(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011367
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】車両
(51)【国際特許分類】
B60K 1/04 20190101AFI20240118BHJP
F02M 37/00 20060101ALI20240118BHJP
F02M 25/08 20060101ALI20240118BHJP
B60K 15/00 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
B60K1/04 A
F02M37/00 301D
F02M37/00 321Z
F02M25/08 L
B60K15/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022113305
(22)【出願日】2022-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】000116574
【氏名又は名称】愛三工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】秋山 孝典
【テーマコード(参考)】
3D038
3D235
3G144
【Fターム(参考)】
3D038CA13
3D038CB01
3D038CC05
3D038CD02
3D235AA01
3D235CC14
3D235DD38
3D235FF12
3D235FF23
3D235HH61
3G144BA39
3G144GA08
3G144GA22
(57)【要約】
【課題】エネルギーユニットを車両本体から容易に取り外し、別のエネルギーユニットを車両本体に容易に取り付けることできる技術を提供する。
【解決手段】車両は、車両本体と、前記車両本体に搭載されている着脱ユニットと、前記着脱ユニットに着脱可能に取り付けられるエネルギーユニットと、を備えている。前記エネルギーユニットは、前記車両本体に搭載するための燃料タンクまたはバッテリを備えており、前記車両本体に対して下側から挿入されて前記着脱ユニットに取り付けられる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両本体と、
前記車両本体に搭載されている着脱ユニットと、
前記着脱ユニットに着脱可能に取り付けられるエネルギーユニットと、を備えており、
前記エネルギーユニットは、前記車両本体に搭載するための燃料タンクまたはバッテリを備えており、前記車両本体に対して下側から挿入されて前記着脱ユニットに取り付けられる、車両。
【請求項2】
請求項1に記載の車両であって、
前記着脱ユニットは、前記エネルギーユニットが取り付けられる第1上側取付部材を備えており、
前記エネルギーユニットは、前記第1上側取付部材に下側から取り付けられる第1下側取付部材を備えており、
前記エネルギーユニットが前記着脱ユニットに取り付けられたときに、前記第1上側取付部材の下面と前記第1下側取付部材の上面とが互いに向かい合う、車両。
【請求項3】
請求項2に記載の車両であって、
前記着脱ユニットは、前記エネルギーユニットの前記第1下側取付部材を支持する可動式の第1支持部材を備えており、
前記第1支持部材は、前記第1下側取付部材を支持する第1支持位置と、前記第1下側取付部材を支持しない第1非支持位置とに移動可能であり、前記第1支持位置に移動したときに前記第1下側取付部材を支持する、車両。
【請求項4】
請求項3に記載の車両であって、
前記第1支持部材は、前記第1支持位置と前記第1非支持位置との間を回動可能であり、回動することにより前記第1支持位置に移動する、車両。
【請求項5】
請求項3に記載の車両であって、
前記着脱ユニットは、前記第1支持部材よりも下側の位置で、前記エネルギーユニットを下側から支持する第2支持部材をさらに備えている、車両。
【請求項6】
請求項3に記載の車両であって、
前記第1支持部材が前記第1支持位置にあるときに、前記第1支持部材の移動を規制する第1移動規制手段をさらに備えており、
前記第1移動規制手段は、
前記第1支持部材に設けられており、前記第1支持部材の移動を規制するための第1凸部または第1凹部と、
前記第1凸部を受け入れる第2凹部または前記第1凹部に受け入れられる第2凸部と、を備えており、
前記第1凸部が前記第2凹部に受け入れられることにより、前記第1支持部材の移動が規制される、または、前記第2凸部が前記第1凹部に受け入れられることにより、前記第1支持部材の移動が規制される、車両。
【請求項7】
請求項3に記載の車両であって、
前記エネルギーユニットが前記着脱ユニットに取り付けられるときに、前記エネルギーユニットの移動を規制する第2移動規制手段を備えており、
前記第2移動規制手段は、
前記エネルギーユニットに設けられており、前記エネルギーユニットの前記移動を規制するための第3凸部または第3凹部と、
前記着脱ユニットに設けられており、前記第3凸部を受け入れる第4凹部、または、前記着脱ユニットに設けられており、前記第3凹部に受け入れられる第4凸部と、を備えており、
前記第3凸部が前記第4凹部に受け入れられることにより、前記エネルギーユニットの前記移動が規制される、または、前記第4凸部が前記第3凹部に受け入れられることにより、前記エネルギーユニットの前記移動が規制される、車両。
【請求項8】
請求項7に記載の車両であって、
前記第3凸部が前記第4凹部に受け入れられたこと、または、前記第4凸部が前記第3凹部に受け入れられたことを検出する検出センサと、
前記検出センサが、前記第3凸部が前記第4凹部に受け入れられたこと、または、前記第4凸部が前記第3凹部に受け入れられたことを検出した場合に、前記第1支持部材を前記第1非支持位置から前記第1支持位置に向けて移動させる移動手段と、を備えている、車両。
【請求項9】
請求項2に記載の車両であって、
前記着脱ユニットは、前記エネルギーユニットが前記第1上側取付部材に取り付けられるときに、前記エネルギーユニットを前記第1上側取付部材に向けて案内する案内面を備えており、
前記案内面は、水平面に対して傾斜しており、前記車両本体の下側から上側に向かうにつれて、前記第1上側取付部材に近づいていく、車両。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の車両であって、
前記車両本体は、エンジンに液体燃料を供給する第1燃料管を備えており、
前記エネルギーユニットは、
前記燃料タンクと、
前記燃料タンクから前記液体燃料を供給する第2燃料管と、を備えており、
前記エネルギーユニットが前記着脱ユニットに取り付けられているときに、前記第2燃料管が前記第1燃料管に接続される、車両。
【請求項11】
請求項10に記載の車両であって、
前記車両本体は、前記エンジンに蒸発燃料を供給する第1蒸発燃料管を備えており、
前記エネルギーユニットは、前記燃料タンクで発生する前記蒸発燃料を前記燃料タンクから供給する第2蒸発燃料管を備えており、
前記エネルギーユニットが前記着脱ユニットに取り付けられているときに、前記第2蒸発燃料管が前記第1蒸発燃料管に接続される、車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する技術は、車両に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1にエバポシステムが開示されている。このエバポシステムは、燃料タンクと、燃料タンク内で発生する蒸発燃料を吸着するキャニスタと、を備えており、車両本体に搭載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、上記のようなエバポシステムは、ボルト等により車両本体に着脱不能に搭載される。このため、例えば、エバポシステムを交換する必要がある場合であっても、エバポシステムを車両本体から容易に取り外すことができず、別のエバポシステムを車両本体に容易に取り付けることもできない。
【0005】
本明細書は、例えば燃料タンクを備えるエネルギーユニットを車両本体から容易に取り外し、別のエネルギーユニットを車両本体に容易に取り付けることできる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示する第1の態様では、車両は、車両本体と、車両本体に搭載されている着脱ユニットと、着脱ユニットに着脱可能に取り付けられるエネルギーユニットと、を備えている。エネルギーユニットは、車両本体に搭載するための燃料タンクまたはバッテリを備えており、車両本体に対して下側から挿入されて着脱ユニットに取り付けられる。
【0007】
上記の構成によれば、エネルギーユニットが着脱ユニットに着脱可能に取り付けられるため、エネルギーユニットを車両本体から容易に取り外し、別のエネルギーユニットを車両本体に容易に取り付けることできる。
【0008】
本明細書に開示する第2の態様では、第1の態様において、着脱ユニットは、エネルギーユニットが取り付けられる第1上側取付部材を備えていてもよい。エネルギーユニットは、第1上側取付部材に下側から取り付けられる第1下側取付部材を備えていてもよい。エネルギーユニットが着脱ユニットに取り付けられたときに、第1上側取付部材の下面と第1下側取付部材の上面とが互いに向かい合ってもよい。
【0009】
上記の構成によれば、第1上側取付部材の下面を第1下側取付部材の上面に向かい合わせるという簡単な操作により、エネルギーユニットを着脱ユニットに容易に取り付けることができる。
【0010】
本明細書に開示する第3の態様では、第2の態様において、着脱ユニットは、エネルギーユニットの第1下側取付部材を支持する可動式の第1支持部材を備えていてもよい。第1支持部材は、第1下側取付部材を支持する第1支持位置と、第1下側取付部材を支持しない第1非支持位置とに移動可能であり、第1支持位置に移動したときに第1下側取付部材を支持してもよい。
【0011】
上記の構成によれば、簡素な構成により、エネルギーユニットを着脱ユニットに取り付けることができる。第1支持部材を第1支持位置から第1非支持位置に移動させるだけの簡単な操作によりエネルギーユニットを支持することができる。
【0012】
本明細書に開示する第4の態様では、第3の態様において、第1支持部材は、第1支持位置と第1非支持位置との間を回動可能であり、回動することにより第1支持位置に移動してもよい。
【0013】
上記の構成によれば、より簡素な構成により、エネルギーユニットを着脱ユニットに取り付けることができる。
【0014】
本明細書に開示する第5の態様では、第3または第4の態様において、着脱ユニットは、第1支持部材よりも下側の位置で、エネルギーユニットを下側から支持する第2支持部材をさらに備えていてもよい。
【0015】
上記の構成によれば、エネルギーユニットは、第2支持部材により下側から支持される。これにより、エネルギーユニットを着脱ユニットに安定して取り付けることができる。
【0016】
本明細書に開示する第6の態様では、第3から5の態様のいずれか1つの態様において、車両は、第1支持部材が第1支持位置にあるときに、第1支持部材の移動を規制する第1移動規制手段を備えていてもよい。第1移動規制手段は、第1支持部材に設けられており、第1支持部材の移動を規制するための第1凸部または第1凹部と、第1凸部を受け入れる第2凹部または第1凹部に受け入れられる第2凸部と、を備えていてもよい。第1凸部が第2凹部に受け入れられることにより、第1支持部材の移動が規制される、または、第2凸部が第1凹部に受け入れられることにより、第1支持部材の移動が規制されてもよい。
【0017】
上記の構成によれば、例えば、車両が振動しても、第1支持部材が、第1支持位置に維持される。これにより、エネルギーユニットが着脱ユニットから外れることを抑制することができる。
【0018】
本明細書に開示する第7の態様では、第3から6の態様のいずれか1つの態様において、車両は、エネルギーユニットが着脱ユニットに取り付けられるときに、エネルギーユニットの移動を規制する第2移動規制手段を備えていてもよい。第2移動規制手段は、エネルギーユニットに設けられており、エネルギーユニットの移動を規制するための第3凸部または第3凹部と、着脱ユニットに設けられており、第3凸部を受け入れる第4凹部、または、着脱ユニットに設けられており、第3凹部に受け入れられる第4凸部と、を備えていてもよい。第3凸部が第4凹部に受け入れられることにより、エネルギーユニットの移動が規制される、または、第4凸部が第3凹部に受け入れられることにより、エネルギーユニットの移動が規制されてもよい。
【0019】
上記の構成によれば、エネルギーユニットが着脱ユニットに取り付けられているとき、例えば、車両が振動しても、エネルギーユニットが着脱ユニットに対して移動することを抑制することができる。
【0020】
本明細書に開示する第8の態様では、第7の態様において、車両は、第3凸部が第4凹部に受け入れられたこと、または、第4凸部が第3凹部に受け入れられたことを検出する検出センサと、検出センサが、第3凸部が第4凹部に受け入れられたこと、または、第4凸部が第3凹部に受け入れられたことを検出した場合に、第1支持部材を第1非支持位置から第1支持位置に向けて移動させる移動手段と、を備えていてもよい。
【0021】
上記の構成によれば、着脱ユニットに対するエネルギーユニットの移動が規制された状態で、第1支持部材が第1非支持位置から第1支持位置に向けて移動する。これにより、エネルギーユニットを着脱ユニットに確実に取り付けることができる。
【0022】
本明細書に開示する第9の態様では、第2から8の態様のいずれか1つの態様において、着脱ユニットは、エネルギーユニットが第1上側取付部材に取り付けられるときに、エネルギーユニットを第1上側取付部材に向けて案内する案内面を備えていてもよい。案内面は、水平面に対して傾斜しており、車両本体の下側から上側に向かうにつれて、第1上側取付部材に近づいてもよい。
【0023】
上記の構成によれば、エネルギーユニットを車両本体に下側から挿入するだけで、エネルギーユニットは、案内面に案内されて、第1上側取付部材まで移動する。これにより、エネルギーユニットを着脱ユニットに簡単に取り付けることができる。
【0024】
本明細書に開示する第10の態様では、第1から9の態様のいずれか1つの態様において、車両本体は、エンジンに液体燃料を供給する第1燃料管を備えていてもよい。エネルギーユニットは、燃料タンクと、燃料タンクから液体燃料を供給する第2燃料管と、を備えていてもよい。エネルギーユニットが着脱ユニットに取り付けられているときに、第2燃料管が第1燃料管に接続されてもよい。
【0025】
上記の構成によれば、エネルギーユニットが高重量である燃料タンクを備えている構成であっても、エネルギーユニットを車両本体から容易に取り外し、別のエネルギーユニットを車両本体に容易に取り付けることできる。
【0026】
本明細書に開示する第11の態様では、第10の態様において、車両本体は、エンジンに蒸発燃料を供給する第1蒸発燃料管を備えていてもよい。エネルギーユニットは、燃料タンクで発生する蒸発燃料を燃料タンクから供給する第2蒸発燃料管を備えていてもよい。エネルギーユニットが着脱ユニットに取り付けられているときに、第2蒸発燃料管が第1蒸発燃料管に接続されてもよい。
【0027】
上記の構成によれば、燃料タンク内の液体燃料がなくなった場合、エネルギーユニットを交換することができる。このため、エネルギーユニットが車両本体に搭載された状態で液体燃料を燃料タンクに補給せずに済む。これにより、燃料タンクへの液体燃料の補給による蒸発燃料が発生しない。キャニスタを小型化することができるため、エネルギーユニットを小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図2】実施例のエネルギーユニットの概略図である。
【
図3】実施例の第1支持位置にある第1支持部材の近傍の図である。
【
図4】実施例の第1非支持位置にある第1支持部材の近傍の図である。
【
図5】実施例の第2支持位置にある第2支持部材の近傍の図である。
【
図6】実施例の第2非支持位置にある第2支持部材の近傍の図である。
【
図7】実施例の第2移動規制手段において、位置決め凹部が位置決め凸部を受け入れているときの図である。
【
図8】実施例の第2移動規制手段において、位置決め凹部が位置決め凸部を受け入れていないときの図である。
【
図9】実施例の車両において、エネルギーユニットが着脱ユニットから取り外されており、リフトが上昇しているときの図である。
【
図10】実施例の車両において、エネルギーユニットが着脱ユニットから取り外されており、リフトが下降しているときの図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(実施例)
実施例に係る車両10について図面を参照して説明する。
図1に示す車両10は、例えば、ガソリン自動車である。変形例では、車両10は、電気自動車であってもよい。車両10は、車両本体12と、エネルギーユニット14と、着脱ユニット16と、制御部18(例えば、ECU(Engine Control Unit))と、を備えている。車両10では、エネルギーユニット14は、着脱ユニット16に着脱されることにより、車両本体12に着脱可能となっている。このため、車両10では、エネルギーユニット14を交換することができる。
【0030】
車両本体12は、エンジン20と、吸気通路22と、第1燃料管24と、第1蒸発燃料管26と、を備えている。吸気通路22には、エンジン20に吸入される空気が流れる。第1燃料管24は、エンジン20に液体燃料を供給する。第1蒸発燃料管26は、吸気通路22を介して、エンジン20に蒸発燃料を供給する。エンジン20の動作は、制御部18により制御される。
【0031】
エネルギーユニット14は、エンジン20を動作させるためのエネルギーをエンジン20に供給するように構成されている。
図2に示すように、エネルギーユニット14は、ケーシング30と、燃料タンク32と、燃料ポンプ34と、キャニスタ36と、漏れ検出装置38と、エアフィルタ40と、第2燃料管42と、第2蒸発燃料管44と、ユニット取付部材46と、を備えている。
【0032】
ケーシング30は、燃料タンク32と、燃料ポンプ34と、キャニスタ36と、漏れ検出装置38と、エアフィルタ40を内部に収容している。
【0033】
燃料タンク32は、液体燃料を内部に貯留する。燃料ポンプ34は、燃料タンク32内に収容されている。燃料ポンプ34は、第2燃料管42に接続されている。エネルギーユニット14が着脱ユニット16(
図1参照)に取り付けられているとき、第2燃料管42は、第1燃料管24(
図1参照)に接続されている。燃料ポンプ34は、燃料タンク32内の液体燃料を、第2燃料管42と第1燃料管24を介して、エンジン20(
図1参照)に供給する。燃料ポンプ34は、制御部18(
図1参照)により制御される。
【0034】
キャニスタ36は、燃料タンク32に接続されている。キャニスタ36は、燃料タンク32で発生する蒸発燃料を吸着可能である。キャニスタ36は、第2蒸発燃料管44に接続されている。エネルギーユニット14が着脱ユニット16(
図1参照)に取り付けられているとき、第2蒸発燃料管44は、第1蒸発燃料管26(
図1参照)に接続されている。キャニスタ36に吸着された蒸発燃料は、第2蒸発燃料管44と第1蒸発燃料管26を介して吸気通路22(
図1参照)まで流れた後、エンジン20(
図1参照)に供給される。
【0035】
漏れ検出装置38は、キャニスタ36に接続されている。漏れ検出装置38は、蒸発燃料が燃料タンク32やキャニスタ36からエネルギーユニット14の外部(例えば、車両10の外部)に漏れる状態であるか否かを検出する。
【0036】
エアフィルタ40は、漏れ検出装置38に接続されている。また、エアフィルタ40は、車両10の外部と連通している。エアフィルタ40は、キャニスタ36に向かって流れる空気から異物を除去する。
【0037】
ユニット取付部材46は、ケーシング30の外部に配置されている。ユニット取付部材46は、ケーシング30の上側に配置されている。ここで、上方向は、
図1に示す車両10が載置される水平面Pから離れる方向を示し、下方向は、水平面Pに近づく方向を示す。ユニット取付部材46は、第2燃料管42と第2蒸発燃料管44が挿入されることにより、第2燃料管42と第2蒸発燃料管44を保持している。
【0038】
図1に示すように、着脱ユニット16は、車両本体12に搭載されている。着脱ユニット16は、車両本体12に着脱不能に固定されている。着脱ユニット16は、車両本体12の前輪12aと後輪12bとの間に配置されている。着脱ユニット16は、車両本体12の下部に位置している。着脱ユニット16は、上側取付部材50と、上壁52と、側壁54と、を備えている。上側取付部材50と上壁52と側壁54は、エネルギーユニット14を取り付けるための取付空間56を画定している。
【0039】
上側取付部材50は、取付空間56の上端の一部を画定している。上側取付部材50は、第1燃料管24と第1蒸発燃料管26が挿入されることにより、第1燃料管24と第1蒸発燃料管26を保持している。上側取付部材50には、エネルギーユニット14のユニット取付部材46が下側から取り付けられる。ユニット取付部材46が上側取付部材50に取り付けられているとき、上側取付部材50の下面50aは、ユニット取付部材46の上面46aと対向している。また、上側取付部材50の下面50aは、ユニット取付部材46の上面46aと当接している。
【0040】
上壁52は、上側取付部材50とともに、取付空間56の上端を画定している。上壁52は、水平面Pに対して略平行である。ユニット取付部材46が上側取付部材50に取り付けられているとき、上壁52は、エネルギーユニット14のケーシング30の上面30aと対向している。
【0041】
側壁54は、上壁52の下側に配置されている。側壁54は、取付空間56の側部を画定している。側壁54は、案内面55を有する。エネルギーユニット14が着脱ユニット16に取り付けられるとき、案内面55は、ケーシング30の側面30bと対向している。案内面55は、エネルギーユニット14が着脱ユニット16に取り付けられるときに、エネルギーユニット14を上側取付部材50に向けて案内する。案内面55は、水平面Pと上壁52のそれぞれに対して傾斜している。案内面55は、車両本体12の下側から上側に向かうにつれて、上側取付部材50に近づいていく。
【0042】
着脱ユニット16は、複数(本実施例では2個)の第1支持部材60と、複数(本実施例では2個)の第2支持部材62と、をさらに備えている。第1支持部材60と第2支持部材62は、エネルギーユニット14を支持する。第1支持部材60は、上側取付部材50の近傍に配置されている。第2支持部材62は、側壁54の下端近傍に配置されている。第2支持部材62は、第1支持部材60よりも下側に配置されている。
【0043】
図3および
図4に示すように、第1支持部材60は、上側取付部材50に対して可動するように支持されている。第1支持部材60は、金属材料からなる。第1支持部材60は、第1シャフト部64と、第1爪部66と、を備えている。第1シャフト部64は、回動軸AX1周りを回動可能である。第1シャフト部64が回動軸AX1周りを回動することにより、第1支持部材60は、第1支持位置(
図3参照)と第1非支持位置(
図4参照)との間を回動する。第1爪部66は、第1シャフト部64の一端において、第1シャフト部64の側面から突出している。上側取付部材50の下面50aがユニット取付部材46の上面46aと面で当接しており、第1支持部材60が第1支持位置にあるとき、第1爪部66は、ユニット取付部材46の下側からユニット取付部材46に当接してユニット取付部材46を支持する。ユニット取付部材46が上側取付部材50と第1爪部66の間に挟まれることにより、ユニット取付部材46が上側取付部材50に取り付けられる。
【0044】
図5および
図6に示すように、第2支持部材62は、側壁54に対して可動するように支持されている。第2支持部材62は、金属材料からなる。第2支持部材62は、第2シャフト部68を備えている。第2シャフト部68は、スライド可能である。第2シャフト部68が側壁54から離反する方向または側壁54に近づく方向にスライドすることにより、第2支持部材62は、第2支持位置(
図5参照)と第2非支持位置(
図6参照)との間をスライドする。第2支持部材62が第2支持位置にあるとき、第2シャフト部68は、エネルギーユニット14のケーシング30の下側からケーシング30の下面30cに当接してケーシング30を支持する。
【0045】
図3および
図4に示すように車両10は、第1上側移動手段72と、第1上側移動規制手段74と、第1上側解除手段76と、をさらに備えている。第1上側移動手段72と第1上側移動規制手段74と第1上側解除手段76は、第1支持部材60の回動軸AX1近傍に配置されている。
【0046】
第1上側移動手段72は、複数(本実施例では6個)の電磁石78(即ち、第1電磁石80と、第2電磁石82と、第3電磁石84と、第4電磁石86と、第5電磁石88と、第6電磁石90)を備えている。複数の電磁石78は、回動軸AX1の周りに並んで配置されている。複数の電磁石78は、回動軸AX1の周りに略180度の範囲内に配置されている。複数の電磁石78は、制御部18(
図1参照)の制御により通電されることにより着磁する。電磁石78が着磁すると、第1支持部材60は、着磁した電磁石78に近づくように、回動軸AX1周りを回動する。制御部18の制御により、複数の電磁石78が、第1電磁石80、第2電磁石82、第3電磁石84、第4電磁石86の順番に着磁すると、第1支持部材60は、回動軸AX1周りを第1非支持位置から第1支持位置まで回動する。複数の電磁石78が、第4電磁石86、第3電磁石84、第2電磁石82、第1電磁石80の順番に着磁すると、第1支持部材60は、回動軸AX1周りを第1支持位置から第1非支持位置まで回動する。
【0047】
第1上側移動規制手段74は、第1支持部材60が第1支持位置にあるとき、第1支持部材60の移動を規制する。第1上側移動規制手段74は、第1上側凸部94と、第1上側凹部96と、第1付勢バネ98と、第1ボール部100と、第1ボール付勢バネ102と、を備えている。第1上側凸部94は、第1シャフト部64の他端に挿入されている。第1シャフト部64の他端は、第1シャフト部64の一端(第1爪部66が配置される端)と反対の端である。第1上側凹部96は、着脱ユニット16の壁面、例えば、上壁52に設けられている。第1上側凹部96は、第3電磁石84と第4電磁石86との間に配置されている。第1上側凹部96は、上壁52から内側に凹んだ第1上側メイン凹部104と、第1上側メイン凹部104内で第1上側メイン凹部104の側面で凹んでいる第1上側サブ凹部106と、を備えている。第1上側メイン凹部104は、第1支持部材60が第1支持位置にあるとき、第1上側凸部94を受け入れる。このとき、第1上側凸部94は、第1付勢バネ98の付勢力により、第1シャフト部64の他端から外側に突出している。なお、第1支持部材60が第1支持位置以外の位置、例えば、第1非支持位置にあるとき、第1上側凸部94は、上壁52に当接することにより、第1シャフト部64の内部に押し込まれている。第1ボール部100は、第1上側凸部94の側面に配置されている。第1上側凸部94の側面には、第1溝94aが形成されており、第1ボール部100は、第1溝94a内の第1ボール付勢バネ102により、第1溝94aの外側に向けて付勢されている。第1上側凸部94が第1上側メイン凹部104に受け入れられているとき、第1ボール部100は、第1ボール付勢バネ102の付勢力により、第1上側サブ凹部106内まで押し出されている。これにより、第1上側凸部94が第1上側メイン凹部104から抜け出ることが抑制されている。
【0048】
第1上側解除手段76は、着脱ユニット16に、例えば、上壁52に設けられている。第1上側解除手段76は、第1上側メイン押出装置114と、第1上側サブ押出装置116と、を備えている。第1上側メイン押出装置114と第1上側サブ押出装置116は、制御部18(
図1参照)の制御により通電されることにより動作する。第1上側メイン押出装置114は、第1上側凸部94を、第1上側メイン凹部104から第1上側メイン凹部104の外部に押し出す。これにより、第1支持部材60は、回動軸AX1周りを回動することができる。第1上側サブ押出装置116は、第1ボール部100を、第1上側サブ凹部106から第1溝94aの内部に押し出す。これにより、第1上側凸部94を、第1上側メイン凹部104から第1上側メイン凹部104の外部に押し出すことができる。
【0049】
図5および
図6に示すように、車両10は、第1下側移動装置117と、第1下側移動規制手段118と、をさらに備えている。第1下側移動装置117は、着脱ユニット16に、例えば、側壁54に設けられている。第1下側移動装置117は、制御部18(
図1参照)の制御により通電されることにより動作する。第1下側移動装置117は、第2支持部材62を、第2支持位置と第2非支持位置との間でスライドさせる。
【0050】
第1下側移動規制手段118は、第1下側凸部118aと、第1下側凹部118bと、を備えている。第1下側凸部118aは、第2シャフト部68の側面から上側に向かって突出している。即ち、第2支持部材62は、第2シャフト部68と、第1下側凸部118aから構成されている。第1下側凸部118aの外面は、湾曲している。第1下側凹部118bは、エネルギーユニット14のケーシング30の下面30cで凹んでいる。第1下側凹部118bの外面は、第1下側凸部118aの外面と対向する形状を有する。
図5に示すように、第2支持部材62が第2支持位置にあるとき、第1下側凸部118aは、第1下側凹部118bに受け入れられている。これにより、第2支持部材62は、ケーシング30に対して移動することを抑制することができる。
図6に示すように、第2支持部材62が第2非支持位置にあるとき、第1下側凸部118aは、第1下側凹部118bに受け入れられていない。
【0051】
図1に示すように、車両10は、少なくとも1つ(本実施例では4個)の位置決め凸部122と、少なくとも1つ(本実施例では4個)の位置決め凹部124と、を備えている。2個の位置決め凸部122が、エネルギーユニット14のケーシング30の上面30aに設けられており、2個の位置決め凹部124が着脱ユニット16の上壁52に設けられている。また、2個の位置決め凸部122がケーシング30の側面30bに設けられており、2個の位置決め凹部124が着脱ユニット16の側壁54(案内面55)に設けられている。各位置決め凹部124は、エネルギーユニット14が着脱ユニット16に取り付けられたときに各位置決め凸部122に対応する位置に配置されている。各位置決め凸部122が対応する位置決め凹部124に受け入れられているとき、着脱ユニット16に対するエネルギーユニット14の移動が規制される。位置決め凸部122と位置決め凹部124により、第2移動規制手段120が構成されている。位置決め凸部122と位置決め凹部124は、協働して第2移動規制手段120を構成する。第2移動規制手段120は、エネルギーユニット14を着脱ユニット16に対して位置決めすることもできる。以下では、ケーシング30の上面30aと上壁52に設けられている第2移動規制手段120を例に挙げて、第2移動規制手段120の詳細を説明する。ケーシング30の側面30bと側壁54に設けられている第2移動規制手段120については、ケーシング30の上面30aと上壁52に設けられている第2移動規制手段120と同様の構成であるため、詳細な説明を省略する。
【0052】
図7および
図8に示すように、位置決め凸部122は、ケーシング30の上面30aから外側に向かって延びている。位置決め凸部122の外面は、湾曲している。位置決め凹部124は、上壁52から内側に向かって凹んでいる。位置決め凹部124の外面は、湾曲しており、位置決め凸部122の外面と対向する形状を有する。位置決め凹部124は、位置決め凸部122を受け入れる。
【0053】
第2移動規制手段120は、位置決め凸部122と位置決め凹部124の他に、第2凸部126と、第2凹部128と、第2付勢バネ130と、第2ボール部132と、第2ボール付勢バネ134と、をさらに備えている。第2凸部126は、位置決め凸部122の上端(頂部)から位置決め凸部122の内部に挿入されている。第2凹部128は、上壁52から内側に凹んでいる第2メイン凹部136と、第2メイン凹部136内で第2メイン凹部136の側面で凹んでいる第2サブ凹部138と、を備えている。第2メイン凹部136は、位置決め凸部122が位置決め凹部124に受け入れられているとき、第2凸部126を受け入れる。このとき、第2凸部126は、第2付勢バネ130の付勢力により、位置決め凸部122の頂部から位置決め凸部122の外側に突出している。第2ボール部132は、第2凸部126の側面に配置されている。第2凸部126の側面には、第2溝126aが形成されており、第2ボール部132は、第2溝126a内の第2ボール付勢バネ134により、第2溝126aの外側に向けて付勢されている。第2凸部126が第2メイン凹部136に受け入れられているとき、第2ボール部132は、第2ボール付勢バネ134の付勢力により、第2サブ凹部138内まで押し出されている。これにより、第2凸部126が第2メイン凹部136から抜け出ることが抑制されている。
【0054】
車両10(
図1参照)は、第2ボール部132を押し出すための第2押出装置142をさらに備えている。第2押出装置142は、第2凹部128近傍に配置されている。第2押出装置142は、制御部18(
図1参照)の制御により通電されることにより動作する。第2押出装置142は、第2ボール部132を、第2サブ凹部138から第2溝126aの内部に押し出す。これにより、第2凸部126は第2メイン凹部136から抜け出ることができる。
【0055】
図8に示すように、車両10(
図1参照)は、第2凸部126が第2メイン凹部136に受け入れられたことを検出するように構成されている検出センサ146をさらに備えている。検出センサ146は、第2メイン凹部136の上端(底部)に配置されている。検出センサ146は、検出センサ146が他部材により押し込まれたことを検出する押込み式センサである。変形例では、検出センサ146は、検出センサ146に他部材が触れたことを検出するタッチ式センサであってもよい。検出センサ146は、第2凸部126により押し込まれると、第2凸部126が第2メイン凹部136に受け入れられたことを示す信号を制御部18(
図1参照)に送信する。
【0056】
次に、
図9および
図10を参照して、エネルギーユニット14を交換する方法を説明する。エネルギーユニット14の交換は、所定の交換ステーションで実行される。エネルギーユニット14の交換は、例えば、車両10の運転席に設けられている交換ボタンがオンされたときに実行される。交換ボタンがオンされると、車両10の制御部18は、交換ステーションにある制御装置と連携して様々な処理を実行する。
【0057】
図9に示すように、まず、交換ステーション内のリフトが所定の位置まで上昇する。
図3および
図4に示すように、次に、制御部18の制御により、第1上側サブ押出装置116は、第1支持部材60の第1ボール部100を、第1上側サブ凹部106から第1溝94aの内部に押し出す。その後、第1上側メイン押出装置114は、第1上側凸部94を、第1上側メイン凹部104から第1上側メイン凹部104の外部に押し出す。その後、複数の電磁石78が、第4電磁石86、第3電磁石84、第2電磁石82、第1電磁石80の順番に着磁する。複数の電磁石78の着磁に伴い、第1支持部材60が回動軸AX1周りを第1支持位置から第1非支持位置まで回動する。これにより、エネルギーユニット14のユニット取付部材46が、着脱ユニット16の上側取付部材50から取り外される。
【0058】
また、
図5および
図6に示すように、制御部18による第1上側サブ押出装置116の制御と同時に、制御部18の制御により、第1下側移動装置117は、第2支持部材62を、第2支持位置から第2非支持位置までスライドさせる。これにより、エネルギーユニット14のケーシング30の下面30cは、第2支持部材62に支持されなくなる。
【0059】
さらに、
図7および
図8に示すように、制御部18による第1上側サブ押出装置116の制御と同時に、制御部18の制御により、第2押出装置142は、第2サブ凹部138から第2溝126aの内部に押し出す。これにより、第2凸部126は第2メイン凹部136から抜け出ることができる。
【0060】
上記の動作により、
図10に示すエネルギーユニット14は、着脱ユニット16に対して移動することができる。エネルギーユニット14は、着脱ユニット16から取り外されて、リフトに載置される。
図10に示すように、リフトが下降すると、エネルギーユニット14が車両10から取り外される。
【0061】
次に、別のリフトは、交換用の新たなエネルギーユニット14がリフト上に載置された状態で、車両10の下部まで移動する。次に、リフトが所定の位置まで上昇する。リフトが上昇するのに伴い、エネルギーユニット14は、ユニット取付部材46が上側取付部材50に近づくように、案内面55に案内される。
図7および
図8に示すように、4個の第2移動規制手段120のそれぞれについて、位置決め凸部122は、位置決め凸部122の外面が位置決め凹部124の外面上を摺動することにより、位置決め凹部124に受け入れられる。位置決め凸部122が位置決め凹部124に受け入れられると、第2凸部126は、第2メイン凹部136に受け入れられるとともに、検出センサ146を押し込む。さらに、第2ボール部132は、第2ボール付勢バネ134に付勢されることにより、第2サブ凹部138に受け入れられる。これにより、エネルギーユニット14が着脱ユニット16に対して移動することが抑制される。第2凸部126が第2メイン凹部136に受け入れられたとき、ユニット取付部材46の上面46aが上側取付部材50の下面50aに当接する。
【0062】
次に、検出センサ146が押し込まれると、検出センサ146は、信号を制御部18に送信する。信号が制御部18に送信されると、
図3および
図4に示すように、制御部18の制御により、複数の電磁石78が、第1電磁石80、第2電磁石82、第3電磁石84、第4電磁石86の順番に着磁する。複数の電磁石78の着磁に伴い、第1支持部材60が、回動軸AX1周りを第1非支持位置から第1支持位置まで回動する。第1支持部材60が第1支持位置まで回動すると、第1爪部66は、ユニット取付部材46の下側からユニット取付部材46に当接してユニット取付部材46を支持する。これにより、ユニット取付部材46が上側取付部材50に取り付けられる。また、第1支持部材60が第1支持位置まで回動すると、第1上側凸部94は、第1上側メイン凹部104に受け入れられる。さらに、第1ボール部100は、第1ボール付勢バネ102に付勢されることにより、第1上側サブ凹部106に受け入れられる。これらにより、第1支持位置にある第1支持部材60が移動することが抑制される。また、
図5および
図6に示すように、制御部18の制御により、第1下側移動装置117は、第2支持部材62を、第2非支持位置から第2支持位置までスライドさせる。第2シャフト部68がエネルギーユニット14のケーシング30の下側からケーシング30の下面30cに当接して、ケーシング30が第2支持部材62により支持される。また、第2支持部材62が第2支持位置までスライドすると、第1下側凸部118aが第1下側凹部118bに受け入れられる。第2支持部材62がこれにより、第2支持位置にある第2支持部材62が移動することが抑制される。制御部18は、複数の電磁石78への着磁処理(通電処理)と第1下側移動装置117によるスライド処理を完了すると、通電をエネルギーユニット14の交換が完了したと判断する。
【0063】
上記の処理により車両10から取り外されたエネルギーユニット14は、燃料タンク32(
図2参照)から液体燃料が抜き出された後、所定時間放冷される。その後、
図2に示すエネルギーユニット14では、空気が所定の装置を使用して第2蒸発燃料管44に供給されて、燃料タンク32とキャニスタ36が加圧される。漏れ検出装置38が使用されて、燃料タンク32内の圧力の変化とキャニスタ36内の圧力の変化が計測されることにより、燃料タンク32やキャニスタ36に許容範囲以上の大きさのリーク孔があるか否かが判断される。燃料タンク32内に液体燃料が貯留されていないため、燃料タンク32やキャニスタ36に許容範囲以上の大きさのリーク孔があるか否かを精度良く判断することができる。許容範囲以上の大きさのリーク孔がない場合、そのエネルギーユニット14は、キャニスタ36に吸着されている蒸発燃料が除去されて、燃料タンク32に液体燃料が補給された後、交換用のエネルギーユニット14として使用される。
【0064】
(効果)
本明細書に開示する車両10は、車両本体12と、車両本体12に搭載されている着脱ユニット16と、着脱ユニット16に着脱可能に取り付けられるエネルギーユニット14と、を備えている。エネルギーユニット14は、車両本体12に搭載するための燃料タンク32を備えており、車両本体12に対して下側から挿入されて着脱ユニット16に取り付けられる。
【0065】
上記の構成によれば、エネルギーユニット14が着脱ユニット16に着脱可能に取り付けられるため、エネルギーユニット14を車両本体12から容易に取り外し、別のエネルギーユニット14を車両本体12に容易に取り付けることできる。
【0066】
また、着脱ユニット16は、エネルギーユニット14が取り付けられる上側取付部材50(第1上側取付部材の一例)を備えている。エネルギーユニット14は、上側取付部材50に下側から取り付けられるユニット取付部材46(第1下側取付部材の一例)を備えている。エネルギーユニット14が着脱ユニット16に取り付けられたときに、上側取付部材50の下面50aとユニット取付部材46の上面46aとが互いに向かい合う。
【0067】
上記の構成によれば、上側取付部材50の下面50aをユニット取付部材46の上面46aに向かい合わせるという簡単な操作により、エネルギーユニット14を着脱ユニット16に容易に取り付けることができる。
【0068】
また、着脱ユニット16は、エネルギーユニット14のユニット取付部材46を支持する可動式の第1支持部材60を備えている。第1支持部材60は、ユニット取付部材46を支持する第1支持位置と、ユニット取付部材46を支持しない第1非支持位置とに移動可能であり、第1支持位置に移動したときにユニット取付部材46を支持する。
【0069】
上記の構成によれば、簡素な構成により、エネルギーユニット14を着脱ユニット16に取り付けることができる。第1支持部材60を第1支持位置から第1非支持位置に移動させるだけの簡単な操作により、エネルギーユニット14を支持することができる。
【0070】
また、第1支持部材60は、第1支持位置と第1非支持位置との間を回動可能であり、回動することにより第1支持位置に移動する。
【0071】
上記の構成によれば、より簡素な構成により、エネルギーユニット14を着脱ユニット16に取り付けることができる。
【0072】
また、着脱ユニット16は、第1支持部材60よりも下側の位置で、エネルギーユニット14を下側から支持する第2支持部材62をさらに備えている。
【0073】
上記の構成によれば、エネルギーユニット14は、第2支持部材62により下側から支持される。これにより、エネルギーユニット14を着脱ユニット16に安定して取り付けることができる。
【0074】
また、車両10は、第1支持部材60が第1支持位置にあるときに、第1支持部材60の移動を規制する第1上側移動規制手段74(第1移動規制手段の一例)を備えている。第1上側移動規制手段74は、第1支持部材60に設けられており、第1支持部材60の移動を規制するための第1上側凸部94(第1凸部の一例)と、第1上側凸部94を受け入れる第1上側凹部96(第2凹部の一例)と、を備えている。第1上側凸部94が第1上側凹部96に受け入れられることにより、第1支持部材60の移動が規制される。
【0075】
上記の構成によれば、例えば、車両10が振動しても、第1支持部材60が、第1支持位置に維持される。これにより、エネルギーユニット14が着脱ユニット16から外れることを抑制することができる。
【0076】
また、車両10は、エネルギーユニット14が着脱ユニット16に取り付けられるときに、エネルギーユニット14の移動を規制する第2移動規制手段120を備えている。第2移動規制手段120は、エネルギーユニット14に設けられており、エネルギーユニット14の移動を規制するための第2凸部126(第3凸部の一例)と、着脱ユニット16に設けられており、第2凸部126を受け入れる第2凹部128(第4凹部の一例)と、を備えている。第2凸部126が第2凹部128に受け入れられることにより、エネルギーユニット14の移動が規制される。
【0077】
上記の構成によれば、エネルギーユニット14が着脱ユニット16に取り付けられているとき、例えば、車両10が振動しても、エネルギーユニット14が着脱ユニット16に対して移動することを抑制することができる。
【0078】
また、車両10は、第2凸部126が第2凹部128に受け入れられたことを検出する検出センサ146と、検出センサ146が、第2凸部126が第2凹部128に受け入れられたことを検出した場合に、第1支持部材60を第1非支持位置から第1支持位置に向けて移動させる第1上側移動手段72(移動手段の一例)と、を備えている。
【0079】
上記の構成によれば、着脱ユニット16に対するエネルギーユニット14の移動が規制された状態で、第1支持部材60が第1非支持位置から第1支持位置に向けて移動する。これにより、エネルギーユニット14を着脱ユニット16に確実に取り付けることができる。
【0080】
また、着脱ユニット16は、エネルギーユニット14が上側取付部材50に取り付けられるときに、エネルギーユニット14を上側取付部材50に向けて案内する案内面55を備えている。案内面55は、水平面Pに対して傾斜しており、車両本体12の下側から上側に向かうにつれて、上側取付部材50に近づく。
【0081】
上記の構成によれば、エネルギーユニット14を車両本体12に下側から挿入するだけで、エネルギーユニット14は、案内面55に案内されて、上側取付部材50まで移動する。これにより、エネルギーユニット14を着脱ユニット16に簡単に取り付けることができる。
【0082】
また、車両本体12は、エンジン20に液体燃料を供給する第1燃料管24を備えている。エネルギーユニット14は、燃料タンク32と、燃料タンク32から液体燃料を供給する第2燃料管42と、を備えている。エネルギーユニット14が着脱ユニット16に取り付けられているときに、第2燃料管42が第1燃料管24に接続される。
【0083】
上記の構成によれば、エネルギーユニット14が高重量である燃料タンク32を備えている構成であっても、エネルギーユニット14を車両本体12から容易に取り外し、別のエネルギーユニット14を車両本体12に容易に取り付けることできる。
【0084】
また、車両本体12は、エンジン20に蒸発燃料を供給する第1蒸発燃料管26を備えている。エネルギーユニット14は、燃料タンク32で発生する蒸発燃料を燃料タンク32から供給する第2蒸発燃料管44を備えている。エネルギーユニット14が着脱ユニット16に取り付けられているときに、第2蒸発燃料管44が第1蒸発燃料管26に接続さる。
【0085】
上記の構成によれば、燃料タンク32内の液体燃料がなくなった場合、エネルギーユニット14を交換することができる。このため、エネルギーユニット14が車両本体12に搭載された状態で液体燃料を燃料タンク32に補給せずに済む。これにより、燃料タンク32への液体燃料の補給による蒸発燃料が発生しない。キャニスタ36を小型化することができるため、エネルギーユニット14を小型化することができる。
【0086】
以上、実施例について説明したが、具体的な態様は上記実施例に限定されるものではない。以下の説明において、上記の説明における構成と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0087】
(変形例)
(1)車両10は、電気自動車であってもよい。この場合、車両本体12は、エンジン20に替えて、車両10の走行用の電動モータを備えている。また、エネルギーユニット14は、燃料タンク32に替えて、電動モータに電力を供給するためのバッテリを備えている。
【0088】
(2)実施例では、第1支持部材60は、回動する構成であったが、変形例では、第1支持部材60は、直線状にスライド可能であってもよい。
【0089】
(3)実施例では、第1支持部材60は、第1上側移動手段72を用いて、第1支持位置と第1非支持位置との間を移動していたが、変形例では、第1支持部材60は、第1下側移動装置117を用いて、第1支持位置と第1非支持位置との間を移動してもよい。
【0090】
(4)実施例では、第2支持部材62は、第1下側移動装置117を用いて、第2支持位置と第2非支持位置との間を移動していたが、変形例では、第2支持部材62は、第1上側移動手段72を用いて、第2支持位置と第2非支持位置との間を移動してもよい。この場合、第1上側移動規制手段74により第2支持部材62の移動が規制されてもよい。また、第1上側解除手段76により、第2支持部材62の移動の規制が解除されてもよい。
【0091】
(5)第1上側移動規制手段74について、実施例では、第1上側凸部94は、第1支持部材60に設けられていたが、変形例では、第1上側凸部94は、着脱ユニット16に設けられていてもよい。この場合、第1上側凹部96は、第1支持部材60に設けられている。この変形例では、第1上側凸部94が、「第2凸部」の一例であり、第1上側凹部96が、「第1凹部」の一例である。
【0092】
(6)第2移動規制手段120について、実施例では、位置決め凸部122は、ケーシング30に設けられていたが、変形例では、位置決め凸部122は、着脱ユニット16に設けられていてもよい。この場合、位置決め凹部124は、ケーシング30に設けられている。また、第2凹部128は、位置決め凸部122に設けられている。この変形例では、第2凹部128が、「第3凹部」の一例であり、第2凸部126が、「第4凸部」の一例である。
【0093】
(7)第2移動規制手段120は、位置決め凸部122と位置決め凹部124を備えていなくてもよい。この場合、第2移動規制手段120は、第2凸部126と、第2凹部128と、第2付勢バネ130と、第2ボール部132と、第2ボール付勢バネ134のみを備えている。第2凸部126は、ケーシング30の内部に挿入されている。また、第2凹部128は、着脱ユニット16の上壁52から内側に向かって凹んでおり、または、着脱ユニット16の側壁54から内側に向かって凹んでいる。
【0094】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書又は図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書又は図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0095】
10 :車両
12 :車両本体
14 :エネルギーユニット
16 :着脱ユニット
18 :制御部
20 :エンジン
24 :第1燃料管
26 :第1蒸発燃料管
30 :ケーシング
32 :燃料タンク
42 :第2燃料管
44 :第2蒸発燃料管
46 :ユニット取付部材
46a :上面
50 :上側取付部材
50a :下面
55 :案内面
60 :第1支持部材
62 :第2支持部材
72 :第1上側移動手段
74 :第1上側移動規制手段
76 :第1上側解除手段
94 :第1上側凸部
96 :第1上側凹部
120 :第2移動規制手段
122 :位置決め凸部
124 :位置決め凹部
126 :第2凸部
128 :第2凹部
146 :検出センサ
AX1 :回動軸
P :水平面