(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113671
(43)【公開日】2024-08-22
(54)【発明の名称】回路基板及び回路基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
H05K 1/02 20060101AFI20240815BHJP
H05K 3/46 20060101ALI20240815BHJP
【FI】
H05K1/02 C
H05K3/46 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024014343
(22)【出願日】2024-02-01
(31)【優先権主張番号】10-2023-0017563
(32)【優先日】2023-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】全 起 洙
(72)【発明者】
【氏名】趙 基 殷
(72)【発明者】
【氏名】鄭 明 熙
(72)【発明者】
【氏名】成 ミン 宰
(72)【発明者】
【氏名】金 相 勳
【テーマコード(参考)】
5E316
5E338
【Fターム(参考)】
5E316AA12
5E316AA15
5E316AA43
5E316CC04
5E316CC09
5E316CC10
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5E316GG15
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5E338AA03
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5E338BB19
5E338BB63
5E338EE60
(57)【要約】
【課題】キャビティ形成工程以外には別途の追加工程がなくても全体パッケージの信頼性及び剛性が増加できる回路基板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明による回路基板は、第1絶縁層と、第1絶縁層に埋め込まれる第1配線層と、第1絶縁層に配置される第1ビア層と、第1絶縁層の上に配置され、第1絶縁層と接触する第1面と、第1面に対向する第2面と、を含む第2絶縁層と、を有し、第2絶縁層の第2面から第2絶縁層の少なくとも一部にキャビティが配置され、第2絶縁層は、キャビティと重畳する部分である第1部分と、第1部分より厚さが厚い部分である第2部分と、を含み、第2絶縁層の第1部分は、複数の第1凸部及び複数の第1凹部を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板であって、
第1絶縁層と、
前記第1絶縁層に埋め込まれる第1配線層と、
前記第1絶縁層に配置される第1ビア層と、
前記第1絶縁層の上に配置され、前記第1絶縁層と接触する第1面と、前記第1面に対向する第2面と、を含む第2絶縁層と、を有し、
前記第2絶縁層の前記第2面から前記第2絶縁層の少なくとも一部にキャビティが配置され、
前記第2絶縁層は、前記キャビティと重畳する部分である第1部分と、前記第1部分より厚さが厚い部分である第2部分と、を含み、
前記第2絶縁層の前記第1部分は、複数の第1凸部及び複数の第1凹部を含むことを特徴とする回路基板。
【請求項2】
前記第2絶縁層の第1部分によって一部分露出される第1パッド層と、
前記第2絶縁層の第2部分によって埋め込まれる第2配線層と、
前記第2絶縁層の前記第2部分に配置され前記第2配線層と接続される第2ビア層と、
前記第2絶縁層の前記第2面に配置され前記第2ビア層と接続される第2パッド層と、
前記第2絶縁層の上に配置され前記第2パッド層の一部を露出する第1ソルダーレジスト層と、をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項3】
前記複数の第1凸部は、第1高点部を有し、
前記複数の第1凹部は、第1底点部を有し、
前記複数の第1凸部の前記第1高点部と前記複数の第1凹部の前記第1底点部は、凹み曲線に沿って互いに接続されることを特徴とする請求項2に記載の回路基板。
【請求項4】
前記第2絶縁層の前記第1部分の上面全体に、前記複数の第1凸部と前記複数の第1凹部が配置されることを特徴とする請求項3に記載の回路基板。
【請求項5】
前記複数の第1凸部の前記第1高点部と前記複数の第1凹部の前記第1底点部との高さの差は、1μmより大きく前記第1パッド層の厚さより小さいことを特徴とする請求項3に記載の回路基板。
【請求項6】
前記キャビティと接する前記第2絶縁層の前記第2部分の側面には、複数の第2凸部及び複数の第2凹部が配置されることを特徴とする請求項4に記載の回路基板。
【請求項7】
前記第2絶縁層の前記第2部分の側面全体には、前記複数の第2凸部と前記複数の第2凹部が配置されることを特徴とする請求項6に記載の回路基板。
【請求項8】
前記複数の第2凸部は、第2高点部を有し、
前記複数の第2凹部は、第2底点部を有し、
前記複数の第2凸部の前記第2高点部と前記複数の第2凹部の前記第2底点部は、凹み曲線に沿って互いに接続されることを特徴とする請求項6に記載の回路基板。
【請求項9】
互いに隣接する前記複数の第1凸部の前記第1高点部間の距離である第1間隔と、
互いに隣接する前記複数の第2凸部の前記第2高点部間の距離である第2間隔と、において、下記に示す数式1の関係が成立することを特徴とする請求項8に記載の回路基板。
【数1】
【請求項10】
前記第2絶縁層の前記第1部分の厚さは、前記第1パッド層の厚さより同じか、さらに薄いことを特徴とする請求項2に記載の回路基板。
【請求項11】
前記キャビティは、基板の厚さ方向を基準にして、下から上に行くほど幅が広くなる部分を含むことを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項12】
前記第2絶縁層の前記第1部分の厚さは、20μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項13】
前記第1絶縁層の下に配置される第3絶縁層と、
前記第1絶縁層の下に配置され前記第3絶縁層によって埋め込まれる第3配線層と、
前記第3絶縁層の下に配置される第3パッド層と、
前記第3絶縁層に配置され前記第3配線層と前記第3パッド層とを接続する第3ビア層と、
前記第3絶縁層の下に配置され前記第3パッド層の一部を露出する第2ソルダーレジスト層と、をさらに有することを特徴とする請求項2に記載の回路基板。
【請求項14】
回路基板の製造方法であって、
配線層が埋め込まれるように前記配線層を挟む複数の第1絶縁層を形成する段階と、
前記第1絶縁層内に配置され前記配線層の内の少なくとも一部と接続される複数のビア層を形成する段階と、
前記第1絶縁層上に前記複数のビア層の内の少なくとも一部と接続される第1導電層を形成する段階と、
前記第1導電層を埋める第2絶縁層を積層する段階と、
前記第2絶縁層の一部にキャビティを形成する段階と、を有し、
前記キャビティを形成する段階は、CO2レーザを用いることを特徴とする回路基板の製造方法。
【請求項15】
前記配線層が埋め込まれるように前記配線層を挟む複数の第1絶縁層を形成する段階は、
キャリア基板上に第1メッキ層を形成する段階と、
前記第1メッキ層上に前記第1絶縁層を積層する段階と、
前記第1絶縁層上に前記配線層を形成する段階と、
前記配線層が埋め込まれるように他の前記第1絶縁層を積層する段階と、
前記他の第1絶縁層上に第2メッキ層を形成する段階と、を含むことを特徴とする請求項14に記載の回路基板の製造方法。
【請求項16】
前記第2絶縁層形成後に、
前記第2絶縁層に前記第1導電層一部と接続される第2ビア層を形成する段階と、
前記第2絶縁層上に前記第2ビア層と接続される第2パッド層を形成する段階と、
前記第2パッド層の一部と前記第2絶縁層の一部が露出されるように前記第2絶縁層の上にソルダーレジスト層を形成する段階と、をさらに有し、
前記キャビティは、前記第2絶縁層が前記ソルダーレジスト層から露出された部分に形成されることを特徴とする請求項14に記載の回路基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板及び回路基板の製造方法に関し、特に、キャビティ形成工程以外には別途の追加工程がなくても全体パッケージの信頼性及び剛性が増加できる回路基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
回路基板は、絶縁材に銅のような導電性材料で回路パターンを形成したものであって、携帯電話機をはじめとするIT分野の電子機器が小型化されるにつれて、回路基板にキャビティを形成し、キャビティ内にIC、能動素子又は受動素子などの電子部品を実装する方法が提案された。
電子部品が実装される回路基板のキャビティの深さによって電子部品中の回路基板内に実装される部分の高さも変化し得る。
【0003】
回路基板のキャビティの深さが深いほど電子部品の多くの部分がキャビティ内に実装可能であり、電子部品と回路基板をパッケージングした製品の全体厚さが減少できる。
しかし、回路基板にキャビティを形成する時、キャビティの深さを調節しにくく、キャビティの深さを形成するために周辺の回路パターンが損傷する可能性があるという、問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記従来の回路基板における問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、キャビティ形成工程以外には別途の追加工程がなくても全体パッケージの信頼性及び剛性が増加できる回路基板及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた本発明による回路基板は、第1絶縁層と、前記第1絶縁層に埋め込まれる第1配線層と、前記第1絶縁層に配置される第1ビア層と、前記第1絶縁層の上に配置され、前記第1絶縁層と接触する第1面と、前記第1面に対向する第2面と、を含む第2絶縁層と、を有し、前記第2絶縁層の前記第2面から前記第2絶縁層の少なくとも一部にキャビティが配置され、前記第2絶縁層は、前記キャビティと重畳する部分である第1部分と、前記第1部分より厚さが厚い部分である第2部分と、を含み、前記第2絶縁層の前記第1部分は、複数の第1凸部及び複数の第1凹部を含むことを特徴とする。
【0007】
前記第2絶縁層の第1部分によって一部分露出される第1パッド層と、前記第2絶縁層の第2部分によって埋め込まれる第2配線層と、前記第2絶縁層の前記第2部分に配置され前記第2配線層と接続される第2ビア層と、前記第2絶縁層の前記第2面に配置され前記第2ビア層と接続される第2パッド層と、前記第2絶縁層の上に配置され前記第2パッド層の一部を露出する第1ソルダーレジスト層と、をさらに有することが好ましい。
前記複数の第1凸部は、第1高点部を有し、前記複数の第1凹部は、第1底点部を有し、前記複数の第1凸部の前記第1高点部と前記複数の第1凹部の前記第1底点部は、凹み曲線に沿って互いに接続されることが好ましい。
前記第2絶縁層の前記第1部分の上面全体に、前記複数の第1凸部と前記複数の第1凹部が配置されることが好ましい。
前記複数の第1凸部の前記第1高点部と前記複数の第1凹部の前記第1底点部との高さの差は、1μmより大きく前記第1パッド層の厚さより小さいことが好ましい。
前記キャビティと接する前記第2絶縁層の前記第2部分の側面には、複数の第2凸部及び複数の第2凹部が配置されることが好ましい。
前記第2絶縁層の前記第2部分の側面全体には、前記複数の第2凸部と前記複数の第2凹部が配置されることが好ましい。
【0008】
前記複数の第2凸部は、第2高点部を有し、前記複数の第2凹部は、第2底点部を有し、前記複数の第2凸部の前記第2高点部と前記複数の第2凹部の前記第2底点部は、凹み曲線に沿って互いに接続されることが好ましい。
互いに隣接する前記複数の第1凸部の前記第1高点部間の距離である第1間隔と、互いに隣接する前記複数の第2凸部の前記第2高点部間の距離である第2間隔と、において、下記に示す数式1の関係が成立することが好ましい。
【数1】
前記第2絶縁層の前記第1部分の厚さは、前記第1パッド層の厚さより同じか、さらに薄いことが好ましい。
前記キャビティは、基板の厚さ方向を基準にして、下から上に行くほど幅が広くなる部分を含むことが好ましい。
前記第2絶縁層の前記第1部分の厚さは、20μm以下であることが好ましい。
前記第1絶縁層の下に配置される第3絶縁層と、前記第1絶縁層の下に配置され前記第3絶縁層によって埋め込まれる第3配線層と、前記第3絶縁層の下に配置される第3パッド層と、前記第3絶縁層に配置され前記第3配線層と前記第3パッド層とを接続する第3ビア層と、前記第3絶縁層の下に配置され前記第3パッド層の一部を露出する第2ソルダーレジスト層と、をさらに有することが好ましい。
【0009】
上記目的を達成するためになされた本発明による回路基板の製造方法は、配線層が埋め込まれるように前記配線層を挟む複数の第1絶縁層を形成する段階と、前記第1絶縁層内に配置され前記配線層の内の少なくとも一部と接続される複数のビア層を形成する段階と、前記第1絶縁層上に前記複数のビア層の内の少なくとも一部と接続される第1導電層を形成する段階と、前記第1導電層を埋める第2絶縁層を積層する段階と、前記第2絶縁層の一部にキャビティを形成する段階と、を有し、前記キャビティを形成する段階は、CO2レーザを用いることを特徴とする。
【0010】
前記配線層が埋め込まれるように前記配線層を挟む複数の第1絶縁層を形成する段階は、キャリア基板上に第1メッキ層を形成する段階と、前記第1メッキ層上に前記第1絶縁層を積層する段階と、前記第1絶縁層上に前記配線層を形成する段階と、前記配線層が埋め込まれるように他の前記第1絶縁層を積層する段階と、前記他の第1絶縁層上に第2メッキ層を形成する段階と、を含むことが好ましい。
前記第2絶縁層形成後に、前記第2絶縁層に前記第1導電層一部と接続される第2ビア層を形成する段階と、前記第2絶縁層上に前記第2ビア層と接続される第2パッド層を形成する段階と、前記第2パッド層の一部と前記第2絶縁層の一部が露出されるように前記第2絶縁層の上にソルダーレジスト層を形成する段階と、をさらに有し、前記キャビティは、前記第2絶縁層が前記ソルダーレジスト層から露出された部分に形成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る回路基板及びその製造方法によれば、キャビティ形成工程以外には別途の追加工程がなくても全体パッケージの信頼性及び剛性が増加できる回路基板及びその製造方法を提供することができる。
しかし、実施形態の効果が上述の効果に限定されるのではなく、本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲で多様に拡張できるのが自明である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態による回路基板の概略構成を示す断面図である。
【
図7】本発明の一実施形態による回路基板の製造方法を説明するための断面図である。
【
図8】本発明の一実施形態による回路基板の製造方法を説明するための断面図である。
【
図9】本発明の一実施形態による回路基板の製造方法を説明するための断面図である。
【
図10】本発明の一実施形態による回路基板の製造方法を説明するための断面図である。
【
図11】本発明の一実施形態による回路基板の製造方法を説明するための断面図である。
【
図12】本発明の一実施形態による回路基板の製造方法を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明に係る回路基板及びその製造方法を実施するための形態の具体例を図面を参照しながら説明する。
【0014】
本発明は、様々の異なる形態に実現することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。
図面で本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一又は類似の構成要素については同一の参照符号を付けるようにする。
また、図面に示した各構成の大きさ及び厚さは説明の便宜のために任意に示したので、本発明が必ずしも図示されたところに限定されない。
図面において様々の層及び領域を明確に表現するために大きさ、厚さを拡大して示した。
そして図面において、説明の便宜のために、一部層及び領域の厚さを誇張して示した。
添付した図面は、本明細書に開示した実施形態を容易に理解することができるようにするためのものに過ぎず、添付された図面によって本明細書に開示した技術的思想が制限されず、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むと理解されなければならない。
【0015】
第1、第2などのように序数を含む用語は多様な構成要素を説明するのに使用することができるが、前記構成要素は前記用語によって限定されない。
前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使用される。
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分“の上に”または“上に”あるという時、これは他の部分“の直上に”ある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。 逆に、ある部分が他の部分“の直上に”あるという時には中間に他の部分がないことを意味する。また、基準となる部分“の上に”又は“上に”あるというのは基準となる部分の上又は下に位置することであり、必ずしも重力反対方向に向かって“の上に”又は“上に”位置することを意味するのではない。
【0016】
明細書全体で、“含む”又は“有する”などの用語は明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、一つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものの存在又は付加可能性を予め排除しないものと理解されなければならない。
したがって、ある部分がある構成要素を“含む”という時、これは特に反対になる記載がない限り他の構成要素を除くのではなく他の構成要素をさらに含むことができるのを意味する。
また、明細書全体で、“平面上”という時、これは対象部分を上から見た時を意味し、“断面上”という時、これは対象部分を垂直に切断した断面を横から見た時を意味する。
また、明細書全体で、“接続される”という時、これは二つ以上の構成要素が直接的に接続されることのみを意味するのではなく、二つ以上の構成要素が他の構成要素を通じて間接的に接続されること、物理的に接続されることだけでなく電気的に接続されること、又は位置や機能によって異なる名称で称されたが、一体であるのを意味する。
明細書全体で、基板は平面上に広く断面上に薄い構造を有し、‘基板の平面方向’は基板の広くて平らな面に平行な方向であり、‘基板の厚さ方向’は基板の広くて平らな面に垂直な方向を意味する。
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態と変形例を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態による回路基板の概略構成を示す断面図であり、
図2は、
図1のA部分を拡大した断面図である。
以下で記述する平面方向DRWは、第1絶縁層IL1の表面と平行な方向を意味し、高さ方向DRHは、第1絶縁層IL1の表面と垂直を成す方向を意味する。
【0018】
図1及び
図2を参照すると、本発明の実施形態による回路基板1000は、複数の絶縁層IL、複数の絶縁層IL内に埋め込まれた複数の配線層ML、複数の絶縁層IL内に位置する複数のビア層MV、複数のパッド層HL、複数のソルダーレジスト層SL、キャビティCVを含む。
絶縁層ILは、第1絶縁層IL1、第1絶縁層IL1の上に配置される第2絶縁層IL2、第1絶縁層IL1の下に配置される第3絶縁層IL3を含む。
複数の配線層(ML(ML1、ML2、ML3))は、第1絶縁層IL1に埋め込まれた第1配線層ML1、第2絶縁層IL2に配置される第2配線層ML2、第3絶縁層IL3に配置される第3配線層ML3を含む。
複数の配線層MLは、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などの導電性物質を含み得る。
【0019】
複数のビア層(MV(MV1、MV2、MV3))は、第1絶縁層IL1に配置される第1ビア層MV1、第2絶縁層IL2内に配置される第2ビア層MV2、そして第3絶縁層IL3内に配置される第3ビア層MV3を含む。
複数のビア層MVは、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などの導電性物質を含み得る。
複数のパッド層(HL(HL1、HL2、HL3))は、第2絶縁層IL2に配置される第1パッド層HL1、第2絶縁層IL2の上に配置される第2パッド層HL2、そして第3絶縁層IL3の下に配置される第3パッド層HL3を含む。
複数のパッド層HLは、外部配線と接続され、回路基板の電気的信号を外部電子部品(図示せず)と取り交わす。
複数のパッド層HLは、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)などの導電性物質を含み得る。
【0020】
第1絶縁層IL1は、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミド(polyimide)のような熱可塑性樹脂、又はこれらにガラス繊維又は無機フィラーのような補強材が含浸された樹脂、例えば、プリプレグが使用でき、また熱硬化性樹脂及び/又は光硬化性樹脂などを含み得るが、これに限定されない。
第1絶縁層IL1は、ガラス繊維を含む。
第1絶縁層IL1は、製造過程で複数の絶縁層が積層されたものであり得る。
第1配線層ML1は、第1絶縁層IL1によって埋め込まれる。
第1配線層ML1は、複層構造の配線層として形成される。
実施形態では4つの層の第1配線層(ML1(ML1a、ML1b、ML1c、ML1d))が図に示しているが、これに限定されるのではなく、多様な層数の第1配線層ML1が形成され得る。
【0021】
第1ビア層MV1は、第1絶縁層IL1内に配置され第1配線層ML1と接続される。
第1ビア層MV1は、多層として形成される。
第1ビア層MV1の内の最外層は、第2配線層ML2と第3配線層ML3に接続される。
また、第1パッド層HL1とも接続される。
実施形態では5つの層の第1ビア層MV1が図に示しているが、これに限定されるのではなく、多様な層数の第1ビア層MV1が形成され得る。
第2絶縁層IL2は、第1絶縁層IL1の上に配置される。
第2絶縁層IL2は、第1絶縁層IL1と接触する第1面LS1、第1面LS1と対向する第2面LS2を有する。
【0022】
第2絶縁層IL2の材料としては絶縁物質が使用される。
第2絶縁層IL2の材料として使用される絶縁物質は、有機レジンと無機フィラーを含む。
そして、絶縁物質は、ガラス繊維を含まなくてもよい。
一例として、有機レジンは、エポキシ、ポリイミド(polyimide)などの内の少なくとも一つを含み得る。
また一例として、無機フィラーは、ユークリプタイト(LiAlSiO4)、等方性(Isotropic)ジルコニウムバナデート(ZrV2O7)、及び等方性(Isotropic)ジルコニウムタングステート(ZrW2O8)からなるグループより選択された1種以上であり得るが、これに限定されるのではない。
第2絶縁層IL2の材料として使用される絶縁物質は、熱硬化性及び/又は光硬化性であり得るが、これに限定されない。
【0023】
キャビティCVは、第2絶縁層IL2の一部に配置される。
具体的には、キャビティCVは、第2絶縁層IL2の第2面LS2から下側に延長される。
また、キャビティCVは、第2絶縁層IL2を貫通しないように形成される。
第2絶縁層IL2は、第1部分LP1と第2部分LP2を含む。
第1部分LP1は、キャビティCVと重畳する。
即ち、第1部分LP1は、キャビティCVの下に配置される。
第2部分LP2は、第1部分LP1とキャビティCVの側面に配置される。
第2部分LP2は、第1部分LP1より厚さが厚い部分である。
したがって、第1部分LP1の厚さD2は、第2部分LP2の厚さD1より小さい。
第1部分LP1の厚さD2は、20μm以下である。
【0024】
以下で記述する第3面LS3は、キャビティCVと重畳する第2絶縁層IL2の第1部分LP1の上面を意味する。
即ち、第3面LS3は、第1部分LP1において、第1面LS1に対向する面である。
キャビティCVは、上部分が下部分よりさらに広い構造を有する。
即ち、キャビティCVは、第2絶縁層IL2の第2面LS2と平行な部分が第3面LS3と重畳する部分よりさらに広い。
キャビティCVは、基板の厚さ方向DRHを基準にして下から上に行くほど漸進的に幅が広くなる部分を有する。
実施形態ではキャビティCVが下から上に行くほど連続的に次第に広くなるものとして図に示したが、これに限定されず、第2絶縁層IL2の第2部分LP2の側壁が一部突出した部分を含むこともできる。
これにより、キャビティCVは、下側より上側の幅がさらに狭い部分を一部含む。
【0025】
第1パッド層HL1は、第1絶縁層IL1の上に配置される。
第1パッド層HL1は、第2絶縁層IL2の第1部分LP1によって一部分埋め込まれ、一部分露出される。
一例として、第1パッド層HL1は、第2絶縁層IL2の第1部分LP1によって表面が露出される。
また、第1パッド層HL1は、その側面中の一部も露出される。
したがって、第1部分LP1の厚さD2は、第1パッド層HL1の厚さD3と同じか、これよりさらに薄い。
第2パッド層HL2は、第2絶縁層IL2の第2部分LP2の上に配置される。
即ち、第2パッド層HL2は、第2絶縁層IL2の第2面LS2上に配置される。
【0026】
第2配線層ML2は、第1絶縁層IL1上に配置される。
第2配線層ML2は、第2絶縁層IL2の第2部分LP2によって埋め込まれる。
第2ビア層MV2は、第2絶縁層IL2に配置される。
第2ビア層MV2は、第2絶縁層IL2の第2部分LP2を貫通して第2配線層ML2と第2パッド層HL2を接続する。
【0027】
第3絶縁層IL3が第1絶縁層IL1の下に配置される。
第3絶縁層IL3は、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミド(polyimide)のような熱可塑性樹脂、又はこれらにガラス繊維又は無機フィラーのような補強材が含浸された樹脂、例えば、プリプレグが使用でき、また、熱硬化性樹脂及び/又は光硬化性樹脂などを含み得るが、これに限定されない。
第3絶縁層IL3は、ガラス繊維を含み得る。
【0028】
他の例として、第3絶縁層IL3は、材料として、有機レジンと無機フィラーを含む。
そして、第3絶縁層IL3の材料である絶縁物質は、ガラス繊維を含まなくてもよい。
一例として、有機レジンは、エポキシ、ポリイミド(polyimide)などの内の少なくとも一つを含み得る。
また一例として、無機フィラーは、ユークリプタイト(LiAlSiO4)、等方性(Isotropic)ジルコニウムバナデート(ZrV2O7)、及び等方性(Isotropic)ジルコニウムタングステート(ZrW2O8)からなるグループより選択された1種以上であり得るが、これに限定されるのではない。
第3絶縁層IL3の材料として使用される絶縁物質は、熱硬化性及び/又は光硬化性であり得るが、これに限定されない。
【0029】
第3絶縁層IL3の一部に第1キャビティCV1が形成される。
第3配線層ML3が第1絶縁層IL1の下に配置される。
第3配線層ML3は、第3絶縁層IL3によって埋め込まれる。
第3パッド層HL3が第3絶縁層IL3の下に配置される。
第3ビア層MV3が第3絶縁層IL3に配置される。
第3ビア層MV3は、第3絶縁層IL3を貫通して第3配線層ML3と第3パッド層HL3を接続する。
ソルダーレジスト層SLは、第2絶縁層IL2の上に配置され、第2パッド層HL2の一部を露出する第1ソルダーレジスト層SLaと、第3絶縁層IL3の下に配置され、第3パッド層HL3の一部を露出する第2ソルダーレジスト層SLbとを含む。
【0030】
以下では、
図3~
図6を参照して、キャビティCVが配置される第2絶縁層IL2について詳しく説明する。
図3は、第2絶縁層IL2の一部を示した断面図であり、
図4は、
図3のB部分を拡大した断面図であり、
図5は、
図3で示した部分の平面図であり、
図6は、
図5のC部分を拡大した平面図である。
図3及び
図4を参照すると、第2絶縁層IL2の第1部分LP1は、第1凸部VX1と第1凹部CC1を含む。
【0031】
第2絶縁層IL2の第1部分LP1に形成される凸部VX1と第1凹部CC1は、複数個である。
第1凸部VX1は、第3面LS3の平均高さMHより高い。
第1凹部CC1は、第3面LS3の平均高さMHより低い。
第1凸部VX1は、第1高点部VP1を有し、第1凹部CC1は、第1底点部CP1を有する。
第1高点部VP1は、周辺より高い部分である。
第1底点部CP1は、周辺より低い部分である。
【0032】
第1高点部VP1と第1底点部CP1は、凹み曲線に沿って互いに接続される。
即ち、第1凸部VX1と第1凹部CC1は、波形をなしながら互いに接続される。
第2絶縁層の第1部分LP1の第3面LS3全体に、複数の第1凸部VX1と複数の第1凹部CC1が配置される。
即ち、第1凸部VX1と第1凹部CC1は、第3面LS3全体に反復的なパターンをなしながら形成される。
第1凸部VX1の第1高点部VP1と第1凹部CC1の第1底点部CP1との高さの差DH1は、1μmより大きく、第1パッド層HL1の厚さより小さい。
【0033】
図5及び
図6を参照すると、第2絶縁層IL2の第2部分LP2の側面には第2凸部VX2及び第2凹部CC2が形成される。
第2絶縁層IL2の第2部分LP2の側面に形成される第2凸部VX2及び第2凹部CC2は、複数個である。
第2凸部VX2は、回路基板1000の同一高さを基準にして第2部分LP2の側面の平均線MWよりキャビティCV方向に突出される。
第2凹部CC2は、第2部分LP2の側面の平均線MWよりキャビティCVの反対方向に陥没している。
第2凸部VX2は、第2高点部VP2を有し、第2凹部CC2は、第2底点部CP2を有する。
第2高点部VP2は、周辺よりキャビティCV方向にさらに突出している。
第2底点部CP2は、周辺よりキャビティCVの反対方向にさらに陥没している。
【0034】
第2高点部VP2と第2底点部CP2は、凹み曲線に沿って互いに接続される。
即ち、第2凸部VX2と第2凹部CC2は、波形をなしながら互いに接続される。
第2絶縁層IL2の第2部分LP2の側面全体に複数の第2凸部VX2と複数の第2凹部CC2が配置される。
即ち、第2部分LP2の側面全体に第1凸部VX1と第1凹部CC1が波形の反復的なパターンをなしながら形成される。
第2絶縁層IL2の第1部分LP1の第3面LS3に形成された波形の大きさと第2部分LP2の側面に形成された波形の大きさは差が小さい。
即ち、互いに隣接する第1凸部VX1の第1高点VP1間の距離である第1間隔DW1と、互いに隣接する第2凸部VX2の第2高点VP2間の距離PTである第2間隔DW2の差が小さい。
【0035】
具体的に、第1間隔DW1の平均と第2間隔DW2の平均との差は、第1間隔DW1の平均と第2間隔DW2の平均との内の大きい値の10%以下である。
即ち、下記に示す数式1の関係が成立する。
【数1】
【0036】
以下では、
図1~
図6と共に
図7~
図12を参照して、本発明の一実施形態による回路基板の製造方法について説明する。
図7~
図12は、本発明の一実施形態による回路基板の製造方法を説明するための断面図である。
【0037】
図7を参照すると、キャリア基板BSの両側に第1配線層(ML1a(ML1))を挟む複数の第1絶縁層(IL1a、IL1b(IL1))を形成する。
キャリア基板BSは、コア部CSと、コア部CSの両側に積層された薄膜金属層MSを含む。
一例として、キャリア基板BSの薄膜金属層MS上に第1メッキ層PL1を形成し、第1メッキ層PL1上に第1絶縁層IL1aを積層し、積層された第1絶縁層IL1a上に第1配線層ML1aを形成し、第1配線層ML1aが埋め込まれるように他の第1絶縁層IL1bを積層し、他の第1絶縁層IL1b上に第2メッキ層PL2を形成する。
【0038】
その次に、
図8に示しているように、キャリア基板BSの両側から積層された第1配線層(ML1a(ML1))を挟む複数の第1絶縁層(IL1a、IL1b(IL1))を剥離する。
この時、第1メッキ層PL1及び第2メッキ層PL2も共に剥離する。
以下では、上記のようにキャリア基板BSの両側から剥離された両部分の内の一つの部分について説明する。
【0039】
図9と
図10を参照すると、第1配線層ML1aの少なくとも一部と接続されるように第1配線層ML1aのいずれか一側又は両側に第1ビア層(MV1a、MV1b(MV1))を形成する。
複数の第1絶縁層(IL1a、IL1b)のいずれか一面又は両面上に第1配線層(ML1c(ML1))を追加形成して他の第1絶縁層IL1cで埋め、第1配線層ML1cと接続される第1ビア層(MV1d(MV1))を形成する。
図10に示しているように、すでに形成された第1絶縁層IL1c上に再び第1配線層(ML1e(MV1))を形成して、また他の第1絶縁層(IL1d(IL1))で埋め第1ビア層(MV1f(MV1))を追加形成する工程を繰り返す。
【0040】
その次に、第1絶縁層IL1の上に第1導電層EC1を形成し、第1導電層EC1を第2絶縁層IL2で埋める。
第1導電層EC1は、第1パッド層HL1と第2配線層ML2を形成する。
第2絶縁層IL2は、有機レジンと無機フィラーを含む。
また、第2絶縁層IL2は、ガラス繊維を含まない素材から形成される。
第2絶縁層IL2内に第2ビア層MV2を形成し、第2絶縁層IL2上に第2パッド層HL2を形成する。
また、第1絶縁層IL1の下に第3配線層ML3を形成し、第3配線層ML3を第3絶縁層IL3で埋める。
第3絶縁層IL3内に第3ビア層MV3を形成し、第3絶縁層IL3の下に第3パッド層HL3を形成する。
【0041】
図11を参照すると、第2絶縁層IL2の上に第2パッド層HL2の一部を露出する第1ソルダーレジスト層SLaを形成する。
第1ソルダーレジスト層SLaをエッチングして開口部OHを形成する。
開口部OHによって第2絶縁層IL2の一部が露出される。
第1絶縁層IL1の下に第3配線層ML3を形成し、第3配線層ML3を第3絶縁層IL3で埋める。
第3絶縁層IL3の下に第3パッド層HL3の一部を露出する第2ソルダーレジスト層SLbを形成する。
【0042】
図12を参照すると、開口部OHによって露出された第2絶縁層IL2にキャビティCVを形成する。
キャビティCVを形成するには、CO
2レーザを用いることができる。
キャビティCVが形成されると、第2絶縁層IL2の第3面LS3と第2部分LP2の側面には波形の反復的なパターンが形成され、第3面LS3に第1伝導層EC1の一部が露出されて第1パッド層HL1になる。
第2部分LP2によって埋め込まれた第1伝導層EC1は、第2配線層ML2になる。
図1を参照すると、第2ソルダーレジスト層SLbをエッチングして第1開口部OH1を形成する。
その次に、第1開口部OH1によって露出された第3絶縁層IL3に第1キャビティCV1を形成する。
【0043】
本発明の実施形態による回路基板及びその製造方法によれば、電子素子をキャビティCV内に実装することができるので、回路基板を含むパッケージ全体の厚さを減少させることができる。
また、キャビティCV表面に波模様パターンが繰り返されて全体表面積が増加するので、電子素子実装後モールディング時に密着力が増加する。
したがって、パッケージ全体の信頼性と剛性が向上する。
また、CO2レーザを用いる以外に追加的な加工工程が必要でないので経済性を向上させることができる。
それだけでなく、波模様パターンが絶縁物質自体に形成されるので、パターンを別途に形成することによって発生することがある不良を防止することができる。
【0044】
尚、本発明は、上述の実施形態に限られるものではない。本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0045】
1000 回路基板
BS キャリア基板
CC1 第1凹部
CC2 第2凹部
CV キャビティ
HL パッド層
HL1、HL2、HL3 (第1~第3)パッド層
IL 絶縁層
IL1、IL2、IL3 (第1~第3)絶縁層
IU 内部層ユニット
ML 配線層
ML1、ML2、ML3 (第1~第3)配線層
MP パッド層
MV ビア層
MV1、MV2、MV3 (第1~第3)ビア層
SL ソルダーレジスト層
SLa 第1ソルダーレジスト層
SLb 第2ソルダーレジスト層
VX1 第1凸部
VX2 第2凸部