作1828)。
【0117】
次に
図19Aから
図19Bを参照すると、例示的な実施形態によるブレードストリンガを形成する方法のフローチャートが図示されている。方法1900は、
図1の航空機100の構成要素を形成するために使用することができる。方法1900は、
図2の形成硬化ツール202を使用して実施することができる。方法1900は、
図3から
図15の形成硬化ツール301を使用して実施することができる。方法1900は、
図16のブレードストリンガ1600を形成するために使用することができる。方法1900は、
図17のプレス1700を使用して実施することができる。
【0118】
方法1900は、第1のダイに対して第1の切削キット加工材料を保持する(動作1902)。方法1900は、第2のダイに対して第2の切削キット加工材料を保持する(動作1904)。方法1900は、第1のダイに対して第1の切削キット加工材料を、および第2のダイに対して第2の切削キット加工材料を同時に形成するために第1のダイと第2のダイとの間で形成デバイスを移動させる(動作1906)。方法1900は、第1の切削キット加工材料および第2の切削キット加工材料を互いに接触させるために第1のダイまたは第2のダイの少なくとも一方を第1のダイまたは第2のダイの他方に向かって移動させる(動作1908)。方法1900は、第1の切削キット加工材料および第2の切削キット加工材料が互いに接触している間に、第1の切削キット加工材料および第2の切削キット加工材料の上にヌードルおよびベース材料を適用する(動作1910)。方法1900は、第1の切削キット加工材料、第2の切削キット加工材料、ヌードル、およびベース材料を備える複合ストリンガプリフォームが第1のダイおよび第2のダイに当接している間に、複合ストリンガプリフォームを硬化させる(動作1912)。その後、方法1900は終了する。
【0119】
いくつかの例示的な例では、方法1900は、硬化チャンバを生成するために第1のダイおよび第2のダイに対してツール蓋をシールする(動作1914)。硬化チャンバは、ブレードストリンガを形成する材料を含むツール蓋、第1のダイ、および第2のダイの間の空間である。
【0120】
いくつかの例示的な例では、方法1900は、第1の切削キット加工材料が第1のダイと接触し、第2の切削キット加工材料が第2のダイと接触している間に、複合ストリンガを形成するために樹脂を第1の切削キット加工材料、第2の切削キット加工材料、ヌードル、およびベース材料に注入する(動作1916)。これらの例示的な例では、形成硬化ツールは、形成、樹脂注入、および硬化の各々に使用される。
【0121】
いくつかの例示的な例では、樹脂を注入するステップは、ツール蓋を第1のダイおよび第2のダイに向かって下降させるステップを含む(動作1918)。いくつかの例示的な例では、樹脂を注入するステップは、ツール蓋における樹脂入口を通して樹脂を硬化チャンバに送るステップを含む(動作1920)。
【0122】
いくつかの例示的な例では、複合ストリンガプリフォームを硬化させるステップは、複合ストリンガプリフォームを華氏250度から華氏400度の範囲の温度に加熱するステップを含む(動作1922)。硬化温度は、複合ストリンガプリフォーム内の樹脂のタイプに基づいて選択される。
【0123】
いくつかの例示的な例では、方法1900は、形成デバイスが第1のダイと第2のダイとの間を移動するとき、第1の切削キット加工材料および第2の切削キット加工材料を華氏120度から華氏350度の範囲の多数の温度に加熱する(動作1924)。
【0124】
いくつかの例示的な例では、方法1900は、ツール蓋を使用して圧力を加え、ベース材料およびヌードルを加熱することによってベース材料およびヌードルを圧縮する(動作1926)。いくつかの例示的な例では、ヌードルおよびベース材料を圧縮するステップは、材料のタイプ、ブレードストリンガの断面形状、または他の設計特性の少なくとも1つに基づいて選択された熱および制御された圧力を加えるステップを含む。
【0125】
次に
図20を参照すると、例示的な実施形態によるブレードストリンガを形成する方法のフローチャートが図示されている。方法2000は、
図1の航空機100の構成要素を形成するために使用することができる。方法2000は、
図2の形成硬化ツール202を使用して実施することができる。方法2000は、
図3から
図15の形成硬化ツール301を使用して実施することができる。方法2000は、
図16のブレードストリンガ1600を形成するために使用することができる。方法2000は、
図17のプレス1700を使用して実施することができる。
【0126】
方法2000は、第1のダイおよび第2のダイに対してブレードストリンガのフランジ部分を拘束している間に、第1のダイおよび第2のダイに対してブレードストリンガのブレード部分を同時に形成する(動作2002)。方法2000は、形成後に第1のダイと第2のダイとの間にブレード部分をクランプする(動作2004)。方法2000は、ブレード部分およびフランジ部分が第1のダイおよび第2のダイと接触している間に、ブレード部分およびフランジ部分を備える複合ストリンガプリフォームを硬化させる(動作2006)。
【0127】
本明細書で使用される場合、「の少なくとも1つ」という語句は、項目のリストと共に使用される場合、列挙された項目のうちの1つまたは複数の異なる組み合わせが使用されてもよく、リスト内の各項目のうちの1つのみが必要であってもよいことを意味する。例えば、「項目A、項目B、または項目Cの少なくとも1つ」は、項目A、項目Aおよび項目B、または項目Bを含むが、これらに限定されない。この例は、項目A、項目B、および項目C、または項目Bおよび項目Cも含み得る。当然のことながら、これらの項目の任意の組み合わせが存在してもよい。他の例では、「の少なくとも1つ」は、例えば、限定はしないが、項目Aが2つ、項目Bが1つ、および項目Cが10個であってもよいし、項目Bが4つおよび項目Cが7つであってもよいし、他の適切な組み合わせであってもよい。項目は、特定の対象物、不特定の物、またはカテゴリであってもよい。言い換えれば、少なくとも1つとは、任意の組み合わせ項目および項目の数がリストから使用され得るが、リスト内の項目のすべてが必要とされるわけではないことを意味する。
【0128】
本明細書で使用される場合、「多数の」は、項目に関して使用される場合、1つまたは複数の項目を意味する。
【0129】
異なる図示の実施形態におけるフローチャートおよびブロック図は、例示的な実施形態における装置および方法のいくつかの可能な実装形態のアーキテクチャ、機能、および動作を示している。この点に関して、フローチャートまたはブロック図における各ブロックは、モジュール、セグメント、機能、または動作もしくはステップの一部の少なくとも1つを提示することができる。
【0130】
例示的な実施形態のいくつかの代替の実装形態では、ブロックに記されている1つまたは複数の機能は、図に記されている順序から外れて生じてもよい。例えば、場合によっては、連続して示されている2つのブロックは、実質的に同時に実行されてもよく、またはブロックは、関与する機能に応じて、逆の順序で実施される場合があってもよい。また、図示されたブロックに加えて、他のブロックがフローチャートまたはブロック図に追加されてもよい。一部のブロックは、任意選択であり得る。例えば、
図18Aから
図18Bの動作1812から動作1828、および
図19Aから
図19Bの動作1914から動作1926は、任意選択であってもよい。
【0131】
本開示の例示的な実施形態は、
図21に示す航空機の製造および保守点検方法2100および
図22に示す航空機2200との関連で説明することができる。最初に
図21を参照すると、例示的な実施形態によるブロック図の形態の航空機の製造および保守点検方法の説明図が図示されている。生産前の間、航空機の製造および保守点検方法2100は、
図22の航空機2200の仕様および設計2102ならびに材料調達2104を含むことができる。
【0132】
生産中、航空機2200の構成要素および部分組立品の製造2106ならびにシステム統合2108が行われる。その後、航空機2200は、就航中2112になるために認証および搬送2110を経ることができる。顧客による就航中2112に、航空機2200は、定期的な整備および保守点検2114を予定され、これは変更、再構成、改修、または他の整備および保守点検を含み得る。
【0133】
航空機の製造および保守点検方法2100のプロセスの各々は、システム統合者、第三業者、および/または運用者によって実施または実行されてもよい。これらの例では、運用者は、顧客であってもよい。この説明の目的のために、システム統合者は、限定はしないが、任意の数の航空機製造業者および主要システム下請業者を含むことができ、第三業者は、限定はしないが、任意の数の売主、下請業者、および供給業者を含むことができ、運用者は、航空会社、リース会社、軍事団体、保守点検組織などであってもよい。
【0134】
次に
図22を参照すると、例示的な実施形態が実装され得るブロック図の形態の航空機の説明図が図示されている。この例では、航空機2200は、
図21の航空機の製造および保守点検方法2100によって生産され、複数のシステム2204および内部2206を有する機体2202を含むことができる。システム2204の例は、推進システム2208、電気システム2210、油圧システム2212、および環境システム2214の1つまたは複数を含む。任意の数の他のシステムが含まれてもよい。
【0135】
本明細書で具現化される装置および方法は、航空機の製造および保守点検方法2100の段階の少なくとも1つの間に用いられてもよい。1つまたは複数の例示的な実施形態は、
図21の構成要素および部分組立品の製造2106、システム統合2108、就航中2112、または整備および保守点検2114の少なくとも1つの間に製造または使用されてもよい。
【0136】
例示的な例は、平坦な材料素材からブレードストリンガを形成するプロセスを合理化する方法、およびストリンガを硬化または注入する(乾燥繊維樹脂注入用途のための)方法を提供する。例示的な例は、形成および硬化/注入プロセスを単一のセルに統合することによって、セルの数を低減して複合ストリンガを生産する。ツーリング設計に基づいて異なる(同様の)セルを製作することができるセル装置が提示される。
【0137】
例示的な例は、ツール/ダイをプロセスを進めるための適切な位置(形成のためにダイを開き、注入/硬化のためにダイを閉じる)に移動させるためのプレスの自動化を含む。ツール表面間の封止は、真空の完全性を提供する。ツールの熱/温度の制御および適切な熱均一性は、品質の良い部品をもたらす。
【0138】
例示的な例は、形成および硬化セルの統合、ならびに形成ダイとしての硬化マンドレル/ツールの使用を提示する。複合ストリンガを製作するための既存の方法は、別々の形成および硬化作業位置を有する。
【0139】
重要な技術的形態には、ツールをプロセスステップ(プリフォームのセットアップ、形成、硬化)のための適切な箇所に移動させるためのプレスの自動運動制御、正確なプライ載置を保証するための構成要素のインデックス付け、閉鎖時のマンドレルの互いのインデックス付け、および閉鎖後のツールの封止が挙げられる。例示的な例は、隙間のある樹脂注入ストリンガの製作を使用することができる。他の例示的な例では、形成硬化ツールはまた、従来の樹脂トランスファー成形(RTM)樹脂注入ストリンガ製作、熱硬化性プリプレグストリンガ製作、熱硬化性プリプレグと樹脂注入プロセスの組み合わせ、ならびに熱可塑性プラスチック(より高温)に利用することができる。例示的な例は、高い生産レートでの共接合用途のためのストリンガ(翼、尾翼、可能な胴体)の製作に使用することができる。
【0140】
例示的な例は、ストリンガの形成および硬化作業に対するセル数を低減することによって、新しい航空機プログラムに関連する資本コストを削減する。例示的な例は、2つの構成で、形成および硬化/注入のための一般的なツーリングを利用する。形成構成は、2つの上部形成クランプと、圧力を加えるための形成デバイスを有する2つの形成ダイとを備える。形成構成において加えられる圧力は、一般的なプレスを使用して加えることができる。硬化/注入構成は、硬化/注入(ツール)蓋と、2つの形成ダイ(硬化マンドレルとして使用される)とを備える。
【0141】
作業は、一般的なプレス構造/装置で実施することができる。プレスは、垂直軸および水平軸で開閉可能である。水平移動は、形成のための空間を作ることができる。水平および垂直移動は、硬化/注入中に圧力を提供することができる。形成方法を操作するために、垂直圧力を使用することもできる。
【0142】
形成と硬化との間において、ツール交換がクランプ/蓋に対して実施される。いくつかの例示的な例では、形成デバイスおよびツール蓋の他方は、流れのために同じ装置の近く/上に保持される。いくつかの例示的な例では、形成クランプおよび硬化蓋は、追加の封止を伴う同じツールであってもよい。
【0143】
プリフォームを形成/硬化ツールに装填するために、ピックアンドプレース(PnP)装置を使用することができる。いくつかの例示的な例では、同様のストリンガについての共通のプレス設計は、資本コストを制御し、生産システムに共通性を提供することができる。一般的なコントローラーシステムを、オートクレーブ硬化外に使用することができる。
【0144】
形成および硬化のために、圧力を伴う高温が提供される。いくつかの例示的な例では、形成温度は、120Fから350Fの範囲である。いくつかの例示的な例では、硬化温度は、250Fから400Fの範囲である。ツールは、任意の実行可能な方法で加熱することができる。
【0145】
共通の形成ブラダ/アーム/デバイスが2つの形成ダイの間を移動し、同時に切削材料とキット加工材料の両方を形成する。いくつかの例示的な例では、真空バッグベースの形成方法を使用することができる。
【0146】
形成されると、形成デバイスが後退され、ツールが一緒に移動され、ベースチャージおよびヌードルが載置され、注入蓋が所定の位置に移動される。ベースチャージおよびヌードルを位置決めした後、ベースチャージおよびヌードルをツール蓋で形成する。いくつかの例示的な例では、ツール蓋は、注入形態を含む。
【0147】
樹脂注入の場合、注入ポートおよび真空/樹脂ポートは、蓋またはツールベースのいずれかに存在することができる。ツール(ダイ)は、公称値の0.010インチ以内にシール/真空の完全性および内部表面プロファイルの公差を維持しつつ、最大200PSIの内部圧力に耐えることが可能である。
【0148】
例示的な例では、第1のダイおよび第2のダイは洗浄され、プレスに装填される。第1のクランプブロックおよび第2のクランプブロックは、プレスに装填される。未形成材料(第1の切削キット加工材料および第2の切削キット加工材料)は、第1のダイおよび第2のダイ上に載置される。クランプブロックは、材料上で閉じられる。
【0149】
第1のダイ、第2のダイ、第1のクランプブロック、および第2のクランプブロックは、形成箇所に移動される。材料は、形成温度にされる。形成デバイスは、第1の切削キット加工材料および第2の切削キット加工材料をそれぞれのフランジ部分およびそれぞれのブレード部分に形成するために使用される。形成デバイスは、後退される。
【0150】
第1のダイおよび第2のダイは、硬化位置にロックされる。第1のクランプブロックおよび第2のクランプブロックは、第1のダイおよび第2のダイから取り外される。ヌードルおよびベース材料が、形成された第1の切削キット加工材料および第2の切削キット加工材料の上に装填される。
【0151】
形成蓋が、所定の位置に置かれる。蓋圧を加え、ベース材料、ヌードル、第1の切削キット加工材料、および第2の切削キット加工材料を形成する。形成硬化ツールは、予熱される。真空脱気が、ベース材料、ヌードル、第1の切削キット加工材料、および第2の切削キット加工材料に適用される。形成硬化ツールは、注入/硬化温度にされる。ベース材料、ヌードル、第1の切削キット加工材料、および第2の切削キット加工材料は、任意選択で注入され、次いで硬化される。
【0152】
硬化後、ツール蓋、第1のダイ、および第2のダイが開かれる。硬化部品(ブレードストリンガ)は、取り外される。
【0153】
異なる例示的な実施形態の説明は、例示および説明の目的で提示されており、網羅的であること、または開示された形態の実施形態に限定されることを意図するものではない。多くの変更および変形が、当業者には明らかであろう。さらに、異なる例示的な実施形態は、他の例示的な実施形態と比較して異なる形態を提供することができる。選択された1つまたは複数の実施形態は、実施形態の原理、実際の用途を最もよく説明すると共に、企図される特定の使用に適する様々な変更を伴う様々な実施形態について、当業者が本開示を理解することを可能にするために選択され、説明されている。
【符号の説明】
【0154】
100 航空機、102 翼、104 翼、106 本体、108 エンジン、110 エンジン、112 尾部、114 水平スタビライザ、116 水平スタビライザ、118 垂直スタビライザ、200 製造環境、202 形成硬化ツール、204 第1のダイ、206 第2のダイ、208 第1の形成表面、210 第1のフランジ面、212 第1のブレード面、214 第2の形成表面、216 第2のフランジ面、218 第2のブレード面、220 多数の真空経路、222 多数の真空経路、224 加熱システム、226 加熱システム、228 第1の切削キット加工材料、230 第2の切削キット加工材料、232 乾燥、234 プリプレグ、236 乾燥、238 プリプレグ、240 第1のクランプブロック、242 第2のクランプブロック、244 形成デバイス、246 形成アーム、248 ブラダ、250 形成、252 ヌードル、254 ベース材料、256 乾燥、258 プリプレグ、260 ツール蓋、261 フランジ、262 多数のシール、263 ブレード、264 硬化チャンバ、266 多数の樹脂入口、268 注入、270 樹脂、271 複合ストリンガプリフォーム、272 硬化、274 硬化複合ストリンガ、276 ブレードストリンガ、278 プレス、281 圧縮、291 熱、292 圧力、298 ブレードストリンガ、300 ビュー、301 形成硬化ツール、302 第1のダイ、304 第2のダイ、306 第1のクランプブロック、308 第2のクランプブロック、310 第1の切削キット加工材料、312 第2の切削キット加工材料、314 第1の形成表面、316 第2の形成表面、400 ビュー、402 第1の切削キット加工材料の形成部分、404 第2の切削キット加工材料の形成部分、406 隙間、500 ビュー、502 第1のフランジ面、504 第1のブレード面、506 第2のフランジ面、508 第2のブレード面、510 第1の切削キット加工材料の部分、512 第2の切削キット加工材料の部分、600 ビュー、602 形成デバイス、604 方向、700 ビュー、702 ブレード部分、704 ブレード部分、706 半径、708 半径、710 フランジ部分、712 フランジ部分、800 ビュー、900 ビュー、902 ツール蓋、904 ヌードル、906 ベース材料、1000 ビュー、1002 硬化チャンバ、1004 シール、1006 シール、1008 シール、1010 隙間、1100 ビュー、1102 樹脂、1200 ビュー、1202 複合ストリンガプリフォーム、1204 方向、1300 ビュー、1302 ブレードストリンガ、1400 ブレードストリンガ、1402 ベース、1404 ヌードル、1406 第1のL字形材料、1408 第2のL字形材料、1500 ビュー、1600 ブレードストリンガ、1602 ベース、1604 ヌードル、1606 第1のL字形材料、1608 第2のL字形材料、1700 プレス、1702 プレストップ、1704 プレスベース、1706 形成硬化ツール、1800 方法、1802 動作、1804 動作、1806 動作、1808 動作、1810 動作、1812 動作、1814 動作、1816 動作、1818 動作、1820 動作、1822 動作、1824 動作、1826 動作、1828 動作、1900 方法、1902 動作、1904 動作、1906 動作、1908 動作、1910 動作、1912 動作、1914 動作、1916 動作、1918 動作、1920 動作、1922 動作、1924 動作、1926 動作、2000 方法、2002 動作、2004 動作、2006 動作、2100 航空機の製造および保守点検方法、2102 仕様および設計、2104 材料調達、2106 構成要素および部分組立品の製造、2108 システム統合、2110 認証および搬送、2112 就航中、2114 整備および保守点検、2200 航空機、2202 機体、2204 システム、2206 内部、2208 推進システム、2210 電気システム、2212 油圧システム、2214 環境システム
【外国語明細書】