(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113738
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】媒体排出装置及び画像読取装置
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20240816BHJP
B65H 29/70 20060101ALI20240816BHJP
B65H 5/36 20060101ALI20240816BHJP
B65H 7/02 20060101ALI20240816BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240816BHJP
H04N 1/04 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
H04N1/00 567Q
B65H29/70
B65H5/36
B65H7/02
G03G21/00 370
H04N1/12 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023018880
(22)【出願日】2023-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095452
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 博樹
(74)【代理人】
【識別番号】100130535
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 明
(74)【代理人】
【識別番号】100183025
【弁理士】
【氏名又は名称】大角 孝一
(72)【発明者】
【氏名】並木 政樹
(72)【発明者】
【氏名】手塚 誠二
【テーマコード(参考)】
2H270
3F048
3F053
3F101
5C062
5C072
【Fターム(参考)】
2H270KA57
2H270LA44
2H270LC04
2H270LC10
2H270LC19
2H270LD04
2H270MC61
2H270MC71
2H270MD12
2H270ZC03
3F048AA01
3F048AA08
3F048AB01
3F048BB02
3F048CC01
3F048DA09
3F048DC06
3F048DC07
3F048EA15
3F053HA07
3F053HB01
3F053HB22
3F053LA01
3F053LA11
3F053LB02
3F053LB03
3F101FB11
3F101FB12
3F101FC05
3F101FC07
3F101FE02
3F101FE11
3F101LA01
3F101LA11
3F101LB02
3F101LB03
5C062AA02
5C062AA05
5C062AB32
5C062AC58
5C072AA01
5C072BA01
5C072DA25
5C072EA07
5C072NA01
5C072NA04
5C072WA02
(57)【要約】
【課題】排出される用紙に対して腰付けを行う機構を備える媒体排出装置の大型化を抑制すること。
【解決手段】媒体3を第1ローラー27と第2ローラー28とでニップして排出する排出ローラー対24の位置に移動可能に配置され、一方のローラー側から他方のローラー側に進出して媒体3を押すことが可能なレバー21と、レバー21を進出する方向に移動させて進出位置を調整するレバー位置調整部25と、排出ローラー対24に動力を伝達するモーター5を備える媒体排出装置9であって、モーター5は、正回転すると、媒体3を排出する方向に排出ローラー対24を回転させ、逆に回転すると、レバー位置調整部25に動力を伝達してレバー21を進出させる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送されてくる媒体を第1ローラーと第2ローラーとでニップして排出する排出ローラー対と、
前記排出ローラー対の回転軸の方向である軸方向から見て、前記排出ローラー対と重なる位置に移動可能に配置され、前記第1ローラー及び前記第2ローラーのうち、一方のローラー側から他方のローラー側に進出して前記排出ローラー対にニップされている媒体を押すことが可能なレバーと、
前記レバーを前記進出する方向に移動させて進出位置を調整するレバー位置調整部と、
前記排出ローラー対に動力を伝達するモーターと、
を備える媒体排出装置であって、
前記レバーは、
前記排出ローラー対に対して前記軸方向の一方側に位置する第1レバーと、
前記排出ローラー対に対して前記軸方向において前記第1レバーの反対側に位置する第2レバーと、を備え、
前記第1レバー及び前記第2レバーは、前記軸方向において前記排出ローラー対を挟むように配置され、
前記モーターは、
第1回転方向に回転すると、前記媒体を排出する方向に前記排出ローラー対を回転させ、
前記第1回転方向とは異なる第2回転方向に回転すると、前記レバー位置調整部に動力を伝達して、前記第1レバー及び前記第2レバーを前記進出位置に移動させる、
ことを特徴とする媒体排出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の媒体排出装置であって、
前記排出ローラー対は、
第1の排出ローラー対と、
前記第1の排出ローラー対に対して前記軸方向に間隔を空けて設けられる第2の排出ローラー対と、を備えて成り、
前記第1の排出ローラー対と前記第2の排出ローラー対との間に、前記第1レバー及び前記第2レバーとは異なる第3レバーを備える、
ことを特徴とする媒体排出装置。
【請求項3】
請求項1に記載の媒体排出装置であって、
前記レバーの進出位置を検知する位置検知部と、
前記レバーの進出量を検知するエンコーダーと、を備え、
前記位置検知部と前記エンコーダーの両検知結果に基づき、前記レバーの進出位置が決定される、
ことを特徴とする媒体排出装置。
【請求項4】
請求項3に記載の媒体排出装置であって、
前記位置検知部は、前記媒体が排出される方向からみて、前記排出ローラー対の一部と重なる位置に配置される、
ことを特徴とする媒体排出装置。
【請求項5】
請求項1に記載の媒体排出装置であって、
前記レバーの進出位置を検知する位置検知部、を備え、
前記位置検知部は、第1位置検知部と、第2位置検知部と、を備え、
前記第1位置検知部は前記第1レバーの第1被検知部を検知可能であり、
前記第2位置検知部は前記第1レバー以外の他のレバーの第2被検知部を検知可能であり、
前記第1レバーと前記他のレバーと前記第1位置検知部と前記第2位置検知部は、前記第1位置検知部が前記第1レバーを検知する場合、前記第2位置検知部は前記他のレバーを検知しない、且つ前記第2位置検知部が前記他のレバーを検知する場合、前記第1位置検知部が前記第1レバーを検知しない配置構造である、
ことを特徴とする媒体排出装置。
【請求項6】
請求項1に記載の媒体排出装置であって、
前記レバー位置調整部は、
カムと、
前記カムの回動軸に設けられたワンウェイギアと、を備え、
前記モーターが前記第1回転方向に回転すると、前記カムは前記ワンウェイギアによって回動しないことで前記レバー位置調整部は動作せず、
前記モーターが前記第2回転方向に回転すると、前記カムは前記ワンウェイギアを介して回動することで前記レバー位置調整部を動作させる、
ことを特徴とする媒体排出装置。
【請求項7】
請求項1に記載の媒体排出装置であって、
前記レバーの進出位置を検知する位置検知部と、
前記レバーを押圧する押圧部材と、を備え、
前記レバーは、
前記媒体を押す押し部と、
前記位置検知部により検知される被検知部と、
前記押し部と前記被検知部との間に設けられる回動軸と、を備え、
前記回動軸と前記被検知部との間で、前記押圧部材に押圧され、
前記回動軸と前記被検知部との間で前記レバー位置調整部と接触し、
前記排出ローラー対は、前記媒体が排出される方向からみて、前記カムの一部と重なり、前記押圧部材の一部と重なる、
ことを特徴とする媒体排出装置。
【請求項8】
請求項1に記載の媒体排出装置であって、
前記レバーは、前記レバー位置調整部により進出する第1進出位置と、前記第1進出位置よりも多く進出する第2進出位置とを有する、
ことを特徴とする媒体排出装置。
【請求項9】
請求項8に記載の媒体排出装置であって、
前記レバーは、前記第2進出位置よりも多く進出する第3進出位置を有する、
ことを特徴とする媒体排出装置。
【請求項10】
請求項9に記載の媒体排出装置であって、
制御部と、
重送される媒体から1枚の媒体を分離する分離部を備え、
前記媒体の搬送方向において前記分離部の下流に、前記媒体の厚みに関する情報を検知する媒体厚検知部を備え、
前記制御部は、
前記分離部で分離された前記媒体を前記媒体厚検知部で検知し、前記媒体厚検知部の検知結果が第1閾値以上なら、前記レバーを前記第2進出位置に進出させ、
前記媒体厚検知部の検知結果が第1閾値より小さいなら、前記レバーを前記第3進出位置に進出させる、
ことを特徴とする媒体排出装置。
【請求項11】
請求項10に記載の媒体排出装置であって、
前記制御部は、前記媒体厚検知部の検知結果が前記第1閾値よりも大きい第2閾値以上なら、前記レバーを前記第1進出位置に進出させる、
ことを特徴とする媒体排出装置。
【請求項12】
請求項10に記載の媒体排出装置であって、
前記制御部は、
前記媒体の種類の選択を受付可能であり、
前記選択された前記媒体の種類に基づき、前記レバーの進出位置を決定する、
ことを特徴とする媒体排出装置。
【請求項13】
請求項10に記載の媒体排出装置であって、
前記制御部は、前記媒体厚検知部の検知後に、前記媒体の搬送を停止し、前記媒体厚検知部の検知結果に基づいて前記レバーの進出位置を決定し、決定された前記レバーの進出位置に前記レバーを進出させた後に前記媒体の搬送を再開する、
ことを特徴とする媒体排出装置。
【請求項14】
請求項10に記載の媒体排出装置であって、
前記制御部は、
前記媒体厚検知部の検知結果に基づき、前記レバーの進出位置を決定し、
現時点における前記レバーの進出位置が前記検知結果と不一致の場合は、前記媒体の搬送を停止し、現時点における前記レバーの進出位置を前記検知結果と一致させた後に、前記媒体の搬送を再開する、
ことを特徴とする媒体排出装置。
【請求項15】
請求項2に記載の媒体排出装置であって、
前記レバーは、奇数個配置され、
前記第1排出ローラー対と前記第2排出ローラー対に挟まれた領域を第1領域(中央領域)、前記第1領域の両側の領域を第2領域及び第3領域とした場合、前記レバーは、前記第2領域と前記第3領域に同じ数配置される、
ことを特徴とする媒体排出装置。
【請求項16】
請求項2に記載の媒体排出装置であって、
前記レバーを押圧する押圧部材を備え、
前記レバーは、
前記媒体を押す押し部を備え、
前記押し部と前記押圧部材との間に回動軸が設けられ、
前記レバー位置調整部は、前記回動軸を挟んで前記押圧部材と反対側から前記レバーに接触し、
前記排出ローラー対は、前記媒体が排出される方向から見て、前記レバー位置調整部の一部と重なり、前記押圧部材の一部と重なる、
ことを特徴とする媒体排出装置。
【請求項17】
請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の媒体排出装置と、
前記搬送方向において前記媒体排出装置の上流に位置し、搬送される前記媒体を読み取る読取部と、を備え、
前記読取部を通過した前記媒体を、前記排出ローラー対で排出する、
ことを特徴とする画像読取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体排出装置及び画像読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置の一例として、特許文献1に記載のものが挙げられる。
特許文献1には、排出される用紙に対して腰付けを行なう、言い換えると剛性を高める位置や強さを、専用の駆動源を用いて変えることができる排紙装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されている装置は、排出される用紙に対して腰付けを行う機構には専用の駆動源が使われている。この装置は、排紙機構の大型化を抑制する点において、改善の余地が残されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明に係る媒体排出装置は、搬送されてくる媒体を第1ローラーと第2ローラーとでニップして排出する排出ローラー対と、前記排出ローラー対の回転軸の方向である軸方向から見て、前記排出ローラー対と重なる位置に移動可能に配置され、前記第1ローラー及び前記第2ローラーのうち、一方のローラー側から他方のローラー側に進出して前記排出ローラー対にニップされている媒体を押すことが可能なレバーと、前記レバーを前記進出する方向に移動させて進出位置を調整するレバー位置調整部と、前記排出ローラー対に動力を伝達するモーターと、を備える媒体排出装置であって、前記レバーは、前記排出ローラー対に対して前記軸方向の一方側に位置する第1レバーと、前記排出ローラー対に対して前記軸方向において前記第1レバーの反対側に位置する第2レバーと、を備え、前記第1レバー及び前記第2レバーは、前記軸方向において前記排出ローラー対を挟むように配置され、前記モーターは、第1回転方向に回転すると、前記媒体を排出する方向に前記排出ローラー対を回転させ、前記第1回転方向とは異なる第2回転方向に回転すると、前記レバー位置調整部に動力を伝達して、前記第1レバー及び前記第2レバーを前記進出位置に移動させることを特徴とする。
【0006】
本発明に係る画像読取装置は、後述する第1の態様から第16の態様のいずれか一つの態様に記載の媒体排出装置と、前記搬送方向において前記媒体排出装置の上流に位置し、搬送される前記媒体を読み取る読取部と、を備え、前記読取部を通過した前記媒体を、前記排出ローラー対で排出することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態1に係る画像読取装置の内部を側視した要部概略構成図。
【
図2】実施形態1の媒体排出装置の要部を側視した構成図。
【
図4】実施形態1の媒体排出装置の要部を側視した構成図。
【
図8】実施形態2の要部斜視図(上の図)と要部を側視した構成図(下の図)。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明について先ず概略的に説明する。
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様に係る媒体排出装置は、搬送されてくる媒体を第1ローラーと第2ローラーとでニップして排出する排出ローラー対と、前記排出ローラー対の回転軸の方向である軸方向から見て、前記排出ローラー対と重なる位置に移動可能に配置され、前記第1ローラー及び前記第2ローラーのうち、一方のローラー側から他方のローラー側に進出して前記排出ローラー対にニップされている媒体を押すことが可能なレバーと、前記レバーを前記進出する方向に移動させて進出位置を調整するレバー位置調整部と、前記排出ローラー対に動力を伝達するモーターと、を備える媒体排出装置であって、前記レバーは、前記排出ローラー対に対して前記軸方向の一方側に位置する第1レバーと、前記排出ローラー対に対して前記軸方向において前記第1レバーの反対側に位置する第2レバーと、を備え、前記第1レバー及び前記第2レバーは、前記軸方向において前記排出ローラー対を挟むように配置され、前記モーターは、第1回転方向に回転すると、前記媒体を排出する方向に前記排出ローラー対を回転させ、前記第1回転方向とは異なる第2回転方向に回転すると、前記レバー位置調整部に動力を伝達して、前記第1レバー及び前記第2レバーを前記進出位置に移動させることを特徴とする。
【0009】
本態様によれば、前記排出ローラー対を成す前記第1ローラー及び前記第2ローラーのうち、一方のローラー側から他方のローラー側に進出して前記排出ローラー対にニップされている媒体を押すことが可能なレバーと、前記レバーを前記進出する方向に移動させて進出位置を調整するレバー位置調整部と、を備えている。これにより、前記排出ローラー対から排出される媒体は、前記レバーが進出することで押され、その押されることできる変形によって剛性が高まる。前記媒体の剛性が高まると、前記媒体の排出方向における先端側の自重で途中から下方に折れ曲がる虞、いわゆる腰折れが発生する虞が減少する。以って、前記排出ローラー対から排出される媒体の排出受け部上での媒体整列性を向上させることができる。
また、前記モーターは、第1回転方向に回転すると、前記媒体を排出する方向に前記排出ローラー対を回転させ、前記第1回転方向とは異なる第2回転方向に回転すると、前記レバー位置調整部に動力を伝達して、前記第1レバー及び前記第2レバーを移動させる。これにより、前記レバー位置調整部の動力源として、前記排出ローラー対に動力を伝達するモーターを利用しているので、即ち、前記モーターを兼用しているので、モーターを新たに追加しなくても済み、大型化を抑制することができる。
【0010】
本発明に係る媒体排出装置の第2の態様は、第1の態様に従属する態様であって、前記排出ローラー対は、第1の排出ローラー対と、前記第1の排出ローラー対に対して前記軸方向に間隔を空けて設けられる第2の排出ローラー対と、を備えて成り、前記第1の排出ローラー対と前記第2の排出ローラー対との間に、前記第1レバー及び前記第2レバーとは異なる第3レバーを備えることを特徴とする。
【0011】
本態様によれば、前記第1の排出ローラー対と前記第2の排出ローラー対との間に、前記第1レバー及び前記第2レバーとは異なる第3レバーを備える。これにより、前記媒体の剛性を一層高めることができ、以って、前記自重で途中から下方に折れ曲がる虞を低減することができる。
【0012】
本発明に係る媒体排出装置の第3の態様は、第1の態様に従属する態様であって、前記レバーの進出位置を検知する位置検知部と、前記レバーの進出量を検知するエンコーダーと、を備え、前記位置検知部と前記エンコーダーの両検知結果に基づき、前記レバーの進出位置が決定されることを特徴とする。尚、本態様は第2の態様にも従属させることもできる。
【0013】
本態様によれば、前記位置検知部と前記エンコーダーの両検知結果に基づき、前記レバーの進出位置が決定されるので、前記レバーの進出位置を前記媒体の種類に合わせて精度よく決めることができる。
【0014】
本発明に係る媒体排出装置の第4の態様は、第3の態様に従属する態様であって、前記位置検知部は、前記媒体が排出される方向からみて、前記排出ローラー対の一部と重なる位置に配置されることを特徴とする。
【0015】
本態様によれば、前記位置検知部は、前記媒体が排出される方向からみて、前記排出ローラー対の一部と重なる位置に配置されている。これにより、装置の高さ方向において大型化を抑制することができる。
【0016】
本発明に係る媒体排出装置の第5の態様は、第1の態様に従属する態様であって、前記レバーの位置を検知する位置検知部、を備え、前記位置検知部は、第1位置検知部と、第2位置検知部と、を備え、前記第1位置検知部は前記第1レバーの第1被検知部を検知可能であり、前記第2位置検知部は前記第1レバー以外の他のレバーの第2被検知部を検知可能であり、前記第1レバーと前記他のレバーと前記第1位置検知部と前記第2位置検知部は、前記第1位置検知部が前記第1レバーを検知する場合、前記第2位置検知部は前記他のレバーを検知しない、且つ前記第2位置検知部が前記他のレバーを検知する場合、前記第1位置検知部が前記第1レバーを検知しない配置構造であることを特徴とする。尚、本態様は第2の態様にも従属させることもできる。
【0017】
本態様によれば、前記第1レバーと前記第2レバーと前記第1位置検知部と前記第2位置検知部は、前記第1位置検知部が前記第1レバーを検知する場合、前記第2位置検知部は前記第2レバーを検知しない、且つ前記第2位置検知部が前記第2レバーを検知する場合、前記第1位置検知部が前記第1レバーを検知しない配置構造である。これにより、エンコーダーを設けることなく、簡易な構造で、前記レバーの進出位置を検知することが可能になる。
【0018】
本発明に係る媒体排出装置の第6の態様は、第1の態様に従属する態様であって、前記レバー位置調整部は、カムと、前記カムの回動軸に設けられたワンウェイギアと、を備え、前記モーターが前記第1回転方向に回転すると、前記カムは前記ワンウェイギアによって回動しないことで前記レバー位置調整部は動作せず、前記モーターが前記第2回転方向に回転すると、前記カムは前記ワンウェイギアを介して回動することで前記レバー位置調整部を動作させることを特徴とする。尚、本態様は第2の態様から第5の態様のいずれか一つの態様にも従属させることもできる。
【0019】
本態様によれば、前記モーターが前記第1回転方向に回転すると、前記排出ローラー対が前記媒体を排出する方向に回転し、前記カムは前記ワンウェイギアによって回動しないことで前記レバー位置調整部は動作しない。一方、前記モーターが前記第2回転方向に回転すると、前記カムは前記ワンウェイギアを介して回動することで前記レバー位置調整部を動作させる。これにより、前記ワンウェイギアを備えていることで、前記モーターが前記第1回転方向に回転する時には、前記レバー位置調整部を移動させないようにすることができる。従って、媒体を排出する際には、前記レバー位置調整部は非駆動状態になるので、安定した排出が可能となる。
【0020】
本発明に係る媒体排出装置の第7の態様は、第6の態様に従属する態様であって、前記レバーを押圧する押圧部材を備え、前記レバーは、前記媒体を押す押し部と、前記位置検知部により検知される被検知部と、前記押し部と前記被検知部との間に設けられる回動軸と、を備え、前記回動軸と前記被検知部との間で、前記押圧部材に押圧され、前記回動軸と前記被検知部との間で前記レバー位置調整部と接触し、前記排出ローラー対は、前記媒体が排出される方向からみて、前記カムの一部と重なり、前記押圧部材の一部と重なることを特徴とする。
【0021】
本態様によれば、前記レバーは、前記媒体を押す押し部と、前記位置検知部により検知される被検知部と、前記押し部と前記被検知部との間に設けられる回動軸と、を備え、前記回動軸と前記被検知部との間で、前記押圧部材に押圧され、前記回動軸と前記被検知部との間で前記レバー位置調整部と接触する。これにより、前記レバーの動作を簡単な構造で実現することができる。
また、前記排出ローラー対は、前記媒体が排出される方向からみて、前記カムの一部と重なり、更に前記押圧部材の一部と重なる位置に配置されている。これにより、装置の高さ方向の大型化を抑制することができる。
【0022】
本発明に係る媒体排出装置の第8の態様は、第1の態様に従属する態様であって、前記レバーは、前記レバー位置調整部により移動する第1進出位置と、前記第1進出位置よりも多く進出する第2進出位置とを有することを特徴とする。尚、本態様は第2の態様から第7の態様のいずれか一つの態様にも従属させることもできる。
【0023】
本態様によれば、前記レバーは、前記レバー位置調整部によって前記第1進出位置と、前記第1進出位置よりも多く進出する第2進出位置とを有する。これにより、厚さの異なる2つの媒体に対して、適切な剛性にして排出することができる。
【0024】
本発明に係る媒体排出装置の第9の態様は、第8の態様に従属する態様であって、前記レバーは、前記第2進出位置よりも多く進出する第3進出位置を有することを特徴とする。
【0025】
本態様によれば、前記レバーは、前記第2進出位置よりも多く進出する第3進出位置を有しているので、厚さの異なる3つの媒体に対して、適切な剛性にして排出することができる。
【0026】
本発明に係る媒体排出装置の第10の態様は、第9の態様に従属する態様であって、制御部と、重送される媒体から1枚の媒体を分離する分離部を備え、前記媒体の搬送方向において前記分離部の下流に、前記媒体の厚みに関する情報を検知する媒体厚検知部を備え、前記制御部は、前記分離部で分離された前記媒体を前記媒体厚検知部で検知し、前記媒体厚検知部の検知結果が第1閾値以上なら、前記レバーを前記第2進出位置に進出させ、前記媒体厚検知部の検知結果が第1閾値より小さいなら、前記レバーを前記第3進出位置に進出させることを特徴とする。
前記媒体は、その多くが、厚みが小さい薄紙等の媒体は剛性が低く、厚みが薄紙等より大きい普通紙等の媒体は剛性が薄紙等より高いという関係がある。前記媒体厚検知部が検知する前記媒体の厚みに関する情報から剛性が低い媒体と剛性が高い媒体を区別することが可能である。前記第1閾値は、前記媒体厚検知部の検知結果によって薄紙等であるか普通紙等であるかを区別できるように設定される。これにより、前記媒体厚検知部の検知結果が第1閾値より小さいとその媒体は薄紙等であると判定され、第1閾値より大きいとその媒体は普通紙等であると判定される。
【0027】
本態様によれば、前記制御部は、前記分離部で分離された前記媒体を前記媒体厚検知部で検知し、前記媒体厚検知部の検知結果が第1閾値以上なら、前記レバーを前記第2進出位置に進出させ、前記媒体厚検知部の検知結果が第1閾値より小さいなら、前記レバーを前記第3進出位置に進出させる。これにより、前記媒体厚検知部が、例えば「普通紙」を検知した場合に前記レバーを前記第2進出位置に進出させ、普通紙より薄くて剛性の低い「薄紙」を検知した場合には前記レバーを前記第3進出位置に進出させることで、2種類の媒体の厚みに対して、前記レバーの進出位置を適切に合わせることができる。
【0028】
本発明に係る媒体排出装置の第11の態様は、第10の態様に従属する態様であって、前記制御部は、前記媒体厚検知部の検知結果が前記第1閾値よりも大きい第2閾値以上なら、前記レバーを前記第1進出位置に進出させることを特徴とする。
前記第2閾値は、前記媒体厚検知部の検知結果によって普通紙等であるか厚紙等であるかを区別できるように設定される。前記媒体厚検知部の検知結果が第2閾値より小さいとその媒体は普通薄紙等あると判定され、第2閾値より大きいとその媒体は厚紙等あると判定される。
【0029】
本態様によれば、前記制御部は、前記媒体厚検知部の検知結果が前記第1閾値よりも大きい第2閾値以上なら、前記レバーを前記第1進出位置に進出させる。これにより、普通紙より厚くて剛性の高い「厚紙」を検知した場合には前記レバーを前記第1進出位置に進出させることで、3種類の媒体の厚みに対して、前記レバーの進出位置を適切に合わせることができる。
【0030】
本発明に係る媒体排出装置の第12の態様は、第10の態様に従属する態様であって、前記制御部は、前記媒体の種類の選択を受付可能であり、前記選択された前記媒体の種類に基づき、前記レバーの進出位置を決定することを特徴とする。
【0031】
本態様によれば、前記制御部は、前記媒体の種類の選択を受付可能であり、前記選択された前記媒体の種類に基づき前記レバーの進出位置を決定するので、ユーザーの選択した媒体の厚みに応じて、前記レバーの進出位置を合わせることができる。
【0032】
本発明に係る媒体排出装置の第13の態様は、第10の態様に従属する態様であって、前記制御部は、前記媒体厚検知部の検知後に、前記媒体の搬送を停止し、前記媒体厚検知部の検知結果に基づいて前記レバーの進出位置を決定し、決定された前記レバーの進出位置に前記レバーを進出させた後に前記媒体の搬送を再開することを特徴とする。尚、本態様は第11の態様にも従属させることもできる。
【0033】
本態様によれば、前記制御部は、前記媒体厚検知部の検知後に、前記媒体の搬送を停止し、前記媒体厚検知部の検知結果に基づいて前記レバーの進出位置を決定し、決定された前記レバーの進出位置に前記レバーを進出させた後に前記媒体の搬送を再開する。即ち、前記媒体厚検知部の検知後に、前記媒体の搬送を停止するので、前記レバーの進出位置を確実に合わせることができる。
【0034】
本発明に係る媒体排出装置の第14の態様は、第10の態様に従属する態様であって、前記制御部は、前記媒体厚検知部の検知結果に基づき、前記レバーの進出位置を決定し、現時点における前記レバーの進出位置が前記検知結果と不一致の場合は、前記媒体の搬送を停止し、現時点における前記レバーの進出位置を前記検知結果と一致させた後に、前記媒体の搬送を再開することを特徴とする。
【0035】
本態様によれば、前記制御部は、現時点における前記レバーの進出位置が前記検知結果と不一致の場合は、前記媒体の搬送を停止して現時点における前記レバーの進出位置を前記検知結果と一致させる。これにより、前記レバーの進出位置を確実に合わせることができる。
【0036】
本発明に係る媒体排出装置の第15の態様は、第2の態様に従属する態様であって、前記レバーは、奇数個配置され、前記第1排出ローラー対と前記第2排出ローラー対に挟まれた領域を第1領域、前記第1領域の両側の領域を第2領域及び第3領域とした場合、前記レバーは、前記第2領域と前記第3領域に同じ数配置されることを特徴とする。尚、本態様は第3の態様から第14の態様のいずれか一つの態様にも従属させることもできる。
【0037】
本態様によれば、前記レバーは、奇数個配置され、中央領域となる前記第1領域の両側の領域に位置する前記第2領域と前記第3領域に前記レバーが同じ数配置される。これにより、排出される媒体に対して、前記幅方向の左右において前記媒体を押す前記レバーの数が同じになるので、左右でバランスが取れた状態で前記媒体を排出することができる。
【0038】
本発明に係る媒体排出装置の第16の態様は、第2の態様に従属する態様であって、前記レバーを押圧する押圧部材を備え、前記レバーは、前記媒体を押す押し部を備え、前記押し部と前記押圧部材との間に回動軸が設けられ、前記レバー位置調整部は、前記回動軸を挟んで前記押圧部材と反対側から前記レバーに接触し、前記排出ローラー対は、前記媒体が排出される方向から見て、前記レバー位置調整部の一部と重なり、前記押圧部材の一部と重なることを特徴とする。尚、本態様は第3の態様から第15の態様のいずれか一つの態様にも従属させることもできる。
【0039】
本態様によれば、前記レバーは、前記媒体を押す押し部を備え、前記押し部と前記押圧部材との間に回動軸が設けられ、前記レバー位置調整部は、前記回動軸を挟んで前記押圧部材と反対側から前記レバーに接触する。これにより、前記レバーの動作を簡単な構造で実現することができる。
また、前記排出ローラー対は、前記媒体が排出される方向から見て、前記レバー位置調整部の一部と、前記押圧部材の一部と重なる位置に配置されている。これにより、装置の高さ方向の大型化を抑制することができる。
【0040】
本発明の第17の態様に係る画像読取装置は、第1の態様から第16の態様のいずれか1つの態様に記載の媒体排出装置と、前記搬送方向において前記媒体排出装置の上流に位置し、搬送される前記媒体を読み取る読取部と、を備え、前記読取部を通過した前記媒体を、前記排出ローラー対で排出することを特徴とする。
本態様によれば、画像読取装置において、前記媒体排出装置における各態様の効果と同様の効果を得ることができる。
【0041】
[実施形態]
以下、本発明に係る媒体排出装置の実施形態と、この媒体排出装置を備える画像読取装置について、図面に基づいて具体的に説明する。
以下の説明においては、互いに直交する3つの軸を、各図に示すように、それぞれX軸、Y軸、Z軸とする。3つの軸(X,Y,Z)の矢印の示す方向が各方向の+方向であり、その逆が-方向である。Z軸方向は鉛直方向即ち重力が作用する方向に相当し、+Z方向が鉛直上方を示し、-Z方向が鉛直下方を示す。X軸方向及びY軸方向は、水平方向に相当する。+Y方向が装置の前方向を示し、-Y方向が装置の後方向を示す。+X方向が装置の右方向を示し、-X方向が装置の左方向を示す。
【0042】
[実施形態1]
<画像読取装置>
本実施形態の画像読取装置1は、媒体の画像を読み取り可能なスキャナーである。ここで、前記画像は、前記媒体に視覚的に記録されているものを意味し、例えば文字、図形、表、絵、写真等である。前記媒体は、シートに限らず、カード、冊子等も含まれる。
図1に示したように、画像読取装置1は、媒体3の画像を読み取る読取部51,52と、媒体3を搬送経路2に沿って搬送方向Fに搬送し、搬送方向Fにおいて、読取部51の上流に設けられた第1搬送ローラー4と、読取部51より下流に位置する他の読取部52の上流に設けられた第2搬送ローラー6と、読取部52の下流に設けられた第3搬送ローラー8とを備えている。
第1搬送ローラー4の搬送方向Fにおける上流には、給送ローラー13と分離ローラー7のローラー対が配置されている。分離ローラー7は重送される媒体から1枚を分離して搬送する分離部として機能する。具体的には、分離ローラー7は、不図示のトルクリミッターによって回転トルクが付与されており、原稿の重送を抑制する。尚、分離ローラー7に代えて分離パッドを採用しても良い。
分離ローラー7の上流にはピックローラー12が配置されている。
給送ローラー13と分離ローラー17は、給送ローラー13の回転軸の軸方向において、搬送経路2の中心位置に設けられている。
本実施形態では、第3搬送ローラー8の下流に湾曲反転経路18が設けられている。湾曲反転経路18には第4搬送ローラー20、第5搬送ローラー22、排出ローラー対24が、搬送方向Fに沿ってこの順番で配置されている。前記各ローラーの駆動は、駆動源からの動力によって駆動される。
【0043】
図1において、符号14は読取対象となる媒体3をセットする媒体載置部であり、符号16は読取が済んだ媒体3が排出される排出受け部である。
媒体載置部14は、上下に移動するように構成されている。媒体載置部14にセットされている媒体3を搬送方向Fに送る場合は、先ず媒体載置部14が上方(+Z方向)に移動し、セットされている媒体3の最上位に位置するものがピックローラー12と接した状態で停止する。その状態でピックローラー14が回転することで媒体3が搬送方向Fに送られ、媒体3の先端が給送ローラー10と分離ローラー7のローラー対のニップ位置26に達する。
【0044】
媒体3が複数枚で送られる重送状態の場合は、分離ローラー7によって1枚に分離され、その1枚が第1搬送ローラー4により搬送方向Fに搬送され、読取部51で媒体3の第1面の画像の読み取りが実行される。更に、読取部51で読み取りが実行された媒体3は、第2搬送ローラー6により搬送され、読取部52で媒体3の第1面と反対側の第2面の画像の読み取りが実行される。
読取部52で読み取りが実行された媒体3は、第3搬送ローラー8によって湾曲反転経路18に送られ、第4搬送ローラー20、第5搬送ローラー22により搬送され、排出ローラー24によって排出受け部16には排出される。
媒体載置部14を上方に移動させ、ピックローラー12により媒体3の搬送を開始し、給送ローラー10及び分離ローラー7により一枚の媒体に分離され、更に搬送方向Fに搬送されて読取部51,52による画像の読み取り、更に搬送方向Fへ搬送の一連の動作は制御部71により制御されて実行される。
【0045】
<媒体排出装置>
本実施形態では、画像読取装置1は媒体排出装置9を備えている。媒体排出装置9の構造について、
図1から
図9に基いて以下説明する。
図2と
図3に示したように、排出ローラー対24は、搬送されてくる媒体3を第1ローラー27と第2ローラー28とでニップして排出する。媒体排出装置9は、第1ローラー27と第2ローラー28の対で構成される排出ローラー対24と、排出ローラー対24の回転軸40の方向である軸方向(X軸方向)から見て、排出ローラー対24と重なる位置に移動可能に配置され、第1ローラー27及び第2ローラー28のうち、一方のローラー側から他方のローラー側に進出して排出ローラー対24にニップされている媒体3を進出方向に押すことが可能なレバー21とを備えている。更に、レバー21を前記進出する方向(-Z方向)に移動させて進出位置を調整するレバー位置調整部25と、排出ローラー対24に動力を伝達するモーター5(
図3)と、を備えている。
ここでは、レバー21は、第1ローラー27側から第2ローラー28側に進出する、即ち-Z方向を進出方向として進出するように配置されている。レバー21は、第2ローラー28側から第1ローラー27側に進出するように配置されていてもよい。排出ローラー対24にニップされている媒体は、レバー21によって前記進出方向に押されることで変形し、その変形により剛性が高まる。
【0046】
図3に示したように、レバー21は、排出ローラー対24に対して搬送方向Fと交差する幅方向(X軸方向)の一方側に位置する第1レバー211と、排出ローラー対24に対して前記幅方向において第1レバー211の反対側に位置する第2レバー212とを備えている。第1レバー211及び第2レバー212は、排出ローラー対24を挟むように配置されている。尚、前記幅方向は、排出ローラー対24の回転軸40の軸方向に言い換えてもよい。
モーター5は、
図3に示した第1回転方向R1に回転すると、媒体3を排出する方向Dに排出ローラー対24を回転させ、第1回転方向R1とは異なる第2回転方向R2に回転すると、レバー位置調整部25に動力を伝達して、第1レバー211及び第2レバー212を前記進出位置に移動させるように構成されている。モーター5からレバー位置調整部25への動力伝達構造は、追って説明する。
【0047】
図3に示したように、本実施形態では、排出ローラー対24は、第1の排出ローラー対241と、第1の排出ローラー対241に対して前記幅方向に間隔を空けて設けられる第2の排出ローラー対242と、を備えている。更に、第1の排出ローラー対241と第2の排出ローラー対242との間に、第1レバー211及び第2レバー212とは異なる第3レバー213を備えている。
図3と
図7に示したように、本実施形態では、レバー21は、奇数個配置されることが望ましい。
図7の上の図はレバー21が1個の場合を示し、
図7の下の図はレバー21が5個の場合を示している。更に、第1排出ローラー対241と前記第2排出ローラー対242に挟まれた領域を第1領域E1、第1領域E1の両側の領域を第2領域E2及び第3領域E3とした場合、レバー21は、第2領域E2と第3領域E3に同じ数配置されることが望ましい。
【0048】
図3と
図6に示したように、本実施形態では、レバー位置調整部25は、カム251と、カム251の回動軸252に設けられたワンウェイギア19(
図6)とを備えている。
モーター5が正回転すると、即ち第1回転方向R1に回転すると、排出ローラー対24が媒体3を排出する方向に回転し、カム251はワンウェイギア19によって回動しないことでレバー位置調整部25は動作させないように構成されている。更に、モーター5が逆回転すると、即ち第2回転方向R2に回転すると、カム251はワンウェイギア19を介して回動することでレバー位置調整部25を動作させるように構成されている。
【0049】
<モーターからレバー位置調整部への動力伝達構造>
ここで、モーター5からレバー位置調整部25への動力伝達構造を説明する。
図6に示したように、モーター5の動力は、モーターの回転軸42に取り付けられた駆動プーリー41、伝達ベルト43、プーリーギア44、プーリーギア44が取り付けられている回転軸40へと伝達される。排出ローラー対24の第1ローラー27は、回転軸40に取り付けられていて回転軸40と一体に回転する。このように、モーター5の動力は排出ローラー対24に伝達される。
また、
図6の下の図に示したように、回転軸40には伝達歯車48が一体に回転するように取り付けられている。伝達歯車48はワンウェイギア19と接続されている。ワンウェイギア19はギア軸53に一体に回転するように取り付けられている。ギア軸53の回転は、ギア輪列54を介して、カム251の回動軸252に伝達される。
これにより、モーター5が正回転すると、排出ローラー対24が媒体3を排出する方向に回転し、カム251はワンウェイギア19によって回動しないことでレバー位置調整部25は動作させない。更に、モーター5が逆回転すると、カム251はワンウェイギア19を介して回動することでレバー位置調整部25を動作させる。
図6において、符号45はテンションローラーであり、伝達ベルト43を押して適度なテンションを付与している。テンションローラー45は、軸47を回動支点とするアーム46に固定されている。アーム46は、捩りコイルバネ50によって回動する方向に弾性力を受け、この弾性力によってテンションローラー45は伝達ベルト43に前記テンションを付与するように押し付けられている。
【0050】
図4に示したように、本実施形態では、媒体排出装置9は、レバー21の進出位置を検知する位置検知部10と、レバー21の進出量を検知するエンコーダー11とを備えている。エンコーダー11は、カム251の回動軸252に取り付けられている。そして、位置検知部10とエンコーダー11の両検知結果が制御部71に送られ、制御部71によってレバー21の進出位置を判断するように構成されている。
また、
図2と
図4に示したように、位置検知部10は、媒体3が排出される方向Dからみて、排出ローラー対24の一部と重なる位置に配置されている。前述の通り、方向Dは、媒体3が排出される方向に相当する。また、方向Dは、水平方向において、排出ローラー対24の回転軸の軸方向と交差する方向であってもよい。
【0051】
図3と
図5に示したように、本実施形態では、レバー21は、位置検知部10により検知される被検知部33を備えている。位置検知部10は、第1位置検知部101と、第2位置検知部102とを備えている。第1位置検知部101は、第1レバー211の被検知部33である第1被検知部29を検知可能である。第2位置検知部102は、第1レバー211以外の他のレバーである、ここでは第3レバー213の被検知部33である第2被検知部30を検知可能である。
第1レバー211と第3レバー213と第1位置検知部29と第2位置検知部30は、以下の関係を持って互いに配置されている。即ち、第1位置検知部101が第1レバー211を検知する場合には、第2位置検知部102は第3レバー213を検知しない(
図5の下の図)、且つ第2位置検知部102が第3レバー213検知する場合には第1位置検知部101が第1レバー101を検知しない(
図5の上の図)ようにそれぞれ配置されている。
具体的には、第1位置検知部101と第2位置検知部102は、発光部と受光部の対で構成される光学式センサーが使われている。第1位置検知部101は第1レバー211の第1被検知部29が前記光学式センサーの光路を遮ることでその位置を検知し、第2位置検知部102は第3レバー213の第2被検知部30が前記光学式センサーの光路を遮ることでその位置を検知する。
【0052】
図2と
図4に示したように、本実施形態では、媒体排出装置9は、レバー21を押圧する押圧部材31を備えている。押圧部材31は、レバー21の下側に配置されて、レバー21を上方に押すように構成され、ここではコイルバネが使われている。
レバー21は、媒体3を押す押し部32と、位置検知部10により検知される被検知部33と、押し部32と被検知部33との間に設けられる回動軸34とを備えている。レバー21は、回動軸34と被検知部33との間で、押圧部材1に押圧され、回動軸34と被検知部33との間でレバー位置調整部25と接触するように構成されている。
更に、排出ローラー対24は、媒体3が排出される方向Dからみて、カム251の一部と重なり、更に押圧部材31の一部と重なるように配置されている。
【0053】
図4に示したように、本実施形態では、レバー21は、レバー位置調整部25により進出する第1進出位置P1(
図4の下の図)と、第1進出位置P1よりも多く進出する第2進出位置P2(
図4の中の図)とを有する。更に、レバー21は、第2進出位置P2よりも多く進出する第3進出位置P3を有するように構成されている。
ここでは、第1進出位置P1は、厚紙等の剛性が高くて前記腰折れの虞が少ない媒体3に対応しており、第3進出位置P3は、薄紙等の剛性が低くて前記腰折れの虞が多い媒体3に対応している。第2進出位置P2は、薄紙等と厚紙等の間の剛性の媒体3に対応している。
【0054】
図1に示したように、本実施形態では、媒体排出装置9は、制御部71と、重送される媒体3から1枚の媒体を分離する分離部としての分離ローラー7を備え、搬送方向Fにおいて分離ローラー7の下流に、媒体3の厚みに関する情報を検知する媒体厚検知部49を備えている。
媒体3は、その多くが、厚みが小さい薄紙等の媒体は剛性が低く、厚みが薄紙等より大きい普通紙等の媒体は剛性が薄紙等より高いという関係がある。媒体厚検知部49が検知する媒体3の厚みに関する情報から剛性が低い媒体と剛性が高い媒体を区別することが可能である。前記第1閾値は、媒体厚検知部49の検知結果によって薄紙等であるか普通紙等であるかを区別できるように設定される。これにより、制御部71は、媒体厚検知部49の検知結果が前記第1閾値より小さいとその媒体3は薄紙等であると判定し、前記第1閾値より大きいとその媒体3は普通紙等であると判定する。
図4の上の図と中の図に示したように、制御部71は、分離ローラー7で分離された媒体3を媒体厚検知部49で検知し、媒体厚検知部49の検知結果が第1閾値以上なら、レバー21を普通紙等に合わせた第2進出位置P2に進出させるように構成されている。更に、制御部71は、媒体厚検知部49の検知結果が第1閾値より小さいなら、レバー21を薄紙等に合わせた第3進出位置P3に進出させるように構成されている。
【0055】
図4の下の図に示したように、本実施形態では、更に、制御部71は、媒体厚検知部49の検知結果が前記第1閾値よりも大きい第2閾値以上なら、レバー21を第1進出位置P1に進出させるように構成されている。
前記第2閾値は、媒体厚検知部49の検知結果によって普通紙等より厚みの大きい厚紙等を普通紙等と区別できるように設定される。制御部71は、媒体厚検知部49の検知結果が前記第2閾値より小さいとその媒体3は普通薄紙等あると判定し、前記第2閾値より大きいとその媒体3は厚紙等あると判定する。
【0056】
本実施形態では、制御部71は、媒体3の種類の選択を受付可能であり、ユーザーによって選択された媒体3の種類に基づき、レバー21の進出位置を決定するように構成されている。
更に、制御部71は、媒体厚検知部49の検知結果に基づき、レバー21の進出位置を決定することも行えるように構成されている。この場合は、現時点におけるレバー21の進出位置が媒体厚検知部49の前記検知結果と不一致の場合は、媒体3の搬送を停止し、現時点におけるレバー21の進出位置を前記検知結果と一致させた後に、媒体3の搬送を再開するように構成されている。
【0057】
パーソナルコンピューター即ちパソコンと画像読取装置1が接続されており、「媒体厚検知部により媒体の種類を自動検知にする」や「媒体の種類を自動ではなくユーザーが設定する」やその他の条件についての情報を、パソコンの表示画面を見ながら入力或いは選択して画像読取装置1の読取動作を設定して行うタイプの画像読取装置1がある。
本実施形態では、このタイプの画像読取装置1において、制御部71は、表示画面から入力された情報に基づいて読取動作を実行する。その際、表示画面に、「媒体厚検知部により媒体の種類を自動検知にする」又は「媒体の種類を自動検知ではなくユーザーが設定する」に関する表示として「自動検知」「ユーザー設定」等が表示されるように構成されている。
【0058】
<媒体厚検知部によるレバーの進出位置の決定の自動化>
図9のフローチャートにより、制御部71が媒体厚検知部49によりレバー21の進出位置の決定を自動化する構成とその制御手順の一例を説明する。
先ず、ステップS1で、ユーザーが前記パソコンの表示画面を見ながら媒体3の種類、即ち普通紙、厚紙等の種類についての指定において、「自動」を選択したかを判定する。Yesの場合は、ステップS2に進み、分離ローラー7等の駆動をONとして媒体3の搬送を開始する。搬送される媒体3の先端が媒体厚検知部49の検知位置に達すると媒体3の厚みの検知が行われ、ステップS3で、その検知結果が現在のレバー21の進出位置と一致しているかについて判定が行われる。
Noの場合はステップS4に進む。ステップS4で分離ローラー7等の駆動が停止され、搬送が止まる。続いて、ステップS5で、レバー21の進出位置の切り替えがレバー位置調整部25により行われ、前記検知結果と一致させる。続いてステップS6に進み、分離ローラー7等の駆動をONして再開し、ステップS7で、読取部51,52による画像の読み取りが行われる。続いてステップS8で、読取対象の媒体3が未だ残っているかが判定され、残っている場合、即ちYesの場合はステップS7に戻る。一方、Noの場合は終了となる。
ステップS1で、Noの場合は,ステップS9に進む。ステップS9でユーザーに選択されたレバー21の進出位置への設定が行われ、そして分離ローラー等の駆動をONにして媒体3を搬送し、ステップS7に進む。ステップS3でYesの場合はステップS7に進む。
【0059】
<実施形態1の動作の説明>
搬送される媒体3の厚みの情報に基づいて、制御部71が前記厚みに合うようにレバー21の進出位置を調整する。具体的に説明すると、搬送される媒体3が「薄紙」である場合は、制御部71は、その「薄紙」であるとの情報を受けて、現時点のレバーの進出位置が「薄紙」に合う進出位置である場合はその進出位置の状態で媒体3を排出する。
一方、現時点のレバーの進出位置が「薄紙」に合っていない「普通紙」用の進出位置である場合は、先ず媒体3の搬送を停止させる。そして、その停止状態で、レバー位置調整部25のカム251を回転させてレバー21を回動させ、レバー21の押し部32を進出方向に移動させて「普通紙」用の進出位置から「薄紙」用の進出位置に変えてその位置で止める。そして、媒体3の搬送を再開して媒体3を排出する。
レバー21の進出位置を変えるためにレバー位置調整部25を回転させるが、その回転の動力は、モーター5からワンウェイギア19を介してレバー位置調整部25に伝達される。
【0060】
<実施形態1の効果の説明>
(1)本実施形態では、排出ローラー対24を成す第1ローラー27及び第2ローラー28のうち、一方のローラー側から他方のローラー側に進出して排出ローラー対24にニップされている媒体3を押すことが可能なレバー21と、レバー21を前記進出する方向に移動させて進出位置を調整するレバー位置調整部25とを備えている。これにより、排出ローラー対24から排出される媒体3は、レバー21が進出することで押され、その押されることできる変形によって剛性が高まる。媒体3の剛性が高まると、媒体3の排出方向における先端側の自重で途中から下方に折れ曲がる虞、いわゆる腰折れが発生する虞が減少する。以って、排出ローラー対24から排出される媒体24の排出受け部16上での媒体整列性を向上させることができる。
また、モーター5は、第1回転方向R1に回転すると、媒体3を排出する方向に排出ローラー対24を回転させ、第1回転方向R1とは異なる第2回転方向R2に回転すると、レバー位置調整部25に動力を伝達して、第1レバー211及び第2レバー212を移動させる。これにより、レバー位置調整部25の動力源として、排出ローラー対24に動力を伝達するモーター5を利用しているので、即ち、モーター5を兼用しているので、モーターを新たに追加しなくても済み、大型化を抑制することができる。
【0061】
(2)また、本実施形態では、第1の排出ローラー対241と第2の排出ローラー対242との間に、第1レバー211及び第2レバー212とは異なる第3レバー213を備える。これにより、媒体3の剛性を一層高めることができ、以って、前記自重で途中から下方に折れ曲がる虞を低減することができる。
(3)また、本実施形態では、位置検知部10とエンコーダー11の両検知結果に基づき、レバー21の進出位置が決定されるので、レバー21の進出位置を媒体3の種類に合わせて精度よく決めることができる。
(4)また、本実施形態では、位置検知部10は、媒体3が排出される方向Dからみて、排出ローラー対24の一部と重なる位置に配置されている。これにより、装置の高さ方向において大型化を抑制することができる。
【0062】
(5)また、本実施形態では、第1レバー211と第2レバー212と第1位置検知部101と第2位置検知部102は、第1位置検知部101が第1レバー211を検知する場合、第2位置検知部102は第2レバー212を検知しない、且つ第2位置検知部102が第2レバー212を検知する場合、第1位置検知部101が第1レバー211を検知しない配置構造である。これにより、エンコーダー11を設けることなく、簡易な構造で、レバー21の進出位置を検知することが可能になる。
(6)また、本実施形態では、モーター5が第1回転方向R1に回転すると、排出ローラー対24が媒体3を排出する方向に回転し、カム251はワンウェイギア19によって回動しないことでレバー位置調整部25は動作しない。一方、モーター5が第2回転方向R2に回転すると、カム251はワンウェイギア19を介して回動することでレバー位置調整部25を動作させる。これにより、ワンウェイギア19を備えていることで、モーター5が第1回転方向R1に回転する時には、レバー位置調整部25を移動させないようにすることができる。従って、媒体3を排出する際には、レバー位置調整部25は非駆動状態になるので、安定した排出が可能となる。
【0063】
(7)また、本実施形態では、レバー21は、媒体3を押す押し部32と、位置検知部10により検知される被検知部33と、押し部32と被検知部33との間に設けられる回動軸34とを備え、回動軸34と被検知部33との間で、押圧部材31に押圧され、回動軸34と被検知部33との間でレバー位置調整部25と接触する。これにより、レバー21の動作を簡単な構造で実現することができる。
また、排出ローラー対24は、媒体3が排出される方向Dからみて、カム251の一部と重なり、更に押圧部材31の一部と重なる位置に配置されている。これにより、装置の高さ方向の大型化を抑制することができる。
(8)また、本実施形態では、レバー21は、レバー位置調整部25によって前記第1進出位置P1と、第1進出位置P1よりも多く進出する第2進出位置P2とを有する。これにより、厚さの異なる2つの媒体3に対して、適切な剛性にして排出することができる。
(9)また、本実施形態では、レバー21は、第2進出位置P2よりも多く進出する第3進出位置を有しているので、厚さの異なる3つの媒体3に対して、適切な剛性にして排出することができる。
【0064】
(10)また、本実施形態では、制御部71は、分離部7で分離された媒体3を媒体厚検知部49で検知し、媒体厚検知部49の検知結果が第1閾値以上なら、レバー21を第2進出位置P2に進出させ、媒体厚検知部49の検知結果が第1閾値より小さいなら、レバー21を第3進出位置P3に進出させる。これにより、媒体厚検知部49が、例えば「普通紙」を検知した場合にレバー21を第2進出位置P2に進出させ、普通紙より薄くて剛性の低い「薄紙」を検知した場合にはレバー21を第3進出位置P3に進出させることで、2種類の媒体3の厚みに対して、レバー21の進出位置を適切に合わせることができる。
(11)また、本実施形態では、制御部71は、媒体厚検知部49の検知結果が第1閾値よりも大きい第2閾値以上なら、レバー21を第1進出位置P1に進出させる。これにより、普通紙より厚くて剛性の高い「厚紙」を検知した場合にはレバー21を第1進出位置P1に進出させることで、3種類の媒体3の厚みに対して、レバー21の進出位置を適切に合わせることができる。
【0065】
(12)また、本実施形態では、制御部71は、媒体3の種類の選択を受付可能であり、前記選択された媒体3の種類に基づきレバー21の進出位置を決定するので、ユーザーの選択した媒体3の厚みに応じて、レバー21の進出位置を合わせることができる。
(13)また、本実施形態では、制御部71は、現時点におけるレバー21の進出位置が媒体厚検知部49の前記検知結果と不一致の場合は、媒体3の搬送を停止して現時点におけるレバー21の進出位置を前記検知結果と一致させる。これにより、レバー21の進出位置を確実に合わせることができる。
(14)また、本実施形態では、レバー21は、奇数個配置され、中央領域となる第1領域E1の両側の領域に位置する第2領域E2と第3領域E3にレバー21が同じ数配置される。これにより、排出される媒体3に対して、前記幅方向(X軸方向)の左右において媒体3を押すレバー21の数が同じになるので、左右でバランスが取れた状態で媒体3を排出することができる。
【0066】
[実施形態2]
次に、実施形態2に係る媒体排出装置9について説明する。実施形態1と同一部分については同一符号を付して、その構成及び対応する効果の説明は省略する。
本実施形態では、制御部71は、体厚検知部49が媒体3の種類についての検知を行って検知結果を得た後に、媒体3の搬送を停止する。そして、媒体厚検知部49の検知結果に基づいてレバー21の進出位置を決定し、決定されたレバー21の進出位置にレバー21を進出させた後に媒体3の搬送を再開するように構成されている。
本実施形態では、制御部71は、媒体厚検知部49の検知後に、一度、媒体3の搬送を停止するので、レバー21の進出位置を確実に合わせることができる。
【0067】
[実施形態3]
次に、実施形態3に係る媒体排出装置9について
図8に基づいて説明する。実施形態1と同一部分については同一符号を付して、その構成及び対応する効果の説明は省略する。
本実施形態では、レバー21を押圧する押圧部材31を備えている。この押圧部材31は実施形態1とは異なり、レバー21の上側(
図8の下の図)に配置されて、レバー21を下方に押すように構成され、コイルバネが使われている。
レバー21は、
図8の下の図に示したように、媒体3を押す押し部32を備え、押し部32と押圧部材31との間に回動軸34が設けられ、レバー位置調整部25は、回動軸34を挟んで押圧部材31と反対側からレバー21に接触するように構成されている。
更に、排出ローラー対24は、媒体3が排出される方向Dから見て、レバー位置調整部25の一部と重なり、更に押圧部材31の一部と重なるように配置されている。
【0068】
本実施形態では、レバー21は、押し部32と押圧部材31との間に回動軸34が設けられ、レバー位置調整部25は、回動軸34を挟んで押圧部材31と反対側からレバー21に接触してレバー21を回動させる。これにより、レバー21の動作を実施形態1と異なる簡単な構造で実現することができる。
また、排出ローラー対24は、媒体3が排出される方向Dから見て、レバー位置調整部25の一部と重なり、更に押圧部材31の一部と重なる位置に配置されているので、装置の高さ方向の大型化を抑制することができる。
【0069】
〔他の実施形態〕
本発明に係る画像読取装1は、以上述べた実施形態の構成を有することを基本とするものであるが、本願発明の要旨を逸脱しない範囲内での部分的構成の変更や省略等を行うことは勿論可能である。
【符号の説明】
【0070】
1…画像読取装置、2…搬送経路、3…媒体、4…第1搬送ローラー、5…モーター、
6…第2搬送ローラー、7…分離ローラー、8…第3搬送ローラー、
9…媒体排出装置、10…位置検知部、11…エンコーダー、12…ピックローラー、
13…給送ローラー、14…媒体載置部、16…排出受け部、18…湾曲反転経路、
19…ワンウェイギア、20…第4搬送ローラー、21…レバー、
22…第5搬送ローラー、24…排出ローラー、25…レバー位置調整部、
26…ニップ位置、27…第1ローラー、28…第2ローラー、
29…第1被検知部、30…第2被検知部、31…押圧部材、
32…押し部、33…被検知部、34…回動軸、40…回転軸、
41…駆動プーリー、42…回転軸、43…伝達ベルト、44…プーリーギア、
45…テンションローラー、46…アーム、47…軸、48…伝達歯車、
49…媒体厚検知部、51…読取部、52…読取部、53…ギア軸、
54…ギア輪列、71…制御部、211…第1レバー、212…第2レバー、
213…第3レバー、241…第1の排出ローラー対、
242…第2の排出ローラー対、251…カム、252…回動軸、
D…排出する方向、E1…第1領域、E2…第2領域、E3…第3領域、
F…搬送方向、P1…第1進出位置、P2…第2進出位置、P3…第3進出位置、
R1…第1回転方向、R2…第2回転方向