(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113749
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/40 20240101AFI20240816BHJP
【FI】
G06Q50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023018894
(22)【出願日】2023-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 武志
(72)【発明者】
【氏名】井上 修一
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 俊哉
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC42
5L050CC42
(57)【要約】
【課題】 移動の経路の案内に関して、ユーザの利便性を向上させる。
【解決手段】 特定部(11)は、ユーザの乗車駅を特定し、取得部(12)は、ユーザの乗車駅の構内におけるユーザの位置情報を取得し、計算部(13)は、取得された位置情報に基づき、乗車駅の構内でのユーザの滞在時間を計算し、通知部(14)は、計算された滞在時間の経過後に乗車可能な車両をユーザに通知する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの乗車駅を特定する特定手段と、
前記乗車駅の構内におけるユーザの位置情報を取得する取得手段と、
取得された前記位置情報に基づき、前記乗車駅の構内でのユーザの滞在時間を計算する計算手段と、
計算された前記滞在時間の経過後に乗車可能な車両をユーザに通知する通知手段と
を備えた情報処理装置。
【請求項2】
前記取得手段は、
ユーザが所持する電子端末より、前記乗車駅の構内におけるユーザの前記位置情報を取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記計算手段は、
取得された前記位置情報に基づき、ユーザが前記乗車駅のホーム外のエリアに滞留している時間を計測し、計測された時間を、前記滞在時間とする
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記通知手段は、
前記滞在時間の経過後に乗車可能な車両を、音声でユーザに通知する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記乗車駅の構内における移動の経路を作成する作成手段をさらに備えた
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記作成手段は、
ユーザが立ち寄りたい施設に関する情報を取得し、
前記施設を経由するように、前記乗車駅の構内における前記移動の経路を作成する
ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記作成手段は、
ユーザが欲しい物品に関する情報を取得し、
前記乗車駅の構内にある前記物品の販売店を検索し、
前記乗車駅内における前記販売店までの経路を作成する
ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記作成手段は、
検索された前記販売店での前記物品の在庫または価格を示す情報を出力する
ことを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータが、
ユーザの乗車駅を特定し、
前記乗車駅の構内におけるユーザの位置情報を取得し、
取得された前記位置情報に基づき、前記乗車駅の構内でのユーザの滞在時間を計算し、
計算された前記滞在時間の経過後に乗車可能な車両をユーザに通知する
情報処理方法。
【請求項10】
ユーザの乗車駅を特定することと、
前記乗車駅の構内におけるユーザの位置情報を取得することと、
取得された前記位置情報に基づき、前記乗車駅の構内でのユーザの滞在時間を計算することと、
計算された前記滞在時間の経過後に乗車可能な車両をユーザに通知することと
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関し、特に、移動の経路を案内する情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザ(例えば、旅行者や出張者)からの要求を受けて、ユーザの出発地から、ユーザの目的地までの移動の経路を作成し、作成した経路にしたがって、ユーザを案内する情報処理装置が知られている(例えば、特許文献1)。情報処理装置は、ナビゲーション装置とも呼ばれる。情報処理装置の中には、電車やバス等の交通機関の乗り継ぎや乗り換えを使う経路をユーザに提案するものもある。
【0003】
例えば、特許文献2に記載の関連する技術は、ユーザが訪問する1以上の経由地でのユーザの滞在時間を予測し、予測結果に基づいて、ユーザが1以上の経由地を訪問する順番と、各経由地でのユーザの滞在時間と、経由地間のユーザの移動時間とを含む旅程を作成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-163679号公報
【特許文献2】特開2022-50963号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ユーザは、食品や傘などの今すぐに必用な物品を購入したり、ショッピングや休憩をしたりするために、交通機関の乗車駅の構内にある飲食店やストアに滞在することがある。
【0006】
または、乗車駅の構造が複雑であるために、ユーザが道に迷ったり、あるいはユーザが身体障害を有していたりする場合、ユーザは、発車時刻に遅れる可能性がある。
【0007】
特許文献2に記載の関連する技術では、情報処理装置が作成した移動の経路が、乗車駅での時間のロスがある可能性を考慮していないため、ユーザは、乗車駅では、構内のストア等に立ち寄る時間を取れない場合がある。
【0008】
発車時刻に遅れた場合、ユーザは、案内なしで、目的地まで移動するか、もしくは、乗車駅から目的地までの経路を作成することを、情報処理装置に要求する必要がある。そのため、関連する技術には、ユーザの利便性が悪いという一面がある。
【0009】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、移動の経路の案内に関して、ユーザの利便性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理装置は、ユーザの乗車駅を特定する特定手段と、前記乗車駅の構内におけるユーザの位置情報を取得する取得手段と、取得された前記位置情報に基づき、前記乗車駅の構内でのユーザの滞在時間を計算する計算手段と、計算された前記滞在時間の経過後に乗車可能な車両をユーザに通知する通知手段とを備えている。
【0011】
本発明の一態様に係る情報処理方法では、コンピュータが、ユーザの乗車駅を特定し、前記乗車駅の構内におけるユーザの位置情報を取得し、取得された前記位置情報に基づき、前記乗車駅の構内でのユーザの滞在時間を計算し、計算された前記滞在時間の経過後に乗車可能な車両をユーザに通知する。
【0012】
本発明の一態様に係るプログラムは、ユーザの乗車駅を特定することと、前記乗車駅の構内におけるユーザの位置情報を取得することと、取得された前記位置情報に基づき、前記乗車駅の構内でのユーザの滞在時間を計算することと、計算された前記滞在時間の経過後に乗車可能な車両をユーザに通知することとをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一態様によれば、移動の経路の案内に関して、ユーザの利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施形態1に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】実施形態1に係る情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【
図3】ユーザから目的地を入力する操作を受け付ける電子端末の画面の一例を示す図である。
【
図4】実施形態2に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図6】乗車駅にある商業施設の一覧を表示する電子端末の画面の一例を示す図である。
【
図7】実施形態2に係る情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【
図8】実施形態1~2のいずれかに係る情報処理装置を備えたシステムの構成の一例を示す図である。
【
図9】実施形態1~2のいずれかに係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図面を参照して、本発明の実施形態について、以下で説明する。
【0016】
〔実施形態1〕
図1から
図2を参照して、実施形態1について、説明する。
【0017】
(情報処理装置10の構成)
図1を参照して、本実施形態1に係る情報処理装置10の構成を説明する。
図1は、情報処理装置10の構成を示すブロック図である。
【0018】
情報処理装置10は、一例では、ユーザが所持する電子端末200(例えば、スマートフォン)にインストールされたアプリケーションソフトウェアとして実現される。他の一例では、情報処理装置10は、オンラインサービスのコンピュータプログラムとして実現される。あるいは、情報処理装置10は、コンピュータ資源を利用するハードウェアとしても実現され得る。
【0019】
図1に示すように、情報処理装置10は、特定部11、取得部12、計算部13、および通知部14を備えている。
【0020】
特定部11は、ユーザの乗車駅を特定する。特定部11は、特定手段の一例である。
【0021】
例えば、ユーザが、電子端末200にインストールされたアプリケーション(情報処理装置10)に対して、目的地および出発地(あるいは目的地のみ)を入力し、開始ボタンを押下する。このとき、特定部11は、ユーザによって入力された目的地および出発地を示す情報を取得する。
【0022】
特定部11は、さらに、ユーザが所持する電子端末200(自機の位置情報を測定可能なもの)等から、ユーザの位置情報を取得する。そして、特定部11は、経路案内サービスを提供するウェブアプリケーションを使い、ユーザの現在位置あるいは出発地に最寄りの駅、乗り換え駅、および、ユーザの目的地に最寄りの駅を特定する。本例では、「出発地に最寄りの駅」と「乗り換え駅」が、ユーザの「乗車駅」となる。
【0023】
なお、ユーザが目的地へ向かうために利用するユーザの移動手段は特に限定されない、例えば、移動手段とは、徒歩、バス、電車、タクシーなどである。
【0024】
特定部11は、ユーザの乗車駅を示す情報を、取得部12へ出力する。乗車駅を示す情報は、乗車駅を識別可能であれば良く、例えば、乗車駅を示す情報は、駅名や駅番号である。
【0025】
取得部12は、ユーザの乗車駅の構内におけるユーザの位置情報を取得する。取得部12は、取得手段の一例である。
【0026】
例えば、ユーザの乗車駅は、ユーザの現在位置から最寄りの駅であってもよいし、ユーザの出発地から最寄りの駅であってもよい。あるいは、乗車駅は、ユーザが目的地へ向かう途中で電車等を乗り継ぎするための乗り換え駅であってもよい。以下では、「乗車駅」が「乗り換え駅」である場合を例として説明するが、「乗車駅」は「乗り換え駅」に限定されない。なお、乗り換え駅とは、二以上の路線が乗り入れる駅であり、例えばターミナル駅である。以下の説明において、「乗車駅」あるいは「乗り換え駅」を「(バス等の)停留所」と読み替えることもできる。
【0027】
例えば、取得部12は、特定部11から、乗り換え駅(乗車駅の一例)を示す情報を受信する。また、取得部12は、ユーザが乗り換え駅に到着したことを検知する。例えば、取得部12は、ユーザが所持する電子端末200(自機の位置情報を測定可能なもの)が、経路案内サービスにより特定された乗り換え駅に設置された基地局に接続したことを検知する。
【0028】
ユーザが乗り換え駅に到着したことを検知したとき、取得部12は、ユーザの位置を追跡することを開始する。ここで、ユーザが乗り換え駅の構内などの室内におり、人工衛星からの測位情報を得られない場合、取得部12は、ユーザが所持する電子端末200が備えた加速度センサとジャイロセンサが検知したセンサ値に基づいて、ユーザの現在位置を計算してもよい。あるいは、取得部12は、その他の従来技術を用いて、ユーザの現在位置を計算してもよい。例えば、取得部12は、一定時間ごとに、ユーザが所持する電子端末200から、現在のユーザの現在位置を示す位置情報を取得する。そして、取得部12は、乗り換え駅の構内における現在のユーザの位置情報を、計算部13へ出力する。
【0029】
計算部13は、取得されたユーザの位置情報に基づき、乗り換え駅(乗車駅の一例)の構内でのユーザの滞在時間を計算する。計算部13は、計算手段の一例である。
【0030】
例えば、計算部13は、取得部12から、現在のユーザの位置情報を受信する。計算部13は、受信したユーザの位置情報に基づき、ユーザが乗り換え駅のホーム外のエリア(例えば、商業施設内)に滞留しているかどうかを判定する。
【0031】
計算部13は、判定結果に基づき、ユーザが乗り換え駅のホーム外のエリアに滞在している時間を計測する。ユーザが乗り換え駅のホーム外のエリアからホーム内へ移動したとき、計算部13は、時間の計測を停止する。そして、計算部13は、計測された時間を、乗り換え駅の構内でのユーザの滞在時間として計算する。
【0032】
その後、計算部13は、乗り換え駅の構内でのユーザの滞在時間を示す情報を、通知部14へ出力する。
【0033】
通知部14は、計算された滞在時間の経過後に乗車可能な車両をユーザに通知する。通知部14は、通知手段の一例である。
【0034】
例えば、通知部14は、乗り換え駅のオンライン時刻表を取得して、滞在時間の経過後に発車する車両を検索する。通知部14は、検索結果にしたがい、適切な車両(例えば、ユーザの目的地の方面へ向かう車両のうち、滞在時間の経過後に最も早く発車する車両)を特定する。そして、通知部14は、滞在時間の経過後に乗車可能な車両をユーザに通知する。
【0035】
一例では、通知部14は、滞在時間の経過後に乗車可能な車両を、音声でユーザに通知する。この場合、通知部14は、ユーザが所持する電子端末200のスピーカから、音声を出力してもよい。
【0036】
上記の例では、計算部13は、ユーザが乗り換え駅のホーム外のエリアに滞在している時間を計測したが、他の一例として、ユーザが乗り換え駅の構内にある施設に滞在している時間を計測してもよい。
【0037】
ユーザが乗り換え駅の構内にある施設(レストランなど)に滞在しているときなど、取得部12が取得したユーザの位置情報が、乗り換え駅の構内におけるレストランを中心とした所定の範囲から移動していない期間、計算部13は、レストランに滞在している時間を計測する。そして、ユーザの位置情報に基づいて、ユーザがレストランを中心とした所定の範囲から出たと判定された場合、計算部13は、滞在時間の計算を停止する。所定範囲は、駅構内での施設の面積と想定される範囲である。
【0038】
通知部14は、ユーザの現在位置から、ユーザが、構内における施設(レストラン)を中心とした所定の範囲から範囲外へ移動したことを検知すると、ユーザの目的地の方面へ向かう車両が出発するホームまでの経路、ホームまでの所要時間、および、ホームまでの所要時間を考慮したユーザが乗車可能な車両の出発時刻および到着時刻を、ユーザに提示する。このとき、通知部14は、滞在時間の経過後に最も早く出発するものから順に、複数の乗車可能な車両を、ユーザに提示することが好ましい。ユーザがさらに別の施設に滞在する場合は、計算部13は、別の施設を中心とした所定の範囲に滞在した時間を計測し、通知部14は、ユーザが所定の範囲から範囲外へ移動したことを検知すると、再度更新されたユーザの目的地の方面へ向かう車両が出発するホームまでの経路、ホームまでの時間、および、ユーザが乗車可能な車両の出発時刻および到着時刻を、ユーザに提示する。
【0039】
(情報処理装置10の動作)
図2~
図3を参照して、本実施形態1に係る情報処理装置10の動作を説明する。
図2は、情報処理装置10の動作を示すフローチャートである。例えば、ユーザから、任意の手段で、乗り換え案内の要望を受け取ったとき、情報処理装置10は、以下の動作を開始する。
【0040】
一例では、
図3に示すように、ユーザが、電子端末200にインストールされたアプリケーション(情報処理装置10)に対して、目的地を入力し、開始ボタンを押下する。すると、情報処理装置10は、ユーザの現在位置を示す位置情報に基づいて、ユーザの乗車駅(例えば、ユーザの現在位置に最寄りの駅、あるいは乗り換え駅)と、降車駅(例えば、目的地に最寄りの駅)とを決定し、ユーザの現在位置から目的地までのナビゲーションを開始する。
【0041】
図2に示すように、特定部11は、ユーザの乗車駅を特定する(S101)。特定部11は、特定した乗車駅を示す情報を、取得部12へ出力する。
【0042】
取得部12は、特定部11から、乗車駅を示す情報を受信する。また、取得部12は、ユーザの位置情報を使って、ユーザが乗車駅に到着したことを検知する。
【0043】
ユーザが乗車駅に到着したことを検知したとき、取得部12は、乗車駅の構内におけるユーザの位置を追跡することを開始する。取得部12は、一定時間ごとに、乗車駅の構内におけるユーザの位置情報を取得する(S102)。
【0044】
取得部12は、取得されたユーザの位置情報を、計算部13へ出力する。ここで、ユーザが乗車駅に到着したことが検知されたとき、アプリケーション(情報処理装置10)は、乗車駅の構内にある商業施設まで、ユーザをナビゲーションしてもよい(実施形態2)。
【0045】
計算部13は、取得部12から、ユーザの位置情報を受信する。計算部13は、ユーザの位置情報に基づき、乗車駅の構内でのユーザの滞在時間を計算する(S103)。
【0046】
その後、計算部13は、乗車駅の構内でのユーザの滞在時間を示す情報を、通知部14へ出力する。
【0047】
通知部14は、計算部13から、乗車駅構内でのユーザの滞在時間を示す情報を受信する。通知部14は、乗車駅の構内でのユーザの滞在時間の経過後に乗車可能な車両をユーザに通知する(S104)。
【0048】
以上で、本実施形態1に係る情報処理装置10の動作は終了する。
【0049】
(本実施形態の効果)
本実施形態の構成によれば、特定部11は、ユーザの乗車駅を特定する。取得部12は、ユーザの乗車駅の構内におけるユーザの位置情報を取得する。計算部13は、取得された位置情報に基づき、乗車駅の構内でのユーザの滞在時間を計算する。通知部14は、滞在時間の経過後に乗車可能な車両をユーザに通知する。ユーザが乗車駅の構内で一時的に滞在したことにより、発車時刻に遅れた場合であっても、計算された滞在時間の経過後に乗車可能な車両をユーザに通知する。これにより、ユーザは、いつでも円滑に乗車することができる。このようにして、移動の経路の案内に関して、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0050】
〔実施形態2〕
図4から
図6を参照して、実施形態2について、説明する。本実施形態2では、乗車駅の構内における移動の経路を作成する構成を説明する。本実施形態2では、前記実施形態1で説明した構成要素と同じ構成要素に対して、同じ符号を付して、その構成要素に関する前記実施形態1での説明を引用するとともに、その構成要素に関する本実施形態2での説明を省略する。
【0051】
(情報処理装置20の構成)
図4を参照して、本実施形態2に係る情報処理装置20の構成を説明する。
図4は、情報処理装置20の構成を示すブロック図である。
【0052】
図4に示すように、情報処理装置20は、特定部11、取得部12、計算部13、および通知部14を備えている。情報処理装置20は、作成部25をさらに備えている。
【0053】
作成部25は、ユーザの乗車の構内における移動の経路を作成する。作成部25は、作成手段の一例である。
【0054】
例えば、作成部25は、ユーザの乗車駅を示す情報を受信する。作成部25は、ユーザの乗車駅の構内図データを取得する。
【0055】
図5は、乗車駅の構内図の一例を示す図である。
図5に示す例では、改札の位置(「A電鉄」、「B電鉄」)と、構内にある飲食店などの店舗(「店舗X」、「店舗Y」、「店舗Z」)の位置が特定されている。構内図データには、これらの位置情報が含まれる。構内図データは、乗車駅を示す情報と紐付けられて、図示しない記憶装置に予め保存されていてもよい。あるいは、作成部25は、交通機関の運行会社により、オンライン上で提供されている構内図データを、インターネットを介して取得してもよい。
【0056】
作成部25は、乗車駅の構内図データを用いて、乗車駅の構内における移動の経路を作成する。ここで、作成部25は、乗車駅内での人流の統計データを用いて、経路を作成するなど、任意の関連する技術を利用して、乗車駅の構内における移動の経路を作成することができる。なお、乗車駅内での人流の統計データや乗車駅の構内図データは、例えば、情報処理装置10と通信接続されたサーバ100(
図9)に予め格納されていてもよい。
【0057】
一例では、作成部25は、ユーザが立ち寄りたい施設に関する情報を取得する。そして、作成部25は、ユーザが立ち寄りたい施設を経由するように、乗車駅の構内における移動の経路を作成する。
【0058】
本例において、ユーザは、立ち寄りたい施設に関する情報を、アプリケーション(情報処理装置10)に予め登録する。ユーザの位置情報に基づいて、ユーザが乗車駅に到着したことを、取得部12が検知したとき、通知部14は、乗車駅の構内に、ユーザが立ち寄りたい施設が存在することを、ユーザに通知する。それとともに、作成部25は、ユーザが立ち寄りたい施設までの経路を作成し、ユーザが所持する電子端末200に経路を表示させる。
【0059】
他の一例では、作成部25は、ユーザが欲しい物品に関する情報を取得し、乗車駅の構内にある物品の販売店を検索する。そして、作成部25は、乗車駅内における販売店までの経路を作成する。
【0060】
本例において、ユーザは、自分が欲しい物品に関する情報を、アプリケーション(情報処理装置10)に予め登録する。作成部25は、乗車駅の構内に、商業施設が存在する場合、当該商業施設において購入できる物品一覧の中から、ユーザが登録した物品を検索する。物品一覧の中に、ユーザが登録した物品が存在する場合、通知部14は、乗車駅の構内で、ユーザが欲しい物品を購入することができることを、ユーザに通知する。それとともに、作成部25は、ユーザが欲しい物品を展示する販売店までの経路を作成し、ユーザが所持する電子端末200に経路を表示させる。加えて、作成部25は、検索された販売店での物品の在庫または価格を示す情報を出力してもよい。
【0061】
図6に示すように、ユーザが、電子端末200のメニュー画面に対して入力操作することで、乗車駅にある商業施設の一覧が表示される。ユーザが、いずれかの商業施設を選択する入力操作を、電子端末200に対して行うと、選択された商業施設において購入できる物品一覧が、電子端末200に表示される。さらに、ユーザが、選択された商業施設までの経路検索を実行する行うと、作成部25は、ユーザの現在位置から、ユーザが欲しい物品を販売している商業施設までの経路を作成する。
【0062】
作成部25は、このようにして作成した移動の経路にしたがい、乗車駅の構内において、ユーザを案内する。
【0063】
例えば、作成部25は、ユーザが指定した1以上の施設を最短で経由する経路を、ユーザが所持する電子端末200の表示部上に表示する。これにより、ユーザは、複雑な構内においても道に迷うことなく、所望の施設に立ち寄ることができる。
【0064】
他の一例では、作成部25は、一定時間ごとに、ユーザが所持する電子端末200から、現在のユーザの位置情報を取得する。そして、作成部25は、作成した移動の経路上におけるユーザの位置を特定して、ユーザが指定した1以上の施設に向かって、ユーザを誘導する。
【0065】
例えば、作成部25は、ユーザが指定した1以上の施設を最短で経由する経路とともに、経路上におけるユーザの位置を、ユーザが所持する電子端末200の表示部上に表示してもよい。あるいは、作成部25は、ユーザが進むべき方向を音声案内してもよい。
【0066】
(情報処理装置20の動作)
図7を参照して、本実施形態2に係る情報処理装置20の動作を説明する。
図7は、情報処理装置20の動作を示すフローチャートである。
【0067】
図7に示すように、特定部11は、ユーザの乗車駅を特定する(S201)。特定部11は、特定した乗車駅を示す情報を、取得部12および作成部25へ出力する。
【0068】
取得部12は、特定部11から、乗車駅を示す情報を受信する。また、取得部12は、ユーザが乗車駅に到着したことを検知する。
【0069】
ユーザが乗車駅に到着したことを検知したとき、取得部12は、ユーザの位置を追跡することを開始する。取得部12は、一定時間ごとに、乗車駅の構内におけるユーザの位置情報を取得する(S202)。取得部12は、取得されたユーザの位置情報を、計算部13へ出力する。
【0070】
作成部25は、特定部11から、乗車駅を示す情報を受信する。作成部25は、サーバ100(
図8)から、特定された乗車駅の構内図データ(
図5)を取得する。そして、作成部25は、乗車駅の構内図データを用いて、乗車駅の構内における移動の経路を作成する(S203)。
【0071】
作成部25は、このようにして作成した移動の経路にしたがい、乗車駅の構内におけるユーザの位置情報を用いて、ユーザを案内する。
【0072】
計算部13は、取得部12から、ユーザの位置情報を受信する。計算部13は、ユーザの位置情報に基づき、乗車駅の構内でのユーザの滞在時間を計算する(S204)。
【0073】
その後、計算部13は、乗車駅の構内でのユーザの滞在時間を示す情報を、通知部14へ出力する。
【0074】
通知部14は、計算部13から、乗車駅の構内でのユーザの滞在時間を示す情報を受信する。通知部14は、乗車駅の構内でのユーザの滞在時間の経過後に乗車可能な車両をユーザに通知する(S205)。
【0075】
以上で、本実施形態2に係る情報処理装置20の動作は終了する。
【0076】
(本実施形態の効果)
本実施形態の構成によれば、特定部11は、ユーザの乗車駅を特定する。取得部12は、乗車駅の構内におけるユーザの位置情報を取得する。計算部13は、取得された位置情報に基づき、乗車駅の構内でのユーザの滞在時間を計算する。通知部14は、計算された滞在時間の経過後に乗車可能な車両をユーザに通知する。ユーザが乗車駅の構内で一時的に滞在したことにより、発車時刻に遅れた場合であっても、計算された滞在時間の経過後に乗車可能な車両をユーザに通知する。これにより、ユーザは、いつでも円滑に乗車することができる。このようにして、移動の経路の案内に関して、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0077】
さらに、本実施形態の構成によれば、作成部25は、特定された乗車駅の構内における移動の経路を作成する。そして、このようにして作成した移動の経路にしたがい、ユーザを案内することができる。これにより、ユーザは、乗車駅の複雑な構内においても道に迷うことなく、所望の施設に立ち寄ることができる。
【0078】
(システム1)
図9は、実施形態1~2に係る情報処理装置10,20のいずれかを備えたシステム1の構成の一例を示す図である。
図9に示すように、システム1は、情報処理装置10(20)、電子端末200、およびサーバ100を備えている。ここで、
図9の「情報処理装置10(20)」は「情報処理装置10,20のいずれか」を意味する。
【0079】
電子端末200は、ユーザが使用する通信機器であり、例えば、スマートフォンである。
【0080】
サーバ100には、乗車駅の構内図データ(
図5)が格納されている。前記実施形態2では、作成部25は、サーバ100から、乗車駅の構内図データを取得する。
【0081】
システム1では、情報処理装置10(20)、電子端末200、およびサーバ100は、任意の無線ネットワークを介して、通信接続されている。
【0082】
〔その他の実施形態〕
電車での乗り換えをナビゲーションするナビゲーション装置であり、電子端末200より出発地、目的地、および経由地についての各情報を取得し、経由地(駅構内)に存在する少なくとも1以上の施設(購買店など)情報を電子端末200に表示し、ユーザが指定した1以上の施設を最短で経由する経路、および、電子端末200の位置情報から施設での滞在時間を算出し、前記滞在時間に基づいて電車での乗り換え経路を検索するナビゲーション装置。
【0083】
前記ナビゲーション装置は、ユーザが指定した1以上の施設を最短で経由する経路を電子端末200上に表示してもよい。
【0084】
〔ハードウェア構成〕
前記実施形態1~2で説明した情報処理装置10,20の各構成要素は、機能単位のブロックを示している。これらの構成要素の一部又は全部は、例えば
図9に示すような情報処理装置により実現される。
図9は、情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0085】
図9に示すように、コンピュータ110は、CPU(Central Processing Unit)111と、メインメモリ112と、記憶装置113と、入力インターフェイス114と、表示コントローラ115と、データリーダ/ライタ116と、通信インターフェイス117とを備える。これらの各部は、バス121を介して、互いにデータ通信可能に接続される。なお、コンピュータ110は、CPU111に加えて、又はCPU111に代えて、GPU(Graphics Processing Unit)、又はFPGA(Field-Programmable Gate Array)を備えていてもよい。
【0086】
CPU111は、記憶装置113に格納された、本実施形態におけるプログラム(コード)をメインメモリ112に展開し、これらを所定順序で実行することにより、各種の演算を実施する。メインメモリ112は、典型的には、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性の記憶装置である。また、本実施形態におけるプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体120に格納された状態で提供される。なお、本実施形態におけるプログラムは、通信インターフェイス117を介して接続されたインターネット上で流通するものであってもよい。
【0087】
また、記憶装置113の具体例としては、ハードディスクドライブの他、フラッシュメモリなどの半導体記憶装置があげられる。入力インターフェイス114は、CPU111と、キーボード及びマウスといった入力機器118との間のデータ伝送を仲介する。表示コントローラ115は、ディスプレイ装置119と接続され、ディスプレイ装置119での表示を制御する。
【0088】
データリーダ/ライタ116は、CPU111と記録媒体120との間のデータ伝送を仲介し、記録媒体120からのプログラムの読み出し、及びコンピュータ110における処理結果の記録媒体120への書き込みを実行する。通信インターフェイス117は、CPU111と、他のコンピュータとの間のデータ伝送を仲介する。
【0089】
また、記録媒体120の具体例としては、CF(Compact Flash(登録商標))及びSD(Secure Digital)などの汎用的な半導体記憶デバイス、フレキシブルディスク(Flexible Disk)などの磁気記録媒体、又はCD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)などの光学記録媒体があげられる。
【0090】
〔付記〕
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0091】
(付記1)
ユーザの乗車駅を特定する特定手段と、
前記乗車駅の構内におけるユーザの位置情報を取得する取得手段と、
取得された前記位置情報に基づき、前記乗車駅の構内でのユーザの滞在時間を計算する計算手段と、
計算された前記滞在時間の経過後に乗車可能な車両をユーザに通知する通知手段と
を備えた情報処理装置。
【0092】
(付記2)
前記取得手段は、
ユーザが所持する電子端末より、前記乗車駅の構内におけるユーザの前記位置情報を取得する
ことを特徴とする付記1に記載の情報処理装置。
【0093】
(付記3)
前記計算手段は、
取得された前記位置情報に基づき、ユーザが前記乗車駅のホーム外のエリアに滞留している時間を計測し、計測された時間を、前記滞在時間とする
ことを特徴とする付記1に記載の情報処理装置。
【0094】
(付記4)
前記通知手段は、
前記滞在時間の経過後に乗車可能な車両を、音声でユーザに通知する
ことを特徴とする付記1に記載の情報処理装置。
【0095】
(付記5)
前記乗車駅の構内における移動の経路を作成する作成手段をさらに備えた
ことを特徴とする付記1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【0096】
(付記6)
前記作成手段は、
ユーザが立ち寄りたい施設に関する情報を取得し、
前記施設を経由するように、前記乗車駅の構内における前記移動の経路を作成する
ことを特徴とする付記5に記載の情報処理装置。
【0097】
(付記7)
前記作成手段は、
ユーザが欲しい物品に関する情報を取得し、
前記乗車駅の構内にある前記物品の販売店を検索し、
前記乗車駅内における前記販売店までの経路を作成する
ことを特徴とする付記5に記載の情報処理装置。
【0098】
(付記8)
前記作成手段は、
検索された前記販売店での前記物品の在庫または価格を示す情報を出力する
ことを特徴とする付記7に記載の情報処理装置。
【0099】
(付記9)
コンピュータが、
ユーザの乗車駅を特定し、
前記乗車駅の構内におけるユーザの位置情報を取得し、
取得された前記位置情報に基づき、前記乗車駅の構内でのユーザの滞在時間を計算し、
計算された前記滞在時間の経過後に乗車可能な車両をユーザに通知する
情報処理方法。
【0100】
(付記10)
ユーザの乗車駅を特定することと、
前記乗車駅の構内におけるユーザの位置情報を取得することと、
取得された前記位置情報に基づき、前記乗車駅の構内でのユーザの滞在時間を計算することと、
計算された前記滞在時間の経過後に乗車可能な車両をユーザに通知することと
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0101】
(付記11)
電車での乗り換えをナビゲーションするナビゲーション装置であり、電子端末より出発地、目的地、および経由地を取得し、経由地(駅構内)に存在する少なくとも1以上の施設(購買店など)情報を電子端末に表示し、ユーザが指定した1以上の施設を最短で経由する経路、および、電子端末の位置情報から施設での滞在時間を算出し、前記滞在時間に基づいて電車での乗り換え経路を検索するナビゲーション装置。
【0102】
(付記12)
前記ナビゲーション装置は、ユーザが指定した1以上の施設を最短で経由する経路を電子端末上に表示することを特徴とする付記11に記載のナビゲーション装置。
【0103】
〔補足〕
以上、図面を参照して、本発明の実施形態を詳述してきたが、本発明を実施するための具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0104】
本発明は、例えば、ユーザ(例えば、旅行者や出張者)からの要求を受けて、ユーザの出発地から、ユーザの目的地までの移動の経路を作成し、作成した経路にしたがって、ユーザを案内することに利用することができる。
【符号の説明】
【0105】
10 情報処理装置
11 特定部
12 取得部
13 計算部
14 通知部
20 情報処理装置
25 作成部
100 サーバ
200 電子端末