(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113785
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】シート処理システム
(51)【国際特許分類】
B29C 63/02 20060101AFI20240816BHJP
【FI】
B29C63/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023018970
(22)【出願日】2023-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100117215
【弁理士】
【氏名又は名称】北島 有二
(72)【発明者】
【氏名】浅野 翔
(72)【発明者】
【氏名】西東 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】加藤 裕一郎
(72)【発明者】
【氏名】緑川 瑠樹
(72)【発明者】
【氏名】下舘 一輝
(72)【発明者】
【氏名】高井 直樹
【テーマコード(参考)】
4F211
【Fターム(参考)】
4F211AG01
4F211AG03
4F211AP06
4F211AP19
4F211AQ01
4F211AR07
4F211SA08
4F211SC07
4F211SD01
4F211SD11
4F211SJ11
4F211SP05
(57)【要約】
【課題】ラミネート処理装置をシート処理装置に設置するときにラミネート処理装置の電源コードをシート処理装置との間に挟んでしまう不具合や、ラミネート処理装置の電源コードによってシート処理装置におけるシートの給送動作やラミネート処理装置からの重合シートの排出動作が妨げられてしまう不具合を生じにくくする。
【解決手段】ラミネート処理装置50から延びる電源コード55を、シート処理装置60に給送される2枚のシートP1、P2の給送動作と、ラミネート処理装置50から排出されるラミネート処理後の重合シートPJの排出動作と、を妨げない位置に保持するコード保持部材301~303が、シート処理装置60に設けられている。
【選択図】
図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2枚のシートが重ね合されて接合部で接合された重合シートの非接合部を剥離する剥離処理をおこなって、剥離した状態の前記2枚のシートの間に中シートを挿入する挿入処理をおこなうシート剥離部を具備したシート処理装置と、
前記シート剥離部によって剥離された前記2枚のシートの間に中シートが挿入された状態の前記重合シートにラミネート処理を施すラミネート処理装置と、
を備え、
前記ラミネート処理装置から延びる電源コードを、前記シート処理装置に給送される前記2枚のシートの給送動作と、前記ラミネート処理装置から排出されるラミネート処理後の前記重合シートの排出動作と、を妨げない位置に保持するコード保持部材が、前記シート処理装置に設けられたことを特徴とするシート処理システム。
【請求項2】
前記シート処理装置は、前記シート剥離部と、前記シート剥離部から前記ラミネート処理装置に向けて前記重合シートを搬送する中継搬送部と、を具備し、
前記ラミネート処理装置は、前記シート剥離部の上面で着脱可能に設置され、
前記中継搬送部は、前記シート剥離部の側方において前記上面より高い位置に突出するように構成されて、その突出した部分が前記ラミネート処理装置に接続されたことを特徴とする請求項1に記載のシート処理システム。
【請求項3】
前記電源コードが接続される商用電源に対向する面を後側面として、前記後側面の反対側の面を前側面として、前記前側面の側からみて右側の側面を右側面として、前記前側面の側からみて左側の側面を左側面としたときに、
前記中継搬送部は、前記シート剥離部及び前記ラミネート処理装置の左側面又は右側面に配置され、
ラミネート処理後の前記重合シートが排出される排出口が、前記ラミネート処理装置の右側面又は左側面に配置され、
前記電源コードは、その根元部が、前記ラミネート処理装置の右側面、左側面、前側面のいずれかであって、前記排出口に対して前側面の側に配置され、
前記コード保持部材は、
前記シート剥離部の前記上面であって、前記ラミネート処理装置に対して前側面の側に配置された第1コード保持部材と、
前記中継搬送部の前側面に配置された第2コード保持部材と、
前記中継搬送部の左側面又は右側面に配置された第3コード保持部材と、
を具備したことを特徴とする請求項2に記載のシート処理システム。
【請求項4】
前記第1コード保持部材は、前記上面から上方に突出するようにL字状に形成された部材であることを特徴とする請求項3に記載のシート処理システム。
【請求項5】
前記第2コード保持部材は、前記中継搬送部の前側面から突出しないように溝状に形成された部分であって、前記中継搬送部の右側面又は左側面に開口する開口部が形成され、
前記第3コード保持部材は、前記中継搬送部の左側面又は右側面から突出しないように溝状に形成された部分であって、前記第2コード保持部材に連通し、
前記電源コードは、前記開口部から前記第2コード保持部材に挿入されて前記第2コード保持部材と前記第3コード保持部材とに保持されることを特徴とする請求項3に記載のシート処理システム。
【請求項6】
前記第2コード保持部材と前記第3コード保持部材とのうち少なくとも一方は、前記上面から上方に突出するようにL字状に形成された部材であることを特徴とした請求項3に記載のシート処理システム。
【請求項7】
前記シート処理装置において前記コード保持部材が設置される位置を可変できるように構成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシート処理システム。
【請求項8】
前記シート処理装置は、前記電源コードを巻付け可能なコード巻付け部を具備したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシート処理システム。
【請求項9】
前記コード巻付け部は、前記シート処理装置に対して着脱可能又は収納可能に設置されたことを特徴とする請求項7に記載のシート処理システム。
【請求項10】
前記ラミネート処理装置は、前記シート処理装置に対して着脱可能に設置されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシート処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、2枚のシートの間に中シートを挿入した重合シートにラミネート処理を施すシート処理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、2枚のシートが重ね合されて接合部で接合された重合シートを剥離して、その剥離した2枚のシートの間に中シートを挿入して重合シートを形成するシート剥離部と、シート剥離部から搬送された重合シートにラミネート処理を施すラミネート処理部と、が設けられた装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
このような装置は、2枚のシートを剥離する剥離処理と、剥離処理後の2枚のシートの間に中シートを挿入する挿入処理と、挿入処理後の重合シートを一体的に接合するラミネート処理と、を自動で順次おこなうものである。
【0003】
一方、特許文献2には、ラミネート処理のみを単独でおこなうラミネータ(ラミネート処理装置)であって、電源コードを巻き付けるためのガイドリブを設けたものが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来は、ラミネート処理装置を単独でも使用できるようにすること等を目的として、シート剥離部が設けられたシート処理装置に対してラミネート処理装置を着脱可能に設置できるように構成した場合に、ラミネート処理装置をシート処理装置に設置するときにラミネート処理装置の電源コードをシート処理装置との間に挟んでしまう不具合や、ラミネート処理装置の電源コードによってシート処理装置におけるシートの給送動作やラミネート処理装置からの重合シートの排出動作が妨げられてしまう不具合が生じてしまうことがあった。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、ラミネート処理装置をシート処理装置に設置するときにラミネート処理装置の電源コードをシート処理装置との間に挟んでしまう不具合や、ラミネート処理装置の電源コードによってシート処理装置におけるシートの給送動作やラミネート処理装置からの重合シートの排出動作が妨げられてしまう不具合が生じにくい、シート処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明におけるシート処理システムは、2枚のシートが重ね合されて接合部で接合された重合シートの非接合部を剥離する剥離処理をおこなって、剥離した状態の前記2枚のシートの間に中シートを挿入する挿入処理をおこなうシート剥離部を具備したシート処理装置と、前記シート剥離部によって剥離された前記2枚のシートの間に中シートが挿入された状態の前記重合シートにラミネート処理を施すラミネート処理装置と、を備え、前記ラミネート処理装置から延びる電源コードを、前記シート処理装置に給送される前記2枚のシートの給送動作と、前記ラミネート処理装置から排出されるラミネート処理後の前記重合シートの排出動作と、を妨げない位置に保持するコード保持部材が、前記シート処理装置に設けられたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ラミネート処理装置をシート処理装置に設置するときにラミネート処理装置の電源コードをシート処理装置との間に挟んでしまう不具合や、ラミネート処理装置の電源コードによってシート処理装置におけるシートの給送動作やラミネート処理装置からの重合シートの排出動作が妨げられてしまう不具合が生じにくい、シート処理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】この発明の実施の形態におけるシート処理システムを示す全体構成図である。
【
図2】(A)把持部材が把持位置に移動した状態を示す側面図と、(B)把持部材が退避位置に移動した状態を示す側面図と、である。
【
図3】(A)把持部材が把持位置に移動した状態を示す斜視図と、(B)把持部材が退避位置に移動した状態を示す斜視図と、である。
【
図4】シート処理装置の動作を制御する制御ブロックのハードウェア構成図である。
【
図6】
図5に続くシート剥離部の動作を示す図である。
【
図7】
図6に続くシート剥離部の動作を示す図である。
【
図8】
図7に続くシート剥離部の動作を示す図である。
【
図9】
図8に続くシート剥離部の動作を示す図である。
【
図10】剥離爪が重合シートに挿入された状態を幅方向に示す図である。
【
図11】剥離爪の動作を幅方向に示す斜視図である。
【
図13】シート処理システムでおこなわれる制御を示すフローチャートである。
【
図14】シート処理システムを示す概略斜視図である。
【
図15】シート処理装置にラミネート処理装置が装着される状態を示す概略斜視図である。
【
図16】シート処理システムを示す概略上面図である。
【
図17】比較例としての、(A)シート処理装置にラミネート処理装置が装着される状態を示す概略斜視図と、(B)シート処理システムを示す概略斜視図と、である。
【
図18】変形例1としての、シート処理システムを示す概略斜視図である。
【
図19】
図18のシート処理システムを示す概略上面図である。
【
図20】変形例2としての、シート処理システムを示す概略斜視図である。
【
図21】
図20のシート処理システムにおける第1コード保持部材の近傍を示す断面図である。
【
図22】変形例3としての、シート処理システムを示す概略斜視図である。
【
図23】
図22のシート処理システムにおけるコード巻付け部の近傍を示す上面図である。
【
図24】別形態のコード巻付け部の近傍を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0010】
まず、
図1にて、シート処理システム100における全体の構成・動作について説明する。
シート処理システム100は、主として、シート剥離部1及び中継搬送部90を備えたシート処理装置60と、ラミネート処理装置50と、で構成されている。
【0011】
シート剥離部1は、2枚のシートP1、P2が重ね合されて接合部A(
図5(A)参照)で接合された重合シートPJの非接合部を剥離するシート剥離機構部19を備えた装置である。シート剥離機構部19は、重合シートPJの非接合部を剥離する剥離処理をおこなって、剥離した状態の2枚のシートP1、P2の間に中シートPMを挿入する挿入処理をおこなうものである。
ラミネート処理装置50は、シート剥離部1によって剥離された2枚のシートP1、P2の間に中シートPMが挿入された状態の重合シートPJにラミネート処理を施すものである。本実施の形態において、ラミネート処理装置50は、シート剥離部1の上方に設置されている。
中継搬送部90は、シート剥離部1からラミネート処理装置50に向けて重合シートPJ(2枚のシートP1、P2の間に中シートPMが挿入されたものである。)を搬送するものである。本実施の形態において、中継搬送部90は、シート剥離部1とラミネート処理装置50の側方に設置されている。
なお、シート処理装置60の外装部には、シート処理システム100における種々の情報を表示したり種々の指令を入力したりするための操作表示パネル49(操作表示部)が設置されている。
【0012】
特に、本実施の形態において、重合シートPJとして、2枚のシートP1、P2を重ね合わせて、4辺のうち1辺を接合部Aとして接合したものを用いている。すなわち、重合シートPJ(2枚のシートP1、P2)は、1辺(接合部A)のみが熱溶着などによって繋がっていて、その他の部分(非接合部)は接合されず重合されている。また、重合シートPJを構成する2枚のシートP1、P2としては、透明なフィルムシート(ラミネートシート)を用いることができる。
【0013】
なお、重合シートPJは、1枚のシートを折り返して形成したものであっても良い。そして、そのように形成された重合シートPJであっても、本願明細書等においては、2枚のシートが重ね合されたものであるものと定義するとともに、その折り返した部分を「接合部」と定義し、それ以外の部分を「非接合部」と定義する。
【0014】
そして、巻付けローラ20と第3搬送ローラ対6との間で、重合シートPJを構成する2枚のシートP1、P2の非接合部を剥離して(接合部Aの接合を維持した状態で接合部Aを中心に2枚のシートP1、P2を分離して)、剥離した2枚のシートP1、P2の間に中シートPM(1枚の普通紙などのシートである。)を挿入する動作が、シート剥離機構部19でおこなわれることになる。
【0015】
図1に示すように、シート剥離部1には、シート剥離機構部19、第1、第2給送トレイ11、12(給送口M1、M2)、第1、第2給送ローラ2、3、第1~第3搬送ローラ対4~6、排出トレイ13、第1~第5センサ41~45、位置ズレ検知部47、内側制限部材としての第1ガイド部材25、外側制限部材としての第2ガイド部材26、第3ガイド部材27、などが設けられている。
また、シート剥離機構部19には、巻付けローラ20、移動機構30、切替爪15、剥離爪16、などが設けられている。
また、シート剥離部1には、第1搬送経路K1(湾曲搬送経路)、第2搬送経路K2、第3搬送経路K3、第1分岐搬送経路K4、第2分岐搬送経路K5などの複数の搬送経路が形成されている。これらの搬送経路K1~K5は、それぞれ、シート(重合シートPJ又は中シートPMである。)を搬送するためのものであって、対向する2つの搬送ガイド部材(ガイド板)によって案内される。
【0016】
詳しくは、第1給送トレイ11には、重合シートPJが積載されている。そして、第1給送トレイ11上の最上方の重合シートPJが第1給送ローラ2によって給送口M1から給送されて、第1搬送ローラ対4によって第1搬送経路K1に沿って搬送されることになる。
また、第2給送トレイ12には、中シートPMが積載されている。そして、第2給送トレイ12上の最上方の中シートPMが第2給送ローラ3によって給送口M2から給送されることになる。
第1~第3搬送ローラ対4~6は、いずれも、芯金上にゴムなどからなる弾性層が形成された駆動ローラと従動ローラとからなり、そのニップに挟持されたシートを搬送するものである。第2搬送ローラ対5から第3搬送ローラ対6までの第3搬送経路K3には、上流側から、第2搬送ローラ対5、巻付けローラ20、第3搬送ローラ対6が設置されている。特に、第3搬送ローラ対6は、正転・逆転可能であって、シートを正転時の順方向にも逆転時の逆方向にも搬送可能に構成されている。また、第3搬送ローラ対6は、シートを中継搬送部90に向けて排出する排出ローラ対としても機能する。さらに、第3搬送ローラ対6は、剥離処理をおこなうときに重合シートPJを挟持・搬送する搬送ローラ対であって、位置ズレ検知部47によって検知された重合シートPJの位置ズレ量α(横レジスト)が相殺されるように、重合シートPJを挟持した状態で位置ズレした方向とは逆方向(重合シートPJの幅方向)に移動するように構成されている。つまり、第3搬送ローラ対6は、重合シートPJの位置ズレ量αを補正する横レジスト調整手段としても機能する。
【0017】
第1~第5センサ41~45は、いずれも、その位置にシートが存在するか否かを光学的に検知する反射型フォトセンサである。第1センサ41は第1搬送ローラ対4の下流側近傍に配置され、第2センサ42は第2給送ローラ3の下流側近傍に配置され、第3センサ43は第2搬送ローラ対5と巻付けローラ20との間であって第2搬送ローラ対5の下流側近傍に配置され、シート検知センサとしての第4センサ44は巻付けローラ20の下流側近傍であって第3搬送ローラ対6の上流側に配置され、第5センサ45は第3搬送ローラ対6の下流側に配置されている。
なお、第3センサ43の近傍には、シート剥離機構部19に向けて搬送される重合シートPJや中シートPMの幅方向(
図1の紙面垂直方向である。)の位置ズレ量を検知する位置ズレ検知部47が設置されている。
【0018】
図2、
図3(及び、
図6(B)~(D)、
図7(A))等を参照して、巻付けローラ20について説明する。
巻付けローラ20は、巻付け開始位置Wで、重合シートPJの一端側(接合部Aが形成された側の反対側である。)を被把持部Bとして、把持部材32(把持部)によって被把持部Bを把持した状態で所定の回転方向に回転して重合シートPJを巻き付けるローラ部材である。巻付けローラ20は、制御部500によって制御される巻付けローラモータ201(
図4参照)の駆動によって、回転軸20aを中心に正逆方向に回転可能に構成されている。
具体的に、
図1に示すように、重合シートPJは、第1給送トレイ11から第1搬送経路K1を経由して、第2搬送ローラ対5によって第3搬送経路K3を順方向に搬送されて、一旦、巻付けローラ20の位置を通過して第3搬送ローラ対6の位置まで搬送される。その後、重合シートPJは、逆転された搬送ローラ対としての第3搬送ローラ対6によって巻き付けローラ20の位置まで逆方向に搬送されて、把持部材32に把持された状態で反時計方向に回転する巻付けローラ20によって巻き付けられることになる。
【0019】
そして、
図6(C´)を参照して、巻き付けローラ20に重合シートPJが巻き付けられていくとき、ローラ表面線速がローラ半径に比例するように、シートP1の線速とシートP2の線速とは、巻き付けローラ20の中心からそれぞれのシートP1、P2までの距離に比例する。したがって、シートP2よりシートP1が巻き付けローラ20の中心から近いので(内側に位置するので)、シートP1の線速はシートP2より遅くなる。
そのため、第2のシートP2に比べて第1のシートP1が弛みやすくなり、
図6(D)、
図7(A)等に示すように、重合シートPJの接合部Aの側(他端側)で2枚のシートP1、P2の間に隙間C(上方の第1のシートP1が上方に撓んでできる隙間Cである。)が形成されることになる。このようにして、2枚のシートP1、P2が、隙間なく密着した状態から、剥離(分離)した状態になる。
【0020】
以下、巻付けローラ20に重合シートPJを巻き付けることで、巻付けローラ20と第3搬送ローラ対6との間で重合シートPJに隙間Cが生じるメカニズムについて、さらに重ねて補足説明する。
巻付けローラ20に巻き付けられる重合シートPJは、把持部材32に把持されてシートずれが規制された状態になるため、巻付けローラ20で周長差分のスリップが生じて、内側のシートP1の搬送量が外側のシートP2の搬送量に比べて少なくなる。その結果、第3搬送ローラ対6と巻付けローラ20のニップ間で、内側シートP1に弛みが生じることになる。
このとき、巻付けローラ20に重合シートPJを1周以上巻き付けることで、それ以降はシートの厚み分で内周と外周で周長差が生じて、同じように弛みが発生することになる。
そして、最終的に、第3搬送ローラ対6と巻付けローラ20との間に弛みが集まって、2枚のシートP1、P2の間に隙間Cが形成されることになる。
詳しくは、内側のシートP1の厚さをΔRとして、巻付けローラ20の回転軸20a(軸中心)から内側のシートP1までの距離をRとすると、巻付けローラ20の回転軸20a(軸中心)から外側のシートP2までの距離はR+ΔRとなる。内側のシートP1の厚みΔRだけ半径が異なるため、重合シートPJを巻付けローラ20に1周巻き付けると、内側シートP1と外側シートP2とに2×ΔR×πの周長差が生じる。したがって、巻付けローラ20に重合シートPJを巻き付ける回数をM回とすると、2×ΔR×π×Mだけ内側シートP1に弛みが生じることになる。
そして、最終的に、第3搬送ローラ対6と巻付けローラ20との間に弛みが集まって、2枚のシートP1、P2の間に、2×ΔR×π×Mに相当する隙間Cが形成されることになる。
【0021】
特に、本実施の形態では、上述したような隙間Cを顕著に形成するために、重合シートPJを巻付けローラ20に少なくとも1周以上巻き付けている。
このように、本実施の形態では、重合シートPJを巻き付ける巻付けローラ20を設置することで、シート剥離部1がそれほど大型化・高コスト化することなく、重合シートPJの剥離を可能にしている。
【0022】
ここで、本実施の形態において、
図2(A)の把持部材32は、
図6(B´)に示すように、重合シートPJの一端側(被把持部Bの側である。)の先端の端面に突き当て接触することなく、被把持部Bを把持するように構成されている。
なお、重合シートの「端面」とは、重合シートのオモテ面とウラ面とに繋がる厚さ方向の面(側面)であるものと定義する。したがって、矩形の重合シートの端面は、前後左右4つあることになる。
【0023】
詳しくは、把持部材32は、重合シートPJの一端側の端面をいかなる部材にも突き当て規制させることなく、すなわち接触させることなく、巻付けローラ20の受部20bとの間で、重合シートPJの被把持部Bのシート面に対して垂直方向から被把持部Bを挟み込んで把持するように構成されている。受部20bは、巻付けローラ20の外面にあり、把持部材32に対向可能に形成されている。さらに詳しくは、受部20bは、巻付けローラ20の仮想外周面(重合シートPJが巻付けられる円状の外周面である。)から内側に凹んだ部分に形成されている。
【0024】
具体的に、重合シートPJは、その一端側端面(先端面)が特定の部材(例えば、把持部材32自体である。)に突き当たった状態で規制されて把持部材32と受部20bとに挟まれ把持されるのではなくて、その一端側端面(先端面)がいかなる部材にも突き当たることなく、外側の把持部材32と内側の受部20bとによって挟まれて把持されることになる。
したがって、
図6(B´)の把持部材32の鈍角部分(くさび部分)に重合シートPJの一端側端面(先端面)が突き当たることなく、重合シートPJの一端側の被把持部Bが把持部材32と受部20bとによって把持される。
そして、重合シートPJの一端側端面(先端)は、突き当たることなく、把持部材32と受部20bとの接触面の端部(
図6(B´)の右側端部である。)と一致している。
なお、重合シートPJの一端側端面(先端)は、被把持部Bが一端側の先端よりシート内側(一端側の先端より他端側)になるように、重合シートの一端側の先端が、把持部材32と受部20bとの接触面を避けて超えるようにしても良い。また、一端側端面(先端)は、この接触面内にあっても良い。
そのため、先端面を突き当てる場合に比べて、重合シートPJ(特に、先端の部分である。)が傷ついてしまう不具合を軽減することができる。
なお、本実施の形態において、巻付けローラ20に巻き付けられる重合シートPJは、被把持部Bとなる一端側の反対側の他端側に接合部Aが形成されたものである。
【0025】
ここで、本実施の形態では、把持部材32(把持部)と受部20bとのうち少なくとも一方が、ゴム、スプリング、板バネなどの弾性材料で形成されている。
これにより、把持部材32と受部20bとの双方を金属材料や樹脂材料などの剛体で形成する場合に比べて、重合シートPJに対する把持力を高めることができるとともに、重合シートPJの表面に傷をつけにくくなる。特に、把持部材32と受部20bとの双方を弾性材料で形成した場合には、そのような効果が発揮されやすくなる。
【0026】
図2、
図3に示すように、移動機構30は、巻付けローラ20の巻付け開始位置Wで、把持部材32を、重合シートPJを把持可能な把持位置(
図2(A)、
図3(A)に示す位置である。)と、把持位置から退避した退避位置(
図2(B)、
図3(B)に示す位置である。)と、の間を移動させるものである。
詳しくは、移動機構30は、アーム部材31、付勢部材としての圧縮スプリング33、カム34、カム34を正逆方向に回転駆動するモータ(不図示)、などで構成されている。
アーム部材31は、把持部材32を保持するとともに、支軸31aを中心に回動可能に巻付けローラ20に保持されている。本実施の形態では、把持部材32がアーム部材31の基端側である先端部に一体的に形成(保持)されている。これに対して、把持部材32をアーム部材31とは別部材にして、アーム部材31に把持部材32を設置(保持)するように構成することもできる。いずれにしても、把持部材32を保持したアーム部材31は、把持部材32とともに巻付けローラ20とともに回転軸20aを中心に回転することになる。
圧縮スプリング33は、把持部材32が
図2(B)に示す退避位置から
図2(A)に示す把持位置に移動するようにアーム部材31を付勢する付勢部材として機能している。具体的に、圧縮スプリング33は、その一端側が回転軸20aの近傍の固定位置に接続され、その他端側がアーム部材31の一端側(支軸31aを挟んで把持部材32が設けられた側の反対側の自由端側である。)に接続されている。
カム34は、把持部材32が
図2(A)に示す把持位置から
図2(B)に示す退避位置に移動するように、圧縮スプリング33(付勢部材)の付勢に抗してアーム部材31を押動するものである。カム34は、制御部500に制御されるモータによって所望の回転角度で正逆方向に回転駆動されることになる。カム34は、巻付けローラ20とは独立して、カム軸34aを中心に回転可能に装置筐体に保持されている。
【0027】
このように構成された移動機構30は、
図2(A)、
図3(A)に示すように、カム34がアーム部材31に接触していない状態では、アーム部材31が圧縮スプリング33に付勢されて、把持部材32が受部20bに圧接する状態(閉状態)になる。
これに対して、
図2(B)、
図3(B)に示すように、カム34がアーム部材31を押圧した状態では、アーム部材31が圧縮スプリング33の付勢に抗するように、支軸31aを中心に
図2(B)の反時計方向に回転して、把持部材32が受部20bから離間した状態(開状態)になる。この開状態は、重合シートPJを把持できない状態(把持解除状態)である。
そして、把持部材32が開状態(退避位置に位置した状態)のとき、その把持部材32と受部20bとの間に重合シートPJが介在されて、把持部材32が閉状態(把持位置に位置した状態)に移動することで、重合シートPJが把持部材32と受部20bとによって把持されることになる。
【0028】
なお、本実施の形態では、
図3に示すように、巻付けローラ20の円柱状のローラ部が軸方向に複数(7つである。)に分割されている。そして、それぞれのローラ部の分割位置(隣接するローラ部とローラ部との間の凹部である。)に合わせるように、把持部材32やアーム部材31が複数設置されており、それらの複数のアーム部材に当接可能にカム34が複数設置されている。
このように重合シートPJを把持する位置を、軸方向の全域とするのではなくて、軸方向に分割することで、重合シートPJを把持するために必要な負荷を分散することができるとともに、重合シートPJの先端の傷つきを低減することができる。また、このような構成は、大サイズの重合シートPJや重量のある重合シートPJを把持するときのように、必要な把持力が大きくなってしまう場合に有用である。
【0029】
なお、本実施の形態において、第3搬送経路K3は、
図1に示すように、直線状の搬送ガイド板により形成されている。これに対して、搬送ガイド板として、湾曲した曲線状のものを用いて、第3搬送経路を形成することもできる。また、そのような場合に、巻付けローラ20における重合シートPJの把持位置を、本実施の形態のものよりも、回転軸20a寄りに変更することもできる。さらに、そのような場合に、本実施の形態における把持部材32と受部20bとの位置を入れ替えて、巻付けローラ20において把持部材32を受部20bより回転軸20a側に配置することもできる。
【0030】
ここで、
図4に示すように、シート処理装置60は、後述するコントローラ500(制御部)を構成するCPU501(Central Processing Unit)や、RAM502(Random Access Memory)や、ROM503(Read Only Memory)を備えている。
CPU501は演算手段であり、シート処理システム100の全体の動作を制御する。RAM502は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU501が情報を処理する際の作業領域として用いられる。ROM503は、読み出し専用の不揮発性の記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。
シート処理装置60は、ROM503に格納された制御プログラムからRAM502にロードされた情報処理プログラム(アプリケーションプログラム)などをCPU501が備える演算機能によって処理する。その処理によって、シート処理システム100の種々の機能モジュールを含むソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、シート処理装置60及ラミネート処理装置50に搭載されるハードウェア資源との組み合わせによって、シート処理システム100の機能を実現する機能ブロックが構成される。すなわち、CPU501、RAM502、ROM503は、シート処理システム100の動作を制御するコントローラ500(制御部)を構成する。
I/F504は、シート処理装置60を構成するシート剥離部1、及び中継搬送部90と、ラミネート処理装置50における各駆動部材や各センサなどをコントローラ500に接続するインターフェースである。コントローラ500は、I/F504を通じて、シート処理装置60を構成するシート剥離部1、及び中継搬送部90と、ラミネート処理装置50における各駆動部材を動作させる。また、コントローラ500は、シート処理装置60を構成するシート剥離部1、及び中継搬送部90と、ラミネート処理装置50における各センサなどからの検知結果を取得する。
なお、巻付けローラモータ201は、巻付けローラ20を駆動させる駆動手段である。カムモータ341は、カム34を駆動させる駆動手段である。切替爪モータ151は、切替爪15を駆動させる駆動手段である。
【0031】
ここで、
図1、
図5(D)、
図6(A)等を参照して、本実施の形態におけるシート剥離部1には、巻付けローラ20に向けて搬送される重合シートPJを検知するシート検知センサとしての第4センサ44が設置されている。そして、第4センサ44(シート検知センサ)の検知結果に基づいて移動機構30が制御されている。
詳しくは、第4センサ44は、巻付けローラ20と第3搬送ローラ対6との間の搬送経路の搬送ガイド部材に配置されている。そして、
図5(D)、
図6(A)等に示すように、重合シートPJが、被把持部Bの側を先頭にして、第3搬送ローラ対6によって巻付けローラ20の位置に向けて逆方向に搬送されるときに、その先端(逆方向搬送時の先端である。)を第4センサ44によって検知する。そして、その検知タイミングをトリガにして、重合シートPJを把持位置に停止させるタイミングと、把持部材32によって被把持部Bを把持するタイミングと、を調整制御している。具体的に、重合シートPJの先端を第4センサ44によって検知してから、所定時間が経過した後に、第3搬送ローラ対6による重合シートPJの逆方向の搬送を停止して、把持部材32が
図2(B)に示す退避位置から
図2(A)に示す把持位置に移動するように、カム34を回動してアーム部材31(移動機構30)を回転させる。
このような制御をおこなうことで、重合シートPJの端面をいかなる部材に突き当てることなく把持部材32と受部20bとによって挟み込む動作が、精度良くおこなわれることになる。
【0032】
ここで、第3搬送ローラ対6は、先に説明したように、巻付けローラ20との間に形成された第3搬送経路K3(搬送経路)において巻付けローラ20の巻付け開始位置Wに向けて一端側(被把持部Bの側である。)を先頭にして前記重合シートを搬送する搬送ローラ対である。
【0033】
また、
図7(A)~(C)、
図10、
図11(A)~(C)等を参照して、剥離爪16について説明する。
剥離爪16は、巻付けローラ20によって一端側(被把持部Bの側)から巻き付けられて、第3搬送ローラ対6(搬送ローラ対)によって他端側(接合部Aの側)が挟持された状態の重合シートPJに対して、巻付けローラ20と第3搬送ローラ対6との間で2枚のシートP1、P2の間に形成される隙間Cに幅方向端部から挿入される爪状の部材である。
詳しくは、本実施の形態において、剥離爪16は、幅方向(
図7の紙面垂直方向であって、
図10の左右方向である。)の両端部にそれぞれ設けられている。また、剥離爪16は、板と上下方向に延びるフィンとを有しており、剥離爪16が重合シートPJに挿入される方向において、前記の板は、後端と、その幅方向中央に先端を有している。前記板の板厚と板幅は、それぞれ前記先端から前記後端にむかって徐々に増加するように形成されている。また、前記フィンの上下長は、重合シートPJに挿入される方向においてフィン先端から徐々に増加するように形成されている。また、剥離爪16は、板とフィンとが後端で十字形状をなしている(
図11(A)参照)。さらに、一対の剥離爪16は、制御部500により制御される不図示の移動手段によって、互いに接触しないように、それぞれ幅方向に移動可能に構成されている。
このように構成された剥離爪16は、
図7(A)に示すように、重合シートPJに隙間Cが形成されるまで、第3搬送経路K3において重合シートPJなどのシートの搬送を妨げない待機位置(
図11(A)に示す位置である。)に待機している。そして、剥離爪16は、重合シートPJ(2枚のシートP1、P2)を分離するときに、
図10、
図11(B)等に示すように、重合シートPJの隙間Cに入り込んで、その隙間Cを大きく確保することになる。
なお、剥離爪16を幅方向に移動させる移動手段としては、例えば、ピニオン・ラック機構を用いることができる。
【0034】
さらに具体的に、一対の剥離爪16を幅方向に移動させる移動手段としての駆動機構76としては、
図12(A)に示すものや、
図12(B)に示すものを用いることができる。
図12に示すように、本実施の形態では、2つの剥離爪16を互いに対向させて配置している。
図12(A)に示す駆動機構76は、2つの剥離爪16をそれぞれベルト駆動によって移動するものであり、
図12(B)に示す駆動機構76は、2つの剥離爪16をそれぞれラック・ピニオン駆動によって移動するものである。
詳しくは、
図12(A)に示す駆動機構76は、駆動プーリ78と従動プーリ79との間にベルト80が張架され、そのベルト80に2つの剥離爪16が互いに対向して取り付けられている。ここで、一方の剥離爪16は下側のベルト80に、他方の剥離爪16は上側のベルト80にそれぞれ接続されている。また、駆動プーリ78には、剥離爪モータ77のモータ軸に設置されたモータギアに噛合する駆動ギアが設置されている。そして、剥離爪モータ77の回転出力が、ベルト80に伝達される。具体的に、剥離爪モータ77のモータギアが
図12(A)の時計方向に回転すると2つの剥離爪16が互いに接近して、剥離爪モータ77のモータギアが
図12(A)の反時計方向に回転すると2つの剥離爪16が互いに離間することになる。
また、
図12(B)に示す駆動機構76は、1つのピニオン84に噛み合う2つのラック83A、83Bが互いに反対方向に伸びて設けられ、それぞれのラック83A、83Bに2つの剥離爪16が互いに対向して取り付けられている。ピニオン84には、駆動モータ82のモータ軸に設置されたモータギアに噛合する駆動ギアが設置されている。そして、駆動モータ82の回転出力が、ラック83A、83Bに伝達される。具体的に、駆動モータ82のモータギアが
図12(B)の時計方向に回転すると2つの剥離爪16が互いに接近して、剥離爪モータ77のモータギアが
図12(B)の反時計方向に回転すると2つの剥離爪16が互いに離間することになる。
本実施の形態における剥離爪16は、上述したように板と上下方向に延びるフィンを有した形状になっていて、駆動機構76による駆動によって重合シートPJの幅方向に移動可能に構成されているため、
図11(B)に示すように重合シートPJに生じた隙間Cにスムーズに挿入されることになる。
【0035】
また、
図8(A)~(C)等を参照して、切替爪15は、剥離爪16と巻付けローラ20との間に設置されている。そして、第3搬送経路K3(搬送経路)を挟んで第3搬送経路K3から別々の方向に分岐する2つの分岐搬送経路K4、K5に、剥離爪16によって剥離された重合シートPJの腰付き状態の2枚のシートP1、P2が、それぞれ別々に異なる方向に導かれる。このとき、爪状の移動部材である切替爪15が、所定角度の範囲内で正逆回転するように回転移動して重合シートPJを導く。
詳しくは、本実施の形態において、切替爪15は、幅方向(
図8の紙面垂直方向である。)に隙間をあけて複数に分割されて設けられている。また、切替爪15は、制御部500により制御される切替爪モータ151(
図4参照)によって、支軸を中心に回動可能に構成されている。
このように構成された切替爪15は、剥離爪16によって剥離された重合シートPJの腰付きシートP1、P2を分岐搬送経路K4、K5に導くときまで、第3搬送経路K3において重合シートPJなどのシートの搬送を妨げない待機位置(
図8(A)に示す位置である。)に待機している。そして、切替爪15は、重合シートPJの2枚のシートP1、P2(剥離爪16によって分離されたものである。)をそれぞれ分岐搬送経路K4、K5に導くときに(異なる方向に導くときに)、
図8(B)に示すように、重合シートPJの側からみて、第3搬送経路K3への進入を妨げる位置に回動することになる。
これにより、第1のシートP1は第1分岐搬送経路K4に導かれ、第2のシートP2は第2分岐搬送経路K5に導かれることになる。
【0036】
詳しくは、
図8(A)に示すように、隙間Cに剥離爪16が挿入された後の重合シートPJの一端側の巻付けローラ20への巻付けが解除されるように第3搬送ローラ対6によって重合シートPJを他端側(左側である。)に搬送する。そして、
図8(B)に示すように重合シートPJを搬送した後に、
図8(C)に示すように第3搬送ローラ対6によって重合シートPJを再び一端側(右側である。)に搬送して、剥離爪16によって剥離された一方のシートP1を第1分岐搬送経路K4に導いて、他方のシートP2を第2分岐搬送経路K5に導く。その後に、
図9(A)~(C)に示すように、剥離された状態の2枚のシートP1、P2の間に中シートPMが挿入されるように中シートPMを第3搬送経路K3の他端側に向けて搬送している。
【0037】
また、
図7(A)等を参照して、第1ガイド部材25は、第3搬送経路K3において剥離爪16(
図7(B)参照)と巻付けローラ20との間で、重合シートPJの2つのシートP1、P2のうち巻付けローラ20において内側に巻きつけられる第1のシートP1の弛み量を制限する内側制限部材として機能している。
また、
図7(A)等を参照して、第2ガイド部材26は、第3搬送経路K3において剥離爪16(
図7(B)参照)と巻付けローラ20との間で、重合シートPJの2つのシートP1、P2のうち巻付けローラ20において外側に巻きつけられる第2のシートP2が、巻付けローラ20や第3搬送ローラ対6の回転ムラにより弛んでしまったときの弛み量を制限する外側制限部材として機能している。
【0038】
ここで、
図1等を参照して、ラミネート処理装置50には、中シートPMが挿入された状態の重合シートPJを順方向に搬送しながら、その重合シートPJに熱と圧力とを与える熱加圧ローラ対51(内部にヒータ52が設置されている。)が設置されている。また、ラミネート処理装置50には、熱加圧ローラ対51に向けて重合シートPJ(中シートPMが挿入されたものである。)を搬送する搬送ローラ対としての第6搬送ローラ対9が設置されている。
ラミネート処理装置50(熱加圧ローラ対51)を通過した重合シートPJは、中シートPMが内部に挿入された状態で全域が接合されることになる。そして、そのようにラミネート処理が施された重合シートPJは、排出口Nから装置外に排出されて、排出トレイ13上に載置されることになる。
このように、本実施の形態におけるシート処理システム100は、シートPJ、PMを給送する工程と、重合シートPJの2枚のシートP1、P2を剥離する工程と、剥離した2枚のシートP1、P2の間に中シートPMを挿入する工程と、中シートPMが挿入された状態の重合シートPJにラミネート処理を施す工程と、が一連の動作としておこなわれるため、ユーザーの利便性を高めることができる。なお、このような一連の動作は、後述する「自動モード」としておこなわれるものである。
【0039】
また、
図1等を参照して、中継搬送部90には、シート剥離部1から送入された重合シートPJ(中シートPMが挿入されたものである。)をラミネート処理装置50に向けて搬送するための中継搬送経路K6が設けられている。中継搬送経路K6は、対向する2つの搬送ガイド部材(ガイド板)によって形成されていて、その経路中に第4、第5搬送ローラ対7、8が設置されている。
ここで、本実施の形態では、搬送ローラ対としての第6搬送ローラ対9を、ラミネート処理装置50に設置したが、中継搬送部90に設置することもできる。
【0040】
以下、
図5~
図9を参照して、シート剥離部1のシート剥離機構部19において重合シートPJを剥離する動作を中心に、ラミネート処理装置50でラミネート処理が施されるまでの動作について説明する。
また、その動作説明において、適宜に、
図10、
図11を用いて剥離爪16の動作を説明するとともに、
図13のフローチャートを用いて制御フローを説明する。
まず、重合シートPJが第1給送トレイ11から給送されると(
図13:ステップS1)、
図5(A)に示すように、第3搬送経路K3において、接合部Aを先頭にして第2搬送ローラ対5によって順方向(
図5の右方から左方に向かう方向である。)に搬送される。そして、第2搬送ローラ対5によって挟持・搬送された重合シートPJの横レジスト(幅方向の位置ズレ量)が位置ズレ検知部47によって検知される(
図14(A):ステップS2)。
このとき、把持部材32が、巻付けローラ20の外周内側になる把持位置に位置するように、移動機構30が制御されている。すなわち、カム34は、アーム部材31を押圧しない位置に回転移動している。このように把持部材32が把持位置に位置しているとき、把持部材32によって第3搬送経路K3におけるシートの搬送が妨げられることはない。また、切替爪15は、その自由端が下方に回転移動して、第3搬送経路K3におけるシートの搬送を妨げない待機位置に待機している。
そして、
図5(B)に示すように、重合シートPJの被把持部B(順方向後端、一端側)が巻付けローラ20の位置を通過するまで第3搬送ローラ対6で重合シートPJを搬送させて、さらに重合シートPJを順方向に搬送した後に、
図5(C)に示すように重合シートPJの搬送を停止させる。このとき搬送停止するタイミングは、重合シートPJの接合部A(順方向先端、他端側)が第3センサ43によって検知されるタイミングをトリガにしたものであって、その第3センサ43の検知から第3搬送ローラ対6で重合シートPJを所定量X1搬送させたタイミングである(
図13:ステップS2、S3)。
このとき、位置ズレ検知部47によって検知された重合シートPJの横レジスト(幅方向の位置ズレ量)がゼロになるように、重合シートPJを挟持した状態の第3搬送ローラ対6(位置ズレ調整手段)が幅方向に移動する(
図14(B):ステップS24)。なお、第3搬送ローラ対6(位置ズレ調整手段)によって重合シートPJの横レジストを調整するタイミングはこれに限定されない。
そして、
図5(C)に示すように、一時的に第3搬送ローラ対6による重合シートPJの搬送を停止させたときに、把持部材32を把持位置から退避位置へ移動する(
図13:ステップS4)。すなわち、カム34を、アーム部材31を押圧する位置に回転移動させる。この状態は、把持部材32と受部20bとの間に重合シートPJの被把持部Bを受入可能な状態である。
そして、
図5(D)に示すように、第3搬送ローラ対6を逆回転して、重合シートPJの逆方向の搬送を開始する(
図13:ステップS5)。このとき、重合シートPJの被把持部Bを巻付けローラ20の把持位置まで搬送するために、第4センサ44によって、重合シートPJの被把持部B(逆方向先端、一端側)が検知される。
【0041】
そして、
図6(A)に示すように、重合シートPJの被把持部Bが第4センサ44によって検知されるタイミングをトリガにして、重合シートPJの被把持部Bが巻付けローラ20の所定回転位置で巻付け開始位置W(
図2等参照)に達するまで第3搬送ローラ対6で重合シートPJを所定量X2搬送して停止する(
図13:ステップS6、S7)。
そして、
図6(B)に示すように、巻付けローラ20の所定回転位置で把持部材32を退避位置から把持位置へ移動させる(
図13:ステップS8)。すなわち、カム34を、アーム部材31を押圧しない位置に回転移動する。この状態は、
図6(B´)に示すように、重合シートPJの一端側端面がいかなる部材にも突き当たることなく、把持部材32と受部20bとの間で被把持部Bが把持された状態である。なお、
図2の巻付け開始位置Wは、所定回転位置での巻付けローラ20の外周面の位置である。しかし、
図6(A)の退避位置や
図6(B)の把持位置では、巻付けローラ20の外周面自体は存在しない。このため、巻付け開始位置Wは、仮想外周面の巻付け開始位置Wとなる。
そして、
図6(C)に示すように、把持部材32によって重合シートPJを把持した状態で巻付けローラ20を逆方向(反時計方向)に回転するとともに、第3搬送ローラ対6を再び逆転する。このとき、巻付けローラ20の回転が進められると、
図6(D)に示すように、巻付けローラ20と第3搬送ローラ対6との間で、重合シートPJの2枚のシートP1、P2の間に隙間Cが形成されていく。このとき、重合シートPJは、巻付けローラ20の近傍で第1、第2ガイド部材25、26によって、撓みが制限された状態になる。そのため、重合シートPJの隙間Cは、第3搬送ローラ対6に近い位置に集中的に形成されることになる。
【0042】
このように、第3搬送ローラ対6と巻付けローラ20との間であって、第3搬送ローラ対6に対して逆方向下流側に配置された、第4センサ44によって、重合シートPJの逆方向先端を検知する。そして、そのタイミングをトリガにして把持部材32と受部20bとによって重合シートPJの被把持部Bを把持するタイミングを定めているため、必要なシート搬送量X2に対するシート長のばらつき(同じサイズのシートであっても存在する誤差である。)に関わらず、重合シートPJの被把持部Bを所望の把持位置に精度良く搬送することができる。
また、第3搬送ローラ対6と巻付けローラ20との間であって巻付けローラ20の側に第4センサ44を設置することによって、重合シートPJの逆方向先端を検知から必要なシート搬送量X2をシート長によらず短くすることができる。これにより、搬送量X2のばらつきを抑えて、重合シートPJの被把持部Bを所望の把持位置に精度良く搬送することができる。
このようなことから、第4センサ44は、巻付けローラ20に近い位置に配置されることが好ましい。
【0043】
その後、
図6(D)の第3搬送ローラ対6の逆転が継続されるとともに巻付けローラ20による重合シートPJの巻付けが開始されてから、第3搬送ローラ対6による搬送量が所定量X3に達した時点で、
図7(A)に示すように、第3搬送ローラ対6による搬送が停止されるとともに、巻付けローラ20による重合シートPJの巻付けが停止される(
図13:ステップS9)。この状態は、重合シートPJが巻付けローラ20に1周以上巻き付けられた状態であるとともに、重合シートPJの隙間Cが充分に広がった状態である。また、重合シートPJの接合部Aは、第3搬送ローラ対6に挟まれている状態である。
そして、
図7(B)に示すように、充分に広げられた重合シートPJの隙間Cに剥離爪16が挿入される(
図13:ステップS10)。すなわち、
図10、
図11(A)に示すように、一対の剥離爪16が、それぞれ、
図11(A)の待機位置から
図11(B)の剥離位置に移動される。このとき、ステップS24で位置ズレ調整手段として機能する第3搬送ローラ対6によって、重合シートPJの横レジスト(幅方向の位置ズレ量)がゼロになるように調整されているため、重合シートPJの隙間Cに剥離爪16がスムーズに挿入されることになる。
そして、
図7(C)に示すように、剥離爪16が隙間Cに挿入された状態で、第3搬送ローラ対6の正転が開始されるとともに、巻付けローラ20の正方向(時計方向)の回転が開始される(
図13:ステップS11)。
なお、このとき、巻付けローラ20の正方向(時計方向)の回転で重合シートPJを搬送できる場合、接合部Aが第3搬送ローラ対6に挟まれていなくてもよい。すなわち、巻付けローラ20の正方向の回転で重合シートPJの接合部Aを第3搬送ローラ対6側に搬送して、その後に接合部Aを第3搬送ローラ対6に挟ませて、第3搬送ローラ対6で重合シートPJを搬送してもよい。
【0044】
そして、
図8(A)に示すように、第3搬送ローラ対6に正転による重合シートPjの搬送が所定量X4おこなわれた後に、第3搬送ローラ対6の正転と巻付けローラ20の正転とがそれぞれ停止される(
図13:ステップS12)。このとき、把持部材32には重合シートPJが巻き付いておらず、把持部材32は、巻付け開始位置Wに位置した重合シートPJの被把持部Bを把持解除可能な状態である。すなわち、把持部材32は、巻付け開始位置Wで、被把持部Bを把持する把持位置から退避位置へ移動することできる。
そして、その状態で把持部材32を把持位置から退避位置へ移動させて、把持部材32を第3搬送経路K3上に位置した状態にする(
図13:ステップS13)。すなわち、
図2(B)に示すようにカム34を回転させて、アーム部材31を押圧する位置に回転移動させる。この状態は、把持部材32による重合シートPJの把持が解除された状態である。なお、本実施の形態では、カム34(移動機構30)を移動させて把持部材32による把持を解除したが、把持部材32による把持力よりも第3搬送ローラ対6の搬送による引抜き力が大きい場合には、カム34(移動機構30)の移動をせずに、第3搬送ローラ対6の搬送による引抜きによって、把持部材32による把持を解除することもできる。
その後、
図8(B)に示すように、第3搬送ローラ対6を再び正転させて、重合シートPJの順方向の搬送を開始する(
図13:ステップS14)。そうすると、第4センサ44によって、重合シートPJの被把持部B(順方向後端、一端側)が検知される。そして、重合シートPJの被把持部B(順方向後端、一端側)が切替爪15上を通過した後に、把持部材32を退避位置から把持位置へ移動させるとともに、切替爪15を待機位置から切替位置に時計方向に回動させる。そして、
図8(B)に示すように、重合シートPJの順方向後端の被把持部Bが剥離爪16の近傍に達したときには、2枚のシートP1、P2の後端が大きく分離して開かれた状態になる。
そして、重合シートPJの順方向後端が第4センサ44によって検知されるタイミングをトリガにして、第3搬送ローラ対6で重合シートPJを所定量X5搬送して停止した後に、
図8(C)に示すように、第3搬送ローラ対6を逆転して重合シートPJの逆方向の搬送を開始する(
図13:ステップS15、S16)。このとき、切替爪15の自由端は、第3搬送経路K3への重合シートPJの進入を遮断する切替位置に位置しているため、剥離された状態の2枚のシートP1、P2は、
図8(C)に示すように、2つの分岐搬送経路K4、K5にそれぞれ導かれていくことになる。このとき、重合シートPJにおける接合部Aの近傍を第3搬送ローラ対6で挟持した状態で搬送停止するために、第5センサ45(
図1参照)によって、重合シートPJの接合部A(逆方向後端、他端側)が検知される。
【0045】
そして、
図9(A)に示すように、重合シートPJの逆方向後端が第5センサ45(
図1参照)によって検知されるタイミングをトリガにして、第3搬送ローラ対6で重合シートPJを所定量X6搬送して停止する(
図13:ステップS17、S18)。このとき、重合シートPJの接合部Aは、第3搬送ローラ対6のニップの位置か、ニップよりも僅かに左方の下流側の位置にある。すなわち、重合シートPJの他端側が第3搬送ローラ対6に挟持された状態である。
そして、
図9(A)に示すように、第2給送トレイ12(
図1参照)からの中シートPMの搬送を開始する(
図13:ステップS19)。このとき、第3センサ43によって、中シートPMの先端(順方向先端、他端側)が検知される。さらに、
図9(B)に示すように、剥離爪16を待機位置に移動させる。
また、
図9(A)、(B)に示すように、第2搬送ローラ対5によって挟持・搬送された中シートPMの横レジスト(幅方向の位置ズレ量)が位置ズレ検知部47によって検知される(
図14(A):ステップS20)。そして、
図9(B)に示すように、位置ズレ検知部47によって検知された中シートPMの横レジスト(幅方向の位置ズレ量)と同等の横レジスト(幅方向の位置ズレ量)が生じるように、重合シートPJを挟持した状態の第3搬送ローラ対6(位置ズレ調整手段)が幅方向に移動する(
図14(B):ステップS25)。
その後、
図9(C)に示すように、中シートPMの順方向先端が第3センサ43によって検知されるタイミングをトリガにして、第2搬送ローラ対5で中シートPMを所定量X7搬送した後に、第3搬送ローラ対6による重合シートPJの順方向の搬送を再開する(
図13:ステップS20、S21)。このとき、中シートPMは、2枚のシートP1、P2の間の所望位置に、精度よく挟まれた状態になる。こうして、重合シートPJにおける2枚のシートP1、P2の間に中シートPMを挿入する工程が終了する(ステップS31)。
そして、第3搬送ローラ対6による順方向の搬送によって、中シートPMが挿入された状態の重合シートPJが、中継搬送部90を介してラミネート処理装置50に搬送されて、ラミネート処理装置50で重合シートPJに対するラミネート処理が施される(ステップS32)。
そして、ラミネート処理が施された重合シートPJ(中シートPMが挿入されたものである。)は、ラミネート処理装置50から排出されて、排出トレイ13(
図1参照)上に載置されることになる。
【0046】
なお、本実施の形態において、重合シートPJは、
図7(A)の状態において、接合部Aの側の非接合部で2枚のシートP1、P2の間に隙間Cが形成されて、2枚のシートP1、P2が剥離(分離)される。
これに対して、
図7(A)の状態において、重合シートPJが第3搬送ローラ対6によって充分な力で挟まれるようであれば、接合部Aを被把持部Bとしてもよい。すなわち、
図6(A)~(D)において、重合シートPJの接合部Aが把持部材32と受部20bとによって把持された状態で、重合シートPJが巻付けローラ20に巻き付けられ、非接合部側が第3搬送ローラ対6に挟まれて搬送されることになる。このとき、第3搬送ローラ対6の回転により重合シートPJのシートP1、P2がお互いにスリップせず同期して搬送されるようにする。例えば、第3搬送ローラ対6のニップ圧を大きくしたり、ローラ材質を摩擦係数の大きいものにしたり、第3搬送ローラ対6の各々のローラの駆動方法を制御したりすることにより、2枚のシートP1、P2のスリップが生じにくくなり、重合シートPJに所望の隙間Cを形成して2枚のシートP1、P2を剥離(分離)することができる。この場合、重合シートPJ中に中シートPMを挿入するまでの重合シートPJの搬送回数を少なくすることもできる。
【0047】
以下、
図14~
図16等を用いて、本実施の形態におけるシート処理システム100において、特徴的な構成・動作について説明する。
先に
図1等を用いて説明したように、本実施の形態におけるシート処理システム100は、シート処理装置60とラミネート処理装置50とで構成されている。
また、シート処理装置60は、シート剥離部1と中継搬送部90とで構成されている。シート剥離部1は、2枚のシートP1、P2が重ね合されて接合部Aで接合された重合シートPJの非接合部を剥離する剥離処理をおこなって、剥離した状態の2枚のシートP1、P2の間に中シートPMを挿入する挿入処理をおこなうものである。中継搬送部90は、シート剥離部1からラミネート処理装置50に向けて重合シートPJ(中シートPMが挿入されたものである。)を搬送するものである。
【0048】
また、ラミネート処理装置50は、シート剥離部1によって剥離された2枚のシートP1、P2の間に中シートPMが挿入された状態の重合シートPJにラミネート処理を施すものである。
ここで、
図14、
図15を参照して、本実施の形態において、ラミネート処理装置50は、シート処理装置60(シート剥離部1及び中継搬送部90)に対して着脱可能に設置されている。すなわち、ラミネート処理装置50は、シート処理装置60に対して、
図14(及び、
図1)に示すように装着されたり、
図15に示すように取り外されたり、することができるように構成されている。
【0049】
さらに具体的に、
図15を参照して、ラミネート処理装置50は、シート剥離部1の上面1aの面積よりも小さな設置面積(符号Zで示した領域の面積である。)で着脱可能に設置される。すなわち、
図16に示すように、シート処理システム100を上方からみたときに、ラミネート処理装置50は、シート剥離部1の上面1aの範囲内に収まった状態になる。
また、
図14(及び、
図1)を参照して、中継搬送部90は、シート剥離部1の側方(
図16の左側である。)において上面1aより高い位置に突出するように構成されていて、その突出した部分がラミネート処理装置50に接続されている(重合シートPJの受け渡し可能に接続されている)。すなわち、シート剥離部1と中継搬送部90とからなるシート処理装置60は、前側面1bの側からみたときに、略L字状に形成されている。
【0050】
そして、ラミネート処理装置50は、シート処理装置60から分離された状態で、単独でラミネート処理のみを施す装置として使用可能に構成されている。
具体的に、
図15(及び、
図14)等に示すように、ラミネート処理装置50には、商用電源400に接続可能な電源コード55が設けられている。そして、電源コード55のプラグ55bを商用電源400のコンセントに差し込んだ状態で、商用電源400からの電力供給によって、ラミネート処理装置50が単独で使用可能になる。
なお、本実施の形態では、このようにラミネート処理装置50が単独で使用される場合に、その姿勢が
図14の姿勢(シート処理装置60に装着されたときの姿勢である。)に対して左右逆転するように想定されている。すなわち、単独で使用される場合に、右利きの操作者に対する操作性を優先して、装置の右側から重合シートPJを手差しで給送して、装置の左側からラミネート処理後の重合シートPJを排出するようにすることを想定している。そのため、電源コード55の根元部55a(装置の外装に露呈する根元の部分であって、その先が装置内において電源ユニットに接続されている。)は、単独で使用される場合に商用電源に近くなる側(
図14の位置である。)に設けられている。
【0051】
他方、シート処理装置60についても、ラミネート処理装置50が分離された状態で、単独で剥離処理や挿入処理を施す装置として使用可能に構成されている。
具体的に、
図15(及び、
図14)等に示すように、シート処理装置60には、商用電源400に接続可能な電源コード65が設けられている。そして、電源コード65のプラグを商用電源400のコンセントに差し込んだ状態で、商用電源400からの電力供給によって、シート処理装置60が単独で使用可能になる。
【0052】
ここで、
図14,
図16等を参照して、本実施の形態におけるシート処理システム100には、ラミネート処理装置50から延びる電源コード55を、シート処理装置60に給送される2枚のシートP1、P2の給送動作と、ラミネート処理装置50から排出されるラミネート処理後の重合シートPJの排出動作と、を妨げない位置に保持(ガイド)するコード保持部材301~303が、シート処理装置60に設けられている。
すなわち、シート処理装置60は、ラミネート処理装置50の電源コード55を、シート処理装置60の給送口M1、M2やラミネート処理装置50の排出口Nから離れた位置に保持するためのコード保持部材301~303が設けられている。
【0053】
詳しくは、本実施の形態において、ラミネート処理装置50の電源コード55が接続される商用電源400に対向する面を「後側面」として、その後側面の反対側の面を「前側面」として、その前側面の側からみて右側の側面を「右側面」として、前側面の側からみて左側の側面を「左側面」としたときに、中継搬送部90は、シート剥離部1及びラミネート処理装置50の左側面の側に配置されている。すなわち、中継搬送部90の右側面90d(
図15、
図16参照)に、シート剥離部1及びラミネート処理装置50が接続されている。
そして、ラミネート処理後の重合シートPJが排出される排出口Nは、ラミネート処理装置50の右側面50d(
図15,
図16参照)に配置されている。
そして、
図14、
図16に示すように、ラミネート処理装置50の電源コード55は、その根元部55aが、ラミネート処理装置50の右側面50dであって、排出口Nに対して前側面50bの側に配置されている。
【0054】
そして、
図14~
図16等を参照して、本実施の形態において、コード保持部材として、第1コード保持部材301、第2コード保持部材302、第3コード保持部材303が設けられている。
第1コード保持部材301は、シート剥離部1の上面1aであって、ラミネート処理装置50に対して前側面1bの側に配置されている。第1コード保持部材301は、上面1aから上方に突出するようにL字状に形成された部材である。
第2コード保持部材302は、中継搬送部90の前側面90bに配置されている。第2コード保持部材302は、前側面90bから前方に突出するようにL字状に形成されている。
第3コード保持部材303は、中継搬送部90の左側面90eに配置されている。第3コード保持部材303は、左側面90eから左側方に突出するようにL字状に形成されている。
そして、電源コード55は、根元部55aから前側面の側に折り曲げられて、ラミネート処理装置50の前側面50bの側で第1コード保持部材301に保持(ガイド)され、さらに中継搬送部90の前側面90bの位置で第2コード保持部材302に保持(ガイド)され、さらに中継搬送部90の左側面90eの位置で第3コード保持部材303に保持(ガイド)され、シート剥離部1の後側面1cの側に折り曲げられるように配回されて、そのプラグ55bが商用電源400のコンセントに差し込まれる。
【0055】
なお、
図16等を参照して、本実施の形態では、第1~第3コード保持部材301~303とは別に、第4、第5コード保持部材304、305も設置されている。
第4コード保持部材304は、中継搬送部90の後側面から後方に突出するようにL字状に形成されている。本実施の形態において、
図16に示すように、第1~第3コード保持部材301~303によって保持された電源コード55を第4コード保持部材304によっても保持するように構成することもできる。
第5コード保持部材305は、シート剥離部1の上面1aであって、ラミネート処理装置50に対して後側面1cの側において、上面1aから上方に突出するようにL字状に形成されている。本実施の形態では、第5コード保持部材305を使用していないが、電源コード55の配置によって使用することもできる。
【0056】
以上述べたように、本実施の形態におけるシート処理システム100は、シート処理装置60に対してラミネート処理装置50が着脱可能に構成されていて、ラミネート処理装置50に専用の電源コード55が設置されているが、その電源コード55をシート処理装置60の給送口M1、M2やラミネート処理装置50の排出口Nから離れた位置に保持するためのコード保持部材301~303がシート処理装置60に設けられている。
そのため、
図17(A)に比較例として示すシート処理システムのように、シート剥離部901と中継搬送部90とからなるシート処理装置960に対して、ラミネート処理装置50が装着されるときに、ラミネート処理装置50の電源コード55をシート処理装置960(シート剥離部901)との間に挟んでしまう不具合を防止することができる。
さらに、
図17(B)に示す比較例としてのシート処理システム900のように、ラミネート処理装置50の電源コード55が排出口N(又は、給送口M1、M2)を横切るように配回されてしまって、ラミネート処理装置からの重合シートPJの排出動作が妨げられてしまう不具合(又は、シート処理装置60におけるシートP1、P2の給送動作が妨げられてしまう不具合)を防止することができる。
【0057】
<変形例1>
図18、
図19に示すように、変形例1におけるシート処理システム100は、第2、第3コード保持部材302、303の構成が
図14等に示すものと相違する。
変形例1において、第2コード保持部材302は、中継搬送部90の前側面90bから突出しないように溝状に形成された部分(L字状の溝である。)であって、中継搬送部90の右側面90dに開口する開口部302aが形成されている。
また、第3コード保持部材303は、中継搬送部90の左側面90eから突出しないように溝状に形成された部分(L字状の溝である。)であって、前側面90bと左側面90eとが交差する側で第2コード保持部材302に連通している。第3コード保持部材303は、中継搬送部90の左側面90eの側で、前側面90bから後側面に向けて連通するように形成されている。
そして、ラミネート処理装置50の電源コード55は、根元部55aから第1コード保持部材301の位置を経由して、開口部302aから第2コード保持部材302に挿入されて第2コード保持部材302と第3コード保持部材303とに保持されて、後側面の側に配回されて商用電源400に接続される。
このように構成した場合であっても、ラミネート処理装置50をシート処理装置60に設置するときにラミネート処理装置50の電源コード55をシート処理装置60との間に挟んでしまう不具合や、ラミネート処理装置50の電源コード55によってシート処理装置60におけるシートP1、P2の給送動作やラミネート処理装置50からの重合シートPJの排出動作が妨げられてしまう不具合が生じにくくなる。
特に、変形例1では、第2、第3コード保持部材302、303が中継搬送部90の前側面90b、左側面90eから突出しないように形成されているため、シート処理システム100自体が小型化、コンパクト化されることになる。
【0058】
<変形例2>
図20、
図21に示すように、変形例2におけるシート処理システム1は、シート処理装置60においてコード保持部材が設置される位置を可変できるように構成されている。
詳しくは、変形例2では、3つのコード保持部材301~303のうち、第1コード保持部材301の位置を、手動操作で左右方向に可変できるように構成されている。
シート保持部1の上面1aには、前側面1bの側に、左右方向に延びる溝部1a1が形成されている。この溝部1a1には、左右方向(右側面の側から左側面の側に至る方向であって、
図21の紙面垂直方向である。)に延びるラック部1a10が形成されている。
一方、第1コード保持部材301は、支軸310aを中心に回動可能なリンク操作部310が設けられている。このリンク操作部310は、その先端部(溝部1a1に挿入される部分である。)に圧縮スプリング320の一端が接続されている。また、圧縮スプリング320の他端は、第1コード保持部材301の先端部(溝部1a1に挿入される部分である。)に接続されている。また、リンク操作部310の先端部には、溝部1a1のラック部1a10に嵌合可能な固定ピニオン部310bが形成されている。
このような構成により、
図21(B)に示すように、操作者が、圧縮スプリング320の付勢に抗するように、リンク操作部310が支軸310aを中心に時計方向に回動するように操作することで、ラック部1a10と固定ピニオン部310bとの嵌合が解除されて、第1コード保持部材301を左右方向に移動可能な状態になる。そして、第1コード保持部材301を所望の位置に移動した後に、
図21(A)に示すように、操作者がリンク操作部310から手を離すことで、圧縮スプリング320の付勢によってリンク操作部310が支軸310aを中心に反時計方向に回動して、ラック部1a10と固定ピニオン部310bとが嵌合して、第1コード保持部材301の左右方向の位置が定まることになる。
このように第1コード保持部材301の位置を可変できるように構成することで、第1コード保持部材301による電源コード55に対する保持性を柔軟に調整することができる。
なお、変形例2では、3つのコード保持部材301~303のうち、第1コード保持部材301の位置のみを可変できるように構成したが、第2、第3コード保持部材302、303の位置も可変できるように構成することができる。
【0059】
<変形例3>
図22、
図23に示すように、変形例3におけるシート処理システム100は、シート処理装置60に、ラミネート処理装置50の電源コード55を巻付け可能なコード巻付け部308が設けられている。
詳しくは、コード巻付け部308は、シート剥離部1の後側面1cから後方に突出する一対のL字状部材が左右対称で対向するように形成されたものである。そして、
図22に示すように、ラミネート処理装置50の後側面の側に根元部55aが位置する電源コード55が、上面1aの後方に設置されたコード保持部材306に保持されて、コードの余剰分がコード巻付け部308に巻き付けられた状態で、大きな緩みがない状態で商用電源400に差し込まれることになる。なお、変形例3において、シート処理装置60の電源コード64をコード巻付け部308に巻き付けるようにしても良い。
このように構成した場合にも、ラミネート処理装置50をシート処理装置60に設置するときにラミネート処理装置50の電源コード55をシート処理装置60との間に挟んでしまう不具合や、ラミネート処理装置50の電源コード55によってシート処理装置60におけるシートP1、P2の給送動作やラミネート処理装置50からの重合シートPJの排出動作が妨げられてしまう不具合が生じにくくなる。
また、変形例3では、
図23に示すように、コード巻付け部308が、シート処理装置60に対して着脱可能に設置されている。具体的に、コード巻付け部308は、
図23(A)に示すようにシート剥離部1の後側面1cに装着されたり、
図23(B)に示すようにシート剥離部1の後側面1cから取り外されたり、できるように構成されている。このように構成することで、電源コード55の巻き付けが不要な場合には、シート処理装置60からコード巻付け部308を取り外すことが可能になる。シート処理装置60に対するコード巻付け部308の固定は、例えば、ネジなどを用いることができる。
なお、変形例3において、
図24に示すように、コード巻付け部308を、シート処理装置60に対して収納可能に設置することもできる。具体的に、コード巻付け部308は、
図24(A)に示すようにシート剥離部1の後側面1cから突出するようにヒンジ308a(例えば、公知のヒンジ機構からなるものである。)を中心に回動されたり、
図24(B)に示すようにシート剥離部1の後側面1cから突出しないようにヒンジ308aを中心に回動されたり、できるように構成されている。このように構成することで、電源コード55の巻き付けが不要な場合には、シート処理装置60から突出しないように、コード巻付け部308をシート処理装置60の収納部(装置の内側に凹状に形成された部分である。)に収納することが可能になる。
【0060】
以上説明したように、本実施の形態におけるシート処理システム100は、2枚のシートP1、P2が重ね合されて接合部Aで接合された重合シートPJの非接合部を剥離する剥離処理をおこなって、剥離した状態の2枚のシートP1、P2の間に中シートPMを挿入する挿入処理をおこなうシート剥離部1を具備したシート処理装置60が設けられている。また、シート剥離部1によって剥離された2枚のシートP1、P2の間に中シートPMが挿入された状態の重合シートPJにラミネート処理を施すラミネート処理装置50が設けられている。そして、ラミネート処理装置50から延びる電源コード55を、シート処理装置60に給送される2枚のシートP1、P2の給送動作と、ラミネート処理装置50から排出されるラミネート処理後の重合シートPJの排出動作と、を妨げない位置に保持するコード保持部材301~303が、シート処理装置60に設けられている。
これにより、ラミネート処理装置50をシート処理装置60に設置するときにラミネート処理装置50の電源コード55をシート処理装置60との間に挟んでしまう不具合や、ラミネート処理装置50の電源コード55によってシート処理装置60におけるシートP1、P2の給送動作やラミネート処理装置50からの重合シートPJの排出動作が妨げられてしまう不具合が生じにくくなる。
【0061】
なお、本実施の形態では、シート剥離部1の左側面の側に中継搬送部90が形成されたシート処理装置60に対して本発明を適用したが、シート剥離部の右側面の側に中継搬送部が形成されたシート処理装置(例えば、
図14のものを左右対称に構成したものである。)に対しても、当然に本発明を適用することができる。その場合、給送口M1、M2や排出口Nは、装置の左側面に形成され、第3コード保持部材303は装置の右側面に形成され、電源コード55の根元部55aは装置の左側面に形成されることになる。
また、電源コード55の根元部55aを、装置の前側面に形成することもできる。
そして、そのような場合であっても、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
【0062】
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【0063】
なお、本願明細書等において、「上面」、「後側面」、「前側面」、「右側面」、「左側面」は、いずれも、一続きの平面に限定されることなく、立体を構成する大まかな面の関係を示すものであって、例えば、凹凸、穴、切欠きを含む面や、他の部材が設置された面や、複数の面(曲面なども含む。)からなるもの、なども含むものと定義する。
【符号の説明】
【0064】
1 シート剥離部、
1a 上面、 1b 前側面、 1c 後側面、 1d 右側面、
19 シート剥離機構部、
20 巻付けローラ、
50 ラミネート装置、
50d 右側面、
55 電源コード(ラミネート処理装置用電源コード)、
55a 根元部、
55b プラグ、
60 シート処理装置、
65 電源コード(シート処理装置用電源コード)、
90 中継搬送部、
90b 前側面、 90c 後側面、 90d 右側面、
100 シート処理システム、
301 第1コード保持部材(コード保持部材)、
302 第2コード保持部材(コード保持部材)、
302a 開口部、
303 第3コード保持部材(コード保持部材)、
304~306 コード保持部材、
308 コード巻付け部、
310 リンク操作部、
400 商用電源、
M1、 M2 給送口、
N 排出口、
P、P1、P2 シート、
PM 中シート、
PJ 重合シート、
A 接合部。
【0065】
なお、本発明における態様は、例えば、以下の通り付記1~8の組み合わせとすることもできる。
(付記1)
2枚のシートが重ね合されて接合部で接合された重合シートの非接合部を剥離する剥離処理をおこなって、剥離した状態の前記2枚のシートの間に中シートを挿入する挿入処理をおこなうシート剥離部を具備したシート処理装置と、
前記シート剥離部によって剥離された前記2枚のシートの間に中シートが挿入された状態の前記重合シートにラミネート処理を施すラミネート処理装置と、
を備え、
前記ラミネート処理装置から延びる電源コードを、前記シート処理装置に給送される前記2枚のシートの給送動作と、前記ラミネート処理装置から排出されるラミネート処理後の前記重合シートの排出動作と、を妨げない位置に保持するコード保持部材が、前記シート処理装置に設けられたことを特徴とするシート処理システム。
(付記2)
前記シート処理装置は、前記シート剥離部と、前記シート剥離部から前記ラミネート処理装置に向けて前記重合シートを搬送する中継搬送部と、を具備し、
前記ラミネート処理装置は、前記シート剥離部の上面で着脱可能に設置され、
前記中継搬送部は、前記シート剥離部の側方において前記上面より高い位置に突出するように構成されて、その突出した部分が前記ラミネート処理装置に接続されたことを特徴とする付記1に記載のシート処理システム。
(付記3)
前記電源コードが接続される商用電源に対向する面を後側面として、前記後側面の反対側の面を前側面として、前記前側面の側からみて右側の側面を右側面として、前記前側面の側からみて左側の側面を左側面としたときに、
前記中継搬送部は、前記シート剥離部及び前記ラミネート処理装置の左側面又は右側面に配置され、
ラミネート処理後の前記重合シートが排出される排出口が、前記ラミネート処理装置の右側面又は左側面に配置され、
前記電源コードは、その根元部が、前記ラミネート処理装置の右側面、左側面、前側面のいずれかであって、前記排出口に対して前側面の側に配置され、
前記コード保持部材は、
前記シート剥離部の前記上面であって、前記ラミネート処理装置に対して前側面の側に配置された第1コード保持部材と、
前記中継搬送部の前側面に配置された第2コード保持部材と、
前記中継搬送部の左側面又は右側面に配置された第3コード保持部材と、
を具備したことを特徴とする付記2に記載のシート処理システム。
(付記4)
前記第1コード保持部材は、前記上面から上方に突出するようにL字状に形成された部材であることを特徴とした付記3に記載のシート処理システム。
(付記5)
前記第2コード保持部材は、前記中継搬送部の前側面から突出しないように溝状に形成された部分であって、前記中継搬送部の右側面又は左側面に開口する開口部が形成され、
前記第3コード保持部材は、前記中継搬送部の左側面又は右側面から突出しないように溝状に形成された部分であって、前記第2コード保持部材に連通し、
前記電源コードは、前記開口部から前記第2コード保持部材に挿入されて前記第2コード保持部材と前記第3コード保持部材とに保持されることを特徴とする付記3又は付記4に記載のシート処理システム。
(付記6)
前記第2コード保持部材と前記第3コード保持部材とのうち少なくとも一方は、前記上面から上方に突出するようにL字状に形成された部材であることを特徴とした付記3に記載のシート処理システム。
(付記7)
前記シート処理装置において前記コード保持部材が設置される位置を可変できるように構成されたことを特徴とする付記1~付記6のいずれかに記載のシート処理システム。
(付記8)
前記シート処理装置は、前記電源コードを巻付け可能なコード巻付け部を具備したことを特徴とする付記1~付記7のいずれかに記載のシート処理システム。
(付記9)
前記コード巻付け部は、前記シート処理装置に対して着脱可能又は収納可能に設置されたことを特徴とする付記8に記載のシート処理システム。
(付記10)
前記ラミネート処理装置は、前記シート処理装置に対して着脱可能に設置されたことを特徴とする請求項1~請求項9のいずれかに記載のシート処理システム。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0066】
【特許文献1】特開2020-121968号公報
【特許文献2】特開2018-134881号公報