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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113710
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】可動接点の検査装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 49/00 20060101AFI20240816BHJP
   B23K 31/00 20060101ALI20240816BHJP
   H01H 50/00 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
H01H49/00 A
B23K31/00 K
H01H50/00 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023018815
(22)【出願日】2023-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100132067
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 喜雅
(72)【発明者】
【氏名】亀井 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】幡木 匡
(72)【発明者】
【氏名】押領司 学
(72)【発明者】
【氏名】菊池 竜治
(72)【発明者】
【氏名】小林 聡
(72)【発明者】
【氏名】剱持 あかり
(57)【要約】
【課題】検査精度の向上を図るとともに、目視による検査工程を省略することができる可動接点の溶接状態を検査する検査装置を提供すること。
【解決手段】電磁接触器10を構成する可動接点35の検査装置100は、可動接点35を撮像する第1撮像装置110と、第1撮像装置110により撮像された撮像画像を制御する制御部150と、を備える。制御部150は、可動接点35を撮像した撮像画像をRGB画像に分解し、色相変換によりHSV画像に変換した画像に基づいて可動接点の溶接状態を検査することを特徴とする。
【選択図】図8

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁接触器を構成する可動接点の検査装置であって、
前記可動接点を撮像する第1撮像装置と、
前記第1撮像装置により撮像された撮像画像を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記可動接点を撮像した前記撮像画像をRGB画像に分解し、色相変換によりHSV画像に変換した画像に基づいて前記可動接点の溶接状態を検査することを特徴とする検査装置。
【請求項2】
前記検査装置は、同軸照明と、ドーム照明と、を更に備え、
前記第1撮像装置は、前記同軸照明と、前記ドーム照明とにより照明された前記可動接点を撮像する
ことを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記検査装置は、前記第1撮像装置と光軸が直交する方向に配置された第2撮像装置と、バックライト照明と、を更に備え、
前記第2撮像装置は、前記バックライト照明により照明された前記可動接点を撮像する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の検査装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可動接点の検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
微小な溶接欠陥の検出の必要性が増している。そこで例えば、特許文献1は、溶接の領域の輝度分布を、輝度センサでの撮影による画像信号として捉え、これを監視する電縫溶接部の監視方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-36892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、溶接個所は、銀や半田により溶接して形成されるため、不良品が発生する可能性がある。このため、従来は目視により検査していたが、目視による検査は良品を過剰に不良判定してしまう課題がある。また、目視による検査には限界があるため、不良品を見逃してしまうという課題が存在していた。
【0005】
本実施形態においては、かかる点に鑑みてなされたものであり、検査精度の向上を図るとともに、目視による検査工程を省略することができる可動接点の溶接状態を検査する検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明における一態様の電磁接触器を構成する可動接点の検査装置は、前記可動接点を撮像する第1撮像装置と、前記第1撮像装置により撮像された撮像画像を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記可動接点を撮像した前記撮像画像をRGB画像に分解し、色相変換によりHSV画像に変換した画像に基づいて前記可動接点の溶接状態を検査することを特徴とする。
【0007】
このため、制御部は、可動接点を撮像した撮像画像をRGB画像に分解し、色相変換によりHSV画像に変換した画像に基づいて可動接点の溶接状態を検査する。これにより、検査精度の向上を図るとともに、目視による検査工程を省略することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、検査精度の向上を図るとともに、目視による検査工程を省略することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態にかかる検査装置の検査対象である可動接点を備える電磁接触器10の一例を示す図である。
図2図1の電磁接触器の端子カバーを外した状態の正面図である。
図3図2の電磁接触器のIII-III線上の断面図である。
図4図2の電磁接触器のIV-IV線上の断面図である。
図5図2の電磁接触器のV-V線上の断面図である。
図6】本実施形態にかかる検査対象の可動接点35の一例を示す拡大図である。
図7】本実施形態にかかる検査装置100の一例を示す図である。
図8】可動接点35を撮像した撮像画像310をRGB画像321、322、323に分解し、色相変換によりHSV画像330に変換する一例を示す図である。
図9】同軸照明120と、ドーム照明130と、同軸照明120およびドーム照明130と、により撮像したRGB画像とHSV画像の比較結果を示す一例である。
図10】同軸照明120と、ドーム照明130と、同軸照明120およびドーム照明130と、により撮像したRGB画像とHSV画像の比較結果を示す一例である。
図11】第2撮像装置111と、バックライト照明160と、の関係の一例を示す図である。
図12】バックライト照明160により第2撮像装置111で撮像されたHSV画像を示す。
図13】検査装置100により検出することができる可動接点35の不良内容の一例である。
図14】検査装置100により検出することができる可動接点35の不良内容の一例である。
図15】検査装置100により検出することができる可動接点35の不良内容の一例である。
図16】検査装置100により検出することができる可動接点35の不良内容の一例である。
図17】検査装置100により検出することができる可動接点35の不良内容の一例である。
図18】検査装置100により検出することができる可動接点35の不良内容の一例である。
図19】検査装置100により検出することができる可動接点35の不良内容の一例である。
図20】制御部150により実行される不良内容検出処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施形態について図面を伴って説明する。図1は、本実施形態にかかる検査装置の検査対象である可動接点を備える電磁接触器10の一例を示す図である。図2は、図1の電磁接触器の端子カバーを外した状態の正面図である。図3は、図2の電磁接触器のIII-III線上の断面図である。図4は、図2の電磁接触器のIV-IV線上の断面図である。図5は、図2の電磁接触器のV-V線上の断面図である。
【0011】
本実施形態にかかる電磁接触器10は、図1に示すように、互いに連結される合成樹脂材例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)等の繊維強化熱可塑性樹脂で射出成型された第1のフレーム11Aと第2のフレーム11Bとが互いに連結されて構成されている。第1のフレーム11Aには、図3及び図4に示すように、操作用電磁石12が内装されている。第2のフレーム11Bには、図3及び図4に示すように、操作用電磁石12によってオン・オフ駆動される接点機構13が内装されている。
【0012】
第1のフレーム11Aは、図3及び図4に示すように、操作用電磁石12を収容する有底角筒状部21を有する。操作用電磁石12は、固定コア12Fと、固定コア12Fに対して進退可能な可動コア12Mと、励磁コイル12cを巻装したスプール12Sとを備えた交流電磁石12ACで構成されている。
【0013】
固定コア12Fは、図5に示すように、左側面から見てE字状に形成され、垂直板部の中央部に形成された貫通孔24内に挿通された支持板25の両端が有底角筒状部21の底部に固定された弾性部材26によって弾性支持されている。可動コア12Mは、図5に示すように、右側面から見てE字状に形成され、第2のフレーム11B内に前後方向に可動できるように支持された後述する接点支え36に連結されて接点支え36と一体に可動する。
【0014】
スプール12Sは、図5に示すように、固定コア12Fの前方に突出する中央突出部14cの周囲に装着されている。また、第1のフレーム11Aの有底角筒状部21一方の対向側壁例えば左右側壁の前端には、図1に示すように、スナップフィットを構成する4本のフック部27が係合部27aを内側に向けるように上下方向及び左右方向の対称位置に形成されている。
【0015】
さらに、第1のフレーム11Aの有底角筒状部21の底部四隅には取付孔を有する取付板部28が形成されている。第2のフレーム11Bは、図1及び図2に示すように、第1のフレーム11Aの有底角筒状部21と対向する前端を開放した角筒部30を有する。角筒部30の前面側には、上方側に電源側端子部31a及び補助端子部32aが形成され、下方側に負荷側端子部31b及び補助端子部32bが形成されている。角筒部30内には接点機構13が配設されている。さらに、角筒部30の後方側の開放端面に、図1に示すように、第1のフレーム11Aのフック部27が係止されるスナップフィットを構成する係合突部30aが形成されている。
【0016】
接点機構13は、図5に示すように、第2のフレーム11Bの上下板部からそれぞれ内方に延長する一対の接点固定板部33a及び33bにそれぞれ固定された左右方向に並列に配置された4組の固定接触子34a及び34bを有している。これら4組の固定接触子34a及び34bのうち固定接触子34aが電源側端子部31a及び補助端子部32aを構成し、固定接触子34bが負荷側端子部31b及び補助端子部32bを構成している。
【0017】
また、接点機構13は、4組の可動接点35を、その両端部が固定接触子34a及び34bに対して所定間隔だけ離間して前方から対向するように支持する接点支え36を備えている。接点支え36は、図3図5に示すように、4組の可動接点35を前後方向に整列させて可動自在に保持する可動接点支持部37と、この可動接点支持部37の後方側に一体に形成された電磁石連結部40とで構成されている。
【0018】
可動接点支持部37は、図5に示すように、可動接点35を挿通保持する接点挿通用空間部38を有し、この接点挿通用空間部38に可動接点35が接触スプリング39によって後方に押圧されて支持されている。
【0019】
図6は、本実施形態にかかる検査対象の可動接点35の一例を示す拡大図である。図6に示すように、可動接点35は、横断面コ字状の基台351および、基台351の両端に設けられた溶接部352を含む。ここで、可動接点35の溶接部352は、銀や半田により溶接して形成されるため、不良品が発生する可能性がある。このため、従来は目視により検査していた。しかしながら、目視による検査は良品を過剰に不良判定してしまう課題がある。また、目視による検査には限界があるため、不良品を見逃してしまうという課題が存在していた。そこで、本実施形態においては、検査精度の向上を図るとともに、目視による検査工程を省略することができる可動接点35の溶接状態を検査する検査装置100を想到するに至った。
【0020】
以下、本実施形態にかかる検査装置100について説明する。図7は、本実施形態にかかる検査装置100の一例を示す図である。検査装置100は、ワークの溶接状態を検査することができる。本実施形態のワークとして可動接点35を検査対象としている。
【0021】
検査装置100は、第1撮像装置110、同軸照明120、ドーム照明130、基台140、制御部150を備える。検査装置100は、図7に示していない他の構成を備えていてもよい。
【0022】
第1撮像装置110は、基台140に載置されたワーク200を撮像するカメラとして機能する。本実施形態においては、第1撮像装置110は、ワーク200の対象として可動接点35の撮像画像を撮像する。第1撮像装置110は、撮像した可動接点35の撮像画像を制御部150へ送る。第1撮像装置110の下方には、同軸照明120と、ドーム照明130と、が配置される。
【0023】
同軸照明120は、基台140に載置されたワーク200にほぼ垂直な方向から照明光を照射する一般的な同軸照明である。同軸照明120は、レンズの光路内(例えば第1撮像装置110とワーク200との間)に配置されている。
【0024】
ドーム照明130は、基台140に載置されたワーク200に斜めの方向から照明光を照射する一般的な拡散照明である。ドーム照明130は、第1撮像装置110とワーク200との間に配置されている。同軸照明120およびドーム照明130は、第1撮像装置110によって撮影されるワーク200である可動接点35の表面の各部の材料および凹凸や、レンズに対する基台140のワーク200の角度に応じて適宜選択される。
【0025】
制御部150は、同軸照明120およびドーム照明130の照度を制御する。また、制御部150は、第1撮像装置110により撮像された撮像画像などを制御する。具体的には、可動接点35を撮像した撮像画像をRGB画像に分解し、色相変換によりHSV画像に変換した画像に基づいて可動接点35の溶接状態を検査する。
【0026】
図8は、可動接点35を撮像した撮像画像310をRGB画像321、322、323に分解し、色相変換によりHSV画像330に変換する一例を示す図である。
【0027】
第1撮像装置110により撮像された可動接点35の撮像画像310は、影や凹凸が判別しにくい情報を多く含むため、可動接点35の溶接状態を正確に検査することができない。そこで、制御部150は、可動接点35の撮像画像310をR画像321、G画像322、B画像323に変換する。そして、制御部150は、R画像321、G画像322、B画像323にそれぞれ変換した撮像画像310を色相変換によりHSV画像330へ変換する制御を行う。制御部150は、変換したHSV画像330に基づいて可動接点35の溶接状態を検査する。溶接状態の検査処理を行う場合には、制御部150は、HSV画像330に含まれる色相(H)、彩度(S)、明度(V)の各成分のうち彩度(S)の成分に基づいて行う。
【0028】
これにより、HSV画像の領域R1に示すように、溶接の欠陥部の輝度差を強調して表示することができ、溶接状態の検査を容易に行うことができる。更に、HSV画像の領域R2に示すように、溶接による変色部の輝度差を抑制して表示することができ、溶接状態の検査を容易に行うことができる。
【0029】
図9図10は、同軸照明120と、ドーム照明130と、同軸照明120およびドーム照明130と、により撮像したRGB画像とHSV画像の比較結果を示す一例である。
【0030】
図9(A)は、同軸照明120のみにより第1撮像装置110で撮像されたRGB画像331を示し、図9(B)は、ドーム照明130のみにより第1撮像装置110で撮像されたRGB画像332を示し、図9(C)は、同軸照明120およびドーム照明130により第1撮像装置110で撮像されたRGB画像333を示す。
【0031】
図10(A)は、同軸照明120のみにより第1撮像装置110で撮像されたHSV画像341を示し、図10(B)は、ドーム照明130のみにより第1撮像装置110で撮像されたHSV画像342を示し、図10(C)は、同軸照明120およびドーム照明130により第1撮像装置110で撮像されたHSV画像343を示す。
【0032】
図9(A)に示すように、同軸照明120のみにより第1撮像装置110で撮像されたRGB画像331は、ワークである可動接点35との暗がりと同化してしまうため、領域R3に示すチリの検出が難しくなっている。
【0033】
図9(B)に示すように、ドーム照明130のみにより第1撮像装置110で撮像されたRGB画像332は、周囲の輝度変化が大きいため、領域R3に示すチリの検出が難しくなっている。
【0034】
図9(C)に示すように、同軸照明120およびドーム照明130により第1撮像装置110で撮像されたRGB画像333では、チリの輝度が薄いため、領域R3に示すチリの検出が難しくなっている。
【0035】
図10(A)に示すように、同軸照明120のみにより第1撮像装置110で撮像されたHSV画像341は、周囲との輝度差が小さいため、領域R4に示すチリの検出が難しくなっている。
【0036】
図10(B)に示すように、ドーム照明130のみにより第1撮像装置110で撮像されたHSV画像342は、周囲にノイズが黒い斑点として現れて検出の邪魔となってしまうため、領域R4に示すチリの検出が難しくなっている。
【0037】
これに対し、図10(C)に示すように、同軸照明120およびドーム照明130により第1撮像装置110で撮像されたHSV画像343では、周囲との輝度差が明確に表れるため、制御部150は、領域R5に示すチリの検出を容易に行うことができる。
【0038】
なお、図11に示すように、検査装置100は、第2撮像装置111と、バックライト照明160を更に備えてもよい。図11は、第2撮像装置111と、バックライト照明160と、の関係の一例を示す図である。
【0039】
図11に示すように、第2撮像装置111は、第1撮像装置110と直交する方向に配置される。バックライト照明160は、ワーク200の対象として可動接点35を挟んで第2撮像装置111と対向する方向に配置され、第2撮像装置111の方向に対し光軸が設定される。第2撮像装置111は、基台140に載置されたワーク200を水平方向から撮像する第2のカメラとして機能する。本実施形態においては、第2撮像装置111は、ワーク200の対象として可動接点35の水平方向の撮像画像を撮像する。第2撮像装置111は、撮像した可動接点35の水平方向の撮像画像を制御部150へ送る。
【0040】
図12は、バックライト照明160により第2撮像装置111で撮像されたHSV画像を示す。図12に示すように、バックライト照明160により第2撮像装置111で撮像されたHSV画像350では、垂直方向に突出したチリが明確に表れるため、制御部150は、チリの検出を容易に行うことができる。
【0041】
図13図19は、検査装置100により検出することができる可動接点35の不良内容の一例である。図13は、可動接点35の不良内容のうち接点ズレを示す図である。図13においては、可動接点35の溶接個所がズレている。図14は、可動接点35の不良内容のうち切り出しを示す図である。図14においては、可動接点35の切り出し時の欠辺がはみ出ている。図15は、可動接点35の不良内容のうち接点小を示す図である。図15においては、可動接点35の接点が小さ過ぎている。図16は、可動接点35の不良内容のうち接点台変形を示す図である。図16においては、可動接点35の接点台が変形している。図17は、可動接点35の不良内容のうち接点台キズを示す図である。図17においては、可動接点35の接点台にキズが生じている。図18は、可動接点35の不良内容のうちチリを示す図である。図18においては、可動接点35にチリが付着している。図19は、可動接点35の不良内容のうち接点なしを示す図である。図19においては、可動接点35の溶接個所が欠損している。
【0042】
制御部150は、第1撮像装置110、第2撮像装置111、同軸照明120、ドーム照明130、バックライト照明160を用いて、ワーク200である可動接点35に対してHSV画像341~343およびHSV画像350を用いて図13図19に示すような不良内容の良否判定を行うことができる。これにより、検査精度の向上を図るとともに、目視による検査工程を省略することができる。
【0043】
制御部150は、HSV画像への変換前後において不良内容検出処理を行う。図20は、制御部150により実行される不良内容検出処理の一例を示すフローチャートである。
【0044】
制御部150は、第1撮像装置110および第2撮像装置111によりRGB画像を撮像する(ステップS101)。制御部150は、ステップS101で撮像したRGB画像をHSV画像へ色相変換する(ステップS102)。
【0045】
制御部150は、変換したHSV画像の中から検査領域の作成を行う(ステップ103)。制御部150は、ステップS103で作成した検査領域に対し画像の輝度補正を行う(ステップS104)。
【0046】
制御部150は、ステップS104で輝度補正したHSV画像を二値化する(ステップS105)。制御部150は、二値化したHSV画像に基づき不良内容の検出を行う(ステップS106)。制御部150は、ステップS106で検出した不良内容の検出数を確認する(ステップS107)。
【0047】
制御部150は、ステップS107で確認した不良内容の検出数が1個以上であるか否かを判定する(ステップS108)。ステップS107で確認した不良内容の検出数が0個である場合(ステップS108:NO)には、制御部150は、OK判定を行い(ステップS109)、図20で示す不良内容検出処理を終了する。ステップS107で確認した不良内容の検出数が1個以上である場合(ステップS108:YES)には、制御部150は、NG判定を行い(ステップS110)、図20で示す不良内容検出処理を終了する。
【0048】
以上のように、上記の実施の形態によれば、制御部150は、可動接点35を撮像した撮像画像をRGB画像に分解し、色相変換によりHSV画像に変換した画像に基づいて可動接点35の溶接状態を検査する。これにより、検査精度の向上を図るとともに、目視による検査工程を省略することができる。
【0049】
本発明の実施の形態は上記の各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよい。さらには、技術の進歩又は派生する別技術によって、本発明の技術的思想を別の仕方で実現することができれば、その方法を用いて実施されてもよい。したがって、特許請求の範囲は、本発明の技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様をカバーしている。
【符号の説明】
【0050】
10 :電磁接触器
35 :可動接点
100 :検査装置
110 :第1撮像装置
111 :第2撮像装置
120 :同軸照明
130 :ドーム照明
140 :基台
150 :制御部
160 :バックライト照明
200 :ワーク
310 :撮像画像
351 :基台
352 :溶接部
R1 :領域
R2 :領域
R3 :領域
R4 :領域
R5 :領域

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20