(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113708
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】請求書処理装置、請求書処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/04 20120101AFI20240816BHJP
【FI】
G06Q30/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023018813
(22)【出願日】2023-02-10
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TENSORFLOW
(71)【出願人】
【識別番号】507384939
【氏名又は名称】Sansan株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115749
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 英和
(72)【発明者】
【氏名】柴野 亮
(72)【発明者】
【氏名】大西 真央
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB11
5L049BB11
(57)【要約】
【課題】従来、同一の請求書情報が重複して登録されることを防止できなかった。
【解決手段】請求書画像を含む請求書情報を受け付ける請求書受付部121と、請求書画像を含む1以上の登録請求書情報が格納される請求書格納部111を参照し、請求書受付部121が受け付けた請求書画像に対して、一致条件を満たす請求書画像が請求書格納部111に存在するか否かを判断する判断部131と、判断部131が一致条件を満たすと判断した場合に、同一の請求書の重複した登録を防止するための防止処理を行う防止部133と、判断部131が一致条件を満たさないと判断した場合に、請求書受付部121が受け付けた請求書画像を含む登録請求書情報を請求書格納部111に蓄積する登録部132とを具備する請求書処理装置1により、同一の請求書情報が重複して登録されることを防止できる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
請求書画像を含む請求書情報を受け付ける請求書受付部と、
請求書画像を含む1以上の登録請求書情報が格納される請求書格納部を参照し、前記請求書受付部が受け付けた前記請求書画像に対して、一致条件を満たす請求書画像が前記請求書格納部に存在するか否かを判断する判断部と、
前記判断部が一致条件を満たすと判断した場合に、同一の請求書の重複した登録を防止するための防止処理を行う防止部と、
前記判断部が一致条件を満たさないと判断した場合に、前記請求書受付部が受け付けた前記請求書画像を含む登録請求書情報を前記請求書格納部に蓄積する登録部とを具備する請求書処理装置。
【請求項2】
前記一致条件は、前記請求書格納部に格納されている前記登録請求書情報に含まれる請求書属性値と、前記請求書受付部が受け付けた前記請求書情報に対する請求書属性値とが、属性値一致条件を満たすことも含まれ、
前記判断部は、
前記請求書受付部が受け付けた前記請求書画像に対する請求書属性値を取得し、当該請求書属性値と前記請求書格納部の前記登録請求書情報が有する請求書属性値とが前記属性値一致条件を満たすか否かを判断する属性値判断処理を行う請求項1記載の請求書処理装置。
【請求項3】
前記請求書属性値は登録日であり、
当該登録日の属性値一致条件は、前記請求書格納部に格納されている前記登録請求書情報の登録日と、前記請求書受付部が受け付けた前記請求書情報に対する登録日とが、近似条件を満たすことも含まれ、
前記登録部は、
前記請求書画像の登録日を含む請求書情報を前記請求書格納部に蓄積し、
前記判断部は、
前記請求書受付部が受け付けた前記請求書画像に対する登録日を取得し、当該登録日と前記請求書格納部の前記登録請求書情報が有する登録日とが前記近似条件を満たすか否かを判断する登録日判断処理を行う請求項2記載の請求書処理装置。
【請求項4】
ユーザ識別子に対応付けて、属性値一致条件が管理されており、
前記請求書受付部が受け付ける前記請求書情報は、ユーザ識別子に対応付いており、
前記判断部は、
前記請求書受付部が受け付けた前記請求書情報に対応付く前記ユーザ識別子に対応する属性値一致条件を取得し、当該属性値一致条件を満たすか否かを判断する請求項2または請求項3記載の請求書処理装置。
【請求項5】
前記請求書属性値は相手先情報または金額情報であり、
前記属性値一致条件は、前記請求書格納部に格納されている前記登録請求書情報に含まれる相手先情報または金額情報と、前記請求書受付部が受け付けた前記請求書情報に対する相手先情報または金額情報とが、一致することも含まれ、
前記請求書格納部の前記請求書情報は、相手先情報または金額情報を有し、
前記判断部は、
前記請求書受付部が受け付けた前記請求書情報に対する相手先情報または金額情報を取得し、当該相手先情報または当該金額情報と前記請求書格納部の前記登録請求書情報が有する相手先情報または金額情報とが一致するか否かを判断する判断処理を行う請求項2記載の請求書処理装置。
【請求項6】
前記判断部は、
前記請求書受付部が受け付けた前記請求書画像と、前記請求書格納部の前記登録請求書情報が有する前記請求書画像とが類似するか否かを判断する画像判断処理を行う請求項1から請求項5いずれか一項に記載の請求書処理装置。
【請求項7】
前記防止部は、
前記判断部が一致条件を満たすと判断した場合に、同一の請求書の重複した登録を防止するための警告情報を出力する警告処理を行う請求項1から請求項6いずれか一項に記載の請求書処理装置。
【請求項8】
前記防止部は、
前記判断部が一致条件を満たすと判断した場合に、前記請求書受付部が受け付けた請求書情報、または当該請求書情報に対して前記一致条件を満たすと判断された前記請求書格納部の前記登録請求書情報を削除する削除処理を行う請求項1から請求項7いずれか一項に記載の請求書処理装置。
【請求項9】
前記防止部は、
前記判断部が一致条件を満たすと判断した場合に、前記請求書受付部が受け付けた請求書情報、または当該請求書情報に対して前記一致条件を満たすと判断された前記請求書格納部の前記登録請求書情報に対する選択を受け付け、当該選択に対応する請求書情報を削除する削除処理を行う請求項8記載の請求書処理装置。
【請求項10】
請求書画像を含む1以上の登録請求書情報が格納される請求書格納部と、請求書受付部と、判断部と、防止部と、登録部とにより実現される請求書処理方法であって、
前記請求書受付部が、請求書画像を含む請求書情報を受け付ける請求書受付ステップと、
前記判断部が、前記請求書格納部を参照し、前記請求書受付部が受け付けた前記請求書画像に対して、一致条件を満たす請求書画像が前記請求書格納部に存在するか否かを判断する判断ステップと、
前記防止部が、前記判断ステップで一致条件を満たすと判断された場合に、同一の請求書の重複した登録を防止するための防止処理を行う防止ステップと、
前記登録部が、前記判断ステップで一致条件を満たさないと判断された場合に、前記請求書受付部が受け付けた前記請求書画像を含む登録請求書情報を前記請求書格納部に蓄積する登録ステップとを具備する請求書処理方法。
【請求項11】
請求書画像を含む1以上の登録請求書情報が格納される請求書格納部にアクセス可能なコンピュータを、
請求書画像を含む請求書情報を受け付ける請求書受付部と、
前記請求書格納部を参照し、前記請求書受付部が受け付けた前記請求書画像に対して、一致条件を満たす請求書画像が前記請求書格納部に存在するか否かを判断する判断部と、
前記判断部が一致条件を満たすと判断した場合に、同一の請求書の重複した登録を防止するための防止処理を行う防止部と、
前記判断部が一致条件を満たさないと判断した場合に、前記請求書受付部が受け付けた前記請求書画像を含む登録請求書情報を前記請求書格納部に蓄積する登録部として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求書情報を処理する請求書処理装置等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、請求書画像データを管理するための請求書データ管理装置があった(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術においては、同一の請求書情報が重複して登録されることを防止できなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本第一の発明の請求書処理装置は、請求書画像を含む請求書情報を受け付ける請求書受付部と、請求書画像を含む1以上の登録請求書情報が格納される請求書格納部を参照し、請求書受付部が受け付けた請求書画像に対して、一致条件を満たす請求書画像が請求書格納部に存在するか否かを判断する判断部と、判断部が一致条件を満たすと判断した場合に、同一の請求書の重複した登録を防止するための防止処理を行う防止部と、判断部が一致条件を満たさないと判断した場合に、請求書受付部が受け付けた請求書画像を含む登録請求書情報を請求書格納部に蓄積する登録部とを具備する請求書処理装置である。
【0006】
かかる構成により、同一の請求書情報が重複して登録されることを防止できる。
【0007】
また、本第二の発明の請求書処理装置は、第一の発明に対して、一致条件は、請求書格納部に格納されている登録請求書情報に含まれる請求書属性値と、請求書受付部が受け付けた請求書情報に対する請求書属性値とが、属性値一致条件を満たすことも含まれ、判断部は、請求書受付部が受け付けた請求書画像に対する請求書属性値を取得し、請求書属性値と請求書格納部の登録請求書情報が有する請求書属性値とが属性値一致条件を満たすか否かを判断する属性値判断処理を行う請求書処理装置である。
【0008】
かかる構成により、同一の請求書情報が重複して登録されることを適切に防止できる。
【0009】
また、本第三の発明の請求書処理装置は、第二の発明に対して、請求書属性値は登録日であり、登録日の属性値一致条件は、請求書格納部に格納されている登録請求書情報の登録日と、請求書受付部が受け付けた請求書情報に対する登録日とが、近似条件を満たすことも含まれ、登録部は、請求書画像の登録日を含む請求書情報を請求書格納部に蓄積し、判断部は、請求書受付部が受け付けた請求書画像に対する登録日を取得し、登録日と請求書格納部の登録請求書情報が有する登録日とが近似条件を満たすか否かを判断する登録日判断処理を行う請求書処理装置である。
【0010】
かかる構成により、同一の請求書情報が重複して登録されることを適切に防止できる。
【0011】
また、本第四の発明の請求書処理装置は、第二または第三の発明に対して、ユーザ識別子に対応付けて、属性値一致条件が管理されており、請求書受付部が受け付ける請求書情報は、ユーザ識別子に対応付いており、判断部は、請求書受付部が受け付けた請求書情報に対応付くユーザ識別子に対応する属性値一致条件を取得し、属性値一致条件を満たすか否かを判断する請求書処理装置である。
【0012】
かかる構成により、同一の請求書情報が重複して登録されることを適切に防止できる。
【0013】
また、本第五の発明の請求書処理装置は、第二の発明に対して、請求書属性値は相手先情報または金額情報であり、属性値一致条件は、請求書格納部に格納されている登録請求書情報に含まれる相手先情報または金額情報と、請求書受付部が受け付けた請求書情報に対する相手先情報または金額情報とが、一致することも含まれ、請求書格納部の請求書情報は、相手先情報または金額情報を有し、判断部は、請求書受付部が受け付けた請求書情報に対する相手先情報または金額情報を取得し、相手先情報または金額情報と請求書格納部の登録請求書情報が有する相手先情報または金額情報とが一致するか否かを判断する判断処理を行う請求書処理装置である。
【0014】
かかる構成により、同一の請求書情報が重複して登録されることを適切に防止できる。
【0015】
また、本第六の発明の請求書処理装置は、第一から第五いずれか1つの発明に対して、判断部は、請求書受付部が受け付けた請求書画像と、請求書格納部の登録請求書情報が有する請求書画像とが類似するか否かを判断する画像判断処理を行う請求書処理装置である。
【0016】
かかる構成により、同一の請求書情報が重複して登録されることを適切に防止できる。
【0017】
また、本第七の発明の請求書処理装置は、第一から第六いずれか1つの発明に対して、防止部は、判断部が一致条件を満たすと判断した場合に、同一の請求書の重複した登録を防止するための警告情報を出力する警告処理を行う請求書処理装置である。
【0018】
かかる構成により、同一の請求書情報が重複して登録されることを適切に防止できる。
【0019】
また、本第八の発明の請求書処理装置は、第一から第七いずれか1つの発明に対して、防止部は、判断部が一致条件を満たすと判断した場合に、請求書受付部が受け付けた請求書情報、または請求書情報に対して一致条件を満たすと判断された請求書格納部の登録請求書情報を削除する削除処理を行う請求書処理装置である。
【0020】
かかる構成により、同一の請求書情報が重複して登録されることを適切に防止できる。
【0021】
また、本第九の発明の請求書処理装置は、第八の発明に対して、防止部は、判断部が一致条件を満たすと判断した場合に、請求書受付部が受け付けた請求書情報、または請求書情報に対して一致条件を満たすと判断された請求書格納部の登録請求書情報に対する選択を受け付け、選択に対応する請求書情報を削除する削除処理を行う請求書処理装置である。
【0022】
かかる構成により、同一の請求書情報が重複して登録されることを適切に防止できる。
【発明の効果】
【0023】
本発明による請求書処理装置によれば、同一の請求書情報が重複して登録されることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】実施の形態1における情報システムAの概念図
【
図3】同請求書処理装置1の動作例について説明するフローチャート
【
図4】同判断処理の例について説明するフローチャート
【
図5】同請求書情報構成処理の例について説明するフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、請求書処理装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
【0026】
(実施の形態1)
本実施の形態において、受け付けた請求書画像を含む請求書上場と、既に蓄積されている請求書画像を含む請求書上場との一致条件を検査し、一致条件を満たす場合に、重複した請求書情報の登録の解消のための処理を行う請求書処理装置について説明する。
【0027】
また、本実施の形態において、登録日、相手先、金額等の1以上の請求書属性値も使用して一致条件の検査を行う請求書処理装置について説明する。
【0028】
さらに、本実施の形態において、ユーザに対応した2以上の属性値一致条件を管理する請求書処理装置について説明する。
【0029】
なお、本明細書において、情報Xが情報Yに対応付いていることは、情報Xから情報Yを取得できること、または情報Yから情報Xを取得できることであり、その対応付けの方法は問わない。情報Xと情報Yとがリンク付いていても良いし、同じバッファに存在していても良いし、情報Xが情報Yに含まれていても良いし、情報Yが情報Xに含まれている等でも良い。
【0030】
図1は、本実施の形態における情報システムAの概念図である。情報システムAは、請求書処理装置1、1または2以上のユーザ端末2、および1または2以上の作業者端末3を備える。
【0031】
請求書処理装置1は、請求書情報を受け付け、管理する装置である。請求書処理装置1は、例えば、クラウドサーバ、ASPサーバであるが、その種類は問わない。
【0032】
ユーザ端末2は、請求書情報を送信するユーザが使用する端末である。ユーザ端末2は、請求書情報の送信元または送信先のユーザが使用する端末である。ユーザ端末2は、いわゆるパソコン、スマートフォン、タブレット端末であるが、その種類は問わない。ユーザは通常、請求書を発行するユーザである。
【0033】
作業者端末3は、作業者が使用する端末である。作業者とは、郵送された請求書用紙に基づいて請求書情報を入力する者である。作業者端末3は、いわゆるパソコン、スマートフォン、タブレット端末であるが、その種類は問わない。
【0034】
図2は、本実施の形態における情報システムAのブロック図である。請求書処理装置1は、格納部11、受付部12、処理部13、および出力部14を備える。
【0035】
格納部11は、請求書格納部111を備える。受付部12は、請求書受付部121を備える。請求書受付部121は、例えば、第一受付手段1211、第二受付手段1212、および第三受付手段1213を備える。処理部13は、判断部131、登録部132、および防止部133を備える。
【0036】
請求書処理装置1を構成する格納部11には、各種の情報が格納される。各種の情報は、例えば、後述する登録請求書情報である。
【0037】
請求書格納部111には、1または2以上の登録請求書情報が格納される。登録請求書情報とは、請求書格納部111に登録された請求書情報である。請求書情報とは、請求書に関する情報である。請求書情報とは、請求書の情報である。請求書情報は、請求書画像、および1または2以上の請求書属性値を有する。登録請求書情報には、通常、請求書識別子が対応付いている。請求書識別子とは、登録請求書情報を識別する情報である。請求書識別子は、例えば、IDである。
【0038】
請求書属性値とは、請求書に関する属性値である。請求書属性値は、例えば、登録日、発行日、金額、支払期日、取引先である。請求書属性値は、例えば、ルート識別子である。
【0039】
登録日とは、請求書情報が請求書格納部111に登録された日である。登録日とは、請求書情報が受け付けられた日でも良い。発行日とは、請求書が発行された日である。金額は、請求金額である。支払期日は、請求金額の支払いの期日である。取引先とは、請求先であり、例えば、会社名である。ルート識別子とは、請求書情報が送信されたルートを識別する情報である。ルート識別子は、例えば、「ウェブ」「電子メール」「郵送」である。ルート識別子「ウェブ」は、請求書情報がアプリケーションや特定のウェブページに対する入力であることである。ルート識別子「電子メール」は、請求書情報が電子メールにより送信されたことである。電子メール「郵送」は、請求書情報が、郵送された請求書用紙をスキャンした結果の請求書画像を復句情報であることである。
【0040】
請求書格納部111の各請求書情報は、例えば、管理情報に対応付けて格納されている。管理情報は、送付元識別子と送付先識別子との組である。
【0041】
送付元識別子は、請求書の送付元を識別する情報である。請求書の送付元とは、請求書の発行側である、と言える。送付元識別子は、請求書の発行元を特定する情報である、と考えても良い。送付元識別子は、例えば、請求書の発行元の会社名と担当者名、請求書の発行元の会社名と部署名、請求書の発行元の会社識別子と担当者識別子、請求書の発行元の会社識別子と部署識別子である。送付元識別子は、例えば、請求書の発行元の会社識別子だけでも良い。
【0042】
送付先識別子は、請求書の送付先を識別する情報である。請求書の送付先とは、請求先である、と言える。送付先識別子は、請求されている側を特定する情報である、と考えても良い。送付元識別子は、例えば、請求される側の会社名と担当者名、請求される側の会社名と部署名、請求される側の会社識別子と担当者識別子、請求される側の会社識別子と部署識別子である。送付先識別子は、請求される側の会社識別子だけでも良い。1
【0043】
なお、請求書格納部111は、通常、請求書処理装置1が具備するが、外部の装置が具備しても良い。
【0044】
受付部12は、各種の情報や指示を受け付ける。各種の情報や指示は、例えば、請求書情報、請求書情報の出力指示である。
【0045】
受付部12は、例えば、ユーザ端末2または作業者端末3から請求書情報を受信する。受付部12は、例えば、ウェブアプリ(ウェブページにおけるアプリケーションでも良い)から入力された請求書情報を受信する。受付部12は、例えば、電子メールにより、請求書情報を受信する。つまり、受付部12が請求書情報を受け付けるルートは、2または3以上であることは好適である。受付部12が請求書情報を受け付けるルートは、例えば、ウェブアプリを利用したユーザ端末2からのルートである「ウェブ」、電子メールを利用したユーザ端末2からのルートである「電子メール」、または郵送された請求書をスキャンした請求書画像を含む請求書情報を送信する作業者端末3からのルートである「郵送」である。つまり、ユーザは、ウェブ経由でも、電子メール経由でも、郵送経由でも、請求書情報を請求書格納部111に蓄積できることは好適である。
【0046】
ここでは、受け付けとは、通常、有線もしくは無線の通信回線を介して送信された情報の受信である。
【0047】
なお、請求書処理装置1がスタンドアロンの装置である場合、受け付けとは、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力デバイスから入力された情報の受け付け、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなどの記録媒体から読み出された情報の受け付けなどを含む概念であっても良い。
【0048】
請求書受付部121は、請求書画像を含む請求書情報を受け付ける。請求書受付部121は、通常、ユーザ端末2または作業者端末3から請求書情報を受信する。請求書受付部121は、例えば、インターネットを経由して、または電子メールにより、または郵送された請求書用紙に基づく請求書情報を受け付ける。インターネットを経由する場合のルートのルート識別子は、例えば、「Web」である。電子メールによるルートのルート識別子は、例えば、「電子メール」である。郵送された請求書用紙のルートのルート識別子は、例えば、「郵送」である。
【0049】
第一受付手段1211は、ユーザ端末2から請求書情報を受信する。第一受付手段1211は、通常、インターネットを経由して、請求書情報を受信する。第一受付手段1211は、通常、ユーザ端末2からアップロードされた請求書情報を受信する。かかる請求書情報の入力者は、通常、請求書の発行者(発行元の組織の担当者)である。ここでの請求書情報は、例えば、ユーザ端末2の画面から入力された情報である。請求書情報は、例えば、ユーザ端末2からアップロードされたファイルである。第一受付手段1211は、請求書情報に加えて、送付元識別子、送付先識別子を受信しても良い。また、請求書情報がファイルである場合、第一受付手段1211は、例えば、請求書情報の中の情報の文字列(例えば、請求書の宛先、請求金額、請求書の送付元など)をも、請求書情報に加えて、受信しても良い。なお、請求書のファイルは、PDFが好適であるが、ファイルの形式、構造は問わない。第一受付手段1211がユーザ端末2から請求書情報を受信するルートのルート識別子は「Web」である。
【0050】
第二受付手段1212は、電子メールにより請求書情報を受信する。かかる請求書情報の入力者は、通常、請求書の発行者である。また、かかる請求書情報は、通常、添付ファイルであるが、メールの本文中に記載されている情報でも良い。電子メールは、通常、請求書情報に加えて、タイトル、本文情報を有する。第二受付手段1212は、例えば、電子メールのアドレスごとに、予め決められたメールボックスの記憶領域(図示しない)を検査し、電子メールが存在するか否かを判断し、電子メールが存在する場合は、当該電子メールをメールボックスから取得する。第二受付手段1212が請求書情報を受信するルートのルート識別子は「電子メール」である。
【0051】
なお、作業者端末3の請求書情報等を入力するウェブページまたはアプリと、送付元のユーザ端末2の請求書情報等を入力するウェブページまたはアプリとは、異なることが好適であるが、同じでも良い。同じである場合、入力するユーザのユーザ識別子により、ユーザが送付元か作業者かを区別できても良いし、受信された情報の中にルート識別子が含まれていても良い。つまり、請求書処理装置1は、請求書情報を受信する場合に、ルート識別子を取得できることは好適である。
【0052】
第三受付手段1213は、郵送された請求書用紙に基づく請求書情報を受け付ける。かかる請求書情報の入力者は、通常、請求書の発行者ではなく、請求書用紙が郵送された先の作業者である。かかる作業者の請求書情報の入力方法は問わない。請求書情報は、ファイルでも良いし、文字列の集合でも良く、その構造は問わない。作業者は、例えば、作業者端末3を用いて、請求書用紙から作成した請求書情報であるファイルを、請求書処理装置1にアップロードする。第三受付手段1213は、例えば、請求書情報の中の情報の文字列(例えば、請求書の宛先、請求金額、請求書の送付元など)をも、請求書情報に加えて、受信しても良い。第三受付手段1213が請求書情報を受け付けるルートのルート識別子は「郵送」である。
【0053】
処理部13は、各種の処理を行う。各種の処理は、例えば、判断部131、登録部132、防止部133が行う処理である。
【0054】
判断部131は、請求書格納部111を参照し、請求書受付部121が受け付けた請求書画像に対して、一致条件を満たす請求書画像が請求書格納部111に存在するか否かを判断する。つまり、判断部131は、請求書受付部121が受け付けた請求書情報の元になる請求書と同じ請求書に対する登録請求書情報が請求書格納部111に存在するか否かを判断する。
【0055】
一致条件とは、二つの領収書情報が一致するための条件である。一致条件は、画像類似条件を含む。一致条件は、1または2以上の属性値一致条件を含むことは好適である。属性値一致条件とは、請求書受付部121が受け付けた請求書画像に対応する請求書属性値と、請求書格納部111の登録請求書情報が有する請求書属性値とが一致または近似するための条件である。属性値一致条件は、例えば、2つの請求書情報に対する登録日が近似すること、2つの請求書情報に対する相手先情報が一致すること、2つの請求書情報に対する金額情報が一致することである。なお、相手先情報とは、請求の相手先の情報であり、例えば、請求の相手先の会社名である。また、金額情報は、単に、金額と言っても良い。
【0056】
判断部131は、請求書受付部121が受け付けた請求書画像と、請求書格納部111の登録請求書情報が有する請求書画像とが類似するか否かを判断する画像判断処理を行う。なお、2つの請求書画像が類似することは、画像類似条件を満たすことである。
【0057】
判断部131は、例えば、請求書受付部121が受け付けた請求書画像に対する1以上の各請求書属性値を取得し、請求書属性値と請求書格納部111の登録請求書情報が有する1以上の各請求書属性値とが属性値一致条件を満たすか否かを判断する属性値判断処理を行う。
【0058】
判断部131は、1または2以上の請求書属性値に対する属性値判断処理を行い、属性値一致条件を満たすと判断した場合のみ、画像判断処理を行うことは好適である。判断部131の判断処理に高速化のためである。
【0059】
判断部131は、例えば、請求書受付部121が受け付けた請求書情報に対応付くユーザ識別子に対応する属性値一致条件を取得し、属性値一致条件を満たすか否かを判断する。なお、ここでのユーザ識別子は、請求書情報を送付する側の識別子である。ここでのユーザ識別子は、送付元識別子である。つまり、ユーザに応じて、属性値一致条件が異なることは好適である。
【0060】
判断部131は、通常、画像判断処理を行う。判断部131は、1または2以上の各請求書属性値に対する属性値判断処理を行うことは好適である。
(1)画像判断処理について
【0061】
画像判断処理は、例えば、以下のアルゴリズムのうちのいずれかにより行うが、そのアルゴリズムは問わない。
(1-1)画像の類似度による方法
【0062】
判断部131は、例えば、請求書受付部121が受け付けた請求書画像から2以上の画像の特徴量を取得し、各特徴量を要素とする特徴量ベクトルを構成する。次に、判断部131は、例えば、請求書格納部111の1以上の各登録請求書情報が有する請求書画像から取得された特徴量ベクトルと、受け付けた請求書画像から取得した特徴量ベクトルとの類似度を算出する。そして、判断部131は、例えば、類似度が閾値以上または閾値より大きな特徴量ベクトルに対応する登録請求書情報が請求書格納部111に存在するか否かを判断し、存在する場合には判断結果「重複する」を取得し、存在しない場合には判断結果「重複しない」を取得する。判断部131は、例えば、判断結果「重複する」を取得した場合、当該判断結果に対応する登録請求書情報の識別子である請求書識別子を取得する。
(1-2)機械学習の予測処理による方法
(1-2-1)請求書画像をそのまま用いる場合
【0063】
判断部131は、例えば、請求書受付部121が受け付けた請求書画像と、請求書格納部111の1以上の各登録請求書情報が有する請求書画像と、学習モデルとを、機械学習の予測モジュールに与え、当該予測モジュールを実行し、類似するか否かの予測結果を取得する。そして、類似すると予測結果が存在した場合、判断部131は、当該予測結果に対応する登録請求書情報の識別子である請求書識別子を取得する。
【0064】
なお、学習モデルとは、機械学習の学習処理により構成された情報であり、機械学習の予測処理に使用される情報である。ここでの学習モデルは、同一の請求書(用紙)の画像である2つの請求書画像からなる1以上の正例である教師データと、異なる請求書(用紙)の画像である2つの請求書画像からなる1以上の負例である教師データとを機械学習の学習モジュールに与え、当該学習モジュールを実行し、取得された情報である。なお、学習モデルは、学習器、分類器、分類モデル等と言っても良い。また、機械学習のアルゴリズムは、深層学習、ランダムフォレスト、決定木、SVM等、問わない。また、機械学習には、例えば、TensorFlowのライブラリ、R言語のrandom forestのモジュール、fastText、TinySVM等の各種の機械学習の関数や、種々の既存のライブラリを用いることができる。
(1-2-2)請求書画像の特徴量ベクトルを用いる場合
【0065】
判断部131は、例えば、請求書受付部121が受け付けた請求書画像から特徴量ベクトルを取得し、当該特徴量ベクトルと、請求書格納部111の1以上の各登録請求書情報が有する請求書画像から取得された特徴量ベクトルと、学習モデルとを、機械学習の予測モジュールに与え、当該予測モジュールを実行し、類似するか否かの予測結果を取得する。そして、類似すると予測結果が存在した場合、判断部131は、当該予測結果に対応する登録請求書情報の識別子である請求書識別子を取得する。なお、機械学習については、上述したので、ここでの説明は省略する。かかる場合、請求書格納部111の1以上の各登録請求書情報に対応付けて、登録請求書情報が有する請求書画像の特徴量ベクトルが格納されていることは好適である。
(2)属性値判断処理について
(2-1)登録日を用いる場合
【0066】
判断部131は、請求書受付部121が受け付けた請求書画像に対する登録日を取得し、当該登録日と請求書格納部111の1以上の各登録請求書情報が有する登録日とが近似条件を満たすか否かを判断する登録日判断処理を行う。なお、近似条件は、登録日の差異が閾値以内または閾値より小さいことである。また、判断部131は、登録日判断処理の結果、近似条件を満たす登録請求書情報の請求書識別子を取得する。
【0067】
なお、判断部131は、例えば、図示しない時計から本日の日付である登録日を取得する。また、判断部131は、例えば、請求書受付部121が受け付けた請求書情報が有する登録日を取得する。また、判断部131は、例えば、請求書受付部121が受け付けた請求書情報が有する請求書画像に対して文字認識処理を行い、請求日を取得し、当該請求日を登録日とする。判断部131が請求書受付部121が受け付けた請求書画像に対する登録日を取得する方法は問わない。
(2-2)相手先情報を用いる場合
【0068】
判断部131は、請求書受付部121が受け付けた請求書情報に対する相手先情報を取得し、当該相手先情報と請求書格納部111の1以上の各登録請求書情報が有する相手先情報とが一致するか否かを判断する相手先判断処理を行う。判断部131は、相手先判断処理の結果、一致すると判断した登録請求書情報の請求書識別子を取得する。なお、相手先情報は、例えば、送信先識別子が有する会社名である。送信先識別子とは、請求先を識別する情報である。
(2-3)金額情報を用いる場合
【0069】
判断部131は、請求書受付部121が受け付けた請求書情報に対する金額情報を取得し、当該金額情報と請求書格納部111の登録請求書情報が有する金額情報とが一致するか否かを判断する金額判断処理を行う。判断部131は、金額判断処理の結果、一致すると判断した登録請求書情報の請求書識別子を取得する。
(2-4)支払期日を用いる場合
【0070】
判断部131は、請求書受付部121が受け付けた請求書情報に対する支払期日を取得し、当該金額情報と請求書格納部111の登録請求書情報が有する支払期日とが一致するか否かを判断する支払期日判断処理を行う。判断部131は、支払期日判断処理の結果、一致すると判断した登録請求書情報の請求書識別子を取得する。
【0071】
なお、判断部131は、例えば、請求書受付部121が受け付けた請求書情報が有する支払期日を取得する。判断部131は、例えば、請求書受付部121が受け付けた請求書情報が有する請求書画像に対して文字認識処理を行い、支払期日を取得する。
【0072】
登録部132は、判断部131が一致条件を満たさないと判断した場合に、請求書受付部121が受け付けた請求書画像を含む登録請求書情報を請求書格納部111に蓄積する。
【0073】
登録部132は、判断部131が一致条件を満たさないと判断した場合に、請求書受付部121が受け付けた請求書画像を含む登録請求書情報を取得し、当該請求書画像を含む登録請求書情報を構成する。登録請求書情報は、請求書受付部121が受け付けた請求書情報をすべて含んでも良いし、請求書画像のみを含んでも良い。
【0074】
登録部132は、判断部131が一致条件を満たさないと判断した場合に、請求書受付部121が受け付けた請求書画像に対して文字認識処理を行い、金額情報、相手先情報、支払期日等を取得する。次に、登録部132は、請求書受付部121が受け付けた請求書画像、取得した金額情報、相手先情報、および支払期日等の請求書属性値を有する登録請求書情報を構成する。次に、登録部132は、ユニークな請求書識別子を取得し、当該請求書識別子に対応付けて、構成した登録請求書情報を請求書格納部111に蓄積する。
【0075】
防止部133は、判断部131が一致条件を満たすと判断した場合に、同一の請求書の重複した登録を防止するための防止処理を行う。
【0076】
防止処理は、例えば、後述する警告処理、後述する削除処理である。防止処理は、例えば、後述する選択メニューを構成し、送信する処理である。防止処理は、請求書情報を登録しない(何もしない)ことを含んでも良い。
【0077】
防止部133は、判断部131が一致条件を満たすと判断した場合に、同一の請求書の重複した登録を防止するための警告情報を出力する警告処理を行う。警告情報は、例えば、「送信した請求書情報が既に登録されている旨の情報」「請求書の二重登録の可能性がある旨の情報」である。ただし、警告情報の内容は問わない。なお、警告情報の出力とは、通常、警告情報の送信である。警告情報の出力先は、例えば、請求書情報を送信したユーザ端末2または作業者端末3である。
【0078】
防止部133は、判断部131が一致条件を満たすと判断した場合に、請求書受付部121が受け付けた請求書情報、または請求書情報に対して一致条件を満たすと判断された請求書格納部111の登録請求書情報を削除する削除処理を行う。
【0079】
防止部133は、判断部131が一致条件を満たすと判断した場合に、請求書受付部121が受け付けた請求書情報、または請求書情報に対して一致条件を満たすと判断された請求書格納部111の登録請求書情報に対する選択のための選択メニューを構成し、当該選択メニューを出力し、当該選択メニューに対する選択を受け付け、当該選択に対応する請求書情報を削除する削除処理を行う。
【0080】
防止部133は、例えば、受信された請求書情報に対応する登録請求書情報を請求書格納部111から削除し、受信された請求書情報に対応する登録請求書情報を新たに構成し、当該新たな登録請求書情報を請求書格納部111に蓄積する。
【0081】
出力部14は、各種の情報を出力する。ここで、出力とは、通常、ユーザ端末2または作業者端末3への送信であるが、ディスプレイやスピーカー等の出力デバイスへの出力でも良い。
【0082】
ユーザ端末2は、ユーザから受け付けた請求書情報をウェブ経由または電子メールにより、請求書処理装置1に送信する。そして、ユーザ端末2は、当該請求書情報の送信に応じて、請求書処理装置1から請求書情報が登録された旨を受信する。
【0083】
また、ユーザ端末2が送信した請求書情報と同一の請求書情報が既に登録されている場合、請求書処理装置1から選択メニューを受信する。そして、当該選択メニューのうちの一の請求書情報の選択を受け付け、当該選択を請求書処理装置1に送信する。なお、選択は、登録請求書情報または送信した請求書情報のうちの一の請求書情報を特定する情報である。
【0084】
作業者端末3は、ユーザから郵送された請求書(用紙)をスキャンし、請求書画像を取得し、当該請求書画像を含む請求書情報を作成した作業者から、請求書情報の送信指示を受け付け、当該請求書情報を請求書処理装置1に送信する。そして、ユーザ端末2は、当該請求書情報の送信に応じて、請求書処理装置1から請求書情報が登録された旨を受信する。
【0085】
また、作業者端末3が送信した請求書情報と同一の請求書情報が既に登録されている場合、請求書処理装置1から選択メニューを受信する。そして、当該選択メニューのうちの一の請求書情報の選択を受け付け、当該選択を請求書処理装置1に送信する。なお、選択は、登録請求書情報または送信した請求書情報のうちの一の請求書情報を特定する情報である。
【0086】
格納部11、および請求書格納部111は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0087】
格納部11等に情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して情報が格納部11等で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された情報が格納部11等で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された情報が格納部11等で記憶されるようになってもよい。
【0088】
受付部12は、無線または有線の通信手段で実現されることが好適であるが、放送を受信する手段、タッチパネルやキーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現されても良い。
【0089】
処理部13、判断部131、登録部132、および防止部133は、通常、プロセッサやメモリ等から実現され得る。処理部13等の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。なお、プロセッサは、CPU、MPU、GPU等であり、その種類は問わない。
【0090】
出力部14は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、ディスプレイやスピーカー等の出力デバイス等により実現されても良い。
【0091】
次に、情報システムAを構成する請求書処理装置1の動作例について、
図3のフローチャートを用いて説明する。
【0092】
(ステップS301)請求書受付部121は、ユーザ端末2または作業者端末3から請求書情報を受け付けたか否かを判断する。請求書情報を受け付けた場合はステップS302に行き、請求書情報を受け付けなかった場合はステップS311に行く。
【0093】
(ステップS302)判断部131は、ステップS301で受け付けた請求書情報に対して同一条件を満たす登録請求書情報が請求書格納部111に存在するか否かを判断する。かかる判断処理の例について、
図4のフローチャートを用いて説明する。
【0094】
(ステップS303)防止部133は、ステップS302における判断結果が「重複あり」であるか、「重複なし」であるかを判断する。「重複あり」である場合はステップS304に行き、「重複なし」であるか場合はステップS309に行く。
【0095】
(ステップS304)防止部133は、重複していた登録請求書情報の請求書識別子を取得する。防止部133は、当該請求書識別子で識別される登録請求書情報のうちの少なくとも請求書画像を取得する。防止部133は、受信された請求書情報のうちの少なくとも請求書画像を取得する。防止部133は、2つの異なる請求書画像を用いて、選択する請求書情報を決定するための選択メニューを構成する。
【0096】
(ステップS305)防止部133は、請求書情報を送信してきたユーザ端末2または作業者端末3に、ステップS304で構成した選択メニューを送信する。
【0097】
(ステップS306)防止部133は、選択メニューに対する選択を受け付けたか否かを判断する。選択を受け付けた場合はステップS307に行き、選択を受け付けなかった場合はステップS306に戻る。
【0098】
(ステップS307)防止部133は、受け付けられた選択が「登録請求書情報」を特定する情報であるか否かを判断する。「登録請求書情報」を特定する情報である場合はステップS301に戻り、そうでない場合はステップS308に行く。
【0099】
(ステップS308)防止部133は、当該登録請求書情報を請求書格納部111から削除する。ステップS309に行く。
【0100】
(ステップS309)登録部132は、受信された請求書情報を用いて、登録請求書情報を構成する。かかる請求書情報構成処理の例について、
図5のフローチャートを用いて説明する。登録請求書情報を
【0101】
(ステップS310)登録部132は、ステップS309で構成した請求書格納部111に蓄積する。ステップS301に戻る。
【0102】
(ステップS311)請求書受付部121は、ユーザ端末2または作業者端末3から出力指示をうけつけたか否かを判断する。出力指示を受け付けた場合はステップS312に行き、出力指示を受け付けなかった場合はステップS301に戻る。
【0103】
(ステップS312)処理部13は、出力指示に対応する1以上の請求書情報を請求書格納部111から検索する。
【0104】
(ステップS313)処理部13は、出力する検索結果を構成する。出力部14は、当該検索結果を、出力指示を送信してきたユーザ端末2または作業者端末3に送信する。ステップS301に戻る。なお、検索結果は、例えば、1以上の請求書情報、1以上の各請求書情報にアクセスするための一覧表である。
【0105】
なお、
図3のフローチャートにおいて、防止処理の内容は問わない。防止処理は、一の請求書に対する2以上の請求書情報が登録されることを防止するための処理であれば何でも良い。
【0106】
また、
図3のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0107】
次に、ステップS302の判断処理の例について、
図4のフローチャートを用いて説明する。
【0108】
(ステップS401)判断部131は、カウンタiに1を代入する。
【0109】
(ステップS402)判断部131は、i番目の同一性判断対象の請求書属性値が存在するか否かを判断する。i番目の同一性判断対象の請求書属性値が存在する場合はステップS403に行き、存在しない場合はステップS413に行く。なお、同一性判断対象の請求書属性値は、予め決まっている。同一性判断対象の請求書属性値は、登録日、金額情報、相手先情報を含むことは好適である。なお、同一性判断対象の請求書属性値は、同一条件または近似条件を満たすか否かを判断する対象の請求書属性値である。
【0110】
(ステップS403)判断部131は、受信された請求書情報に対応するi番目の同一性判断対象の請求書属性値を取得する。
【0111】
判断部131は、例えば、受信された請求書情報に含まれるi番目の同一性判断対象の請求書属性値を取得する。判断部131は、例えば、受信された請求書情報に対して文字認識処理を行い、i番目の同一性判断対象の請求書属性値を取得する。
【0112】
(ステップS404)判断部131は、カウンタjに1を代入する。
【0113】
(ステップS405)判断部131は、判断対象の登録請求書情報に対応する請求書識別子の中に、j番目の請求書識別子が存在するか否かを判断する。j番目の請求書識別子が存在する場合はステップS406に行き、存在しない場合はステップS410に行く。
【0114】
(ステップS406)判断部131は、i番目の同一性判断対象の請求書属性値であり、j番目の請求書識別子と対になる登録請求書属性値を取得する。
【0115】
(ステップS407)判断部131は、ステップS403で取得した請求書属性値と、ステップS406で取得した登録請求書属性値とが条件(上述した同一条件または近似条件)を満たすか否かを判断する。条件を満たす場合はステップS408に行き、条件を満たさない場合はステップS409に行く。
【0116】
(ステップS408)判断部131は、j番目の請求書識別子を図示しないバッファに一時蓄積する。なお、図示しないバッファに一時蓄積された請求書識別子は、次の同一性判断対象の請求書識別子となる。
【0117】
(ステップS409)判断部131は、カウンタjを1、インクリメントする。ステップS405に戻る。
【0118】
(ステップS410)判断部131は、図示しないバッファ内に、請求書識別子が存在するか否かを判断する。請求書識別子が存在する場合はステップS411に行き、請求書識別子が存在しない場合はステップS412に行く。
【0119】
(ステップS411)判断部131は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS402に戻る。
【0120】
(ステップS412)判断部131は、変数「判断結果」に「重複なし」を代入する。上位処理にリターンする。
【0121】
(ステップS413)判断部131は、受信された請求書画像を取得する。
【0122】
(ステップS414)判断部131は、カウンタkに1を代入する。
【0123】
(ステップS415)判断部131は、図示しないバッファ内に、k番目の請求書識別子が存在するか否かを判断する。k番目の請求書識別子が存在する場合はステップS416行き、k番目の請求書識別子が存在しない場合はステップS412に行く。
【0124】
(ステップS416)判断部131は、k番目の請求書識別子と対になる請求書画像を、請求書格納部111から取得する。
【0125】
(ステップS417)判断部131は、ステップS413で取得した請求書画像と、ステップS416で取得した請求書画像とが類似するか否かを判断する。類似する場合はステップS418に行き、類似しない場合はステップS420に行く。
【0126】
(ステップS418)判断部131は、変数「判断結果」に「重複する」を代入する。
【0127】
(ステップS419)判断部131は、k番目の請求書識別子を、図示しないバッファ内に一時蓄積する。上位処理にリターンする。
【0128】
(ステップS420)判断部131は、カウンタkを1、インクリメントする。ステップS415に戻る。
【0129】
なお、
図4のフローチャートにおいて、ステップS419で蓄積された請求書識別子が、重複する登録請求書情報の識別子である。
【0130】
また、
図4のフローチャートにおいて、ステップS419の後、ステップS402に行っても良い。つまり、判断部131は、受信された請求書情報と一致する2以上の請求書情報の請求書識別子を、図示しないバッファ内に一時蓄積しても良い。
【0131】
次に、ステップS309の請求書情報構成処理の例について、
図5のフローチャートを用いて説明する。
【0132】
(ステップS501)登録部132は、請求書画像を取得する。
【0133】
(ステップS502)登録部132は、ルート識別子を取得する。
【0134】
(ステップS503)登録部132は、1以上の請求書属性値を、請求書受付部121が受け付けた請求書属性値から取得する。
【0135】
(ステップS504)登録部132は、請求書受付部121が受け付けた請求書画像に対して文字認識処理を行い、1以上の請求書属性値を取得する。
【0136】
(ステップS505)登録部132は、ステップS501からステップS504で取得した情報を有する登録請求書情報を構成する。上位処理にリターンする。
【0137】
以下、本実施の形態における情報システムAの具体的な動作例について説明する。
【0138】
今、請求書処理装置1の請求書格納部111には、
図8に示す構造を有する請求書管理表が格納される。請求書管理表は、登録請求書情報を管理する表である。請求書管理表の各レコードである登録請求書情報は、登録部132が登録したレコードである。
【0139】
請求書管理表は、「ID」「請求書画像」「送信元識別子」「送信先識別子」「ルート識別子」「登録日」「科目」「支払期日」を有するレコードを管理する。「ID」は、レコードを識別する情報である。「請求書画像」は、ここでは、請求書のPDFファイルであるが、画像のフォーマットは問わない。「送信元識別子」は請求元を特定する情報である。「送信元識別子」は「会社」「担当者」を有する。「会社」は、請求書情報の送信元(請求元)の組織(会社、個人事業主、役所等)を識別する情報であり、ここでは、会社名である。「担当者」は、請求書情報の送信元の組織の担当者を識別する情報であり、ここでは、担当者名である。「送信先識別子」は請求先を特定する情報である。「送信先識別子」は、「会社」「担当者」を有する。「会社」は、請求書情報の送信先(請求先)の組織(会社、個人事業主、役所等)を識別する情報であり、ここでは、会社名である。「担当者」は、請求書情報の送信先の組織の担当者を識別する情報であり、ここでは、担当者名である。「ルート識別子」は、ここでは、「web」「電子メール」「郵送」のいずれかを採り得る。「登録日」は、請求書情報が登録された日である。登録された日は、請求書処理装置1が請求書情報を受け付けた日である。
【0140】
かかる場合、作業者である「山本I子」は、A社の山田A子から郵送で送られてきた請求書用紙を受け取り、当該用紙をスキャンし、請求書画像を作成した、とする。また、山本I子は、自分の作業者端末3から請求書画像を含む請求書情報を入力し、請求書処理装置1に送信した、とする。
【0141】
次に、請求書処理装置1は、
図3のフローチャートの動作に従って、以下のように動作する。つまり、請求書処理装置1の請求書受付部121は、当該請求書情報を受信する。
【0142】
次に、判断部131は、上述した同一条件の判断アルゴリズムに従って、受信された請求書情報に対して同一条件を満たす登録請求書情報が請求書格納部111に5つ存在する、と判断した、とする。
【0143】
次に、防止部133は、判断部131が重複すると判断した5つの各登録請求書情報の請求書識別子を取得する。防止部133は、重複登録を防止するための選択メニューを構成する。
【0144】
次に、防止部133は、請求書情報を送信してきた山本I子の作業者端末3に構成した選択メニューを送信する。
【0145】
次に、山本I子の作業者端末3は、当該選択メニューを受信し、出力する。かかる出力例は、
図7である。
【0146】
そして、山本I子は、701のボタンを押下することにより、送信した請求書画像等を確認し、登録することに問題ない、と判断し、登録の指示を入力した、とする。
【0147】
次に、作業者端末3は、登録の指示を請求書処理装置1に送信する。
【0148】
次に、請求書処理装置1の受付部12は、山本I子の作業者端末3から当該登録の指示を受信する。次に、登録部132は、山本I子の作業者端末3から受信されている請求書情報を用いて、登録請求書情報を構成し、請求書管理表(
図6)に蓄積する。
【0149】
以上、本実施の形態によれば、同一の請求書情報が重複して登録されることを適切に防止できる。
【0150】
なお、本実施の形態において、請求書処理装置1はスタンドアロンの装置でも良い。請求書処理装置1がスタンドアロンの装置である場合、請求書受付部121は、ユーザから請求書情報を受け付ける。また、出力部14は、例えば、ディスプレイに各種の情報を表示する。
【0151】
また、本実施の形態における処理は、ソフトウェアで実現しても良い。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布しても良い。また、このソフトウェアをCD-ROMなどの記録媒体に記録して流布しても良い。なお、このことは、本明細書における他の実施の形態においても該当する。なお、本実施の形態における情報システムAを実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータを、請求書画像を含む請求書情報を受け付ける請求書受付部と、請求書画像を含む1以上の登録請求書情報が格納される請求書格納部を参照し、前記請求書受付部が受け付けた前記請求書画像に対して、一致条件を満たす請求書画像が前記請求書格納部に存在するか否かを判断する判断部と、前記判断部が一致条件を満たすと判断した場合に、同一の請求書の重複した登録を防止するための防止処理を行う防止部と、前記判断部が一致条件を満たさないと判断した場合に、前記請求書受付部が受け付けた前記請求書画像を含む登録請求書情報を前記請求書格納部に蓄積する登録部として機能させるためのプログラムである。
【0152】
また、
図8は、本明細書で述べたプログラムを実行して、上述した種々の実施の形態の請求書処理装置1等を実現するコンピュータの外観を示す。上述の実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムで実現され得る。
図8は、このコンピュータシステム300の概観図であり、
図9は、システム300のブロック図である。
【0153】
図8において、コンピュータシステム300は、CD-ROMドライブを含むコンピュータ301と、キーボード302と、マウス303と、モニタ304とを含む。
【0154】
図9において、コンピュータ301は、CD-ROMドライブ3012に加えて、MPU3013と、CD-ROMドライブ3012等に接続されたバス3014と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM3015と、MPU3013に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶するとともに一時記憶空間を提供するためのRAM3016と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するためのハードディスク3017とを含む。ここでは、図示しないが、コンピュータ301は、さらに、LANへの接続を提供するネットワークカードを含んでも良い。
【0155】
コンピュータシステム300に、上述した実施の形態の請求書処理装置1等の機能を実行させるプログラムは、CD-ROM3101に記憶されて、CD-ROMドライブ3012に挿入され、さらにハードディスク3017に転送されても良い。これに代えて、プログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ301に送信され、ハードディスク3017に記憶されても良い。プログラムは実行の際にRAM3016にロードされる。プログラムは、CD-ROM3101またはネットワークから直接、ロードされても良い。
【0156】
プログラムは、コンピュータ301に、上述した実施の形態の請求書処理装置1等の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティープログラム等は、必ずしも含まなくても良い。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいれば良い。コンピュータシステム300がどのように動作するかは周知であり、詳細な説明は省略する。
【0157】
なお、上記プログラムにおいて、情報を送信するステップや、情報を受信するステップなどでは、ハードウェアによって行われる処理、例えば、送信ステップにおけるモデムやインターフェースカードなどで行われる処理(ハードウェアでしか行われない処理)は含まれない。
【0158】
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
【0159】
また、上記各実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段は、物理的に一の媒体で実現されても良いことは言うまでもない。
【0160】
また、上記各実施の形態において、各処理は、単一の装置によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0161】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0162】
以上のように、本発明にかかる請求書処理装置1は、同一の請求書情報が重複して登録されることを防止できるという効果を有し、請求書情報を管理するサーバ等として有用である。
【符号の説明】
【0163】
1 請求書処理装置
2 ユーザ端末
3 作業者端末
11 格納部
12 受付部
13 処理部
14 出力部
111 請求書格納部
121 請求書受付部
131 判断部
132 登録部
133 防止部
1211 第一受付手段
1212 第二受付手段
1213 第三受付手段