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特開2024-113721棒金収納装置および現金処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113721
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】棒金収納装置および現金処理システム
(51)【国際特許分類】
   G07D 1/00 20060101AFI20240816BHJP
   G07D 9/00 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
G07D1/00 401
G07D9/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023018839
(22)【出願日】2023-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(74)【代理人】
【識別番号】100190942
【弁理士】
【氏名又は名称】風間 竜司
(72)【発明者】
【氏名】松村 貴雄
【テーマコード(参考)】
3E141
【Fターム(参考)】
3E141AA08
3E141FC12
3E141GB05
3E141HA06
3E141KA07
3E141LA44
3E141LA54
(57)【要約】
【課題】装置の構成を簡易にしつつも、棒金の収納状態の認識精度の低下を抑制する。
【解決手段】筐体から引き出し可能に収納され、各々が複数の硬貨を含んで構成される複数の棒金を立位状態で収納する収納部と、前記収納部の上方に設けられ、前記収納部が前記筐体に収納された状態で前記収納部に収納された前記複数の棒金を撮像する撮像部と、
を備える、棒金収納装置が提供される。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体から引き出し可能に収納され、各々が複数の硬貨を含んで構成される複数の棒金を立位状態で収納する収納部と、
前記収納部の上方に設けられ、前記収納部が前記筐体に収納された状態で前記収納部に収納された前記複数の棒金を撮像する撮像部と、
を備える、棒金収納装置。
【請求項2】
前記撮像部は、前記収納部の上方に固定して設けられている、
請求項1に記載の棒金収納装置。
【請求項3】
前記撮像部は、前記収納部の上方かつ前記筐体の内部に固定して設けられている、
請求項2に記載の棒金収納装置。
【請求項4】
前記撮像部が備えるレンズは、魚眼レンズまたは超広角レンズである、
請求項1に記載の棒金収納装置。
【請求項5】
前記棒金収納装置は、前記撮像部によって撮像されて得られた画像に基づいて、前記収納部が収納する前記複数の棒金の収納状態を認識する制御部を備える、
請求項1に記載の棒金収納装置。
【請求項6】
前記収納部は、各々が棒金を収納可能な複数の収納場所を備え、
前記収納状態は、前記複数の収納場所の一部または全部に収納されている棒金の金種を含む、
請求項5に記載の棒金収納装置。
【請求項7】
前記収納状態は、前記棒金の金種と、前記棒金が収納されている収納場所を示す情報にあらかじめ対応付けられた金種とが一致しているか否かを示す情報を含む、
請求項6に記載の棒金収納装置。
【請求項8】
前記収納部は、各々が棒金を収納可能な複数の収納場所を備え、
前記収納状態は、前記複数の収納場所それぞれに棒金が収納されているか否かを示す情報を含む、
請求項5に記載の棒金収納装置。
【請求項9】
前記制御部は、複数の前記撮像部によって撮像された画像に基づいて、前記収納部が収納する前記複数の棒金の収納状態を認識する、
請求項5に記載の棒金収納装置。
【請求項10】
前記棒金収納装置は、
前記収納部が前記筐体に収納された状態を検知するスイッチと、
前記スイッチによって前記収納部が前記筐体に収納された状態が検知されたことに基づいて、前記撮像部による前記複数の棒金の撮像を開始する制御部と、
を備える、請求項1に記載の棒金収納装置。
【請求項11】
前記棒金収納装置は、
前記収納部が前記筐体に収納された状態を検知するスイッチと、
前記スイッチによって前記収納部が前記筐体に収納された状態が検知されたことに基づいて、前記複数の棒金に光を照射する照明部の点灯を開始する制御部と、
を備える、請求項1に記載の棒金収納装置。
【請求項12】
筐体から引き出し可能に収納され、各々が複数の硬貨を含んで構成される複数の棒金を立位状態で収納する収納部と、
前記収納部の上方に設けられ、前記収納部が前記筐体に収納された状態で前記収納部に収納された前記複数の棒金を撮像する撮像部と、
前記撮像部によって撮像されて得られた画像に基づいて、前記収納部が収納する前記複数の棒金の収納状態を認識する制御部と、
を備える、現金処理システム。
【請求項13】
前記収納部は、各々が棒金を収納可能な複数の収納場所を備え、
前記収納状態は、前記複数の収納場所の一部または全部に収納されている棒金の金種を含む、
請求項12に記載の現金処理システム。
【請求項14】
前記収納状態は、前記棒金が収納されている収納場所と、前記金種に対応付けられた収納場所とが一致しているか否かを示す情報を含む、
請求項13に記載の現金処理システム。
【請求項15】
前記収納部は、各々が棒金を収納可能な複数の収納場所を備え、
前記収納状態は、前記複数の収納場所それぞれに棒金が収納されているか否かを示す情報を含む、
請求項12に記載の現金処理システム。
【請求項16】
前記制御部は、複数の前記撮像部によって撮像された画像に基づいて、前記収納部が収納する前記複数の棒金の収納状態を認識する、
請求項12に記載の現金処理システム。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、棒金収納装置および現金処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、小売店またはスーパーマーケットなどの流通施設および商業施設において、売上金を入金し、釣銭準備金を出金する現金処理装置が設置されている。現金処理装置の一例として、同一金種の所定枚数の硬貨を棒状に包装して得られる棒金の収納機能を備える棒金収納装置も知られている。なお、以下では、棒金に含まれる硬貨の金種を、単に「棒金の金種」とも言う。
【0003】
特許文献1には、棒金収納部を備え、棒金収納部に収納される棒金の有無を、センサを用いて判定する棒金収納装置が開示されている。さらに、棒金収納部に収納される棒金の金種を、センサを用いて判定する棒金収納装置も知られている。
【0004】
例えば、棒金収納部に収納される棒金の有無または金種の判定に、光学センサ(例えば、対向型または反射型の光学センサなど)が用いられる技術が知られている。また、棒金収納部に収納される棒金の有無または金種の判定に、磁気センサが用いられる技術も知られている。
【0005】
さらに、棒金収納部が筐体に押し込まれた状態から、棒金収納部が筐体から引き出された状態への遷移段階(以下、この段階を「引き出し中」とも言う。)、または、棒金収納部が筐体から引き出された状態から棒金収納部が筐体に押し込まれた状態への遷移段階(以下、この段階を「押し込み中」とも言う。)に、棒金収納部の上方からカメラによって撮像されて得られた画像から、棒金の有無または金種を判定する技術も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2016-42256号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、光学センサまたは磁気センサによって棒金の有無または金種を判定する技術では、センサによる検知範囲が狭いため、1個のセンサを用いて有無または金種を判定することが可能な棒金の本数は1本に限られてしまう。そのため、かかる技術では、棒金収納部に収納可能な棒金の容量が増加するとともに、センサの数量も大幅に増加してしまい、装置の構成の複雑化、より具体的には、装置の製造コストの増大、センサ制御の複雑化、または、装置の組み立ての容易さ(組立性)の悪化などといった、様々な問題が生じてしまう。
【0008】
また、棒金収納部の引き出し中または押し込み中に、棒金収納部の上方からカメラによって撮像されて得られた画像から、棒金の有無または金種を判定する技術では、棒金収納部に収納されている棒金が撮像されるときに、棒金収納部の引き出しまたは押し込みに伴う振動または衝撃が棒金に与えられてしまう。そのため、かかる技術では、画像に写る棒金の位置が安定しないことが原因となり、画像に基づく棒金の収納状態(例えば、棒金の有無または金種など)の誤判定が発生し得るという問題がある。
【0009】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、装置の構成を簡易にしつつも、棒金の収納状態の認識精度の低下を抑制することが可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、筐体から引き出し可能に収納され、各々が複数の硬貨を含んで構成される複数の棒金を立位状態で収納する収納部と、前記収納部の上方に設けられ、前記収納部が前記筐体に収納された状態で前記収納部に収納された前記複数の棒金を撮像する撮像部と、を備える、棒金収納装置が提供される。
【0011】
前記撮像部は、前記収納部の上方に固定して設けられていてもよい。
【0012】
前記撮像部は、前記収納部の上方かつ前記筐体の内部に固定して設けられていてもよい。
【0013】
前記撮像部が備えるレンズは、魚眼レンズまたは超広角レンズであってもよい。
【0014】
前記棒金収納装置は、前記撮像部によって撮像されて得られた画像に基づいて、前記収納部が収納する前記複数の棒金の収納状態を認識する制御部を備えてもよい。
【0015】
前記収納部は、各々が棒金を収納可能な複数の収納場所を備え、前記収納状態は、前記複数の収納場所の一部または全部に収納されている棒金の金種を含んでもよい。
【0016】
前記収納状態は、前記棒金の金種と、前記棒金が収納されている収納場所を示す情報にあらかじめ対応付けられた金種とが一致しているか否かを示す情報を含んでもよい。
【0017】
前記収納部は、各々が棒金を収納可能な複数の収納場所を備え、前記収納状態は、前記複数の収納場所それぞれに棒金が収納されているか否かを示す情報を含んでもよい。
【0018】
前記制御部は、複数の前記撮像部によって撮像された画像に基づいて、前記収納部が収納する前記複数の棒金の収納状態を認識してもよい。
【0019】
前記棒金収納装置は、前記収納部が前記筐体に収納された状態を検知するスイッチと、前記スイッチによって前記収納部が前記筐体に収納された状態が検知されたことに基づいて、前記撮像部による前記複数の棒金の撮像を開始する制御部と、を備えてもよい。
【0020】
前記棒金収納装置は、前記収納部が前記筐体に収納された状態を検知するスイッチと、前記スイッチによって前記収納部が前記筐体に収納された状態が検知されたことに基づいて、前記複数の棒金に光を照射する照明部の点灯を開始する制御部と、を備えてもよい。
【0021】
また、上記課題を解決するために本発明の別の観点によれば、筐体から引き出し可能に収納され、各々が複数の硬貨を含んで構成される複数の棒金を立位状態で収納する収納部と、前記収納部の上方に設けられ、前記収納部が前記筐体に収納された状態で前記収納部に収納された前記複数の棒金を撮像する撮像部と、前記撮像部によって撮像されて得られた画像に基づいて、前記収納部が収納する前記複数の棒金の収納状態を認識する制御部と、を備える、現金処理システムが提供される。
【0022】
前記収納部は、各々が棒金を収納可能な複数の収納場所を備え、前記収納状態は、前記複数の収納場所の一部または全部に収納されている棒金の金種を含んでもよい。
【0023】
前記収納状態は、前記棒金が収納されている収納場所と、前記金種に対応付けられた収納場所とが一致しているか否かを示す情報を含んでもよい。
【0024】
前記収納部は、各々が棒金を収納可能な複数の収納場所を備え、前記収納状態は、前記複数の収納場所それぞれに棒金が収納されているか否かを示す情報を含んでもよい。
【0025】
前記制御部は、複数の前記撮像部によって撮像された画像に基づいて、前記収納部が収納する前記複数の棒金の収納状態を認識してもよい。
【発明の効果】
【0026】
以上説明したように本発明によれば、装置の構成を簡易にしつつも、棒金の収納状態の認識精度の低下を抑制することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の第1の実施形態に係る現金処理システム10の外観構成の例を示した図である。
図2】同実施形態に係る現金処理システム10の構成を示すブロック図である。
図3】同実施形態に係る棒金収納装置300の構成を示す斜視図である。
図4図3のA-A断面図である。
図5】比較例に係る撮像例について説明するための模式図である。
図6】同実施形態に係る撮像例について説明するための模式図である。
図7】同実施形態に係る棒金収納装置300の動作例を示すフローチャートである。
図8】本発明の第2の実施形態に係る棒金収納装置400を右から見た側面断面図である。
図9】同実施形態に係る撮像例について説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0029】
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。
【0030】
<1.第1の実施形態>
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0031】
(1-1.現金処理システムの全体的な構成)
まず、本発明の第1の実施形態に係る現金処理システムの全体的な構成例について説明する。
【0032】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る現金処理システム10の外観構成の例を示した図である。図1に示すように、現金処理システム10は、カードリーダ部131と、操作表示部133と、制御部150と、紙幣を処理する紙幣処理装置100と、硬貨を処理する硬貨処理装置200と、同一金種の所定枚数の硬貨を棒状に包装して得られる棒金を収納する棒金収納装置300とを備える。
【0033】
紙幣処理装置100は、紙幣投入口101を備え、硬貨処理装置200は、硬貨投入口203を備える。棒金収納装置300は、棒金収納部311~313と、筐体370とを備える。これらの各構成については、後に詳細に説明する。
【0034】
なお、紙幣処理装置100と硬貨処理装置200とは、入出金機20を構成する。入出金機20は、現金の入出金を行う装置であり、現金を管理する現金管理装置、現金を処理する現金処理装置、現金を用いた取引を行う現金取引装置にも該当し得る。現金の一例としては、硬貨が挙げられる。また、現金の他の一例としては、紙幣が挙げられる。
【0035】
本発明の第1の実施形態においては、このような入出金機20の外部に棒金収納装置300が存在し、入出金機20と棒金収納装置300とが互いに通信可能に接続されている場合を主に想定する。しかし、入出金機20と棒金収納装置300との関係は、かかる例に限定されない。例えば、入出金機20の内部に棒金収納装置300が組み込まれ、入出金機20と棒金収納装置300とが一体化されていてもよい。
【0036】
ここでは、現金処理システム10が、小売店またはスーパーマーケット等といった店舗のバックヤードに設置される場合を想定する。かかる場合、業務開始前に、店員は、売り場のレジに持ち込む釣銭準備金を現金処理システム10から出金する。釣銭準備金は、店舗での取引に釣銭として使用するために確保する現金である。
【0037】
一方、業務終了後に、店員は、釣銭準備金の残金と売上金とを現金処理システム10に入金する。現金処理システム10が設置される場所は店舗のバックヤードに限定されない。例えば、現金処理システム10は、宅配サービス業者等の集配センターに設置されてもよい。
【0038】
図2は、本発明の第1の実施形態に係る現金処理システム10の構成を示すブロック図である。図2に示すように、本発明の第1の実施形態に係る現金処理システム10は、紙幣処理装置100と、硬貨処理装置200と、カードリーダ部131と、操作表示部133と、制御部150と、記憶部160と、棒金収納装置300とを備える。
【0039】
(紙幣処理装置100)
紙幣処理装置100は、紙幣投入口101と、紙幣鑑別部104と、紙幣一時保留部106と、万券還流庫107と、五千券還流庫109と、千券還流庫111と、紙幣回収庫113と、紙幣リジェクト庫115とを備える。
【0040】
紙幣投入口101は、入出金機20に入金される紙幣が投入される投入口である。また、紙幣投入口101は、紙幣の出金口でもある。より詳細に、紙幣投入口101から、釣銭準備金の残金および売上金の入金(以下、単に「売上入金」とも言う。)の取り消しにより返却される紙幣、出金される紙幣、および、紙幣鑑別部104により正常ではないとしてリジェクトされた紙幣等が出金される。
【0041】
紙幣鑑別部104は、紙幣投入口101に投入された紙幣が正常な紙幣であるか否かを各種センサによって鑑別すると共に、当該紙幣が正常な紙幣である場合に、当該紙幣の金種を判別し、金種別の枚数を計数する。また、紙幣一時保留部106には、売上入金時、精査時および売上金の回収時に、一時的に紙幣が集積される。精査は、入出金機20の内部の有高を集計する処理である。
【0042】
万券還流庫107、五千券還流庫109および千券還流庫111は、それぞれ万券、五千券、および千券の紙幣を収納する現金収納部である。以下、これらの還流庫をまとめて「紙幣収納部112」とも言う。具体的に、紙幣収納部112には、バラ状態の紙幣が釣銭準備金として収納される。また、紙幣収納部112には、紙幣投入口101に売上金として投入され、紙幣鑑別部104によって正常と鑑別された紙幣が金種別に収納される。さらに、釣銭出金時には、紙幣収納部112から紙幣が出金される。
【0043】
紙幣回収庫113は、売上金の回収のための還流庫として主に用いられる。具体的に、紙幣回収庫113には、売上金の回収時に、紙幣収納部112から移動された紙幣が売上金として収納される。
【0044】
紙幣リジェクト庫115には、紙幣鑑別部104によって正常な紙幣ではないと鑑別された紙幣、すなわちリジェクトされた紙幣が集積される。具体的に、紙幣リジェクト庫115には、売上入金時に紙幣一時保留部106から紙幣収納部112に紙幣を搬送する過程において紙幣鑑別部104によってリジェクトされた紙幣、紙幣収納部112から釣銭出金を行う過程において紙幣鑑別部104によってリジェクトされた紙幣、売上金の回収時に紙幣収納部112から紙幣回収庫113に紙幣を搬送する過程において紙幣鑑別部104によってリジェクトされた紙幣等が集積される。
【0045】
(カードリーダ部131)
カードリーダ部131は、接触または近接されたカード(例えば、IDカードまたは回収用カード等)からカードに格納されている情報を読み取る。
【0046】
例えば、カードが操作者によりカードリーダ部131にかざされると、カードリーダ部131は、カードに書き込まれた情報を読み取る。カードに書き込まれる情報として、例えば、カードを利用する操作者を識別するための情報、および許可されている取引の種類を示す情報が挙げられる。このカードリーダ部131から読み取られる情報が事前に登録されている情報と一致する場合、操作者による入出金機20の利用が制御部150により許可される。
【0047】
(操作表示部133)
操作表示部133は、操作者による操作を検出する操作部としての機能および各種画面を表示する表示部としての機能を有する。表示部としての機能は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置により実現される。また、操作部としての機能は、例えば、タッチパネルにより実現される。なお、表示部および操作部は分離して構成されてもよい。
【0048】
(制御部150)
制御部150は、演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)、CPUが使用するプログラムおよび演算パラメータ等を記憶するROM(Read Only Memory)、CPUの実行において使用するプログラムおよび、その実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶するRAM(Random Access Memory)等によって構成される。
【0049】
制御部150は、入出金機20の動作全般を制御する。例えば、制御部150は、紙幣収納部112および硬貨収納部212に収納されている現金の金種別の枚数を記憶部160に記憶させる管理部としての機能を有する。制御部150は、操作者のカードによる認証が終了すると、操作者が所望の処理を選択するためのメニュー画面を操作表示部133に表示させ、メニュー画面において操作者により選択された処理の実行を制御する。
【0050】
(記憶部160)
記憶部160は、制御部150が使用するプログラムおよびデータ等を記憶するメモリによって構成される。例えば、記憶部160は、ハードディスクドライブまたはフラッシュメモリ等のメモリによって構成されてもよい。
【0051】
(硬貨処理装置200)
硬貨処理装置200は、硬貨投入口203と、硬貨鑑別部205と、硬貨リジェクト庫209と、硬貨一時保留部210と、硬貨返却箱211と、硬貨収納部212と、硬貨出金箱215と、硬貨回収庫216とを備える。
【0052】
硬貨投入口203は、操作者による硬貨の投入を受け付ける投入口である。なお、硬貨投入口203には、例えば、操作者が手動で開閉可能な蓋が設けられていてもよい。
【0053】
硬貨鑑別部205は、硬貨投入口203から投入された硬貨が正常な硬貨であるか否かを鑑別するとともに、当該硬貨の金種などを各種センサによって鑑別する。なお、例えば、制御部150は、当該鑑別結果に基づいて、正常な硬貨であると鑑別された硬貨の金種別の枚数を計数する。
【0054】
硬貨一時保留部210には、入金計数時などに一時的に硬貨が集積される。例えば、硬貨一時保留部210には、入金取引時に、硬貨鑑別部205により正常な硬貨であると鑑別された硬貨が一時的に集積される。
【0055】
硬貨返却箱211は、硬貨投入口203から投入された硬貨を返却する場所である。例えば、硬貨鑑別部205により正常な硬貨ではないと鑑別された硬貨が硬貨返却箱211に排出される。また、硬貨の投入後に入金取消がなされた際に、投入された硬貨が硬貨返却箱211に排出される。
【0056】
硬貨収納部212は、出金準備金の硬貨が収納される場所である。入金取引では、硬貨一時保留部210に一時的に集積された硬貨が硬貨収納部212に搬送され、硬貨収納部212に収納される。また、出金取引時には、出金額に相当する金種別の枚数の硬貨が硬貨収納部212から取り出され、硬貨出金箱215へ搬送される。
【0057】
硬貨出金箱215は、出金取引時などに硬貨を出金する場所である。例えば、硬貨出金箱215は、金種別の硬貨の収納エリアが設けられた引出式の箱であり、出金対象の硬貨は、金種ごとに、対応するエリアに格納される。
【0058】
(1-2.棒金収納装置300の構成)
引き続き、図2を参照しながら、本発明の第1の実施形態に係る棒金収納装置300の構成例について説明する。
【0059】
図2に示すように、棒金収納装置300は、制御部350と、記憶部360と、筐体370とを備える。また、棒金収納装置300は、棒金収納部311~313を備える。さらに、棒金収納装置300は、棒金収納部311に対応して設けられる、撮像部321、照明部331a、331bおよび開閉検知スイッチ341を備える。
【0060】
同様に、棒金収納装置300は、棒金収納部312に対応して設けられる、撮像部322、照明部332a、332bおよび開閉検知スイッチ342を備える。また、棒金収納装置300は、棒金収納部313に対応して設けられる、撮像部323、照明部333a、333bおよび開閉検知スイッチ343を備える。
【0061】
(筐体370)
筐体370は、棒金収納装置300を構成する各種の部品を内部に収納するための箱である。筐体370の内部に収納される部品の例としては、棒金収納部311~313、撮像部321~323、照明部331a、331b、332a、332b、333a、333b、開閉検知スイッチ341~343、制御部350および記憶部360が挙げられる。
【0062】
図3および図4を参照しながら、棒金収納部311~313、撮像部321~323、照明部331a、331b、332a、332b、333a、333b、開閉検知スイッチ341~343について詳細に説明する。
【0063】
図3は、本発明の第1の実施形態に係る棒金収納装置300の構成を示す斜視図である。図3を参照すると、筐体370と、棒金収納部311~313とが示されている。棒金収納部311~313それぞれは、筐体370から引き出し可能に収納される。図3に示された例において、棒金収納部311および棒金収納部313は、筐体370に収納されている。一方、棒金収納部312は、筐体370から図3の「引き出し方向」に引き出されている。
【0064】
一例として、操作者は、図3に示すように、棒金収納部312を筐体370から引き出すことにより、棒金収納部312に収納された棒金を取り出すことが可能である。同様にして、操作者は、棒金収納部311を筐体370から引き出すことにより、棒金収納部311に収納された棒金を取り出すことが可能であり、棒金収納部313を筐体370から引き出すことにより、棒金収納部313に収納された棒金を取り出すことが可能である。
【0065】
図3に示された例では、棒金収納装置300が、3つの棒金収納部である棒金収納部311~313を備えている。しかし、棒金収納装置300が備える棒金収納部の数は、1つまたは2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。棒金収納部311~313それぞれの構成は同様であるため、以下では、棒金収納部312の構成について詳細に説明し、棒金収納部311、313の構成についての詳細な説明を省略する。
【0066】
(棒金収納部312)
棒金収納部312は、1または複数の棒金を収納する。上記したように、棒金は、同一金種の所定枚数の硬貨を棒状に包装して得られる。所定枚数の具体的な数は、複数であれば特に限定されない。
【0067】
棒金収納部312は、各々が棒金を収納可能な棒金収納スロットR1~R6を備える。棒金収納スロットR1~R6は、互いに異なる金種の棒金を収納する。即ち、本発明の第1の実施形態においては、棒金収納部312が、6種類の金種の棒金を収納可能である場合を主に想定する。しかし、棒金収納部312が収納可能な棒金の金種は、6種類に限定されない。なお、棒金収納スロットは、「棒金収納場所」とも換言され得る。
【0068】
ここでは、一例として、棒金収納スロットR1が、一円硬貨の棒金を収納し、棒金収納スロットR2が、五円硬貨の棒金を収納し、棒金収納スロットR3が、十円硬貨の棒金を収納する場合を想定する。また、棒金収納スロットR4が、五十円硬貨の棒金を収納し、棒金収納スロットR5が、百円硬貨の棒金を収納し、棒金収納スロットR6が、五百円硬貨の棒金を収納する場合を想定する。
【0069】
棒金収納スロットR1~R6は、棒金収納列Rを構成している。棒金収納部312は、棒金収納列Rと同様の列を、棒金収納部312の「引き出し方向」に沿って有している。ここでは、棒金収納部312が、10列の棒金収納列を有している場合を想定する。しかし、棒金収納部312が有する棒金収納列の数は限定されない。棒金収納スロット群Tは、棒金収納部312が有する棒金収納スロットの全体である。
【0070】
棒金収納スロット群Tに含まれる各棒金収納スロットは、棒金収納部312に設けられた円柱形状の窪みである。そして、棒金収納スロット群Tに含まれる各棒金収納スロットの底面の径は、硬貨の径よりも僅かに大きく形成されている。そのため、円柱形状を有する棒金の底面が棒金収納スロットの底面と接するように棒金が棒金収納スロットに収納された状態(即ち、棒金の立位状態)において、棒金は棒金収納スロットの内部に安定して存在する。
【0071】
なお、棒金収納スロット群Tに含まれる各棒金収納スロットの深さと、棒金収納スロットに収納される棒金の高さとの大小関係は限定されない。本発明の第1の実施形態においては、棒金収納スロット群Tに含まれる各棒金収納スロットの深さと、棒金収納スロットに収納される棒金の高さとが、略同一である場合を主に想定する。しかし、棒金収納スロットに収納される棒金の高さが、棒金収納スロット群Tに含まれる各棒金収納スロットの深さよりも僅かに大きくてもよい。
【0072】
図4は、図3のA-A断面図である。図4を参照すると、上段に位置する棒金収納部311に対応して、撮像部321、照明部331a、331bおよび開閉検知スイッチ341が設けられている。同様に、中段に位置する棒金収納部312に対応して、撮像部322、照明部332a、332bおよび開閉検知スイッチ342が設けられ、下段に位置する棒金収納部313に対応して、撮像部323、照明部333a、333bおよび開閉検知スイッチ343が設けられている。
【0073】
ここで、撮像部321と、撮像部322と、撮像部323とは、それぞれが存在する段において同様の機能を発揮する。また、照明部331a、331bと、照明部332a、332bと、照明部333a、333bとは、それぞれが存在する段において同様の機能を有する。さらに、開閉検知スイッチ341と、開閉検知スイッチ342と、開閉検知スイッチ343とは、それぞれが存在する段において同様の機能を有する。
【0074】
したがって、以下では、中段に位置する、撮像部322、照明部332a、332bおよび開閉検知スイッチ342について主に説明し、上下段に位置する、撮像部321、撮像部323、照明部331a、331b、照明部333a、333b、開閉検知スイッチ341、および、開閉検知スイッチ343についての詳細な説明は省略する。
【0075】
(撮像部322)
撮像部322は、棒金収納部312が筐体370に押し込まれ、棒金収納部312が筐体370に収納された状態において棒金収納部312の上方に位置するように設けられている。このような位置に撮像部322が設けられることにより、1個のセンサを用いて有無または金種を判定することが可能な棒金の本数を複数に増加させることが可能となるため、棒金収納装置300の構成を簡易にすることが可能となる。
【0076】
さらに、このような位置に撮像部322が設けられることにより、撮像部322は、棒金収納部312が筐体370に収納された状態において棒金収納部312に収納された1または複数の棒金を撮像し得る。かかる構成により、棒金が撮像されるときに振動または衝撃が棒金に与えられてしまう可能性が低減され、画像に写る棒金の位置が安定し、画像に基づく棒金の収納状態(例えば、棒金の有無または金種など)の認識精度の低下が抑制され得る。
【0077】
さらに、本発明の第1の実施形態においては、撮像部322が備えるレンズが、魚眼レンズである場合を主に想定する。魚眼レンズを通して撮像部322による撮像が行われる場合には、撮像された画像に歪みが生じてしまうものの、広範囲の画像が撮像され得る。一例として、魚眼レンズの画角は、180度よりも大きな値(例えば、185度など)であってもよい。しかし、撮像部322が備えるレンズは、魚眼レンズ以外のレンズであってもよい。
【0078】
例えば、撮像部322が備えるレンズは、超広角レンズであってもよい。超広角レンズを通して撮像部322による撮像が行われる場合にも、(魚眼レンズを通して撮像が行われる場合と比較して狭い範囲の画像が撮像される可能性があるが)、広範囲の画像が撮像され得る。さらに、超広角レンズを通して撮像部322による撮像が行われる場合には、撮像された画像に生じる歪みを抑えることが可能となる。
【0079】
ここで、魚眼レンズを通して撮像が行われることの技術的意義を明らかにするため、魚眼レンズでもなく超広角レンズでもないレンズ(以下、「通常レンズ」とも言う。)を通して撮像が行われる例を比較例とし、図5を参照しながら、比較例に係る撮像例についてまず説明し、図6を参照しながら、本発明の第1の実施形態に係る撮像例について説明する。
【0080】
図5は、比較例に係る撮像例について説明するための模式図である。図5には、魚眼レンズを通して撮像を行う撮像部322の代わりに設けられた、通常レンズを通して撮像を行う撮像部522と、棒金収納部312とを、棒金収納装置300の右から見た図が示されている。
【0081】
図5を参照すると、撮像部522が備える通常レンズの画角が狭いため、撮像部522による撮像範囲P5に、棒金収納スロット群Tの上面の一部しか収まっていない。一例として、棒金収納スロット群Tに含まれる棒金収納スロットR6の上面は、撮像部522による撮像範囲P5の外側に存在してしまっている。
【0082】
このような状態においては、棒金収納スロット群Tに収納される棒金の一部の上面しか撮像部522によって撮像されなくなってしまうため、収納状態(例えば、棒金の有無または金種など)が認識されない棒金が存在してしまう。
【0083】
図6は、本発明の第1の実施形態に係る撮像例について説明するための模式図である。図6には、魚眼レンズを通して撮像を行う撮像部322と、棒金収納部312とを、棒金収納装置300の右から見た図が示されている。
【0084】
図6を参照すると、撮像部322が備える魚眼レンズの画角が広いため、撮像部322による撮像範囲P3に、棒金収納スロット群Tの上面の全体が収まっている。一例として、棒金収納スロット群Tに含まれる棒金収納スロットR6の上面が、撮像部322による撮像範囲P3の内側に存在している。
【0085】
このような状態においては、棒金収納スロット群Tに収納される棒金の上面の全体が撮像部322によって撮像されるため、収納状態(例えば、棒金の有無または金種など)が認識されない棒金が存在しなくなる。
【0086】
図4に戻って説明を続ける。なお、図4に示すように、撮像部322は、棒金収納部312の上方に固定して設けられているのが望ましい。これにより、撮像部322によって撮像されて得られる画像に写る棒金の位置がさらに安定し、画像に基づく棒金の収納状態の認識精度の低下がより一層抑制され得る。
【0087】
さらに、図4に示すように、撮像部322は、棒金収納部312の上方かつ筐体370の内部に固定して設けられているのが望ましい。このような位置に撮像部322が設けられることにより、撮像部322は、棒金収納部312が筐体370に収納された状態において棒金収納部312に収納された1または複数の棒金を、撮像することを実現し得る。
【0088】
(照明部332a、332b)
照明部332a、332bは、棒金収納部312に光を照射する。例えば、撮像部322が可視光カメラである場合には、照明部332a、332bは、棒金収納部312に可視光を照射する。例えば、照明部332a、332bは、LED(Light Emitting Diode)によって実現され得る。
【0089】
また、照明部332a、332bは、棒金収納部312が筐体370に押し込まれ、棒金収納部312が筐体370に収納された状態において棒金収納部312の上方に位置するように設けられている。
【0090】
棒金収納部312が筐体370に収納された状態においては、筐体370の外部から内部に入り込む光が少なくなってしまう。しかし、照明部332a、332bがこのような位置に設けられることにより、照明部332a、332bが、棒金収納部312に収納された1または複数の棒金の上面に光を照射するため、撮像部322によって撮像されて得られる画像に基づく棒金の収納状態の認識精度が向上し得る。
【0091】
(開閉検知スイッチ342)
開閉検知スイッチ342は、棒金収納部312が筐体370に押し込まれ、棒金収納部312が筐体370に収納された状態を、棒金収納部312の閉状態として検知するスイッチとして機能する。例えば、開閉検知スイッチ342は、棒金収納部312が筐体370に押し込まれ、棒金収納部312および筐体370から押圧を受けることにより、棒金収納部312の閉状態を検知する。
【0092】
また、開閉検知スイッチ342は、棒金収納部312が筐体370から引き出され、棒金収納部312が筐体370に収納された状態が解除された状態を棒金収納部312の開状態として検知するスイッチとして機能する。例えば、開閉検知スイッチ342は、棒金収納部312が筐体370から引き出され、棒金収納部312および筐体370から受ける押圧が解除されることにより、棒金収納部312の開状態を検知する。
【0093】
(制御部350)
制御部350は、演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)、CPUが使用するプログラムおよび演算パラメータ等を記憶するROM(Read Only Memory)、CPUの実行において使用するプログラムおよび、その実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶するRAM(Random Access Memory)等によって構成される。制御部350は、棒金収納装置300の動作全般を制御する。
【0094】
例えば、制御部350は、入出金機20から送信された棒金有高要求を受信すると、開閉検知スイッチ341~343によって棒金収納部311~313が筐体370に収納された状態が検知されたか否かを判定する。
【0095】
制御部350は、開閉検知スイッチ341~343によって棒金収納部311~313が筐体370に収納された状態が検知されたと判定されたことに基づいて、照明部331a、331b、332a、332b、333a、333bの点灯を開始するとともに、撮像部321~323による撮像を開始する。
【0096】
撮像部322によって撮像されて得られた画像には、棒金収納部312に収納された1または複数の棒金の上面(即ち、硬貨の表面または裏面)が写り得る。そこで、制御部350は、撮像部322によって撮像されて得られた画像に基づいて、棒金収納部312が収納する1または複数の棒金の収納状態を認識し得る。
【0097】
なお、魚眼レンズを通して撮像部322によって撮像が行われる場合には、制御部350は、撮像部322によって撮像されて得られた画像に基づく棒金の収納状態の認識に先立って、画像の歪みを低減する加工を画像に対して行う必要がある。
【0098】
ここで、一例として、制御部350によって認識される収納状態は、棒金収納部312に収納されている棒金の金種を含み得る。より詳細に、制御部350によって認識される収納状態は、棒金収納部312に設けられた棒金収納スロット群Tの一部または全部に収納されている棒金の金種を含み得る。即ち、制御部350は、撮像部322によって撮像されて得られた画像に基づいて、棒金収納部312に設けられた棒金収納スロット群Tの一部または全部に収納されている棒金の金種を認識し得る。
【0099】
ここで、棒金の金種を認識する手法は特に限定されない。例えば、金種ごとに硬貨の特徴(例えば、硬貨の色、サイズ、模様など)が記憶部360にあらかじめ記憶されている場合が想定される。かかる場合には、制御部350は、記憶部360に記憶された硬貨の特徴と一致または類似する特徴が画像から認識された場合に、その特徴を有する硬貨の金種を棒金の金種として認識してもよい。
【0100】
また、棒金が収納されるべき棒金収納スロットは、棒金の金種ごとに決められている。そこで、他の一例として、制御部350によって認識される収納状態は、画像から認識された棒金の金種が正しいかを示す情報を含んでもよい。
【0101】
より具体的に、金種ごとに棒金が収納されるべき棒金収納スロットを示す情報が記憶部360にあらかじめ記憶されている場合が想定される。かかる場合には、制御部350は、画像から棒金の金種およびその棒金が収納されている棒金収納スロットを示す情報を認識し、画像から認識された棒金の金種と、認識した棒金収納スロットを示す情報にあらかじめ対応付けられた金種とが一致するか否かにより、画像から認識された棒金の金種が正しいか否かを認識してもよい。なお、棒金収納スロットを示す情報は、画像のどの領域に棒金収納スロットが写っているかを示す情報であってもよい。
【0102】
また、他の一例として、制御部350によって認識される収納状態は、棒金収納部312に棒金が収納されているか否かを示す情報を含み得る。より具体的に、制御部350によって認識される収納状態は、棒金収納部312に設けられた棒金収納スロット群Tに含まれる各棒金収納スロットに棒金が収納されているか否かを示す情報を含み得る。
【0103】
ここで、棒金収納スロットに棒金が収納されているか否かを認識する手法は特に限定されない。例えば、硬貨の特徴(例えば、硬貨の色、サイズ、模様など)が記憶部360にあらかじめ記憶されている場合が想定される。かかる場合には、制御部350は、記憶部360に記憶された硬貨の特徴と一致または類似する特徴が、画像に写る棒金収納スロットの内部から認識された場合に、その棒金収納スロットに棒金が収納されていると認識してもよい。
【0104】
なお、制御部350は、同様にして、撮像部321によって撮像されて得られた画像に基づいて、棒金収納部311が収納する1または複数の棒金の収納状態を認識し得る。さらに、制御部350は、撮像部323によって撮像されて得られた画像に基づいて、棒金収納部313が収納する1または複数の棒金の収納状態を認識し得る。
【0105】
(記憶部360)
記憶部360は、制御部350が使用するプログラムおよびデータ等を記憶するメモリによって構成される。例えば、記憶部360は、ハードディスクドライブまたはフラッシュメモリ等のメモリによって構成されてもよい。
【0106】
以上、本発明の第1の実施形態に係る棒金収納装置300の構成例について説明した。
【0107】
(1-3.棒金収納装置300の動作例)
引き続き、図7を参照しながら(図1図6も適宜参照しながら)、本発明の第1の実施形態に係る棒金収納装置300の動作例について説明する。
【0108】
図7は、本発明の第1の実施形態に係る棒金収納装置300の動作例を示すフローチャートである。まず、操作者は、入出金機20における操作表示部133に対して所定の有高確認操作を入力することが可能である。操作者によって有高確認操作が入力されたことに基づいて、入出金機20から有高要求が棒金収納装置300に送信される。
【0109】
なお、操作者は、操作表示部133に対する有高確認操作の入力に際して、実際の棒金有高との比較のために判定用の棒金有高を指定可能であってもよい。このとき、入出金機20から棒金収納装置300に送信される棒金有高要求には、操作者によって指定された判定用の棒金有高が含まれていてもよい。
【0110】
棒金収納装置300において、制御部350は、入出金機20から送信された有高要求を受信すると、開閉検知スイッチ341~343によって棒金収納部311~313の押し込みが検知されたか否かを判定する(S11)。なお、棒金収納部311~313の押し込みは、棒金収納部311~313が筐体370に収納された状態とも換言され得る。
【0111】
制御部350は、開閉検知スイッチ341~343によって棒金収納部311~313の押し込みが検知されないと判定された場合には(S11において「NO」)、S11に動作を移行させる。一方、開閉検知スイッチ341~343によって棒金収納部311~313の押し込みが検知されたと判定された場合には(S11において「YES」)、照明部331a、331b、332a、332b、333a、333bの点灯を開始する(S12)。
【0112】
続いて、制御部350は、エラー回数をカウントするためのカウンタS_CNTを初期化する(S13)。例えば、カウンタS_CNTは、ゼロ(零)に初期化される。続いて、制御部350は、カウンタS_CNTをインクリメントする(S14)。例えば、カウンタS_CNTをインクリメントすることは、カウンタS_CNTを1増加させることを意味してよい。制御部350は、カウンタS_CNTが閾値THよりも大きいか否かを判定する(S15)。
【0113】
制御部350は、カウンタS_CNTが閾値THよりも大きいと判定した場合には(S15において「YES」)、エラー終了を行う(S16)。エラー終了は、入出金機20にエラーを通知し、操作表示部133にエラーを表示させることを意味し得る。一方、カウンタS_CNTが閾値TH以下であると判定した場合には(S15において「NO」)、撮像部321~323による撮像を開始する(S17)。
【0114】
続いて、制御部350は、撮像部321~323によって撮像されて得られた画像の歪みを低減する加工を画像に対して行う(S18)。
【0115】
そして、制御部350は、画像から棒金の金種を判定することが可能であるか否かを判定する(S19)。例えば、制御部350は、画像における棒金収納スロット群Tの内部に写る物体が、硬貨の特徴(例えば、硬貨の色、サイズ、模様など)を有しているか否かにより、画像から棒金の金種を判定可能であるか否かを判定してもよい。
【0116】
続いて、制御部350は、画像から棒金の金種を判定することが可能ではないと判定した場合には(S19において「NO」)、S14に動作を移行させる。一方、制御部350は、画像から棒金の金種を判定することが可能であると判定した場合には(S19において「YES」)、撮像部322によって撮像されて得られた画像に基づいて、棒金収納部311~313に収納されている棒金の金種を認識する。
【0117】
続いて、制御部350は、画像から棒金の金種およびその棒金が収納されている棒金収納スロットを示す情報を認識する。そして、制御部350は、画像から認識された棒金の金種と、認識した棒金収納スロットを示す情報にあらかじめ対応付けられた金種とが一致するか否かを判定する(S20)。
【0118】
制御部350は、画像から認識された棒金の金種と、認識した棒金収納スロットを示す情報にあらかじめ対応付けられた金種とが一致しないと判定した場合には(S20において「NO」)、エラーメッセージを入出金機20に通知し(S21)、S14に動作を移行させる。エラーメッセージは、棒金収納部を開けて棒金を正しい棒金収納スロットに入れ直すことを促すメッセージであってもよい。入出金機20においては、エラーメッセージが受信され、操作表示部133によってエラーメッセージが表示される。
【0119】
一方、制御部350は、画像から認識された棒金の金種と、認識した棒金収納スロットを示す情報にあらかじめ対応付けられた金種とが一致すると判定した場合には(S20において「YES」)、照明部331a、331b、332a、332b、333a、333bを消灯する。
【0120】
そして、制御部350は、画像から棒金収納部311~313に含まれる各棒金収納スロットに棒金が収納されているかを認識することに基づいて、棒金収納部311~313に収納されている棒金数量を金種ごとにカウントし(S22)、動作を終了する。
【0121】
制御部350は、金種ごとの棒金数量を棒金有高として、入出金機20に送信する。入出金機20においては、棒金有高が受信され、操作表示部133によって棒金有高が表示される。なお、棒金有高要求には、操作者によって指定された判定用の棒金有高が含まれている場合には、カウントした棒金有高と判定用の棒金有高とを比較し、比較結果を入出金機20に送信してもよい。このとき、入出金機20においては、比較結果が受信され、操作表示部133によって比較結果が表示されてもよい。
【0122】
以上、本発明の第1の実施形態について説明した。
【0123】
<2.第2の実施形態>
本発明の第1の実施形態に係る棒金収納装置300においては、棒金収納部311に対応する撮像部321が1つであり、棒金収納部312に対応する撮像部322が1つであり、棒金収納部313に対応する撮像部323が1つである場合を主に説明した。しかし、棒金収納部311に対応する撮像部321が複数であってもよいし、棒金収納部312に対応する撮像部322が複数であってもよいし、棒金収納部313に対応する撮像部323が複数であってもよい。
【0124】
(2-1.棒金収納装置400の構成)
図8を参照しながら、本発明の第2の実施形態に係る棒金収納装置400の構成例について説明する。
【0125】
図8は、本発明の第2の実施形態に係る棒金収納装置400を右から見た側面断面図である。図8を参照すると、上段に位置する棒金収納部311に対応する、撮像部321が2つ(撮像部321a、321b)である。同様に、中段に位置する棒金収納部312に対応する、撮像部322が2つ(撮像部322a、322b)であり、下段に位置する棒金収納部313に対応する、撮像部323が2つ(撮像部323a、323b)である。
【0126】
このように、棒金収納部311~313それぞれに対応する撮像部は、複数であってもよい。このとき、制御部350は、複数の撮像部それぞれによって撮像された画像に基づいて、棒金収納部311~313が収納する1または複数の棒金の収納状態を認識し得る。なお、複数の撮像部それぞれによって撮像された画像に基づいて棒金の収納状態を認識する手法は、本発明の第1の実施形態に係る1つの撮像部によって撮像された画像に基づいて棒金の収納状態を認識する手法と同様であってよい。
【0127】
さらに、図8を参照すると、上段に位置する棒金収納部311に対応する、照明部331が3つ(照明部331a、331b、331c)である。同様に、中段に位置する棒金収納部312に対応する、照明部332が3つ(照明部332a、332b、332c)であり、下段に位置する棒金収納部313に対応する、照明部333が3つ(照明部333a、333b、333c)である。
【0128】
このように、棒金収納部311~313それぞれに対応する照明部は、3つ以上であってもよいし、1つであってもよい。さらに、棒金収納部311~313それぞれに対応する照明部の位置は、棒金収納部311~313に収納された1または複数の棒金の上面に光を照射できる位置であればよく、図4に図示した前記収納部の上方の位置に限らず、例えば前記収納部の左右側面または前後側面の上方であってもよい。
【0129】
図9は、本発明の第2の実施形態に係る撮像例について説明するための模式図である。図9には、魚眼レンズを通して撮像を行う撮像部322a、322bと、棒金収納部312とを、棒金収納装置400の右から見た図が示されている。
【0130】
図9を参照すると、本発明の第1の実施形態に係る撮像部322(図6)が備える魚眼レンズの画角と、本発明の第2の実施形態に係る撮像部322a、322bそれぞれが備える魚眼レンズの画角とは同じである。撮像部322aによる撮像範囲P3aおよび撮像部322bによる撮像範囲P3bには、棒金収納スロット群Tの上面の全体が収まっている。
【0131】
さらに、棒金収納スロット群Tに収納される棒金の撮像が、撮像部322aおよび撮像部322bに分担されることにより、撮像部322aおよび撮像部322bそれぞれから見える棒金の上面がより真円に近づく。これにより、撮像部322aおよび撮像部322bによって分担して撮像された画像に基づく収納状態の認識精度がより向上することが期待される。
【0132】
<3.補足>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属すると了解される。
【0133】
また、棒金収納装置300または棒金収納装置400に内蔵されるCPU、ROM、およびRAM等のハードウェアに、棒金収納装置300または棒金収納装置400の機能を発揮させるための1以上のコンピュータプログラムも作成可能である。また、当該1以上のコンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体も提供される。
【符号の説明】
【0134】
10 現金処理システム
300 棒金収納装置
311~313 棒金収納部
321~323 撮像部
331~333 照明部
341~343 開閉検知スイッチ
350 制御部
360 記憶部
370 筐体
400 棒金収納装置



図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9