▶ 日精株式会社の特許一覧
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113682
(43)【公開日】2024-08-22
(54)【発明の名称】プリプレグ
(51)【国際特許分類】
C08J 5/24 20060101AFI20240815BHJP
C08K 3/013 20180101ALI20240815BHJP
C08L 63/00 20060101ALI20240815BHJP
C08G 59/20 20060101ALI20240815BHJP
【FI】
C08J5/24 CFC
C08K3/013
C08L63/00 C
C08G59/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2024018198
(22)【出願日】2024-01-23
(31)【優先権主張番号】P 2023030436
(32)【優先日】2023-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】591236884
【氏名又は名称】日精株式会社
(72)【発明者】
【氏名】河野 まなみ
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼岸 宏至
(72)【発明者】
【氏名】森山 恭光
【テーマコード(参考)】
4F072
4J002
4J036
【Fターム(参考)】
4F072AB10
4F072AB28
4F072AD23
4F072AE01
4F072AG03
4F072AG17
4F072AH04
4F072AH44
4F072AJ22
4F072AL02
4F072AL04
4F072AL05
4F072AL16
4F072AL17
4J002CD061
4J002DA026
4J002DE076
4J002DE106
4J002DE146
4J002DE186
4J002DE236
4J002DF016
4J002DG056
4J002DJ006
4J002DK006
4J002EU116
4J002FA086
4J002FA116
4J002FD146
4J036AF06
4J036DC41
4J036FA01
4J036JA11
(57)【要約】
【課題】比較的低温・短時間の硬化後に室温で脱型可能であり、高耐熱性と耐衝撃性を備えた、比較的安価な材料で構成される、CFRP成型品を作製するための反転型用エポキシ樹脂組成物とそのプリプレグを提供する。
【解決手段】次の成分[A]、[B]、[C]を含むエポキシ樹脂組成物を基材の両面から含浸させる。
[A]:分子内のエポキシ基を3個以上有するエポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂が、フェノールノボラック型エポキシ樹脂及びクレゾールノボラック型エポキシ樹脂であって、全エポキシ樹脂中に40~80wt%含有していること。
[B]:50~120℃付近で活性化するイミダゾール類の硬化剤を、エポキシ樹脂100重量部に対して、1~10重量部含有していること。
[C]:板状もしくは球状の無機充填剤を、エポキシ樹脂100重量部に対して、8~20重量部含有していること。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
CFRP成型品を作製するための反転型として使用可能なプリプレグ用エポキシ樹脂組成物であって、次の成分[A]、[B]、[C]を含むエポキシ樹脂組成物を基材の両面から含浸させてなるプリプレグ。
[A]:分子内のエポキシ基を3個以上有するエポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂が、フェノールノボラック型エポキシ樹脂及びクレゾールノボラック型エポキシ樹脂であって、全エポキシ樹脂中に40~80wt%含有していること。
[B]:50~120℃付近で活性化するイミダゾール類の硬化剤を、エポキシ樹脂100重量部に対して、1~10重量部含有していること。
[C]:板状もしくは球状の無機充填剤を、エポキシ樹脂100重量部に対して、8~20重量部含有していること。
【請求項2】
0℃から180℃まで5℃/分で昇温しながら周波数1Hzで測定される上記のプリプレグ用エポキシ樹脂組成物の粘度が以下のとおりである請求項1に記載のプリプレグ。
30℃において10000Pa・s以上200000Pa・s以下
80℃において300Pa・s以下
100℃において0.5Pa・s以上300Pa・s以下
【請求項3】
上記プリプレグ用エポキシ樹脂組成物を、50~120℃、4~10時間で硬化して得られる硬化物が、室温で十分脱型可能となる請求項1に記載のプリプレグ。
【請求項4】
請求項3に記載の条件で一次硬化した後に脱型し、その後、150~250℃、3時間以上の二次硬化を行うことのできる、エポキシ樹脂組成物のプリプレグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合材料のマトリックス樹脂として用いられるエポキシ樹脂組成物及びそれを用いたプリプレグであって、詳しくは、エポキシ樹脂組成物からなるCFRP成型品を作製するための反転型として使用可能なプリプレグに関する。
【背景技術】
【0002】
炭素繊維やアラミド繊維などを基材に用いた繊維強化複合材料は、その高い比強度・比弾性率を利用して、航空機や自動車の構造材料、テニスラケット、ゴルフシャフト、釣り竿などのスポーツ・一般産業用途などに広く利用されている。
【0003】
マトリックス樹脂には、耐熱性の観点から熱硬化性樹脂が広く用いられ、中でも耐熱性、耐薬品性に優れ、硬化収縮も小さいエポキシ樹脂が多く利用されている。しかしながら、高耐熱性を有するには比較的高価なエポキシ樹脂及び硬化剤を使用することが多い。また、高耐熱性を有するには180℃近辺の高温での硬化が要求されるが、硬化温度が高いことで、成形用材料に耐熱性が要求され、エネルギーコストも高くなるなどの欠点があり大型成型品には不向きである。
【0004】
また、特許4859081には100℃以下の一次硬化後、二次硬化によって高耐熱性の硬化物を得られるエポキシ樹脂組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許4859081によれば、使用材料が高価であることと、エポキシ樹脂組成物の樹脂寿命が3週間と非常に短いという問題点があった。また、強化繊維の織物を使用した複合材料成型品においては、強化繊維が表面付近に存在していない樹脂リッチ部分が存在する。樹脂リッチ部分は強化繊維存在部分に比べて強度が弱く、樹脂部分の強度が強く求められている。しかしながら、高耐熱性を有するエポキシ樹脂は立体障害のある分子構造ゆえに脆いという弱点が挙げられる。
【0007】
高耐熱性を有する多官能エポキシ樹脂として、グリシジルアミン型エポキシ樹脂が汎用されているが非常に高価な材料である。グリシジルアミン型エポキシ樹脂と併用される硬化剤ジアミノジフェニルスルホンも高価な材料であり、硬化温度が180℃近辺となり非常に高い。その他にも高耐熱性を有する多官能エポキシ樹脂として、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂が用いられているが、高価であること、硬化系が特殊であることから一般産業用途の使用には好ましくない。高耐熱性を有する多官能エポキシ樹脂は、高価であるため航空宇宙用途で広く用いられている。そのため、スポーツ用途や一般産業用途に用いられるには、安価な材料で同等の性能を有する必要がある。
【0008】
比較的低温で一次硬化させることができ、一次硬化後、脱型したままの状態で二次硬化により得られる複合材料成型品は、産業用途の大型成型品においては生産効率向上を叶えることができる。
【0009】
エポキシ樹脂組成物の室温での安定性が良好であり、その硬化物が高耐熱性、さらに硬化物の樹脂剛性が向上できるようなエポキシ樹脂組成物とプリプレグは切望されていた。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決すべく、比較的低温・短時間の硬化後に室温で脱型可能であり、脱型したままの状態で二次硬化を行うことができる、高耐熱性と耐衝撃性を備えた比較的安価な材料で構成されるエポキシ樹脂組成物を基材の両面から含侵させてなるプリプレグを提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
CFRP成型品を作製するための反転型として使用可能なプリプレグ用エポキシ樹脂組成物であって、次の成分[A]、[B]、[C]を含むエポキシ樹脂組成物を基材の両面から含浸させてなるプリプレグ。
[A]:分子内のエポキシ基を3個以上有するエポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂が、フェノールノボラック型エポキシ樹脂及びクレゾールノボラック型エポキシ樹脂であって、全エポキシ樹脂中に40~80wt%含有していること。
[B]:50~120℃付近で活性化するイミダゾール類の硬化剤を、エポキシ樹脂100重量部に対して、1~10重量部含有していること。
[C]:板状もしくは球状の無機充填剤を、エポキシ樹脂100重量部に対して、8~20重量部含有していること。
分子内のエポキシ基を3個以上有するエポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂が、フェノールノボラック型エポキシ樹脂及びクレゾールノボラック型エポキシ樹脂であり、低温で活性化する硬化剤、充填剤として板状もしくは球状の無機鉱物を配合することにより、比較的低温・短時間の硬化後に室温で脱型可能となる。また、脱型したままの状態で二次硬化を行うことができるエポキシ樹脂組成物とそのプリプレグを得ることができる。さらには高耐熱性と耐衝撃性を備えた比較的安価な材料で構成されるエポキシ樹脂組成物とそのプリプレグにより、その目的を達成することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
即ち、本発明は、(1)分子内のエポキシ基を3個以上有するエポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂が、フェノールノボラック型エポキシ樹脂及びクレゾールノボラック型エポキシ樹脂であること、(2)50~120℃付近で活性化するイミダゾール類の硬化剤、(3)板状もしくは球状の無機充填剤を必須成分とするエポキシ樹脂組成物とそのプリプレグに関するものである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に用いられるフェノールノボラック型エポキシ樹脂及びフェノールノボラック型エポキシ樹脂は、特に限定するものではなく、成分[A]が全エポキシ樹脂中に40wt%~80wt%含有していれば良く、好ましくは45wt%~70wt%含有していれば良い。フェノールノボラック型エポキシ樹脂及びクレゾールノボラック型エポキシ樹脂はグリシジルアミン型エポキシ樹脂を代表とするその他多官能エポキシ樹脂と比較して安価で反応性の高い材料である。
【0014】
フェノールノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、例えばjER152、jER154(以上、三菱ケミカル株式会社製)、エピクロンN-740、エピクロンN-775(DIC株式会社製)、EPPN-201(日本化薬株式会社製)、YDPN-638(日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製)などが挙げられる。クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、エピクロンN-660、エピクロンN-665、エピクロンN-670、エピクロンN-673、エピクロンN-680、エピクロンN-690、エピクロンN―695(DIC株式会社製)、EOCN-1020、EOCN―102S、EOCN-103S、EOCN-104S(日本化薬株式会社製)、YDCN-700-7、YDCN-700-10、YDCN-704(日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製)などが挙げられる。フェノールノボラック型エポキシ樹脂及びクレゾールノボラック型エポキシ樹脂は1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0015】
本発明に用いられる50~120℃付近で活性化する硬化剤は、エポキシ樹脂組成物の樹脂寿命をさらに長くできるという点から、潜在性硬化剤が好ましく、中でもイミダゾール系硬化剤であることが好ましい。イミダゾール系硬化剤は、分子内にイミダゾール環を有する化合物である。分子内にイミダゾール環を有する化合物以外にも、イミダゾール環に置換基を持つ化合物(イミダゾール誘導体)、エポキシ樹脂のエポキシ基にイミダゾールもしくはイミダゾール誘導体が開環付加した構造を有する化合物(イミダゾールアダクト)、イミダゾールを異分子で包接した化合物(包接イミダゾール)、マイクロカプセル化したイミダゾールまたはイミダゾール誘導体(マイクロカプセル型イミダゾール)、及び安定化剤等を配位させたイミダゾールまたはイミダゾール誘導体(イミダゾール付加物)からなる群から選ばれる少なくとも1種であれば良い。具体例としては、例えば、四国化成工業(株)2E4MZ、2E4MZ-CN、1B2MZ、C11-CN、C11Z、C17Zなどが挙げられる。さらにはマイクロカプセル型イミダゾールである旭化成(株)製ノバキュアHX-3722、HX-3742、HX-3748、アミンアダクト型の味の素(株)製アミキュアPN-23、PN-H、PN-40、PN-50などが挙げられる。活性化領域としては、70~120℃が好ましく、さらに好ましくは70~90℃が最も好ましい。本発明に用いられるイミダゾール系硬化剤は、特に限定するものではなく、成分[B]はエポキシ樹脂100重量部に対して、1~10重量部含有していれば良い。
【0016】
本発明に用いられる無機充填剤は硬化物の剛性を向上する目的として、例えば、ホウ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸ケイ素、窒化ケイ素、チタン酸カリウム、塩基性硫酸マグネシウム、酸化亜鉛、グラファイト、マグネシア、硫酸カルシウム、ホウ酸マグネシウム、二ホウ化チタン、αーアルミナなどが挙げられる。無機充填剤の形状は板状もしくは球状であることが好ましい。板状もしくは球状であることで、樹脂の流動化を容易にすることができる。また、せん断の力を加えた際に板状もしくは球状の無機充填剤は移動しやすくなり、エポキシ樹脂組成物の低粘度化を保持できるためである。使用する充填剤は非常に安価で入手しやすく、硬化阻害を起こさず、作業時の取扱い性も容易であることから炭酸カルシウムが最も好ましい。本発明に用いられる炭酸カルシウムは、特に限定するものではなく、成分[C]はエポキシ樹脂100重量部に対して、8~20重量部含有していれば良く、好ましくは10~18重量部含有していれば良い。
【0017】
硬化物の剛性向上により、複合材料成形体の樹脂リッチ部分の強度向上を叶えることができる。成型物を得る際、脱型時に複合材料成形体を無理に引き剥がしたり、打撃を与えたりしているため、樹脂リッチ部分が欠けやすくなる。樹脂リッチ部分の強度向上により、複合材料成形体の耐久性の向上を叶えることができる。エポキシ樹脂硬化物の硬さ試験方法としては、押し込み試験法と動的硬さ試験法が挙げられる。押し込み試験法としては、ロックウェル硬さ、ビッカース硬さ、ブリネル硬さ、ヌープ硬さが挙げられる。動的硬さ試験法としては、ショア硬さが挙げられる。その他にもシャルピー衝撃試験、ハンマーによる打撃試験などで行っても良い。本発明のエポキシ樹脂硬化物の硬さは本発明者らによって規定された独自のハンマー打撃試験及びJIS K 7215-1986プラスチックのデュロメータ硬さ試験方法に準拠して測定した。ハンマー打撃試験はエポキシ樹脂硬化物の試験片が壊れないものであれば良い。デュロメータ硬さはHDD75以上あれば好ましく、HDD80以上であればより好ましい。
【0018】
これら上記成分以外に、所望によって強化繊維への含浸性を低下させない程度または反応性、耐熱性、貯蔵安定性を低下させない程度の熱可塑性樹脂や反応性希釈剤を添加しても良い。エポキシ樹脂に可溶な熱可塑性樹脂としては、ポリメタクリル酸メチル、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、フェノキシ樹脂などが挙げられる。反応性希釈剤としては、フェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、アルキルグリシジルエーテルなどが挙げられる。この他にも、カップリング剤や離型剤、難燃性付与剤、消泡剤、着色剤、低温発砲剤等の添加剤も必要に応じて用いてもよい。
【0019】
本発明のエポキシ樹脂組成物の調製には、例えば、ニーダー、プラネタリーミキサー、3本ロール及び2軸押出機といった機械を用いて混練しても良いし、ビーカーやスパチュラなどを用いて手で混ぜても良い。
【0020】
本発明のエポキシ樹脂組成物の粘度は、樹脂フィルム化の容易性、繊維基材に樹脂フィルムを含浸して作製するプリプレグのタック性及び硬化時の樹脂フローの観点から、30℃において10000Pa・s以上200000Pa・s以下、80℃において300Pa・s以下、100℃において0.5Pa・s以上300Pa・s以下であることが好ましい。エポキシ樹脂組成物の粘度が30℃において10000Pa・s以上である場合、そのエポキシ樹脂組成物をフィルム化した樹脂フィルムを繊維基材に含浸させて得られるプリプレグのタックが過剰になり過ぎないため好ましい。200000Pa・s以下である場合、そのエポキシ樹脂組成物をフィルム化した樹脂フィルムを繊維基材に含浸させて得られるプリプレグの貼り付きが良好となるため好ましい。また、エポキシ樹脂組成物の粘度が80℃において300Pa・s以下である場合、ホットメルト法による樹脂フィルム化が容易となる。さらにエポキシ樹脂組成物の粘度が100℃において0.5Pa・s以上である場合、そのエポキシ樹脂組成物をフィルム化した樹脂フィルム及びその樹脂フィルムを繊維基材に含浸させて得られるプリプレグの樹脂フローを適切に抑制できるため好ましい。エポキシ樹脂組成物の粘度が30℃において10000Pa・s以上200000Pa・s以下、80℃において300Pa・s以下、100℃において0.5Pa・s以上300Pa・s以下である場合、樹脂フィルムの容易化、プリプレグのタック、プリプレグの樹脂フローの良好なバランスを提供することができる。ここでの粘度は、0℃から180℃まで5℃/分で昇温しながら周波数1Hzで測定される粘度を意味する。
【0021】
本発明のプリプレグ製造に用いられる強化繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維、炭化ケイ素繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、ポリエチレン繊維等が挙げられ、これらの一種もしくは二種以上を適宜使用する。中でも、軽量かつ高弾性な繊維強化複合材料が得られる観点から、炭素繊維を用いることが好ましい。
【0022】
プリプレグを製造するには、一般のプリプレグ製造方法が適用でき、補強基材に対し例えばホットメルト法により直接あるいはフィルム法で含浸するか、溶媒含浸法により直接あるいはフィルム化後含浸のいずれかを用いれば良いが、溶媒含浸法では溶剤除去工程が必要であり、また樹脂組成物の安定性を低下させることがあり、あまり好ましくない。
【0023】
ホットメルト法は、加熱により低粘度化したエポキシ樹脂組成物を直接強化繊維に含浸させる方法である。具体的には、離型紙などの上にエポキシ樹脂組成物をコーティングしたフィルムを作製しておき、次に強化繊維を引き揃えたシート、もしくは強化繊維の基材の両側または片側から前述のフィルムを重ねて、加熱加圧することにより強化繊維に樹脂を含浸させる。
【0024】
本発明の繊維強化複合材料の製造には、プリプレグ積層体を型に配置して低温での一次硬化を施した後、型から取り外して一次硬化より高温での二次硬化を施すことが好ましい。
【0025】
一次硬化温度は50~120℃とすることが好ましい。生産性と外観品位の観点から、70~110℃とすることがより好ましく、80~100℃とすることが最も好ましい。
【0026】
一次硬化時間は4~10時間とすることが好ましい。
【0027】
二次硬化温度は、150~250℃が好ましい。上記の温度で硬化させることで、耐熱性の高い繊維強化複合材料を得ることができる。耐熱性の観点から170~230℃とすることがより好ましく、180~200℃とすることがさらに好ましい。二次硬化時間は3時間以上が好ましく、より好ましくは4時間以上である。
【0028】
二次硬化を施すことにより、成型体の耐熱性を向上させることができる。耐熱性は硬化物のガラス転移温度により求めることができる。ガラス転移温度が低い場合、二次硬化温度で変形する恐れがあり、FRP成形金型に不向きである。エポキシ樹脂硬化物のガラス転移温度は、示差走査熱量計にて測定することができ、170℃以上あれば好ましく、180℃以上あればより好ましい。
【0029】
本発明品は、一次硬化後室温にて脱型可能な硬化物を得ることができ、脱型したままの状態で二次硬化を施すことで産業用途の大型成型品において生産効率向上となる成型物が得られる。
【0030】
以下に実施例と比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例の記載に限定されるものではない。各繊維強化複合材料を成形するために用いた材料は以下に示す通りである。
【0031】
<使用した材料>
構成要素[A] : フェノールノボラック型エポキシ樹脂及びクレゾールノボラック型エポキシ樹脂。側鎖や官能基等は少し変化させたものを使用しても良い。
【0032】
構成要素[A]以外のエポキシ樹脂
特にはビスフェノールA型エポキシ樹脂を使用し、側鎖や官能基等は少し変化させたものを使用しても良い。
【0033】
構成要素[B] : 50~120℃付近で活性化する硬化剤
イミダゾール類、変性アミン化合物、アミンアダクト型潜在性硬化剤、マイクロカプセル型イミダゾール化合物の中でも、特にイミダゾール化合物が好ましい。
【0034】
構成要素[B]以外の硬化剤
・jERキュアDICY7(ジシアンジアミド、三菱ケミカル(株)製)
・ヂシアンヂアミド(日本カーバイド工業(株)製)
【0035】
構成要素[C] : 板状もしくは球状の無機充填剤
(a)平均粒子径0.04μmの微細粒子を脂肪酸で表面処理した炭酸カルシウム
(b)平均粒子径0.08μmの微細粒子を脂肪酸で表面処理した炭酸カルシウム
(c)平均粒子径0.02μmの微細粒子を脂肪酸で表面処理した炭酸カルシウム
(d)平均粒子径0.15μmの微細粒子を脂肪酸で表面処理した炭酸カルシウム
無機充填剤は板状もしくは球状であることが好ましい。板状もしくは球状であることで、樹脂の流動化を容易にすることができる。また、せん断の力を加えた際に板状もしくは球状の無機充填剤は移動しやすくなり、エポキシ樹脂組成物の低粘度化を保持できるためである。
【0036】
「エポキシ樹脂組成物の調製方法」
プラネタリーミキサー中にエポキシ樹脂、無機充填剤を投入した。130℃まで昇温して混練しながら、同温度で1時間保持することで、白色の粘調液を得た。混練を続けながら100℃まで降温した後、成分[B]以外の硬化剤を投入し、同温度で30分間混練した。さらに70℃まで降温した後、成分[B]の硬化剤を投入し、同温度で20分間混練することで、エポキシ樹脂組成物を得た。
【0037】
「エポキシ樹脂組成物の粘度測定方法」
上記「エポキシ樹脂組成物の調製方法」に従い調整したエポキシ樹脂組成物をMODULAR COMPACT RHEOMETER(MCR102e、(株)アントンパール製)を用い、上部測定ジグに直径25mmの平板のパラレルプレートを用い、上部と下部の治具間距離が1mmとなるようエポキシ樹脂組成物をセットした後、ねじりモード測定周波数1Hz、温度0℃から180℃まで5℃/分で昇温することで粘度を測定した。
【0038】
「エポキシ樹脂硬化物の作製方法」
上記「エポキシ樹脂組成物の調製方法」に従い調整したエポキシ樹脂組成物を直径4mmのシリコンゴムをスペーサーにしたアルミ板中で、80℃、5時間の一次硬化の後脱型し、脱型したままの状態で180℃4時間の二次硬化を施し、厚さ3.5~4mmの板状のエポキシ樹脂硬化物を得た。
【0039】
「プリプレグの作製方法」
上記「エポキシ樹脂組成物の調製方法」に従い調整したエポキシ樹脂組成物を、コーターを用いて離型紙上に塗布し、樹脂シートを作製した。作製した樹脂シートをプリプレグマシンにセットし、炭素繊維のクロスの両面から加熱加圧含浸しプリプレグを得た。
【0040】
「エポキシ樹脂硬化物のガラス転移温度の測定方法」
上記「エポキシ樹脂硬化物の作製方法」に従い作製したエポキシ樹脂硬化物から、示差走査熱量計(DSC-7020、(株)日立ハイテクサイエンス製)を用い、30℃から250℃まで10℃/分の等速昇温条件で測定した。各ベースラインの延長線から縦軸方向に等距離にある直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線とが交わる点をガラス転移温度(Tg)とする。
【0041】
「エポキシ樹脂硬化物のハンマー打撃試験評価方法」
上記「エポキシ樹脂硬化物の作製方法」に従い作製したエポキシ樹脂硬化物の剛性は本発明者らによって規定された独自のハンマー打撃試験にて求めることができる。試験機は振り子式で回転軸が水平であるもので、振り子はその一端に回転軸を持ち、他端に打突部をもつハンマー構造とした。打突部のハンマーは市販されている強化プラスチックPVC製であり、直径4.7cm、厚み部分3cm、先端部に衝撃エネルギー5.5Jのハンマーを取り付け使用し、ハンマーの持ち上げ角度は150°の位置とし、打突部を振り下ろす。ハンマー打撃試験はエポキシ樹脂硬化物の試験片が壊れないものであれば良い。エポキシ樹脂硬化物の試験片は、10cm角、厚さ3.5~4mmの試験片であり、注型法により作製し用いた。ハンマー打撃試験機はハンマーを持ち上げ位置に確実に保持できるものであり、かつ、ハンマーを自由円滑に落下できる構造であり、ハンマーの落下運動により横振れなどの有害な影響を及ぼさないものとした。
【0042】
「エポキシ樹脂硬化物のデュロメータ硬さの測定方法」
上記「エポキシ樹脂硬化物の作製方法」に従い作製したエポキシ樹脂硬化物から、デュロメータ硬さ試験機(GS-702M タイプD、(株)テクロック製)を用い、デュロメータ硬さを測定した。デュロメータ硬さ試験では、圧子を用いてくぼみ深さに対応して変化する試験荷重を試料に負荷し、生じたくぼみ深さからデュロメータ硬さを求めることができる。
【実施例0043】
構成要素[A]としてjER154を66.7wt%、構成要素[A]以外のエポキシ樹脂としてEPICLON850を33.3wt%、構成要素[B]としてキュアゾールC17Zを10重量部用い、構成要素[B]以外としてヂシアンヂアミドを6重量部、構成要素[C]として無機充填剤(c)を15重量部用い、上記の「エポキシ樹脂組成物の調整方法」に従ってエポキシ樹脂を調製した。
【0044】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物の作製方法」に従ってエポキシ樹脂硬化物を作製した。80℃、5時間の一次硬化後脱型し、脱型したままの状態での二次硬化を180℃、4時間で実施し、得られた硬化物Tgは187.0℃であった。
【0045】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂組成物の粘度測定方法」に従い測定したエポキシ樹脂組成物の粘度は30℃において10000Pa・s以上200000Pa・s以下、80℃において300Pa・s以下、100℃において0.5Pa・s以上300Pa・s以下であった。
【0046】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物のハンマー打撃試験評価方法」に従い評価したエポキシ樹脂硬化物の試験片は壊れなかった。
【0047】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物のデュロメータ硬さ測定方法」に従い測定したデュロメータ硬さは86HDDであった。
【0048】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「プリプレグの作製方法」に従ってプリプレグを作製した。これらのプリプレグを10cm角、厚さ約5mmとなるよう積層し、真空バッグ成形で一次硬化した。一次硬化の温度条件としては、室温から80℃まで40分で昇温し、80℃で5時間維持とした。一次硬化後の成形板は、脱型が十分可能な程度に硬化していた。一次硬化後の成形板をさらに送風乾燥炉内にフリースタンドで放置し、二次硬化を実施した。二次硬化の温度条件としては、室温から180℃まで3時間で昇温し、180℃で4時間維持し、さらに室温まで自然冷却とし、硬化成形板を得た。
【0049】
得られた10cm角、厚さ約5mmの硬化成形板について、上記の「エポキシ樹脂硬化物のハンマー打撃試験評価方法」に従い評価した硬化成形板の試験片は壊れなかった。
【実施例0050】
構成要素[A]としてEOCN-1020を40wt%、構成要素[A]以外のエポキシ樹脂としてEPICLON850を60wt%、構成要素[B]としてキュアゾールC17Zを10重量部用い、構成要素[B]以外としてヂシアンヂアミドを6重量部、構成要素[C]として無機充填剤(c)を15重量部用い、上記の「エポキシ樹脂組成物の調整方法」に従ってエポキシ樹脂を調製した。
【0051】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂組成物の粘度測定方法」に従い測定したエポキシ樹脂組成物の粘度は30℃において10000Pa・s以上200000Pa・s以下、80℃において300Pa・s以下、100℃において0.5Pa・s以上300Pa・s以下であった。
【0052】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物の作製方法」に従ってエポキシ樹脂硬化物を作製した。80℃、5時間の一次硬化後脱型し、脱型したままの状態での二次硬化を180℃、4時間で実施し、得られた硬化物Tgは180.0℃であった。
【0053】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物のハンマー打撃試験評価方法」に従い評価したエポキシ樹脂硬化物の試験片は壊れなかった。
【0054】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物のデュロメータ硬さ測定方法」に従い測定したデュロメータ硬さは81HDDであった。
【0055】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「プリプレグの作製方法」に従ってプリプレグを作製した。これらのプリプレグを10cm角、厚さ約5mmとなるよう積層し、真空バッグ成形で一次硬化した。一次硬化の温度条件としては、室温から80℃まで40分で昇温し、80℃で5時間維持とした。一次硬化後の成形板は、脱型が十分可能な程度に硬化していた。一次硬化後の成形板をさらに送風乾燥炉内にフリースタンドで放置し、二次硬化を実施した。二次硬化の温度条件としては、室温から180℃まで3時間で昇温し、180℃で4時間維持し、さらに室温まで自然冷却とし、硬化成形板を得た。
【0056】
得られた10cm角、厚さ約5mmの硬化成形板について、上記の「エポキシ樹脂硬化物のハンマー打撃試験評価方法」に従い評価した硬化成形板の試験片は壊れなかった。
【実施例0057】
構成要素[A]としてjER154を40wt%、EPICLON N-775を25wt%、構成要素[A]以外のエポキシ樹脂としてEPICLON850を35wt%、構成要素[B]としてキュアゾールC17Zを5重量部用い、構成要素[B]以外としてヂシアンヂアミドを4重量部、構成要素[C]として無機充填剤(c)を15重量部用い、上記の「エポキシ樹脂組成物の調整方法」に従ってエポキシ樹脂を調製した。
【0058】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂組成物の粘度測定方法」に従い測定したエポキシ樹脂組成物の粘度は30℃において10000Pa・s以上200000Pa・s以下、80℃において300Pa・s以下、100℃において0.5Pa・s以上300Pa・s以下であった。
【0059】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物の作製方法」に従ってエポキシ樹脂硬化物を作製した。80℃、5時間の一次硬化後脱型し、脱型したままの状態での二次硬化を180℃、4時間で実施し、得られた硬化物Tgは189.3℃であった。
【0060】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物のハンマー打撃試験評価方法」に従い評価したエポキシ樹脂硬化物の試験片は壊れなかった。
【0061】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物のデュロメータ硬さ測定方法」に従い測定したデュロメータ硬さは89HDDであった。
【0062】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「プリプレグの作製方法」に従ってプリプレグを作製した。これらのプリプレグを10cm角、厚さ約5mmとなるよう積層し、真空バッグ成形で一次硬化した。一次硬化の温度条件としては、室温から80℃まで40分で昇温し、80℃で5時間維持とした。一次硬化後の成形板は、脱型が十分可能な程度に硬化していた。一次硬化後の成形板をさらに送風乾燥炉内にフリースタンドで放置し、二次硬化を実施した。二次硬化の温度条件としては、室温から180℃まで3時間で昇温し、180℃で4時間維持し、さらに室温まで自然冷却とし、硬化成形板を得た。
【0063】
得られた10cm角、厚さ約5mmの硬化成形板について、上記の「エポキシ樹脂硬化物のハンマー打撃試験評価方法」に従い評価した硬化成形板の試験片は壊れなかった。
【実施例0064】
構成要素[A]としてjER154を40wt%、EPICLON N-775を25wt%、構成要素[A]以外のエポキシ樹脂としてEPICLON850を35wt%、構成要素[B]としてキュアゾールC17Zを5重量部用い、構成要素[B]以外としてヂシアンヂアミドを5重量部、構成要素[C]として無機充填剤(c)を10重量部用い、上記の「エポキシ樹脂組成物の調整方法」に従ってエポキシ樹脂を調製した。
【0065】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂組成物の粘度測定方法」に従い測定したエポキシ樹脂組成物の粘度は30℃において10000Pa・s以上200000Pa・s以下、80℃において300Pa・s以下、100℃において0.5Pa・s以上300Pa・s以下であった。
【0066】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物の作製方法」に従ってエポキシ樹脂硬化物を作製した。80℃、5時間の一次硬化後脱型し、脱型したままの状態での二次硬化を180℃、4時間で実施し、得られた硬化物Tgは187.0℃であった。
【0067】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物のハンマー打撃試験評価方法」に従い評価したエポキシ樹脂硬化物の試験片は壊れなかった。
【0068】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物のデュロメータ硬さ測定方法」に従い測定したデュロメータ硬さは82HDDであった。
【0069】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「プリプレグの作製方法」に従ってプリプレグを作製した。これらのプリプレグを10cm角、厚さ約5mmとなるよう積層し、真空バッグ成形で一次硬化した。一次硬化の温度条件としては、室温から80℃まで40分で昇温し、80℃で5時間維持とした。一次硬化後の成形板は、脱型が十分可能な程度に硬化していた。一次硬化後の成形板をさらに送風乾燥炉内にフリースタンドで放置し、二次硬化を実施した。二次硬化の温度条件としては、室温から180℃まで3時間で昇温し、180℃で4時間維持し、さらに室温まで自然冷却とし、硬化成形板を得た。
【0070】
得られた10cm角、厚さ約5mmの硬化成形板について、上記の「エポキシ樹脂硬化物のハンマー打撃試験評価方法」に従い評価した硬化成形板の試験片は壊れなかった。
【実施例0071】
構成要素[A]としてjER154を37wt%、EPICLON N-775を28wt%、構成要素[A]以外のエポキシ樹脂としてEPICLON850を35wt%、構成要素[B]としてキュアゾールC17Zを5重量部用い、構成要素[B]以外としてヂシアンヂアミドを4重量部、構成要素[C]として無機充填剤(c)を10重量部用い、上記の「エポキシ樹脂組成物の調整方法」に従ってエポキシ樹脂を調製した。
【0072】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂組成物の粘度測定方法」に従い測定したエポキシ樹脂組成物の粘度は30℃において10000Pa・s以上200000Pa・s以下、80℃において300Pa・s以下、100℃において0.5Pa・s以上300Pa・s以下であった。
【0073】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物の作製方法」に従ってエポキシ樹脂硬化物を作製した。80℃、5時間の一次硬化後脱型し、脱型したままの状態での二次硬化を180℃、4時間で実施し、得られた硬化物Tgは187.3℃であった。
【0074】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物のハンマー打撃試験評価方法」に従い評価したエポキシ樹脂硬化物の試験片は壊れなかった。
【0075】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物のデュロメータ硬さ測定方法」に従い測定したデュロメータ硬さは84HDDであった。
【0076】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「プリプレグの作製方法」に従ってプリプレグを作製した。これらのプリプレグを10cm角、厚さ約5mmとなるよう積層し、真空バッグ成形で一次硬化した。一次硬化の温度条件としては、室温から80℃まで40分で昇温し、80℃で5時間維持とした。一次硬化後の成形板は、脱型が十分可能な程度に硬化していた。一次硬化後の成形板をさらに送風乾燥炉内にフリースタンドで放置し、二次硬化を実施した。二次硬化の温度条件としては、室温から180℃まで3時間で昇温し、180℃で4時間維持し、さらに室温まで自然冷却とし、硬化成形板を得た。
【0077】
得られた10cm角、厚さ約5mmの硬化成形板について、上記の「エポキシ樹脂硬化物のハンマー打撃試験評価方法」に従い評価した硬化成形板の試験片は壊れなかった。
【実施例0078】
構成要素[A]としてjER154を35wt%、EPICLON N-775を30wt%、構成要素[A]以外のエポキシ樹脂としてEPICLON850を35wt%、構成要素[B]としてキュアゾールC17Zを5重量部用い、構成要素[B]以外としてヂシアンヂアミドを4重量部、構成要素[C]として無機充填剤(c)を10重量部用い、上記の「エポキシ樹脂組成物の調整方法」に従ってエポキシ樹脂を調製した。
【0079】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂組成物の粘度測定方法」に従い測定したエポキシ樹脂組成物の粘度は30℃において10000Pa・s以上200000Pa・s以下、80℃において300Pa・s以下、100℃において0.5Pa・s以上300Pa・s以下であった。
【0080】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物の作製方法」に従ってエポキシ樹脂硬化物を作製した。80℃、5時間の一次硬化後脱型し、脱型したままの状態での二次硬化を180℃、4時間で実施し、得られた硬化物Tgは187.8℃であった。
【0081】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物のハンマー打撃試験評価方法」に従い評価したエポキシ樹脂硬化物の試験片は壊れなかった。
【0082】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物のデュロメータ硬さ測定方法」に従い測定したデュロメータ硬さは84HDDであった。
【0083】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「プリプレグの作製方法」に従ってプリプレグを作製した。これらのプリプレグを10cm角、厚さ約5mmとなるよう積層し、真空バッグ成形で一次硬化した。一次硬化の温度条件としては、室温から80℃まで40分で昇温し、80℃で5時間維持とした。一次硬化後の成形板は、脱型が十分可能な程度に硬化していた。一次硬化後の成形板をさらに送風乾燥炉内にフリースタンドで放置し、二次硬化を実施した。二次硬化の温度条件としては、室温から180℃まで3時間で昇温し、180℃で4時間維持し、さらに室温まで自然冷却とし、硬化成形板を得た。
【0084】
得られた10cm角、厚さ約5mmの硬化成形板について、上記の「エポキシ樹脂硬化物のハンマー打撃試験評価方法」に従い評価した硬化成形板の試験片は壊れなかった。
【実施例0085】
構成要素[A]としてjER154を35wt%、EPICLON N-775を30wt%、構成要素[A]以外のエポキシ樹脂としてEPICLON850を35wt%、構成要素[B]としてキュアゾールC17Zを1重量部用い、構成要素[B]以外としてヂシアンヂアミドを6重量部、構成要素[C]として無機充填剤(c)を10重量部用い、上記の「エポキシ樹脂組成物の調整方法」に従ってエポキシ樹脂を調製した。
【0086】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂組成物の粘度測定方法」に従い測定したエポキシ樹脂組成物の粘度は30℃において10000Pa・s以上200000Pa・s以下、80℃において300Pa・s以下、100℃において0.5Pa・s以上300Pa・s以下であった。
【0087】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物の作製方法」に従ってエポキシ樹脂硬化物を作製した。80℃、5時間の一次硬化後脱型し、脱型したままの状態での二次硬化を180℃、4時間で実施し、得られた硬化物Tgは188.1℃であった。
【0088】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物のハンマー打撃試験評価方法」に従い評価したエポキシ樹脂硬化物の試験片は壊れなかった。
【0089】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物のデュロメータ硬さ測定方法」に従い測定したデュロメータ硬さは84HDDであった。
【0090】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「プリプレグの作製方法」に従ってプリプレグを作製した。これらのプリプレグを10cm角、厚さ約5mmとなるよう積層し、真空バッグ成形で一次硬化した。一次硬化の温度条件としては、室温から80℃まで40分で昇温し、80℃で5時間維持とした。一次硬化後の成形板は、脱型が十分可能な程度に硬化していた。一次硬化後の成形板をさらに送風乾燥炉内にフリースタンドで放置し、二次硬化を実施した。二次硬化の温度条件としては、室温から180℃まで3時間で昇温し、180℃で4時間維持し、さらに室温まで自然冷却とし、硬化成形板を得た。
【0091】
得られた10cm角、厚さ約5mmの硬化成形板について、上記の「エポキシ樹脂硬化物のハンマー打撃試験評価方法」に従い評価した硬化成形板の試験片は壊れなかった。
【実施例0092】
構成要素[A]としてjER154を35wt%、EPICLON N-775を30wt%、構成要素[A]以外のエポキシ樹脂としてEPICLON850を35wt%、構成要素[B]としてキュアゾールC17Zを2重量部用い、構成要素[B]以外としてヂシアンヂアミドを4重量部、構成要素[C]として無機充填剤(c)を10重量部用い、上記の「エポキシ樹脂組成物の調整方法」に従ってエポキシ樹脂を調製した。
【0093】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂組成物の粘度測定方法」に従い測定したエポキシ樹脂組成物の粘度は30℃において10000Pa・s以上200000Pa・s以下、80℃において300Pa・s以下、100℃において0.5Pa・s以上300Pa・s以下であった。
【0094】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物の作製方法」に従ってエポキシ樹脂硬化物を作製した。80℃、5時間の一次硬化後脱型し、脱型したままの状態での二次硬化を180℃、4時間で実施し、得られた硬化物Tgは189.2℃であった。
【0095】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物のハンマー打撃試験評価方法」に従い評価したエポキシ樹脂硬化物の試験片は壊れなかった。
【0096】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物のデュロメータ硬さ測定方法」に従い測定したデュロメータ硬さは85HDDであった。
【0097】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「プリプレグの作製方法」に従ってプリプレグを作製した。これらのプリプレグを10cm角、厚さ約5mmとなるよう積層し、真空バッグ成形で一次硬化した。一次硬化の温度条件としては、室温から80℃まで40分で昇温し、80℃で5時間維持とした。一次硬化後の成形板は、脱型が十分可能な程度に硬化していた。一次硬化後の成形板をさらに送風乾燥炉内にフリースタンドで放置し、二次硬化を実施した。二次硬化の温度条件としては、室温から180℃まで3時間で昇温し、180℃で4時間維持し、さらに室温まで自然冷却とし、硬化成形板を得た。
【0098】
得られた10cm角、厚さ約5mmの硬化成形板について、上記の「エポキシ樹脂硬化物のハンマー打撃試験評価方法」に従い評価した硬化成形板の試験片は壊れなかった。
【実施例0099】
構成要素[A]としてjER154を35wt%、EPICLON N-775を30wt%、構成要素[A]以外のエポキシ樹脂としてEPICLON850を35wt%、構成要素[B]としてキュアゾールC17Zを3重量部用い、構成要素[B]以外としてヂシアンヂアミドを5重量部、構成要素[C]として無機充填剤(c)を10重量部用い、上記の「エポキシ樹脂組成物の調整方法」に従ってエポキシ樹脂を調製した。
【0100】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂組成物の粘度測定方法」に従い測定したエポキシ樹脂組成物の粘度は30℃において10000Pa・s以上200000Pa・s以下、80℃において300Pa・s以下、100℃において0.5Pa・s以上300Pa・s以下であった。
【0101】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物の作製方法」に従ってエポキシ樹脂硬化物を作製した。80℃、5時間の一次硬化後脱型し、脱型したままの状態での二次硬化を180℃、4時間で実施し、得られた硬化物Tgは188.0℃であった。
【0102】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物のハンマー打撃試験評価方法」に従い評価したエポキシ樹脂硬化物の試験片は壊れなかった。
【0103】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物のデュロメータ硬さ測定方法」に従い測定したデュロメータ硬さは83HDDであった。
【0104】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「プリプレグの作製方法」に従ってプリプレグを作製した。これらのプリプレグを10cm角、厚さ約5mmとなるよう積層し、真空バッグ成形で一次硬化した。一次硬化の温度条件としては、室温から80℃まで40分で昇温し、80℃で5時間維持とした。一次硬化後の成形板は、脱型が十分可能な程度に硬化していた。一次硬化後の成形板をさらに送風乾燥炉内にフリースタンドで放置し、二次硬化を実施した。二次硬化の温度条件としては、室温から180℃まで3時間で昇温し、180℃で4時間維持し、さらに室温まで自然冷却とし、硬化成形板を得た。
【0105】
得られた10cm角、厚さ約5mmの硬化成形板について、上記の「エポキシ樹脂硬化物のハンマー打撃試験評価方法」に従い評価した硬化成形板の試験片は壊れなかった。
【実施例0106】
構成要素[A]としてjER154を35wt%、EPICLON N-775を30wt%、構成要素[A]以外のエポキシ樹脂としてEPICLON850を35wt%、構成要素[B]としてキュアゾールC17Zを4重量部用い、構成要素[B]以外としてヂシアンヂアミドを6重量部、構成要素[C]として無機充填剤(c)を10重量部用い、上記の「エポキシ樹脂組成物の調整方法」に従ってエポキシ樹脂を調製した。
【0107】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂組成物の粘度測定方法」に従い測定したエポキシ樹脂組成物の粘度は30℃において10000Pa・s以上200000Pa・s以下、80℃において300Pa・s以下、100℃において0.5Pa・s以上300Pa・s以下であった。
【0108】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物の作製方法」に従ってエポキシ樹脂硬化物を作製した。80℃、5時間の一次硬化後脱型し、脱型したままの状態での二次硬化を180℃、4時間で実施し、得られた硬化物Tgは187.5℃であった。
【0109】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物のハンマー打撃試験評価方法」に従い評価したエポキシ樹脂硬化物の試験片は壊れなかった。
【0110】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物のデュロメータ硬さ測定方法」に従い測定したデュロメータ硬さは83HDDであった。
【0111】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「プリプレグの作製方法」に従ってプリプレグを作製した。これらのプリプレグを10cm角、厚さ約5mmとなるよう積層し、真空バッグ成形で一次硬化した。一次硬化の温度条件としては、室温から80℃まで40分で昇温し、80℃で5時間維持とした。一次硬化後の成形板は、脱型が十分可能な程度に硬化していた。一次硬化後の成形板をさらに送風乾燥炉内にフリースタンドで放置し、二次硬化を実施した。二次硬化の温度条件としては、室温から180℃まで3時間で昇温し、180℃で4時間維持し、さらに室温まで自然冷却とし、硬化成形板を得た。
【0112】
得られた10cm角、厚さ約5mmの硬化成形板について、上記の「エポキシ樹脂硬化物のハンマー打撃試験評価方法」に従い評価した硬化成形板の試験片は壊れなかった。
【実施例0113】
構成要素[A]としてEOCN-1020を45wt%、構成要素[A]以外のエポキシ樹脂としてEPICLON850を55wt%、構成要素[B]としてキュアゾールC17Zを5重量部用い、構成要素[B]以外としてヂシアンヂアミドを6重量部、構成要素[C]として無機充填剤(c)を10重量部用い、上記の「エポキシ樹脂組成物の調整方法」に従ってエポキシ樹脂を調製した。
【0114】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂組成物の粘度測定方法」に従い測定したエポキシ樹脂組成物の粘度は30℃において10000Pa・s以上200000Pa・s以下、80℃において300Pa・s以下、100℃において0.5Pa・s以上300Pa・s以下であった。
【0115】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物の作製方法」に従ってエポキシ樹脂硬化物を作製した。80℃、5時間の一次硬化後脱型し、脱型したままの状態での二次硬化を180℃、4時間で実施し、得られた硬化物Tgは182.3℃であった。
【0116】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物のハンマー打撃試験評価方法」に従い評価したエポキシ樹脂硬化物の試験片は壊れなかった。
【0117】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物のデュロメータ硬さ測定方法」に従い測定したデュロメータ硬さは84HDDであった。
【0118】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「プリプレグの作製方法」に従ってプリプレグを作製した。これらのプリプレグを10cm角、厚さ約5mmとなるよう積層し、真空バッグ成形で一次硬化した。一次硬化の温度条件としては、室温から80℃まで40分で昇温し、80℃で5時間維持とした。一次硬化後の成形板は、脱型が十分可能な程度に硬化していた。一次硬化後の成形板をさらに送風乾燥炉内にフリースタンドで放置し、二次硬化を実施した。二次硬化の温度条件としては、室温から180℃まで3時間で昇温し、180℃で4時間維持し、さらに室温まで自然冷却とし、硬化成形板を得た。
【0119】
得られた10cm角、厚さ約5mmの硬化成形板について、上記の「エポキシ樹脂硬化物のハンマー打撃試験評価方法」に従い評価した硬化成形板の試験片は壊れなかった。
【0120】
(比較例1)
構成要素[A]としてjER154を100wt%、構成要素[B]としてノバキュアHX-3742を30重量部用い、上記の「エポキシ樹脂組成物の調整方法」に従ってエポキシ樹脂を調製した。
【0121】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂組成物の粘度測定方法」に従い測定したエポキシ樹脂組成物の粘度は30℃において300Pa・s以下であり、フィルム化した樹脂フィルムを繊維基材に含浸させて得られるプリプレグのタックが過剰になり過ぎるため、プリプレグとして使用できるものではない。
【0122】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物の作製方法」に従ってエポキシ樹脂硬化物を作製しようとしたが、80℃、5時で一次硬化せず脱型することもできなかった。
【0123】
(比較例2)
構成要素[A]としてjER154を66.7wt%、構成要素[A]以外のエポキシ樹脂としてEPICLON850を33.3wt%、構成要素[B]としてキュアゾールC17Zを10重量部用い、構成要素[B]以外としてヂシアンヂアミドを6重量部用い、上記の「エポキシ樹脂組成物の調整方法」に従ってエポキシ樹脂を調製した。
【0124】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂組成物の粘度測定方法」に従い測定したエポキシ樹脂組成物の粘度は30℃において10000Pa・s以上200000Pa・s以下、80℃において300Pa・s以下、100℃において0.5Pa・s以上300Pa・s以下であった。
【0125】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物の作製方法」に従ってエポキシ樹脂硬化物を作製した。80℃、5時間の一次硬化後脱型し、脱型したままの状態での二次硬化を180℃、4時間で実施し、得られた硬化物Tgは185.0℃であった。
【0126】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物のハンマー打撃試験評価方法」に従い評価したエポキシ樹脂硬化物の試験片は壊れて割れた。
【0127】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物のデュロメータ硬さ測定方法」に従い測定したデュロメータ硬さは66HDDであった。
【0128】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「プリプレグの作製方法」に従ってプリプレグを作製した。これらのプリプレグを10cm角、厚さ約5mmとなるよう積層し、真空バッグ成形で一次硬化した。一次硬化の温度条件としては、室温から80℃まで40分で昇温し、80℃で5時間維持とした。一次硬化後の成形板は、脱型が十分可能な程度に硬化していた。一次硬化後の成形板をさらに送風乾燥炉内にフリースタンドで放置し、二次硬化を実施した。二次硬化の温度条件としては、室温から180℃まで3時間で昇温し、180℃で4時間維持し、さらに室温まで自然冷却とし、硬化成形板を得た。
【0129】
得られた10cm角、厚さ約5mmの硬化成形板について、上記の「エポキシ樹脂硬化物のハンマー打撃試験評価方法」に従い評価した硬化成形板の試験片の表層が剥離し割れた。
【0130】
(比較例3)
構成要素[A]としてjER154を33.3wt%、構成要素[A]以外のエポキシ樹脂としてEPICLON850を66.7wt%、構成要素[B]としてキュアゾールC11Zを3重量部用い、構成要素[B]以外としてヂシアンヂアミドを10重量部用い、上記の「エポキシ樹脂組成物の調整方法」に従ってエポキシ樹脂を調製した。
【0131】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂組成物の粘度測定方法」に従い測定したエポキシ樹脂組成物の粘度は30℃において10000Pa・s以上200000Pa・s以下、80℃において300Pa・s以下、100℃において0.5Pa・s以上300Pa・s以下であった。
【0130】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物の作製方法」に従ってエポキシ樹脂硬化物を作製した。80℃、5時間の一次硬化後脱型し、脱型したままの状態での二次硬化を180℃、4時間で実施し、得られた硬化物Tgは166.0℃であった。
【0132】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物のハンマー打撃試験評価方法」に従い評価したエポキシ樹脂硬化物の試験片は壊れて割れた。
【0133】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物のデュロメータ硬さ測定方法」に従い測定したデュロメータ硬さは69HDDであった。
【0134】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「プリプレグの作製方法」に従ってプリプレグを作製した。これらのプリプレグを10cm角、厚さ約5mmとなるよう積層し、真空バッグ成形で一次硬化した。一次硬化の温度条件としては、室温から80℃まで40分で昇温し、80℃で5時間維持とした。一次硬化後の成形板は、脱型が十分可能な程度に硬化していた。一次硬化後の成形板をさらに送風乾燥炉内にフリースタンドで放置し、二次硬化を実施した。二次硬化の温度条件としては、室温から180℃まで3時間で昇温し、180℃で4時間維持し、さらに室温まで自然冷却とし、硬化成形板を得た。
【0135】
得られた10cm角、厚さ約5mmの硬化成形板について、上記の「エポキシ樹脂硬化物のハンマー打撃試験評価方法」に従い評価した硬化成形板の試験片の表層が剥離し割れた。
【0137】
(比較例4)
構成要素[A]としてjER154を66.7wt%、構成要素[A]以外のエポキシ樹脂としてEPICLON850を33.3wt%、構成要素[B]としてキュアゾールC11Zを3重量部用い、構成要素[B]以外としてヂシアンヂアミドを10重量部用い、上記の「エポキシ樹脂組成物の調整方法」に従ってエポキシ樹脂を調製した。
【0138】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂組成物の粘度測定方法」に従い測定したエポキシ樹脂組成物の粘度は30℃において10000Pa・s以上200000Pa・s以下、80℃において300Pa・s以下、100℃において0.5Pa・s以上300Pa・s以下であった。
【0139】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物の作製方法」に従ってエポキシ樹脂硬化物を作製した。80℃、5時間の一次硬化後脱型し、脱型したままの状態での二次硬化を180℃、4時間で実施し、得られた硬化物Tgは109.5℃であった。
【0140】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物のハンマー打撃試験評価方法」に従い評価したエポキシ樹脂硬化物の試験片は壊れて割れた。
【0141】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物のデュロメータ硬さ測定方法」に従い測定したデュロメータ硬さは68HDDであった。
【0142】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「プリプレグの作製方法」に従ってプリプレグを作製した。これらのプリプレグを10cm角、厚さ約5mmとなるよう積層し、真空バッグ成形で一次硬化した。一次硬化の温度条件としては、室温から80℃まで40分で昇温し、80℃で5時間維持とした。一次硬化後の成形板は、脱型が十分可能な程度に硬化していた。一次硬化後の成形板をさらに送風乾燥炉内にフリースタンドで放置し、二次硬化を実施した。二次硬化の温度条件としては、室温から180℃まで3時間で昇温し、180℃で4時間維持し、さらに室温まで自然冷却とし、硬化成形板を得た。
【0143】
得られた10cm角、厚さ約5mmの硬化成形板について、上記の「エポキシ樹脂硬化物のハンマー打撃試験評価方法」に従い評価した硬化成形板の試験片の表層が剥離し割れた。
【0144】
(比較例5)
構成要素[A]としてjER154を30wt%、構成要素[A]以外のエポキシ樹脂としてEPICLON850を35wt%、jER1001を35wt%、構成要素[B]としてキュアゾールC17Zを10重量部用い、構成要素[B]以外としてヂシアンヂアミドを5重量部、構成要素[C]として無機充填剤(a)を15重量部用い、上記の「エポキシ樹脂組成物の調整方法」に従ってエポキシ樹脂を調製した。
【0145】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂組成物の粘度測定方法」に従い測定したエポキシ樹脂組成物の粘度は30℃において10000Pa・s以上200000Pa・s以下、80℃において300Pa・s以下、100℃において0.5Pa・s以上300Pa・s以下であった。
【0146】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物の作製方法」に従ってエポキシ樹脂硬化物を作製した。80℃、5時間の一次硬化後脱型し、脱型したままの状態での二次硬化を180℃、4時間で実施し、得られた硬化物Tgは146.1℃であった。
【0147】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物のハンマー打撃試験評価方法」に従い評価したエポキシ樹脂硬化物の試験片は壊れて割れた。
【0148】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物のデュロメータ硬さ測定方法」に従い測定したデュロメータ硬さは80HDDであった。
【0149】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「プリプレグの作製方法」に従ってプリプレグを作製した。これらのプリプレグを10cm角、厚さ約5mmとなるよう積層し、真空バッグ成形で一次硬化した。一次硬化の温度条件としては、室温から80℃まで40分で昇温し、80℃で5時間維持とした。一次硬化後の成形板は、脱型が十分可能な程度に硬化していた。一次硬化後の成形板をさらに送風乾燥炉内にフリースタンドで放置し、二次硬化を実施した。二次硬化の温度条件としては、室温から180℃まで3時間で昇温し、180℃で4時間維持し、さらに室温まで自然冷却とし、硬化成形板を得た。
【0150】
得られた10cm角、厚さ約5mmの硬化成形板について、上記の「エポキシ樹脂硬化物のハンマー打撃試験評価方法」に従い評価した硬化成形板の試験片の表層の樹脂に亀裂が入り割れた。
【0151】
(比較例6)
構成要素[A]としてjER154を40wt%、EPICLON N-775を25wt%、構成要素[A]以外のエポキシ樹脂としてEPICLON850を35wt%、構成要素[B]としてキュアゾールC17Zを5重量部用い、構成要素[B]以外としてヂシアンヂアミドを6重量部、構成要素[C]として無機充填剤(c)を5重量部用い、上記の「エポキシ樹脂組成物の調整方法」に従ってエポキシ樹脂を調製した。
【0152】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂組成物の粘度測定方法」に従い測定したエポキシ樹脂組成物の粘度は30℃において10000Pa・s以上200000Pa・s以下、80℃において300Pa・s以下、100℃において0.5Pa・s以上300Pa・s以下であった。
【0153】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物の作製方法」に従ってエポキシ樹脂硬化物を作製した。80℃、5時間の一次硬化後脱型し、脱型したままの状態での二次硬化を180℃、4時間で実施し、得られた硬化物Tgは184.6℃であった。
【0154】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物のハンマー打撃試験評価方法」に従い評価したエポキシ樹脂硬化物の試験片は壊れて割れた。
【0155】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物のデュロメータ硬さ測定方法」に従い測定したデュロメータ硬さは72HDDであった。
【0156】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「プリプレグの作製方法」に従ってプリプレグを作製した。これらのプリプレグを10cm角、厚さ約5mmとなるよう積層し、真空バッグ成形で一次硬化した。一次硬化の温度条件としては、室温から80℃まで40分で昇温し、80℃で5時間維持とした。一次硬化後の成形板は、脱型が十分可能な程度に硬化していた。一次硬化後の成形板をさらに送風乾燥炉内にフリースタンドで放置し、二次硬化を実施した。二次硬化の温度条件としては、室温から180℃まで3時間で昇温し、180℃で4時間維持し、さらに室温まで自然冷却とし、硬化成形板を得た。
【0157】
得られた10cm角、厚さ約5mmの硬化成形板について、上記の「エポキシ樹脂硬化物のハンマー打撃試験評価方法」に従い評価した硬化成形板の試験片の表層が剥離し割れた。
【0158】
(比較例7)
構成要素[A]としてjER154を40wt%、EPICLON N-775を30wt%、構成要素[A]以外のエポキシ樹脂としてEPICLON850を35wt%、構成要素[B]としてキュアゾールC17Zを5重量部用い、構成要素[B]以外としてヂシアンヂアミドを4重量部、構成要素[C]として無機充填剤(c)を5重量部用い、上記の「エポキシ樹脂組成物の調整方法」に従ってエポキシ樹脂を調製した。
【0159】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂組成物の粘度測定方法」に従い測定したエポキシ樹脂組成物の粘度は30℃において10000Pa・s以上200000Pa・s以下、80℃において300Pa・s以下、100℃において0.5Pa・s以上300Pa・s以下であった。
【0160】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物の作製方法」に従ってエポキシ樹脂硬化物を作製した。80℃、5時間の一次硬化後脱型し、脱型したままの状態での二次硬化を180℃、4時間で実施し、得られた硬化物Tgは186.2℃であった。
【0161】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物のハンマー打撃試験評価方法」に従い評価したエポキシ樹脂硬化物の試験片は壊れて割れた。
【0162】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物のデュロメータ硬さ測定方法」に従い測定したデュロメータ硬さは74HDDであった。
【0163】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「プリプレグの作製方法」に従ってプリプレグを作製した。これらのプリプレグを10cm角、厚さ約5mmとなるよう積層し、真空バッグ成形で一次硬化した。一次硬化の温度条件としては、室温から80℃まで40分で昇温し、80℃で5時間維持とした。一次硬化後の成形板は、脱型が十分可能な程度に硬化していた。一次硬化後の成形板をさらに送風乾燥炉内にフリースタンドで放置し、二次硬化を実施した。二次硬化の温度条件としては、室温から180℃まで3時間で昇温し、180℃で4時間維持し、さらに室温まで自然冷却とし、硬化成形板を得た。
【0164】
得られた10cm角、厚さ約5mmの硬化成形板について、上記の「エポキシ樹脂硬化物のハンマー打撃試験評価方法」に従い評価した硬化成形板の試験片の表層の樹脂に亀裂が入り割れた。
【0165】
(比較例8)
構成要素[A]としてjER154を37wt%、EPICLON N-775を28wt%、構成要素[A]以外のエポキシ樹脂としてEPICLON850を35wt%、構成要素[B]としてキュアゾールC17Zを12重量部用い、構成要素[B]以外としてヂシアンヂアミドを5重量部、構成要素[C]として無機充填剤(c)を5重量部用い、上記の「エポキシ樹脂組成物の調整方法」に従ってエポキシ樹脂を調製した。
【0166】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂組成物の粘度測定方法」に従い測定したエポキシ樹脂組成物の粘度は30℃において10000Pa・s以上200000Pa・s以下、80℃において300Pa・s以下、100℃において0.5Pa・s以上300Pa・s以下であった。
【0167】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物の作製方法」に従ってエポキシ樹脂硬化物を作製した。80℃、5時間の一次硬化後脱型し、脱型したままの状態での二次硬化を180℃、4時間で実施し、得られた硬化物Tgは156.6℃であった。
【0168】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物のハンマー打撃試験評価方法」に従い評価したエポキシ樹脂硬化物の試験片は壊れて割れた。
【0169】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物のデュロメータ硬さ測定方法」に従い測定したデュロメータ硬さは71HDDであった。
【0170】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「プリプレグの作製方法」に従ってプリプレグを作製した。これらのプリプレグを10cm角、厚さ約5mmとなるよう積層し、真空バッグ成形で一次硬化した。一次硬化の温度条件としては、室温から80℃まで40分で昇温し、80℃で5時間維持とした。一次硬化後の成形板は、脱型が十分可能な程度に硬化していた。一次硬化後の成形板をさらに送風乾燥炉内にフリースタンドで放置し、二次硬化を実施した。二次硬化の温度条件としては、室温から180℃まで3時間で昇温し、180℃で4時間維持し、さらに室温まで自然冷却とし、硬化成形板を得た。
【0171】
得られた10cm角、厚さ約5mmの硬化成形板について、上記の「エポキシ樹脂硬化物のハンマー打撃試験評価方法」に従い評価した硬化成形板の試験片の表層が剥離し割れた。
【0172】
(比較例9)
構成要素[A]としてjER154を35wt%、EPICLON N-775を30wt%、構成要素[A]以外のエポキシ樹脂としてEPICLON850を35wt%、構成要素[B]としてキュアゾールC17Zを0.5重量部用い、構成要素[B]以外としてヂシアンヂアミドを4重量部、構成要素[C]として無機充填剤(c)を5重量部用い、上記の「エポキシ樹脂組成物の調整方法」に従ってエポキシ樹脂を調製した。
【0173】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂組成物の粘度測定方法」に従い測定したエポキシ樹脂組成物の粘度は30℃において10000Pa・s以上200000Pa・s以下、80℃において300Pa・s以下、100℃において0.5Pa・s以上300Pa・s以下であった。
【0174】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物の作製方法」に従ってエポキシ樹脂硬化物を作製しようとしたが、80℃、5時で一次硬化していなかった。
【0175】
(比較例10)
構成要素[A]としてjER154を30wt%、構成要素[A]以外のエポキシ樹脂としてEPICLON850を35wt%、jER1001を35wt%、構成要素[B]としてキュアゾールC17Zを5重量部用い、構成要素[B]以外としてヂシアンヂアミドを6重量部、構成要素[C]として無機充填剤(c)を25重量部用い、上記の「エポキシ樹脂組成物の調整方法」に従ってエポキシ樹脂を調製した。
【0176】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂組成物の粘度測定方法」に従い測定したエポキシ樹脂組成物の粘度は100℃において300Pa・s以上であり、フィルム化した樹脂フィルムを繊維基材に含浸させることができず、プリプレグの樹脂フローを適切に抑制することができなかった。
【0177】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物の作製方法」に従ってエポキシ樹脂硬化物を作製した。80℃、5時間の一次硬化後脱型し、脱型したままの状態での二次硬化を180℃、4時間で実施し、得られた硬化物Tgは154.9℃であった。
【0178】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物のハンマー打撃試験評価方法」に従い評価したエポキシ樹脂硬化物の試験片は壊れて割れた。
【0179】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物のデュロメータ硬さ測定方法」に従い測定したデュロメータ硬さは83HDDであった。
【0180】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「プリプレグの作製方法」に従ってプリプレグを作製したが、樹脂粘度が高く、エポキシ樹脂組成物が未含侵となった。これらのプリプレグを10cm角、厚さ約5mmとなるよう積層し、真空バッグ成形で一次硬化した。一次硬化の温度条件としては、室温から80℃まで40分で昇温し、80℃で5時間維持とした。一次硬化後の成形板は、脱型が十分可能な程度に硬化していた。一次硬化後の成形板をさらに送風乾燥炉内にフリースタンドで放置し、二次硬化を実施した。二次硬化の温度条件としては、室温から180℃まで3時間で昇温し、180℃で4時間維持し、さらに室温まで自然冷却とし、硬化成形板を得たが、積層部分より剥離してしまい、CFRP成形品を作製するための反転型としては使用できないものであった。
【0181】
(比較例11)
構成要素[A]としてjER154を30wt%、構成要素[A]以外のエポキシ樹脂としてEPICLON850を35wt%、jER1001を35wt%、構成要素[B]としてキュアゾールC17Zを5重量部用い、構成要素[B]以外としてヂシアンヂアミドを6重量部、構成要素[C]として無機充填剤(c)を30重量部用い、上記の「エポキシ樹脂組成物の調整方法」に従ってエポキシ樹脂を調製した。
【0182】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物の作製方法」に従ってエポキシ樹脂硬化物を作製しようとしたところ、樹脂粘度が高く調製容器から排出できなかったため、エポキシ樹脂硬化物を作製できなかった。
【0183】
(比較例12)
構成要素[A]としてjER154を30wt%、構成要素[A]以外のエポキシ樹脂としてEPICLON850を35wt%、jER1001を35wt%、構成要素[B]としてキュアゾールC17Zを5重量部用い、構成要素[B]以外としてヂシアンヂアミド
い、上記の「エポキシ樹脂組成物の調整方法」に従ってエポキシ樹脂を調製した。
【0184】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂硬化物の作製方法」に従ってエポキシ樹脂硬化物を作製しようとしたところ、樹脂粘度が高く調製容器から排出できなかったため、エポキシ樹脂硬化物を作製できなかった。
【0185】
(比較例13)
構成要素[A]としてjER154を30wt%、構成要素[A]以外のエポキシ樹脂としてEPICLON850を35wt%、jER1001を35wt%、構成要素[B]としてキュアゾールC17Zを5重量部用い、構成要素[B]以外としてヂシアンヂアミド
用い、上記の「エポキシ樹脂組成物の調整方法」に従ってエポキシ樹脂を調製した。
【0186】
このエポキシ樹脂組成物について上記の「エポキシ樹脂組成物の粘度測定方法」に従い測定したエポキシ樹脂組成物の粘度は100℃において300Pa・s以上であり、フィルム化した樹脂フィルムを繊維基材に含浸させることができず、プリプレグの樹脂フローを適切に抑制することができなかった。また、得られたエポキシ樹脂組成物を、3週間程度室温保管していたところ、樹脂の硬化が進行していた。エポキシ樹脂組成物の樹脂寿命が短いことから、CFRP成形品を作製するための反転型として使用するプリプレグには適さないものであった。
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