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特開2024-113740自走式揚重機用嵩上装置および自走式揚重機の嵩上方法
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  • 特開-自走式揚重機用嵩上装置および自走式揚重機の嵩上方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113740
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】自走式揚重機用嵩上装置および自走式揚重機の嵩上方法
(51)【国際特許分類】
   B66C 23/26 20060101AFI20240816BHJP
【FI】
B66C23/26 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023018882
(22)【出願日】2023-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】000206211
【氏名又は名称】大成建設株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】523048262
【氏名又は名称】DENZAI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】大谷 英夫
(72)【発明者】
【氏名】鵜澤 哲史
(72)【発明者】
【氏名】上村 浩貴
【テーマコード(参考)】
3F205
【Fターム(参考)】
3F205AA03
3F205AA05
3F205BA01
3F205CA01
3F205DA01
3F205JA01
3F205JA03
3F205JA07
(57)【要約】
【課題】比較的小規模で、簡易かつ安価に構築することが可能な自走式揚重機用嵩上装置および自走式揚重機の嵩上方法を提案する。
【解決手段】間隔をあけて配設された4つの支持体31,31,…と、支持体31同士を連結する連結体32とを備え、アウトリガー21を張り出した状態の自走式揚重機2を他の揚重機によって上方から載置可能に構成された自走式揚重機用嵩上装置3である。支持体31は、張り出した状態のアウトリガー21の接地面に対応する位置に形成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
間隔をあけて配設された4つの支持体と、
前記支持体同士を連結する連結体と、を備え、
アウトリガーを張り出した状態の自走式揚重機を他の揚重機によって上方から載置可能に構成された自走式揚重機用嵩上装置であって、
前記支持体は、前記アウトリガーの接地面に対応する位置に形成されていることを特徴とする自走式揚重機用嵩上装置。
【請求項2】
前記支持体が四隅に配設された平面視ロ字状に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の自走式揚重機用嵩上装置。
【請求項3】
前記支持体は、パイプ支保工を組み立てることにより形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の自走式揚重機用嵩上装置。
【請求項4】
斜材または索条により補強されていることを特徴とする、請求項3に記載の自走式揚重機用嵩上装置。
【請求項5】
自走式揚重機用嵩上装置を形成する構台組立工程と、
前記自走式揚重機用嵩上装置の近傍に自走式揚重機を配置する仮据付工程と、
他の揚重機を利用して前記自走式揚重機を前記自走式揚重機用嵩上装置上に載置する据付工程と、を備える自走式揚重機の嵩上方法であって、
前記構台組立工程では、所定の高さ有する4つの支持体を形成するとともに、前記支持体同士を連結体により連結し、
前記仮据付工程では、アウトリガーを張り出させた状態で前記自走式揚重機を地上に据え付けて、
前記据付工程では、前記アウトリガーの接地面を前記支持体の上面に載置することを特徴とする自走式揚重機の嵩上方法。
【請求項6】
前記自走式揚重機用嵩上装置上の前記自走式揚重機にブームを取り付けるブーム取付工程を備えていることを特徴とする、請求項5に記載の自走式揚重機の嵩上方法。
【請求項7】
前記ブームの先端を載置可能なブーム組立用構台を前記自走式揚重機用嵩上装置から離れた位置に形成することを特徴とする、請求項6に記載の自走式揚重機の嵩上方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自走式揚重機を所定の高さ位置に据え付けるための自走式揚重機用嵩上装置および自走式揚重機の嵩上方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高所において部材を組み立てて構造物を構築する場合には、クレーン(揚重機)を使用して施工するのが一般的である。このような工事に使用するクレーンは、十分な揚重能力を有しているとともに、所望の高さに部材を移送し得る高さを有している必要がある。例えば、特許文献1には、風力発電施設の施工において、風力発電施設の近傍に設けたタワークレーンを使用する施工方法が開示されている。また、特許文献2には、風力発電施設の近傍に設置した構台に自走式クレーンを据え付けて施工する施工方法が開示されている。
近年、風力発電施設の規格が大きくなる傾向にあり、風力発電施設の高さおよび風力発電機の部材重量が増加している。
規格が大きな風力発電施設に特許文献1の施工方法を採用すると、風力発電施設の規模に応じてタワークレーンの規模を大きくする必要があるが、タワークレーンの規模が大きくなると、不経済になる場合がある。
また、特許文献2の施工方法において、構造物の規模に応じて構台の規模を大きくすると、構台の構築に手間と費用がかかる。また、構台の規模が大きくなると、構台上に自走式クレーンを乗り込ませるのが困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-301615号公報
【特許文献2】特開2006-037397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、比較的小規模で、簡易かつ安価に構築することが可能な自走式揚重機用嵩上装置および自走式揚重機の嵩上方法を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するための本発明の自走式揚重機用嵩上装置は、アウトリガーを張り出した状態の自走式揚重機を他の揚重機によって上方から載置可能に構成された自走式揚重機用嵩上装置であって、間隔をあけて配設された4つの支持体と、前記支持体同士を連結する連結体とを備えている。前記支持体は、前記アウトリガーの接地面に対応する位置に形成されている。
また、本発明の自走式揚重機の嵩上方法は、自走式揚重機用嵩上装置を形成する構台組立工程と、前記自走式揚重機用嵩上装置の近傍に自走式揚重機を配置する仮据付工程と、他の揚重機を利用して前記自走式揚重機を前記自走式揚重機用嵩上装置上に載置する据付工程とを備えている。前記構台組立工程では、所定の高さ有する4つの支持体を形成するとともに、前記支持体同士を連結体により連結する。また、前記仮据付工程では、アウトリガーを張り出させた状態で前記自走式揚重機を地上に据え付ける。さらに、前記据付工程では、前記アウトリガーの接地面を前記支持体の上面に載置する。
かかる自走式揚重機用嵩上装置および自走式揚重機の嵩上方法によれば、自走式揚重機を地面よりも高い位置に据え付けることで、地面に据え付けた場合よりも高い位置への揚重が可能となる。また、自走式揚重機用嵩上装置は、自走式揚重機のアウトリガーの位置において自走式揚重機の荷重に耐え得るように構成されていればよい。そのため、自走式揚重機用嵩上装置は、比較的簡易な構成で、かつ安価である。また、自走式揚重機を他の揚重機を利用して支持体上に載置することで据付が完了するため、自走式揚重機の位置決めが容易である。
【0006】
なお、自走式揚重機用嵩上装置は、アウトリガーの位置に支持体が配置されていればよく、例えば、前記支持体が四隅に配設された平面視ロ字状に形成されたものであってもよい。
また、前記支持体を、比較的容易に入手可能なパイプ支保工を組み立てることにより形成すれば、コスト低減化が可能となる。また、揺れや転倒が懸念される場合には、斜材または索条により自走式揚重機用嵩上装置を補強すればよい。
ブームを取り外した状態で自走式揚重機を搬入する場合には、前記自走式揚重機用嵩上装置上の前記自走式揚重機にブームを取り付けるブーム取付工程を備えているのが望ましい。この場合には、前記ブームの先端を載置可能なブーム組立用構台を前記自走式揚重機用嵩上装置から離れた位置に形成するのが望ましい。
【発明の効果】
【0007】
本発明の自走式揚重機用嵩上装置によれば、比較的小規模なため、簡易かつ安価に構築することが可能となる。また、この自走式揚重機用嵩上装置を利用した自走式揚重機の嵩上方法によれば、自走式揚重機を所望の高さに配置して、高い位置での揚重作業が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】風力発電施設の施工状況を示す側面図である。
図2】自走式揚重機用嵩上装置を示す図であって、(a)は側面図、(b)は平面図である。
図3】自走式揚重機の嵩上方法の手順を示すフローチャートである。
図4】仮据付工程を示す図であって、(a)は平面図、(b)は側面図である。
図5】据付工程を示す図であって、(a)は平面図、(b)は側面図である。
図6】ブーム取付工程を示す側面図である。
図7】ブーム先端部をブーム組立用構台に載置した状況を示す側面図である。
図8】先端ジブ取付工程を示す側面図であって、(a)は先端ジブ組立状況、(b)は先端ジブ組立後である。
図9】組立後の自走式揚重機の使用状況を示す側面図であって、(a)はブーム収縮時、(b)はブーム伸張時である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本実施形態では、自走式揚重機2を利用して、風力発電施設1を建設する場合について説明する。図1に、風力発電施設1の施工状況を示す。
風力発電施設1は、図1に示すように、風車11と、風車11を支持する支柱12と支柱12を支持する基礎13とを備えている。本実施形態では、風車11の高さが100mを超える大規模は風力発電施設1を施工するものとする。
風力発電施設1の施工には、揚重機として、1200tオールテレーンクレーン(自走式揚重機2)を使用する。高さが100m以上の高い発電能力を持つ重量のある風車の施工には自走式揚重機2の揚程が不足するため、自走式揚重機用嵩上装置3を利用して、地上から約10mの高さに自走式揚重機2を嵩上げする。
【0010】
図2に自走式揚重機用嵩上装置3を示す。図2(a)および(b)に示すように、自走式揚重機用嵩上装置3は、間隔をあけて配設された4つの支持体31,31,…と、支持体31同士を連結する連結体32,32,…とを備えている。支持体31は、図2(a)に示すように、自走式揚重機2の張り出した状態のアウトリガー21の接地面に対応する位置に形成されている。図2(b)に示すように、自走式揚重機用嵩上装置3は、支持体31と連結体32とを組み合わせることにより、支持体31が四隅に配設された平面視ロ字状に形成されている。すなわち、自走式揚重機用嵩上装置3は、平面視中央部に空間33が形成された角筒状を呈している。
【0011】
支持体31および連結体32は、パイプ支保工を組み立てることにより形成されている。支持体31の縦横の長さ(すなわち、横幅と奥行き)と、支持体31の高さの関係は支持体31の構造計算により安定となる条件で決定する。支持体31の上面には、アウトリガー21の接地面に対応して、複数の受桁34,34,…が敷設されている。複数の受桁34は、支持体31の上面に敷設された受桁受け35の上面に連設されている。支持体31は、必要に応じて連結体32よりも強度・剛性を高めてもよい。
自走式揚重機用嵩上装置3の側面には、図2(a)に示すように、支持体31の補強が必要とする場合のため索条からなる補強材36が設けられている。補強材36は空間33内にも設けられている(図示せず)。さらに、空間33の角部には、連結体32同士を繋ぐ火打ち梁37が設けられている。
【0012】
次に、本実施形態の自走式揚重機用嵩上装置3を使用した自走式揚重機の嵩上方法について説明する。
自走式揚重機の嵩上方法は、図3に示すように構台組立工程S1と、仮据付工程S2と、据付工程S3と、ブーム取付工程S4と、先端ジブ取付工程S5を備えている。
構台組立工程S1は、自走式揚重機用嵩上装置3を風力発電施設1の施工箇所近傍に形成する工程である。構台組立工程S1では、所定の高さ有する4つの支持体31,31,…を形成するとともに、支持体31同士を連結体32により連結する(図2参照)。支持体31は、上載する自走式揚重機2のアウトリガー21の接地面に対応する位置に形成する。
【0013】
仮据付工程S2は、自走式揚重機用嵩上装置3の近傍に自走式揚重機2を配置して、仮に据え付ける工程である。図4に仮据付工程S2を示す。図4(a)および(b)に示すように、仮据付工程S2では、アウトリガー21を張り出させた状態で、自走式揚重機2を地上に据え付ける。本実施形態では、ブーム22および先端ジブ23を取り外した状態で、自走式揚重機2を据え付ける。自走式揚重機用嵩上装置3の近傍に自走式揚重機2を配置する際は、据付工程S3で他の揚重機(据付用揚重機4)の作業半径を満足する位置とすることが必要である。
【0014】
据付工程S3は、自走式揚重機2を自走式揚重機用嵩上装置3上に載置する工程である。図5に据付工程S3を示す。図5(a)および(b)に示すように、自走式揚重機2は、他の揚重機(据付用揚重機4)を利用して、自走式揚重機用嵩上装置3上に上方から載置する。据付用揚重機4は、自走式揚重機用嵩上装置3の近傍に据え付けておく。自走式揚重機2は、アウトリガー21を張り出させた状態で、据付用揚重機4により吊り上げて、自走式揚重機用嵩上装置3上に移送する。自走式揚重機2は、アウトリガー21の接地面を支持体31の上面に受桁34上に載置する。自走式揚重機2は、自走式揚重機用嵩上装置3上において移動不可であり、アウトリガー21を縮めることもできない。
【0015】
ブーム取付工程S4は、自走式揚重機用嵩上装置3上の自走式揚重機2のブーム22を形成する工程である。図6,7にブーム取付工程S4を示す。ブーム22は、図6に示すように、自走式揚重機2にブーム22の基部24およびブーム部材25を取り付けることにより形成する。本実施形態では、ブーム取付工程S4と平行して、ブーム組立用構台5を形成し、図7に示すように、形成されたブーム22の先端部をブーム組立用構台5に上載する。
【0016】
図7に示すように、ブーム組立用構台5は、自走式揚重機2のブーム22の先端を載置可能な構台であって、自走式揚重機用嵩上装置3から離れた位置に形成する。ブーム組立用構台5は、自走式揚重機用嵩上装置3から独立した構造体であり、パイプ支保工を組み立てることにより形成する。ブーム組立用構台5の高さは、上面の高さ位置が、自走式揚重機用嵩上装置3の上面の高さ位置と同等になるようにする。ブーム組立用構台5の上面には、架台51が形成されていて、水平に倒した状態のブーム22の先端部を上載可能に構成されている。
【0017】
先端ジブ取付工程S5は、ブーム22の先端部に先端ジブ23を取り付ける工程である。図8に先端ジブ取付工程S5を示す。自走式揚重機2のブーム22を形成したら、図8(a)に示すように、ブーム22の先端部に先端ジブ23を取り付ける。先端ジブ23は、複数の先端ジブ用部材26を組み合わせることにより形成する。先端ジブ23が完成したら、図8(b)に示すように、先端ジブ23の先端部を地面に支持させた後(すなわち、先端ジブ23の先端部を地面に載置した後)、ブーム組立用構台5を撤去する。なお、自走式揚重機2の供用後、強風時等においては、先端ジブ23の先端部を地面に載置して、養生姿勢をとる。
図9に先端ジブ23形成後の自走式揚重機2を示す。図9(a)および(b)に示すように、自走式揚重機に先端ジブ23を取り付けたら、ブーム22を立ち上げるとともに、必要に応じてブーム22を伸縮させて、風力発電施設の施工を行う。
【0018】
本実施形態の自走式揚重機用嵩上装置3を利用すれば、自走式揚重機2を地面よりも高い位置に据え付けることができるため、自走式揚重機2を地面に据え付けた場合よりも高い位置への揚重が可能となる。自走式揚重機用嵩上装置3は、支持体31が四隅に配置された平面視ロ字状に形成されているため、中央部の空間33(図2(b)参照)にパイプ支保工を形成する必要が無く、その結果、部材(パイプ支保工)の量が削減され、施工の手間および費用の低減化を図ることができる。
また、自走式揚重機用嵩上装置3は、自走式揚重機2のアウトリガーの位置において自走式揚重機2の荷重に耐え得るように構成すればよく、その他の部位を簡素化できるため、比較的簡易な構成で、かつ安価に形成できる。
【0019】
また、支持体31は、比較的容易に入手可能なパイプ支保工を組み立てることにより形成するため、コスト低減化が可能となる。
また、斜材または索条からなる補強材36により自走式揚重機用嵩上装置3を補強しているため、揺れや転倒に対する耐力を確保している。
また、アウトリガー21を張り出させた自走式揚重機2を、据付用揚重機4を利用して支持体31上に載置することで据付が完了するため、自走式揚重機2の位置決めが容易である。すなわち、予めアウトリガー21の位置に応じて形成された支持体31の上に、アウトリガー21を載置するため、自走式揚重機用嵩上装置3上において、細かい位置決め作業を要しない。
【0020】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、前述の実施形態に限られず、前記の各構成要素については本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
前記実施形態では、風力発電施設の施工の自走式揚重機用嵩上装置3を使用する場合について説明したが、自走式揚重機用嵩上装置3の用途はこれに限定されるものではなく、例えば、煙突や鉄塔等の塔状構造物や橋台や橋脚等の構造物の施工や解体に使用してもよい。
前記実施形態では、ブーム取付工程S4の進捗に応じてブーム組立用構台5を組み立てる場合について説明したが、ブーム組立用構台5を形成する(組み立てる)タイミングは先端ジブ取付工程S5の前であれば限定されるものではなく、例えば、自走式揚重機用嵩上装置3の形成と平行して行ってもよい。また、ブーム組立用構台5は、必ずしも形成する必要はなく、必要に応じて形成すればよい。
【0021】
前記実施形態では、アウトリガー21の接地面に対応して支持体31の上面に受桁34を敷設するものとしたが、アウトリガー21の支持部材はこれに限定されるものではなく、例えば、鋼板や覆工板等を敷設してもよい。
自走式揚重機用嵩上装置3の平面形状は、ロ字状に限定されるものではない。また、支持体31は、必ずしも自走式揚重機用嵩上装置3の四隅に配置する必要はなく、自走式揚重機用嵩上装置3の平面形状に応じて適宜決定すればよい。
支持体31および連結体32を構成する材料はパイプ支保工に限定されるものではなく、例えば、H形鋼や溝型鋼等であってもよい。
補強材(斜材や索条)は必要に応じて設ければよい。
自走式揚重機2は、ブーム22や先端ジブ23を取り付けた状態で、自走式揚重機用嵩上装置3の上に据え付けてもよい。
自走式揚重機用嵩上装置3に据え付ける自走式揚重機2は、オールテレーンクレーンに限定されるものではない。
空間33に必要時応じて水平方向にワイヤー等の補強材を横架させることで変更、作業時の揺れに抵抗可能な構成としてもよい。また、大きな力が作用することが予想される場合には、空間33にもパイプ支保工を配設してもよい。
地盤の耐力状況によっては、コンクリートや地盤改良により支持体31の基礎を設けてもよい。
【符号の説明】
【0022】
1 風力発電施設
2 自走式揚重機
21 アウトリガー
22 ブーム
23 先端ジブ
3 自走式揚重機用嵩上装置
31 支持体
32 連結体
36 補強材
4 据付用揚重機
5 ブーム組立用構台
S1 構台組立工程
S2 仮据付工程
S3 据付工程
S4 ブーム取付工程
S5 先端ジブ取付工程
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9