(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113731
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】セルフピアシングリベット及びリベット接合装置
(51)【国際特許分類】
B21J 15/00 20060101AFI20240816BHJP
B21J 15/10 20060101ALI20240816BHJP
F16B 19/06 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
B21J15/00 U
B21J15/10 Z
F16B19/06
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023018867
(22)【出願日】2023-02-10
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】591093955
【氏名又は名称】東海金属工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110157
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 基司
(74)【代理人】
【識別番号】100094536
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 隆二
(74)【代理人】
【識別番号】100129805
【弁理士】
【氏名又は名称】上野 晋
(74)【代理人】
【識別番号】100189315
【弁理士】
【氏名又は名称】杉原 誉胤
(72)【発明者】
【氏名】木内 幸平
【テーマコード(参考)】
3J036
【Fターム(参考)】
3J036AA04
3J036BA02
3J036EA03
(57)【要約】
【課題】締結対象となる母材よりも大きい硬度を有していない材料で形成されていても母材を締結することができるセルフピアシングリベットを提供する。
【解決手段】リベット頭部1及びリベット軸部3を備えたセルフピアシングリベットWであって、リベット軸部3が、中実柱状に形成されている。また、セルフピアシングリベットWは、アルミ材料で形成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リベット頭部及びリベット軸部を備えたセルフピアシングリベットであって、
前記リベット軸部が、中実柱状に形成されていることを特徴とするセルフピアシングリベット。
【請求項2】
前記リベット軸部は、略円柱状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のセルフピアシングリベット。
【請求項3】
アルミ材料で形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のセルフピアシングリベット。
【請求項4】
アップセットダイ及びパンチを備え、該アップセットダイ及び該パンチで母材に対してセルフピアシングリベットを打ち込み、該母材を接合するリベット接合装置であつて、
前記セルフピアシングリベットは、リベット頭部及びリベット軸部を備え、前記リベット軸部が中実柱状に形成されており、
前記セルフピアシングリベットが取り付けられる前記パンチを備えたパンチ駆動機構を有し、
前記アップセットダイは、前記パンチに相対向して配置されて前記母材が載置されるようになっており、
さらに、前記アップセットダイは、前記パンチと相対向する上面に凹部が形成され、該凹部の底面が平面になっている水槽型のアップセットダイであることを特徴とするリベット接合装置。
【請求項5】
前記セルフピアシングリベットは、アルミ材料で形成され、
前記母材は、上板アルミ及び下板アルミにより構成される2枚のアルミ板であり、
前記アップセットダイの上に、前記上板アルミ及び前記下板アルミが重ね合わせて位置決めされた状態で載置され、
前記パンチ駆動機構により前記アップセットダイに相対向配置された前記パンチを下降させ、前記セルフピアシングリベットを上板アルミの上面側から打ち込むことにより、該セルフピアシングリベットより、前記上板アルミ及び前記下板アルミが接合されるようになっていることを特徴とする請求項4に記載のリベット接合装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セルフピアシングリベット及びリベット接合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、事前に、接合対象の母材に孔を開けずに、上側母材を貫通し下側母材を貫通させずに、複数母材を締結するセルフピアシングリベット(「セルフピアスリベット」とも云う)が用いられている。
図4に示すように、従来技術のセルフピアシングリベット100は、リベット頭部101及びリベット軸部(胴部)103を備えており、リベット軸103が略中空円筒状に形成されている。
なお、このようなセルフピアシングリベットは、例えば、特許文献1に開示されている。
【0003】
また、上記のような中空円筒状のリベット軸部を備えたセルフピアシングリベットを用いて、2枚の母材(上板、下板1)を接合させるリベット接合装置(リベット打ちガン)に関する発明が特許文献2に開示されている。
特許文献2に記載されたリベット打ちガンは、C型フレームの開放側の一端にダイ(アップセットダイ)がダイポストを介して装着されているとともに、C型フレームの開放側の他端にパンチを含むパンチ駆動ユニットが装着されている。
【0004】
そして、リベット打ちガンにより、2枚の母材(上板、下板)を接合する場合、予め重ね合わせた状態で位置決めされている「上板および下板」のうち下板の下面にダイを押し当てるとともに、ダイと対向配置されたノーズピースを下降させて、そのノーズピースとダイとで軽く上板および下板を加圧拘束する。なお、パンチの先端にはセルフピアシングリベットが吸着支持されている
【0005】
次に、ダイと対向配置されたパンチを下降させてセルフピアシングリベットを上板側から打ち込む。これにより、セルフピアシングリベットは上板および下板に打ち込まれ、その打ち込み進行に伴い上板と下板の一部がダイの凹部側に向けて膨出するように塑性変形する。
そして、最終的にセルフピアシングリベットは上板は貫通するが、下板は貫通せず、リベット軸部の先端が外側に拡がりながら下板に食い込み、リベット頭部が上板とほぼ面一となる状態をもってリベット継手としての締結が完了するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2022-500605号公報
【特許文献2】特許第6668989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、現状のセルフピアシングリベットは、接合対象となる母材の硬度(硬さ)よりも大きい硬度が必要になるため、一般的に、材質が鉄で、さらに鉄に熱処理を加られたものが用いられている。
また、野外で使用されるアルミ製の製品(例えば、貨物自動車の箱等)に、鉄製のセルフピアシングリベットを用いると、鉄の部分に錆びが発生するため、セルフピアシングリベットではなく、事前に母材に孔を開けてかしめるタイプの「アルミ製のリベット」が用いられていることが多い。この場合、作業者がアルミ製の母材に孔を開けて、その孔に、母材に孔を開けてかしめるタイプの「アルミ製のリベット」を手で入れて、そのリベットを機械でかしめる作業が行われており、作業者の労力負担が非常に大きいという課題が生じている。
本願発明者は、上記課題を踏まえて、セルフピアシングリベットの研究開発を進めるなかで、接合対象となる母材を、当該母材と同じ材料で形成されたセルフピアシングリベットや当該母材の硬度よりも小さい硬度の材料で形成されたセルフピアシングリベットで接合することができれば、例えば、2枚のアルミ板を、アルミ製のセルフピアシングリベットで締結でき、上記課題を解消することができると着想した。
しかし、現状においてそのようなセルフピアシングリベットは知られておらず、2枚のアルミ板を、アルミ製のセルフピアシングリベットで接合することも行われていない。
【0008】
そして、本願発明者が、上記研究開発において、アルミ材料で、上述した従来技術の形状のセルフピアシングリベット100(
図4参照)を試作し、2枚のアルミ板(上板アルミ130、下板アルミ140)を試打してみた。その結果、
図5に示すように、アップセットダイと対向配置されたパンチを下降させてセルフピアシングリベット100を上板130側から打ち込んでいる最中に、中空円筒状のリベット軸部103が座屈してしまい、上板アルミ140を貫通させることができず、2枚のアルミ板(上板アルミ130、下板アルミ140)を接合することができなかった。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、締結対象となる母材よりも大きい硬度を有していない材料で形成されていても母材を締結することができるセルフピアシングリベットを提供することにある。また、本発明の目的は、前記セルフピアシングリベットを用いて母材を接合するリベット接合装置を提供することにある。
【0010】
上記課題を解決するための本発明は、リベット頭部及びリベット軸部を備えたセルフピアシングリベットであって、前記リベット軸部が、中実柱状に形成されていることを特徴とする。
また、前記リベット軸部は、略円柱状に形成されていることが望ましい。
また、前記セルフピアシングリベットは、アルミ材料で形成されていることが望ましい。
【0011】
このように構成したのは以下の理由による。
本願発明者が、締結対象となる母材よりも大きい硬度を有していない材料で形成されていても母材を接合することができるセルフピアシングリベットの研究を進めるなかで、リベット軸部が中実柱状に形成されているセルフピアシングリベットの構成を着想した。従来技術では、セルフピアシングリベットは、母材に貫通させるために、リベット軸部が中空筒状になっていないと駄目だと考えられており、リベット軸部が中実柱状に形成するという発想はなかった。
そして、本願発明者が、実際に、アルミ材料で、リベット軸部が中実柱状に形成されているセルフピアシングリベットを試作し、2枚のアルミ板(上板アルミ、下板アルミ)を試打してみたところ、2枚のアルミ板を接合することができることが判った。
さらに、従来技術の鉄製のセルフピアシングリベットでアルミ板・2枚をかしめたものと、本発明のアルミ製のセルフピアシングリベットでアルミ板・2枚をかしめたものとを比較するための「せん断剥離強度の試験」をしたところ、同等のレベル強度が得られた。また、剥離強度に関しては、本願発明のアルミ製のセルフピアシングリベットでアルミ板・2枚をかしめて接合したものの方が強度が強かった。
【0012】
すなわち、本発明によれば、例えば、野外で使用されるアルミ製の製品(貨物自動車の箱等)を構成する2枚のアルミ板の接合にアルミ製のセルフピアシングリベットを用いることができるので、従来技術のように、事前に母材に孔を開けてかしめるタイプの「アルミ製のリベット」を用いる必要がなくなり、作業者の労力負担が大幅に軽減される。
また、例えば、本発明の構成の鉄製のセルフピアシングリベットを用いて、2枚のハイテンション鋼を締結することもできる。
【0013】
また、本発明は、アップセットダイ及びパンチを備え、該アップセットダイ及び該パンチで母材に対してセルフピアシングリベットを打ち込み、該母材を接合するリベット接合装置であつて、前記セルフピアシングリベットは、リベット頭部及びリベット軸部を備え、前記リベット軸部が中実柱状に形成されており、前記セルフピアシングリベットが取り付けられる前記パンチを備えたパンチ駆動機構を有し、前記アップセットダイは、前記パンチに相対向して配置されて前記母材が載置されるようになっており、さらに、前記アップセットダイは、前記パンチと相対向する上面に凹部が形成され、該凹部の底面が平面になっている水槽型のアップセットダイであることを特徴とする。
【0014】
また、前記セルフピアシングリベットは、アルミ材料で形成され、前記母材は、上板アルミ及び下板アルミにより構成される2枚のアルミ板であり、前記アップセットダイの上に、前記上板アルミ及び前記下板アルミが重ね合わせて位置決めされた状態で載置され、前記パンチ駆動機構により前記アップセットダイに相対向配置された前記パンチを下降させ、前記セルフピアシングリベットを上板アルミの上面側から打ち込むことにより、該セルフピアシングリベットより、前記上板アルミ及び前記下板アルミが接合されるようになっていることが望ましい。
【0015】
本発明によれば、接合対象となる母材より大きい硬度を有していない材料で形成されていないセルフピアシングリベットを用いて母材を接合するリベット接合装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、締結対象となる母材よりも大きい硬度を有していない材料で形成されていても母材を締結することができるセルフピアシングリベットを提供することができる。また、本発明によれば、前記セルフピアシングリベットを用いて母材を接合するリベット接合装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施形態のセルフピアシングリベットを示した模式図であり、(a)がセルフピアシングリベットを側面から視た模式図であり、(b)がセルフピアシングリベットをリベット軸部の先端側から視た模式図である。
【
図2】本発明の実施形態のセルフピアシングリベットと水槽型のアップセットダイとを用いて、接合対象となる母材を接合する工程を説明するための模式図である。
【
図3】本発明の実施形態のセルフピアシングリベットにより2枚の母材を接合した状態における、セルフピアシングリベットの形状と、2枚の母材の形状を示した模式図である。
【
図4】従来技術のセルフピアシングリベットを示した模式図である。
【
図5】アルミ材料で形成した従来技術の形状のセルフピアシングリベットを、2枚のアルミ板に試打したときの、セルフピアシングリベット及びアルミ板の状態を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態のセルフピアシングリベット及び前記セルフピアシングリベットを用いて母材を接合するリベット接合装置について、
図1~3を用いて説明する。
【0019】
ここで、ここで、
図1は、本実施形態のセルフピアシングリベットを示した模式図であり、(a)がセルフピアシングリベットを側面から視た模式図であり、(b)がセルフピアシングリベットをリベット軸部の先端側から視た模式図である。
図2は、本実施形態のセルフピアシングリベットと水槽型のアップセットダイとを用いて、接合対象となる母材を接合する工程を説明するための模式図である。
図3は、本実施形態のセルフピアシングリベットにより2枚の母材を接合した状態における、セルフピアシングリベットの形状と、2枚の母材の形状を示した模式図である。
【0020】
図1に示すように、本実施形態のセルフピアシングリベットWは、リベット頭部1と、リベット頭部1から延設されたリベット軸部3とを備え、リベット軸部3が、中実円柱状に形成されている。
また、セルフピアシングリベットWは、アルミ製材料で形成されており、頭部1が皿頭状に形成されており、頭部1の中心と軸部3の軸心とが一致している。
【0021】
また、セルフピアシングリベットWは、
図2に示すリベット接合装置に用いられる。
リベット接合装置は、パンチ10及びアップセットダイ20を備え、パンチ10及びアップセットダイ20で母材(上板アルミ30、下板アルミ40)に対してセルフピアシングリベットWを打ち込み、母材を接合するようになっている。
【0022】
このリベット接合装置では、パンチ10及びアップセットダイ20が相対向するように配置されている共に、パンチ10を備えたパンチ駆動機構(図示せず)を有しており、パンチ10の先端部にセルフピアシングリベットWが吸着支持されている。
また、アップセットダイ20は、所謂「水槽型のアップセットダイ」であり、パンチ10と相対向する上面に、受け部である凹部20aが形成され、この凹部20aの底面が平面になっている。
なお、このリベット接合装置は、アルミ材料で形成されたセルフピアシングリベットWと、アップセットダイ20に「水槽型のアップセットダイ」を用いている以外の構成は、周知技術であるため、詳細な説明を省略する。
【0023】
そして、リベット接合装置により、2枚の母材(上板アルミ30、下板アルミ40)を接合する場合、予め重ね合わせた状態で位置決めされている「上板アルミ30および下板アルミ40」のうち下板アルミ40の下面を、アップセットダイ20の上面に載置する。また、アップセットダイ40と対向配置されたノーズピース(図示せず)を下降させて、そのノーズピースとアップセットダイ40とで軽く「上板アルミ30および下板アルミ40」を加圧拘束する。
【0024】
次に、パンチ駆動機構(図示せず)により、アップセットダイ20と相対向配置されたパンチ10を下降させ、セルフピアシングリベットWを上板アルミ30の上面側から打ち込む。これにより、セルフピアシングリベット10は、上板アルミ30および下板アルミ40に打ち込まれ、その打ち込み進行に伴い上板アルミ30と下板アルミ40の一部がダイの凹部20a側に向けて塑性変形する。
そして、最終的にセルフピアシングリベットWは、上板アルミ30を貫通するが、下板アルミ40を貫通せず、リベット軸部3が軸線方向に押しつぶされ且つ先端側が外側に拡がり下板アルミ40をカールして、リベット頭部1の上面が上板アルミ30の上面とほぼ面一となり、セルフピアシングリベットWにより、上板アルミ30及び下板アルミ40が接合した状態になる。
【0025】
その後、接合された母材(上板アルミ30及び下板アルミ40)からパンチ10とアップセットダイ20が離れて、母材の接合が完了し、
図3に示す状態になる。
図3に示すように、セルフピアシングリベットWのリベット軸部3が上板アルミ30を貫通するとともに、軸心方向につぶれてその先端側が外側に拡がり、且つ下板アルミ40を貫通せずに下板アルミ40に食い込んでカールしている。
【0026】
そして、本願発明者は、従来技術の鉄製のセルフピアシングリベット(
図4参照)で、2枚の母材(上板アルミ30及び下板アルミ40)をかしめて締結したものと、本実施形態のアルミ製のセルフピアシングリベットWで、2枚の母材(上板アルミ30及び下板アルミ40)をかしめて締結したものの強度を比較するための「せん断剥離強度の試験」を実施した。
【0027】
この試験によると、本実施形態のアルミ製のセルフピアシングリベットWで2枚の母材(上板アルミ30及び下板アルミ40)をかしめて締結したもののせん断剥離強度は、従来技術の鉄製のセルフピアシングリベット(
図4参照)で2枚の母材(上板アルミ30及び下板アルミ40)をかしめて締結したもののせん断剥離強度と同程度であった。
また、剥離強度に関しては、本願発明のアルミ製のセルフピアシングリベットで締結したものの方が、従来技術の鉄製のセルフピアシングリベット(
図4参照)で2枚の母材(上板アルミ30及び下板アルミ40)をかしめて締結したものよりも大きかった。
【0028】
このように、本実施形態によれば、アルミ製のセルフピアシングリベットWにより、2枚のアルミ製母材(上板アルミ30及び下板アルミ40)を接合することができる。
そのため、例えば、野外で使用されるアルミ製の製品(貨物自動車の箱等)を構成する2枚のアルミ板の接合に、アルミ製のセルフピアシングリベットWを用いることができるので、従来技術のように、事前に母材に孔を開けてかしめるタイプの「アルミ製のリベット」が用いる必要がなくなり、作業者の労力負担が大幅に軽減される。
【0029】
また、本発明によれば、接合対象となる母材より大きい硬度を有していない材料で形成されていないセルフピアシングリベットWを用いて母材を接合するリベット接合装置を提供することができる。
【0030】
以上、説明したように、本実施形態によれば、締結対象となる母材よりも大きい硬度を有していない材料で形成されていても母材を締結することができるセルフピアシングリベットWを提供することができる。また、本発明によれば、上記のセルフピアシングリベットWを用いて母材を接合するリベット接合装置を提供することができる。
【0031】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変更が可能である。
【0032】
例えば、上述した実施形態では、セルフピアシングリベットWがアルミ製材料で形成されているが、特にこれに限定さるものではない。
セルフピアシングリベットWが、鉄により形成されていても良い。この鉄製のセルフピアシングリベットWを用いて、例えば、2枚のハイテンション鋼を締結することもできる。
【0033】
また、上述した実施形態では、セルフピアシングリベットWでは、リベット軸部3が中実円柱状に形成されているが、特にこれに限定されるものではない。セルフピアシングリベットWは、リベット軸部3が中実柱状の形成されていればよく、その断面が円形でなくても良い。
また、セルフピアシングリベットWは、リベット軸部3が中実柱状の形成されていればよく、リベット頭部1の形状は適宜設計されるものである。
【符号の説明】
【0034】
W…セルフピアシングリベット
1…リベット頭部
3…リベット軸部
10…パンチ
20…アップセットダイ
20a…凹部
30…上板アルミ
40…下板アルミ
【手続補正書】
【提出日】2024-01-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リベット頭部及びリベット軸部を備えたセルフピアシングリベットであって、
前記リベット軸部は、中実略円柱状に形成されているとともに、前記リベット軸部にはリベット頭部から縮径したラッパ形状が形成されており、
前記セルフピアシングリベットは、アルミ材料で形成されており、重ね合わせた状態の上板アルミ及び下板アルミにより構成される2枚のアルミ板の結合に用いられるようになっていることを特徴とするセルフピアシングリベット。
【請求項2】
前記セルフピアシングリベットを前記上板アルミの上面側から打ち込むことにより、前記セルフピアシングリベットが前記上板アルミを貫通すると共に前記下板アルミを貫通せず、前記リベット軸部が軸線方向に押しつぶされ且つ先端側が外側に拡がり前記下板アルミをカールして、前記リベット頭部の上面が前記上板アルミの上面とほぼ面一となり、該セルフピアシングリベットより、前記上板アルミ及び前記下板アルミが接合されるようになっていることを特徴とする請求項1に記載のセルフピアシングリベット。
【請求項3】
アップセットダイ及びパンチを備え、該アップセットダイ及び該パンチで母材に対してセルフピアシングリベットを打ち込み、該母材を接合するリベット接合装置であって、
前記セルフピアシングリベットは、リベット頭部及びリベット軸部を備え、前記リベット軸部が中実略円柱状に形成されているとともに、前記リベット軸部には前記リベット頭部から縮径したラッパ形状が形成されており、
前記セルフピアシングリベットが取り付けられる前記パンチを備えたパンチ駆動機構を有し、
前記アップセットダイは、前記パンチに相対向して配置されて前記母材が載置されるようになっており、
さらに、前記アップセットダイは、前記パンチと相対向する上面に凹部が形成され、該凹部の底面が平面になっている水槽型のアップセットダイであり、
前記セルフピアシングリベットは、アルミ材料で形成され、
前記母材は、上板アルミ及び下板アルミにより構成される2枚のアルミ板であり、
前記アップセットダイの上に、前記上板アルミ及び前記下板アルミが重ね合わせて位置決めされた状態で載置され、
前記パンチ駆動機構により前記アップセットダイに相対向配置された前記パンチを下降させ、前記セルフピアシングリベットを前記上板アルミの上面側から打ち込むことにより、前記セルフピアシングリベットが前記上板アルミを貫通すると共に前記下板アルミを貫通せず、前記リベット軸部が軸線方向に押しつぶされ且つ先端側が外側に拡がり前記下板アルミをカールして、前記リベット頭部の上面が前記上板アルミの上面とほぼ面一となり、該セルフピアシングリベットより、前記上板アルミ及び前記下板アルミが接合されるようになっていることを特徴とするリベット接合装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
上記課題を解決するための本発明は、リベット頭部及びリベット軸部を備えたセルフピアシングリベットであって、前記リベット軸部は、中実略円柱状に形成されているとともに、前記リベット軸部にはリベット頭部から縮径したラッパ形状が形成されており、前記セルフピアシングリベットは、アルミ材料で形成されており、重ね合わせた状態の上板アルミ及び下板アルミにより構成される2枚のアルミ板の結合に用いられるようになっていることを特徴とする。
前記セルフピアシングリベットを前記上板アルミの上面側から打ち込むことにより、前記セルフピアシングリベットが前記上板アルミを貫通すると共に前記下板アルミを貫通せず、前記リベット軸部が軸線方向に押しつぶされ且つ先端側が外側に拡がり前記下板アルミをカールして、前記リベット頭部の上面が前記上板アルミの上面とほぼ面一となり、該セルフピアシングリベットより、前記上板アルミ及び前記下板アルミが接合されるようになっていることが望ましい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
また、本発明は、アップセットダイ及びパンチを備え、該アップセットダイ及び該パンチで母材に対してセルフピアシングリベットを打ち込み、該母材を接合するリベット接合装置であって、前記セルフピアシングリベットは、リベット頭部及びリベット軸部を備え、前記リベット軸部が中実略円柱状に形成されているとともに、前記リベット軸部には前記リベット頭部から縮径したラッパ形状が形成されており、前記セルフピアシングリベットが取り付けられる前記パンチを備えたパンチ駆動機構を有し、前記アップセットダイは、前記パンチに相対向して配置されて前記母材が載置されるようになっており、さらに、前記アップセットダイは、前記パンチと相対向する上面に凹部が形成され、該凹部の底面が平面になっている水槽型のアップセットダイであり、前記セルフピアシングリベットは、アルミ材料で形成され、前記母材は、上板アルミ及び下板アルミにより構成される2枚のアルミ板であり、前記アップセットダイの上に、前記上板アルミ及び前記下板アルミが重ね合わせて位置決めされた状態で載置され、前記パンチ駆動機構により前記アップセットダイに相対向配置された前記パンチを下降させ、前記セルフピアシングリベットを前記上板アルミの上面側から打ち込むことにより、前記セルフピアシングリベットが前記上板アルミを貫通すると共に前記下板アルミを貫通せず、前記リベット軸部が軸線方向に押しつぶされ且つ先端側が外側に拡がり前記下板アルミをカールして、前記リベット頭部の上面が前記上板アルミの上面とほぼ面一となり、該セルフピアシングリベットより、前記上板アルミ及び前記下板アルミが接合されるようになっていることを特徴とする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】削除
【補正の内容】