(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011368
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】処理装置
(51)【国際特許分類】
B01D 53/04 20060101AFI20240118BHJP
H01M 8/0662 20160101ALI20240118BHJP
H01M 8/0444 20160101ALI20240118BHJP
H01M 8/04694 20160101ALI20240118BHJP
【FI】
B01D53/04
H01M8/0662
H01M8/0444
H01M8/04694
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022113306
(22)【出願日】2022-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】000116574
【氏名又は名称】愛三工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤田 祐輝
(72)【発明者】
【氏名】高橋 浩之
【テーマコード(参考)】
4D012
5H127
【Fターム(参考)】
4D012BA02
4D012BA03
4D012CA07
4D012CB16
4D012CB18
4D012CE01
4D012CE02
4D012CF05
4D012CF10
4D012CG01
4D012CH05
5H127AA06
5H127AA07
5H127BA01
5H127BA11
5H127BA17
5H127DB04
5H127DB78
5H127DC08
5H127DC82
(57)【要約】
【課題】吸着器を能力の限界まで使用することができる技術を提供する。
【解決手段】切替装置は、第2供給通路を通じて第2吸着器にガスを供給せず、かつ第3供給通路を通じて第3吸着器にガスを供給せずに第1供給通路を通じて第1吸着器にガスを供給する第1状態と、第1供給通路を通じて第1吸着器にガスを供給せず、かつ第3供給通路を通じて第3吸着器にガスを供給せずに第2供給通路を通じて第2吸着器にガスを供給する第2状態と、第1供給通路を通じて第1吸着器にガスを供給せず、かつ第2供給通路を通じて第2吸着器にガスを供給せずに第3供給通路を通じて第3吸着器にガスを供給する第3状態と、に切り替え可能である。制御装置は、切替装置が第2状態であるときに第2濃度センサによって検出される特定成分の濃度が所定の基準濃度を超える場合に、切替装置を第2状態から第3状態に切り替える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスに含まれる成分を吸着する吸着材を備える第1吸着器と、
ガスに含まれる成分を吸着する吸着材を備える第2吸着器と、
前記第1吸着器にガスを供給する第1供給通路と、
前記第1吸着器から排出されるガスを他の吸着器を経ずに前記第2吸着器に供給する第1接続通路と、
前記第1供給通路から分岐して他の吸着器を経ずに前記第2吸着器にガスを供給する第2供給通路と、
前記第1吸着器から排出されるガスに含まれる特定成分の濃度を検出する第1濃度センサと、
前記第2供給通路を通じて前記第2吸着器にガスを供給せずに前記第1供給通路を通じて前記第1吸着器にガスを供給する第1状態と、前記第1供給通路を通じて前記第1吸着器にガスを供給せずに前記第2供給通路を通じて前記第2吸着器にガスを供給する第2状態と、に切り替え可能な切替装置と、
前記切替装置が前記第1状態であるときに前記第1濃度センサによって検出される特定成分の濃度が所定の基準濃度を超える場合に、前記切替装置を前記第1状態から前記第2状態に切り替える制御装置と、を備える、処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の処理装置であって、
ガスに含まれる成分を吸着する吸着材を備える第3吸着器と、
前記第2吸着器から排出されるガスを他の吸着器を経ずに前記第3吸着器に供給する第2接続通路と、
前記第1供給通路又は前記第2供給通路から分岐して他の吸着器を経ずに前記第3吸着器にガスを供給する第3供給通路と、
前記第2吸着器から排出されるガスに含まれる特定成分の濃度を検出する第2濃度センサと、を更に備え、
前記切替装置は、前記第2供給通路を通じて前記第2吸着器にガスを供給せず、かつ前記第3供給通路を通じて前記第3吸着器にガスを供給せずに前記第1供給通路を通じて前記第1吸着器にガスを供給する前記第1状態と、前記第1供給通路を通じて前記第1吸着器にガスを供給せず、かつ前記第3供給通路を通じて前記第3吸着器にガスを供給せずに前記第2供給通路を通じて前記第2吸着器にガスを供給する前記第2状態と、前記第1供給通路を通じて前記第1吸着器にガスを供給せず、かつ前記第2供給通路を通じて前記第2吸着器にガスを供給せずに前記第3供給通路を通じて前記第3吸着器にガスを供給する第3状態と、に切り替え可能であり、
前記制御装置は、前記切替装置が前記第2状態であるときに前記第2濃度センサによって検出される特定成分の濃度が所定の基準濃度を超える場合に、前記切替装置を前記第2状態から前記第3状態に切り替える、処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の処理装置であって、
前記第1接続通路と前記第2供給通路は、前記第2吸着器に対して同じ方向からガスを供給する、処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する技術は、ガスを処理する処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1にアンモニア除去設備が開示されている。特許文献1のアンモニア除去設備は、水素及びアンモニアを含有する混合ガス中のアンモニアを除去する第1のアンモニア除去装置と、第1のアンモニア除去装置の後段に設置されており、第1のアンモニア除去装置で処理された第1の処理ガスを処理する第2のアンモニア除去装置と、第1のアンモニア除去装置で処理された第1の処理ガス中のアンモニア濃度を測定する第1のアンモニア濃度測定装置と、を有する。第1のアンモニア除去装置は、並列に設置された複数個の第1のアンモニア除去容器と、複数個の第1のアンモニア除去容器の一部又は全部に混合ガスを供給可能な第1の切替装置と、を有する。
【0003】
特許文献1のアンモニア除去設備では、第1のアンモニア除去装置が破過した後に、第1のアンモニア除去装置の再生又は取替を行う。また、第2のアンモニア除去装置が破過する前に、第2のアンモニア除去装置の再生又は取替を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のアンモニア除去設備では、第2のアンモニア除去装置の取替を行うタイミングが早いと、第2のアンモニア除去装置を能力の限界まで使用できないことがある。そこで本明細書は、吸着器を能力の限界まで使用することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術の第1の態様では、処理装置が、ガスに含まれる成分を吸着する吸着材を備える第1吸着器と、ガスに含まれる成分を吸着する吸着材を備える第2吸着器と、前記第1吸着器にガスを供給する第1供給通路と、前記第1吸着器から排出されるガスを他の吸着器を経ずに前記第2吸着器に供給する第1接続通路と、前記第1供給通路から分岐して他の吸着器を経ずに前記第2吸着器にガスを供給する第2供給通路と、前記第1吸着器から排出されるガスに含まれる特定成分の濃度を検出する第1濃度センサと、前記第2供給通路を通じて前記第2吸着器にガスを供給せずに前記第1供給通路を通じて前記第1吸着器にガスを供給する第1状態と、前記第1供給通路を通じて前記第1吸着器にガスを供給せずに前記第2供給通路を通じて前記第2吸着器にガスを供給する第2状態と、に切り替え可能な切替装置と、前記切替装置が前記第1状態であるときに前記第1濃度センサによって検出される特定成分の濃度が所定の基準濃度を超える場合に、前記切替装置を前記第1状態から前記第2状態に切り替える制御装置と、を備えていてもよい。
【0007】
この構成によれば、切替装置が第1状態であるときに上流側に位置する第1吸着器と下流側に位置する第2吸着器によりガスに含まれる成分(例えば、アンモニア)を吸着することができる。第1濃度センサによって検出される特定成分(例えば、アンモニア)の濃度が所定の基準濃度を超えるまで第1吸着器と第2吸着器によりガスに含まれる成分を吸着するので、第1吸着器を能力の限界まで使用することができる。更に、切替装置を第1状態から第2状態に切り替えることにより、第2吸着器を上流側に位置する吸着器として使用することができる。これにより、第1吸着器を能力の限界まで使用した後に、第2吸着器を能力の限界まで使用することができる。
【0008】
第2の態様では、上記第1の態様において、処理装置が、ガスに含まれる成分を吸着する吸着材を備える第3吸着器と、前記第2吸着器から排出されるガスを他の吸着器を経ずに前記第3吸着器に供給する第2接続通路と、前記第1供給通路又は前記第2供給通路から分岐して他の吸着器を経ずに前記第3吸着器にガスを供給する第3供給通路と、前記第2吸着器から排出されるガスに含まれる特定成分の濃度を検出する第2濃度センサと、を更に備えていてもよい。前記切替装置は、前記第2供給通路を通じて前記第2吸着器にガスを供給せず、かつ前記第3供給通路を通じて前記第3吸着器にガスを供給せずに前記第1供給通路を通じて前記第1吸着器にガスを供給する前記第1状態と、前記第1供給通路を通じて前記第1吸着器にガスを供給せず、かつ前記第3供給通路を通じて前記第3吸着器にガスを供給せずに前記第2供給通路を通じて前記第2吸着器にガスを供給する前記第2状態と、前記第1供給通路を通じて前記第1吸着器にガスを供給せず、かつ前記第2供給通路を通じて前記第2吸着器にガスを供給せずに前記第3供給通路を通じて前記第3吸着器にガスを供給する第3状態と、に切り替え可能であってもよい。前記制御装置は、前記切替装置が前記第2状態であるときに前記第2濃度センサによって検出される特定成分の濃度が所定の基準濃度を超える場合に、前記切替装置を前記第2状態から前記第3状態に切り替えてもよい。
【0009】
この構成によれば、上記の第1吸着器と第2吸着器の関係と同様に、第2吸着器を能力の限界まで使用した後に、第3吸着器を能力の限界まで使用することができる。
【0010】
第3の態様では、上記第1又は第2の態様において、前記第1接続通路と前記第2供給通路は、前記第2吸着器に対して同じ方向からガスを供給してもよい。
【0011】
この構成によれば、第2吸着器にガスを安定的に供給することができる。また、第2吸着器から排出されるガスの脈動を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図6】第1実施例の処理装置の複数の弁の状態を示す図。
【
図10】第2実施例の処理装置の第3運転を示す図。
【
図11】第2実施例の処理装置の第4運転を示す図。
【
図12】第2実施例の処理装置の複数の弁の状態を示す図。
【
図14】第3実施例の処理装置の第1運転を示す図。
【
図15】第3実施例の処理装置の第2運転を示す図。
【
図16】第3実施例の処理装置の第3運転を示す図。
【
図17】第3実施例の処理装置の複数の弁の状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1実施例)
第1実施例の処理装置2について図面を参照して説明する。処理装置2は、アンモニアを含むガスを処理する装置である。
図1に示すように、処理装置2は、改質器4と、第1吸着器8と、第2吸着器10と、燃料電池6と、制御装置100とを備えている。また、処理装置2は、改質器4と第1吸着器8を繋ぐ第1供給通路12と、第1吸着器8と第2吸着器10を繋ぐ接続通路13(第1接続通路の一例)と、第2吸着器10と燃料電池6を繋ぐ第2供給通路14とを備えている。また、処理装置2は、第1四方弁21、第2四方弁22、第1三方弁24、第2三方弁25、第3三方弁26、及び第4三方弁27を有する切替装置を備えている。
【0014】
改質器4は、原料ガスの供給元(図示省略)から供給される原料ガス(例えば、気体アンモニア)を改質することにより改質ガスを生成する。原料ガスの改質のために用いられる触媒は、例えば、銅、ニッケル、ルテニウム等である。改質ガスには、原料ガスの改質により生成される水素が含まれる。また、改質ガスには、改質による副生成物のアンモニアや未分解のアンモニアが含まれる。
【0015】
第1吸着器8は、容器8aと、容器8a内に収容されている吸着材8bとを備えている。容器8aは、第1供給通路12が接続されている第1ポート8cと、接続通路13が接続されている第2ポート8dとを備えている。容器8a内に収容されている吸着材8bは、容器8a内に供給される改質ガスに含まれるアンモニアを吸着する能力を有している。吸着材8bは、例えば、ゼオライトや活性炭等である。第1吸着器8は、使用後に新しい第1吸着器8に交換可能である。
【0016】
第2吸着器10は、第1吸着器8と同様に、容器10aと、容器10a内に収容されている吸着材10bとを備えている。容器10aは、接続通路13が接続されている第1ポート10cと、第2供給通路14が接続されている第2ポート10dとを備えている。容器10a内に収容されている吸着材10bは、容器10a内に供給される改質ガスに含まれるアンモニアを吸着する能力を有している。吸着材10bは、例えば、ゼオライトや活性炭等である。第2吸着器10は、使用後に新しい第2吸着器10に交換可能である。
【0017】
燃料電池6は、第2供給通路14を通じて供給される改質ガス(燃料ガス)と、空気の供給元(図示省略)から供給される空気とを用いて発電する。燃料電池6は、例えば、容器の内部に積み重ねられた複数の電池セル(図示省略)を備えており、各電池セルが、改質ガス(燃料ガス)に含まれる水素と、空気に含まれる酸素との化学反応により発電する。電池セルは、例えば、固体酸化物形燃料電池(SOFC(Solid Oxide Fuel Cell))や固体高分子形燃料電池(PEFC(Polymer Electrolyte Fuel Cell))であるが、これらに限定されない。
【0018】
制御装置100は、例えば、CPU、ROM、RAM等を備えており、記憶装置に記憶されているプログラムに従って処理装置2に関する様々な制御や処理を実行する。
【0019】
次に、処理装置2のガス通路について説明する。改質器4には第1供給通路12の上流端が接続されている。第1供給通路12の下流端は第1吸着器8に接続されている。第1供給通路12は、後述する第1運転及び第4運転(
図2及び
図5参照)では、改質器4で生成される改質ガスを第1吸着器8に供給する。第1供給通路12は、他の吸着器を経ずに改質器4から第1吸着器8に改質ガスを供給する。
【0020】
第1供給通路12には第1四方弁21が設けられている。第1供給通路12は、第1四方弁21で区切られることにより第1部分12aと第2部分12bを備えている。第1部分12aは、改質器4と第1四方弁21に接続されており、第2部分12bは、第1四方弁21と第1吸着器8に接続されている。
【0021】
第1四方弁21には分岐通路15と第1中間通路16が接続されている。分岐通路15は、上流端が第1四方弁21に接続されており、下流端が第2四方弁22に接続されている。分岐通路15は、第1四方弁21を介して第1供給通路12から分岐している。分岐通路15は、第1四方弁21から第2四方弁22に改質ガスを供給する。第1中間通路16は、上流端が第1四方弁21に接続されており、下流端が第3三方弁26に接続されている。第1中間通路16は、第1四方弁21から第3三方弁26に改質ガスを供給する。
【0022】
第1四方弁21は、第1状態と第2状態と第3状態に切り替え可能に構成されている。第1四方弁21は、第1状態では、第1供給通路12の第1部分12aと第2部分12bとを連通させる。第1四方弁21が第1状態であるとき、後述する第1運転及び第4運転(
図2及び
図5参照)では、第1供給通路12の第1部分12aを流れる改質ガスが第1四方弁21を通じて第2部分12bに供給される。
【0023】
第1四方弁21は、第2状態では、第1供給通路12の第1部分12aと分岐通路15とを連通させる。第1四方弁21が第2状態であるとき、後述する第2運転(
図3参照)では、第1供給通路12の第1部分12aを流れる改質ガスが第1四方弁21を通じて分岐通路15に供給される。
【0024】
第1四方弁21は、第3状態では、第1供給通路12の第1部分12aと分岐通路15とを連通させると共に、第1供給通路12の第2部分12bと第1中間通路16とを連通させる。第1四方弁21が第3状態であるとき、後述する第3運転(
図4参照)では、第1供給通路12の第1部分12aを流れる改質ガスが第1四方弁21を通じて分岐通路15に供給される。また、第1四方弁21が第3状態であるとき、後述する第3運転(
図4参照)では、第1供給通路12の第2部分12bを流れる改質ガスが第1四方弁21を通じて第1中間通路16に供給される。
【0025】
接続通路13は、一端が第1吸着器8に接続されており、他端が第2吸着器10に接続されている。接続通路13を介して第1吸着器8と第2吸着器10が直列で接続されている。接続通路13は、後述する第1運転(
図2参照)では、第1吸着器8から排出される改質ガスを第2吸着器10に供給する。接続通路13は、他の吸着器を経ずに第1吸着器8から第2吸着器10に改質ガスを供給する。接続通路13は、後述する第3運転(
図4参照)では、第2吸着器10から排出される改質ガスを第1吸着器8に供給する。接続通路13は、他の吸着器を経ずに第2吸着器10から第1吸着器8に改質ガスを供給する。
【0026】
接続通路13には第1三方弁24と第2三方弁25が設けられている。接続通路13は、第1三方弁24と第2三方弁25で区切られることにより第1部分13aと第2部分13bと第3部分13cを備えている。第1部分13aは、第1吸着器8と第1三方弁24に接続されており、第2部分13bは、第1三方弁24と第2三方弁25に接続されており、第3部分13cは、第2三方弁25と第2吸着器10に接続されている。第1部分13aと第3部分13cの間に第2部分13bが位置している。
【0027】
接続通路13の第2部分13bには、センサ通路90の上流端が接続されている。接続通路13の第2部分13bを流れる改質ガスの一部がセンサ通路90に流入する。センサ通路90の下流端は濃度センサ50(第1濃度センサの一例)に接続されている。濃度センサ50は、センサ通路90に流入する改質ガス(即ち、接続通路13の第2部分13bを流れる改質ガス)に含まれるアンモニア(特定成分の一例)の濃度を検出する。後述する第1運転及び第4運転(
図2及び
図5参照)では、濃度センサ50は、第1吸着器8から排出されて接続通路13の第2部分13bを流れる改質ガスに含まれるアンモニアの濃度を検出する。また、後述する第2運転及び第3運転(
図3及び
図4参照)では、濃度センサ50は、第2吸着器10から排出されて接続通路13の第2部分13bを流れる改質ガスに含まれるアンモニアの濃度を検出する。
【0028】
第1三方弁24には第2中間通路17が接続されている。第2中間通路17は、上流端が第1三方弁24に接続されており、下流端が第3三方弁26に接続されている。第2中間通路17は、第1三方弁24から第3三方弁26に改質ガスを供給する。
【0029】
第2三方弁25には第3中間通路18が接続されている。第3中間通路18は、上流端が第2三方弁25に接続されており、下流端が第4三方弁27に接続されている。第3中間通路18は、第2三方弁25から第4三方弁27に改質ガスを供給する。
【0030】
第3三方弁26と第4三方弁27の間には第4中間通路19が配置されている。第4中間通路19は、上流端が第3三方弁26に接続されており、下流端が第4三方弁27に接続されている。第4中間通路19は、第3三方弁26から第4三方弁27に改質ガスを供給する。
【0031】
第1三方弁24は、第1状態と第2状態に切り替え可能に構成されている。第1三方弁24は、第1状態では、接続通路13の第1部分13aと第2部分13bを連通させる。第1三方弁24が第1状態であるとき、後述する第1運転及び第4運転(
図2及び
図5参照)では、接続通路13の第1部分13aを流れる改質ガスが第1三方弁24を通じて第2部分13bに供給される。また、第1三方弁24が第1状態であるとき、後述する第3運転(
図4参照)では、接続通路13の第2部分13bを流れる改質ガスが第1三方弁24を通じて第1部分13aに供給される。第1三方弁24は、第2状態では、接続通路13の第2部分13bと第2中間通路17を連通させる。第1三方弁24が第2状態であるとき、後述する第2運転(
図3参照)では、接続通路13の第2部分13bを流れる改質ガスが第1三方弁24を通じて第2中間通路17に供給される。
【0032】
第2三方弁25は、第1状態と第2状態に切り替え可能に構成されている。第2三方弁25は、第1状態では、接続通路13の第2部分13bと第3部分13cを連通させる。第2三方弁25が第1状態であるとき、後述する第1運転(
図2参照)では、接続通路13の第2部分13bを流れる改質ガスが第2三方弁25を通じて第3部分13cに供給される。また、第2三方弁25が第1状態であるとき、後述する第2運転及び第3運転(
図3及び
図4参照)では、接続通路13の第3部分13cを流れる改質ガスが第2三方弁25を通じて第2部分13bに供給される。第2三方弁25は、第2状態では、接続通路13の第2部分13bと第3中間通路18を連通させる。第2三方弁25が第2状態であるとき、後述する第4運転(
図5参照)では、接続通路13の第2部分13bを流れる改質ガスが第2三方弁25を通じて第3中間通路18に供給される。
【0033】
第3三方弁26は、第1状態と第2状態に切り替え可能に構成されている。第3三方弁26は、第1状態では、第1中間通路16と第4中間通路19を連通させる。第3三方弁26が第1状態であるとき、後述する第3運転(
図4参照)では、第1中間通路16を流れる改質ガスが第3三方弁26を通じて第4中間通路19に供給される。第3三方弁26は、第2状態では、第2中間通路17と第4中間通路19を連通させる。第3三方弁26が第2状態であるとき、後述する第2運転(
図3参照)では、第2中間通路17を流れる改質ガスが第3三方弁26を通じて第4中間通路19に供給される。
【0034】
第4三方弁27は、第1状態と第2状態に切り替え可能に構成されている。第4三方弁27は、第1状態では、第4中間通路19と第5中間通路20を連通させる。第4三方弁27が第1状態であるとき、後述する第2運転及び第3運転(
図3及び
図4参照)では、第4中間通路19を流れる改質ガスが第4三方弁27を通じて第5中間通路20に供給される。第4三方弁27は、第2状態では、第3中間通路18と第5中間通路20を連通させる。第4三方弁27が第2状態であるとき、後述する第4運転(
図5参照)では、第3中間通路18を流れる改質ガスが第4三方弁27を通じて第5中間通路20に供給される。
【0035】
第2供給通路14について説明する。第2供給通路14は、一端が第2吸着器10に接続されており、他端が燃料電池6に接続されている。第2供給通路14は、後述する第1運転(
図2参照)では、第2吸着器10から排出される改質ガスを燃料電池6に供給する。第2供給通路14は、他の吸着器を経ずに第2吸着器10から燃料電池6に改質ガスを供給する。
【0036】
第2供給通路14には第2四方弁22が設けられている。第2供給通路14は、第2四方弁22で区切られることにより第1部分14aと第2部分14bを備えている。第1部分14aは、第2吸着器10と第2四方弁22に接続されており、第2部分14bは、第2四方弁22と燃料電池6に接続されている。
【0037】
第2四方弁22には分岐通路15と第5中間通路20が接続されている。第5中間通路20は、上流端が第4三方弁27に接続されており、下流端が第2四方弁22に接続されている。第5中間通路20は、第4三方弁27から第2四方弁22に改質ガスを供給する。
【0038】
第2四方弁22は、第1状態と第2状態と第3状態に切り替え可能に構成されている。第2四方弁22は、第1状態では、第2供給通路14の第1部分14aと第2部分14bとを連通させる。第2四方弁22が第1状態であるとき、後述する第1運転(
図2参照)では、第2供給通路14の第1部分14aを流れる改質ガスが第2四方弁22を通じて第2部分14bに供給される。
【0039】
第2四方弁22は、第2状態では、第2供給通路14の第2部分14bと第5中間通路20とを連通させる。第2四方弁22が第2状態であるとき、後述する第4運転(
図5参照)では、第5中間通路20を流れる改質ガスが第2四方弁22を通じて第2供給通路14の第2部分14bに供給される。
【0040】
第2四方弁22は、第3状態では、第2供給通路14の第1部分14aと分岐通路15とを連通させると共に、第2供給通路14の第2部分14bと第5中間通路20とを連通させる。第2四方弁22が第3状態であるとき、後述する第2運転及び第3運転(
図3及び
図4参照)では、分岐通路15を流れる改質ガスが第2四方弁22を通じて第2供給通路14の第1部分14aに供給される。また、第2四方弁22が第3状態であるとき、後述する第2運転及び第3運転(
図3及び
図4参照)では、第5中間通路20を流れる改質ガスが第2四方弁22を通じて第2供給通路14の第2部分14bに供給される。
【0041】
(処理装置2の動作)
次に、処理装置2の動作について説明する。処理装置2では、制御装置100が切替装置の複数の弁(21、22、24、25、26、27)を制御することにより、以下に説明する第1運転と第2運転と第3運転と第4運転を順に実行する。
【0042】
(第1運転;
図2、
図6)
まず、第1運転について説明する。処理装置2では、制御装置100が所定の場合に切替装置の複数の弁(21、22、24、25、26、27)の状態を切り替えることにより、処理装置2の運転を第1運転に移行させる。第1運転は、改質器4で生成される改質ガスに含まれるアンモニアをまず先に第1吸着器8で吸着し、続いて第2吸着器10で吸着する運転である。第1運転では、第1吸着器8と第2吸着器10のうち第1吸着器8が上流側に位置し、第2吸着器10が下流側に位置する。
【0043】
第1運転のときの切替装置の状態は第1状態である。第1状態(第1運転)では、
図2及び
図6に示すように、第1四方弁21と第2四方弁22が共に第1状態であり、第1三方弁24と第2三方弁25が共に第1状態である。第3三方弁26と第4三方弁27は、いずれの状態であってもよい。
【0044】
第1運転では、第1四方弁21が第1状態なので、改質器4で生成される改質ガスが、第1供給通路12の第1部分12aと第2部分12bを流れて第1吸着器8に供給される。改質ガスが第1吸着器8を通過するときに、改質ガスに含まれるアンモニアが第1吸着器8の吸着材8bに吸着される。
【0045】
また、第1運転では、第1三方弁24と第2三方弁25が第1状態なので、第1吸着器8から排出される改質ガスが、接続通路13の第1部分13aと第2部分13bと第3部分13cを流れて第2吸着器10に供給される。改質ガスが第2吸着器10を通過するときに、改質ガスに含まれるアンモニアが第2吸着器10の吸着材10bに吸着される。
【0046】
第2吸着器10から排出される改質ガスは、第2四方弁22が第1状態なので、第2供給通路14の第1部分14aと第2部分14bを流れて燃料電池6に供給される。燃料電池6は、第2供給通路14を通じて供給される改質ガスを用いて発電する。
【0047】
処理装置2では、接続通路13の第2部分13bを流れる改質ガスに含まれるアンモニアの濃度が濃度センサ50によって検出される。制御装置100は、第1運転の実行中の濃度センサ50の検出濃度(即ち、第1吸着器8から排出される改質ガスに含まれるアンモニアの濃度)が所定の基準濃度を超える場合に、処理装置2の運転を第1運転から第2運転に切り替える。制御装置100は、切替装置の複数の弁(21、22、24、25、26、27)の状態を切り替えることにより、処理装置2の運転を第2運転に移行させる。所定の基準濃度は、例えば、第1吸着器8が破過したことを示す濃度に設定される。
【0048】
(第2運転;
図3、
図6)
次に、第2運転について説明する。第2運転は、改質器4で生成される改質ガスに含まれるアンモニアを第1吸着器8で吸着せずに、第2吸着器10で吸着する運転である。
【0049】
第2運転では第1吸着器8がアンモニアの吸着のために使用されないので、第2運転の実行中にユーザが第1吸着器8を交換することができる。例えば、上記の第1運転で使用した第1吸着器8を処理装置2から取り外し、未使用の新しい第1吸着器8を処理装置2に取り付けることができる。変形例では、第1吸着器8を処理装置2から取り外さずに、容器8a内の吸着材8bを交換してもよい。
【0050】
第2運転のときの切替装置の状態は第2状態である。第2状態(第2運転)では、
図3及び
図6に示すように、第1四方弁21が第2状態であり、第2四方弁22が第3状態であり、第1三方弁24が第2状態であり、第2三方弁25が第1状態であり、第3三方弁26が第2状態であり、第4三方弁27が第1状態である。
【0051】
第2運転では、第1四方弁21が第2状態なので、改質器4で生成される改質ガスが、第1供給通路12の第1部分12aを流れて第1四方弁21により分岐通路15に供給される。第2運転では、改質器4で生成される改質ガスが第1吸着器8に供給されない。
【0052】
また、第2運転では、第2四方弁22が第3状態なので、分岐通路15を流れる改質ガスが第2四方弁22により第2供給通路14の第1部分14aに供給される。この改質ガスは、第2供給通路14の第1部分14aを流れて第2吸着器10に供給される。改質ガスが第2吸着器10を通過するときに、改質ガスに含まれるアンモニアが第2吸着器10の吸着材10bに吸着される。
【0053】
第2運転では、第2三方弁25が第1状態であり、第1三方弁24が第2状態であり、第3三方弁26が第2状態であり、第4三方弁27が第1状態であるので、第2吸着器10から排出される改質ガスが、接続通路13の第3部分13cと第2部分13bと第2中間通路17と第4中間通路19を流れて第5中間通路20に供給される。
【0054】
また、第2運転では、第2四方弁22が第3状態なので、第5中間通路20を流れる改質ガスが第2四方弁22により第2供給通路14の第2部分14bに供給される。その後、改質ガスは、第2供給通路14の第2部分14bを流れて燃料電池6に供給される。燃料電池6は、第2供給通路14の第2部分14bを通じて供給される改質ガスを用いて発電する。
【0055】
処理装置2では、接続通路13の第2部分13bを流れる改質ガスに含まれるアンモニアの濃度が濃度センサ50によって検出される。制御装置100は、第2運転の実行中の濃度センサ50の検出濃度(即ち、第2吸着器10から排出される改質ガスに含まれるアンモニアの濃度)が所定の基準濃度を超える場合に、処理装置2の運転を第2運転から第3運転に切り替える。制御装置100は、切替装置の複数の弁(21、22、24、25、26、27)の状態を切り替えることにより、処理装置2の運転を第3運転に移行させる。
【0056】
なお、制御装置100は、第1運転で使用済みの第1吸着器8が第2運転の実行中に未使用の第1吸着器8に交換された場合のみ、処理装置2の運転を第3運転に移行させてもよい。例えば、制御装置100は、着脱センサ(図示省略)によって第1吸着器8が着脱されたことが検出された場合のみ、処理装置2の運転を第3運転に移行させてもよい。
【0057】
変形例では、制御装置100は、濃度センサ50の検出濃度が所定の基準濃度を超えない場合であっても、着脱センサ(図示省略)によって第1吸着器8が着脱されたことが検出された場合に、処理装置2の運転を第2運転から第3運転に切り替えてもよい。
【0058】
(第3運転;
図4、
図6)
次に、第3運転について説明する。第3運転は、改質器4で生成される改質ガスに含まれるアンモニアをまず先に第2吸着器10で吸着し、続いて第1吸着器8で吸着する運転である。第3運転では、第1吸着器8と第2吸着器10のうち第2吸着器10が上流側に位置し、第1吸着器8が下流側に位置する。上記の第2運転の実行中に第1吸着器8が交換された場合は、第3運転では交換後の新しい第1吸着器8が使用される。
【0059】
第3運転のときの切替装置の状態は第3状態である。第3状態(第3運転)では、
図4及び
図6に示すように、第1四方弁21と第2四方弁22が共に第3状態であり、第1三方弁24、第2三方弁25、第3三方弁26、及び第4三方弁27がいずれも第1状態である。
【0060】
第3運転では、第1四方弁21が第3状態なので、改質器4で生成される改質ガスが、第1供給通路12の第1部分12aを流れて第1四方弁21により分岐通路15に供給される。
【0061】
また、第3運転では、第2四方弁22が第3状態なので、分岐通路15を流れる改質ガスが第2四方弁22により第2供給通路14の第1部分14aに供給される。この改質ガスは、第2供給通路14の第1部分14aを流れて第2吸着器10に供給される。改質ガスが第2吸着器10を通過するときに、改質ガスに含まれるアンモニアが第2吸着器10の吸着材10bに吸着される。
【0062】
また、第3運転では、第1三方弁24と第2三方弁25が第1状態なので、第2吸着器10から排出される改質ガスが、接続通路13の第3部分13cと第2部分13bと第1部分13aを流れて第1吸着器8に供給される。改質ガスが第1吸着器8を通過するときに、改質ガスに含まれるアンモニアが第1吸着器8の吸着材8bに吸着される。
【0063】
第3運転では、第1四方弁21が第3状態なので、第1吸着器8から排出される改質ガスが、第1供給通路12の第2部分12bを流れて第1四方弁21により第1中間通路16に供給される。また、第3運転では、第3三方弁26と第4三方弁27が第1状態なので、第1中間通路16を流れる改質ガスが、第4中間通路19を流れて第5中間通路20に供給される。
【0064】
また、第3運転では、第2四方弁22が第3状態なので、第5中間通路20を流れる改質ガスが第2四方弁22により第2供給通路14の第2部分14bに供給される。その後、改質ガスは、第2供給通路14の第2部分14bを流れて燃料電池6に供給される。燃料電池6は、第2供給通路14の第2部分14bを通じて供給される改質ガスを用いて発電する。
【0065】
処理装置2では、接続通路13の第2部分13bを流れる改質ガスに含まれるアンモニアの濃度が濃度センサ50によって検出される。制御装置100は、第3運転の実行中の濃度センサ50の検出濃度(即ち、第2吸着器10から排出される改質ガスに含まれるアンモニアの濃度)が所定の基準濃度を超える場合に、処理装置2の運転を第3運転から第4運転に切り替える。制御装置100は、切替装置の複数の弁(21、22、24、25、26、27)の状態を切り替えることにより、処理装置2の運転を第4運転に移行させる。所定の基準濃度は、例えば、第2吸着器10が破過したことを示す濃度に設定される。
【0066】
(第4運転;
図5、
図6)
次に、第4運転について説明する。第4運転は、改質器4で生成される改質ガスに含まれるアンモニアを第2吸着器10で吸着せずに、第1吸着器8で吸着する運転である。
【0067】
第4運転では第2吸着器10がアンモニアの吸着のために使用されないので、第4運転の実行中にユーザが第2吸着器10を交換することができる。例えば、上記の第3運転で使用した第2吸着器10を処理装置2から取り外し、未使用の新しい第2吸着器10を処理装置2に取り付けることができる。変形例では、第2吸着器10を処理装置2から取り外さずに、容器10a内の吸着材10bを交換してもよい。
【0068】
第4運転のときの切替装置の状態は第4状態である。第4状態(第4運転)では、
図5及び
図6に示すように、第1四方弁21が第1状態であり、第2四方弁22が第2状態であり、第1三方弁24が第1状態であり、第2三方弁25が第2状態であり、第4三方弁27が第2状態である。第3三方弁26は、いずれの状態であってもよい。
【0069】
第4運転では、第1四方弁21が第1状態なので、改質器4で生成される改質ガスが、第1供給通路12の第1部分12aと第2部分12bを流れて第1吸着器8に供給される。改質ガスが第1吸着器8を通過するときに、改質ガスに含まれるアンモニアが第1吸着器8の吸着材8bに吸着される。
【0070】
また、第4運転では、第1三方弁24が第1状態であり、第2三方弁25が第2状態であり、第4三方弁27が第2状態であるので、第1吸着器8から排出される改質ガスが、接続通路13の第1部分13aと第2部分13bと第3中間通路18を流れて第5中間通路20に供給される。
【0071】
また、第4運転では、第2四方弁22が第2状態なので、第5中間通路20を流れる改質ガスが第2四方弁22により第2供給通路14の第2部分14bに供給される。その後、改質ガスは、第2供給通路14の第2部分14bを流れて燃料電池6に供給される。燃料電池6は、第2供給通路14の第2部分14bを通じて供給される改質ガスを用いて発電する。
【0072】
処理装置2では、接続通路13の第2部分13bを流れる改質ガスに含まれるアンモニアの濃度が濃度センサ50によって検出される。制御装置100は、第4運転の実行中の濃度センサ50の検出濃度(即ち、第1吸着器8から排出される改質ガスに含まれるアンモニアの濃度)が所定の基準濃度を超える場合に、処理装置2の運転を第4運転から第1運転に切り替える。制御装置100は、切替装置の複数の弁(21、22、24、25、26、27)の状態を切り替えることにより、処理装置2の運転を第1運転に移行させる。
【0073】
なお、制御装置100は、第3運転で使用済みの第2吸着器10が第4運転の実行中に未使用の第2吸着器10に交換された場合のみ、処理装置2の運転を第1運転に移行させてもよい。例えば、制御装置100は、着脱センサ(図示省略)によって第2吸着器10が着脱されたことが検出された場合のみ、処理装置2の運転を第1運転に移行させてもよい。
【0074】
変形例では、制御装置100は、濃度センサ50の検出濃度が所定の基準濃度を超えない場合であっても、着脱センサ(図示省略)によって第2吸着器10が着脱されたことが検出された場合に、処理装置2の運転を第4運転から第1運転に切り替えてもよい。
【0075】
第4運転の実行中に第2吸着器10が交換された場合は、その後の第1運転では交換後の新しい第2吸着器10が使用される。第1運転は、改質器4で生成される改質ガスに含まれるアンモニアをまず先に第1吸着器8で吸着し、続いて第2吸着器10で吸着する運転である。第1運転については上述した通りである。
【0076】
(効果)
以上、第1実施例の処理装置2について説明した。以上の説明から明らかなように、処理装置2は、第1吸着器8に改質ガスを供給する第1供給通路12と、第1吸着器8から排出される改質ガスを他の吸着器を経ずに第2吸着器10に供給する接続通路13と、第1供給通路12から分岐して他の吸着器を経ずに第2吸着器10に改質ガスを供給する分岐通路15及び第2供給通路14の第1部分14aとを備えている。濃度センサ50は、第1吸着器8から排出される改質ガスに含まれるアンモニアの濃度を検出する。処理装置2の切替装置は、複数の弁(21、22、24、25、26、27)の状態を切り替えることにより、第1状態と第2状態とに切り替え可能である。切替装置の第1状態(処理装置2の第1運転)では、分岐通路15及び第2供給通路14の第1部分14aを通じて第2吸着器10に改質ガスを供給せずに、第1供給通路12を通じて第1吸着器8に改質ガスを供給する。切替装置の第2状態(処理装置2の第2運転)では、第1供給通路12を通じて第1吸着器8に改質ガスを供給せずに、分岐通路15及び第2供給通路14の第1部分14aを通じて第2吸着器10に改質ガスを供給する。制御装置100は、切替装置が第1状態であるときに濃度センサ50によって検出されるアンモニアの濃度が所定の基準濃度を超える場合に、切替装置を第1状態から第2状態に切り替える。
【0077】
この構成によれば、切替装置が第1状態であるときに上流側に位置する第1吸着器8と下流側に位置する第2吸着器10により改質ガスに含まれるアンモニアを吸着することができる。また、濃度センサ50によって検出されるアンモニアの濃度が所定の基準濃度を超えるまで第1吸着器8と第2吸着器10により改質ガスに含まれるアンモニアを吸着するので、第1吸着器8を能力の限界まで使用することができる。更に、切替装置を第1状態から第2状態に切り替えることにより、第2吸着器10を上流側の吸着器として使用することができる。これにより、第1吸着器8を能力の限界まで使用した後に、第2吸着器10を能力の限界まで使用することができる。
【0078】
(対応関係)
分岐通路15と第2供給通路14の第1部分14aが「第2供給通路」の一例である。
【0079】
(第2実施例)
次に、第2実施例について説明する。第2実施例については、上記の第1実施例と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略することがある。
【0080】
図7に示すように、第2実施例の処理装置102は、改質器4と、第1吸着器8と、第2吸着器10と、燃料電池6と、制御装置100とを備えている。また、処理装置102は、改質器4と第1吸着器8を繋ぐ第1供給通路31と、改質器4と第2吸着器10を繋ぐ第2供給通路32と、第1吸着器8と燃料電池6を繋ぐ第1排出通路33、第2吸着器10と燃料電池6を繋ぐ第2排出通路34とを備えている。また、処理装置102は、第1吸着器8と第2吸着器10を繋ぐ第1接続通路36と、第2吸着器10と第1吸着器8を繋ぐ第2接続通路38とを備えている。また、処理装置102は、第1三方弁41、第2三方弁42、第3三方弁43、及び第4三方弁44を有する切替装置を備えている。
【0081】
第1供給通路31は、上流端が改質器4に接続されており、下流端が第1吸着器8の第1ポート8cに接続されている。第1供給通路31は、後述する第1運転及び第4運転(
図8及び
図11参照)では、改質器4で生成される改質ガスを第1吸着器8に供給する。第1供給通路31は、他の吸着器を経ずに改質器4から第1吸着器8に改質ガスを供給する。第1供給通路31には第1三方弁41が設けられている。第1供給通路31は、第1三方弁41で区切られることにより第1部分31aと第2部分31bを備えている。
【0082】
第1排出通路33は、上流端が第1吸着器8の第2ポート8dに接続されており、下流端が燃料電池6に接続されている。第1排出通路33は、後述する第3運転及び第4運転(
図10及び
図11参照)では、第1吸着器8から排出される改質ガスを燃料電池6に供給する。第1排出通路33には、第2三方弁42が設けられている。第1排出通路33は、第2三方弁42で区切られることにより第1部分33aと第2部分33bを備えている。
【0083】
第1排出通路33の第1部分33aには、第1センサ通路92の上流端が接続されている。第1排出通路33の第1部分33aを流れる改質ガスの一部が第1センサ通路92に流入する。第1センサ通路92の下流端は濃度センサ50に接続されている。第1センサ通路92には、第1センサ通路92を開閉する第1センサ弁96が設けられている。濃度センサ50は、第1センサ弁96が開状態であるときに、第1排出通路33の第1部分33aを流れる改質ガス(即ち、第1吸着器8から排出される改質ガス)に含まれるアンモニアの濃度を検出する。
【0084】
第2供給通路32は、上流端が改質器4に接続されており、下流端が第2吸着器10の第1ポート10cに接続されている。第2供給通路32は、第1供給通路31の第1部分31aから分岐している。第2供給通路32は、後述する第2運転及び第3運転(
図9及び
図10参照)では、改質器4で生成される改質ガスを第2吸着器10に供給する。第2供給通路32は、他の吸着器を経ずに改質器4から第2吸着器10に改質ガスを供給する。第2供給通路32には第3三方弁43が設けられている。第2供給通路32は、第3三方弁43で区切られることにより第1部分32aと第2部分32bを備えている。
【0085】
第2排出通路34は、上流端が第2吸着器10の第2ポート10dに接続されており、下流端が燃料電池6に接続されている。第2排出通路34の下流端は、第1排出通路33の下流端と合流して燃料電池6に接続されている。第2排出通路34は、後述する第1運転及び第2運転(
図8及び
図9参照)では、第2吸着器10から排出される改質ガスを燃料電池6に供給する。第2排出通路34には、第4三方弁44が設けられている。第2排出通路34は、第4三方弁44で区切られることにより第1部分34aと第2部分34bを備えている。
【0086】
第2排出通路34の第1部分34aには、第2センサ通路94の上流端が接続されている。第2排出通路34の第1部分34aを流れる改質ガスの一部が第2センサ通路94に流入する。第2センサ通路94の下流端は濃度センサ50に接続されている。第2センサ通路94には、第2センサ通路94を開閉する第2センサ弁98が設けられている。濃度センサ50は、第2センサ弁98が開状態であるときに、第2排出通路34の第1部分34aを流れる改質ガス(即ち、第2吸着器10から排出される改質ガス)に含まれるアンモニアの濃度を検出する。
【0087】
第1接続通路36は、上流端が第2三方弁42に接続されており、下流端が第3三方弁43に接続されている。第1接続通路36は、後述する第1運転(
図8参照)では、第2三方弁42と第3三方弁43を介して、第1吸着器8から第2吸着器10に改質ガスを供給する。
【0088】
第2接続通路38は、上流端が第4三方弁44に接続されており、下流端が第1三方弁41に接続されている。第2接続通路38は、後述する第3運転(
図10参照)では、第4三方弁44と第1三方弁41を介して、第2吸着器10から第1吸着器8に改質ガスを供給する。
【0089】
第1三方弁41は、第1状態と第2状態に切り替え可能に構成されている。第1三方弁41は、第1状態では、第1供給通路31の第1部分31aと第2部分31bを連通させる。第1三方弁41が第1状態であるとき、後述する第1運転及び第4運転(
図8及び
図11参照)では、第1供給通路31の第1部分31aを流れる改質ガスが第1三方弁41を通じて第2部分31bに供給される。第1三方弁41は、第2状態では、第1供給通路31の第2部分31bと第2接続通路38を連通させる。第1三方弁41が第2状態であるとき、後述する第3運転(
図10参照)では、第2接続通路38を流れる改質ガスが第1三方弁41を通じて第1供給通路31の第2部分31bに供給される。
【0090】
第2三方弁42は、第1状態と第2状態に切り替え可能に構成されている。第2三方弁42は、第1状態では、第1排出通路33の第1部分33aと第2部分33bを連通させる。第2三方弁42が第1状態であるとき、後述する第3運転及び第4運転(
図10及び
図11参照)では、第1排出通路33の第1部分33aを流れる改質ガスが第2三方弁42を通じて第2部分33bに供給される。第2三方弁42は、第2状態では、第1排出通路33の第1部分33aと第1接続通路36を連通させる。第2三方弁42が第2状態であるとき、後述する第1運転(
図8参照)では、第1排出通路33の第1部分33aを流れる改質ガスが第2三方弁42を通じて第1接続通路36に供給される。
【0091】
第3三方弁43は、第1状態と第2状態に切り替え可能に構成されている。第3三方弁43は、第1状態では、第2供給通路32の第1部分32aと第2部分32bを連通させる。第3三方弁43が第1状態であるとき、後述する第2運転及び第3運転(
図9及び
図10参照)では、第2供給通路32の第1部分32aを流れる改質ガスが第3三方弁43を通じて第2部分32bに供給される。第3三方弁43は、第2状態では、第2供給通路32の第2部分32bと第1接続通路36を連通させる。第3三方弁43が第2状態であるとき、後述する第1運転(
図8参照)では、第1接続通路36を流れる改質ガスが第3三方弁43を通じて第2供給通路32の第2部分32bに供給される。
【0092】
第4三方弁44は、第1状態と第2状態に切り替え可能に構成されている。第4三方弁44は、第1状態では、第2排出通路34の第1部分34aと第2部分34bを連通させる。第4三方弁44が第1状態であるとき、後述する第1運転及び第2運転(
図8及び
図9参照)では、第2排出通路34の第1部分34aを流れる改質ガスが第4三方弁44を通じて第2部分34bに供給される。第4三方弁44は、第2状態では、第2排出通路34の第1部分34aと第2接続通路38を連通させる。第4三方弁44が第2状態であるとき、後述する第3運転(
図9参照)では、第2排出通路34の第1部分34aを流れる改質ガスが第4三方弁44を通じて第2接続通路38に供給される。
【0093】
(処理装置102の動作)
次に、第2実施例の処理装置102の動作について説明する。処理装置102では、制御装置100が切替装置の複数の弁(41、22、43、44)を制御することにより、以下に説明する第1運転と第2運転と第3運転と第4運転を順に実行する。
【0094】
(第1運転;
図8、
図12)
まず、第1運転について説明する。処理装置2では、制御装置100が所定の場合に切替装置の複数の弁(41、22、43、44)の状態を切り替えることにより、処理装置2の運転を第1運転に移行させる。第1運転は、改質器4で生成される改質ガスに含まれるアンモニアをまず先に第1吸着器8で吸着し、続いて第2吸着器10で吸着する運転である。第1運転では、第1吸着器8と第2吸着器10のうち第1吸着器8が上流側に位置し、第2吸着器10が下流側に位置する。
【0095】
第1運転のときの切替装置の状態は第1状態である。第1状態(第1運転)では、
図8及び
図12に示すように、第1三方弁41が第1状態であり、第2三方弁42が第2状態であり、第3三方弁43が第2状態であり、第4三方弁44が第1状態である。また、第1センサ弁96が開状態であり、第2センサ弁98が閉状態である。
【0096】
第1運転では、第3三方弁43が第2状態であり、第1三方弁41が第1状態であるので、改質器4で生成される改質ガスが、第1供給通路31の第1部分31aと第2部分31bを流れて第1吸着器8に供給される。改質ガスが第1吸着器8を通過するときに、改質ガスに含まれるアンモニアが第1吸着器8の吸着材8bに吸着される。
【0097】
また、第1運転では、第3三方弁43と第2三方弁42が第2状態なので、第1吸着器8から排出される改質ガスが、第1排出通路33の第1部分33aと第1接続通路36と第2供給通路32の第2部分32bとを流れて第2吸着器10に供給される。改質ガスが第2吸着器10を通過するときに、改質ガスに含まれるアンモニアが第2吸着器10の吸着材10bに吸着される。
【0098】
第2吸着器10から排出される改質ガスは、第4三方弁44が第1状態なので、第2排出通路34の第1部分34aと第2部分34bを流れて燃料電池6に供給される。燃料電池6は、第2排出通路34を通じて供給される改質ガスを用いて発電する。
【0099】
第1運転では、第1センサ弁96が開状態なので、濃度センサ50が、第1吸着器8から排出される改質ガスに含まれるアンモニアの濃度を検出する。制御装置100は、第1運転の実行中の濃度センサ50の検出濃度が所定の基準濃度を超える場合に、処理装置2の運転を第1運転から第2運転に切り替える。制御装置100は、切替装置の複数の弁(41、22、43、44)の状態を切り替えることにより、処理装置2の運転を第2運転に移行させる。所定の基準濃度は、例えば、第1吸着器8が破過したことを示す濃度に設定される。
【0100】
(第2運転;
図9、
図12)
次に、第2運転について説明する。第2運転は、改質器4で生成される改質ガスに含まれるアンモニアを第1吸着器8で吸着せずに、第2吸着器10で吸着する運転である。
【0101】
第2運転では第1吸着器8がアンモニアの吸着のために使用されないので、第2運転の実行中にユーザが第1吸着器8を交換することができる。例えば、上記の第1運転で使用した第1吸着器8を処理装置2から取り外し、未使用の新しい第1吸着器8を処理装置2に取り付けることができる。変形例では、第1吸着器8を処理装置2から取り外さずに、容器8a内の吸着材8bを交換してもよい。
【0102】
第2運転のときの切替装置の状態は第2状態である。第2状態(第2運転)では、
図9及び
図12に示すように、第1三方弁41が第2状態であり、第2三方弁42が第2状態であり、第3三方弁43が第1状態であり、第4三方弁44が第1状態である。また、第1センサ弁96が閉状態であり、第2センサ弁98が開状態である。
【0103】
第2運転では、第1三方弁41が第2状態であり、第3三方弁43が第1状態であるので、改質器4で生成される改質ガスが、第1供給通路31の第1部分31aと、第1供給通路31から分岐する第2供給通路32の第1部分32aと第2部分32bとを流れて第2吸着器10に供給される。改質ガスが第2吸着器10を通過するときに、改質ガスに含まれるアンモニアが第2吸着器10の吸着材10bに吸着される。第2運転では改質ガスが第1吸着器8に供給されない。
【0104】
また、第2運転では、第4三方弁44が第1状態なので、第2吸着器10から排出される改質ガスが、第2排出通路34の第1部分34aと第2部分34bを流れて燃料電池6に供給される。燃料電池6は、第2排出通路34を通じて供給される改質ガスを用いて発電する。
【0105】
第2運転では、第2センサ弁98が開状態なので、濃度センサ50が、第2吸着器10から排出される改質ガスに含まれるアンモニアの濃度を検出する。制御装置100は、第2運転の実行中の濃度センサ50の検出濃度が所定の基準濃度を超える場合に、処理装置2の運転を第2運転から第3運転に切り替える。制御装置100は、切替装置の複数の弁(41、22、43、44)の状態を切り替えることにより、処理装置2の運転を第3運転に移行させる。
【0106】
なお、制御装置100は、第1運転で使用済みの第1吸着器8が第2運転の実行中に未使用の第1吸着器8に交換された場合のみ、処理装置2の運転を第3運転に移行させてもよい。例えば、制御装置100は、着脱センサ(図示省略)によって第1吸着器8が着脱されたことが検出された場合のみ、処理装置2の運転を第3運転に移行させてもよい。
【0107】
変形例では、制御装置100は、濃度センサ50の検出濃度が所定の基準濃度を超えない場合であっても、着脱センサ(図示省略)によって第1吸着器8が着脱されたことが検出された場合に、処理装置2の運転を第2運転から第3運転に切り替えてもよい。
【0108】
(第3運転;
図10、
図12)
次に、第3運転について説明する。第3運転は、改質器4で生成される改質ガスに含まれるアンモニアをまず先に第2吸着器10で吸着し、続いて第1吸着器8で吸着する運転である。第3運転では、第1吸着器8と第2吸着器10のうち第2吸着器10が上流側に位置し、第1吸着器8が下流側に位置する。上記の第2運転の実行中に第1吸着器8が交換された場合は、第3運転では交換後の新しい第1吸着器8が使用される。
【0109】
第3運転のときの切替装置の状態は第3状態である。第3状態(第3運転)では、
図10及び
図12に示すように、第1三方弁41が第2状態であり、第2三方弁42が第1状態であり、第3三方弁43が第1状態であり、第4三方弁44が第2状態である。また、第1センサ弁96が閉状態であり、第2センサ弁98が開状態である。
【0110】
第3運転では、第1三方弁41が第2状態であり、第3三方弁43が第1状態なので、改質器4で生成される改質ガスが、第1供給通路31の第1部分31aと、第1供給通路31から分岐する第2供給通路32の第1部分32aと第2部分32bとを流れて第2吸着器10に供給される。改質ガスが第2吸着器10を通過するときに、改質ガスに含まれるアンモニアが第2吸着器10の吸着材10bに吸着される。
【0111】
また、第3運転では、第4三方弁44と第1三方弁41が第2状態なので、第2吸着器10から排出される改質ガスが、第2排出通路34の第1部分34aと第2接続通路38と第1供給通路31の第2部分31bとを流れて第1吸着器8に供給される。改質ガスが第1吸着器8を通過するときに、改質ガスに含まれるアンモニアが第1吸着器8の吸着材8bに吸着される。
【0112】
第1吸着器8から排出される改質ガスは、第2三方弁42が第1状態なので、第1排出通路33の第1部分33aと第2部分33bを流れて燃料電池6に供給される。燃料電池6は、第1排出通路33を通じて供給される改質ガスを用いて発電する。
【0113】
第3運転では、第2センサ弁98が開状態なので、濃度センサ50が、第2吸着器10から排出される改質ガスに含まれるアンモニアの濃度を検出する。制御装置100は、第3運転の実行中の濃度センサ50の検出濃度が所定の基準濃度を超える場合に、処理装置2の運転を第3運転から第4運転に切り替える。制御装置100は、切替装置の複数の弁(41、22、43、44)の状態を切り替えることにより、処理装置2の運転を第4運転に移行させる。所定の基準濃度は、例えば、第2吸着器10が破過したことを示す濃度に設定される。
【0114】
(第4運転;
図11、
図12)
次に、第4運転について説明する。第4運転は、改質器4で生成される改質ガスに含まれるアンモニアを第2吸着器10で吸着せずに、第1吸着器8で吸着する運転である。
【0115】
第4運転では第2吸着器10がアンモニアの吸着のために使用されないので、第4運転の実行中にユーザが第2吸着器10を交換することができる。例えば、上記の第3運転で使用した第2吸着器10を処理装置2から取り外し、未使用の新しい第2吸着器10を処理装置2に取り付けることができる。変形例では、第2吸着器10を処理装置2から取り外さずに、容器10a内の吸着材10bを交換してもよい。
【0116】
第4運転のときの切替装置の状態は第4状態である。第4状態(第4運転)では、
図11及び
図12に示すように、第1三方弁41が第1状態であり、第2三方弁42が第1状態であり、第3三方弁43が第2状態であり、第4三方弁44が第2状態である。また、第1センサ弁96が開状態であり、第2センサ弁98が閉状態である。
【0117】
第4運転では、第3三方弁43が第2状態であり、第1三方弁41が第1状態であるので、改質器4で生成される改質ガスが、第1供給通路31の第1部分31aと第2部分31bを流れて第1吸着器8に供給される。改質ガスが第1吸着器8を通過するときに、改質ガスに含まれるアンモニアが第1吸着器8の吸着材8bに吸着される。第4運転では改質ガスが第2吸着器10に供給されない。
【0118】
また、第4運転では、第2三方弁42が第1状態なので、第1吸着器8から排出される改質ガスが、第1排出通路33の第1部分33aと第2部分33bを流れて燃料電池6に供給される。燃料電池6は、第1排出通路33を通じて供給される改質ガスを用いて発電する。
【0119】
第4運転では、第1センサ弁96が開状態なので、濃度センサ50が、第1吸着器8から排出される改質ガスに含まれるアンモニアの濃度を検出する。制御装置100は、第4運転の実行中の濃度センサ50の検出濃度が所定の基準濃度を超える場合に、処理装置2の運転を第4運転から第1運転に切り替える。制御装置100は、切替装置の複数の弁(41、22、43、44)の状態を切り替えることにより、処理装置2の運転を第1運転に移行させる。
【0120】
なお、制御装置100は、第3運転で使用済みの第2吸着器10が第4運転の実行中に未使用の第2吸着器10に交換された場合のみ、処理装置2の運転を第1運転に移行させてもよい。例えば、制御装置100は、着脱センサ(図示省略)によって第2吸着器10が着脱されたことが検出された場合のみ、処理装置2の運転を第1運転に移行させてもよい。
【0121】
変形例では、制御装置100は、濃度センサ50の検出濃度が所定の基準濃度を超えない場合であっても、着脱センサ(図示省略)によって第2吸着器10が着脱されたことが検出された場合に、処理装置2の運転を第4運転から第1運転に切り替えてもよい。
【0122】
第4運転の実行中に第2吸着器10が交換された場合は、その後の第1運転では交換後の新しい第2吸着器10が使用される。第1運転は、改質器4で生成される改質ガスに含まれるアンモニアをまず先に第1吸着器8で吸着し、続いて第2吸着器10で吸着する運転である。第1運転については上述した通りである。
【0123】
以上、第2実施例の処理装置102について説明した。以上の説明から明らかなように、処理装置102では、第1実施例の処理装置2と同様に、切替装置の第1状態(処理装置2の第1運転)では、第2供給通路32を通じて第2吸着器10に改質ガスを供給せずに、第1供給通路31を通じて第1吸着器8に改質ガスを供給する。切替装置の第2状態(処理装置2の第2運転)では、第1供給通路31を通じて第1吸着器8に改質ガスを供給せずに、第2供給通路32を通じて第2吸着器10に改質ガスを供給する。制御装置100は、切替装置が第1状態であるときに濃度センサ50によって検出されるアンモニアの濃度が所定の基準濃度を超える場合に、切替装置を第1状態から第2状態に切り替える。この構成によれば、第1実施例と同様に、第1吸着器8を能力の限界まで使用した後に、第2吸着器10を能力の限界まで使用することができる。
【0124】
また、処理装置102では、第1接続通路36と第2供給通路32が、第2吸着器10の第1ポート10c側から第2吸着器10に改質ガスを供給する。即ち、第1接続通路36と第2供給通路32が、第2吸着器10に対して同じ方向から改質ガスを供給する。この構成によれば、第2吸着器10に改質ガスを安定的に供給することができる。また、第2吸着器10から排出される改質ガスの脈動を低減することができる。
【0125】
(第3実施例)
次に、第3実施例について説明する。第2実施例については、上記の第1実施例又は第2実施例と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略することがある。
【0126】
図13に示すように、第3実施例の処理装置104は、第2実施例の処理装置102の構成に加えて、第3吸着器60を更に備えている。処理装置104は、更に、改質器4と第3吸着器60を繋ぐ第3供給通路35と、第3吸着器60と燃料電池6を繋ぐ第3排出通路37と、第2吸着器10と第3吸着器60を繋ぐ第2接続通路38と、第3吸着器60と第1吸着器8を繋ぐ第3接続通路39とを備えている。また、処理装置104は、第3センサ通路93と第3センサ弁95を備えている。また、処理装置104では、切替装置が第5三方弁45と第6三方弁46を備えている。
【0127】
第3実施例では、第2接続通路38の下流端が、第1三方弁41ではなく第5三方弁45に接続されている。第2接続通路38は、後述する第2運転(
図15参照)では、第4三方弁44と第5三方弁45を介して、第2吸着器10から第3吸着器60に改質ガスを供給する。
【0128】
第3吸着器60は、第2吸着器10と同様の構成である。また、第3供給通路35、第3排出通路37、第3接続通路39は、それぞれ、接続先以外は、第2供給通路32、第2排出通路34、第2接続通路38と同様の構成である。第5三方弁45、第6三方弁46は、それぞれ、第3三方弁43、第4三方弁44と同様の構成である。また、第3センサ通路93、第3センサ弁95は、それぞれ、第2センサ通路94、第2センサ弁98と同様の構成である。よって、これらの構成については詳細な説明を省略する。
【0129】
(処理装置104の動作)
次に、第3実施例の処理装置104の動作について説明する。処理装置104では、制御装置100が切替装置の複数の弁(41、22、43、44、45、46)を制御することにより、以下に説明する第1運転と第2運転と第3運転を順に実行する。
【0130】
(第1運転;
図14、
図17)
まず、第1運転について説明する。処理装置2では、制御装置100が所定の場合に切替装置の複数の弁(41、22、43、44、45、46)の状態を切り替えることにより、処理装置2の運転を第1運転に移行させる。第1運転は、改質器4で生成される改質ガスに含まれるアンモニアをまず先に第1吸着器8で吸着し、続いて第2吸着器10で吸着する運転である。第1運転では、第1吸着器8が上流側に位置し、第2吸着器10が下流側に位置する。第1運転では第3吸着器60がアンモニアの吸着のために使用されない。第1運転では第3吸着器60が使用されないので、第1運転の実行中にユーザが第3吸着器60を交換することができる。
【0131】
第1運転のときの切替装置の状態は第1状態である。第1状態(第1運転)では、
図14及び
図17に示すように、第1三方弁41が第1状態であり、第2三方弁42が第2状態であり、第3三方弁43が第2状態であり、第4三方弁44が第1状態であり、第5三方弁45が第2状態であり、第6三方弁46が第2状態である。また、第1センサ弁96が開状態であり、第2センサ弁98が閉状態であり、第3センサ弁95が閉状態である。
【0132】
第1運転では、改質器4で生成される改質ガスが、第1供給通路31の第1部分31aと第2部分31bを流れて第1吸着器8に供給される。改質ガスが第1吸着器8を通過するときに、改質ガスに含まれるアンモニアが第1吸着器8の吸着材8bに吸着される。
【0133】
また、第1運転では、第1吸着器8から排出される改質ガスが、第1排出通路33の第1部分33aと第1接続通路36と第2供給通路32の第2部分32bとを流れて第2吸着器10に供給される。改質ガスが第2吸着器10を通過するときに、改質ガスに含まれるアンモニアが第2吸着器10の吸着材10bに吸着される。
【0134】
第2吸着器10から排出される改質ガスは、第2排出通路34の第1部分34aと第2部分34bを流れて燃料電池6に供給される。燃料電池6は、第2排出通路34を通じて供給される改質ガスを用いて発電する。
【0135】
制御装置100は、第1運転の実行中の濃度センサ50の検出濃度(即ち、第1吸着器8から排出される改質ガスに含まれるアンモニアの濃度)が所定の基準濃度を超える場合に、処理装置2の運転を第1運転から第2運転に切り替える。所定の基準濃度は、例えば、第1吸着器8が破過したことを示す濃度に設定される。
【0136】
(第2運転;
図15、
図17)
次に、第2運転について説明する。第2運転は、改質器4で生成される改質ガスに含まれるアンモニアをまず先に第2吸着器10で吸着し、続いて第3吸着器60で吸着する運転である。第2運転では、第2吸着器10が上流側に位置し、第3吸着器60が下流側に位置する。上記の第1運転の実行中に第3吸着器60が交換された場合は、第2運転では交換後の新しい第3吸着器60が使用される。第2運転では第1吸着器8がアンモニアの吸着のために使用されない。第2運転では第1吸着器8が使用されないので、第2運転の実行中にユーザが第1吸着器8を交換することができる。
【0137】
第2運転のときの切替装置の状態は第2状態である。第2状態(第2運転)では、
図15及び
図17に示すように、第1三方弁41が第2状態であり、第2三方弁42が第2状態であり、第3三方弁43が第1状態であり、第4三方弁44が第2状態であり、第5三方弁45が第2状態であり、第6三方弁46が第1状態である。また、第1センサ弁96が閉状態であり、第2センサ弁98が開状態であり、第3センサ弁95が閉状態である。
【0138】
第2運転では、改質器4で生成される改質ガスが、第1供給通路31の第1部分31aと、第1供給通路31から分岐する第2供給通路32の第1部分32aと第2部分32bとを流れて第2吸着器10に供給される。改質ガスが第2吸着器10を通過するときに、改質ガスに含まれるアンモニアが第2吸着器10の吸着材10bに吸着される。
【0139】
また、第2運転では、第2吸着器10から排出される改質ガスが、第2排出通路34の第1部分34aと第2接続通路38と第3供給通路35の第2部分35bを流れて第3吸着器60に供給される。改質ガスが第3吸着器60を通過するときに、改質ガスに含まれるアンモニアが第3吸着器60の吸着材60bに吸着される。
【0140】
第3吸着器60から排出される改質ガスは、第3排出通路37の第1部分37aと第2部分37bを流れて燃料電池6に供給される。燃料電池6は、第3排出通路37を通じて供給される改質ガスを用いて発電する。
【0141】
制御装置100は、第2運転の実行中の濃度センサ50の検出濃度(即ち、第2吸着器10から排出される改質ガスに含まれるアンモニアの濃度)が所定の基準濃度を超える場合に、処理装置2の運転を第2運転から第3運転に切り替える。所定の基準濃度は、例えば、第2吸着器10が破過したことを示す濃度に設定される。
【0142】
(第3運転;
図16、
図17)
次に、第3運転について説明する。第3運転は、改質器4で生成される改質ガスに含まれるアンモニアをまず先に第3吸着器60で吸着し、続いて第1吸着器8で吸着する運転である。第3運転では、第3吸着器60が上流側に位置し、第1吸着器8が下流側に位置する。上記の第2運転の実行中に第1吸着器8が交換された場合は、第3運転では交換後の新しい第1吸着器8が使用される。第3運転では第2吸着器10がアンモニアの吸着のために使用されない。そのため、第3運転の実行中にユーザが第2吸着器10を交換することができる。
【0143】
第3運転のときの切替装置の状態は第3状態である。第3状態(第3運転)では、
図16及び
図17に示すように、第1三方弁41が第2状態であり、第2三方弁42が第1状態であり、第3三方弁43が第2状態であり、第4三方弁44が第2状態であり、第5三方弁45が第1状態であり、第6三方弁46が第2状態である。また、第1センサ弁96が閉状態であり、第2センサ弁98が閉状態であり、第3センサ弁95が開状態である。
【0144】
第3運転では、改質器4で生成される改質ガスが、第2供給通路32の第1部分32aと、第2供給通路32から分岐する第3供給通路35の第1部分35aと第2部分35bとを流れて第3吸着器60に供給される。改質ガスが第3吸着器60を通過するときに、改質ガスに含まれるアンモニアが第3吸着器60の吸着材60bに吸着される。
【0145】
また、第3運転では、第3吸着器60から排出される改質ガスが、第3排出通路37の第1部分37aと第3接続通路39と第1供給通路31の第2部分31bを流れて第1吸着器8に供給される。改質ガスが第1吸着器8を通過するときに、改質ガスに含まれるアンモニアが第1吸着器8の吸着材8bに吸着される。
【0146】
第1吸着器8から排出される改質ガスは、第1排出通路33の第1部分33aと第2部分33bを流れて燃料電池6に供給される。燃料電池6は、第1排出通路33を通じて供給される改質ガスを用いて発電する。
【0147】
制御装置100は、第3運転の実行中の濃度センサ50の検出濃度(即ち、第3吸着器60から排出される改質ガスに含まれるアンモニアの濃度)が所定の基準濃度を超える場合に、処理装置2の運転を第3運転から第1運転に切り替える。所定の基準濃度は、例えば、第3吸着器60が破過したことを示す濃度に設定される。
【0148】
(効果)
以上、第3実施例の処理装置104について説明した。以上の説明から明らかなように、処理装置104は、第1吸着器8に改質ガスを供給する第1供給通路12と、第1吸着器8から排出される改質ガスを他の吸着器を経ずに第2吸着器10に供給する第1接続通路36と、第1供給通路31から分岐して他の吸着器を経ずに第2吸着器10に改質ガスを供給する第2供給通路32と、第2吸着器10から排出される改質ガスを他の吸着器を経ずに第3吸着器60に供給する第2接続通路38と、第2供給通路32から分岐して他の吸着器を経ずに第3吸着器60に改質ガスを供給する第3供給通路35とを備えている。処理装置2の切替装置は、第1状態と第2状態と第3状態に切り替え可能である。切替装置の第1状態(処理装置104の第1運転)では、第2供給通路32を通じて第2吸着器10に改質ガスを供給せず、かつ第3供給通路35を通じて第3吸着器60に改質ガスを供給せずに、第1供給通路31を通じて第1吸着器8に改質ガスを供給する。切替装置の第2状態(処理装置104の第2運転)では、第1供給通路31を通じて第1吸着器8に改質ガスを供給せず、かつ第3供給通路35を通じて第3吸着器60に改質ガスを供給せずに、第2供給通路32を通じて第2吸着器10に改質ガスを供給する。切替装置の第3状態(処理装置104の第3運転)では、第1供給通路31を通じて第1吸着器8に改質ガスを供給せず、かつ第2供給通路32を通じて第2吸着器10に改質ガスを供給せずに、第3供給通路35を通じて第3吸着器60に改質ガスを供給する。制御装置100は、切替装置が第1状態であるときに濃度センサ50の検出濃度が所定の基準濃度を超える場合に、切替装置を第1状態から第2状態に切り替える。また、制御装置100は、切替装置が第2状態であるときに濃度センサ50の検出濃度が所定の基準濃度を超える場合に、切替装置を第2状態から第3状態に切り替える。
【0149】
この構成によれば、第1吸着器8を能力の限界まで使用した後に、第2吸着器10を能力の限界まで使用することができる。また、第2吸着器10を能力の限界まで使用した後に、第3吸着器60を能力の限界まで使用することができる。
【0150】
(対応関係)
第1センサ通路92に接続されている濃度センサ50が「第1濃度センサ」の一例であり、第2センサ通路94に接続されている濃度センサ50が「第2濃度センサ」の一例である。
【0151】
(変形例)
上記の第2実施例及び第3実施例では、1つの濃度センサ50が用いられていたが、この構成に限定されない。変形例では、第1センサ通路92が接続される濃度センサと、第2センサ通路94が接続される濃度センサとが、異なる濃度センサであってもよい。また、第3センサ通路93が接続される濃度センサも異なる濃度センサであってもよい。
【0152】
上記の第3実施例では、第3供給通路35が第2供給通路32の第1部分32aから分岐していたが、この構成に限定されない。変形例では、第3供給通路35が第1供給通路31の第1部分31aから分岐していてもよい。
【0153】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書又は図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書又は図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0154】
2:処理装置、4:改質器、6:燃料電池、8:第1吸着器、10:第2吸着器、12:第1供給通路、13:接続通路、14:第2供給通路、15:分岐通路、16:第1中間通路、17:第2中間通路、18:第3中間通路、19:第4中間通路、20:第5中間通路、21:第1四方弁、22:第2四方弁、24:第1三方弁、25:第2三方弁、26:第3三方弁、27:第4三方弁、31:第1供給通路、32:第2供給通路、33:第1排出通路、34:第2排出通路、35:第3供給通路、36:第1接続通路、37:第3排出通路、38:第2接続通路、39:第3接続通路、41:第1三方弁、42:第2三方弁、43:第3三方弁、44:第4三方弁、45:第5三方弁、46:第6三方弁、50:濃度センサ、60:第3吸着器、90:センサ通路、92:第1センサ通路、93:第3センサ通路、94:第2センサ通路、95:第3センサ弁、96:第1センサ弁、98:第2センサ弁、100:制御装置、102:処理装置、104:処理装置