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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113780
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】カラオケ装置
(51)【国際特許分類】
   G10K 15/04 20060101AFI20240816BHJP
【FI】
G10K15/04 302D
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023018962
(22)【出願日】2023-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】390004710
【氏名又は名称】株式会社第一興商
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡本 直紀
【テーマコード(参考)】
5D208
【Fターム(参考)】
5D208CG02
(57)【要約】
【課題】ログインを簡易に行うことが可能なカラオケ装置を提供する。
【解決手段】ログイン楽曲の楽曲識別情報と、パスワードを示すパスワード情報及び発声位置情報を含むパスワード管理情報と、利用者識別情報とを対応付けて記憶する情報記憶部、ログイン楽曲のカラオケ演奏に合わせて利用者がカラオケ歌唱を行った場合、ログイン楽曲の楽曲識別情報に対応付けられたパスワード管理情報に含まれるパスワード情報が示すパスワードが、当該パスワード管理情報に含まれる発声位置情報が示すタイミングで発声されたか否かを判定する判定部、パスワードが対応するタイミングで発声されたと判定された場合、ログイン楽曲の楽曲識別情報に対応付けられた利用者識別情報が示す利用者のログイン処理を行うログイン処理部を有するカラオケ装置。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者がログインを要求する際にカラオケ歌唱を行う楽曲であるログイン楽曲の楽曲識別情報と、当該利用者がログインを要求する際に用いるパスワードを示すパスワード情報、及び当該ログイン楽曲のカラオケ演奏において当該パスワードを発声すべきタイミングを示す発声位置情報を含むパスワード管理情報と、当該利用者の利用者識別情報と、を対応付けて記憶する情報記憶部と、
ログイン楽曲のカラオケ演奏に合わせて利用者がカラオケ歌唱を行った場合、当該ログイン楽曲の楽曲識別情報に対応付けられたパスワード管理情報に含まれるパスワード情報が示すパスワードが、当該パスワード管理情報に含まれる発声位置情報が示すタイミングで発声されたか否かを判定する判定部と、
パスワードが、対応するタイミングで発声されたと判定された場合、カラオケ演奏が行われた前記ログイン楽曲の楽曲識別情報に対応付けられた利用者識別情報が示す利用者のログイン処理を行うログイン処理部と、
を有するカラオケ装置。
【請求項2】
前記情報記憶部は、一の楽曲識別情報及び一の利用者識別情報に対して、複数のパスワード管理情報を対応付けて記憶し、
前記判定部は、ログイン楽曲のカラオケ演奏に合わせて利用者がカラオケ歌唱を行った場合、当該ログイン楽曲の楽曲識別情報に対応付けられた複数のパスワード管理情報に含まれる複数のパスワード情報が示すパスワードのうち少なくとも一つが、当該パスワードを示すパスワード情報を含むパスワード管理情報に含まれる発声位置情報が示すタイミングで発声されたか否かを判定し、
前記ログイン処理部は、少なくとも一つのパスワードが、対応するタイミングで発声されたと判定された場合、カラオケ演奏が行われた前記ログイン楽曲の楽曲識別情報に対応付けられた利用者識別情報が示す利用者のログイン処理を行うことを特徴とする請求項1記載のカラオケ装置。
【請求項3】
利用者がログイン楽曲の候補として選曲した楽曲の楽曲識別情報、及び当該利用者の利用者識別情報を取得する取得部と、
取得した前記楽曲識別情報に対応する楽曲のカラオケ演奏に合わせて前記利用者が行ったカラオケ歌唱の音声と、当該楽曲の歌詞テロップデータが示す歌詞との一致度を所定区間毎に求める算出部と、
前記一致度が所定条件を満たした所定区間における音声に基づくパスワード情報、及び当該所定区間において音声を発したタイミングに基づく発声位置情報を含むパスワード管理情報を生成する生成部と、
取得した前記楽曲識別情報をログイン楽曲の楽曲識別情報とし、生成した前記パスワード管理情報、及び取得した前記利用者識別情報を対応付けて前記情報記憶部に記憶させる記憶処理部と、
を有することを特徴とする請求項1または2に記載のカラオケ装置。
【請求項4】
利用者がログイン楽曲の候補として選曲した楽曲の楽曲識別情報、及び当該利用者の利用者識別情報を取得する取得部と、
取得した前記楽曲識別情報に対応する楽曲の歌詞テロップデータが示す歌詞から一の言葉を抽出し、抽出された一の言葉に対応するタイミングを抽出する抽出部と、
抽出された前記一の言葉に基づいて決定した他の言葉をパスワードとするパスワード情報、及び抽出された前記タイミングを、当該パスワードを発声すべきタイミングとする発声位置情報を含むパスワード管理情報を生成する生成部と、
取得した前記楽曲識別情報をログイン楽曲の楽曲識別情報とし、生成した前記パスワード管理情報、及び取得した前記利用者識別情報を対応付けて前記情報記憶部に記憶させる記憶処理部と、
を有することを特徴とする請求項1または2に記載のカラオケ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカラオケ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カラオケ装置を利用する利用者は、カラオケ歌唱を開始する前にカラオケ装置へログインを行っておくことで採点履歴の保存や歌唱動画の公開等、様々なサービスを受けることができる。
【0003】
たとえば、特許文献1には、最初の利用者がログインした後、所定時間経過しても楽曲のカラオケ演奏が開始されない時には、各利用者の歌唱履歴を参照し、全歌唱回数、所定期間の歌唱回数、歌唱時刻等の情報を用いることで、カラオケ歌唱を行う利用者を指名する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-114852号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、カラオケ装置へのログインは、たとえば利用者がリモコン装置を操作して予め設定したIDやパスワードを入力する必要があるため煩雑である。従って、早くカラオケ歌唱を始めたい利用者はログインを行わない場合もある。
【0006】
本発明の目的は、ログインを簡易に行うことが可能なカラオケ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための一の発明は、利用者がログインを要求する際にカラオケ歌唱を行う楽曲であるログイン楽曲の楽曲識別情報と、当該利用者がログインを要求する際に用いるパスワードを示すパスワード情報、及び当該ログイン楽曲のカラオケ演奏において当該パスワードを発声すべきタイミングを示す発声位置情報を含むパスワード管理情報と、当該利用者の利用者識別情報と、を対応付けて記憶する情報記憶部と、ログイン楽曲のカラオケ演奏に合わせて利用者がカラオケ歌唱を行った場合、当該ログイン楽曲の楽曲識別情報に対応付けられたパスワード管理情報に含まれるパスワード情報が示すパスワードが、当該パスワード管理情報に含まれる発声位置情報が示すタイミングで発声されたか否かを判定する判定部と、パスワードが、対応するタイミングで発声されたと判定された場合、カラオケ演奏が行われた前記ログイン楽曲の楽曲識別情報に対応付けられた利用者識別情報が示す利用者のログイン処理を行うログイン処理部と、を有するカラオケ装置である。
本発明の他の特徴については、後述する明細書及び図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ログインを簡易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態に係るカラオケ装置を示す図である。
図2】第1実施形態に係るカラオケ本体を示す図である。
図3】第1実施形態に係る情報記憶部が記憶するテーブルを示す図である。
図4】第1実施形態に係るカラオケ装置の処理を示すフローチャートである。
図5】変形例に係る情報記憶部が記憶するテーブルを示す図である。
図6】第2実施形態に係るカラオケ本体を示す図である。
図7】第2実施形態に係るカラオケ装置の処理を示すフローチャートである。
図8】第3実施形態に係るカラオケ本体を示す図である。
図9】第3実施形態に係るカラオケ装置の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1実施形態>
図1図4を参照して、第1実施形態に係るカラオケ装置について説明する。
【0011】
==カラオケ装置==
カラオケ装置Kは、楽曲のカラオケ演奏、及び利用者がカラオケ歌唱を行うための装置である。図1に示すように、カラオケ装置Kは、カラオケ本体10、スピーカ20、表示装置30、マイク40、及びリモコン装置50を備える。
【0012】
カラオケ本体10は、選曲された楽曲のカラオケ演奏制御、歌詞や背景映像等の表示制御、マイク40を通じて入力された音声信号の処理といった、カラオケ演奏やカラオケ歌唱に関する各種の制御を行う。スピーカ20はカラオケ本体10からの放音信号に基づいて放音するための構成である。表示装置30はカラオケ本体10からの信号に基づいて映像や画像を画面に表示するための構成である。マイク40は利用者が発した音声をアナログの音声信号に変換してカラオケ本体10に入力するための構成である。リモコン装置50は、カラオケ本体10に対する各種操作をおこなうための装置である。
【0013】
図2に示すように、本実施形態に係るカラオケ本体10は、記憶手段10a、通信手段10b、入力手段10c、演奏手段10d、及び制御手段10eを備える。各構成はインターフェース(図示なし)を介してバスBに接続されている。
【0014】
[記憶手段]
記憶手段10aは、各種のデータを記憶する大容量の記憶装置である。記憶手段10aは、楽曲データを記憶する。
【0015】
楽曲データは、個々の楽曲を特定するための楽曲識別情報が付与されている。楽曲識別情報は、楽曲を識別するための楽曲ID等、各楽曲に固有の情報である。楽曲データは、伴奏データ、リファレンスデータ等を含む。伴奏データは、カラオケ演奏音の元となるデータである。リファレンスデータは、カラオケ演奏された楽曲の歌唱旋律を示すデータであって、利用者によるカラオケ歌唱を評価する際に用いられるデータである。
【0016】
記憶手段10aは、各楽曲に対応する歌詞をカラオケ演奏に合わせて表示装置30等に表示させるための歌詞テロップデータ、及びカラオケ演奏時に表示装置30等に表示される背景映像等の背景映像データ、及び楽曲の属性情報(楽曲名、歌手名、ジャンル、演奏時間等)を記憶する。
【0017】
本実施形態において記憶手段10aの記憶領域の一部は、情報記憶部100aとして機能する。
【0018】
(情報記憶部)
情報記憶部100aは、ログイン楽曲の楽曲識別情報と、パスワード管理情報と、利用者識別情報とを対応付けて記憶する。
【0019】
ログイン楽曲は、利用者がログインを要求する際にカラオケ歌唱を行う楽曲である。パスワード管理情報は、パスワード情報及び発声位置情報を含む。パスワード情報は、利用者がログインを要求する際に用いるパスワードを示す。本実施形態におけるパスワードは利用者が任意に設定した言葉(たとえば、単語、文節、文)である。発声位置情報は、ログイン楽曲のカラオケ演奏においてパスワードを発声すべきタイミングを示す。パスワードを発声すべきタイミングは、楽曲のカラオケ演奏開始を0とした場合の経過時間(たとえば、30秒後や50秒後)である。利用者識別情報は、個々の利用者を識別するための利用者ID等、各利用者に固有の情報である。なお、情報記憶部100aへ各種情報を記憶させる処理については第2実施形態及び第3実施形態で説明する。
【0020】
図3は、情報記憶部100aに記憶されているテーブルを示す図である。図3の例において、ログイン楽曲X1の楽曲ID***X1と、パスワード情報P1(パスワード「ログインカイシ」)及び発声位置情報T1(タイミング「30秒」)を含むパスワード管理情報と、利用者U1の利用者ID***U1とが対応付けて記憶されており、ログイン楽曲X2の楽曲ID***X2と、パスワード情報P2(パスワード「トウロク」)及び発声位置情報T2(タイミング「100秒」)を含むパスワード管理情報と、利用者U2の利用者ID***U2とが対応付けて記憶されており、ログイン楽曲X3の楽曲ID***X3と、パスワード情報P3(パスワード「ログインショリキボウ」)及び発声位置情報T3(タイミング「25秒」)を含むパスワード管理情報と、利用者U3の利用者ID***U3とが対応付けて記憶されており、ログイン楽曲X4の楽曲ID***X4と、パスワード情報P4(パスワード「ログインカイシ」)及び発声位置情報T4(タイミング「20秒」)を含むパスワード管理情報と、利用者U4の利用者ID***U4とが対応付けて記憶されており、ログイン楽曲X4の楽曲ID***X4と、パスワード情報P5(パスワード「ログインショリキボウ」)及び発声位置情報T5(タイミング「50秒」)を含むパスワード管理情報と、利用者U1の利用者ID***U1とが対応付けて記憶されている。この例から明らかなように、一の利用者識別情報が対応付けられたログイン楽曲が複数あってもよいし、一のログイン楽曲に対応付けられた利用者識別情報が複数あってもよい。
【0021】
[通信手段・入力手段]
通信手段10bは、リモコン装置50との通信を行うためのインターフェースを提供する。入力手段10cは、利用者が各種の操作入力を行うための構成である。入力手段10cは、カラオケ本体10に設けられたボタン等である。或いは、リモコン装置50が入力手段10cとして機能してもよい。
【0022】
[演奏手段]
演奏手段10dは、制御手段10eの制御に基づき、楽曲のカラオケ演奏、及びマイク40を通じて入力された音声信号の処理を行う。演奏手段10dは、音源、ミキサ、アンプ等を含む(いずれも図示なし)。
【0023】
[制御手段]
制御手段10eは、カラオケ装置Kにおける各種の制御を行う。制御手段10eは、CPUおよびメモリ(いずれも図示無し)を備える。CPUは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。
【0024】
本実施形態においてはCPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより、制御手段10eは、判定部100及びログイン処理部200として機能する。
【0025】
(判定部)
判定部100は、ログイン楽曲のカラオケ演奏に合わせて利用者がカラオケ歌唱を行った場合、当該ログイン楽曲の楽曲識別情報に対応付けられたパスワード管理情報に含まれるパスワード情報が示すパスワードが、当該パスワード管理情報に含まれる発声位置情報が示すタイミングで発声されたか否かを判定する。
【0026】
カラオケ装置Kへのログインを希望する利用者は、リモコン装置50を操作し、楽曲を選曲する。カラオケ装置Kは、選曲された楽曲の楽曲IDが情報記憶部100aに記憶されているかどうかを確認する。選曲された楽曲の楽曲IDが情報記憶部100aに記憶されている場合(すなわち、選曲された楽曲がログイン楽曲である場合)、カラオケ装置Kは、情報記憶部100aから選曲された楽曲の楽曲IDに対応付けられているパスワード管理情報及び利用者IDを読み出す。なお、利用者が選曲した楽曲の楽曲識別情報が情報記憶部100aに記憶されていない場合、判定部100は以降の処理を実行しない。
【0027】
カラオケ装置Kは、記憶手段10aからログイン楽曲の伴奏データを読み出し、ログイン楽曲のカラオケ演奏を開始する。利用者は、ログイン楽曲のカラオケ演奏に合わせてカラオケ歌唱を行う。
【0028】
判定部100は、読み出したパスワード管理情報に含まれる発声位置情報が示すタイミングが到来した場合、読み出したパスワード管理情報に含まれるパスワード情報が示すパスワードが発声されたか否かを判定する。具体的に、判定部100は、利用者が発した音声を公知の技術を用いてテキスト化し、パスワード情報が示すパスワードと対比を行う。
【0029】
音声のテキストとパスワードとが一致する場合、判定部100は、ログイン楽曲の楽曲識別情報に対応付けられたパスワード管理情報に含まれるパスワード情報が示すパスワードが、当該パスワード管理情報に含まれる発声位置情報が示すタイミングで発声されたと判定する。この場合、判定部100は、判定結果をログイン処理部200に出力する。一方、音声のテキストとパスワードとが一致しない場合(たとえば、利用者がログイン楽曲の歌詞をそのままカラオケ歌唱した場合、或いはパスワードを間違えて発声した場合)、判定部100は、判定結果をログイン処理部200に出力せず、処理を終了する。
【0030】
(ログイン処理部)
ログイン処理部200は、パスワードが、対応するタイミングで発声されたと判定された場合、カラオケ演奏が行われたログイン楽曲の楽曲識別情報に対応付けられた利用者識別情報が示す利用者のログイン処理を行う。ログイン処理は、利用者識別情報を記憶手段10aに記憶させる処理である。
【0031】
パスワードが、対応するタイミングで発声されたと判定された場合、すなわち、ログイン楽曲の楽曲識別情報に対応付けられたパスワード管理情報に含まれるパスワード情報が示すパスワードが、当該パスワード管理情報に含まれる発声位置情報が示すタイミングで発声されたという判定結果が判定部100から出力された場合、ログイン処理部200は、予め読み出した、ログイン楽曲の楽曲IDに対応付けられている利用者IDを記憶手段10aに記憶させることによりカラオケ装置Kへのログインを完了する。これ以降、利用者は、ログアウトするまでの間、カラオケ装置Kが提供する採点履歴の保存や歌唱動画の公開等、様々なサービスを受けることができる。なお、カラオケ装置Kは、ログイン処理部200がログイン処理を行った後、引き続きログイン楽曲のカラオケ演奏を継続してもよいし、ログイン楽曲のカラオケ演奏を中止してもよい。
【0032】
==カラオケ装置Kの動作について==
次に、図4を参照して本実施形態におけるカラオケ装置Kの動作の具体例について述べる。図4は、カラオケ装置Kの動作例を示すフローチャートである。この例において、情報記憶部100aは、図3に示すテーブルを記憶しているとする。また、この例において利用者U1が選曲する楽曲はログイン楽曲X1であるとする。
【0033】
カラオケ装置Kへのログインを希望する利用者U1は、リモコン装置50を操作し、ログイン楽曲X1を選曲する(ログイン楽曲を選曲。ステップ10)。カラオケ装置Kは、情報記憶部100aから、ログイン楽曲X1の楽曲ID***X1に対応付けられている、パスワード情報P1及び発声位置情報T1を含むパスワード管理情報と、利用者U1の利用者ID***U1とを読み出す(パスワード管理情報及び利用者IDの読み出し。ステップ11)。
【0034】
カラオケ装置Kは、記憶手段10aからログイン楽曲X1の伴奏データを読み出し、ログイン楽曲X1のカラオケ演奏を開始する(ログイン楽曲のカラオケ演奏開始。ステップ12)。利用者U1は、ログイン楽曲X1のカラオケ演奏に合わせてカラオケ歌唱を行う。
【0035】
判定部100は、ログイン楽曲X1のカラオケ演奏に合わせて利用者U1がカラオケ歌唱を行った場合、ログイン楽曲X1の楽曲ID***X1に対応付けられたパスワード管理情報に含まれるパスワード情報P1が示すパスワード「ログインカイシ」が、パスワード管理情報に含まれる発声位置情報T1が示すタイミング「30秒」で発声されたか否かを判定する(発声位置情報が示すタイミングでパスワード情報が示すパスワードが発声されたか否かを判定。ステップ13)。
【0036】
具体的に、判定部100は、ステップ11で読み出したパスワード管理情報に含まれる発声位置情報T1が示すタイミング「30秒」が到来した場合、利用者U1が発した音声を公知の技術を用いてテキスト化し、パスワード情報P1が示すパスワード「ログインカイシ」と対比を行う。
【0037】
ここで、音声のテキストが「ログインカイシ」であった場合、パスワード情報P1が示すパスワード「ログインカイシ」と一致する。判定部100は、パスワード「ログインカイシ」が、発声位置情報T1が示すタイミング「30秒」で発声されたと判定し、判定結果をログイン処理部200に出力する。一方、音声のテキストがログイン楽曲X1の歌詞であった場合、パスワード情報P1が示すパスワード「ログインカイシ」と一致しない。よって、判定部100は、判定結果をログイン処理部200に出力せず、処理を終了する。
【0038】
ログイン処理部200は、パスワード「ログインカイシ」が、対応するタイミング「30秒」で発声されたと判定された場合(ステップ14でYの場合)、カラオケ演奏が行われたログイン楽曲X1の楽曲ID***X1に対応付けられた利用者ID***U1が示す利用者U1のログイン処理を行う(ログイン処理。ステップ15)。
【0039】
具体的に、判定部100からログイン楽曲X1の楽曲ID***X1に対応付けられたパスワード管理情報に含まれるパスワード情報P1が示すパスワード「ログインカイシ」が、パスワード管理情報に含まれる発声位置情報T1が示すタイミング「30秒」で発声されたという判定結果が出力された場合、ログイン処理部200は、予め読み出した、ログイン楽曲X1の楽曲ID***X1に対応付けられている利用者U1の利用者ID***U1を記憶手段10aに記憶させることにより利用者U1のカラオケ装置Kへのログインを完了する。
【0040】
==第1実施形態のまとめ==
以上から明らかなように、本実施形態に係るカラオケ装置Kは、利用者がログインを要求する際にカラオケ歌唱を行う楽曲であるログイン楽曲の楽曲識別情報と、当該利用者がログインを要求する際に用いるパスワードを示すパスワード情報、及び当該ログイン楽曲のカラオケ演奏において当該パスワードを発声すべきタイミングを示す発声位置情報を含むパスワード管理情報と、当該利用者の利用者識別情報と、を対応付けて記憶する情報記憶部100aと、ログイン楽曲のカラオケ演奏に合わせて利用者がカラオケ歌唱を行った場合、当該ログイン楽曲の楽曲識別情報に対応付けられたパスワード管理情報に含まれるパスワード情報が示すパスワードが、当該パスワード管理情報に含まれる発声位置情報が示すタイミングで発声されたか否かを判定する判定部100と、パスワードが、対応するタイミングで発声されたと判定された場合、カラオケ演奏が行われたログイン楽曲の楽曲識別情報に対応付けられた利用者識別情報が示す利用者のログイン処理を行うログイン処理部200と、を有する。
【0041】
このようなカラオケ装置Kによれば、ログイン楽曲のカラオケ演奏中、利用者が発声すべきタイミングでパスワードを発声するだけでカラオケ装置へのログイン処理が実行される。よって、利用者は、リモコン装置を操作して予め設定されたIDやパスワードを入力することなく、すぐにカラオケ歌唱を楽しむことができる。すなわち、本実施形態に係るカラオケ装置Kによれば、ログインを簡易に行うことができる。なお、本実施形態におけるパスワードはログインに関連した語句を例示したが、カラオケ歌唱の雰囲気を損なわないような自然な替え歌としてもよい。たとえば、ログイン楽曲の歌詞「わたし」を利用者自身の名前に変えたり、「あなた」を家族や好きなアーティストの名前にしたりしてもよい。
【0042】
<変形例>
情報記憶部100aは、一の楽曲識別情報及び一の利用者識別情報に対して、複数のパスワード管理情報を対応付けて記憶していてもよい。
【0043】
図5は、情報記憶部100aに記憶されているテーブルを示す図である。図5の例において、ログイン楽曲X1の楽曲ID***X1及び利用者U1の利用者ID***U1に対して、3つのパスワード管理情報が対応付けられている。具体的に、パスワード情報P6(パスワード「ログインカイシ」)及び発声位置情報T6(タイミング「30秒」)を含むパスワード管理情報と、パスワード情報P7(パスワード「ログインシテ」)及び発声位置情報T7(タイミング「60秒」)を含むパスワード管理情報と、パスワード情報P8(パスワード「ログインショリキボウ」)及び発声位置情報T8(タイミング「80秒」)を含むパスワード管理情報とが対応付けられている。なお、この例では複数のパスワード管理情報に含まれるパスワード情報が示すパスワードが全て異なっているが、一部またはすべてのパスワードが同一であってもよい。
【0044】
本変形例に係る判定部100は、ログイン楽曲のカラオケ演奏に合わせて利用者がカラオケ歌唱を行った場合、当該ログイン楽曲の楽曲識別情報に対応付けられた複数のパスワード管理情報に含まれる複数のパスワード情報が示すパスワードのうち少なくとも一つが、当該パスワードを示すパスワード情報を含むパスワード管理情報に含まれる発声位置情報が示すタイミングで発声されたか否かを判定する。
【0045】
たとえば、情報記憶部100aに図5のテーブルが記憶されているとする。ここで、利用者U1がログイン楽曲X1を選曲した場合、カラオケ装置Kは、情報記憶部100aから、ログイン楽曲X1の楽曲ID***X1に対応付けられている、パスワード情報P6及び発声位置情報T6を含むパスワード管理情報と、パスワード情報P7及び発声位置情報T7を含むパスワード管理情報と、パスワード情報P8及び発声位置情報T8を含むパスワード管理情報と、利用者U1の利用者ID***U1とを読み出す。
【0046】
カラオケ装置Kは、記憶手段10aからログイン楽曲X1の伴奏データを読み出し、ログイン楽曲X1のカラオケ演奏を開始する。利用者U1は、ログイン楽曲X1のカラオケ演奏に合わせてカラオケ歌唱を行う。
【0047】
判定部100は、パスワード管理情報に含まれる発声位置情報T6が示すタイミング「30秒」が到来した場合、ログイン楽曲X1の楽曲ID***X1に対応付けられたパスワード管理情報に含まれるパスワード情報P6が示すパスワード「ログインカイシ」が発声されたか否かを判定する。同様に、判定部100は、パスワード管理情報に含まれる発声位置情報T7が示すタイミング「60秒」が到来した場合、パスワード管理情報に含まれるパスワード情報P7が示すパスワード「ログインシテ」が発声されたか否かを判定し、パスワード管理情報に含まれる発声位置情報T8が示すタイミング「80秒」が到来した場合、パスワード管理情報に含まれるパスワード情報P8が示すパスワード「ログインショリキボウ」が発声されたか否かを判定する。
【0048】
判定部100は、少なくとも一つのパスワードが、対応するそれぞれのタイミングで発声されたと判定した場合、判定結果をログイン処理部200に出力する。
【0049】
また、本変形例に係るログイン処理部200は、少なくとも一つのパスワードが、対応するタイミングで発声されたと判定された場合、カラオケ演奏が行われたログイン楽曲の楽曲識別情報に対応付けられた利用者識別情報が示す利用者のログイン処理を行う。
【0050】
上記例において、判定部100からログイン楽曲X1の楽曲ID***X1に対応付けられたパスワード管理情報に含まれるパスワード情報P6が示すパスワード「ログインカイシ」が、パスワード管理情報に含まれる発声位置情報T6が示すタイミング「30秒」で発声されたという判定結果、パスワード情報P7が示すパスワード「ログインシテ」が、パスワード管理情報に含まれる発声位置情報T7が示すタイミング「60秒」で発声されたという判定結果、及びパスワード情報P8が示すパスワード「ログインショリキボウ」が、パスワード管理情報に含まれる発声位置情報T8が示すタイミング「80秒」で発声されたという判定結果のうち少なくとも一つの判定結果が出力された場合、ログイン処理部200は、予め読み出した、ログイン楽曲X1の楽曲ID***X1に対応付けられている利用者U1の利用者ID***U1を記憶手段10aに記憶させることにより利用者U1のカラオケ装置Kへのログインを完了する。
【0051】
なお、上記例では少なくとも一つのパスワードが、対応するそれぞれのタイミングで発声されたと判定された例について述べたがこれに限られない。判定部100は、複数のパスワード情報が示すパスワードの全てが、当該パスワードを示すパスワード情報を含むパスワード管理情報に含まれる発声位置情報が示すタイミングで発声された場合に判定結果をログイン処理部200に出力してもよい。
【0052】
たとえば上記例において、判定部100は、パスワード情報P6が示すパスワード「ログインカイシ」が、発声位置情報T6が示すタイミング「30秒」で発声され、パスワード情報P7が示すパスワード「ログインシテ」が、発声位置情報T7が示すタイミング「60秒」で発声され、且つパスワード情報P8が示すパスワード「ログインショリキボウ」が、発声位置情報T8が示すタイミング「80秒」で発声されたと判定した場合に、判定結果をログイン処理部200に出力することができる。
【0053】
以上から明らかなように、本変形例に係るカラオケ装置Kにおいて情報記憶部100aは、一の楽曲識別情報及び一の利用者識別情報に対して、複数のパスワード管理情報を対応付けて記憶し、判定部100は、ログイン楽曲のカラオケ演奏に合わせて利用者がカラオケ歌唱を行った場合、当該ログイン楽曲の楽曲識別情報に対応付けられた複数のパスワード管理情報に含まれる複数のパスワード情報が示すパスワードのうち少なくとも一つが、当該パスワードを示すパスワード情報を含むパスワード管理情報に含まれる発声位置情報が示すタイミングで発声されたか否かを判定し、ログイン処理部200は、少なくとも一つのパスワードが、対応するタイミングで発声されたと判定された場合、カラオケ演奏が行われたログイン楽曲の楽曲識別情報に対応付けられた利用者識別情報が示す利用者のログイン処理を行う。
【0054】
このようなカラオケ装置Kによれば、少なくとも一つのパスワードが、対応するタイミングで発声されたと判定された場合にログイン処理を行うことにより、たとえば複数のパスワードのうち、一のパスワードの発声を失敗した場合であってもログインを行うことができる。また、一のログイン楽曲に対して複数のパスワードを用いることでより安全にログインを行うことができる。
【0055】
<第2実施形態>
図6及び図7を参照して、第2実施形態に係るカラオケ装置について説明する。本実施形態では、情報記憶部100aへ各種情報を記憶させる処理について説明する。第1実施形態と同様の構成については詳細な説明を省略する。
【0056】
==カラオケ装置==
[記憶手段]
記憶手段10aは、各種のデータを記憶する大容量の記憶装置である。記憶手段10aは、楽曲データを記憶する。本実施形態において記憶手段10aの記憶領域の一部は、情報記憶部100aとして機能する。
【0057】
[制御手段]
本実施形態においてはCPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより、制御手段10eは、取得部300、算出部400、生成部500、及び記憶処理部600として機能する(図6参照)。
【0058】
(取得部)
取得部300は、利用者がログイン楽曲の候補として選曲した楽曲の楽曲識別情報、及び当該利用者の利用者識別情報を取得する。
【0059】
ログイン楽曲の登録を希望する利用者は、リモコン装置50を操作して「ログイン楽曲登録モード」を選択する。リモコン装置50は、表示画面にログイン楽曲の候補となる楽曲を選曲する選曲画面及び利用者IDを入力する入力画面を表示させる。利用者は、リモコン装置50を操作し、ログイン楽曲の候補となる楽曲を選曲し、自己の利用者IDを入力する。取得部300は、選択された楽曲の楽曲ID及び入力された利用者IDを取得する。
【0060】
(算出部)
算出部400は、取得した楽曲識別情報に対応する楽曲のカラオケ演奏に合わせて利用者が行ったカラオケ歌唱の音声と、当該楽曲の歌詞テロップデータが示す歌詞との一致度を所定区間毎に求める。
【0061】
所定区間は、たとえば、単語毎、文節毎のように一の区間が予め設定されている。一致度は、所定区間において利用者が発した音声と歌詞とが一致する割合である。たとえば、ある所定区間において歌詞に含まれる文節「*****」に対して音声が「*****」の場合、一致度は100%となる。一方、歌詞に含まれる文節「*****」に対して音声が「▽▽*▽▽」の場合、一致度は20%となる。
【0062】
「ログイン楽曲登録モード」において、利用者がログイン楽曲の候補となるある楽曲を選曲した場合、カラオケ装置Kは、記憶手段10aからある楽曲の伴奏データを読み出し、カラオケ演奏を開始する。利用者は、ある楽曲のカラオケ演奏に合わせてカラオケ歌唱を行う。
【0063】
算出部400は、予め設定された所定区間毎に、利用者が行ったカラオケ歌唱の音声と、ある楽曲の歌詞テロップデータが示す歌詞との一致度を求める。具体的に、算出部400は、利用者が発した音声を公知の技術を用いてテキスト化し、歌詞と対比を行うことで一致度を求める。算出部400は、求めた一致度を生成部500に出力する。
【0064】
(生成部)
生成部500は、一致度が所定条件を満たした所定区間における音声に基づくパスワード情報、及び当該所定区間において音声を発したタイミングに基づく発声位置情報を含むパスワード管理情報を生成する。
【0065】
所定条件は、パスワード管理情報を生成するかどうかを判断するための条件である。所定条件は、たとえば「一致度が90%未満」、「一致度が70%以下」のように、一の条件が予め設定されている。一致度が低い場合、利用者は歌詞と異なる言葉(すなわち、パスワードとして設定したい言葉)を発したと考えられる。
【0066】
生成部500は、算出部400から一致度が出力される都度、当該一致度が所定条件を満たすかどうかを判断する。ある所定区間における一致度が所定条件を満たすと判断した場合、生成部500は、当該ある所定区間において発せられた音声をパスワード情報とし、当該ある所定区間において音声を発したタイミングを発声位置情報とするパスワード管理情報を生成する。なお、生成部500は、一のパスワード管理情報を生成した段階で処理を終了してもよいし、一の楽曲のカラオケ演奏が終了するまで上記処理を繰り返し行ってもよい。後者の場合、一の楽曲について、複数のパスワード管理情報が生成される可能性がある。
【0067】
(記憶処理部)
記憶処理部600は、取得した楽曲識別情報をログイン楽曲の楽曲識別情報とし、生成したパスワード情報、及び取得した利用者識別情報を対応付けて情報記憶部100aに記憶させる。
【0068】
生成部500がパスワード管理情報を生成した場合、記憶処理部600は、取得部300で取得した楽曲IDをログイン楽曲の楽曲IDとし、生成されたパスワード管理情報、及び取得部300が取得した利用者IDを対応付けて情報記憶部100aに記憶させる。記憶処理部600は、生成部500がパスワード管理情報を生成する都度、同様の処理を行う。
【0069】
なお、一の楽曲について、複数のパスワード管理情報が生成された場合、記憶処理部600は、一のログイン楽曲の楽曲ID及び一の利用者IDに対して、複数のパスワード管理情報を対応付けて記憶させる。この場合、記憶処理部600は、対応付けるパスワード管理情報の数を限定(たとえば、「2つまで」、「5つ以下」)してもよい。
【0070】
また、取得部300が取得した楽曲ID及び取得部300が取得した利用者IDとは異なる利用者IDが、生成部500が生成したパスワード管理情報と同じ内容のパスワード管理情報と対応付けて既に情報記憶部100aに記憶されている場合、記憶処理部600は、記憶処理を行うことなく、選曲及びカラオケ歌唱をし直すよう推奨する通知を行ってもよい。通知は、たとえば表示装置30やリモコン装置50の表示画面にその旨の文を表示させたり、スピーカ20からその旨の音声を放音させることにより行うことができる。
【0071】
==カラオケ装置Kの動作について==
次に、図7を参照して本実施形態におけるカラオケ装置Kの動作の具体例について述べる。図7は、カラオケ装置Kの動作例を示すフローチャートである。この例では所定条件として「一致度が20%未満」が設定されているとする。
【0072】
ログイン楽曲の登録を希望する利用者U1は、リモコン装置50を操作して「ログイン楽曲登録モード」を選択する。利用者U1は、リモコン装置50を操作し、ログイン楽曲の候補となる楽曲X1を選曲し、自己の利用者ID***U1を入力する。
【0073】
取得部300は、利用者U1がログイン楽曲の候補として選曲した楽曲X1の楽曲ID***X1、及び利用者U1の利用者ID***U1を取得する(楽曲ID及び利用者IDを取得。ステップ20)。
【0074】
「ログイン楽曲登録モード」において利用者U1が楽曲X1を選曲した場合、カラオケ装置Kは、記憶手段10aから楽曲X1の伴奏データを読み出し、カラオケ演奏を開始する(楽曲のカラオケ演奏開始。ステップ21)。利用者U1は、楽曲X1のカラオケ演奏に合わせてカラオケ歌唱を行う。
【0075】
算出部400は、ステップ20で取得した楽曲ID***X1に対応する楽曲X1のカラオケ演奏に合わせて利用者U1が行ったカラオケ歌唱の音声と、楽曲X1の歌詞テロップデータが示す歌詞との一致度を所定区間毎に求める(所定区間毎に音声と歌詞の一致度を求める。ステップ22)。
【0076】
具体的に、算出部400は、予め設定された所定区間毎に、利用者U1が行ったカラオケ歌唱の音声と、楽曲X1の歌詞テロップデータが示す歌詞との一致度を求める。たとえば、ある歌詞「ナゲキヲカキケス」に対して音声が「ナゲキヲカキケス」の場合、一致度は100%となる。一方、歌詞「カゼニフカレテ」に対して音声が「ログインカイシ」の場合、一致度は14%となる。
【0077】
生成部500は、算出部400から一致度が出力される都度、当該一致度が所定条件を満たすかどうかを判断する。ある所定区間における一致度が所定条件を満たすと判断した場合(ステップ23でYの場合)、生成部500は、当該ある所定区間において発せられた音声をパスワード情報とし、当該ある所定区間において音声を発したタイミングを発声位置情報とするパスワード管理情報を生成する(パスワード管理情報を生成。ステップ24)。この例において、生成部500は、一のパスワード管理情報を生成した段階で処理を終了する。
【0078】
具体的に、算出部400から一致度「14%」(上述の歌詞「カゼニフカレテ」に対して音声が「ログインカイシ」の場合)が出力された場合、生成部500は、一致度が所定条件を満たすと判断する。この場合、生成部500は、「ログインカイシ」をパスワード情報とし、「ログインカイシ」の音声を発したタイミングを発声位置情報とするパスワード管理情報を生成する。一方、算出部400から一致度「100%」(上述の歌詞「ナゲキヲカキケス」に対して音声が「ナゲキヲカキケス」の場合)が出力された場合、生成部500は、一致度が所定条件を満たさないと判断する。この場合、生成部500はパスワード管理情報を生成しない。
【0079】
記憶処理部600は、ステップ20で取得した楽曲ID***X1をログイン楽曲の楽曲IDとし、ステップ24で生成したパスワード管理情報、及びステップ20で取得した利用者ID***U1を対応付けて情報記憶部100aに記憶させる(楽曲ID、パスワード管理情報、及び利用者IDを記憶。ステップ25)。
【0080】
==第2実施形態のまとめ==
以上から明らかなように、本実施形態に係るカラオケ装置Kは、利用者がログイン楽曲の候補として選曲した楽曲の楽曲識別情報、及び当該利用者の利用者識別情報を取得する取得部300と、取得した楽曲識別情報に対応する楽曲のカラオケ演奏に合わせて利用者が行ったカラオケ歌唱の音声と、当該楽曲の歌詞テロップデータが示す歌詞との一致度を所定区間毎に求める算出部400と、一致度が所定条件を満たした所定区間における音声に基づくパスワード情報、及び当該所定区間において音声を発したタイミングに基づく発声位置情報を含むパスワード管理情報を生成する生成部500と、取得した楽曲識別情報をログイン楽曲の楽曲識別情報とし、生成したパスワード管理情報、及び取得した利用者識別情報を対応付けて情報記憶部100aに記憶させる記憶処理部600と、を有する。
【0081】
このようなカラオケ装置Kによれば、ログインを簡易に行うための各種情報を予めカラオケ装置Kに記憶させておくことができる。
【0082】
<第3実施形態>
図8及び図9を参照して、第3実施形態に係るカラオケ装置について説明する。本実施形態では、第2実施形態とは異なる処理により、情報記憶部100aへ各種情報を記憶させる処理について説明する。第1実施形態または第2実施形態と同様の構成については詳細な説明を省略する。
【0083】
==カラオケ装置==
[制御手段]
本実施形態においてはCPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより、制御手段10eは、取得部300、抽出部700、生成部800、及び記憶処理部600として機能する(図8参照)。
【0084】
(抽出部)
抽出部700は、取得した楽曲識別情報に対応する楽曲の歌詞テロップデータが示す歌詞から一の言葉を抽出し、抽出された一の言葉に対応するタイミングを抽出する。
【0085】
「ログイン楽曲登録モード」において、利用者がログイン楽曲の候補となるある楽曲を選曲した場合、抽出部700は、記憶手段10aからある楽曲の歌詞テロップデータを読み出し、一の言葉を抽出する。一の言葉は歌詞に含まれる単語、文節等である。抽出部700は、読み出した歌詞テロップデータが示す歌詞の中から、ランダムに一の言葉を抽出する。また、抽出部700は、抽出された一の言葉に対応するタイミングを抽出する。抽出されたタイミングは、楽曲のカラオケ演奏において、一の言葉を発すべきタイミングである。抽出部700は、抽出した一の言葉及びタイミングを生成部800に出力する。
【0086】
なお、抽出部700は、一の言葉及びタイミングを抽出してもよいし、複数の言葉及び複数のタイミングを抽出してもよい。後者の場合、抽出部700は、抽出した複数の言葉及びタイミングを生成部800に出力する。
【0087】
(生成部)
生成部800は、抽出された一の言葉に基づいて決定した他の言葉をパスワードとするパスワード情報、及び抽出されたタイミングを、当該パスワードを発声すべきタイミングとする発声位置情報を含むパスワード管理情報を生成する。
【0088】
生成部800は、抽出部700から抽出した一の言葉及びタイミングが出力された場合、抽出された一の言葉に基づいて他の言葉を決定する。具体的に、生成部800は、日本語辞書データから所定条件を満たす言葉を抽出し、他の言葉を決定する。日本語辞書データは、利用者が入力手段10cを用いて各種の操作入力を行う際に参照する一般的なデータであり、記憶手段10aに記憶されている。所定条件は、一の言葉と同じ文字数の言葉や同じ品詞の言葉等、予め一の条件が設定されている。
【0089】
生成部800は、決定した他の言葉を利用者がログインを要求する際に用いるパスワードとし、抽出されたタイミングを、当該パスワードを発声すべきタイミングとする。生成部800は、当該パスワードを示すパスワード情報、及び当該パスワードを発声すべきタイミングを示す発声位置情報を含むパスワード管理情報を生成する。なお、抽出部700から一の言葉及びタイミングが出力された場合、生成部800は、一のパスワード管理情報を生成した段階で処理を終了する。一方、抽出部700から複数の言葉及びタイミングが出力された場合、生成部800は、複数のパスワード管理情報を生成してもよい。
【0090】
==カラオケ装置Kの動作について==
次に、図9を参照して本実施形態におけるカラオケ装置Kの動作の具体例について述べる。図9は、カラオケ装置Kの動作例を示すフローチャートである。
【0091】
ログイン楽曲の登録を希望する利用者U1は、リモコン装置50を操作して「ログイン楽曲登録モード」を選択する。利用者U1は、リモコン装置50を操作し、ログイン楽曲の候補となる楽曲X1を選曲し、自己の利用者ID***U1を入力する。
【0092】
取得部300は、利用者U1がログイン楽曲の候補として選曲した楽曲X1の楽曲ID***X1、及び利用者U1の利用者ID***U1を取得する(楽曲ID及び利用者IDを取得。ステップ30)。
【0093】
「ログイン楽曲登録モード」において利用者U1が楽曲X1を選曲した場合、抽出部700は、記憶手段10aから楽曲X1の歌詞テロップデータを読み出し、一の言葉をランダムに抽出する。また、抽出部700は、抽出された一の言葉に対応するタイミングを抽出する(一の言葉及びタイミングを抽出。ステップ31)。抽出部700は、抽出した一の言葉及びタイミングを生成部800に出力する。
【0094】
具体的に、抽出部700は、楽曲X1の歌詞テロップデータを読み出し、歌詞から一の言葉「コエヒビク」を抽出する。また抽出部700は、抽出された言葉「コエヒビク」に対応するタイミング「50秒」を抽出する。
【0095】
生成部800は、ステップ31で抽出された一の言葉に基づいて決定した他の言葉をパスワードとするパスワード情報、及び抽出されたタイミングを、当該パスワードを発声すべきタイミングとする発声位置情報を含むパスワード管理情報を生成する(パスワード管理情報を生成。ステップ32)。
【0096】
具体的に、生成部800は、抽出部700が抽出した一の言葉「コエヒビク」を自然言語解析により「コエ」と「ヒビク」の二つの言葉に分解する。生成部800は、「同じ文字数且つ同じ品詞」の所定条件に基づいて日本語辞書データから文字数「2」の名詞「コエ」に対応する言葉「ミミ」を抽出し、同様に文字数「3」の動詞「ヒビク」に対応する言葉「フサグ」を抽出し、他の言葉「ミミフザグ」を決定する。生成部800は、決定した他の言葉「ミミフサグ」を利用者U1がログインを要求する際に用いるパスワードとし、抽出部700が抽出したタイミング「50秒」を、当該パスワードを発声すべきタイミングとして、利用者U1に提示する。パスワード及びタイミングの提示は、たとえば表示装置30やリモコン装置50の表示画面にパスワードの文字及びタイミングの数字を表示させることにより行うことができる。利用者U1がリモコン装置50を操作し、提示されたパスワード及びタイミングを承認した場合、生成部800は、パスワード「ミミフザグ」を示すパスワード情報、及びパスワード「ミミフザグ」を発声すべきタイミング「50秒」を示す発声位置情報を含むパスワード管理情報を生成する。なお、抽出部700は、歌詞から「わたし」や「あなた」といった言葉を優先的に抽出してもよい。この場合、生成部800は、言葉「わたし」に基づいて利用者から取得した利用者の名前をパスワードとしたり、言葉「あなた」に基づいて利用者属性情報として登録された「好きなアーティスト」の名前をパスワードとしたりしてもよい。これにより、上述したように、カラオケ歌唱の雰囲気を損なわないようなログイン楽曲を自然な替え歌として提供することができる。
【0097】
記憶処理部600は、ステップ30で取得した楽曲ID***X1をログイン楽曲の楽曲IDとし、ステップ32で生成したパスワード管理情報、及びステップ30で取得した利用者ID***U1を対応付けて情報記憶部100aに記憶させる(楽曲ID、パスワード管理情報、及び利用者IDを記憶。ステップ33)。
【0098】
==第3実施形態のまとめ==
以上から明らかなように、本実施形態に係るカラオケ装置Kは、利用者がログイン楽曲の候補として選曲した楽曲の楽曲識別情報、及び当該利用者の利用者識別情報を取得する取得部300と、取得した楽曲識別情報に対応する楽曲の歌詞テロップデータが示す歌詞から一の言葉を抽出し、抽出された一の言葉に対応するタイミングを抽出する抽出部700と、抽出された一の言葉に基づいて決定した他の言葉をパスワードとするパスワード情報、及び抽出されたタイミングを、当該パスワードを発声すべきタイミングとする発声位置情報を含むパスワード管理情報を生成する生成部800と、取得した楽曲識別情報をログイン楽曲の楽曲識別情報とし、生成したパスワード管理情報、及び取得した利用者識別情報を対応付けて情報記憶部100aに記憶させる記憶処理部600と、を有する。
【0099】
このようなカラオケ装置Kによれば、楽曲のカラオケ演奏を行うことなく、ログインを簡易に行うための各種情報を予めカラオケ装置Kに記憶させておくことができる。
【0100】
<その他>
上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。上記の構成は、適宜組み合わせて実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0101】
100a 情報記憶部
100 判定部
200 ログイン処理部
300 取得部
400 算出部
500、800 生成部
600 記憶処理部
700 抽出部
K カラオケ装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9