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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011373
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】グリル付きコンロ
(51)【国際特許分類】
   F24C 15/16 20060101AFI20240118BHJP
   F24C 3/02 20210101ALI20240118BHJP
   A47J 37/06 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
F24C15/16 B
F24C3/02 L
F24C3/02 Q
A47J37/06 366
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022113312
(22)【出願日】2022-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】000112015
【氏名又は名称】株式会社パロマ
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐々 琢磨
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 匠
【テーマコード(参考)】
4B040
【Fターム(参考)】
4B040AA03
4B040AA08
4B040AB03
4B040AD04
4B040CA02
4B040ED01
4B040GD04
(57)【要約】
【課題】つまみを用いることなく、調理容器の誤使用を防止することができるグリル付きコンロを提供する。
【解決手段】グリル付きコンロは、前側に入口17を有するグリル庫10と、グリル庫10に出し入れ可能に収納される支持枠20と、を備え、支持枠20には、焼き網40と、調理容器50を載置する載置台30と、が選択的にセット可能とされたグリル付きコンロであって、調理容器50は、左右両側部から左右方向にそれぞれ突出する一対の耳部53,53を有し、一対の耳部53、53の一方の外縁部から一対の耳部53,53の他方の外縁部までの左右方向の最大寸法をL、支持枠20にセットされた載置台30に調理容器50が載置されている状態における一対の耳部53,53の高さ位置での入口17の左右方向の寸法をL1、支持枠20にセットされた焼き網40上に調理容器50が載置されている状態における一対の耳部53,53の高さ位置での入口17の左右方向の寸法をL2とした場合に、L1>L>L2の関係が成り立つ。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前側に入口を有するグリル庫と、前記グリル庫に出し入れ可能に収納される支持枠と、を備え、前記支持枠には、焼き網と、調理容器を載置する載置台と、が選択的にセット可能とされたグリル付きコンロであって、
前記調理容器は、左右両側部から左右方向にそれぞれ突出する一対の耳部を有し、
前記一対の耳部の一方の外縁部から前記一対の耳部の他方の外縁部までの左右方向の最大寸法をL、
前記支持枠にセットされた前記載置台に前記調理容器が載置されている状態における前記一対の耳部の高さ位置での前記入口の左右方向の寸法をL1、
前記支持枠にセットされた前記焼き網上に前記調理容器が載置されている状態における前記一対の耳部の高さ位置での前記入口の左右方向の寸法をL2とした場合に、
L1>L>L2の関係が成り立つ、グリル付きコンロ。
【請求項2】
前記入口の口縁部は、上方に向かうほど前記入口の内方に位置して傾斜する幅狭部を有し、
前記幅狭部における前記入口の左右方向の最大寸法をL3、
前記幅狭部における前記入口の左右方向の最小寸法をL4とした場合に、
L3≧L1、L4≦L2の関係が成り立つ、請求項1に記載のグリル付きコンロ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、グリル付きコンロに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、蓋付きの調理容器をグリル庫内に収納し、グリルバーナで加熱調理することができるグリル付きコンロとして、特開2021-12007号公報(下記特許文献1)に記載のグリル付きコンロが知られている。このグリル付きコンロは、グリル庫に出し入れされる支持枠から焼き網を取り外して専用の載置台をセットし、この載置台に調理容器を載置してグリル庫内に収納するように構成されている。これにより、調理中に、調理容器をグリル庫内の最適な位置に保持できるようになっている。
【0003】
この種のグリル付きコンロでは、ユーザが焼き網上に調理容器を載置して使用することがありうる。この場合、調理容器は焼き網上で固定されないため、支持枠と共に調理容器を出し入れする際に調理容器が焼き網上を滑りやすい。また、グリル庫内の偏った位置で調理容器が加熱されるため、焼き上がりにムラが生じやすい。そこで、特許文献1に記載のグリル付きコンロでは、調理容器の蓋体につまみを設け、焼き網上に調理容器を載置した状態では、つまみがグリル庫入口の口縁部に干渉して、調理容器をグリル庫内に収納することができないようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-12007号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の構成では、つまみを設けることで組立工程が増えたり、調理容器の手入れ性が悪化したりすることが考えられる。よって、つまみとは異なる構成によって、焼き網上に調理容器を載置する誤使用を防止できるグリル付きコンロが希求される。
【0006】
本開示は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、つまみを用いることなく、調理容器の誤使用を防止することができるグリル付きコンロを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のグリル付きコンロは、前側に入口を有するグリル庫と、前記グリル庫に出し入れ可能に収納される支持枠と、を備え、前記支持枠には、焼き網と、調理容器を載置する載置台と、が選択的にセット可能とされたグリル付きコンロであって、前記調理容器は、左右両側部から左右方向にそれぞれ突出する一対の耳部を有し、前記一対の耳部の一方の外縁部から前記一対の耳部の他方の外縁部までの左右方向の最大寸法をL、前記支持枠にセットされた前記載置台に前記調理容器が載置されている状態における前記一対の耳部の高さ位置での前記入口の左右方向の寸法をL1、前記支持枠にセットされた前記焼き網上に前記調理容器が載置されている状態における前記一対の耳部の高さ位置での前記入口の左右方向の寸法をL2とした場合に、L1>L>L2の関係が成り立つ、グリル付きコンロである。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、つまみを用いることなく、調理容器の誤使用を防止することができるグリル付きコンロを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態にかかるテーブルコンロの正面図である。
図2図2は、テーブルコンロのグリル庫からグリル扉及び支持枠を取り外した状態のテーブルコンロの正面図であって、グリル庫の入口を示す図である。
図3図3は、図1のA-A断面図である。
図4図4は、図3のB-B断面図である。
図5図5は、支持枠、載置台、及び調理容器を示す斜視図である。
図6図6は、支持枠及び焼き網を示す斜視図である。
図7図7は、テーブルコンロのグリル庫に調理容器を収納する様子を示す側面図である。
図8図8は、図7のC-C断面図である。
図9図9は、図7のC-C断面において、支持枠にセットされた焼き網上に調理容器が載置されている状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列挙して説明する。
【0011】
(1)本開示のグリル付きコンロは、前側に入口を有するグリル庫と、前記グリル庫に出し入れ可能に収納される支持枠と、を備え、前記支持枠には、焼き網と、調理容器を載置する載置台と、が選択的にセット可能とされたグリル付きコンロであって、前記調理容器は、左右両側部から左右方向にそれぞれ突出する一対の耳部を有し、前記一対の耳部の一方の外縁部から前記一対の耳部の他方の外縁部までの左右方向の最大寸法をL、前記支持枠にセットされた前記載置台に前記調理容器が載置されている状態における前記一対の耳部の高さ位置での前記入口の左右方向の寸法をL1、前記支持枠にセットされた前記焼き網上に前記調理容器が載置されている状態における前記一対の耳部の高さ位置での前記入口の左右方向の寸法をL2とした場合に、L1>L>L2の関係が成り立つ。
【0012】
このような構成によると、調理容器が載置台に載置されている正規の状態では、一対の耳部が配される高さ位置におけるグリル庫の入口の左右方向の寸法は、調理容器の左右方向の最大寸法よりも大きいから(L1>L)、調理容器をグリル庫内に収納し、加熱調理を行うことができる。一方、焼き網上に調理容器が載置された非正規の状態では、一対の耳部が配される高さ位置におけるグリル庫の入口の左右方向の寸法は、調理容器の左右方向の最大寸法よりも小さくなっている(L>L2)。このため、調理容器をグリル庫内に収納しようとしても、一対の耳部が入口の口縁部に干渉することにより、調理容器のグリル庫内への収納が防止される。したがって、つまみを用いることなく、調理容器の誤使用を防止できる。
【0013】
(2)前記入口の口縁部は、上方に向かうほど前記入口の内方に位置して傾斜する幅狭部を有し、前記幅狭部における前記入口の左右方向の最大寸法をL3、前記幅狭部における前記入口の左右方向の最小寸法をL4とした場合に、L3≧L1、L4≦L2の関係が成り立つことが好ましい。
【0014】
入口の口縁部に幅狭部を設けることにより、容易にL1>L>L2の関係を成立させることができる。
【0015】
[本開示の実施形態の詳細]
以下に、本開示の実施形態について説明する。本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0016】
<実施形態>
本開示の実施形態について、図1から図9を参照しつつ説明する。本実施形態にかかるテーブルコンロ1(グリル付きコンロの一例)は、図1に示すように、天板3を有する器体2と、器体2の上部に配される2つのコンロ部4,4と、2つのコンロ部4,4の間で器体2内の中央に配されるグリル5と、を備えている。器体2の正面には、各コンロ部4及びグリル5に対応した点消火ボタン6,6・・、火力調整レバー7,7・・、調理メニュー等を選択操作するための操作表示部8が設けられている。
【0017】
図3に示すように、グリル5は、器体2内で区画形成されて前方を開口させたグリル庫10と、グリル庫10の後部に連結される排気ダクト11と、を備えている。グリル庫10の上側内面には、燃焼面を下向きにした上バーナ12と、点火電極13及び熱電対14と、が設けられている。グリル庫10の左右の内面には、前後方向へ延びてグリル庫10の中央側へ炎孔を向けた下バーナ15,15と、図示しない点火電極及び熱電対と、がそれぞれ設けられている。
排気ダクト11は、グリル庫10の後端に連設されて上向きに延びる横長の四角筒状とされている。排気ダクト11の上端は、天板3に形成される排気口16と接続されている。
【0018】
図2に示すように、グリル庫10は、前方に開口する入口17を有している。入口17は、上下方向に小さく、左右方向に大きい開口とされている。入口17の上側部分には、上方に向かうにつれて入口17が幅狭となるように幅狭部18が設けられている。幅狭部18における入口17の左右方向の最大寸法はL3とされ、幅狭部18における入口17の左右方向の最小寸法はL4とされている。
【0019】
図3及び図7に示すように、グリル庫10の底部には、支持枠20が前方から出し入れ可能に収納されるようになっている。この支持枠20上には、焼き網台21と受け皿22とがそれぞれ設けられている。焼き網台21及び受け皿22は、支持枠20の出し入れに伴ってグリル庫10から同時に出し入れ可能となっている。
【0020】
支持枠20は、図5に示すように、平面視矩形状に折り曲げ形成される金属製の枠体23と、その枠体23内で長手方向の前後両端に固着される前板24及び後板25と、を備えている。支持枠20の前板24は、グリル扉26に固定されている。この支持枠20は、グリル庫10内部底面に設けられたレール状の支持枠受け27,27(図8参照)によって前後方向へスライド可能にガイドされている。図3に示すように、支持枠20がグリル庫10内に収納された状態では、グリル扉26により、グリル庫10の入口17が塞がれるようになっている。
【0021】
焼き網台21は、金属製の棒材を折り曲げ形成してなる枠状で、長手方向の前後両端が支持枠20の前板24及び後板25にそれぞれ載置されるようになっている。焼き網台21の長手方向の前後両端には、中央が突出する凸字状の受け部28,28がそれぞれ上向きに折り曲げ形成されている。
受け皿22は、長手方向の寸法が焼き網台21の受け部28,28の間隔よりも小さい平面視矩形状で、焼き網台21内に嵌合して支持される。
【0022】
図6に示すように、焼き網台21には、金属製の棒材によって平面視矩形状に形成される焼き網40が載置可能となっている。焼き網40は、長手方向の前後両端にそれぞれ一対の突出部41を備えている。一対の突出部41が受け部28,28の左右の肩部にそれぞれ載置されることで、焼き網台21に対して焼き網40が固定される。
【0023】
図5に示すように、焼き網台21には、焼き網40に代えて、後述する調理容器50をグリル庫10内で支持するための載置台30が載置可能とされている。
載置台30は、金属製の棒材を平面視矩形状に形成してなる下面支持枠31と、板状の係止板33,33と、金属製の棒材からなる周面支持枠34,34と、を有している。周面支持枠34,34はそれぞれ係止板33,33の上面に固定されている。係止板33,33の下部は、下面支持枠31の長手方向の前後両側にそれぞれ固定されている。
【0024】
図3に示すように、下面支持枠31は、調理容器50の前後の底面をそれぞれ支持する前支持部36,36及び後支持部37,37と、前支持部36,36の前側及び後支持部37,37の後側に設けられ、上方に立ち上がる起立部32,32と、前支持部36,36及び後支持部37,37の間において前支持部36,36及び後支持部37,37の下方に配される左右一対の落ち込み部35,35と、を備える。下面支持枠31は、左右方向の寸法が、調理容器50の幅寸法よりも小さい間隔で形成されて、調理容器50が載置可能となっている。詳細には、前支持部36,36の左右の間隔、及び後支持部37,37の左右の間隔は、調理容器50の左右の寸法(幅寸法)よりも小さくなっている。
【0025】
図5に示すように、起立部32,32には、それぞれ係止板33,33が連結されている。係止板33,33には、一対の突部39,39がそれぞれ形成され、突部39,39を焼き網台21の受け部28の両肩部に載置することで、焼き網40と同様に前後の受け部28,28の間に架け渡す格好で下面支持枠31を載置することができる(図4参照)。
周面支持枠34,34は、左右両端が調理容器50の前後の端部形状に合致する円弧状に形成されている。
【0026】
図3に示すように、落ち込み部35は、前後方向に延在している。各落ち込み部35と前支持部36及び後支持部37との間は、それぞれ前後方向の中央側へ行くに従って下降する下り傾斜部38,38となっている。この落ち込み部35、前支持部36、後支持部37、下り傾斜部38はそれぞれ棒材の屈曲によって形成される。
前支持部36と後支持部37との間に、両支持部36,37よりも低くなる落ち込み部35が設けられることにより、例えば、調理容器50よりも前後方向の寸法が小さい別の調理容器を載置台30に載置しようとした場合、この別の調理容器の前後何れか一方側が落ち込み部35に落ち込んで傾斜した状態となる。よって、載置台30にサイズ違いの別の調理容器が載置されていることをユーザに認識させて誤使用を防止することができる。
【0027】
図5に示すように、調理容器50は、上面を開口させた箱状の容器本体51と、その容器本体51の開口を閉塞する蓋体52と、を備えている。容器本体51は、四隅をR形状として底面を波形形状とした平面視矩形状をなしている。容器本体51の開口縁部の左右両側には、一対の耳部53,53が左右方向における外方に突出して設けられている。各耳部53には前後に長い透孔54がそれぞれ形成されている。
【0028】
蓋体52は、容器本体51と平面視が同形状で下面が開口した浅箱状となっている。蓋体52の外周には、容器本体51の開口に合致するフランジ部55が周設されている。容器本体51と蓋体52とは、例えば鉄製とすることができる。
フランジ部55における左右両側には、耳部53,53の上側に位置する蓋側耳部56,56が突設されている。各蓋側耳部56にも前後に長い透孔57がそれぞれ形成されている。この両耳部53,56及び透孔54,57に図示しないハンドルを係止させることで、調理容器50に直接手を触れることなく持ち運び可能となる。
【0029】
以上の如く構成されたテーブルコンロ1においては、グリル庫10から引き出した支持枠20上に、まず焼き網台21を載置した後、その上方に受け皿22を、受け部28,28の間で焼き網台21に嵌合するように載置する。
次に、載置台30を、係止板33,33の突部39,39をそれぞれ受け部28,28の肩部に係止させる(図4参照)。載置台30は、受け部28,28によって前後方向へ水平に支持される。
【0030】
そして、載置台30の下面支持枠31上で周面支持枠34,34の間に、被調理物を収容した調理容器50を嵌合させる。図3に示すように、調理容器50の前後の底面は、下面支持枠31の前支持部36及び後支持部37の上面にそれぞれ当接する。調理容器50の前後の外周面は、周面支持枠34,34により支持される。よって、調理容器50は、焼き網台21及び載置台30を介して支持枠20の上方で水平に支持される。
【0031】
上記のように、支持枠20上に焼き網台21及び載置台30を載置し、その上に調理容器50をセットした状態(正規の状態という)では、図8に示すように、正面視において入口17に対して内側に調理容器50が配されるようになっている。詳細には、調理容器50の一対の耳部53,53の一方の外縁部から一対の耳部53,53の他方の外縁部までの左右方向の最大寸法をL、正規の状態における一対の耳部53,53の高さ位置での入口17の左右方向の寸法をL1とした場合に、L1>Lの関係が成り立っている。よって、正規の状態においては、耳部53が入口17の口縁部に干渉することなく、グリル庫10内に調理容器50を収納することができる。
【0032】
一方、載置台30を用いず、焼き網台21上に焼き網40を載せ、その焼き網40上に調理容器50を載置した状態(非正規の状態という)では、図9に示すように、正面視において一対の耳部53,53が入口17の外側に延びて配されるようになっている。詳細には、非正規の状態における一対の耳部53,53の高さ位置での入口17の左右方向の寸法をL2とした場合に、L>L2の関係が成り立っている。よって、非正規の状態において、そのまま支持枠20をグリル庫10内に収納しようとしても、耳部53が入口17の口縁部に干渉し、調理容器50をグリル庫10内に収納することができない。したがって、ユーザは調理容器50が支持枠20に対して非正規にセットされていることを容易に把握でき、調理容器50を正規の状態にセットし直すことができる。
【0033】
こうして調理容器50が正規の状態にセットされた支持枠20がグリル庫10内に収納されると、図3に示すように、調理容器50は上下バーナ12,15の間の高さ位置で支持される。
【0034】
ここで、器体2の正面に設けたグリル5用の点消火ボタン6を押し操作すると、上下バーナ12,15へのガス流路が開放されて燃料ガスが供給されると共に、図示しないコントローラが点火電極13を作動させて上下バーナ12,15を燃焼させる。調理容器50は、上下バーナ12,15の間の高さ位置で支持されているから、上下バーナ12,15の炎により上下から加熱される。よって、調理容器50の内部に収容した魚等の被調理物を適切に加熱調理することができる。調理容器50を加熱した燃焼排気は、グリル庫10の後部へ移動して排気ダクト11を通って排気口16から排出される。
【0035】
本実施形態では、正規の状態(図8参照)に比べて非正規の状態(図9参照)では調理容器50がより上方に配されている。したがって、上方に向かうほど入口17の左右方向の寸法が内側に向かって狭くなる幅狭部18を設けることで、簡便な構成により、L1>L>L2の関係を成立させている。詳細には、幅狭部18は非正規の状態における耳部53の高さ位置を含むように設けられている。幅狭部18における入口17の左右方向の最大寸法をL3、幅狭部18における入口17の左右方向の最小寸法をL4とした場合に、L3=L1、L4<L2の関係が成り立っている(図2図8及び図9参照)。
【0036】
[実施形態の作用効果]
以上のように、本実施形態にかかるグリル付きコンロ(テーブルコンロ1)は、前側に入口17を有するグリル庫10と、グリル庫10に出し入れ可能に収納される支持枠20と、を備え、支持枠20には、焼き網40と、調理容器50を載置する載置台30と、が選択的にセット可能とされたグリル付きコンロであって、調理容器50は、左右両側部から左右方向にそれぞれ突出する一対の耳部53,53を有し、一対の耳部53、53の一方の外縁部から一対の耳部53,53の他方の外縁部までの左右方向の最大寸法をL、支持枠20にセットされた載置台30に調理容器50が載置されている状態における一対の耳部53,53の高さ位置での入口17の左右方向の寸法をL1、支持枠20にセットされた焼き網40上に調理容器50が載置されている状態における一対の耳部53,53の高さ位置での入口17の左右方向の寸法をL2とした場合に、L1>L>L2の関係が成り立つ。
【0037】
このような構成によると、調理容器50が載置台30に載置されている正規の状態では、一対の耳部53,53が配される高さ位置におけるグリル庫10の入口17の左右方向の寸法は、調理容器50の左右方向の最大寸法よりも大きいから(L1>L)、調理容器50をグリル庫10内に収納し、加熱調理を行うことができる。一方、焼き網40上に調理容器50が載置された非正規の状態では、一対の耳部53,53が配される高さ位置におけるグリル庫10の入口17の左右方向の寸法は、調理容器50の左右方向の最大寸法よりも小さくなっている(L>L2)。このため、調理容器50をグリル庫10内に収納しようとしても、一対の耳部53,53が入口17の口縁部に干渉することにより、調理容器50のグリル庫10内への収納が防止される。したがって、つまみを用いることなく、調理容器50の誤使用を防止できる。
【0038】
実施形態では、入口17の口縁部は、上方に向かうほど入口17の内方に位置して傾斜する幅狭部18を有し、幅狭部18における入口17の左右方向の最大寸法をL3、幅狭部18における入口17の左右方向の最小寸法をL4とした場合に、L3≧L1、L4≦L2の関係が成り立つことが好ましい。
【0039】
入口17の口縁部に幅狭部18を設けることにより、容易にL1>L>L2の関係を成立させることができる。
【0040】
<他の実施形態>
(1)上記実施形態では、幅狭部18は非正規の状態における耳部53の高さ位置を含むように設けられ、L3=L1、L4<L2の関係が成り立っていたが、幅狭部は正規の状態における耳部の高さ位置と非正規の状態における耳部の高さ位置の双方を含むように設けられ、L3>L1、L4=L2の関係が成り立っていてもよい。
【0041】
(2)上記実施形態では、幅狭部18が設けられる構成としたが、幅狭部とは異なる形状の構成によりL1>L>L2の関係が成り立つようにしてもよい。
【0042】
(3)上記実施形態では、一対の耳部53,53は調理容器50の容器本体51に設けられる構成としたが、一対の耳部は調理容器の蓋体に設けられてもよい。
【0043】
(4)上記実施形態では、グリル付きコンロとしてテーブルコンロ1を例示しているが、グリル付きコンロはビルトインコンロでもよい。
【符号の説明】
【0044】
1:テーブルコンロ、2:器体、3:天板、4:コンロ部、5:グリル、6:点消火ボタン、7:火力調整レバー、8:操作表示部
10:グリル庫、11:排気ダクト、12:上バーナ、13:点火電極、14:熱電対、15:下バーナ、16:排気口、17:入口、18:幅狭部
20:支持枠、21:焼き網台、22:受け皿、23:枠体、24:前板、25:後板、26:グリル扉、27:支持枠受け、28:受け部
30:載置台、31:下面支持枠、32:起立部、33:係止板、34:周面支持枠、35:落ち込み部、36:前支持部、37:後支持部、38:下り傾斜部、39:突部
40:焼き網、41:突出部
50:調理容器、51:容器本体、52:蓋体、53:耳部、54:透孔、55:フランジ部、56:蓋側耳部、57:透孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9